説明

アミューズメント用シート装置

【課題】着座者が単数である場合に快適な座り心地を供するのみならず、複数の着座者に対しては形態を切り換えることによってこれらの者が着座可能なスペースをも供するようにする。
【解決手段】着座者が単数である場合に適した単座形態と、複数の着座者が着座可能な複座形態とを切り換える切り換え入力装置2と、単座形態時に当該着座者の背を支持する可撓性背もたれ部材3と、切り換え入力装置2の動きに連動する可動部材であって、複座形態時に各着座者の背の中央を中心に支持する位置に移動し、単座形態への切り換え時には可撓性背もたれ部材よりも後方へ退避する複座用背もたれ部材4と、を備え、着座者が単数である場合に当該着座者に一人用として快適な着座姿勢を供する単座形態と、複数人が同時に着座可能な複座形態とを切り換え入力装置2により任意に選択可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミューズメント用シート装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、各種アミューズメント施設にて用いられるシート装置の構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
映画館やゲームセンター(アミューズメントアーケード)等の各種アミューズメント施設において、リクライニング機構を備える等、着座者の体格や好みの姿勢に応じて姿勢や体勢を適宜変更できるようにしたものが利用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、例えば複数のゲーム筐体を施設内に配置して各プレイヤーが同一種類のゲームをプレイできるようにした大型のメダルゲーム装置のようなアミューズメント装置として、ゲーム表示部を本体の前部側方に座席と対向させて配置させ、且つ座席の前方で且つ表示部の下方に空間を開けて支持する構成とし、プレイヤーがリラックスした状態でプレイできるようにしたものも利用されている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−082961号公報
【特許文献2】特開2006−223589号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のアミューズメント用シート装置は、着座者が一人の場合の座り心地や快適性などを向上させてはいるものの、着座者が複数の場合に着座スペースを供するものではなく、専ら一人専用のものでしかなかった。
【0006】
そこで、本発明は、着座者が単数である場合に快適な座り心地を供するのみならず、複数の着座者に対しては形態を切り換えることによってこれらの者が着座可能なスペースをも供することができるアミューズメント用シート装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。上述のように複数のゲーム筐体を施設内に配置して各プレイヤーが同一種類のゲームをプレイできるようにした大型のメダルゲーム装置(一例として、コンピュータ制御により走行が制御されて正面の大画面に表示される競走馬の着順を各プレイヤーが予想し、予想される入賞馬に投票することによって勝敗を競う競馬ゲーム装置)は、比較的長時間にわたりゲームが続けられる傾向があることから、そのシート装置は、快適な座り心地等に重点が置かれた一人用椅子とされることがある。したがって、同一のゲームを一緒にプレイしたり見たりして楽しみたい他者(友人や恋人など)は、椅子の後ろで立ち見したり、別の簡易椅子を持って来て傍に座って見たりといったことしかできなかった。アミューズメント施設に来場する者は、一人のこともあるが、当然ながら二人以上であることもあるため、現状のアミューズメント施設の実体と来場者の施設内での種々の態様等に着目して検討を重ねた本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0008】
本発明はかかる知見に基づくものであり、アミューズメント施設におけるゲーム装置等の各種装置用のアミューズメント用シート装置であって、アミューズメント施設におけるゲーム装置等の各種装置用のアミューズメント用シート装置であって、着座者が単数である場合に適した単座形態と、複数の着座者が着座可能な複座形態とを切り換える切り換え入力装置と、単座形態時に当該着座者の背を支持する可撓性背もたれ部材と、切り換え入力装置の動きに連動する可動部材であって、複座形態時に各着座者の背の中央を中心に支持する位置に移動し、単座形態への切り換え時には可撓性背もたれ部材よりも後方へ退避する複座用背もたれ部材と、を備え、着座者が単数である場合に当該着座者に一人用として快適な着座姿勢を供する単座形態と、複数人が同時に着座可能な複座形態とを切り換え入力装置により任意に選択可能としたものである。
【0009】
このアミューズメント用シート装置は、単座形態では複座用背もたれ部材が後方へ退避し、可撓性背もたれ部材のみで着座者の背を支持する状態となることから、長時間の着座にも快適なクッション性に富む背もたれを構成する。これによれば、着座者が単数である場合に、座り心地のよい快適な着座スペースを供することができる。
【0010】
また、切り換え入力装置によって当該シート装置を複座形態に切り換えると、退避していた複座用背もたれ部材が、切り換え入力装置の動きに連動して各着座者の背の中央を中心に支持する位置に移動する。これによれば、着座者が複数である場合には形態を切り換えることにより、それぞれの着座者が無理なく着座可能な着座スペースを供することができる。
【0011】
上述のアミューズメント用シート装置において、複座用背もたれ部材は背もたれ回動軸を中心として回動自在であり、該複座用背もたれ部材には、単座形態への切り換え時、可撓性背もたれ部材の少なくとも一部において着座者の背に対する角度を変化させる角度付与部が形成されていることが好ましい。かかる複座用背もたれ部材によれば、単座形態への切り換え時に角度付与部によって可撓性背もたれ部材の背に対する角度を変化させ、例えばランバーサポートが形成されているなど、着座者にとってさらに座り心地のいい着座スペースを供することができる。このようなアミューズメント用シート装置において、可撓性背もたれ部材が複数の可撓性帯状部材からなることも好ましい。
【0012】
また、本発明にかかるアミューズメント用シート装置は、切り換え入力装置による切り換え動作に連動する連動ヘッドレスト部を備えている。このような連動ヘッドレスト部によれば、単座形態と複座形態とでヘッドレストの形態をも切り換えることができる。
【0013】
連動ヘッドレスト部は左右一対であってそれぞれスピーカーを内蔵していることが好ましい。また、この連動ヘッドレスト部は、単座形態への切り換え時に前進するとともに、複座形態への切り換え時には後退して当該ヘッドレスト全体として直線状に並ぶことが好ましい。このような連動ヘッドレスト部によれば、単座形態では内蔵スピーカーを着座者の頭部両側に配置してより臨場感のあるサウンドを実現することができ、また、着座者に対して包まれ感とホールド感のあるバケット状のシートを形成することができる。一方、連動ヘッドレスト部は、着座状態では後退して複数の着座者の頭部を均等的に支えることが可能な大型ヘッドレストを構成する。
【0014】
また、本発明にかかるアミューズメント用シート装置は、上述の切り換え入力装置による切り換え動作に連動する連動座部を備える。このアミューズメント用シート装置によれば、単座形態と複座形態とで座の形態をも切り換えることができる。
【0015】
連動座部は、左右一対であって、単座形態で上方に傾動するとともに、複座形態では下方に傾動して当該座の全体として平坦な座面を形成するものであることが好ましい。このような連動座部を備えるアミューズメント用シート装置によれば、複座形態時には平坦なベンチ状の座面を形成することができる。
【0016】
また、連動座部は、前方が広くなるV状の傾動軸を中心に上下に傾動可能に設けられていることが好ましい。このような連動座部を備えた座は、単座形態の時、後部よりも前部ほど幅広となる平坦部と、斜め上方に傾斜した両側の連動座部とからなるバケット状の座を形成する。
【0017】
さらに、本発明にかかるアミューズメント用シート装置は、複座形態の切り換え時に後方へ退避するアームレストを備えている。アミューズメント用シート装置において、このアームレストが切り換え入力装置として機能することも好ましい。
【0018】
また、アームレストは、複座形態への切り換え時に後方へ退避した際、複座用背もたれ部材に隣接して背もたれの一部を形成することが好ましい。
【0019】
さらに、アームレストは左右一対であって互いに独立して動作可能であることが好ましい。
【0020】
また、本発明にかかるアミューズメント用シート装置は、リクライニング機構を備える。この場合、アミューズメント用シート装置は、リクライニング機構のロック機構をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、着座者が単数である場合に快適な座り心地を供するのみならず、複数の着座者に対しては形態を切り換えることによってこれらの者が着座可能なスペースをも供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明にかかるアミューズメント用シート装置の一実施形態を示す複座形態での正面図である。
【図2】複座形態のアミューズメント用シート装置の平面図である。
【図3】複座形態のアミューズメント用シート装置の左側面図である。
【図4】図1のIV-IV線におけるアミューズメント用シート装置の断面図である。
【図5】複座形態のアミューズメント用シート装置の背面図である。
【図6】単座形態のアミューズメント用シート装置の正面図である。
【図7】単座形態のアミューズメント用シート装置の平面図である。
【図8】単座形態のアミューズメント用シート装置の左側面図である。
【図9】図6のIX-IX線におけるアミューズメント用シート装置の断面図である。
【図10】単座形態のアミューズメント用シート装置の背面図である。
【図11】フレーム部材の構成例を示す後方からの斜視図である。
【図12】背もたれのフレーム構成例を示す後方からの斜視図である。
【図13】カバー部材を取り外した状態でアミューズメント用シート装置の複座形態を示す斜視図である。
【図14】カバー部材を取り外した状態でアミューズメント用シート装置の単座形態を示す斜視図である。
【図15】複座用背もたれ部材の構成を中心に示す図14の部分拡大図である。
【図16】左側アームレストの構造例を示す斜視図である。
【図17】図3中のXVII線に沿って見たアミューズメント用シート装置を示す図(ただし背もたれを下側に図示)である。
【図18】図8中のXVIII-XVIII線におけるアミューズメント用シート装置の断面図(ただし背もたれを下側に図示)である。
【図19】図3中のXIX-XIX線におけるアミューズメント用シート装置の断面図(ただし背もたれを下側に図示)である。
【図20】図3の複座形態からリクライニング動作した後の状態を示すアミューズメント用シート装置の左側面図である。
【図21】リクライニング動作した後の状態のアミューズメント用シート装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1〜図21に本発明にかかるアミューズメント用シート装置1の実施形態を示す。本明細書でいうアミューズメント用シート装置とは、いわゆるアーケードゲームのような業務用ゲーム機器用のシート、映画館やプラネタリウム、家庭用OA機器といった各種投影装置用のシート等に適用可能なもので、業務用と家庭用とを問わない。したがって、以下に示す実施形態では、大型の競馬ゲーム装置(複数のゲーム筐体を施設内に配置し、各プレイヤーが同一種類のゲームをプレイできるようにした大型装置であって、正面の大画面に表示される競走馬の着順を各プレイヤーが予想し、メダル投票するゲーム装置)の各筐体に適用して好適なアミューズメント用シート装置1を例示するがこれは好適例にすぎず、本発明はその他各種のアミューズメント用シート装置として適用可能である。
【0025】
本実施形態のアミューズメント用シート装置1は、アームレスト2、可撓性背もたれ部材3、複座用背もたれ部材4、ヘッドレスト5、座6、背もたれ8、さらにリクライニング機構7を備える装置であり、これら各部材ないし機構が、施設の床上に設置されるフレーム部材9に設けられる。このアミューズメント用シート装置1は、着座者が単数である場合に適した単座形態(図18参照)と、複数の着座者が着座可能な複座形態(図19参照)とに切り換えが可能となっている。
【0026】
<フレーム>
フレーム部材9はアミューズメント用シート装置1の骨格を構成している(図11等参照)。本実施形態のフレーム部材9は、リアフレーム91、フロントフレーム92等からなる(図11参照)。
【0027】
左右一対のリアフレーム91の上端部には、左右の各アームレスト2を回動可能に支持するアームレスト軸受911が形成されている(図11参照)。また、左右それぞれのアームレスト軸受911の外側にはアームレストガイド912が設けられている(図12参照)。
【0028】
アームレストガイド912は、アームレスト2の回動動作をガイドするとともに、回動動作中のアームレスト2の一部に当接して当該アームレスト2の回動範囲を規制する。このように回動範囲を規制するための具体的構成は特に限定されないが、本実施形態では、アームレスト2の一部(例えば突起24)が当接する段部913をアームレストガイド912に設け、アームレスト2の回動範囲を規制し、当該アームレスト2を下ろした状態(肘掛けの状態)や上げた状態(背もたれの一部となった状態)を保持する規制部として機能させている(図12参照)。なお、以上は好適な構成の一例にすぎない。この他、アームレスト2を上げる場合に、プッシュロッド22の台座部27をアームレストガイド912の内側の図示しない突起部(ピン)に当接させることによって当該アームレスト2の回動範囲を規制してもよい。また、アームレスト2を下ろす場合に、回動軸21の段部211をリアフレーム91の図示しない段部に当接させることによって当該アームレスト2の回動範囲を規制してもよい。
【0029】
<アームレスト>
アームレスト2は、当該アミューズメント用シート装置1に左右一対設けられており、単座形態時には前方へ下がるように回動して肘掛け(腕置き)となり(図6〜図10等参照)、複座形態時には後方へ回動して複座者用の背もたれの一部となる(図1〜図3等参照)。このアームレスト2は、例えば筒状の回動軸21を介して回動可能に支持されている。回動軸21には、プッシュロッド22、ローラー23、突起24等が設けられている(図16等参照)。
【0030】
プッシュロッド22は、アームレスト2の回動軸21において周方向の一部に位置するように設けられている突起である。このプッシュロッド22は、アームレスト2を下ろす動作に連動して複座用背もたれ部材4の被プッシュ部43を前方へ押し出し、これによって背もたれ回動軸41を中心に複座用背もたれ部材4を回動させ(図4等参照)、当該複座用背もたれ部材4を後方への退避位置(単座形態)まで移動させる(図10、図18等参照)。
【0031】
ローラー23は、アームレスト2の回動軸21の別の突起24に設けられた回転体である(図16参照)。このローラー23は、アームレスト2を下ろす動作に連動してリンクプレート25の入力端251を後方に押し込み、支点253を中心として該リンクプレート25を回動させる(図3、図8等参照)。
【0032】
リンクプレート25は、アームレスト2を下ろす動作に連動して座6の連動座部61を上方に傾動させるリンク部材である。このリンクプレート25は、背もたれ8を構成する背もたれサイドフレーム81に設けられた支軸811(図12参照)に対し、当該リンクプレート25の支点253を一致させて前後方向に回動可能に支持されている(図4等参照)。リンクプレート25の上端には、アームレスト2を下ろす動作の際にローラー23によって後方に押し込まれる入力端251が形成されている。また、リンクプレート25の他端には、当該リンクプレート25の回動動作時に連動座部61を底部から押し上げる出力端252が形成されている(図4等参照)。
【0033】
上述のように、本実施形態のアームレスト2は、アミューズメント用シート装置1の複座形態への切り換え時に後方へ退避した際、複座用背もたれ部材4に隣接して背もたれ8の一部を形成する(図1、図2等参照)。アームレスト2のうち、複座形態時に背もたれ8の一部を形成する面(単座形態時、肘置きの状態で下方を向く面)には、背もたれ8と同等のクッション性が備わっていたり、同様のデザインとなる表皮で包まれたりしていることが実用面で好ましい。
【0034】
<背もたれ>
背もたれ8は、アミューズメント用シート装置1の着座者の背を支持する。本実施形態の背もたれ8は、可撓性背もたれ部材3と複座用背もたれ部材4とを備えており、単座形態時に当該単数の着座者の背を主として可撓性背もたれ部材3によって支持し、複座形態時には複座用背もたれ部材4によって各着座者の背の中央を中心に支持するようにしている。また、本実施形態では、当該背もたれ8にクッション性のあるカバー部材82を設け、これら可撓性背もたれ部材3や複座用背もたれ部材4を覆った状態として、背もたれ8のクッション性とデザイン性を向上させるとともに背もたれ8の内部構造が外部から視認できないようにしている(図1等参照)。
【0035】
本実施形態の背もたれ8は、アームレスト2の回動軸と同軸(リアフレーム91のアームレスト軸受911と同軸)上に回動可能に取り付けられており、後述するリクライニング機構7のロック機構71を解除した状態でリクライニング動作が可能となる。また、本実施形態のアミューズメント用シート装置1においては背もたれ8と座6とが連結されており、背もたれ8のリクライニング動作に連動して座6が前後へスライドする(図20等参照)。
【0036】
可撓性背もたれ部材3は、適度な可撓性を有する素材からなる背もたれ部材であって、単座形態時に適度に後方に撓んだ状態で着座者の背を支持する。このような可撓性背もたれ部材3によれば、単座形態のアミューズメント用シート装置1に比較的長時間にわたり座り続けることのある着座者に対して一人用として快適なハンモック状の心地よい座り心地を供することができる。可撓性背もたれ部材3は、例えば網目状で柔軟性のある一枚状のメッシュ部材などであってもよいが、本実施形態では、複数の可撓性帯状部材31で可撓性背もたれ部材3を構成している。
【0037】
可撓性帯状部材31は、単座形態時に着座者の背を支持する例えばゴムベルトからなる部材である。本実施形態では、水平に延びる可撓性帯状部材31を背骨に沿って複数本配置し、着座者の背を万遍なく支持するようにしている(図1、図5等参照)。このような可撓性背もたれ部材3によれば、着座者の背に追従して変形しやすいばかりでなく、通気性が高いことからゲームプレイヤー等の着座者が長時間にわたって着座していても蒸れにくい。また、本実施形態ではこれら可撓性帯状部材31を、複座用背もたれ部材4を通過するように配置しており、後述するように、当該複座用背もたれ部材4の動き(位置)に応じてこれら可撓性帯状部材31の張り具合(前後位置、角度)が変わるようにしている。
【0038】
複座用背もたれ部材4は、アームレスト2の回動動作(上げ下げ)に連動して、背もたれ回動軸41を中心(支点)に回動する可動部材である。本実施形態の複座用背もたれ部材4は、単座形態への切り換え時には可撓性帯状部材31の変形を妨げない程度に後方へ退避し(図8、図18等参照)、複座形態への切り換え時には前方へ移動して各着座者の背の中央を中心に支持する箇所に位置する(図3、図19等参照)。
【0039】
背もたれ回動軸41は複座用背もたれ部材4の回動動作の中心(支点)となる軸である。本実施形態では、左右の背もたれサイドフレーム81のそれぞれに例えば筒状の背もたれ回動軸41を設けている(図12等参照)。また、本実施形態ではこれら背もたれ回動軸41を、複座形態時に各着座者の背の中央付近に位置するように配置している。こうした場合、着座者(例えば左右それぞれの着座者)による荷重が作用する面の略中心を剛性の高い背もたれサイドフレーム81や該背もたれ回動軸41で受け、さらにその両側部分の荷重が作用する面を複座用背もたれ部材4等で受けることができ、着座者の背を実際に支持する着座形態時の複座用背もたれ部材4が着座者の荷重を受けても容易に動くことがない(図19参照)。これによれば、当該着座者に安定した着座姿勢を供することが可能となる。
【0040】
このような複座用背もたれ部材4の形状や素材等は特に限定されるものではないが、複座形態時における着座者に快適な座り心地を供しうる適度な剛性と形態を有するものであることが好ましい。例えば本実施形態では、着座者の背にフィットするよう緩やかに湾曲した樹脂製の複座用背もたれ部材4とし、尚かつ荷重を受けた際に僅かながらも撓むように変形して着座者の背によりフィットするような剛性を備えさせている。変形のしやすさや通気性を考慮して複座用背もたれ部材4にスリットを設けることも好ましい(図5等参照)。
【0041】
また、複座用背もたれ部材4は、その一部が上述したアームレスト2のプッシュロッド22に当接するよう、背もたれ回動軸41よりも外側に(つまりアミューズメント用シート装置1の端部側に)被プッシュ部43を有する形状に形成されている。アームレスト2を下ろすと、プッシュロッド22によって前方へ押し出されたこの被プッシュ部(力点)43は、背もたれ回動軸(支点)41を中心として複座用背もたれ部材4の背もたれ部分(いわば作用点)を回動させ(図4、図9参照)、可撓性帯状部材31の変形を妨げない程度に後方へ退避した単座形態へ切り換える(図18等参照)。
【0042】
また、本実施形態の複座用背もたれ部材4には、単座形態への切り換え時、可撓性背もたれ部材3の少なくとも一部において着座者の背に対する角度を変化させる角度付与部42が形成されている。角度付与部42の具体例は特に限定されないが、例えば本実施形態では、複座用背もたれ部材4に、可撓性帯状部材31のガイドとなる複数本のスリット44を左右対称に設けるとともに、これらスリット44のうち所定のもののみ配置と角度を異ならせて角度付与部42として機能させている(図13、図14等参照)。具体例を挙げて説明すると、本実施形態では着座者の腰部付近に位置する可撓性帯状部材31について、そのガイドとなるスリット44をより外側(アミューズメント用シート装置1の両端寄り)に湾曲状に配置するとともに捻り用角度を設け、単座形態時、腰部付近の可撓性帯状部材31が腰部に沿うようにしている(図15等参照)。
【0043】
このような複座用背もたれ部材4は、単座形態への切り換え時に角度付与部42によって可撓性背もたれ部材3の背に対する角度を変化させる。これによれば、例えば着座者の腰部に付近に位置する可撓性帯状部材31に腰部に沿うような角度(捻り)を与えることができる。さらに、本実施形態ではこれら角度付与部42を他のスリット44よりも外側(アミューズメント用シート装置1の両端寄り)に配置したことから、複座形態(図13参照)から単座形態(図14参照)への切り換え時、複座用背もたれ部材4の傾動動作(後方への退避動作)に応じて腰部付近の可撓性帯状部材31が捻られつつ前方へ迫り出す。これによれば、単座形態時に可撓性背もたれ部材3の一部の前後位置と角度、さらには張力を適宜変化させて腰部を快適に支えるランバーサポートとして機能させることが可能となる。
【0044】
なお、ここではスリット44の一部にのみを角度付与部42としたが、もちろん、すべてのスリット44に角度を付して角度付与部42として機能させてもよい。また、本実施形態では同程度の太さ(幅)であるベルト状可撓性帯状部材31を用いた場合を例示したが(図13等参照)、これらの太さ(幅)、さらには厚みを適宜変えて張力を適宜異ならせるようにしてもよい。さらには、材質の異なる可撓性帯状部材31を適宜組み合わせることによって張力を適宜異ならせるようにしてもよい。
【0045】
<ヘッドレスト>
ヘッドレスト5は、単座形態と複座形態のそれぞれにおいて適宜形態を切り換えるよう、切り換え動作に連動する連動ヘッドレスト部51と固定的な中央ヘッドレスト部52とで構成されている(図2等参照)。
【0046】
中央ヘッドレスト部52は背もたれ8の上部中央に固定されたヘッドレスト部分であり、単座形態と複座形態とでその形状・位置・向き等を変化させない(図1、図6等参照)。この中央ヘッドレスト部52を支持する支持フレーム521にスライド機構などを設け、当該中央ヘッドレスト部52の高さを可変としてもよい。また、この中央ヘッドレスト部52に、前傾角度を微調整するためのチルト機構などを設けてもよい。
【0047】
連動ヘッドレスト部51は、単座形態と複座形態との切り換え動作に応じて動くように構成された、左右対称の一対からなる可動部材である。本実施形態の連動ヘッドレスト部51は左右それぞれにおいて複座用背もたれ部材4と接続されて一体化しており、背もたれ回動軸41を中心として各複座用背もたれ部材4と同じ角度回動(旋回)する(図7、図14等参照)。本実施形態では、この連動ヘッドレスト部51を、複座形態時に中央ヘッドレスト部52の両側で当該ヘッドレスト5が全体として直線状になるように並ぶものとし(図2、図3等参照)、さらに単座形態への切り換え時には背もたれ回動軸41の延長軸を中心に前方へ回動旋回する(前進する)ようにしている(図7、図8等参照)。
【0048】
また、左右の連動ヘッドレスト部51はそれぞれスピーカー53を内蔵している(図1等参照)。このようなヘッドレスト5によれば、単座形態への切り換え時、内蔵スピーカー53を着座者の頭部両側に配置し、尚かつ音声が着座者の両耳を向くように連動ヘッドレスト部51が前方へ回動(旋回)するので、単座形態時の着座者に対しより臨場感や包まれ感のあるサウンドを供することができる(図18等参照)。また、このような構成のスピーカーシステムによれば、比較的小さな音量であっても迫力感のあるサウンドを実現しやすい。
【0049】
なお、中央ヘッドレスト部52に対する連動ヘッドレスト部51の大きさ、形状、配置は特に限定されることがないし、左右非対称としても構わない。本実施形態では、大型の中央ヘッドレスト部52を採用するとともに、両側の連動ヘッドレスト部51を比較的小型とし、尚かつ中央ヘッドレスト部52よりも低い位置に配置している(図1等参照)。このようなヘッドレスト5においては、複座形態時、後退した連動ヘッドレスト部51がアームレスト2の下面26や背もたれ8の背もたれ面(例えばカバー部材82の表面)と並んで面一な平面を構成することから、複数の着座者の背(あるいは子供のように座高が低い着座者であれば頭部付近)を均等的に支えることが可能な大型の背もたれを形成する(図19等参照)。また、上述のように両側の連動ヘッドレスト部51を中央ヘッドレスト部52よりも低い位置に配置しているため、単座形態時には、連動ヘッドレスト部51に内蔵されたスピーカー53を着座者の両耳を向く位置に配置しやすい(図18等参照)。
【0050】
<座>
座6は、固定的な固定座部62と、該固定座部62の両側に配置された連動座部61とで構成されている(図13、図14等参照)。
【0051】
固定座部62は、単座形態と複座形態との間の切り換え時動作しない固定的な座面を形成している。後述するように、この固定座部62は、フロントフレーム92に対し前後へスライド可能な状態で取り付けられている。固定座部62の具体的な形状は特に限定されないが、本実施形態では前方が広い台形形状の平坦な部材で固定座部62を構成している(図17等参照)。
【0052】
連動座部61は、固定座部62の両側に左右一対が配置されており、単座形態への切り換え時に上方に跳ね上がるように傾動するとともに、複座形態への切り換え時には下方に傾動する部材からなる。連動座部61の具体的な形状は特に限定されないが、本実施形態では上述の固定座部62の両側に配置されて全体として横長の矩形座面を形成する左右対称形状の部材でこれら連動座部61を構成している(図17等参照)。
【0053】
各連動座部61は、固定座部62の両側にヒンジ結合され、傾動軸63を中心に上下方向に傾動可能となるように設けられている(図9等参照)。ここで、両傾動軸63は例えば前後方向へ延びるように平行に配置されていてもよいが、本実施形態では上述した固定座部62の両側に傾動軸63を配置し、前方ほど間隔が広くなるように前広がり状(V状)である両傾動軸63を中心に連動座部61が上下に傾動するようにしている。
【0054】
連動座部61の底面にはリンクプレート25の出力端252が当接しており、単座形態への切り換え時に回動動作するリンクプレート25の出力端252によって連動座部61は底部から押し上げられて上方に傾動する。また、複座形態時において、連動座部61は、このリンクプレート25の出力端252により、固定座部62と面一となる平坦状態よりも低く下がらないように支持される。特に図示はしていないが、このようにリンクプレート25の出力端252で連動座部61を支持する他、固定座部62に設けたブランケット等のストッパーで複座形態時の連動座部61を平坦状態に支持するようにしてもよい。
【0055】
上述のように前広がり状(V状)である両傾動軸63を中心に連動座部61が上下に傾動するように構成された本実施形態の座6においては、単座形態時、前部ほど幅広である固定座部62が形成する平坦部と、斜め上方に傾斜した両側の連動座部61が形成する傾斜部とからなるバケット状の座面が形成される(図14等参照)。このようなアミューズメント用シート装置1によれば、着座者が包まれ感とホールド感を感じることのできるバケット状のシートを形成することができる。また、例えば着座者が両脚(両大腿)を開きつつ足先を前方へ投げ出して脱力したようなリラックスした姿勢でいる場合に、傾動軸63に沿って上方へ傾斜している連動座部61が程よく両大腿部の外側に当たり、両脚の荷重をサポートするように機能する。このため、着座者は常に大腿部を左右からサポートされた状態となり、長時間着座したとしても疲労を感じにくい。これは、着座途中で体勢を変えた場合、体を左右に傾かせた場合、足を組んだ場合、アームレスト2に肘を付いたり体を預けたりしている場合等においても同様である。
【0056】
また、本実施形態の座6において、複座形態時には両連動座部61が下がり、固定座部62とともに全体として平坦なベンチ状の座面を形成する(図13等参照)。これによれば、着座者が複数である場合にもそれぞれが快適な座り心地を得られる座面が供される。また、本実施形態の座6は、複座形態時に横長のベンチ状となった際、アームレスト2が後方へ退避しているので、利用者は左右いずれからも着座できるし、左右それぞれへ立ち上がりやすい。
【0057】
<リクライニング機構>
アミューズメント用シート装置1は、さらにリクライニング機構7を備える。本実施形態のリクライニング機構7は、リクライニング動作が可能な背もたれ8と、これに連動して前後へスライドする座6と、ロック機構71とで構成されている(図20等参照)。
【0058】
上述したように、背もたれ8は、リアフレーム91に対し、アームレスト2の回動軸と同軸上で回動可能に取り付けられている。必要に応じて、リアフレーム91等には背もたれ8の回動幅を規制する度当たり部材等が設けられる。
【0059】
座6は、フロントフレーム92に対し前後へスライド可能に取り付けられている。このようにスライド可能とするための機構は特に限定されないが、例えば本実施形態では、フロントフレーム92の両側に前後方向へ延びる長孔形状の座ガイド921を設け、この座ガイド921によって固定座部62のスライダー(特に図示してはいないが、固定座部62の底部両側に形成された突起等)を案内する構成とし、フレーム部材9に対し座6が所定量スライドできるようにしている。さらに、本実施形態では、座6が前方へスライドする際、その後部(奥)が少し持ち上がって座面がより水平な状態となるよう、固定座部62の一部をフロントフレーム92の一部でガイドしている(図20等参照)。
【0060】
また、座6と背もたれ8とは、互いに連動するように直接または他部材によって間接的にピン結合されている。例えば本実施形態の場合には、背もたれサイドフレーム81の両側下部に前方へ延びるフック状の接続部812が形成されており、該接続部812が固定座部62の後部にピン結合されている(図12等参照)。
【0061】
ロック機構71は、通常はリクライニング機構7をロックするとともに、着座者等による動作時にロックを解除して背もたれ8等のリクライニング動作を許容する。ロック機構71の具体例は特に限定されないが、例えば本実施形態では固定座部62の下方においてフロントフレーム92に固定したオイルダンパー等のロック付きダンパーをロック機構71として用いている(図21等参照)。このロック付きダンパーは、例えばシリンダーがフロントフレーム92に固定されるとともに、ピストンロッドの先端が背もたれ8の一部、例えば背もたれ下部フレーム83の中央突部831にピン結合された状態で設けられている(図12等参照)。
【0062】
また、着座者等がロック機構71を操作するためのレバー等からなる操作装置72が例えば座6の後部等に設けられている(図13等参照)。本実施形態では、この操作装置72を座6の左右それぞれに設け、アミューズメント用シート装置1の左右どちら側においてもロック機構71の解除が行えるようにしている。したがって本実施形態のアミューズメント用シート装置1においては、複座形態時に着座している左右の着座者のいずれもがリクライニング機構7を操作することが可能となっている。もちろん、このように配置された操作装置72は、単座形態時の単独着座者にとっても容易に操作しうるものである(図14等参照)。
【0063】
上述のようなリクライニング機構7によれば、着座者は以下のようなリクライニング動作を行うことが可能である。すなわち、例えば複座形態時、操作装置72を操作してロック機構71を解除した状態で背もたれ8に体重をかけると当該背もたれ8がゆっくりと倒れ、これに伴い、座6が、その後部(奥)を少し持ち上げながら前進する(図3、図20参照)。着座者等は、好みの位置で操作装置72を離せばロック機構71が再びロックされるので当該リクライニング状態を保持することができる。以上のリクライニング動作は、もちろん単座形態時においても同様に行うことができる。
【0064】
なお、背もたれ8(および座6)をリクライニング動作させる際、アームレスト2も追従させることが好ましい。上述したように、本実施形態ではアームレストガイド912の段部913によってアームレスト2の状態(肘掛けの状態または背もたれの一部となった状態)を保持しており、例えば複座形態時に背もたれ8等をリクライニング動作させると、アームレスト2をその自重によって追従させることが可能となっている(図3、図20参照)。あるいは、この他、例えばアームレストガイド912にバネ等を利用したアームレスト2のオートロック機構を設けておき、背もたれ8等のリクライニング動作時に当該アームレスト2を追従させるようにすることもできる。
【0065】
ここまで説明したように、本実施形態のアミューズメント用シート装置1においては、切り換え入力装置として機能するアームレスト2を上げ下げすることによって、一人用に適した単座形態と複数人用に対応した複座形態とを簡単に切り換えることができる。また、このアミューズメント用シート装置1は単座形態時においてバケット状となり、尚かつ可撓性帯状部材31を用いてハンモック状の心地よい座り心地が得られる1人掛けスペース(図18の二点鎖線参照)を供することから、例えば競馬等のメダルゲーム装置や映画館等用のように着座時間が比較的長くなる傾向があるアミューズメント施設の一人用シート装置として特に好適である。また、アミューズメント用シート装置1は、複座形態時には複数人が同時着座可能なスペース(図19の二点鎖線参照)を確保するベンチ状となることから、例えば2人同時に腰掛けて一緒にゲームを楽しむシチュエーションが想定されるアミューズメントにおいて臨機応変に対応するものとなる。
【0066】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態においては、主として2人掛けに好適な複座形態となるアミューズメント用シート装置1を例示したが(図19等参照)、背もたれ8、座6等のサイズを適宜変更することによって3人以上にも適用可能なシート装置とすることが可能である。
【0067】
また、本実施形態ではアームレスト2の動きに背もたれ8、座6等が連動する構成、換言すればアームレスト2が手動の切り換え入力装置として機能する構成のアミューズメント用シート装置1を例示したがこれも好適例にすぎない。アームレスト2以外の部材を切り換え入力装置として機能させてもよいし、切り換え入力装置としてのみ機能する装置を別途設けてもよい。あるいは、モータ等の動力装置やギア等の動力伝達装置などを使い、スイッチのオンオフだけで自動的に形態の切り換えができるようにしてもよい。もちろん、リクライニング機構7を電動とすることもできる。
【0068】
また、本実施形態で例示したアミューズメント用シート装置1においては、アームレスト2、座6、背もたれ8等が左右対称であって、左右それぞれ独立して切り換え動作が行われるものを例示したが、この他、左右をも連動させて切り換え入力装置による一の切り換え動作によって単座形態と複座形態との切り換えがアミューズメント用シート装置1の全体として一度に行われるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、アミューズメント施設におけるゲーム装置等の各種装置用のアミューズメント用シート装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0070】
1…アミューズメント用シート装置、2…アームレスト(切り換え入力装置)、3…可撓性背もたれ部材、4…複座用背もたれ部材、5…ヘッドレスト、6…座、7…リクライニング機構、8…背もたれ、9…フレーム部材、21…回動軸、22…プッシュロッド、23…ローラー、24…突起、25…リンクプレート、26…下面、27…台座部、31…可撓性帯状部材、41…背もたれ回動軸、42…角度付与部、43…被プッシュ部、44…スリット、51…連動ヘッドレスト部、52…中央ヘッドレスト部、53…スピーカー、61…連動座部、62…固定座部、63…傾動軸、71…ロック機構、72…操作装置、81…背もたれサイドフレーム、82…カバー部材、83…背もたれ下部フレーム、91…リアフレーム、92…フロントフレーム、211…段部、251…入力端、252…出力端、253…支点、521…支持フレーム、811…支軸、812…接続部、831…中央突部、911…アームレスト軸受、912…アームレストガイド、913…段部、921…座ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミューズメント施設におけるゲーム装置等の各種装置用のアミューズメント用シート装置であって、
着座者が単数である場合に適した単座形態と、複数の着座者が着座可能な複座形態とを切り換える切り換え入力装置と、
単座形態時に当該着座者の背を支持する可撓性背もたれ部材と、
前記切り換え入力装置の動きに連動する可動部材であって、複座形態時に各着座者の背の中央を中心に支持する位置に移動し、単座形態への切り換え時には前記可撓性背もたれ部材よりも後方へ退避する複座用背もたれ部材と、
を備え、
着座者が単数である場合に当該着座者に一人用として快適な着座姿勢を供する単座形態と、複数人が同時に着座可能な複座形態とを前記切り換え入力装置により任意に選択可能とした、アミューズメント用シート装置。
【請求項2】
前記複座用背もたれ部材は背もたれ回動軸を中心として回動自在であり、該複座用背もたれ部材には、単座形態への切り換え時、前記可撓性背もたれ部材の少なくとも一部において着座者の背に対する角度を変化させる角度付与部が形成されている、請求項1に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項3】
前記可撓性背もたれ部材が複数の可撓性帯状部材からなる、請求項2に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項4】
前記切り換え入力装置による切り換え動作に連動する連動ヘッドレスト部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項5】
前記連動ヘッドレスト部は左右一対であってそれぞれスピーカーを内蔵している、請求項4に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項6】
前記連動ヘッドレスト部は、単座形態への切り換え時に前進するとともに、複座形態への切り換え時には後退して当該ヘッドレスト全体として直線状に並ぶ、請求項4又は5に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項7】
前記切り換え入力装置による切り換え動作に連動する連動座部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項8】
前記連動座部は、左右一対であって、単座形態で上方に傾動するとともに、複座形態では下方に傾動して当該座の全体として平坦な座面を形成する、請求項7に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項9】
前記連動座部は、前方が広くなるV状の傾動軸を中心に上下に傾動可能に設けられている、請求項8に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項10】
複座形態の切り換え時に後方へ退避するアームレストを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項11】
前記アームレストが前記切り換え入力装置として機能する、請求項10に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項12】
前記アームレストは、複座形態への切り換え時に後方へ退避した際、前記複座用背もたれ部材に隣接して背もたれの一部を形成する、請求項10または11に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項13】
前記アームレストは左右一対であって互いに独立して動作可能である、請求項10から12のいずれか一項に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項14】
リクライニング機構を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載のアミューズメント用シート装置。
【請求項15】
前記リクライニング機構のロック機構をさらに備える、請求項14に記載のアミューズメント用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−165924(P2012−165924A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30178(P2011−30178)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】