説明

アポトーシスを誘導するイミダゾール誘導体とその治療的用途

本発明は、アポトーシスを誘導する化合物を含む薬学的組成物、癌細胞のアポトーシスを誘導する方法、リンパ球の活性を抑制する方法、変形された突然変異タンパク質の細胞内輸送を向上する方法、及びアポトーシス誘導物質を同定するスクリーニング方法に関するものであり、より詳しくは、癌と免疫関連疾患を含む様々な疾患を治療するためにイミダゾール誘導体をアポトーシスを誘導する活性成分として含む薬学的組成物、癌細胞を上記薬学的組成物で処理してアポトーシスを誘導する方法、リンパ球を上記薬学的組成物で処理してヒトリンパ球を非活性化する方法、突然変異タンパク質を含有する細胞を上記薬学的組成物で処理し、変形された突然変異タンパク質の細胞内輸送を向上する方法、及び細胞を前記薬学的組成物と一緒に培養し検出してアポトーシスを誘導するための追加的で有用な化合物を同定するスクリーニング方法に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アポトーシス(細胞死滅、apoptosis)を誘導する新規化合物と該化合物を含む薬学的組成物に関するものである。より詳しくは、本発明はアポトーシスを誘導するイミダゾール構造体を含む化合物に関するものである。本発明の他の具体例では、イミダゾール誘導体を含む薬学的組成物が提供される。また、本発明は様々な医学的機能障害、疾病、特に癌、免疫関連疾患および嚢胞性繊維症(cystic fibrosis)を治療するための治療剤として該化合物を用いることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アポトーシスは、多細胞生命体の正常的な発達および機能に重要な過程である。生命体で損傷した細胞や不要な細胞は、ミトコンドリアで起こる内的なアポトーシス過程(intrinsic apoptotic pathway)と、死滅リガンド(death ligand, 例:ファス(Fas)リガンド)、それに相応する受容体が結合して起こる外的なアポトーシス過程(extrinsic apoptotic pathway)を通じて除去される(Cell, 2003, 112, 481-490, Science 1998, 281, 1305-1308, Cell, 1999, 96, 245-254)。生理学的アポトーシスは、様々な正常的な過程で重要な役割をするが、非正常的なアポトーシスは人間に様々な疾病を引き起こす(Science 1995, 267, 1456-1462, Nat. Rev. Drug Dis. 2002, 1, 111-121, Nat. Rev. MoI. Cell. Biol. 2000, 1, 120-129)。例えば、アポトーシスが正常に起きないと、人間は癌に侵されたり、自己免疫細胞(autoreactive lymphocytes)を除去できなくなる。逆に、過度なアポトーシスが起きると退行性神経疾患や心臓関連疾患が発生する。アポトーシスは前述した人間の様々な疾患に関連があるため、アポトーシスの研究は生物医学的な面で重要な研究として認識されて来た。アポトーシスを誘導したり阻害する小分子(small molecules)は、アポトーシス関連タンパク質の作用メカニズムの理解に非常に有用である。そして、この小分子は、自己免疫疾患や癌のようなアポトーシス関連疾患の治療における新たな治療剤として利用できる(Science 1995, 267, 1456-1462, Nat. Rev. Drug Dis. 2002, 1, 111-121, Nat. Rev. MoI. Cell. Biol. 2000, 1, 120-129, Chem. Biol. 2002, 9, 1059-1072, Nat. Chem. Biol. 2006, 2, 543-550)。
【0003】
Bcl-2(B cell lymphoma-2)及びIAP(inhibitor of apoptosis protein)を含む様々なタンパク質は、アポトーシス過程に関連がある。特にアスパラギン酸の特異性を有するカスパーゼ(aspartate-specific caspases)は、アポトーシスで重要な執行酵素(executioner enzymes)である(Science 1998, 281, 1312-1316)。興味深くも、シャペロンヒートショック同族70(chaperone heat shock cognate 70, Hsc70)は、Apaf-1のようなアポトーシス誘導因子と直接的に結合することによりアポトーシスを抑制する(EMBO J. 1997, 16, 6209-6216, Nat. Cell. Biol. 2001, 3, 839-843)。Hsc70は、新たに合成される細胞質タンパク質の折り畳み、損傷したタンパク質の再折り畳み、誤って折り畳まれたタンパク質の分解、及び細胞質タンパク質の特定器官への運搬のような細胞学的過程で様々な役割りをすることで知られている(Nature 1996, 381, 571-579, Cell 1998, 92, 351-366, Science 1999, 286, 1888-1893)。アポトーシスを惹起させるHsc70の抑制剤は、抗がん剤治療剤(Gene Dev. 2005, 19, 570-582, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2000, 97, 7871-7876)として知られており、免疫抑制剤(Pediatr Transplant. 2004, 8, 594-599, J. Clin. Pharmacol. 1998, 38, 981-993)として使用できる。そのため、Hsc70を阻害してアポトーシスを誘導する小分子は、アポトーシス関連タンパク質の作用メカニズムを理解するための基礎生物学的研究に利用されたり、アポトーシスに関連する疾患、特に癌と免疫関連疾患を治療するための新たな治療剤として利用できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Cell, 2003, 112, 481-490
【非特許文献2】Science 1998, 281, 1305-1308
【非特許文献3】Cell, 1999, 96, 245-254
【非特許文献4】Science 1995, 267, 1456-1462
【非特許文献5】Nat. Rev. Drug Dis. 2002, 1, 111-121
【非特許文献6】Nat. Rev. MoI. Cell. Biol. 2000, 1, 120-129
【非特許文献7】Chem. Biol. 2002, 9, 1059-1072
【非特許文献8】Nat. Chem. Biol. 2006, 2, 543-550
【非特許文献9】Science 1998, 281, 1312-1316
【非特許文献10】EMBO J. 1997, 16, 6209-6216
【非特許文献11】Nat. Cell. Biol. 2001, 3, 839-843
【非特許文献12】Nature 1996, 381, 571-579
【非特許文献13】Cell 1998, 92, 351-366
【非特許文献14】Science 1999, 286, 1888-1893
【非特許文献15】Gene Dev. 2005, 19, 570-582
【非特許文献16】Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2000, 97, 7871-7876
【非特許文献17】Pediatr Transplant. 2004, 8, 594-599
【非特許文献18】J. Clin. Pharmacol. 1998, 38, 981-993
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、アポトーシスを誘導する小分子とこれらの薬学的組成物を利用してアポトーシスを誘導する方法を開発する必要がある。開発された小分子は、アポトーシス調節タンパク質の分子レベルでの作用メカニズムの究明に貴重な情報を提供するだけでなく、究極的にはアポトーシス関連疾患の新たな治療剤として利用できる。現在の発明は、これらの要求、そしてまた別の要求を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アポトーシスを誘導する新規化合物と薬学的組成物、そして方法に関するものである。よって、該化合物と組成物はアポトーシスを惹起することにより、癌や免疫関連疾患の治療に用いることができる。
【0007】
本発明の一つ目の目的は、アポトーシスを誘導し得る新規化合物を提供するものである。
【0008】
本発明の二つ目の目的は、癌、免疫関連疾患、嚢胞性繊維症(cystic fibrosis)のような様々な疾患の治療のためにアポトーシスを誘導し得る有用な薬学的組成物を提供するものである。該化合物は、薬学的に受容可能な全ての異性質体、塩形態(salts)、水和形態(hydrates)、溶媒和形態(solvates)、そしてプロドラッグ(prodrugs)を含む。
【0009】
本発明の三つ目の目的は、アポトーシスを誘導する方法を提供することである。該化合物を人の癌細胞と一緒に培養すると、癌細胞の細胞死が進行する。
【0010】
本発明の四つ目の目的は、リンパ球の活性を抑制する方法を提供することである。該化合物をヒトリンパ球と一緒に培養すると、この化合物によってリンパ球の非活性化が起こる。
【0011】
本発明の五つ目の目的は、嚢胞性繊維症治療方法を提供することである。化合物を、変形した突然変異嚢胞性繊維症トランスメンブレン電導性調節タンパク質(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator, CFTR)が発現する細胞と一緒に培養すると、突然変異タンパク質は該化合物によって原形質膜(plasma membrane)に移動する。
【0012】
本発明の六つ目の目的は、アポトーシスを誘導することができるまた別の有用な化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の具体的な内容は、次の説明により明らかにする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の化合物や薬学的組成物を利用すると、アポトーシスを誘導して癌や免疫関連疾患を治療できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】アポプトゾール1-4の構造。
【図2】アポプトゾールのヒト癌細胞に対するアポトーシス効果。癌細胞を様々な濃度のアポプトゾール1と6時間培養させた後、CyQuant kitを利用して細胞の個数を数え、細胞死の程度を調査した。(A) 卵巣癌細胞(SK-OV-3) (B) 大腸癌細胞(HCT-15) (C) 肺癌細胞(A549)
【図3】アポプトゾール1によるTNF-αとPHA誘導ヒトリンパ球の活性抑制。(A) Jurkatリンパ球を様々な濃度のアポプトゾール1と1時間培養した後、10ng/mLのTNF-αと1時間培養して尾脚(uropod)形成を誘導する。形成された尾脚は、顕微鏡で観察して決める。(B) TNF-α(10ng/mL)で48時間処理したリンパ球を様々な濃度のアポプトゾール1と24時間培養する。細胞個数はCyQuant kitで測定する。(C) Jurkatリンパ球を様々な濃度のアポプトゾール1と1時間培養した後、10μg/mL PHAを入れ、1時間培養して細胞凝集(cell aggregation)を誘導する。細胞凝集は40倍顕微鏡を利用して測定する。
【図4】アポプトゾール1によって変形された△F508-CFTRの細胞内輸送。(A) 原形質膜に正常CFTRを発現するCapan-1細胞は、CFTR抗体を処理した時に細胞膜で円形形態の強い蛍光を見せる。(B) △F508-CFTRが発現されるCFPAC-1細胞は、プロテアソーム(proteasome)でHsc70によって△F508-CFTRが分解されるため、CFTR抗体を処理した際に細胞膜に蛍光信号が殆ど表れない。(C) アポトーシスを誘導しない濃度のアポプトゾール1(100nM)で24時間処理したCFPAC-1細胞では、Hsc70による△F508-CFTR分解が抑制される(左側:顕微鏡イメージ、右側:蛍光イメージ、免疫染色)。細胞表面のCFTRを検出するために非透過免疫染色法を用いた。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、次の構造とアポトーシス誘導活性を有する新規イミダゾール誘導体を提供するものである。
【化1】

【0017】
また、本発明はアポトーシスを誘導するための活性成分として一般式(I)のイミダゾール誘導体を含む薬学的組成物を提供するものである。
【化2】

ここで、R1は水素、C0-4アルキルアリール、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は-[(CH2)2-O]0-3-(CH2)2-NH2を含むが、これらに限定されるのではなく;
R2はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含むが、これらに限定されるのではなく;
R3はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含むが、これらに限定されるのではなく;
R4はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含むが、これらに限定されるのではない。
【0018】
好ましい化合物は、R1-R4基がここに限定されはしないが、次を含む作用基である誘導体である。
【化3】

【化4】

【化5】

【0019】
本発明のより好ましい化合物は下記の化合物だが、これらに限定されるのではない。
【化6】

【0020】
また本発明は、その薬学的に受容可能な異性質体、塩形態、水和形態、溶媒和形態およびプロドラッグを提供するものである。
【0021】
また本発明は、癌治療のための活性成分として前記化合物を含む薬学的組成物を提供するものである。
【0022】
また本発明は、癌細胞を本発明の前記化合物で処理して癌細胞を死滅させるアポトーシス誘導方法を提供するものである。癌細胞のアポトーシスを誘導する方法は、癌細胞の細胞死滅を検出する段階をさらに含むことが好ましく、癌細胞の細胞死滅を検出することは、癌細胞の原形質膜上のリン脂質(phospholipid)の非対称損失を測定することがより好ましい。
【0023】
また本発明は、リンパ球活性抑制のための活性成分として、前記化合物を含む薬学的組成物を提供するものである。
【0024】
また本発明は、リンパ球を本発明の化合物で処理してリンパ球を非活性化させリンパ球の非活性化方法を提供するものである。
【0025】
また本発明は、嚢胞性繊維症治療のための活性成分として前記化合物を含む薬学的組成物を提供するものである。
【0026】
また本発明は、突然変異タンパク質を含有する細胞を本発明の化合物で処理して変形突然変異タンパク質を細胞膜に移動させ、突然変異タンパク質の細胞内輸送を増加させる方法を提供するものである。
【0027】
また本発明は、アポトーシスの誘導に有用な追加的な化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供するものであり、細胞は本発明の化合物と培養して検出される。
【0028】
アポプトゾールの細胞内標的タンパク質としてのHsc70
本発明のアポプトゾール(apoptozole)の作用メカニズムを理解すると、アポトーシス過程の理解に貴重な情報を与えることができ、また非正常的なアポトーシスによって発生する疾病の治療に有用な他の医薬剤の開発に役立ち得る。アポトーシスを起こすアポプトゾールの作用メカニズムを調査するためにアポプトゾールが結合したアガロース(agarose)をP19細胞で抽出したタンパク質と一緒に培養し、アポプトゾールに結合されたタンパク質はSDS/PAGEで分析された。アフィニティー−クロマトグラフィー(affinity chromatography)後、70kDa近くで一つの厚いバンドが観察された。タンパク質抽出物を競争的阻害剤としてアポプトゾール(0.25, 0.50mM)で先培養した際、アポプトゾールマトリックスに70kDaタンパク質が結合されないが、これはこのタンパク質に対するアポプトゾールの特異性を示すものである。このバンドは、ナノLC-MS/MSによってHsc70であることが明らかになった。Hsc70がアポプトゾールの標的タンパク質であることを確認するために、外部アポプトゾールの存在下にアポプトゾールマトリックスに結合するタンパク質をHsc70抗体を利用して分析した。外部競争者がある場合、Hsc70はアフィニティー−クロマトグラフィー中アポプトゾールに結合しなかった。この結果をさらに確認するために、〜40-50%程度のHsc70タンパク質とmRNAの発現を減らすソジウム4−フェニルブチレート(sodium 4-phenylbutyrate, 4-PBA, 0-1.5mM)をP19細胞と一緒に培養させ、この細胞から得られたタンパク質抽出物をアポプトゾールマトリックスと反応させて結合されたタンパク質をHsc70抗体を利用して分析した。P19細胞を4-PBAで処理すると細胞内Hsc70発現量が減少するため、アポプトゾールマトリックスに結合したHsc70の量は4-PBAの濃度の増加に伴い減少した。
【0029】
標的タンパク質であるHsc70は、細胞内で新たに合成したタンパク質の折り畳み(folding)、損傷されたタンパク質の再折り畳み(refolding)、誤って折り畳まれたタンパク質の分解、細胞質タンパク質の特定組織への移動及び小嚢(vesicle)からクラスリン(clathrin)を除去することのような多様且つ重要な役割をする。該タンパク質はアポトーシス抑制タンパク質のため、Hsc70はまた癌の誘発と関係があることが知られている。よって、該タンパク質の活性を阻害するとアポトーシスを起こすことから、該タンパク質の阻害剤の開発は抗がん剤の開発に有用である。さらに、Hsc70はリンパ球活性を伴うNF-kBのような転写因子の核輸送を仲介するシャペロンタンパク質である。制御されないNF-kBの活性化は同種移植拒否(allograft rejection)、リューマチ関節炎と気管支喘息のような多くの免疫、炎症疾患を誘発することが知られている。このような結果として、Hsc70の機能を抑制できる小分子は、移植拒否を防ぐ免疫抑制剤とNF-kBの活性を部分的に抑制することにより、自己免疫疾患(autoimmune diseases)治療剤として利用できる。また、Hsc70は小胞体で非正常に折り畳まれたタンパク質の分解を助けることで知られている。嚢胞性繊維症は小胞体内の突然変異CFTRが分解されて塩素イオンチャンネルの役割を果たせないことで起こる。CFTRの最も有り触れた突然変異は、508番位置のフェニルアラニンが除去されたCFTR(ΔF508-CFTR)である。この突然変異CFTRは、非正常に折り畳まれた形態で発現され、小胞体でHsc70と結合したままユビキチン−プロテアソーム経路を通じて分解される。これによって細胞膜で塩素イオンチャンネルとして作用するCFTRがなくなり、多くの組織で非正常的な塩素イオン輸送を誘発する。突然変異CFTRとHsc70の結合を阻害すると、突然変異CFTRが小胞体で分解されず、小胞体から抜け出すことが知られている。よって、Hsc70の機能を抑制することにより、ΔF508-CFTRを細胞膜に移動させる小分子は、嚢胞性繊維症の治療剤として使用できる。
【0030】
アポプトゾールを利用して癌アポトーシスを誘導する方法
本発明の一つの具体例は、癌治療のための癌細胞アポトーシスを誘導する方法を提供する。一つの例示的具体例として、癌細胞をアポプトゾール1-4を含む薬学的組成物と一緒に培養すると、癌細胞の細胞死滅が起こる。ヒト癌細胞(卵巣癌細胞;SK-OV-3, 大腸癌細胞;HCT-15, 肺癌細胞;A549)を様々な濃度の一般式Iの化合物(又はその組成物)と一緒に培養すると、癌細胞が死滅する。アポプトゾール1-4のような一般式Iの化合物の濃度は、癌細胞の死滅を誘導するように調整できる。アポプトゾール1-4は0.05μMと1.0μM間で癌細胞と一緒に培養することが典型的である。
【0031】
大腸癌細胞(HCT-15)と卵巣癌細胞(SK-OV-3)は、10%ウシ胎児血清(fetal bovine serum, FBS)が入っているRPMI 1640の培養培地で培養する。肺癌細胞(A549)は、10%FBSが添加されたHam's F12K培養培地で培養する。全ての培養培地には4mM のL−グルタミン、100units/mLのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンが含まれている。癌細胞は、成長に必要な最適の条件で培養される。この条件には、空気内5%CO2、37℃の温度条件を含む。細胞は本発明の方法に従ってプラスチック皿、フラスコ、又はローラーボトルで培養する。適当な培養容器として、多重−容器プレート、ペトリ皿、組織培養管、フラスコ、ローラーボトル等を含む。
【0032】
アポトーシス細胞死は、FITC−アネキシンV(FITC-annexin V, 2μg/mL)とプロピジウムアイオダイド(propidium iodide, PI, 5μg/mL)の組合わせを利用して測定した(Cytometry 1999, 37, 197-204)。アポトーシス過程は比較的早く(2〜4時間)、原形質膜(plasma membrane)上でのリン脂質の非対称の消滅により、ホスファチジルセリンが細胞表面に露出することを含む。細胞表面に露出したホスファチジルセリンは、FITC−アネキシンVで検出する。PIは、アポトーシスより更に膜が破壊された細胞(遅いアポトーシスや細胞壊死過程)を検出するために使用する。よってP19細胞内に、アネキシンVには染色され、PIには染色されない化合物を選択する。細胞増殖は、CyQuant細胞増殖分析キット(Invitrogen)を使用して測定する。
【0033】
アポトーシス誘導化合物のスクリーニング方法
本発明のまた別の具体例では、アポトーシスを誘導する追加的な化合物を同定するためのスクリーニング方法を提供する。アポトーシスを誘導する潜在力を有する試験化合物を細胞と一緒に培養する。細胞死滅はFITC−アネキシンV(2μg/mL)とPI(5μg/mL)の組合せを利用して検出でき(Cytometry 1999, 37, 197-204)、細胞数はCyQuant細胞増殖分析キットを使用して計数する。この実験にて、アポトーシスを誘導する化合物を「先導物質(hit)」とする。
【0034】
さらに好ましい具体例では、高速薬物スクリーニング(high-throughput screening)方法は、多数の潜在的な生理活性化合物を含む化合物ライブラリーを提供することを含む。その後、組み合わされた化合物ライブラリーは、アポトーシスを誘導する活性を表わすこれらライブラリーメンバーを同定するために、一つ又はそれ以上の分析を通じてスクリーニングされる。このようにして同定された化合物は、従来の先導化合物になるか、洗剤的なまたは実質的な治療剤として使用できる。
【0035】
アポプトゾールによるヒトリンパ球の非活性化
本発明のまた別の具体例は、免疫関連疾病治療のためのヒトリンパ球を非活性化する方法を提供するものである。この具体例では、リンパ球を一般式Iの(又はそれで構成された)化合物と一緒に培養するとリンパ球が非活性化する。Hsc70は、アポプトゾールの標的タンパク質としてリンパ球活性に関するNF-κBのような転写因子を細胞核に移動させるシャペロンタンパク質である。NF-κBの活性を正常的に調節できない場合は、同種移植拒否、リューマチ関節炎、そして気管支喘息のような多くの免疫と炎症疾患が起こることで知られている(Pediatr. Transplant. 2004, 8, 594-599, J. Clin. Pharmacol. 1998, 38, 981-993)。結果的に、Hsc70の機能を抑制する小分子は、NF-KB活性を部分的に抑制して移植拒否予防及び自己免疫疾患治療のための免疫抑制剤として使用できる。
【0036】
リンパ球が活性すると、細胞分極と細胞増殖中、後方極に尾脚(uropod)が形成する。Jurkatリンパ球を様々な濃度のアポプトゾールと1時間培養し、このように処理された細胞を1時間TNF-αで処理すると活性化する。アポプトゾールは、TNF-αだけ処理した細胞と比較した場合、TNF-αによって誘導された尾脚形成を45%減少させる。アポプトゾールはまた、TNF-αによって誘導されたT−細胞増殖を抑制する(100nMアポプトゾールで65%増殖を減少)。さらに、アポプトゾールはフィトヘムアグルチニン(phytohemagglutinin, PHA)で誘導されたリンパ球の同種型細胞凝集(homotypic aggregation)を抑制する。Jurkatリンパ球を様々な濃度のアポプトゾールで1時間処理した後、同種型細胞凝集を誘導するためにフィトヘムアグルチニンを処理した。アポプトゾールはリンパ球凝集(100nMアポプトゾールによって76%減少)を抑制させた。
【0037】
アポプトゾールによる突然変異CFTRの原形質膜への移動
本発明のまた別の具体例には、嚢胞性繊維症治療のために突然変異CFTRの原形質膜への移動方法を提供する。Hsc70は小胞体内で誤って折り畳まれたタンパク質の分解に重要な役割をする(Nature 1996, 381, 571-579, Cell 1998, 92, 351-366, Science 1999, 286, 1888-1893)。嚢胞性繊維症は小胞体で作られる突然変異CFTRが除去されて発生する疾患である。CFTRの最も有り触れている突然変異は、508番目のフェニルアラニンがない△F508-CFRTである。この突然変異タンパク質は、誤って折り畳まれた形態で発現するが、このタンパク質は小胞体でHsc70と結合した後、ユビキチン−プロテアソーム経路を通じて分解される。これによって原形質膜にCFTR塩素イオンチャンネルがなくなり、多くの組織で非正常的な塩素イオン輸送が起こる。Hsc70と突然変異CFTRの結合を阻害すると、突然変異CFTRが小胞体から抜け出して分解されないということが知られている(Am. J. Physiol. Lung Cell MoI. Physiol. 2001, 281, L43, Am. J. Physiol. Cell Physiol. 2000, 278, C259-C267)。これは、小分子がHsc70の機能を抑制すると、△F508-CFTRが原形質膜に移動して嚢胞性繊維症の治療剤として使用できるということを示している。前記アポプトゾールが△F508-CFTRを原形質膜へ輸送させることができるか調べるために、2種類の細胞主(Capan-1, CFPAC-1)を実験に利用した。非透過性Capan-1細胞は細胞膜に正常的なCFTRを発現する。非透過性CFPAC-1細胞は、突然変異△F508-CFTRを有する嚢胞性繊維症(CF)患者から由来した膵臓管細胞株としてプロテアソーム過程を通じて突然変異タンパク質を分解するため、細胞表面にはこのタンパク質が殆ど発現しない。Capan-1細胞をCFTR抗体で免疫染色すると、細胞表面で強い蛍光が観察される。その反面、CFPAC-1細胞を免疫染色すると、突然変異CFTRは細胞内で分解されるため、細胞表面には蛍光信号が殆ど見えない。しかし、CFPAC-1細胞に100nMアポプトゾール(アポトーシスが起こらない濃度)を24時間処理すると、該化合物がHsc70の機能を抑制するため、突然変異タンパク質が細胞内で分解されず原形質膜に△F508-CFTRが一部発現する。
【0038】
治療方法
本発明のまた別の実施例は、アポプトゾールを患者に投与して疾患を治療する方法を提供するものである。この実施例には、該治療が必要な患者に一般式Iの化合物(例えばアポプトゾール化合物1-4又はその組成物)を投与すると、癌細胞は死滅し、リンパ球は非活性になり、突然変異CFTRは細胞膜で発現する。
【0039】
以下、本発明を下記の実施例にてより詳しく説明するが、本発明の範囲はこれら実施例によって制限されるものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1
4−2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ビス(4−メトキシフェニル)イミダゾール−1−イル−メチル−ベンズアミド(アポプトゾール1)の合成
【化7】

【0041】
アンモニウムアセテート(0.6g, 8mmol)をアセト酸(5mL)と混ぜた後、ここに3,5−ビス(トリフルオロメチルベンズアルデヒド(0.3μL, 1.7mmol)、4,4’−ジメトキシベンジル(0.5g, 1.7mmol)及び4−(アミノメチル)ベンズアミド(0.2g, 1.3mmol)を添加する。100℃で5時間攪拌させた後、その反応混合物をCH2Cl2で希釈する。有機層を水と塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥ろ過した後、減圧濃縮する。得られた粗生成物(crude product)をフラッシュカラムクロマトグラフィー(3:1 - 1:1, hexane/EtOAc)を利用して精製し生成物(0.4mmol, 30%収得率)を得た:1H NMR (250 MHz, CD3OD) δ8.82 (s, 2 H), 8.67 (s, 2 H), 8.40 (d, 2 H, J = 10.0), 8.06 (d, 2 H, J = 8.8), 7.90 (d, 2 H, J = 8.1), 7.62-7.58 (m, 4 H), 7.45 (d, 2 H, J = 8.8), 5.91 (s, 2 H), 4.45 (s, 3 H), 4.40 (s, 3 H); 13C NMR (125 MHz, CD3OD) δ171.6, 162.0, 160.5, 145.9, 142.4, 140.1, 134.5, 134.3, 133.7, 133.4, 133.2, 132.5, 130.4, 129.6, 129.4, 127.6, 127.2, 123.7, 123.1, 115.8, 114.8, 55.9, 55.8, 40.5; MALDI-TOF-MS calcd for C33H25F6N3O3 (M+Na)+ 648.18, found 648.18.
【0042】
実施例2
N−2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル−4,2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−4,5−ビス(4−メトキシフェニル)イミダゾール−1−イル−メチルベンズアミド(アポプトゾール2)の合成
【化8】

【0043】
アンモニウムアセテート(0.9g, 11.9mmol)をアセト酸(5mL)と混ぜた後、ここに3,5−ビス(トリフルオロメチルベンズアルデヒド(0.4μL, 2.6mmol)、4,4’−ジメトキシベンジル(0.7g, 2.6mmol)及び4−(アミノメチル)ベンゾ酸(0.3g, 2.0mmol)を添加する。100℃で5時間攪拌させた後、揮発性物質を減圧除去する。残留物に水を加えて固体生成物を得る。固体生成物をろ過して捕集した後、エーテルで数回洗浄して純酸(0.6mmol, 32%収得率)を得た;1H NMR (250 MHz, DMSO-d6) δ8.18 (s, 2 H), 8.13 (s, 2 H), 7.79 (d, 2 H, J = 8.2), 7.42 (d, 2 H, J = 8.7), 7.29 (d, 2 H, J = 8.6), 7.02 (d, 2 H, J = 8.6) 6.83 (d, 4 H, J = 8.8), 5.26 (s, 2 H), 4.45 (s, 3 H), 3.78 (s, 3 H); 13C NMR (62.5 MHz, DMSO-d6) δ176.4, 169.3, 167.7, 152.9, 151.5, 147.2, 142.6, 141.8, 140.5, 140.2, 139.9, 139.4, 139.3, 138.0, 137.0, 136.3, 135.5, 134.8, 131.4, 124.3, 123.3, 64.7, 64.6, 24.7; MALDI-TOF-MS calcd for C33H24F6N2O4 (M+Na)+ 649.15, found 649.16.
【0044】
前記工程で得た酸(50.1mg, 80μmol)、1−ベンゾトリアゾールオキシトリス(ジメチルアミノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェート(BOP, 53.0mg, 120μmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt, 16.2mg, 120μmol)及びN−エチルモルホリン(NEM, 15.2mL, 120μmol)をDMF(500μL)に溶解させた溶液をアミノエチル化されたワンレジン(Wang resin, 0.04g, 40μmol)に添加する。12時間振盪した後、レジンをDMFで数回洗浄する。化合物が結合したレジンをTFA-TES(90:10)と1時間反応させて生成物を取り出す。得られた粗生成物を2-100%アセトニトリル(CH3CN)水溶液で90分間液状−HPLCを利用して精製した:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ8.17 (s. 2 H), 8.07 (s, 2 H), 7.70 (d, 2 H, J = 8.4), 7.40 (d, 2 H, J = 8.8), 7.25 (d, 2 H, J = 8.8), 6.96 (d, 2 H, J = 8.8), 6.81 (d, 2 H, J = 9.2), 5.27 (s, 2 H), 3.80 (s, 3 H), 3.75 (s, 3 H), 3.68-3.63(m, 8 H), 3.54 (t, 2 H, J = 5.6), 3.08 (t, 2 H, J = 5.2); 13C NMR (125 MHz, CD3OD) 169.6, 162.1, 160.7, 145.6, 141.9, 139.4, 135.1, 133.7, 133.6, 133.5, 133.2, 132.5, 130.5, 129.7, 129.0, 127.3, 126.8, 124.0, 122.7, 115.8, 114.9, 71.5, 71.4, 70.7, 68.0, 55.9, 55.8, 40.8, 40.7; MALDI-TOF-MS calcd for C39H38F6N4O5 (M+Na)+ 779.26, found 779.27.
【0045】
上の実施例1-2に記述した方法と、適合した反応物質と試薬を利用して次のイミダゾール誘導体を合成した:
4−[2−(9H−フルオレン−3−イル)−4,5−ジフェニルイミダゾール−1−イル−メチル]ベンズアミド(アポプトゾール3)と、N−2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチル−4−[2−(9H−フルオレン−3−イル)−4,5−ジフェニルイミダゾール−1−イル−メチル]ベンズアミド(アポプトゾール4)。
【0046】
実施例3
細胞培養及び小分子スクリーニング
ヒトリンパ球(human lymphocytes)であるJurkat細胞は、5%FBSが補充されたRPMI1640培地、ヒト大腸癌細胞であるHCT-15と卵巣癌細胞であるSV-OV-3は、10%FBSが補充されたRPMI1640培地、ヒト肺癌細胞であるA549は、10%FBSが補充されたHam’s F12K培地で培養する。全ての培養培地には4mMのL−グルタミン、100units/mLのフェニルシリン、及び100μg/mLのストレプトマイシンが含有されている。全ての細胞は5% CO2と37℃で培養する。
【0047】
小分子スクリーニングのためにイミダゾール誘導体は96ウェルプレートでスクリーンされ、このとき一方のプレートはアポトーシスが進行する間ホスファチジルセリンが細胞表面に露出されるもの(細胞膜を標識するFITC−アネキシンVを利用)を測定し、他のプレートは細胞膜透過性(細胞核を標識するPIを利用)を測定する。それぞれの化合物を最終濃度500nMで5×104個のP19細胞を含有する二つの組織培養ウェルプレートに入れる。陽性対照群として2個のウェルプレートに500μM過酸化水素を入れ、3時間培養しアポトーシスを誘導する。0.1% DMSOを処理した細胞を陰性対照群として使用した。各化合物と3時間培養させた細胞は、PBSで2回洗浄する。培養細胞をPBS内の3%ホルムアルデヒドと常温で10分間反応させて固定させた後、この固定された細胞をPBSで2回洗浄する。一つの96ウェルプレートにある細胞培養液は希釈FITC−アネキシンV(2μg/mL)と培養し、二つ目のプレートの細胞培養液はPI(5μg/mL)で処理する。2個のプレート共に暗所で5分間培養する。細胞培養液をPBSで3回洗浄した後、蛍光マイクロプレートリーダー(SpectraMax GeminiEM, Molcecular Devices)を使用して蛍光の強さを定量する。FITC−アネキシンV信号は、485nmで励起させ、538nmで放出させて読み取る。PI信号は544nmで励起させ、612nmで放出させて読み取る。陽性FITC−アネキシンVと陰性PIを見せる化合物をアポトーシスを誘導する「先導物質(hit compound)」に選択した。
【0048】
実施例4
細胞増殖と細胞生存分析
細胞を105cells/mLで96ウェルプレートに入れ、完全成長培地で48時間培養する。この細胞をアポプトゾールと6時間処理した後、化合物がない培地で培養する。試料から死滅した細胞を除去するために、トリプシン化によって細胞を摘出する。細胞増殖はCyQuant細胞増殖分析キットによって決定された。
【0049】
実施例5
免疫活性抑制
自発的な尾脚(uropod)形成傾向を減少させるために、Jurkatリンパ球を5% FBS中で103cells/mLの密度で6ウェルプレートで培養する。リンパ球を様々な濃度(0-100μM)のアポプトゾールで1時間処理する。アポプトゾールで処理したリンパ球をTNF-α(10ng/mL)に1時間培養させて尾脚形成を誘導するように活性化する。顕微鏡を利用して尾脚形成可否を観察した。
【0050】
同種型細胞凝集の研究のために、リンパ球を2×104cells/mLの密度で6ウェルプレートで培養させた後、様々な濃度(0-100μM)のアポプトゾールで1時間処理する。その後、細胞をPHA(10μg/mL)に1時間培養させて同種型細胞凝集を誘導する。同種型細胞凝集は、無作為で40倍顕微鏡で観察して測定した。
【0051】
実施例6
細胞膜でΔF508-CFTR発現の観察
Capan-1とCFPAC-1細胞をパーマノックススライド(Permanox slides, Fisher Scientific)上で24時間成長させた後、1mM4-PBAと100nMアポプトゾールを24時間処理する。この処理された細胞を温かいPBSで3回洗浄する。細胞表面のCFTRを探知するために、標準実験手続きに沿って固定化溶液でTriton-X100を除去した細胞懸濁液に対して、ウサギ由来のCFTRポリクローナル抗体(1:500, Abcam)、ビオチン−接合抗ウサギ抗体(1:500, Abcam)、テキサスレッド−接合ストレプトアビジンを利用した免疫染色法を行った。スライドは蛍光顕微鏡を利用して分析した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造:
【化1】

で構成された群から選ばれたいずれかのアポトーシスを誘導する化合物。
【請求項2】
前記化合物が、下記構造:
【化2】

を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
アポトーシスを誘導するための活性成分として、下記構造:
【化3】

[前記式中、R1は水素、C0-4アルキルアリール、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル又は-[(CH2)2-O]0-3-(CH2)2-NH2を含む官能基であるが、これらに限定されるのではなく;
R2はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含む官能基であるが、これらに限定されるのではなく;
R3はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含む官能基であるが、これらに限定されるのではなく;
R4はアルキル、C3-8シクロアルキル、C0-4アルキルアリール又はアルケニルアリールを含む官能基であるが、これらに限定されるのではない]
を有する一般式(I)の化合物を含む薬学的組成物。
【請求項4】
前記R1が下記の作用基:
【化4】

で構成された群から選ばれたいずれかの作用基である請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記R2は下記の作用基:
【化5】

で構成された群から選ばれたいずれかの作用基である請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
前記R3とR4は下記の作用基:
【化6】

で構成された群から選ばれたいずれかの作用基である請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
前記化合物は、下記の群:
【化7】

から選ばれたいずれかの化合物である請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記化合物は、下記の化合物:
【化8】

である請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物を癌治療用活性成分として含む薬学的組成物。
【請求項10】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物で癌細胞を処理して癌細胞死に至らせるアポトーシス誘導方法。
【請求項11】
癌細胞の死滅を検出する段階をさらに含む請求項10に記載のアポトーシス誘導方法。
【請求項12】
癌細胞の死滅検出は、前記癌細胞の原形質膜上でリン脂質の非対称の消滅を測定することからなる請求項11に記載のアポトーシス誘導方法。
【請求項13】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物を自己免疫疾患抑制用活性成分として含む薬学的組成物。
【請求項14】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物でリンパ球を処理してリンパ球を不活性化するヒトリンパ球不活性化方法。
【請求項15】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物を嚢胞性繊維症治療用活性成分として含む薬学的組成物。
【請求項16】
請求項3から8のいずれかに記載の化合物で突然変異嚢胞性繊維症膜貫通電導性調節タンパク質(cystic fibrosis transmembrane conductance regulator, CFTR)を発現する細胞を処理し、突然変異タンパク質を細胞膜を貫通して位置するようにする嚢胞性繊維症の治療方法。
【請求項17】
細胞を請求項3から8のいずれかに記載の化合物と一緒に培養し、検出してアポトーシスを誘導するための追加的な有用な化合物を同定するスクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−521421(P2010−521421A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550782(P2009−550782)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【国際出願番号】PCT/KR2007/000970
【国際公開番号】WO2008/105565
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(507175175)インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ヨンセイ ユニバーシティ (18)
【Fターム(参考)】