説明

アミノアリールアルキル化合物の製造

【課題】アミノアリールアルキル化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、アミノアリールアルキル化合物、とりわけ5−アミノ−2−イソプロピルピリジンを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノアリールアルキル化合物、とりわけ5−アミノ−2−イソプロピルピリジンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノアリールアルキル化合物、とりわけ5−アミノ−2−イソプロピルピリジンは、医薬品を合成するための有用な中間体である。(特許文献1)は、予防薬的または/および治療薬的な抗炎症薬として(1S)−(−)−N−[(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)メチル]−5−ヒドロキシ−N−(6−イソプロピルピリジン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−カルボキサミドを記載しており、それらを5−アミノ−2−イソプロピルピリジンから製造している。5−アミノ−2−イソプロピルピリジンは、N−保護アミノアリールアルキル化合物、すなわち5−(N−(Boc)−アミノ)−2−イソプロピルピリジンから保護基の脱離によって得ることができる。
【0003】
(特許文献1)は、5−アミノ−2−イソプロピルピリジンが2−ヒドロキシ−6−イソプロピルニコチノニトリルから得ることができることをさらに開示している。(特許文献2)は、2−イソプロピルピリジン−5−カルボキサミドから次亜塩素酸ナトリウムを用いたHofmann分解により5−アミノ−2−イソプロピルピリジンを製造する方法を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1852431A号明細書
【特許文献2】特開2008−222593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アミノアリールアルキル化合物、とりわけ5−アミノ−2−イソプロピルピリジンを製造するための現存の方法は、工業規模で効率的な実施が可能ではなく、多くの製法ステップを考慮するとそれらの収率は低過ぎるということが全てに共通している。
【0006】
したがって、先行技術の不利益な点を克服し、工業規模において良好な収率でかつ効率的にアミノアリールアルキル化合物を提供する、アミノアリールアルキル化合物を製造する方法の必要性が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、アミノアリールアルキル化合物は、N,N−保護アミノアリールアルキルハロゲン化合物から出発してGrignard化合物との鉄触媒カップリングにより良好な収率でN−保護アミノアリールアルキル化合物へ変換できることが分かった。次いでこれらN−保護アミノアリールアルキル化合物は、保護基の脱離によりアミノアリールアルキル化合物へ変換することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
したがって本発明は、式(1)
−NH−ARYL−R (1)
の化合物を製造する方法を提供するものであって、
式中、Rは、−COORまたは−SO−Rであり、式中RおよびRは各々、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
ARYLは、置換または非置換の炭素環式C〜C24−アリール基あるいは置換または非置換の複素環式芳香族C〜C16−ヘタリール基を表し、
は、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキル、C〜C16−ヘタリールであるか、または3員から7員の飽和複素環または部分的不飽和複素環であり、これらは、さらに群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により場合により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールを表すか、あるいはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−または−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、式中R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、あるいは−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成し、
式(2)
【化1】

の化合物で、
式中、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、RおよびARYLは、各々上記に定義されたとおりであり、Rは、−COORまたは−SO−Rであり、RおよびRは各々、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C24−アリールもしくはC〜C15−アリールアルキルから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)もしくは−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであり、少なくとも1種の鉄供給源の存在下、式(3)
−MeY (3)
の化合物と反応して(式中、Rは、上記に定義されたとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属である)
式(1)の化合物を形成する。
【0009】
ARYLは、非置換C〜C24−アリールまたは非置換C〜C16−ヘタリールまたは1つから3つの同一もしくは異なった置換基により置換されたC〜C24−アリールまたは1つから3つの同一または異なった置換基により置換されたC〜C16−ヘタリールを表すのが好ましく、これらの置換基は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択され、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールを表すか、あるいはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールを表すか、あるいは−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。
【0010】
本発明の一実施形態において、ARYLは、フェニル基を表すのが好ましく、フェニル基は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される1つから3つの同一もしくは異なった残基により場合により置換でき、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。
【0011】
本発明の別の実施形態において、ARYLは、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジニル基またはピラジニル基を表すのが好ましく、これらの基は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される1つから3つの同一もしくは異なった残基により場合により置換でき、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールを表すか、あるいはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。
【0012】
本発明の別の実施形態において、ARYLは、ピリジル基を表すのがより好ましく、この基は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される1つから3つの同一または異なった残基により場合により置換でき、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。
【0013】
本発明の特に好ましい実施形態において、ARYLは、2−ピリジニル、3−ピリジニルまたは4−ピリジニルを表す。
【0014】
または/およびRは、各々−COORまたは−SO−Rを表すのが好ましく、式中、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、各々は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールから選択されるか、またはRもしくRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールである。Rは、C〜C10−アルキル、C〜C24−アリールまたはC〜C10−アルケニルを表すことが好ましい。Rは、t−ブチルを表すのがより好ましい。好ましくは、Rは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはRは、C〜C10−ペルハロアルキルを表す。Rまたは/およびRに関して各々、−(CO)−O−(t−ブチル)、−(CO)−O−(アリル)、−(CO)−O−(メチル)、−(CO)−O−(エチル)、−(CO)−O−(s−プロピル)、−(CO)−O−(n−プロピル)、−(CO)−O−(n−ブチル)、−(CO)−O−(s−ブチル)、−(CO)−O−(i−ブチル)、−(CO)−O−(ネオペンチル)、−(CO)−O−(ノナフルオロブチル)、−SO−(ベンジル)、−SO−(ジメチルベンジル),−SO−(トリメチルベンジル)、−SO−(フェニル)、−SO−(o−トリル)、−SO−(p−トリル)、−SO−(m−トリル)、−SO−(ジフルオロベンジル)または−SO−(トリフルオロベンジル)を表すのが特に好ましい。Rまたは/およびRに関して各々、−COO−(t−ブチル)を表すのが特に極めて好ましい。
【0015】
およびRは、同一であるのが好ましい。
【0016】
は、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C16−ヘタリールまたはC〜C24−アリールを表すのが好ましく、これらは各々、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により場合によりさらに置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環、−NCOまたは−NCSを形成する。Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C16−ヘタリール、C−C15−アリールアルキルまたはC〜C24−アリールを表すのがより好ましい。Rに関して、メチル、エチル、s−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、o−トリル、m−トリル、p−トリルまたはフェニルを表すのが特に極めて好ましい。Rは、s−プロピルを表すのがさらにより好ましい。
【0017】
Meは、Mgであることが好ましい。
【0018】
Yは、C〜C10−アルキル、F、Cl、BrまたはIであることが好ましい。Yに関して、ClまたはBrを表すのが特に好ましい。
【0019】
Xは、Br、Cl、Iまたは−OSO−Rであることが好ましく、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより、各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表す。Xは、ClまたはBrを表すのが特に好ましい。
【0020】
元素鉄または鉄化合物は、本発明の趣意における鉄供給源である。本発明の趣意における鉄供給源は、触媒として働く。使用される鉄供給源は、酸化状態−2、−1、0、+1、+2、+3の鉄化合物または元素鉄のいずれかであり得る。例として、有用な鉄化合物としては、例えば、フェロセン、フタロシアニン鉄(II)もしくはペンタカルボニル鉄などの鉄錯体化合物、または、例えば、フッ化鉄(II)、塩化鉄(II)もしくは臭化鉄(II)などのハロゲン化鉄(II)、または、例えば、フッ化鉄(III)、塩化鉄(III)もしくは臭化鉄(III)などのハロゲン化鉄(III)、または、例えば、塩化鉄(III)6水和物または塩化鉄(II)4水和物などの水和ハロゲン化鉄(II)または水和ハロゲン化鉄(III)、または硝酸鉄(II)もしくは硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)もしくは硫酸鉄(III)、リン酸鉄(II)もしくはリン酸鉄(III)、炭酸鉄(II)もしくは炭酸鉄(III)、過塩素酸鉄(II)もしくは過塩素酸鉄(III)などの無機鉄化合物、または、例えば、酢酸鉄(II)または酢酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)もしくはギ酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)もしくはシュウ酸鉄(III)、アセチルアセトネート鉄(II)もしくはアセチルアセトネート鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)もしくはステアリン酸鉄(III)、ピバル酸鉄(II)もしくはピバル酸鉄(III)またはグルコン酸鉄(II)もしくはグルコン酸鉄(III)などの有機鉄化合物、またはそれらの混合物が挙げられる。鉄化合物として好ましく使用されるのは、元素鉄または硝酸鉄(II)もしくは硝酸鉄(III)、硫酸鉄(II)もしくは硫酸鉄(III)、リン酸鉄(II)もしくはリン酸鉄(III)、炭酸鉄(II)もしくは炭酸鉄(III)、過塩素酸鉄(II)もしくは過塩素酸鉄(III)などの無機鉄化合物、または酢酸鉄(II)もしくは酢酸鉄(III)、ギ酸鉄(II)もしくはギ酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)もしくはシュウ酸鉄(III)、アセチルアセトネート鉄(II)もしくはアセチルアセトネート鉄(III)、ステアリン酸鉄(II)もしくはステアリン酸鉄(III)、ピバル酸鉄(II)もしくはピバル酸鉄(III)またはグルコン酸鉄(II)もしくはグルコン酸鉄(III)などの有機鉄化合物、またはそれらの混合物である。鉄供給源として特に好ましく使用されるのは、ハロゲン化鉄(II)もしくはハロゲン化鉄(III)、またはアセチルアセトネート鉄(II)もしくはアセチルアセトネート鉄(III)であり、アセチルアセトネート鉄(III)が最も好ましい。
【0021】
アルキル、アルケニル、アルコキシおよびアルキニルは、各々独立してそれぞれ直鎖状、環式または分枝状のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基またはアルキニル基を表す。同じものは、アリールアルキル基の非芳香族部分についても同様に含まれる。
【0022】
〜C10−アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルおよび1−エチル−2−メチルプロピルを表す。C〜C10−アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチルおよびn−ヘキシルを表すことが好ましい。
【0023】
実例としてC〜C10−アルケニルは、ビニル、アリル、イソプロペニル、シクロヘキセニル、シクロペンテニルおよびn−ブテ−2−エン−1−イルを表し、これらが好ましい。
【0024】
実例としてC〜C10−アルコキシは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシおよびt−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、ネオペントキシ、1−エチルプロポキシ、シクロヘキソキシ、シクロペントキシおよびn−ヘキソキシを表し、これらが好ましい。
【0025】
実例として好ましいC〜C10−アルキニルは、エチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニルまたは3−ブチニルを表す。
【0026】
本明細書におけるC〜C24−アリールは、好ましくは6個から24個の芳香族炭素原子を有する単環式、二環式または三環式の炭素環芳香族基を表す。さらに炭素環芳香族基は、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される、1環当り5つまでの同一または異なった置換基により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。実例としてC〜C24−アリールは、ビフェニル、フェニル、o−トリル、m−トリル、p−トリル、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレンおよびフルオレニルを表し、これらが好ましい。
【0027】
〜C15−アリールアルキルは、各々の場合独立して上記の定義に従う直鎖状、環式または分枝状アルキル基を表し、上記定義に記載のアリール基により一つを、複数を、または完全に置換することができる。実例としてC〜C15−アリールアルキルは、ベンジル、1−フェニルエチレン、1−フェニルプロピレン、2−フェニルプロピレン、1−フェニルブチレンまたは3−フェニル−2−メチルプロピレンを表し、これらが好ましい。
【0028】
本明細書における3員から7員の飽和複素環または部分的不飽和複素環は、S、Nおよび/またはOの系列からの3個までの同一または異なったヘテロ原子を有し、環炭素原子または環窒素原子を介して結合しており、1つまたは2つの二重結合を含むことができる複素環を表す。S、Nおよび/またはOの系列からの2個までの同一または異なったヘテロ原子を有する5員から7員の飽和複素環が好ましい。好適な例としては、テトラヒドロフル−2−イル、テトラヒドロフル−3−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル、1,4−ジヒドロピリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、チオモルホリン−4−イル、アゼピン−1−イル、1,4−ジアゼピン−1−イルが挙げられる。ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびピロリジニルが好ましい。
【0029】
〜C10−ペルハロアルキルは、ハロゲン原子により完全に置換されたC〜C10−アルキル基を表す。C〜C10−ペルハロアルキルは、C〜C10−ペルフルオロアルキルを表すことが好ましい。実例としてC〜C10−ペルハロアルキルは、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、シクロノナフルオロペンチル、シクロノナクロロシクロペンチル、ヘプタフルオロイソプロピルおよびノナフルオロブチルを表し、これらが好ましい。C〜C10−ペルフルオロアルキルは、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロイソプロピルおよびノナフルオロブチルを表すのが好ましい。C〜C10−ペルハロアルキルまたは/およびC〜C10−ペルフルオロアルキルは、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたはヘプタフルオロイソプロピルを表すことが特に極めて好ましい。
【0030】
本明細書のC〜C16−ヘタリールは、S、Nおよび/またはOの系列からの3個までの同一かまたは異なったヘテロ原子を有し、芳香族複素環の環炭素原子を介し、また場合によっては芳香族複素環の環窒素原子を介して結合し、3個と16個の間の炭素原子(C〜C16−へタリール)、好ましくは3個から7個の炭素原子(C〜C−へタリール)、より好ましくは4個から5個の炭素原子(C〜C−ヘタリール)を有する芳香族複素環を表す。C〜C16−ヘタリール、C〜C−ヘタリールおよびC〜C−ヘタリールは、芳香族複素環が芳香族性となるために少なくとも十分な数のヘテロ原子を常に有する。したがって、C−ヘタリールは、3個の炭素原子と少なくとも2個の窒素原子もしくは1個の窒素原子と1個の酸素原子、または1個の窒素原子と1個の硫黄原子とを有する。C〜C16−ヘタリールは、さらに群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成する。C〜C16−ヘタリールの実例として:ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリルもしくはイソオキサゾリル、インドリジニル、インドリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、ベンゾフラニルまたはジベンゾフラニルを挙げることができ、これらが好ましい。
【0031】
本明細書のC〜C−モノアルキルアミノまたはC〜C−ジアルキルアミノは、好ましくは、各々が1個から8個の炭素原子を有する1つまたは2つの同一もしくは異なった、環式、直鎖状または分枝状アルキル置換基により置換されたアミノ基を表す。
【0032】
実例としてC〜C−モノアルキルアミノは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノを表し、これらが好ましい。
【0033】
実例としてC〜C−ジアルキルアミノは、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表し、これらが好ましい。
【0034】
本発明の範囲は、基、パラメータおよびそれら自体の中で説明された事項の上記および下記に挙げられた一般的または好ましい定義、すなわち、それぞれの範囲の間および任意の所望の組み合わせにおける好ましいものなど全てを包含する。
【0035】
式(1)の化合物を製造する本発明の方法は、溶媒の存在下または非存在下で実施することができる。式(1)の化合物を製造する本発明の方法は、有機溶媒の存在下で実施するのが好ましい。式(1)の化合物を製造する本発明の方法は、任意の有機不活性溶媒中で実施することができる。好ましい有機溶媒の実例として、直鎖状、環式および分枝状の脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンもしくはシクロヘキサン、または芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、もしくはメシチレン、または、例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシメタンなどのエーテル類、またはテトラメチル尿素、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、または、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドまたはスルホラン、または、例えば、プロピレンカーボネートもしくはジエチルカーボネートなどの有機炭酸エステル、またはそれらの混液を使用することができる。特に具体的には、ジオキサン、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル類、具体的には、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン類、または、具体的には、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドもしくはスルホラン、または、それらの混液を使用することが特に好ましい。有機溶媒として、N−メチルピロリドン、またはN−メチルピロリドンを含有する有機溶媒混液の使用が、極めて特に好ましい。
【0036】
式(1)の化合物を製造する本発明の方法を実施する温度は、例えば、−100℃と50℃との間、好ましくは、−50℃と10℃との間、より好ましくは、−20℃と+10℃との間である。
【0037】
本発明の方法は、一般に標準的な圧力で実施する。一般に本法は、任意の所望の圧力で実施することができる。
【0038】
本発明の方法において、鉄供給源は、式(3)の化合物を基準にして、50:1から1:50の範囲、好ましくは30:1から1:30の範囲、より好ましくは20:1から1:20の範囲の物質量の比で使用する。
【0039】
式(1)の化合物を製造する本発明の方法において、式(2)の化合物と式(3)の化合物との物質量の比は、1:5と5:1との間、好ましくは1:5と1:1との間、より好ましくは1:3と1:1との間である。
【0040】
式(2)の化合物から式(1)の化合物を製造する本発明の方法は、実質的に無水条件下で実施する。実質的に無水とは、水分含量が、使用される反応混合物の量を基準にして、0.0001重量%と0.1重量%との間が好ましいことを意味する。
【0041】
式(1)の化合物を製造する本発明の方法は、先ず式(2)の化合物、鉄供給源および溶媒の充填によって実施することが好ましい。その後、反応混合物を一般に、例えば、空気を無水の窒素またはアルゴンに置き換えることによって不活性にする。次いで、式(3)の化合物を、例えば、好ましくは計量様式で添加する。反応の終了は、当業者に知られた分析法、例えば、クロマトグラフィーを用いて判定することができる。残りの後処理は、触媒量の水または水含有化合物、例えば、飽和食塩水を添加することにより、Grignard反応からの生成物を加水分解するための当業者に知られた通常の方法を使用することにより実施され、場合によっては、例えば、有機溶媒による抽出または/および結晶化によるさらなる精製を実施する。出発物質の上記添加を他の順序でまたは同時に、同様に実施することができる。好ましくは、式(1)の化合物は、有機溶媒による再結晶によってさらに精製される。
【0042】
式(1)の化合物は、アンモニウム塩の形態で形成することもできる。式(1)の化合物のアンモニウム塩を、当業者に知られた通常の方法を用いて、例えば、好ましくは、カルボン酸類、とりわけクエン酸との反応または滴定により式(1)の遊離化合物に変換することができる。
【0043】
本発明は、さらに式(4)
NH−ARYL−R (4)
の化合物を製造する方法を含み、
式中ARYLおよびRは各々、上記に定義されたとおりであり、式(1)の化合物は、少なくとも1種の酸または少なくとも1種の塩基の存在下、反応して、式(4)の化合物またはそれらの塩類を形成する。
【0044】
本発明の方法において式(1)の化合物から式(4)の化合物を製造するための本発明の趣意における塩基は、例えば、アルカリ土類金属またはアルカリ金属の炭酸塩、水酸化物、リン酸水素塩、リン酸塩または第三級アミンである。
【0045】
式(1)の化合物から式(4)の化合物を製造するための本発明の趣意における酸は、例えば、硫酸、硝酸、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、オルトリン酸などのリン酸、スルファミン酸、また有機酸、より具体的には、脂肪族、脂環式、芳香族もしくは複素環の一塩基または多塩基のカルボン酸、スルホン酸または硫酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸またはラウリル硫酸である。酸としてハロゲン化水素酸、例えば、HClまたはHBrを用いることが好ましい。本発明の方法において酸としてHClを用いることが、特に極めて好ましい。
【0046】
一般に式(4)の化合物は、アミドまたはカルバミドからアミンを脱保護するための当業者に知られている一般的な方法を用いて式(1)の化合物から製造することができる。
【0047】
式(4)の化合物は、同様にアンモニウム塩類の形態で存在することができる。したがって、本発明は同様に、式(4)の化合物が、アンモニウム塩類の形態で存在する式(4)の化合物を製造する方法を含む。
【0048】
式(2)の化合物は、例えば、Journal of Organic Chemistry 2008年、73、6025−6028頁に記載されたとおり、当業者に知られた方法を用いて入手できる。
【0049】
式(4)の化合物は、式(5)
NH−ARYL−X (5)
の化合物(式中、ARYLは、上記に定義されたとおりであり、Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrもしくはFにより各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールである)から進める方法で式(1)の化合物を製造する本発明の方法を用いて、アミノハロアリール化合物、より具体的には、アミノ−2−クロロピリジンから得ることができる。
【0050】
したがって、本発明は、同様に式(4)
NH−ARYL−R (4)
の化合物またはそれらの塩類を製造する方法を含み、
式中ARYLは、置換もしくは非置換の炭素環式C〜C24−アリール基または置換もしくは非置換の芳香族複素環C〜C16−ヘタリール基を表し、
は、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキル、C〜C16−ヘタリールであるか、または3員から7員の飽和複素環もしくは部分的不飽和複素環であり、これらは、さらに群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により場合により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−もしくは−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)もしくは−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成し、ステップa)において式(5)
NH−ARYL−X (5)
の化合物(式中、ARYLは、上記に定義されたとおりであり、Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrもしくはFにより各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールである)は、式(6)
−Z (6)
の化合物(式中Rは、−COORまたは−SO−Rであり、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、各々が、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素あるいは場合により置換もしくは非置換の−O−CO−(C〜C10−アルキル)、−O−CO(C〜C24−アリール)、−O−CO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OSO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)、−OSO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)または−OSO−(C〜C15−アリールアルキル)を表す)と反応して式(7)
W−ARYL−X (7)
の化合物を形成し、
式中ARYLおよびXは、各々上記に定義されたとおりであり、Wは、−NHRまたは−N(Rであり、Rは、上記に定義されたとおりであり、ステップb)において、少なくとも1種の鉄供給源の存在下、式(7)の化合物は、式(3)
−MeY (3)
の化合物(式中Rは、上記に定義されたとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、
Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属である)と反応して式(1)の化合物を形成し、ステップc)において、酸または塩基の存在下、式(1)の化合物が反応して式(4)の化合物を形成する。
【0051】
Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−O−CO−(C〜C10−アルキル)、−O−CO(C〜C24−アリール)、−O−CO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OSO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)であることが好ましい。Zは、−O−CO−(C〜C10−アルキル)または−O−CO(C〜C24−アリール)であることがより好ましく、次いでRは、−COORであり、式中Rは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々1つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールである。Zが、−OCOO−(t−ブチル)であることが特に極めて好ましい。
【0052】
式(6)の化合物は、ジ−t−ブチルジカルボネート、アリルクロロホルメート、ベンジルクロロホルメート、p−トルエンスルホニルクロリド、o−トルエンスルホニルクロリド、m−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニルクロリドまたはエタンスルホニルクロリドを構成することが好ましい。式(6)の化合物は、ジ−t−ブチルジカルボネートを構成することが特に好ましい。
【0053】
本発明は、式(8)
【化2】

の化合物を製造する方法を含むことが好ましい。
式中、Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C16−ヘタリールであり、ステップa)では、式(9)
【化3】

の化合物であり、式中、Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中、Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFによって、各々一つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールであり、式(6)
−Z (6)
の化合物と反応し、式中、Rは、−COORまたは−SO−Rであり、式中、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、各々が以下の群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C24−アリールから選択されるか、またはRもしくはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrもしくはFによって、各々一つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−NH−(C〜C24−アリール)、または−SO−(NR)であり、式中、RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRは一緒になって5員環から7員環を形成し、
Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、または場合により置換されたもしくは非置換の−O−CO−(C〜C10−アルキル)、−O−CO(C〜C24−アリール)、−O−CO−(C〜C15−アリールアルキル)、−O−SO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)、−OSO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)または−OSO−(C〜C15−アリールアルキル)を表し、式(10)
【化4】

の化合物を形成し、式中、RおよびXは、各々上記に定義したとおりであり、式(10)の化合物はステップb)において、式(3)
−MeY (3)
の化合物と反応し、式中、Rは、上記に定義したとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属であって、少なくとも1種の鉄供給源の存在下で、式(11)
【化5】

の化合物を形成し、式中、RおよびRは、各々上記に定義したとおりであり、式(11)の化合物は、ステップc)において酸または塩基の存在下で反応して、式(8)の化合物またはそれらの塩を形成する。
【0054】
本発明は、式(12)
【化6】

の化合物を製造するための方法を含むことがより好ましく、式中、Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C16−ヘタリールであり、ステップa)において、式(13)
【化7】

の化合物であり、式中、Xは、Cl、Br、Iまたは−O−SO−Rであり、式中、Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrもしくはFによって、各々一つ、もしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールであり、式(14)
【化8】

の化合物と反応し、式中、Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、または場合により置換されたもしくは非置換の−O−CO−(C〜C10−アルキル)、−O−CO(C〜C24−アリール)、−O−CO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OSO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)、−OSO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)または−OSO−(C〜C15−アリールアルキル)を表し、式(15)
【化9】

の化合物を形成し、式中、Xは、上記に定義したとおりであり、式(15)の化合物は、ステップb)において、式(3)
−MeY (3)
の化合物と反応し、式中、Rは、上記に定義したとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属であって、少なくとも1種の鉄供給源の存在下で、式(16)
【化10】

の化合物を形成し、式(16)の化合物は、ステップc)において酸または塩基の存在下で反応して、式(12)の化合物またはそれらの塩を形成する。
【0055】
式(12)の化合物と式(8)の化合物と式(4)の化合物は、5−アミノ−2−イソプロピルピリジンであることが特にきわめて好ましい。式(13)の化合物と式(9)の化合物と式(5)の化合物は、5−アミノ−2−クロロピリジンであることが特に極めて好ましい。
【0056】
式(14)の化合物は、ジ−(t−ブチル)ジカーボネートであることが好ましい。
【0057】
式(8)および式(12)の化合物の製造は、各々式(4)の化合物の製造の好ましい実施形態であるため、ステップa)、b)およびc)に関して以下に記載される本発明の方法は、式(4)、(8)および(12)の化合物の製造のために用いられる。
【0058】
ステップa)に関する本発明の方法は、塩基の存在下でも非存在下でも実施することができる。この方法は、追加塩基の非存在下で実施することが好ましい。
【0059】
ステップa)に関する本発明の方法にとって有用な塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩、アルカリ金属の水酸化物もしくはアルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または有機塩基、例えば、ピリジン、アンモニウム化合物、例えば、水酸化アンモニウム、またはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)およびジアザビシクロウンデセン(DBU)などの第三級アミンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
ステップa)に関する本発明の方法は、有機溶媒の存在下で実施されることが好ましい。本発明の方法を実施するために好適な有機溶媒は、特に、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、シクロヘプタン、シクロノナン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、ビシクロ[4.1.0]ヘプタンまたはそれらの混合物などの非極性脂環式炭化水素または芳香族炭化水素である。特に好ましい溶媒は、有機、非極性、分枝状もしくは非分枝状、場合によっては環式の、脂肪族炭化水素、特に、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、またはイソオクタンである。溶媒としてn−ヘプタンを用いることは特に極めて好ましい。
【0061】
本発明の方法のステップa)は、20℃と200℃との間の温度で実施される。本発明の方法のステップa)は、50℃と130℃との間の温度で実施することが好ましい。
【0062】
式(5)の化合物に対する式(6)の化合物の物質量の比率は、5:1と1:5との間であり、好ましくは、3:1と1:3との間であり、より好ましくは、3:1と1:1との間である。
【0063】
本発明の方法のステップa)は、場合により有機溶媒の存在下、式(5)の化合物を先ず充填し、次いで、好ましくは有機溶媒中に溶解させた式(6)の化合物を、計量様式で加えることによって実施することが好ましい。その後、この混合物を加熱する。反応中、反応混合物から溶媒部分を蒸留によって除去することが好ましい。この場合、式(6)の化合物を場合により含有することが好ましい溶媒の相当量を反応混合物に補充することが好ましい。式(7)の化合物はさらに、例えば結晶化によって精製することができる。
【0064】
式(1)の化合物の製造に指示された方法手順、温度および選好は同様に、本発明の方法のステップb)にも用いられる。
【0065】
本発明の方法のステップc)は、有機溶媒の存在下でも非存在下でも実施できる。本発明の方法のステップc)は、有機溶媒の存在下で実施することが好ましい。
【0066】
本発明の方法のステップc)に用いられる有機溶媒は、好ましくは、直鎖状、環式または分枝状の脂肪族炭化水素、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンもしくはシクロヘキサン、または芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、または、例えば、ケトン類、アルコール類、例えば、イソプロパノール、エタノール、n−ブタノール、s−ブタノール、i−ブタノールまたはスルホン類もしくはアミド類である。本発明の方法のステップc)における溶媒として、特にアルコール類を用いることがきわめて好ましく、イソプロパノールを用いることが特により好ましい。
【0067】
本発明の方法のステップc)の趣意内での塩基は、例えば、アルカリ土類金属またはアルカリ金属のカーボネート類、水酸化物、リン酸水素類、ホスフェート類または第三級アミン類である。
【0068】
本発明の方法のステップc)の趣意内での酸は、例えば、硫酸、硝酸、塩酸もしくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、オルトリン酸などのリン酸、スルファミン酸、また有機酸、より特に脂肪族、脂環式、芳香族もしくは複素環の一塩基もしくは多塩基のカルボン酸、スルホン酸もしくは硫酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸またはラウリル硫酸である。酸として、ハロゲン化水素酸、例えばHClまたはHBrを用いることが好ましい。本発明の方法において、酸としてHClを用いることが特に極めて好ましい。
【0069】
本発明の方法のステップc)を実施する温度は、好ましくは、10℃と100℃との間、より好ましくは、20℃と70℃との間である。
【0070】
本発明の方法のステップc)は、式(1)の化合物を先ず充填し、場合により溶媒と混合することによって実施することが好ましい。その後、好ましくは計量様式で、溶液として、または溶媒なしで、酸または塩基を加える。式(4)の化合物はさらに、例えば、蒸留、結晶化または抽出によって精製することができる。式(1)の化合物の反応後、一般に塩の形態にある式(4)の化合物は、酸または塩基との反応によって、式(4)の無塩化合物へと再変換することが好ましい。式(4)の無塩化合物のさらなる精製は、好ましくは蒸留により行われる。式(1)の無塩化合物のさらなる精製は蒸留によって達成することが好ましい。
【0071】
本発明の方法のステップa)、b)およびc)に関して、反応の終了は、当業者に知られている一般的な方法を用いて判定することができる。
【0072】
本発明の方法に用いられる原料および反応物質は、当業者に知られている方法を用いて得ることもできるし、市販品を入手することもできる。
【0073】
本発明の方法は、工業規模で良好な収率で効率的に、式(1)の化合物を提供する。さらに、医薬品の製造における重要な中間体である式(4)の化合物は、酸または塩基による保護基の除去によって、式(1)の化合物から効率的な様式で同様に得ることができる。
【0074】
以下の実施例は、本発明を例示するが、本発明を限定するものとして考えてはならない。
【実施例】
【0075】
1. 5−(ジ−Boc−アミノ)−2−クロロピリジンの製造
100g(0.76mol)の5−アミノ−2−クロロピリジンを、室温で、120mL(0.82mol)のn−ヘプタンおよび200g(0.89mol)のジ−t−ブチルジカーボネートに混合する。得られた懸濁液を、60℃まで2時間にわたって加熱し、60℃で5時間攪拌する。次いで、30mL(0.20mol)のn−ヘプタン中、50g(0.22mol)のジ−t−ブチルジカーボネートを加え、引き続き加熱還流して、内部温度が115℃に達するまで留去する。次いで、留去しながら115℃で1時間攪拌する。240mL(1.64mol)のn−ヘプタンを加えてから、加熱還流して、内部温度が100℃に達するまで留去する。次いで、120mL(0.82mol)のn−ヘプタン中、200g(0.89mol)のジ−t−ブチルジカーボネート溶液を、還流下、約12時間にわたって一定計量添加を行い、さらに4時間、還流下攪拌する。
【0076】
このバッチを室温まで徐々に冷却し、室温で1時間攪拌する。沈殿物を濾過で除き、濾滓を、各回120mL(0.82mol)のn−ヘプタンで2回洗浄する。得られた湿潤物を、約60℃、<100mbarの減圧乾燥器内で、一定の重量まで乾燥する。
収量:241.4g(0.73mol、96%)
【0077】
2. 5−(Boc−アミノ)−2−イソプロピルピリジンの製造
窒素雰囲気下、室温で、50g(0.15mol)の5−(ジ−Boc−アミノ)−2−クロロピリジン、140g(1.94mol)のテトラヒドロフランおよび10g(0.10mol)のN−メチルピロリドンを先ず充填する。得られた溶液を約−20℃に予備冷却する。引き続き、30g(0.42mol)のテトラヒドロフラン中、3.0g(8.2mmol)の鉄(III)アセチルアセトネートを、215g(0.42mol)の塩化イソプロピルマグネシウムのテトラヒドロフラン中、およそ20%溶液と共に、−20℃で3時間にわたって計量する。計量添加が終了したら、このバッチを−20℃で15分間攪拌してから、0℃まで1時間加熱し、0℃で30分間攪拌する。引き続き、このバッチを最高10℃でクエン酸の14.3%溶液の175g(0.13mol)に流し入れ、反応混合物を室温で30分間攪拌する。相分離後、水相を40g(0.13mol)のキシレンで1回抽出する。有機相を合わせて、5%の炭酸水素ナトリウム100mLで1回洗浄してから、40g(約3cmの床高)のシリカゲルを通して濾過する。次いで、濾液を約100mbarまで減圧下、50℃で濃縮する。蒸留下部を、室温で60g(0.61mol)のメチルシクロヘキサンと混合し、得られた懸濁液を85℃まで加熱する。得られた清澄な赤橙色溶液を室温まで冷却し、室温で30分間攪拌する。沈殿物を濾過で取り出し、濾滓を、30g(0.31mol)のメチルシクロヘキサンで1回洗浄する。得られた湿潤物を約60℃、<100mbarの減圧乾燥器内で、一定の重量まで乾燥する。
収量:25.7g(0.11mol、72%)
【0078】
3. 5−アミノ−2−イソプロピルピリジンの製造
500g(8.3mol)のイソプロパノール中、室温で100g(0.41mol)の5−(Boc−アミノ)−2−イソプロピルピリジンをスラリーにする。次いで、200g(1.8mol)の塩化水素のイソプロパノール中、およそ33%溶液を25℃で計量する。計量添加が終了したら、このバッチを25℃で30分間攪拌してから、50℃まで約1時間にわたって加熱し、50℃で3時間攪拌する。引き続き、600mLの留出物を大気圧下で取り出し、得られた懸濁液に、40〜50℃で350g(3.8mol)のトルエンを加える。得られた懸濁液を、完全に無鉄の水と110g(1.4mol)の50%水酸化ナトリウム水溶液との混合物150g(8.3mol)に室温で流し入れ、室温で15分間攪拌する。相分離後、有機相を減圧濃縮し、残留油を8mbarで、カラムを通して分画蒸留する。
収量:47.7g(0.35mol、85%)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
−NH−ARYL−R (1)
の化合物を製造する方法であって、
式中、Rは、−COORまたは−SO−Rであり、式中RおよびRは各々、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々一つもしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
ARYLは、置換または非置換の炭素環式C〜C24−アリール基あるいは置換または非置換の複素環式芳香族C〜C16−ヘタリール基を表し、
は、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキル、C〜C16−ヘタリールであるか、または3員から7員の飽和複素環または部分的不飽和複素環であり、これらは、さらに群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により場合により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールを表すか、あるいはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−または−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)または−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、あるいは−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成し、
式(2)
【化1】

の化合物で、
式中、RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、RおよびARYLは、各々上記に定義されたとおりであり、Rは、−COORまたは−SO−Rであり、式中RおよびRは各々、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C24−アリールもしくはC〜C15−アリールアルキルから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々一つもしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々一つもしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールであり、
少なくとも1種の鉄供給源の存在下、式(3)
−MeY (3)
の化合物と反応して(式中、Rは、上記に定義されたとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属であり)、式(1)の化合物またはそれらの塩類を形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
ARYLが、窒素原子を有し、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C−ハロアルキル、C〜C−アルキルチオ、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、3員から7員の飽和複素環または部分的不飽和複素環の群から選択される1つ、2つまたは3つの置換基により場合により置換できる5員または6員の芳香族複素環を表すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
または/およびRが、−(CO)−O−(t−ブチル)、−(CO)−O−(アリル)、−(CO)−O−(メチル)、−(CO)−O−(エチル)、−(CO)−O−(s−プロピル)、−(CO)−O−(n−プロピル)、−(CO)−O−(n−ブチル)、−(CO)−O−(s−ブチル)、−(CO)−O−(i−ブチル)、−(CO)−O−(ネオペンチル)、−(CO)−O−(ノナフルオロブチル)、−SO−(ベンジル)、−SO−(ジメチルベンジル)、−SO−(トリメチルベンジル)、−SO−(フェニル)、−SO−(o−トリル)、−SO−(p−トリル)、−SO−(m−トリル)、−SO−(ジフルオロベンジル)または−SO−(トリフルオロベンジル)を表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
が、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C16−ヘタリール、C〜C15−アリールアルキルまたはC〜C24−アリールを表すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
Meが、マグネシウムを表すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
Yが、塩化物、臭化物またはヨウ化物を表すことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
Xが、Cl、Br、I、−OSO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)または−OSO−(C〜C15−アリールアルキル)を表すことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
酸化状態の有機鉄(III)化合物を、鉄供給源として用いることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
式(4)
NH−ARYL−R (4)
の化合物を製造する方法であって、
式中、ARYLおよびRは、請求項1に定義されたとおりであり、前記式(1)の化合物は、請求項1から7の一項以上に記載されたとおりに製造され、酸または塩基の存在下で反応して式(4)の化合物またはそれらの塩類を形成することを特徴とする方法。
【請求項10】
ハロゲン化水素酸、スルホン酸類またはカルボン酸類が、酸として用いられることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(4)
NH−ARYL−R (4)
の化合物またはそれらの塩類を製造する方法であって、
式中、ARYLは、置換もしくは非置換の炭素環式C〜C24−アリール基または置換もしくは非置換の複素環式芳香族C〜C16−ヘタリール基を表し、
は、C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C24−アリール、C〜C15−アリールアルキル、C〜C16−ヘタリールであるか、あるいは3員から7員の飽和複素環または部分的不飽和複素環であり、これらは、さらに群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−アルコキシ、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C10−アルキニル、C〜C24−アリール、C〜C16−ヘタリール、−COO−(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C10−アルキル)、−OCOO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OCOO−(C〜C24−アリール)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO−(C〜C15−アリールアルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−COO−(C〜C24−アリール)、−SO(C〜C10−アルキル)、−SO(C〜C24−アリール)、−CO−(C〜C10−アルキル)、−CO−(C〜C24−アリール)、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR10)から選択される基により場合により置換することができ、式中RおよびR10は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、またはNR10が一緒になって、5員環から7員環を形成し、C〜C−モノ−または−ジアルキルアミノ、ハロゲン、−OCO−(NR1112)もしくは−CO−(NR1112)を表し、R11およびR12は、同一であっても異なっていてもよく、各々独立してC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールを表すか、または−NR1112が一緒になって、5員環から7員環を形成し、
ステップa)において式(5)
NH−ARYL−X (5)
の化合物が、
(式中ARYLは、上記に定義されたとおりであって、Xは、Cl、Br、Iまたは−OSO−Rであり、式中Rは、C〜C10−アルキル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、またはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々一つもしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルまたはC〜C24−アリールである)が、
式(6)
−Z (6)
の化合物(式中Rは、−COORまたは−SO−Rであり、式中RおよびRは、同一であっても異なっていてもよく、各々が、群:C〜C10−アルキル、C〜C10−アルケニル、C〜C10−ペルハロアルキル、C〜C15−アリールアルキルもしくはC〜C24−アリールから選択されるか、あるいはRまたはRは、C〜C10−アルコキシ、Cl、BrまたはFにより各々一つもしくは複数が置換されているが、全部は置換されていないC〜C10−アルキルもしくはC〜C24−アリールであるか、あるいはRは、−SO−NH−(C〜C10−アルキル)、−SO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)、−SONH−(C〜C24−アリール)または−SO(NR)であり、式中RおよびRは各々、C〜C10−アルキルを表すか、またはNRが一緒になって、5員環から7員環を形成し、
Zは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素あるいは場合により置換もしくは非置換の−O−CO−(C〜C10−アルキル)、−O−CO(C〜C24−アリール)、−O−CO−(C〜C15−アリールアルキル)、−OSO(C〜C10−アルキル)、−OSO(C〜C24−アリール)、−OSO−NH−(C〜C15−アリールアルキル)または−OSO−(C〜C15−アリールアルキル)である)と反応して式(7)
W−ARYL−X (7)
の化合物を形成し、
式中ARYLおよびXは、各々上記に定義されたとおりであり、Wは、−NHRまたは−N(Rであり、式中Rは、上記に定義されたとおりであり、
ステップb)において、少なくとも1種の鉄供給源の存在下、式(7)の化合物が、式(3)
−MeY (3)
の化合物(式中Rは、上記に定義されたとおりであり、Yは、アニオン性リガンドであり、
Meは、Mg、Ca、Mn、Znの群から選択される金属である)と反応して式(1)の化合物を形成し、
ステップc)において、酸または塩基の存在下、式(1)の化合物が反応して式(4)の化合物を形成することを特徴とする方法。
【請求項12】
前記ステップb)による方法が有機溶媒の存在下で実施されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記有機溶媒が、エーテル類、アミン類、アミド類またはそれらの混液の群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式(6)の化合物がジ−t−ブチルジカルボネートであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

【公開番号】特開2012−62307(P2012−62307A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−173118(P2011−173118)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(506207853)サルティゴ・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】