説明

アプリケーション管理システム及びその管理方法

【課題】本発明は、アプリケーション管理システム及びその管理方法に関する。
【解決手段】アプリケーション管理システムであって、複数の連続する所定の時間信号を周期的に出力するクロック・ユニットと、受信した2つの連続する時間信号の間でアプリケーションが実行される実行回数を計算するカウント・ユニットと、エイジテーブルを格納する記憶ユニットと、処理ユニットと、を具備する。又、本発明は、アプリケーションの管理方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーション管理システム及びその管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
知能ロボットシステムにおいて、ロボットに多くのアプリケーションをロードすることにより、ロボットは、人のように歩いたり、走ったり、話したりすることができる。ロボット技術の進歩に伴い、新しいアプリケーション及び機能をロボットにロードする必要がある。その結果、オペレーティング・ソフトウェアの負担が増加し、且つロボットシステムの動作が遅くなる。従って、余計なアプリケーションを手動削除するか、又はアプリケーションを管理することが必要となり、人々に不便をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の第一の目的は、前記課題を解決するために、アプリケーション管理システムを提供することである。
【0004】
本発明の第二の目的は、前記課題を解決するために、アプリケーションの管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記第一目的を達成するため、本発明に係るアプリケーション管理システムは、複数の連続する所定の時間信号を周期的に出力するクロック・ユニットと、受信した2つの連続する時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算するカウント・ユニットと、エイジテーブル(age table)を格納する記憶ユニットと、処理ユニットと、を具備する。前記アプリケーションは、論理ポインタを備える。前記エイジテーブルは、系列的な論理ポインタ及び系列的なエイジ値(age value)を備える。前記論理ポインタと前記エイジ値が関連付けられており、前記論理ポインタが逓増するに従って、前記エイジ値も所定の増分を有し、2つの連続する所定の時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記処理ユニットは、前記アプリケーションの論理ポインタに小さい数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに大きい数値を増加する。
【0006】
前記第二目的を達成するため、本発明に係るアプリケーションを管理することに用いられるアプリケーション管理システムにインストールされたアプリケーションの管理方法であって、前記アプリケーションは、論理ポインタを備える。前記アプリケーション管理システムは、エイジテーブルを格納する記憶ユニットを具備する。前記エイジテーブルは、系列的な論理ポインタ及び系列的なエイジ値を備える。前記論理ポインタと前記エイジ値が関連付けられており、前記論理ポインタが逓増するに従って、前記エイジ値も所定の増分を有し、前記アプリケーションの管理方法は、複数の連続する所定の時間信号を出力するステップと、受信した2つの連続する所定の時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算するステップと、2つの連続する所定の時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第1数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第2数値を増加するステップと、を備え、前記第1数値は前記第2数値よりも小さい数値である。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアプリケーション管理システム及びその管理方法において、受信した2つの連続する時間信号の間で、前記アプリケーションが頻繁に実行される場合、論理ポインタに小さい数値を増加するため、受信した2つの所定の時間信号の間に、頻繁に実行されないアプリケーションは、頻繁に実行されるアプリケーションより更に古くなる。前記アプリケーションのエイジ値が所定のエイジ値より大きければ、前記アプリケーションを削除するため、実行されないアプリケーションが削除される。なお、ロボットが使用している間の環境影響をシミュレーションできるホワイトノイズは、前記アプリケーションの老化している間に増加される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態のアプリケーション管理システムのブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態のアプリケーション管理システムのブロック図である。
【図3】図2のアプリケーション管理システムのエイジの数値を示した図である。
【図4】本発明のアプリケーションの管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0010】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係るアプリケーション管理システム10は、クロック・ユニット110と、カウント・ユニット120と、記憶ユニット130と、処理ユニット140と、リセット・ユニット150と、を備える。
【0011】
前記クロック・ユニット110は、複数の連続する所定の時間信号を出力することに用いられる。2つの連続した時間信号の間の時間間隔は予め設定することができ、使用している間に変更することもできる。
【0012】
前記カウント・ユニット120は、受信した2つの連続する時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算することに用いられる。
【0013】
前記記憶ユニット130は、前記アプリケーション及び1つのエイジテーブルを格納することに用いられる。前記アプリケーションは、1つの論理ポインタ及び1つのフラグを備え、前記フラグが前記アプリケーションの実行状態を示すフラグビットを有する。前記アプリケーションが実行されると、前記フラグビットは、第3数値から第4数値に変更し、例えば、前記フラグビットが“0”であると、前記アプリケーションは実行されたことがなく、前記フラグビットが“1”であると、前記アプリケーションは実行されたことがある。初期状態で前記フラグビットが“0”に設定される。前記フラグビットが“0”から“1”に変更された場合、前記カウント・ユニット120は、実行回数に1をプラスすることにより、前記アプリケーションの実行総回数を示す。
【0014】
前記エイジテーブルは、系列的な論理ポインタPT,PT,…,PTj及び系列的なエイジ値O,O, …,Ojを備え、前記論理ポインタと前記エイジ値が関連付けられており、各々の論理ポインタPTjが1つのエイジ値Ojに対応し、jは自然数である。前記エイジ値は、前記アプリケーションの老化程度を示すことに用いられ、前記エイジ値が大きければ大きいほど前記アプリケーションが古くなったことを意味する。
【0015】
表1は、前記論理ポインタと前記エイジ値との間の関係を示す。本実施形態において、PT,PT,…,PTjは、逓増する系列であって、エイジ値O,O, …,Ojも逓増する系列である。初期状態で前記アプリケーションの論理ポインタはPTを指し、従って前記アプリケーションのエイジ値がOである。
【0016】
【表1】

【0017】
2つの連続する所定の時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記処理ユニット140は、前記アプリケーションの論理ポインタに第1数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第2数値を増加する。前記第1数値は前記第2数値よりも小さい数値である。従って前記アプリケーションの論理ポインタが次の論理ポインタに変更され、前記アプリケーションのエイジ値も増加される。前記所定の数値は、ロボットの実際の用途によって設定し、前記ロボットを使用している間に変更することができる。受信した2つの連続する時間信号の間の時間間隔で、頻繁に実行されないアプリケーションは、頻繁に実行されるアプリケーションより更に古くなる。
【0018】
前記リセット・ユニット150は、前記フラグビットが“1”であることを探測した場合、前記フラグビットを“0”にリセットすることに用いられ、且つ前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記カウント・ユニット120をリセットすることに用いられる。
【0019】
前記処理ユニット140は、前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記アプリケーションの論理ポインタに関連するエイジ値が所定のエイジ値より大きいかどうかを検出して、もしエイジ値が所定のエイジ値よりも大きければ、前記アプリケーションを削除することに用いられる。従って余計なアプリケーションが削除される。
【0020】
図2及び図3を参照すると、第2の実施形態のアプリケーション管理システム10aは、第1の実施形態のシステム10に比べて、ランダム番号生成ユニット160aをさらに備え、且つ前記論理ポインタ毎はnビットのバイナリーデータ20を備え、nは自然数である。
【0021】
前記ランダム番号生成ユニット160aは、受信した2つの連続する時間信号の間の時間間隔で、mビットのランダムなバイナリーデータ22を生成することに用いられ、mがnより小さい自然数である。前記ランダムなバイナリーデータ22は、ホワイトノイズを表現することができる。前記処理ユニット140aは、前記mビットのランダムなバイナリーデータ22を変更した論理ポインタに書き込むことに用いられる。
【0022】
前記mビットのランダムなバイナリーデータ22は、正規分布に従うように生成され、前記論理ポインタを変更しない前記mビットのランダムなバイナリーデータ22が生成される確率が最も高い。
【0023】
図3を参照すると、各論理ポインタは、nビットのバイナリーデータ20を備える。前記論理ポインタは、m個ビットを予定でき(m<n)、前記処理ユニット140aが前記mビットのランダムなバイナリーデータ22を論理ポインタに書き込むことを許可する。
【0024】
前記mビットのランダムなバイナリーデータ22が論理ポインタに書き込まれてから、前記論理ポインタが次の論理ポインタに変更されることができ、前記エイジ値も変更される。前記ホワイトノイズが前記アプリケーションの老化過程に増加される。前記ホワイトノイズは、前記システムを使用しているロボット周囲の環境影響にシミュレーションできる。
【0025】
図4を参照すると、本発明のアプリケーションの管理方法は、ステップ210〜ステップ260を含む。ステップ210において、複数の連続する所定の時間信号を周期的に出力する。ステップ220において、受信した2つの連続する時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算する。ステップ230において、2つの連続する時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記処理ユニット140は、前記アプリケーションの論理ポインタに第1数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第2数値を増加する。前記第1数値は前記第2数値よりも小さい数値である。ステップ240において、前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、実行回数をリセットする。ステップ250において、前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記アプリケーションの論理ポインタに関連するエイジ値が所定のエイジ値より大きいかどうかを検出する。ステップ260において、もし前記エイジ値が所定のエイジ値より大きければ、前記アプリケーションを削除する。
【0026】
以上本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種種変更可能であることは勿論であって、本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【0027】
10、10a アプリケーション管理システム
110 クロック・ユニット
120 カウント・ユニット
130 記憶ユニット
140、140a 処理ユニット
150 リセット・ユニット
160a ランダム番号生成ユニット
20 nビットのバイナリーデータ
22 mビットのランダムなバイナリーデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションを管理することに用いられるアプリケーション管理システムであって、
複数の連続する所定の時間信号を周期的に出力するクロック・ユニットと、
受信した2つの連続する時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算するカウント・ユニットと、
エイジテーブルを格納する記憶ユニットと、
処理ユニットと、
を具備し、
前記アプリケーションは、論理ポインタを備え、
前記エイジテーブルは、系列的な論理ポインタ及び系列的なエイジ値を備え、前記論理ポインタと前記エイジ値が関連付けられており、前記論理ポインタが逓増するに従って、前記エイジ値も所定の増分を有し、
2つの連続する所定の時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記処理ユニットは、前記アプリケーションの論理ポインタに第1数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第2数値を増加し、前記第1数値は前記第2数値よりも小さい数値であることを特徴とするアプリケーション管理システム。
【請求項2】
前記アプリケーションは、フラグビットを有するフラグをさらに備え、前記アプリケーションが実行されると、前記フラグビットは第3数値から第4数値に変更され、
前記アプリケーション管理システムは、リセット・ユニットをさらに備え、
前記リセット・ユニットは、前記第4数値が前記リセット・ユニットに検出されると、前記第4数値を前記第3数値にリセットし、
前記カウント・ユニットは、前記第4数値をトラックして、実行回数に1をプラスすることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項3】
前記リセット・ユニットは、前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記カウント・ユニットをリセットすることを特徴とする請求項2に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項4】
前記系列的な論理ポインタのそれぞれは、nビットのバイナリーデータを備え、nが自然数であることを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項5】
mビットのランダムなバイナリーデータを生成することに用いられるランダム番号生成ユニットをさらに備え、
mがnより小さい自然数であり、
前記処理ユニットは、前記mビットのランダムなバイナリーデータを変更した論理ポインタに書き込むことを特徴とする請求項4に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項6】
前記mビットのランダムなバイナリーデータは、正規分布に従うように生成されることを特徴とする請求項5に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項7】
前記処理ユニットは、前記アプリケーションの論理ポインタに関連するエイジ値が所定のエイジ値より大きいかどうかを検出し、もし前記エイジ値が所定のエイジ値より大きければ、前記アプリケーションを削除することを特徴とする請求項1に記載のアプリケーション管理システム。
【請求項8】
アプリケーションを管理することに用いられるアプリケーション管理システムにインストールされたアプリケーションの管理方法であって、
前記アプリケーションは、論理ポインタを備え、
前記アプリケーション管理システムは、エイジテーブルを格納する記憶ユニットを具備し、
前記エイジテーブルは、系列的な論理ポインタ及び系列的なエイジ値を備え、前記論理ポインタと前記エイジ値が関連付けられており、前記論理ポインタが逓増するに従って、前記エイジ値も所定の増分を有し、
前記アプリケーションの管理方法は、
複数の連続する所定の時間信号を出力するステップと、
受信した2つの連続する所定の時間信号の間で前記アプリケーションが実行される実行回数を計算するステップと、
2つの連続する所定の時間信号のうち後の所定の時間信号を受信した時、もし前記実行回数が所定の数値より大きければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第1数値を増加し、そうでなければ、前記アプリケーションの論理ポインタに第2数値を増加するステップと、
を備え、前記第1数値は前記第2数値よりも小さい数値であることを特徴とするアプリケーションの管理方法。
【請求項9】
前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記カウント・ユニットをリセットするステップを備えることを特徴とする請求項8に記載のアプリケーションの管理方法。
【請求項10】
前記アプリケーションの論理ポインタが増加されてから、前記アプリケーションの論理ポインタに関連するエイジ値が所定のエイジ値より大きいかどうかを検出するステップと、
前記エイジ値が所定のエイジ値より大きければ、前記アプリケーションを削除するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載のアプリケーションの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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