説明

アミノシリコーンを含む洗浄用化粧品組成物およびその使用

【課題】新規な洗浄用およびコンディショニング用組成物ならびに毛髪または皮膚の洗浄および手入れのためのその利用を提供すること。
【解決手段】洗浄用およびコンディショニング用化粧品組成物であって、化粧品として許容される水性媒体中に、少なくとも1つの硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤、前記界面活性剤以外の少なくとも1つのカルボキシルアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤、および少なくとも1つのアミノシリコーンを含み、硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/カルボキシルアニオン性界面活性剤の重量比が2から12の範囲であり、界面活性剤の全体量が、最終組成物の全体重量に対して4重量%から35重量%に相当する新規な組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品として許容される支持体中に、少なくとも1つの硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤、前記界面活性剤とは異なる少なくとも1つのカルボキシルアニオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性界面活性剤および少なくとも1つのアミノシリコーンを含む毛髪などのケラチン物質を洗浄することおよびコンディショニングすることの両方を意図した改良された特性を有する新規な化粧品組成物に関する。本発明は、また、前述の化粧品用途における前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪などケラチン物質を清潔にしかつ/または洗浄するために、特にアニオン性、非イオン性および/または両性タイプの、さらに特定すればアニオン性の標準的界面活性剤に本質的に基づく洗剤組成物(シャンプーなど)を使用することは一般的に行われていることである。これらの組成物を濡れた毛髪に適用し、手でマッサージするか擦ることにより発生する泡を水ですすいだ後、毛髪または皮膚に最初に存在していたさまざまなタイプの汚れが除去される。
【0003】
確かにこれらのベース組成物は、良好な洗浄力を有するが、とは言え、特に上記のクリーニング処理の比較的攻撃的な性質が長い目で見れば多かれ少なかれ毛髪繊維に著しい損傷をもたらしかねず、この損傷が、特にこの繊維内またはその表面に含まれている脂質またはタンパク質の漸進的な除去と関連するという事実のためにそれに伴う固有の化粧品特性はかなり劣る。
【0004】
したがって、上の洗剤組成物、より詳しくは、過敏になった毛髪(即ち、特に大気中の作用物質および/またはパーマネントウェーブ、染色または脱色等のヘアトリートメントによる化学作用により損傷したり、脆くなった毛髪)に適用することを目的とした組成物の化粧品特性を改良するため、コンディショナーとして知られるさらなる化粧品媒介物をこれらの組成物に導入することが今日では一般的に行われており、これらのコンディショナーは、主として毛髪繊維が多かれ少なかれ繰り返し受けるさまざまなトリートメントまたは攻撃により引き起こされる有害なまたは望ましくない影響を修復または制限することを目的としている。これらのコンディショナーは、また、天然の毛髪の化粧挙動も勿論改良することができる。
【0005】
この問題を解決する試みとして、当業者は、既に毛髪などのケラチン物質を手入れするための組成物にシリコーンのような不溶性コンディショニング剤を使用している。
【0006】
しかしながら、これらの組成物は、ある程度の毛髪のもつれほぐしおよび柔らかさの改良は可能にするが、残念ながらそれらは望ましくないと見なされる毛髪に対するある一定の化粧効果、即ちヘアスタイルのくずれ(毛髪の軽さの欠如)、滑らかさの欠如(根元から末端までが不均一な毛髪)および不十分な光沢も同時に起こる。
【0007】
その上、これらの不溶性コンディショニング剤は、一般に透明即ちクリアな組成物を得ることを許容しない。
【特許文献1】米国特許第2528378号
【特許文献2】米国特許第2781354号
【非特許文献1】CTFA辞書、第5編、1993年
【特許文献3】欧州特許出願公開第95238号
【特許文献4】米国特許第4185087号
【特許文献5】欧州特許出願公開第0530974号
【特許文献6】欧州特許出願公開第0337354号
【特許文献7】仏国特許出願公開第2270846号
【特許文献8】仏国特許出願公開第2383660号
【特許文献9】仏国特許出願公開第2598611号
【特許文献10】仏国特許出願公開第2470596号
【特許文献11】仏国特許出願公開第2519863号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述の組成物の欠点を持たない組成物を提案することである。
【0009】
コンディショニング剤は、また、処理したケラチン物質上に運搬されて、適用後にそれらに良好な化粧特性、特に柔らかさ、滑らかさ、光沢およびもつれほぐし特性を与えなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、この件に対して実施した多くの研究の後、本出願者は、3つのタイプの界面活性剤および少なくとも1つのアミノシリコーンの組合せを使用することにより、特に、もつれほぐし、軽さおよび滑らかさを全うするように処理された毛髪という点から見て優れた化粧品特性を備え、良好な作業性例えば良好な固有の洗浄力および良好な泡立ち性などを有する安定な洗剤組成物を得ることが可能であることを今回見出した。
【発明の効果】
【0011】
産業としての実施は、極めて容易であり、シャンプーの化粧品特性は卓越している。
【0012】
得られた組成物は、保存に対して安定であり、本発明によるシリコーンに対する分散剤および/または懸濁剤の添加は必要としない。
【0013】
付加的不溶性配合物が存在しない場合は、得られた該組成物は、また、透明である。それらは、多量のアミノシリコーンを含有することができ、同時に、良好な透明性を維持し、良好な化粧品特性を有する。
【0014】
本発明による該組成物は、非常に良好な作業性(素早く発生する豊富で優雅な泡)および非常に良好なすすぎ洗い性も有する。
【0015】
本発明による組成物は、ケラチン物質特に毛髪に、特に、もつれほぐしの容易さと、同様に、スタイルをくずすことなく、ボリューム、軽さ、滑らかさ、柔らかさおよび柔軟さを提供することにより明示される顕著な処理効果を与える。その髪は、自然で清潔に見え、べたつかない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
したがって、本発明の1つの対象は、新規な洗浄用およびコンディショニング用化粧品組成物であって、化粧品として許容される水性媒体中に、
(A)少なくとも1つの硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤、
(B)界面活性剤(A)以外の少なくとも1つのカルボキシルアニオン性界面活性剤、
(C)少なくとも1つの両性界面活性剤、および
(D)少なくとも1つのアミノシリコーン
を含み、硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/カルボキシルアニオン性界面活性剤の重量比が2から12の範囲であり、
界面活性剤の全体量が、最終組成物の全体重量に対して4重量%から35重量%に相当することを特徴とする組成物である。
【0017】
本発明の対象は、また、ケラチン物質例えば毛髪および皮膚などからのメーキャップのクレンジングおよび/または除去および/またはそれらをコンディショニングするための上記組成物の化粧のための使用である。
【0018】
(A)硫酸塩またはスルホン酸塩界面活性剤
本発明によれば、硫酸塩またはスルホン酸塩界面活性剤は、少なくとも1個の硫酸塩(-OSO3Hまたは-OSO3-)官能基および/または1個のスルホン酸塩(-SO3Hまたは-SO3-)官能基を含むアニオン性界面活性剤である。
【0019】
本発明に照らして単独または混合物として使用することができる硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤は、アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルエーテルスルホスクシネート、アシルイセチオネート、メチルアシルタウレートの塩(特に、アルカリ金属、特にナトリウムの塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩またはマグネシウム塩)であり、これらのさまざまな化合物すべてのアルキルまたはアシル基は、8個から24個の炭素原子を好ましくは含有しており、アリール基は、フェニルまたはベンジル基を好ましくは意味する。
【0020】
エチレンオキシド基およびプロピレンオキシド基の平均数は、特に2から50、より特定すれば2から10の範囲であり得る。
【0021】
これらのアニオン性界面活性剤の中では、C8〜C14、より特定すればC12〜C14アルキルエーテル硫酸塩を使用するのが好ましい。これらの塩は、2個から5個のエチレンオキシド基を好ましくは含む。
【0022】
ナトリウム、トリエタノールアミン、マグネシウムまたはアンモニウム(C12〜C14)アルキル硫酸塩、2.2モルのエチレンオキシドでオキシエチレン化したナトリウム、アンモニウムまたはマグネシウムの(C12〜C14)アルキルエーテル硫酸塩、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびメチルタウリン酸ナトリウムから選択されたアニオン性界面活性剤が好ましくは使用される。
【0023】
硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤は、組成物の全体重量に対して、一般に1.5重量%から50重量%の割合で存在し、好ましくは2重量%から25重量%、特に5重量%から25重量%、より特定すれば8重量%から20重量%である。
【0024】
(B)カルボキシルアニオン性界面活性剤
本発明によれば、カルボキシルアニオン性界面活性剤は、場合によって塩の形態(-COO-)をした少なくとも1つのカルボキシル官能基(-COOH)を含むアニオン性界面活性剤である。
【0025】
界面活性剤(A)以外のカルボキシルタイプのアニオン性界面活性剤は、硫酸またはスルホン酸官能基は好ましくは含まず、アルキルD-ガラクトシドウロン酸およびその塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸およびその塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびその塩、特に2から50個のアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシドを含有するもの、例えばKao社からAkypoの名称で販売されている化合物、(C6〜C24)アシルサルコシン酸およびその塩、(C6〜C24)アシルラクチル酸およびその塩および(C6〜C24)アシルグルタミン酸から特に選択することができる。(C6〜C24)アルキルポリグリコシドカルボン酸エステル、例えば、アルキルグルコシド酢酸、アルキルグルコシドクエン酸およびアルキルポリグリコシド酒石酸もまた使用することができる。このような製品は、とりわけ、Lamberti社によりEucarol APG/ECおよびEucarol APG/ETの品名で、Cognis社によりPlantapon LGC Sorbの品名で販売されている。
【0026】
これらの界面活性剤の混合物もまた使用することができる。
【0027】
塩は、アルカリ金属特にナトリウムの塩、アンモニウム塩、アミン塩、トリエタノールアミンまたはモノエタノールアミン等のアミノアルコールの塩、およびマグネシウム塩から特に選択することができる。
【0028】
ポリオキシアルキレン化エーテルカルボン酸または塩タイプのアニオン性界面活性剤は、特に下記の式(1)に対応するものであり、
R1-(OC2H4)n-OCH2COOA (1)
式中、
R1は、直鎖または分枝C8〜C22アルキルまたはアルケニル基または基の混合物、(C8〜C9)アルキルフェニル基、基R2CONH-CH2-CH2-(R2は、直鎖または分枝C9〜C21アルキルまたはアルケニル基を意味する)を表し、
nは、2から24まで、好ましくは2から10まで変動し得る整数または小数(平均値)であり、アルキル基は、約6個と20個の間の炭素原子、好ましくは8個から18個の炭素原子を含有し、アリールは、好ましくはフェニルを意味する。
【0029】
Aは、H、アンモニウム、Na、K、Li、Mgまたはモノエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン残基を意味する。式(1)の化合物の混合物、特に基R1が異なる混合物もまた使用することができる。
【0030】
本発明により好ましくは使用されるオキシアルキレン化エーテルカルボン酸またはその塩は、式(1)であって、式中R1が、(C12〜C14)アルキル、ココイルもしくはオレイル基または基の混合物、ノニルフェニルもしくはオクチルフェニル基を意味し、Aが、水素またはナトリウム原子を意味し、nが2から20、好ましくは2から10の範囲であるものから選択される。
【0031】
ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸およびその塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸で、特に2個から15個のアルキレンオキシド基を含有するものおよびその塩、ならびにそれらの混合物が好ましくは使用される。
【0032】
さらにより好ましくは、Rが、(C12)アルキル基を意味し、Aが、水素またはナトリウム原子を意味し、nが、2から10の範囲である式(1)の化合物が使用される。
【0033】
好ましくは使用することができる市販製品の中では、Chem Y社により以下の品名:
Akypo(登録商標) NP 70 (R =ノニルフェニル, n = 7, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) NP 40 (R = ノニルフェニル, n = 4, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) OP 40 (R = オクチルフェニル, n = 4, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) OP 80 (R = オクチルフェニル, n = 8, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) OP 190 (R = オクチルフェニル, n = 19, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) RLM 38 (R = (C12-C14) アルキル, n = 3.8, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) RLM 38 NV (R = (C12-C14) アルキル, n = 4, p = 0, A = Na);
Akypo(登録商標) RLM 45 (R = (C12-C14) アルキル, n = 4.5, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) RLM 45 NV (R = (C12-C14) アルキル, n = 4.5, p = 0, A = Na);
Akypo(登録商標) RLM 100 (R = (C12-C14) アルキル, n = 10, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) RLM 100 NV (R = (C12-C14) アルキル, n = 10, p = 0, A = Na);
Akypo(登録商標) RLM 130 (R = (C12-C14) アルキル, n = 13, p = 0, A = H);
Akypo(登録商標) RLM 160 NV (R = (C12-C14) アルキル, n = 16, p = 0, A = Na);
またはSandoz社により以下の品名:
Sandopan DTC-Acid (R = (C13) アルキル, n = 6, p = 0, A = H);
Sandopan DTC (R = (C13) アルキル, n = 6, p = 0, A = Na);
Sandopan LS 24 (R = (C12-C14) アルキル, n = 12, p = 0, A = Na);
Sandopan JA 36 (R = (C13) アルキル, n = 18, p = 0, A = H),
で販売されている製品があり、さらに特定すれば以下の品名:
Akypo(登録商標) RLM 45;
Akypo(登録商標) RLM 100;
Akypo(登録商標) RLM 38.
で販売されている製品が挙げられる。
【0034】
ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸およびその塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸で、特に2個から15個のアルキレンオキシド基、および(C6〜C24)アルキルポリグリコシドカルボン酸エステルを含有するものとその塩、ならびにそれらの混合物が好ましくは使用される。
【0035】
(A)で挙げた界面活性剤以外のカルボキシルアニオン性界面活性剤は、組成物の全体重量に対して、一般に0.5重量%から15重量%の割合で存在し、好ましくは1重量%から10重量%、さらに特定すれば1重量%から5重量%、さらに一層優先されるのは1.5重量%から3重量%である。
【0036】
(C)両性および/または両性イオン界面活性剤
本発明に照らして、その性質が決定的な特徴ではない両性および/または両性イオン界面活性剤は、特に(非限定リスト)、脂肪族第二級または第三級アミン誘導体であってよく、その脂肪族基は、8個から22個の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖であり、少なくとも1個の水溶性アニオン性基(例えば、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはホスホン酸塩)を含有し、また、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタインまたは(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルスルホベタインも挙げることができる。
【0037】
アミン誘導体の中では、米国特許第2528378号および同第2781354号に記載されており以下の構造(2)および(3)を有するものを挙げることができる。
R2-CONHCH2CH2-N(R3)(R4)(CH2COO-) (2)
式中:R2-COは、C6〜C24アシル基、例えば、水素化ココナッツ油中に存在する基、オクトイル、デコイルまたはドデカノイル基、およびこれらの混合物を意味し、R3は、β-ヒドロキシエチル基を意味し、R4は、カルボキシメチル基を意味する。
R2'-CONHCH2CH2-N(B)(C) (3)
式中:
Bは、-CH2CH2OX'を表し、Cは、-(CH2)z-Y'を表し(zは1または2である)、
X'は、-CH2CH2-COOH基または水素原子を意味し、
Y'は、-COOH基または-CH2-CHOH-SO3H基を意味し、
R'2COは、C6〜C24アシル基、例えば、水素化ココナッツ油もしくはアマニ油中に存在する基、即ち、オクトイル、デコイルもしくはドデカノイル、ステアロイル、イソステアロイルもしくはオレオイル基、およびこれらの混合物を意味する。
【0038】
これらの化合物は、CTFA辞書(第5編、1993年)において、以下の化合物名で分類されている:ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸、ココアンホジプロピオン酸。
【0039】
一例として挙げることができるのは、Rhodia Chimie社によりMiranol(登録商標)C2Mの商標名で販売されているココアンホ二酢酸二ナトリウムである。
【0040】
本発明によれば、ベタインの群に属する両性界面活性剤、例えば、アルキルベタイン、特にHenkel社により30%のAMを含有する水溶液としての品名Dehyton AB 30で販売されているココイルベタイン、またはアルキルアミドベタイン、特にコカミドプロピルベタイン、例えばGoldschmidt社により販売されているTegobetaine(登録商標)F50などを使用するのがさらに特に好ましい。
【0041】
両性界面活性剤(1種または複数種)は、組成物の全体重量に対して、一般に0.1重量%から20重量%の範囲の量で存在し、好ましくは1重量%から10重量%、さらに特定すれば1.5重量%から5重量%までである。
【0042】
したがって、本発明によれば、界面活性剤の全体量は、最終組成物の全体重量に対して4重量%から35重量%に相当し、好ましくは6重量%から25重量%、さらにより好ましくは8重量%から20重量%である。
【0043】
硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/両性界面活性剤の重量比は、好ましくは2から12の範囲であり、さらに特に4から10、さらにより優先的には5から8までである。
【0044】
硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/カルボキシルアニオン性界面活性剤の重量比は、好ましくは4から10の範囲である。
【0045】
カルボキシルアニオン性界面活性剤/両性界面活性剤の重量比は、好ましくは0.3から3の範囲であり、さらにより好ましくは0.5から1.5までである。
【0046】
(D)アミノシリコーン
本発明の組成物は、少なくとも1個のアミノシリコーンを含有する。用語「アミノシリコーン」は、少なくとも1個の第一級、第二級もしくは第三級アミンまたは第四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを意味する。したがって、以下のa)〜f)を挙げることができる。
a)式(I)に相当するポリシロキサン、
【0047】
【化1】

【0048】
式中、x'およびy'は、分子量によって決まる整数であり、一般に例えば前記重量平均分子量は、ほぼ5000から500000の範囲である。
b)式(II)に相当するアミノシリコーン、
R'aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR'2-b)m-O-SiG3-a-R'a (II)
式中、
Gは、同じでも異なってもよく、水素原子またはフェニル基、OH、C1〜C8アルキル、例えばメチル、またはC1〜C8アルコキシ、例えばメトキシを意味し、
aは、同じでも異なってもよく、数字0または1から3の整数、特に0を意味し、
bは、0または1、特に1を意味し、
mおよびnは、合計(n+m)が、特に1から2000まで、特に50から150まで変動でき、nは、場合により0から1999まで、特に49から149の数を意味し、mは、場合により1から2000まで、特に1から10の数を意味するような数字であり、
R'は、同じでも異なってもよく、式-CqH2qLの一価の基を意味し、式中、qは、2から8までの数字であり、Lは、以下の基から選択される場合により四級化されたアミノ基である:
-NR"-Q-N (R")2
-N(R")2
-N+(R")3A-
-N+H(R")2A-
-N+H2(R")A-
-N(R")-Q-N+R"H2A-
-NR"-Q-N+(R")2HA-
-NR"-Q-N+(R")3A-
式中、R"は、水素、フェニル、ベンジル、または飽和一価炭化水素系の基、例えば、1個から20個の炭素原子を含有するアルキル基を意味することができ、Qは、式CrH2r(rは、2から6の範囲の整数、好ましくは2から4である)の直鎖または分枝基を意味し、A-は、ハロゲン化物イオン、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物のイオンを表す。
【0049】
この定義に対応する一群のアミノシリコーンは、式
【0050】
【化2】

【0051】
[式中、nおよびmは、上で示した意味を有する(式II参照)]
に相当する「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られるシリコーンにより代表される。
【0052】
このようなポリマーは、例えば、欧州特許出願公開第95238号に記載されている。
【0053】
この定義に対応する別の群のアミノシリコーンは、下記の式(IV)および(V)のシリコーンにより代表される。
【0054】
【化3】

【0055】
式中、
mおよびnは、合計(n+m)が、特に1から1000まで、特に50から250まで、さらに特定すれば100から200まで変動でき、
nは、場合により0から999まで、特に49から249まで、さらに特定すれば125から175までの数を意味し、mは、場合により1から1000まで、特に1から10、さらに特定すれば1から5までの数を意味するような数字であり、
R1、R2およびR3は、同じでも異なってもよく、ヒドロキシルまたはC1〜C4アルコキシ基を表し、基R1からR3の少なくとも1つがアルコキシ基を意味する。
【0056】
好ましくは、そのアルコキシ基は、メトキシ基である。
【0057】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは0.2:1から0.4:1まで変化し、好ましくは0.25:1から0.35:1まで、さらに特定すれば0.3:1である。
【0058】
そのシリコーンの重量平均分子量は、好ましくは2000から1000000までの範囲であり、さらにより特定すれば、3500から200000までである。
【0059】
【化4】

【0060】
式中、
pおよびqは、合計(p+q)が、特に1から1000まで、特に50から350まで、さらに特定すれば150から250まで変動でき、
pは、場合により0から999まで、特に49から349まで、さらに特定すれば159から239までの数を意味し、qは、場合により1から1000まで、特に1から10、さらに特定すれば1から5までの数を意味するような数字であり、
R1およびR2は、異なるものであり、ヒドロキシルまたはC1〜C4アルコキシ基を表し、基R1およびR2の少なくとも1つがアルコキシ基を意味する。
【0061】
好ましくは、そのアルコキシ基は、メトキシ基である。
【0062】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、一般に1:0.8から1:1.1まで変化し、好ましくは1:0.9から1:1まで、さらに特定すれば1:0.95である。
【0063】
そのシリコーンの重量平均分子量は、好ましくは2000から200000までの範囲であり、より特定すれば、5000から100000まで、より特定すれば10000から50000までである。
【0064】
これらアミノシリコーンの重量平均分子量は、室温におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定される。使用するカラムは、μ styragelカラムである。溶離液はTHFであり、流速は1ml/分である。THF中に0.5重量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定およびUV測定により実施する。
【0065】
構造(IV)または(V)のこれらのシリコーンに相当する市販製品は、それらの組成物中に構造が式(IV)または(V)とは異なる1個または複数のその他のアミノシリコーンを含んでいるかもしれない。
【0066】
構造(IV)のアミノシリコーンを含有する1製品は、Wacker社によりBelsil(登録商標)ADM 652の名称で販売されている。
【0067】
構造(V)のアミノシリコーンを含有する1製品は、Wacker社によりFluid WR1300(登録商標)の名称で販売されている。
【0068】
これらのアミノシリコーンを使用する場合、1つの特に有利な実施形態として、それらを水中油滴型エマルションの形態で使用することが挙げられる。その水中油滴型エマルションは、1つまたは複数の界面活性剤を含むことができる。
【0069】
その界面活性剤は、任意の種類のものでよいが、好ましくはカチオン性および/または非イオン性である。
【0070】
エマルション中のシリコーン粒子の数平均の粒径は、一般に、3nmから500nmの範囲である。
【0071】
好ましくは、特に式(V)のアミノシリコーンの場合、5nmから60nm(限界を含む)、さらに特定すれば10nmから50nm(限界を含む)までの範囲の平均粒径のマイクロエマルションを使用する。
【0072】
したがって、Wacker社によりFinish CT 96 E(登録商標)またはSLM 28020(登録商標)の名称で販売されている式(V)のアミノシリコーンマイクロエマルジョンは、本発明に従って使用することができる。
【0073】
好ましくは、該アミノシリコーンは、本発明による前記シリコーンを2%(活性物質)含有する組成物で処理する毛髪の水との接触角が、90°から180°まで(限界を含む)、好ましくは90°から130°まで(限界を含む)の範囲となるように選択する。
【0074】
接触角を測定するために、アミノシリコーンは、アミノシリコーンまたはアミノシリコーンエマルションのための溶媒中(特に、シリコーンの親水性度によってヘキサメチルジシロキサンまたは水)に好ましくは溶解または分散させる。
【0075】
好ましくは、式(IV)または(V)のアミノシリコーンを含有する組成物は、前記組成物で処理した毛髪の水との接触角が、90°から180°まで(限界を含む)、好ましくは90°から130°まで(限界を含む)の範囲であるようにしたものである。
【0076】
接触角測定は、毛髪を蒸留水中に浸すことに基づく。それは、毛髪を蒸留水に浸す間およびそれを取り出す間に、それに付着している水によって与えられる力を評価することにある。このように測定した力は、水と毛髪の表面の間の接触角θと直接関係する。毛髪は、その角度θが、0から90°(限界を含む)であるとき、親水性であると言われ、この角度が90°から180°(限界を含む)であるとき、疎水性であると言われる。
【0077】
その試験は、同一条件で漂白し、次いで洗浄した天然の毛髪の房により行う。
【0078】
各1gの房を、直径が75mmの結晶皿に置き、次いで5mLの試験配合物で均一に覆う。その房を次に室温で15分間放置し、次いで蒸留水で30秒間すすぐ。水抜きしたその房を、それが完全に乾燥するまで外気中に放置して乾燥させる。
【0079】
各評価に対して、同一処理を施した10個の毛髪を分析する。精密な微量天秤に取り付けた各試料は、蒸留水を満たした容器の先端を通して浸す。このCahn Instruments社によるDCA(「動的接触角アナライザー」)バランスは、毛髪に付着した水により与えられる力(F)の測定を可能にする。
【0080】
平行して、毛髪の周囲(P)を、顕微鏡で観察することにより測定する。
【0081】
10個の毛髪に対する平均湿潤力および分析した毛髪の断面から、式:
F = P*Гlv*cosθ
(式中、Fは、ニュートンで表される湿潤力であり、Pは、メートルによる毛髪の周囲であり、Гlvは、J/m2による水の液体/蒸気界面張力であり、θは、接触角である)
に従って、毛髪の水に対する接触角を測定することが可能となる。
【0082】
Wacker社による製品SLM 28020は、水中の12%(即ち、2%のアミノシリコーン)において、上で示した試験により93°の接触角を与える。
【0083】
Wacker社による製品Belsil ADM 652は、ヘキサメチルジシロキサン中の2%(即ち、2%のアミノシリコーン)において、上で示した試験により111°の接触角を与える。
【0084】
この定義に対応する別の群のアミノシリコーンは、下記の式(VI)により表される。
【0085】
【化5】

【0086】
式中、
mおよびnは、合計(n+m)が、特に1から2000まで、特に50から150まで変動でき、nは、場合により0から1999まで、特に49から149までの数を意味し、mは、場合により1から2000まで、特に1から10までの数を意味するような数字であり、
Aは、4個から8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキレン基を意味する。この基は、好ましくは直鎖である。
【0087】
そのアミノシリコーンの重量平均分子量は、好ましくは2000から1000000までの範囲であり、さらにより特定すれば、3500から200000までである。
【0088】
これらアミノシリコーンの重量平均分子量は、室温におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定される。使用するカラムは、μ styragelカラムである。溶離液はTHFであり、流速は1ml/分である。THF中に0.5重量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定およびUV測定により実施する。
【0089】
本発明によれば、アミノシリコーンの25℃における粘度は、特に25000cSt(mm2/s)を超え、好ましくは30000から200000cSt(mm2/s)であり、さらに特定すれば30000から150000cSt(mm2/s)である。
【0090】
これらのアミノシリコーンは、0.4meq/g以下、好ましくは0.001から0.2meq/gの範囲、さらに特定すれば0.01から0.1meq/gの範囲のアミン数を好ましくは有する。
【0091】
そのアミン数は、化合物1グラム当たりのアミンのミリ当量の数である。この数は、着色した指示薬を用いる滴下法または電位差滴定法による全くの従来方式で測定される。
【0092】
これらのアミノシリコーンを使用する場合、1つの特に有利な実施形態は、それらを水中油滴型エマルションの形態で使用することにある。その水中油滴型エマルションは、1つまたは複数の界面活性剤を含むことができる。
【0093】
その界面活性剤は、任意の種類のものでよいが、好ましくはカチオン性および/または非イオン性である。
【0094】
エマルション中のシリコーン粒子の数平均の粒径は、一般に、3nmから500nmの範囲であり、好ましくは5nmから300nm、さらに特定すれば10nmから275nmまで、さらに一層優先されるのは150から275nmまでである。
【0095】
この式に相当するシリコーンは、例えば、Dow CorningのDC2-8299カチオン性エマルションである。
【0096】
この定義に対応する別の群のアミノシリコーンは、下記の式(VII)により表される。
【0097】
【化6】

【0098】
式中、
mおよびnは、合計(n+m)が、特に1から2000まで、特に50から150まで変動でき、nは、場合により0から1999まで、特に49から149までの数を意味し、mは、場合により1から2000まで、特に1から10までの数を意味するような数字であり、
Aは、4個から8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキレン基を意味する。この基は、好ましくは分枝である。
【0099】
そのアミノシリコーンの重量平均分子量は、好ましくは500から1000000までの範囲であり、さらにより特定すれば、1000から200000までである。
【0100】
これらアミノシリコーンの重量平均分子量は、室温におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で測定される。使用するカラムは、μ styragelカラムである。溶離液はTHFであり、流速は1ml/分である。THF中に0.5重量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定およびUV測定により実施する。
【0101】
本発明によれば、アミノシリコーンの25℃における粘度は、特に500cSt(mm2/s)を超え、好ましくは1000から200000cSt(mm2/s)であり、さらに特定すれば1500から10000cSt(mm2/s)である。
【0102】
これらのアミノシリコーンは、0.4meq/gを超え、好ましくは0.5から3meq/gの範囲、さらに特定すれば0.5から1meq/gの範囲のアミン数を好ましくは有する。
【0103】
そのアミン数は、化合物1グラム当たりのアミンのミリ当量の数である。この数は、着色した指示薬を用いる滴下法または電位差滴定法による全くの従来方式で測定される。
【0104】
これらのアミノシリコーンを使用する場合、1つの特に有利な実施形態は、それらを水中油滴型エマルションの形態で使用することにある。その水中油滴型エマルションは、1つまたは複数の界面活性剤を含むことができる。
【0105】
その界面活性剤は、任意の種類のものでよいが、好ましくはカチオン性および/または非イオン性である。
【0106】
エマルション中のシリコーン粒子の数平均の粒径は、一般に、3nmから500nmの範囲であり、好ましくは5nmから300nm、さらに特定すれば10nmから275nmまで、さらに一層優先されるのは150から275nmまでである。
【0107】
この式に相当するシリコーンは、例えば、Dow CorningのDC2-8566 Amino Fluid
である。
【0108】
c)式(VIII)に対応するアミノシリコーン:
【0109】
【化7】

【0110】
式中、
R5は、1個から18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系の基、特にC1〜C18アルキルまたはC2〜C18アルケニル基、例えばメチルを表し、
R6は、SiC結合を介するSiに結合している二価の炭化水素系の基、特にC1〜C18アルキレン基または二価のC1〜C18、例えばC1〜C8アルキレンオキシ基を表し、
Q-は、アニオン、例えばハロゲン化物イオン特に塩化物、または有機酸塩(酢酸塩など)などであり、
rは、2から20まで、特に2から8までの平均の統計値を表し、
sは、20から200まで、特に20から50までの平均の統計値を表す。
【0111】
上記アミノシリコーンは、米国特許第4185087号により詳しく記載されている。
【0112】
d)次式の第四級アンモニウムシリコーン:
【0113】
【化8】

【0114】
式中、
R7は、同じであっても異なってもよく、1個から18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系の基、特にC1〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基または5個または6個の炭素原子を含有する環、例えばメチルを表し、
R6は、SiC結合を介するSiに結合している二価の炭化水素系の基、特にC1〜C18、例えばC1〜C8の二価のアルキレンオキシ基を表し、
R8は、同じであっても異なってもよく、水素原子または1個から18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系の基、特にC1〜C18アルキル基、C2〜C18アルケニル基もしくは基-R6-NHCOR7を表し、
X-は、アニオン、例えばハロゲン化物イオン特に塩化物、または有機酸塩(酢酸塩など)などであり、
rは、2から200まで、特に5から100までの平均の統計値を表す。
【0115】
これらのシリコーンは、例えば欧州特許出願公開第0530974号に記載されている。
【0116】
e)次式のアミノシリコーン:
【0117】
【化9】

【0118】
式中、
・R1、R2、R3およびR4は、同じであっても異なってもよく、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を意味し、
・R5は、C1〜C4アルキル基またはヒドロキシル基を意味し、
・nは、1から5の範囲の整数であり、
・mは、1から5の範囲の整数であり、
式中xは、アミン数が0.01から1meq/gの範囲となるように選択される。
【0119】
f)タイプ(XY)iのポリオキシアルキレン化アミノシリコーンであって、Xはポリシロキサンブロックであり、Yは少なくとも1個のアミン基を含むポリオキシアルキレンブロックであり、好ましくは次の一般式を有する繰り返し単位からなるもの:
[SiMe2-O- (SiMe2O)xSiMe2-R-N(H)-R'-O-(C2H4O)a-(C3H6O)b-R'-N(H)-R-] (XI)
式中、
・aは、1以上、好ましくは5から200まで、さらにより特定すれば5から100の範囲の整数であり、
・bは、0から200までの範囲、好ましくは4から200まで、さらにより特定すれば5から100の範囲の整数であり、
・xは、1から10000まで、さらにより特定すれば10から5000の範囲の整数であり、
・Rは、同じであっても異なってもよく、炭素-ケイ素結合を介して隣接するケイ素原子および窒素原子に結合している二価の有機の基を表し、
・R'は、同じであっても異なってもよく、炭素-酸素結合を介して隣接する酸素原子および窒素原子に結合している二価の有機の基を表す。
【0120】
Rは、場合によっては1個または複数のヘテロ原子例えば酸素などを含む好ましくはC2〜C12炭化水素系の基である。より詳しくは、Rは、エチレン、直鎖もしくは分枝プロピレン、直鎖もしくは分枝ブチレンまたは-CH2CH2CH2OCH(OH)CH2-基を意味する。
【0121】
R'は、場合によっては1個または複数のヘテロ原子例えば酸素などを含む好ましくはC2〜C12炭化水素系の基である。より詳しくは、R'は、二価のアルキレン基、例えば、エチレン、直鎖もしくは分枝プロピレン、または直鎖もしくは分枝ブチレンを意味する。
【0122】
シロキサンブロックは、シリコーンの全体重量に対して、一般に50mol%から95mol%、より特定すれば、70mol%から85mol%を示す。
【0123】
アミン含量は、ジプロピレングリコール中の30%溶液で、コポリマーの0.02から0.5meq/g、より特定すれば、0.05から0.2meq/gの範囲である。
【0124】
式(XI)のシリコーンの重量平均分子量は、好ましくは5000から1000000、さらにより特定すれば、10000から200000の範囲である。
【0125】
この式(XI)の特に対象となるシリコーンは、OSIにより商標Silsoft A-843有機シリコーンコポリマーのもとで販売されているものである。本発明による特に好ましいアミノシリコーンは、式(I)および(II)のものおよびそれらの混合物である。
【0126】
本発明による特に好ましいアミノシリコーンは、式(I)から(VII)、より特定すれば、式(I)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)のものである。
【0127】
そのアミノシリコーンは、組成物の全体重量に対して0.01重量%から10重量%の範囲の量で好ましくは使用される。この量は、組成物の全体重量に対してより優先的には0.1から5重量%、さらにより特定すれば0.5重量%から3重量%までの範囲である。
【0128】
本発明の1実施形態によれば、該組成物は、水溶性の塩および/またはモノまたはポリヒドロキシル化水溶性アルコールも含むことができる。本発明によるその水溶性の塩は、好ましくは一価または二価の金属の塩および無機酸または有機酸の塩である。
【0129】
特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸ナトリウムおよびリン酸のナトリウム塩が挙げられる。塩化ナトリウムが特に好ましい。
【0130】
本発明による洗剤組成物は、一般に3と8の間の最終pHを有する。このpHは、好ましくは4と7.5の間である。pHは、従来のように、組成物に塩基(有機または無機)、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア水または第一級、第二級もしくは第三級(ポリ)アミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミンまたは1,3-プロパンジアミンを加えるか、あるいは別法では、無機酸または有機酸、好ましくはクエン酸または塩酸を加えることによって調整することができる。
【0131】
化粧品として許容される水性媒体は、もっぱら水からなるか、または、水と化粧品として許容される溶媒、例えばエタノール、イソプロパノール、t-ブタノールもしくはn-ブタノールなどのC1〜C4低級アルコール、例えばプロピレングリコール、ヘキシレングリコールなどのアルキレングリコール、あるいはグリセロールなどとの混合物からなることができる。
【0132】
本発明による組成物は、組成物の全体重量に対して、好ましくは、少なくとも30重量%、より特定すれば50重量%から90重量%、より好ましくは70重量%から85重量%の水を含む。
【0133】
該組成物は、組成物の全体重量に対して好ましくは20重量%未満の脂肪相を含む。
【0134】
該脂肪相は、室温で水に不溶性である組成物のすべての脂肪物質、例えば、特に脂肪酸エステル、植物油、鉱物油または合成油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸アミド、ワックスおよびシリコーンなどを含む。その脂肪相は、組成物の全体重量に対して、0.1重量%から15重量%、より特定すれば0.5重量%から10重量%、さらにより特定すれば0.5重量%から8重量%に好ましくは相当する。
【0135】
本発明による組成物は、上で明らかにした組合せに加えて、増粘剤等の粘性調節剤を含めることができる。特に、スクレログルカン、キサンタンガム、脂肪酸アルカノールアミド、Chem Y社によりAminol A15の品名で販売されている製品など場合により最大5molのエチレンオキシドでオキシエチレン化されているアルキルエーテルカルボン酸アルカノールアミド、架橋されたポリアクリル酸および架橋されたアクリル酸/C10〜C30アルキルアクリレートコポリマーを挙げることができる。これらの粘性調節剤は、本発明による組成物中に、組成物の全体重量に対して最高10重量%までの割合で使用される。
【0136】
本発明による組成物は、また、最先端技術でよく知られている真珠光沢剤または不透明剤、例えば、脂肪アルコール、パルミチン酸ナトリウムまたはパルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸またはヒドロキシステアリン酸のナトリウムまたはマグネシウム塩、エチレングリコールジステアレートまたはポリエチレングリコールジステアレート等の脂肪鎖アシル誘導体、および脂肪鎖エーテル、例えばジステアリルエーテルまたは1-(ヘキサデシルオキシ)-2-オクタデカノールを最高で5%まで含有することができる。
【0137】
本発明による組成物は、また、組成物の安定性を何ら損なうことなく、毛髪または皮膚の化粧特性を改良する効果を有するその他の作用物質を適宜含むことができる。これに関しては、カチオン性界面活性剤、アニオン性、非イオン性、カチオン性または両性ポリマー、タンパク質、タンパク質加水分解物、セラミド、偽セラミド、植物油、特に直鎖または分枝C16〜C40鎖の例えば18-メチルエイコサン酸のような脂肪酸、ヒドロキシ酸、ビタミン、パンテノールのようなプロビタミン、媒体に溶解性または不溶性であるアミノシリコーン以外の揮発性または不揮発性シリコーン、UV遮断剤、保湿剤、抗フケ剤または抗脂漏剤、脱毛防止剤およびフリーラジカル補足剤、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0138】
1つの特に好ましい態様によれば、本発明による組成物は、また、少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含む。
【0139】
本発明により使用することができるカチオン性ポリマーは、洗剤組成物で処理した毛髪の化粧特性を改良するものとしてそれ自体既に知られているもののいずれか、即ち、特に、欧州特許出願公開第0337354号、仏国特許出願公開第2270846号、同第2383660号、同第2598611号、同第2470596号および同第2519863号に記載されているものから選択することができる。
【0140】
さらにより一般的には、本発明の目的に対して、「カチオン性ポリマー」という表現は、カチオン性の基および/またはカチオン性の基にイオン化することができる基を含有する任意のポリマーを意味する。
【0141】
本発明により使用することができるカチオン性ポリマーは、0.01meq/g以上、より特定すれば、0.1から3.5meq/gまでの範囲のカチオン性電荷密度を好ましくは有する。
【0142】
本発明との関連で使用することができるすべてのカチオン性ポリマーの中で、使用するのが好ましいのは、以下のものである:第四級セルロースエーテル誘導体、例えばUnion Carbide Corporation社によりJR 400の品名で販売されている製品、環状ポリマー、特にジアリルジメチルアンモニウム塩ホモポリマーおよびジアリルジメチルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマーの特に塩化物であって、Merck社によりMerquat 550およびMerquat Sの品名で販売されているもの、カチオン性多糖類で、より特定すれば、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドで変性したグアールガムであり、例えばMeyhall社によりJaguar C13Sの品名で販売されているもの、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩の場合により架橋されているホモポリマーまたはコポリマーであって、Allied Colloids社により、鉱物油中の50%溶液として、商標名Salcare SC92(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの架橋されているコポリマー)およびSalcare SC95(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋したホモポリマー)のもとで販売されているもの、ビニルピロリドンとビニルイミダゾール塩との第四級コポリマー例えばBASF社によりLuviquat FC 370、Luviquat FC 550、Luviquat FC 905およびLuviquat HM-552の品名で販売されている製品。
【0143】
本発明によれば、カチオン性ポリマーは、最終組成物の全体重量に対して、0.005重量%から10重量%、好ましくは0.01重量%から5重量%、さらにより優先的には0.1重量%から3重量%に相当し得る。
【0144】
本発明による組成物は、また、起泡共力剤、例えばモノエタノールアミンからまたはジエタノールアミンから誘導されるC10〜C181,2-アルカンジオールまたはC10〜C18脂肪酸アルカノールアミドなどを含むこともできる。
【0145】
言うまでもなく、当業者であれば、このまたはこれら任意の付加的配合物および/またはそれらの量を選択するのに、本発明による組成物に本質的に伴う本発明によるアミノシリコーンの溶解性、組成物の安定性および化粧品特性がその考えた添加によって不利に影響されることがないように、または実質的にないように注意するであろう。真珠光沢剤等のある配合物の添加によって、組成物を不透明にすることができる。
【0146】
その透明性は、スペクトロメータ(例えば、Perkin-ElmerによるLambda 14スペクトロメータまたはShimadzuによるUV2101PCスペクトロメータ)により700nmにおける透過率を測定することにより測定することができる。透明な組成物は、94%以上、好ましくは96%から100%の透過率を有する。
【0147】
本発明による組成物の泡立ち性(泡の高さにより特性付けされる)は、修正されたRoss-Miles法(NF T 73-404/ISO696)により測定して、一般に、75mmを超え、好ましくは100mmを超える。
【0148】
修正されたその方法は以下の通りでる:
測定は、浸透水により22℃の温度で実施する。溶液の濃度は、2g/lである。落下の高さは1mである。落下させる組成物の量は200mlである。これら200mlの組成物を直径が50mmであり50mlの試験用組成物を含む測定シリンダー中に落下する。測定値は、組成物の流動停止5分後にとる。
【0149】
これらの組成物は、多かれ少なかれ増粘した液体、クリームまたはゲルの形態をしており、それらは主としてケラチン物質、特に毛髪および皮膚、さらにより特定すれば毛髪の洗浄および手入れに適する。
【0150】
本発明の対象は、また、特に毛髪等のケラチン物質を洗浄およびコンディショニングする方法であって、前記の濡れたケラチン物質に上で明らかにした組成物の有効量を適用し、次いで任意の時間を置いた後、水ですすぐことからなる方法である。
【0151】
本発明による組成物は、毛髪を洗浄およびコンディショニングするためのシャンプーとして好ましくは使用され、それらは、この場合、濡らした毛髪に、それを洗浄するのに適した量を適用し、手でマッサージするか擦ることにより発生する泡を、次いで任意の時間を置いた後、水ですすぐことにより除去し、その操作は、場合により1回または複数回繰り返す。
【0152】
本発明による組成物は、また、毛髪および/または皮膚を洗浄およびコンディショニングするためのシャワー用ジェルとしても使用することができ、その場合、それらは濡れた皮膚および/または毛髪に適用し、適用後洗い流す。
【0153】
本発明を説明する具体的であるが決して限定するものではない実施例をここで示す。
【実施例】
【0154】
(実施例1〜3)
本発明によるシャンプー組成物を調製した:
【0155】
【表1】

【0156】
本発明による組成物は、透明であり安定している。その組成物を濡れた髪に適用したとき、その泡立ちは豊かで軽やかである。これは容易に発生し、容易にかつ素早く濯ぎ落としされる。
【0157】
これらの組成物で処理した髪は、容易にもつれが解け、根元から末端まで軽くて滑らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄用およびコンディショニング用化粧品組成物であって、化粧品として許容される水性媒体中に、
(A)少なくとも1つの硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤、(B)界面活性剤(A)以外の少なくとも1つのカルボキシルアニオン性界面活性剤、(C)少なくとも1つの両性界面活性剤、および(D)少なくとも1つのアミノシリコーンを含み、
前記硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/カルボキシルアニオン性界面活性剤の重量比が2から12の範囲であり、
前記界面活性剤の全体量が、最終組成物の全体重量に対して4重量%から35重量%に相当することを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤が、組成物の全体重量に対して、1.5重量%から34.4重量%、好ましくは2重量%から25重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記両性界面活性剤が、組成物の全体重量に対して、0.1重量%から20重量%、好ましくは1重量%から10重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
前記カルボキシルアニオン性界面活性剤が、組成物の全体重量に対して、0.5重量%から15重量%、好ましくは1重量%から10重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/両性界面活性剤の重量比が、2から12、さらに特に4から10、さらにより優先的には5から8までの範囲であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記硫酸塩またはスルホン酸塩アニオン性界面活性剤/カルボキシルアニオン性界面活性剤の重量比が4から10の範囲であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記カルボキシルアニオン性界面活性剤/両性界面活性剤の重量比が、0.3から3であり、さらにより好ましくは0.5から1.5の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アミノシリコーンが、組成物の全体重量に対して0.01重量%から10重量%、好ましくは0.1重量%から5重量%、さらに特に0.5重量%から3重量%の範囲の濃度で存在することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
毛髪等のケラチン物質を洗浄およびコンディショニングする方法であって、前記の濡れた物質に請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物の有効量を適用し、次いで任意の時間を置いた後水ですすぐことからなる方法。

【公開番号】特開2006−328069(P2006−328069A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−143298(P2006−143298)
【出願日】平成18年5月23日(2006.5.23)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】