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アミラーゼによって誘発される澱粉分解を阻害することに基づく、改善された半固体食品及びその製造方法
説明

アミラーゼによって誘発される澱粉分解を阻害することに基づく、改善された半固体食品及びその製造方法

本発明は、食品製造分野に関し、より詳しくは、改善された半固体食品の製造方法、改善された半固形食品そのもの、及びその使用に関する。特に、口内の唾液アミラーゼによって誘発される澱粉分解が阻害される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製造分野に関し、より詳しくは、改善された半固体食品の製造方法、改善された半固体食品そのもの、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の特質に及ぼす唾液の作用については、これまでに多くの研究者によって研究が行われており、唾液が食物に各種の作用を及ぼす場合があり、その結果として、食物に対する知覚が変化することが見出されている(Smith et al. 1996; Bonnas & Noble 1995; Rudney et al. 1995; Noble 1995; Guinard et al. 1998)。食物に唾液を混ぜることによって、風味に影響を与えることが可能であり(Guinard et al. 1997; Haring 1990; Harrison 1998; Ruth & Rozen 2000; Ruth et al. 1996)、味物質及び風味物質を希釈することも可能である(Ruth et al. 1996; Christensen & Role 1985)。哺乳類の唾液中に存在し、澱粉の消化を開始する酵素であるα−アミラーゼ(EC3.2.1.1)は、食物の初期分解における役割を担っており、その食物に対して知覚されるとろみを少なくする場合がある。また、唾液は緩衝システムとしても作用し(Shannon & Frome 1973; Larsen et al. 1999; Ericsson 1959)、人間が酸味を知覚するレベルに影響を与える(Christensen et al. 1987)。加えて、ムチンなどの大型の唾液タンパク質は、潤滑性に影響する場合があり(Tabak et al. 1982; Van Nieuw Amerongen 1994)、それにより、滑らかさや渋味といった特質の知覚に影響する可能性もある(Noble 1995; Kallithraka et al. 2001)。
【0003】
被験者個人の刺激唾液及び非刺激唾液の分泌と、その被験者の澱粉含有半固体食品に対する官能評価との間には、相関は認められていない(Engelen et al. 2003a)。個人の分泌速度又はアミラーゼ活性と個人の官能評価との間に顕著な関連が欠如していることは、すべての被験者は、彼ら自身の評価基準を有しており、彼ら特有の唾液分泌及び唾液の化学的性質に慣れているらしい、との仮説によって説明可能と思われる。結果として、官能評価は、絶対的というよりもむしろ相対的なものであり、被験者間の相違点を欠如させる(Engelen et al. 2003a)。添加した唾液又は唾液関連流体がカスタードデザートの官能的特質に及ぼす作用について調査した他の研究では、一般に、半固体品の官能的特質は比較的安定している、との結論に達している(Engelen et al. 2003b)。
【0004】
WO03/001199号は、口内で咀嚼される試料の分散脂質相の空間分布を分析することに基づいて、水連続型(water-continuous)食料(カスタード)の口内での官能的特性を予測する、機器による方法を開示している。この手法は、口内で食物が処理される間に脂肪球の再分布が行われることを示しており、これが、半固体食品の官能的知覚に影響を及ぼすと予想される。したがって、この開示に基づくと、脂肪分布、脂肪濃度及び口内での澱粉分解が半固体食品の官能評価を決定する際に重要であることが予想される。損なわれていない澱粉は脂肪を封入し、それによって知覚における脂肪の利用可能性を限定する。口内での澱粉分解は、脂肪球の再分布を可能にし、それにより、クリーミーさや脂っこさなどの脂肪依存性官能的特性を高める場合がある。WO03/001199号に基づいて予想されることとは対照的に、驚くべきことに本発明者らは、唾液アミラーゼによって誘発される口内での澱粉構造の分解を低減させることにより、澱粉含有半固体食品の官能評価を改善することが可能であることを見出した。
EP0451436−A1号は、肥満を予防又は治療するためのα−アミラーゼ阻害剤の経口投与について記載している。腸による高カロリー吸収という問題は、唾液及び膵臓アミラーゼ活性を両方とも阻害することによりここに解決され、それにより、澱粉分解及びカロリーの取り込みが防止される。この開示には、口内での澱粉分解阻害がある種の食品の官能評価に何らかの影響を与えることについては、全く示されていない。
【0005】
【特許文献1】WO03/001199号
【特許文献2】EP0451436−A1号
【非特許文献1】Smith et al. 1996
【非特許文献2】Bonnas & Noble 1995
【非特許文献3】Rudney et al. 1995
【非特許文献4】Noble 1995
【非特許文献5】Guinard et al. 1998
【非特許文献6】Guinard et al. 1997
【非特許文献7】Haring 1990
【非特許文献8】Harrison 1998
【非特許文献9】Ruth & Rozen 2000
【非特許文献10】Ruth et al. 1996
【非特許文献11】Christensen & Role 1985
【非特許文献12】Shannon & Frome 1973
【非特許文献13】Larsen et al. 1999
【非特許文献14】Ericsson 1959
【非特許文献15】Christensen et al. 1987
【非特許文献16】Tabak et al. 1982
【非特許文献17】Van Nieuw Amerongen 1994
【非特許文献18】Noble 1995
【非特許文献19】Kallithraka et al. 2001
【非特許文献20】Engelen et al. 2003a
【非特許文献21】Engelen et al. 2003b
【発明の開示】
【0006】
定義
本明細書で使用する「半固体食品」とは、ヒト又は動物が消費するのに適切な製品であって、粘性を有するもの、すなわち、完全な液体でもなく完全な固体の形態でもないものを指す。したがって、半固体との語には、粘液も含まれる。一般に、半固体食品は、歯で噛み砕くことなく咀嚼される。「低脂肪」半固体食品とは、総脂肪含有量が、標準的な通常脂肪製品と比較して低減されている半固体食品、好ましくは、結果としてその低脂肪製品の脂肪が、通常脂肪製品より少なくとも30%、40%、又は50%、80%、90%、95%、99%、又は100%、少なくなっている半固体食品を指す。例えば、通常の脂肪含有量が約3重量%の製品(例えば、カスタード又はクリームデザート)について述べると、それに対応する低脂肪製品が有する脂肪は、わずか2.1重量%以下であり、通常の脂肪含有量が約35重量%の製品(例えば、マヨネーズ)について述べると、それに対応する低脂肪製品は、わずか24.5重量%以下の脂肪を有する製品(例えば、低脂肪マヨネーズ)であることなどが挙げられる。
【0007】
本明細書で使用する「澱粉」とは、馬鈴薯澱粉、とうもろこし澱粉/コーンスターチ、豆澱粉、米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉など、高等植物(天然又は遺伝子を組換えたもの)から入手可能なあらゆるタイプの澱粉を指す。澱粉は、基本的に線状の多糖であるアミローゼ(グルコース単位のポリマー)と、高度に分岐した多糖であるアミロペクチンという2つのポリマーの混合物で構成されている。いずれもα−D−(1→4)グルコシド結合を含んでいるが、アミロペクチンはα−(1→6)グルコシド結合も含んでいる。
【0008】
本明細書で使用する「官能評価」又は「官能的知覚」とは、ある食物の1つ以上の官能的特質に対する被験者の評価を指す。「改善された」官能評価とは、例えばクリーミーな口当たりの増大、脂っこい口当たりの増大などのように、1つ以上の好ましい(又はプラスとなる)官能的特質に対する評価が増大することを指す。改善された官能評価は、例えば苦味(苦さ)、ざらついた口当たり、不均質な口当たり、渋い後食感、又はぬめりの減少などのように、1つ以上の好ましからざる(又はマイナスとなる)官能的特質に対する評価が減少することを指す。
【0009】
「官能的特質」又は「官能的特性若しくは特徴」とは、口内で処理中及び/又は嚥下後の食品の、(a)口当たり及び/又は(b)臭気及び/又は(c)風味(若しくは味)及び/又は(d)後食感(又は後味)を指す。こうした主要な官能的特質は、以下に定義する異なる官能的特質へと更に細かく分けることができる。一般に、各特質の採点は、他に記載のない限り、「非常に少ない」から「非常に多い」までの間で行われる。
【0010】
「臭気特質」との語は、下記の官能的特質の1つ以上を含むものである:総臭気強度、油脂臭、バニラ臭、キャラメル臭、アーモンド臭、合成/不快臭、ミルク臭。
【0011】
「風味特質」又は「味特質」との語は、下記の1つ以上を含むものである:総風味強度、甘味、苦味/化学味、アーモンド味、バニラ味、キャラメル味、ミルク味、クリーム味、油脂味、不快味、酸味。
【0012】
「口当たり特質」との語は、下記の1つ以上を含むものである:
−「温度」覚(温覚又は冷覚;食物は、同じ物理温度で提供されても異なる温度覚を引き出す場合がある;この知覚は、食物と舌とが最初に接触したときに得られる)
−「濃厚」又は「とろみ」(「濃厚」から「淡白」まで;舌の上下動によって食物が口蓋に対して圧迫された後の、口内における食物のとろみ感)
−「ふんわり」(食物は、ふんわりしている/泡沫状であると舌により感知され、口蓋に対して食物を圧迫すると、容易に崩れる)
−「ぎっしり」(食物は、重い/しっかりしていると感じられ、容易に動かない。食物を口蓋に対して圧迫した後も、その濃厚な感覚は残る)
−「口どけがよい」又は「とろける」(「ゆっくりと」から「すばやく」まで;食物は口内でとろけ、さまざまな速度で口内全体に広がっていく)
−「ちくちくする」(舌が感じるちくちくする感覚;典型的には、弱い炭酸が入ったソフトドリンクに付随する)
−「滑らか」(「滑らか」から「ざらざらしている」まで;食物が含有している、舌を口蓋に平行に動かすことにより感知される粒状物質のレベル)
−「不均質」又は「不均質性」(食物は、口内で唾液と混ざりながら、濃厚であると同時に淡白である(又は、「むらがある」若しくは「毛くずのようである」)と知覚される;食物のさまざまな部分が、異なる速度で溶けていくように思われる)
−「水気がない」又は「ぱさつく」(食物が唾液を吸収し、そのために、舌と口蓋との間で食物を圧迫しながら食物を嚥下するのが困難と思われる;口の表面がざらついて感じられる)
−「クリーミー」(一般に、脂肪含有量に付随する感覚の範囲で、例えば、まろやかで甘い味、ぎっしりして、滑らかで、ざらつきがなく、水気があり、ベルベットのような(油っぽくはない)コーティングを伴っている;食物は、中程度の速度で崩れていく)
−「脂っこい」(食物は、油脂層を口腔組織上に残し、口内での食物の移動を円滑にし、唾液の分泌を刺激する)
−「べたつく」(舌を下方向へ動かすことにより食物が引き離され、結果として食物が糸を引き、それが舌、口蓋及び喉によってべたつきがあると感知され、嚥下を困難にしている)
−「ざらつく」(ざらつきは、歯、口蓋及び舌によって感知され、一般的には、クルミ、ほうれん草、及びワインのような製品によって生じる)。
【0013】
「後食感特質」との語は、下記の1つ以上を含むものである:
−「クリーミー」(ソフト/クリーミーな口当たりという知覚と似ているが、それよりも弱い)
−「べたつく」(食物が、口全体にべたつく感触を残し、その感触を除去/払拭するのが難しい)
−「脂っこい」又は「脂肪分が多い」(食物が、嚥下後に、脂っこい/油っぽい感触を残す)
−「渋い」(食物が、渋味と渋い感触を口内に残す;一般的には、クルミ、ほうれん草、及びワインのような製品によって生じる)
−「ぬめりが出る」(食物が、払拭及び嚥下が困難な、濃厚な粘液の感触を口内に残す;一般的には、乳製品によって生じる)。
【0014】
「アミラーゼ阻害剤」は、耳下腺が産生するヒト唾液α−アミラーゼ(EC3.2.1.1、α−1,4−グルカン−4−グルカノヒドロラーゼ)の活性を阻害することが可能な、非タンパク性又はタンパク性阻害剤を指す。この点において「阻害」とは、例えば、加水分解されたα−D−(1→4)グルカン結合の数における減少、及び/又は唾液α−アミラーゼ酵素によるα−D−(1→4)グルカン結合の内部加水分解(endohydrolysis)の基質(澱粉)加水分解速度における遅延を指す。唾液α−アミラーゼ活性の完全な不活化もこの定義に含まれる。
【0015】
本明細書で使用する「澱粉構造分解を低減する」との語は、加水分解されたα−D−(1→4)グルカン結合の数における減少、及び/又は口内の澱粉のα−D−(1→4)グルカン結合の内部加水分解速度における遅延を指す。口内における澱粉構造分解の完全な防止もこの定義に含まれる。
【0016】
発明の記述
食品は、口腔内(口内)に入るとすぐに唾液と接触し、唾液には唾液α−アミラーゼが含まれている。これらの酵素は、澱粉分子中に存在するα−D−(1→4)グルカン結合の内部加水分解により、澱粉の構造分解を誘発する。本発明は、澱粉含有半固体食品の官能評価が、澱粉構造分解を低減又は阻害することによって改善されるという驚くべき知見に基づくものである。
【0017】
本発明のある実施形態では、半固体状で澱粉を含有する食品の官能評価を改善する方法が提供される。かかる方法は、唾液α−アミラーゼにより、食品と唾液(前記酵素を含む)が接触するとすぐに誘発される澱粉構造分解、特に、唾液α−アミラーゼが食品に含まれる澱粉と接触するとすぐに誘発される澱粉構造分解を低減させることを含んでいる。
【0018】
半固体食品は、澱粉を含む半固体食品であればどのようなものでもよく、例えば、カスタード又はクリームデザート、他の澱粉系デザート、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、サラダドレッシング、ベビーフード、スープ、練乳製品、又は加糖練乳製品などが例示できるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態では、澱粉含有半固体食品は、本明細書の別の箇所で定義された低脂肪製品である。本発明の範囲を限定するものではないが、通常脂肪製品では、ある官能的特質、例えばクリーミーさは、あまり影響を受けないと考えられている。
【0019】
官能評価における改善とは、その製品の少なくとも1つの官能的特質における改善であると理解されている。改善というのは相対語であるため、改善は反復可能かつ統計学的に有意であるべきだと理解されている。一般に、少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%の統計学的信頼水準が得られなくてはならないとされている。これは、例えば、高度な訓練を受けた少なくとも8人の被験者によって官能評価が実施され、好ましくは2回繰り返されなくてはならないことを意味する。(改質された)食品の特質の官能評価を決定するために、訓練された被験者は、実施例に示すように、その改質された食品(刺激)と、コントロールとして、対応する未改質の製品(対応する澱粉非含有製品も含まれていてもよい)を与えられ、それらの製品の官能的特質、特に、臭気、口当たり、風味、味及び/又は後食感の範囲を、所定の基準を用いて評価する。通常は、35個の異なる官能的特質を区別して評価することが可能である(de Wijk et al. 2003a)。口内における官能的特質が評価される場合が多い。例えば、後食感や後味のように、嚥下後の口内における官能的特質に関する官能的特質もある。熟練者であれば、標準的な官能評価法を使用して、唾液アミラーゼ誘発性の澱粉分解を口内で低減させるように改質された澱粉系製品が、唾液アミラーゼ誘発性の澱粉分解を口内で低減させるために何の手段も講じられていない未改質の類似品と比較して、改善された官能評価を1つ以上有しているかどうかを判断できるであろう。
【0020】
本発明の特定の実施形態においては、臭気特質(例えば、臭気強度、バニラ臭)、口当たり特質(例えば、とろみ、クリーミーさ、脂っこい口当たり)、風味特質(例えば、バニラ味)、後食感特質(例えば、クリーミーな後食感)及び後味特質(例えば、クリーミーな後味)から選択される1以上の特質に対する官能評価は、口内での澱粉構造分解を低減させることにより改善される。改質された製品に対する改善された特質の評価は、統計学的反復測定デザインを用いた、未改質製品の対応する特質の評価とは統計学的に有意に異なっている(P<0.05)。各特質は、最も望ましくないから最も望ましいまでを尺度として評価される。例えば、「クリーミーな口当たり」は、「全くクリーミーではない」から「非常にクリーミーである」まで評価できる。一般に、そうした尺度のどの範囲が「望ましい」範囲なのか、どこが「望ましくない」境界なのかは、テストされる特定の食品によってさまざまではあるが、それ自体周知である。
【0021】
2つ以上の官能的特質の官能評価が、本発明の方法において改善されることが好ましい。少なくともクリーミーな口当たりが改善されるのが最も好ましい。口内における澱粉構造分解の低減は、各種の手段によって達成することができる。ある実施形態では、1以上のα−アミラーゼ阻害剤を澱粉含有半固体食品に添加することにより、達成できる。かかるα−アミラーゼ阻害剤を、有効量、すなわち、口内における澱粉構造分解を低減し、官能評価を改善するのに充分な量で添加することが好ましい。必要量は、使用する阻害剤の特異性及び最適活性によって異なる。当業者であれば、過度の実験を行うことなく、必要とされる有効量を容易に確認することが可能である。また、α−アミラーゼ阻害剤は食品用でなくてはならず、被験者又は被験動物によって消化された場合に害とならないものでなくてはならない。
【0022】
当該技術においては、各種の適切なα−アミラーゼ阻害剤が利用可能である。例えば、タンパク性α−アミラーゼ阻害剤(以下、「α−アミラーゼ阻害剤タンパク質」と称する)及びそれらをコードする遺伝子は、Triticum aestivum、Sorghum bicolor、Secale cereale、Phaseolus vulgarなど、各種植物種子及び栄養器官から単離及び/又はクローン化されている(参照により本明細書に組み込まれる、Franco et al. 2002を参照のこと)。数種類のα−アミラーゼ阻害剤タンパク質は、哺乳類の唾液α−アミラーゼに対して高い特異的活性を有している。適切な阻害剤タンパク質としては、例えば、T. aestivum由来の0.19、0.28(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,444,046号を参照のこと)、又は0.53阻害剤(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,726,291号を参照のこと)、S. cereale由来の1,2,3及びBIII阻害剤、又はS. bicolor由来のSiα1、Siα2、Siα3阻害剤がある。これらの遺伝子の核酸及びタンパク質の配列は、一般に、SWISSPROT、GenBank、EMBL、GeneSeqなどの配列データベースにおいて利用可能である。α−アミラーゼ阻害剤タンパク質は、当該技術で周知の組換えDNA技術(例えば、形質転換した細菌、植物、植物細胞、真菌、細胞培養物などによって作製した組換えタンパク質)によって作製してもよいし、又はその自然源から精製しても、化学的に合成してもよい。半固体食品が植物系の原料を含んでいる場合、α−アミラーゼ阻害剤タンパク質もトランスジェニック植物中で過剰発現する場合があり、加工済の植物製品を、半固体食品の調製に直接用いてもよい。トランスジェニック植物が澱粉含有植物であって、そのために、澱粉とα−アミラーゼ阻害剤タンパク質の両方が、加工済植物組織によって直接提供される場合があることも予想される。組換えDNAを細菌細胞、真菌細胞、植物細胞又は動物細胞に導入する方法は周知であり、パーティクルガン形質転換、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション、Agrobacterium媒介形質転換などが挙げられる。
【0023】
また、被験哺乳類、特にヒトによって消化される際に毒性のないものであれば、アカルボース及び各種糖類(単糖類、二糖類、多糖類)、及びその類似体などの、非タンパク性阻害剤も適切であると思われる。最も適切な(タンパク性又は非タンパク性)阻害剤は、哺乳類、特にヒトの唾液α−アミラーゼに対する高い比活性度を有しており、口内条件(pH、温度)下で効率が高く、その一方で膵臓α−アミラーゼに対しては阻害しないこと(又は阻害活性が低いこと)が好ましい。さらに、上述のように、それが食品中に存在する濃度で消化される際にマイナスの副作用がないことが好ましい。例えば、消化した結果、体重減少などの副作用が生じてはいけない。
【0024】
本発明が、本明細書に記載の(タンパク性又は非タンパク性)α−アミラーゼ阻害剤に限定されないことは、理解されてしかるべきである。当業者であれば、例えば、さまざまな量の候補阻害剤のヒト唾液α−アミラーゼ阻害能力をテストすることにより、他の適切な阻害剤を容易に確認することができる。この目的に関しては、当該技術分野で周知のインビトロ酵素アッセイが適切である。同様に、実施例に記載したアッセイを用いてもよい。同じようにして、2つ以上の異なる阻害剤の間の相乗活性を確認することができる。相乗活性は、併用された2つ(又はそれ以上)の阻害剤の阻害作用が、単独で使用された各阻害剤の阻害作用よりも高い場合に認められる。例えば、マルトースとpH還元化合物の両方を使用すると、それぞれを単独で使用する場合よりも、阻害活性が高くなる。他の非タンパク性阻害剤の候補としては、例えば、多糖類、特に二糖類(例えば、マルトース、マルトデキストリン)又は、例えばガラクトマンナンやイヌリンなどの多糖類類似体が挙げられるであろう。
【0025】
唾液α−アミラーゼの候補阻害剤の活性を確認する適切なアッセイを実施例に記載する。このアッセイでは、例えば30gのバニラカスタード(例えば、Friesche Vlag社製)などの澱粉含有食品を、ある量の候補阻害剤及びヒトの唾液(希釈物)と混ぜ合わせる。かかる混合物の粘度の変化を、Rapid Viscoanalyserを使用して約120秒間分析する。コントロールとして、唾液と阻害剤の代わりに水を前記カスタードに添加したものを用いる。約48秒の時点での特定の粘度を利用して、阻害剤による澱粉構造分解阻害のパーセンテージを確認する。粘度に対する作用は、唾液α−アミラーゼ阻害の間接的な指標である。
【0026】
本発明のある実施形態では、モノグリセリドを阻害剤として使用して、唾液アミラーゼによって誘発される口内での澱粉構造分解を阻害し、少なくとも1重量%、5重量%又は10重量%のモノグリセリドをさらに含有する澱粉含有半固体食品を提供する。かかる製品は、上述のとおり、官能評価が改善されている。少なくとも1重量%のモノグリセリドを澱粉含有半固体食品に添加すると、唾液誘発性澱粉構造分解が有意に低減することが、本発明者らによってわかっている。モノグリセリドは、高分子脂肪酸を備えたグリセロールの部分エステルである(モノアシルグリセロール)。それらは普通、乳化剤として食品中で使用される。モノグリセリドは市販により入手可能であり(例えば、オランダ、Quest International B.V.社より)、自然の動物又は植物源から精製すること又は合成により作製することができる。適切なモノグリセリドは、どのような脂肪酸に由来していてもよく、直鎖状又は分枝状であっても、飽和又は不飽和であっても、8〜22の炭素原子を有していてもよい。
【0027】
本発明の別の実施形態においては、アミド試薬及び低pH(pH6、pH5、又はそれ未満など、pH7未満)がα−アミラーゼ活性を低下させる又は阻害することも周知であるため、pH修正(酸性化)化合物又はアミド試薬が半固体食品に添加される。酸性条件下では、酵素速度が低下し、酵素はグリコシド結合を迅速に加水分解することができない。約5以下のpHでは、α−アミラーゼ活性は基本的に完全に阻害される。その最終製品が、口内で咀嚼される際に目的とする唾液α−アミラーゼ阻害作用を引き起こすものであれば、食品の製造における異なる段階でpH修正化合物又はアミド試薬を添加してもよい。酸性化化合物又はアミド試薬の必要とされる有効量は、使用される化合物又は試薬の活性によって異なる。当業者であれば、かかる有効量を容易に確認できる。かかる製品のpHは、pH6.3以下にまで下げることが好ましい。適切な食用酸性化化合物の例としては、クエン酸、アスコルビン酸、ハイビスカス酸、オレアノール酸などが挙げられる。
【0028】
別の実施形態では、口内における澱粉構造分解の低減は、澱粉の化学的修飾及び/又は物理的改質によって達成される。澱粉を食品中で直接的に改質してもよく、前もって改質した澱粉を半固体食品に添加してもよい。澱粉は、唾液α−アミラーゼによる分解に対する耐性が高くなるように改質される。この点において、「耐性が高くなる」とは、唾液α−アミラーゼによる加水分解の速度が低くなること、加水分解のレベルが低くなること、又は加水分解を完全に防止することを指す。澱粉の化学修飾は、例えば、いくつかのヒドロキシル基をエステル又はエステル基で置換することによって、又は、ヒドロキシル基を隣接する澱粉分子に化学的に架橋させることによって、行われる。したがって、架橋澱粉は、澱粉分子内及び/又は澱粉分子間に架橋を有している。当該技術分野で周知の手段、例えば、澱粉分子内及び/又は澱粉分子間のヒドロキシル基と反応可能な化学試薬によって、架橋を形成してもよい。架橋剤の例としては、オキシ塩化リン、トリメタリン酸ナトリウム、アジピン酸、エピクロルヒドリンなどが挙げられる。ある実施形態においては、実施例に詳述するように、官能評価が改善された、特にクリーミーさが改善された澱粉含有半固体食品を提供するために、高架橋度の澱粉が本発明にしたがって使用されている。
【0029】
非常に低いレベルの化学修飾によって、澱粉のレオロジー特性、物理特性、及び化学特性を有意に変えることができる。澱粉の改質については当該技術分野で記載されており、例えば、米国特許第6,607,748号は、(医薬分野に応用するための)高アミローゼ澱粉の架橋及びヒドロキシプロレーション(hydroxyprolation)について記載しており、米国特許公開第2001026827号は、熱化学的改質を施された澱粉について記載している。
【0030】
唾液α−アミラーゼによる分解に対する化学修飾/物理的改質を施された澱粉の耐性の増大については、まず、哺乳類(好ましくはヒト)のα−アミラーゼを用いたインビトロでの酵素アッセイでテストすることができる。インビトロで有意な耐性増大が認められると、異なる量の化学修飾澱粉を被検食品に添加して官能評価を実施することができる(化学修飾及び/又は物理的改質を施された澱粉を含む食品の官能的特質を、通常の市販澱粉を含む製品のものと比較する)。
【0031】
インビボにおいても、例えば、細菌や植物などのトランスジェニック生物においても、澱粉の化学修飾を行ってもよい。この目的のために、既知の方法を用いて、化学修飾を実施する酵素をクローン化して宿主生物中で過剰発現させることができる。例えば、各種の植物の澱粉合成酵素がクローン化され(例えば、澱粉シンターゼ、澱粉分枝酵素、ホスホグルコムターゼなど)、新規特性を備えた澱粉をインビボで作製するために使用又は改質されている。同様に、既知の突然変異誘発法(X線、化学的突然変異誘発など)を用いて、改質された澱粉を産生する変異植物を作製することができる。RNAi技術を使用して内在性植物遺伝子、特に澱粉生合成経路の遺伝子のダウンレギュレーション又はサイレンシングを行って、改質された澱粉を産生する植物を作製することも可能である。特徴が変化した澱粉を産生する変異植物及び遺伝子改変植物の例は、共に周知である。例えば、米国特許公開第2003110534号又は米国特許第6,376,749号を参照のこと。
【0032】
化学修飾及び/又は物理的改質を施された澱粉を、製品に存在する通常の澱粉に加える形で添加してもよく、又は、製品の通常の(未改質)澱粉と置き換えて用いてもよい。
【0033】
さらに別の実施形態では、口内における澱粉構造分解の低減は、食品が口内に入ったときに、唾液α−アミラーゼに接触できないように、又は接触が少なくなるように、又は接触がより遅くなるように、澱粉をコーティングすることにより達成される。このように、澱粉と唾液α−アミラーゼとの物理的接触の程度及びタイミングは、口内における澱粉構造分解が低減されるように澱粉をコーティングすることにより、改変される。澱粉に塗布されるコーティング材は食用であることが好ましい。食用コーティング材は、例えば植物性タンパク質から作ることができ、かかる植物性タンパク質の例としては、ゼイン(最も豊富なとうもろこしタンパク質)、大豆タンパク質、小麦グルテン、乳漿タンパク質、ゼラチン、カゼインなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。コーティング材は、化学修飾及び/又は物理的改質を施された澱粉からなるものであってもよい。コーティング材は、付加的な原材料、例えば水、エタノール又はその他の食用構成成分を含んでいてもよく、又は、例えば澱粉粒子に対して噴霧されていてもよい。コーティングを施された澱粉は、未改質の澱粉であっても、化学修飾(及び/又は物理的改質)を施された澱粉であってもよい。食用コーティング材に覆われ、かつ、化学修飾及び/又は物理的改質を施された澱粉の使用は、口内における澱粉構造分解の低減に特に効果的である。唾液α−アミラーゼはpH5以下では基本的に不活性であるため、コーティング材はpH低下(酸性化)化合物若しくはpH低下(酸性化)剤からなるもの、又はそれを含むものであってもよい。
【0034】
また、本発明の方法にしたがって製造され、摂食中(咀嚼――噛み砕く場合又は噛み砕かない場合、及び嚥下)に口腔内で自然に処理される際の、少なくとも1つの官能特質(上述のとおり、臭気、口当たり、風味、味、後食感又は後味という特質から選ばれる)の官能評価が改善されている澱粉含有半固体食品も提供される。本発明による食品は、少なくとも1〜10重量%の澱粉を含んでいることが好ましい。また、ある実施形態においては、本発明による食品は低脂肪製品であり、例えば、3重量%未満の脂肪、好ましくは2重量%未満の脂肪、より好ましくは1重量%未満の脂肪、例えば、0.1重量%未満の脂肪を含む、澱粉含有カスタードである。ある実施形態においては、食品は、先に定義した有効量のα−アミラーゼ阻害剤を1つ以上含んでいる。別の実施形態においては、本明細書にて先に記載したように、食品は、化学修飾を施された澱粉を含んでいる。さらに別の実施形態においては、本明細書にて先に記載したように、食品は、コーティングされた澱粉を含んでいる。
【0035】
ここに記載した実施形態のいずれかを組み合わせたものを含み、結果として唾液誘発性の口内における澱粉構造分解を阻害し、官能評価を改善させる食品も、ここに包含される。例えば、非タンパク性アミラーゼ阻害剤と酸性化化合物の両方を備えた食品は、非タンパク性阻害剤又は酸性化化合物が単独で添加された場合よりもかなりよい官能的特質を備えた製品となる。このように、タンパク性及び/又は非タンパク性(酸性化化合物、糖類、グリセルアルデヒドなどを含む)阻害剤をお互いに組み合わせたもの、又は化学修飾された及び/又はコーティングされた澱粉と組み合わせたものはすべて包含される。
【0036】
さらに、澱粉含有半固体食品の官能評価を改善させるためのα−アミラーゼ阻害剤の使用も提供される。そのため、アミラーゼ阻害剤は、有効量、すなわち、唾液α−アミラーゼと食品との接触時に誘発される澱粉構造分解を低減するのに充分な量で、食品に添加される。
【0037】
同様に、上述の化学修飾された澱粉及び/又はコーティングされた澱粉の使用も本発明により提供される。そのため、澱粉は食品に添加されるか、又は、食品に含まれる通常の澱粉を置き換えるために使用される。
【0038】
同じようにして、澱粉含有半固体食品の官能評価を改善させるための上述したモノグリセリドの使用も提供される。そのため、モノグリセリドは、有効量、すなわち、唾液α−アミラーゼと食品との接触時に誘発される澱粉構造分解を低減するのに充分な量で、食品に添加される。
【0039】
以下の実施例が、例えば使用した特定の被検食品(バニラカスタード)など、ここに記載した特定の実施形態のいずれかに本発明を限定するものではないことは、理解されてしかるべきである。
[実施例]
【実施例1】
【0040】
テクスチャー感覚の改質における唾液アミラーゼの役割を以下の実施例において評価した。かかる実施例では、アミラーゼ活性のレベルは、被験者間でというよりは、被験者内でさまざまであった。各種濃度のα−アミラーゼを澱粉及びCMC(非澱粉)系のバニラカスタードデザートに添加した。また、薬学的なアミラーゼ阻害剤のアカルボース(CASnr.56180−94−0)を各種濃度で同じ被検食物に添加することにより、アミラーゼ活性をさまざまなレベルで阻害した。
【0041】
バニラカスタード/クリームデザートを被検食物として使用した。カスタード/クリームデザートは、オランダでは人気のある乳製品であり、一般的に、改質された澱粉、牛乳、砂糖、カラギナンなどの親水コロイド、着色剤及び着香剤を含んでいる。バニラカスタードデザートの官能的特徴は、これまでに報告されている(Weenen et al. 2003; de Wijk et al. 2003b)。比較対象として、非澱粉CMC系カスタードデザートを使用した。充分な時間があれば、澱粉系バニラカスタードデザートはごく少量の唾液アミラーゼを添加されると、酵素による澱粉分解のため、実質的に液化する。アミラーゼをカスタードに入れて激しくかき混ぜると、液化スピードが劇的に増大する。しかし、そのような分解作用がインビボでの口腔内食物処理中に瞬時に発生するのかどうかは、まだ不明である。
【0042】
1.材料と手法
被験者
18〜34歳の11人の女性と7人の男性からなる18人の被験者が、「アミラーゼ研究」に参加し、これとは別に、39〜56歳の女性のみからなる7人の被験者が、「アカルボース研究」に参加した。後者の研究に参加した被験者は、アカルボースについて、及びそれを嚥下した場合に起こりうる副作用についての情報を提供された。これらの副作用を回避するため、被験者はアカルボース試料を嚥下するのではなく、吐き出すようにした。全被験者は、その研究に参加するとの彼らの意思が示された同意書に署名し、全員が、事前に嗅覚及び味覚障害に関するスクリーニングを受け、半固体食品の口当たり及び後食感という官能的特質を記述することについて、広範囲の訓練を受けた。テストは、オランダのゼイストにあるTNO-Nutrition and Food Researchの知覚研究施設で行われた。
【0043】
感覚刺激
「アミラーゼ研究」用に、市販されている脂肪分の多い2つのバニラカスタードデザート(脂肪分が3重量%のAH vanille vlaすなわち「AH」、Albert Heijn Corp.社製、オランダ、ザーンダム;及び脂肪分が3重量%のBoerenland vlaすなわち「BL」、Campina Corp.社製、オランダ、ウールデン)を、2つの澱粉系バニラカスタードデザートとして使用した。「アカルボース研究」用には、Boerenland vlaは再び使用したが、Albert Heijn vlaは、低脂肪乳カスタード(脂肪分が1重量%のCreamex、Creamex Corp社製、オランダ、ライカーフォールト(Rijkervoort))に代えた。
【0044】
両方の研究において、アミラーゼ及びアカルボースの澱粉系カスタードに対する作用を、非澱粉系カスタードに対する作用と比較し、アミラーゼ−澱粉相互作用を実証した。脂肪分の高い(3重量%)市販品の牛乳(Campina Corp.社製、オランダ、ウールデン)を使用し、0.85重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウム(すなわち「CMC」)(Akuell AF 3295、Akzo Nobel Corp.社製、オランダ、アメルスフォールト)、6.25重量%の糖、及び0.33重量%のバニラパウダーを添加して、非澱粉カスタードを作った。澱粉系カスタードの色と合わせるために、黄色着色料(Egg yellow、Supercook社製、英国、リーズ)を3.33ml/l(カスタード)で添加した。
【0045】
アミラーゼ研究用に、細菌α−アミラーゼ(Bacillus licheniformis由来、15重量%のNaCl及び25重量%のスクロースを含む、Sigma Corp.社製、オランダ、ズヴァインドレヒト)を用いて、部分試料である100μlの水に40単位、160単位、及び640単位という濃度で、アミラーゼ溶液を調製した。この濃度範囲は、若年健常被験者グループ全体に見られる個々のアミラーゼレベルの範囲と類似している(Engelen、未公開の結果)。さまざまな濃度のアミラーゼを、コントロールの0単位のものも含めて、5mlの澱粉系カスタード試料に添加した。最高濃度の640単位のものとコントロールのみを、5mlのCMCカスタード試料に添加した。
【0046】
「アカルボース研究」用に、50mgのアカルボース錠剤(グルコバイTM、Bayer社製)を、水に溶解させて充分に混合し、遠心分離を行うことにより、水溶性材料と水不溶性材料とに分離させた。水抽出物を凍結乾燥させた結果、50mgの錠剤につき、40mgの乾燥材料が得られた。結果として得られた固形物を、アカルボースが0.25mg、0.5mg、1.0mg、及び2mgとなる濃度で水に溶解させ、これらを0mgのコントロールと共に、100μlの部分試料中で、5mlのカスタードデザート試料に添加した。ここでも、0mgのコントロールとアカルボース濃度が最高(2mg)のもののみを5mlの非澱粉CMCカスタード試料に添加した。
【0047】
官能評価の手順
パネリストは、適切な通気及び照明がなされている知覚ブースで着席していた。テストは、1回2時間のセッションで、3回(「アミラーゼ研究」)又は1回半(「アカルボース研究」)にわたって行われた。各セッションでは、被験者に20個の試作品が呈示され、その間に、被験者はアミラーゼ研究において、3つのカスタードのそれぞれを、1回はさまざまな量のアミラーゼと共に、2回は異なる処理命令と共に受け取った。3回のセッションにわたって、各カスタードは各状態で3回呈示された。「アカルボース研究」では、3つのカスタードのそれぞれが、さまざまな量のアカルボースと共に最初のセッションで2回、後のハーフセッションで1回呈示された。刺激呈示順序は、被験者ごと、及びセッションごとに無作為に選んだ。試作品は、1個につき5分という平均速度で呈示された。各セッションの前半と後半との間に休憩を挟んだ。
【0048】
「アミラーゼ研究」においては、水/アミラーゼ溶液の部分試料100μlをそれぞれディスペンサーでスプーンに入れ、適切なカスタードをその上に載せ、約5秒以内にそのスプーンは、必要な種類の口腔内食物処理についての指示と共に被験者に渡され、口内に入れられた。投与前に溶液と製品を混合するのではなくこの方法を用いる理由は、2つあった。第一に、ここで用いた方法は、インビボの状態、すなわち、消化される食物はまず口腔粘膜を覆っている唾液の薄い層に包まれるという状態を模倣するものである。第二に、消化の前にα−アミラーゼ溶液がカスタードと混合されているため、混合物が被験者に呈示される前に澱粉分解が始まり、粘度の急速な低下が生じるためである。制限なしの食物処理では、被験者は、カスタードを好きなように口腔で5秒間処理した。制限付きの食物処理では、被験者は、口蓋に対して舌でカスタードを圧迫し、それから5秒間圧迫し続けた。いずれの場合も、5秒後、カスタードを嚥下する前に、風味と口当たりに関する知覚を査定した。後食感に関する知覚は、嚥下直後に査定した。
【0049】
「アカルボース研究」においては、水/アカルボース溶液の部分試料100μlをそれぞれ5mlのカスタード試料と混合して、被験者に呈示した。口腔での食物処理の後に試料を吐き出し、口をすすぐことを除いては、アミラーゼ研究と同様に査定を進めた。
【0050】
パネリストは、彼らが知覚した時系列的な順序で、官能的特質を査定した(以前にQDAパネルによって確立されたとおり、de Wijk et al. 2003a)。アミラーゼ研究に用いられる特質一式は、以前に作成された、臭気、風味、口当たり、及び後食感に関する35の特質の一部で、代表的とされる特質であった。35の特質がすべて含まれている特質一式は、アカルボース研究で用いられた(表1参照)。それらの特質は、各パネリストの前にあるモニターにカテゴリーごとに表示され、左側には特質、右側には両端にアンカーを設けた100点式の回答尺度(a 100-point response scale anchored at the extremes)(FIZZ Biosystemes社製、フランス、1998)が示された。パネリストはマウスを使い、各特質について知覚した強度を示した。各製品に対し、最初に匂いをかぎ、その後で臭気特質を評価した。次に、製品を口に入れ、その後で味/風味特質及び口当たり特質を、パネリストが知覚した順番に評価した。最後に、製品を嚥下して(アミラーゼ研究)又は吐き出して(アカルボース研究)、後食感特質を評価し、次の試料を呈示される前に、パネリストは口をすすいだ。各パネリストの回答の収集は、FIZZソフトウェアを用いてコンピューターで行った。
【0051】
統計学的分析
アミラーゼとアカルボースの濃度及び改変された挙動が官能的特質に及ぼす作用について、ホイン・フェルト値をイプシロンとして、複製物全体を平均した知覚データに対して実行した反復測定ANOVA(SPSS version 11.5、SPSS Inc.社製、米国)を用いた一変量の分析を行った。アミラーゼについての結果は、澱粉系カスタードの種類(自由度(df):1,16)、口腔内食物処理の種類(df:1,16)、及びアミラーゼ濃度(df:3,48)を主要因とするネスト化(nested)被験者内計画に基づいていた。アカルボースについての結果は、澱粉系カスタードの種類(自由度(df):1,7)、及びアカルボース濃度(df:4,28)を主要因とする同じ統計的計画に基づいていた。CMC系カスタードに関する結果については、別個に分析した。すべての分析には、高次の相互作用についてのテストも含まれていた。有意な結果におけるP値については、結果の項目で報告する。クリーミーな口当たりと特定の特質との関係は、部分最小二乗回帰すなわちPLSR(Unscrambler Vs. 7.5、Camo Inc.社製、米国、コーバリス)を用いて、統計学的にモデル化された。
【0052】
2.結果
「アミラーゼ研究」
風味特質及びテクスチャー特質に対する被験者の平均評価を表2に示す。かかる結果により、アミラーゼを添加しても非澱粉CMC系カスタードの臭気特質、口当たり特質又は後食感特質のいずれに対しても影響を及ぼさなかったこと、苦味/化学味の強度には影響を及ぼし、アミラーゼを添加すると強度が増大したこと(P=0.01)が示された。これに対し、澱粉系カスタードでは、多数の特質がアミラーゼ添加による影響を受けていた。アミラーゼの濃度が上昇すると共に、濃厚な口当たり(P=0.004)、クリーミーな口当たり(P<0.0001)、脂っこい後食感(P=0.05)及びバニラ味(P=0.001)の知覚が減少し、口どけのよい口当たり(P=0.001)、不均質な口当たり(P=0.006)、及び苦味/化学味の知覚が有意に増大した。CMC系カスタードでは、口腔内食物処理の種類が影響を及ぼしたのはふんわりした口当たりだけであり、この口当たりは制限なしの条件において最も強かった(P=0.01)。澱粉系カスタードでは、制限なしの食物処理を制限付きの食物処理と比較した結果、口どけがよい(P=0.02)、ざらつき(P=0.03)、及びバニラ味で評価が高くなっており、ちくちくする口当たり(P=0.02)で評価が低くなっていた。処理条件とアミラーゼ濃度との間に有意な相互作用がないことにより示されているように、アミラーゼ濃度の増大は、制限付き及び制限なしの口腔内食物処理に対して、同等に(非)効率的であった。
【0053】
「アカルボース研究」
最高濃度でアカルノースが存在しても、アカルボースを全く含有しないコントロールと比較して、CMC系カスタードの特質に対してなんの影響も及ぼさなかった。これに対し、澱粉系カスタードデザート中でアカルボースの濃度が増大した結果、口どけのよい口当たり(P=0.001)で非常に大きな減少が発生し、臭気強度(P=0.05)、バニラ臭(P=0.05)、温度的な口当たり(P=0.001)、濃厚な口当たり(P=0.01)、クリーミーな口当たり(P=0.05)、べたつく口当たり(P=0.02)、脂っこい口当たり(P=0.02)、腐敗味(P=0.005)、及びクリーミーな後食感(P=0.002)については、評価が増大した。脂っこい後食感(P=0.06)及びぬめぬめした後食感(P=0.06)では、わずかに有意に増大した評価が認められた。結果を表3に示す。
【0054】
かかる結果は、澱粉分解の、特に食物の粘度に関連する感覚に対する重要性を示している。非澱粉CMC系カスタードではほとんど作用が認められなかったという事実は、アカルボースとアミラーゼの添加による作用が実際に澱粉分解に関連していることを示すものである。澱粉系のカスタードでは、アミラーゼを添加した結果、口どけのよさに関する知覚が増大し、濃厚さに関する知覚が減少している。一方、アカルボースの添加は、逆の作用を示した。すなわち、口どけのよさが減少し、濃厚さが増大した。他の特質も影響を受けていた。クリーミーな口当たりは、アミラーゼの添加により減少し、アカルボースの添加により増大した。同様の結果が、クリーミーな後食感(ただし、アカルボースについてのみ)及び脂っこい後食感(アミラーゼとアカルボース両方について)に認められた。食物の品質として非常に望ましいものと考えられているクリーミーな口当たりは、アミラーゼ添加時に最大25%減少し(AHカスタード)、アカルボース添加時に最大59%増大した(Creamexカスタード)。
【0055】
部分最小二乗(PLS)多変量分析を実施して、クリーミーな口当たりの評価における変化が、主に口どけのよさと濃厚さの評価における変化に関連しているのかどうか、又は他の特質の評価における変化も重要であるのかどうかについて、検証した。PLSの結果は、クリーミーな口当たりに及ぼす作用は、口どけのよさに関する知覚及び濃厚さに関する知覚に及ぼす作用に部分的にしか関連していないことを示している。アミラーゼの添加により生じたクリーミーな口当たりにおける変化は、苦味/化学味、脂っこい後食感、及びとろける口当たり(r=0.98)の組み合わせにより充分予想されており、アカルボースの添加により生じた変化は、塩味、「風味強度」において組み合わせられるすべての風味、バニラ味、及び口どけのよい口当たり(r=0.98)の強度により充分予想されていた(表4及び図1a、bを参照)。
【0056】
クリーミーな口当たりに対する、選択された粘度及び脂肪関連特質と組み合わさったある種の風味の重要性は、カラギナン、脂肪及び澱粉の含有量がカスタードの知覚に対して及ぼす作用に関する以前の研究結果と合致するものである。特に、クリーミーな口当たりの評価は、バニラ味との間で高い正相関を示した(de Wijk et al. 2003b; Daget et al. 1988)。同様に、クリーミーな口当たりとバニラ味は、本研究において正相関を示した(アミラーゼについてはr=0.64、アカルボースについてはr=0.92、p<0.01)。以前の研究では、風味の作用は脂肪含有量と関連しているとの仮説が立てられていた。脂肪含有量が増大すると、結果として、バニラ味、油っぽい/脂っこい味、及びクリーム味など、一般に、クリーミーな食物に付随する脂溶性風味の風味放出が増大する。これらの脂肪由来風味は、苦味/化学味など、脂肪以外の原料、例えば澱粉に起因する場合がある、ある種の好ましくない風味を抑制するように思われる。加えて、潤滑性もクリーミーな口当たりという知覚に影響を与えることが示唆されている。本研究では、各被検カスタードにおける脂肪含有量は不変であるが、アカルボース及びアミラーゼの存在によって別の方法でバニラ味の放出が変化する可能性がある。Odake et al. (1998) は、サンプリング用フラスコの中でプランジャーを上下させることにより舌の上下動を再現する動的ヘッドスペースモデルを用いて、クリームタイプのドレッシングからの風味放出の機器測定を行った。人工唾液によって希釈された結果としての食物の粘度低下は、結果的にジアセチルの放出減少をもたらした。粘度の低い食物はプランジャーとフラスコの表面にくっつきにくく、結果として表面積が減少し、それによって風味の放出も減少する、ということが考えられる。本研究においては、アミラーゼによって分解したカスタードのバニラ味の強度低下も、口内におけるカスタードの表面積の減少――及び付随する風味放出の減少――に関連している場合がある。
【0057】
口部運動の機能の1つは、食塊を唾液及びその酵素と混合して、酵素分解を増大させることである(de Wijk et al. 2003a)。よって、制限なしの口腔内食物処理がより複雑なものになると、結果的に混合が進み、添加したアミラーゼが最大の効果を示すようになる。しかし、口腔内食物処理の種類とアミラーゼ濃度との間に有意な相互作用が欠如していることは、口腔内食物処理の種類が添加したアミラーゼの効果に何の作用も及ぼさないことを示している。本研究で用いた2種類の食物処理、すなわち、食物を口蓋に対して圧迫することと制限なしの処理との間には、充分な相違点がなかったという可能性がある。
結論として、澱粉含有半固体食品の官能評価は、アミラーゼ活性によって誘発される口内での澱粉分解を低減させることにより改善されることが、実施例によって示されている。改善された官能的特質には、感知された口どけのよさ及び濃厚さなど、粘度に関連するものも含まれるが、クリーミーさや脂肪質など、一般に脂肪/油の機能性に関連する特質も含まれる。
【0058】
バニラカスタードデザートのアカルボース研究で使用された、臭気(a)、風味/味(b)、口当たり(c)及び後食感(d)に関する35の記述用語のリスト。太字及びイタリック体で印刷された特質の一部は、アミラーゼ研究でも使用されている。口当たり特質及び後食感特質については、パネルの定義も含まれている。指示がない場合のアンカー(anchors):非常に少ない――非常に多い。各カテゴリー内の特質の順序は、咀嚼中にそれらが知覚された経時的な順序に基づいている。
【表1】

【0059】
アミラーゼの濃度が、2つの澱粉系カスタード(AH及びBL)並びに1つの非澱粉系カスタード(CMC)の風味(−fl)特質、口当たり(−mo)特質、及び後食感(−af)特質に対する被験者の平均評価に及ぼす作用。アミラーゼの濃度は0〜640単位までさまざまであり、被験者は、通常どおりの食物処理を5秒間行う(制限なし、すなわちU)か、又は、食物を口蓋に対して5秒間圧迫する(制限付き、すなわちR)か、そのいずれかの指示を受けた。太字の評価はアミラーゼ濃度による影響を有意に受けた特質である(P<0.05)。イタリック体の評価は、口腔内食物処理の種類によって有意に影響をうけた特質である(P<0.05)。
【表2】

【0060】
アカルボースの濃度が、2つの澱粉系カスタード(Boerenland(BL)及び Creamex(Cr))並びに1つの非澱粉系カスタード(CMC)に対する臭気(−od)特質、風味(−fl)特質、口当たり(−mo)特質、後食感(−af)特質及び後味(−at)特質に対する被験者の平均評価に及ぼす作用。アカルボース濃度は0〜2mgまでさまざまであり、被験者は、通常どおりの食物処理を行うように指示された。太字の評価はアカルボース濃度による影響を有意に受けた特質である(P<0.05)。
【表3】

【0061】
アカルボース(左)及びアミラーゼ(右)研究のための部分最小二乗回帰係数及び標準誤差(Se)であり、クリーミーな口当たりの評価を他の特質の評価と関連づけるものである。太字の係数は、有意にゼロとは異なっている。イタリック体の係数は、図1に示すクリーミーな口当たりの評価を予測するために選択した特質を示す。アミラーゼについての結果は、比較可能性を確保するために制限なしの口腔内食物処理条件にのみ基づいている。
【表4】

【実施例2】
【0062】
実施例2――モノグリセリド
モノグリセリドが唾液誘導性澱粉構造分解の効果的な阻害剤であるかどうかを確認するために、以下の実験を行った。
【0063】
脂肪分の高い(3重量%)バニラカスタード(Friesche Vlag社製)を本実験に用いた。モノグリセリドは、Quest International B.V.社から入手した。使用したモノグリセリドは、Myvatex Mighty Soft XL K(製品コード5Z10581)であった。
【0064】
モノグリセリドと2mlのヒト唾液(10°DH水で希釈した唾液;DHは、ドイツ硬度を指す)をバニラカスタード(30g)に添加し、モノグリセリド濃度を1重量%又は10重量%とした。コントロールとして、10°DH水のみを2ml添加したバニラカスタード(30g)又は、10°DH水とヒト唾液(1:1)の混合液を2ml添加したバニラカスタードを用いた。
【0065】
Rapid Viscoanalyser RVA-4SAを用いて、試料の粘度を測定した。結果を、図2及び表5に示す。30秒から60秒の間で高く維持されている粘度からわかるように、1%のモノグリセリドは、澱粉構造分解を阻害するのに非常に効果的であった。10%のモノグリセリドも、コントロールに比べると有意な作用を示したが、1重量%のモノグリセリドほど強力ではなかった。
【0066】
【表5】

【実施例3】
【0067】
実施例3――架橋澱粉
カスタードデザートの唾液誘発性澱粉構造分解と、それと類似した、同程度のとろみを有する3種類の澱粉のアミラーゼ誘発性構造分解特性とを比較した際に、強度をレオロジー的に測定した。
【0068】
Farinex VA50T(タピオカ系、かなり架橋度の低い澱粉)が最も早く分解し、その後にFarinex VA40(中程度の架橋度の馬鈴薯澱粉)とFarinex VA70(高架橋度の馬鈴薯澱粉)が続き、後者は最も緩慢であり、穏やかな分解のみを示した。
【0069】
官能分析は、低架橋澱粉に付随する急速な分解が、知覚されるクリーミーさを結果的に低下させ、その一方で、高架橋澱粉に付随するゆっくりとした分解が、結果的に高いクリーミーさをもたらすことを示した。
【0070】
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【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1a】アミラーゼ研究のためのクリーミーな口当たりの評価における、予想値対測定値。
【図1b】アカルボース研究のためのクリーミーな口当たりの評価における、予想値対測定値。
【図2】120秒(横軸)にわたって測定された、脂肪分の高いバニラカスタード(Friesche Vlag社製)の粘度(cP)に及ぼすモノグリセリドの作用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉含有半固体食品の官能評価を改善する方法であって、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解を低減させることを含む方法。
【請求項2】
半固体食品が、低脂肪製品であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
官能評価が、臭気、口当たり、風味又は味、及び後食感のうちの1つ以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
官能評価が、臭気強度、油脂臭、バニラ臭、とろみのある口当たり、クリーミーな口当たり、脂っこい口当たり及びクリーミーな後食感のうちの1つ以上であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
官能評価が、苦味、不均質性、ざらついた口当たり、渋い後食感、及びぬめりのうちの1つ以上であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項6】
半固体食品が、1つ以上のアミラーゼ阻害剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項7】
アミラーゼ阻害剤が、α−アミラーゼ阻害剤タンパク質、単糖、pH還元化合物及びモノグリセリドからなる群から1つ以上選ばれることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
半固体食品の澱粉が化学修飾されており、それにより、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項9】
半固体食品の澱粉がコーティングされており、それにより、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項10】
半固体食品が、該食品のpHを約6.3以下にまで下げることが可能な酸性化化合物を含んでおり、それにより、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項11】
摂食時の官能評価が改善された澱粉含有半固体食品であって、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解を低減するのに充分な量のアミラーゼ阻害剤を含んでいる澱粉含有半固体食品。
【請求項12】
アミラーゼ阻害剤が、α−アミラーゼ阻害剤タンパク質、単糖、pH還元化合物及びモノグリセリドからなる群から1つ以上選ばれることを特徴とする請求項11記載の澱粉含有半固体食品。
【請求項13】
摂食時の官能評価が改善された澱粉含有半固体食品であって、澱粉が化学修飾されており、それにより、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減する澱粉含有半固体食品。
【請求項14】
摂食時の官能評価が改善された澱粉含有半固体食品であって、澱粉がコーティングされており、それにより、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減する澱粉含有半固体食品。
【請求項15】
摂食時の官能評価が改善された澱粉含有半固体食品であって、酸性化化合物を含んでおり、それにより、該食品のpHが約6.3以下にまで下がり、唾液アミラーゼによって誘発される澱粉構造分解が低減する澱粉含有半固体食品。
【請求項16】
澱粉含有半固体食品が、低脂肪製品であることを特徴とする請求項11〜15のいずれか記載の澱粉含有半固体食品。
【請求項17】
改善された官能評価が、臭気強度、バニラ臭、とろみのある口当たり、クリーミーな口当たり、脂っこい口当たり及びクリーミーな後食感のうちの1つ以上であることを特徴とする請求項11〜16のいずれか記載の澱粉含有半固体食品。
【請求項18】
澱粉含有半固体食品が、デザート、マヨネーズ、加糖練乳製品、ソース、ドレッシング、ベビーフード又はスープであることを特徴とする請求項11〜17のいずれか記載の澱粉含有半固体食品。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−518420(P2007−518420A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550979(P2006−550979)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/NL2005/000057
【国際公開番号】WO2005/070227
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】