説明

アプリケータ送達先端延長部

送達先端延長部は、流体アプリケータ先端部から患者内の部位まで接着性材料を連通させる。送達先端延長部は、近位端部と、中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトを有している。中心本体部は、長さが5cm〜45cmの間である。細長いシャフト内に内腔が画定され、細長いシャフトに沿って近位開口部から遠位開口部まで延在している。細長いシャフトは、遠位端部沿いより中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、遠位端部による患者への外傷を低減して細長いシャフトを患者内に押し進めるのを容易にする。内腔は、流体アプリケータ先端部の分配出口が内腔と流体連通するように、近位端部に沿って、近位開口部から挿入される流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形されている。送達先端延長部は、滅菌されるかまたは滅菌可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、参照により本明細書に援用される、2010年4月30日に出願された米国仮特許出願第61/329,717号と、2010年2月23日に出願された米国仮特許出願第61/307,372号に対する優先権を主張する。
【0002】
技術分野
[0002]本発明は、概して生体材料送達システムの分野に関し、より詳細には、生体材料送達システム用の先端延長部に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003]接着性物質等の流体生体材料は、外科手術および他の医療処置において、たとえば軟組織修復に、または血管縫合封止材として、頻繁に使用されている。これらの材料を、医師は、米国特許第4,538,920号および同第4,359,049号に記載されているもののようなシリンジまたは他の流体アプリケータを用いて付与することができるが、組織部位によっては、従来のアプリケータでは容易にアクセスすることができない場合がある。たとえば、その部位は、切開手術処置ではまったく到達可能ではないかまたは大変な困難なしには到達可能でない可能性がある。腹腔鏡下処置では、部位の位置またはアプリケータの限界のために、従来のアプリケータでは送達が可能でない場合がある。さらに他の場合では、医師は、従来のアプリケータでは、周囲の組織または器官に損傷を与えることなく、軟組織を通してまたはその周囲に進めることができない可能性がある。多くの場合、こうしたアプリケータの限界に適応するためには、大きい切開が必要である。大きい切開は望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]患者内の離れた部位への生体材料の標的送達用の改善されたシステムであって、身体内に正確に進めることを可能にし、かつ、周囲の組織または器官に損傷を与える危険を低減するとともに必要な切開部位のサイズも低減する、改善されたシステムを提供することが望ましい。また、送達システムが、特に送達される流体が瞬間接着剤である場合に、流体アプリケータ先端部と付与部位との間の生体材料の迅速な移送を可能にすることも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005]流体アプリケータ先端部から患者内の部位まで接着性材料を連通させる送達先端延長部が提供される。送達先端延長部は、近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトを有している。細長いシャフト内に内腔が画定され、細長いシャフトに沿って近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在している。細長いシャフトは、遠位端部沿いより中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、遠位端部による患者への外傷を低減して細長いシャフトを患者内に押し進めるのを容易にする。内腔は、流体アプリケータ先端部の分配出口が内腔と流体連通するように、近位端部に沿って、近位開口部から挿入される流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形されている。送達先端延長部は、滅菌されるかまたは滅菌可能である。
【0006】
[0006]実施形態では、内腔は、近位端部に沿った断面積に対して中心本体部および遠位端部に沿った断面積が低減していることが可能である。この断面積の低減により、流体アプリケータ先端部から遠位開口部までの接着剤の迅速な移送を促進することができる。送達先端延長部はまた、細長いシャフトの遠位端部の周辺に配置された遠位端カバーをさらに含むことができる。遠位端カバーは、細長いシャフトより相対的に軟質な材料を含むことができ、相対的に軟質な材料は、遠位端部による患者への外傷をさらに低減する。たとえば、細長いシャフトはポリウレタン材料を含むことができ、遠位端カバーは、ポリエーテルブロックアミド材料を含ことができる。送達先端延長部はまた、細長いシャフトの近位端部の周辺に配置された近位端コネクタを有することも可能である。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、外径が中心本体部に沿って約2mm〜約8mmの間であり、内腔は、直径が中心本体部および遠位端部に沿って約0.5mm〜約5.0mmの間である、たとえば、細長いシャフトは、外径が中心本体部に沿って約4mm〜約6mmの間であり、内腔は、直径が中心本体部および遠位端部に沿って約0.8mm〜約1.6mmの間であり得る。細長いシャフトは、長さが約10cm、約27cmまたは約35cmであり得る。近位端部は、流体アプリケータ先端部と摩擦係合するためにテクスチャ加工された内面を含むことができる。細長いシャフトは、ポリウレタン等のポリマーを含むことができる。
【0007】
[0007]患者内の部位に接着性材料を送達する滅菌キットが提供される。本キットは、シリンジ装置および少なくとも1つの送達先端延長部を有する。シリンジ装置は、少なくとも1つのチャンバおよび流体アプリケータ先端部を有している。少なくとも1つのチャンバは、内部に流体を収容し、流体は、接着剤またはその少なくとも1つの前駆体を含む。流体アプリケータ先端部は、チャンバ内の流体と流体連通し、分配出口を有する。送達先端延長部は、接着剤を分配するためにシリンジ装置の流体アプリケータ先端部に接続可能である。送達先端延長部は、近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトを有している。細長いシャフト内に内腔が画定され、細長いシャフトに沿って近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在している。細長いシャフトは、遠位端部沿いより中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、遠位端部による患者への外傷を低減して細長いシャフトを患者内に押し進めるのを容易にする。内腔は、流体アプリケータ先端部の分配出口が内腔と流体連通するように、近位端部に沿って、近位開口部から挿入される流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形されている。
【0008】
[0008]実施形態では、シリンジ装置は、第1チャンバおよび第2チャンバを含むことができる。第1チャンバは、アルブミンを含む溶液を含む第1流体を収容することができ、第2チャンバは、アルブミンを架橋するアルデヒドを含む第2流体を収容することができる。シリンジ装置は、第1流体および第2流体を第1チャンバおよび第2チャンバから流体アプリケータ先端部内に押し込むプランジャをさらに含むことができる。流体アプリケータ先端部は、第1流体および第2流体を混合して接着剤を形成するように動作可能なスタティックミキサを含むことができる。
【0009】
[0009]さらに別の態様では、患者内の組織部位に接着剤を送達する方法が提供される。本方法は、接着剤を、シリンジ装置から送達先端延長部を通して患者内の組織部位まで流すステップを含む。送達先端延長部は、近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトを有している。細長いシャフト内に内腔が画定され、細長いシャフトに沿って近位端部の近位開口部から遠位端部の遠位開口部まで延在している。細長いシャフトは、遠位端部沿いより中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、遠位端部による患者への外傷を低減して細長いシャフトを患者内に押し進めるのを容易にする。内腔は、流体アプリケータ先端部の分配出口が内腔と流体連通するように、近位端部に沿って、近位開口部から挿入される流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形されている。
【0010】
[0010]実施形態では、送達先端延長部は、接着剤を腹腔鏡下で送達することができる。送達先端延長部を、接着剤を組織部位に送達するためにトロカールから挿入することができる。
【0011】
[0011]さらに別の態様では、送達先端延長部を作製する方法が提供される。本方法は、内部に内腔が延在し長さが5cm〜45cmの間である細長いシャフトを成形するステップを含む。細長いシャフトは、近位端部と、中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む。細長いシャフトの遠位端部の周辺に遠位端カバーがオーバーモールドされる。遠位端カバーは、細長いシャフトより相対的に軟質な材料を含む。実施形態では、送達先端延長部を滅菌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つまたは複数の実施形態による、患者の組織部位に生体材料を送達するシステムの組立分解斜視図である。
【図2】送達先端延長装置の一実施形態の平面図である。
【図3】図2に示す送達先端延長装置の実施形態の平断面図である。
【図4】送達先端延長装置の別の実施形態の平面図である。
【図5】図4に示す送達先端延長装置の実施形態の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
[0017]ここで、以下、本発明について、本出願のいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照してより十分に説明する。図面を通して、同様の数字は同様の要素を指す。
【0014】
[0018]以下、患者内の位置に流体を送達するシステムおよび方法の実施形態について説明する。患者は、たとえば人間または他の哺乳類であり得る。本システムおよび方法は、概して、シリンジ等の流体分配システムと送達先端延長部とを採用する。流体分配装置は、患者の体内で使用される接着剤等の流体を分配することができる。送達先端延長部は、流体分配装置から、流体分配装置から離れている患者内の位置まで流体を連通させることができる。したがって、送達先端延長部は、流体分配装置の届く範囲を延長し、それにより、流体分配装置内の流体を、流体分配装置しか用いなければ到達不可能である患者内の部位まで送達することができる。
【0015】
[0019]特定の実施形態では、送達先端延長部は、その近位端において、流体送達装置から流体を受け取り、その遠位端において、流体を患者内に放出し、その長さに沿ってその近位端と遠位端との間で流体を相対的に迅速に送達するように構成されている。この目的で、送達先端延長部の長さに沿って内腔が延在することができ、内腔の幅を相対的に狭くすることができる。内腔の幅が狭いことにより、送達先端延長部の長さを通しての流体の迅速な送達が可能になる。したがって、流体分配装置が患者の外側に配置され、送達先端延長部が患者内に延在し、その近位端が流体分配装置と連通し、その遠位端が意図された送達部位と連通する場合、流体送達装置から分配される流体は、送達先端延長部内を迅速に移動して意図された送達部位に達することができる。後にさらに詳細に説明するように、流体分配装置が、流体送達装置内でまたは流体送達装置を出る頃に硬化または凝固を開始する外科用接着剤を分配する。
【0016】
[0020]特定の実施形態では、流体分配装置は、少なくとも1つのチャンバと、チャンバと連通している分配先端部とを有している。チャンバは、流体またはその成分を収容することができ、分配先端部は、チャンバから流体を分配することができる。送達先端延長部は、分配先端部に固着してそこから流体を受け取ることができる。したがって、流体分配装置が、分配先端部から流体を分配するように操作される場合、流体は、分配先端延長部内に直接、その長さに沿って、意図された分配部位まで流れることができる。
【0017】
[0021]特定の実施形態では、流体分配装置は、生体適合性接着剤を形成する少なくとも2種の流体成分を収容する。たとえば、流体成分を、別個のチャンバに収容することができ、それらチャンバの各々は、分配先端部と流体連通することができる。チャンバを、チャンバから分配先端部内に構成成分を押し込むために、プランジャまたは他の任意の好適な機構を動作可能に関連付けることができる。分配先端部は、構成成分を結合して接着剤を形成するように反応させる、スタティックミキサまたは他の好適な機構を含むことができる。プランジャの駆動力は、流体成分および結果としての接着剤を、分配先端部および送達先端延長部の両方に強制的に通すために十分であり得る。
【0018】
[0022]いくつかの実施形態では、送達先端延長部は、細長いシャフトと、細長いシャフト内のその近位端と遠位端との間に画定された内腔とを有している。細長いシャフトを、その近位端に沿って、流体分配装置を受け入れかつそれに固着するように構成することができ、その遠位端に沿って生体材料の制御された分配のために構成することができる。たとえば、遠位端を先細りにすることができる。
【0019】
[0023]細長いシャフトは、体内組織内を進むのを容易にするのに十分に硬質であり得る。遠位端を、周囲の組織および器官に対する損傷を低減するように軟質とすることができ、それにも関らず、送達先端延長部を、標的部位を妨げる組織または構造内を進むことができることを確実にするために十分堅くすることができる。遠位端の剛性は、端部が、方向および近位端に加えられるトルクに応答し、周囲の組織/構造からの横方向の圧力によってそれほど影響を受けないことを確実にするために十分であり得る。内腔の狭い幅は、シャフトに沿った流体の迅速な移送を提供することができ、それは、流体が、混合時にまたは分配先端部を出る時に架橋または硬化を開始する接着剤である場合に有用であり得る。
【0020】
[0024]送達先端延長部は、患者内の送達部位が本来、容易にアクセス可能でないかまたはアクセス不可能である場合であっても、その送達部位までの流体または他の生体材料の正確な送達を容易にすることができる。送達先端延長部を、切開手術処置、腹腔鏡下処置、ビデオ補助下胸部手術で、トロカールと組み合わせて、またはそれらの任意の組合せで使用することができる。送達先端延長部を使用することができる切開手術の例として、肝切除術あるいは膵切除術、弁置換あるいは動脈瘤修復等の心臓外科手術、肺切除術、肺嚢胞切除術、水疱切除術あるいは肺容量減少手術等の肺外科手術、腎部分切除術あるいは前立腺摘除術等の泌尿器外科手術、または腫瘍切除あるいは甲状腺除去等の神経外科手術が挙げられる。送達先端延長部を使用することができる腹腔鏡下手術またはビデオ補助下胸部外科手術としては、肝切除術あるいは膵切除術等の一般外科手術、肺切除術、肺嚢胞切除術、水疱切除術または肺容量減少手術等の肺外科手術、または腹腔鏡下腎部分切除術または腹腔鏡下前立腺摘除術等の泌尿器外科手術が挙げられる。
【0021】
[0025]送達先端延長部は、標準的な先端部のみの使用では達することができない、いくつかの用途では望ましい可能性がある、皮膚の表面の下の深さまでの接着剤または他の流体の正確な送達を容易にすることができる。他の例は、器官が皮膚の表面からさらに遠い可能性がある肥満患者に対する手術である。別の例は、心臓の裏側または別の器官の下側等、身体の閉塞領域に対する手術である。さらなる例は、腹腔鏡下手術、または患者の腹腔に二酸化炭素が吹き込まれ腹腔を拡大する他の処置等、患者の身体の一部が膨らませられる手術である。こうした手術で使用されることが多いトロカールは、本質的に、器具を腹部内に導入する際のポートである。トロカールは、二酸化炭素がポートから逃げないようにする一方向弁に関連付けられることが多い。さらなる別の例は、胸腔のサイズにより皮膚の表面の下の深さに達する必要があるビデオ補助下胸部手術か、または切除された組織が身体の正中線に近くかつ皮膚表面から遠くに位置する手術である。これらの場合および他の場合において、標的組織は、接着剤または他の流体が配置される起点となる皮膚表面の下方の間隔である場合があり、送達先端延長部は、これらの位置に有効にアクセスするのを容易にすることができる。
【0022】
[0026]図1は、接着剤等の流体を患者の体内の位置まで送達するシステム10の実施形態を示す。本システムは、シリンジ装置12および送達先端延長部26を有している。シリンジ装置12は、流体を分配するように構成され、送達先端延長部26は、分配流体をシリンジ装置12から遠い位置まで送達するように構成されている。送達先端延長部26を、平面図および断面図である図2および図3により詳細に示す。
【0023】
[0027]図示する実施形態では、シリンジ装置12は、第1チャンバ14と、第2チャンバ16と、第1チャンバ14および第2チャンバ16に収容されている流体材料と流体連通している流体アプリケータ先端部20とを有している。流体アプリケータ先端部20は、流体材料を分配する分配出口24も有している。シリンジ装置12は、他の実施形態では1つのチャンバまたは3つ以上のチャンバを有していてもよいことと、チャンバは、同軸、直列または並列の位置合せを含む、数または向きを有していてもよいこととが留意されるべきである。
【0024】
[0028]いくつかの実施形態では、シリンジ装置12によって分配される流体材料は、人体内で使用される生体接着性材料等の接着性材料を含む。各チャンバは、接着剤前躯体(presursor)(たとえばプレポリマーおよび架橋剤)を収容することができる。前駆体は、米国特許第5,385,606号および同第7,621,969号に記載されているように、ヒト血清アルブミンまたはウシ血清アルブミン等のタンパク質性物質、およびグルタルアルデヒド等のジアルデヒドまたはポリアルデヒドを含むアルデヒドを含むことができる。チャンバ14、16は、結合して接着剤を形成することができるこれらの接着剤前駆体を収容することができる。たとえば、一方のチャンバ14は、アルブミンを含む溶液を収容することができ、他方のチャンバ16は、アルブミンを架橋するアルデヒドを収容することができる。こうした接着剤の一例は、Kennesaw、GeorgiaのCryoLife,Incから入手可能なBioGlue(登録商標)外科用接着剤である。こうした接着剤は、30秒以下で接合をもたらすことができる。別法として、流体は、本技術分野において既知である別の生体接着性物質、組織増大または塞栓術用のバイオポリマー、迅速ゲル化組成物等があり得る。
【0025】
[0029]図1に示すように、流体アプリケータ先端部20は、任意に、分配出口24を介して送達する前に流体材料を混合するスタティックミキサ22を有することができる。たとえば、2つのチャンバ14、16の各々が接着剤前駆体を含む二重チャンバシリンジ装置12では、流体アプリケータ先端部20は、分配出口24を介して送達する直前に2つの接着剤前躯体を結合して接着剤を形成するように、スタティックミキサ22を有することができる。接着剤前駆体を、チャンバ14、16から流体アプリケータ先端部20内に、チャンバ14、16に動作可能に関連付けられているプランジャによって押し込むことができる。混合時、こうした接着剤前駆体は、架橋または硬化を即座に開始することができる。こうした実施形態では、接着剤を、送達先端延長部26を用いて、固化する前に送達部位に送達することができる。
【0026】
[0030]より詳細には、シリンジ装置12の流体送達長を延長することにより、接着性材料を、シリンジ装置12の流体アプリケータ先端部20から患者内の部位まで連通させる、送達先端延長部26が設けられている。送達先端延長部26は、細長いシャフト28および内腔40を有している。細長いシャフトは、近位端部30、中心本体部32および先細りの遠位端部34を有している。内腔40は、細長いシャフト28内に画定され、細長いシャフト28に沿って、近位端部30の近位開口部36から遠位端部34の遠位開口部38まで延在している。細長いシャフト28は、有利には、遠位端部34沿いより中心本体部32沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、細長いシャフト28を患者内の組織を通して/組織間を押し進めることが容易になる。細長いシャフト28は、中心本体部32より遠位端部34の方が相対的に硬質でなく、それにより、遠位端部34による患者への外傷を低減する。内腔40は、近位端部30に沿って、分配出口24が内腔40と流体連通するように近位開口部36から挿入される流体アプリケータ先端部20を確実に受け入れるように、寸法が決められかつ成形されている。
【0027】
[0031]遠位端部34は、たとえば、遠位端部34が先細りであるために壁厚さが低減する結果として、中心本体部32より相対的に硬質ではない。遠位端部34において硬さが低減することにより、送達先端延長部26が患者内に誘導される時に周囲の組織または器官を穿刺するかまたは引き裂く危険が低減する。一実施形態では、送達先端延長部26は、医療処置で使用されるように滅菌されるかまたは滅菌可能である。
【0028】
一実施形態では、細長いシャフト28は、1つまたは複数のUSP Class VI準拠透明樹脂から作製される。たとえば、細長いシャフト28を、単一ガンマ線照射安定性の生体適合性USP Class VIポリマーから作製することができる。一実施形態では、ポリマーは、Isoplast(登録商標)2510等のポリウレタンである。Isoplast(登録商標)ブランドのポリマーは、Wickliffe、OhioのLubrizol Corp.から入手可能である。別の実施形態では、細長いシャフト28を、複数の生体適合性USP ClassIIVポリマーと、イオン化照射安定性(たとえばガンマ照射または電子ビーム)、化学的安定性(たとえば、グルタルアルデヒド、エチレンオキシド、過酸化水素またはプラズマ)、または熱滅菌安定性(高圧蒸気滅菌)である樹脂とから作製することができる。他の好適なポリマー材料を使用してもよい。好適な材料の例としては、Isoplast(登録商標)2530、Pebax(登録商標)7033またはPebax(登録商標)7233が挙げられる。Pebax(登録商標)ブランドのポリマー材料は、Philadelphia、PennsylvaniaのArkema,Inc.から入手可能である。
【0029】
[0033]細長いシャフト28を、身体内の送達先端延長部26の容易な操縦を可能にするように、硬質ポリマーから作製することができる。例示的な実施形態では、これらの硬質ポリマー樹脂は、ポリエチレン(たとえば、低密度、高密度または超高密度)、ポリプロピレン、ポリウレタンまたは液晶ポリマーを含むことができる。これらの樹脂は、充填剤または改質剤を含むことができる。充填剤または改質剤は、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク、炭酸カルシウムまたは他の好適な材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、これらのポリマー樹脂は、Vectra(登録商標)液晶ポリマー、Isoplast(登録商標)2510、Isoplast(登録商標)2530、Pebax(登録商法)7033またはPebax(登録商標)7233を含むことができる。Vectra(登録商標)ブランドのポリマー材料は、Dallas、TexasのCelanese,Inc.から入手可能である。別法として、細長いシャフト28を、最終使用者による曲げまたは成形を容易にするために軟質ポリマー樹脂から作製することができる。
【0030】
[0034]一実施形態では、先細りの遠位端部34は、図1に示すように、的を絞った接着剤の付与および外科手術ポートへの容易な導入を可能にするように、円錐形である。遠位端部34を、組織損傷をさらに最小限にするために円形としてもよい。別の実施形態では、先細りの遠位端部は、組織表面にわたってリボン状の接着剤を分配するように平坦化されフレア状になっている。別法として、遠位端部は、参照により開示内容がすべて本明細書に援用される米国特許第7,325,995号に記載されているものを含む、他の構成を有することができる。
【0031】
[0035]特定の実施形態では、近位端部36は、流体アプリケータ先端部20と係合するように構成されている。係合は、摩擦係合、嵌合ねじ、スナップフィット接続等によることができる。近位端部36は、流体アプリケータ先端部20と液密接続を形成することができる。1つの場合では、近位端部36は、流体アプリケータ先端部20との摩擦係合を促進するようにテクスチャ加工された内面を含むことができる。近位端部36を、本技術分野において既知である1つまたは複数の好適な機械式締結具を介して流体アプリケータ先端部に固定することも可能である。封止された接続を形成する方法を使用してもよい。いくつかの実施形態では、近位端部36は、把持を容易にするためにテクスチャ加工された外面を含むことができる。たとえば、テクスチャは、製品あるいはブランド名、会社名またはサイズ識別子を含むことができる。別法として、テクスチャは、ランダムか、配列されているか、または周期的な隆起および谷または形状を含むことができる。
【0032】
[0036]いくつかの実施形態では、遠位端部34および近位端部30は、透明かまたは半透明のポリマー樹脂から作製されている。透明または半透明のポリマー樹脂は、送達されている流体か、または近位開口部36から挿入されている流体アプリケータ先端部20またはスタティックミキサ22の視覚化を可能にすることができる。
【0033】
[0037]図3に示すように、内腔40は、近位端部30に沿った断面積に対して、中心本体部32および遠位端部34に沿った断面積が低減し、流体アプリケータ先端部20から遠位開口部38までの接着剤の迅速な移送を促進する。内腔40は、断面積が、近位端部36に沿って、シリンジ装置12の流体アプリケータ先端部20を確実に受け入れるように寸法が決められているが、中心本体部32および遠位端部34に沿って、患者内の組織部位における付与のために流体アプリケータ先端部20の分配出口24から送達延長先端26の遠位開口部38まで等、送達延長先端26の長さに沿って迅速な送達を提供するように、寸法が決められている。接着剤が迅速に固化するものである場合、内腔40の直径が低減することにより、流体アプリケータ先端部から付与部位まで略即座に接着剤を連通させることが可能になり、それにより、送達先端延長部26内での接着剤の硬化が低減する。また、いくつかの実施形態では、内腔40は平滑であり、内腔40に沿って流体移送をさらに促進するように、摩擦係数が低い。
【0034】
[0038]いくつかの実施形態では、細長いシャフト28は、外径が約0.1mm〜約20mmの間であり、内腔40は、直径が中心本体部32および遠位端部34に沿って約0.01mm〜約19mmの間である。特定の実施形態では、細長いシャフト28は、外径が約1mm〜約10mmの間であり、内腔40は、直径が中心本体部32および遠位端部34に沿って約0.5mm〜約4.5mmの間である。
【0035】
[0039]一実施形態では、細長いシャフト28は、透明なポリウレタン、たとえばIsoplast(登録商標)2510から構成され、外径が、中心本体部に沿って約2mm〜約8mmの間であり、内腔は、直径が中心本体部および遠位端部に沿って約0.5mm〜約5.0mmの間である。1つの特定の実施形態では、細長いシャフト28は、外径が中心本体部に沿って約4mm〜約6mmの間(たとえば約5mm)であり、内腔は、直径が中心本体部および遠位端部に沿って約0.8mm〜約1.6mmの間(たとえば約1.2mm)である。しかしながら、他の実施形態では、細長いシャフト28は、20mm以上の直径等、送達先端延長部全体が幾分かより堅いかまたは硬質であるように、外径がより大きくてもよい。より堅いかまたは硬質の送達先端延長部は、いくつかの外科手術用途では有用であり得る。
【0036】
[0040]一実施形態では、細長いシャフト28は、長さが5cm〜45cmの間である。例示的な実施形態では、細長いシャフト28は、長さが約10cm、約27cm、または約35cmである。細長いシャフト28の他の長さもまた考えられる。
【0037】
[0041]図4および図5は、送達先端延長部126の別の実施形態を示す。この実施形態では、送達先端延長部126は、細長いシャフト128の遠位端部134の周辺に遠位端カバー142が配置されている。遠位端カバー142は、細長いシャフト128より相対的に軟質な材料を含み、それにより、遠位端部134による患者への外傷をさらに低減する。いくつかの実施形態では、遠位端カバー142の相対的に軟質な材料は、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタンまたはポリエチレン等の軟質ポリマー樹脂である。一実施形態では、遠位端カバー142は、Pebax(登録商標)4033 SA01を含む。遠位端延長部126を、遠位端カバー142が周辺に配置されると平滑面が形成されるように、遠位端部134に沿って段または窪みを有するように形成することができる。たとえば、遠位端カバー142を、オーバーモールドによって形成することができる。
【0038】
[0042]いくつかの実施形態では、送達先端延長部126は、図4および図5に示すように、細長いシャフト128の近位端部130の周囲に配置された近位端コネクタも含む。近位端コネクタ144を、細長いシャフト128とは別個に形成し、オーバーモールドによるかまたは接着剤等により、そこに取り付けることができ、それにより、近位端コネクタ144を、細長いシャフト128とは異なる材料から形成することができる。たとえば、細長いシャフト128を、付与領域に向けることができるように相対的に硬質であるかまたは堅くすることができ、一方で、近位端コネクタ144は、アプリケータ先端部の周辺で伸長しアプリケータ先端部と柔軟に嵌合することができるように、一定の可撓性を有するか与えることができる。別の例として、細長いシャフト128は、過度の摩擦係合なしにトロカールを出入りするように摺動することができるように、相対的に低い係数を有することができ、一方で近位端コネクタ144はより高い摩擦係数を示すことができる。近位端コネクタ144の摩擦係数の方が高いことにより、コネクタをアプリケータ先端部に配置するようにコネクタを把持することが容易になり得る。摩擦係数が高いことにより、アプリケータ先端部に近位端コネクタ144を保持することを容易にすることも可能である。これらのさまざまな設計パラメータを、送達先端延長部126の種々の部分を種々の材料から、種々の直径で、種々の壁厚さで、またはそれらの任意の組合せで形成することによって達成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、細長いシャフト128を、別個の近位端コネクタ144と関連付けて送達先端延長部126を形成することができる。
【0039】
[0043]別の態様では、患者内の部位に接着性材料を送達するシステムが提供される。本システムは、シリンジ装置および送達先端延長部を有している。シリンジ装置は、流体アプリケータ先端部を近位開口部から挿入し、それを近位端部内で固定して、分配出口が内腔と流体連通するようにすることによって、送達先端延長部に動作可能に接続される。
【0040】
[0044]本システムを使用して、接着封止材または組織増大組成物を送達して種々の組織部位を接合し、コーティングし、または増大させることができる。接着剤は、筋肉、皮膚、結合組織、神経組織、脈管および心臓組織、軟骨、骨等を含む生体組織とともに、保存するかまたは他の方法で化学的に処置することができる、対応する死体の組織に接着することができる。接着を、ゴム、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン等の天然材料または合成材料に対して形成することも可能であり、それにより、外科用移植片および装置の取付、および人間医学または獣医学の実践における創傷閉鎖、外傷修復等に対してこれらの組成物を使用することが可能になる。接着剤送達システムの非医用用途も考えられる。
【0041】
[0045]別の態様では、患者内の組織部位に接着剤を送達する方法が提供される。本方法は、接着剤をシリンジ装置から送達先端延長部を介して患者内の組織部位まで流すことを含む。いくつかの実施形態では、送達先端延長部は、接着剤を腹腔鏡下で送達する。例示的な実施形態では、送達先端延長部をトロカールとともに使用して、接着剤を組織部位に送達する。
【0042】
[0046]別の態様では、送達先端延長部を作製する方法が提供される。本方法は、内部に内腔が延在し長さが5cm〜45cmの間である細長いシャフトを、型成形する、押出成形する、熱成形する、またはそれらの組合せの第1ステップを含む。細長いシャフトは、近位端部、中心本体部および先細りの遠位端部を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、細長いシャフトの遠位端部の周辺に遠位端カバーをオーバーモールドする次のステップを含み、遠位端カバーは、細長いシャフトより相対的に軟質の材料を含む。いくつかの実施形態では、送達先端延長部を作製する方法はまた、細長いシャフトの近位端部の周辺に近位端コネクタをオーバーモールドするステップも含む。細長いシャフトに遠位端部および近位端部をオーバーモールドすることにより、種々の材料から送達先端延長部の種々の部分を形成することを容易にすることができる。したがって、種々の部分の材料を、種々の部分の所望の機能に基づいて特に選択することができる。さらに、オーバーモールドにより、送達先端延長部の直径を、その長さに沿って品質制御を改善し無駄を少なくして変化させることを容易にすることができる。
【0043】
[0047]特定の実施形態では、細長いシャフトは、硬質のポリウレタン(たとえば、Isoplast(登録商標)2530)から押出成形され、遠位端カバーおよび/または近位端カバーは、細長いシャフトにオーバーモールドされる軟質のポリエーテルブロックアミド(たとえばPebax(登録商標)4033 SA01)から作製される。
【0044】
[0048]いくつかの実施形態では、送達先端延長部の構成要素を、別個に形成し、その後合わせて組み立てるかまたは結合することができる。他の実施形態では、構成要素形成ステップと結合ステップとの間に、1つまたは複数の作製ステップを含めることができる。作製ステップは、物理的特質または機械的特質のもの、たとえば、削り落とし、熱成形、圧着、切断、押し広げ、または本技術分野において既知である他のステップであり得る。別法として、作製ステップは化学的特質のもの、たとえば、溶剤塗布、脱脂、下塗り、または本技術分野において既知である他のステップであり得る。結合ステップを、構成要素または表面を合わせて接着すること、化学的手段によって接合すること、物理的技法(たとえば、熱、レーザ、超音波、高周波または摩擦)によって接合すること、熱成形またはオーバーモールドすること、または他の好適な手段を含む1つまたは複数のステップによって達成することができる。
【0045】
[0049]送達先端延長部を、輸送および収納のために包装することができる。製造され/組み立てられると、包装の前または後のいずれかにおいて滅菌することができる。滅菌を、電離放射線滅菌、化学滅菌または熱滅菌のいずれかによって達成することができる。好適な例には、ガンマあるいは電子ビーム電離放射線または酸化エチレン(EtO)ガス滅菌が挙げられる。他の好適な照射プロセスを使用してもよい。本明細書で使用する、送達先端延長部に関する「滅菌可能」という用語は、装置が、有効な滅菌プロセスに晒された場合に安定する1つまたは複数の材料から構成されていることを意味する。
【0046】
[0050]1つまたは複数の送達先端延長部を、1つまたは複数のアプリケータとともに包装してキットを提供することができる。一実施形態では、キットは、BioGlue(商標)(Kennesaw、Georgia USAのCryoLife,Inc.)または別の外科用接着剤を収容するアプリケータシリンジとともに種々のサイズの送達先端延長部を含む。一実施形態では、送達先端延長部は、内部ポーチおよび外部ポーチを有するもの等、二重ポーチで包装される。送達先端延長部は、ポーチ毎に2つの先端部、ボックス毎に10個のポーチで包装される。ボックスは、好ましくは、適切な言語の使用説明書(IFU)挿入物を含む。
【0047】
[0051]本明細書で引用した刊行物およびそれらが引用されている材料は、特に参照により本明細書に援用される。本明細書に記載した方法および装置の変更および変形は、上述した説明から当業者には明らかとなろう。こうした変更および変形は、添付の特許請求の範囲内にあるように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体アプリケータ先端部から患者内の部位まで接着性材料を連通させる送達先端延長部であって、
近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に画定され、前記細長いシャフトに沿って前記近位端部の近位開口部から前記遠位端部の遠位開口部まで延在する内腔と、
を含み、
前記細長いシャフトが、前記遠位端部沿いより前記中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、前記遠位端部による前記患者への外傷を低減して前記細長いシャフトを前記患者内に押し進めるのを容易にし、
前記内腔が、前記流体アプリケータ先端部の分配出口が前記内腔と流体連通するように、前記近位端部に沿って、前記近位開口部から挿入される前記流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形されている、滅菌されるかまたは滅菌可能である送達先端延長部。
【請求項2】
前記内腔が、前記近位端部に沿った前記断面積に対して前記中心本体部および前記遠位端部に沿った断面積が低減しており、前記断面積の低減により、前記流体アプリケータ先端部から前記遠位開口部までの接着剤の迅速な移送が促進される、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項3】
前記細長いシャフトの前記遠位端部の周辺に配置された遠位端カバーをさらに含み、前記遠位端カバーが、前記細長いシャフトより相対的に軟質な材料を含み、前記相対的に軟質な材料が、前記遠位端部による前記患者への外傷をさらに低減する、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項4】
前記細長いシャフトがポリウレタン材料を含み、
前記遠位端カバーがポリエーテルブロックアミド材料を含む、請求項3に記載の送達先端延長部。
【請求項5】
前記細長いシャフトの前記近位端部を画定する近位端コネクタをさらに含み、前記近位端コネクタが、前記細長いシャフトより相対的に軟質な材料を含む、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項6】
前記細長いシャフトが、外径が前記中心本体部に沿って約2mm〜約8mmの間であり、
前記内腔が、直径が前記中心本体部および前記遠位端部に沿って約0.5mm〜約5.0mmの間である、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項7】
前記細長いシャフトが、外径が前記中心本体部に沿って約4mm〜約6mmの間であり、
前記内腔が、直径が前記中心本体部および前記遠位端部に沿って約0.8mm〜約1.6mmの間である、請求項4に記載の送達先端延長部。
【請求項8】
前記細長いシャフトが、長さが約10cm、約27cmまたは約35cmである、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項9】
前記近位端部が、前記流体アプリケータ先端部と摩擦係合するためにテクスチャ加工された内面を含む、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項10】
前記細長いシャフトが透明ポリマーを含む、請求項1に記載の送達先端延長部。
【請求項11】
前記ポリマーがポリウレタンを含む、請求項9に記載の送達先端延長部。
【請求項12】
患者内の部位に接着性材料を送達する滅菌キットであって、
シリンジ装置であって、
接着剤またはその少なくとも1つの前駆体を含む流体を収容する少なくとも1つのチャンバと、
各チャンバ内の各流体と流体連通し、分配出口を有する流体アプリケータ先端部と、
を含むシリンジ装置と、
前記接着剤を分配するために前記シリンジ装置の前記流体アプリケータ先端部に接続可能な少なくとも1つの送達先端延長部であって、
近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に画定され、前記細長いシャフトに沿って前記近位端部の近位開口部から前記遠位端部の遠位開口部まで延在する内腔と、
を含み、
前記細長いシャフトが、前記遠位端部沿いより前記中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、前記遠位端部による前記患者への外傷を低減して前記細長いシャフトを前記患者内に押し進めるのを容易にし、
前記内腔が、前記分配出口が前記内腔と流体連通するように、前記近位端部に沿って、前記近位開口部から挿入される前記流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形される、送達先端延長部と、
を含む滅菌キット。
【請求項13】
前記少なくとも1つのチャンバが、第1チャンバおよび第2チャンバを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1チャンバが、アルブミンを含む溶液を含む第1流体を収容し、
前記第2チャンバが、前記アルブミンを架橋するアルデヒドを含む第2流体を収容する、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記シリンジ装置が、前記第1流体および前記第2流体を前記第1チャンバおよび前記第2チャンバから前記流体アプリケータ先端部内に押し込むプランジャをさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記流体アプリケータ先端部が、前記第1流体および前記第2流体を混合して前記接着剤を形成するように動作可能なスタティックミキサを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記流体アプリケータ先端部がスタティックミキサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
患者内の組織部位に接着剤を送達する方法であって、
接着剤を、シリンジ装置から送達先端延長部を通して患者内の組織部位まで流すステップであって、前記送達先端延長部が、
近位端部と、長さが5cm〜45cmの間である中心本体部と、先細りの遠位端部とを含む細長いシャフトと、
前記細長いシャフト内に画定され、前記細長いシャフトに沿って前記近位端部の近位開口部から前記遠位端部の遠位開口部まで延在する内腔と、
を含み、
前記細長いシャフトが、前記遠位端部沿いより前記中心本体部沿いの方が相対的により硬質であり、それにより、前記遠位端部による前記患者への外傷を低減して前記細長いシャフトを前記患者内に押し進めるのを容易にし、
前記内腔が、前記流体アプリケータ先端部の分配出口が前記内腔と流体連通するように、前記近位端部に沿って、前記近位開口部から挿入される前記流体アプリケータ先端部を確実に受け入れるようにサイズが決められかつ成形される、
ステップ
を含む方法。
【請求項19】
前記送達先端延長部が前記接着剤を腹腔鏡下で送達する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
送達先端延長部を作製する方法であって、
内部に内腔が延在し長さが5cm〜45cmの間である細長いシャフトを成形するステップであって、前記細長いシャフトが、
近位端部と、
中心本体部と、
先細りの遠位端部と、
を含む、ステップと、
前記細長いシャフトの前記遠位端部の周辺に遠位端カバーをオーバーモールドするステップであって、前記遠位端カバーが、前記細長いシャフトより相対的に軟質な材料を含み、それにより前記送達先端延長部を形成する、ステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記送達先端延長部を滅菌するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520242(P2013−520242A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554106(P2012−554106)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2011/025940
【国際公開番号】WO2011/106437
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(512180997)クリオライフ,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】