説明

アミノプロピル官能性シロキサンオリゴマー

【課題】アミノ官能性化合物をベースとする有機官能性シロキサンオリゴマー混合物の提供。
【解決手段】式Iの連鎖状シロキサンオリゴマーと式IIの環式シロキサンオリゴマーとの混合物。




(式中、置換基Rは、アミノプロピル官能基、メトキシ基、エトキシ基、2-メトキシエトキシ基、プロポキシ基などを有す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I:
【化1】

及びII
【化2】

〔上記式中、置換基Rは、アルコキシ基以外に、有機官能基からなるが、この場合、珪素原子には多くとも1個の有機官能基が結合している〕で示される連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物に関するものである。
【0002】
更に、本発明は、前記混合物の製造法並びにその使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、例えば有機官能性アルコキシシランの意図された加水分解もしくは縮合によって得られる。多官能性シロキサンオリゴマーの製造の際の1つの特別な問題は、個々のオルガノアルコキシシランもしくはオルガノクロルシランの著しく異なる加水分解挙動もしくは縮合挙動である。
【0004】
欧州特許出願公開第0716128A2号、同第0716127A2号並びに同第0675128A1号から、アミノ官能性及びOH基を有するオルガノシランもしくはオルガノシロキサンの水溶液は公知である。これらのオルガノシラン系は、実地には完全に加水分解されている。
【0005】
欧州特許出願公開第0518057A1号及びドイツ特許出願公開第19624032A1号からは、連鎖状及び環式のビニルもしくはアルキル官能性のシロキサンオリゴマーの混合物が製造されているが、これらは、他にアルコキシ基を有している。かかる混合物は、例えば無機表面又は粉末状の物質の疎水性化のため並びに熱可塑性ポリオレフィンのための架橋剤として使用されている。
【0006】
より古いドイツ連邦共和国特許出願第198344990.4号から、連鎖状及び簡素基のアクリルオキシプロピル基もしくはメタアクリルオキシプロピル基を有するシロキサンオリゴマーの混合物は明らかである。
【0007】
かかるシロキサンオリゴマー混合物は、例えば無機表面又は粉末状の物質、例えば二酸化チタン、タルク、陶土、珪酸、石英、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、雲母(ムスコバイト雲母)、炭酸カルシウム(白亜、ドロマイト)の表面処理に使用することができる。また、例えばカオリンで充填したゴムコンパウンド中の付着助剤として、前記のシロキサンオリゴマー混合物を使用することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0716128A2号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0716127A2号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0675128A1号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0518057A1号明細書
【特許文献5】ドイツ特許出願公開第19624032A1号明細書
【特許文献6】ドイツ連邦共和国特許出願第198344990.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明には、殊にアミノ官能性化合物をベースとする他の有機官能性シロキサンオリゴマー混合物を提供するという課題が課されていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題は、本発明によれば特許請求の範囲の記載により解決される。
【0011】
驚異的なことに、一般式I:
【化3】

及び
II:
【化4】

〔上記式中、置換基Rは、
(i)式:−(CH23−NH2又は−(CH23−NHR′又は−(CH23−NH(CH22−NH2又は−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2(式中、R′は、C原子1〜18個を有する線状、分枝鎖状又は環式のアルキル基又はC原子6〜12個を有するアリール基である)で示されるアミノプロピル官能基及び
(ii)メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基及び/又はプロポキシ基及び
(iii)場合による、C原子1〜18個を有するアルキル基、アルケニル基、イソアルキル基、シクロアルキル基及び/又はC原子6〜12個を有するアリール基
からなるが、この場合、1個の珪素原子には、多くとも1個のアミノプロピル官能基が結合しており、一般式Iの化合物のオリゴマー化度は、2<m<30の範囲内であり、一般式IIの化合物のオリゴマー化度は、3≦n≦30の範囲内であり、Si/アルコキシ基のモル比からの商は≧0.5である〕で示される連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、成分Aとして、少なくとも1種のアミノプロピル官能性トリアルコキシシラン又はアミノプロピル官能性メチルアルコキシシラン及び場合により成分Bとして、C原子1〜18個を有する少なくとも1種のアルキル−トリアルコキシシラン、イソアルキル−トリアルコキシシラン、シクロアルキル−トリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又はC原子1〜18個を有するアルキルメチルジアルコキシシラン、アルケニルメチルジアルコキシシラン、イソアルキルメチルジアルコキシシラン、シクロアルキルメチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシラン及び場合により成分Cとして、テトラアルコキシシランを使用し、成分A、場合による成分B及び場合による成分Cを、順次又は混合して、Si1モル当たり水0.6〜1.2モル及び使用したアルコキシシランに対してメタノール及び/又はエタノール0.1〜5倍の質量の使用下で、10〜95℃の温度で意図的に加水分解もしくは縮合させ、引き続き、生成物混合物を、標準圧力もしくは減圧下及び120℃の塔底温度で蒸留により処理することによる意図的な反応によって得られることが見出された。この場合適当には、遊離アルコール及び場合によるモノマーの加水分解していない出発物質の残りが生成物から除去される。従って、他のアミノ官能性シロキサンオリゴマー混合物を用意することができる。系の異なる添加剤、例えば加水分解触媒もしくは縮合触媒を用いずに加水分解もしくは縮合を意図的に実施することができるのは特に有利である。
【0012】
こうして得られた本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、通常、均一、清澄、無色から僅かに黄色に変色し、低粘稠で貯蔵安定性の液体であり、かつ有利に>100℃の発火点を有している。
【0013】
上記の製造法によって、有利に、種々の[−Si(R)(R)O−]−単位のランダムな分布を有する本発明によるシロキサンオリゴマーを製造することができる。
【0014】
また、本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の沸点は、通常、>200℃の温度であることも有利である。
【0015】
従って、本発明の対象は、一般式I:
【化5】

及び
II:
【化6】

〔上記式中、置換基Rは、
(i)式:−(CH23−NH2又は−(CH23−NHR′又は−(CH23−NH(CH22−NH2又は−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2(式中、R′は、C原子1〜18個を有する線状、分枝鎖状又は環式のアルキル基又はC原子6〜12個を有するアリール基である)で示されるアミノプロピル官能基及び
(ii)メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基及び/又はプロポキシ基及び
(iii)場合による、C原子1〜18個を有するアルキル基、アルケニル基、イソアルキル基、シクロアルキル基及び/又はC原子6〜12個を有するアリール基
からなるが、この場合、1個の珪素原子には、多くとも1個のアミノプロピル官能基が結合しており、一般式Iの化合物のオリゴマー化度は、2<m<30の範囲内であり、一般式IIの化合物のオリゴマー化度は、3≦n≦30の範囲内であり、Si/アルコキシ基のモル比からの商は≧0.5である〕で示される連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物である。
【0016】
本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、本発明によるシロキサンオリゴマーの質量に対して、0.1質量%を上回り、30質量%を下回る、特に有利に5〜25質量%のアルコキシ基含量を有している。
【0017】
有利に、本発明による混合物中で、置換基Rは、(i)アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、アミノエチルアミノエチルアミノプロピル基、メチルアミノプロピル基、n−ブチルアミノプロピル基、シクロヘキシルアミノプロピル基及び/又はフェニルアミノプロピル基及び(ii)メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基及び/又はプロポキシ基及び(iii)場合によるメチル基、ビニル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、オクチル基、ヘキサデシル基又はフェニル基からなる。
【0018】
例としては、以下の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの若干の有利な系が挙げられる:3−アミノプロピルシロキサン/n−プロピルシロキサン/アルコキシ−シロキサン;N−アミノエチル−3−アミノプロピルシロキサン/n−プロピルシロキサン/アルコキシシロキサン;N−ブチルアミノプロピルシロキサン/メチルシロキサン/アルコキシシロキサン、この場合、アルコキシ基は、有利にメトキシ基又はエトキシ基であり、あるいはまた、順次エトキシ基とメトキシ基であってもよい。
【0019】
更に、対象は、成分Aとして、少なくとも1種のアミノプロピル官能性トリアルコキシシラン又はアミノプロピル官能性メチルジアルコキシシラン及び場合により成分Bとして、C原子1〜18個を有するアルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、イソアルキルトリアルコキシシラン、シクロアルキルトリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又はC原子1〜18個を有するアルキルメチルジアルコキシシラン、アルケニルメチルジアルコキシシラン、イソアルキルメチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシラン及び場合により成分Cとしてテトラアルコキシシランを使用し、成分A、場合によるB及び場合によるCを、順次又は混合して、Si1モル当たり水0.6〜1.2モル及び使用したアルコキシシランに対してメタノール又はエタノール0.1〜5倍の質量の使用下に、10〜95℃の温度で意図的に加水分解並びに縮合させ、次に、使用したアルコール並びに反応の際に遊離されたアルコールを標準圧力又は減圧下に120℃の塔底温度で生成物混合物から留去する、意図的な加水分解による本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の製造法である。
【0020】
本発明による混合物の製造には、これだけには限らないが例えば、以下の化合物又は前記化合物の混合物から出発することができる:
− 成分Aについて:
3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−アミノエチル−N−アミノエチル−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−メチル−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−n−ブチル−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリアルコキシシラン、N−フェニル−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−アミノエチル−N−アミノエチル−3−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−メチル−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−n−ブチル−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−シクロヘキシル−アミノプロピル−メチルジアルコキシシラン、N−フェニルアミノプロピル−メチルジアルコキシシラン。
− 成分Bについて:
メチルトリアルコキシシラン、エチルトリアルコキシシラン、n−プロピルトリアルコキシシラン、イソブチルトリアルコキシシラン、n−オクチルトリアルコキシシラン、イソブチルトリアルコキシシラン、n−オクチルトリアルコキシシラン、イソオクチルトリアルコキシシラン、ヘキサデシルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン。
− 成分Cについて:
テトラアルコキシシラン、この場合、前記のアルコキシ基については、メトキシ及びエトキシが有利である。
【0021】
一般に、本発明による方法は、以下のように実施される:
通常、まず、成分A、場合による成分B及び場合による成分Cを装入する。このアルコキシシラン混合物に、溶剤もしくは希釈剤、例えばメタノール又はエタノールを添加してもよい。適当な場合には、更に、反応のために定められた量の水を、適当な場合には、良好な混和下、例えば攪拌下に添加する。水の添加の前後に、この反応混合物を昇温させ、かつ反応後に、得られた生成物混合物を前記の方法で蒸留により後処理することができる。有利に、生成物混合物の蒸留による後処理を、50〜120℃の温度、標準圧力及び/又は減圧下に実施する。
【0022】
本発明による方法の場合、成分A、B及びCは、有利に、1:0:0〜1:10:0、有利に1:0:0〜1:4:0又は1:0:0〜1:0:10、有利に1:0:0〜1:0:4又は1:0:0〜1:10:0、有利に1:0:0〜1:4:4のA:B:Cのモル比で使用している。
【0023】
更に、本発明による方法の場合、有利に、メトキシ基又はエトキシ基を有するアルコキシシランを、溶剤もしくは希釈剤として使用したアルコールに相応して使用している。また、溶剤もしくは希釈剤として、適当なメタノール又はエタノール又はメタノールとエタノールとの混合物を使用している。あるいはまた、別のアルコール又はアルコール混合物を使用することもできる。
【0024】
本発明による方法の場合、有利に、標準圧力、10〜95℃、特に有利に60〜80℃の温度で、使用したアルコキシシランの加水分解及び縮合を実施している。通常、反応を標準圧力で実施している。あるいはまた、反応を減圧下又は過剰圧で実施することもできる。適当な場合には、反応混合物を、生成物混合物の蒸留による後処理を開始する前に、2〜8時間反応させている。
【0025】
蒸留による後処理後に、本発明による生成物は、成分A、B及びC有利に5質量%未満、殊に遊離アルコール1質量%未満を含有している。
【0026】
本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、これだけには限らないが、有利に例えば以下の使用に供することができる:
従って、本発明の対象は、本発明の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の、粉末状物質の表面変性のため、微粒状の無機充填剤及び顔料のシラン化、更に、無機、有機及び金属性の表面、例えばコンクリート、アルミニウム、鋼並びにプラスチック(就中、PVC、PMMA、ごく一部を挙げるにすぎない)の処理のための薬剤としての使用である。従って、本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物は、有利に、表面の疎水性化に使用することもできる。
【0027】
更に、本発明の対象は、本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の、充填した熱可塑性構成部材、例えばHFFR構成部材(Halogen Free Flame Retardants)中の、改善された機械的強度及び改善された電気絶縁特性を達成するための付着剤としての使用である。
【0028】
その上更に、本発明の対象は、改善された使用特性、殊に制御された硬化挙動、改善された機械的強度並びに改善された耐湿性を達成するための粘着剤及びシーリング剤中の付着剤としての、本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の使用である。
【0029】
また、本発明の対象は、改善された使用特性を有し、並びにガラス繊維の被覆、該ガラス繊維で補強されたプラスチック中での前記ガラス繊維の改善された付着及び改善された機械的強度の達成のため染料及び塗料中の結合剤としての、有機樹脂の変性及び架橋のための本発明による連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の使用である。
【0030】
標準的に使用されるモノマーのアミノ官能性シランと比べた本発明によるシロキサンオリゴマー混合物の特に有利な性質は、高い沸点、高い発火点、低い蒸気圧、使用の間の少量の遊離加水分解アルコール、殊に化学的「多機能性」である。
【実施例】
【0031】
本発明は、以下の実施例によって更に詳細に説明される:
例1
真空装置、供給装置及び蒸留装置を有するガラス製の4lの攪拌反応器中に、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)1791g及びn−プロピルトリメトキシシラン(PTMO)820.5gを装入する。水216.0gとメタノール300.0gとを混合し、かつこの混合物を供給装置により、20分間で添加する。この反応混合物を、室温から約70℃の温度にまで昇温させる。引き続き、約65℃で5時間攪拌し、この後、メタノールを真空下(塔底温度50〜70℃、圧力400から10hPaに低下)で2時間留去する。以下の性質を有する無色で清澄な液体1924gが得られる:
遊離MeOH(ガスクロマトグラフィー): 0.3質量%
珪素: 20.8質量%
窒素: 6.9質量%
粘度: 35mPas(DIN 53015)
発火点: 115℃(DIN 51755)
密度: 1.103g/ml(DIN 51757)
平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィー): 1.000g/モル
【0032】
例2
真空装置、供給装置及び蒸留装置を有するガラス製の2lの攪拌反応器中に、n−プロピルトリメトキシシラン(PTMO)246gを装入し、80℃にまで加熱する。水21.6gとメタノール144.2gとを混合し、かつ供給装置により、30分間で添加する。この場合、反応混合物の温度は変化させていない。水/メタノール混合物の添加の終了後に、80℃で2時間攪拌する。引き続き、80℃でエチレンジアミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)667gを添加し、かつ30分間攪拌する。この後、水43.2gとメタノール288.4gとからなる混合物を30分間で添加し、かつこの反応混合物を80℃で1時間攪拌する。
【0033】
反応混合物中に含有されているメタノールを、まず、大気圧で留去し(約300g、3時間)、この後、残りを真空下で(塔底温度70〜90℃、圧力450〜1hPaに低下)3時間留去する。更に、1hPa及び約110℃の塔底温度で1時間、真空後処理を行う。以下の性質を有する黄色で清澄な液体690gが得られる:
遊離MeOH(ガスクロマトグラフィー): <0.1質量%
珪素: 17.3質量%
窒素: 10.8質量%
粘度: 208mPas(DIN 53015)
沸点: 267℃(ASTM D-1120)
発火点: 136℃(DIN 51755)
密度: 1.096g/ml(DIN 51757)
全塩化物量: 88mg/kg
平均分子量(ゲル透過クロマトグラフィー): 約1.000g/モル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

及びII:
【化2】

〔式中、置換基Rは、
(i)式:−(CH23−NH2又は−(CH23−NHR′又は−(CH23−NH(CH22−NH2又は−(CH23−NH(CH22−NH(CH22−NH2(式中、R′は、C原子1〜18個を有する線状、分枝鎖状又は環式のアルキル基又はC原子6〜12個を有するアリール基である)で示されるアミノプロピル官能基及び
(ii)メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基及び/又はプロポキシ基及び
(iii)場合による、C原子1〜18個を有するアルキル基、アルケニル基、イソアルキル基、シクロアルキル基及び/又はC原子6〜12個を有するアリール基
からなるが、この場合、1個の珪素原子には、多くとも1個のアミノプロピル官能基が結合しており、一般式Iの化合物のオリゴマー化度は、2<m<30の範囲内であり、一般式IIの化合物のオリゴマー化度は、3≦n≦30の範囲内であり、Si/アルコキシ基のモル比からの商は≧0.5である〕で示される連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物。
【請求項2】
請求項1に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物において、該シロキサンオリゴマー混合物の重量に対して、アルコキシ基の割合が0.1質量%より多く、50質量%より少ない、請求項1に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物。
【請求項3】
置換基Rが、アミノプロピル基、アミノエチルアミノプロピル基、アミノエチルアミノエチルアミノプロピル基、メチルアミノプロピル基、n−ブチルアミノプロピル基、シクロヘキシルアミノプロピル基及び/又はフェニルアミノプロピル基(i)及びメトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基及び/又はプロポキシ基(ii)及び場合によるメチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソブチル基、オクチル基、ヘキサデシル基又はフェニル基(iii)からなる、請求項1又は2に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物。
【請求項4】
沸点>200℃を特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物。
【請求項5】
発火点>100℃を特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物を、意図された加水分解によって製造するための方法において、成分Aとして、少なくとも1種のアミノプロピル官能性トリアルコキシシラン又はアミノプロピル官能性メチルジアルコキシシラン及び場合により成分Bとして、C原子1〜18個を有する少なくとも1種のアルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、イソアルキルトリアルコキシシラン、シクロアルキルトリアルコキシシラン及び/又はフェニルトリアルコキシシラン及び/又はC原子1〜18個を有するアルキルメチルジアルコキシシラン、アルケニルメチルジアルコキシシラン、イソアルキルメチルジアルコキシシラン、シクロアルキルメチルジアルコキシシラン及び/又はフェニルメチルジアルコキシシラン及び場合により成分Cとしてテトラアルコキシシランを使用するが、成分A、場合によるB及び場合によるCは、順次又は混合して、Si1モル当たり水0.6〜1.2モル及び使用したアルコキシシランに対して、0.1〜5倍の質量のメタノール又はエタノールの使用下に、10〜95℃の温度で、意図されたヒドロキシル化並びに縮合させ、引き続き、使用したアルコール並びに反応の際に遊離されたアルコールを、標準圧力又は減圧下及び120℃までの塔底温度で生成物混合物から留去することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとの混合物の製造法。
【請求項7】
成分A、B及びCを、1:0:0〜1:10:0又は1:0:0〜1:0:10又は1:0:0〜1:10:10のA:B:Cのモル比で使用する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
メトキシ基又はエトキシ基を有するアルコキシシランを、溶剤もしくは希釈剤として使用したアルコールに相応して使用する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
加水分解及び縮合を、標準圧力下に、10〜95℃の温度で実施する、請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
生成物混合物の蒸留による後処理を、50〜120℃の範囲内の温度、標準圧力及び/又は減圧下に実施する、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
蒸留による後処理後に得られた生成物が、使用した成分A、B及びCを5質量%未満及び遊離アルコール1質量%未満含有している、請求項6から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
粘着剤及びシーリング剤中の付着剤、有機樹脂の変性及び架橋、染料及び塗料中の結合剤、ガラス繊維の被覆、充填された熱可塑性樹脂中の成分の付着助剤、無機、有機及び金属の表面の処理、表面の疎水性化、粉末状の物質の表面変性並びに充填剤及び顔料のシラン化のための、請求項1から11までのいずれか1項に記載の連鎖状シロキサンオリゴマーと環式シロキサンオリゴマーとからなる混合物の使用。

【公開番号】特開2012−92106(P2012−92106A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243837(P2011−243837)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願平11−302811の分割
【原出願日】平成11年10月25日(1999.10.25)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】