説明

アミノアシルプロドラッグ誘導体および血栓塞栓性障害の処置用の医薬

本願は、5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミドのプロドラッグ誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、および疾患の、特に血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミドのプロドラッグ誘導体、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、および疾患の、特に血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロドラッグは、実際の有効成分が遊離する前に、インビボで酵素的および/または化学的生物変換を1つまたはそれ以上の段階で受ける、有効成分の誘導体である。プロドラッグの残基は、通常、基礎的有効成分の特性のプロフィールを改善するために使用される [P. Ettmayer et al., J. Med. Chem. 47, 2393 (2004)]。最適な効果のプロフィールを達成するために、これに関して、プロドラッグ残渣の設計並びに所望の遊離メカニズムを、個々の有効成分、適応症、作用部位および投与経路と非常に厳密に適合させることが必要である。多数の医薬が、プロドラッグとして投与され、それは、基礎的有効成分と比較して改善されたバイオアベイラビリティーを示し、それは、例えば、物理化学的プロフィール、特に溶解性、能動的または受動的吸収特性または組織特異的分布を改善することにより達成される。プロドラッグに関する多岐にわたる文献から言及し得る例は、H. Bundgaard (Ed.), Design of Prodrugs: Bioreversible derivatives for various functional groups and chemical entities, Elsevier Science Publishers B.V., 1985 である。
【0003】
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド[BAY59−7939、化合物(A)]は、セリンプロテアーゼXa因子の経口で有効な直接的阻害剤であり、血液凝固の調節において本質的な機能を果たす。この化合物は、現在、血栓塞栓性障害の予防および治療用の可能性のある新有効医薬成分として、綿密な臨床試験を受けている[S. Roehrig et al., J. Med. Chem. 48, 5900 (2005)]。
【化1】

【0004】
しかしながら、化合物(A)には、水および生理的媒体において限られた溶解性しかなく、例えば有効成分の静脈内投与を困難にしている。従って、上述の媒体において改善された溶解性を有し、同時に、投与後に患者の体内で有効成分(A)の制御された遊離を可能にする化合物(A)の誘導体またはプロドラッグを同定することが、本発明の目的であった。
【0005】
WO2005/028473は、経口バイオアベイラビリティーを高めるのに役立つ、オキサゾリジノン類のアシルオキシメチルカルバメートプロドラッグを記載している。WO01/00622は、イノシン−5'−モノホスフェートデヒドロゲナーゼのカルバメート阻害剤のアシルプロドラッグを開示している。基礎的有効成分を多段階の活性化メカニズムにより遊離させるオキサゾリジノン類のさらなるタイプのアミドプロドラッグは、WO03/006440に記載されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、一般式(I)
【化2】

[式中、
nは、1または2であり、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNHであり、
は、天然α−アミノ酸またはそのホモログまたは異性体の側鎖の基であり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素であるか、
または、
およびRは、(CHまたは(CH基を介して結合し、それらが結合している窒素または炭素原子と一体となって、5員または6員の環を各々形成する]
の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物に関する。
【0007】
本発明による化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に包含される後述する式の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含される例示的実施態様として後述する化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物(後述する式(I)に包含される化合物が、既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)である。
【0008】
本発明による化合物は、それらの構造によって、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらの各々の混合物に関する。そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、立体異性的に純粋な構成分を既知の方法で単離できる。
本発明による化合物が互変異性体で存在できる場合、本発明は、全ての互変異性体を包含する。
【0009】
本発明の目的上、好ましいは、本発明による化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明による化合物の単離または精製に使用できる塩も包含される。
【0010】
本発明による化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0011】
本発明の目的上、溶媒和物は、固体または液体状態で、溶媒分子との配位により錯体を形成している本発明による化合物の形態である。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。本発明に関して、好ましい溶媒和物は水和物である。
【0012】
本発明に関して、断りのない限り、置換基は、以下の意味を有する:
の意味におけるα−アミノ酸の側鎖の基は、天然産生α−アミノ酸の側鎖の基およびこれらのα−アミノ酸のホモログおよび異性体の側鎖の基の両方を包含する。α−アミノ酸は、これに関して、LおよびD配置の両方を有し得るか、または、L体およびD体の混合物であり得る。言及し得る側鎖の基の例は、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、プロパン−2−イル(バリン)、プロパン−1−イル(ノルバリン)、2−メチルプロパン−1−イル(ロイシン)、1−メチルプロパン−1−イル(イソロイシン)、ブタン−1−イル(ノルロイシン)、フェニル(2−フェニルグリシン)、ベンジル(フェニルアラニン)、p−ヒドロキシベンジル(チロシン)、インドール−3−イルメチル(トリプトファン)、イミダゾール−4−イルメチル(ヒスチジン)、ヒドロキシメチル(セリン)、2−ヒドロキシエチル(ホモセリン)、1−ヒドロキシエチル(スレオニン)、メルカプトメチル(システイン)、メチルチオメチル(S−メチルシステイン)、2−メルカプトエチル(ホモシステイン)、2−メチルチオエチル(メチオニン)、カルバモイルメチル(アスパラギン)、2−カルバモイルエチル(グルタミン)、カルボキシメチル(アスパラギン酸)、2−カルボキシエチル(グルタミン酸)、4−アミノブタン−1−イル(リジン)、4−アミノ−3−ヒドロキシブタン−1−イル(ヒドロキシリジン)、3−アミノプロパン−1−イル(オルニチン)、3−グアニジノプロパン−1−イル(アルギニン)、3−ウレイドプロパン−1−イル(シトルリン)である。Rの意味における好ましいα−アミノ酸の側鎖の基は、水素(グリシン)、メチル(アラニン)、プロパン−2−イル(バリン)、プロパン−1−イル(ノルバリン)、イミダゾール−4−イルメチル(ヒスチジン)、ヒドロキシメチル(セリン)、1−ヒドロキシエチル(スレオニン)、カルバモイルメチル(アスパラギン)、2−カルバモイルエチル(グルタミン)、4−アミノブタン−1−イル(リジン)、3−アミノプロパン−1−イル(オルニチン)、3−グアニジノプロパン−1−イル(アルギニン)である。各場合でL配置が好ましい。
【0013】
本発明による化合物中のラジカルが置換されている場合、そのラジカルは、断りのない限り、一置換または多置換されていてよい。本発明に関して、1回より多く出てくる全てのラジカルは、相互に独立の意味を有する。1個または2個の同一かまたは異なる置換基による置換が好ましい。1個の置換基による置換がことさら特に好ましい。
【0014】
好ましいのは、式中、
nが、1または2であり、
Xが、酸素原子、硫黄原子またはNHであり、
が、水素、メチル、プロパン−2−イル、プロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、3−グアニジノプロパン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルであり、
が、水素またはメチルであり、
が水素であるか、
または、
およびRが、(CHまたは(CH基を介して結合し、それらが結合している窒素または炭素原子と一体となって、5員または6員の環を各々形成する、
式(I)の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0015】
好ましいのは、また、式中、
nが、1または2であり、
Xが、NHであり、
が、水素、メチル、プロパン−2−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルであり、
が、水素であり、
が、水素である、
式(I)の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0016】
好ましいのは、また、式中、nが2である式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、XがNHである式(I)の化合物である。
【0017】
好ましいのは、また、式中、Rが、水素、メチル、プロパン−2−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−グアニジノプロパン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルである式(I)の化合物である。
【0018】
好ましいのは、また、式中、Rが、水素、メチル、プロパン−2−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルである式(I)の化合物である。
【0019】
好ましいのは、また、式中、Rが水素である式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素である式(I)の化合物である。
【0020】
本発明は、さらに、式(I)の化合物の製造方法を提供し、それは、
[A]式
【化3】

の化合物を、先ず、不活性溶媒中、塩基の存在下で、式
【化4】

(式中、nは上記の意味を有し、そして、
Qは、塩素、臭素またはヨウ素などの脱離基である)
の化合物を用いて、式
【化5】

(式中、nおよびQは、上記の意味を有する)
の化合物に変換し、
次いで、後者を、以下のいずれかの方法に従い、
【0021】
[A1]不活性溶媒中、式
【化6】

(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有し、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基であり、
そして、
Yは、OまたはSである)
のα−アミノカルボン酸またはαアミノチオカルボン酸のセシウム塩と反応させ、式
【化7】

(式中、n、R、R、RおよびPGは、上記の意味を有し、そして、
Xは、OまたはSである)
の化合物を得、続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化8】

(式中、n、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
Xは、OまたはSである)
の化合物を得るか、
または、
【0022】
[A2]不活性溶媒中、塩基の存在下、式
【化9】

(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有し、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基である)
のα−アミノチオカルボン酸と反応させ、式
【化10】

(式中、n、R、R、RおよびPGは、上記の意味を有する)
の化合物を得、続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化11】

(式中、n、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得るか、
あるいは、
【0023】
[B]化合物(A)を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式
【化12】

(式中、nは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、式
【化13】

(式中、nは、上記の意味を有する)
の化合物を得、
【0024】
続いて、保護基を常套の方法に従って除去し、式
【化14】

(式中、nは、上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、塩基の存在下、式
【化15】

(式中、R、RおよびRは、上記の意味を有し、
AGは、ヒドロキシルまたはハロゲン、好ましくは塩素または臭素であるか、または、カルボニル基と一体となって活性エステル、好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、または、混合無水物、好ましくは炭酸アルキル、より好ましくは炭酸エチルを形成し、そして、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基である)
の化合物と反応させ、式
【化16】

(式中、n、R、R、RおよびPGは、上記の意味を有する)
の化合物を得、
【0025】
続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化17】

(式中、n、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得、
そして、各場合で得られる式(I−A)または(I−B)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする。
【0026】
式(I−A)、(I−B)および(IX)の化合物は、それらの塩の形態でも存在できる。これらの塩は、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基により、遊離塩基に変換できる。
【0027】
ラジカルR中に存在するいかなる官能基も、好都合または必要であれば、上記の連続反応において、一時的な保護形態で存在してもよい。そのような保護基並びに保護基PGの導入および除去は、これに関して、ペプチド化学から知られている常套の方法により行う[例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999; M. Bodanszky and A. Bodanszky, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, Berlin, 1984 参照]。
【0028】
必要に応じてR中に存在するそのような保護基は、これに関して、PGの除去と同時に、または、PGの除去前または後の別の反応段階で、除去し得る。
【0029】
上記方法において好ましく使用されるアミノ保護基PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)である。これらの保護基の除去並びに工程(VIII)→(X)における保護基の除去は、常套の方法により、好ましくは、塩化水素、臭化水素またはトリフルオロ酢酸などの強酸と、ジオキサン、ジクロロメタンまたは酢酸などの不活性溶媒中で反応させることにより、実施する。
【0030】
工程(A)+(II)→(III)および(A)+(VII)→(VIII)で好ましく使用される不活性溶媒は、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドである;N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。これらの反応において特に適する塩基は、水素化ナトリウムである。上述の反応は、一般的に、0℃ないし+40℃の温度範囲で、大気圧下で実施する。
【0031】
工程(III)+(VI)→(V−A)および(IX)+(X)→(XI)で好ましく使用される不活性溶媒は、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドである;N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。これらの反応において特に適する塩基は、エチルジイソプロピルアミンである。上述の反応は、一般的に、0℃ないし+40℃の温度範囲で、大気圧下で実施する。
【0032】
工程(III)+(IV)→(V)は、好ましくは、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド中で行う。この反応は、一般的に、0℃ないし+50℃の温度範囲で、好ましくは+20℃ないし+50℃で、大気圧下で行う。この反応は、また、超音波処理により有利に実施できる。
【0033】
式(II)、(IV)、(VI)、(VII)および(X)の化合物は、購入できるか、文献から知られているか、または、文献中の常套の方法により製造できる。化合物(A)の製造は、S. Roehrig et al., J. Med. Chem. 48, 5900 (2005) に記載されている。
【0034】
本発明による化合物の製造は、以下の合成スキームにより例示説明できる:
スキーム
【化18】

【0035】
本発明による化合物およびそれらの塩は、有効成分化合物(A)の有用なプロドラッグである。一方では、それらは、例えばpH4で良好な安定性を示し、他方では、それらはインビボで、有効成分化合物(A)への効率的な変換を示す。本発明による化合物は、さらに、水および他の生理的に耐容される媒体中での良好な溶解性を有し、それらを特に静脈内投与での治療的使用に適するものにしている。
【0036】
本発明はさらに、障害、好ましくは血栓塞栓性障害および/または血栓塞栓性合併症の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用に関する。
【0037】
本発明に関して、「血栓塞栓性障害」には、特に、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)または非ST上昇型心筋梗塞(非STEMI)、安定狭心症、不安定狭心症、血管形成術または大動脈冠動脈バイパス術などの冠動脈介入後の再閉塞および再狭窄、末梢動脈閉塞疾患、肺栓塞症、深部静脈血栓症および腎静脈血栓症、一過性虚血発作および血栓性および血栓塞栓性卒中などの障害が含まれる。
【0038】
従って、これらの物質は、例えば心房細動などの急性、間欠性または持続性心不整脈を有する患者、および電気的除細動を受けている者、また、心臓弁疾患を有するか、または人工心臓弁を有する患者における、心原性血栓塞栓症、例えば、脳虚血、卒中および全身性血栓塞栓症および虚血の予防および処置にも適する。加えて、本発明による化合物は、汎発性血管内凝固症候群(DIC)の処置に適する。
【0039】
血栓塞栓性合併症は、また、微小血管障害性溶血性貧血、血液透析などの体外循環、および、心臓代用弁と関連して起こる。
【0040】
さらに、本発明による化合物は、アテローム硬化性血管障害および炎症障害、例えば筋骨格系のリウマチ性障害の予防および/または処置にも、さらに同様に、アルツハイマー病の予防および/または処置にも適する。さらに、本発明による化合物は、腫瘍成長および転移形成の阻害、微小血管障害、加齢に伴う黄斑変性症、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症および他の微小血管の障害、また、例えば、腫瘍患者における、特に大きい外科的介入または化学療法もしくは放射線治療を受けている者における、静脈血栓塞栓症などの血栓塞栓性合併症の予防および処置にも用いることができる。
【0041】
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物の使用に関する。
【0042】
本発明は、さらに、障害、特に上述の障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、本発明による化合物の使用に関する。
【0043】
本発明は、さらに、本発明による化合物を使用する、障害、特に上述の障害の処置および/または予防方法に関する。
【0044】
本発明は、さらに、特に上述の障害の処置および/または予防のための、本発明による化合物および1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む医薬に関する。好ましく言及し得る適当な組合せの有効成分の例は、以下のものである:
・脂質低下剤、特にHMG−CoA(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−補酵素A)リダクターゼ阻害剤;
・冠血管治療剤/血管拡張剤、特にACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤;AII(アンジオテンシンII)受容体アンタゴニスト;β−アドレナリン受容体アンタゴニスト;アルファ−1−アドレナリン受容体アンタゴニスト;利尿剤;カルシウムチャネル遮断剤;環状グアノシン一リン酸(cGMP)の上昇をもたらす物質、例えば、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤;
・プラスミノーゲン活性化剤(血栓溶解剤/線維素溶解剤)および血栓溶解/線維素溶解を高める化合物、例えば、プラスミノーゲン活性化因子阻害因子の阻害剤(PAI阻害剤)またはトロンビン活性型繊維素溶解阻害因子の阻害剤(TAFI阻害剤);
・凝血活性を有する物質(抗凝血剤);
・血小板凝集阻害性物質(血小板凝集阻害剤、栓球凝集阻害剤);
・フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト(糖タンパク質IIb/IIIaアンタゴニスト);
・並びに抗不整脈薬。
【0045】
本発明は、さらに、少なくとも1種の本発明による化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と共に含む医薬、および、上述の目的でのそれらの使用に関する。
【0046】
本発明による化合物は、全身的および/または局所的に作用できる。この目的で、それらは、適する方法で、例えば、経口、非経腸、肺または鼻の経路で、投与できる。本発明による化合物は、これらの投与経路に適する投与形で投与できる。
【0047】
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明による化合物を迅速におよび/または改変された様式で送達し、本発明による化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形態で含有する投与形であり、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、腸溶性被覆、または、不溶であるか、または、遅れて溶解し、本発明による化合物の放出を制御する被覆を有する錠剤)、口中で迅速に崩壊する錠剤、またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤などである。
【0048】
非経腸投与は、吸収段階を回避して(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内に)、または吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、なかんずく、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌粉末剤の形態の注射および点滴用製剤である。
【0049】
他の投与経路に適するのは、例えば、粉末吸入器または噴霧器などの吸入用医薬形、または、点鼻薬、液またはスプレーなどの、鼻腔投与できる医薬形である。
非経腸投与、特に静脈内投与が好ましい。
【0050】
本発明による化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に適する補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、なかんずく、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸など)、着色料(例えば無機色素、例えば酸化鉄など)および香味および/または臭気の隠蔽剤が含まれる。
【0051】
一般に、非経腸投与で約0.001ないし1mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし0.5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であると明らかになった。経口投与では、投与量は、約0.01ないし100mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし20mg/体重kg、ことさら特に好ましくは約0.1ないし10mg/体重kgである。
【0052】
それにも拘わらず、必要に応じて、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の応答、製剤の性質および投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から逸脱することが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、これらを1日に亘る数回の個別投与に分割するのが望ましいことがある。
【0053】
以下の例示的実施態様は、本発明を例示説明する。本発明は、これらの実施例に限定されない。
以下の試験および実施例における百分率のデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積に基づく。
【実施例】
【0054】
A. 実施例
略号および頭字語:
【表1】

【0055】
LC−MSおよびHPLCの方法:
方法1a(分取用HPLC):
カラム:VP 250/21 Nukleodur 100-5 C18 ec, Macherey & Nagel No. 762002;溶離剤A:水/0.01%トリフルオロ酢酸、溶離剤B:アセトニトリル/0.01%トリフルオロ酢酸;グラジエント:0分0%B→20分20%B→40分20%B→60分30%B→80分30%B→90分100%B→132分100%B;流速:5ml/分;温度:室温;UV検出:210nm。
【0056】
方法1b(分取用HPLC):カラム:Symmetry PrepTM C18 7μM; 19 × 300 mm; Waters:溶離剤A:水/0.01%トリフルオロ酢酸、溶離剤B:アセトニトリル/0.01%トリフルオロ酢酸;グラジエント:0分0%B→20分20%B→40分20%B→60分30%B→80分30%B→90分100%B→132分100%B;流速:5ml/分;温度:室温;UV検出:210nm。
【0057】
方法2(分析用HPLC):カラム: XTerra 3.9 x 150 WAT 186000478;溶離剤A:水2.5l中の70%過塩素酸10ml、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0.0分20%B→1分20%B→4分90%B→9分90%B;温度:室温;流速:1ml/分。方法2aの変法では、カラムを40℃の温度で溶離する。
【0058】
方法3(LC−MS):装置:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ;HP 1100 Series; UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3 μ 30 mm x 3.00 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分。2ml/分;温度:50℃;UV検出:210nm。
【0059】
方法4(LC−MS):装置:HPLC HP 1100 Series を備えた Micromass ZQ; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;温度:50℃;UV検出:210nm。
【0060】
方法5(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;温度:50℃;UV検出:208−400nm。
【0061】
方法6(LC−MS):MS装置タイプ: Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分→2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;温度:50℃;UV検出:210nm。
【0062】
方法7(キラルHPLC、分析用):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンジシクロプロピルメチルアミド)をベースとするキラルシリカゲル相(250mmx4.6mm);溶離剤:イソヘキサン/酢酸エチル35:65(v/v);温度:24℃;流速:2ml/分;UV検出:270nm。
【0063】
方法8(キラルHPLC、分析用):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンtert−ブチルアミド)をベースとするキラルシリカゲル相(250mmx4.6mm);溶離剤:イソヘキサン/酢酸エチル35:65(v/v);温度:24℃;流速:2ml/分;UV検出:270nm。
【0064】
方法9(キラルHPLC、分析用):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンtert−ブチルアミド)をベースとするキラルシリカゲル相(250mmx4.6mm);溶離剤:イソヘキサン/酢酸エチル65:35(v/v);温度:24℃;流速:2ml/分;UV検出:270nm。
【0065】
方法10(キラルHPLC、分取用):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンジシクロプロピルメチルアミド)をベースとするキラルシリカゲル相(670mmx40mm);溶離剤:イソヘキサン/酢酸エチル25:75(v/v);温度:24℃;流速:80ml/分;UV検出:270nm。
【0066】
方法11(キラルHPLC、分取用):ポリ(N−メタクリロイル−L−ロイシンtert−ブチルアミド)をベースとするキラルシリカゲル相(670mmx40mm);溶離剤:イソヘキサン/酢酸エチル65:35(v/v);温度:24℃;流速:50ml/分;UV検出:260nm。
【0067】
方法12(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Onyx Monolithic C18, 100 mm x 3 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2分65%A→4.5分5%A→6分5%A;流速:2ml/分;オーブン:40℃;UV検出:208−400nm。
【0068】
方法13(LC−MS):装置:HPLC Agilent Series 1100 を備えた Micromass Platform LCZ;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ, 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0069】
方法14(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Merck Chromolith SpeedROD RP-18e 100 mm x 4.6 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml;溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分10%B→7.0分95%B→9.0分95%B;オーブン:35℃;流速:0.0分1.0ml/分→7.0分2.0ml/分→9.0分2.0ml/分;UV検出:210nm。
【0070】
NMR分光法:
プロトン周波数400.13MHzまたは500.13MHzでNMR測定を実施する。サンプルを、通常、DMSO−dに溶解した;温度:302K。
【0071】
出発化合物:
使用する出発物質は、5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド[化合物(A)]であり、その製造は、他で説明されている[S. Roehrig et al., J. Med. Chem. 48, 5900 (2005)]。
【化19】

【0072】
実施例1A
5−クロロ−N−(4−クロロブタノイル)−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド
【化20】

5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド[化合物(A)]1g(2.3mmol)を、無水DMF100mlにアルゴン下で溶解する。水素化ナトリウム(98%強度)110mg(4.6mmol)を添加し、混合物を室温で20分間撹拌する。次いで、クロロブタノイルクロリド4.37g(30.97mmol)を添加し、反応温度を室温で維持する。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで水25mlと混合し、冷却しながら徐々に添加する。続いて、酢酸エチル300mlを添加し、さらに水50mlを添加する。相を分離し、酢酸エチル相を真空で濃縮する。残渣を酢酸エチルと撹拌し、濾過する。母液を濃縮し、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、溶離剤としてトルエン/エタノール5:1を用いて精製する。標的化合物を含有する適切な画分と、エノール化の後に形成されるビス−アシル化された化合物を含有する画分も合わせ、溶媒を除去する。残渣をジクロロメタン中の塩化水素の飽和溶液と混合し、室温で終夜撹拌する。続いて、これを真空で濃縮し、残渣を再度シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、トルエン/エタノール6:1を溶離剤として用いて精製する。適切な画分を濃縮し、残渣をジオキサンから凍結乾燥し、標的化合物94mg(理論値の7.5%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.23 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 2.13 分; m/z = 540 (M+H)+.
【0073】
実施例2A
5−クロロ−N−(4−クロロペンタノイル)−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド
【化21】

実施例1Aを、化合物(A)3g(6.88mmol)および5−クロロペンタノイルクロリドから出発して繰り返し、標的化合物1008mg(理論値の26%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.35 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 2.22 分; m/z = 554 (M+H)+.
【0074】
実施例3A
N−(4−アミノブタノイル)−5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化22】

段階a):
化合物(A)1.33g(3.06mmol)を、無水DMF75mlに溶解し、水素化ナトリウム(98%強度)220mg(9.2mmol)と混合し、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、無水DMF10mlに溶解した実施例5A11.5g(30.6mmol)を添加する。このバッチを室温でさらに15分間撹拌し、次いで水20mlと混合する。その後、バッチを濃縮し、残渣を酢酸エチル300mlに取り、10%炭酸ナトリウム溶液300mlで3回抽出する。有機相を分離し、濃縮し、ジクロロメタン50mlに取る。次いで、ジエチルエーテル25mlを添加する。短時間撹拌した後、未溶解の残渣を濾過し、ジクロロメタン相を濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/トルエン5:1を溶離剤として用いて精製する。ビス−アシル化された分子量M=1113の副生成物(モノ−アシル化合物のエノール化の後に形成される)を含有する適切な画分を濃縮する。続いて、残渣をジクロロメタン中の塩化水素の飽和溶液10mlと、2時間撹拌し、最初に形成されたエノールエステルを開裂する。これに続いて濃縮し、残っている残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/トルエン5:1を溶離剤として用いて精製する。適切な画分を濃縮し、アミノ基で完全に保護された化合物151mg(理論値の7%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.83 分.
LC-MS (方法 6): Rt = 2.61 分; m/z = 775 (M+H)+.
【0075】
段階b):
この保護化合物151mg(0.2mmol)を、無水トリフルオロ酢酸8mlと室温で終夜撹拌する。バッチを高真空下で濃縮し、温度を約20℃に維持する。残渣をpH3に調節した塩酸100mlに取り、ジクロロメタン75mlで抽出し、次いで酢酸エチルで2回抽出する。水相を濃縮し、残渣をpH3の塩酸から凍結乾燥し、標的化合物70mg(理論値の64%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.13 分;
LC-MS (方法 5): Rt = 1.38 分; m/z = 521 (M+H)+.
【0076】
実施例4A
N−(5−アミノペンタノイル)−5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化23】

段階a):
化合物(A)2.83g(6.5mmol)を、無水DMF100mlにアルゴン下で溶解する。水素化ナトリウム468mg(19.5mmol)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、DMF10mlに溶解した実施例10A7.6g(19.5mmol)を添加する。撹拌を室温でさらに15分間継続し、次いで、バッチを、徐々に添加される水20mlと混合する。その後バッチを濃縮し、残渣をジクロロメタン中の塩化水素の飽和溶液150mlと1時間撹拌し、その間に、エノール化の後最初に形成されたビス−アシル化合物(分子量M=1141)を開裂する。これに続いて濃縮し、残渣を酢酸エチル700mlに取り、各回10%炭酸ナトリウム溶液200mlで2回抽出する。有機相を分離し、濃縮し、酢酸エチル30mlに取り、次いでジエチルエーテル30mlと混合する。短時間撹拌した後、未溶解の残渣を濾過し、有機相を濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、酢酸エチル/トルエン4:1を溶離剤として用いて精製する。適切な画分を濃縮し、残渣を酢酸エチル10mlに取る。冷たいジエチルエーテル100mlを添加し、バッチを0℃で30分間静置する。濾過後、残渣をジエチルエーテル100mlでもう一度処理する。再び濾過した後、フィルター上の残渣を回収し、乾燥し、アミノ基で完全に保護された化合物1g(理論値の20%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.92 分.
LC-MS (方法 6): Rt = 2.68 分; m/z = 789 (M+H)+.
【0077】
段階b):
この保護化合物1g(1.3mmol)を、無水トリフルオロ酢酸70ml中で6時間超音波処理する。バッチを高真空下で濃縮し、温度を約20℃に維持する。残渣をpH3に調節した塩酸350mlに取り、室温で15分間撹拌した後、ジクロロメタン100mlで抽出する。これに続いて、酢酸エチル100mlで抽出する。水相を分離し、次いで短時間高真空下で蒸留し、残っている酢酸エチルを除去し、最後に凍結乾燥し、標的化合物586mg(理論値の81%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.2 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 1.17 分; m/z = 535 (M+H)+.
【0078】
実施例5A
ベンジル(4−クロロ−4−オキソブチル)(4−メトキシベンジル)カルバメート
【化24】

4−アミノ酪酸から出発して、実施例10Aを繰り返す。
【0079】
実施例6A
(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタンチオ−S−酸
【化25】

Boc−バリンから、文献の方法[R. Michelot et al., Bioorg. Med. Chem. 1996, 4, 2201) と同様に、表題化合物を製造する。
【0080】
実施例7A
[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エタンチオ−S−酸
【化26】

Boc−グリシンから、文献の方法 [R. Michelot et al., Bioorg. Med. Chem. 1996, 4, 2201) と同様に、表題化合物を製造する。
【0081】
実施例8A
(2S)−2,6−ビス[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ヘキサンチオ−S−酸
【化27】

ビス−Boc−リジンから、文献の方法[R. Michelot et al., Bioorg. Med. Chem. 1996, 4, 2201)と同様に、表題化合物を製造する。
【0082】
実施例9A
(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパンチオ−S−酸
【化28】

Boc−アラニンから、文献の方法[R. Michelot et al., Bioorg. Med. Chem. 1996, 4, 2201) と同様に、表題化合物を製造する。
【0083】
実施例10A
ベンジル(5−クロロ−5−オキソペンチル)(4−メトキシベンジル)カルバメート
【化29】

5−アミノ吉草酸10g(85.4mmol)、p−アニスアルデヒド17.4g(128mmol)および硫酸マグネシウム10.3g(85.4mmol)をエタノール330mlに取り、還流下で1時間加熱する。次いで、固体を濾過し、エタノールで洗浄し、続いて全部で1.94g(51.2mmol)の水素化ホウ素ナトリウムを数回に分けて15分間かけて溶液に添加する。先ず水10mlを添加し、次いで2M水酸化ナトリウム溶液128mlを添加する。5分後、混合物を水300mlで希釈し、次いで各回酢酸エチル200mlで3回抽出する。水相を4M塩酸でpH2に調節し、真空で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、アセトニトリル/水/酢酸5:1:0.1を溶離剤として用いて精製する。適切な画分を濃縮し、酢酸エチルおよびジエチルエーテルと撹拌する。次いで、残渣を吸引濾過し、高真空下で乾燥する。p−メトキシベンジル−保護されたアミノ酸9.1g(理論値の45%)を得る。
【0084】
後者をジオキサン/水(1:1)1.6lに取り、水酸化ナトリウム溶液でpH10に調節し、次いでベンジルクロロカーボネート12.97g(76mmol)を滴下して添加する。室温で15分間撹拌した後、ジオキサンを真空で除去し、残っている溶液を2M塩酸でpH2に調節する。酢酸エチルで抽出した後の有機相を水で2回洗浄する。次いで、有機相を濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。これに続いて、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより、アセトニトリルを溶離剤として用いて精製する。適切な画分を濃縮し、残渣を高真空下で乾燥する。保護されたアミノ酸5.6g(理論値の38%)を得る。
LC-MS (方法 3): Rt = 2.47 分; m/z = 372 (M+H)+.
【0085】
5−{[(ベンジルオキシ)カルボニル](4−メトキシベンジル)アミノ}吉草酸5.6g(15mmol)をジクロロメタン60mlに溶解し、塩化チオニル2.2mlを添加する。混合物を還流下で30分間加熱する。次いでそれを真空で濃縮し、残渣を再度ジクロロメタンと混合し、もう一度濃縮する。粘稠性の油状物が残り、それを高真空下で乾燥する。標的化合物5.7g(理論値の98%)を得、これ以上精製および特徴解析をせずに反応させる。
【0086】
例示的実施態様:
カルボン酸のセシウム塩または適切に保護されたアミノ酸誘導体を製造するための一般的方法1:
適当なカルボン酸1mmolをジオキサン10mlおよび水10mlの混合物に溶解し、炭酸セシウム0.5mmolを添加する。これに続いて、凍結乾燥する。
【0087】
適切に保護されたアミノ酸誘導体のウレタン−保護N−カルボキシ無水物を製造するための一般的方法2:
【化30】

アミノ酸誘導体のウレタン−保護N−カルボキシ無水物は、購入できるか、または、以下の文献の方法により得ることができる:M. Johnston et al. J.Org.Chem. 1985, 50, 2200; W.D. Fuller et al. J.Am.Chem.Soc. 1990, 112, 7414; S. Mobasheri et al. J.Org.Chem. 1992, 57, 2755。
【0088】
適切に保護されたアミノ酸誘導体のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルを製造するための一般的方法3:
【化31】

アミノ酸誘導体のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルは、購入できるか、または、ペプチド化学の標準的な方法に従うことにより得ることができる。
【0089】
実施例1
2−[[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ]−4−オキソブチルグリシネート塩酸塩
【化32】

段階a):
実施例1A14mg(26μmol)を、Boc−グリシンのセシウム塩(Boc−グリシンから一般的方法1により製造)9.5mg(31μmol)と共に、DMF5mlに溶解する。50℃で16時間撹拌し、続いて濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物8mg(理論値の45%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.18 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 2.38 分; m/z = 679 (M+H)+.
【0090】
段階b):
段階a)で得られた、未精製の保護中間体7mg(11μmol)を、ジオキサン中の22%強度塩化水素溶液1mlと混合する。30分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いてジオキサンから凍結乾燥し、表題化合物0.6mg(理論値の8%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.2 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.33 分; m/z = 579 (M+H)+.
【0091】
実施例2
2−[[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ]−5−オキソペンチルグリシネート塩酸塩
【化33】

段階a):
実施例2A59mg(106μmol)を、Boc−グリシンのセシウム塩(Boc−グリシンから一般的方法1により製造)43mg(138.4μmol)と共に、DMF10mlに溶解する。50℃で16時間撹拌し、続いて濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物26mg(理論値の35%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.27 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 2.23 分; m/z = 693 (M+H)+.
【0092】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体12mg(17μmol)をジオキサン中の22%強度塩化水素溶液3mlと混合する。30分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH4から凍結乾燥し、表題化合物7.2mg(理論値の66%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.32 分;
LC-MS (方法 5): Rt = 1.48 分; m/z = 593 (M+H)+.
【0093】
実施例3
2−[[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ]−5−オキソペンチル−L−バリネート塩酸塩
【化34】

段階a):
実施例2A50mg(90μmol)を、Boc−バリンのセシウム塩(Boc−バリンから、一般的方法1により製造)41mg(117μmol)と共に、DMF10mlに溶解する。50℃で42時間撹拌し、続いて濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物26mg(理論値の39%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.71 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 2.56 分; m/z = 733 (M-H)+.
【0094】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体26mg(35μmol)を、ジクロロメタン5mlに取り、無水トリフルオロ酢酸2mlと混合する。30分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣をアセトニトリルと撹拌し、続いて溶媒を除去する。残渣を塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物24mg(定量的)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.5 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.52 分; m/z = 635 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 0.95 (2d, 6H), 1.65 (m, 4H), 2.15 (m, 1H), 2.6 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.9 (d, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 7H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.3 (m, 3H).
【0095】
実施例4
S−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)(2S)−2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩
【化35】

段階a):
実施例2A50mg(90μmol)を、実施例6A42mg(180μmol)と共に、DMF10mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン16μlを添加し、混合物を60℃で16時間撹拌する。これに続いて濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1b)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物17mg(理論値の25%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.56 分;
【0096】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体17mg(23μmol)を無水トリフルオロ酢酸3mlと混合する。15分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣をpH3に調節した塩酸に取り、少量のジクロロメタンおよび酢酸エチルで2回抽出する。水相を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物7mg(理論値の45%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.65 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 1.5 分; m/z = 651 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 0.95 および 1.0 (2d, 6H), 1.5-1.7 (m, 4H), 2.15 (m, 1H), 2.55 (t, 2H), 3.0 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 6H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.3 (m, 3H).
【0097】
実施例5
S−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)アミノエタンチオエート塩酸塩
【化36】

段階a):
実施例2A50mg(90μmol)を、実施例7A52mg(271μmol)と共に、DMF15mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン16μlを添加し、混合物を60℃で40時間撹拌する。この期間中に、さらに52mgの実施例7Aを5回添加する。これに続き、濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、10%炭酸ナトリウム溶液で2回抽出する。有機相を濃縮し、次いで残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。標的化合物を含む適切な画分は、依然として出発物質を含有する。それらから溶媒を真空で除去し、その形で次の段階に使用する。保護された表題化合物38mg(理論値の59%;粗生成物)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.43 分;
【0098】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体37mg(52μmol)を、無水トリフルオロ酢酸3mlと混合する。15分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。この工程では、残っている出発物質を除去する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物8mg(理論値の24%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.4 分;
LC-MS (方法 12): Rt = 2.1 分; m/z = 609 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.5-1.7 (m, 4H), 2.55 (m, 2H), 3.0 (t, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.05-4.25 (m, 7H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.3 (m, 3H).
【0099】
実施例6
S−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)(2S)−2,6−ジアミノヘキサンチオエート二塩酸塩
【化37】

段階a):
実施例2A50mg(90μmol)を、実施例8A98mg(271μmol)と共に、DMF15mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン16μlを添加し、混合物を60℃で40時間撹拌する。この期間中に、さらに98mgの実施例8Aを5回添加する。これに続き、濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、10%炭酸ナトリウム溶液で2回抽出する。有機相を濃縮し、次いで残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。標的化合物を含む適切な画分を濃縮し、分取用HPLC(方法1a)を利用して2回目の精製を行う。標的化合物を純粋な形で含有する画分を合わせ、濃縮し、保護された表題化合物26mg(理論値の33%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.85 分;
【0100】
段階b):
段階a)で得られる保護された中間体25mg(28μmol)を、無水トリフルオロ酢酸5mlと混合する。5分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物10mg(理論値の49%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.2 分;
LC-MS (方法 13): Rt = 2.6 分; m/z = 680 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.3-1.5 (m, 2H), 1.5-1.7 (m, 6H), 1.7-1.9 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.75 (m, 2H), 2.95 (t, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 6H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 7.85 (m, 3H), 8.5 (m, 3H).
【0101】
実施例7
S−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)(2S)−2−アミノプロパンチオエート塩酸塩
【化38】

段階a):
実施例2A50mg(90μmol)を実施例9A55mg(270μmol)と共に、DMF15mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン16μlを添加し、混合物を60℃で40時間撹拌する。この期間中に、さらに55mgの実施例9Aを5回添加する。これに続き、濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、10%炭酸ナトリウム溶液で2回抽出する。有機相を濃縮し、次いで残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を合わせ、溶媒を除去し、保護された表題化合物28mg(理論値の43%)を得る。
【0102】
段階b):
段階a)で得られる保護された中間体28g(19μmol)を、無水トリフルオロ酢酸3mlと混合する。15分後、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物10mg(理論値の81%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.46 分;
LC-MS (方法 14): Rt = 3.37 分; m/z = 623 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.45 (d, 3H), 1.5-1.7 (m, 4H), 2.55 (t, 2H), 2.95 (t, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.25 (m, 5H), 4.3 (q, 1H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.4 (m, 3H).
【0103】
実施例8
S−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−4−オキソブチル)(2S)−2−アミノ−3−メチルブタンチオエート塩酸塩
【化39】

段階a):
実施例1A48mg(89μmol)を、実施例6A62mg(266μmol)と共に、DMF15mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン16μlを添加し、混合物を60℃で40時間撹拌する。この期間中に、さらに62mgの実施例6Aを5回添加する。これに続き、濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、10%炭酸ナトリウム溶液で2回抽出する。有機相を濃縮し、次いで残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物22mg(理論値の34%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.76 分;
【0104】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体22mg(30μmol)を、無水トリフルオロ酢酸3mlと混合する。5分後、混合物を真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物11mg(理論値の52%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.55 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 1.43 分; m/z = 637 (M+H)+.
1H-NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 0.95 および 1.0 (2d, 6H), 1.8-1.9 (m, 2H), 2.2 (m, 1H), 2.65 (m, 2H), 3.0 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 6H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.4 (m, 3H).
【0105】
実施例9
5−クロロ−N−[4−(グリシルアミノ)ブタノイル]−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化40】

段階a):
実施例3A40mg(72μmol)を、tert−ブチル2,5−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート17mg(86μmol)と共に、DMF5mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン13μlを少しずつ添加し、撹拌を室温でさらに10分間継続する。続いてバッチを濃縮し、次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物22mg(理論値の44%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.74 分;
LC-MS (方法 5): Rt = 2.07 分; m/z = 678 (M+H)+.
【0106】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体22mg(32μmol)を、ジオキサン中の塩化水素の飽和溶液10mlに取る。水1mlを添加し、バッチを室温で5分間撹拌する。5分後、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を分取用HPLC(方法1b)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物4mg(理論値の21%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.14 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.26 分; m/z = 578 (M+H)+.
【0107】
実施例10
5−クロロ−N−[4−(グリシルアミノ)ペンタノイル]−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化41】

段階a):
実施例3A35mg(61μmol)を、tert−ブチル2,5−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート37mg(184μmol)と共に、DMF5mlに溶解する。エチルジイソプロピルアミン12μlを少しずつ添加し、撹拌を室温でさらに10分間継続する。続いてバッチを濃縮し、次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物15mg(理論値の36%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.85 分;
LC-MS (方法 6): Rt = 1.95 分; m/z = 692 (M+H)+.
【0108】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体15mg(22μmol)を、ジオキサン中の塩化水素の飽和溶液3mlに取り、水1滴を添加する。10分間室温で撹拌した後、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮する。残渣を水性塩酸(pH3)30mlに取り、ジクロロメタンで2回、酢酸エチルで2回抽出する。水相を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物8mg(理論値の58%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.24 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.36 分; m/z = 592 (M+H)+.
【0109】
実施例11
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−プロリンアミド塩酸塩
【化42】

段階a):
実施例4A50mg(87μmol)を、先ず、ベンジル(2S)−2−(クロロカルボニル)ピロリジン−1−カルボキシレート47mg(175μmol)と共に、ジクロロメタン80mlに加える。DMFに溶解した0.1Mエチルジイソプロピルアミン溶液263μmolを3分割して、3分以内に添加し、撹拌を室温でさらに10分間継続する。これに続いて酢酸で酸性化し、濃縮する。残渣をDMF2mlに取り、次いで分取用HPLC(方法1b)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物40mg(理論値の60%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.05 分;
【0110】
段階b):
段階a)で得られる保護中間体40mg(52μmol)を無水トリフルオロ酢酸40mlに取る。室温で16時間撹拌し、続いて真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1b)により精製する。適切な画分を濃縮し、続いて塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物16mg(理論値の46%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.28 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.39 分; m/z = 632 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 1.9 m (2H), 1.8 および 2.25 (2m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.0-3.3 (m, 4H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.05-4.25 (m, 6H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.5 (m, 2H).
【0111】
実施例12
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−ヒスチジンアミド塩酸塩
【化43】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN,1−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−L−ヒスチジネート199mg(441μmol)を、先ず、DMF中の0.1Mエチルジイソプロピルアミン溶液661μlと共に、DMF1mlに加える。DMF2.5mlに溶解した実施例4A42mg(73μmol)を、シリンジにより滴下して30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ずアセトニトリルで、次いでアセトニトリル/水10:1を溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣をもう一度分取用HPLC(方法1a)により精製する。ビス−Boc−保護された実施例およびモノ−Boc−保護された実施例の混合物を含有する適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物18mg(理論値の28%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.48 分; 4.92 分
LC-MS (方法 3): Rt = 1.60 分; m/z = 772 (M+H)+; Rt = 2.58 分; m/z = 872 (M+H)+.
【0112】
段階b):
ビス−Boc−保護された中間体およびモノ−Boc−保護された中間体の混合物18mgを、無水トリフルオロ酢酸4mlに取り、室温で20分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を2回塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物15mg(理論値の98%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.12 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.09 分; m/z = 672 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.35 (m, 2H), 1.5 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.0-3.3 (m, 4H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 6H), 4.95 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.5 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.5 (m, 3H), 8.7 (t, 1H), 9.0 (s, 1H).
【0113】
実施例13
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−バリンアミド塩酸塩
【化44】

段階a):
実施例4A50mg(87μmol)を、先ず、tert−ブチル(4S)−4−イソプロピル−2,5−ジオキソ−1,3−オキサゾリジン−3−カルボキシレート64mg(262μmol)と共に、ジクロロメタン20mlに加える。DMF中の0.1Mエチルジイソプロピルアミン溶液874μlを少しずつ添加し、撹拌を室温でさらに10分間継続する。続いてバッチをジクロロメタンで希釈し、水で2回抽出する。有機相を濃縮し、次いで、残渣を分取用HPLC(方法1b)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物4.5mg(理論値の7%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.14 分;
【0114】
段階b):
保護された化合物4.5mg(6μmol)を、無水トリフルオロ酢酸2mlに取り、室温で15分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、残渣を希塩酸(pH3)20mlに取り、ジクロロメタンで2回、酢酸エチルで1回抽出する。次いで、水相を塩酸pH3から凍結乾燥し、表題化合物3mg(理論値の73%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.36 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.46 分; m/z = 634 (M+H)+.
【0115】
実施例14
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−リジンアミド塩酸塩
【化45】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イル−N,N−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−L−リジネート39mg(87μmol)を、実施例4A25mg(44μmol)と共に、DMF40mlに溶解し、次いでDMF中の0.1Mエチルジイソプロピルアミン溶液350μlを少しずつ添加する。室温で10分間撹拌し、続いて濃縮する。残渣を酢酸エチルに取り、10%炭酸ナトリウム溶液で2回抽出する。有機相を濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ず酢酸エチルを、次いでトルエン/エタノール1:1を溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物5mg(理論値の11%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 5.27 分
LC-MS (方法 3): Rt = 2.59 分; m/z = 863 (M+H)+.
【0116】
段階b):
保護された実施例5mgを、無水トリフルオロ酢酸2.5mlに取り、室温で20分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)に取り、ジクロロメタンで2回抽出する。水相を分離し、凍結乾燥し、表題化合物3.8mg(理論値の89%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.12 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.02 分; m/z = 663 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.3 (m, 2H), 1.4 (m, 2H), 1.5-1.6 (m, 4H), 1.7 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.75 (m, 2H), 3.1 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 6H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 7.85 (m, 3H), 8.15 (m, 3H), 8.45 (t, 1H).
【0117】
実施例15
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−N−[5−(L−スレオニルアミノ)ペンタノイル]チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化46】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN(tert−ブトキシカルボニル)−L−スレオニネート277mg(875μmol)を、先ずエチルジイソプロピルアミン13.7μlと共にDMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を滴下して1時間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ず酢酸エチルを、後にトルエン/エタノール1:1を溶離剤として用いて、精製する。純粋でない標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物22mg(理論値の34%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 4.8 分
LC-MS (方法 12): Rt = 3.13 分; m/z = 736 (M+H)+.
【0118】
段階b):
保護された化合物22mg(30μmol)を、無水トリフルオロ酢酸5mlに取り、室温で20分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)30mlに取り、ジクロロメタン30mlで2回、酢酸エチル30mlで1回抽出する。水相を分離し、凍結乾燥し、表題化合物15mg(理論値の75%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.2 分;
LC-MS (方法 3): Rt = 1.39 分; m/z = 636 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.1 (d, 3H), 1.4 (m, 2H), 1.6 (m, 2H), 2.6 (t, 2H), 3.0 および 3.15 (2m, 2H), 3.4 (m, 1H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (m, 2H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.95 (m, 1H), 5.5 (d, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.05 (m, 3H), 8.4 (t, 1H).
【0119】
実施例16
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−チロシンアミド塩酸塩
【化47】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−チロシネート331mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して1時間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ず酢酸エチルを、後にトルエン/エタノール1:1を溶離剤として用いて、精製する。純粋でない標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣をもう一度分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物26mg(理論値の37%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 5.0 分
LC-MS (方法 3): Rt = 2.38 分; m/z = 798 (M+H)+.
【0120】
段階b):
保護された化合物26mg(33μmol)を、無水トリフルオロ酢酸5mlに取り、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)60mlに取る。未溶解の画分を濾過する。次いで、水相を凍結乾燥し、表題化合物23mg(理論値の96%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.4 分;
LC-MS (方法 12): Rt = 2.09 分; m/z = 698 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.3 (m, 2H), 1.5 (m, 2H), 2.8-3.2 (m, 4H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (m, 2H), 3.95 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 6.7 (d, 2H), 7.0 (d, 2H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.1 (m, 3H), 8.3 (t, 1H), 9.4 (s, 1H).
【0121】
実施例17
−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−アスパルトアミド塩酸塩
【化48】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパラギネート288mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して30分間かけて添加する。室温でさらに30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。依然として少量の化合物(A)を不純物として含有する適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物の粗生成物29mgを得、それをこれ以上精製せずに次の段階で使用する。
HPLC (方法 2): Rt = 4.5 分
LC-MS (方法 3): Rt = 2.07 分; m/z = 749 (M+H)+.
【0122】
段階b):
段階a)の保護された粗生成物26mgを、無水トリフルオロ酢酸5mlに取り、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)50mlに取る。未溶解の画分を濾過し、水相を濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)により精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥する。次いで、残渣をpH3に調節した塩酸から凍結乾燥し、表題化合物14mg(理論値の53%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 4.1 分;
LC-MS (方法 12): Rt = 1.84 分; m/z = 649 (M+H)+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.55 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 2.65 (m, 2H), 3.0-3.1 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 3.95 (m, 3H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 7.2 (s, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (m, 2H), 8.0 (m, 3H), 8.3 (t, 1H).
【0123】
実施例18
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−フェニルアラニンアミド塩酸塩
【化49】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−フェニルアラニネート317mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ず、ジクロロメタン/酢酸エチル溶離剤を、比3:1、2:1および1:1で用いて溶離する。これに続いて、純粋な酢酸エチルで、最後にエタノールを溶離剤として用いて、溶離する。未精製の標的化合物を含有する対応する画分を精製し、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物34mg(理論値の50%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 5.34 分
LC-MS (方法 12): Rt = 3.47 分; m/z = 782 (M+H)+.
【0124】
段階b):
保護された化合物33mg(42μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸1.5mlと混合し、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)5mlに取る。次いで、水相を凍結乾燥し、表題化合物28mg(理論値の93%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.5 分;
LC-MS (方法 12): Rt = 2.08 分; m/z = 682 (M+H)+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 1.25 (m, 2H), 1.5 (m, 2H), 2.9-3,2 (m, 4H), 3.7 (m, 2H), 3.8 (t, 2H), 3.9 (m, 1H), 4.0 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 7.2 (d, 2H), 7.2-7.35 (m, 4H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.2 (m, 2H), 8.3 (t, 1H).
【0125】
実施例19
−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−グルタムアミド塩酸塩
【化50】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタミネート300mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、30分間かけて滴下して添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールを、先ず、比150:50:5で、次いで比150:50:10で、最後に比150:50:20で、溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物24mg(理論値の34%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 4.57 分
LC-MS (方法 12): Rt = 2.97 分; m/z = 763 (M+H)+.
【0126】
段階b):
保護された化合物24mg(35μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸2mlと混合し、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)15mlに取る。バッチを、先ずジクロロメタンで2回、次いで酢酸エチルで1回抽出する。次いで、水相を凍結乾燥し、表題化合物14mg(理論値の59%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 1.60 分; m/z = 663 (M+H)+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.6 (m, 2H), 1.9 (q, 2H), 2.15 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.1 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 4.0 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 6.9 (s, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (m, 3H), 7.5 (d, 2H), 7.65 (d, 1H), 8.1 (m, 3H), 8.4 (t, 1H).
【0127】
実施例20
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−アルファ−グルタミン塩酸塩
【化51】

段階a):
5−tert−ブチル1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−グルタメート350mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して、30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールを、先ず比150:50:5で、次いで比150:50:10で、最後に比150:50:20で、溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物35mg(理論値の49%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 5.4 分
LC-MS (方法 3): Rt = 2.63 分; m/z = 820 (M+H)+.
【0128】
段階b):
保護された化合物35mg(43μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸1.5mlと混合し、室温で2時間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて、残渣を塩酸(pH3)10mlに取り、凍結乾燥し、表題化合物29mg(理論値の97%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 1.72 分; m/z = 664 (M+H)+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.6 (m, 2H), 1.9 (q, 2H), 2.3 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.1 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 4.0 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.1 (m, 3H), 8.45 (t, 1H).
【0129】
実施例21
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−N−[5−(L−セリルアミノ)ペンタノイル]チオフェン−2−カルボキサミド塩酸塩
【化52】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−セリネート350mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ずジクロロメタン/酢酸エチル3:1を、次いでジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールを比150:50:5で、次いで比150:50:10で、最後に比150:50:20で、溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物33mg(理論値の52%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 2.87 分; m/z = 722 (M+H)+.
【0130】
段階b):
保護された化合物33mg(46μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸1.6mlと混合し、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を塩酸(pH3)5mlに取り、凍結乾燥し、表題化合物24mg(理論値の80%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 1.81 分; m/z = 622 (M+H)+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.6 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.1 (dt, 2H), 3.6-3.8 (m, 5H), 3.85 (dd, 1H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.95 (m, 1H), 5.4 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.1 (m, 3H), 8.4 (t, 1H).
【0131】
実施例22
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−ロイシンアミド塩酸塩
【化53】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN−(tert−ブトキシカルボニル)−L−ロイシネート287mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ずジクロロメタン/酢酸エチル3:1を、次いでジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールを比150:50:5で、次いで比150:50:10で、最後に比150:50:20で、溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物10mg(理論値の15%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 3.44 分; m/z = 748 (M+H)+.
【0132】
段階b):
保護された化合物10.2mg(14μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸0.5mlと混合し、室温で15分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて残渣を希塩酸(pH3)5mlに取り、凍結乾燥し、表題化合物7mg(理論値の73%)を得る。
LC-MS (方法 12): Rt = 2.25 分; m/z = 648 (M+H)+.
【0133】
実施例23
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソブチル)−L−ヒスチジンアミド塩酸塩
【化54】

段階a):
2,5−ジオキソピロリジン−1−イルN,1−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−L−ヒスチジネート195mg(431μmol)を、先ず、DMF中のエチルジイソプロピルアミン0.1M溶液645μlと共に、DMF3mlに加える。DMF17mlに溶解した実施例3A40mg(72μmol)を、滴下して1時間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ず、アセトニトリルを、次いでアセトニトリル/水10:1を溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。ビス−Boc−保護された実施例およびモノ−Boc−保護された実施例の混合物を含有する適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、モノ−およびビス−Boc−保護された表題化合物の混合物30mg(理論値の55%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.47 分; 4.91 分
LC-MS (方法 3): Rt = 1.53 分; m/z = 758 (M+H)+; Rt = 2.45 分; m/z = 858 (M+H)+.
【0134】
段階b):
ビス−Boc−保護された中間体およびモノ−Boc−保護された中間体の混合物30mgを、無水トリフルオロ酢酸2mlに取り、室温で10分間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて、残渣を塩酸pH3から2回凍結乾燥し、表題化合物24mg(理論値の83%)を得る。
HPLC (方法 2): Rt = 4.07 分;
LC-MS (方法 13): Rt = 2.41 分; m/z = 658 (M+H)+.
【0135】
実施例24
N−(5−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソモルホリン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)アミノ}−5−オキソペンチル)−L−アルファ−アスパラギン塩酸塩
【化55】

段階a):
5−tert−ブチル1−(2,5−ジオキソピロリジン−1−イル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−L−アスパルテート338mg(875μmol)を、先ず、エチルジイソプロピルアミン13.7μlと共に、DMF1mlに加える。DMF5mlに溶解した実施例4Aの化合物50mg(87μmol)を、滴下して30分間かけて添加する。室温で30分間撹拌し、続いて濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより、先ずジクロロメタン/酢酸エチル3:1を、次いでジクロロメタン/酢酸エチル/メタノールを比150:50:5で、次いで比150:50:10で、最後に比150:50:20で、溶離剤として用いて、精製する。未精製の標的化合物を含有する適切な画分を合わせ、真空で濃縮する。次いで、残渣を分取用HPLC(方法1a)によりもう一度精製する。適切な画分を濃縮し、高真空下で乾燥し、保護された表題化合物36mg(理論値の51%)を得る。
HPLC (方法 2a): Rt = 5.4 分
LC-MS (方法 12): Rt = 3.52 分; m/z = 806 (M+H)+.
【0136】
段階b):
保護された化合物36mg(45μmol)を、ジクロロメタンに溶解し、無水トリフルオロ酢酸1.5mlと混合し、室温で2時間撹拌する。次いで、バッチを真空で、25℃またはそれ以下で濃縮し、続いて、残渣を塩酸(pH3)5mlに取り、凍結乾燥し、表題化合物28mg(理論値の91%)を得る。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6): δ = 1.4 (m, 2H), 1.6 (m, 2H), 2.7 - 2.9 (m, 4H), 3.1 (m, 2H), 3.7 (t, 2H), 3.8 (dd, 1H), 4.0 (t, 2H), 4.1-4.3 (m, 5H), 4.9 (m, 1H), 7.3 (d, 1H), 7.4 (d, 2H), 7.5 (d, 2H), 7.6 (d, 1H), 8.2 (m, 3H), 8.4 (t, 1H), 13.0 (m, 1H).
【0137】
B. 溶解性、安定性および遊離挙動の測定
a)溶解度の決定:
試験物質を水または希塩酸(pH4)に懸濁する。この懸濁液を室温で24時間振盪する。224000gで30分間の超遠心後、上清をDMSOで希釈し、HPLCにより分析する。DMSO中の試験化合物の2点較正プロットを定量に使用する。
【0138】
HPLC方法:
DAD (G1315A)、quat. ポンプ (G1311A)、オートサンプラーCTC HTS PAL、脱気装置 (G1322A) およびカラムサーモスタット (G1316A) を備えた Agilent 1100; カラム: Kromasil C18, 60 × 2.1 mm, 3.5 μm;温度:30℃;溶離剤A:水+過塩素酸5ml/l、溶離剤B:アセトニトリル;流速:0.7ml/分;グラジエント:0−0.5分98%A、2%B;勾配0.5−4.5分10%A、90%B;4.5−6分10%A、90%B;勾配6.5−6.7分98%A、2%B;6.7−7.5分98%A、2%B。
【0139】
代表的な例示的実施態様の希塩酸(pH4)中の溶解性を、表1に示す:
表1
【表2】

【0140】
これらの溶液における例示的化合物の分解は観察されない。
基礎的活性物質[化合物(A)]の希塩酸(pH4)中の溶解性は、この試験で8.1mg/lであると測定される。
【0141】
b)様々なpH値のバッファー中での安定性:
試験物質0.3mgを、2mlのHPLCバイアルに量り入れ、アセトニトリル0.5mlを添加する。物質を、サンプル容器を超音波浴に約10秒置くことにより溶解する。次いで、各バッファー溶液0.5mlを添加し、サンプルを再度超音波浴で処理する。
【0142】
用いるバッファー溶液:
pH4.0:Millipore 水1lを、1N塩酸でpH4.0に調節する;
pH7.4:塩化ナトリウム90g、リン酸二水素カリウム13.61gおよび1M水酸化ナトリウム溶液83.35gを、Millipore 水で1lとし、次いで1:10に希釈する。
試験溶液5μl分を、HPLCにより、未変化の試験物質の内容量について、25℃で24時間にわたり毎時間分析する。適切なピークのパーセントの面積を定量に使用する。
【0143】
HPLCの方法:
DAD (G1314A)、バイナリーポンプ (G1312A)、オートサンプラー (G1329A)、カラムオーブン (G1316A)、サーモスタット (G1330A) を備えた Agilent 1100; カラム: Kromasil 100 C18, 60 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;カラム温度:30℃;溶離剤A:水+過塩素酸5ml/l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0−1.0分98%A、2%B→1.0−9.0分2%A、98%B;9.0−13.0分2%A、98%B;13.0−13.5分98%A、2%B;13.5−15.0 98%A、2%B;流速:0.75ml/分;UV検出:210nm。
【0144】
各時点でのピーク面積(F)の比を、開始時のピーク面積と比較して、各例示的実施態様について表2に示す:
表2
【表3】

【0145】
この試験では、pH7.4で、試験物質の内容量の減少と同時に有効成分化合物(A)の増加が見出される。
【0146】
c)ラットおよびヒト血漿におけるインビトロの安定性):
所定の血漿体積(例えば2.0ml)を、水浴中の密閉試験管で37℃に温める。意図した温度に達した後、所定の量の試験物質を溶液(溶媒の体積は、血漿体積の2%以下である)として添加する。血漿を振盪し、最初のサンプル(50−100μl)をすぐに取る。次いで4−6個のさらなるアリコートを、インキュベーション開始後2時間までの期間中に取る。
【0147】
アセトニトリルを血漿サンプルに添加し、タンパク質を沈殿させる。遠心分離後、上清中の試験物質および、必要に応じて、試験物質の既知の切断生成物を、適するLC/MS−MS方法により定量的に測定する。
)ヘパリン化血液(ラットまたはヒト血液)における安定性の測定は、血漿について記載した通りに実施する。
【0148】
d)肝細胞における代謝的安定性の測定:
肝細胞の存在下の新規試験化合物の代謝的安定性は、この実験において可能な限り線形の動態学的条件を確保するために、化合物を低濃度(好ましくは1μM未満)で、少数の細胞(好ましくは1x10細胞/ml)とインキュベートすることにより測定する。化合物の半減期(分解)を測定するために、インキュベーション溶液の7個のサンプルを、固定した時間パターンで、LC−MS分析用に取る。様々なクリアランスパラメーター(CL)(下記参照)およびFmax値をこの半減期から算出する(下記参照)。
【0149】
CLおよびFmax値は、肝細胞における「第1相」および「第2相」の化合物の代謝の測定を表す。インキュベーション混合物中の酵素に対する有機溶媒の影響を最小化するために、これらの濃度を一般的に1%(アセトニトリル)または0.1%(DMSO)に限定する。
【0150】
肝臓中の肝細胞の細胞数1.1x10細胞/肝臓1gを、全ての種(species and breeds)について計算に使用する。インキュベーション時間(通常90分間)を超えて延びる半減期に基づいて算出したCLパラメーターは、大まかなガイドラインと見なし得るだけである。
【0151】
算出したパラメーターおよびそれらの意味は、以下の通りである:
(QH=種特異的な肝臓の血流)
max十分に撹拌[%] 経口投与後の最大の可能なバイオアベイラビリティー
計算: (1−CL血液十分に撹拌/QH)*100
CL血液十分に撹拌[L/(h*kg)] 算出される血液クリアランス(十分に撹拌したモデル)
計算: (QH*CL'内因性)/(QH+CL'内因性
CL'内因性[ml/(分*kg)] 肝臓の血流が律速ではないと仮定した、化合物を代謝する肝臓の(肝細胞の)最大能力
計算: CL'内因性、明白x種特異的肝細胞数[1.1x10/肝臓1g]x種特異的肝臓重量[g/kg]
CL'内因性、明白[ml/(分*mg)] 用いた肝細胞の細胞数x(x*10/ml)で除去定数(elimination constant)を除すことにより、それを標準化する
計算: kel[1/分]/(細胞数[x*10]/インキュベーション体積[ml])
【0152】
e)Wistar ラットにおけるi.v.薬物動態:
物質投与の前日に、実験動物(オスの Wistar ラット、体重200−250g)の頸静脈に、血液を得るためのカテーテルを、イソフルラン(登録商標)麻酔下で移植する。
実験当日、所定の用量の試験物質を、Hamilton(登録商標)ガラスシリンジを使用して、溶液として尾静脈に投与する(ボーラス投与、投与期間<10秒)。血液サンプル(8−12時点)を、カテーテルを通して、物質投与後24時間の期間にわたり連続的に取る。ヘパリン処理管でサンプルを遠心分離することにより、血漿を得る。アセトニトリルを時点毎に所定の血漿体積に添加し、タンパク質を沈殿させる。遠心分離後、上清における試験物質、および、必要に応じて、試験物質の既知の切断生成物を、適するLC/MS−MS方法を使用して定量的に測定する。
【0153】
測定される血漿濃度を使用して、試験物質およびそこから遊離した有効成分化合物(A)の、AUC、Cmax、T1/2(半減期)およびCL(クリアランス)などの薬物動態的パラメーターを算出する。
【0154】
f)ラットの動静脈シャントモデルにおける抗血栓効果の測定:
絶食中のオスのラット (系統: HSD CPB:WU) を、Rompun/Ketavet 溶液(12mg/kg/50mg/kg)の腹腔内投与により麻酔する。P.C. Wong et al. [Thrombosis Research 83 (2), 117-126 (1996)] により記載された方法に基づき、動静脈シャントで血栓形成を誘導する。この目的で、左頸静脈および右頸動脈を露出させる。8cm長のポリエチレンカテーテル(PE60、Becton-Dickinsonより)を動脈に設置し、続いて、血栓形成性表面をもたらすために、二重ループにした粗いナイロンのループ(60 x 0.26 mm、Berkley Trileneより)を含む6cm長の Tygon チューブ (R-3606, ID 3.2 mm, Kronlabより)を設置する。2cm長のポリエチレンカテーテル(PE60、Becton-Dickinson より)を頸静脈に設置し、6cm長のポリエチレンカテーテル(PE160、Becton-Dickinson より) により Tygon チューブに連結する。シャントを開く前に、そのチューブを生理塩水で満たす。体外循環を15分間維持する。次いで、シャントを取り除き、すぐに血栓を伴うナイロン糸を秤量する。ナイロン糸の空の重量は、実験開始前に見出した。体外循環を取り付ける前に、試験物質(0.1N塩酸でpH4に調節した生理塩水中の溶液として)をボーラス注射として投与する。
【0155】
C. 医薬組成物の例示的実施態様
本発明による化合物は、例えば、以下の方法で医薬製剤に変換できる:
i.v.溶液:
本発明による化合物を、生理的に耐容される溶媒に飽和溶解度より低い濃度で溶解する(例えば、等張塩水、5%グルコース溶液および/または30%PEG 400溶液、各々pH3−5に調節する)。溶液を必要に応じて濾過滅菌し、かつ/または、無菌かつパイロジェン不含の注射容器に分配する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
nは、1または2であり、
Xは、酸素原子、硫黄原子またはNHであり、
は、天然α−アミノ酸またはそのホモログまたは異性体の側鎖の基であり、
は、水素またはメチルであり、
は、水素であるか、
または、
およびRは、(CHまたは(CH基を介して結合し、それらが結合している窒素または炭素原子と一体となって、5員または6員の環を各々形成する]
の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
nが、1または2であり、
Xが、酸素原子、硫黄原子またはNHであり、
が、水素、メチル、プロパン−2−イル、プロパン−1−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、3−グアニジノプロパン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルであり、
が、水素またはメチルであり、
が水素であるか、
または、
およびRが、(CHまたは(CH基を介して結合し、それらが結合している窒素または炭素原子と一体となって、5員または6員の環を各々形成する、
請求項1に記載の式(I)の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
nが、1または2であり、
Xが、NHであり、
が、水素、メチル、プロパン−2−イル、2−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−アミノブタン−1−イル、ベンジルまたは4−ヒドロキシベンジルであり、
が、水素であり、
が、水素である、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物、並びに、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)の化合物、または、その塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つの製造方法であって、
[A]式
【化2】

の化合物を、先ず、不活性溶媒中、塩基の存在下で、式
【化3】

(式中、nは請求項1に記載の意味を有し、そして、
Qは、塩素、臭素またはヨウ素などの脱離基である)
の化合物を用いて、式
【化4】

(式中、nは請求項1に記載の意味を有し、そして、
Qはこの請求項に記載の意味を有する)
の化合物に変換し、
次いで、後者を、
[A1]不活性溶媒中、式
【化5】

(式中、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基であり、
そして、
Yは、OまたはSである)
のα−アミノカルボン酸またはα−アミノチオカルボン酸のセシウム塩と反応させ、式
【化6】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、
PGは、この請求項に記載の意味を有し、そして、
Xは、OまたはSである)
の化合物を得、続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化7】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
Xは、OまたはSである)
の化合物を得るか、
または、
[A2]不活性溶媒中、塩基の存在下、式
【化8】

(式中、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基である)
のα−アミノチオカルボン酸と反応させ、式
【化9】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
PGは、この請求項に記載の意味を有する)
の化合物を得、続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化10】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を得るか、
あるいは、
[B]化合物(A)を、不活性溶媒中、塩基の存在下、式
【化11】

(式中、nは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物と反応させ、式
【化12】

(式中、nは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を得、続いて、保護基を常套の方法に従って除去し、式
【化13】

(式中、nは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を得、次いで、塩基の存在下、式
【化14】

(式中、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、
AGは、ヒドロキシルまたはハロゲン、好ましくは塩素または臭素であるか、または、カルボニル基と一体となって活性エステル、好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドエステル、または、混合無水物、好ましくは炭酸アルキル、より好ましくは炭酸エチルを形成し、そして、
PGは、tert−ブトキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Z)などのアミノ保護基である)
の化合物を用いて、式
【化15】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
PGは、この請求項に記載の意味を有する)
の化合物を得、続いて、保護基PGを常套の方法に従って除去し、式
【化16】

(式中、n、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を得、
そして、各場合で得られる式(I−A)または(I−B)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項5】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
血栓塞栓性障害の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、必要に応じて、不活性、非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項8】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物を、さらなる有効成分と組み合わせて含む、医薬。
【請求項9】
血栓塞栓性障害の処置および/または予防のための、請求項7または請求項8に記載の医薬。
【請求項10】
静脈内使用のための請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の医薬。
【請求項11】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項7ないし請求項10のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトおよび動物における血栓塞栓性障害の処置および/または予防方法。

【公表番号】特表2010−501504(P2010−501504A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524961(P2009−524961)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/007408
【国際公開番号】WO2008/022786
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(507113188)バイエル・シェーリング・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】