説明

アミノアルキル基を含有するケイ素に基づく活性成分担体

本発明は、少なくとも1つの芳香又は殺生物アルコキシ基及び少なくとも1つの化学的に変性されていない又は化学的に変性されたアミノアルキル又はアミノアルコキシ基がケイ素に結合した、モノマー及びオリゴマーケイ素化合物、及び洗濯用洗剤及び洗浄剤又は化粧品組成物を香付けるための、又は保存するための、これらの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの芳香又は殺生物アルコキシ基並びに必要に応じて化学的に変性された、少なくとも1つのアミノアルキル又はアミノアルコキシ基がケイ素に結合した、モノマー及びオリゴマーケイ素化合物、並びに洗剤及び洗浄剤又は化粧品組成物を香付け又は保存するための、これらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
非常に多様な調製物中の成分の制御された放出は、数々の刊行物及び特許出願の主題である。洗剤及び洗浄剤分野において、漂白剤、漂白活性剤、界面活性剤などからなる群からの成分の促進又は遅延した放出は、特に興味深い。この分野において、芳香剤の放出は、最も重要である。なぜなら、製品並びに洗剤及び洗浄剤溶液、及びこれらの組成物で処理された物品の両方が、強く、かつ、長続きする香付けがなされるべきであるからである。担体材料への香料の付与、及び香料入り担体の被覆又は香料のカプセル化、又は化合物(例えばシクロデキストリン/香料複合体)中への香料の組み込みに加えて、香料を担体媒体に化学的に結合することができる。該化学結合は、ゆっくりと分解し、そして香料が放出される。この原理は、例えば、芳香アルコールのエステル化において実現されている。この物質群に関する幅広い先行技術が利用可能である。
【0003】
香料アルコールが非揮発性シロキサンに結合し得ることは先行技術から既知である。香料アルコールは、加水分解によって非揮発性シロキサンからゆっくりと放出される。芳香アルコールのシロキサンエステルの主題に関して幅広い先行技術が存在するけれども、上記化合物を洗剤及び洗浄剤中で使用する場合には問題が生じる。従って、既知の化合物の多くは、水性洗剤及び洗浄剤に使用することができない。なぜなら、それらは、製品中でそれ自身加水分解され、その結果、遅延した放出はもはや生じないからである。これは、従来の洗剤及び洗浄剤が、しばしば加水分解工程を更に増強するpH値を有するために一層頻繁である。しかしながら、既知のシロキサンエステルは、粉末状洗剤及び洗浄剤中に常に配合することができるわけではない。また、コンパクト化粒状混合物の典型的製造条件下、例えば粒状化又はプレス集塊化処理下、シロキサンエステルは、実際の製造方法の間に、すなわち、時期尚早に、芳香アルコールを放出する傾向にある。従って、製品並びに洗液、及び該製品で処理された基材の両方を香付ける供給形態の芳香剤を提供する必要性が存在する。ここで芳香剤は、特に繊維製品上にできるだけ長く存続すべきである。
【0004】
芳香アルコールのモノマーオルトケイ酸エステルは、例えば、米国特許第3,215,719号(Dan River Mills)中に記載されている。この文献は、混合エステル、例えば、ビス(オイゲノキシ)ジエトキシシラン又はビス(シンナモイルオキシ)ジエトキシシランなどからの芳香アルコールの遅延した放出も記載する。中心Si原子は、必ずしも酸素のみに結合している必要はない。しかしながら、アミノアルキル基を含有する基は、この文献中に記載されていない。
【0005】
「香付けする」ケイ素化合物を含有する粉末状又は粒状洗剤及び洗浄剤組成物は、独国特許DE 28 44 789(Dow Corning)中に記載されている。この文献に開示されているモノ、オリゴ及びポリマーケイ素化合物は、必ずしも4つの酸素原子に取り囲まれた中心Si原子を含有する必要はない。アミノアルキル基を含有する基は、可能性のある置換基として該記載中に列挙されているが、しかしながら、アミノアルキル基を含有する基を含む化合物は明確に記載されていない。
【0006】
「香付けする」ケイ素化合物を含有する液体又はペースト状石鹸組成物は、独国特許DE 3003494(Dow Corning)中に記載されている。アミノアルキル基を含有する基は、この文献中にも明確に開示されていない。
【0007】
少なくとも1つの芳香アルコキシ基及び少なくとも1つのアルキル基を含むモノマーケイ素化合物は、欧州特許EP 982313(General Electric)中に記載されている。しかしながら、アミノアルキル基を含有する基は開示されていない。
【0008】
芳香アルコキシ基に加えてアルキル基も含み得るオリゴマー及びポリマーケイ素化合物は、独国特許DE 19750706に開示されている。しかしながら、アミノアルキル基を含有する基は、ここにも開示されていない。
【0009】
更に、オリゴマー及びポリマーケイ酸エステルは、特許WO00/14091及びWO01/68037に開示されている。しかしながら、アミノアルキル基を含有する基は、これらのいずれにも開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許において先に存在した問題は、芳香剤の制御された放出を可能にする芳香アルコールの担体結合形態を提供することによって、既に部分的に解消されている。しかしながら、幾つかの実施態様について、担体結合形態からの芳香剤の制御された放出が所望の規則性で生じない、という更なる問題が生じた。
【0011】
従って、本発明の第一の目的は、水性洗剤及び洗浄剤中に、該製品中で過度の加水分解の兆候を予め示すことなく、配合することもできる、芳香アルコールの担体結合形態を提供することである。該化合物によって満たされるべき別の要件は、それら自身が、製造工程において分解されることなく、粒状洗剤及び洗浄剤組成物に配合されるべきであることである。製造される化合物は、該溶液で処理した基材に、心地よい長続きする芳香を与えるべきである。
【0012】
従って、本発明の更なる目的は、しかしながら、好ましくは、結合した芳香剤が最も高い可能性のある規則性で放出されることを可能にする、このような芳香アルコールの加水分解安定性担体結合形態を与えることであった。
【0013】
更に、本発明の更なる目的は、特に有利には、それらの放出速度論に起因して、既知の芳香アルコールの担体結合形態及び/又は芳香アルコールの非担体結合形態と組み合わせることができる、このような芳香アルコールの担体結合形態を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
アルコキシ形態で結合した芳香アルコールに加えて、アミノアルキル基を含有する基を含むケイ素化合物が、芳香アルコールの放出速度論に関して特に有利な挙動を示し、これにより上記目的を達成することが見出された。
【0015】
該研究において、驚くべきことに、芳香アルコールが、これらの化合物によって、製品並びに活性位置の両方において均一な様式で放出されることが見出された。更に、驚くべきことに、従来の芳香剤と組み合わせたこれらの化合物が、該担体結合形態中に存在しない該芳香剤にも長続きする効果を与えることが見出された。芳香剤の化学組成に独立して、本発明の化合物は、香料組成物全体に引き延ばされた芳香放出を与えるために、芳香剤混合物中にこのように用いることができる。
【0016】
更にまた、本発明の化合物は、有利には、特に他の芳香剤の担体結合形態と組み合わせて用いることもできると思われる。これに関して、本発明の化合物と芳香アルコールのケイ酸エステルとの併用は、特に有利であることが分かる。本発明の化合物をケイ酸エステルと組み合わせて用いる場合、これは、更に長い期間でさえ、芳香剤の適当な均一な放出を可能にする。
【0017】
他の活性アルコール、特に殺生物アルコールについての放出速度論は同様であるので、従って、本発明によれば、別の活性物質の均一な放出を得るため、芳香アルコキシ基の代わりに、又は芳香アルコキシ基に加えて、他の活性アルコキシ基、特に殺生物アルコキシ基が結合したアミノアルキル基を含有する基を含むケイ素化合物を、対応して用いることができる。例えば、殺生物アルコキシ基を有する本発明の化合物を使用することによって、一定の保存効果を得ることができる。
【0018】
従って、本発明の第一の主題は、式-OR'で示される少なくとも1つのアルコキシ基並びにアミノアルキル基を含有する少なくとも1つの基がケイ素に結合した、ケイ素化合物である。ここで、R'OHは、活性物質アルコール、特に芳香アルコール又は殺生物アルコールを意味する。
これに関して、上記ケイ素化合物は、好ましくは式I:
【0019】
【化1】

【0020】
〔式中、R基の少なくとも1つは、活性物質アルコール基、特に芳香アルコール基又は殺生物アルコール基を意味し、これはアルコキシ形態でケイ素に結合しており、
残りのR基の少なくとも1つは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、並びに必要に応じて化学的に変性された、アミノアルキル基を有する基を意味し、
芳香アルコール基、殺生物アルコール基又はアミノアルキル基を有する基のいずれも意味しないR基は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、及び直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のアルキル及びアルコキシ基の群から選択され、
異なるケイ素原子に結合した2つのR基は、これらのケイ素原子の両方を架橋する酸素原子を表し得、及び
nは、0〜20の値をとり得る。〕
で示される化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
特に好ましい実施態様において、nは0であり、R基の正確に一つは、アミノアルキル基を有する基を意味し、及び残りのR基は、アルコキシ基を意味する。ここで該アルコキシ基の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つは、芳香アルコールからのアルコキシ基である。
【0022】
更なる好ましい実施態様において、nは、1〜14の値、好ましくは1〜11の値及び特に2〜8の値、特に好ましくは3、4、5、6及び7の値をとる。
【0023】
アミノアルキル基を含有する基は、好ましくはSi〜C結合を通じてケイ素原子に結合したアミノアルキル基である。しかしながら、アミノアルキル基を含有する基は、例えば、アミノアルコキシ基でもあり得る。
【0024】
アミノアルキル基を含有する基のアミノアルキル基は、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のC1-22アミノアルキル基である。これに関して、該アミノアルキル基は、特に好ましくはアミノメチル、アミノエチル、アミノ-n-プロピル、アミノ-イソ-プロピル、アミノ-n-ブチル、アミノ-イソ-ブチル及びアミノ-tert-ブチルから選択され、複数のアミノアルキル基が該化合物中に存在する場合、それらは、互いに独立して選択され得る。該アミノアルキル基は、必要に応じて、更なるヘテロ原子並びに環式又は芳香族基も含み得る。
【0025】
該ケイ素化合物に含まれる芳香アルコール基は、同一又は異なり得るが、好ましい実施態様においては、同一である。同様に、該ケイ素化合物に含まれるアミノアルキル基を含有する基は、複数存在する限りにおいて、同一又は異なり得る。ここで、含まれるアミノアルキル基を含有する基の全てが同一であることも好ましい。
【0026】
本発明の化合物は、低級アルコールからのアルコキシ基を有するアミノアルキル基置換ケイ素化合物を用いる芳香アルコールの簡単なエステル交換によって製造される。ここで、個々の芳香アルコール並びに芳香アルコールの混合物の両方を使用することができる。これらのようなエステル交換は、例えば、H. Steinmann、G. Tschernko及びH. Hamannによる文献Z. Chem. 3、1977年、第89〜92頁中に記載されているように行うことができる。反応時間及び条件に応じて、低級アルコールが除かれ、そして芳香アルコールが結合する。ここで、Si〜C結合を通じて結合したアミノアルキル基は保持される。該エステル交換反応は、単に、温度を高め、及び易揮発性副産物を留去することにより製造することができる;しかしながら、触媒が、好ましくは該エステル交換に使用される。使用される触媒は、典型的にルイス酸、好ましくはアルミニウムテトライソプロピレート、チタンテトライソプロピレート、四塩化ケイ素又は塩基触媒、或いは調製物、例えば塩化アルミニウムとフッ化カリウムとの調製物である。かくして形成されるケイ素化合物は、少なくとも部分的に芳香アルコール基及び/又は殺生物アルコール基又はこれら2つの組合せを含有する。しかしながら、得られる化合物は、通常、低級アルコールの残基も含有する。少量の水又は他のH-酸性化合物が製造の間に存在する場合、アルコール基はまた、OH基によって置換される。従って、本発明の化合物はまた、最終的に、置換基Rとしてヒドロキシル基も部分的に含有する。
【0027】
低級アルコールからのアルコキシ基を有するアミノアルキル基置換ケイ素化合物は、市販されている。ここで、該低級アルコール基は、通常、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール及びtert.-ブタノールからの群から選択される。従って、芳香アルコールと不完全にエステル交換されるケイ素化合物の合成は、置換基Rの一部が、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ及びtert.-ブトキシ基の群から選択される混合物を導く。このような化合物は本発明に好ましい。芳香アルコールとの反応に適当な出発化合物は、例えば、商品名
Geniosil(登録商標) GF 91(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、
Geniosil(登録商標) GF 92(N-シクロヘキシル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、
Geniosil(登録商標) GF 95(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン),
Geniosil(登録商標) GF 96(3-アミノプロピルトリメトキシシラン)又は
Geniosil(登録商標) XL 926(N-シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン)
のもと、Wacker Chemie(ブルクハウゼン、独国)から市販されている。
【0028】
アミノアルキル基を含有する基において、該アミノ基は、第一級、第二級又は第三級アミノ基であり得る。第一級アミノ基が好ましい。必要に応じて変性され得るけれども、好ましい実施態様において、該アミノ基は非変性状態で用いられる。これに関して、該アミノ基の第四級化及びアルデヒドとの反応によるシッフ塩基の形成は、化学的変性と考えられる。該アルデヒドは、好ましくは活性物質アルデヒド、特に芳香アルデヒド又は殺生物アルデヒドから選択される。
【0029】
本発明によれば、活性物質アルコールは、それらが含まれる組成物において、又は該組成物が付与された付与位置にて、所定の効果を発揮することを意図されたアルコールを意味すると理解される。これに関して、好ましい活性物質アルコールは、芳香アルコール及び殺生物アルコールである。「芳香アルコール」は、少なくとも1つのヒドロキシル基を含有し、及び芳香印象を伝える化合物であると理解される。一方、殺生物アルコールは、少なくとも1つのヒドロキシル基を含有し、及び殺生物活性を有するか、又は少なくとも細菌の増殖を阻害する化合物を意味すると理解される。
【0030】
以下の化合物は、芳香アルコールの例として挙げられ得る:10-ウンデセン-1-オール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール、2-メチルブタノール、2-メチルペンタノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルプロパノール、2-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、3-フェニルプロパノール、4-ヘプテノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、6,8-ジメチル-2-ノナノール、6-ノネン-1-オール、9-デセン-1-オール、α-メチルベンジルアルコール、α-テルピネオール、サリチル酸アミル、ベンジルアルコール、サリチル酸ベンジル、β-テルピネオール、サリチル酸ブチル、シトロネロール、サリチル酸シクロヘキシル、デカノール、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルヘプタノール、ジメチルオクタノール、サリチル酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、ヘプタノール、サリチル酸ヘキシル、イソボルネオール、イソオイゲノール、イソプレゴール、リナロール、メントール、ミルテノール、n-ヘキサノール、ネロール、ノナノール、オクタノール、パラ-メンタン-7-オール、フェニルエチルアルコール、フェノール、サリチル酸フェニル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、チモール、trans-2-cis-6-ノナジエノール、trans-2-ノネン-1-オール、trans-2-オクテノール、ウンデカノール、バニリン、シンナミルアルコール。ここで複数の芳香アルコールが存在する場合、それらは互いに独立して選択され得る。
【0031】
例示の殺生物アルコールは、シトロネロール、オイゲノール、ファルネソール、チモール及びゲラニオールである。更なる殺生物アルコールは、フェノキシエタノール、1,2-プロピレングリコール、グリセロール、クエン酸及びそのエステル、乳酸及びそのエステル、サリチル酸及びそのエステル、2-ベンジル-4-クロロフェノール及び2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)である。本発明において、ケイ素化合物の典型的なアルコキシ基として上記した低級アルコールは、殺生物アルコールとは考えられない。明らかに、メチル-、エチル-、n-プロピル-、イソ-プロピル-、n-ブチル-、イソ-ブチル-及びtert.-ブチルアルコールは、本発明に従って殺生物アルコールとは考えられない。一方、本発明によれば、アルコール官能基を有する古典的な殺生物剤は、それらの効果が他の官能基に起因する場合でさえも、明らかに殺生物アルコールであると考えられる。これらの例は、種々のブロモフェノール及びビフェニロール並びに少なくとも1つの長鎖アルキル基及びヒドロキシル基を含有する少なくとも1つのアルキル基を有する第四級アンモニウム化合物である。
【0032】
本発明によれば、活性物質アルデヒドは、それらが含まれる組成物において、又は該組成物が付与された付与位置にて、所定の効果を発揮することを意図されたアルデヒドを意味すると理解される。これに関して、好ましい活性物質アルデヒドは、芳香アルデヒド及び殺生物アルデヒドである。芳香アルデヒドは、芳香印象を伝えるアルデヒドであると理解される。一方、殺生物アルデヒドは、殺生物活性を有するアルデヒドを意味すると理解される。
【0033】
好ましい代表例は、芳香アルデヒドの広範な群から挙げられ得る:オクタナール、シトラール、メロナール、リリアール、フローラルオゾン、カントキサール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、3-(4-メトキシフェニル)-2-メチルプロパナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、2-フェニルプロパン-1-アール、3-フェニルプロパ-2-エン-1-アール、3-フェニル-2-ペンチルプロパ-2-エン-1-アール、3-フェニル-2-ヘキシルプロペン-2-アール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパン-1-アール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパン-1-アール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-プロパナール、3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-2-メチルプロパン-1-アール、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタン-1-アール、2,6-ジメチルヘプタ-5-エン-1-アール、n-デカナール、n-ウンデカナール、n-ドデカナール、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、4-メトキシベンズアルデヒド、3-メトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド及び3,4-ジメトキシベンズアルデヒド。
【0034】
更なる利用可能な芳香アルデヒドとして、以下が挙げられ得る:アドキサール、アニスアルデヒド、クマル、エチルバニリン、フロルヒドラール、ヘリオナール、ヘリオトロピン、ヒドロキシシトロネラール、コアフォン(koavon)、ラウリルアルデヒド、ライラール(lyral)、メチルノニルアセトアルデヒド、ブシナール、フェニルアセトアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、バニリン、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、3-ドデセン-1-アール、α-n-アミルシンナムアルデヒド、4-メトキシベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、3-(4-tert.-ブチルフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-パラメトキシフェニルプロパナール、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2(l)-シクロヘキセン-1-イル)ブタナール、3-フェニル-2-プロペナール、cis-/trans-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-アール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-アール、[(3,7-ジメチル-6-オクテニル)オキシ]アセトアルデヒド、4-イソプロピルベンズアルデヒド、1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフタルデヒド、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、1-デカナール、デシルアルデヒド、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、4-(トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]-デシリデン-8)-ブタナール、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1-インデンカルボキシアルデヒド、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒド、パラ-エチル-α,α-ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、α-メチル-3,4-(メチレンジオキシ)-ヒドロシンナムアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、α-n-ヘキシルシンナムアルデヒド、m-キュメン-7-カルボキシアルデヒド、α-メチルフェニルアセトアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、ウンデセナール、2,4,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、4-(3)(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、1-ドデカナール、2,4-ジメチル-シクロヘキセン-3-カルボキシアルデヒド、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタン-1-アール、2-メチルウンデカナール、2-メチルデカナール、1-ノナナール、1-オクタナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、2-メチル-3-(4-tert.-ブチル)プロパナール、ジヒドロシンナムアルデヒド、1-メチル-4-(4-メチル-3-ペンテニル)-3-シクロヘキセン-1-カルボキシアルデヒド、5-又は6-メトキシヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1又は2-カルボキシアルデヒド、3,7-ジメチルオクタン-1-アール、1-ウンデカナール、10-ウンデセン-1-アール、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、1-メチル-3-(4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール、trans-4-デセナール、2,6-ノナジエナール、パラ-トリルアセトアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル-ブテナール、オルト-メトキシシンナムアルデヒド、3,5,6-トリメチル-3-シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、3,7-ジメチル-2-メチレン-6-オクテナール、フェノキシアセトアルデヒド、5,9-ジメチル-4,8-デカジエナール、ペオニーアルデヒド(6,10-ジメチル-3-オキサ-5,9-ウンデカジエン-1-アール)、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1-カルボキシアルデヒド、2-メチルオクタナール、α-メチル-4-(1-メチルエチル)ベンゼンアセトアルデヒド、6,6-ジメチル-2-ノルピネン-2-プロピオンアルデヒド、パラ-メチルフェノキシアセトアルデヒド、2-メチル-3-フェニル-2-プロペン-1-アール、3,5,5-トリメチルヘキサナール、ヘキサヒドロ-8,8-ジメチル-2-ナフタルデヒド、3-プロピル-ビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-5-エン-2-カルバルデヒド、9-デセナール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタナール及びメチルノニルアセトアルデヒド。
【0035】
本発明に用いられるアルデヒドに関して、以下の文献が参照される:Steffen Arctander、Aroma Chemicals Vol. 1(1960年、再版2000) ISBN 0-931710-37-5及びAroma Chemicals Vol. 2(1969年、再版2000) ISBN 0-931710-38-3。
【0036】
以下の化合物を、殺生物アルデヒドの例として挙げることができる:ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、プロペナール(アクロレイン)、グリオキサール及びグルタルアルデヒド。
【0037】
本発明によれば、分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のアルキル又はアルコキシ基は、ヘテロ原子並びに環式及び芳香族基を含み得る全てのタイプのアルキル及びアルコキシ基を意味すると理解される。しかしながら、好ましい実施態様において、それらは、C1-4アルキル又はC1-4アルコキシ基である。C1-4アルコキシ基が特に好ましい。なぜなら、これらは、上記好ましい製造方法に起因して、好ましくは、必要に応じてヒドロキシル基に加えて、含まれ得るからである。
【0038】
芳香アルコールの遅延した放出は、洗剤及び洗浄剤において、並びに化粧品において、特に所望される。なぜなら、これらにおいては、より長い芳香印象が、付与位置にて、すなわち、処理された繊維製品にて、又は皮膚若しくは毛髪にて、達成されるべきであるからである。
【0039】
本発明のケイ素化合物は、それらの良好な加水分解安定性を特徴とし、また、水性媒体中で、又は顆粒の製造方法において、それにより過度の活性の損失を被ることなく、用いることができる。従って、液体洗剤及び洗浄組成物、例えば液体洗剤、布地柔軟剤、手による食器洗い用洗剤、硬質面用洗浄組成物、床洗浄剤などは、固体洗剤及び洗浄組成物、例えば粒状洗濯用洗剤、食器洗浄機用洗剤又はこすり磨き用組成物と同様に、考えられるものである。また、本発明のケイ素化合物は、皮膚及び毛髪ケア化粧品において使用することができる。また、これらは、液体調製物(例えばシャワーバス、脱臭剤及び毛髪シャンプー)及び固体調製物(例えば棒状石鹸)の両方であり得る。
【0040】
従って、本発明の更なる主題はまた、液体又は固体洗剤及び洗浄組成物における芳香剤としての本発明のケイ素化合物の使用、並びに皮膚又は毛髪ケア化粧品における芳香剤としての本発明のケイ素化合物の使用である。
【0041】
その結果として、本発明の更なる主題は、本発明のケイ素化合物を含む洗剤又は洗浄組成物並びに皮膚又は毛髪ケア化粧品である。
【0042】
洗剤及び洗浄組成物における、及び化粧品における使用のため、ケイ素化合物は、各々組成物全体に基づいて、好ましくは0.001〜10質量%の量、特に好ましくは0.01〜5質量%の量、特に0.02〜3質量%の量及び特に0.05〜2質量%の量で添加される。
【0043】
本発明のケイ素化合物は、単独の芳香剤として用いることができるが、本発明のケイ素化合物から部分的にのみなる芳香剤混合物を用いることもできる。このような混合物は、芳香アルコキシ形態で存在しない芳香剤混合物の成分が、芳香印象の持続性も改善するという利点を有する。従って、特に、1〜50質量%、好ましくは5〜40質量%及び特に最大30質量%の本発明のケイ素化合物を含む芳香剤混合物を用いることができる。特にエステル化芳香アルコールの遅延した芳香効果が利用されるべき他の実施態様において、該組成物中に含まれる香料全体の有利には少なくとも30質量%、好ましくは少なくとも40質量%及び特に少なくとも50質量%が、本発明の方法において、本発明のケイ素化合物を通じて該組成物中に配合される。一方、該組成物中に含まれる香料全体の残りの70質量%、好ましくは60質量%及び特に50質量%は、従来の方法で噴霧されるか、又は別の方法で該組成物中に配合される。本発明による使用はまた、本発明のケイ素化合物を、担体結合形態並びに非担体結合形態の両方で存在し得る他の芳香剤と一緒に用いることを特徴とし得る。
【0044】
これに関して、ケイ酸エステルとの組合せは、特に有利であることが分かった。上記したように、活性物質アルコールの長期間にわたる持続した均一な放出が、特に本発明のケイ素化合物とケイ酸エステルとの併用について、達成される。
【0045】
これに関して、該ケイ酸エステルは、好ましくは、一般式II:
【0046】
【化2】

【0047】
〔式中、R1及びR4は、互いに独立して、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のC1-6炭化水素基及び活性物質アルコール、特に芳香アルコール基及び殺生物アルコール基からなる群から選択され、
各R2及びR3は、互いに独立して、活性物質アルコール基、特に芳香アルコール基及び殺生物アルコール基からなる群から選択され、
また、異なるケイ素原子に結合した任意の2つの基R2及びR3は、これらの2つのケイ素原子の間の架橋酸素原子を表し得、及び
nは、2と20との間の値をとる。〕
で示される化合物である。本発明に好ましいケイ酸エステルに関して、特に特許WO00/14091及びWO01/68037が参照される。
【0048】
該組成物の香料総含量をケイ素化合物中に存在する香料及び従来のように配合された香料に分けることによって、本発明の使用を通じてのみ可能になる多くの生成物特性を実現することができる。従って、例えば、該組成物の香料総含量を2つの部分x及びy(高粘性香油、すなわち、余り揮発性でない香油からなる部分x、及びより揮発性の香油からなる部分y)に分けることが考えられる。
【0049】
今や、例えば、本発明のケイ素化合物を通じて導入される香料の百分率が、主として高粘性香料から構成される洗剤又は洗浄組成物を製造することができる。このように、処理された物品、より特には繊維製品を香付けることを意図した高粘性香料は、該生成物中に「保持され」、従って、それらの効果を主として処理された洗濯物上で発揮する。その一方、より易揮発性の香料は、該組成物自身のより強い芳香に貢献する。このように、組成物として、処理された物品の臭いとは異なる臭いを有する洗剤及び洗浄組成物を製造することもできる。調香師(perfumist)の創造性に関して実質的に制限はない。なぜなら、該組成物を香付けるために、第一に芳香物質の選択を通じて、及び第二に該組成物及び(該組成物を通じて)芳香物質で処理された物品中に芳香物質を配合するために使用される方法の選択を通じて、ほとんど制限のない可能性が存在するからである。
【0050】
もちろん、上記原則は、より易揮発性の芳香物質をケイ素化合物に配合し、そして余り揮発性でない高粘性芳香物質を該組成物上に噴霧するか、又はそうでなければ配合することによって、逆にすることもできる。このように、保存の間の及び輸送中のパーケージからのより易揮発性の芳香物質の損失は最小限化され、その一方、洗剤を特徴付ける芳香剤は、高粘性芳香物質によって決定される。
【0051】
この手順の唯一の制限は、本発明のケイ素化合物を介して導入される芳香剤が、芳香アルコールからの基から生じるということである。従来のように該組成物中に配合される芳香剤は、如何なる制限も受けない。従って、個々の芳香化合物、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素タイプの合成生成物を、香油又は芳香剤として使用することができる。エステルタイプの芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert.-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカービニル(DMBCA)、酢酸フェニルエチル、酢酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシナート、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸シクロヘキシル、フロラマット、メルサット(melusat)及びジャスメシクレート(jasmecyclate)である。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテル及びアンブロキサン;アルデヒドとしては、例えば、8〜18個の炭素原子を含有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リリアール及びブルジオナル;ケトンとしては、例えば、イオノン、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトン;アルコールとしては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオール;及び炭化水素としては、とりわけ、テルペン、例えばリモネン及びピネンが挙げられる。しかしながら、魅力のある芳香ノートを一緒になって製造する種々の芳香物質の混合物が、好ましくは使用される。
【0052】
このような香油は、植物源から得ることができるような天然の芳香物質混合物、例えばパイン油、シトラス油、ジャスミン油、パチョリ油、ローズ油又はイランイラン油を含有することもできる。また、適当なものは、マスカテルセイジ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、桂葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ローダナム油、橙花油、ネロリ油、橙皮油及びビャクダン油である。
【0053】
使用可能な香料の一般的な説明(上記参照)は、通常、芳香物質の異なる物質クラスを示す。芳香物質の揮発性は、その知覚可能性について重大であり、これにより、化学的化合物の官能基及び構造の性質に加えて、分子量も重要な役割を担う。従って、芳香物質の大部分は、200ダルトンまでの分子量を有し、及び300ダルトン以上の分子量は、全く例外である。芳香物質の異なる揮発性に起因して、複数の芳香物質から構成される香料又は芳香剤の香気は、蒸発の間に変化し、香気の印象は、「トップノート」、「ミドルノート」又は「ボディ」及び「エンドノート」又は「ドライアウト」に再分される。香気の知覚は、香気の強度に大きく依存するので、香料又は芳香剤のトップノートは、高度に揮発性の化合物のみからなるのではなく、その一方、エンドノートは、余り揮発性でない、すなわち、高粘性芳香物質から大部分がなる。香料の組成物において、より揮発性の芳香物質が、例えば、特定の固定剤上に結合され得、それによって、それらの迅速な蒸発が妨げられる。上記の本発明の実施態様(より易揮発性の芳香物質又は芳香剤が本発明のケイ素化合物中に配合されているもの)は、このような芳香物質を固定する方法の一つである。「より揮発性」又は「高粘性」芳香物質への芳香物質の以下の再分において、香気印象について、更に、関連する芳香物質がトップノート又はボディノートとして認められるか否かについては、言及していない。
【0054】
本発明において使用し得る例示の高粘性芳香物質は、エーテル油、例えば、アンジェリカルート油、アニシード油、アルニカフラワー油、バジル油、ベー油、ベルガモット油、チャムパックス(champax)ブロッサム油、銀モミ油、銀モミ実油、エレミ油、ユーカリ油、フェンネル油、松葉油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ジンジャーグラス油、ユソウボク油、インディアンウッド油、ヘリクリサム油、ホー油、ジンジャー油、イリス油、カヤプト油、ショウブ油、カモミール油、カンファー油、カノーガ(Canoga)油、カルダモン油、カッシア油、オオシウアカマツ油、コパイババルサム油、コリアンダー油、スペアミント油、キャラウェイ油、クミン油、ラベンダー油、レモングラス油、リメット油、マンダリン油、メリッサ油、アンバーシード油、ミルラ油、丁子油、ネロリ油、ニアウリ油、オリバナム油、オレンジ油、ハナハッカ油、パルマローザ油、パチョリ油、ペルーバルサム油、プチグレイン油、ペッパー油、ペパーミント油、ピメント油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、サンダルウッド油、セロリシード油、ラベンダースパイク油、シキミ油、テレビン油、ニオイヒバ油、タイム油、バーベナ油、ベチベル油、ジュニパーベリー油、ニガヨモギ油、冬緑油、イランイラン油、イソップ(ysop)油、シナモン油、桂葉油、シトロネラ油、シトラス油及びサイプレス油である。しかしながら、本発明において、天然又は合成起源のより高沸騰性の又は固体の芳香物質は、高粘性芳香物質又はそれらの混合物、すなわち、芳香剤として使用することができる。これらの化合物としては、以下の化合物及びそれらの混合物が挙げられる:アンブレトリド、α-アミルシンナムアルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、アニソール、メチルアンスラニレート、アセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンズアルデヒド、安息香酸エチル、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、ギ酸ベンジル、吉草酸ベンジル、ボルネオール、酢酸ボルニル、α-ブロモスチレン、n-デシルアルデヒド、n-ドデシルアルデヒド、オイゲノール、オイゲノールメチルエーテル、オイカリプトール、ファルネソール、フェンチョン、酢酸フェンキル、酢酸ゲラニル、ギ酸ゲラニル、ヘリオトロピン、メチルヘプチンカルボキシレート、ヘプタルデヒド、ハイドロキノンジメチルエーテル、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシシンナミルアルコール、インドール、イロン、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、イソサフロール、ジャスモン、カンファー、カルバクロール、カルボン、p-クレゾールメチルエーテル、クマロン、p-メトキシアセトフェノン、メチル-n-アミルケトン、メチルアントラニル酸メチルエステル、p-メチルアセトフェノン、メチルカビコール、p-メチルキノリン、メチル-β-ナフチルケトン、メチル-n-ノニルアセトアルデヒド、メチル-n-ノニルケトン、ムスコン、β-ナフトールエチルエーテル、β-ナフトールメチルエーテル、ネロール、ニトロベンゼン、n-ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、n-オクチルアルデヒド、p-オキシアセトフェノン、ペンタデカノリド、β-フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニル酢酸、プレゴン、サフロール、サリチル酸イソアミル、サリチル酸メチル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サンタロール、スカトール、テルピネオール、チミン、チモール、γ-ウンデカラクトン、バニリン、ベラトラムアルデヒド、シンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、桂皮酸、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジル。
【0055】
易揮発性芳香物質としては、特に、単独又は混合物で使用できる天然又は合成起源の低沸点芳香物質が挙げられる。例示の易揮発性芳香物質は、ジフェニルオキシド、リモネン、リナロール、酢酸リナリル及びプロピオン酸リナリル、メルサット、メントール、メントン、メチルn-ヘプテノン、ピネン、フェニルアセトアルデヒド、酢酸テルピニル、シトラール、シトロネラールである。
【0056】
本発明の洗剤又は洗浄組成物は、例えば、液体又はゲル形態の組成物、特に液体洗剤又は食器洗浄機用液体洗剤又は洗浄剤ゲル、特にトイレ濯ぎ用のゲル形態の洗浄剤であり得る。
【0057】
更に、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、例えば、硬質面用の液体又はゲル状洗浄剤からなる群からの洗浄剤、特にいわゆる万能洗浄剤、床又は浴室洗浄剤、並びに万能洗浄剤の酸性又はアルカリ性形態を含むこのタイプの洗浄剤の特別な実施態様、同様にいわゆる抗雨効果を有するガラス洗浄剤であり得る。
【0058】
液体洗剤又は洗浄組成物のために、特に、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、複数の相、特に2相を有する洗浄組成物であり得る。
【0059】
しかしながら、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、粉末状又は粒状組成物でもあり得る。更に、本発明の洗剤又は洗浄組成物は、好ましくは単相又は複数の相、特に2又は3つの異なる相からなり得るタブレットとしての、成形品の形態などであり得る。
【0060】
本発明の化粧品組成物は、界面活性剤を含有し、及びケラチン繊維(特に人毛)を処置するのに、又は皮膚を処置するのに特に適当な水性調製物であり得る。しかしながら、本発明の化粧品組成物は、例えば界面活性成分を含有する成形品でもあり得る。特定の実施態様において、本発明の化粧品組成物は、体臭に影響を及ぼすための組成物(特に脱臭剤)、又は、好ましくは少なくとも1つのポリウレタンを含んでなる、セット用ポリマーを含有する毛髪セット用組成物であり得る。
【0061】
芳香剤に加えて、本発明の洗剤及び洗浄組成物は、このような組成物の従来の成分を明らかに含有し得る。本発明において、主として界面活性剤、ビルダー並びに漂白剤、酵素及び他の活性物質が挙げられるべきである。これに関して、洗剤及び洗浄組成物の鍵となる成分としては、特に界面活性剤が挙げられる。
【0062】
本発明の組成物のために選択される界面活性剤含量は、所望の用途に従って比較的高く又は低くなるであろう。洗剤の界面活性剤含量は、通常、10質量%と40質量%との間、好ましくは12.5質量%と30質量%との間、より特には15質量%と25質量%との間であり、一方、食器洗浄機用洗剤は、0.1質量%と10質量%との間、好ましくは0.5質量%と7.5質量%との間、より特には1質量%と5質量%との間の界面活性剤を含有する。
【0063】
これらの界面活性物質は、アニオン性、非イオン性、双性イオン性又はカチオン性界面活性剤からなる群から生じる。アニオン性界面活性剤は、経済的理由から、及び洗い及び洗浄におけるそれらの性能スペクトルのために、顕著に好ましい。。
【0064】
適当なアニオン性界面活性剤の例は、スルホネート型及びスルフェート型の界面活性剤である。適当なスルホネート型の界面活性剤は、有利には、C9-13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、即ちアルケンスルホネートとヒドロキシアルカンスルホネートとの混合物、並びにジスルホネートであり、これらは、例えば、末端又は内部二重結合を有するC12-18-モノオレフィンを、三酸化硫黄ガスでスルホン化し、続いてスルホン化生成物をアルカリ又は酸加水分解することによって得られる。C12-18アルカンを、例えば、スルホ塩素化又はスルホ酸化し、続いて加水分解又は中和することによって得られるアルカンスルホネートも適している。α-スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココ酸、パーム核酸又は獣脂酸のα-スルホン化メチルエステルも同様に適している。
【0065】
更に適当なアニオン性界面活性剤は、グリセリンの硫酸化脂肪酸エステルである。それらは、1〜3モルの脂肪酸によるモノグリセリンのエステル化、又は0.3〜2モルのグリセリンによるトリグリセリドのエステル交換によって得られる、モノエステル、ジエステル、トリエステル、及びそれらの混合物を含む。この場合、好ましいグリセロールの硫酸化脂肪酸エステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸の硫酸化生成物である。
【0066】
好ましいアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12〜C18脂肪アルコール、例えば、ココナッツ脂肪アルコール、獣脂アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール又はステアリルアルコール、或はC10〜C20オキソアルコールから誘導された硫酸半エステル、並びにこれらの鎖長の二級アルコールの硫酸半エステルの、アルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。また、石油化学に基づいて生成される合成直鎖アルキル基を含有し、脂肪化学原料に基づく適当な化合物に類似した分解挙動を示す、上記鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートも好ましい。洗濯特性から、C12〜C16-アルキルスルフェート、C12〜C15-アルキルスルフェート及びC14〜C15-アルキルスルフェートが好ましい。米国特許第3,234,258号又は同第5,075,041号に従って製造され、商品名DAN(登録商標)でShell Oil Company から得られる2,3-アルキルスルフェートも、適当なアニオン性界面活性剤である。
【0067】
1〜6モルのエチレンオキシドでエトキシル化された直鎖状又は分枝C7-21アルコール、例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を有する2-メチル分枝C9-11アルコール、又は1〜4EOを有するC12-18脂肪アルコールから誘導された、硫酸モノエステルも適当である。その高い発泡挙動故に、それらは、洗浄組成物において極めて少量でのみ、例えば1〜5質量%の量で使用される。
【0068】
他の適当なアニオン性界面活性剤は、スルホスクシネート又はスルホコハク酸エステルとも称される、アルキルスルホコハク酸塩、及びスルホコハク酸とアルコール(好ましくは脂肪アルコール、特にエトキシル化脂肪アルコール)とのモノエステル及び/又はジエステルである。好ましいスルホスクシネートは、C8-18脂肪アルコール基又はその混合物を含有する。特に好ましいスルホスクシネートは、エトキシル化脂肪アルコールから誘導された脂肪アルコール基を含み、非イオン性界面活性剤と見なされ得る(下記参照)。これについて、特に好ましいスルホスクシネートは、その脂肪アルコール基が、狭い同族体分布を有するエトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシネートである。アルキル(アルケニル)鎖に好ましくは8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸又はその塩を使用することもできる。
【0069】
更なるアニオン性界面活性剤として、特に石鹸が考えられる。飽和脂肪酸石鹸が適当であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、水素化エルカ酸及びベヘン酸の塩、並びに、特に天然脂肪酸、例えばココナッツ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸又は獣脂脂肪酸から誘導される石鹸混合物である。
【0070】
石鹸を含むアニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩の状態で、或いは有機塩基、例えば、モノ-、ジ-又はトリエタノールアミンの可溶性塩として、存在することができる。好ましくは、アニオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩又はカリウム塩、特にナトリウム塩の状態で存在する。
【0071】
アニオン性界面活性剤の選択に関する限り、処方の自由を制限する基本的な制限は存在しない。しかしながら、好ましい洗剤組成物は、やはり、工程d)で製造される洗剤及び洗浄組成物の総質量に基づいて0.2質量%を超える石鹸含量を有する。好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート及び脂肪アルコールスルフェートであり、好ましい洗剤タブレットは、組成物の質量に基づいて、2〜20質量%、好ましくは2.5〜15質量%及びより好ましくは5〜10質量%の脂肪アルコールスルフェートを含有する。
【0072】
好ましい非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルコキシル化、有利にはエトキシル化された、好ましくは8〜18個の炭素原子、及びアルコール1モルあたり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を含む第一級アルコールである。アルコール基は、直鎖状又は好ましくは2-メチル分枝であってよく、或いはオキソアルコール基に通常存在しているように直鎖基及びメチル分枝基の混合物を含んでもよい。しかしながら、特に好ましいアルコールエトキシレートは、12〜18個の炭素原子を含む天然起源アルコール(例えば、ココアルコール、パームアルコール、獣脂アルコール又はオレイルアルコール)の直鎖基、及びアルコール1モルあたり平均2〜8個のEOを有する。好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EO又は4EOを有するC12-14-アルコール、7EOを有するC9-11-アルコール、3EO、5EO、7EO又は8EOを有するC13-15-アルコール、3EO、5EO又は7EOを有するC12-18-アルコール及びそれらの混合物、並びに3EOを有するC12-14-アルコールと5EOを有するC12-18-アルコールとの混合物を含む。上記のエトキシル化度は統計的な平均値であり、特定の生成物において、整数又は分数であり得る。好ましいアルコールエトキシレートは、狭い同族分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12個を超えるEOを含む脂肪アルコールもまた使用できる。このような脂肪アルコールの例は、14EO、25EO、30EO又は40EOを有する獣脂脂肪アルコールである。
【0073】
単一の非イオン性界面活性剤として、又は他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される好ましい非イオン性界面活性剤のその他の種類は、好ましくはアルキル鎖に1〜4個の炭素原子を有するアルコキシル化、好ましくはエトキシル化、又はエトキシル化及びプロポキシル化脂肪酸アルキルエステルであり、より好ましくは、例えば特開昭58-217598号公報に記載されているか又はWO 90/13533に記載の方法によって好ましくは製造される脂肪酸メチルエステルである。
【0074】
また、有利に使用し得る更なる非イオン性界面活性剤その他の種類は、アルキルポリグリコシド(APG)である。適当なアルキルポリグリコシドは、一般式RO(G)z[式中、Rは、8〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する、直鎖状又はメチル分枝、好ましくは2-メチル分枝の、飽和又は不飽和の脂肪族基を意味し、及びGは、5又は6個の炭素原子を含有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表す。]を満たす。グリコシル化度zは、1.0と4.0との間、好ましくは1.0と2.0との間、特には1.1と2.0との間である。
【0075】
直鎖状アルキルポリグリコシドが好ましくは用いられ、それらは、ポリグリコシル基がグルコース基であり、及びアルキル基がn-アルキル基であるアルキルポリグリコシドである。
【0076】
界面活性剤顆粒は、好ましくはアルキルポリグリコシドを含有し得る。成形品全体に基づいて0.2質量%を超えるAPG含量が好ましい。特に好ましい洗剤成形品は、APGを0.2〜10質量%の量、好ましくは0.2〜5質量%の量及び特に0.5〜3質量%の量で含有する。
【0077】
アミンオキシド型の非イオン性界面活性剤、例えば、N-ココアルキル-N,N-ジメチルアミンオキシド及びN-獣脂アルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド、並びに脂肪酸アルカノールアミドも適当であり得る。これらの非イオン性界面活性剤の使用量は、好ましくは、エトキシル化脂肪アルコールの使用量を上回らず、特に、エトキシル化脂肪アルコールの使用量の半分を上回らない。
【0078】
他の適当な界面活性剤は、式(III):
【0079】
【化3】

【0080】
〔式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を含む脂肪族アシル基、R1は、水素、1〜4個の炭素原子を含むアルキル又はヒドロキシアシル基、[Z]は、3〜10個の炭素原子及び3〜10個のヒドロキシル基を含む、直鎖状又は分枝状ポリヒドロキシアルキル基である。〕
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知の物質であり、一般に、還元糖をアンモニア、アルキルアミン又はアルカノールアミンで還元アミノ化し、続いて、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸塩化物でアシル化することによって得られる。
【0081】
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、式(IV):
【0082】
【化4】

【0083】
〔式中、Rは、7〜12個の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状のアルキル又はアルケニル基、R1は、2〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝状又は環式のアルキル基又はアリール基、R2は、1〜8個の炭素原子を有する直鎖、分枝状又は環式のアルキル基又はアリール基又はオキシアルキル基(C1-4アルキル又はフェニル基が好ましい)、及び[Z]は、直鎖ポリヒドロキシアルキル基(このアルキル鎖は、少なくとも2つのヒドロキシル基によって置換されている。)又は当該基のアルコキシル化、好ましくはエトキシル化又はプロポキシル化誘導体である。〕
で示される化合物も含む。
【0084】
[Z]は、好ましくは、還元糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース又はキシロースの還元アミノ化によって得られる。そして、N-アルコキシ-又はN-アリールオキシ-置換化合物を、例えばWO 95/07331の教示に従って、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルと反応させることによって所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0085】
本発明の洗剤及び洗浄組成物の成分の別の重要な群は、ビルダーである。この物質のクラスは、有機ビルダー及び無機ビルダーの両方を包含すると理解される。これらは、本発明の組成物において担体機能を発揮し、並びに使用時に水軟化物質として作用し得る化合物である。
【0086】
有用な有機ビルダーは、例えば、ナトリウム塩の形態で使用できるポリカルボン酸であり、これに関してポリカルボン酸は、2個以上の酸官能基を有するカルボン酸であると理解される。これは、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)(その使用が生態学的に安全であることを条件とする)、及びそれらの混合物を包含する。好ましい塩は、ポリカルボン酸、例えば、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、糖酸の塩及びそれらの混合物である。酸それ自体を使用することもできる。そのビルディング(building)作用に加えて、酸は、一般に酸性化成分の特性をも有し、従って、比較的低い及び中等度のpHを、本発明の洗剤及び洗浄組成物において確立する作用もする。クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸及びそれらの任意混合物が、これに関して特に挙げられる。
【0087】
他の適当なビルダーは、ポリマーポリカルボキシレート、すなわち、例えば、ポリアクリル酸又はポリメタクリル酸のアルカリ金属塩、例えば相対分子量500〜70,000 g/モルの該アルカリ金属塩である。この物質クラスは、上記でより詳細に説明した。(共)重合ポリカルボキシレートは、粉末又は水溶液として添加できる。本発明の組成物の(共)重合ポリカルボキシレート含有量は、好ましくは0.5〜20質量%、特に3〜10質量%である。
【0088】
水溶性を向上させるために、ポリマーは、アリルスルホン酸、例えば欧州特許EP-B-0727448に記載のアリルオキシベンゼンスルホン酸及びメタリルスルホン酸をもモノマーとして含有し得る。また、2つより多くの異なるモノマー単位から構成される生分解性ポリマー、例えば、モノマーとして、アクリル酸塩及びマレイン酸塩並びにビニルアルコール又はビニルアルコール誘導体を含有するポリマー、又は、モノマーとして、独国特許DE〜C-42 21 381中に記載のアクリル酸塩及び2-アルキルアリルスルホン酸塩並びに糖誘導体を含有するポリマーも特に好ましい。更なる好適なコポリマーは、独国特許出願DE-A-43 03 320及びDE-A-44 17 734中に記載されるようなもの、及び好ましくは、モノマーとして、アクロレインとアクリル酸/アクリル酸塩、又はアクロレインと酢酸ビニルを有するものである。同様に、他の好適なビルダーは、アミノジカルボン酸ポリマー、その塩又はその前駆物質である。ポリアスパラギン酸又はその塩が特に好ましい。コビルダー特性に加えて漂白安定化作用をも有することから、独国特許出願公開DE-A-19540086号に開示されているポリアスパラギン酸又はそれらの塩及び誘導体が特に好ましい。
【0089】
更なる適当なビルダーは、ポリアセタールである。これは、例えば欧州特許出願EP-A-0 280 223に記載されているように、ジアルデヒドと、5〜7個の炭素原子と少なくとも3つの水酸基を有するポリオールカルボン酸を反応させることにより得られ得る。好適なポリアセタールは、ジアルデヒド(例えば、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、及びそれらの混合物)から、及び、ポリカルボン酸(例えば、グルコン酸及び/又はグルコヘプトン酸)から得られる。
【0090】
更なる適当な有機ビルダーは、デキストリン、例えば、デンプンの部分加水分解により得られ得る、炭水化物のオリゴマー又はポリマーである。加水分解は、通例の方法、例えば、酸触媒法又は酵素触媒法に従って行われ得る。加水分解産物は、好ましくは400〜500,000 g/モルの範囲の平均分子量を有する。好ましくは0.5〜40(特には2〜30)の範囲のデキストロース当量(DE)を有する多糖が挙げられる。ここで、DEは、デキストロース(DEが100)と比較した多糖の還元作用の一般的な尺度である。3と20の間のDEを有するマルトデキストリン及び20と37の間のDEを有する乾燥グルコースシロップ、及び、2,000〜30,000 g/モルの比較的高分子量を有する、黄色デキストリン及び白色デキストリンも使用することができる。好ましいデキストリンは、英国特許出願94 19 091中に記載されている。このようなデキストリンの酸化誘導体は、糖環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基に酸化することができる酸化剤との、それらの反応生成物である。このような酸化デキストリン及びそれらの製造方法は、例えば、欧州特許出願EP-A 0 232 202、EP-A 0 427 349、EP-A 0 472 042及びEP-A 0 542 496並びに国際特許出願WO 92/18542、WO 93/08251、WO 93/16110、WO 94/28030、WO 95/07303、WO 95/12619及びWO 95/20608から既知である。独国特許出願DE-A 196 00 018による酸化オリゴ糖も適当である。糖環のC6が酸化された生成物が特に有利であり得る。
【0091】
また、オキシジスクシナート及びジスクシナートの他の誘導体(好ましくは、エチレンジアミンジスクシナート)も更なる適当なコビルダーである。この場合、エチレンジアミン-N,N'-ジスクシナート(EDDS)(その合成法は、例えば米国特許US-A 3 158 615に記載されている)は、好ましくは、そのナトリウム塩又はマグネシウム塩の形態で使用される。これに関連して、例えば米国特許US 4 524 009、US4 639 325、欧州特許出願 EP-A 0 150 930及び日本特許出願JP 93/339896に記載されている、グリセロールジスクシナート及びグリセロールトリスクシナートも特に好ましい。ゼオライト含有及び/又はケイ酸塩含有処方物中の適当な使用量は、3質量%と15質量%の間である。
【0092】
他の有用な有機コビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸及びその塩である。これは、ラクトン形態でも存在し得る。これは、少なくとも4個の炭素原子と、少なくとも1個の水酸基と、最大2個の酸基を含有する。このようなコビルダーは、例えば、国際特許出願WO 95/20029中に記載されている。
【0093】
ホスホネートは、コビルダー特性を有する他の種類の物質である。特に、それらは、ヒドロキシアルカンホスホネート又はアミノアルカンホスホネートである。ヒドロアルカンホスホネートの中で、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホネート(HEDP)は特に重要なコビルダーである。それは、ナトリウム塩、中性反応性二ナトリウム塩及びアルカリ反応性四ナトリウム塩(pH=9)として一般に添加される。エチレンジアミンテトラメチレンホスホネート(EDTMP)、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホネート(DTPMP)及びそれらの高級同族体を、アミノアルカンホスホネートとして選択するのが好ましい。それらは、中性反応性ナトリウム塩の形態で、例えば、EDTMPの六ナトリウム塩、又はDTPMPの七及び八ナトリウム塩として添加するのが好ましい。ホスホネートのうち、HEDPをビルダーとして使用するのが好ましい。アミノアルカンホスホネートは、重金属を錯化する顕著な能力をも有する。従って、特に、本発明の剤が漂白剤をも含有する場合、アミノアルカンホスホネート、特にDTPMP、又は上記ホスホネートの混合物を使用することが好適であり得る。
【0094】
更に、アルカリ土類金属イオンとの錯体を形成し得るあらゆる化合物を、コビルダーとして使用することができる。
【0095】
好ましい適当な無機ビルダーは、結合水含有の微細結晶質合成ゼオライトである。適当な結合水含有の微細結晶性合成ゼオライトのなかでも、ゼオライトA及び/又はPが好ましい。ゼオライトMAP、例えばDoucil A24(登録商標)(Crosfield社の市販品Doucil A24)などがゼオライトPとして使用される。しかしながら、ゼオライトX並びにA、X及び/又はPの混合物も好適である。例えば、ゼオライトA及びXの共結晶化物、商品名VEGOBOND AX(登録商標)(CONDEA Augusta S.p.A.の市販品)も好ましい。ゼオライトは、噴霧乾燥粉末或いはその製造からの非乾燥でなお湿った形態、安定化懸濁液として、用いることができる。ゼオライトが懸濁液として添加される場合、これは、安定剤として、少量の非イオン性界面活性剤、例えばゼオライトに基づいて1〜3質量%の、2〜5個のエチレンオキシド基を有するエトキシレート化C12〜C18脂肪アルコール、4〜5個のエチレンオキシド基を有するC12〜C14脂肪アルコール又はエトキシレート化イソトリデカノールを含有し得る。好適なゼオライトは、平均粒度10 μm未満(体積分布;コールターカウンター法で測定)を有し、好ましくは18〜22質量%、特に20〜22質量%の結合水を含有する。好ましい実施態様において、ゼオライトは、プレミックス中に10〜94.5質量%の量で含有される。ゼオライトが20〜70質量%、特に30〜60質量%の量で含有される場合、特に好適であり得る。
【0096】
ゼオライトに対する適当な部分置換物は、天然及び合成起源の層状シリケートである。これらの層状シリケートのタイプは、例えば、特許出願DE-B-23 34 899、EP-A-0 026 529及びDE-A-35 26 405から既知である。それらの有用性は、特別な組成物又は構造式に限定されない。しかしながら、スメクタイト、特にベントナイトが好ましい。一般式NaMSixO2x+1 7H2O〔式中、Mはナトリウム又は水素であり、xは1.9〜4の数であり、及びyは0〜20の数であり、及びxについての好ましい値は2、3又は4である。〕で示される適当な結晶性層状ケイ酸ナトリウムも、ゼオライト又はホスフェートを置換するのに適当である。結晶性層状シリケートのこれらのタイプは、例えば、欧州特許出願EP-A-0 164 514中に記載されている。好ましい上記式で示される結晶性層状シリケートは、Mがナトリウムを意味し、及びxが2又は3の値をとるものである。β-並びにδ-二ケイ酸ナトリウム(Na2Si2O5・yH2O)の両方が特に好ましい。
【0097】
好ましいビルダーは、係数(Na2O/SiO2の比)が約1:2〜約1:3.3、好ましくは約1:2〜1:2.8、より好ましくは約1:2〜1:2.6である、無定形ケイ酸ナトリウムであって、これは、遅延溶解によって、多数回洗濯サイクル特性を示す。通常の無定形ケイ酸ナトリウムについて、遅延溶解は、表面処理、コンパウンド化処理、圧縮または過乾燥のような、種々の方法で得ることができる。本明細書に用いられる「無定形」なる用語は、「X線無定形」を意味する。すなわち、ケイ酸塩は、X線回折実験において、結晶性物質に典型的である鋭敏なX線反射を全く示さず、せいぜい、数度の回折角度幅を有する散乱X線の最大値を1つまたはそれ以上示すだけである。しかしながら、電子回折実験において、ケイ酸塩粒子が湾曲した回折最大値または鋭敏な回折最大値を形成する場合でも、特に良好なビルダー特性を達成することができる。これは、生成物の微結晶域が寸法10〜数百 nmであることを意味するものと、解釈され、その寸法は、最大50 nmまで、特に、最大で20 nmまでのものが好ましい。以上のようないわゆるX線無定形ケイ酸塩は、通常の水ガラスよりも遅延した溶解特性を示し、例えば、独国特許出願DE-A-44 00 024に記載されている。圧縮無定形ケイ酸塩、コンパウンド化無定形ケイ酸塩および過乾燥X線無定形ケイ酸塩が特に好適であり、過乾燥ケイ酸塩は、特に好ましくは、本発明の顆粒において担体として存在するか、または本発明の方法において担体として使用される。
【0098】
当然、通常の既知のホスフェートも、それらの使用が生態学的理由から回避すべきでない限り、ビルダーとして添加することができる。オルトホスフェートのナトリウム塩、ピロホスフェートのナトリウム塩及び特にトリポリホスフェートのナトリウム塩が特に適当である。それらの含量は、完成した組成物に基づいて、通常25質量%以下、好ましくは20質量%以下である。幾つかの場合において、特に、完成した組成物に基づいて最大10質量%までの低量のトリポリホスフェートは、他のビルダーと組み合わせて、二次洗浄力の相乗的改善を導くことが示されている。
【0099】
上記した成分に加えて、本発明の洗剤及び洗浄剤組成物は、漂白剤、漂白活性剤、酵素、pH調整剤、蛍光剤、発泡抑制剤、シリコーン油、再沈着防止剤、蛍光増白剤、灰色化抑制剤、色移り抑制剤、防食剤及び銀防食剤からなる群からの1以上の物質を含有し得る。これらの物質を以下に記載する。
【0100】
漂白剤として役立つ、H2O2を水中に放出する化合物のうち、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び過炭酸ナトリウムが、特に重要である。使用し得る更なる漂白剤は、例えば、ペルオキシピロリン酸塩、クエン酸塩過水和物及びH2O2放出型過酸塩又は過酸、例えば過安息香酸塩、ペルオキソフタル酸塩、ジペルアゼライン酸、フタロイミノ過酸又はジペルドデカン二酸である。また、漂白剤を用いる場合、界面活性剤及び/又はビルダーを除くことができ、これにより、純粋な漂白剤タブレットを製造することができる。このような漂白剤タブレットを繊維製品の洗濯に使用する必要がある場合、過炭酸ナトリウムと、セスキ炭酸ナトリウムとの組合せが、タブレットに含まれる他の成分に拘わらず、好適に使用される。食器洗浄機用に洗浄剤又は漂白剤タブレットを製造する場合、有機漂白剤からなる群から選ばれる漂白剤を使用することができる。代表的な有機漂白剤は、ジアシルペルオキシド、例えばジベンゾイルペルオキシドである。更なる代表的な有機漂白剤は、ペルオキシ酸であり、そのうち、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸が特に例示される。配合し得る好適な代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸、及びペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノ過フタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸(フタルイミノペルオキシヘキサン酸(PAP))、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミド過アジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、及び(c)脂肪族及びアリール脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイル-ジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0101】
塩素又は臭素放出物質も、漂白剤として、自動食器洗浄機用組成物に配合することができる。適当な塩素又は臭素放出物質は、例えば、複素環式N-ブロマミド及びN-クロラミド、例えばトリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジブロモイソシアヌル酸及び/又はジクロロイソシアヌル酸(DICA)及び/又はそれらのカチオン(例えばカリウム及びナトリウム)含有塩を包含する。1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントインのようなヒダントイン化合物も適当である。
【0102】
本発明の洗剤及び洗浄剤は、60℃以下の温度で洗濯または洗浄する場合の改善された漂白活性を実現するために、漂白活性剤を含有することもできる。使用し得る漂白活性剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸、及び/又は置換されていてよい過安息香酸を生じる化合物である。上記の数の炭素原子を有するO-アシル基及び/又はN-アシル基、及び/又は置換されていてよいベンゾイル基を有する物質が適している。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイルオキシベンゼンスルホネート又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-NOBS又はイソ-NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフランが好ましい。
【0103】
従来の漂白活性剤に加えて又は代えて、いわゆる漂白触媒も、配合してよい。これらの物質は、漂白促進遷移金属塩又は遷移金属錯体、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ルテニウム又はモリブデンのサレン錯体又はカルボニル錯体である。窒素含有三脚型配位子によるマンガン、鉄、コバルト、ルテニウム、モリブデン、チタン、バナジウム及び銅の錯体、並びにコバルト、鉄、銅及びルテニウムのアミン錯体も、漂白触媒として使用してよい。
【0104】
適当な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ又はこれらの混合物の種類の酵素である。バシラス・スブチリス(Bacillus subtilis)、バシラス・リシェニフォルミス(Bacillus licheniformis)及びストレプトミセス・グリシー(Streptomyceus griseus)のような細菌源又は真菌から得られる酵素活性物質が、特に適当である。サブチリシン型プロテアーゼ、特にバシラス・レントゥス(Bacillus lentus)から得られるプロテアーゼが好ましく使用される。本発明では、下記例のような酵素の混合物が特に重要である:プロテアーゼとアミラーゼの混合物、プロテアーゼとリパーゼの混合物、プロテアーゼとセルラーゼの混合物、セルラーゼとリパーゼの混合物、プロテアーゼとアミラーゼとリパーゼの混合物、プロテアーゼとリパーゼとセルラーゼの混合物、しかしながら、特にはセルラーゼ含有混合物。特定の場合には、ペルオキシダーゼ又はオキシダーゼが適当であることもわかった。早すぎる分解から酵素を保護するため、酵素を、担体上に吸着するか及び/又はカプセル物質内に内蔵することもできる。本発明の成形品中の酵素、酵素混合物又は酵素顆粒の含有量は、例えば、約0.1〜5質量%であり得、好ましくは0.1〜約2質量%であり得る。最も頻繁に使用される酵素としては、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ及びプロテアーゼが挙げられる。好ましいプロテアーゼは、例えば、Biozym CompanyからのBLAP(登録商標) 140、Solvay EnzymesからのOptimase(登録商標) M-440及びOpticlean(登録商標) M-250;Gist BrocadesからのMaxacal(登録商標)CX及びMaxapem(登録商標)又はEsperase(登録商標)或いはNovo CompanyからのSavinase(登録商標)である。特に適当なセルラーゼ及びリパーゼは、Novo Nordisk CompanyからのCelluzym(登録商標) 0.7 T及びLipolase(登録商標) 30 Tである。Novo CompanyからのDuramyl(登録商標)及びTermamyl(登録商標) 60 T、及びTermamyl(登録商標) 90 T、Solvay Emzymesからのアミラーゼ-LT(登録商標)又はGist BrocadesからのMaxamyl(登録商標) P5000は、アミラーゼとして特定の使用が見出される。他の酵素も使用できる。
【0105】
更に、本発明の洗剤及び洗浄組成物は、洗濯によって繊維製品から油脂分を除去するのを促進する効果を有する成分(いわゆる、汚れ防止剤)を含むことができる。この効果は、このような油脂分溶解成分を含む本発明の洗剤によって既に反復して洗濯した繊維製品が汚れた場合に、特に明らかである。好適な油脂分溶解成分には、例えば非イオン性セルロースエーテル、例えば、メチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロース(非イオン性セルロースエーテル量を基準に、15〜30質量%のメトキシ基及び1〜15質量%のヒドロキシプロピル基を含む)、及び従来から既知のフタル酸及び/又はテレフタル酸ポリマー及びそれらの誘導体、特にエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレングリコールテレフタレートのポリマー及びそれらのアニオン化及び/又は非イオン化変性誘導体が包含される。これらのうち、フタル酸及びテレフタル酸ポリマーのスルホン化誘導体が、特に好適である。
【0106】
該剤は、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体又はそのアルカリ金属塩を含み得る。適当な蛍光増白剤は、例えば、4,4'-ビス-(2-アニリノ-4-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-6-アミノ)スチルベン-2,2'-ジスルホン酸の塩、或いはこのモルホリノ基に代えてジエタノールアミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基又は2-メトキシエチルアミノ基を含む類似構造化合物の塩である。置換ジフェニルスチリル型の蛍光増白剤も存在させることができ、その例は、4,4'-ビス(2-スルホスチリル)ジフェニル、4,4'-ビス(4-クロロ-3-スルホスチリル)ジフェニル又は4-(4-クロロスチリル)-4'-(2-スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩である。上記蛍光増白剤の混合物も使用できる。
【0107】
本発明の組成物は、その審美的効果を改善するため、好適な染料で着色することができる。当業者ならば困難なく選択し得る、好適な染料は、高い貯蔵安定性を示し、洗剤中の他の成分又は光によって影響を受けず、かつ、繊維製品の繊維に対し著しい持続性を示すことなく、従って、このような繊維を着色しない。
【0108】
本発明の食器洗浄用洗剤は、食器類又は食器洗浄機自体を保護するために、防食剤を含むことができ、銀保護剤が食器洗浄機にとって特に重要である。とりわけ、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール及び遷移金属塩又は錯体からなる群から選ばれる銀保護剤を、一般に使用することができる。ベンゾトリアゾール及び/又はアルキルアミノトリアゾールが特に好ましい。更に、洗剤処方物中には、しばしば銀表面の腐食を際立って減少させ得る活性塩素含有剤が含まれる。塩素非含有洗浄剤は、特に、酸素含有及び窒素含有酸化還元活性有機化合物、例えば二価及び三価フェノール、例えばヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシノール、ピロガロール及びこれら化合物の誘導体を含む。無機化合物の塩及び錯体、例えばMn、Ti、Zr、Hf、V、Co及びCe金属の塩も、しばしば使用される。これらのうち、マンガン及び/又はコバルト塩及び/又は錯体からなる群から選ばれる遷移金属の塩が好ましく、コバルトアンミン錯体、コバルトアセテート錯体、コバルトカルボニル錯体、コバルト又はマンガンの塩化物及び硫酸マンガンが特に好ましい。亜鉛化合物も、食器類の腐食防止に使用することができる。
【0109】
本発明の食器洗浄機用組成物又は硬質面洗浄用組成物において使用し得る特別な成分は、一回の適用後、表面の再汚れを防止し、及び/又は汚れ除去を促進するような物質(汚れ剥離剤)である。
【0110】
適当な汚れ剥離化合物は、先行技術において既知の物質のいずれでもよい。特に好適なものは、カチン性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムグアー、メタクリル酸アミノエチルとアクリルアミドとのコポリマー及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマー、イミノ基含有ポリマー、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性ホモポリマー及び/又はコポリマー(モノマー単位;第四級化アンモニウムアルキルメタクリレート基)である。
【0111】
特に好ましい汚れ剥離剤は、トリアルキルアンモニウムアルキル(メタ)アクリレート又はアクリルアミドのようなモノマーのコポリマー、ジアルキルジアリルジアンモニウム塩、側鎖アンモニウム含有多糖類のエーテル又はエステルのポリマー類似反応生成物(より好ましくは、グアー、セルロース及びデンプン誘導体)、アンモニウム基を有するエチレンオキシドの高分子付加物、第四級エチレンイミンポリマー、及び第四級側鎖基を含有するポリエステル及びポリアミドからなる群から選ばれるカチオン性ポリマーである。天然のポリウロン酸及び関連物質、高分子両性電解質及び疎水化高分子両性電解質、及びそれらの混合物も、本発明の目的に非常に好ましい。
【0112】
洗剤及び洗浄剤組成物の成分のこのリストは、決して完全なものではなく、単に、このような組成物の最も重要で代表的な成分を示すものである。特に、調製物が液体又はゲル形態である場合には、有機溶媒を含むことができる。有機溶媒は、好ましくは、1〜4個の炭素原子を含有する一価又は多価アルコールである。このような組成物の好適なアルコールは、エタノール、1,2-プロパンジオール、グリセロール及びこれらの混合物である。好適な一実施態様において、このような組成物は、2〜12質量%のこのようなアルコールを含む。
【0113】
基本的には、本発明の組成物は、種々の集合体状態で存在することができる。好適な一実施態様によれば、洗剤又は洗浄剤組成物は、液体又はゲル状組成物、特に液体洗剤又は液体食器洗浄用洗剤又は洗浄剤ゲル(特に、水洗トイレ用ゲル状洗浄剤を含む。)である。
【0114】
水洗トイレ用ゲル状洗浄剤は、例えば、独国特許出願DE-A-197 158 72に記載されている。これらの洗浄剤は、好ましくは、粘度30,000〜150,000 mPasのゲル形態で疑塑性の洗浄剤であって、これは、ゲル形成成分としての多糖類、乳化剤としてのC8〜C10アルキルポリグリコシド又はC12〜C14アルキルポリグリコシド、湿潤剤成分及び香油を含む。共界面活性剤として、脂肪アルコールエーテルスルフェート(FAEOS)及び脂肪アルコールスルフェート(FAS)を含ませることができる。APG:共界面活性剤の比は、一般に1を越え、好ましくは50:1〜1:1、より好ましくは10:1〜1.5:1、最も好ましくは5:1〜1.8:1である。この洗浄剤は、特に、多糖類、界面活性剤系及び香料成分を含む安定性でゲル形態の剪断力希釈型の洗浄剤であり、以下の成分を含有することを特徴とする:
・多糖類、好ましくはキサンタンガム:量=1〜5質量%、好ましくは1〜4質量%、より好ましくは1.5〜3.5質量%、最も好ましくは1.8〜3質量%、
・C8〜C22アルキルポリグリコシド(界面活性剤系の一成分):量=3〜25質量%、好ましくは4〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%、最も好ましくは5〜12質量%、
・香料成分:量=15質量%まで、好ましくは2〜12質量%、より好ましくは3〜8質量%、
・所望により他の成分、例えば石灰溶解剤、染料、抗菌剤、真珠光沢剤、安定化剤、洗浄促進剤及び臭気吸収剤、
・組成物の粘度=30,000〜150,000 mPas(ブルックフィールド・ヘリパス(Helipath)RVT回転粘度計で測定、TAスピンドル、1 r.p.m./23℃)
【0115】
この種の洗浄剤ゲルは、通常、便器又は水槽内に配置されるように設計された容器内に収納される。ゲル状洗浄剤組成物に特に適した特殊な容器は、独国特許出願DE-A-195 201 45に記載されている。
【0116】
本発明によれば、適切な容器において固体リムブロックとして安定性を示す、視覚的に魅力的で半透明又は透明な疑塑性ゲル構造は、高い香料及びAPG濃度に関して選択したタイプに応じて、前記した組合せの多糖類によって得られることが、判明した。
【0117】
他の標準的ゲル形成体、例えばポリアクリル酸(Carbopol)、界面活性剤で増粘した系、MHPC(Natrosol)又は塩化ナトリウム又は電解質で増粘した界面活性剤系は、所要の高い界面活性剤及び香料レベルを用いた場合に、充分なゲル安定性を示さないため、やや好ましくない。このような組成物は、しばしば充分な疑塑性を示さずに、当該組成物全体に水を流して希釈しても、不充分な粘度挙動しか示さないため、容器が適切であるにも拘わらず、便器内に制御不能な状態で滴下してしまう。これとは対照的に、好ましい処方物は、明確な疑塑性を示し、当該組成物全体を流動する水に対し、少量の成分のみを放出して必要な安定性が得られる程度に耐性を示す。なぜなら、組成物は、その容器内に浸透する水中にあまりにも容易に溶解すべきではなく、そうでなければ、組成物は、わずかな回数のフラッシングのみの後、溶解して消耗してしまうからである。
【0118】
これに関して、製造工程の所定の条件下に、気泡を組成物中に導入して、気泡の形状及び寸法を数週間の期間にわたり保持し、これにより最終製品が消費者にとってより魅力的なものとなることが特に好ましい。
【0119】
気泡の寸法は、例えば製造工程における撹拌速度及び組成物の粘度によって制御できるが、この気泡の寸法は、あまりにも大きすぎず、またあまりにも小さすぎないようにすべきである。加えて、気泡の量は、好ましい範囲において選択すべきである。従って、気泡の存在が所望される場合、30体積%未満の空気を存在させるべきであり、空気量2〜25体積%が好適であり、空気量5〜20体積%が特に好ましい。特に好ましい実施態様は、直径0.1〜20 mmの気泡を含み、直径1〜15 mmの気泡が最も好ましい。しかしながら、また好適な組成物の粘度では、製造工程において既に導入された気泡を、周囲圧よりも低い圧力ないし真空に近い圧力の範囲内であり得る減圧の短時間の適用によって除去することができる。減圧処理の時間は、減圧の強さに依存する。比較的強い減圧を適用する場合、この処理は、非常に長い期間継続する必要がない。しかしながら、当業者によく知られているように、過度の減圧は、望ましくない副作用をもたらし、この副作用には、例えば、易揮発性香料成分の激しい蒸発、及び場合により当該系を撹拌するための能力に影響を与える問題が包含される。本発明の組成物は、遠心分離処理又は超高速撹拌によっても脱泡できるが、このような処理は、余り好ましくない。
【0120】
処方物は、種々の方法によって、数トンまでの種々のバッチサイズで製造することができる。通常、水を、市販のミキサー、例えばBeco-Mix内に導入し、染料を撹拌混入する。用いるキサンタンガムは、別に、溶媒、好ましくはエタノール及び必要な香油によって懸濁化する。次いで、懸濁液を添加し、その全体を低速、例えば30 r.p.m.で撹拌する。
【0121】
研究によれば、全ての成分を添加した後、数分ない数時間の期間が本発明によるコンシステンシーに達するのに必要であることがわかった。本発明の場合、30分後に、界面活性剤(アルキルポリグリコシド)をゆっくり計量供給した。次いで、他の成分を添加する。
【0122】
気泡非含有ゲルを確保すべき場合、混合物は、その粘度に応じて、適切な容器内において前記した減圧下又は真空下に配置する必要があるが、これは、一般に短時間、例えば15分間である。
【0123】
しかしながら、当業者は他の方法も適用することができる。これは、例えば、消毒剤を含める必要がある場合に推奨される。この場合、水を、市販のミキサー、例えばBeco-Mix内に導入し、次いで用いるキサンタンガムを撹拌する。次いで、懸濁液を添加し、その全体を低速、例えば30 r.p.m.で撹拌し、30分後、界面活性剤混合物(アルキルポリグリコシド/脂肪アルコールエーテルスルフェート)をゆっくり添加する。次いで、染料を添加し、その後、香料のエタノール溶液を添加する。
【0124】
消毒剤は、好ましくはイソチアゾリン、ベンゾエート、サリチル酸又はサリシレートからなる群から選ばれ、この消毒剤を次に添加する。
【0125】
この場合、組成物は、市販の計量ボトル内に、例えば、回転ボトル充填機によって充填することができる。
【0126】
物質を、製造及び膨潤した水含有キサンタンガムゲルに添加して本発明の構造を形成する場合、特に注意が必要である。このような物質をあまりにも急速に添加する場合、相分離の問題が起こり得る。加えて、界面活性剤は、キサンタンガム成分の製造の間に、何ら存在すべきではない。なぜなら、界面活性剤は、ゲル形成を妨げるからである。従って、ゲル形成の後、界面活性剤を添加することが非常に好ましい。
【0127】
粘度は、通常使用される任意の方法によって測定することができる。
本発明の場合、ゲル用に特別に設計したスピンドルを有するブルックフィールド粘度計を用いた。本発明による粘度は、このヘリパススピンドルを用いて測定した。
【0128】
代表的な処方物において、好ましいゲル処方物は、以下の成分を含むことができる。
1.0〜5.0質量%の多糖類
3.0〜25.0質量%のC8〜C22アルキルポリグリコシド
0〜15.0質量%の共界面活性剤(FAS、FAEOS)
0〜5.0質量%のクエン酸
0〜5.0質量%の錯化剤
15質量%まで、好ましくは2.0〜12.0質量%の香料
5.0質量%まで、好ましくは0.01〜4質量%の溶媒、例えばエタノールなど
0〜1.0質量%の防腐剤
0〜10.0質量%の染料
0〜5.0質量%、好ましくは0.01〜3質量%の微生物抑制剤。
【0129】
本発明において、キサンタンガム又はグアーガム又は多糖類混合物は、例えば、多糖類であると理解される。
【0130】
キサンタンは、側鎖を有するβ-1,4-結合グルコース(セルロース)鎖から形成される。亜群の構造は、グルコース、マンノース、グルクロン酸、アセテート及びピルベートからなる。キサンタンは、キサントモナス・カペストリス(Xanthonomas campestris)によって、好気性条件下に、分子量2〜15×106で製造される。キサンタンは、特にバッチ培養によって製造され、培養物の破壊及びプロパノールによる沈殿後に、乾燥し、粉砕する。他の好適な方法は、文献に記載されている。
【0131】
アルキルポリグリコシドは、有機製造化学の適切な方法を用い、糖類とアルコールとを反応させることによって得られ得る上記界面活性剤である。モノアルキル化、オリゴマー化又はポリマー化糖類の混合物は、用いた特定の製造法に従い、得られる。好適なアルキルポリグリコシドは、アルキルポリグルコシドである。特に好ましくは、該アルコールは、C8〜C22、好ましくはC8〜C16、より好ましくはC8〜C12のアルキル鎖長を有する長鎖脂肪アルコール又は長鎖脂肪アルコールの混合物である。計算値である糖類のオリゴマー化度は、即ち、一般に整数ではなく、1〜10、好ましくは1.1〜5、より好ましくは1.2〜3、最も好ましくは1.3〜2.5である。
【0132】
本発明によれば、アニオン性共界面活性剤には、脂肪族スルフェート、例えば脂肪アルコールスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、ジアルキルエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、及び脂肪族スルホネート、例えばアルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、エーテルスルホネート、n-アルキルエーテルスルホネート、エーテルスルホネート、リグニンスルホネートが包含される。本発明に使用し得るが好ましさは劣る他のアニオン性共界面活性剤には、脂肪酸シアナミド、スルホコハク酸エステル、脂肪酸イセチオネート、アシルアミノアルカンスルホネート(脂肪酸タウリド)、脂肪酸サルコシネート、エーテルカルボン酸及びアルキル(エーテル)ホスホネートが包含される。脂肪アルコールスルフェート及び脂肪アルコールエーテルスルフェートが好適に使用される。これまでのところ、アルキルベンゼンスルホネートでは、やや好ましくない結果が得られた。
【0133】
しかしながら、非イオン性共界面活性剤も使用することができる。本発明では、非イオン性界面活性剤には、アルコキシル化アルコール、例えばポリグリコールエーテル、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリセロールエーテル、末端キャップトポリグリコールエーテル、混合エーテル及びヒドロキシ混合エーテル及び脂肪酸ポリグリコールエステルが包含される。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブロックポリマー及び脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸ポリグリコールエーテルも、使用することができる。
【0134】
アルコキシル化アルコールは、一般に、アルキレンオキシド(好ましくは、エチレンオキシド)と、アルコール(好ましくは、比較的長鎖のアルコール)との反応生成物であると当業者に理解される。反応条件に応じて、エトキシル化度が異なる付加物の複雑な混合物が、一般に、エチレンオキシドnモル及びアルコール1モルから形成される。更なる具体例は、アルキレンオキシドの混合物、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物の使用を特徴とする。所望により、本発明の目的に使用し得る、末端ブロックト(「キャップト」)アルコールエトキシレートは、短鎖アルキル基、好ましくはブチル基を用い、その後の工程でエーテル化することによって、得ることができる。本発明において、高エトキシル化脂肪アルコール、又は当該アルコールと、末端ブロックトエトキシレート化脂肪アルコールとの混合物が、最も好ましい。
【0135】
処方物は、有利には石灰溶解性の酸、例えばクエン酸、酢酸、乳酸又はそれらの水溶性の塩を、1〜12質量%の量で含むことができ、2〜5質量%の含量が特に好ましい。
【0136】
ゲルは、好ましくは染料を、製品着色のため又は容器周囲の循環液体の着色のために含む。好ましくは、水溶性染料の含量は、1質量%未満であり、製品の外観改善を意図する。付加的な着色シグナルがフラッシングの間に必要な場合、水溶性染料の含量は、5質量%まで増加させることができる。
【0137】
本発明のゲルは、微生物抑制剤を含まずとも、既に優れた洗浄効果を示すが、この微生物抑制剤の添加によって、衛生学的効果を増大させることができる。微生物抑制剤の量は、特定の化合物の有効性に大きく依存するが、5質量%程度とすることができる。好ましくは、0.01質量%を越える量を、ゲル中に配合するが、0.01〜3質量%の量が特に好ましい。イソチアゾリン混合物、安息香酸ナトリウム又はサリチル酸が特に好適である。
【0138】
好適なゲルにおいて、15質量%まで、好ましくは2〜12質量%、より好ましくは3〜8質量%の量で存在し得る香油には、前記した化合物が包含される。本発明によれば、この香油は、本発明のケイ素化合物を含む。香油は、このようなケイ素化合物から完全になることができ、また、このようなケイ素化合物を他の芳香剤との混合物で含むこともできる。
【0139】
好適な可溶化剤、例えば染料及び香油用の好適な可溶化剤には、例えば、アルカノールアミン、ポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及び他の一価及び多価アルコール、並びにアルキル部分に1〜3個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホネートが包含される。低級アルコールの群が特に好ましく、エタノールが最も好ましい。
【0140】
必要に応じて使用し得る通常の増粘剤には、尿素、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化アンモニウム及び塩化マグネシウム及びそれらの組合せが包含される。しかしながら、このような付加的な増粘剤の使用は、好ましくない。
【0141】
本発明のゲルは、所望により水溶性及び水不溶性ビルダーを含むことができる。水溶性ビルダーは、一般に硬質面上に不溶性の残留物を形成する傾向を示さないため、好ましい。本発明に従い存在し得る、通常のビルダーには、低分子量のポリカルボン酸及びその塩、ホモポリマー及びコポリマーポリカルボン酸及びその塩、クエン酸及びその塩、炭酸塩、リン酸塩及びケイ酸塩が包含される。水不溶性ビルダーには、使用可能なゼオライト及び前記ビルダーの混合物が包含される。クエン酸塩の群が特に好ましい。
【0142】
本発明のケイ素化合物を含むことができる他のタイプの洗浄剤は、硬質面用の液体又はゲル状の洗浄剤、特にいわゆる多目的洗浄剤、ガラス洗浄剤、床及び浴室洗浄剤、並びに多目的洗浄剤の酸性又はアルカリ性形態及びいわゆる抗雨効果を示すガラス洗浄剤を含む特殊な態様の洗浄剤である。これらの液体洗浄剤は、単相又は多相の形態で存在することができる。特に好適な一実施態様によれば、洗浄剤は、2つの異なる相を有する。
【0143】
広義の洗浄剤は、一般に、非常に広範な用途を有する界面活性剤含有処方物であり、その用途に応じて非常に異なる組成物となる。最も重要な市場分野は、家庭用洗浄剤、産業用(工業用)及び施設用洗浄剤である。洗浄剤は、そのpHに従いアルカリ性、中性及び酸性タイプに分類され、またその供給形態に従い液体及び固体洗浄剤(タブレットを含む)に分類される。例えば、洗浄剤の製品群に属する食器洗浄用洗剤とは対照的に、いわゆる硬質面用の洗浄剤は、最適な性能特性を、濃縮形態及び機械的エネルギーによって水で希釈したのちの希釈状態の両者において示すことを意図する。コールド洗浄剤は、その効果を昇温することなく発揮する。洗浄効果は、とりわけ、界面活性剤及び/又はアルカリ源又は酸及び所望により溶媒、例えばグリコールエーテル及び低級アルコールによって、正確に決定される。一般に、処方物は、ビルダーを含み、洗浄剤のタイプに応じて、漂白剤、酵素、微生物抑制剤又は消毒剤及び香油及び染料を含む。洗浄剤は、マイクロエマルジョンとして処方することができる。洗浄効果は、場所により非常に異なる汚れのタイプに大きく依存し、また洗浄される表面の特性に大きく依存する。
【0144】
家庭用洗浄剤は、万能洗浄剤として処方でき、また特殊な洗浄剤、とりわけセラミックス、タイル、窓、プラスチック、(カーペット)フローリング、調理器具、オーブン、電子レンジ用の洗浄剤、サニタリー洗浄剤又はラバトリー洗浄剤として処方することができる。パイプ洗浄剤は、アルカリ性であり、例えば、固体の水酸化ナトリウム及びアルミニウム粉末を含んでなり、これらの成分は、溶解によって、閉塞したパイプ部分において必要な乱流を形成する水素を放出する。界面活性剤及びビルダーの他に、サニタリー洗浄剤は、とりわけ微生物抑制剤、従来から採用されている次亜塩素酸ナトリウム(これは、過酸化水素によって部分的に代替されている)又は他の過酸化物系化合物を含む。ラバトリー洗浄剤は、主として酸性で、場合によりアルカリ性である。前者の場合、当初は採用されていたリン酸及び硫酸水素ナトリウムは、有機酸、特にクエン酸によって大幅に代替されている。DIY分野における特殊な洗浄剤には、カー洗浄剤、フロントガラス洗浄剤、リム洗浄剤、エンジン洗浄剤及び塗料アプリケータ洗浄剤が包含される。
【0145】
施設用洗浄剤は、例えば学校、事務所、ホテル、旅館及び病院において、作業洗浄及び衛生処理するのに使用されている。最後の場合、安全に表面を消毒することは、製品が充足することが期待されている特別な要件である。施設用洗浄剤は、大型の容器によって入手される(大量消費者用製品)。特別に開発した洗浄装置を用いた製品及び関連サービスは、系統的な解決手段として市販されている。産業用洗浄剤は、とりわけ、飲料、食品、化粧品、医療産業において採用され、また脱脂用に金属産業で採用されている。この製品群には、洗車用洗浄剤、タンカー及び飛行機用洗浄剤が包含される。必要な効率性、例えばボトル洗浄に必要な効率性の観点から、これら洗浄剤は、低起泡性の界面活性剤を用いて処方する必要があり、このための特殊な非イオン性界面活性剤として、例えば、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー及びいわゆる末端キャップエトキシレートが好適である。
【0146】
好ましい多相の多目的洗浄剤は、水含有液体で、界面活性剤を含有し少なくとも2つの連続相を有する洗浄剤であって、この連続相は、少なくとも1つの水性下相I、及び当該下相Iと不混和性の水性上相IIからなり、振とうによって1つのエマルジョンに一時的に変換でき、また0〜5質量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを含む。ヘキサメタリン酸ナトリウムは、縮合オルトリン酸塩の混合物であって、縮合度は、平均して約12である。
【0147】
先の独国特許出願DE-A-198 11 386において、以上の洗浄剤の1つが記載されている。本発明によれば、この種の洗浄剤は、香料を含み、その香油は、少なくとも一部、本発明のケイ素化合物の形態で存在する。
【0148】
最も簡易な場合、上記洗浄剤は、均質相Iからなる連続下相と、均質相IIからなる連続上相とを含んでなる。しかしながら、組成物の1又はそれ以上の連続相は、別の相の一部を、乳化形態で含むことができ、これにより、例えば、当該洗浄剤において、相Iのこの部分は連続相I(洗浄剤の連続下相という)として存在し、他方、別の部分は、連続上相II中の不連続相Iとして乳化する。同様なことが、相II及び他の連続相に当てはまる。
【0149】
これに関して、「一時的」とは、振とうにより形成したエマルジョンの90%の分離相への分離が、温度約20〜約40℃にて2分〜10時間の期間にわたって起こり、振とう前の相状態への最後の2%の分離が、更なる15分〜50時間の時間にわたって起こることを意味する。
【0150】
洗浄剤のこのようなタイプは、非希釈形態で、頑固な脂肪汚れに対して非常に高い洗浄性能有することを特徴とする。加えて、洗浄剤は、好適な残留物挙動を示す。洗浄剤の各相は、例えば、沈殿物を形成することなく、長期間安定なままであり、頻繁な振とうの後でも、一時的エマルジョンへの変換は、可逆的である。加えて、成分の別個の相への分離は、洗浄剤の化学的安定性を促進することができる。
【0151】
本発明の好適な一実施態様によれば、連続相I及びIIは、明確な輪郭の相境界によって、相互に分離される。
【0152】
別の好適な一実施態様によれば、連続相I及びIIの一方又は双方は、特定の連続相の体積を基準に、好ましくは0.1〜25体積%、より好ましくは0.2〜15体積%の他の相の部分を分散剤として含む。この具体例では、連続相I又はIIは、他の相に分散剤として分配された体積だけ、減少する。特に好ましい組成物は、相Iが相II内へ、相IIの体積を基準に、0.1〜25体積%、好ましくは0.2〜15体積%の量で、乳化している組成物である。
【0153】
本発明の別の好適な一実施態様によれば、連続相I及びIIに加え、2つの相の部分が他方の相においてこれら2つの相の一方のエマルジョンとして存在し、このエマルジョンは、2つの明確な輪郭を有する相境界(すなわち、上相及び下相の境界)によってエマルジョン中に含まれない相I及びIIの部分から分離されている。
【0154】
これに関して、本発明の特に有利な一実施態様によれば、組成物は、1又は複数の疎水性成分を含有する。好適な疎水性成分は、例えば、同じ又は異なるC4〜C14アルキル基を有するジアルキルエーテル、特に、ジオクチルエーテル、沸点範囲100〜300℃、特に140〜280℃の炭化水素、例えば、沸点範囲145〜200℃の脂肪族炭化水素、沸点範囲200〜260℃のイソパラフィン、精油、特にリモネン及び松の根茎から抽出したパイン油、及びこれら疎水性成分の混合物、特に前記疎水性成分の2つ又は3つの混合物である。疎水性成分の好ましい混合物は、種々のジアルキルエーテルの混合物、ジアルキルエーテルと炭化水素との混合物、ジアルキルエーテルと精油との混合物、炭化水素と精油との混合物、ジアルキルエーテルと炭化水素と精油との混合物、及びこれらの混合物である。洗浄剤は、疎水性成分を、組成物を基準に、0〜20質量%、好ましくは0.1〜14質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、最も好ましくは0.8〜7質量%の量で含む。
【0155】
洗浄剤は、付加的に、1以上の相分離助剤を含むことができる。好適な相分離助剤は、例えば、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のクロリド及びスルフェート、特に塩化及び硫酸ナトリウム、塩化及び硫酸カリウム、及び塩化及び硫酸アンモニウム、及びそれらの混合物である。これらの塩は、強力な電化質として、塩効果を介して相分離を促進する。電解質としてのビルダー塩は、同様な効果を有するため、相分離助剤として好適である。洗浄剤は、相分離助剤を、組成物を基準に、0〜30質量%、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは3〜15質量%、最も好ましくは5〜12質量%の量で含有する。
【0156】
洗浄剤は、その界面活性剤成分として、アニオン性、非イオン性、両性又はカチオン性界面活性剤又は、1つ、いくつか又は全てのこれら界面活性剤類の混合物を含むことができる。洗浄剤は、組成物を基準に、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜14質量%、最も好ましくは3〜10質量%の量で含有する。
【0157】
多目的洗浄剤において好適な非イオン性界面活性剤は、例えばC8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグリコシド、窒素含有界面活性剤及びそれらの混合物、特に最初の2つの混合物である。洗浄剤は、非イオン性界面活性剤を、組成物を基準に、0〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜14質量%、最も好ましくは1〜10質量%の量で含有する。
【0158】
C8〜C18アルキルアルコールポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールエーテルは、好適な既知非イオン性界面活性剤である。この化合物は、式:
RiO-(CH2CH(CH3)O)p(CH2CH2O)e-H
〔式中、Riは、8〜18個の炭素原子を有する、直鎖状又は分枝状の脂肪族アルキル及び/又はアルケニル基であり、pは、0又は1〜3の数であり、eは、1〜20の数である。〕
で示される。該C8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテルは、プロピレンオキシド及び/又はエチレンオキシドのアルキルアルコール、好ましくは脂肪アルコールへの付加によって得ることができる。代表例は、Riが8〜18個の炭素原子を含有するアルキル基で、pが0〜2で、eが2〜7である、上記式のポリグリコールエーテルである。好ましい代表例は、例えば、C10〜C14脂肪アルコール+1PO+6EOエーテル(p=1、e=6)及びC12〜C18脂肪アルコール+7EOエーテル(p=0、e=7)及びそれらの混合物である。
【0159】
末端キャップトC8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテル、すなわち、式II中の遊離のOH基をエーテル化した化合物も、使用することができる。末端キャップトC8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテルは、有機製造化学の適切な方法によって得ることができる。好ましくは、C8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテルを、ハロゲン化アルキル、特に塩化ブチル又はベンジルと、塩基の存在下に反応させる。代表例は、ブチル基で末端キャップした、Riが工業的脂肪アルコール部分、好ましくはC12/14ココアルキル基で、pが0で、eが5〜10である前記式の混合エーテルである。
他の好ましい非イオン性界面活性剤は、前記したアルキルポリグリコシドである。
【0160】
別の好適な非イオン性界面活性剤として、窒素含有界面活性剤、例えば脂肪酸ポリヒドロキシアミド、例えばグルコアミド、及び炭素数10〜22、好ましくは12〜18のアルキル基を有する、アルキルアミン、ビシナルジオール及び/又はカルボン酸アミドのエトキシレートを含有することができる。これらの化合物のエトキシル化度は、一般に1〜20、好ましくは3〜10である。8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜16個の炭素原子を有するアルカン酸のエタノールアミド誘導体が好ましい。特に好適な化合物には、ラウリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸のモノエタノールアミドが包含される。
【0161】
多目的洗浄剤に適したアニオン性界面活性剤は、C8〜C18アルキルスルフェート、C8〜C18アルキルエーテルスルフェート、すなわちアルコールエーテルの硫酸化生成物及び/又はC8〜C18アルキルベンゼンスルホネート及びC8〜C18アルカンスルホネート、C8〜C18-α-オレフィンスルホネート、スルホン化C8〜C18脂肪酸、特にドデシルベンゼンスルホネート、C8〜C22カルボン酸アミドエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノ-及びジ〜C1〜C12アルキルエステル、C8〜C18アルキルポリグリコールエーテルカルボキシレート、C8〜C18-N-アシルタウリド、C8〜C18-N-サルコシネート及びC8〜C18アルキルイセチオネート、及びそれらの混合物である。アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特にナトリウム、カリウム及びマグネシウム塩の形態、アンモニウム及びモノ-、ジ-、トリ-又はテトラアルキルアンモニウム塩の形態及びスルホネートの場合には対応する酸、例えばドデシルベンゼンスルホン酸の形態で使用する。洗浄剤は、アニオン性界面活性剤を、組成物を基準に、0〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜14質量%、最も好ましくは2〜10質量%の量で含有する。
【0162】
多目的洗浄剤は、その起泡抑制特性のため、石鹸、即ち飽和又は不飽和のC6〜C22脂肪酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩を含むことができる。石鹸は、5質量%までの量、好ましくは0.1〜2質量%の量で使用することができる。
【0163】
好適な両性界面活性剤は、例えば、式:
(Rii)(Riii)(Riv)N+CH2COO-
〔式中、Riiは、所望によりヘテロ原子又はヘテロ原子基で中断される、8〜25個、好ましくは10〜21個の炭素原子を有するアルキル基、及びRiii及びRivは、同じ又は異なって、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である。〕
で示されるベタイン、特にC10〜C18アルキルジメチルカルボキシメチルベタイン及びC11〜C17アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシメチルベタインである。洗浄剤は、両性界面活性剤を、組成物を基準に、0〜15質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%の量で含有する。
【0164】
好適なカチオン性界面活性剤は、特に式:
(Rv)(Rvi)(Rvii)(Rviii)N+ X-
〔式中、Rv〜Rviiiは、4つについて同一又は異なって、特に2つの長鎖アルキル基及び2つの短鎖アルキル基であり、X-は、アニオン、特にハライドイオンである。〕
で示される第四級アンモニウム化合物、例えばジデシルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジデシルアンモニウムクロリド及びそれらの混合物である。洗浄剤は、カチオン性界面活性剤を、組成物を基準に、0〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%の量で含有する。
【0165】
好適な一実施態様において、洗浄剤は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤を一緒に含み、好ましくはC8〜C18アルキルベンゼンスルホネート、C8〜C18アルキルスルフェート及び/又はC8〜C18アルキルエーテルスルフェートと、C8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテル及び/又はアルキルポリグリコシドとを一緒に含み、より好ましくは、C8〜C18アルキルベンゼンスルホネートと、C8〜C18アルキルアルコールポリグリコールエーテルとを一緒に含む。
【0166】
更に、本発明の組成物は、ビルダーを含むことができる。好適なビルダーは、例えば、アルカリ金属グルコネート、シトレート、ニトリロトリアセテート、カーボネート及びビカーボネート、特にグルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム及び炭酸ナトリウム及びカリウム及び重炭酸ナトリウム及びカリウム、及びアルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物、特に水酸化ナトリウム及びカリウム、アンモニア及びアミン、特にモノ-及びトリエタノールアミン、及びそれらの混合物である。他の好適なビルダーは、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸及びベンゼンヘキサカルボン酸の塩、及びホスホネート及びホスフェートである。洗浄剤は、組成物を基準に、0〜20質量%、好ましくは0.01〜12質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、最も好ましくは0.3〜5質量%の量で含有する。ただし、ヘキサメタリン酸ナトリウムの量は、本発明に従い洗浄剤以外に用いる場合には、0〜5質量%の量に限られる。電解質としてのビルダー塩は、また相分離助剤としても作用する。
【0167】
前記した成分の他に、本発明の洗浄剤は、このような組成物中に一般に存在するタイプの他の助剤及び添加剤を含むことができる。これら助剤及び添加剤には、特に、ポリマー、汚れ忌避剤、溶媒(例えば、エタノール、イソプロパノール、グリコールエーテル)、可溶化剤、ヒドロトロープ(例えば、クメンスルホン酸ナトリウム、硫酸オクチル、ブチルグルコシド、ブチルグリコール)、洗浄促進剤、粘度調節剤(例えば、合成ポリマー、例えば多糖類、ポリアクリレート、天然ポリマー及びその誘導体、例えばキサンタンガム、他の多糖類及び/又はゼラチン)、pH調節剤(例えば、クエン酸、アルカノールアミン又は水酸化ナトリウム)、消毒剤、帯電防止剤、防腐剤、漂白剤系、酵素、染料及び乳白剤又は皮膚ケア剤(EP-A-0 522 556参照)が包含される。このような添加剤が洗浄組成物中に存在する量は、通常、12質量%以下である。下限値は、助剤/添加剤の性質に依存し、例えば、染料の場合、0.001質量%又はそれ以下とすることができる。助剤/添加剤は、好ましくは0.01〜7質量%、より好ましくは0.1〜4質量%の量で存在する。
【0168】
多目的洗浄剤のpH値は、広範に変化させることができるが、好ましくは2.5〜12、より好ましくは5〜10.5である。
【0169】
このタイプの多目的洗浄剤は、所望の目的に応じて変性することができる。一具体例は、ガラス洗浄剤である。ガラス洗浄剤の重要な事項として、斑点及び環を残すべきではない。洗浄後に、洗浄した表面に水が凝縮して、いわゆる膜効果につながるという、特別な問題がある。雨にさらされたガラス表面に残った、いわゆる雨の跡も、同様に望ましくない。この効果は、雨効果又は抗雨効果として知られている。これらの作用効果は、ガラス洗浄剤中の適切な添加剤によって防止することができる。
【0170】
WO-A-96/04358は、やっかいな斑点及び/又は膜を残すことなく、ガラスを洗浄し得る、洗浄剤組成物を開示し、この組成物は、有効量の親水性基含有永続性(substantive)ポリマーを含み、このポリマーは、ガラスに対し、比較的高くかつ長期間継続する親水性状態を付与し、これにより、少なくとも次の三回までガラスが、例えば雨で湿潤しても、雨は、ガラス表面から排斥され、乾燥後に斑点が殆ど残存しない。永続性ポリマーは、特にポリカルボキシレート、例えばポリ(ビニルピロリドン-コ-アクリル酸)であり、またポリ(スチレンスルホネート)、カチオン性糖類及びデンプン誘導体、並びにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーであるが、後者のポリエーテルは、特に比較的小さい永続性しか有しない。
【0171】
WO 94/22800は、式(A):
R'O[CH2CH(CH)3O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(R'')O]zH (A)
〔式中、
R'は、約4〜約18個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、
R''は、約2〜約26個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、
xは、1〜約3の数、
yは、5〜約30の数、及び
zは、1〜約3の数である。〕
で示されるエポキシ末端キャップトポリアルコキシル化アルコールを記載する。
【0172】
上記式(A)で示されるアルコールは、粉末状又は液体の食器洗浄機用洗剤又は硬質面用の洗浄組成物中に配合することができる。食器洗浄機用洗剤において、上記アルコールは、斑点及び膜形成を減少させる。
【0173】
WO 96/12001は、式(B):
R'''O[CH2CH(CH)3O]u[CH2CH(Riv)O]v[CH2CH(Rv)O]wH (B)
〔式中、
R'''は、約4〜約18個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、
Rivは、水素原子又は1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基、
Rvは、約2〜約14個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、
uは、1〜約5の数、
vは、1〜約30の数、及び
wは、1〜約3の数である。〕
で示されるエポキシ末端キャップトポリアルコキシル化アルコールを記載する。
【0174】
式(B)で示されるアルコールは、単独又は式(A)のアルコールと共に、粉末状又は液体の食器洗浄機用洗剤又は硬質面、例えば浴室タイル用の洗浄組成物中に配合することができる。食器洗浄機用洗剤において、上記アルコールは、斑点及び膜の形成を減少させる。
【0175】
一実施態様によれば、式(V):
R1O[CH2CH(CH)3O]p[CH2CH(R2)O]qR3 (V)
〔式中、
R1は、1〜約22個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、
R2は、水素原子又は1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル基、
R3は、1〜約78個の炭素原子及び所望により1以上のヒドロキシル基及び/又はエーテル基-O-を有する、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の脂肪族、所望によりアリール置換した非環式又は環式炭化水素基、又は種々のこれら基の混合物、
pは、0〜約15、及び
qは、0〜約50である。
ただし、p及びqの合計は、少なくとも1である。〕
で示される、DE-A-198 56 529に記載の末端キャップトポリアルコキシル化アルコールは、硬質面洗浄用組成物に配合され、雨効果及び/又は霧効果を減少させる。
【0176】
ガラス洗浄剤中、式Iで示される、1以上の末端キャップトポリアルコキシル化アルコールの含量は、0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特には0.05〜5質量%、特に好ましくは0.1〜2.5質量%、及び最も好ましくは0.2〜2.0質量%である。
【0177】
末端キャップトポリアルコキシル化アルコールの例は、式中の定義が次のとおりである式Iで示される化合物である:(a) R1=C12-18又はC12-14脂肪アルキル基、R2=H、R3=ブチル基、p=0、q=10、(b) R1=C12-18脂肪アルキル基、R2=H、R3=ブチル基、p=0、q=5、(c) R1=CH3、R2=H、R3=C12/14脂肪アルキル基、p=3、q=5、又は(d) R1=C8脂肪アルキル基、R2=H、R3=ブチル基、p=0、q=5。
【0178】
好ましい末端キャップトポリアルコキシル化アルコールは、p及びqが共に少なくとも1で、及び/又はR2が水素原子で、及び/又はR3が少なくとも1つのヒドロキシル基、特にω-位にある少なくとも1つのヒドロキシル基、すなわちR3が式:-CH2CH(OH)-Rである式Iで示される化合物である。R3が式:-CH2CH(OH)-Rである、式Iで示される末端キャップトポリアルコキシル化アルコールは、例えばDE 37 23 323 A1に記載されている。
【0179】
特に好ましい末端キャップトポリアルコキシル化アルコールは、R1が約4〜約18個、好ましくは約4〜約12個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基、特にブチル、ヘキシル、オクチル又はデシル基又はそれらの混合物、又は種々のこれら基の混合物で、R2が水素原子又は1〜6個の炭素原子を有する低級アルキル、好ましくは水素原子で、R3が式:[CH2CH(R4)O]rHの基で、R4が約2〜約26個、好ましくは約4〜約18個、より好ましくは約6〜約14個の炭素原子を有する直鎖脂肪族炭化水素基又は種々のこれら基の混合物、及びrは、1〜約3、好ましくは1〜約2、より好ましくは1で、pは、1〜約5、好ましくは1又は約2、より好ましくは1の数で、qは、1〜約30、好ましくは約4〜約26、より好ましくは約10〜約24の数である式Iで示される末端キャップトポリアルコキシル化アルコールであって、例えば、R1がC8/10アルキル基で、R2がHで、R3が[CH2CH(R4)O]rHで、R4がC8アルキル基で、rが1で、uが1で、vが22である、式Iで示される末端キャップトポリアルコキシル化アルコールである。
【0180】
このようなエポキシ末端キャップトポリアルコキシル化アルコール及びその製法は、WO 94/22800 A1及びWO 96/12001 A1に記載されている。好ましい末端キャップアルコールは、例えば、Dehypon(登録商標)(Henkel KGaA)又はPoly Tergent(登録商標)(Olin Corporation)、例えばDehypon(登録商標)LT 104、Dehypon(登録商標)LS 104、Dehypon(登録商標)LT 54、Dehypon(登録商標)LS 531又はDehypon(登録商標)O 54及びPoly Tergent(登録商標)SLF 18 B48、Poly Tergent(登録商標)SLF 18 B 45又はPoly Tergent(登録商標)SL 62として入手可能である。
【0181】
別の好適な一実施態様によれば、組成物は、粉末又は粒状組成物である。本発明の組成物は、任意の嵩密度を有することができる。可能な嵩密度の範囲は、600 g/L未満の低い値、例えば300 g/Lから、600〜750 g/Lの中程度の含有量を経て、少なくとも750 g/Lの高い値にまで及ぶ。しかしながら、高い嵩密度を有する本発明の組成物の好ましい変形によれば、嵩密度は、約800 g/Lを越え、約850 g/Lを越える嵩密度が特に有利である。このような超圧縮物に関し、可溶性ビルダー系の利点が特に適切となる。なぜなら、対応する圧縮組成物は、成分の分散に関する特別な要件を課すからである。加えて、低用量ビルダー系は、嵩密度に拘わらず、充填容量の節約による付加的な利点につながり、1回の洗濯サイクル当たり、環境内に導入される化学物質を減少させる。。
【0182】
この種の組成物は、任意の既知の方法によって製造することができる。
上記組成物は、好ましくは、組成物全体の少なくとも60質量%を一緒になって構成する、洗剤及び/又は洗浄剤の成分を含む種々の粒状成分を一緒に混合することによって製造される。
【0183】
このように、粒状成分は、噴霧乾燥、単なる混合又は複雑な粒状化処理、例えば流動床粒状化処理によって製造することができる。好ましくは、少なくとも1つの界面活性剤含有成分は、流動床粒状化処理によって製造する。
【0184】
更に、乾燥と同時に粒状化が起こるように、ビルダーの水性調製物を、ドライヤー中で、洗剤及び/又は洗浄剤の他の成分と一緒に噴霧する場合、特に好適であり得る。
水性調製物が噴霧されるドライヤーは、如何なる乾燥装置であってもよい。
【0185】
好ましい方法手順において、乾燥は、乾燥塔における噴霧乾燥によって実施される。この場合、既知の方法により、微粒子形態の水性調製物は、乾燥ガス流に暴露される。本件出願人は、いくつかの文献に記載の過熱水蒸気を用いる噴霧乾燥の実施態様を説明する。これらの文献に開示の操作原理は、本明細書の開示の一部として特に含める。特に、以下の文献を参照されたい:DE-A-40 30 688、並びに更なる開発についてのDE-A-42 04 035; DE-A-42 04 090; DE-A-42 06 050; DE-A-42 06 521; DE-A-42 06 495; DE-A-42 08 773; DE-A-42 09 432及びDE-A-42 34 376。
【0186】
別の好適な変形において、特に高い嵩密度の組成物を得ることが所望される場合、混合物を、その後に圧縮工程に付す。ここで、更なる成分は、圧縮工程後にのみ、組成物中に混合される。
【0187】
本発明の好適な一実施態様によれば、成分は、プレス集塊化工程によって圧縮される。固体プレミックス(乾燥した基本洗剤)が付されるプレス集塊化処理は、種々の装置によって実施することができる。プレス集塊化処理は、用いたアグロメレータのタイプに従い、分類される。本発明において好ましい4つの最も一般的なプレス集塊化法は、押出成形法、ロールプレス法又はロール圧縮法、パンチプレス(ペレット化)法及びタブレット化法であるので、本発明において好ましい集塊化操作は、押出操作、ロール圧縮操作、ペレット化操作及びタブレット化操作である。
【0188】
これらの方法全てに共通する1つの特徴は、プレミックスを、加圧下に圧縮及び可塑化し、各粒子を相互に押圧して、その多孔度及び相互の付着性を減少させることである。全ての方法において(ただし、タブレット化の場合にはある種の制限がある)、成形用具は、比較的高い温度に加熱でき、また、冷却して、剪断力によって発生した熱を放熱することができる。
【0189】
全ての方法において、バインダーを、圧縮助剤として使用することができる。簡略化のため、この明細書では、以下、1つのバインダーについてのみ言及する。しかしながら、この際、明確にしなければならないことは、基本的には、数種の異なるバインダー及び種々のバインダーの混合物を使用し得ることである。本発明の好ましい実施態様は、最高で130℃、好ましくは最高で100℃、より好ましくは90℃までの温度でのみ完全に溶融形態となるバインダーの使用を特徴とする。すなわち、バインダーは、処理法及び処理条件に従い、選択でき、逆に言えば、特定のバインダーの使用を所望の場合、処理条件、特に処理温度をバインダーに適合させなければならない。
【0190】
実際の圧縮法は、好ましくは、少なくとも圧縮工程において、バインダーの融点が存在しない場合にはバインダーの軟化温度に相当する処理温度で実施される。本発明の好適な一実施態様によれば、処理温度は、実質的に、融点を越える温度又はバインダーが溶融体として存在する温度を越える温度である。特に好適な一実施態様によれば、圧縮工程の処理温度は、融点又はバインダーの融点範囲の上限を20℃以上越えない温度である。技術的には、より高い温度に調節することができるが、バインダー軟化温度又は融点に対する20℃の温度差は、一般に全く充分で、より高い温度でも、付加的な利点は得られないことが判明した。従って、特にエネルギーの見地から、圧縮工程は、融点又はむしろバインダーの融点範囲の上限温度を越える温度ではあるがこれらの温度に可能な限り近い温度で実施することが、特に好ましい。このように温度を制御することは、熱感受性材料、例えばペルオキシ漂白剤(例えば過ホウ酸塩及び/又は過炭酸塩)及び酵素を、このような活性物質の著しい損失を被ることなく更に処理できるという、更なる利点を有する。バインダーの温度、特に重要な圧縮工程の温度、即ちプレミックスの混合/均一化処理と成形処理の間の温度を注意深く制御することによって、この方法は、エネルギー消費の点から非常に好適に実施でき、かつ、プレミックスの熱感受性成分に対し損傷を与えることなく実施できる。なぜなら、プレミックスは、比較的高い温度にごく短時間しか暴露されないからである。好ましいプレス集塊化処理において、プレスアグロメレータの作業用具(押出機のスクリュー、ロール圧縮機のロール及びペレットプレスの圧縮ローラ)は、最高で150℃、好ましくは最高で100℃、特に好ましい実施態様では最高で75℃の温度を有し、処理温度は、30℃、特に好ましい実施態様では融点又はむしろバインダーの融点範囲の上限温度を20℃以上越えない温度である。プレスアグロメレータの圧縮域の熱暴露時間は、好ましくは最大で2分、より好ましくは30秒〜1分である。
【0191】
単独の形態又は他のバインダーとの混合物の形態のいずれでも使用し得る好ましいバインダーは、ポリエチレングリコール、1,2-ポリプロピレングリコール並びに変性ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールである。変性ポリアルキレングリコールには、とりわけ、相対分子量600〜12,000、特に1,000〜4,000のポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコールのスルフェート及び/又はジスルフェートが包含される。別の群は、相対分子量600〜6,000、好ましくは1,000〜4,000のポリアルキレングリコールのモノ-及び/又はジスクシネートからなる。変性ポリアルキレングリコールエーテルのより詳細な説明は、WO-A-93/02176の開示に見られる。本明細書において、ポリエチレングリコールには、C3〜C5グリコール及びグリセロール及びそれらの混合物を出発物質として用いて製造されるポリマーが包含される。加えて、ポリエチレングリコールには、エトキシル化誘導体、例えば5〜30EOを有するトリメチロールプロパンが包含される。好適に使用されるポリエチレングリコールは、直鎖状又は分枝状構造を有し、直鎖ポリエチレングリコールが特に好ましい。特に好ましいポリエチレングリコールには、その相対分子量が2,000〜12,000、有利には約4,000であるものが包含される。特に、3,500未満で5,000を越える相対分子量のポリエチレングリコールを、相対分子量約4,000のポリエチレングリコールと共に使用することができる。ポリエチレングリコール全量を基準に、このような組合せの50質量%を越える部分は、有利には、相対分子量3,500〜5,000のポリエチレングリコールを含む。しかしながら、基本的には室温/圧力1 barで液体として存在するポリエチレングリコール、特に相対分子量200、400及び600のポリエチレングリコールも、バインダーとして使用することができる。しかしながら、これら基本的には液体のポリエチレングリコールは、少なくとも1つの他のバインダーとの混合物の形態でのみ使用すべきであり、この混合物は、また本発明の要件を充足すべきであって、少なくとも45℃を越える融点又は軟化点を有する必要がある。
【0192】
他の好適なバインダーは、相対分子量最大で30,000までの低分子量ポリビニルピロリドン及びその誘導体である。3,000〜30,000、例えば約10,000の相対分子量が好ましい。ポリビニルピロリドンは、好ましくは、単一のバインダーとして使用せずに、他のバインダー、特にポリエチレングリコールと組合せて使用する。
【0193】
他の好適なバインダーは、基本的に洗濯又は洗浄活性特性を示す原料、例えば少なくとも45℃の融点を有する非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤と他のバインダーとの混合物である。好適な非イオン性界面活性剤には、アルコキシル化脂肪又はオキソアルコール、特にC12〜C18アルコールが包含される。アルコール1モル当たり平均18〜80 AO、特にEOのアルコキシル化度、特にエトキシル化度及びそれらの混合が、特に有利であることが判明した。とりわけ、平均18〜35EO、特に平均20〜25EOを含む脂肪アルコールは、本発明にとって有利なバインダー特性を示す。バインダー混合物は、アルコール1モル当たり平均でより少ないEO単位を含むエトキシル化アルコール、例えば14EO含有獣脂脂肪アルコールを含むこともできる。しかしながら、比較的エトキシル化度が低いアルコールは、好ましくはエトキシル化度が比較的高いアルコールとの混合物としてのみ使用する。バインダーは、用いたバインダーの合計量を基準に、有利には50質量%未満、特に40質量%未満の量で、エトキシル化度が比較的低いアルコールを含む。とりわけ、基本的に室温で液体である、洗剤中に代表的に使用される非イオン性界面活性剤、例えば平均して3〜7EOを含むC12〜C18アルコールは、好ましくは、バインダー混合物中に、この方法の最終生成物を基準に2質量%未満の非イオン性界面活性剤が利用できるような量でのみ存在させる。しかしながら、前記したように、室温で液体の非イオン性界面活性剤をバインダー混合物中に使用することは、決して好ましくはない。従って、特に有利な一実施態様によれば、このタイプの非イオン性界面活性剤は、バインダー混合物の一部を構成しない。なぜなら、このような非イオン性界面活性剤は、混合物の軟化点を低下させるだけでなく、最終生成物の付着性に寄与し、水との接触によってゲル化する傾向を示すため、最終生成物中のバインダー/隔壁は迅速に溶解すべきであるという要件を多くの場合充足しないからである。加えて、バインダー混合物は、好ましくは、洗剤又は洗浄剤中に代表的に存在するアニオン性界面活性剤又はその前駆体、すなわち、アニオン性界面活性酸を含まない。バインダーとして適した他のアニオン性界面活性剤は、ゲル化の傾向を示さない脂肪酸メチルエステルエトキシレート、特に平均して10〜25EOを含む当該エトキシレートである(この群の物質についての詳細な説明は、以下を参照されたい。)。この群の物質の特に好ましい代表例は、主としてC16-18脂肪酸をベースとするメチルエステル、例えば平均して12EO又は20EOを含む水添牛脂メチルエステルである。本発明の好ましい一実施態様は、バインダーとして、平均20EOを有するC12〜C18ココ脂肪アルコール又は獣脂脂肪アルコール及び相対分子量400〜4,000のポリエチレングリコールを含む混合物を使用することを特徴とする。本発明の別の好ましい実施態様は、バインダーとして、主としてして平均10〜25EOを含むC16-18脂肪酸ベースメチルエステル、特に平均12EO又は20EOを含む水添牛脂メチルエステル及び、平均20EOを含むC12〜C18ココ脂肪アルコール又は獣脂脂肪アルコール及び/又は相対分子量400〜4,000のポリエチレングリコールを含む混合物を使用することを特徴とする。
【0194】
相対分子量約4,000のポリエチレングリコール単独、又は平均20EOを含むC12〜C18ココ脂肪アルコール又は獣脂脂肪アルコール及びこれら脂肪酸の一方のメチルエステルエトキシレートの混合物、又は平均20EOを含むC12〜C18ココ脂肪アルコール又は獣脂脂肪アルコール、これら脂肪酸の一方のメチルエステルエトキシレート及びポリエチレングリコール、特に相対分子量約4,000のポリエチレングリコールの混合物のいずれかをベースとするバインダーは、本発明の特に有利な実施態様であることが、判明した。
【0195】
前記した物質の他に、他の好適な物質も、少量でバインダー中に存在させることができる。
【0196】
製造装置から取り出した直後、圧縮材料は、好ましくは温度90℃以下を有し、35〜85℃の温度が特に好ましい。40〜80℃、例えば70℃までの出口温度(特に押出成形処理の出口温度)が、特に有利であることが判明した。
【0197】
本発明の好適な一実施態様によれば、本発明の方法は、特許文献記載の押出成形法によって実施される〔例えば、EP-B-0 486 592又はWO 93/02176及びWO 94/09111 又はWO 98/12299、参照〕。この押出成形法によれば、固体プレミックスを、加圧下に押出成形して、ストランドを形成し、多孔押出成形ダイから吐出した後、ストランドを切断装置によって切断して、所定寸法のペレットを得る。固体で均一なプレミックスは、可塑剤及び/又は潤滑剤を含んでおり、その効果は、プレミックスを押出成形し得るように、当該プレミックスを加圧又は特定のエネルギーの作用下に、軟化させることにある。好適な可塑剤及び/又は潤滑剤は、界面活性剤及び/又はポリマーである。
【0198】
実際の押出成形法の詳細は、前記特許及び特許出願に見られ、これらの開示をもって本明細書の記載とする。本発明の好適な一実施態様によれば、プレミックスを、遊星形ロール押出機、又は同方向又は逆方向回転の二軸スクリュー型押出機(これらのバレル及び押出機/粒状化ヘッドは、所定の押出温度に加熱することができる。)に、供給、好ましくは連続供給する。押出機スクリューの剪断作用の下に、プレミックスを、用いた装置に応じて、好適には少なくとも25 barの圧力又は非常に高い押出量の場合にはやや低い圧力で、圧縮し、可塑化し、押出機ヘッドの多孔押出ダイを介して細いストランドの形態で押出成形し、最後に回転切断ブレードで寸法減少して、好適には実質的に球形又は円筒形のペレットを形成する。ストランドとして切断される、多孔押出ダイの孔の直径及び長さは、選択したペレットサイズに適合させる。この実施態様によれば、ペレットは、実質的に均一の所定の粒度で製造されるが、絶対的な粒度は、想定した特定の用途に適合させることができる。一般に、最大で0.8 cmまでの粒径が好適である。重要な実施態様では、mm範囲、例えば、0.5〜5 mm、特に約0.8〜3 mmの均一なペレットが得られる。本発明の重要な一実施態様によれば、一次ペレットの長さ/直径の比は、約1:1〜約3:1の範囲である。別の好適な一実施態様によれば、可塑状態の一次顆粒を、別の成形処理工程に付し、この工程では、粗製押出物に存在するエッジを丸め処理し、これにより、最終的には球形又は実質的に球形の押出物ペレットを得ることができる。所望により、少量の乾燥用粉末、例えば、ゼオライトNaAのような粉末ゼオライト粉末を、この工程に使用することができる。この成形工程は、市販の球体化装置によって実施することができる。これに関し、少量のみの微粒子しかこの工程で形成しないことを確保することが重要である。本発明によれば、前記先行技術文献の好適な一実施態様として記載した乾燥処理を、その後の工程で実施できるが、これは、絶対的には必須でない。圧縮工程後に、乾燥を実施しない方が好適である。
【0199】
別法として、押出成形/圧縮工程は、低圧押出機である、Kahl press(製造会社:Amandus Kahl)又はいわゆるBextruder(製造会社:Bepex)によって実施することもできる。
【0200】
本発明の特に好適な一実施態様によれば、スクリューの遷移セクション、プレディトリビュータ及び押出ダイにおける主たる温度は、バインダーの溶融温度又はむしろバインダー溶融範囲の上限温度に少なくとも達し、好適にはこれら温度を越えるように、制御する。押出機の圧縮セクションの温度暴露時間は、好ましくは、2分未満、特に30秒〜1分である。
【0201】
本発明の別の好適な一実施態様によれば、本発明の方法は、ロール圧縮法によって実施される。この変法によれば、プレミックスを、2つのロール(平滑ロール又は所定形態の凹部を有するロールのいずれかのロール)の間に導入し、2つのロールの間で加圧下に圧延して、シート状圧縮物を形成する。ロールは、コンパウンドに対し高い線圧を加え、要すれば付加的に加熱又は冷却することができる。平滑ロールを使用する場合、平滑で非模様付きの圧縮物シートを得る。これとは対照的に、模様付きロール使用の場合、対応する模様付きの圧縮物を製造することができ、この圧縮物は、例えば、所定の形態をその後の洗剤粒子に予め形成することができる。シート状圧縮物を次いでより小さいピースに、細断及び粉砕法によって破砕し、ペレットに処理することができ、このペレットを、更に、精製し、特に実質的に球形に、既知の表面処理法によって変換することができる。
【0202】
ロール圧縮法においても、圧縮成形用具であるロールの温度は、好ましくは最高で150℃、より好ましくは最高で100℃、最も好ましくは最高で75℃である。特に好適なロール圧縮法による製造法は、バインダーの溶融温度又はバインダーの溶融範囲の上限温度よりも、10℃高い温度、特に最大で5℃高い温度で実施する。ロール(平滑ロール又は所定形態の凹部を有するロールのいずれか)の圧縮セクションの温度暴露時間は、好ましくは、最大2分間、特に30秒〜1分である。
【0203】
本発明の別の好適な一実施態様によれば、本発明の方法は、ペレット化によって実施される。この方法によれば、プレミックスを穿孔付表面に適用し、穿孔内に押込むと同時に、加圧ロールによって可塑化する。通常のペレット化法によれば、回転ロールによって、プレミックスを加圧下に圧縮し、可塑化し、穿孔付表面を介して細いストランド形態で押込み、最後に、切断装置によってペレットに寸法減少する。加圧ロール及び穿孔付ダイは、多くの異なる形態とすることができる。例えば、穿孔付平板を、凹形態又は凸形態のリングダイとして使用し、このダイを介して、材料を1又はそれ以上の圧縮ロールによって圧縮する。穿孔付平板プレスにおいて、加圧ロールは、円錐形態とすることができる。リングダイプレスにおいて、ダイ及び加圧ロールは、同方向又は反対方向に回転することができる。本発明の方法の実施に適したプレスは、例えば、DE-OS 38 16 842に記載されている。この特許文献に開示のリングダイプレスは、加圧ダイによって浸透した回転リングダイ及び内面に操作可能に接続した少なくとも1つの加圧ロールからなり、この内面は、排出装置内に加圧孔を介してダイ空間に供給された材料を圧縮する。リングダイ及び加圧ロールは、プレミックスに適用した剪断荷重及び従ってプレミックスが付される温度上昇を減少させる同じ方向に駆動するように、設計される。しかしながら、もちろん、ペレット化法は、加熱可能又は冷却可能なロールを用いて実施して、所要の温度にプレミックスを調節することができる。
【0204】
ペレット化においても、加圧成形用具の温度(即ち加圧ロールの温度)は、好ましくは最高で150℃、より好ましくは最高で100℃、最も好ましくは最高で75℃である。特に好適なロール圧縮に基づく製造方法は、バインダー融点又はバインダー溶融範囲の上限温度よりも10℃高い温度、特に最大で5℃高い温度で実施する。
【0205】
本発明に従い使用し得る別のプレス集塊化法は、タブレット化法である。洗剤又は洗浄剤の成形体は、この方法によって製造する。従って、本発明の別の好適な一実施態様によれば、洗剤又は洗浄剤は、成形体、好ましくは単一相又は数相、特に2又は3つの異なる相からなるタブレットの形態で存在する。
【0206】
高圧縮タブレットの崩壊を促進するには、崩壊助剤、いわゆるタブレット崩壊剤をベースタブレット内に混和して、崩壊時間を短縮することができる。文献によれば〔Roempp(9版, Vol. 6, p.4440) 及び Voigt 「Lehrbuch der pharmazeutischen Technologie」(6版, 1987, p.182-184)、参照〕、タブレット崩壊剤又は崩壊促進剤は、タブレットの水又は胃液中での急速な崩壊及び吸収可能な形態での医薬の放出を促進する助剤である。
【0207】
以上の物質は、その効果から、「崩壊剤」としても知られ、水との接触によって容量を増加させ、これにより、一方でそれ自体の容量を増加させ(膨潤させ)、他方で、タブレットの比較的小さい粒子への崩壊を引き起こすガスの放出を介して、圧力を発生させることができる。よく知られた崩壊剤は、例えば、炭酸塩/クエン酸系であるが、他の有機酸も使用することができる。膨潤崩壊助剤は、例えば、合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)又は天然ポリマー及び変性天然物質、例えばセルロース及びデンプン及びそれらの誘導体、アルギン酸塩又はカゼイン誘導体である。
【0208】
好適な洗剤及び洗浄剤成形体は、成形体の質量を基準に、0.5〜10質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは4〜6質量%の1又は複数の崩壊助剤を含む。
【0209】
本発明によれば、好適な崩壊剤は、セルロース系崩壊剤であり、従って、好適な洗剤及び洗浄剤成形体は、セルロース系崩壊剤を、0.5〜10質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは4〜6質量%の量で含む。純粋なセルロースは、実験式:(C6H10O5)nの組成を有するが、正式にはセロビオースのβ-1,4-ポリアセタールであり、これは、2つのグルコース分子から構成される。好適なセルロースは、約500〜5,000のグルコース単位からなり、よって重量平均分子量50,000〜500,000を有する。本発明によれば、ポリマー類似反応によってセルロースから得られるセルロース誘導体を、セルロース系崩壊剤として使用することができる。このような化学的に変性セルロースには、例えば、ヒドロキシの水素原子を置換したエステル化又はエーテル化反応生成物が包含される。しかしながら、ヒドロキシル基を、酸素原子が結合していない官能基によって置換したセルロースを、セルロース誘導体として使用することもできる。この群のセルロース誘導体には、アルカリ金属セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、セルロースエステル及びエーテル、及びアミノセルロースが包含される。これらセルロース誘導体は、好適にはそれ自体単独では使用せずに、むしろ、セルロースとの混合物の形態で、セルロース系崩壊剤として使用する。このような混合物中のセルロース誘導体の含量は、セルロース系崩壊剤を基準に、好ましくは50質量%未満、より好ましくは20質量%未満である。特に好適なセルロース系崩壊剤は、セルロース誘導体非含有の純粋なセルロースである。
【0210】
崩壊助剤として使用されるセルロースは、好ましくは、微粒子形態で使用せずに、その添加前に、例えば粒状化又は圧縮によって粗粒子形態に変換し、タブレット化されるプレミックスと混合する。粒状化又は所望により共粒状化崩壊剤を含む洗剤及び洗浄剤タブレットは、独国特許出願DE 197 09 991及びDE 197 10 254並びにWO 98/40463に記載されている。粒状化、圧縮又は共粒状化セルロース崩壊剤製造の更なる詳細は、上記特許出願に見られる。このような崩壊助剤の粒度は、その大半が200 μmを越え、好ましくは粒子の少なくとも90質量%が300〜1,600 μm、特に400〜1,200 μmである。本発明によれば、上記特許出願に詳細に記載された、比較的粗粒子の前記セルロース系崩壊剤を、好ましくは崩壊助剤として使用し、これは、例えば、商品名Arbocel(登録商標) TF-30-HGのもとRettenmaier社から市販されている。
【0211】
微結晶質セルロースも、別のセルロース系崩壊助剤として、又はこのような成分の構成成分として使用することができる。この微結晶質セルロースは、セルロース合計質量の約30%の無定形領域のみを攻撃及び完全に溶解するが、約70%の結晶領域を未損傷のままで残存させるような条件下、セルロースの部分的加水分解によって得られる。加水分解によって形成した極微小のセルロースのその後の脱凝集化によって、一次粒度が約5 μmで、例えば平均粒度200 μmの顆粒に圧縮できる微結晶質セルロースを得る。
【0212】
本発明において、好適な洗剤及び洗浄剤タブレットは、更に、崩壊助剤、好ましくはセルロース系崩壊助剤を、好ましくは顆粒、共粒状化又は圧縮形態で、タブレット質量を基準に0.5〜10質量%、好ましくは3〜7質量%、より好ましくは4〜6質量%の量で含む。
【0213】
本発明の成形体は、まず、完全又は部分的に予備粒状化し得る成分を乾燥混合し、次いで、得られた混合物を常法によって成形/形成、特に、タブレット化することによって製造される。本発明の成形体を製造するには、プレミックスを、ダイの2つのパンチの間で圧縮して固体圧縮物を形成する。この操作(以下、簡略化のため、タブレット化と言う)は、4つの段階、すなわち計量、圧縮(弾性変形)、可塑性変形及び吐出工程を含む。
【0214】
プレミックスを、まずダイに導入し、充填レベル及び故に形成されるタブレットの質量及び形態を、下部パンチの位置及びダイの形態によって決定する。高いタブレット生産量の場合でも、均一な供給量は、好ましくはプレミックスの体積測定供給によって達成される。タブレット化処理の進行につれて、頂部パンチは、プレミックスと接触し、底部パンチの方への下降を継続する。この圧縮段階の間、プレミックスの粒子は、相互に緊密に圧縮され、2つのパンチ間の充填空隙体積は、連続的に消失する。可塑性変形段階は、粒子を溶融してタブレットを形成する段階であるが、この段階は、頂部パンチの所定の位置(従って、プレミックスに対する所定の圧力)から開始する。プレミックスの物性に応じて、その成分粒子は、部分的に粉砕し、またプレミックスはより高い圧力で焼結する。タブレット化速度の増加につれて、即ち、高い生産量では、弾性変形段階が徐々に短くなり、その結果、形成されるタブレットは、多少とも大きい気孔を有することができる。タブレット化処理の最終工程では、タブレットは、底部パンチによりダイから押出され、次に続くコンベヤによって運ばれる。この段階では、タブレットの質量のみが明確に決定される。なぜなら、タブレットは、その形態及び寸法が、物理的プロセス(再延伸、結晶学的効果、冷却など)によって変化し得るからである。。
【0215】
タブレット化処理は、市販のタブレットプレスによって実施され、このプレスは、単一又は二枚パンチを備えることができる。後者の場合、頂部パンチが圧力形成に使用されるだけでなく、底部パンチも、タブレット化処理の間に頂部パンチの方向に移動する一方、頂部パンチは、下方に押圧する。少量生産については、好ましくは、偏心タブレットプレスを用い、このプレスでは、パンチは、偏心ディスクに固定され、このディスクは、また所定の速度で回転するシャフトに載置されている。これらパンチの動きは、通常のフォーストロークエンジンの動作に匹敵する。タブレット化は、頂部パンチ及び底部パンチによって実施できるが、数個のパンチを、単一の偏心ディスクに固定することもでき、この場合には、ダイ孔の数を、対応して増加させる。偏心プレスの生産量は、タイプに応じて、1時間当たり、数百タブレットから、最大で3,000タブレットまで変化させることができる。
【0216】
より大量の生産量には、回転タブレットプレスを一般に使用する。回転タブレットプレスでは、比較的多数のダイを、いわゆるダイテーブルに円形状に配置する。ダイの数は、モデルに応じて、6〜55の数に変化するが、より多くのダイも市販されている。頂部及び底部パンチは、ダイテーブルの各ダイに連携して、タブレット化圧力を、頂部パンチ又は底部パンチだけでなく、両方のパンチによって有効に形成する。ダイテーブル及びパンチは、共通の垂直軸周囲を移動し、パンチは、充填、圧縮、可塑性変形及び吐出位置に、湾曲ガイドレールによって運ばれる。パンチの上昇又は下降を特に著しい程度で行う必要がある位置(充填、圧縮、吐出位置)では、湾曲ガイドレールは、付加的な押下部材、引下レール及び吐出路によって支持されている。ダイは、固定配置した供給装置から、プレミックス用の貯蔵容器に接続したいわゆる充填シューを介し、充填する。プレミックスに適用される圧力は、頂部及び底部パンチを介し、個々に調節でき、調節可能な加圧ロールを通り越すパンチシャフトヘッドの回転によって、圧力を形成することができる。生産量増加のために、回転プレスに、2つの充填シューを設けることができ、これにより、処理に必要な周期が半分だけで、1つのタブレットを製造することができる。二層又は多層タブレット製造のために、数個の充填シューを、更なる充填前に、吐出された第1相を軽く圧縮することなく、一方を他方の背後に配置する。適切にプロセスを制御すれば、シェル及びブルズアイタブレット(これは、オニオン表皮の構造に類似する)をこのようにして、製造することができる。ブルズアイタブレットの場合、コアの上面又はむしろコア層は、被覆されずに可視的のままである。回転タブレットプレスは、単一又は多数のパンチを備えることができ、例えば、50孔の外側サークル及び35孔の内側サークルを、同時に用いてタブレット化することができる。現代の回転タブレットプレスの生産量は、1時間当たり100万個を越える。
【0217】
本発明の目的に適したタブレット化装置は、次のような製造会社から入手することができる:Apparatebau Holzwarth GbR, Asperg, Wilhelm Fette GmbH, Schwarzenbek, Hofer GmbH, Weil, KILIAN, Cologne, KOMAGE, Kell am See, KORSCH Pressen GmbH, Berlin, Mapag Maschinenbau AG, Bern(Switzerland)及びCourtoy N.V., Halle(BE/LU)。特に好適なタブレット化装置の一例は、モデルHPF 630液圧二重圧プレス(LAEIS, D.製)である。
【0218】
タブレットは、所定の形態及び所定の寸法で製造することができる。好適な形態は、手で容易に取扱いできる形態の実質的にいずれであってもよく、例えば、スラブ、バー、立方体、正方形形態及び平らな側面を有する対応する形態、特に円形又は楕円形断面の円筒形である。この最後の態様には、タブレットから、高さ/直径の比が1を越える圧縮円筒形までの形態が包含される。
【0219】
分割プレス成形体は、所定量の洗剤に対応する、別々の要素として形成することができる。しかしながら、また、数個のこのような単位を単一のプレス成形体として組合せることができ、より小さい分割単位は、所定の弱いスポット部分から特に容易に切り離すことができる。水平配置型の標準欧州タイプの洗濯機において洗濯洗剤を使用するには、有利には、分割プレス成形体を、円筒形又は正方形タブレット(好ましくは直径/高さの比=約0.5:2〜2:0.5)として、製造することができる。このようなプレス成形体の製造には、市販の液圧プレス、偏心プレス及び回転プレスが特に好適である。
【0220】
タブレットの別の実施態様についての三次元形態は、市販の家庭用洗濯機の洗剤投入室の寸法に適合させ、これにより、タブレットを、直接、すなわち投与用具を用いずに、タブレットを水と接触させる洗剤投入室内に導入することができる。しかしながら、もちろん、洗剤タブレットを、投与用具と共に用いることは容易にでき、また、それは本発明にとって好ましい。
【0221】
製造し得る別の好適なタブレットは、厚くて長いセグメントと薄くて短いセグメントを交互に有するプレート状又はスラブ状構造を有し、各セグメントは、この「バー」から、薄くて短い所定の弱いスポットで切り離して、洗濯機内に導入することができる。この「バー」原理は、また他の幾何学的形態、例えば長手方向側面の一方においてのみ相互に接続する垂直トライアングル形態として、具体化することができる。
【0222】
しかしながら、別の可能な実施態様によれば、種々の成分を、圧縮して単一のタブレットを形成せずに、これに代えて、得られるタブレットは、複数の層、すなわち少なくとも2つの層を含む。この種々の層は、異なる溶解速度を有することができる。これにより、好適な性能特性を有するタブレットを提供することができる。例えば、仮に、タブレットが相互に悪影響を及ぼすような成分を含んでいる場合、1つの成分を、より迅速に溶解する層中に混和する一方、他の成分をよりゆっくり溶解する層中に配合し、これにより、第1成分は、第2成分が溶解する時点までに、既にその反応を終了させることができる。また、洗剤又は洗浄剤タブレットでは、少なくとも2つの相が同じ活性成分を異なる量で含むことが好ましい。これに関して用語「異なる量」は、相中の成分の絶対量を意味するのではなく、むしろ相の質量に基づく相対量を意味し、従って、個々の相に基づく質量%を示す。本発明において、本発明のケイ素化合物、及び好ましくは全香料混合物が、漂白剤が含まれる相とは異なるタブレットの相に存在する場合、特に好適であり得る。同様に、アルカリ源、例えば水酸化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、セスキ炭酸アルカリ金属、ケイ酸アルカリ、メタケイ酸アルカリ、及びそれらの混合物が、少なくとも最大量で、しかしながら、好ましくは完全に、本発明のケイ素化合物又は特に好ましくは香料混合物全体とは異なるタブレットの相に存在する場合、好ましい。タブレットの種々の層は、スタックの形態に配置でき、この場合、内層はタブレットの端部において、外層が完全に溶解する前に溶解する。しかしながら、これとは別の態様として、内層は、また、内層成分の早すぎる溶解を防止する層を更に外側に配置することによって完全に包囲することができる。
【0223】
本発明の更なる好適な一実施態様によれば、タブレットは、少なくとも3つの層、すなわち、2つの外層及び少なくとも1つの内層からなり、ペルオキシ漂白剤を、内層の少なくとも1つの中に存在させる一方、スタック状タブレットの場合には、2つのカバー層、及びエンベロープ状タブレットの場合には最も外側の層には、ペルオキシ漂白剤を存在させない。また、ペルオキシ漂白剤及び任意に漂白活性剤、及び/又は酵素を、1つの同じタブレットにおいて、相互に間隔をおいて分離させることができる。このような多層タブレットは、洗剤投入室又は洗濯液に添加される用量単位を介してタブレットを使用できるだけでなく、これに代えてこのような場合にタブレットを洗濯機に、繊維と直接接触させる状態で、漂白剤などによる斑点形成の危険を伴うことなく導入できるという、利点を有する。
【0224】
同様な効果は、また圧縮される洗剤組成の各成分又はタブレット全体の被覆によって得ることができる。このために、被覆されるタブレットを、例えば水溶液又はエマルジョンで噴霧処理するか、又は被膜を、溶融被覆法として知られた方法によって得ることができる。
【0225】
圧縮後、洗剤タブレットは、高い安定性を有する。円筒形タブレットの破壊耐性は、直径方向応力によって測定することができる。これは、式:
【0226】
【数1】

【0227】
〔式中、σは、直径方向破壊応力(DFS、Pa)、Pは、タブレットに適用した圧力が当該タブレットの破壊をもたらすような力(単位:N)、Dは、タブレットの直径(m)、及びtは、その高さである。〕
によって決定することができる。
【0228】
好適な一実施態様において、本発明の化粧品組成物は、ケラチン繊維、特に人毛を処置するのに、又は皮膚を処置するのに特に適した、界面活性成分を含む水性調製物である。
【0229】
上記の毛髪トリートメント調製物は、特にヒトの頭髪を処置するための調製物である。この分野で最も一般的な調製物は、毛髪シャンプー、毛髪ケア調製物、毛髪セット調製物及び毛髪スタイリング調製物及びまた染毛剤及び脱毛剤である。界面活性成分を含む、本発明の好適な調製物は、特に毛髪ケア及び洗髪調製物である。洗髪調製物又はシャンプーは、10〜20の成分、場合により30ほどの多数の成分からなる。これら水性調製物は、一般に液体又はペースト状形態である。
【0230】
部分的に他の一般的にアニオン性の界面活性剤と組合せた、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート(エーテルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート)は、主として、最も重要な群の成分である界面活性成分又は「洗浄活性」成分として使用される。良好な洗浄性能及び水硬度に対する耐性の他に、シャンプー界面活性剤は、皮膚科学的及び粘膜の適合性を示すことを意図している。易生分解性は、法律上の要件である。アルキルエーテルスルフェートの他に、好適な化粧品は、他の界面活性剤、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、好ましくはエトキシル化度4〜10のもの及び界面活性タンパク/脂肪酸縮合物も含む。タンパク/アビエチン酸縮合物は、これに関し、特に例示される。スルホコハク酸エステル、アミドプロピルベタイン、アンホアセテート及びアンホジアセテート、更にアルキルポリグリコシドは、他の好ましい毛髪シャンプー用の界面活性剤である。別の多様な群の成分は、助剤である。例えば、多量の非イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化ソルビタンエステル又はタンパク水解物は、例えば、ベビーシャンプーにおいて相溶性を改善し、又は微生物抑制効果を示し、天然油又は合成脂肪酸エステルは、例えば、洗髪後の過剰な脱脂状態を防ぐための再加脂剤として作用し、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(プロパンジオール参照)、ポリエチレングリコール及び他のポリオールは、湿潤剤として作用する。カチオン性界面活性剤、例えば四級アンモニウム化合物は、シャンプーに添加されて、湿潤相溶性を改善し、また乾燥後の毛髪の静電気帯電を減少させることができる。染料及び真珠光沢顔料を添加して、着色した光沢ある外観を得る。種々の化合物群に属する増粘剤は、必要な粘度への調節に使用することができる。pH安定性は、緩衝剤、例えばクエン酸塩、乳酸塩又はリン酸塩系の緩衝剤によって、達成される。防腐剤、例えば4-ヒドロキシ安息香酸エステルを添加して、安定性及び貯蔵性を保証する。酸化感受性の成分は、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、ブチルメトキシフェノール又はトコフェノールの添加によって保護することができる。
【0231】
第3群の成分は、特別なシャンプー用の特別な活性成分から構成され、例えば、油分、ハーブ抽出物、タンパク、ビタミン及びレシチンを、脂ぎった毛髪、若しくは乾燥した毛髪及び損傷した又はストレスを受けた毛髪用のシャンプー中に含ませる。フケ止め用シャンプーの活性成分の殆どは、真菌及び細菌に対し、広範な成長抑制効果を示す。例えば、ピリチオン塩の特に静菌効果は、良好なフケ止め作用に寄与することがわかっている。シャンプーは、心地よい芳香のため、香油を含む。シャンプーは、もっぱら、本発明のケイ素化合物を含むが、別の好適な一実施態様では、シャンプーは、これらだけでなく他の香料も含む。シャンプーに使用可能な通常の香料のいずれをも、使用することができる。
【0232】
毛髪ケア調製物の目的は、可能な限り長く、自然な状態で新鮮な再成長毛髪を維持し、損傷した場合でも、回復させることである。この自然な状態を特徴付ける特性は、シルク様光沢、低多孔性、弾力性及び心地よい柔軟な感触である。これに関する重要な要件は、清潔でフケのない状態で、あまりにも脂ぎった頭皮でないことである。今日の毛髪ケア調製物には、いくつかの異なる製品が包含され、そのうち、最も重要な代表例は、プリトリートメント、毛髪ローション、スタイリング助剤、リンス及びコンディショナーであり、その組成は、シャンプーに関し、概ね、基礎成分、助剤及び特別な活性成分に分類される。
【0233】
基礎成分には、脂肪アルコール、特にセチルアルコール(1-ヘキサデカノール)及びステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、ロウ類、例えばミツロウ、羊毛ロウ(ラノリン)、鯨ロウ及び合成ロウ、パラフィンロウ、ワセリン、パラフィン油及び、溶媒として、特に2-プロパノール及び水が包含される。助剤は、乳化剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、染料及び香油である。現在、毛髪ケア調製物にとって最も重要な群の特別な活性成分は、第四級アンモニウム化合物である。この化合物は、モノマー第四級アンモニウム化合物(例えば、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、特にアルキル基としてラウリル、セチル又はステアリル基を含むもの)及びポリマー第四級アンモニウム化合物(例えば、第四級セルロースエーテル誘導体又はポリ(N,N-ジメチル-3,4-メチレンピロリジニウムクロリド))に分類される。毛髪ケア調製物中のその効果は、この化合物の窒素原子の正電荷を毛髪ケラチン上の負電荷に添加でき、その高いシステイン酸含有量により、損傷した毛髪は多量の負帯電酸基を含むため、より多量の第四級アンモニウム化合物を吸収し得るという事実に基づく。これら第四級アンモニウム化合物は、そのカチオン性特性のため「カチオン性毛髪ケア剤」として知られており、毛髪を滑らかにする効果を示し、相溶性を改善し、静電気帯電作用を減少させ、触感及び光沢を改善する。ポリマー第四級アンモニウム化合物は、毛髪に対し良好な付着性を示すため、数回の洗髪後でもその効果を明確に示す。有機酸、例えばクエン酸、酒石酸又は乳酸は、しばしば酸性媒体を確立するのに使用される。水溶性タンパク水解物は、化学的性質が毛髪ケラチンに近いため、毛髪ケラチンに容易に吸収される。毛髪ケア調製物中、特別な活性成分の最大の群は、種々の植物抽出物及び植物油からなり、これら植物抽出物及び植物油の大半は、それらの有効性がいずれの場合にも化学的に満足できるほどそれらの効果に起因することが確立されずに、かなりの期間採用されていたにすぎない。同様に、毛髪ケア調製物に使用されるビタミンの有効性も、各ケースでのみ確立されているに過ぎない。速すぎる加脂化効果を回避するため、ある種の毛髪ローションは、ある種のタール成分、システイン酸誘導体又はグリシルリジンのような物質を含んでいるが、意図した脂肪汗腺の生産減少は、明確には達成されていない。これとは対照的に、フケ止め剤の有効性は、充分に証明されている。従って、フケ止め剤は、対応する毛髪ローション及び他の毛髪ケア調製物中に採用されている。
【0234】
皮膚処置用の水性調製物は、特に皮膚ケア化粧品である。皮膚ケアは、主として石鹸を使用する洗浄と共に開始する。石鹸は、固体石鹸、一般にバーソープ及び液体石鹸に分類される。従って好適な一実施態様によれば、このような化粧品は、界面活性成分を含む成形体の形態で存在する。好適な一実施態様において、このような成形体中、最も重要な成分は、好ましくは炭素原子数12〜18の炭素鎖を有する天然油脂脂肪酸のアルカリ金属塩である。ラウリン酸石鹸は、非常に良好に起泡するため、ラウリン酸が豊富であるヤシ油及びパーム核油石鹸が化粧石鹸の製造に好ましい原料である。脂肪酸混合物のナトリウム塩は、固体で、そのカリウム塩は、柔らかくペースト状である。ケン化のために、ナトリウム又はカリウム希釈溶液を、脂肪原料に、水酸化物が最終石鹸中に最大0.05%過剰量で存在するような化学量論比で添加する。多くの場合、現在の石鹸は、油脂から直接製造するのではなく、これに代えて、脂肪分解によって得られる脂肪酸から製造される。代表的な石鹸添加剤は、脂肪酸、脂肪アルコール、ラノリン、レシチン、植物油、部分グリセリド及び、洗浄した皮膚の再加脂用の他の脂肪様物質、石鹸の自動酸化(酸敗)防止用の酸化防止剤、例えばパルミチン酸アスコルビル又はトコフェロール、自動酸化分解を触媒し得る痕跡量の重金属と結合する錯生成剤、例えばニトリロトリアセテート、所要の芳香を得るための香油、バーソープ着色用の染料及び所望により特別な添加剤である。
【0235】
最も重要なタイプの化粧石鹸は、次のとおりである。
- 化粧石鹸:20〜50%の脂肪成分としてのヤシ油、5%までの再加脂剤及び0.5〜2%の香油を含む。これらの成分は、化粧石鹸の最大割合を形成する。
- 高級石鹸: 5%までの香油、場合により特に高価な香油を含む。
- デオドラント石鹸:これは、消臭剤、例えば3,4,4'-トリクロロカルボアニリド(Triclocarban)を添加した石鹸。
- クリーム石鹸:非常に高い割合で再加脂剤及び皮膚クリーミング物質を含む。
- ベビーソープ:良好な再加脂及び付加的な皮膚ケア成分、例えばカミツレ抽出物を含み、最も良好には、非常に弱い芳香性。
- 皮膚保護型石鹸:非常に高い割合で再加脂剤及び他の皮膚ケア及び保護添加剤、例えばタンパクを含む。
- 透明石鹸:固化した石鹸溶融物において脂肪酸塩の結晶化を防止して透明な外観にさせるグリセリン、糖類などを添加した石鹸。
- 浮き石鹸:気泡を、製造工程の間に制御しながら組み込んで製造した密度<1の石鹸。
【0236】
石鹸は、また、特に汚れた手を洗浄するための研磨性添加剤を有することができる。石鹸を洗濯に用いる場合、洗濯液中で8〜10のpHが自動的に達成される。このアルカリ性は、皮膚表面の天然酸を中和する(pH5〜6)。このアルカリ性は、通常の皮膚の場合には比較的迅速に修正されるが、敏感な皮膚又は予め損傷した皮膚の場合には、刺激が起こり得る。石鹸の別の欠点は、硬水において不溶性の石灰石鹸を形成することである。この欠点は、合成石鹸を用いれば起こらない。合成石鹸は、石鹸様のバーを形成するために、ビルダーと共に処理し得る合成アニオン性界面活性剤、再加脂剤及び他の添加剤をベースとする。合成石鹸のpH値は、広範な範囲内で変化させることができるが、一般に、中性pH7又は皮膚表面の酸性度に適合させてpH5.5に調節する。合成石鹸は、優れた洗浄性能を示し、任意の水の硬度及び海水でも起泡する。合成石鹸は、強力な洗浄及び脱脂効果を示すため、再加脂剤の割合は、通常の石鹸よりも高くすべきである。合成石鹸の欠点は、比較的高価なことである。
【0237】
液体石鹸は、天然脂肪酸のカリウム塩及び合成アニオン性界面活性剤の両方をベースとする。液体石鹸は、水溶液において、固体石鹸よりも少ない洗浄活性成分を含み、通常の添加剤と共に、所望により粘度調整成分及び真珠光沢添加剤を有する。液体石鹸は、ディスペンサーから好適に衛生学的用途に使用できるため、主として、公衆トイレなどで使用する。特に敏感な皮膚用のウォッシュローションは、穏やかに作用する合成界面活性剤をベースとし、皮膚ケア物質を添加したもので、中性又は穏やかな酸性pH(5.5)に調節される。
【0238】
フェイスローション、クレンジングローション、ミルク、クリーム、ペーストを含め、主として顔の洗浄のための他の化粧品が多数存在し、フェイスパックは、一部洗浄に使用されるが、主として顔の皮膚を爽快にし、またケアするのに使用される。フェイスローションの大半は、低含有量の界面活性剤及び他の皮膚ケア剤を含む、水/アルコール溶液である。クレンジングローション、ミルク、クリーム及びペーストの大半は、比較的少量の脂肪成分並びにクレンジング及び皮膚ケア添加剤を有するo/w型(水中油型)エマルジョンをベースとする。いわゆる擦り落とし型及び剥離型の化粧品は、皮膚の最上層の死滅角質層を除去するためのケラチン溶解性物質を含み、場合により、研磨性粉末を添加している。穏やかな皮膚洗浄剤として長い間使用されているアーモンドペーストは、しばしばこのような調製物中に成分として存在する。加えて、乾燥肌を洗浄するための化粧品は、抗細菌剤及び抗炎症剤物質を含む。なぜなら、コメド(ニキビ)中の脂肪堆積物は、細菌感染の栄養媒体を形成し、炎症を引起す傾向を示すからである。市販の種々の広範な皮膚洗浄化粧品は、組成が異なっており、種々の活性物質の含有量は、種々の皮膚のタイプ及び特定の処置目的に応じて変化させる。
【0239】
バスタブ又はシャワー室での皮膚洗浄用に利用可能な浴剤が、広範に使用されている。バスソルト及びバスタブレットは、風呂の水を軟化、着色及び賦香することを意図しており、一般に洗浄活性物質を何ら含んでいない。風呂の水の軟化によって、浴剤は、石鹸の洗浄力を向上させるが、主に爽快効果を示しかつその添加により入浴を心地よくすることを意図している。フォームバスは、比較的重要である。浴剤は、比較的高含有量の再加脂剤及び皮膚ケア添加剤を含む場合、クリームバスとして知られている。
【0240】
フォームバスの他に、シャワーバスは、ほぼ1970年以来、成功を収め、1986年以降、生産量ではフォームバスを追い抜いている。シャワーバスは、液体毛髪シャンプーの組成に類似するが、毛髪ケア添加剤に代えて、特別な皮膚ケア添加剤を含む。皮膚及び毛髪に適した組合せ化粧品も、近年市場に登場している。
【0241】
洗浄後の肌のケアは、2つの重要な目的を有する。一方で、洗浄の間に制御されずに除去された皮膚の成分、例えば角質、皮脂、酸形成体及び水分を戻すことを意図し、また、自然な平衡状態に再構築することを意図する。他方で、とりわけ皮膚の自然な老化、天候及び環境の影響に起因する有り得る損傷を防止することを意図する。皮膚ケア及び皮膚保護型化粧品は、様々な形態で多数市販されている。最も重要なものは、皮膚クリーム、ローション、オイル及びゲルである。クリーム及びローションは、o/w型(水中油型)エマルジョン又はw/o型(油中水型)エマルジョンをベースとする。油又は脂肪又は脂質相の主成分は、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ロウ類、ワセリン、パラフィン、及び他の主として天然源の脂肪及び油成分である。水分の他に、水性相は、主として湿分調節及び湿分保持物質を重要な皮膚ケア成分として含み、またコンシステンシー又は粘度調節剤を含む。他の添加剤、例えば防腐剤、酸化防止剤、錯生成剤、香油、着色剤及び特別な活性成分は、それらの可溶性及びそれらの安定特性に応じて、前記2相の一方に混和する。乳化剤系の選択は、エマルジョンのタイプ及び特性にとって重要である。乳化剤系は、HLB価を基準に選択することができる。
【0242】
クリームは、その用途範囲に応じて、「デイクリーム」及び「ナイトクリーム」に分類することができる。デイクリームの大半は、o/w型エマルジョンとして構築され、油ぎった触感を残さずに皮膚によって迅速に吸収される。このため、デイクリームは、以前は、ドライクリーム、艶消しクリーム又はバニッシングクリームと呼ばれていた。ナイトクリームの大半は、w/o型エマルジョンであって、比較的ゆっくり皮膚によって吸収され、しばしば就寝の間に皮膚を再生することを想定した特別な活性成分を含む。これら化粧品のいつかは、「滋養クリーム」として知られているが、皮膚細胞の代謝としての滋養は、循環を介してのみ起こり得るため、滋養クリームなる用語は、問題にされている。いわゆるコールドクリームは、o/w型及びw/o型エマルジョンの混合物であって、油相が定量的に勝る。伝統的なコールドクリームを用いると、不安定な状態で乳化した水を、適用の間に放出して、蒸発させ、これにより冷却効果を形成するため、この調製物は、そのように呼ばれている。
【0243】
皮膚ケア調製物に使用される多くの特殊な成分及びこの成分に起因する効果は、詳細には説明することができない。特殊な成分には、乳タンパク、卵黄、レシチン、脂質、リン脂質、穀物胚芽油、ビタミン、特にビタミンF及び皮膚ビタミンとして以前から既知のビオチン(ビタミンH)、及びホルモン非含有胎盤抽出物が包含される。従来使用されていたホルモンは、採用されていない。なぜなら、ホルモンは、医薬活性成分と分類され、化粧品には使用できないからである。
【0244】
皮膚オイルは、皮膚ケア製品の最も古い形態の1つであるが、現在も採用されている。皮膚オイルは、不乾性植物油、例えばアーモンド油又はオリーブ油をベースとし、天然ビタミン油、例えば小麦胚芽油又はアボカド油、及びセントジョーンズワート、カミツレなどからの油状植物抽出物を添加したものである。酸化防止剤の添加は、酸敗に対して必須である。所望の芳香は、香料又は精油の添加によって得られる。パラフィン油又は液体脂肪酸エステルの添加は、性能特性を最適化する。
【0245】
皮膚ゲルは、半固体の透明な製品であって、これは、対応するゲル形成体によって安定化されている。皮膚ゲルは、オレオゲル(無水)、ヒドロゲル(油非含有)及び油/水ゲルに分類される。選択されるタイプは、所望の用途に依存する。油/水ゲルは、多量の乳化剤を含み、審美学的観点及び用途の観点の両方から見て、エマルジョンよりも優れたある種の利点を有する。
【0246】
フットバスは、洗浄、リフレッシュ、循環促進、爽快及び脱臭効果を示しまた硬質の皮膚に対し軟化効果を示すことを、意図する。フットバス添加剤は、バスソルト及びフォームバスの両方として利用可能である。この添加剤は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウム、又はヘキサメタリン酸ナトリウム(縮合リン酸塩参照)、硫酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム及び1%ラウリル硫酸ナトリウム(起泡成分)と、防湿剤、消臭剤、所望により細菌及び/又は真菌抑制剤並びに染料及び香料との基本混合物である。フットパウダーは、足の洗浄後に適用するか及び/又はストッキング及び靴内に分布させるが、これは、皮膚を滑らかにし、冷却し、湿分を吸収し、発汗を抑制し、防腐及び消臭効果及び硬質の皮膚の軟化効果を示すことを意図する。フットパウダーは、一般に85%までのタルク(タルク参照)からなり、シリカ粉末、アルミニウムヒドロキシクロリド、サリチル酸及び所望により殺菌剤、殺真菌剤、消臭剤及び香料を添加したものである。フットクリーム又はフットバルサムは、皮膚ケア、及び足及び下部脚部筋肉のマッサージに使用される。フットクリームは、一般に、基本組成として、例えば、30%のミリスチン酸イソプロピル、10%のポリソルベート、4.2%のメタ水酸化アルミニウム及び55.8%の水を含有する油/水型エマルジョンであり、フットバルサムの大半は、無水であって、例えば、85%のワセリン、5%のパラフィン、3%のラノリン、3%のサリチル酸メチル、2%の樟脳、1%のメタノール及び1%のユーカリ油を含む。硬質皮膚リムーバー、例えばラビングクリームは、皮膚にこすり込んで、角質層を小片の形態で除去する。基本組成は、25%のパラフィン、2%のステアリン酸、2%のミツロウ、2%の鯨ロウ、2%のモノステアリン酸グリセロール、0.5%の2,2',2''-ニトリロトリエタノール、1%の香油、0.2%の4-ヒドロキシ安息香酸及び65.3%の水からなる。爪溝用のチンキは、爪溝の角質を軟化し、また主として足の親指の成長する爪の端部を柔軟にするのに使用される。基本組成は、10%の2,2',2''-ニトリロトリエタノール、15%の尿素、0.5%の脂肪アルコールポリグリコールエーテル及び74.5%の水からなる。
【0247】
他の好適な本発明の化粧品は、体臭に影響を与えるための化粧品、特に消臭剤である。消臭剤は、臭気を遮断、除去及び破壊することを意図する。不快な体臭は、特に、微生物にとって良好な生育条件がある湿気の多い腋の下において、汗の細菌分解によって形成される。従って、消臭剤の最も重要な成分は、微生物抑制物質である。特に好適な微生物抑制剤は、体臭の原因となる細菌に対し選択した活性を強く示すものである。しかしながら、好適な活性成分は、単に、静菌効果を示すもので、細菌叢の全てを殺傷するのではない。微生物の抑制は、一般に、グラム陽性菌に特に作用する好適な防腐剤である。その例には、Irgasan DP 300(トリクロサン、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル)、クロロヘキシジン(1,1'-ヘキサメチレン-ビス-(5-(4'-クロロフェニル)-ビグアニド)及び3,4,4'-トリクロロカルバニリドが包含される。第四級アンモニウム化合物も、原則として好適である。これらの物質の全ては、それらの強力な抗菌活性のため、好ましくは約0.1〜3質量%の低濃度で使用する。加えて、多くの香料も抗菌特性を示す。従って、抗菌特性を示す香料自体も、好適に消臭剤中に使用される。これに関し、ファルネソール及びフェノキシエタノールを特に挙げることができる。特に好ましい実施態様によれば、本発明の消臭剤は、静菌性香料を含む。前記したように、香料は、好ましくは本発明のケイ素化合物の形態で存在することができる。しかしながら、これら抗菌性香料は、ケイ素化合物の形態で存在する必要はなく、むしろ、ケイ素化合物として存在する他の香料との混合物の形態で存在する。別の群の重要な消臭剤成分は、例えば、クエン酸トリエチルエステル又はグリシン酸亜鉛のような、酵素による発汗の分解を抑制する酵素抑制剤である。他の重要な消臭剤成分は、発汗成分の酸化の防止を意図した酸化防止剤である。
【0248】
本発明の別の好適な一実施態様によれば、化粧品は、毛髪セット用ポリマーを含む毛髪セット調製物である。特に好適な実施態様によれば、少なくとも1つのポリマーは、ポリウレタンである。
【0249】
本発明の好適な一実施態様によれば、上記調製物は、非イオン性、アニオン性、両性及び双性ポリマーからなる群から選ばれる水溶性ポリマーを含むことができる。
【0250】
本明細書に用いられる「水溶性ポリマー」なる用語は、室温で水中に2.5質量%を超える量で溶解するポリマーである。
【0251】
本発明によれば、好適な水溶性ポリマーは、非イオン性ポリマーである。以下に、好適な非イオン性ポリマーを例示する。
- ポリビニルピロリドン:Luviskol(登録商標)(BASF)として市販されている。本発明においてポリビニルピロリドンは好適な非イオン性ポリマーである。
- ビニルピロリドン/ビニルエステルコポリマー:例えば、Luviskol(登録商標)(BASF)として市販されている。Luviskol(登録商標)VA64及びLuviskol(登録商標) VA73(共に、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)が特に好適な非イオン性ポリマーである。
- セルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロース:例えば、Culminal(登録商標)及びBenecel(登録商標)(AQUALON)として市販されている。
【0252】
好適な両性ポリマーは、例えば、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー(Amphomer(登録商標)及び Amphomer(登録商標)LV-71(DELFT NATIONAL)である。
【0253】
好適な双性イオンポリマーは、例えば、独国特許出願DE 39 29 973、DE 21 50 557、DE 28 17 369及びDE 37 08 451に開示のポリマーである。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/(メタ)アクリル酸コポリマー及びそのアルカリ金属及びアンモニウム塩が、特に好適な双性イオンポリマーである。他の好適な双性イオンポリマーは、メタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー(Amersette(登録商標)(AMERCHOL))である。
【0254】
本発明によれば、特に好適なアニオン性ポリマーは、次のとおりである。
- 酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー:例えば、Resyn(登録商標)(National Starch)、Luviset(登録商標)(BASF)及びGafset(登録商標)(GAF)として市販されている。
- ビニルピロリドン/ビニルアクリレートコポリマー:例えば、Luviflex(登録商標)(BASF) として市販されている。好適なポリマーは、ビニルピロリドン/アクリレートターポリマー(Luviflex(登録商標)VBM-35(BASF))である。
- アクリル酸/アクリル酸エチル/N-t-ブチルアクリルアミドターポリマー:例えば、Ultrahold(登録商標)strong(BASF) として市販されている。
【0255】
ポリウレタンがイオン性基を含む場合、他の水溶性ポリマーは、非イオン性であるか、同じイオン化度を有することが有用であることが、判明した。
【0256】
本発明の毛髪トリートメント調製物は、特定タイプの毛髪トリートメント調製物によれば、好ましくは、水溶性ポリマーを、0.01〜20質量%、特に0.1〜10質量%の量(調製物全量を基準)で含む。
【0257】
ポリウレタン及び水溶性ポリマーは、好ましくは、本発明の化粧品において、1:10〜10:1の量比で存在する。量比2:1〜1:1が多くの場合に特に好適であることが判明した。
【0258】
本発明の毛髪セット調製物は、特にセットローション、毛髪スプレー及びセットゲルである。毛髪スプレーは、本発明の毛髪セット調製物の特に好適な実施態様である。
本発明の別の好適な一実施態様によれば、本発明の化粧品は、プロペラントを用いるフォームエアロゾルとして処方することができる。
【0259】
本発明の化粧品の他の成分は、例えば、次のとおりである。
- アニオン性界面活性剤、例えば脂肪アルキルスルフェート及びエーテルスルフェート
- カチオン性界面活性剤、例えば第四級アンモニウム化合物
- 双性イオン性界面活性剤、例えばベタイン
- 両性界面活性剤
- 非イオン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド及びエトキシル化脂肪アルコール
- 構造体物質(structurants)、例えばグルコース及びマレイン酸
- 毛髪コンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えば大豆レシチン、卵レシチン及びケファリン、及びシリコーン油
- タンパク水解物、特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、乳タンパク、大豆タンパク及び小麦タンパク水解物、これらと脂肪酸との縮合物及び第四級化タンパク水解物
- 本発明のケイ素化合物を含む香油
- 可溶化剤、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール及びジエチレングリコール
- 染料
- フケ止め剤、例えばPiroctone Olamine及びZinc Omadine
- pH調節用の他の物質
- 活性物質、例えばパンテノール、アラントイン、ピロリドンカルボン酸及びそれらの塩
- 植物抽出物及びビタミン
- UV安定化剤
- 増粘剤、例えば糖エステル、ポリオールエステル又はポリオールアルキルエーテル
- 脂肪及びロウ、例えば鯨ロウ、ミツロウ、モンタンロウ、パラフィン及び脂肪アルコール
- 脂肪酸アルカノールアミド
- 錯生成剤、例えばEDTA、NTA及びリン酸
- 膨潤及び浸透剤、例えばグリセロール、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素及び第一級、第二級及び第三級ホスフェート
- プロペラント、例えばプロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2及び空気
- 酸化防止剤。
【0260】
前記したように、本発明の毛髪セット調製物は、好ましくは、ポリウレタン類から選ばれるポリマーを含有する。ポリウレタンは、少なくとも2つの異なるタイプのモノマー、すなわち、
- 1分子当たり少なくとも2つの活性水素原子を有する化合物(A)
- ジ-又はポリイソシアネート(B)
からなる。
【0261】
化合物(A)は、例えば、ジオール、トリオール、ジアミン、トリアミン、ポリエテロール及びポリエステロールとすることができる。2つを超える活性水素原子を含む化合物は、通常、少量で、多量の2つの活性水素原子を有する化合物と共に用いる。
【0262】
化合物(A)の例示は、エチレングリコール、1,2-及び1,3-プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジ-、トリ-、テトラ-及びポリ-エチレン及び-プロピレングリコール、低級アルキレンオキシドのコポリマー、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドのコポリマー、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4-ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン及び、長鎖アルカン又はポリアルキレンオキシドをベースとするα,ω-ジアミンである。
【0263】
化合物(A)がジオール、トリオール及びポリエーテルオールであるポリウレタンが本発明の目的に好ましい。ある場合には、分子量200〜3,000、特に1,600〜2,500のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが特に好適であることが、判明した。
【0264】
ポリエステロールは、通常、化合物(A)をカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸及びアジピン酸により変性することによって得られる。
【0265】
成分(B)として、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート、4,4'-メチレンジ(フェニルジイソシアネート)及び、特にイソホロンジイソシアネートが、主として使用される。
【0266】
加えて、本発明に使用されるポリウレタンは、構造要素、例えばジアミンを、例えば連鎖延長剤としてのヒドロキシカルボン酸を含むことができる。ジアルキルカルボン酸、例えばジメチロールプロピオン酸は、特に好適なヒドロキシカルボン酸である。他の構造要素に関し、基本的に何ら制限がなく、構造要素は、非イオン性、アニオン性又はカチオン性構造要素であってよい。
【0267】
ポリウレタンの構造及び製造の更なる情報は、適切で概括的な著作、例えば、Roempps Chemie-Lexikon及びUllmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie中の論述に見られる。
【0268】
多くの場合に本発明の目的に特に適していることがわかっているポリウレタンの特徴は、次の通りである。
- 分子中に脂肪族基のみを有する、
- 分子中に遊離イソシアネート基を含有していない、
- ポリエーテル及びポリエステルポリウレタンである、
- 分子中にアニオン性基を有する。
【0269】
また、場合により、ポリウレタンは、系に溶解させるのではなく、安定に分散させることが有利であることが判明した。
【0270】
加えて、本発明の化粧品製造については、ポリウレタンを水性分散体の形態で導入すること、すなわち、ポリウレタンを他の成分と直接混合しないことが有利であることが判明した。このような分散体は、通常、約20〜50%、特に35〜45%の固形分を有しており、市販されている。
【0271】
本発明の毛髪セット調製物は、好ましくはポリウレタンを(調製物全量を基準として)0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%の量で含む。
【実施例】
【0272】
以下の実施例において、「SAE」は、ケイ酸エステルを意味し、及び「APSC」は、アミノプロピルケイ素化合物を意味する。アミノプロピルケイ素化合物は、Si〜C結合を通じてケイ素原子に結合したアミノプロピル基を含有し、更に、記載した芳香アルコキシ基を含有するケイ素化合物である。
【0273】
〔A:洗濯物処理用調製物/洗剤〕
15の香油を、表1〜3に示した組成で製造した。香油の組成(香油全体に基づく%)を、表1〜3に示す。
【0274】
【表1】

【0275】
【表2】

【0276】
【表3】

【0277】
香油1a及び1bの1%を、15%のエステルクォートを含有する布地柔軟剤濃縮物に配合した。これらの組成を、表4に示す。
【0278】
【表4】

【0279】
Dehyquart(登録商標) AU 46:ジパルミトレイルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメトキシスルフェート、イソプロパノール中90%濃度、Henkel(デュッセルドルフ)の市販品。
【0280】
〔B:洗浄剤〕
〔B1:酸性洗浄剤〕
表5の組成を有する香油を製造した。5Aは、本発明による香油であり、及び5Bは、比較例である。
【0281】
【表5】

【0282】
これらの香油を、表6による処方を有する酸性洗浄剤に配合した。
【0283】
【表6】

【0284】
〔B2:多目的洗浄剤〕
表8の処方を有する香油を、表7による処方を有する多目的洗浄剤(2相洗浄剤)中に配合した。
【0285】
【表7】

【0286】
【表8】

【0287】
〔C:フォームバス〕
シャワーバスを、皮膚ケア化粧品の例として以下に示す。表9は、表10による処方を有するフォームバス中に使用した香油組成物を示す。
【0288】
【表9】

【0289】
【表10】

【0290】
〔D:石鹸〕
石鹸棒を、表12に対応する組成で製造した。本発明の実施例において、石鹸棒は、芳香剤組成物11A又は11Bを含有した。
【0291】
【表11】

【0292】
【表12】

【0293】
〔E:脱臭剤〕
脱臭スプレー用香油組成物を表13に示し、脱臭剤の処方を表14に示す。
【0294】
【表13】

【0295】
【表14】

【0296】
APG 600:Plantacare 1200 UP(Henkel KGaA)活性物質:50〜53質量%のアルキル〜C12〜C16-オリゴ(1,4)-グリコシド
APG 220:Plantacare 220 UP(Henkel KGaA)活性物質:62〜65質量%のアルキル〜C8〜C10-オリゴ(1,5)-グリコシド
Cetiol(登録商標) OE:ジオクチルエーテル(Henkel KGaA)
Eutanol(登録商標) G:2-オクチル-ドデカノール(Henkel KGaA)
【0297】
〔F:毛髪スプレー〕
組成物15A及び15Bは、本発明による毛髪スプレー用香油を表す。これらの芳香組成物を、表16に示す処方で毛髪スプレーに配合した。
【0298】
【表15】

【0299】
【表16】

【0300】
Alberdingk U 500:アニオン性ポリエーテル-ポリウレタン分散体(水中40%)(ALBERDINGK BOLEY)
Luviskol VA64:酢酸ビニル-ビニルピロリドンコポリマー(BASF)
【0301】
〔G:芳香試験〕
〔G1:シトロネリル誘導体〕
シトロネロール、モノマーシトロネリルSAE、ポリマーシトロネリルSAE及びシトロネリルシリルアミノプロパン(APSCシトロネリルエステル)の各々約1%を、15%のエステルクォートを含有する布地柔軟剤濃縮物に配合した。その組成を表17に示す。芳香単位の含有量が同じになるように調整した。香料非含有汎用洗剤で洗った洗濯物を、最後の濯ぎサイクル中で40 gのこれらの布地柔軟剤で処理した。回転乾燥後、湿った洗濯物の臭いを評価し、その後、該洗濯物を外に一列に干して乾燥させた。乾燥洗濯物の臭いを、洗濯物干しロープから取り込んだときに、及びその7日後に評価し、該洗濯物をプラスチック袋中に保存した。
【0302】
【表17】

Dehyquart(登録商標) AU 46:ジパルミトレイルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウム-メトキシスルフェート、イソプロパノール中90%濃度、Henkel(デュッセルドルフ)からの市販品
【0303】
洗濯物を、芳香強度について、以下のスケールに従って専門家(調香師)により評価した:
1=感知できない芳香剤
2=わずかに感知できる芳香剤
3=幾分芳香
4=心地よい芳香
5=非常に心地よい芳香
この試験の結果を表18に示す。
【0304】
【表18】

【0305】
シトロネロール、モノマーシトロネリルSAE、ポリマーシトロネリルSAE及びシトロネリルシリルアミノプロパン(APSCシトロネリルエステル)の各々約0.4%を、市販の香料非含有洗剤に添加し、芳香単位の含有量が同じになるように調整した。該洗濯物を150 gのこれらの粉末を用いて60℃にて洗い、そして透明な水で3時間濯いだ。回転乾燥後、湿った洗濯物の臭いを評価し、その後、該洗濯物を外に一列に干して乾燥させた。乾燥洗濯物の臭いを、その直後及び7日後に評価し、該洗濯物をプラスチック袋中に保存した。
【0306】
洗濯物の芳香剤印象の強度を、専門家(調香師)により評価した。この試験の結果を表19に示す。
【0307】
【表19】

【0308】
また、結果は、ケイ酸エステルを用いるよりも、アミノアルキル置換ケイ素化合物を用いることによって、より一定の芳香印象が達成されたことを明らかに示す。同量の芳香単位を有するケイ酸エステルを添加することによって、生成物並びに洗濯直後の両方において、アミノアルキル置換ケイ素化合物を用いる場合と比較して、低い芳香印象が達成され、その一方、比較的強い芳香印象が洗濯7日後に達成される。対照的に、アミノアルキル置換ケイ素化合物を添加することによって、生成物、並びに洗濯直後及び洗濯7日後の両方において、一貫して良好な芳香印象が達成される。また、結果は、それらの異なる放出速度論に起因して、アミノアルキル置換ケイ素化合物は、有利な芳香印象を達成するために、ケイ酸エステルと組み合わせることができることを明らかに示す。
【0309】
〔G2:メンチル誘導体〕
メントール、モノマーメンチルSAE及びメンチルシリルアミノプロパン(APSCメンチルエステル)の各々約1%を、15%のエステルクォートを含有する布地柔軟剤濃縮物に配合した。その組成を表20に示す。芳香単位の含有量が同じになるように調整した。香料非含有汎用洗剤で洗った洗濯物を、最後の濯ぎサイクル中で40 gのこれらの布地柔軟剤で処理した。回転乾燥後、湿った洗濯物の臭いを評価し、その後、該洗濯物を外に一列に干して乾燥させた。乾燥洗濯物の臭いを、洗濯物干しロープから取り込んだときに、及びその7日後に評価し、該洗濯物をプラスチック袋中に保存した。
【0310】
【表20】

【0311】
Dehyquart(登録商標) AU 46:ジパルミトレイルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウム-メトキシスルフェート、イソプロパノール中90%濃度、Henkel(デュッセルドルフ)からの市販品。
【0312】
洗濯物を、芳香強度について、以下のスケールに従って専門家(調香師)により評価した:
1=感知できない芳香剤
2=わずかに感知できる芳香剤
3=幾分芳香
4=心地よい芳香
5=非常に心地よい芳香
この試験の結果を表21に示す。
【0313】
【表21】

【0314】
また、結果は、ケイ酸エステルよりも、アミノアルキル置換ケイ素化合物を用いることによって、より一貫した芳香印象が達成され得ることを明らかに示す。同量の芳香単位を有するケイ酸エステルを添加することによって、生成物並びに洗濯直後の両方において、アミノアルキル置換ケイ素化合物を用いる場合と比較して、比較的低い芳香印象が達成され、その一方、比較的強い芳香印象が洗濯7日後に達成される。対照的に、アミノアルキル置換ケイ素化合物を添加することによって、生成物、並びに洗濯直後及び洗濯7日後の両方において、一貫して良好な芳香印象が達成される。対照的に、非担体担持芳香剤は、始めから非常に高い量で放出され、次いで、顕著に揮発する。また、結果は、それらの異なる放出速度論に起因して、アミノアルキル置換ケイ素化合物は、有利な芳香印象を達成するために、ケイ酸エステルと組み合わせることができることを明らかに示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素化合物であって、
式-OR'で示される少なくとも1つのアルコキシ基並びにアミノアルキル基を含有する少なくとも1つの基は、該ケイ素に結合しており、
R'OHは、活性物質アルコール、特に芳香アルコール又は殺生物アルコールを意味する、
ケイ素化合物。
【請求項2】
式I:
【化1】

〔式中、R基の少なくとも1つは、活性物質アルコール基、特に芳香アルコール基又は殺生物アルコール基を意味し、これはアルコキシ形態でケイ素に結合しており、
残りのR基の少なくとも1つは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、並びに必要に応じて化学的に変性された、アミノアルキル基を有する基を意味し、
芳香アルコール基、殺生物アルコール基又はアミノアルキル基を有する基のいずれも意味しないR基は、互いに独立して、水素、ヒドロキシル、及び直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のアルキル及びアルコキシ基からなる群から選択され、
異なるケイ素原子に結合した2つのR基は、これらのケイ素原子の両方を架橋する酸素原子を表し得、及び
nは、0〜20の値をとり得る。〕
で示される化合物である、請求項1に記載のケイ素化合物。
【請求項3】
nは0であり、R基の正確に1つは、アミノアルキル基を含有する基を意味し、及び残りのR基は、アルコキシ基を意味し、該アルコキシ基の少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つは、活性物質アルコール、特に芳香アルコール又は殺生物アルコールからのアルコキシ基である、請求項2に記載のケイ素化合物。
【請求項4】
直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換のアルキル及びアルコキシ基が、C1-4アルキル及びC1-4アルコキシから選択される、請求項2又は3に記載のケイ素化合物。
【請求項5】
nが、1〜14の値、好ましくは1〜11の値及び特に2〜8の値、特に好ましくは3、4、5、6及び7の値をとる、請求項2に記載のケイ素化合物。
【請求項6】
アミノアルキル基を含有する基が、Si〜C結合を介してケイ素に結合したアミノアルキル基である、請求項1〜5のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項7】
アミノアルキル基を含有する基が、アミノアルコキシ基である、請求項1〜5のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項8】
アミノアルキル基を含有する基が、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、並びに必要に応じて化学的に変性された、C1-22アミノアルキル基である、請求項1〜7のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項9】
アミノアルキル基が、アミノメチル、アミノエチル、アミノ-n-プロピル、アミノイソプロピル、アミノ-n-ブチル、アミノ-イソ-ブチル及びアミノtert-ブチルから選択され、複数のアミノアルキル基が存在する場合、それらは互いに独立して選択され得る、請求項8に記載のケイ素化合物。
【請求項10】
芳香アルコール基が、以下の芳香アルコール:
10-ウンデセン-1-オール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール、2-メチルブタノール、2-メチルペンタノール、2-フェノキシエタノール、2-フェニルプロパノール、2-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-ヘキサノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-オクタノール、1-オクテン-3-オール、3-フェニルプロパノール、4-ヘプテノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、4-tert-ブチルシクロヘキサノール、6,8-ジメチル-2-ノナノール、6-ノネン-1-オール、9-デセン-1-オール、α-メチルベンジルアルコール、α-テルピネオール、サリチル酸アミル、ベンジルアルコール、サリチル酸ベンジル、β-テルピネオール、サリチル酸ブチル、シトロネロール、サリチル酸シクロヘキシル、デカノール、ジヒドロミルセノール、ジメチルベンジルカルビノール、ジメチルヘプタノール、ジメチルオクタノール、サリチル酸エチル、エチルバニリン、オイゲノール、ゲラニオール、ヘプタノール、サリチル酸ヘキシル、イソボルネオール、イソオイゲノール、イソプレゴール、リナロール、メントール、ミルテノール、n-ヘキサノール、ネロール、ノナノール、オクタノール、パラ-メンタン-7-オール、フェニルエチルアルコール、フェノール、サリチル酸フェニル、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロール、チモール、trans-2-cis-6-ノナジエノール、trans-2-ノネン-1-オール、trans-2-オクテノール、ウンデカノール、バニリン、シンナミルアルコール
からの基からなる群から選択され、
複数の芳香アルコールが存在する場合、それらは互いに独立して選択され得る、請求項1〜9のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項11】
含まれる芳香アルコール基の全てが同一である、請求項1〜10のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項12】
含まれるアミノアルキルを含有する基の全てが同一である、請求項1〜11のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項13】
アミノアルキル基を含有する基のアミノ基が、化学的に変性されていない、請求項1〜12のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項14】
アミノアルキル基を含有する基のアミノ基が、化学的に変性された形態で存在する、請求項1〜12のいずれかに記載のケイ素化合物。
【請求項15】
アミノアルキル基を含有する基のアミノ基が、第四級化形態で存在する、請求項14に記載のケイ素化合物。
【請求項16】
シッフ塩基形態のアルデヒドが、アミノアルキル又はアミノアルコキシ基のアミノ基上に結合している、請求項14に記載のケイ素化合物。
【請求項17】
アルデヒドが芳香アルデヒドである、請求項16に記載のケイ素化合物。
【請求項18】
液体又は固体の洗剤及び洗浄剤における芳香剤としての、請求項1〜17のいずれかに記載のケイ素化合物の使用。
【請求項19】
皮膚又は毛髪ケア用化粧品における芳香剤としての、請求項1〜17のいずれかに記載のケイ素化合物の使用。
【請求項20】
ケイ素化合物を、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.02〜3質量%及び特に0.05〜2質量%の量(いずれの場合も上記組成物に基づく)で用いる、請求項18又は19に記載の使用。
【請求項21】
請求項1〜16のいずれかに記載のケイ素化合物を、他の芳香剤又はこれらの芳香剤を放出する物質と共に用いる、請求項18〜20のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
芳香剤放出物質が、芳香アルコールのケイ酸エステルから選択される、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
他の芳香剤の芳香効果を引き延ばすための、請求項1〜17のいずれかに記載のケイ素化合物の使用。
【請求項24】
請求項1〜17のいずれかに記載のケイ素化合物を含んでなる、洗剤又は洗浄剤。
【請求項25】
0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.02〜3質量%、及び特に0.05〜2質量%の量(いずれの場合も洗剤又は洗浄剤に基づく)でケイ素化合物を含んでなる、請求項24に記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項26】
ケイ酸エステルを更に含んでなる、請求項24又は25に記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項27】
上記洗剤又は洗浄剤が、液体又はゲル組成物、特に液体洗剤又は食器洗浄機用液体洗剤、又は洗浄剤ゲル、特に水洗トイレ用ゲル状洗浄剤である、請求項24〜26のいずれかに記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項28】
洗浄剤が、硬質面用の液体又はゲル状洗浄剤、特にいわゆる多目的洗浄剤、ガラス洗浄剤、床又は浴室洗浄剤、並びに多目的洗浄剤の酸性又はアルカリ性形態及びいわゆる抗雨効果を有するガラス洗浄剤を含むこのような洗浄剤の特別な実施態様からなる群からのものである、請求項24〜27のいずれかに記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項29】
上記洗浄剤が、多相液体洗浄剤(特に2相液体洗浄剤)である、請求項24〜28のいずれかに記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項30】
上記洗剤又は洗浄剤が、粉末状又はペレット状である、請求項24〜26のいずれかに記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項31】
上記洗剤又は洗浄剤が、成形体の形態、好ましくは単相或いは複数(特に2又は3)の異なる相からなり得るタブレット形態である、請求項24〜26のいずれかに記載の洗剤又は洗浄剤。
【請求項32】
請求項1〜17のいずれかに記載のケイ素化合物を含んでなる、毛髪又は皮膚ケア用化粧品。
【請求項33】
0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.02〜3質量%、及び特に0.05〜2質量%の量(いずれの場合も化粧品に基づく)でケイ素化合物を含んでなる、請求項32に記載の化粧品。
【請求項34】
ケイ酸エステルを更に含んでなる、請求項32又は33に記載の化粧品。
【請求項35】
上記化粧品が、界面活性成分を含んでなり、及びケラチン繊維(特に人毛)の処置又は皮膚の処置に特に適した水性調製物である、請求項32〜34のいずれかに記載の化粧品。
【請求項36】
界面活性成分を含んでなる成形体である、請求項32〜34のいずれかに記載の化粧品。
【請求項37】
体臭に影響を及ぼす剤(特に脱臭剤)である、請求項32〜34のいずれかに記載の化粧品。
【請求項38】
セット用ポリマー(好ましくは特に少なくとも1つのポリウレタン)を含んでなる毛髪セット用組成物である、請求項32〜34のいずれかに記載の化粧品。

【公表番号】特表2009−529018(P2009−529018A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557640(P2008−557640)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001788
【国際公開番号】WO2007/101612
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】