説明

アミド誘導体及びそれらを有効成分とするスフィンゴシン−1−リン酸−1(S1P1)受容体選択的アゴニスト

【課題】優れたS1P1受容体選択的アゴニスト作用を有するアミド誘導体を提供すること。
【解決手段】一般式(1)


[式中、Rはベンジルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基等を、Rは-(O)p-(CRab)q-COOH又は-(CRcd)q-PO3H2を、Rは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基等を、Xは水素原子又はハロゲン原子を、YはO、S、SO又はSOを、Zは-CONH-又は-NHCO-を、Tは-CH=CH-又は-(CH2)m-を示す。]で表されるアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S1P1受容体選択的アゴニストとして有用なアミド誘導体、その塩及び水和物に関する。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)は、スフィンゴシン代謝における中間代謝物にすぎないとみなされていたが、細胞増殖促進作用や細胞運動機能の制御作用を有することが報告されるに至り、アポトーシス作用、細胞形態調節作用、血管収縮などの多彩な生理作用を発揮する新しい脂質メディエーターであることが明らかとなってきている(非特許文献1、非特許文献2)。この脂質は細胞内セカンドメッセンジャーとしての作用と、細胞間メディエーターとしての二つの作用を併せ持つが、特に細胞間メディエーターとしての作用に関する研究が活発に行なわれており、細胞膜表面上に存在する複数のG蛋白質共役型受容体(Endothelial Differentiation Gene,
EDG)を介して情報伝達がなされていることが報告されている(非特許文献1、非特許文献3)。現在S1P受容体にはEdg-1、Edg-3、Edg-5、Edg-6及びEdg-8の5つのサブタイプが知られており、各々S1P1、S1P3、S1P2、S1P4、S1P5とも呼ばれている。
【0003】
これらS1P受容体に対する様々な研究から、この受容体へのアゴニスト活性あるいはアンタゴニスト活性を示す、いわゆるS1P受容体調節剤が多岐にわたる疾患に対し有効性を発揮する報告がなされるようになった。例えばEdg-5(S1P2)に作用する化合物が動脈硬化症、腎線維症、肺線維症、肝線維症に有効であることが(特許文献1)に開示されている。又、Edg-1(S1P1)、Edg-3(S1P3)又はEdg-5へ作用する化合物が、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎などの呼吸器疾患の治療及び予防剤として有効であることが(特許文献2)に開示されている。さらにEdg-1アゴニスト作用を有する化合物が閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、バージャー病、糖尿病性ニューロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、動脈硬化症、痔核、裂肛、痔ろうなどの静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植、骨粗しょう、慢性肝炎、肝硬変、慢性腎不全、腎糸球体硬化症の治療及び予防剤として有効であることが(特許文献3)に開示されている。
【0004】
さらに、S1P受容体アゴニスト活性を有する化合物が白血球の遊走を調節することが(非特許文献4、非特許文献5)に報告され、またこれらの非特許文献に紹介された一連の誘導体が各種臓器移植、GVHDに対する有効性以外に関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、I及びII型糖尿病、クローン病などの自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性腸疾患或いは潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患に有効であることが(特許文献4、特許文献5)に開示されている。また、上記(特許文献4)ならびに(特許文献5)に類似したリン酸誘導体がS1P受容体拮抗薬として(特許文献6)にも開示されている。最近では、アミノアルコール誘導体、リン酸エステル誘導体、カルボン酸誘導体など様々な化合物が(特許文献7〜62)にS1P1受容体を中心としたS1P1〜S1P5受容体調節剤として、あるいは免疫抑制剤として開示されている。
【0005】
このように多岐にわたる医学的用途の可能性を秘めたS1P受容体作動薬については多くの関心が集められているが、すべてのS1P受容体作動薬が必ずしも生体にとって望ましい作用を提供してくれるわけではない。
たとえば、臨床試験において臓器移植拒絶反応を抑制する有用性が示されているS1P受容体アゴニストが、投与後に副作用として徐脈が認められ、この作用に関してはS1P3受容体に対するアゴニスト作用が起因しているのではないかといった報告もある(非特許文献6、非特許文献7)。また、S1P3受容体に対するアゴニストは心筋の血流を阻害したり(非特許文献8)、大脳動脈の攣縮(非特許文献9)、肺水腫(非特許文献10) を引き起こすといった報告もある。なお本出願化合物と構造的に類似した化合物がS1P1アゴニストとして特許文献3に報告されているが、受容体に対する選択性については報告されていない。また本出願化合物の特徴であるジアリールエーテルやジアリールスルフィド構造を有する本特許請求化合物は特許文献3には含まれていない。
【特許文献1】WO0198301号パンフレット
【特許文献2】WO03020313号パンフレット
【特許文献3】WO02092068号パンフレット
【特許文献4】WO0218395号パンフレット
【特許文献5】WO02076995号パンフレット
【特許文献6】特開2003−137894号公報
【特許文献7】WO03040097号パンフレット
【特許文献8】WO02064616号パンフレット
【特許文献9】WO02062389号パンフレット
【特許文献10】特開2002−316985号公報
【特許文献11】特開2003−267936号公報
【特許文献12】WO03051876号パンフレット
【特許文献13】WO03061567号パンフレット
【特許文献14】WO03062248号パンフレット
【特許文献15】WO03062252号パンフレット
【特許文献16】WO03073986号パンフレット
【特許文献17】WO03074008号パンフレット
【特許文献18】WO03105771号パンフレット
【特許文献19】WO04010949号パンフレット
【特許文献20】WO04024673号パンフレット
【特許文献21】WO04058149号パンフレット
【特許文献22】WO04071442号パンフレット
【特許文献23】WO04096752号パンフレット
【特許文献24】WO04096757号パンフレット
【特許文献25】WO04103279号パンフレット
【特許文献26】WO04103306号パンフレット
【特許文献27】WO04103309号パンフレット
【特許文献28】WO04110979号パンフレット
【特許文献29】WO04113330号パンフレット
【特許文献30】WO04074297号パンフレット
【特許文献31】WO05014603号パンフレット
【特許文献32】WO05020882号パンフレット
【特許文献33】WO04002531号パンフレット
【特許文献34】WO05032465号パンフレット
【特許文献35】WO05041899号パンフレット
【特許文献36】WO05058848号パンフレット
【特許文献37】WO05070886号パンフレット
【特許文献38】WO05082089号パンフレット
【特許文献39】WO05082841号パンフレット
【特許文献40】WO05021503号パンフレット
【特許文献41】WO05040091号パンフレット
【特許文献42】WO05085179号パンフレット
【特許文献43】WO05118523号パンフレット
【特許文献44】WO05014525号パンフレット
【特許文献45】WO06020951号パンフレット
【特許文献46】WO06001463号パンフレット
【特許文献47】WO03029184号パンフレット
【特許文献48】WO03029205号パンフレット
【特許文献49】WO04026817号パンフレット
【特許文献50】WO04074297号パンフレット
【特許文献51】WO05021503号パンフレット
【特許文献52】特開2004−307439号公報
【特許文献53】特開2004−307440号公報
【特許文献54】特開2004−307441号公報
【特許文献55】特開2004−307442号公報
【特許文献56】WO06041015号パンフレット
【特許文献57】特開2004−137208号公報
【特許文献58】特開2005−41867号公報
【特許文献59】特開2005−47899号公報
【特許文献60】WO05040091号パンフレット
【特許文献61】WO05063671号パンフレット
【特許文献62】WO05079788号パンフレット
【非特許文献1】Y.Takuma et al., Mol. Cell. Endocrinol., 177, 3(2001).
【非特許文献2】Y. Igarashi, Ann, N.Y. Acad. Sci., 845, 19(1998).
【非特許文献3】H. Okazaki et al., Biochem. Biophs. Res. Commun., 190,1104(1993).
【非特許文献4】S. Mandala et al., Science, 296, 346(2002).
【非特許文献5】V.Brinkmann et al., J. Biol. Chem., 277, 21453(2002).
【非特許文献6】M. G.Sanna et al., J. Biol. Chem., 279, 13839(2004).
【非特許文献7】M.Forrest et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 309, 758(2004).
【非特許文献8】B.Levkau et al., Circulation, 110, 3358(2004).
【非特許文献9】S. Salomone et al., Eur. J.Pharmacol. 469, 125(2003).
【非特許文献10】Y. Gon et al., PNAS 102,9270(2005).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、S1P3受容体に対するアゴニスト作用が弱く、S1P1受容体に対し優れたアゴニスト作用を有する副作用の少ないアミド誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、S1P1受容体にアゴニスト作用を有し、S1P3受容体に対するアゴニスト作用の弱い安全性の高い化合物を創製すべく鋭意研究を重ねた結果、新規なアミド誘導体が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は
1)
一般式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、Rはベンジルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数4〜8のシクロアルキルメチルオキシ基を、
は-(O)p-(CRab)q-COOH
(式中、Raは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を、Rbは水素原子、水酸基又はカルボキシル基を、p及びqはそれぞれ0又は1を示す)、又は
-(CRcd)q -PO3H2
(式中、Rcは水素原子又はハロゲン原子を、Rdは水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を、qは0又は1を示す)を、
は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基又はリン酸基を、
Xは水素原子又はハロゲン原子を、
YはO、S、SO又はSOを、
Zは-CONH-又は-NHCO-を、
Tは-CH=CH-又は-(CH2)m- を示す(式中、mは2又は3を示す)。]
で表されるアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0010】
2)一般式(1)において、Zが-NHCO-
である1)記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0011】
3)一般式(1)において、Rが炭素数4〜8のシクロアルキルメチルオキシ基
である1)又は2)記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0012】
4)一般式(1)において、RがCO2H、CH2CO2H、CH(CO2H)2、CH(OH)CO2H、C(OH)CF3CO2H、OCH(CO2H)2、OCMe(CO2H)2、PO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2
である1)〜3)の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0013】
5)一般式(1)において、RがCO2H、CH2CO2H、CH(CO2H)2、CH(OH)CO2H、C(OH)CF3CO2H、OCH(CO2H)2、又はOCMe(CO2H)2
である1)〜3)の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0014】
6)一般式(1)において、RがPO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2
である1)〜3)の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0015】
7)前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
【0016】
【化2】

【0017】
[式中、RはCO2H、PO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2を、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基又はリン酸基を示し、R、X及びYは前記定義に同じ]
で表される1)〜3)記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0018】
8) 前記一般式(1a)においてR及びRがカルボキシル基である7)記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0019】
9) 前記一般式(1)で示される化合物が、
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フタル酸、
4−[3−(2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸、
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸、
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルメチルホスホン酸、
[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェニル]ヒドロキシメチルホスホン酸、
4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェネチルカルバモイル]フタル酸である1)記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物、
【0020】
10)1)〜9)の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分とするスフィンゴシン−1−リン酸−1(S1P1)受容体アゴニスト、
【0021】
11) 1)〜9)の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬に関するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、新規なアミド誘導体が優れたS1P1受容体アゴニスト作用を有することを見出したものである。このようなS1P1受容体アゴニスト作用を有する化合物は、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、腎繊維症、肝繊維症、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、バージャー病、糖尿病性ニューロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療及び予防薬として、又、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植などの拒絶反応の予防又は治療薬、関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリトマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎等の予防又は治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明においてRの「ハロゲン原子で置換されても良い炭素数1〜6のアルキル基」のハロゲン原子とは、フッ素原子又は塩素原子である。
炭素数1〜6のアルキル基とは、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。
【0024】
炭素数1〜6のアルコキシ基とは、直鎖又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルコキシ基である。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、t−ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
【0025】
炭素数4〜8のシクロアルキルメチルオキシ基とは、シクロプロピルメチルオキシ基、シクロブチルメチルオキシ基、シクロペンチルメチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基などを挙げることができる。
【0026】
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
【0027】
本発明における薬理学的に許容される塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられる。
【0028】
本発明に係る一般式(1)で表される化合物の中、Zが-CONH-である化合物、即ち一般式(1b)
【0029】
【化3】

【0030】
[式中、R、R、R、X、Y及びTは前述の通り]
で表される化合物、及びZが-NHCO-である化合物、即ち一般式(1c)
【0031】
【化4】

【0032】
[式中、R、R、R、X、Y及びTは前述の通り]
で表される化合物は、例えば以下に示すような合成経路Aにより製造することができる。
<合成経路A>
【0033】
【化5】

【0034】
合成経路Aで一般式(1b)で表される化合物は、一般式(2)
【0035】
【化6】

【0036】
[式中、R、X、Y及びTは前述の通り]
で表される化合物と一般式(4)
【0037】
【化7】

【0038】
[式中、R及びRは前述の通り]
で表される化合物を縮合させることによって製造することができる(工程A−1)。
【0039】
反応は、一般に用いられるカルボン酸類とアミン類の縮合反応を用いることができる。例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどの溶媒として用い、一般式(2)で表される化合物を塩化チオニル、塩化オキザリルと0℃〜加熱還流下に反応させ酸クロリドとした後、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基の存在下、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N―ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルムなどを反応溶媒として用い、一般式(4)で表される化合物と0℃〜100℃にて反応させることができる。またメタノール、エタノール、1,4−ジオキサン、DMSO、DMF、THF、アセトニトリル、塩化メチレンなどを反応溶媒として用い、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N‘−エチルカルボジイミド塩酸塩(WSC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA),ジエチルリン酸シアニド(DEPC)または4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロリド(DMT−MM)などの縮合剤を用い、場合によっては4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を加え、0℃〜常温にて行うことができる。さらにはパラトルエンスルホニルクロリド(TsCl)とN−メチルイミダゾールを加え、1,4−ジオキサン、DMSO、DMF、THF、アセトニトリル、塩化メチレンなどを反応溶媒として用い、0℃〜常温にて行うことができる。
【0040】
合成経路Aで一般式(3)
【0041】
【化8】

【0042】
[式中、R、X、Y、及びTは前述の通り]
で表される化合物は、一般式(2)で表される化合物をCurtius転位させることによって製造することができる(工程A−2)。
【0043】
反応は、DPPAをトリエチルアミンなどの塩基の存在下、ベンゼンやトルエン溶媒中過熱攪拌した後に、酢酸及び水を加えて過熱攪拌を行うか、t−ブタノールを加えて過熱攪拌を行った後に0℃〜常温にてトリフルオロ酢酸を加えて反応させることができる。
【0044】
合成経路Aで一般式(1c)で表される化合物は、一般式(3)で表される化合物と一般式(5)
【0045】
【化9】

【0046】
[式中、R及びRは前述の通り]
で表される化合物と縮合させることによって製造することができる(工程A−3)。
反応は工程A−1と同様に行うことができる。
【0047】
また合成経路Aで一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物のRのカルボン酸又はホスホン酸が対応する炭素数1〜6のアルキル基又はベンジル基で保護されたカルボン酸エステル又はホスホン酸エステル、及びRのカルボキシル基又はリン酸基が炭素数1〜6アルキル基又はベンジル基で保護されたエステル体である化合物を用いて、合成経路Aと同様にして合成したのち、各種エステル基を脱保護することによっても製造することができる。
【0048】
保護基がベンジル基の場合はパラジウム炭素を触媒として用い、エタノール、メタノール、酢酸エチルを溶媒として用い、水素下にて常温〜100℃にて反応させることができる。また、炭素数1〜6のアルキル基で保護されたカルボン酸エステルの場合、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液を加え、エタノール、メタノール、1,4−ジオキサン、DMSO、THFなどを溶媒として用い0℃〜100℃にて反応させることができる。炭素数1〜6のアルキル基で保護されたホスホン酸エステルの場合はアセトニトリル中、トリメチルシリルブロミドまたはトリメチルシリルヨージドを加え0℃〜常温下に行うことができる。
【0049】
(実施例)
次に本発明を具体例によって説明するが、これらの例によって本発明が限定されるものではない。
また一般式(2)で表される中間体等はWO03029184号、WO03029205号、WO04026817号、WO04074297号、WO050444780号、WO06041019号パンフレット中の化合物を利用することができる。なお、新規に合成した中間体などは以下に参考例として記載する。
【0050】
<参考例1>
5−アミノ−2−ヒドロキシフェニルホスホン酸ジエチル
【0051】
【化10】

【0052】
2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニルホスホン酸ジエチル(138 mg)を酢酸エチル(2.5 mL)に溶解し、10%Pd/C(27.5 mg)を加え、水素雰囲気下、常温にて2時間攪拌した。触媒を濾去し、溶媒を減圧濃縮後、目的物(129 mg)を淡褐色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.33 (6H, t, J = 7.0
Hz), 3.44 (2H, br), 3.99-4.20 (4H, m), 6.67 (1H, dd, J = 15.3, 3.1 Hz),
6.79-6.87 (2H, m), 9.64 (1H, s).
EIMS (+) : 245 [M]
+.
【0053】
<参考例2>
ジフルオロ(3−ニトロフェニル)メチルホスホン酸ジメチル
【0054】
【化11】

【0055】
ヘキサメチルジシラザンナトリウムの1 mol/LTHF溶液(2.93 mL)をTHF(7.5 mL)に加え、アルゴン雰囲気下、-78℃にて3−ニトロベンジルホスホン酸ジメチル(328 mg)のTHF溶液(20 mL)を5分間で滴下し、-78℃にて1時間攪拌した。反応液にN-フルオロベンゼンスルホンイミド(1.05 g)のTHF溶液(6 mL)を加え、-78℃にて1時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し、目的物(127 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 3.90 (6H, d, J = 10.4
Hz), 7.69 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.98 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.35-8.40 (1H, m),
8.47 (1H, s).
FABMS (+) : 282 [M+H] +.
【0056】
<参考例3>
(3−アミノフェニル)ジフルオロメチルホスホン酸ジメチル
【0057】
【化12】

【0058】
参考例2の化合物を参考例1と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 3.84 (6H, d, J = 10.4
Hz), 6.79 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.94 (1H, s), 7.00(1H, d, J = 7.9 Hz), 7.24 (1H,
t, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 252 [M+H] +.
【0059】
<参考例4>
(3−アミノフェニル)ヒドロキシメチルホスホン酸ジエチル
【0060】
【化13】

【0061】
(3−ニトロフェニル)ヒドロキシメチルホスホン酸ジエチルを、参考例1と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.23 (3H, t, J = 7.3
Hz), 1.29 (3H, t, J = 7.3 Hz), 3.20 (1H, br s), 3.72 (2H, br s), 3.90-4.15 (4H,
m), 4.92 (1H, d, J = 11.0 Hz), 6.64 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.82-6.86 (2H, m),
7.14 (1H, t, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 260 [M+H] +.
【0062】
<参考例5>
フルオロ(3−ニトロフェニル)メチルホスホン酸ジエチル
【0063】
【化14】

【0064】
ジエチルアミノスルファトリフルオリド(678 uL)の塩化メチレン溶液(2.5 mL)にアルゴン雰囲気下、−78℃にて(3−ニトロフェニル)ヒドロキシメチルホスホン酸ジエチル(600 mg)の塩化メチレン溶液(5 mL)をゆっくりと滴下し、−78℃にて30分間、常温にて6時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)にて精製し、目的物(410 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.29 (3H, t, J = 7.0
Hz), 1.34 (3H, t, J = 7.0 Hz), 4.08-4.24 (4H, m), 5.80 (1H, dd, J = 44.9, 11.0
Hz), 7.61 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.83 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.25 (1H, d, J = 7.9
Hz), 8.34 (1H, d, J = 1.8 Hz).
CIMS (+) : 292 [M+H] +.
【0065】
<参考例6>
(3−アミノフェニル)フルオロメチルホスホン酸ジエチル
【0066】
【化15】

【0067】
参考例5の化合物を用い、参考例1と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.28 (3H, t, J = 7.3
Hz), 1.29 (3H, t, J = 7.3 Hz), 3.99-4.16 (4H, m), 5.60 (1H, dd, J = 44.9,
7.9 Hz), 6.68 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.81-6.86 (2H, m), 7.17 (1H, t, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 262 [M+H] +.
【0068】
<参考例7>
(3−ニトロフェノキシ)マロン酸ジエチル
【0069】
【化16】

【0070】
フッ化カリウム(725 mg)のDMF溶液(3.4 mL)にアルゴン雰囲気下、常温にてブロモマロン酸ジエチル(1.02 mL)を加え、常温にて15分間攪拌した。反応液に3−ニトロフェノール(696 mg)を加え常温にて2時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、目的物(399 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.33 (6H, t, J = 7.3
Hz), 4.35 (4H, q, J = 7.3 Hz), 5.27 (1H, s), 7.34 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz),
7.49 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.79 (1H, t, J = 1.8 Hz), 7.93 (1H, dd, J = 7.9, 1.8
Hz).
FABMS (+) : 298 [M+H] +.
【0071】
<参考例8>
(3−アミノフェノキシ)マロン酸ジエチル
【0072】
【化17】

【0073】
参考例7の化合物を用い、参考例1と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.30 (6H, t, J = 7.3
Hz), 3.69 (2H, br s), 4.31 (4H, q, J = 7.3 Hz), 5.16 (1H, s), 6.29-6.38 (3H,
m), 7.05 (1H, t, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 267 [M] +.
【0074】
<参考例9>
2−(3−アミノフェニル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピオン酸メチル
【0075】
【化18】

【0076】
トリフルオロピルビン酸メチル(200
mg)のTHF溶液(13 mL)にアルゴン雰囲気下、−78℃にて3−ビス(トリメチルシリル)アミノフェニル塩化マグネシウムの1 mol / L THF溶液(1.4 mL)を加えて、0℃にて2時間攪拌した。反応液に水を加えて、常温にて30分間攪拌した後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて精製し、目的物(200 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 3.96 (3H, s), 6.71 (1H,
dt, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.08 (1H, s), 7.11 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.18 (1H, t, J =
7.9 Hz).
EI (+) : 249 [M] +.
【0077】
<参考例10>
3−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]プロピオン酸
【0078】
【化19】

【0079】
WO03029205パンフレット参考例30の化合物をアルカリ加水分解し、目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.67 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.02 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.01 (2H, s), 6.89 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz),
6.91-6.95 (2H, m), 7.10-7.18 (2H, m), 7.22 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.28-7.43 (6H,
m).
EIMS (+) : 398 [M] +.
【0080】
<参考例11>
4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]酪酸
【0081】
【化20】

【0082】
WO03029205パンフレット参考例58-2の化合物をアルカリ加水分解し、目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.91-2.01 (2H, m), 2.41
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.77 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.02 (2H, s), 6.88 (1H, dd, J =
7.9, 1.8 Hz), 6.92-6.95 (2H, m), 7.14 (2H, s), 7.23 (1H, t, J = 7.9 Hz),
7.28-7.42 (6H, m).
EIMS (+) : 412 [M] +.
【0083】
<参考例12>
3−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]アクリル酸
【0084】
【化21】

【0085】
WO06041019パンフレット実施例1の化合物をアルカリ加水分解し、目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 5.06 (2H, s), 6.40 (1H,
d, J = 15.9 Hz), 7.00 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.05-7.10 (3H, m), 7.23 (1H,
t, J = 7.9 Hz), 7.29-7.43 (6H, m), 7.51 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.13 (1H, d, J =
15.9 Hz).
EIMS (+) : 396 [M] +.
【0086】

<参考例13>
3−[4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル]プロピオン酸メチル
【0087】
【化22】

【0088】
WO03029184パンフレット参考例55の化合物を同パンフレット中に記載の参考例81と同様に反応させ得られるフェノール体(3.00 g)をDMF(80 mL)に溶解し、シクロヘキシルメチルブロミド(1.84 mL)、炭酸カリウム(1.82 g)を加え、80℃にて8時間攪拌した。反応液に水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1)にて精製し、目的物(3.38 g)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz,): δ 0.96-1.09 (2H, m),
1.12-1.35 (3H, m), 1.64-1.89 (6H, m), 2.63 (2H, t, J = 7.9 Hz), 2.93 (2H, t, J
= 7.9 Hz), 3.68 (3H, s), 3.71 (2H, d, J = 6.7 Hz), 6.51-6.64 (3H, m), 6.91-6.97
(2H, m), 7.13-7.22 (3H, m).
【0089】
<参考例14>
3−[4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル]プロピオン酸
【0090】
【化23】

【0091】
参考例13の化合物をアルカリ加水分解し、目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz,): δ 0.98-1.08 (2H, m),
1.13-1.34 (3H, m), 1.64-1.87 (6H, m), 2.68 (2H, t, J = 7.9 Hz), 2.95 (2H, t, J
= 7.9 Hz), 3.71 (2H, d, J = 6.7 Hz), 6.53-6.64 (3H, m), 6.93-6.97 (2H, m),
7.16-7.21 (3H, m).
EIMS(+) : 354 [M] +.
【0092】
<参考例15>
3−[2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル]プロピオン酸メチル
【0093】
【化24】

【0094】
WO03029184パンフレット参考例39の化合物を用い参考例13と同様に反応させ目的物を淡黄色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz,): δ 0.96-1.10 (2H, m),
1.15-1.35 (3H, m), 1.65-1.90 (6H, m), 2.64 (2H, t, J = 7.9 Hz), 3.03 (2H, t, J
= 7.9 Hz), 3.69 (3H, s), 3.72 (2H, d, J = 6.1 Hz), 6.52-6.69 (3H, m), 6.85 (1H,
dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 7.01 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.19 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.22
(1H, t, J = 8.6 Hz).
【0095】
<参考例16>
3−[2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル]プロピオン酸
【0096】
【化25】

【0097】
参考例15の化合物をアルカリ加水分解し、目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz,): δ 0.98-1.08 (2H, m),
1.13-1.34 (3H, m), 1.64-1.87 (6H, m), 2.70 (2H, t, J = 7.9 Hz), 3.04 (2H, t, J
= 7.9 Hz), 3.71 (2H, d, J = 6.7 Hz), 6.54-6.69 (3H, m), 6.85 (1H, dd, J = 8.6,
2.4 Hz), 7.02 (1H, d, J = 3.1 Hz), 7.19-7.24 (2H, m).
EIMS(+) : 388 [M] +.
【0098】
<参考例17>
3−[2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]プロピオン酸
【0099】
【化26】

【0100】
WO03029184パンフレット参考例87の化合物をアルカリ加水分解し目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.72 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.07 (2H, t, J = 7.3 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.05 (1H, d, J =
1.8 Hz),7.16 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.23-7.28 (2H, m), 7.38 (1H, d, J = 7.9
Hz), 7.46 (1H, t, J = 7.9 Hz).
EIMS(+) : 344 [M] +.
【0101】
<参考例18>
2−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル]エチルアミン
【0102】
【化27】

【0103】
WO03029205パンフレット参考例59の化合物を同パンフレット中に記載の参考例57-1と同様に反応させ得られたCN体を還元し、目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz,): δ 1.85 (2H, br), 2.87
(2H, t, J = 7.9 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.9 Hz), 5.02 (2H, s), 6.87-6.97 (3H, m),
7.15-7.41 (9H, m).
EIMS(+) : 369 [M] +.
【0104】
<実施例1>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フタル酸ジメチル
【0105】
【化28】

【0106】
常温にて参考例10の化合物(450 mg)、4−アミノフタル酸ジメチル(314 mg)、WSC(400mg)、トリエチルアミン(0.5 mL)、DMAP(50 mg)の塩化メチレン(20 mL)溶液を8時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した後、有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にて精製し、目的物(600 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.69 (2H, t, J = 7.3 Hz),
3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.88 (3H, s), 3.90 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.88-7.00
(3H, m), 7.11-7.14 (1H, m), 7.18-7.39 (8H, m), 7.69-7.78 (3H, m).
FABMS (+) : 590 [M+H] +.
【0107】
以下、実施例1と同様にして参考例10、11又は12の化合物を各種アミンと反応させ実施例2〜7の化合物を合成した。
【0108】
<実施例2>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)アクリルアミド]フタル酸ジメチル
【0109】
【化29】

【0110】
淡黄色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 3.88 (3H, s), 3.92 (3H,
s), 5.06 (2H, s), 6.50 (1H, d, J = 15.9 Hz), 6.98-7.11 (4H, m), 7.24-7.43 (8H,
m), 7.48 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.65 (1H, s), 7.80-7.90 (3H, m), 8.08 (1H, d, J =
15.9 Hz).
HREIMS (+) : 587.1163 (C32H26ClNO6S)として計算値 587.1169.
【0111】
<実施例3>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸エチル
【0112】
【化30】

【0113】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.39 (3H, t, J = 7.3
Hz), 2.68 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.15 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.37 (2H, q, J = 7.3
Hz), 5.02 (2H, s), 6.87-6.96 (3H, m), 7.12-7.25 (4H, m), 7.32-7.41 (7H, m),
7.78 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.87 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.95 (1H, s).
HREIMS (+) : 545.1417 (C31H28ClNO4S)として計算値 545.1428.
【0114】
<実施例4>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸エチル
【0115】
【化31】

【0116】
無色粉末
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.38 (3H, t, J = 7.3
Hz), 2.69 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.35 (2H, q, J = 7.3
Hz), 5.02 (2H, s), 6.88-6.96 (3H, m), 7.11-7.25 (4H, m), 7.31-7.40 (6H, m), 7.54
(2H, d, J = 8.5 Hz), 7.98-8.00 (2H, m).
HRFABMS (+) : 546.1476 (C31H29ClNO4S)として計算値 546.1506.
【0117】
<実施例5>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−ニトロ安息香酸メチル
【0118】
【化32】

【0119】
淡黄色油状物
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 2.72 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J =
7.3 Hz), 3.92 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.88-6.96 (3H, m), 7.11-7.24 (3H, m),
7.31-7.42 (7H, m), 7.75-7.78 (2H, m), 7.97-7.99 (1H, m).
HREIMS (+) : 576.1146 (C30H25ClN2O6S)として計算値 576.1122.
【0120】
<実施例6>
4−[4−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)ブタンアミド]フタル酸ジメチル
【0121】
【化33】

【0122】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.05 (2H, quint, J = 7.3
Hz), 2.41 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.81 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.88 (3H, s), 3.90
(3H, s), 5.02 (2H, s), 6.88-6.96 (3H, m), 7.15-7.16 (2H, m), 7.22-7.25 (1H, m),
7.32-7.41 (7H, m), 7.72-7.79 (3H, m).
HRFABMS (+) : 604.1528 (C33H31ClN2O6S)として計算値 604.1561.
【0123】
<実施例7>
4−[3−(2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)プロパンアミド]フタル酸ジメチル
【0124】
【化34】

【0125】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.72 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.16 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.88 (3H, s), 3.90 (3H, s), 6.86 (1H, dd, J =
7.8, 2.5 Hz), 7.05 (1H, d, J = 2.5 Hz), 7.14-7.16 (1H, m), 7.24-7.30 (3H, m),
7.38 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.46 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.72-7.79 (3H, m).
HRFABMS (+) : 536.1063 (C26H22ClF3NO6)として計算値 604.1561.
【0126】
<実施例8>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−クロロ安息香酸メチル
【0127】
【化35】

【0128】
参考例10の化合物(120 mg)のアセトニトリル(7 mL)溶液に、パラトルエンスルホニルクロリド(68.6 mg)とN−メチルイミダゾール(71 μL)を氷冷下に加え30分間攪拌した。同温にて2−クロロ−5−アミノ安息香酸メチル(45 mg)のアセトニトリル(1 mL)溶液を加え、3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し目的物(105 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ2.66 (2H, t, J = 7.3 Hz),
3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.91 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.88-6.96 (3H, m),
7.11-7.25 (4H, m), 7.31-7.40 (7H, m), 7.64 (1H, dd, J = 8.5, 2.4 Hz), 7.89 (1H,
d, J = 3.1 Hz).
HRFABMS (+) : 566.0957 (C30H26Cl2NO4S)として計算値 566.0960.
【0129】
以下、実施例8と同様にして参考例10、14及び16の化合物と参考例3、6、9又は各種アミンと反応させ、実施例9〜23を合成した。
【0130】
<実施例9>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニル酢酸メチル
【0131】
【化36】

【0132】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.65 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.60 (2H, s), 3.68 (3H, s), 5.02 (2H, s),
6.87-6.96 (3H, m), 7.00-7.41 (14H, m).
【0133】
<実施例10>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−フルオロ安息香酸メチル
【0134】
【化37】

【0135】
無色粉末
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.67 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.92 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.89-6.96 (3H, m),
7.07-7.14 (3H, m), 7.20-7.25 (2H, m), 7.31-7.38 (6H, m), 7.78-7.86 (2H, m).
HRFABMS (+) : 550.1273 (C30H26ClFNO4S)として計算値 550.1255.
【0136】
<実施例11>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド] イソフタル酸ジメチル
【0137】
【化38】

【0138】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.70 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.15 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.93 (6H, s), 5.02 (2H, s), 6.87-6.97 (3H, m),
7.12 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.21-7.25 (2H, m), 7.31- 7.40 (7H, m), 8.34
(2H, s), 8.42 (1H, t, J = 1.8 Hz).
HRFABMS (+) : 590.1432 (C32H29ClNO6S)として計算値 590.1404.
【0139】
<実施例12>
2−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸メチル
【0140】
【化39】

【0141】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.76 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.16 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.91 (3H, s), 5.02 (2H, s), 6.87-6.96 (3H, m),
7.05-7.10 (1H, m), 7.13 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.22 (2H, t J = 8.0 Hz),
7.32- 7.39 (6H, m), 7.52-7.56 (1H, m), 8.01 (1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz), 8.70
(1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz), 11.09 (1H, s).
HREIMS (+) : 531.1267 (C30H26ClNO4S)として計算値 531.1271.
【0142】
<実施例13>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸ジエチル
【0143】
【化40】

【0144】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.30 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.10-4.15 (4H, m),
5.02 (2H, s), 6.87-6.96 (3H, m), 7.12 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.20-7.25 (2H,
m), 7.32- 7.38 (6H, m), 7.51 (1H, s), 7.58-7.61 (2H, m), 7.71-7.74 (2H, m).
HRFABMS (+) : 610.1584 (C32H34ClNO5PS)として計算値 610.1584.
【0145】
<実施例14>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸ジエチル
【0146】
【化41】

【0147】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.26 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.72 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.15 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.97-4.08 (4H, m),
5.02 (2H, s), 6.87-6.96 (3H, m), 7.13 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.23 (2H, t, J
= 8.0 Hz), 7.32- 7.44 (8H, m), 7.77 (1H, d, J = 14.7 Hz), 8.19-8.21 (1H, m),
8.54 (1H, s).
HRFABMS (+) : 610.1626 (C32H34ClNO5PS)として計算値 610.1584.
【0148】
<実施例15>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド] フタル酸ジメチル
【0149】
【化42】

【0150】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.71 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.86 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.02 (2H, s),
6.87-6.96 (3H, m), 7.12 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.20-7.25 (2H, m), 7.32-
7.43 (7H, m), 7.51 (1H, d, J = 8.0 Hz), 8.55 (1H, d, J = 8.7 Hz), 9.37 (1H, s).
HRFABMS (+) : 589.1365 (C32H28ClNO6S)として計算値 589.1326.
【0151】
<実施例16>
2−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニル−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピオン酸メチル
【0152】
【化43】

【0153】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.67 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.97 (3H, s), 4.30 (1H, s), 5.02 (2H, s),
6.87-6.96 (3H, m), 7.13 (2H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.20-7.25 (2H, m), 7.33-
7.39 (7H, m), 7.51 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.71 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.74 (1H, s).
HRFABMS (+) : 630.1355 (C32H28ClF3NO5S)として計算値 630.1329.
【0154】
<実施例17>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−3−メトキシカルボニルフェニルホスホン酸ジエチル
【0155】
【化44】

【0156】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.32 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.70 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.90 (3H, s),
4.08-4.17 (4H, m), 5.02 (2H, s), 6.89-6.97 (3H, m), 7.12 (1H, dd, J = 8.0, 1.8
Hz), 7.19-7.25 (2H, m), 7.31- 7.39 (6H, m), 7.55 (1H, s), 7.76-7.81 (2H, m),
7.89 (1H, dd, J = 13.5, 8.6 Hz).
FABMS (+) : 668 [M+H]+.
【0157】
<実施例18>
4−[3−(4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸ジメチル
【0158】
【化45】

【0159】
無色粉末
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 0.97- 1.07 (2H, m),
1.14-1.34 (3H, m), 1.67-1.85 (6H, m), 2.68 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.03 (2H, t, J
= 7.3 Hz), 3.71 (2H, d, J = 6.7 Hz), 3.70 (3H, s), 3.90 (3H, s), 6.51-6.64 (3H,
m), 6.93-6.97 (2H, m), 7.17-7.7.21 (3H, m), 7.29 (1H, s), 7.68-7.71 (2H, m),
7.77 (1H, d, J = 8.6 Hz).
EIMS (+) : 545 [M]+.
【0160】
<実施例19>
4−[3−(2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸ジメチル
【0161】
【化46】

【0162】
無色粉末
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 0.98- 1.08 (2H, m),
1.14-1.33 (3H, m), 1.67-1.86 (6H, m), 2.70 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J
= 7.3 Hz), 3.72 (2H, d, J = 6.7 Hz), 3.88 (3H, s), 3.91 (3H, s), 6.53-6.55 (2H,
m), 6.66-6.69 (1H, m), 6.85 (1H, dd, J = 8.0, 2.5 Hz), 7.02 (1H, d, J = 2.5
Hz), 7.19-7.7.24 (2H, m), 7.27 (1H, s), 7.71-7.73 (2H, m), 7.77-7.79 (1H, m).
EIMS (+) : 579 [M]+.
【0163】
<実施例20>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−クロロフェニルホスホン酸ジエチル
【0164】
【化47】

【0165】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.26 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.72 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.99-4.17 (4H, m),
5.02 (2H, s), 6.87-6.97 (3H, m), 7.13 (1H, dd, J = 8.0, 1.8 Hz), 7.21-7.25 (2H,
m), 7.31- 7.42 (7H, m), 7.89 (1H, dd, J = 15.3, 2.4 Hz), 8.32 (1H, dd, J = 8.6,
2.4 Hz), 8.95 (1H, s).
FABMS (+) : 644 [M+H]+.
【0166】
<実施例21>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルメチルホスホン酸ジメチル
【0167】
【化48】

【0168】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.66 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.10-3.17 (4H, m), 3.68 (6H, d, J = 10.4 Hz), 5.02 (2H, s), 6.84-6.97 (3H,
m), 7.03 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.10 (1H, s), 7.13 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz),
7.20-7.46 (11H, m).
FABMS (+) : 596 [M+H]+.
【0169】
<実施例22>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルジフルオロメチルホスホン酸ジメチル
【0170】
【化49】

【0171】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 2.67 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.83 (6H, d, J = 10.4 Hz), 5.02 (2H, s),
6.84-6.97 (3H, m), 7.13 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.21-7.42 (10H, m), 7.60
(1H, s), 8.32 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 7.80 (1H, d, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 632 [M+H]+.
【0172】
<実施例23>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルフルオロメチルホスホン酸ジエチル
【0173】
【化50】

【0174】
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.27 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.97-4.20 (4H, m),
5.02 (2H, s), 5.65 (1H, dd, J = 44.6, 7.9 Hz), 6.85-6.97 (3H, m), 7.18-7.42
(11H, m), 7.50 (1H, s), 7.66 (1H, d, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 642 [M+H]+.
【0175】
<実施例24>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルマロン酸ジエチル
【0176】
【化51】

【0177】
(3−アミノフェニル)マロン酸ジエチル(327 mg)のメタノール溶液(10 mL)に参考例10の化合物(471
mg)および4-(4,6−ジメトキシ‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル)‐4‐メチルモルホリニウムクロリド (DMT-MM) (346 mg)を加え、常温にて2時間攪拌し、一晩放置した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し目的物(684 mg)を無色油状物として得た。
無色油状物
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.26 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.15-4.25 (4H, m),
4.58 (1H, s), 5.02 (2H, s), 6.84-6.97 (3H, m), 7.14 (3H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz),
7.22 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.26-7.42 (7H, m), 7.47 (1H, s), 7.57 (1H, d, J = 7.9
Hz).
FABMS (+) : 632 [M+H]+.
【0178】
<実施例25>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェノキシマロン酸ジエチル
【0179】
【化52】

【0180】
実施例24と同様にして、参考例10の化合物と参考例8の化合物を反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.30 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.31 (4H, q, J = 7.3
Hz), 5.02 (2H, s), 5.21 (1H, s), 6.70 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 6.87-6.97 (3H,
m), 7.03-7.09 (2H, m), 7.13 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.18-7.41 (10H, m).
FABMS (+) : 648 [M+H]+.
【0181】
<実施例26>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニル−ヒドロキシメチルホスホン酸ジエチル
【0182】
【化53】

【0183】
実施例24と同様にして、参考例10の化合物と参考例4の化合物を反応させ目的物を無色アモルファスとして得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.21 (3H, t, J = 7.3
Hz), 1.28 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.00-3.09 (1H, m),
3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.00-4.10 (4H, m), 4.98 (1H, dd, J = 11.0, 3.7 Hz),
5.02 (2H, s), 6.86-6.97 (3H, m), 7.12 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.18-7.41
(11H, m), 7.51 (1H, s), 7.62 (1H, d, J = 7.9 Hz), .
FABMS (+) : 640 [M+H]+.
【0184】
<実施例27>
2−[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェノキシ]−2−メチルマロン酸ジエチル
【0185】
【化54】

【0186】
実施例25の化合物(250 mg)をDMFに溶解し、炭酸カリウム(108 mg)およびヨウ化メチル(48 uL)を加え、常温にて4時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄し無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製し目的物(250 mg)を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.26 (6H, t, J = 7.3
Hz), 1.75 (3H, s), 2.63 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.13 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.28
(4H, q, J = 7.3 Hz), 5.02 (2H, s), 6.71 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.87-6.97 (3H, m),
7.03 (1H, s), 7.11-7.24 (6H, m), 7.31-7.40 (6H, m).
FABMS (+) : 662 [M+H]+.
【0187】
<実施例28>
2−[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェニル]−2−ヒドロキシマロン酸ジエチル
【0188】
【化55】

【0189】
実施例24の化合物を用い、実施例27と同様に反応させ目的物を無色油状物として得た。
1H-NMR
(CDCl3, 400 MHz): δ 1.30 (6H, t, J = 7.3
Hz), 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.14 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.23-4.35 (4H, m),
5.02 (2H, s), 6.86-6.97 (3H, m), 7.06 (1H, s), 7.13 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz),
7.22 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.29-7.42 (8H, m), 7.61 (1H, s), 7.67 (1H, d, J = 7.9
Hz).
FABMS (+) : 648 [M+H]+.
【0190】
<実施例29>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フタル酸
【0191】
【化56】

【0192】
実施例1の化合物(600 mg)をエタノール(30 mL)に溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5 mL)を加え、常温にて18時間攪拌した。反応液に水を加え、希塩酸にてpH1とし析出した結晶を濾取、水洗、乾燥し、目的物(550 mg)を無色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.68 (2H, t, J = 7.3
Hz), 3.00 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-6.99 (3H, m), 7.20 (1H, dd, J
= 7.8, 1.8 Hz), 7.28-7.40 (8H, m), 7.67-7.72 (2H, m), 7.83 (1H, d, J = 1.8 Hz),
10.31 (1H, s), 12.98 (2H, br).
FABMS (+) : 562 [M+H] +.
【0193】
以下、実施例1の化合物と同様にして実施例2〜4、6〜12、15、16、18、19、24、25、27及び28の化合物を反応させ実施例30〜47の化合物を合成した。
【0194】
<実施例30>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)アクリルアミド]フタル酸
【0195】
【化57】

【0196】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 5.13 (2H, s), 6.84 (1H,
d, J = 15.9 Hz), 7.06-7.13 (3H, m), 7.22 (1H, dd, J = 8.6, 1.8 Hz), 7.30-7.43
(7H, m), 7.70-7.75 (2H, m), 7.82-7.86 (2H, m), 7.98 (1H, d, J = 2.1 Hz), 10.67
(1H, s), 13.08 (2H, br).
HRFABMS (+) : 560.0927 (C30H23ClNO6S)として計算値 560.0935.
【0197】
<実施例31>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸
【0198】
【化58】

【0199】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ2.65 (2H, t, J = 7.6 Hz),
3.00 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-6.99 (3H, m), 7.21 (1H, dd, J =
7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.41 (9H, m), 7.58-7.61 (1H, m), 7.77-7.80 (1H, m), 8.20 (1H,
s), 10.12 (1H, s), 12.92 (1H, br).
HRFABMS (+) : 518.1210 (C29H25ClNO4S)として計算値 518.1193.
【0200】
<実施例32>
4−[4−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)ブタンアミド]フタル酸
【0201】
【化59】

【0202】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 1.88 (2H, qui, J = 7.3
Hz), 2.38 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.73 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.09 (2H, s),
6.90-7.00 (3H, m), 7.21 (1H, dd, J = 7.8, 1.8 Hz), 7.29-7.41 (8H, m), 7.67-7.73
(2H, m), 7.85 (1H, d, J = 1.8 Hz), 10.25 (1H, s), 13.01 (2H, br).
HRFABMS (+) : 576.1213 (C31H27ClNO6S)として計算値 576.1248.
【0203】
<実施例33>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−クロロ安息香酸
【0204】
【化60】

【0205】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.64 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.99 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-7.00 (3H, m), 7.20 (1H, dd, J= 7.9,
1.8 Hz), 7.28-7.45 (9H, m), 7.69 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 8.06 (1H, d, J = 2.4
Hz), 10.20 (1H, s), 13.38 (1H, br).
HRFABMS (+) : 552.0831 (C29H24Cl2NO4S)として計算値 552.0803.
【0206】
<実施例34>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸
【0207】
【化61】

【0208】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.68
(2H, t, J = 7.6 Hz), 3.00 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-7.00 (3H, m),
7.21 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.41 (8H, m), 7.67 (2H, d, J = 6.7 Hz),
7.86 (2H, d, J = 8.6 Hz), 10.24 (1H, s), 12.67 (1H, br).
HRFABMS (+) : 518.1154 (C29H25ClNO4S)として計算値 518.1193.
【0209】
<実施例35>
4−[3−(2−クロロ−4−(3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル)プロパンアミド]フタル酸
【0210】
【化62】

【0211】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.68
(2H, t, J = 7.4 Hz), 3.01 (2H, t, J = 7.4 Hz), 7.01 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz),
7.21 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 7.35 (1H, brs), 7.41
(1H, d, J = 8.6 Hz), 7.51 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.9 Hz),
7.66-7.72 (2H, m), 7.84 (1H, d, J = 1.2 Hz), 10.30 (1H, s), 13.00 (2H, br).
HRFABMS (+) : 508.0806 (C24H18ClF3NO6)として計算値 508.0775.
【0212】
<実施例36>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−フルオロ安息香酸
【0213】
【化63】

【0214】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.63
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.99 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89 (1H, d, J =
8.6 Hz), 6.95-6.99 (2H, m), 7.18-7.38 (10H, m), 7.75-7.78 (1H, m), 8.10 (1H,
dd, J = 6.1, 2.4 Hz), 10.13 (1H, s), 13.23 (1H, br).
HRFABMS (+) : 536.1114 (C29H24ClFNO4S)として計算値 536.1099.
【0215】
<実施例37>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニル酢酸
【0216】
【化64】

【0217】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.62
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.50 (2H, s), 5.08 (2H, s),
6.88-6.99 (4H, m), 7.18-7.22 (2H, m), 7.28-7.41 (8H, m), 7.45-7.46 (2H, m),
9.92 (1H, s), 12.30 (1H, brs).
HRFABMS (+) : 532.1355 (C30H27ClNO4S)として計算値 532.1349.
【0218】
<実施例38>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド] イソフタル酸
【0219】
【化65】

【0220】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.67
(2H, t, J = 7.4 Hz), 3.01 (2H, t, J = 7.4 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-6.99 (3H, m),
7.21 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.40 (8H, m), 8.13 (1H, t, J = 1.8 Hz),
8.40 (2H, d, J = 1.8 Hz), 10.30 (1H, s), 13.29 (2H, br).
HRFABMS (+) : 562.1063 (C30H25ClNO6S)として計算値 562.1091.
【0221】
<実施例39>
2−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸
【0222】
【化66】

【0223】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.70
(2H, t, J = 7.3 Hz), 3.02 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.87-6.99 (3H, m),
7.11-7.15 (1H, m), 7.19 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.27-7.40 (8H, m), 7.54-7.58
(1H, m), 7.95 (1H, dd, J = 7.9, 1.2 Hz), 8.43-8.45 (1H, m), 11.13 (1H, s),
13.58 (1H, br).
HRFABMS (+) : 518.1214 (C29H25ClNO4S)として計算値 518.1193.
【0224】
<実施例40>
2−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニル−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシプロピオン酸
【0225】
【化67】

【0226】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.62
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89 (1H, dd, J =
6.7, 1.8 Hz), 6.96-6.99 (2H, m), 7.20-7.41 (11H, m), 7.72-7.74 (1H, m), 7.84 (1H,
brs), 10.03 (1H, s).
HRFABMS (+) : 616.1155 (C31H26ClF3NO5S)として計算値 616.1172.
【0227】
<実施例41>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド] フタル酸
【0228】
【化68】

【0229】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.63
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.97 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89-7.00 (3H, m),
7.22 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.60 (10H, m), 7.74 (1H, d, J = 7.9 Hz),
9.69 (1H, brs), 13.22 (2H, br).
HRFABMS (+) : 560.0958 (C30H23ClNO6S)として計算値 560.0935.
【0230】
<実施例42>
4−[3−(4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸
【0231】
【化69】

【0232】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 0.94- 1.03 (2H, m),
1.12-1.27 (3H, m), 1.61-1.76 (6H, m), 2.66 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.90 (2H, t, J
= 7.3 Hz), 3.71 (2H, d, J = 6.7 Hz), 6.44-6.48 (2H, m), 6.65 (1H, dd, J = 8.6,
1.8 Hz), 6.93 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.21 (1H, t, J = 8.6 Hz), 7.25 (2H, d, J =
8.6 Hz), 7,67-7.72 (2H, m), 7.84 (1H, d, J = 1.2 Hz), 10.27 (1H, s), 13.00 (2H,
br).
HRFABMS (+) : 518.2197(C30H32NO7)として計算値 518.2179.
元素分析 : 実測値 C
69.41%, H 6.04%, N 2.70%, C30H31NO7として計算値 C 69.62%, H 6.04%, N 2.71%.
【0233】
<実施例43>
4−[3−(2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸
【0234】
【化70】

【0235】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 0.95- 1.05 (2H, m),
1.12-1.27 (3H, m), 1.61-1.77 (6H, m), 2.66 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.98 (2H, t, J
= 7.3 Hz), 3.74 (2H, d, J = 6.7 Hz), 6.53 (1H, dd, J = 8.0, 2.4 Hz), 6.57 (1H,
t, J = 2.4 Hz), 6.72 (1H, dd, J = 8.0, 2.4 Hz), 6.93 (1H, dd, J = 8.6, 2.4 Hz),
7.06 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.26 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.36 (1H, d, J = 8.6 Hz),
7.67-7.72 (2H, m), 7.84 (1H, d, J = 1.2 Hz), 10.30 (1H, s), 13.01 (2H, br).
HRFABMS (+) : 552.1818(C30H31ClNO7)として計算値 552.1789.
【0236】
<実施例44>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルマロン酸
【0237】
【化71】

【0238】
無色アモルファス
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.46
(2H, t, J = 7.4 Hz), 3.04 (2H, t, J = 7.4 Hz), 4.49 (1H, s), 5.06 (2H, s),
6.87-6.97 (3H, m), 7.03 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.15-7.42 (10H, m),7.58 (1H, s),
7.64 (1H, d, J = 7.9 Hz), 8.07 (2H, s), 9.96 (1H, s).
HRFABMS (+) : 576.1211 (C31H27ClNO6S)として計算値 576.1234.
【0239】
<実施例45>
2−[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェニル]−2−ヒドロキシ酢酸
【0240】
【化72】

【0241】
淡黄色アモルファス
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.62
(2H, t, J = 7.4 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.4 Hz), 4.96 (1H, s), 5.08 (2H, s),
6.87-6.99 (3H, m), 7.06 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.15-7.42 (11H, m), 7.54 (1H, d, J
= 7.9 Hz), 7.60 (1H, s), 9.98 (1H, s).
HRFABMS (+) : 548.1002 (C30H27ClNO5S)として計算値 548.0986.
【0242】
<実施例46>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェノキシマロン酸
【0243】
【化73】

【0244】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.42
(2H, t, J = 7.4 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.4 Hz), 5.08 (2H, s), 5.19 (1H, s), 6.55
(1H, d, J = 7.9 Hz), 6.89 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.94-7.00 (2H, m), 7.11-7.42
(10H, m), 9.36 (1H, s).
FABMS (+) : 592 [M+H] +.
元素分析 : 実測値 C
62.26%, H 4.49%, N 2.34%, C31H26ClNO7S・1/3 H2Oとして計算値 C 62.33%, H 4.89%, N 2.49%.
【0245】
<実施例47>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェノキシ−メチルマロン酸
【0246】
【化74】

【0247】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 1.67
(3H, s), 2.60 (2H, t, J = 7.4 Hz), 2.96 (2H, t, J = 7.4 Hz), 5.07 (2H, s), 6.46
(1H, br s), 6.87 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.92-6.99 (2H, m), 7.11 (2H, s),
7.16-7.42 (10H, m), 9.92 (1H, s).
HRFABMS (+) : 606.1374 (C32H29ClNO7S)として計算値 606.1353.
【0248】
<実施例48>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−ニトロ安息香酸
【0249】
【化75】

【0250】
参考例10の化合物(120 mg)の塩化メチレン(0.75 mL)溶液にDMF(触媒量)、オキザリルクロリド(80μL)を加えて常温にて1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に1,4−ジオキサン(1 mL)、5−アミノ−2−ニトロ安息香酸(71 mg)、ピリジン(0.29 mL)を加え100℃にて2時間攪拌した。1mol/L塩酸を加え、塩化メチレンにて抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=9:1→85:15→6:1)にて精製し目的物(175
mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.69
(2H, t, J = 7.6 Hz), 3.00 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-7.00 (3H, m),
7.20 (1H, dd, J= 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.40 (8H, m), 7.71(1H, dd, J = 9.2, 2.4
Hz), 7.82 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.86 (1H, d, J = 2.4 Hz), 10.50 (1H, s), 13.99
(1H, br).
HRFABMS (+) : 563.1060 (C29H24ClN2O6S)として計算値 563.1044.
【0251】
以下、実施例48と同様にして、参考例10の化合物と各種アミノ安息香酸誘導体を反応させ実施例49及び50の化合物を合成した。
【0252】
<実施例49>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−ヒドロキシ安息香酸
【0253】
【化76】

【0254】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.59
(2H, t, J = 7.4 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.4 Hz), 5.08 (2H, s), 6.87-6.97 (3H, m),
7.22-7.38 (10H, m),7.62 (1H, dd, J = 9.2, 3.1 Hz), 8.07 (1H, s), 9.90 (1H, s),
10.99 (1H, brs), 13.96 (1H, br).
HRFABMS (+) : 534.1103 (C29H25ClNO5S)として計算値 534.1142.
【0255】
<実施例50>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−ヒドロキシ安息香酸
【0256】
【化77】

【0257】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.74
(2H, t, J = 7.3 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.85-7.00 (4H, m),
7.21 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.41 (8H, m), 7.53 (1H, dd, J = 7.9,
1.8Hz), 8.10 (1H, d, J = 7.3 Hz), 9.37 (1H, s), 11.83 (1H, brs), 14.14 (1H,
br).
HRFABMS (+) : 534.1180 (C29H25ClNO5S)として計算値 534.1142.
【0258】
<実施例51>
2−アミノ−5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]安息香酸
【0259】
【化78】

【0260】
実施例48の化合物(752 mg)をメタノール(10 mL)と塩化メチレン(5 mL)混液に溶解し、10%−Pd/C(226 mg)を加え常温下、水素雰囲気下に4.5時間攪拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮後、得られた結晶をメタノールで洗浄、乾燥し目的物(463mg)を淡黄色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.54(2H,
t, J=7.6Hz), 2.96(2H, t, J=7.3Hz), 5.08(2H, s), 6.65(1H, d, J=9.2Hz),
6.87-6.99(3H, m), 7.20(1H, dd, J=7.9,1.8Hz), 7.28-7.42(9H, m), 7.88(1H, d,
J=2.4Hz), 8.43(2H, brs), 9.63(1H, s).
HRFABMS (+) : 533.1296 (C29H26ClN2O4S)として計算値 533.1302.
元素分析 : 実測値 C 64.57%,
H 4.74%, N 5.26%, C29H25ClN2O4S・1/3H2Oとして計算値 C 64.62%, H 4.80%,
N 5.20%.
【0261】
<実施例52>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸
【0262】
【化79】

【0263】
実施例13の化合物(97.4 mg)のアセトニトリル(1mL)溶液に0℃にてヨードトリメチルシラン(65 μL)を加え、3時間攪拌した。反応液に水を加え析出した結晶を濾取し、水洗後、乾燥し、さらに酢酸エチルで洗浄して乾燥し、目的物(36 mg)を無色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.74 2.65 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.99 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89
(1H, d, J = 7.9 Hz), 6.95-6.99 (2H, m), 7.20 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.28-7.41
(8H, m), 7.54-7.58 (4H, m), 10.10 (1H, s).
HRFABMS (+) : 554.0983 (C28H26ClNO5PS)として計算値 554.0958.
【0264】
以下、実施例52と同様にして、実施例14、17、20〜23及び26の化合物を用い実施例53〜59の化合物を合成した。
【0265】
<実施例53>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸
【0266】
【化80】

【0267】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.64 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.99 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.08 (2H, s), 6.88-6.99
(3H, m), 7.19-7.39 (11H, m), 7.71-7.73 (1H, m), 7.90 (1H, d, J = 14.7 Hz), 10.06
(1H, s).
HRFABMS (+) : 554.0981 (C28H26ClNO5PS)として計算値 554.0958.
【0268】
<実施例54>
4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−3−カルボキシフェニルホスホン酸
【0269】
【化81】

【0270】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.67 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.99 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.07 (2H, s), 6.88-6.98 (3H, m), 7.20 (1H, dd, J = 7.9,
1.8 Hz), 7.27-7.41 (8H, m), 7.70-7.84 (2H, m), 7.96 (1H, d, J = 3.1 Hz).
HRFABMS (+) : 596.0726 (C29H24ClNO7PS)として計算値 596.0700.
【0271】
<実施例55>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−クロロフェニルホスホン酸
【0272】
【化82】

【0273】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.63 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.98 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89 (1H, dd, J = 8.6, 1.8 Hz),
6.95-7.00 (2H, m), 7.21 (1H, dd, J = 7.9, 2.4 Hz), 7.28-7.41 (9H, m), 7.82 (1H,
dd, J = 8.6, 2.4 Hz), 8.01 (1H, dd, J =1 5.0, 2.8 Hz), 10.19(1H, s).
HRESIMS (+) : 586.03983 (C28H23Cl2N2O5PS)として計算値 586.04116.
【0274】
<実施例56>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルメチルホスホン酸
【0275】
【化83】

【0276】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.61 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.91 (2H, d, J = 21.4 Hz), 2.98 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.07 (2H, s), 6.87-6.92
(2H, m), 6.94-7.00 (2H, m), 7.16 (1H, t, J = 7.9 Hz), 7.20(1H, dd, J = 7.9, 1.8
Hz), 7.26-7.41 (9H, m), 7.49 (1H, d, J = 7.9 Hz), 9.90 (1H, s).
HRFABMS (+) : 568.1118 (C29H28ClNO5PS)として計算値 568.1114.
【0277】
<実施例57>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルジフルオロメチルホスホン酸
【0278】
【化84】

【0279】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.64 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.99 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.94-7.00 (2H,
m), 7.15- 7.23 (2H, m), 7.26-7.42 (9H, m), 7.75 (1H, s), 7.76 (1H, d, J = 7.9
Hz).
FABMS (-) : 602 [M-H]+.
元素分析 : 実測値 C 55.59%,
H 4.11%, N 2.25%, C29H25ClF2NO5PS・4/5H2Oとして計算値 C 55.59%, H 4.42%,
N 2.24%.
【0280】
<実施例58>
3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルフルオロメチルホスホン酸
【0281】
【化85】

【0282】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.61 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.97 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.06 (2H, s), 5.61 (1H, dd, J = 44.3, 8.3 Hz), 6.87
(1H, d, J = 7.9 Hz), 6.92-6.98 (2H, m), 7.05 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.19 (1H, dd,
J = 8.6, 1.8 Hz), 7.24- 7.38 (9H, m), 7.57 (1H, s), 7.63 (1H, d, J = 7.9 Hz).
FABMS (+) : 586 [M+H]+.
元素分析 : 実測値 C 57.76%,
H 4.60%, N 2.31%, C29H26ClFNO5PS・H2Oとして計算値 C 57.66%, H 4.67%,
N 2.32%.
【0283】
<実施例59>
[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェニル]ヒドロキシメチルホスホン酸
【0284】
【化86】

【0285】
無色粉末
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.61 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.97 (2H, t, J = 7.6 Hz), 4.62 (1H, d, J = 14.1 Hz), 5.07 (2H, s), 6.89 (1H, d,
J = 7.9 Hz), 6.94-6.99 (2H, m), 7.04 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.18 (1H, dd, J =
8.6, 1.8 Hz), 7.26- 7.41 (8H, m), 7.50 (1H, s), 7.57 (1H, t, J = 7.9 Hz).
HRFABMS (+) : 584.1101 (C29H28ClNO6PS)として計算値 5684.11064.
【0286】
<実施例60>
5−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]−2−ヒドロキシフェニルホスホン酸
【0287】
【化87】

【0288】
参考例1と参考例10の化合物を実施例8と同様にして縮合した後、実施例52と同様に反応させ目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.54 (2H, t, J = 7.6 Hz),
2.96 (2H, t, J = 7.6 Hz), 5.08 (2H, s), 6.47 (1H, dd, J = 8.6, 4.9 Hz),
6.89 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.93-7.05 (2H, m), 7.20 (1H, dd, J = 8.3, 1.5 Hz),
7.28-7.42 (10H, m), 9.62 (1H, s).
HRFABMS (+) : 568.0775 (C28H24ClNO6PS)として計算値 568.0751.
【0289】
<実施例61>
4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェネチルカルバモイル]フタル酸
【0290】
【化88】

【0291】
参考例18の化合物と4−カルボキシ無水フタル酸を実施例8と同様にして縮合させた後、実施例29と同様に加水分解し目的物を無色粉末として得た。
1H-NMR
(DMSOd6, 400 MHz):δ 2.96 (2H, t, J = 6.7 Hz),
3.50 (2H, q, J = 6.7 Hz), 5.08 (2H, s), 6.89 (1H, dd, J = 6.7, 1.8 Hz),
6.96-6.99 (1H, m), 7.18 (1H, dd, J = 7.9, 1.8 Hz), 7.26-7.42 (8H, m), 7.93 (2H,
d, J = 6.7 Hz), 8.28 (1H, s), 8.82 (1H, t, J = 5.5 Hz).
HRFABMS (+) : 562.1128 (C30H24ClNO6S)として計算値 562.1091.
【0292】
次に本発明化合物について、有用性を裏付ける成績を実験例によって示す。
<実験例1> ヒトS1P(スフィンゴシン-1-リン酸)受容体発現細胞に対する被験化合物の細胞内カルシウム動員誘導試験
10%のウシ胎児血清、及び400μg/mLのGeneticinを含むHam’s F-12培地で継代培養したヒトS1P受容体発現CHO-K1細胞(hS1P1受容体発現CHO-K1細胞、hS1P3受容体発現CHO-K1細胞及びhS1P4受容体発現CHO-K1細胞)を使用した。hS1P1及びhS1P3受容体発現CHO-K1細胞は7×104 cells/wellで、hS1P4受容体発現CHO-K1細胞は×104 cells/wellで96穴黒色クリアボトム培養プレート(BD Falcon)に播種し、37℃、5%CO2条件下で一晩培養した。ウェル内の培地を吸引除去し、Ca2+結合性蛍光指示薬としてCalcium Kit-Fluo3試薬(同仁化学研究所)に添付の試薬(Loading buffer)を添加し、37℃、5%CO2条件下で80分間培養した。培養後、PBSでウェルを洗浄し、Calcium Kit-Fluo3試薬に添付の試薬(Recording buffer)を添加し、37℃、5%CO2条件下で20分間培養した。マイクロプレート蛍光分光光度計(FLEX Station、モレキュラーデバイス)を用いて、励起波長485nm、検出波長525nmにおける蛍光強度を測定した。最終濃度の10倍の濃度になるよう培地で調製したS1P、あるいは被験化合物(最終DMSO濃度0.1%)を蛍光測定開始18秒後に添加し、1.5秒毎で添加後100秒まで蛍光強度を連続測定した。測定データより最大蛍光強度から最小蛍光強度を引いた値(蛍光増加量)を算出し、溶媒を添加したときの蛍光増加量とS1Pを10-6Mで作用させたときの蛍光増加量の差を100%として、被験化合物の蛍光増加率(%)を算出した。これを被験化合物の細胞内カルシウム動員誘導作用として、PRISMソフトウェア(GraphPad)を用いてEC50値を求めた。なお、1000nmol/L>EC50値≧100nmol/Lについては+、100nmol/L>EC50値≧10nmol/Lについては++、10nmol/L>EC50値については+++と表記し、表1に示した。
【0293】
【表1】

【0294】
以上の結果から本発明化合物はヒトS1P3受容体に作用が弱く、S1P1受容体に作用が強いことが認められた。

【0295】
<実験例2> マウスの末梢血中の総白血球数に対する作用
被験化合物はDMSOに溶解または懸濁した後、生理食塩水を加え投与液とした(DMSOの最終濃度1%)。投与液が溶解または均一な懸濁状態にない場合、Tween80を最終濃度0.01%〜0.1%となるように加え、ソニケートしてfine suspensionにした。これらの被験化合物溶液を、BALB/cCrSlc系雄性マウス(8週齢〜14週齢、日本エス・エル・シー)に、体重10gあたり0.1mLまたは0.2mLずつ腹腔内投与した。対照群には、被験化合物の調製に用いたのと同じ組成の溶媒のみを同様に投与した。被験化合物液投与の6時間後に、エーテル麻酔下で後大静脈より採血した(抗凝固剤として10% EDTAを10μL添加)。総白血球数の測定は、自動血球計数装置シスメックスF-820(シスメックス)を用いて行った。
実施例29、43、56、59及び61の化合物は投与量100 mg/kgにおいて30%以上の抑制率を示した。
【産業上の利用可能性】
【0296】
本発明は、新規なアミド誘導体が優れたS1P1受容体選択的アゴニスト作用を有することを見出したものである。このようなS1P1受容体選択的アゴニスト作用を有する化合物は、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、腎繊維症、肝繊維症、慢性気管支喘息、びまん性過誤腫性肺脈管筋腫症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、肺癌、過敏性肺臓炎、バージャー病、糖尿病性ニューロパチーの末梢動脈疾患、敗血症、血管炎、腎炎、肺炎、脳梗塞、心筋梗塞症、浮腫性疾患、静脈瘤、解離性大動脈瘤、狭心症、DIC、胸膜炎、うっ血性心不全、多臓器不全、とこずれ、火傷、潰瘍性大腸炎、クローン病などの治療及び予防薬として、又、心移植、腎移植、皮膚移植、肝移植、骨髄移植などの拒絶反応の予防又は治療薬、関節リウマチ、ループス腎炎、全身性エリトマトーデス、橋本病、多発性硬化症、重症筋無力症、糖尿病、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性接触皮膚炎等の予防又は治療薬として有用である。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、Rはベンジルオキシ基、ハロゲン原子で置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数4〜8のシクロアルキルメチルオキシ基を、
は-(O)p-(CRab)q-COOH
(式中、Raは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を、Rbは水素原子、水酸基又はカルボキシル基を、p及びqはそれぞれ0又は1を示す)、又は
-(CRcd)q- PO3H2
(式中、Rcは水素原子又はハロゲン原子を、Rdは水素原子、ハロゲン原子又は水酸基を、qは0又は1を示す)を、
は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基又はリン酸基を、
Xは水素原子又はハロゲン原子を、
YはO、S、SO又はSOを、
Zは-CONH-又は-NHCO-を、
Tは-CH=CH-又は-(CH2)m- を示す(式中、mは2又は3を示す)。]
で表されるアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項2】
一般式(1)において、Zが-NHCO-
である請求項1記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項3】
一般式(1)において、Rが炭素数4〜8のシクロアルキルメチルオキシ基
である請求項1又は2記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項4】
一般式(1)において、RがCO2H、CH2CO2H、CH(CO2H)2、CH(OH)CO2H、C(OH)CF3CO2H、OCH(CO2H)2、OCMe(CO2H)2、PO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2
である請求項1〜3の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項5】
一般式(1)において、RがCO2H、CH2CO2H、CH(CO2H)2、CH(OH)CO2H、C(OH)CF3CO2H、OCH(CO2H)2、又はOCMe(CO2H)2
である請求項1〜3の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項6】
一般式(1)において、RがPO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2
である請求項1〜3の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項7】
前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(1a)
【化2】

[式中、RはCO2H、PO3H2、CH2PO3H2、CHFPO3H2、CF2PO3H2又はCH(OH)PO3H2を、Rは水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基又はリン酸基を示し、R、X及びYは前記定義に同じ]
で表される請求項1〜3の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項8】
前記一般式(1a)においてR及びRがカルボキシル基である請求項7に記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項9】
前記一般式(1)で示される化合物が、
1)4−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フタル酸、
2)4−[3−(2−クロロ−4−(3−シクロヘキシルメチルオキシフェノキシ)フェニル)プロパンアミド] フタル酸、
3)3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルホスホン酸、
4)3−[3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド]フェニルメチルホスホン酸、
5)[3−(3−(4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェニル)プロパンアミド)フェニル]ヒドロキシメチルホスホン酸、
6)4−[4−(3−ベンジルオキシフェニルチオ)−2−クロロフェネチルカルバモイル]フタル酸である請求項1記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分とするスフィンゴシン−1−リン酸−1(S1P1)受容体アゴニスト。
【請求項11】
請求項1〜9の何れかに記載のアミド誘導体、薬理学的に許容しうるその塩又はその水和物を有効成分として含有する医薬。


【公開番号】特開2009−91267(P2009−91267A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−261267(P2007−261267)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】