説明

アミド化合物を用いた分離方法

【課題】超音波発生器、遠心分離装置等を必要とせず、水溶性無機成分と水溶性有機成分を分離する方法、およびそれに用いる組成物を提供する。
【解決手段】特定のアミド化合物および水を含むことを特徴とする分離用組成物を用いて、水溶性無機成分と水溶性有機成分を分離する方法であって、温度を制御して分離を行うものであり、この特性を利用して温度センサーにも利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアミド化合物を含む、水溶性無機成分と水溶性有機成分とを分離するための組成物に関する。また本発明は、この分離用組成物を用いた水溶性無機成分と水溶性有機成分との分離方法に関する。さらに、本発明は、特定のアミド化合物を含む組成物を備えた温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の物質を含む組成物や混合物から目的物を分離する方法としては、例えば、2つの溶媒による2液相系を用いたものがある。これには、超音波を用いるものと、遠心分離を用いるものとが主として知られている。
【0003】
超音波を用いるものは、2つの溶媒に超音波を照射して2つの相を分散させて2液相間の接触面積を増やし、これにより分離能を高めるものである。しかし、超音波を用いた場合は、目的とする物質が分解する恐れがあり、また、工業規模での超音波発生装置の使用は容易ではなく、さらに、超音波を用いた場合でも分散する溶媒の直径の下限が2μm程度と大きく、このため、分離能を向上させることにも限界があった。
【0004】
また、遠心分離を用いるものは、遠心クロマトグラフィーとして知られているが、必要とする遠心分離装置が大きく複雑なものであるため、コストが高く、また、工業規模にスケールアップすることおよびマイクロスケール、ナノスケール等の小さい規模にすることが不可能であるという問題がある。
【0005】
さらに、分離すべき成分の双方が水溶性である場合、再結晶法などにより、分離精製することが知られているが、晶析や濾過に時間を要し、効率的な分離方法とはいえない。
【0006】
一方、第1の溶媒と第2の溶媒が温度を変化させることにより2液相に分離した状態から1液相に相互溶解した状態に可逆的に相変化する現象は、古くから知られており、例えば、水とフェノールとの組み合わせや、水とジプロピルアミンとの組み合わせなどが有名である(非特許文献1)。
【0007】
しかし、非特許文献1には、これらの溶媒を用いて物質を分離する方法については記載されていない。
【0008】
また、第1の溶媒と第2の溶媒により化学反応を行うための溶媒システムであって、第1の溶媒と第2の溶媒が温度を変化させることにより2液相に分離した状態から1液相に相互溶解した状態に可逆的に相変化する溶媒システムについては、本発明者らにより報告されている(特許文献1)。
【0009】
さらに、上記の溶媒システムを用いて、カラムにより目的物質を分離する方法が、本発明者らにより報告されている(特許文献2)。
【0010】
そして、特許文献2には、温度を上昇させることにより2液相から1液相に変化する組成物の具体例が記載されている。
【0011】
また、温度センサとしては、アルコール温度計、熱電対温度計、サーモグラフィ等種々のものが知られているが、温度に依存して1液相と2液相の状態が可逆変化する組成物を用いたものは、知られていない。
【0012】
【特許文献1】特開2003−62448号公報
【特許文献2】特開2005−52701号公報
【非特許文献1】相律と状態図、共立出版、p38−41
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、超音波発生器、遠心分離装置等を必要とせず、効率的に水溶性無機成分と水溶性有機成分を分離する方法、およびそれに用いる組成物を提供することにある。特に、温度を上昇させることにより1液相から2液相に変化する組成物を用いて、これらの成分を分離する方法および、それに用いる組成物を提供することにある。さらに本発明の課題は、新規の温度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、特定のアミド化合物と水を用いた組成物が、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0015】
即ち、本発明は、下記式(1)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1種のアミド化合物および水を含むことを特徴とする、水溶性無機成分および/または水溶性有機成分の分離用組成物である。
【化3】

【0016】
また、本発明は、さらに塩を含むことを特徴とする、上記の分離用組成物である。
【0017】
また、本発明は、塩が、無機塩であることを特徴とする、上記の分離用組成物である。
【0018】
また、本発明は、1液相の状態と2液相の状態が、温度に依存して可逆的に変化することを特徴とする、上記の分離用組成物である。
【0019】
また、本発明は、2液相の状態において、下層に水溶性無機成分が溶解し、および/または、上層に水溶性有機成分が溶解することを特徴とする、上記の分離用組成物である。
【0020】
また、本発明は、水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を分離する方法であって、
(1)上記の分離用組成物が1液相を形成する温度領域に、前記組成物の温度を維持する工程、
(2)水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を、1液相となった前記組成物に溶解する工程、
(3)前記組成物が2液相となる温度領域に、前記組成物の温度を変化させる工程、
(4)2液相となった前記組成物の上層と下層とを分離する工程、
を含み、
前記下層には水溶性無機成分が溶解しており、および/または、前記上層には水溶性有機成分が溶解していることを特徴とする、分離方法である。
【0021】
また、本発明は、
(5)前記下層から水溶性無機成分を抽出する工程、および/または、前記上層から水溶性有機成分を抽出する工程を、
をさらに含むことを特徴とする、上記の分離方法である。
【0022】
また、本発明は、下記式(1)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1種のアミド化合物および水を含む組成物を備えたことを特徴とする、温度センサである。
【化4】

【0023】
また、本発明は、前記組成物がさらに塩を含むことを特徴とする、上記の温度センサである。
【0024】
また、本発明は、前記組成物が、1液相の状態と2液相の状態が温度に依存して可逆的に変化する組成物であることを特徴とする、上記の温度センサである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、容易に水溶性無機成分と水溶性有機成分とを分離することができる。
【0026】
また、本発明によれば、新規な温度センサを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に用いられるアミド化合物は、式(1)〜(7)で示されるものである。
【0028】
式(1)〜(7)で示されるアミド化合物は、それぞれ、(1)N−イソプロピルプロピオンアミド(以下、「N−IPP」ということがある。)、(2)N−プロピルプロピオンアミド、(3)2,2’−オキシビス(N−sec−ブチルアセトアミド)、(4)N−イソプロピルアセトアミド(以下、「N−IPA」ということがある。)、(5)N−sec−ブチルアセトアミド、(6)2,2’−オキシビス(N−sec−イソプロピルアセトアミド)、(7)N−エチルブチルアミドである。これらの化合物は、単独で用いることのほか、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0029】
これらの化合物は、酸ハロゲン化合物とアミンを反応させることによって容易に製造することができ、また、市販品を用いることもできる。
【0030】
本発明における水とアミド化合物との組成比は、特に限定はなく、分離しようとする成分の特性により適宜決定されるが、例えば、水:アミド化合物の容積比として1:99〜99:1、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜70:30、さらに好ましくは40:60〜60:40のものを挙げることができる。
【0031】
例えば、アミド化合物としてN−IPPと水とを、容積比で50:50含む組成物は、40℃付近を境にして、低温側で1液相、高温側で2液相を形成する。以後、1液相と2液相との境界の温度を、便宜的に相転換温度と称する。
【0032】
そして、この組成物に、さらに塩を添加することにより、相転換温度を下げることが可能となる。
【0033】
本発明で用いられる塩としては、相転換温度を変化させられるものであれば特に制限はないが、例えば、NaCl等の無機塩を挙げることができる。
【0034】
例として、図1に、水およびN−IPPを含む組成物における、相転換温度の変化を示す。図1において、横軸は、水とN−IPPとの容積比を、縦軸に温度を示す。さらに、水相にNaClを添加した場合の相転換温度の変化を、併せて示す。
【0035】
図1からわかるように、水またはN−IPPの容積が増加するに従い、相転換温度が減少し、両者の容積比が50:50付近で、極小値を示す。また、水相のNaCl濃度を増加させることにより、相転換温度が低下し、NaClが0.4mol/L(M)においては、水:N−IPP=50:50(容積比)において5℃付近となる。
【0036】
したがって、水相に添加する塩濃度を変化させること、および、水とアミド化合物との容積比を変化させることにより、所望の相転換温度を得ることが可能となる。
【0037】
図2に、式(1)〜(7)で示されるアミド化合物について、水:アミド化合物=50:50(容積比)において、水相にNaClを添加した場合の相転換温度の変化を示す。いずれも、相転換温度を示す曲線の右上では2液相を、左下では1液相を示した。
【0038】
図2より、水相のNaCl濃度を増加させることにより、相転換温度が低下することがわかる。
【0039】
また、式(1)〜(3)で示されるアミド化合物においては、塩を添加しなくても、40℃以下の温度において、相転換温度が存在することがわかる。
【0040】
一方、式(4)〜(7)で示されるアミド化合物においては、塩を添加することにより、40℃以下の温度に相転換温度を下げることが可能となる。
【0041】
したがって、式(1)〜(7)で示されるアミド化合物の2種以上を組み合わせること、水相の塩濃度を変化させること、さらにアミド化合物と水相の容積比を変化させることによって、所望の相転換温度を得ることが可能となる。
【0042】
本発明において、2液相分離した組成物の下層(水相)には主として水溶性無機成分が、上層(アミド相)には主として水溶性有機成分が溶解することとなる。
【0043】
水溶性無機成分および水溶性有機成分が、下層、上層のいずれに多く溶解するか否かは、各成分の分配係数によって決定されることとなる。
【0044】
本発明における水溶性無機成分としては、特に制限はないが、例えば、NaCl,NiCl2,FeCl2,LiCl等の塩化物;FeSO4,CuSO4,Na2SO4等の硫酸塩;KBr、K2Cr27等、ほとんどの無機塩を挙げることができる。
【0045】
本発明における水溶性有機成分としては、特に制限はないが、例えば、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸;アスパルテーム、ロイシルグリシン等のジペプチド;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムパークロラート等の4級アンモニウム塩;フロキシレン、アズレン、ブロモフェノールブルー等の色素;フェロセン、Mo錯体等の金属錯体;レチノール、ピレン、ホスファチジルコリン、アルカロイド類を挙げることができる。
【0046】
本発明における分離する対象としては、特に制限はないが、例えば、タンパク質、脂質、糖類等の生体成分;天然物に含まれる極性物質、無機塩類、有機塩類、イオン性液体、色素、金属、配位子、界面活性剤、コロイド等を挙げることができる。そして、これらの物質がその分配係数とその無機性、有機性に応じて、上層、下層のいずれかに選択的に溶解することとなる。
【0047】
したがって、例えば、タンパク質の混合物を、水溶性無機成分と水溶性有機成分とに分離することも可能となる。
【0048】
本発明における水溶性無機成分、水溶性有機成分を分離する方法としては、本発明の分離用組成物を1液相となる温度領域に維持した後に、水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を混合して溶解することもでき、あるいは、分離用組成物が2液相となる温度領域において水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を混合した後、系の温度を1液相となる温度領域に変化させてから、これらの成分を溶解することもできる。
【0049】
次に、分離用組成物が2液相となる温度領域に温度を変化させることにより、下層(水相)には主として水溶性無機成分が、上層(アミド相)には主として水溶性有機成分が溶解することとなる。
【0050】
そして、上層と下層を定法により分離させることにより、水溶性無機成分と水溶性有機成分とを、簡便に分離することができる。
【0051】
また、必要に応じ、分離した下層から水溶性無機成分を抽出すること、および/または、上層から水溶性有機成分を抽出することにより、それぞれの成分を単離することも可能である。
【0052】
なお、混合する成分として、水溶性無機成分あるいは水溶性有機成分のみを用いてもよく、この場合は、それぞれの成分を精製することができる。即ち、水溶性無機成分のみを用いた場合には、水溶性無機成分に不純物として含まれる水溶性有機成分を除去することができ、一方、水溶性有機成分のみを用いた場合には、水溶性有機成分に不純物として含まれる水溶性無機成分を除去することができる。
【0053】
次に、本発明の温度センサについて説明する。
【0054】
本発明の温度センサとしては、上述した、式(1)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1種のアミド化合物および水を含む組成物を、ガラス等の透明容器に封入したアンプル等を挙げることができる。
【0055】
そして、このアンプルを、温度を測定する目的物に添付するか、あるいはその目的物付近に設置することにより、使用することができる。
【0056】
即ち、本発明の温度センサは、上述した組成物を備えているため、所定の温度領域において、1液相あるいは2液相となり、その相状態を目視により検出することにより、目的物の温度領域(相転換温度より高い、あるはい低いかどうか)を測定することができる。また、目視によるものに限らず、相状態を光学センサや電気伝導度センサ等の機器を用いて検出することもできる。
【0057】
なお、上記組成物が1液相となる温度領域から、相転換温度を超えて2液相となる温度領域に変化した場合、比較的短時間で2液相に変化する。
【0058】
一方、上記組成物が2液相となる温度領域から、相転換温度を超えて1液相となる温度領域に変化した場合、比較的長時間に渡って2液相が準安定状態で留まる傾向にある。
【0059】
したがって、本発明の温度センサを用いることにより、目的物が所定の温度を超えた履歴があるか否かを容易に検出することが可能となる。
【0060】
即ち、目的物の初期の温度領域では1液相となり、所定の温度以上で2液相になるように本発明の温度センサを製造し、目的物に設置する。そして、目的物の温度が所定の温度以上になると2液相に分離するが、再び初期の温度にもどった場合であっても、2液相が準安定な状態で維持されている。このため、2液相であることを確認することにより、容易に目的物の温度履歴(所定の温度を超えたか否か)を知ることができる。
【実施例】
【0061】
<実施例1>
水:N−IPP=1:1(重量比)となるように本発明の分離用組成物40mlを製造した。
【0062】
次に、上記組成物を10mlずつに分注し、25℃にして1液相とした後、水溶性有機成分としてフロキシレン(赤色104号)、アズレン、ブロモフェノールブルー、フェロセンをそれぞれ別々に添加して溶解した。なお、水溶性有機成分は、それぞれ5mg用いた。
【0063】
次に、各々の組成物を70℃に昇温して2液相とし、上層および下層を取り出して各水溶性有機成分の分配率を測定した。その結果、上層(N−IPP相)に、水溶性有機成分が各々99重量%以上分配していることを確認した。
【0064】
<実施例2>
Na2SO4、CuSO4、LiClの飽和水溶液を、それぞれ5ml調製した。次に、N−IPAを同量添加した。
【0065】
各組成物は、25℃において2液相であり、0℃で1液相となった。
【0066】
25℃において、上層および下層に含まれる各々の無機塩の分配率を測定したところ、いずれも99重量%以上が下層(水相)に分配していることを確認した。
【0067】
<実施例3>
水:N−IPP=1:1(重量比)となるように本発明の分離用組成物を製造した。
【0068】
次に、FeCl2、FeSO4、NiCl2、NaClを水相において5重量%となるように、それぞれ添加した。
【0069】
各組成物は、60℃において2液相であり、20℃において1液相であった。
【0070】
60℃において上層および下層に含まれる各々の無機塩の分配率を測定したところ、いずれも99重量%以上が下層(水相)に分配していることを確認した。
【0071】
<実施例4>
水:N−IPP=1:1(重量比)を用いた以外は、実施例3と同様に無機塩を添加した。
【0072】
各組成物は、40℃において2液相であり、10℃において1液相であった。
【0073】
40℃において上層および下層に含まれる各々の無機塩の分配率を測定したところ、いずれも99重量%以上が下層(水相)に分配していることを確認した。
【0074】
<実施例5>
水:N−IPP=1:1(重量比)の組成物1mlに、ブロモフェノールブルーを0.2mg添加して溶解し、20℃に保って1液相とした。
【0075】
底が封じてある直径1mm、高さ4cmのガラス管に、1液相の状態にある上記の組成物を高さが3cmになるまで注ぎ、上部を封入した。このとき、封入された液体は、均一で薄い青色を呈していた。
【0076】
上記のガラス管を50℃に昇温したところ、2液相となり、上層が青色に呈色し、下層が透明となった。
【0077】
2液相となった上記のガラス管を20℃に降温したところ、上層は青色、下層は透明のままであり、20℃で3日間放置したが、2液相の状態を保っていた。
これにより、本発明の温度センサが温度履歴センサとして使用できることを確認した。
【0078】
<比較例>
式(1)〜(7)で示されるアミド化合物に類似する構造を有する以下の物質について、同様の相変化が起こるかどうかを検討した。
しかし、いずれも温度変化に伴う相状態の変化は確認されなかった。
【0079】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、水およびN−IPPを含む組成物における、相転換温度の変化を示す図である。
【図2】図2は、式(1)〜(7)で示されるアミド化合物について、水:アミド化合物=50:50(容積比)において、水相にNaClを添加した場合の相転換温度の変化を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1種のアミド化合物および水を含むことを特徴とする、水溶性無機成分および/または水溶性有機成分の分離用組成物。
【化1】

【請求項2】
さらに塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の分離用組成物。
【請求項3】
塩が、無機塩であることを特徴とする、請求項2に記載の分離用組成物。
【請求項4】
1液相の状態と2液相の状態が、温度に依存して可逆的に変化することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の分離用組成物。
【請求項5】
2液相の状態において、下層に水溶性無機成分が溶解し、および/または、上層に水溶性有機成分が溶解することを特徴とする、請求項4に記載の分離用組成物。
【請求項6】
水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を分離する方法であって、
(1)請求項1〜5のいずれかに記載の分離用組成物が1液相を形成する温度領域に、前記組成物の温度を維持する工程、
(2)水溶性無機成分および/または水溶性有機成分を、1液相となった前記組成物に溶解する工程、
(3)前記組成物が2液相となる温度領域に、前記組成物の温度を変化させる工程、
(4)2液相となった前記組成物の上層と下層とを分離する工程、
を含み、
前記下層には水溶性無機成分が溶解しており、および/または、前記上層には水溶性有機成分が溶解していることを特徴とする、分離方法。
【請求項7】
(5)前記下層から水溶性無機成分を抽出する工程、および/または、前記上層から水溶性有機成分を抽出する工程を、
をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の分離方法。
【請求項8】
下記式(1)〜(7)からなる群より選択される少なくとも1種のアミド化合物および水を含む組成物を備えたことを特徴とする、温度センサ。
【化2】

【請求項9】
前記組成物がさらに塩を含むことを特徴とする、請求項8に記載の温度センサ。
【請求項10】
前記組成物が、1液相の状態と2液相の状態が温度に依存して可逆的に変化する組成物であることを特徴とする、請求項8または9に記載の温度センサ。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−175693(P2007−175693A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119099(P2006−119099)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(505354464)JITSUBO株式会社 (4)
【Fターム(参考)】