説明

アプリケーション開発支援装置及びアプリケーション開発支援方法

【課題】 出資者がアプリケーションプログラムの開発に対して適切に出資を行うと共に開発者が当該開発を適切に行う。
【解決手段】 アプリケーション開発支援装置は、アセットを示すアセット情報とメタデータとを格納するアセットデータデータベース11と、出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力部12と、出資意図情報とメタデータとを比較することによって出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定部13と、ユーザ端末20において実行されたアプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報を含む使用履歴を入力する使用履歴入力部14と、特定されたアセットに係る使用履歴に基づいてアプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコアを算出するスコア算出部15と、スコアに応じた情報を出力する出力部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションプログラムの開発を支援するアプリケーション開発支援装置及びアプリケーション開発支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末装置を用いて通信網を介して所望のアプリケーションプログラムをダウンロードし、そのアプリケーションプログラムを起動して端末装置を商品検索やコンテンツ検索等の所期の目的に使用するといった活用方法が普及している。アプリケーションプログラムには一般に有料のアプリケーションプログラムと無料のアプリケーションプログラムとが存在する。例えば、特許文献1では、有料のアプリケーションプログラムと広告とを連動させることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−320095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有料のアプリケーションプログラムは、ユーザがダウンロードする際にユーザに課金することでアプリケーションプログラム提供者は料金を徴収することができる。これにより、アプリケーションプログラム提供者は、徴収した料金をアプリケーション開発費用等に充てることが可能である。
【0005】
無料のアプリケーションプログラムは、ダウンロードする際にユーザに課金することはない。無料のアプリケーションプログラム提供者は、ダウンロードの際にユーザに課金すること以外に以下のような方法で料金を徴収しえる。例えば、アプリケーションプログラム起動時に利用できるコンテンツやアイテムに対してユーザに課金するインナップ課金による料金徴収方法やアプリケーションプログラム利用時に広告表示をするといった広告料金徴収方式がある。
【0006】
しかし、コンテンツやアイテムを提供することが目的でないアプリケーションプログラムは、インナップ課金による料金徴収方法を採用することはできない。また、広告料金徴収方法を採用すると、提供するアプリケーションプログラムに対するユーザの嗜好と広告内容の嗜好とが必ずしも一致しないことがある。これにより、広告料金の徴収が見込めないことや、アプリケーションプログラムが多くのユーザによって利用されてマネタイズが可能となる時期までに時間がかかることから、アプリケーション開発費用を回収する前に開発者の開発体力が失われて、アプリケーションプログラムの改善のための開発の継続をあきらめざるをえない状況ともなりえる。
【0007】
一方、アプリケーションプログラム提供開始当初から開発費を出資するアプリケーションプログラムの出資者の観点からは、優良なアプリケーションプログラムを開発できるアプリケーションプログラム提供者に対して出資をしたいといった要望がある。また、アプリケーションプログラムを利用するユーザが、アプリケーションプログラム出資者が販促したい商品を利用するユーザであるといった、出資の意図に合ったアプリケーションプログラムを開発できるアプリケーションプログラム提供者に対して出資したいといった要望がある。例えば、蔵書電子書籍化事業者が、電子書籍関連のアプリケーションプログラムへ出資し、そのアプリケーションプログラムのユーザに自社サービスの販促をしたいといった状況や、アクセサリー販売事業者がアパレル関連のアプリケーションプログラムへ出資し、そのアプリケーションプログラムのユーザにアクセサリー等の商品の販促をしたいといった状況が考えられる。
【0008】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、出資者がアプリケーションプログラムの開発に対して適切に出資を行うと共に開発者(提供者)がアプリケーションプログラムの開発を適切に行うことを可能とするアプリケーション開発支援装置及びアプリケーション開発支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成する為に、本発明に係るアプリケーション開発支援装置は、アセットを示すアセット情報と当該アセットに関連するメタデータとを対応付けて格納するアセットデータデータベースと、出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力手段と、出資情報入力手段によって入力された出資意図情報とアセットデータデータベースに格納されたメタデータとを比較することによって、出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定手段と、1つ以上の端末において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴を入力する使用履歴入力手段と、使用履歴入力手段によって入力された使用履歴のうちアセット特定手段によって特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、アプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコアを算出するスコア算出手段と、スコア算出手段によって算出されたスコアに応じた情報を出力する出力手段と、を備える。
【0010】
本発明に係るアプリケーション開発支援装置では、出資者の出資意図に基づいて特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、アプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコアが算出される。このスコアに応じた情報を参照すれば出資者からの出資を、出資意図に応じて適切にアプリケーションプログラムの開発者に分配することができる。即ち、本発明に係るアプリケーション開発支援装置によれば、出資者がアプリケーションプログラムの開発に対して適切に出資を行うと共に開発者がアプリケーションプログラムの開発を適切に行うことが可能になる。引いては、適切な投資効果が得られることによって、アプリケーションプログラムの開発への投資を促進させ、アプリケーションプログラムの開発自体も促進させることが可能になる。
【0011】
使用履歴入力手段は、アプリケーションプログラムによるアセット情報の利用形態を示す情報を入力して、スコア算出手段は、使用履歴入力手段によって入力された利用形態を示す情報にも基づいてスコアを算出する、こととしてもよい。この構成によれば、例えば、アプリケーションプログラムによるアセット情報の利用が、別のアプリケーションプログラムの指示によって行われる等のアプリケーションプログラム間の連携を考慮して、より適切にスコアを算出することができる。
【0012】
出資情報入力手段は、出資意図情報として特徴語と当該特徴語毎の重みを示す情報とを入力して、アセット特定手段は、出資情報入力手段によって入力された特徴語がメタデータに含まれるか否かを判断して、当該判断と特徴語毎の重みを示す情報とから出資意図に合致するアセットを特定する、こととしてもよい。この構成によれば、適切かつ確実に出資意図に合致するアセットを特定することができ、適切かつ確実に本発明を実施することができる。
【0013】
出資情報入力手段は、出資意図情報として端末を利用するユーザの属性を示す情報を入力して、使用履歴入力手段は、アプリケーションプログラムを実行した端末のユーザの属性を示す情報を含む使用履歴を入力して、スコア算出手段は、出資情報入力手段に入力された情報によって示されるユーザの属性に合致する使用履歴を用いてスコアを算出する、こととしてもよい。この構成によれば、ユーザの属性、例えば、年代や性別に応じてスコアを算出することができる。
【0014】
アセット特定手段は、使用履歴入力手段によって入力された使用履歴にも基づいて、出資意図に合致するアセットを特定しなおすこととしてもよい。この構成によれば、使用履歴に応じてより更に適切にスコアを算出することができる。
【0015】
ところで、本発明は、上記のようにアプリケーション開発支援装置の発明として記述できる他に、以下のようにアプリケーション開発支援方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリ等が異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0016】
即ち、本発明に係るアプリケーション開発支援方法は、アセットを示すアセット情報と当該アセットに関連するメタデータとを対応付けて格納するアセットデータデータベースを備えるアプリケーション開発支援装置によるアプリケーション開発支援方法であって、出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力ステップと、出資情報入力ステップにおいて入力された出資意図情報とアセットデータデータベースに格納されたメタデータとを比較することによって、出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定ステップと、1つ以上の端末において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴を入力する使用履歴入力ステップと、使用履歴入力ステップにおいて入力された使用履歴のうちアセット特定ステップにおいて特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、アプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコアを算出するスコア算出ステップと、スコア算出ステップにおいて算出されたスコアに応じた情報を出力する出力ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、出資者からの出資を出資意図に応じて適切にアプリケーションプログラムの開発者に分配することができ、出資者がアプリケーションプログラムの開発に対して適切に出資を行うと共に開発者がアプリケーションプログラムの開発を適切に行うことが可能になる。引いては、適切な投資効果が得られることによって、アプリケーションプログラムの開発への投資を促進させ、アプリケーションプログラムの開発自体も促進させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係るアプリケーション開発支援装置の機能構成を示す図である。
【図2】本実施形態におけるアセットを概念的に示す図である。
【図3】本実施形態におけるアセットの利用を概念的に示す図(画面イメージ)である。
【図4】本実施形態におけるアプリケーションプログラムによるアセットの利用を概念的に示す図(画面イメージ)である。
【図5】アセットデータデータベースに格納される情報の例を示すテーブルである。
【図6】アプリケーション開発支援装置に入力された出資意図情報の例を示すテーブルである。
【図7】出資意図に合致するアセットの特定、及びアセットデータのアプリケーションプログラムによる利用回数のカウントに用いられる情報の例を示すテーブルである。
【図8】アプリケーションプログラム毎の出資意図に対するスコアの例を示すテーブルである。
【図9】本発明の実施形態に係るアプリケーション開発支援装置のハードウェア構成を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るアプリケーション開発支援装置で実行される処理(アプリケーション開発支援方法)を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面と共に本発明に係るアプリケーション開発支援装置及びアプリケーション開発支援方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1に本実施形態に係るアプリケーション開発支援装置10を示す。アプリケーション開発支援装置10は、アプリケーションプログラムの開発を支援する装置である。具体的には、アプリケーション開発支援装置10は、アプリケーションプログラムの開発に対する出資者の出資意図に対して、アプリケーションプログラムのスコアを算出する装置である。このスコアは、例えば、出資者の出資意図に対するアプリケーションプログラムの貢献度を示すものである。この貢献度を用いることによって出資を適切に配分することが可能になる。
【0021】
即ち、本発明に係るアプリケーション開発支援装置10によれば、出資者側からするとアプリケーションプログラム開発への出資を適切に行うことができる。一方、アプリケーションプログラムの開発者側からするとアプリケーションプログラム開発への出資を適切に受け取ることができる。これによって、アプリケーションプログラムの開発を促進して活性化させるものである。
【0022】
本実施形態に係るアプリケーション開発支援装置10では、アセットという概念を利用して上記を実現する。アセットとは、ユーザが利用可能な現実の資産や物体(例えば、食品、装飾品、アパレル、家具等のリアル物品)と、ユーザがユーザ端末20等において利用可能なデジタルコンテンツ(例えば、テキスト、画像、音楽及び動画のデータ)とを含む概念である。図2にアセットの例を示す。図2に示すようにアセットは、電子書籍(ebook)、アパレル(apparel)、食品(food)等にカテゴリに分類されえる。また、食品のカテゴリは、食材、調理器具、レシピ、アプリ、ニュース/ブログ等のサブカテゴリに分類されえる。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係るアプリケーション開発支援装置10は、移動体通信網あるいはインターネット等の通信網Nを介して通信を行うことができる。アプリケーション開発支援装置10は、当該通信網Nを介して1台以上のユーザ端末20及びアプリケーションデータサーバ30と接続されており、これらの装置20,30との間で情報の送受信を行うことができる。また、アプリケーション開発支援装置10は、制御端末40と接続されており、制御端末40との間でも情報の送受信を行うことができる。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザによって用いられる端末であり、アプリケーションプログラムを実行して様々な機能を実現することができる。また、ユーザ端末20は、通信網Nを介して通信を行うことができ、アプリケーション開発支援装置10及びアプリケーションデータサーバ30との間で情報の送受信をすることができる。具体的には、ユーザ端末20は、具体的には、携帯電話機やスマートフォン、あるいはPC(Personal Computer)等、CPU(Central ProcessingUnit)やメモリ、通信モジュールを備え、アプリケーションを実行できるコンピュータである。
【0025】
ユーザ端末20では、アセットに関連する情報であるアセットデータが利用されえる。アセットデータは、例えば、アセットの画像や名称等、アセットに関連する任意の情報(データ)である。例えば、図3に示すように書籍や電子書籍、服、自動車を示すアセットデータが利用されえる。アセットデータは、アセットデータ毎に予め付与されたアセットデータを示すID等のアセット情報で一意に識別される。なお、アセット情報として、本実施形態とは独立に予めアセットに付与されている情報、例えばISBN(International Standard Book Number)(書籍の場合)等が用いられてもよい。
【0026】
これらのアセットデータは、ユーザ端末20で実行されるアプリケーションプログラムによって利用される。この利用は、例えば、アセットデータを表示したり、アセットデータをユーザ間で共有したり(アセットデータを別のユーザ端末20によって参照、あるいは取得可能な状態とする)、あるいはアセットデータを分析したり(例えば、嗜好抽出)することである。
【0027】
例えば、アセットが書籍であった場合、アセットデータを利用するアプリケーションプログラムは、図4(a)に画面イメージを示すように、読書量をグラフ化するアプリケーションプログラム、自分が所有している書籍を他のユーザと共有するアプリケーションプログラム、ユーザ端末20を利用しているユーザに対して書籍をレコメンドするアプリケーションプログラム等がある。また、食に関するアセットデータを利用するアプリケーションプログラムとして、図4(b)に画面イメージを示すように、料理のレシピを検索するアプリケーションプログラム(個々のレシピがアセットである)、食事管理を行うアプリケーションプログラム(個々の食品がアセットである)、ユーザ端末20を利用しているユーザに対してレストランをレコメンドするアプリケーションプログラム(個々の店舗がアセットである)等がある。
【0028】
なお、これらのアプリケーションは、図4(b)に示すように、出資者からの広告(「週末はみんなでビールホール!」「ヘルシーおつまみビールホール!」「ビールホール駅近にあります」等の表示)が表示されるようになっていてもよい。
【0029】
ユーザ端末20においてのアプリケーションプログラムによるアセットデータの利用は、複数のアプリケーションプログラム間の連携によっても行われえる。例えば、ニュースを視聴するためのアプリケーションプログラム(この場合、個々のニュースがアセットになる)から、別のユーザに対して今週気になったニュースを紹介するために、当該ニュースに係るアセットデータをSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)用のアプリケーションプログラムで利用するというものである。あるいは、音楽検索用のアプリケーションプログラム(この場合、個々の音楽がアセットになる)から、別のユーザに対して音楽を紹介するために、当該音楽に係るアセットデータをSNS用のアプリケーションプログラムで利用するというものである。このように別のアプリケーションプログラムから起動されて、アプリケーションプログラムによってアセットデータが利用されることもある。このようにアセットデータの利用は、キュレーションサービスでも用いられえる。
【0030】
ユーザ端末20は、自端末20において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴(ログ)をアプリケーション開発支援装置10に送信する。アプリケーションプログラムを特定する情報は、例えば、予めアプリケーションプログラムを特定するために一意に付与されたID等の情報である。この送信は、アプリケーションプログラムによってアセットデータが利用される度に行われてもよいし、ユーザ端末20でためておかれた一定期間の情報がまとめて送信されてもよい。
【0031】
また、アプリケーション開発支援装置10の態様によっては、使用履歴には、アセットデータの利用形態が含まれていてもよい。利用形態とは、単独でアセットデータを利用したか、別のアプリケーションプログラムから起動されてアセットデータを利用したか(被起動)、あるいは、別のアプリケーションプログラムにアセットデータを利用させたか(起動)等である。
【0032】
また、アプリケーション開発支援装置10の態様によっては、使用履歴には、ユーザ端末20のユーザの属性を示す情報が含まれていてもよい。ユーザの属性は、例えばユーザの年齢や性別、嗜好である。この情報は、例えば、ユーザによって予めユーザ端末20によって入力されており、使用履歴の送信の際に対応付けて送信される。
【0033】
アプリケーションデータサーバ30は、開発されたアプリケーションプログラムを格納しておくサーバである。アプリケーションデータサーバ30は、例えば、ユーザ端末20からの要求に応じてアプリケーションプログラムをユーザ端末20に送信する。ユーザ端末20に送信されたアプリケーションプログラムは、当該ユーザ端末20において利用可能(実行可能)になる。アプリケーションデータサーバ30は、具体的には例えば、CPUやメモリ、通信モジュールを備えるサーバ装置である。
【0034】
制御端末40は、ユーザ端末20から取得する以外の情報をアプリケーション開発支援装置10に入力するための装置である。制御端末40から入力される情報として、例えば、出資者から出資意図を示す出資意図情報がある。より詳細には後述する。制御端末40は、具体的には例えば、CPUやメモリ、通信モジュールを備える通信端末装置である。
【0035】
引き続いて、アプリケーション開発支援装置10の機能について説明する。図1に示すように、アプリケーション開発支援装置10は、アセットデータデータベース11と、出資情報入力部12と、アセット特定部13と、使用履歴入力部14と、スコア算出部15と、出力部16とを備えて構成されている。
【0036】
アセットデータデータベース11は、アセットを示すアセット情報と当該アセットに関連するメタデータとを対応付けて格納するデータベースである。アセットデータデータベース11は、例えば、図5に示すテーブルに各データを格納する。アセット情報は、各種のアセットに対して予め付与される、アセットを一意に特定する情報である。アセット情報は、例えば、図5に示すようなメタデータIDが相当する。
【0037】
アセットに関連するメタデータは、例えば、図5に示すように、アセット(データ)の名称を示すアセットデータ名、アセット(データ)の内容を文章で説明したアセットデータ概要等の情報のようなテキストで表現される情報である。また、メタデータは、アセット(データ)の分類を示す情報を示すカテゴリやサブカテゴリの情報も含む。また、メタデータとしては、それ以外の情報、ISBN、サムネイル画像、位置情報等の任意の情報が含まれていてもよい。アセットデータデータベース11に記憶される情報は、予めアプリケーション開発支援装置10の管理者等によってアセットデータデータベース11に入力されている。アセットデータデータベース11は、後述するように必要に応じて参照される。
【0038】
出資情報入力部12は、出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力手段である。出資意図は、アプリケーションプログラムの開発への出資者が、どのようなアプリケーションプログラムの開発に対して出資を行うかの意図である。出資者が、図4(b)に示すように開発するアプリケーションプログラムに広告を表示する意図があってもよい。出資意図情報は、制御端末40において出資者(あるいは出資者の代わりに操作を行う操作者)から入力されて、制御端末40からアプリケーション開発支援装置10に送信される。出資情報入力部12は、送信された情報を受信して入力する。
【0039】
図6に出資情報入力部12に入力される出資意図情報の例を示す(図6の1行のデータが1つの出資意図情報に相当する)。出資情報入力部12は、例えば、出資意図情報として特徴語と当該特徴語毎の重みを示す情報とを入力する。この特徴語は、例えば、図6の例に示すように「ビール」、「食」等の出資特徴語である。これは、例えば、レストランを展開する事業者(飲食店事業者)が、出店予定のビアレストランの広告宣伝目的でアプリケーションプログラム開発に出資を行う場合の出資意図情報である。また、各出資特徴語には、重みが付与されていてもよい。図6の例に示すように「ビール」には「10」の重み、「食」には「1」の重みが与えられている。この重みは、例えば、その出資特徴語が、どれだけ出資意図に近い特徴語かを示すものである。
【0040】
また、出資情報入力部12は、出資意図情報としてユーザ端末20を利用するユーザの属性を示す情報を入力することとしてもよい。ユーザの属性としては、例えば、図6の例に示すように「20代女性」、「30代男性」といった、ユーザの年齢や性別、あるいは嗜好を示すものである。出資意図情報は、各出資意図情報を特定するID(例えば、図6に示すNoの欄の情報)が付されて、出資意図を識別できるようになっている。
【0041】
また、出資意図情報として、出資意図が分かるものであれば、任意のものを用いることができる。例えば、図6の例の「出資意図_商品観点(Note1)」の欄に示すように出資意図を文章で表したものであってもよい。また、この文章から、上記の出資特徴語及び重みを抽出することとしてもよい。
【0042】
また、出資意図情報には、図6の例の「資本金(円)」の欄に示すように出資金額が対応対応付けられていて、出資情報入力部12は、出資金額を示す情報も合わせて入力してもよい。出資情報入力部12は、入力した情報をアセット特定部13に出力する。
【0043】
アセット特定部13は、出資情報入力部12によって入力された出資意図情報とアセットデータデータベース11に格納されたメタデータとを比較することによって、出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定手段である。例えば、アセット特定部13は、出資意図情報として入力された特徴語がメタデータに含まれるか否かを判断して、当該判断と特徴語毎の重みを示す情報とから出資意図に合致するアセットを特定する。
【0044】
具体的には、アセット特定部13は、アセットデータデータベース11に格納されたメタデータを取得する。出資意図情報として入力された特徴語が、アセット毎にメタデータのアセットデータ名やアセットデータ概要の文章等に含まれているか否かを判断する。特徴語がメタデータに含まれていた場合、当該特徴語がメタデータに含まれていた出現回数をカウントする。図7のテーブルは、上述した図6における出資者が飲食店事業者の場合の例である。まず、アセット毎にそれぞれの特徴語のメタデータ内の出現回数をカウントする。そして、カウントした特徴語毎の出現回数と、出資意図情報として入力された特徴語の重みとの積を計算して、それらの和を取ることで出資意図情報(出資意図)に対する各アセットの期待値(図7のテーブルのA欄に示す情報)を算出する。図7に示す例では、“ビール”の重みは“10”であり、“食”の重みは、“1”である。
【0045】
アセット特定部13は、各アセットについて、期待値が予め設定した閾値以上であるか否かを判断する。期待値が閾値以上であると判断されたアセットを、出資意図に合致するアセットとして特定する。例えば、図7に示す例では、閾値が“5”だとすれば、メタデータIDが“C#3−1−1”及び“C#3−3−4”のアセットが出資意図に合致するアセットとして特定される。アセット特定部13は、出資意図に合致するアセットを示す情報を、出資意図を識別する情報と対応付けて、アセットデータフレームとしてスコア算出部15に出力する。アセットデータフレームは、図7に示すような情報である(この段階では、B欄に示す情報は入力されていない)。
【0046】
なお、アセット特定部13は、出資意図情報が特徴語以外の情報であっても、アセットデータデータベース11に格納されたメタデータと比較可能な情報であれば任意の比較を行って出資意図に合致するアセットを特定することとしてもよい。例えば、出資意図情報が文章の情報である場合は、アセットデータ概要の文章の文章との類似度を算出して、出資意図に合致するアセットを特定することとしてもよい。
【0047】
また、アセット特定部13は、後述する使用履歴入力部14によって入力された使用履歴にも基づいて、出資意図に合致するアセットを特定しなおすこととしてもよい(より具体的には後述する)。即ち、アセット特定部13は、使用履歴に基づいてアセットデータフレームを更新することとしてもよい。
【0048】
また、アセットデータフレームの情報は、生成された段階、あるいは更新された段階で制御端末40に出力されてもよい。この情報を参照することで、出資者が、自身の投資意図に合致するアセットがどのようなものであるかを確認することができる。
【0049】
使用履歴入力部14は、1つ以上のユーザ端末20において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴(ログ)を入力する使用履歴入力手段である。使用履歴は、上述したようにユーザ端末20からアプリケーション開発支援装置10に対して送信され、使用履歴入力部14は、送信された使用履歴を受信して入力する。
【0050】
使用履歴は、具体的には例えば、アプリケーションプログラムのIDと、アセット情報を示すID(図5及び図7に示される「メタデータID」)とが対応付けられた情報である。しかしながら、メタデータIDについては、ユーザ端末20において容易に把握できない情報である態様が考えられる。そのような場合、メタデータID以外でアセットデータを特定しえる情報、例えば、商品名や書籍であればISBN等の情報を入力して、アセットデータデータベース11を参照してメタデータIDを特定することとしてもよい。また、ユーザ端末20においてもアセットデータデータベース11を予め保持しておき、ユーザ端末20側でメタデータIDが特定されてもよい。
【0051】
使用履歴入力部14は、ユーザ端末20におけるアプリケーションプログラムによるアセット情報の利用形態を示す情報を含む使用履歴を入力することとしてもよい。また、使用履歴入力部14は、アプリケーションプログラムを実行した端末20のユーザの属性を示す情報を含む使用履歴を入力することとしてもよい。使用履歴入力部14は、入力した使用履歴の情報をスコア算出部15に出力する。
【0052】
スコア算出部15は、使用履歴入力部14によって入力された使用履歴のうち、アセット特定部13によって特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、アプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコアを算出するスコア算出手段である。
【0053】
スコア算出部15は、使用履歴入力部14によって入力された使用履歴を用いて、アクセス数をカウントする。アクセス数は、代表的には、アセットデータ及びアプリケーション毎にアプリケーションによってアセットデータが使用された回数である。
【0054】
続いて、スコア算出部15は、アセット特定部13によって特定されたアセットについてのアクセス数をアプリケーションプログラム毎に集計する(足し合わせる)。本実施例の場合、アセット特定部13で特定されたメタデータIDが“C#3−1−1”及び“C#3−3−4”のアセットデータについてのアクセス数がアプリケーションプログラム毎に足しあわされる。このように集計された値が、アプリケーションプログラム毎に出資意図に対するスコア(貢献度)となる。
【0055】
また、スコア算出部15は、使用履歴に含まれる利用形態毎にアクセス数をカウントすることとしてもよい。例えば、単独でアセットデータが利用された場合と、被起動又は起動によって利用された場合とを分けてカウントしてもよい。そして、単独でアセットデータが利用された場合のアクセス数と、被起動又は起動によって利用された場合のアクセス数とを、それぞれ予め設定した重み付けして足し合わせ、足し合わせた値に基づいてスコア(貢献度)を算出することとしてもよい。
【0056】
これによって、例えば、被起動又は起動によってアセットデータを利用した場合、即ち、他のアプリケーションプログラムとの連携によりアセットデータが利用されていた場合には、アプリケーションプログラムとの連携を強化して、アプリケーションプログラムの利用を促進するものとして、単独でアセットデータが利用された場合と比べて、出資意図に対してより大きな貢献をしているという扱いをすることができる。
【0057】
図8にスコア算出部15によって(図6の飲食店事業者の出資に対して)算出される情報の例として、アプリケーションプログラム毎の、単独でアセットデータが利用された場合のアクセス数(A欄の値)、被起動又は起動によって利用された場合のアクセス数(B欄の値)、及びそれらを予め設定した重み付けして足し合わせた値(C欄の値)、C欄の値をアセットデータ毎に足し合わせて算出したスコア(貢献度)(D欄の値)の値を示す。また、貢献度の全体に対する割合(貢献度率)や、貢献度が最も高いプログラムの情報(交渉権)等が算出されてもよい。交渉権は、例えば、出資者からの出資を受けることができる交渉を行う権利であり、例えば、貢献率の最も高いアプリケーション開発者に与えられる。また、貢献度率と、当該出資に対して出資情報入力部12において入力された情報によって示される出資金額との積を取ることによって、アプリケーションプログラム毎の出資金額の配分が算出されてもよい。
【0058】
また、スコア算出手段は、出資情報入力部12に入力された情報によって示されるユーザの属性に合致する使用履歴を用いてスコアを算出することとしてもよい。即ち、投資意図に合うユーザのユーザ端末20によって、アプリケーションプログラムがアセットデータを利用した場合のみ、使用された回数としてカウントすることとしてもよい。
【0059】
スコア算出部15によるアクセス数のカウント、及び貢献度の算出は、予め設定した閾値以上の使用履歴(データ)の数が使用履歴入力部14から入力されたことをトリガとして、あるいは一定時間毎に行われる。
【0060】
スコア算出部15は、算出した情報を、例えば図8のテーブルに示す形式で出力部16に出力する。
【0061】
また、スコア算出部15によるスコアの算出に用いられるアクセス数は、アセットデータ及びアプリケーション毎にアプリケーションによってアセットデータが使用された回数にアセットデータ毎の期待値(図7におけるアセットデータフレームのA欄の値)を加味して求めてもよい。例えば、使用回数と期待値の積を取って重み付けされた値としてもよい。これにより、出資意図情報(出資意図)に対する各アセットの期待値を加味してアプリケーションの貢献度を算出できるため、より出資意図に沿ったアプリケーションの評価をすることが可能となる。
【0062】
また、アセット特定部13は、スコア算出部15によって算出されるアセット毎のアクセス数に基づいて(即ち、使用履歴入力部14によって入力された使用履歴に基づいて)、出資意図に合致するアセットを特定しなおすこととしてもよい。即ち、アセットデータフレームの更新をすることとしてもよい。
【0063】
具体的には、アセット特定部13は、スコア算出部15でアセットデータ及びアプリケーション毎にカウントされたアクセス数をアセットデータ毎に集計し、図7に示すアセットデータフレームのB欄に格納する。次に、アセットデータフレームに格納されたアクセス数を用いて、アセットデータフレームの更新をする。例えば、それまでに出資意図に合致するアセットとされたアセットデータであっても、スコア算出部15によって算出されるアセット毎のアクセス数(全てのアプリケーションプログラムによるアクセス数の和)が、予め設定した閾値よりも小さい場合には出資意図に合致するアセットから除外される。また、それまでに出資意図に合致しないアセットとされたアセットデータであっても、スコア算出部15によって算出されるアセット毎のアクセス数(全てのアプリケーションプログラムによるアクセス数の和)とアセットデータの期待値(図7のA欄の値)との積が、予め設定した閾値よりも大きい場合には出資意図に合致するアセットとされる。
【0064】
アセット特定部13による出資意図に合致するアセットの特定、及びスコア算出部15によるアプリケーションプログラム毎の出資意図に対するスコアの算出は、アセットデータ単位で処理を行っていたが、複数のアセットデータの集合を単位として行われてもよい。例えば、図5に示したようにアセットデータを、カテゴリ及びサブカテゴリに予め分類分けしておく。これらのカテゴリ又はサブカテゴリ単位で、出資意図に合致するカテゴリ又はサブカテゴリ(アセットの集合)の特定を行って、それを用いてアプリケーションプログラム毎の出資意図に対するスコアの算出が行われてもよい。アプリケーション開発支援装置10において扱われるアセットデータの数が膨大となる場合には有効である。
【0065】
出力部16は、スコア算出部15から入力した情報に応じた情報を出力する出力手段である。この出力は、例えば、出資された出資金の配分を行う資金配分サーバ(図示せず)に、出資者からの出資毎に図8のテーブルに示す形式のデータを送信することによって行われる。あるいは、アプリケーション開発支援装置10が備える表示装置に表示出力を行うこととしてもよい。
【0066】
これを参照することによって、どのようなアプリケーションプログラムが、どの出資に対してどの程度貢献しているかを把握することができ、出資金の配分等を適切に行うことができる。
【0067】
図9にアプリケーション開発支援装置10のハードウェア構成を示す。図9に示すようにアプリケーション開発支援装置10は、CPU101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read OnlyMemory)103、通信を行うための通信モジュール104、並びにハードディスク等の補助記憶装置105等のハードウェアを備えるコンピュータを含むものとして構成される。これらの構成要素がプログラム等により動作することにより、上述したアプリケーション開発支援装置10の機能が発揮される。以上が、アプリケーション開発支援装置10の構成である。
【0068】
引き続いて、図10のシーケンス図を用いて、本実施形態に係るアプリケーション開発支援装置10で実行される処理であるアプリケーション開発支援方法を説明する。
【0069】
本処理では、まず、制御端末40において、出資意図情報である出資特徴語と出資特徴重みとが入力されて、制御端末40からアプリケーション開発支援装置10に送信される。アプリケーション開発支援装置10では、出資情報入力部12によって出資意図情報が受信される(S01、出資情報入力ステップ)。受信された出資意図情報は、出資情報入力部12からアセット特定部13に出力される。なお、制御端末40における出資意図情報の入力及び送信は、出資意図を有するアプリケーションプログラム開発の出資者が現れた場合に随時行われる。
【0070】
アプリケーション開発支援装置10では、続いて、アセット特定部13によって、出資情報入力部12によって入力された出資意図情報とアセットデータデータベース11に格納されたメタデータとが比較されて、出資意図に合致するアセットが特定される(S02、アセット特定ステップ)。具体的には、上述したように出資意図情報とメタデータとの比較からアセットデータ毎に期待値が算出される。当該期待値が閾値以上のアセットデータを含むアセットデータフレーム(図7に示すような情報)が生成される。
【0071】
生成されたアセットデータフレームの情報(アセットデータ、期待値)は、アセット特定部13から制御端末40に送信される(S03)。この情報を参照することで、出資者が、自身の投資意図に合致するアセットがどのようなものであるかを確認することができる。
【0072】
一方で、ユーザ端末20によって、アプリケーションデータサーバ30からユーザが所望するアプリケーションプログラムがダウンロードされる(S04)。ユーザ端末20では、アプリケーションプログラムがユーザの操作等で実行され、また当該アプリケーションプログラムによって、当該アプリケーションプログラムに応じたアセットデータが利用される(S05)。続いて、ユーザ端末20では、利用されたアセットデータに係るアセット情報と、利用したアプリケーションプログラムを特定する情報とが検出されて、それらが対応付けられた使用履歴がアプリケーション開発支援装置10に送信される(S06)。
【0073】
なお、S04〜S06の処理は、S01〜S03の処理とは独立に行われる。また、S04〜S06の処理は、複数のユーザ端末20によって行われてもよい。また、S04の処理は、アプリケーションプログラムが実行される前に1度だけ行われればよい。また、S05及びS06の処理は、ユーザ端末20においてアプリケーションプログラムが実行されてアセットデータが使用される度に行われる。
【0074】
使用履歴がユーザ端末20から送信されると、アプリケーション開発支援装置10では、使用履歴入力部14によって送信された使用履歴が受信されて入力される(S06、使用履歴入力ステップ)。使用履歴は、使用履歴入力部14からスコア算出部15に出力される。
【0075】
続いて、スコア算出部15による処理が行われるが、この処理は、例えば、予め設定した閾値以上の使用履歴(データ)の数が使用履歴入力部14から入力された場合、あるいは一定時間毎に行われる。スコア算出部15では、アセットデータフレームに基づいて、使用履歴が用いられてアセットデータ及びアプリケーション毎にアプリケーションによってアセットデータが使用された回数(アクセス数)がカウントされる(S07、スコア算出ステップ)。カウントされるアクセス数は、図7のB欄に示す情報に相当する。
【0076】
続いて、アセット特定部13によって、カウントされたアクセス数に基づいて、出資意図に合致するアセットを特定しなおすこととしてもよい(S08、アセット特定ステップ)。即ち、アセットデータフレームが更新されることとしてもよい。具体的には、上述した条件を満たす場合には、出資意図に合致するとされたアセットの除外、及び出資意図に合致するアセットの追加が行われる。
【0077】
続いて、スコア算出部15によって、カウントされたアクセス数に基づいて、アプリケーションプログラム毎の出資に対する貢献度が算出される(S09、スコア算出ステップ)。算出された貢献度の情報は、スコア算出部15から出力部16に出力される。続いて、出力部16によって、アプリケーションプログラム毎の出資に対する貢献度の情報が他の装置に送信される等の所定の出力が行われる(S10、出力ステップ)。
【0078】
なお、S07〜S10の処理は、S01で入力された出資意図情報に係る出資が行われている限り、S04〜S06が引き続き行われることを前提として、繰り返し行われる。このとき、S07で用いられるアセットデータフレーム(出資意図に合致するアセットの情報)は、S08で更新したものが用いられる。また、S08で更新されたアセットデータフレームは、S03の処理と同様にアセット特定部13から制御端末40に送信されてもよい。
【0079】
出力部16から出力された情報を参照することによって、どのようなアプリケーションプログラムが、どの出資に対してどの程度貢献しているかを把握することができ、出資金の配分等を適切に行うことができる。従って、本実施形態によれば、アセットデータの使用に基づくアプリケーションプログラムの評価を通して、出資者からの出資を出資意図に応じて適切にアプリケーションプログラムの開発者に分配することができる。即ち、本実施形態によれば、出資者がアプリケーションプログラムの開発に対して適切に出資を行うと共に開発者がアプリケーションプログラムの開発を適切に行うことが可能になる。引いては、適切な投資効果が得られることによって、アプリケーションプログラムの開発への投資を促進させ、アプリケーションプログラムの開発自体も促進させることが可能になる。また、アプリケーションプログラムの出資者と開発者との適切なマッチングや連携を取らせることができる。
【0080】
更に、市場に数十万存在するアプリケーションプログラムの提供者の中から新しい市場の創造や、新しいユーザ価値の向上に対して貢献していることを評価することもできる。また、アプリケーションプログラムの開発に対して効率的な投資や効率的な開発自体が可能になれば、真に必要なアプリケーションプログラムのみが開発されるというエコシステムも実現可能である。
【0081】
また、本実施形態のように使用履歴にアセット情報の利用形態を示す情報が含められ、それに基づいてアプリケーションプログラムの貢献度を算出することとしてもよい。この構成によれば、例えば、アプリケーションプログラムによるアセット情報の利用が、別のアプリケーションプログラムの指示によって行われる等のアプリケーションプログラム間の連携を考慮して、より適切にスコアを算出することができる。具体的には例えば、他のアプリケーションプログラムからアセットデータの利用の起動あるいは被起動される(度合いが高い)アプリケーションプログラムは、アセットデータの利用の利用においてアプリケーションプログラム間の連携を促進するものとしてより貢献度を上げることができる。
【0082】
本実施形態のように特徴語と特徴語毎の重みを出資意図情報として用いることとすれば、適切かつ確実に出資意図に合致するアセットを特定することができ、適切かつ確実に本発明を実施することができる。また、ユーザの属性を考慮して貢献度を算出することとしてもよい。この構成によれば、ユーザの属性、例えば、年代や性別に応じてスコアを算出することができる。
【0083】
また、本実施形態のように使用履歴に基づいて出資意図に合致するアセットを特定しなおすこととしてもよい。この構成によれば、使用履歴に応じてより更に適切にスコアを算出することができ、投資効果を向上させることができる。
【符号の説明】
【0084】
10…アプリケーション開発支援装置、11…アセットデータデータベース、12…出資情報入力部、13…アセット特定部、14…使用履歴入力部、15…スコア算出部、16…出力部、20…ユーザ端末、30…アプリケーションデータサーバ、40…制御端末、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…通信モジュール、105…補助記憶装置。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセットを示すアセット情報と当該アセットに関連するメタデータとを対応付けて格納するアセットデータデータベースと、
出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力手段と、
前記出資情報入力手段によって入力された出資意図情報と前記アセットデータデータベースに格納された前記メタデータとを比較することによって、前記出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定手段と、
1つ以上の端末において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴を入力する使用履歴入力手段と、
前記使用履歴入力手段によって入力された使用履歴のうち前記アセット特定手段によって特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎に前記出資意図に対するスコアを算出するスコア算出手段と、
前記スコア算出手段によって算出されたスコアに応じた情報を出力する出力手段と、
を備えるアプリケーション開発支援装置。
【請求項2】
前記使用履歴入力手段は、前記アプリケーションプログラムによる前記アセット情報の利用形態を示す情報を入力して、
前記スコア算出手段は、前記使用履歴入力手段によって入力された前記利用形態を示す情報にも基づいて前記スコアを算出する、
請求項1に記載のアプリケーション開発支援装置。
【請求項3】
前記出資情報入力手段は、前記出資意図情報として特徴語と当該特徴語毎の重みを示す情報とを入力して、
前記アセット特定手段は、前記出資情報入力手段によって入力された特徴語が前記メタデータに含まれるか否かを判断して、当該判断と前記特徴語毎の重みを示す情報とから前記出資意図に合致するアセットを特定する、
請求項1又は2に記載のアプリケーション開発支援装置。
【請求項4】
前記出資情報入力手段は、前記出資意図情報として前記端末を利用するユーザの属性を示す情報を入力して、
前記使用履歴入力手段は、前記アプリケーションプログラムを実行した端末のユーザの属性を示す情報を含む前記使用履歴を入力して、
前記スコア算出手段は、前記出資情報入力手段に入力された情報によって示されるユーザの属性に合致する前記使用履歴を用いて前記スコアを算出する、
請求項1〜3の何れか一項に記載のアプリケーション開発支援装置。
【請求項5】
前記アセット特定手段は、前記使用履歴入力手段によって入力された使用履歴にも基づいて、前記出資意図に合致するアセットを特定しなおす請求項1〜4の何れか一項に記載のアプリケーション開発支援装置。
【請求項6】
アセットを示すアセット情報と当該アセットに関連するメタデータとを対応付けて格納するアセットデータデータベースを備えるアプリケーション開発支援装置によるアプリケーション開発支援方法であって、
出資者から出資意図を示す出資意図情報を入力する出資情報入力ステップと、
前記出資情報入力ステップにおいて入力された出資意図情報と前記アセットデータデータベースに格納された前記メタデータとを比較することによって、前記出資意図に合致するアセットを特定するアセット特定ステップと、
1つ以上の端末において実行されたアプリケーションプログラムを特定する情報と当該アプリケーションプログラムによって利用されたアセット情報とが対応付けられた使用履歴を入力する使用履歴入力ステップと、
前記使用履歴入力ステップにおいて入力された使用履歴のうち前記アセット特定ステップにおいて特定されたアセットに係る使用履歴に基づいて、前記アプリケーションプログラム毎に前記出資意図に対するスコアを算出するスコア算出ステップと、
前記スコア算出ステップにおいて算出されたスコアに応じた情報を出力する出力ステップと、
を含むアプリケーション開発支援方法。


【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−92997(P2013−92997A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236283(P2011−236283)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)