説明

アミノグリコシド系抗生物質を含有する抗生物質複方

【課題】
【解決手段】
本発明では、少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質と少なくとも1種の顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤、又は少なくとも1種の緩衝成分、又は少なくとも1種のイオン複合剤と少なくとも1種の緩衝成分を同時に加えることによって構成される抗生物質複方を公開しているが、当該複方は安定した溶液製剤に調製することができ、少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と同一容器にて調整された溶液製剤を微生物感染を抑える薬物とする、又は少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と少なくとも1種のβ-ラクタマーゼ抑制剤との複合剤が同一容器にて調整された溶液製剤を微生物感染を抑える薬物とすることを特徴する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明では、少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質と少なくとも1種の顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤、又は少なくとも1種の緩衝成分、又は少なくとも1種のイオン複合剤と少なくとも1種の緩衝成分を同時に加えることによって構成される抗生物質複方を公開しているが、当該複方は安定した溶液製剤に調製することができ、少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と同一容器にて調整された溶液製剤を微生物感染を抑える薬物とする、又は少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と少なくとも1種のβ-ラクタマーゼ抑制剤との複合剤が同一容器にて調整された溶液製剤を微生物感染を抑える薬物とすることを特徴する。
【背景技術】
【0002】
アミノグリコシド系抗生物質(Aminoglycoside Antibiotics)はアミノ糖(単糖・二糖類)とアミノシクリトールによって構成された配糖体であるが、アミノ基とその他アルカリ性グループが含まれているので、化合物はアルカリ性を表す。アミノグリコシド系の抗菌メカニズムはアミノグリコシド系抗生物質が細菌体に入ると、30Sサブユニットのプロティンと結合されて、tRNAがmRNAのバスワードを訳す際エラーを発生させて機能のないプロティンを合成して、細胞の生長を抑制する。1940年に放線菌の中から第1種のアミノグリコシド系抗生物質:ストレプトマイシンを発現して以来、これらの抗生物質は抗菌範囲が広く、抗菌の活性が強いため、臨床上広く応用されており、今まで20種あまりの品種が販売されている。
【0003】
臨床上広く応用されているもう一種の抗生物質はβ-ラクタム系抗生物質であり、アミノグリコシド系の抗菌メカニズムとは全く違って、β-ラクタム系抗生物質は細菌内部のD-Alanyl-D-alanine GGT(ペプチドグリカン・トランスペプチダーゼ,Peptidoglycan transpeptidase)の活性を抑制することによって、細菌の細胞壁合成を抑制する。ペプチドグリカンは網状構造の糖を含有するマルチペプチドであり、N-アセチルグルコサミン(Glc-NAc)とN-アセチルムラミン酸(Mur-NAc)が交替に線状のグリカンチェーン・ショートペプチドを構成し、これらの高重合体はペプチドグリカン・トランスペプチダーゼの触媒作用によって、ペプチド化架橋反応が行われ、線状の高重合物が架橋構造になり、それによって細胞壁の合成が完成される。β-ラクタム系抗生物質は不可逆に当該ペプチドグリカン・トランスペプチダーゼを抑制して、細菌の細胞壁合成を阻害する。細胞壁が無く、細胞が定型できなく、細胞内の高い浸透圧を受けて、細菌が溶解し、細菌の死亡を招来する。現在、β-ラクタム系抗生物質は臨床上最も広く応用されている薬物となっている。
【0004】
期間が経つと、細菌はβ-ラクタマーゼを生成し、β-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタム環のさんアミド結合を加水分解して、β-ラクタム系抗生物質を抗菌活性のない代謝物に転化させる。1976年人間は棒状ストレプトマイセスの発酵液から分離されたクラブラン酸は独特のβ-ラクタマーゼの活性を抑制することが発現され、その後もその他β-ラクタマーゼ抑制製剤が発現された。特に、その中のスルバクタムとその脂質プロドラッグ、スバシリン(アンピシリンナトリウムとスルバクタムナトリウムの合成物)とタゾバクタムなどは臨床上広く応用されるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、一般的にβ-ラクタム系抗生物質とアミノグリコシド系抗生物質を共に使用すると優れた協同抗菌作用が得られると認められている。しかし、β-ラクタム系抗生物質は酸性化合物であるに対して、アミノグリコシド系抗生物質はアルカリ性物質であるので、この2種の抗生物質を同一容器の中に入れると、両者の反応によって塩の沈殿が生じるか、或いはアミノグリコシド系抗生物質中のアミノ基とβ-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタムが反応して、両者の効果を大きく低下させるので、一般的に、臨床上ではこの2種の抗生物質溶液製剤を同一容器に入れて使用することを禁止している。
【0006】
更なる研究によると、β-ラクタム系抗生物質溶液製剤とアミノグリコシド系抗生物質が複方に配合されると、顆粒が生じ易く、保存期間が長ければ長いほど顆粒の生成が多くなる。静脈注射用溶液中の顆粒は患者に被害を及ぼすと言うことである。また、研究によって、静脈注射による静脈炎は静脈注射液中の顆粒含有量と密接な関係(Remmington’s Pharmaceutical Science, 18 Edition, Mark Publishing, 1990, page 1567)があると言うが実証された。顆粒の生成を如何に抑制するかは、臨床上β-ラクタム系抗生物質とアミノグリコシド系抗生物質を同一の容器の中で配合して使える、もう一つの解決すべき問題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質を一つの溶液の中で安定させするとともに、2種の抗生物質の薬の効果を低下させない複方製剤さえ研究開発できれば、臨床上の応用が更に便利になり、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質との配合使用による協同滅菌作用をより良く利用することができ、それによって、大きな社会的効果と、経済的価値が得られるだろう。
【0008】
アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質を同一の溶液に安定させると同時に、2種の抗生物質の薬の効果を低下させない複方製剤を研究開発するには、1つの安定したシステムを見付けると言うことがキーポイントであり、これによって、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質が同一の溶液の中で沈殿が発生することを抑制できると同時に、アミノグリコシド系抗生物質中のアミノ基とβ-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタムとの反応を完全に抑制することができる。系統的な研究によると、pH値を3〜9の間にコントロールした場合、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質は同一溶液中で、塩を生成する反応によって生じる沈殿現象とアミノグリコシド系抗生物質中のアミノ基とβ-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタムとの反応は、ある程度抑制することができ;pH値を4〜8の間にコントロールした場合、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質は同一溶液中で、塩を生成する反応によって生じる沈殿現象とアミノグリコシド系抗生物質中のアミノ基とβ-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタムとの反応は、かなり大きく抑制することができ;pH値を6〜7.5の間にコントロールした場合、アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質は同一溶液中で、塩を生成する反応によって生じる沈殿現象とアミノグリコシド系抗生物質中のアミノ基とβ-ラクタム系抗生物質中のβ-ラクタムとの反応は、ほとんど完全に抑制することができた。また、強イオン複合試薬は上記アミノグリコシド系抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質との2種の反応を更に抑制することができる。
【0009】
本発明では、少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質と少なくとも1種の顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤、又は少なくとも1種の緩衝成分、又は少なくとも1種のイオン複合剤と少なくとも1種の緩衝成分を同時に添加した抗生物質複方が含まれており、この複方は安定した溶液製剤に調製することができ、少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と同一容器の中で溶液製剤に調製されて微生物感染の抑える薬物とすることができ、又は少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質と少なくとも1種のβ-ラクタマーゼ抑制剤を複方に調製した製剤が同一容器の中で澄み切った透明な溶液製剤に調製され、混濁又は沈殿が形成されなく、少なくとも8時間以内において、当該複方中のアミノグリコシド系抗生物質、β-ラクタム系抗生物質及びβ-ラクタマーゼ抑制剤の効果を低下しないことを特徴とする。
【0010】
研究開発中、我々は現在最も良く使われている任意3種のアミノグリコシド系抗生物質:アミカシン、ゲンタマイシン、エチマイシンを選択したが、この3種の抗生物質はアミノグリコシド系抗生物質の3種の化学構造類型を代表しており、幅広い代表性を有する。
【0011】
そのため、上記抗生物質複方中のアミノグリコシド系抗生物質は任意のアミノグリコシド系抗生物質によって構成されることができ、中には、ストレプトマイシン(Streptomycin)や、ジベカシン(Dibekacin)、カナマイシン(Kanamycin)、トブラマイシン(Tobramycin)、アミカシン(Amikacin)、アルベカシン(Arbekacin)、ゲンタマイシン(Gentamicin)、サガマイシン(Sagamicin)、イソパマイシン(Isopamicin)、シソマイシン(Sisomicin)、ネチルマイシン(Netilmicin)、ネオマイシン(Neomycin)、パロモマイシン(Paromoycin)、エチマイシン(Etimicin)、アストロマイシン(Astromicin)、リボスタマイシン(Ribostamycin)、ミクロノマイシン(Micronomicin)、スペクチノマイシン(Spectinomycin)、又はこれらの薬学上許容できる塩又は水化物が含まれているが、但し、その限りではない。
【0012】
本発明中、前記顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤はEDTA(ethylene diamine tetraacetic acid)、DTPA(Diethylene triamine penlaacetic acid )、HEDTA(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediaminetriacetic acid)、又はその薬学上許容できる塩、又は水化物であり、比較的適合するイオン複合剤はEDTAとHEDTA及びそのナトリウム塩であり、本発明実施例の具体的な調合方法に使われているイオン複合剤はEDTA二ナトリウム塩である。
【0013】
本発明の研究中、3種の現在最も良く使われている緩衝液システム:クエン酸/クエン酸塩システム、燐酸/燐酸塩システム、酢酸/酢酸塩システムを選択しているので、幅広い代表性を持っている。そのため、上記抗生物質複方中の緩衝液は任意の薬剤上の許容できる緩衝液システムであり、中には、クエン酸/クエン酸塩システム及びその他有機ポリアシドシステム、燐酸/燐酸塩システム及びその他無機酸システム、酢酸/酢酸塩システム及びその他有機モノアシド、アルギニンシステム及びその他アミノ酸システム、Tris-HClシステムなどが含まれるが、但し、その限りではない。その中、比較的適合する緩衝液システムは、クエン酸/クエン酸塩システム、燐酸/燐酸塩システム、酢酸/酢酸塩システム、アルギニン、炭酸/炭酸塩システム、枸櫞酸/枸櫞酸塩システなどである。緩衝溶液のpH値範囲は4〜8であるが、比較的適合する緩衝溶液のpH値範囲は5.5〜7.5であり、最適な緩衝溶液のpH値は6.0〜6.75である。緩衝溶液の適合する濃度範囲は1〜500mMで、比較的適合する緩衝溶液の濃度範囲は5〜100mMで、最適な濃度範囲は10〜60mMである。本発明実施例の具体的な調合方法にはクエン酸ナトリウムを緩衝成分として使っている。
【0014】
研究開発中、我々は任意5種の現在最も良く使われているβ-ラクタム系抗生物質――ピペラシリン、セフォペラゾン、セフトリアキソン、セフォジジム、メズロシリンを選択して複方配合の研究を行ったので、幅広い代表性を有する。そのため、上記抗生物質と複方に配合できるβ-ラクタム系抗生物質は任意のβ-ラクタム系抗生物質であり、中には、セファロチン(Cefalothin)、セファロリジン(Cefaloridine)、セファゾリン(Cefazolin)、セファピリン(Cefapirin)、セファログリシン(Cefaloglycin)、セファレキシン(Cefalexin)、セファドロキシル(Cefadorxil)、セファクロル(Cefaclor)、セファマンドール(Cefamandole)、セフスロジン(Cefsulodin)、セフォペラゾン(Cefoperazone)、セフロキシム(Cefuroxime)、セフォタキシム(Cefotaxime)、セフチゾキシム(Ceftizoxime)、セフメノキシム(Cefmenoxime)、セフトリアキソン(Ceftriaxone)、セフゾナム(Cefuzonam)、セフィキシム(Cefixime)、セフタジジム(Ceftazidime)、セフチブテン(Ceftibuten)、セフォジジム(Cefodizime)、セファロスポリン(Cephalosporin)、セフピロム(Cefpirome)、セフェピム(Cefepime)、セフクリジン(Cefclidin)、セフォキシチン(Cefoxitin)、セフメタゾル(Cefmetazol)、セフブペラゾン(Cefbuperazone)、セフォテタン(Cefotetan)、ラタモキセフ(Latamoxef)、フロモキセフ(Flomoxef)、ロラカルベフ(Loracarbef)、セファロリジン(Cefaloridine)、ラタモキセフ(Latamoxef)、セフミノクス(Cefminox)、セフピラミド(CefPiramide)、セフォニシド(Cefonicid)、セフォラニド(Ceforanide)、セファセトリル(Cefacetrile)、セファチアミジン(Cefathiamidine)、フェネシリン(Pheneticillin)、プロピシリン(Propicillin)、アジドシリン(Azidocillin)、トリフェニルメチルペニシリン(Triphenylmethyl penicillin)、メチシリン(Methicillin)、ナフシリン(Nafcillin)、オキサシリン(Oxacillin)、クロキサシリン(Cloxacillin)、ジクキサシリン(Dicloxacillin)、フルクロキサシリン(Flucloxacillin)、メシリナム(Mecillinam)、アディシリン(Adicillin)、アンピシリン(Ampicillin)、アモキシシリン(Amoxicillin)、チカルシリン(Ticarcillin)、カルベニシリン(Carbenicillin)、スルベニシリン(Sulbenicillin)、ヘタシリン(Hetacillin)、アパルシリン(Apalcillin)、メズロシリン(Mezlocillin)、テモシリン(Temocillin)、フォミダシリン(Formidacillin)、アスポキシシリン(Aspoxicillin)、レナンピシリン(Lenampicillin)、アゾシリン(Azlocillin)、ピヴァンピシリン(Pivampicillin)、フルベニシリン(Furbenicillin)、フェノキシメチルペニシリン(Phenoxymethylpenicillin)、アパルシリン(Apalcillin)、ナフシリン(Nafcillin)、メタンピシリン(Metampicillin)、又はこれらの薬学上許容できる塩又は水化物が含まれるが、但し、その限りではない。
【0015】
研究開発中、三種の現在最も良く使われているβ-ラクタマーゼ抑制製剤――クラブラン酸(棒酸)、スルバクタム及びタゾバクタムなどを選択して複方配合の研究を行ったので、幅広い代表制を有する。そのため、上記抗生物質と複方配合のできるβ-ラクタマーゼ抑制製剤は、任意のβ-ラクタマーゼ抑制製剤であり、中には、棒酸や、スルバクタム、スルタミシリン、タゾバクタム、又はこれらの薬学上許容できる塩又は水化物が含まれるが、但し、その限りではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の前記抗生物質複方は臨床上応用される場合、3種の具体的な応用方式が含まれるが、但し、その限りではない。第1種の方式は、少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質と緩衝溶液にイオン複合剤を加えて抗生物質複方を構成し、本複方によって調製された溶液製剤とβ-ラクタム系抗生物質は澄み切った透明な溶液製剤が調製でき、しかも、その中のβ-ラクタム系抗生物質とアミノグリコシド系抗生物質の効果は低下されない。前記複方の代表性のある調合方法(単位使用分量)は、0.01〜5gのアミノグリコシド系抗生物質や、0.1〜100mgのEDTA及び0.01〜5gのクエン酸ナトリウムによって構成される。本複方は溶液製剤に調製して冷凍保存するか、或いは粉末注射剤、凍乾粉末注射剤にして保存し、使用直前に溶液に調製して使う。
【0017】
第2種の方式は、少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質と少なくとも1種の緩衝成分によって抗生物質複方を構成し、本複方によって調製された溶液製剤とβ-ラクタム系抗生物質は澄み切った透明な溶液製剤が調製でき、しかも、その中のβ-ラクタム系抗生物質とアミノグリコシド系抗生物質の効果は低下されない。前記複方の代表性のある調合方法(単位使用分量)は、0.01〜5gのクエン酸ナトリウムと0.01〜5gのアミノグリコシド系抗生物質によって構成される。本複方は溶液製剤に調製して冷凍保存するか、或いは粉末注射剤、凍乾粉末注射剤にして保存し、使用直前に溶液に調製して使う。
【0018】
第3種の方式は、少なくとも1種のアミノグリコシド抗生物質と少なくとも1種のイオン複合剤によって抗生物質複方を構成し、本複方は溶液製剤に調製した後、少なくとも1種のβ-ラクタム系抗生物質の容積製剤と同一容器の中で共に使用する場合は、緩衝成分(最適な緩衝成分はクエン酸/クエン酸塩)でpH値6〜7にしたのみ澄み切って透明で、混濁又は沈殿が形成されない複方の溶液製剤が得られ、しかも、その中のβ-ラクタム系抗生物質とアミノグリコシド系抗生物質の効果は低下されない。前記複方の代表性のある調合方法(単位使用分量)は、0.01〜5gのアミノグリコシド系抗生物質や、0.1〜100mgのEDTAによって構成される。本複方は溶液製剤に調製して冷凍保存するか、或いは粉末注射剤、凍乾粉末注射剤にして保存し、使用直前に溶液に調製して使う。
【0019】
本発明の前記抗生物質複方中、代表性のある調合方法は次の通りである。
調合方法1:硫酸ゲンタマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法2:硫酸ストレプトマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法3:硫酸ジベカシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法4:硫酸カナマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法5:硫酸トブラマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法6:硫酸アミカシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法7:硫酸アルベカシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法8:硫酸サガマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法9:硫酸イソパマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法10:硫酸シソマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法11:硫酸ネチルマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法12:硫酸ネオマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法13:硫酸パロモマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法14:硫酸エチマイシン10-2000mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法15:硫酸ゲンタマイシン10-2000mg、EDTA二トリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法16:硫酸ストレプトマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法17:硫酸ジベカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法18:硫酸カナマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法19:硫酸トブラマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法20:硫酸アミカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法21:硫酸アルベカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法22:硫酸サガマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法23:硫酸イソパマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法24:硫酸シソマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法25:硫酸ネチルマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法26:硫酸ネオマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法27:硫酸パロモマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法28:硫酸エチマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg、クエン酸ナトリウム10-5000mg。
調合方法29:硫酸ゲンタマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法30:硫酸ストレプトマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法31:硫酸ジベカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法32:硫酸カナマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.2-50mg。
調合方法33:硫酸トブラマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法34:硫酸アミカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法35:硫酸アルベカシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム0.1-100mg。
調合方法36:硫酸サガマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム0.1-100mg。
調合方法37:硫酸イソパマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法38:硫酸シソマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法39:硫酸ネチルマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法40:硫酸ネオマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法41:硫酸パロモマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム 0.1-100mg。
調合方法42:硫酸エチマイシン10-2000mg、EDTA二ナトリウム0.1-100mg。
【0020】
本発明の前記抗生物質の複方は使用の際注射用などの浸透溶液として使用することができるが、中には、フルクトース溶液や、葡萄糖溶液及び生理塩水など(但しそれ限りではない)で注射液を調製する。その中、フルクトースや、葡萄糖又は塩化ナトリウムなどの単位使用分量における使用量範囲は0.1〜20g、注射液中の濃度範囲は0.1〜10%である。
【0021】
ゲンタマイシン、アミカシン、エチマイシンと緩衝成分、又は緩衝成分にEDTA二ナトリウムを加えて配合した溶液製剤を任意に選択し、また、ピペラシリンや、メズロシリン、セフォペラゾン、セフトリアキソン、セフォジジムなどの5種のβ-ラクタム系抗生物質とスルバクタム、タゾバクタムなど2種のβ-ラクタマーゼ抑制製剤を選択して、3種の可能な製剤形式と保存方式に基づき、各成分の間の融合性と安定性に対する研究を行ったが、その結果、配合された溶液製剤は、配合当時の使用や、先ず溶液製剤に調製してから冷凍保存し、解凍後β-ラクタム系抗生物質を入れて使用するか、或いは凍乾粉末注射剤、粉末注射剤に調製してから、定温で保存し、再び溶液製剤に調製してからβ-ラクタム系抗生物質を入れて使用するなど、3種の方式中、β-ラクタム系抗生物質や、アミノグリコシド系抗生物質、β-ラクタマーゼ抑制製剤の含有量はいずれも90%以上に達していた。その中、一部の調合方法における上記成分の含有量は95%以上にも達していて、臨床上の多種の薬物を複方に配合して使用する技術要求を満たしていた。これだけでなく、研究結果によると、EDTAは本発明中前記調合方法によって溶液に製剤に調製された後、溶液中の顆粒の生成を明らかに抑えたので、患者が静脈注射方式によって本発明の前記抗生物質調合方法を使用して微生物感染疾病を治療する際、その安全性が保証できる。
【0022】
前記抗生物質複方を溶液製剤に調製する際、微生物抑制用途として、注射剤や、点眼薬、点鼻薬、点耳薬、生殖器点薬又は洗剤、又は外用溶液製剤に作って使用する。
【0023】
前記抗生物質複方を溶液製剤に調製して使用する場合、使用の直前に調製するか、或いは事前に調製して、密封且つ冷凍して保存し、使用の際室温にて溶かして、室温にまで温度を上げてから使用する。
【0024】
また、前記抗生物質複方は、溶液や、粉末又は凍乾粉末注射剤に調製して冷蔵保存し、使用直前に注射用液で、溶液に調製して使用する。
【0025】
本発明には前記抗生物質複方溶液や、凍乾粉末注射剤調製方法が含まれているが、アミノグリコシド系抗生物質や、クエン酸ナトリウム及び/又はEDTA二ナトリウムを注射用液(注射用水、注射用2.5%フルクトース溶液、又は5%生理塩水)に溶解させて、6〜6.75pH値に調製する。それによって得られた溶液を上記可能な具体的な調合方法に示されている単位使用分量を含有する薬液を容器の中に入れて、冷凍乾燥機の中で冷凍乾燥機の温度を−35℃以下にしてから、冷凍乾燥機の真空度を40Pa以下にし、冷凍乾燥機の温度を3〜5℃に上げて水分を取り除き、冷凍乾燥機の温度を40〜50℃に調節して乾燥することによって凍乾粉末注射剤が得られるが、それから乾燥した窒素を入れて密封し、5℃以下の温度で直射光を避けて保管する。
【0026】
表1には一部のHIACテスト結果が示されているが、テストの結果、本発明の抗生物質複方が溶液製剤に調製される際、EDTAは顆粒の生成を効果的に抑制できると言うことが実証された。
【0027】
β-ラクタム系抗生物質や、β-ラクタマーゼ抑制製剤の含有量はC18反相液相クロマトグラフィーによる、紫外線測定器で測定(天津和美生物技術有限公司分析方法番号:分析方法HM-K-03)し、アミノグリコシド系抗生物質の含有量は耐酸型反相高圧液相クロマトグラフィーによる、蒸発・散乱ビーム測定器で測定(天津和美生物技術有限公司分析方法番号:分析方法HM-K-08)する。複方中、抗生物質が各時点における溶液中の含有量は最初時点の含有量(この時に含有量を100%と定義)に対するパーセントで表示し、複方中の各抗生物質成分の各時点における相対含有量はクロマトグラム中の対応するピーク面積の比率で定義する。
【実施例1】
【0028】
調合方法:セフォペラゾンナトリウム4g、硫酸ゲンタマイシン80mg/2mlの注射液。
調製方法:セフォペラゾンナトリウムを200mlの注射用水に溶解させて、ゲンタマイシン注射液を入れると、直ちに大量の白色の沈殿が生じた。
【実施例2】
【0029】
セフォペラゾンナトリウム40mgとEDTA二ナトリウム0.01mgを2mlのそれぞれ異なるpH値と強さの緩衝液に溶かして、80mg/2mlのゲンタマイシンを20μLの注射液に滴らし、5分間超音波を掛けて、沈殿があるかどうかを観察した。その結果、緩衝液のpH値が6以上であると、沈殿がなく、澄み切った溶液が得られ、緩衝液の種類はその結果に対する影響が大きくなかった。その結果は下記表の通りである。

【実施例3】
【0030】
セフォペラゾンナトリウム40mgや、EDTA二ナトリウム0.01mg及びスルバクタムナトリウム5mgを2mlのそれぞれ異なるpH値と強さの緩衝液に溶かして、80mg/2mlのゲンタマイシンを20μLの注射液に滴らし、5分間超音波を掛けて、沈殿があるかどうかを観察した。その結果、緩衝液のpH値が6以上で、強さが20mM以上であると、沈殿がなく、澄み切った溶液が得られ、緩衝液の種類はその結果に対する影響が大きくなかった。その結果は下記表の通りである。

【実施例4】
【0031】
調合方法:クエン酸ナトリウム0.20g、ゲンタマイシン160mg/2mlの注射液。
調製方法:クエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして、クエン酸でpH値を6.75に調節し、ゲンタマイシン注射液を入れて、振動をかけて溶液を調製してから、セフォペラゾンナトリウム4gとスルバクタムナトリウム0.5gを入れて、15分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを点滴瓶又は点滴袋に入れて室温にて保管し、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)し、0、1、2、4、6時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとスルバクタムナトリウム含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例5】
【0032】
調合方法:EDTA二ナトリウム1mg、クエン酸ナトリウム0.20g、ゲンタマイシン160mg/2mlの注射液。
調製方法:EDTA二ナトリウムとクエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして、クエン酸でpH値を6.75に調節し、ゲンタマイシン注射液を入れて、振動をかけて溶液を調製してから、セフォペラゾンナトリウム4gとスルバクタムナトリウム0.5gを入れて、15分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを点滴瓶又は点滴袋に入れて室温にて保管し、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)し、0、1、2、4、6時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとスルバクタムナトリウム及びゲンタマイシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例6】
【0033】
調合方式:硫酸エチマイシン200mg、EDTA二ナトリウム1mg、適当量のクエン酸、クエン酸ナトリウム0.20g。
調製方法:EDTA二ナトリウムとクエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして、クエン酸でpH値を6.5に調節し、硫酸エチマイシンを入れて、振動をかけて溶液を調製してから、セフォペラゾンナトリウム4gとスルバクタムナトリウム1.0gを入れて、15分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを点滴瓶又は点滴袋に入れて室温にて保管し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとスルバクタムナトリウム及びエチマイシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例7】
【0034】
調合方法:硫酸エチマイシン200mg、EDTA二ナトリウム1mg、適当量のクエン酸、クエン酸ナトリウム0.20g。
調製方法:EDTA二ナトリウムとクエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして、クエン酸でpH値を6.5に調節し、硫酸エチマイシンを入れて、振動をかけて溶液を調製してから、セフトリアキソンナトリウム4gとスルバクタムナトリウム1.0gを入れて、15分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを密封して室温にて保管し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとスルバクタムナトリウム及びエチマイシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例8】
【0035】
調合方法:硫酸ゲンタマイシン160mg/2ml注射液、適当量のクエン酸、クエン酸ナトリウム0.20g。
調製方法:クエン酸とクエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして、6.75 pH値の溶液が得られるが、硫酸ゲンタマイシンを入れて、振動をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを20ml取って、セフトリアキソンナトリウム20mgとタゾバクタム5mgを入れると、少量の綿状白色沈殿が生じるが、15分間の超音波をかけると白色の綿状沈殿は溶解されて澄み切った溶液が得られる。0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフトリアキソンナトリウムとタゾバクタムナトリウム含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例9】
【0036】
調合方法:硫酸アミカシン500mg、EDTA二ナトリウム1mg、適当量のクエン酸、クエン酸ナトリウム0.20g。
調製方法:クエン酸とクエン酸ナトリウムを200mlの注射用水に溶かして6.5pH値の溶液が得られるが、硫酸アミカシン500mgとEDTA二ナトリウムを入れて、振動をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。それを100ml取って濾過してから容器の中に入れて、冷凍乾燥機の中に入れる。それから冷凍乾燥機の温度を-35℃に下げて、冷凍乾燥機を30Paの真空状態にして、冷凍機の温度を3℃に上げて、水分を取り除いてから、冷凍乾燥機の温度を40℃に調節して、乾燥することによって、凍乾粉末注射剤が得られるが、それを無菌密封させて、冷蔵庫に入れて0℃にて保管する。7日後に冷乾粉末注射剤剤を100mlの注射用水で溶液を調製し、メズロシリンナトリウム1gを入れて、振動をかけて澄み切った溶液にした後、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、メズロシリンナトリウム含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【0037】
残りの硫酸アミカシンとEDTA二ナトリウムの水溶液を100ml取って、5gのフルクトースを入れて、振動をかけて澄み切った溶液を調製して-20℃の冷蔵庫に入れて保管し、7日後に取り出して溶かして、20mlの溶解液を取って、セフォジジムナトリウムを入れて、15分間超音波をかけると澄み切った溶液が得られるが、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、アミカシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例10】
【0038】
ピペラシリンナトリウム4gとスルバクタムナトリウム1gを200mlの注射用水に溶かして、濾過してから100mlを取って点滴瓶又は点滴袋に入れて冷凍(固体になる)保管し、7日後に室温にて溶かして温度を室温まで上げてから20mlを取り、クエン酸又は水酸化ナトリウムで水溶液のpH値を6.0に調節し、硫酸エチマイシン凍乾粉末20mgを入れて、10分間の超音波をかけることによって澄み切った溶液が得られるが、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、ピペラシリンとスルバクタムナトリウム含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例11】
【0039】
100mlの実施例10の溶液を濾過してから容器の中に入れて、冷凍乾燥機の中に入れる。それから冷凍乾燥機の温度を-40℃に下げて、冷凍乾燥機を50Paの真空状態にして、冷凍機の温度を3℃に上げて、水分を取り除いてから、冷凍乾燥機の温度を45℃に調節して、乾燥することによって、凍乾粉末注射剤が得られるが、それを無菌密封させて、冷蔵庫に入れて0℃にて保管する。7日後に冷乾粉末注射剤剤を100mlの注射用水で澄み切った溶液を調製し、それによって得られた溶液を60ml取って、クエン酸又は水酸化ナトリウム水溶液でpH値を6.0に調節し、硫酸エチマイシン凍乾粉末20mgとEDTA二ナトリウム1mgを入れて、10分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られるが、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、ピペラシリンとエチマイシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例12】
【0040】
20mlの実施例10の解凍溶液をクエン酸又は水酸化ナトリウムでpH値6.0に調節し、硫酸アミカシン50mgを入れて、10分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られるが、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、ピペラシリンとアミカシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【実施例13】
【0041】
20mlの実施例10の解凍溶液をクエン酸又は水酸化ナトリウム溶液でpH値6.0に調節し、硫酸アミカシン50mgとEDTA二ナトリウム1mgを入れて、10分間の超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られるが、1時間と、20時間のHIACデータを測定(表1を参照)
【実施例14】
【0042】
セフォペラゾンナトリウム4gとタゾバクタムナトリウム1.0gを100mlの注射用水に溶かして、クエン酸と水酸化ナトリウムでpH値を6.75に調節し、10分間超音波をかけることによって、澄み切った溶液が得られる。当該溶液50mlを取って、EDTA二ナトリウム1mgと硫酸アミカシン250mgを入れて、10分間超音波をかけることによって澄み切った溶液が得られるが、それを室温にて保管し、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとタゾバクタムナトリウム含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【0043】
上記セフォペラゾンナトリウムとタゾバクタムナトリウムを含有する、澄み切った溶液100mlを取って、硫酸エチマイシン100mgを入れて、10分間の超音波をかけることによって澄み切った溶液が得られるが、0、1、2、4、6、8時間時点で沈殿があるかどうかを観察するとともに、セフォペラゾンナトリウムとエチマイシン含有量に対するサンプリング分析を行う。その結果は下記表の通りである。

【0044】
〔HIACテスト〕
HIAC3000型の光透過率測定器と米国薬典方法(USP 788)を利用して、一部実施例調合方法に対して光透過率テスト(Light Obscuration Testing)行ったが、一部のテスト結果は表1の通りである。その中、顆粒含有量は1ml溶液中の顆粒数で表し、その結果は2回測定の平均数であり、統一のサンプルは、それぞれ1時間、20時間の際に測定する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のアミノグリコシド系抗生物質又はその薬学上許容できる塩又は水化物は、少なくとも1種の次の成分:
A.少なくとも1種の顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤、
B.少なくとも1種の緩衝成分、
C.少なくとも1種の顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤に少なくとも1種の緩衝成分を加えて、
構成された抗生物質複方、及び当該抗生物質複方によって調製された製剤、並び抗微生物感染薬物としての応用。
【請求項2】
請求項1において、前記アミノグリコシド系抗生物質はエチマイシンや、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン、ジベカシン、カナマイシン、アルベカシン、サガマイシン、イソパマイシン、シソマイシン、ネオマイシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ミクロノマイシン、アストロマイシン、リボスタマイシン、又はそれらの薬学上許容できる塩又は水化物となることを特徴とする抗生物質複方。
【請求項3】
請求項1において、前記顆粒の生成を抑制できるイオン複合剤はEDTA(ethylene diamine tetraacetic acid)、DTPA(Diethylene triamine penlaacetic acid)、HEDTA(N-(2-Hydroxyethyl)ethylenediaminetriacetic acid)、又はその薬学上許容できる塩、又は水化物となることを特徴とする抗生物質複方。
【請求項4】
請求項1において、前記緩衝成分はクエン酸/クエン酸塩や、燐酸/燐酸塩システム、酢酸/酢酸塩、アルギニン、炭酸/炭酸塩、枸櫞酸/枸櫞酸塩、Tris-HClとなることを特徴とする抗生物質複方。
【請求項5】
請求項4において、前記緩衝成分のpH値範囲は5.5〜7.5であることを特徴とする緩衝成分。
【請求項6】
請求項4において、前記緩衝成分のpH値範囲は6〜6.75であることを特徴とする緩衝成分。
【請求項7】
請求項1において、前記アミノグリコシド系抗生物質の単位使用分量は10mg〜5gであることを特徴とするアミノグリコシド系抗生物質。
【請求項8】
請求項1、3において、前記イオン複合剤の単位使用分量は0.1mg〜100mgであることを特徴とするイオン複合剤。
【請求項9】
請求項1において、前記複方は溶液製剤や、粉末注射剤、又は凍乾粉末注射剤として応用されることを特徴とする抗生物質複方。
【請求項10】
請求項9において、
a.請求項1において抗生物質複方中の各成分を注射液中に溶かして、クエン酸ナトリウム又はクエン酸でpH値を6〜6.75に調製し、澄み切った溶液になるまで撹拌する。
b.ステップaで調製された溶液を必要とする分量によって凍乾粉末注射剤瓶に入れて、予め冷凍乾燥機の中に入れて-5℃まで冷やしてから、冷凍乾燥機の温度を-35℃まで下げる。
c.冷凍乾燥機を40Pa以下の真空状態にする。
d.冷凍乾燥機の温度を3〜5℃に調節する。
e.上記条件の下で水分を取り除く。
f.冷凍乾燥機の温度を40〜50℃まで上げて、得られた凍乾粉末注射剤を乾燥する。
g.冷凍乾燥機に乾燥した窒素を入れて、瓶の蓋を密封し、5℃以下の温度で、直射光を避けて保管する。
上記ステップで構成されることを特徴とする抗生物質複方の凍乾粉末注射剤を調製する方法。

【公表番号】特表2010−501493(P2010−501493A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524873(P2009−524873)
【出願日】平成19年8月14日(2007.8.14)
【国際出願番号】PCT/CN2007/002440
【国際公開番号】WO2008/025227
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(507328405)天津和美生物技▲術▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】