説明

アプリケーション作成支援装置

【課題】初心者が、元の状態に復帰できないという不安感から解放され、しかも、容易に試行錯誤することができ、つまり、初めて見るボタンであっても、試しに押下してみることができるアプリケーション作成支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操作時に画面を遷移させる画面遷移手段と、所定の操作ボタンを押下した場合、元の画面に復帰できるかどうかを判別する復帰判別手段とを有することを特徴とするアプリケーション作成支援装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試行錯誤しやすいアプリケーションの作成を支援する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータが一般家庭に浸透し、コンピュータの専門知識を持たない多くの初心者が、さまざまなアプリケーションを使っている。多くのアプリケーションは、1画面の中に複数のメニューボタンが設けられ、複数の操作・設定が可能である。たとえば、一般的な文書作成ソフトやインターネットブラウザ等では、画面上部に、「ファイル」「編集」「表示」「ツール」等のメニューボタンがある。また、メニューボタンを選択した後に開くダイアログ画面内にも、フォントの設定のためのボタン、タブの間隔設定ボタン等、細かに設定するボタンが用意されている。
【0003】
用意されている便利・高度な機能を使いこなすためには、ある程度の試行錯誤が必要であり、このような様々なボタンを押し、その反応を確かめながら、アプリケーションの機能の存在を学び、また、その使い方を学習することが一般的である。
【0004】
しかし、コンピュータ利用経験の少ない初心者ユーザは、試行錯誤することができない。つまり、初心者が、誤ったメニューボタン(ダイアログ内のボタンであってもよい)を選択すると、元の状態に復帰できないという恐れがあり、自分が知っている限定的な機能しか使おうとしないので、初心者ユーザは試行錯誤することができない。
【0005】
ところで、従来、メニューの階層構造全体をユーザに提示することによって、どのボタンを押すと何が起こるかを、ユーザに直接提示する方法が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】植田一博、遠藤正樹、鈴木宏昭、堤江美子著「課題分割の可視化によるインタフェース」日本認知科学会編集 認知科学Vol.9 No.2(June 2002)、pp.260-273
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来例では、自分が必要とする機能名を明確に把握している場合、全体像の中から、自分が必要とする機能がどこに存在しているかをひと目で判別できるので、初めて使う機能であっても、容易に見付けだすことができる。
【0008】
しかし、コンピュータはその構成が非常に複雑であり、全てのボタンの構成を、階層構造で表示できるとは限らない。
【0009】
つまり、上記従来例では、複雑なメニュー構造を具備するアプリケーションにおいて、初心者ユーザが、押したことのないメニューボタンを初めて押すことを促進することは困難である。
【0010】
ある操作を行なった際、元の状態にどの程度簡単に復帰できるかどうかが分かれば、初心者ユーザが抱く、「誤ったメニューを選択してしまった際に、元の状態に復帰できないかも知れない」という不安感を緩和することができる。
【0011】
たとえば、あるダイアログ上のボタン(たとえば「次へ」ボタン)を押したとしても、遷移先の次画面に、「戻る」ボタンが必ず用意されていれば、初心者ユーザは安心して「次へ」ボタンを押し、先へ進むことができる。したがって、各ダイアログ画面の各ボタンについて、そのボタンを押下した際に、元の画面に戻ることが容易かどうかを、アプリケーション作成者が確認し、ユーザに予め示せば、ユーザの試行錯誤を促すことができる。
【0012】
しかし、複雑なメニュー構造を具備するアプリケーションにおいて、アプリケーション作成者が、全画面の全ボタンについて、各ボタンを押下したときに、元の画面に戻ることが容易かどうかを確認するのは、非常に煩雑であるという問題がある。また、現状、誤ったメニューを選択した際に、元の状態に容易に復帰できるかどうかを、定量的に、容易に判別するための方法は提案されていないという問題がある。
【0013】
本発明は、初心者が、元の状態に復帰できないという不安感から解放され、容易に試行錯誤する(初めて見るボタンであっても、試しに押下してみる)ことができるアプリケーション作成支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、操作時に画面を遷移させる画面遷移手段と、所定の操作ボタンを押下した場合、元の画面に復帰できるかどうかを判別する復帰判別手段とを有することを特徴とするアプリケーション作成支援装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、あるボタンを押下した場合「容易に復帰可能」であることが分かるので、初心者は、元の状態に復帰できないという不安感から解放され、容易に試行錯誤することができ、初めて見るボタンであっても、試しに押下してみることができるという効果を奏する。
【0016】
逆に、復帰不可能であると判定されたメニューボタンについて、初心者は、そのボタンを安易に押下しないので、初心者が押してはいけないボタンを押下することによって復帰できなくなるというトラブルを未然に防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例1であるアプリケーション作成支援装置100を示すブロック図である。
【図2】アプリケーション作成支援装置100における画面遷移例を示す図である。
【図3】アプリケーション作成支援装置100における画面遷移データを示す図である。
【図4】復帰容易度データの例を示す図であり、全ボタンと、対応する復帰容易度Kとのリストを示す図である。
【図5−1】アプリケーション作成支援装置100における処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5−2】アプリケーション作成支援装置100における処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例2であるアプリケーション作成支援装置200を示すブロック図である。
【図7−1】アプリケーション作成支援装置200の動作のフローチャートである。
【図7−2】アプリケーション作成支援装置200の動作のフローチャートである。
【図8】アプリケーション作成支援装置300のシステム構成図である。
【図9】アプリケーション作成支援装置300における動作のフローチャートである。
【図10】本発明の実施例4であるアプリケーション作成支援装置400を示すブロック図である。
【図11】実施例4における画面遷移図を示す図である。
【図12】実施例4における他の画面遷移図を示す図である。
【図13−1】実施例4の動作を示すフローチャートである。
【図13−2】実施例4の動作を示すフローチャートである
【図14】アプリケーション作成支援装置400における画面遷移例を示す図である。
【図15】実施例5において、ボタンBx1についての復帰容易度(元の画面Gxに戻るための復帰容易度)の説明図である。
【図16−1】実施例5における処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16−2】実施例5における処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明を実施するための形態は、以下の実施例である。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1であるアプリケーション作成支援装置100を示すブロック図である。
【0020】
アプリケーション作成支援装置100は、操作時に画面遷移を伴うアプリケーションにおいて、ある操作ボタンを押下して画面が遷移した場合、元の画面に戻ることができるかどうかを、容易に判別することができる。また、アプリケーション作成支援装置100は、遷移先の画面から、元の画面に戻るための復帰容易度を計算する技術である。
【0021】
なお、アプリケーションは、画面上に表示されたボタンを押下することによって、別の画面に遷移するソフトウェアである。上記アプリケーションは、たとえば、ある画面で設定値を入力し、「次へ」ボタンを押すと、次の画面に遷移するような、ウィザード形式のアプリケーションであり、また、画面上部のツールバーから、「ファイル」「編集」等の「メニューボタン」を選択するアプリケーションである。さらに、アプリケーションは、Webページであってもよい。つまり、Webページの各ページ(画面)には、リンク(ボタン)が用意され、リンクを押下することによって、異なるWebページ(画面)に遷移するので、Webページは、アプリケーションの1つである。
【0022】
次に、アプリケーション作成支援装置100における画面遷移の動作について説明する。
【0023】
図2は、アプリケーション作成支援装置100における画面遷移例を示す図である。
【0024】
図2に示す画面遷移例では、画面G1に表示されているボタンB11を押下すると、画面G2に遷移し、ボタンB12を押下すると、画面G3に遷移する。
【0025】
なお、ボタンの符号Bxyのうちで、Bの右に記載されている符号xは、現在表示されている画面を示す符号であり、Bの2つ右に記載されている符号yは、現在表示されている画面に表示されているボタンのうちで、何番目のボタンであるかを示す符号である。
【0026】
ボタンB11を押下すると、画面G2に遷移するが、ボタンB21を押下すれば、画面G1に容易に戻ることができる。
【0027】
一方、ボタンB12を押下した場合、画面G1に戻る手段は用意されていないので、ボタンB12は、押下したら復帰不可能なボタンである。
【0028】
また、ボタンB11を押下した後に、画面G1に復帰するためには、ボタンB22ではなく、ボタンB21を選択する。一方、ボタンB33は、遷移先の画面G7において用意されているボタンが、ボタンB71のみであり、ボタンB11と比べて、復帰容易度Kが高い。上記復帰容易度Kは、元の画面に復帰する場合における容易の度合いである。
【0029】
したがって、アプリケーション作成支援装置100は、ボタンを押下した場合、元の画面に戻ることができるかどうかを判別する実施例である。また、元の画面に戻ることができる場合であって、ボタン押下した場合における遷移先の画面に表示されているボタンの数が少なければ、復帰容易度Kが高いと判定し、逆に、ボタンの数が多ければ、復帰容易度Kが低いと判定する。
【0030】
アプリケーション作成支援装置100が、上記復帰容易度Kのデータをユーザに返すことによって、たとえば、ユーザがマニュアル制作者であれば、アプリケーションのマニュアルに、復帰可否・復帰容易度Kを記載することによって、初心者ユーザのアプリケーション使用時の試行錯誤を支援することができる。また、ユーザがアプリケーション作成者であれば、アプリケーション画面そのものに、復帰可否・復帰容易度Kを表示することによって、初心者ユーザのアプリケーション使用時の試行錯誤を支援することができる。
【0031】
さらに、アプリケーション作成支援装置100は、アプリケーション制作者のための「アプリケーションの試行錯誤のしやすさチェックツール」として用いることもできる。すなわち、復帰容易度Kの高いボタンが多ければ多い程、初心者にとって試行錯誤しやすいツールであるので、アプリケーションの制作者が、アプリケーション作成支援装置100を用い、どの程度アプリケーションが試行錯誤しやすいことを確認するために用いることができる。「復帰不可」のボタンについては、復帰可能なように、ボタンを追加することによって、初心者がより試行錯誤しやすいシステムを提供することができる。
【0032】
また、アプリケーション作成支援装置100の適用先がWebページである場合、Webブラウザのプラグイン等として提供することが考えられる。具体的には、Webページのリンク構造を自動でクローリングするクローラーを用い、階層構造を把握し、提案システムに入力し、出力として元ページへ戻るリンクの無いページを探し出し、警告を発する等が考えられる。
【0033】
次に、アプリケーション作成支援装置100のシステム構成について説明する。
【0034】
アプリケーション作成支援装置100は、入力手段10と、処理手段20と、出力手段30とを有する。
【0035】
処理手段20は、データ保持手段21と、復帰容易度計算手段22と、結果蓄積手段23とを有する。
【0036】
入力手段10は、ユーザ(システム利用者)から入力を受け付ける。システム利用者は、アプリケーション作成者や、マニュアル作成者等である。入力手段10は、データ保持手段21に、画面遷移データ(画面ID、各画面に対応するボタンIDと、ボタン押下時の遷移先のリスト)を出力する。
【0037】
図3は、アプリケーション作成支援装置100における画面遷移データを示す図である。
【0038】
たとえば、図2に示すような画面遷移の場合であれば、図3に示す画面遷移データが、データ保持手段21に出力される。画面遷移データの情報は、システム利用者が入力手段10に入力してもよく、何らかのシステムが、自動で画面遷移情報を取得し、入力してもよい。たとえば、Webページのリンク構造を自動で解析するツール等で、Webページ画面の遷移データを、自動で収集するようにしてもよい。
【0039】
データ保持手段21は、入力手段10から入力された画面遷移データを保持する。また、復帰容易度計算手段22から、ボタンBxyの入力があると、ボタンBxyの遷移先画面の情報を、復帰容易度計算手段22に出力する。
【0040】
ボタンBxyの遷移先画面の情報は、ボタンBxyを押下した際の遷移先画面Gzに表示されている全てのボタン名と、各ボタンに対応する遷移先画面のIDである。たとえば、図3に示す例において、ボタンB11の遷移先画面の情報は、遷移先の画面G2のボタンの情報B21→G1、B22→G4である。なお、「Bxy→Gz」は、ボタンBxyを押した場合に、遷移先画面が画面Gzであることを示す。
【0041】
復帰容易度計算手段22は、各ボタンを押下した際に、元の画面に戻れるか否か(=復帰可否)や、復帰容易度Kを計算し、この計算の結果を結果蓄積手段23に蓄積する。復帰可否の判断や、復帰容易度Kの計算の処理については、後述する。
【0042】
結果蓄積手段23は、復帰容易度計算手段22から、計算結果(各ボタンBxyに対応する、復帰容易度Kのデータ)を受け取り、保持し、ユーザの出力要求に応じて、復帰容易度データを、出力手段30に出力する。
【0043】
図4は、復帰容易度データの例を示す図であり、全ボタンと、対応する復帰容易度Kとのリストを示す図である。
【0044】
復帰容易度データは、図4に示すように、全ボタンと、対応する復帰容易度K(数値)であり、たとえば、ボタンB11の復帰容易度Kは1であり、ボタンB12は、復帰不可である。
【0045】
出力手段30に出力される復帰容易度Kのデータは、必ずしもリスト表示になっている必要はなく、ユーザの出力要求のあったボタンの復帰容易度Kのデータのみを出力するようにしてもよい。
【0046】
次に、アプリケーション作成支援装置100における処理の詳細について説明する。
【0047】
図5−1、図5−2は、アプリケーション作成支援装置100における処理の詳細を示すフローチャートである。
【0048】
S1で、入力手段10から、画面遷移データが入力され、データ保持手段21に出力される。データ保持手段21は、入力されたデータを保持し、S2へ進む。
【0049】
S2で、初期値の設定が行われる。具体的には、復帰容易度計算手段22が、x=1、y=1とし、データ保持手段21に出力する。
【0050】
S3〜S6(図の点線囲み部分)は、ボタンBxyの復帰容易度Kを判定する手順である。
【0051】
S3で、データ保持手段21が、ボタンBxyの遷移先の画面Gzの情報を、復帰容易度計算手段22に出力する。たとえば、図3に示す例において、x=1、y=1である場合、z=2である。つまり、画面G1に表示されているボタンB11を押すと、画面G2に遷移する。また、ボタンB11の遷移先画面の情報は、遷移先の画面G2に表示されている全ボタンの情報であり、「B21→G1」、「B22→G4」である。
【0052】
上記「B21→G1」は、ボタンB21を押下すると、画面G1に遷移することを示し、上記「B22→G4」は、ボタンB22を押下すると、画面G4に遷移することを示す。
【0053】
S4で、復帰容易度計算手段22は、押下すれば画面Gxに遷移先するボタンが、画面Gzに表示されているか(復帰可能か不可能か)どうかを判別し、復帰可能な場合、S5に進み、復帰不可能な場合、S5−1に進む。たとえば、図2、図3に示す例において、ボタンB11を押下した場合の遷移先の画面G2には、画面G1に戻るためのボタンB21が表示されるので、ボタンB11を押下すると、「復帰可能」であると判定し、S5に進む。一方、ボタンB12を押下した場合の遷移先の画面G3には、画面G1に戻るためのボタンが表示されないので、「復帰不可能」であると判定し、S5−1に進む。
【0054】
S5で、ボタンBxyを押下した場合における復帰容易度Kを計算する。遷移先の画面Gzに表示されているボタンの数が多ければ多い程、ユーザは、画面Gxに戻るためのボタンを押下することが難しくなるので、復帰容易度Kは低い。
【0055】
具体的には、たとえば、単純に、画面Gz上のボタンの数Mをカウントする。ボタンBxyを押下した場合における画面復帰の容易度であるボタンBxyの復帰容易度K=−Mとし、復帰容易度Kの値を結果蓄積手段23に出力する。たとえば、x=1、y=1、z=2である場合、画面G2上のボタンの数は2個(M=2)であるので、ボタンB11の復帰容易度K=−2である。つまり、復帰容易度Kの値が高い程、元の画面への復帰容易度が高い。より正確に表現すれば、遷移先画面に表示されているボタンの数が少ない程、復帰容易度Kの値は高く、つまり、復帰容易度が高い。
【0056】
遷移先の画面Gzに表示されているボタンの数Mが多ければ多い程、ユーザは元の画面(ボタンBxyが表示されている画面)に戻るためのボタンを見付けるのが難しいので、画面Gzから元画面へ戻り難い(復帰容易度が低い=復帰容易度Kの値が小さい)と考えられる。つまり、ボタンの数Mが多ければ多い程、復帰容易度Kが小さい値になる計算方法である必要がある。
【0057】
復帰容易度Kは、上記方法以外の方法で算出するようにしてもよく、遷移先画面Gzに表示されているボタンの数が多くなるに従って、復帰容易度Kが低くなるような計算方法であればよい。K=−Mを使用する代わりに、たとえば、K=1/Mという計算式を使用するようにしてもよい。
【0058】
また、図2に示す例の場合、画面G2から画面G1に戻るためのボタンは、ボタンB21のみであるが、画面G1に戻るためのボタンが複数ある場合もある。戻るためのボタン数が多ければ多い程、元の画面G1に戻り易い。
【0059】
したがって、ボタンが表示されている元の画面Gxに戻るための画面が、遷移先の画面Gzに複数ある場合、ボタンBxyの復帰容易度Kを、たとえば以下のような式で計算する。
【0060】
復帰容易度K=−1×(画面Gzの全ボタン数M)/(画面Gz上に表示されている元の画面Gxに戻るためのボタン数)
【0061】
つまり、画面Gzから元の画面Gxに戻るボタン数が多ければ、復帰容易度Kが高くなるように、復帰容易度Kを計算する。
【0062】
S5−1で、復帰容易度計算手段22は、復帰容易度K=復帰不可とし、ボタンBxyは、復帰不可であるとし、結果蓄積手段23に出力する。たとえば、図2に示す例において、x=1、y=2である場合、復帰容易度K=復帰不可である。
【0063】
S6で、結果蓄積手段23は、ボタンBxyと、復帰容易度Kとをセットで、蓄積する。
【0064】
図4は、図2に示す例において、各ボタンの復帰容易度Kのデータ例を示す図である。
【0065】
S7〜S10は、データ保持手段21で保持されている全ボタンに対し、復帰容易度Kを計算するために、xの値とyの値とを、1ずつ繰り上げる手順である。
【0066】
全ボタンについて、復帰容易度Kが計算されると、S11に進む。
【0067】
S11で、結果蓄積手段23は、出力手段30に、復帰容易度データ(全ボタンと、対応する復帰容易度Kとのリスト)を、出力し、終了する。
【実施例2】
【0068】
図6は、本発明の実施例2であるアプリケーション作成支援装置200を示すブロック図である。
【0069】
アプリケーション作成支援装置200は、アプリケーション作成支援装置100に、文字列―復帰容易度対応DB40が設けられている装置である。
【0070】
実施例2について、アプリケーション作成支援装置100との差分についてのみ説明する。
【0071】
文字列―復帰容易度対応DB40は、ボタンに記載されている文字列と復帰容易度Kとの対応表を格納しているデータベースである。
【0072】
復帰容易度Kを計算する際には、遷移先の各ボタンに記載されている文字列に対応する復帰容易度Kを、文字列―復帰容易度対応DB40から参照すればよい。
【0073】
次に、アプリケーション支援装置200の動作について説明する。
【0074】
図7−1、図7−2は、アプリケーション作成支援装置200の動作を示すフローチャートである。
【0075】
アプリケーション作成支援装置200のステップが、アプリケーション作成支援装置100のステップと異なる点は、太枠で示すステップS25である。
【0076】
S25で、ボタンBxyの復帰容易度Kを計算し、x、y、復帰容易度Kの値を結果蓄積手段23に出力し、S6に進む。
【0077】
復帰容易度Kの計算方法は、次の通りである。仮に、ボタンBxyを押下した後に、画面Gzに遷移する場合、画面Gxに戻るためのボタンBzwが、画面Gz内で、目立ち易ければ目立ちやすい程、初心者ユーザが、ボタンBzwを探しだすのが容易になり、ボタンBzwを押下し、画面Gxに戻ることが容易である。
【0078】
つまり、ボタンBxwが、画面Gz内で目立ち易い程、復帰容易度Kが高くなるように設定する。たとえば、画面Gzのサイズに占めるボタンBxwのサイズを復帰容易度Kとする。
【0079】
なお、復帰容易度Kは、上記のように、ボタンBxwが画面Gz内で目立ちやすい程、復帰容易度Kが高くなるようにすればよく、上記計算方法以外の計算方法を採用するようにしてもよい。たとえば、目立ちやすさを直接関数にした「誘目度評価関数(非特許文献:田中 昭二ら:画像領域の誘目度評価モデルに対する有効性評価/電子情報通信学会EID、電子ディスプレイ,99(609)、pp.35-40 20000204参照)」を、復帰容易度Kとして用いるようにしてもよい。
【0080】
さらに、画面Gxに戻るためのボタンに記載されている文字列の内容に応じて、復帰容易度Kの高低を変化させるようにしてもよい。たとえば、画面Gxに戻るボタンに、直接的に「戻る」と記載されていれば、復帰容易度Kが高いが、「画面Gx」とだけ記載されていれば、復帰容易度Kは低い。
【実施例3】
【0081】
本発明の実施例3であるアプリケーション作成支援装置300は、ボタンが具備する機能に応じて、復帰容易度Kが変化する実施例である。
【0082】
メニューボタンは、次画面へ遷移するためだけではなく、何らかのアクションが埋め込まれている場合がある。たとえば、ボタンを押下すると、何らかのアクションが実行されたり(「アクション実行」)、何らかの値が保持(値の保持)される場合がある。
【0083】
具体的には、メーラの新規アカウント設定ウィザード画面において、メール受信サーバを選択する画面で、「POP」「IMAP」という2種類のボタンが用意され、どちらかのボタンを押しても、次画面(同じ画面)に進むウィザードがあったとする。遷移先の画面が等しくても、押下したボタンの情報(「POP」または「IMAP」)は、ウィザード内で保持される。そして、ウィザードの最後の画面において「OK」ボタンを押下すると、一時保存されていたPOP(またはIMAP)という情報が用いられ、アカウントが新規で作成される。この場合、「POP」「IMAP」ボタンは、「画面遷移」に加えて、「値の保持」という機能を具備し、また、「OK」ボタンは、「画面遷移」に加えて、「アクション実行」の機能を具備する。
【0084】
「アクション実行」の機能を具備するボタンを押下すると、何らかのアクションが行われるので、ボタンの機能が「画面遷移」のみである場合と比べると、復帰容易度Kが非常に低い。また、「値の保持」機能を具備するボタンを押下すると、アクションがその場で実行される訳ではないので、「アクション実行」の機能を具備するボタンよりも、復帰容易度Kは高いものの、「画面遷移」のみの機能を具備するボタンよりも、復帰容易度Kが低い。
【0085】
また、画面内に表示されているボタンには、「画面遷移」の機能すら持たないボタンも存在する。たとえば、「POP」「IMAP」のどちらかを選択するラジオボタンと、次画面へ遷移するための「次へ」ボタンが、表示されている画面において、「POP」「IMAP」のラジオボタンは、「アクション実行」「値の保持」「画面遷移」のいずれの機能も持たず、「次へ」ボタンを押して初めて、「値の保持」及び「画面遷移」が行われる。したがって、この例におけるラジオボタンは、復帰容易度Kが非常に低い(そもそも画面が遷移しないので、復帰する必要もない)ボタンである。
【0086】
このように、「画面遷移」「値の保持」「アクションの実行」の機能を具備するか否かの組み合わせによって、復帰容易度Kが異なる値を具備し、さらに、「画面遷移」>「値の保持」>「アクションの実行」の順でボタンが具備する機能に応じて、復帰容易度Kを低く設定することによって、より正確に、ボタンの復帰容易度Kを評価することができる。
【0087】
つまり、基本的には、あるボタンを押下したときに、システム内部に大きな変化が生じるのであれば、復帰容易度Kが低くなる。すなわち、ユーザは、ボタンを押した際の影響が大きい場合に、「本当にこのボタンを押して良かったのだろうか…」と不安になるであろうから、あるボタンを押下したときに、システム内部に大きな変化が生じるのであれば、復帰容易度Kを低くする。
【0088】
ボタンを押下した際、画面が遷移するだけであれば、遷移先の画面から「戻る」ボタンを押すと、システム的には何も変化が起きずに元画面に戻ることができる。しかし、ボタン押下時に「値の保持」がされる場合、システム内部で「値が保持される」という変化が起き、ボタン押下時に「アクションの実行」がされる場合には、たとえば何らかのソフトウェアが起動し、設定値の書き換えが実行される等、システム内部の変化が非常に大きくなる。この場合、単に画面が遷移すると比べると、ボタンを押下する際の影響が大きいので、復帰容易度Kが低い。
【0089】
次に、アプリケーション作成支援装置100の動作と異なるアプリケーション作成支援装置300の動作について、説明する。
【0090】
図8は、アプリケーション作成支援装置300のシステム構成図である。
【0091】
図8に示す復帰容易度計算ルール記憶手段50には、「画面遷移」>「値の保持」>「アクションの実行」の順でボタンが具備する機能に応じて、復帰容易度Kを高く設定するルールを記憶する。たとえば、以下のルールが考えられる。
【0092】
・ボタンが画面遷移の機能を具備する場合、復帰容易度K=K−10(復帰容易度Kを10減らす)
・ボタンが値の保持機能を具備する場合、復帰容易度K=K−20
・ボタンがアクションの実行機能を具備する場合、復帰容易度K=K−50とする。
【0093】
この場合、ボタンが全ての機能を具備する場合、復帰容易度K=−10−20−50=−80である。
【0094】
また、ボタンが画面遷移と保持機能との両者の機能を具備していれば、復帰容易度K=−10−20=−30である。
【0095】
復帰容易度Kを高く設定するルールは、必ずしも上記数値である必要はなく、「画面遷移」>「値の保持」>「アクションの実行」の順に、復帰容易度Kの値を小さく設定してあればよい。
【0096】
図9は、アプリケーション作成支援装置300における動作を示すフローチャートである。
【0097】
アプリケーション作成支援装置300のステップが、アプリケーション作成支援装置100のステップと異なる点は、太枠で示すステップS33、S35、S36である。
【0098】
S33で、データ保持手段21は、ボタンBxyの機能の情報を、復帰容易度計算手段22に出力する。
【0099】
S35で、復帰容易度計算手段22は、復帰容易度計算ルール記憶手段50を参照し、読み出した計算方法に従って、復帰容易度Kを計算し、計算結果を結果蓄積手段23に出力する。
【0100】
S36で、結果蓄積手段23は、ボタンBxyの情報と、復帰容易度Kの情報とをセットで、蓄積する。
【0101】
なお、本手法に、アプリケーション作成支援装置100で述べた方法を組み合わせるようにしてもよい。すなわち、画面遷移機能を具備する場合の復帰容易度Kの計算方法は、アプリケーション作成支援装置100に従い、その他のボタンの機能の計算方法については、復帰容易度計算ルール記憶手段50に記憶しているルールを用いるようにしてもよい。
【実施例4】
【0102】
図10は、本発明の実施例4であるアプリケーション作成支援装置400を示すブロック図である。
【0103】
本発明の実施例4は、アプリケーション作成支援装置100を前提とした実施例である。
【0104】
あるボタン(ボタンBxyとする)の遷移先の画面Gzに、元の画面Gxに戻るボタンが表示されていなくても、画面Gzの遷移先の画面(この画面を、仮に画面Gwとする)上に、元の画面Gxに戻るためのボタンが存在すれば、復帰可能であると判定する。
【0105】
アプリケーション作成支援装置400において、復帰容易度計算手段22は、x、y、戻りステップ数mを出力する。
【0106】
図11は、実施例4における画面遷移図を示す図である。
【0107】
具体的には、たとえば、図11に示す画面遷移であれば、ボタンB11の復帰可否を判定する場合、画面G2には、画面G1に戻るためのボタンは存在しないが、ボタンB21を選択した後に、ボタンB31を押下すれば、画面G1に戻ることができる。この場合、ボタンB11は、復帰可能であると判定される。また、この場合、画面G1に戻るためのボタンが、画面G2に表示されている場合よりも、復帰が困難であるので、復帰容易度Kは低い。
【0108】
図12は、実施例4における他の画面遷移図を示す図である。
【0109】
たとえば、図12に示すように、画面G1に戻るボタンが、画面G2〜画面Gn―1には表示されておらず、画面Gnで初めて表示されているとする。ここで、着目するボタンを押下した後に、ボタンの表示されている画面(元の画面)に戻るボタンの押下数を「戻りステップ数m」と定義する。
【0110】
図2に示すボタンB11の戻りステップ数は、1であるが、図11に示すボタンB11の戻りステップ数は、2であり、図12に示す戻りステップ数は、n-1である。
【0111】
戻りステップ数が少ない程、復帰容易度Kは高い。
【0112】
図13−1、図13−2は、実施例4の動作を示すフローチャートである。
【0113】
アプリケーション作成支援装置400のステップが、アプリケーション作成支援装置100のステップと異なる点は、太枠で示すステップS41、S45、S45−1、S45−2、S45−3、S46である。
【0114】
S41で、入力手段10から、画面遷移データが入力される。入力される画面遷移データは、画面遷移データ(画面ID、各画面に対応するボタンIDと、ボタン押下時の遷移先のリスト)に加えて、戻りステップの許容数である。上記戻りステップ許容数は、戻りステップ数mの最大値である。
【0115】
戻りステップ許容数は、必ずしも毎回システム利用者に入力手段10から入力させる形式でなくてもよく、定数を本システムに予め組み込んでもよい。
【0116】
S5で、復帰容易度計算手段22が、遷移先の画面Gz上のボタンの数Mをカウントし、ボタンBxyの復帰容易度Kを計算する。この動作は、アプリケーション作成支援装置100と同様、画面Gzに表示されているボタン数Mが多ければ、復帰容易度Kが低くなる計算方法であればよく、ここでは、便宜上、復帰容易度K=1/Mとする。
【0117】
S45−1〜S45−3で、戻りステップ数mが戻りステップ許容数になるまで、遷移先画面を検索し、復帰容易度Kを計算するためのステップである。
【0118】
S45−1で、画面Gzのmステップ先の全ての遷移先の画面について、遷移先が画面Gxであるボタンが存在するかどうかを、調べ、遷移先が画面Gxであるボタンが存在していれば、S45−2に進み、存在していなければ、S45−3に進む。なお、mの初期値は1である。
【0119】
次に、具体的な例について説明する。上記「mステップ先」とは、たとえば図12において、画面G2の2ステップ先は、画面G4である。
【0120】
図14は、アプリケーション作成支援装置400における画面遷移例を示す図である。
【0121】
また、図14においては、「画面G2の2ステップ先の全ての遷移先の画面」は、画面G5、画面G6、画面G7、画面G8である。
【0122】
たとえば、図14で、z=2、m=2、x=1のとき、S45−1で、「画面G2の2ステップ先の全ての遷移先の画面について、遷移先が画面G1であるボタンが存在するかどうかを調べる」は、すなわち、画面G5〜画面G8の中に、元の画面G1に戻るボタンが存在するかどうかを判別することであり、ボタンB51とボタンB81とが、元の画面G1に戻るボタンであるので、元の画面G1に戻るボタンが「あり」と判定され、S45−2に進む。
【0123】
S45−2で、復帰容易度計算手段22は、S45−1で検索した画面上のボタンの数Mをカウントし、
K=K+1/Mm
とする。
【0124】
上記「1/Mm」は、戻りステップ数mが多い程、復帰容易度Kが低く、かつ、mステップ先の画面に表示されているボタンの数Mが多い程、復帰容易度が低くなることを示す。Kを加算している理由は、m<戻りステップ許容数 になるまで、1/Mmを全てのmに対して加算するためである。S45〜S45−3に記載されている内容を、次の式(1)でまとめて表現することができる。
【0125】
【数1】

【0126】
戻りステップ数mが多い程、復帰容易度Kが下がるような計算方法であれば、上記計算方法でなくてもよい。
【0127】
S45−3で、m=m+1とし、
m<戻りステップの許容数
に当てはまるかどうかを判別する。
【0128】
S6で、結果蓄積手段23は、ボタンBxyと、復帰容易度Kの情報をセットで、蓄積する。また、m=1とする。
【実施例5】
【0129】
本発明の実施例5であるアプリケーション作成支援装置500は、アプリケーション作成支援装置100または400において、戻りステップ数mが同じでも、戻り方が異なる場合に、復帰容易度Kの計算方法を変える実施例である。
【0130】
図15は、実施例5において、ボタンBx1についての復帰容易度(元の画面Gxに戻るための復帰容易度)の説明図である。
【0131】
図15に示す例において、元の画面(ユーザが戻ることを望む画面)Gxに表示されているボタンBx1の復帰容易度を計算する場合について考える。図15(1)に示すように、元の画面Gxが表示されている状態から数えてnステップ目の画面Gx+nに、上記元の画面Gxに直接戻るボタンB(x+n)1が表示されている。この場合、上記元の画面Gxからnステップ進み、上記元の画面Gxに直接戻るボタンB(x+n)1を押して、元の画面Gxに戻る手順を、第1手順とする。この第1手順は、元の画面Gxに直接戻る手順である。
【0132】
また、図15(2)に示すように、上記元の画面Gxからn−pステップ目(pは、p<nを満たす整数)の画面G(n−p)に、上記元の画面Gxよりもpステップ前の画面G(−p)に戻るボタンB(−p)1が表示され、上記元の画面Gxよりもpステップ前の画面G(−p)に、上記元の画面Gxに進むボタンB(−p)1が表示されているとする。この場合、上記元の画面Gxからn−pステップ進み、上記元の画面Gxよりもpステップ前の画面G(−p)に戻るボタンB(−p)1を押して、上記元の画面Gxに戻る手順を、第2手順とする。この第2手順は、元の画面Gxに直接戻らず、元の画面Gxに間接的に戻る。
【0133】
上記第1手順と上記第2手順とは、戻りステップ数mが同じであるが、上記第1手順は、元の画面Gxに直接戻るボタンB(x+n)1が用意されているので、第2手順よりも、復帰が容易であり、復帰容易度Kが高いとする。
【0134】
つまり、実施例5における復帰容易度判定手段は、元の画面Gxからnステップ目に上記元の画面Gxに直接戻るボタンBx1が表示され、このボタンBx1を押す第1の手順は、上記元の画面Gxからn−p(pは、n>pを満たす整数)ステップ進んだ画面Gx+n−pに、上記元の画面Gxからpステップ前の画面Gx−pに戻るボタンB(x−p)1が表示され、上記元の画面Gxからpステップ前の画面Gx―pに表示されている上記元の画面Gxに戻るボタンG(x−p)1を押す手順によって、間接的に上記元の画面Gxに戻る第2の手順よりも、復帰容易度が高いと判定する手段である。
【0135】
図11に示す例であれば、ボタンB11の復帰容易度Kを計算する際、ボタンB21⇒ボタンB31の順に、ボタンを押下すれば、元の画面G1に戻ることができ、この場合におけるボタンの押下回数が2回であるので、戻りステップ数mは、2である。
【0136】
ボタンB21に着目した場合も、上記と同様であり、ボタンB31⇒ボタンB11の順にボタンを合計2回押下すれば、元の画面G2に戻ることができるので、戻りステップ数mは、2である。
【0137】
しかし、図14に示す例において、ボタンB11を押下した場合、画面G3から直接画面G1に戻るパスがある(ボタンB31)が、ボタンB21に着目した場合、元の画面G2に直接戻るパスは用意されておらず、前の画面(元の画面よりも以前に表示された画面)である画面G1に一旦戻ってから、元の画面G2に戻る。
【0138】
このように、直接戻るパスが用意されていれば、復帰容易度Kは高いが、前の画面(元の画面よりも以前に表示された画面)に一旦、戻ってから、元の画面に戻る必要がある場合、復帰容易度Kは低い。なお、上記のように、前の画面(元の画面よりも以前に表示された画面)に一旦、戻ってから、元の画面に戻ることを、「間接的に戻る」という。 次に、実施例5の動作について説明する。
【0139】
図16−1、図16−2は、実施例5における処理の詳細を示すフローチャートである。
【0140】
アプリケーション作成支援装置400のステップが、アプリケーション作成支援装置100のステップと異なる点は、太枠で示すステップS55、S55−2である。
【0141】
S55で、復帰容易度計算手段22は、画面Gz上のボタンの数Mをカウントし、ボタンBxyの復帰容易度K =1/MmSとする。ただし、直接戻るパスが用意されている場合、戻り方法判定値S=1であるとし、直接戻るパスが用意されていない場合には、戻り方法判定値S=2であるとする。すなわち、上記戻り方法判定値Sは、直接戻るパスが用意されているか否かによって、異なる値をとる。
【0142】
つまり、元の画面に直接戻るパスが用意されていれば、復帰容易度Kは高いが、前の画面に一旦、戻ってから、元の画面に戻る必要がある場合、復帰容易度Kは低い。また、遷移先の画面Gzに表示されているボタンの数Mが多ければ、復帰容易度が低い。
【0143】
必ずしもこの計算方法である必要はなく、直接戻るパスが用意されていれば、復帰容易度Kは高いが、前の画面に一旦、戻ってから、元の画面に戻る(間接的に戻る)必要があれば、復帰容易度Kが低くなるような計算方法であればよい。
【0144】
なお、上記実施例を方法の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、画面遷移手段が、操作時に画面を遷移させる画面遷移工程と、所定の操作ボタンを押下した場合、復帰判別手段が、元の画面に復帰できるかどうかを判別し、判別結果を記憶装置に記憶する復帰判別工程とを有するアプリケーション作成支援方法の例である。
【0145】
なお、上記所定の操作ボタンを押下した後に元の画面に復帰できる場合、上記所定の操作ボタンを押下した場合の遷移先の画面に表示されているボタンの数が多い程、復帰容易度が低いと判定し、逆に、上記遷移先の画面に表示されているボタンの数が少なければ、復帰容易度が高いと判定する復帰容易度判定工程を有する。
【0146】
また、上記復帰容易度判定工程は、遷移先の画面で、元の画面に戻るボタンが易い程、復帰容易度が高いと判定する工程である。
【0147】
さらに、上記実施例をプログラムの発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるプログラムの例である。
【符号の説明】
【0148】
100、200、300、400、500…アプリケーション作成支援装置、
10…入力手段、
20…処理手段、
21…データ保存手段、
22…復帰容易度計算手段、
23…結果蓄積手段、
30…出力手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作時に画面を遷移させる画面遷移手段と;
所定の操作ボタンを押下した場合、元の画面に復帰できるかどうかを判別する復帰判別手段と;
を有することを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記所定の操作ボタンを押下した後に元の画面に復帰できる場合、上記所定の操作ボタンを押下した場合の遷移先の画面に表示されているボタンの数が多い程、復帰容易度が低いと判定し、逆に、上記遷移先の画面に表示されているボタンの数が少なければ、復帰容易度が高いと判定する復帰容易度判定手段を有することを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記復帰容易度判定手段は、遷移先の画面で、元の画面に戻るボタンが目立ち易い程、復帰容易度が高いと判定する手段であることを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項4】
請求項2において、
上記復帰容易度判定手段は、上記操作ボタンが具備する機能に応じて、復帰容易度を判定する手段であることを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項5】
請求項2において、
上記復帰容易度判定手段は、1ステップで元の画面に戻れなくても、nステップで元の画面に戻れれば、復帰可能であると判定し、また、戻りステップ数が少ない程、復帰容易度が高いと判定する手段であることを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項6】
請求項2において、
上記復帰容易度判定手段は、元の画面からnステップ目に上記元の画面に直接戻るボタンが表示され、このボタンを押す第1の手順は、上記元の画面からn−p(pは、n>pを満たす整数)ステップ進んだ画面に、上記元の画面からpステップ前の画面に戻るボタンが表示され、上記元の画面からpステップ前の画面に表示されている上記元の画面に戻るボタンを押す手順によって、間接的に上記元の画面に戻る第2の手順よりも、復帰容易度が高いと判定する手段であることを特徴とするアプリケーション作成支援装置。
【請求項7】
画面遷移手段が、操作時に画面を遷移させる画面遷移工程と;
所定の操作ボタンを押下した場合、復帰判別手段が、元の画面に復帰できるかどうかを判別し、判別結果を記憶装置に記憶する復帰判別工程と;
を有することを特徴とするアプリケーション作成支援方法。
【請求項8】
請求項7において、
上記所定の操作ボタンを押下した後に元の画面に復帰できる場合、上記所定の操作ボタンを押下した場合の遷移先の画面に表示されているボタンの数が多い程、復帰容易度が低いと判定し、逆に、上記遷移先の画面に表示されているボタンの数が少なければ、復帰容易度が高いと判定する復帰容易度判定工程を有することを特徴とするアプリケーション作成支援方法。
【請求項9】
請求項7において、
上記復帰容易度判定工程は、遷移先の画面で、元の画面に戻るボタンが目立ち易い程、復帰容易度が高いと判定する工程であることを特徴とするアプリケーション作成支援方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の装置を構成する各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13−1】
image rotate

【図13−2】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16−1】
image rotate

【図16−2】
image rotate


【公開番号】特開2011−107982(P2011−107982A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262247(P2009−262247)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】