説明

アミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法並びに化粧料

【課題】温和な反応条件でアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造することができ、化粧料に配合して良好な化粧持ちを与えるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法並びに化粧料を提供する。
【解決手段】主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、一般式(1)で表される有機基が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。


[X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは0〜4の整数、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基。Zは一般式(2)


で表される有機基である。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸変性オルガノポリシロキサン、その製造方法、及び化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸又はペプチド変性シリコーン及びその製造方法としては、様々な化合物、製造法が検討されている。
例えば、下記式に示されるアミノ酸誘導体変性シリコーンが知られているが、このアミノ酸誘導体変性シリコーンはアミノ酸のアミノ基、カルボキシル基が保護された構造となっている。更に、その製造に際してイソシアネートやジシクロへキシルカルボジイミドなど、毒性の化合物を使用しており、安全性の面から好ましくない。また、このような複雑な構造の化合物は簡便に製造することはできない(特許文献1:特開2004−182680号公報)。
【化1】

【0003】
また、N−アシルアミノ酸とアミノ官能性シロキサンとの反応、及び該反応により得られる塩化合物、アミド化合物が開示されている(特許文献2:特表2009−540040号公報)。本方法は、塩化合物を介して、高温で反応を行うと脱水してアミド形成すると記載されている。しかし、本文献に記載されている通り、塩化合物を得るのは容易であるが、脱水アミド化反応は緩慢であり、選択的にアミド化合物を得るのは難しいと記載されている。即ち、アミド化合物を得ようとしても塩化合物が残存し、該塩化合物はその性質上、pHが中性領域以外において安定に存在することができない。更に、一級、二級又は三級アミノ基を持つN−非保護型のアミノ酸に関しては上手く反応がいかないとも記載されている。
【0004】
また、従来からアミノ変性オルガノポリシロキサンは、分子内にアミノ基を有することにより毛髪に吸着し、表面保護、柔軟性付与効果があることが知られている(特許文献3:特開平01−190619号公報)が、一般的に毛髪化粧料は防腐等の目的から系のpHは5以下となっており、このような系に塩化合物が残存したアミド化合物を配合しても、櫛通りや滑らかさなどが得られない。
【0005】
更に、下記式に示されるペプチド−シリコーン−コポリマーは、アスパラギン酸がポリスクシンイミドを生成することを利用した方法であるが、反応には160℃以上の高温が必要であり、危険である。また、副反応により不要な成分生成で、濾過や洗浄の工程が必要となり、収率も悪い(特許文献4:特開2000−143797号公報)。
【化2】

【0006】
更に、特許文献5(特開平3−223207号公報)には、片末端エポキシ変性シリコーンとペプチドのアミノ基を反応させる方法が記載されているが、反応剤として用いるエポキシ変性シリコーンは毒性があり、好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−182680号公報
【特許文献2】特表2009−540040号公報
【特許文献3】特開平01−190619号公報
【特許文献4】特開2000−143797号公報
【特許文献5】特開平3−223207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、温和な反応条件でアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造することができ、化粧料に配合して良好な化粧持ちを与えるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン及びその製造方法並びに化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アミノ変性オルガノポリシロキサンとアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸誘導体エステル化物とを有機金属触媒存在下で反応させることによってアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを温和な反応条件で製造することができることを知見した。なお、上記特許文献2の特表2009−540040号公報には、アミノ官能性シロキサンとN−アシルアミノ酸エステルとの反応については記載されていない。そして、アミノ変性オルガノポリシロキサンとアミノ酸エステル、アミノ酸誘導体エステル化物を反応させるだけではアミド化は起こらないことを確認し、本反応を有機金属触媒存在下で反応させることにより、エステル−アミド交換反応が進行することを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】
従って、本発明は、下記のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法、これによって得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン、及び化粧料を提供する。
請求項1:
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される有機基が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
【化3】


[式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。Zは下記一般式(2)
【化4】


(式(2)中、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表される有機基である。]
請求項2:
下記一般式(3)で表される化合物である請求項1に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
【化5】


[式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は請求項1に記載の式(1)で表される有機基であり、R11はR又はR10から選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)
【化6】


(式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるセグメントであり、式(3)及び式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。]
請求項3:
アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン、又はバリンである請求項1又は2に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
請求項4:
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(5)
【化7】


(式(5)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。)
で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(6)
【化8】


(式(6)中、R’は炭素数1〜7の1価の炭化水素基、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表されるアミノ酸のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸誘導体エステル化物とを有機金属触媒存在下に反応させることを特徴とする主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(1)
【化9】


[式(1)中、X、Y、Ra、mは上記の通り。Zは下記一般式(2)
【化10】


(式(2)中、Rb、Rc、Rdは上記の通り。)
で表される有機基である。]
で表される有機基が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
請求項5:
アミノ変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(7)
【化11】


[式(7)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R12は請求項4に記載の式(5)で表される有機基であり、R13はR又はR12から選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)
【化12】


(式(8)において、R及びR12は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるセグメントであり、式(7)及び式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数であり、e1は0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、g1は0又は1であり、h1は0又は1であり、i1は0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。]
で表され、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(3)
【化13】


[式(3)中、Rは上記の通り。R10は請求項1に記載の式(1)で表される有機基であり、R11はR又はR10から選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)
【化14】


(式(4)中、R、R10、Qは上記の通り。)
で表されるセグメントであり、a、b、c、e、f、g、h、i、jは上記の通りである。]
で表されるものである請求項4に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
請求項6:
アミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体エステル化物のエステル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へプチル基、ヘキシル基、又はベンジル基である請求項4又は5に記載の製造方法。
請求項7:
アミノ酸エステルのアミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン、又はバリン残基である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
請求項8:
アミノ酸誘導体エステル化物のアミノ酸誘導体残基が、N−アシルアミノ酸、N−アルキルアミノ酸、又はN,N−ジアルキルアミノ酸残基である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
請求項9:
N−アシル基が、アセチル基、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基又はステアロイル基である請求項8に記載の製造方法。
請求項10:
有機溶剤存在下で反応を行う請求項4〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
請求項11:
反応温度が25℃以上120℃以下である請求項4〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
請求項12:
有機金属触媒が、第4族又は第13族元素から選択される金属原子を含有する請求項4〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
請求項13:
有機金属触媒が、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシジルコニウム、又はトリスアルコキシアルミニウムである請求項12に記載の製造方法。
請求項14:
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含有する化粧料。
請求項15:
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで処理された粉体を含有する化粧料。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によって得られるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、親水基を有しているため、化粧料、粉体表面処理、繊維処理、塗料、樹脂改質等に有用である。また、本発明の製造方法によれば、温和な反応条件でアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1で合成したアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの1H−NMRチャートである。
【図2】実施例1で合成したアミノ酸変性オルガノポリシロキサンのIRスペクトルである。
【図3】実施例2で合成したアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの1H−NMRチャートである。
【図4】実施例2で合成したアミノ酸変性オルガノポリシロキサンのIRスペクトルである。
【図5】実施例6で合成したアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの1H−NMRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される有機基が結合してなるものである。
【化15】


[式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基等の1価の炭化水素基である。Zは下記一般式(2)
【化16】


(式(2)中、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表される有機基である。]
【0014】
この場合、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、実質的にアミノ変性オルガノポリシロキサンとアミノ酸又はアミノ酸誘導体に由来するカルボキシル基の塩を含有しないアミノ酸変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
【0015】
X、Yの2価の炭化水素基としては、アルキレン基等が挙げられ、また、上記Rdのアシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基、ステアロイル基であることが好ましい。
更に、上記アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン、バリン等が挙げられる。
【0016】
上記オルガノポリシロキサンとしては、特に下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
【化17】


[式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は上記の式(1)で表される有機基であり、R11はR又はR10から選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)
【化18】


(式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3のアルキレン基等の2価の炭化水素基である。)
で表されるセグメントであり、式(3)及び式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。]
【0017】
ここで、Rの炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ステアリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデシル基等のフロロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基を挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜15のアルキル基及びフェニル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。また、式(3)、(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数である。eは0〜100、好ましくは1〜50の整数であり、fは0〜5,000、好ましくは1〜2,000の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0〜100、好ましくは0〜50の整数であり、jは0〜5,000、好ましくは0〜2,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。
【0018】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法は、
(i)主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(5)で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、
(ii)アミノ酸のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸誘導体エステル化物とを
有機金属触媒存在下に反応させるものである。
【0019】
更に詳しくは、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(5)
【化19】


(式(5)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。)
で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(6)
【化20】


(式(6)中、R’は炭素数1〜7の1価の炭化水素基、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表されるアミノ酸のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸誘導体エステル化物とを有機金属触媒存在下に反応させることによって得ることができる。
【0020】
本発明で使用されるアミノ変性オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントは特に限定されず、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、好ましくは直鎖状であり、より具体的にはアミノ変性オルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(7)で示されるアミノ変性オルガノポリシロキサンが好ましい。
【化21】


[式(7)中、Rは上記式(3)と同じものを意味し、R12は上記式(5)で表される有機基であり、R13はR又はR12から選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)
【化22】


(式(8)において、R及びR12、Qは上記の通りである。)
で表されるセグメントである。
また、式(7)及び式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数である。e1は0〜100、好ましくは1〜50の整数であり、fは0〜5,000、好ましくは1〜2,000の整数であり、g1は0又は1であり、h1は0又は1であり、i1は0〜100、好ましくは0〜50の整数であり、jは0〜5,000、好ましくは0〜2,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。]
【0021】
ここで、アミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体エステル化物のエステル基とは、アミノ酸又はその誘導体のカルボキシル基が保護されたエステル型の化合物であり、エステル基として特に限定されることはないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へプチル基、ヘキシル基、ベンジル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基である。
【0022】
本発明で使用されるオルガノポリシロキサンの製造で用いられるアミノ酸エステルは、市販品として得られる。前躯体のアミノ酸は下記一般式
【化23】


で示される構造であり、Rbはアミノ酸の側鎖を意味する。
【0023】
アミノ酸エステルのアミノ酸残基(部位)については一般的なアミノ酸が挙げられるが、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等、また、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン等が挙げられる。
【0024】
本発明のアミノ酸誘導体エステル化物のアミノ酸誘導体残基としてはN−アシルアミノ酸が挙げられる。N−アシルアミノ酸はアミノ酸のアミノ基がアミド化によって保護された化合物であり、アミノ酸部位としては上記で示されたものが挙げられ、N−アシル基としてはアセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基、ステアロイル基等が挙げられ、好ましくはアセチル基、ベンゾイル基、ラウロイル基、ステアロイル基である。
【0025】
アミノ酸エステルは上記のアミノ酸誘導体であり、下記一般式で表されるものである。
【化24】


bはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基である。Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基、ステアロイル基等の炭素数1〜22のアシル基から選択される基であり、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、アセチル基、ベンゾイル基、ラウロイル基である。アミノ基は塩酸塩になっていてもよい。また、RbとRdがアルキレン基によって連結して環状体を形成し、かつRcが水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基のプロリンエステルも挙げられる。R’はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、ベンジル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
【0026】
本発明の反応は有機金属触媒なしでは進行しない。有機金属触媒としてはルイス酸金属触媒であり、第4族のチタン、ジルコニウム、ハフニウム、又は13族元素のアルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム等が挙げられ、これらを単独、組み合わせて使用してもよい。価格や安全性の面からチタン、ジルコニウム、アルミニウムがより好ましく、例えば、チタンテトラアルコシキド、ジルコニウムテトラアルコキシド、アルミニウムトリアルコキシド、より詳しくはチタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラエトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。これら触媒を使用する量としては、原料のアミノ変性オルガノポリシロキサンのアミノ基に対して、特に限定はされないが、0.01〜1当量が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5当量である。
【0027】
本発明の反応は無溶剤でも進行するが、有機溶剤を用いてもよい。有機溶剤としては、エステル系以外の有機溶剤であれば特に限定されず、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、アセトニトリル等が挙げられる。
【0028】
本反応の反応温度としては特に限定されないが、25℃以上120℃以下であり、好ましくは60〜100℃である。また、本反応は単純なエステル−アミド交換反応と異なり、触媒的な反応であるため、必ずしもエステルから排出されるアルコール成分を取り除きながら反応させなければならない訳ではない。反応時間は特に限定されないが、1〜15時間であり、好ましくは1〜5時間である。本アミド化反応は脱水によるアミド化反応と異なり、反応温度は低く、反応速度も速い。
【0029】
本反応はアミンとエステルとの反応であり、使用割合は、オルガノポリシロキサン中のアミノ基1当量に対してアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体エステル化物を0.3〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.1当量、より好ましくは1.0当量である。所望により、アミノ基を残存させる場合は1.0当量以下が好ましい。本反応の進行確認はNMR(核磁気共鳴装置)やIRスペクトル測定によって確認することができる。
【0030】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法において、その反応はエステルとアミンの反応であるため、カルボン酸とアミンの反応のように塩化合物を形成しない。本反応によって得られるアミド化合物は化粧料、特に水を含有する系において、中性以外の領域(pH7付近)、特にpHが5以下の状態でも安定に存在することができる。一方、カルボン酸とアミンのような弱酸と弱塩基の塩は中性以外の領域では不安定であり、特にpH5以下では不安定である。
【0031】
本発明の反応形式は、例えば下記の反応式で例示される。下記式中Wはシロキサンを意味する。
下記式はN,N−アルキルグリシンエステルを用いた反応例である。
【化25】

下記式はチロシンエステルを用いた反応例である。
【化26】

下記式はN−アシルアラニンエステルを用いた反応例である。
【化27】

【0032】
本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンは、例えば、化粧料、粉体表面処理、繊維処理、塗料、樹脂改質等の用途に使用することができる。
【0033】
本発明の化粧料は、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン化合物を含有し、前記製造方法により製造されたアミノ酸変性オルガノポリシロキサン化合物をそのまま含有してもよい。あるいは、化粧料用の粉体を本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで処理したものを配合するようにしてもよい。
【0034】
この場合、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで粉体を処理するに際しては、公知の方法で粉体表面に処理することができる。処理方法は公知の方法の中から適宜選択することができるが、例えば、以下の方法が挙げられる。
1.目的の粉体を、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンの配合された水あるいは有機溶剤から選択される媒体中に分散して表面処理する方法。
2.粉体とアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを混合した後、ボールミル、ジェットミルなどの粉砕器を用いて表面処理する方法。
【0035】
また、本発明において、本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで処理された粉体を油剤中に分散してもよく、あるいは油剤中に本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを溶解又は分散し、これに粉体を添加して混合分散処理するようにしてもよく、その形態は液状分散物である。この油中粉体分散物は、例えば下記の方法のような公知の方法によって適宜調製することが可能である。
1.前記の如くして得た処理粉体を、エステル油やシリコーン油等の油剤中に添加して分散する方法。
2.上記の油剤中に本発明のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを溶解又は分散し、これに粉体を添加してボールミル、ビーズミル、サンドミル等の分散機器で混合する方法。
得られた油中粉体分散物は、そのまま使用、配合することができる。
【0036】
本発明における一般式(1)のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで粉体を処理する場合には、粉体100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜10質量部使用する。
【0037】
本発明で用いられる化粧料用粉体は、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素のいずれであってもよい。
【0038】
無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。化粧料の用途に対しては、マイカ、セリサイト等の体質顔料や、酸化亜鉛、酸化チタン等が好ましい。
【0039】
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、12ナイロンや6ナイロン等のナイロンパウダーを始め、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン、スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン、ラウロイルリジン等のパウダーが挙げられる。
【0040】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
【0041】
有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。
【0042】
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等、金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0043】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等、天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0044】
これらの粉体は、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれも使用することができる。また、これらの粉体同士を複合化したり、油剤や、本発明の粉体処理剤以外のシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行ったものであってもよい。
【0045】
本発明の化粧料には、化粧料の種類及び剤型によって異なるものの、概ね、上記アミノ酸変性オルガノポリシロキサンを、化粧料全体の0.1〜50質量%となるように配合する。
【0046】
本発明の化粧料には、通常の化粧料に使用される固体、半固体又は液状の油剤、水、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、界面活性剤、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、樹脂、粉体、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。以下に例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0047】
本発明で使用することのできるアルコール類としては、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ショ糖、乳糖、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、カラギーナン、寒天、グアーガム、デキストリン、トラガントガム、ローカストビンガム、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キチンキトサン等が挙げられ、これらは必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。これらアルコール類の化粧料中への含有率は0.1〜90.0質量%であり、好ましくは0.5〜50.0質量%である。0.1質量%未満では保湿性、防菌、防バイ性に対し十分でなく、90.0質量%を超えると本発明の粉体組成物の効果を十分発揮できなくなる。
【0048】
本発明で使用することのできる油剤としては、下記のものが例示される。但し、POEはポリオキシエチレンを意味する。天然動植物油脂類、及び半合成油類としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。
【0049】
炭化水素油類としては、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、高級脂肪酸類としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0050】
高級アルコール類としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、べヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリンエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0051】
エステル油類としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
【0052】
グリセライド油類としては、アセトグリセリル、ジイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル等が挙げられる。
【0053】
シリコーン油類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素系油類としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0054】
これらの油剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。本発明の化粧料には、上記油剤を0〜90.0質量%含有させることができるが、特に1〜90質量%含有させることが好ましい。本発明の化粧料の構成成分として水を含有させる場合の水の使用量は0〜99.0質量%である。本発明の化粧料は前記構成成分だけで優れたものを得ることができるが、更に必要に応じて以下の成分i)、ii)、iii)、iv)を加えることができる。
【0055】
i)下記例示の粉体及び/又は着色剤
無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等が挙げられる。
【0056】
有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロースパウダー、シルクパウダー、12ナイロン、6ナイロン等のナイロンパウダー、その他スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン、スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン、ラウロイルリジン等のパウダー等が挙げられる。
【0057】
界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等が挙げられる。
【0058】
有色顔料として、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等が挙げられる。
【0059】
パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等、金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられる。
【0060】
タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、燈色207号等、天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0061】
これらは通常の化粧品に使用されるものであれぱ、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれも使用することができる。また、これらの粉体同士を複合化することができる他、油剤や前記一般式(1)では表されないシリコーン、又はフッ素化合物等で表面処理を行ってもよい。
【0062】
ii)下記例示の界面活性剤
ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の飽和、又は不飽和脂肪酸セッケン、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルケンスルホン酸塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪酸アミドのスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩及びそのホルマリン縮合物のスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル及びアリルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸エステル塩類、アルキルリン酸塩、アルケニルリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、N−アシルアミノ酸系活性剤等が挙げられる。
【0063】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香属四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0064】
非イオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・フルオロアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・オルガノポリシロキサンブロック共重合体、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等、両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0065】
iii)架橋型オルガノポリシロキサン
本発明の化粧料には、その目的に応じて1種又は2種以上の架橋型オルガノポリシロキサンを用いることもできる。この架橋型オルガノポリシロキサンは、0.65〜10.0mm2/秒(25℃)の低粘度シリコーンに対し、自重以上の低粘度シリコーンを含んで膨潤することが好ましい。また、この架橋型オルガノポリシロキサンは、分子中に二つ以上のビニル性反応部位を持つ架橋剤とケイ素原子に直接結合した水素原子との反応により形成した架橋構造を有することが好ましい。更に、この架橋型オルガノポリシロキサンは、ポリオキシアルキレン部分、アルキル部分、アルケニル部分、アリール部分、及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種の部分を含有することが好ましい。架橋型オルガノポリシロキサンを用いる場合の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜30質量%であることが好ましく、特に、1〜10質量%であることが好ましい。
【0066】
iv)アクリル/シリコーングラフト又はブロック共重合体、並びにシリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂
本発明の化粧料には、その目的に応じてアクリル/シリコーンのグラフト又はブロック共重合体、シリコーン網状化合物等から選択された少なくとも1種のシリコーン樹脂を用いることもできる。このシリコーン樹脂は、本発明においては特にアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。また、このシリコーン樹脂は、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分からなる群から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂であることが好ましい。更にこのシリコーン樹脂はシリコーン網状化合物であることが好ましい。このようなアクリル/シリコーンのグラフト又はブロック共重合体、シリコーン網状化合物等のシリコーン樹脂を用いる場合の配合量は、化粧料の総量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、特に1〜10質量%であることが好ましい。
【0067】
本発明の化粧料の具体的な用途は、メークアップ製品、紫外線防御製品等が好ましいものとして挙げられる。また、製品の形態についても特に限定はないが、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状等にすることが可能である。
【0068】
この場合、本発明の化粧料としては、毛髪化粧料が好ましい。毛髪化粧料中の、本発明のオルガノポリシロキサン化合物の含有量は、良好なコンディショニング効果とその持続性を得る観点から、0.1〜20質量%(以下、単に%で示す)が好ましく、1〜10%がより好ましく、1〜5%が更に好ましい。
【0069】
本発明の毛髪化粧料には、更に油剤、特に毛髪に対してコンディショニング作用を有する油剤を配合してもよい。油剤としては、例えば低級アルコール、炭素数12〜30の飽和又は不飽和アルコール;前記アルコールと多価アルコールとのエーテル;前記アルコールと炭素数1〜11の脂肪酸とのエステル;炭素数12〜30の飽和又は不飽和脂肪酸;前記脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステル;前記脂肪酸とアミンとのアミド;ステロール;スクアレン;リン脂質;糖脂質;動物性油脂;植物性油脂;環状、直鎖、又は分岐のジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ポリシロキサン、アルキル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種以上のシリコーン等が挙げられる。
【0070】
これら油剤の毛髪化粧料への配合量は、好ましくは0.01〜30%、より好ましくは1〜25%、更に好ましくは3〜20%である。
【0071】
更に、本発明の毛髪化粧料には本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、界面活性剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性重合物、香料、パール化剤、毛髪セット用ポリマー、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合してもよい。
【0072】
界面活性剤としては、通常の毛髪化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれをも好適に使用することができる。
【0073】
具体的には、アニオン性界面活性剤としては、例えば以下に示すものが挙げられる。アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくは平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルベンゼンスルホン酸塩。アルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、1分子内に平均0.5〜8モルのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1のモル比で、あるいはエチレンオキサイドとブチレンオキサイドが0.1/9.9〜9.9/0.1のモル比で付加したアルキルエーテル硫酸塩又はアルケニルエーテル硫酸塩。アルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩、好ましくは平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩。オレフィンスルホン酸塩、好ましくは平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するオレフィンスルホン酸塩。アルカンスルホン酸塩、好ましくは平均10〜20の炭素原子を1分子中に有するアルカンスルホン酸塩。高級脂肪酸塩、好ましくは平均10〜24の炭素原子を1分子中に有する飽和又は不飽和脂肪酸塩。(アミド)エーテルカルボン酸型界面活性剤。α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、好ましくは平均10〜20の炭素原子からなるアルキル基又はアルケニル基を有するα−スルホ脂肪酸塩又はエステル。N−アシルアミノ酸型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜24のアシル基及び遊離カルボン酸残基を有するN−アシルアミノ酸型界面活性剤(例えばN−アシルザルコシネート、N−アシル−β−アラニン等)。リン酸エステル型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜24のアルキル基もしくはアルケニル基又はそれらのアルキレンオキサイド付加物を有するリン酸モノ又はジエステル型界面活性剤。スルホコハク酸エステル型界面活性剤、好ましくは炭素数8〜22の高級アルコールもしくはそのエトキシレート等のスルホコハク酸エステル又は高級脂肪酸アミド由来のスルホコハク酸エステル。ポリオキシアルキレン脂肪酸アミドエーテル硫酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸モノエタノールアミド又はジエタノールアミドのエトキシレート等の硫酸塩。モノグリセライド硫酸エステル塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するモノグリセライド硫酸エステル塩。アシル化イセチオン酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシル化イセチオン酸塩。アルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もくしはアルケニル基もしくはそれらのアルキレンオキサイド付加物を有するアルキルグリセリルエーテル硫酸塩又はアルキルグリセリルエーテルスルホン酸塩。アルキル又はアルケニルアミドスルホネート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミドスルホネート。アルカノールアミドスルホコハク酸塩、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルカノールアミドスルホコハク酸塩。アルキルスルホアセテート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキルスルホアセテート。アシル化タウレート、好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の脂肪酸基を有するアシルタウレート。N−アシル−N−カルボキシエチルグリシン塩、好ましくは炭素数6〜24のアシル基を有するN−アシル−N−カルボキシエチルグリシン塩。
これらのアニオン性界面活性剤の塩、即ちアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。
これらのアニオン性界面活性剤のうち、アルキルエーテル硫酸塩、特にポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。
【0074】
非イオン性界面活性剤としては、例えば平均炭素数10〜24の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル;炭素数8〜20の脂肪酸のグリセリンエステル;炭素数8〜20の脂肪酸のグリコールエステル;炭素数8〜20の脂肪酸のモノグリセライドのアルキレンオキサイド付加物;炭素数8〜20の脂肪酸のショ糖エステル;炭素数8〜20の脂肪酸のソルビタンエステル;炭素数8〜20のアシル基を有するポリグリセリン脂肪酸エステル;炭素数8〜20の脂肪酸のモノエタノールアミド又はジエタノールアミド又はそれらのエトキシレート;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;炭素数8〜20のアシル基を有するポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を有するアルキルサッカライド系界面活性剤;炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基を有するアルキルアミンオキサイド又はアルキルアミドアミンオキサイド;炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する多価アルコールのエーテル化合物又はエステル化合物;ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・フルオロアルキル共変性オルガノポリシロキサン、架橋型ポリオキシアルキレン・オルガノポリシロキサン、糖変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンラノリンアルコール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリエチレンイミン誘導体等が挙げられる。
【0075】
また、両性界面活性剤としては、通常の毛髪化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば、アミドアミノ酸型、カルボベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、イミダゾリニウムベタイン型、アミノ酸型、ホスホベタイン型、リン酸エステル型等が挙げられる。
【0076】
カチオン性界面活性剤としては、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、アミドアミン、エステルアミン等が挙げられる。例えばベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、N−ステアリル−N,N,N−トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(エチレンオキサイド合計3モル付加)、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリエチルアンモニウムブロマイド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等のほか、2−デシルテトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ドデシルヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−ヘキシルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−2−オクチルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ベヘニル第3級アミン、ステアリル第3級アミン、ステアラミドプロピルジメチルアミン等を挙げることができる。
【0077】
界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができ、毛髪化粧料中に0.1〜50%配合するのが好ましく、更に0.5〜40%、特に1〜30%配合すると、起泡性に優れるので好ましい。
【0078】
本発明の毛髪化粧料の剤型が、ヘアセット剤、ヘアフォーム剤、ヘアスプレー剤等である場合は、以下に例示するものを毛髪セット用ポリマーとして含有することが好ましい。
【0079】
ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル架橋共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体。
メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体。
酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/tert−ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸共重合体。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体。
(メタ)アクリルエチルベタイン/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムα−N−メチルカルボキシベタインと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体。
塩基性アクリル系高分子化合物。
セルロース骨格を有する化合物、カチオン性セルロース誘導体。
ヒドロキシプロピルキトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン、キトサンとピロリドンカルボン酸、乳酸、グリコール酸等の一価酸、又はアジピン酸、コハク酸等の二価酸との塩。
水分散性ポリエステル。
【0080】
これらの毛髪セット用ポリマーは、1種又は2種以上を用いることができる。毛髪化粧料中の毛髪セット用ポリマーの配合量は、必要かつ十分なセット力を得る観点から、0.1〜10%が好ましく、0.5〜6%が更に好ましく、1〜4%が特に好ましい。
【0081】
毛髪化粧料としては、例えば浴室内で用いるようなヘアシャンプー、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナーや、浴室外で用いるヘアフォーム、ヘアスプレー、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアジェル、更には、ヘアダイ、パーマ、ヘアマニキュア、ヘアブリーチ等、家庭や美容室での施術に用いられる剤等が挙げられ、本発明のオルガノポリシロキサン化合物はこれらのいずれにも配合できる。
【実施例】
【0082】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、下記例において%は質量%を示す。また、粘度はオストワルド粘度計による25℃の粘度である。
【0083】
[実施例1]
反応器にトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアミン80質量部、チタンテトライソプロポキシド5質量部、N,N−ジメチルグリシンエチル30質量部を入れ、80℃にて4時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、100℃でストリップすることにより、105質量部の淡黄色液体を96%収率で得た。1H−NMRの測定結果を図1に示した。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果を図2に示した。1,680cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアミンとN,N−ジメチルグリシンエチルが連結したことを確認した。
【0084】
[実施例2]
反応器にアミン当量が4,800g/molで粘度(25℃)が110mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体450質量部、チタンテトラブトキシド4質量部、N−アセチルグリシンエチル14質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、430質量部の淡黄色微濁液体を93%収率で得た。1H−NMRの測定結果を図3に示した。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果を図4に示した。1,650cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンとN−アセチルグリシンエチルが連結したことを確認した。
【0085】
[実施例3]
反応器にアミン当量が6,800g/molで粘度(25℃)が1,800mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体300質量部、アルミニウムトリイソプロポキシド8質量部、N−ベンゾイルグリシンエチル9質量部を入れ、100℃にて10時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、290質量部の淡黄色微濁の高粘度液体を95%収率で得た。1H−NMRの測定結果から。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,650cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンとN−ベンゾイルグリシンエチルが連結したことを確認した。
【0086】
[実施例4]
反応器にアミン当量が1,480g/molで粘度(25℃)が60mm2/秒の両末端アミノプロピルシロキシ基封鎖ポリシロキサン500質量部、トルエン50質量部、チタンテトラブトキシド11質量部、チロシンエチル65質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、536質量部の淡黄色微濁の高粘度液体を95%収率で得た。1H−NMRの測定結果から。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,650cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンとチロシンエチルが連結したことを確認した。
【0087】
[実施例5]
反応器にアミン当量が3,610g/molで粘度(25℃)が1,800mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体600質量部、チタンテトラエトキシド22質量部、1−エチル−プロリンエチル28質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、596質量部の淡黄色微濁の高粘度液体を95%収率で得た。1H−NMRの測定結果から。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,660cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンと1−エチル−プロリンエチルが連結したことを確認した。
【0088】
[実施例6]
反応器にアミン当量が4,950g/molで粘度(25℃)が230mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体100質量部、チタンテトラエトキシド4質量部、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル6.6質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、99質量部の淡黄色微濁液体を93%収率で得た。1H−NMRの測定結果を図5に示した。アミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,652cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンとN−ラウロイルサルコシンイソプロピルが連結したことを確認した。
【0089】
[比較例1]
反応器にトリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアミン80質量部、N,N−ジメチルグリシンエチル30質量部を入れ、80℃にて4時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、100℃でストリップ淡黄色透明の液体を得た。この液体の1H−NMRを測定したところ、アミド結合生成に由来する3.1ppm付近のピークが観測できなかった。また、IRスペクトル測定したが、やはり、アミド結合由来の吸収が見られなかった。トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアミンとN,N−ジメチルグリシンエチルが全く反応しないことを確認した。
【0090】
[比較例2]
反応器にアミン当量が4,800g/molで粘度(25℃)が110mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体450質量部、N−アセチルグリシン11質量部を入れ、減圧下、140℃にて8時間撹拌した。この結果、424質量部の褐色微濁の高粘度液体を92%収率で得た。
得られた反応混合物の1H−NMRの測定結果から、塩(2.7ppm):アミド(3.1ppm)の生成比は3:7であった。
【0091】
[実施例7〜11、比較例3〜7]
常法により、表1に示す組成の本発明のヘアコンディショナーを調製した。
得られたヘアコンディショナーについて、下記方法で官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0092】
<官能評価方法>
市販のブリーチ剤でブリーチ処理を行った日本人女性の毛髪束(20g、20cm)を、パネラー5名が次の方法で処理しながら官能評価を行った。
下記の組成の標準シャンプー3gを用いて洗浄した毛髪束に、表1に示すヘアコンディショナーを2g塗付し、毛髪全体に十分に馴染ませた後、およそ30秒間約40℃の流水下で湿潤時の評価を行った。次いで、タオルドライを行い、ドライヤーで乾燥させた後に乾燥後の評価を行った。湿潤時の髪の滑らかさ、櫛通り、柔らかさ、及び乾燥時の髪の滑らかさ、櫛通り、柔らかさ、艶の付与効果の有無について官能評価し、下記の基準で判定した。
標準シャンプーの処方(pH7.0)
25%ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 62.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3
エデト酸二ナトリウム 0.15
安息香酸ナトリウム 0.5
塩化ナトリウム 0.8
75%リン酸 適量
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
合計 100.0%
評価基準
◎:4〜5人が効果あると回答
○:3人が効果あると回答
△:2人が効果あると回答
×:効果あると回答したのは1人又は0人
【0093】
【表1】

【0094】
[実施例12]O/Wハンドクリーム
(成分)
1.KP545 10.0
2.KP561 8.0
3.セタノール 1.0
4.トリイソステアリン酸グリセリル 5.0
5.ステアリン酸 3.0
6.モノステアリン酸グリセリル 1.5
7.実施例6のアミノ酸変性シリコーン 1.0
8.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
9.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 1.0
10.水酸化ナトリウム(1%水溶液) 10.0
11.1,3−ブチレングリコール 5.0
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
14.精製水 残量
合計 100.0%
KP545:アクリルシリコーン樹脂/デカメチルシクロペンタシロキサン溶液(信越化
学工業(株)製)
KP561:ステアリル変性アクリルシリコーン樹脂(信越化学工業(株)製)
(製造方法)
A:成分1〜9を混合、加熱溶解する。
B:成分10〜12及び成分14を混合、加熱する。
C:AにBを加えて乳化し、冷却して成分13を添加し、O/Wハンドクリームを得た。
【0095】
以上のようにして得られたO/Wハンドクリームは、潤いがあって、べたつきがなく、しっとりとし、使用感に優れていた。また、塗布後だけではなく経時での保湿効果が高く、その効果は水にさらされても低下しなかった。
【0096】
[実施例13]
反応器にアミン当量が6,500g/molで粘度(25℃)が130mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体550質量部、チタンテトラブトキシド7質量部、チロシンエチル17質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、539質量部の淡黄色微濁の高粘度液体を95%収率で得た。1H−NMRの測定結果からアミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,650cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンとチロシンエチルが連結したことを確認した。
【0097】
[実施例14]
反応器にアミン当量が1,500g/molで粘度(25℃)が160mm2/秒の側鎖アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体600質量部、チタンテトラエトキシド10質量部、1−エチル−プロリンエチル64質量部を入れ、100℃にて8時間撹拌した。
得られた反応混合物を減圧下、120℃でストリップすることにより、630質量部の淡黄色微濁の高粘度液体を95%収率で得た。1H−NMRの測定結果からアミノ原料由来の2.6ppmのピークが消失し、アミド結合生成に由来するピークが3.1ppm付近に観測された。また、IRスペクトルの測定結果から、1,660cm-1(アミド結合由来)に吸収が見られたことで、上記アミノプロピル基含有ポリシロキサンと1−エチル−プロリンエチルが連結したことを確認した。
【0098】
[合成例1]
実施例2で得られたオルガノポリシロキサン8gをデカメチルシクロペンタシロキサン52gに溶解した後、酸化チタン(TTO−S−2:石原産業(株)製の商品名)40gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化チタンの分散物(A)を得た。
【0099】
[合成例2]
実施例2で得られたオルガノポリシロキサン6gをデカメチルシクロペンタシロキサン44gに溶解した後、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化亜鉛の分散物(B)を得た。
【0100】
[合成例3]
実施例13で得られたオルガノポリシロキサン6gをデカメチルシクロペンタシロキサン54gに溶解した後、酸化チタン(TTO−S−2:石原産業(株)製の商品名)40gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化チタンの分散物(C)を得た。
【0101】
[合成例4]
実施例13で得られたオルガノポリシロキサン8gをデカメチルシクロペンタシロキサン42gに溶解した後、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化亜鉛の分散物(D)を得た。
【0102】
[合成例5]
実施例14で得られたオルガノポリシロキサン6gをデカメチルシクロペンタシロキサン10g、イソドデカン44gの混合液に溶解した後、酸化チタン(TTO−S−2:石原産業(株)製の商品名)40gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化チタンの分散物(E)を得た。
【0103】
[比較合成例1]
ポリエーテル変性シリコーン(KF−6017:信越化学工業(株)製の商品名)6gをデカメチルシクロペンタシロキサン44gに溶解し、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化亜鉛の分散物(F)を得た。
【0104】
[比較合成例2]
ポリグリセリン変性シリコーン(KF6104:信越化学工業(株)製の商品名)6gをデカメチルシクロペンタシロキサン44gに溶解し、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化亜鉛の分散物(G)を得た。
【0105】
[比較合成例3]
ポリグリセリン変性シリコーン(KF6104:信越化学工業(株)製の商品名)6gをデカメチルシクロペンタシロキサン10g、イソドデカン44gの混合液に溶解した後、酸化チタン(TTO−S−2:石原産業(株)製の商品名)40gを加え、ビーズミルを用いて分散させ、表面処理された酸化チタンの分散物(H)を得た。
【0106】
[合成例6]
実施例2で得られたオルガノポリシロキサン6gを2−プロパノールに溶解した後、酸化チタン(TTO−S−1:石原産業(株)製の商品名)50gを加えて分散させ、溶媒を留去して表面処理酸化チタン(I)を得た。
【0107】
[合成例7]
実施例13で得られたオルガノポリシロキサン5gを2−プロパノールに溶解した後、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加えて分散させ、溶媒を留去して表面処理酸化亜鉛(J)を得た。
【0108】
[比較合成例4]
ポリエーテル変性シリコーン(KF−6017:信越化学工業(株)製の商品名)6gを2−プロパノールに溶解した後、酸化チタン(TTO−S−2:石原産業(株)製の商品名)50gを加えて分散させ、溶媒を留去して表面処理酸化チタン(K)を得た。
【0109】
[比較合成例5]
メチルハイドロジェンポリシロキサン(KF99:信越化学工業(株)製の商品名)6gを2−プロパノールに溶解した後、酸化亜鉛(ZnO350:住友大阪セメント(株)製の商品名)50gを加え、100℃で乾燥し、表面処理酸化亜鉛(L)を得た。
【0110】
[実施例15〜21、比較例8〜11]
また、下記表2の組成のサンスクリーン剤を調製し、その品質を評価した。なお、単位は「部」である。
【0111】
【表2】

【0112】
サンスクリーン剤の調製方法:
実施例15〜19及び比較例8〜10の場合
A:12〜15を均一に混合した。
B:17、18、20を均一に混合した。
C:AにBを添加して乳化した。
D:Cに16、21、及び、1〜5並びに8〜10のいずれかを加えてサンスクリーン剤を得た。
実施例20,21及び比較例11の場合
A:12〜15を均一に混合した後、19、21及び6、7並びに11のいずれかを添加した。
B:17、18、20を均一に混合した。
C:AにBを添加して乳化した。
D:Cに16を加えてサンスクリーン剤を得た。
【0113】
表2の組成の各サンスクリーン剤の品質評価は次のようにして行った。
1.粉体の分散安定性
サンスクリーン剤を室温にて1ヶ月静置した後、粉体の凝集性を観察し、下記の基準により判定した。
評価基準
◎:紛体の凝集性が観察されない
○:わずかに粉体の凝集が観察される
△:粉体の凝集傾向が観察される
×:明らかに粉体の凝集が観察される
2.使用感評価
得られたサンスクリーン剤について、50名の女性のパネラーに、さらさら感、伸び、化粧膜の透明性、肌のべたつき感、化粧持ちの良さ及び日焼け止め効果について、下記の基準によって5段階評価した。得られた平均点について、実施例毎に下記の基準に従って判定した。
評価基準
5点:良い
4点:やや良い
3点:普通
2点:やや悪い
1点:悪い
平均点の判定
◎:得られた平均点が4.5点以上
○:得られた平均点が3.5点以上4.5点未満
△:得られた平均点が2.5点以上3.5点未満
×:得られた平均点が1.5点以上2.5点未満
【0114】
表2の結果から明らかなように、本発明の実施例15〜21のサンスクリーン剤は粉体の凝集がなく分散性に優れていた。また使用感はいずれの項目に対しても良好であった。それに対し、他のシリコーンを添加した比較例8〜11の場合には粉体の凝集がみられ、化粧膜の透明性が劣る上、使用感においても十分な感触を得ることができなかった。
【0115】
[実施例22]ファンデーション
(成分)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 8.3
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒) 5.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 2.0
4.オタタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩変性モンモリロナイト 4.0
5.粉体分散物(注2) 61.3
6.ジプロピレングリコール 5.0
7.パラオキシ安息香酸メチルエステル 0.3
8.2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール 0.2
9.塩酸 0.1
10.香料 適量
11.精製水 残量
合計 100.0%
(注1)ポリエーテル変性シリコーン;KF−6017(信越化学工業(株)製の商品名

(注2)下記成分をビーズミルにて分散させた粉体分散物
酸化チタン 15.0
タルク 9.0
マイカ 9.0
ベンガラ 2.4
黄酸化鉄 1.0
黒酸化鉄 0.3
実施例13で得られたシリコーン化合物 10.0
デカメチルペンタシロキサン 53.3
合計 100.0%
(製造方法)
A:成分1〜4を加熱混合し、成分5を添加して均一にした。
B:成分6〜9及び成分11を加熱溶解した(水系のpHは9.0)。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分10を添加し、ファンデーションを得た。
【0116】
以上のようにして得られたファンデーションは、キメが細かく、伸び広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも良く、温度や経時的に変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0117】
[実施例23]アイシャドウ
(成分)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒) 10.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 2.0
4.PEG(10)ラウリルエーテル(注2) 0.5
5.実施例13で得られたシリコーン化合物処理による酸化クロム 6.2
6.実施例13で得られたシリコーン化合物処理による群青 4.0
7.実施例13で得られたシリコーン化合物処理によるチタン被覆マイカ 6.0
8.塩化ナトリウム 2.0
9.プロピレングリコール 8.0
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 残量
合計 100.0%
(注1)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン;KF6026
(信越化学工業(株)製の商品名)
(注2)PEG(10)はポリエチレングリコール単位が10個連なっていることを意味
する。
(製造方法)
A:成分1〜4を混合し、成分5〜7を添加して均一に分散した。
B:成分8〜10及び成分12を均一溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、成分11を添加してアイシャドウを得た。
【0118】
以上のようにして得られたアイシャドウは、伸び広がりが軽くて油っぽさや粉っぽさがなく、みずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、耐水性や撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくく、温度や経時によって変化することがなく安定性にも優れていることが確認された。
【0119】
[実施例24]液状乳化ファンデーション
(成分)
1.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒) 5.0
2.スクワラン 4.0
3.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 3.0
4.ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセライト 2.0
5.α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 1.0
6.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 1.0
7.ジステアリン酸アルミニウム塩 0.2
8.粉体分散物(注2) 26.2
9.硫酸マグネシウム 0.7
10.グリセリン 3.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 残量
合計 100.0%
(注1)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン;KF6026
(信越化学工業(株)製の商品名)
(注2)下記成分をビーズミルにて分散させた粉体分散物
酸化チタン 20.0
セリサイト 8.0
タルク 12.0
ベンガラ 1.6
黒酸化鉄 0.4
実施例14で得られたシリコーン化合物 10.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 48.0
合計 100.0%
(製造方法)
A:成分1〜7、10を加熱混合し、成分8を添加して均一にした。
B:成分9〜11及び成分13を加熱溶解した。
C:撹拌下、AにBを徐添して乳化し、冷却して成分12を添加し液状乳化ファンデーションを得た。
【0120】
以上のようにして得られた液状乳化ファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、伸び広がりが軽くてべたつきや油っぽさがなく、しっとりとしてみずみずしく、さっぱりとした使用感を与えると共に、化粧持ちも良く、温度や経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0121】
[実施例25]アイライナー
(成分)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 22.0
2.ジメチルポリシロキサン(6mm2/秒) 5.0
3.実施例14で得られたシリコーン化合物による処理黒酸化鉄 20.0
4.ビタミンEアセテート 0.2
5.ホホバ油 2.0
6.ベントナイト 3.0
7.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 2.0
8.エタノール 10.0
9.1,3−ブチレングリコール 10.0
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 残量
合計 100.0%
(注1)ポリエーテル変性シリコーン:KF−6017(信越化学工業(株)製の商品名)
(製造方法)
A:成分1〜2、4〜7を混合し、成分3を加えて均一に混合分散した。
B:成分8〜10及び成分12を混合した。
C:BをAに徐添して乳化した後冷却し、成分11を加えてアイライナーを得た。
【0122】
以上のようにして得られたアイライナーは、伸びが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとしてべたつきがない使用感で、温度や経時による変化もなく、使用性も安定性にも非常に優れており、耐水性、耐汗性は共に優れ、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0123】
[実施例26]サンカットクリーム
(成分)
1.デカメチルシクロペンタシロキサン 17.5
2.KP545(注1) 12.0
3.トリイソオクタン酸グリセリル 5.0
4.パラメトキシケイ皮酸オクチル 6.0
5.KSG21(注2) 5.0
6.ポリエーテル変性シリコーン(注3) 1.0
7.合成例4で得られた酸化亜鉛組成物(D) 20.0
8.塩化ナトリウム 0.5
9.1,3−ブチレングリコール 2.0
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 残量
合計 100.0%
(注1)KP545:アクリルシリコーン(信越化学工業(株)製の商品名)
(注2)KSG21:シリコーンゲル(信越化学工業(株)製の商品名)
(注3)ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン:KF6026
(信越化学工業(株)製の商品名)
(製造方法)
A:成分1の一部に成分2を加えて均一にし、成分7を添加してビーズミルにて分散した。
B:成分1の残部と及び成分3〜6を混合し、均一に混合した。
C:成分8〜10及び成分12を混合、溶解した。
D:BにCを加えて乳化し、A及び成分11を添加してサンカットクリームを得た。
【0124】
以上のようにして得られたサンカットクリームは、べたつきがなく、伸び広がりも軽く、しかも、密着感に優れ、おさまりも良く、艶のある仕上がりで化粧持ちも非常に優れており、温度や経時に対しても非常に安定であることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに、下記一般式(1)で表される有機基が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
【化1】


[式(1)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。Zは下記一般式(2)
【化2】


(式(2)中、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表される有機基である。]
【請求項2】
下記一般式(3)で表される化合物である請求項1に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
【化3】


[式(3)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R10は請求項1に記載の式(1)で表される有機基であり、R11はR又はR10から選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)
【化4】


(式(4)において、R及びR10は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるセグメントであり、式(3)及び式(4)において、a、b及びcは互いに独立に0〜3の整数であり、eは0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、gは0又は1であり、hは0又は1であり、iは0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R11がR10である場合、1≦a+b+c+e+g+iであり、R11がRである場合、1≦a+b+c+e+iである。]
【請求項3】
アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン、又はバリンである請求項1又は2に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサン。
【請求項4】
主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(5)
【化5】


(式(5)中、X及びYはそれぞれ独立に、炭素数1〜10の2価の炭化水素基であり、mは0〜4の整数であり、Raは水素原子又は炭素数1〜4の1価の炭化水素基である。)
で表されるアミノ基が結合してなるアミノ変性オルガノポリシロキサンと、下記一般式(6)
【化6】


(式(6)中、R’は炭素数1〜7の1価の炭化水素基、Rbはアミノ酸の側鎖、Rcは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、Rdは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜22のアシル基である。)
で表されるアミノ酸のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体のカルボキシル基がエステル化されたアミノ酸誘導体エステル化物とを有機金属触媒存在下に反応させることを特徴とする主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントのケイ素原子の少なくとも一つに下記一般式(1)
【化7】


[式(1)中、X、Y、Ra、mは上記の通り。Zは下記一般式(2)
【化8】


(式(2)中、Rb、Rc、Rdは上記の通り。)
で表される有機基である。]
で表される有機基が結合してなるアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
【請求項5】
アミノ変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(7)
【化9】


[式(7)中、Rは互いに独立に、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜3のアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフロロアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基であり、R12は請求項4に記載の式(5)で表される有機基であり、R13はR又はR12から選択される有機基であり、A1は下記一般式(8)
【化10】


(式(8)において、R及びR12は上記の通りであり、Qは酸素原子、又は炭素数1〜3の2価の炭化水素基である。)
で表されるセグメントであり、式(7)及び式(8)において、a1、b1及びc1は互いに独立に0〜3の整数であり、e1は0〜100の整数であり、fは0〜5,000の整数であり、g1は0又は1であり、h1は0又は1であり、i1は0〜100の整数であり、jは0〜5,000の整数であり、但し、R13がR12である場合、1≦a1+b1+c1+e1+g1+i1であり、R13がRである場合、1≦a1+b1+c1+e1+i1である。]
で表され、アミノ酸変性オルガノポリシロキサンが、下記一般式(3)
【化11】


[式(3)中、Rは上記の通り。R10は請求項1に記載の式(1)で表される有機基であり、R11はR又はR10から選択される有機基であり、Aは下記一般式(4)
【化12】


(式(4)中、R、R10、Qは上記の通り。)
で表されるセグメントであり、a、b、c、e、f、g、h、i、jは上記の通りである。]
で表されるものである請求項4に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
【請求項6】
アミノ酸エステル又はアミノ酸誘導体エステル化物のエステル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、へプチル基、ヘキシル基、又はベンジル基である請求項4又は5に記載の製造方法。
【請求項7】
アミノ酸エステルのアミノ酸残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、サルコシン、γ−アミノ酪酸、オルニチン、クレアチン、オパイン、シスチン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、チロキシン、デスモシン、O−ホスホセリン、又はバリン残基である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項8】
アミノ酸誘導体エステル化物のアミノ酸誘導体残基が、N−アシルアミノ酸、N−アルキルアミノ酸、又はN,N−ジアルキルアミノ酸残基である請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
N−アシル基が、アセチル基、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル基、ベンゾイル基、ラウロイル基又はステアロイル基である請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
有機溶剤存在下で反応を行う請求項4〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
反応温度が25℃以上120℃以下である請求項4〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項12】
有機金属触媒が、第4族又は第13族元素から選択される金属原子を含有する請求項4〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項13】
有機金属触媒が、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシジルコニウム、又はトリスアルコキシアルミニウムである請求項12に記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンを含有する化粧料。
【請求項15】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアミノ酸変性オルガノポリシロキサンで処理された粉体を含有する化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−102320(P2012−102320A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220168(P2011−220168)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】