説明

アミリンの改良された誘導体

本発明は、アルブミンおよび/またはアミリン受容体と結合するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体、これらの誘導体を含む薬学的組成物及びこれを得る方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルブミンおよび/またはアミリン受容体と結合するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体、これらの誘導体を含む薬学的組成物、それを得る方法、及び医薬としての使用するためのアミリン誘導体に関する。
【発明の背景】
【0002】
真正糖尿病と肥満を患う人の数は多く且つ増えている。真正糖尿病はグルコースを利用する能力が部分的にまたは完全に失われる代謝異常である。
多くの治療レジメは過剰な血液グルコースを標的とし、一方で他は主として減量に焦点を置く。血液グルコースを低下させるために使用される最も有効な抗糖尿病剤は、インスリンとそのアナログである。従来のインスリンを糖尿病を治療するために用いる場合、体重の増加を伴うことは、長い間知られていた。インスリンは、日に最大数回、皮下に注入されなければならない。
【0003】
2型糖尿病は、初期段階では、通常、食事と運動により治療される。病状が進行するにつれて、さまざまな経口抗糖尿病薬剤が加えられる。また、GLP-1アナログのような注入剤が、この段階で用いられてもよい。通常は、これらの薬剤は、インスリンとアミリンを放出することができる機能を持つ患者において、最も有効である。
ヒトアミリンは、37アミノ酸長のペプチドであり、薬としてのその使用が問題となる生理−化学的性質を有する。特に、それはインビボ及び/又はエクスビボでフィブリル化する傾向があり、沈殿により効果がなくなる。シムリン(登録商標)と呼ばれている製剤は、現在、市販されており、ヒトアミリン(プラムリンチド)のアナログを含む。プラムリンチドにおいて、37アミノ酸のうちの3つは、ヒトアミリンと比較してプロリンに置換されている。これは、フィブリル化傾向をかなり改良する。しかしながら、プラムリンチドであっても中性pHの溶液中に保つことは難しく、そのため酸性溶液で提供される(すなわちシムリン(登録商標))。
【0004】
改良された薬物動態学的又は薬力学的(PK/PD)特性を有するさまざまなアミリンアナログ及び誘導体が記載されている。しかしながら、天然ヒトアミリンを超える改良された溶解性および/または安定性を示す、天然ヒトアミリンの活性を有するアナログ及び誘導体、更に遅延性薬物動態学的プロフィールを有する誘導体に対する要求が依然としてある。
【0005】
(発明の開示)
本発明は、一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
a)位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であって、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
b)位置3、17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
c)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体に関する。
【0006】
本発明は、更なる一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体の患者における作用時間を増大させる方法であって、
a)位置1のアミノ酸残基が、場合により任意の天然アミノ酸と置換され、1−10アミノ酸からなるN末端伸長に前記天然アミノ酸が連結されており、更に
a.前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換することによって、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって修飾されるか、又は;
b)位置3、17、21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換され、及び前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか、
又は;
c)位置18のアミノ酸残基はアルギニン残基に置換され、位置2−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基に置換され、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され;
d)位置18のアミノ酸はアルギニンであり、位置25、位置28と位置29のアミノ酸はプロリンであり;位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換され、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致することを特徴とする方法に関する。
また、本発明は、本発明による誘導体を含む薬学的組成物、及びを疾患を治療するための医薬の調整のための本発明による誘導体の使用を提供する。
【0007】
(本発明の説明)
本発明の目的は、アルブミンおよび/またはアミリン受容体と結合するヒトアミリンまたはアナログの誘導体を提供することである。
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
a)位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であって、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
b)位置3、17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
c)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、ここで前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されているものであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0008】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、そこにおいて
a)位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であって、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して、連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
b)位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
c)位置17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
d)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されているものであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0009】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であって、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して、連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており;
位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基がプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0010】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置3,17,21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基と置換されており、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結されており、位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基がプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0011】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基がグルタミン酸又はアルギニンであり、前記グルタミン酸又はアルギニンが1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0012】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基がグルタミン酸又はアルギニンであり、前記グルタミン酸又はアルギニンが1−6アミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0013】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基がグルタミン酸又はアルギニンであり、前記グルタミン酸又はアルギニンが5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸又は1アミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0014】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換され、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0015】
一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置3のアミノ酸残基がリシン残基と置換されており、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0016】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置17,21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基と置換されており、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0017】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置17のアミノ酸残基がリシン残基と置換されており、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0018】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置21のアミノ酸残基がリシン残基と置換され、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0019】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置29のアミノ酸残基がリシン残基と置換されており、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0020】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置18のアミノ酸残基はアルギニン残基であり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基に置換され、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0021】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基がグルタミン酸又はアルギニンであり、位置25、28および29のアミノ酸残基がプロリンであり、前記グルタミン酸又はアルギニンが5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸又は1アミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0022】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置25、28および29のアミノ酸残基がプロリンであり、位置1−17又は19−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換され、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0023】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基がグルタミン酸又はアルギニンであり、位置18のアミノ酸残基がアルギニンであり、位置25、28及び29のアミノ酸残基がプロリンであり、前記グルタミン酸又はアルギニンが5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸又は1アミノ酸からなるN末端伸長に結合し、前記伸長がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0024】
本発明の一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置18のアミノ酸残基がアルギニンであり、位置25、28及び29のアミノ酸残基がプロリンであり、位置1−17又は19−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換され、前記リシン残基がアルブミン結合残基に場合によりリンカーを介して更に連結されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体を提供する。
【0025】
以下は態様の非限定的リストであり、それは本願明細書の他に更に記載されている:
1. 配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
a)位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
b)位置3、17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
c)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

2. 態様1に記載の配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
a)位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており;
または、
b)位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換され、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
c)位置17、21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換され、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
d)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換され、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に結合されているものであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

3. 位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸である、態様1又は2に記載の配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
a)前記伸長が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に更に連結され、
b)位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され、
位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基はプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

4. 位置3、17、21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され;位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基鎖はプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、態様1又は2に記載の配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。


5. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様1−4の何れか一つに記載の誘導体。

6. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置17のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様6に記載の誘導体。

7. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置21のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結さている、態様1−4の何れか一つに記載の誘導体。

8.配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置25のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様1−4の何れか一つに記載の誘導体。

9. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様1−4の何れか一つに記載の誘導体。

10. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、位置18のアミノ酸残基がアルギニンであり、位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基がプロリンであり、位置1−17又は19ー37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様1−4の何れか一つに記載の誘導体。
【0026】
11. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−12のアミノ酸置換を有する、態様1−10の何れか一つに記載の誘導体。

12. 誘導体がヒトアミリンと比較して3−10のアミノ酸置換を有する、態様1−11の何れか一つに記載の誘導体。

13.誘導体がヒトアミリンと比較して3、4、5,6,7,8又は9アミノ酸置換を有する、態様1−12の何れか一つに記載の誘導体。

14. 誘導体が配列番号17のヒトアミリンのアナログであって、ヒトアミリンと比較して0−8の更なる荷電が加えられた、態様1−13の何れか一つに記載の誘導体。

15. 0−8の更なる荷電は、ヒトアミリンまたはアナログの一つ以上のアミノ酸残基を荷電アミノ酸により置換されることによって、および/またはN末端伸長に荷電アミノ酸を加えることによって、またはアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーおよび/またはリンカーに負に荷電しているものを付加することによって加えられる態様14に記載の誘導体。

16. 0−8の更なる荷電は、ヒトアミリンまたはアナログの一つ以上のアミノ酸残基をグルタミン酸及び/又はアスパラギン酸により置換することによって、及び/又はN末端伸長に荷電アミノ酸を付加することにより加えられる態様14又は15に記載の誘導体。

17. 0−8の更なる荷電はN末端伸長に荷電アミノ酸を付加することによって加えられる態様14−16の何れか一に記載の誘導体。

18. 誘導体が1−10のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様1−17の何れか一に記載の誘導体。

19. 誘導体が1−8のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様18に記載の誘導体。

20. 誘導体が1−6のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様19に記載の誘導体。
【0027】
21. 誘導体が5ミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様20に記載の誘導体。

22. 誘導体が4アミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様20に記載の誘導体。

23. 誘導体が3アミノ酸からなるN末端伸長を含み、前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して、更に連結される態様20に記載の誘導体。

24. N末端伸長が、Glu-Glu-Arg、Glu-Glu-Glu及びGlu-Lys-Argからなる群から選択される、態様23に記載の誘導体。

25. 誘導体が2アミノ酸からなるN末端伸長を含み、前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して、更に連結される態様20に記載の誘導体。

26. N末端伸長がGlu-Lysである、態様25に記載の誘導体。

27. 誘導体が1アミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結される、態様20に記載の誘導体。

28. N末端伸長が、Arg、Lys及びGluからなる群から選択される、態様25に記載の誘導体。

29. 式1:
Xaa-Cys-Xaa-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Xaa17-Xaa18-Ser-Ser-Xaa21-Asn-Xaa23-Gly-Xaa25-Xaa26-Leu-Xaa28-Xaa29-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr(配列番号18)
[式中、Xaaは欠失するか又は独立にLys、Arg及びGluから選択され;
Xaaは、Asn、Gly、Gln及びLysから独立に選択され;
Xaa17は、Ala、Val及びLysから独立に選択され;
Xaa18は、His、Pro及びArgから独立に選択され;
Xaa21は、Asn、Gln及びLysから独立に選択され;
Xaa23は、Phe及びLeuから独立に選択され;
Xaa25は、Ala、Pro及びLysから独立に選択され;
Xaa26は、Val及びIleから独立に選択され;
Xaa28は、Ser及びProから独立に選択され;
Xaa29は、Ser、Pro及びLysから独立に選択され;
C末端は、場合によりアミドとして誘導されてもよく;
N末端は、場合により1−10のアミノ酸残基によって伸長されてもよい]
のアミノ酸配列を含む誘導体であって、
アミノ酸残基Xaaは1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に接続され、伸長は場合によりリンカーを介してアルブミン残基に更に連結することができるものであるか、又はアミノ酸残基Xaa、Xaa、Xaa17、Xaa21、Xaa25またはXaa29はリシンであり、前記リシンは場合によりリンカーを経て、アルブミン結合残基に連結されており、
XaaがLysであり、XaaがAsnであり、Xaa21がAsnであり、Xaa25はAlaまたはProである場合は、Xaa29はLysであり;
XaaがGluまたはArgである場合は、前記GluまたはArgは1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長はアルブミン結合残基に更に連結され、
XaaがLysである場合、場合により任意にリンカーを介して、式(1)のXaa、Xaa、Xaa21、Xaa25及びXaa29からなる群から選択される位置の1アミノ酸はアミノ酸結合残基に連結される、態様1に記載の誘導体。

30. アルブミン結合残基が親油性残基である、態様29に記載の誘導体。
【0028】
31. アルブミン結合残基が生理学的pHで負に荷電する、態様29に記載の誘導体。
32. アルブミン結合残基が生理学的pHで負に荷電する基を含む、態様29に記載の誘導体。

33. アルブミン結合残基がカルボン酸基を含む、態様32に記載の誘導体。

34. アルブミン結合残基がアルブミンに非共有結合する、態様29−33に記載の誘導体。
35. アルブミン結合残基がヒト血清アルブミンに対して約10μM以下又は約1μM以下の結合親和性を有する、態様29−34に記載の誘導体。

36. アルブミン結合残基が直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、ωカルボン酸基を有する基、及び部分的にまたは完全に水素化されたシクロペンタノフェナンスレン骨格からなる群から選択される、態様29に記載の誘導体。

37. アルブミン結合残基がシバクロニル残基である、態様29に記載の誘導体。

38. 親油性残基が部分的にまたは完全に水素化されたシクロペンタノフェナンスレン骨格を含む、態様29に記載の誘導体。

39. アルブミン結合残基が6から40炭素原子、8から26炭素原子又は8から20炭素原子を有する、態様29−30に記載の誘導体。

40. アルブミン結合残基がCH(CH)CO-
[式中、rは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]から選択され、
より好ましくは
CH(CH)CO-、CH(CH)CO-、CH(CH)10CO-、CH(CH)12CO-、CH(CH)14CO-、CH(CH)16CO-、CH(CH)18CO-、CH(CH2)20CO-及びCH(CH)22CO-から選択されるアシル基である、態様29−30に記載の誘導体。
【0029】
41. アルブミン結合残基が直鎖状または分枝状アルカンα,ω-ジカルボン酸のアシル基である、態様29−30に記載の誘導体。

42. アルブミン結合残基はHOOC(CH)CO-
[式中、sは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]
から選択され、より好ましくはHOOC(CH)14CO-、HOOC(CH)16CO-、HOOC(CH)18CO-、HOOC(CH)20CO-とHOOC(CH)22CO-を含むアシル基から選択される態様29−30に記載の誘導体。

43.アルブミン結合残基は、
式CH(CH)CO-NHCH(COOH)(CH)CO-
[式中、vは10から24の整数である]
の基である、態様29−30に記載の誘導体。

44. アルブミン結合残基は、
式CH(CH)CO-NHCH((CH)COOH)CO-
[式中、wは8から24の整数である]
の基である、態様29−30に記載の誘導体。

45. アルブミン結合残基は、
式-NHCH(COOH)(CH)NH-CO(CH)CH
[式中、yは8から18の整数である]
の基である、態様29−30に記載の誘導体。

46. アルブミン結合残基が

[式中lは12、13、14、15、16、17、18、19または20である]である、態様29に記載の誘導体。

47. アルブミン結合残基がリシン残基のε-アミノ基を経て接続される、態様29−46の何れか一つに記載の誘導体。

48. リンカーが1−4アミノ酸残基を含む、態様29−47の何れか一つに記載の誘導体。

49. リンカーがGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Glu、Glu、Glu-Glu、Glu-Glu-Argである、態様48に記載の誘導体。

50. リンカーが一つ以上のアルキレングリコール単位、例えば1から5のエチレングリコール単位を含む、態様29−49に記載の誘導体。
【0030】
51. リンカーが
-C(O)-(CH)-O-[(CHCH-O]-(CH)-[NHC(O)-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)]-NH-
[式中、l、m、n及びpは独立に1−5であり、qは0−5である]
を含む、態様29−50の何れかに記載の誘導体。

52. リンカーがヘクサデカノイルスルファモイル部分を含む、態様29−51の何れかに記載の誘導体。

53. 態様1−52に記載の誘導体及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。

54. 非経口投与に適している、態様53に記載の薬学的組成物。

55. 医薬として使用するための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体。

56. 高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防における医薬として使用するための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体。

57. 2型糖尿病の病気の進行を遅延又は予防するために医薬として使用するための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体。

58. 摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のための医薬として使用するための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体。医薬の調整のための態様1−42の何れか一つに記載の誘導体の使用。

59. 高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防における医薬として使用するための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体の使用。

60.2型糖尿病の病気の進行を遅延又は予防するために医薬の調整のための態様1−52の何れか一つに記載の使用。
【0031】
61. 摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のための医薬の調整のための態様1−52の何れか一つに記載の誘導体の使用。

62. ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体の患者における作用時間を増大させる方法であって
a)位置1のアミノ酸残基を場合により任意の天然アミノ酸と置換し、1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に前記天然アミノ酸を連結し、更に
a.前記伸長をアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結するか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基を場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって、
又は;
b)位置3、17、21、25又は29のアミノ酸残基をリシン残基と置換そ、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって、又は;
c)位置18のアミノ酸残基をアルギニン残基に置換し、位置2−17または19−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基を任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって;
改変し、
d)位置18のアミノ酸はアルギニンであり、位置25、位置28と位置29のアミノ酸はプロリンであり;位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結される;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致することを特徴とする、方法。

63. ヒトアミリンまたはそのアナログの作用時間が患者において約40時間以上まで増大される、態様62に記載の方法。

64. ヒトアミリンまたはそのアナログが態様1−52の何れかの一つにおいて定義されている、態様62又は63の何れかの一つに記載の方法。

65. 被験体の高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、エックス症候群、異脂肪血症を治療、予防又は軽減するための方法であって、態様1−52の何れかの一つに記載の誘導体又は態様53又は54に記載の薬学的組成物を被検体に投与することを含む方法。

66. 薬学的に許容可能な物質および/または賦形剤と態様1−52の何れか一つに記載の誘導体を混合することを含む、態様53または54に記載の薬学的組成物を調製する方法。

67. 実施例に記載のアミリン誘導体。
【0032】
更に、本発明は、以下の態様にまとめられる:

1a. 配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
前記伸長が更にアルブミン結合残基に連結されるか、又は
位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
位置3、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
または、
位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結され、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

2a. 態様1aに記載の、配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
前記伸長が更にアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されるか、又は
位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されており;
または、
位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されるか;
または、
位置21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されるか;
または、
位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換され、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されているものであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

3a. 態様1a又は2aに記載の、配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
前記伸長が、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結され、
位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結され、
場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

4a. 位置3、21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結され;
場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、態様1a又は2aに記載の配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。

5a.態様1a又は2aに記載の、配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10アミノ酸からなるN末端伸長に連結される任意の天然アミノ酸であり、
前記伸長が、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結されるか、
又は
位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されるか、
又は
位置3、21、25又は29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されるか、
又は
位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17及び位置19−37のアミノ酸はリジン残基に置換されており、前記リジン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結される、誘導体。

6a. 配列番号17を有するヒトアミリン又はそのアナログの誘導体であって、
位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結されている、態様1a−4aの何れか一に記載の誘導体。

7a. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置3のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基に更に連結されている、態様6aに記載の誘導体。

8a. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置21のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結されている、態様1a−4aの何れか一に記載の誘導体。

9a.配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置25のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結されている、態様1a−4aの何れか一に記載の誘導体。

10a. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結されている、態様1a−4aの何れか一に記載の誘導体。
【0033】
11a. 配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置18のアミノ酸残基がアルギニンであり、位置1−17又は19ー37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結されている、態様1a−4aの何れか一に記載の誘導体。

12a. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−12のアミノ酸置換を有する、態様1a−11aの何れか一に記載の誘導体。

13a. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−10のアミノ酸置換を有する、態様1a−12aの何れか一に記載の誘導体。

14a. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−8のアミノ酸置換を有する、態様1a−13aの何れか一に記載の誘導体。

15a. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−6のアミノ酸置換を有する、態様1−14の何れか一に記載の誘導体。

16a. 誘導体がヒトアミリンと比較して1−4のアミノ酸置換を有する、態様1a−15aの何れか一に記載の誘導体。

17a.誘導体が配列番号17のヒトアミリンのアナログであって、ヒトアミリンと比較して0−8の更なる荷電が加えられている、態様1a−16aの何れか一つに記載の誘導体。

18a. 0−8の更なる荷電は、ヒトアミリンまたはそのアナログの一つ以上のアミノ酸残基を荷電アミノ酸により置換されることによって、および/またはN末端伸長に荷電アミノ酸を加えることによって、またはアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーおよび/またはリンカーに負に荷電しているものを付加することによって加えられる態様17aに記載の誘導体。

19a. 0−8の更なる荷電は、ヒトアミリンまたはそのアナログの一つ以上のアミノ酸残基をグルタミン酸及び/又はアスパラギン酸により置換することによって、及び/又はN末端伸長に荷電アミノ酸を付加することにより加えられる態様17a又は18aに記載の誘導体。

20a. 0−8の更なる荷電はN末端伸長に荷電アミノ酸を付加することによって加えられる態様17a−19aの何れか一に記載の誘導体。
【0034】
21a. 誘導体が1−10のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して連結される、態様1a−3a、5a又は12a−20aの何れか一に記載の誘導体。

22a. 誘導体が1−8のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して連結される、態様21aに記載の誘導体。

23a. 誘導体が1−6のアミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して連結される、態様22aに記載の誘導体。

24a. 誘導体が5ミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して連結される、態様23aに記載の誘導体。

25a. 誘導体が4アミノ酸からなるN末端伸長を含み、更に前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して連結される、態様24aに記載の誘導体。

26a. 誘導体が3アミノ酸からなるN末端伸長を含み、前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して、更に連結される態様25aに記載の誘導体。

27a. 誘導体が2アミノ酸からなるN末端伸長を含み、前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して、更に連結される態様26aに記載の誘導体。

28a. 誘導体が1アミノ酸からなるN末端伸長を含み、前記伸長がアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに、場合によりリンカーを介して、更に連結される態様27aに記載の誘導体。

29a. 式1:
Xaa-Cys-Xaa-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Xaa17-Xaa18-Ser-Ser-Xaa21-Asn-Xaa23-Gly-Xaa25-Xaa26-Leu-Xaa28-Xaa29-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr(配列番号18)
[式中、Xaaは欠失するか又は独立にLys及びGluから選択され;
Xaaは、Asn、Gly、及びLysから独立に選択され;
Xaa17は、Ala、Val及びLysから独立に選択され;
Xaa18は、His、Pro及びArgから独立に選択され;
Xaa21は、Asn、Gln及びLysから独立に選択され;
Xaa23は、Phe及びLeuから独立に選択され;
Xaa25は、Ala、Pro及びLysから独立に選択され;
Xaa26は、Val及びIleから独立に選択され;
Xaa28は、Ser及びProから独立に選択され;
Xaa29は、Ser、Pro及びLysから独立に選択され;
C末端は、場合によりアミドとして誘導されてもよく;
N末端は、場合により1−10のアミノ酸残基によって伸長されてもよい]
に記載のアミノ酸配列を含む誘導体であって、
XaaがLysであり、XaaがAsnであり、Xaa21がAsnであり、Xaa25はAlaまたはProである場合は、Xaa29はLysであり;
XaaはGluである場合は、前記Gluは1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に連結され、前記伸長はアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに更に連結され;
XaaがLysである場合、式(1)のXaa、Xaa、Xaa21、Xaa25及びXaa29からなる群から選択される位置の1アミノ酸は、場合により任意にリンカーを介して、アミノ酸結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結される、態様1aに記載の誘導体。

30a. 誘導体がポリエチレングリコールポリマーに連結される、態様1a−29aの何れか一に記載の誘導体。
【0035】
31a.ポリエチレングリコールポリマーは少なくとも30kDの分子量を有するポリエチレングリコールである、態様30aに記載の誘導体。

32a.ポリエチレングリコールポリマーは分枝状であるポリエチレングリコールである、態様30a又は31aに記載の誘導体。

33a.誘導体がアルブミン結合残基に連結される、態様1a−29aに記載の誘導体。

34a. アルブミン結合残基が親油性残基である、態様33aに記載の誘導体。

35a. アルブミン結合残基が生理学的pHで負に荷電する、態様33aに記載の誘導体。
36a. アルブミン結合残基が生理学的pHで負に荷電する基を含む、態様33aに記載の誘導体。

37a. アルブミン結合残基がカルボン酸基を含む、態様36aに記載の誘導体。

38a. アルブミン結合残基がアルブミンに非共有結合する、態様33a−38aに記載の誘導体。

39a. アルブミン結合残基がヒト血清アルブミンに対して約10μMより低い又は約1μMより低い結合親和性を有する、態様33a−38aに記載の誘導体。

40a. アルブミン結合残基が直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、ωカルボン酸基を有する基、及び部分的にまたは完全に水素化されたシクロペンタノフェナンスレン骨格からなる群から選択される、態様33aに記載の誘導体。
【0036】
41a. アルブミン結合残基がシバクロニル残基である、態様33aに記載の誘導体。

42a. 親油性残基が部分的にまたは完全に水素化されたシクロペンタノフェナンスレン骨格を含む、態様34aに記載の誘導体。

43a. アルブミン結合残基が6から40炭素原子、8から26炭素原子又は8から20炭素原子を有する、態様34aに記載の誘導体。

44a. アルブミン結合残基が
CH(CH)CO-
[式中、rは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]から選択され、
より好ましくは
CH(CH)CO-、CH(CH)CO-、CH(CH)10CO-、CH(CH)12CO-、CH(CH)14CO-、CH(CH)16CO-、CH(CH)18CO-、CH(CH2)20CO-及びCH(CH)22CO-から選択されるアシル基である、態様34aに記載の誘導体。

45a. アルブミン結合残基が直鎖状または分枝状アルカンα,ω-ジカルボン酸のアシル基である、態様34aに記載の誘導体。

46a. アルブミン結合残基は
HOOC(CH)CO-
[式中、sは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]
から選択され、より好ましくはHOOC(CH)14CO-、HOOC(CH)16CO-、HOOC(CH)18CO-、HOOC(CH)20CO-とHOOC(CH)22CO-を含むアシル基から選択される態様29−30に記載の誘導体。

47a.アルブミン結合残基は、
式CH(CH)CO-NHCH(COOH)(CH)CO-
[式中、vは10から24の整数である]の基である、態様34aに記載の誘導体。

48a. アルブミン結合残基は、
式CH(CH)CO-NHCH((CH)COOH)CO-
[式中、wは8から24の整数である]の基である、態様34aに記載の誘導体。

49a. アルブミン結合残基は、
COOH(CH)CO-
[式中、xは8から24の整数である]の基である、態様34aに記載の誘導体。

50a. アルブミン結合残基は、
式-NHCH(COOH)(CH)NH-CO(CH)CH
[式中、yは8から18の整数である]の基である、態様33aに記載の誘導体。
【0037】
51a.アルブミン結合残基が、40未満のアミノ酸残基を含むペプチドのようなペプチドである、態様33aに記載の誘導体。

52a.アルブミン結合残基がリシン残基のεアミノ基を介して結合される、態様33a−51aの何れか一に記載の誘導体。

53a. 態様33a−52aに記載の誘導体及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。

54a. 非経口投与に適している、態様53aに記載の薬学的組成物。

55a. 医薬として使用するための態様1a−52aの何れか一つに記載の誘導体。

56a. 高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防における医薬として使用するための態様1a−52aの何れか一に記載の誘導体。

57a. 2型糖尿病の病気の進行を遅延又は予防するために医薬として使用するための態様1a−52aの何れか一に記載の誘導体。

58a. 摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のための医薬として使用するための態様1a−52aの何れか一つに記載の誘導体。

59a. 医薬の調整のための態様1a−42aの何れか一つに記載の誘導体の使用。

60a. 高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、虚血性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防における医薬として使用するための態様1a−52aの何れか一に記載の誘導体の使用。
【0038】
61a.2型糖尿病の病気の進行を遅延又は予防するために医薬の調整のための態様1a−52aの何れか一に記載の使用。

62a. 摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のための医薬の調整のための態様1a−52aの何れか一に記載の誘導体の使用。

63a. ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体の患者における作用時間を増大させる方法であって
位置1のアミノ酸残基を場合により任意の天然アミノ酸と置換し、1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に前記天然アミノ酸を接続し、更に
前記伸長をアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結するか、又は
位置2−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結することによって、
又は;
位置3、21、25又は29のアミノ酸残基をリシン残基と置換し、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結することによって、
又は;
位置18のアミノ酸残基をアルギニン残基に置換し、位置2−17または19−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基を任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーに連結することによって;
改変し、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致することを特徴とする、方法。

64a. ヒトアミリンまたはそのアナログの作用時間が患者において約40時間以上まで増大される、態様63aに記載の方法。

65a. ヒトアミリンまたはそのアナログが態様1a−52aの何れかの一つにおいて更に定義されているものである、態様63a又は64aの何れかの一に記載の方法。

66a. 被験体の高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、エックス症候群、異脂肪血症を治療、予防又は軽減するための方法であって、態様1a−52aの何れかの一つに記載の誘導体又は態様53a又は54aに記載の薬学的組成物を被検体に投与することを含む方法

67a. 薬学的に許容可能な物質および/または賦形剤と態様1a−52aの何れか一に記載の誘導体を混合することを含む、態様53aまたは54aに記載の薬学的組成物を調製する方法。
【0039】
一態様において、提供されるヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体は高い効力を示す。更なる態様において、提供されるヒトアミリンまたはそれのアナログの誘導体は、ヒトアミリンと比較して改良された効力を示す。より更なる態様において、提供されるヒトアミリンまたはそれのアナログの誘導体は、プラムリンチドと同等の効力を示す。より更なる態様において、提供されるヒトアミリンまたはそれのアナログの誘導体は、プラムリンチドと比較して改良された効力を示す。
「効力」(または活性)なる用語は、本発明による誘導体のアミリン受容体に親和性を意味するために用いられ、例えばアッセイセクションにて説明するルシフェラーゼアッセイにおいて測定されることができる。
一態様において、提供されるヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体は、物理的に安定である。更なる態様において、提供されるヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体が、ヒトアミリンと比較して増大した物理的安定性を有する。
本発明による誘導体の「物理的安定性」なる用語は、本願明細書において使用される場合、疎水性表面と界面のような界面と表面を有する相互作用及び/又は熱機械ストレスに対するタンパク質の暴露の結果として、生物学的に不活性な及び/又は不溶性の凝集を作らないタンパク質の傾向である。本願明細書において他で記載されているように、水性タンパク質製剤の物理的安定性は外観検査、ThTフィブリル化アッセイおよび/または濁度測定によって評価することができる。
【0040】
本願明細書において使用する「ヒトアミリン」なる用語は、配列番号17にて示す配列を有するペプチドヒトアミリンを指す。この用語は、限定されるものではないが、アミリンと称される37アミノ酸のヒトペプチドホルモンを含み、すい臓のβ-細胞からインスリンと共分泌される。ヒトアミリンは、以下のアミノ酸配列を有する:Lys-Cys-Asn-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Val-His-Ser-Ser-Asn-Asn-Phe-Gly-Ala-Ile-Leu-Ser-Ser-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr(配列番号17)。したがって、構造式は、下に示すように、2つのCys残基の間のジスルフィド架橋及びC末端のアミド基を有するLys-Cys-Asn-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Val-His-Ser-Ser-Asn-Asn-Phe-Gly-Ala-Ile-Leu-Ser-Ser-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-NH(配列番号17)である。

【0041】
本文おいて、「ヒトアミリンのアナログ」なる用語は、配列番号17のヒトアミリンの1以上のアミノ酸残基が独立に他のアミノ酸により置換されているか及び/又はヒトアミリンの1以上のアミノ酸残基が欠失しているか及び/又は1以上のアミノ酸残基がヒトアミリンに付加されているペプチドを指すために使用される。一態様において置換または付加は、任意の天然アミノ酸による。アミリンアナログは、また配列番号17の少なくとも1つ以上のアミノ酸位置に挿入、欠失および/または置換を有するアミリンを含む。アミノ酸挿入、欠失または置換の数は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12である。挿入または置換は、他の天然又は非天然アミノ酸、合成アミノ酸、ペプチド疑似体または他の化学化合物によってされてもよい。
【0042】
本願明細書において使われる、「天然アミノ酸」なる用語は、グリシン(Gly及びG)、プロリン(Pro及びP)、アラニン(Ala及びA)、バリン(Val及びV)、ロイシン(Leu及びL)、イソロイシン(Ile及びI)、メチオニン(Met及びM)、システイン(Cys及びC)、フェニルアラニン(Phe及びF)、チロシン(Tyr及びY)、トリプトファン(Trp及びW)、ヒスチジン(His及びH)、リシン(Lys及びK)、アルギニン(Arg及びR)、グルタミン(Gln及びQ)、アスパラギン(Asn及びN)、グルタミン酸(Glu及びE)、アスパラギン酸(Asp及びD)、セリン(Ser及びS)とスレオニン(Thr及びT)から成る群から選択されるアミノ酸(かっこ内に通常の3文字コード及び1文字コードを伴う)である。タイピングエラーのために、一般的に用いられるコードからのずれがある場合、一般的に用いられるコードが適用される。本発明のインスリンに存在するアミノ酸は、好ましくは、核酸によってコードされることができるアミノ酸である。
本発明の一態様において、アミノ酸残基の付加または欠失が、ペプチドのN末端でおよび/またはペプチドのC末端で生じてもよい。
一態様において、親アミリンと比較して0−8の更なる荷電を有するアミリンアナログを得るために、アミノ酸残基の置換または追加は、グルタミン酸残基、リシン残基、アルギニン残基、ヒスチジン残基および/またはアスパラギン酸残基の置換および/または追加を含む。更なる態様において、親アミリンと比較して0−8の更なる荷電を有するアミリンアナログを得るために、アミノ酸残基の置換または追加は、グルタミン酸残基、アルギニン残基および/またはアスパラギン酸残基の置換および/または追加を含む。さらに他の態様において、親アミリンと比較して0−8の更なる荷電を有するアミリンアナログを得るために、アミノ酸残基の置換または追加は、グルタミン酸残基および/またはアルギニン残基の置換および/または追加を含む。なお更なる態様において、親アミリンと比較して0−8の更なる荷電を有するアミリンアナログを得るために、アミノ酸残基の置換または追加は、グルタミン酸残基の置換および/または追加を含む。
ヒトアミリンのアナログは、好ましくは30−45の天然に存在するか又は非天然に存在するアミノ酸、好ましくは35−40の天然に存在するか又は非天然に存在するアミノ酸を有する。
【0043】
本願明細書において使用される「誘導体」なる用語は、一以上のペプチドのアミノ酸残基が、例えばアルキル化、アシル化、エステル形成、アミド形成又はマレイミドカップリングによって改変されているペプチドを指す。
「ヒトアミリンまたはそのアナログ」または「アミリン誘導体」なる用語は、本願明細書において、ヒトアミリンの誘導体またはヒトアミリンのアナログの誘導体を指すために使用される。
本発明の更なる態様において、ヒトアミリンのアナログは、ヒトアミリンと比較して少なくとも70%のインビボ活性を呈するような、ヒトアミリンと十分な相同性を有する。
【0044】
本発明の誘導体は、アミリン受容体又はアミリン自体が生物学的応答(例えば摂食量減少)を引き出すために相互に作用することができる他の受容体または受容体類と結合するか、あるいは直接的または間接的に相互作用することができてもよい。本発明の誘導体は、アミリン受容体に20nM、10nM、又は5nMよりも良い親和性で、より好ましくは2nM、1nM、0.5nM、0.2nM又は0.10nMよりも良い親和性で結合してもよい。
本発明によれば一態様において、本発明の誘導体は、アミリンの生物学的活性の少なくとも約25%、好ましくは約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%のパーセントを保持することができる。別の態様においては、本発明の誘導体は、改良された生物学的活性を呈する。更なる態様において、本発明の誘導体は、アミリンの少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%またはそれ以上の生物学的活性を呈する。
【0045】
「活性」なる用語は、一態様において、食欲を減じるおよび/または満腹を増加させる能力に関連する。本発明の一態様において、例えば表題「アッセイ」の下の薬理学的アッセイIおよびIIに記載されているように、活性は食欲を減じる能力で測定される。
本発明の一態様において、本発明の誘導体は、ビヒクルの投与に対し5%以上で累積的摂食量を減じる能力、より好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、更に好ましくは35%又は40%以上、最も好ましくはビヒクルに対し50%以上の能力を示しても良い。
「作用時間」なる用語は、本願明細書において、摂食量の減少のような薬理効果が測定可能である時間的スパンを指す。
本発明によれば一態様において、アミリン誘導体はインビボ及び/又はエクスビボで、ヒトアミリンと比較してフィブリル化しにくい。フィブリル化の傾向は、「物理的安定性」なる用語の定義において下に記載されるように、例えばチオフラビンTテストにおいて測定することができる。
【0046】
一態様において、本発明に係るアミリン誘導体には、類似の条件下のプラムリンチドと比較して、αへリックス形を含む立体構造を形成する増加した傾向がある。αへリックスの内容は、220nmで負のモル円偏光二色性シグナルの大きさによって推定されて、αへリックスのための典型的CDスペクトルサインによって、更に決められた:190nm周辺の正のピーク及び208nmの負のピーク。
【0047】
本発明によれば一態様において、標準的方法(例えば当業者に知られているELISA)で測定される場合、アミリン誘導体はプラムリンチドと比較して遅延性薬物動態学的プロフィールを有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも1時間の血漿T1/2を有する。別の態様において、本発明の血漿T1/2は少なくとも1.5時間である。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも2時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも4時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも6時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも8時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも12時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも16時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも24時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも48時間の血漿T1/2を有する。本発明の別の態様において、アミリン誘導体は少なくとも96時間の血漿T1/2を有する。
【0048】
本発明の更なる別の態様において、ヒトアミリンのアナログは、ヒトアミリンの配列が改変され、ヒトアミリンの対応する位置のアミノ酸から、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22のアミノ酸が異なる。
本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと比較して22または22未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと比較して21未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと比較して20未満、19未満、18未満、17未満、16未満、15未満、15未満、13未満、12未満、11未満、10未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと比較して9未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して8未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して7未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して6未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して5未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して4未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して3未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して2未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。本発明の更なる別の態様において、アナログは、ヒトアミリンと関連して単一の修飾(置換、欠失、付加)のみを含む。
【0049】
本発明の一態様において、ヒトアミリンのアナログは、12のアミノ酸残基が置換されたかまたは欠失されることで修飾されたヒトアミリンのアミノ酸配列を有する。
本発明の一態様において、ヒトアミリンのアナログは、12のアミノ酸残基が置換されたかまたは欠失され、N末端が1−10アミノ酸残基により伸長されることで修飾されたヒトアミリンのアミノ酸配列を有する。
本発明の一態様において、ヒトアミリンのアナログは、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1のアミノ酸残基が置換されたかまたは欠失されることで修飾されたヒトアミリンのアミノ酸配列を有する。
本発明の一態様において、ヒトアミリンのアナログは、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1のアミノ酸残基が置換されたかまたは欠失され、N末端が1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10アミノ酸残基により伸長されたことで修飾されたヒトアミリンのアミノ酸配列を有する。
本発明の一態様において、修飾は置換である。本発明の一態様において、修飾は欠失である。本発明の一態様において、修飾は付加である。
一態様において、ヒトアミリンの誘導体またはそのアナログは、N末端において伸長される。更なる態様において、ヒトアミリンの誘導体またはそのアナログはN末端において伸長され、N末端伸長は1−10アミノ酸、1−8アミノ酸または1−6アミノ酸から成る。更なる態様において、ヒトアミリンの誘導体またはそのアナログはN末端において伸長され、N末端伸長は5アミノ酸、4アミノ酸、3アミノ酸、2アミノ酸または1アミノ酸から成る。更なる態様において、場合によりリンカーを解して、N末端伸長は、アルブミン結合残基に更に連結される。
一態様において本発明は、配列番号17を有するヒトアミリンの誘導体に関連する。
【0050】
別の態様においては、本発明は、ヒトアミリンアナログの誘導体に関する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−12アミノ酸置換を有する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−6アミノ酸置換を有する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−5アミノ酸置換を有する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−4アミノ酸置換を有する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−3アミノ酸置換を有する。
本発明の他の態様では、誘導体は、ヒトアミリンと比較して1−2アミノ酸置換を有する。
【0051】
別の態様においては、本発明は更に本発明に従って修飾されるヒトアミリンアナログの誘導体に関し、ヒトアミリンアナログは25Pro 28Pro 29Proヒトアミリンである(配列番号1):
Lys-Cys-Asn-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Val-His-Ser-Ser-Asn-Asn-Phe-Gly-Pro-Ile-Leu-Pro-Pro-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr(配列番号1)。
【0052】
本発明は別の態様において、アルブミン結合残基が、場合によりリンカーを介してリシン残基のε-アミノ基を経て連結される誘導体に関する。
本発明は別の態様において、アルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマー、場合によりリンカーを介してリシン残基のα-アミノ基を経て連結される誘導体に関する。
本発明は別の態様においては、リシン残基はリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結される誘導体に関する。
【0053】
本願明細書において使われる「連結する」なる用語は、共有結合を介して化学的に接続されることを意味する。例えば、リシン残基は、化学結合を経てアルブミン結合残基に連結される。このような化学結合は、例えば、アルブミン結合残基(例えば長い脂肪酸)の活性エステルによるアシル化によって、リシンのイプシロンアミノ基の誘導体化によって、得ることができる。
本発明で使用される2つの化学部分を接続する別の例は、アルキル化、エステル形成、アミド形成またはマレイミドカップリングを含むが、これに限定されるものではない。
本願明細書において使用される「アルブミン結合残基」なる用語は、本発明の一態様において、非共有結合的にヒト血清アルブミンと結合する残基を意味する。通常は治療用ポリペチドに接続されるアルブミン結合残基は、ヒト血清アルブミンと10μMより低い、好ましくは1μMより低い親和性(結合定数)を有する。
アルブミン結合残基の範囲が、4−40炭素原子を含む直鎖状及び分枝状親油性部分、シクロペンタノフェナンスレン骨格を有する化合物、テトラゾール、10−30アミノ酸残基を有するペプチド等の中で知られている。
【0054】
アルブミン結合能は、当該技術分野で知られている複数の方法によって測定されてもよい。ある方法において、測定される誘導体は、例えば125IまたはHによって放射性同位元素を使って標識され、固定されたアルブミン(Kurtzhals等、Biochem.J., 312, 725-731(1995))と共にインキュベートされる。標準と比較した誘導体の結合性は算出される。ある方法において、関連した化合物が放射性同位元素を使って標識され、例えばSPAビーズに固定されたアルブミンに対する結合性は、測定される誘導体の希釈剤連続によって競合する。競合のためのEC50値は、誘導体の親和性のメジャーである。第三方法において、受容体親和性または誘導体の効力はアルブミンの異なる濃度で測定され、相対親和性の変動または誘導体の効力は、アルブミン濃度の関数として、アルブミンのための親和性を表す。
本発明の一態様において、アルブミン結合残基は、負に荷電できる基を含む。
【0055】
「C1-6-アルキル」なる用語は、飽和、分枝状、直鎖状又は環状の1から6炭素原子を有する炭化水素基を意味する。代表的な例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、n-ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキサン等を含むが、これらに限定されるものではない。
本願明細書で使用される「リンカー」及び「スペーサー」なる用語は、ペプチドとアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーを分離するスペーサー(本明細書では、スペーサーとリンカーの二つの用語を交換可能に使用する)を意味する。
「親水性リンカー」又は「親水性スペーサー」なる用語は、少なくとも5個の重原子(これらの30−50%がN又はOである)を含む化学部分を有する、ペプチドとアルブミン結合残基又はポリエチレングリコールポリマーを分離するリンカー/スペーサーを意味する。
本発明の一態様では、リンカーは本発明に係るアミリン誘導体を得るために、親アミリンに比較して0−8更なる荷電が分子に加えられた1以上の負に荷電した実体を含む。
本発明の一態様において、リンカーは、1から7メチレン基、好ましくは2メチレン基を有する非分枝状アルカンα,ω-ジカルボン酸基を含み、リンカーがペプチドのアミノ基とアルブミン結合残基のアミノ基との間に橋を形成する。
本発明の他の態様では、リンカーは、一以上のアルキレングリコール単位(例えば1〜5つのアルキレングリコール単位)を含む。アルキレングリコール単位は、更なる態様において、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはブチレングリコールであるが、更に高次アルキレングリコールでもよい。
【0056】
本発明の別の態様において、リンカーは
-(CH)D[(CH)E](CH)-Q-
[式中、l、m及びnは独立に1−20であり、pは0−10であり、
Qは-Z-(CH)D[(CH)G](CH)-であり、
qは0−5の範囲の整数であり、
D、E及びGは各々独立に-O-、-NR-、-N(COR)-、-PR(O)-及び-P(OR)(O)-から選択され、R、R、R、及びRは独立に水素又はC1-6-アルキルを表わし、
Zは-C(O)NH-、-C(O)NHCH-、-OC(O)NH-、-C(O)NHCHCH-、-C(O)CH-、-C(O)CH=CH-、-(CH)-、-C(O)-、-C(O)O-又は-NHC(O)-(sは0又は1)から選択される]
から選択される親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーはlが1又は2であり、nとmは独立に1−10であり、pは0−10である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、Dが-O-である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、Eが-O-である、上に定義された親水性リンカーである。
【0057】
本発明の更に別の態様において、親水性リンカーは
-CHO[(CH)O](CH)-
[式中、mは1−10であり、pは1−3であり、及びQは-Z-CHO[(CH)O](CH)-(Zは上に定義のとおりである)である]
である。
本発明の他の態様では、リンカーは、qが1である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、Gが-O-である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の別の態様において、リンカーがZが -C(O)NH-、-C(O)NHCH-、及び-OC(O)NH-から成る群から選択される、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、qが0である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、lが2である、上に定義された親水性リンカーである。
本発明の他の態様では、リンカーは、nが2である、上に定義された親水性リンカーである。
【0058】
本発明の一態様において、「親水性リンカー」Bはペプチドとアルブミン結合残基を化学部分により分離するために使用される。
本発明の一態様において、親水性リンカーBは、
-C(O)-(CH)-O-[(CHCH-O]-(CH)-[NHC(O)-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)]-NH-
(式中、l、m、n、及びpは独立に1−5であり、qは0−5である)
である。
本発明の更に別の態様において、親水性リンカーBは、
-C(O)-CH-O-CHCH-O-CHCH[NHC(O)-CH-O-CHCHO-CHCH]-NH-
(式中、qが0-5である)
である。
本発明の更に別の態様において、親水性リンカーBは、
-C(O)-CH-O-CHCH-O-CHCH-NHC(O)-CH-O-CHCHO-CHCH-NH-である。
本発明の更に別の態様において、親水性リンカーBは、
-[CHCHO]m+1(CH)-
であり、式中、m及びpは独立に0−10であり、qは0−5であり、及びQは上に定義のとおりの-Z-(CH)D[(CH)G](CH)-である。
本発明の更に別の態様において、親水性リンカーBは、
-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)-[C(O)NH-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)-
であり、式中、l、m、n及びPは独立に1−5であり、qは0−5である。
本発明の更なる態様において、リンカーは、Cysを除くアミノ酸残基、又はGly-Lys、Glu-GluまたはGlu-Argのようなジペプチド、Gly-Gly-Lys、Glu-Glu-GluまたはGlu-Glu-Argのようなトリペプチドを含む。
【0059】
適切なPEGポリマーは、通常は市販されているかまたは当業者に周知の技術によって作られることができる。
本発明の一態様において、PEGポリマーは700Dより大きい分子量を有し、更なる態様では5kDより大きく、更なる態様では10kDより大きく、より更なる態様では20kDより大きい。PEGポリマーは、直鎖状でも分枝状でもよい。PEGポリマーが20kDaより大きい場合は、例えば43kD分枝状PEG-ペプチドのようなPEGポリマーは好ましくは分枝状構造を有する(Shearwater2001 カタログ番号2D3XOT01,mPEG2-MAL)。
完全なペプチド上へのPEGの付加は、受容体と相互に作用するペプチド表面の反対側にPEGを取り付けることによって達成することができる。
本発明の一態様において、PEGの付加は、場合によりリンカーを経て、リシン残基またはシステインと置換されたヒトアミリン又はそのアナログの位置2、3、4、5、又は6アミノ酸残基に生じる。本発明の更なる態様において、PEGの付加は、場合によりリンカーを経て、リシン残基またはシステインと置換されたヒトアミリン又はそのアナログの位置23、24、25、26、27又は28アミノ酸残基に生じる。まだ本発明の更なる態様において、PEGの付加は、場合によりリンカーを経て、リシン残基またはシステインと置換されたヒトアミリン又はそのアナログの位置32、33、34、35、36又は37アミノ酸残基に生じる。
PEGをペプチドにカップリングするためのに複数のストラテジーがあり、その全てはそれら全体を本願明細書に引用したものとする(参照、例えばVeronese、Biomaterials22:405-417、2001)。当業者は、従って、周知技術をPEGポリマーを本願明細書に記載のヒトアミリンまたはアミリンアナログに結合するために利用することが可能である。
簡潔には、システインPEG化は、サイト特異的PEG化のための1つの方法であり、ヒトミリンまたはアミリンアナログの特異的な位置の一つで固有のシステイン突然変異を導入することによって完成され、得られたペプチドはシステイン特異的PEG化試薬(例えばPEG-マレイミド)と反応させられる。サイト特異的PEG化を可能にするために、ペプチドに突然変異を生じさせる必要がある場合がある。例えば、ペプチドがシステイン残基を含む場合、これらはサイト特異的PEG化を確実にするために保守的なアミノ酸によって置換されることを必要とする。加えて、非限定的に「GGS」、「GGSGGS」及び「PPPS」を含む強固なリンカーは、C末端であって、PEG付加サイトの前に付加されてもよい。
【0060】
本発明の一態様において、アルブミン結合残基は、親油性残基である。更なる態様において、親油性残留物は、共役化学によって、例えばアルキル化、アシル化、エステル形成またはアミド形成によってリシン残基に、またはマレイミドカップリングによってシステイン残基に、場合によりリンカーを経て、接続される。
本発明の更なる態様において、アルブミン結合残基は、生理学的なpHで負に荷電する。本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、負に荷電することができる基を含む。負に荷電することが出来る一つの好適な基は、カルボン酸基であうる。
本発明の更なる態様において、アルブミン結合残基は、非共有結合的にアルブミンと結合する。本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、ヒト血清アルブミンに対し、約10μMより良い、又は約1μMより良い結合親和性を有する。
本発明の更に別の態様において、アルブミン結合残基は、直鎖状アルキル基、分枝状アルキル基、ω-カルボン酸基を有す基、及び部分的にまたは完全に水素化されたシクロペンタノフェナンスレン骨格からなる群から選択される。
本発明の一態様において、アルブミン結合残基は、テトラゾールを含む。一態様において、アルブミン結合残基は、(CH)1−20-テトラゾールである。一態様において、アルブミン結合残基は、(CH)15-テトラゾールである。
本発明の更なる態様において、アルブミン結合残基は、シバクロニル残基である。
本発明の更なる態様において、アルブミン結合残基は、6から40の炭素原子、8から26の炭素原子、8から20の炭素原子を有する。
【0061】
本発明の更なる態様において、アルブミン結合残基はCH(CH)CO-[式中、rは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]から選択され、より好ましくはCH(CH)CO-、CH(CH)CO-、CH(CH)10CO-、CH(CH)12CO-、CH(CH)14CO-、CH(CH)16CO-、CH(CH)18CO-、CH(CH)20CO-及びCH(CH)22CO-から選択されるアシル基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、直鎖または分枝状アルカンα,ω-ジカルボン酸のアシル基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基はHOOC(CH)CO-[式中、sは4から38の整数、好ましくは4から24の整数である]から選択され、より好ましくはHOOC(CH)14CO-、HOOC(CH)16CO-、HOOC(CH)18CO-、HOOC(CH)20CO-とHOOC(CH)22CO-を含むアシル基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、式CH(CH)CO-NHCH(COOH)(CH)CO-[式中、vは10から24の整数である]の基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、式CH(CH)CO-NHCH((CH)COOH)CO-[式中、wは8から24の整数である]の基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、式COOH(CH)CO-[式中、xが8から24の整数である]の基である。
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、式-NHCH(COOH)(CH)NH-CO(CH)CH[式中、yは8から18の整数である]の基である。
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、-C(O)-(CH)-O-[(CHCH-O]-(CH)-[NHC(O)-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)-NH-W[式中、l、m、n及びpは独立に1−5であり、qは0−5であり、WはCH(CH)CO-、CH(CH)CO-、CH(CH)10CO-、CH(CH)12CO-、CH(CH)14CO-、CH(CH)16CO-、CH(CH)18CO-、CH(CH)20CO-、CH(CH)22CO-、HOOC(CH)14CO-、HOOC(CH)16CO-、HOOC(CH)18CO-、HOOC(CH)20CO-及びHOOC(CH)22CO-からなる群から選択される]である。
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、-C(O)-CH-O-CHCH-O-CHCH[NHC(O)-CH-O-CHCH-O-CHCH-NH-Ac[式中、qは0−5であり、Acはアセチルである]である。
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、式-C(O)-CH-O-CHCH2-O-CHCH-NHC(O)-CH-O-CHCHO-CHCH-NH-Ac[式中、Acはアセチルである]である。
【0062】
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、

であって、式中、Bが上記に定義された通りであり、Z、V、q及びwは下に定義されたとおりである。
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、

であって、式中、ZはCHまたはCOOHであり、VはH又はCOOHであり、qは7から21であり、wは0から5であり、kは0から5であり、Bは-C(O)-(CH)-O-[(CHCH-O]-(CH)p-[NHC(O)-(CH)-O-[(CH)-O]-(CH)]-NH-[式中、l、m、n、及びpは独立に1−5であり、qは0−5である]であるものである。
【0063】
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、

であって、ZはCHまたはCOOHであり、VはH又はCOOHであり、qは7から21であり、wは0から5であり、kは0から5である。本発明の別の態様において、ZはCHであり、VはCOOHである。本発明の別の態様において、VはHであり、ZはCOOHである。本発明の別の態様において、VはHであり、ZはCHである。本発明の別の態様において、VとZは、共にCOOHである。好適な本発明の態様において、qは13から19であり、より好ましくはqは13から15である。好適な本発明の態様において、kは1から4であり、より好ましくは1から2である。好適な本発明の態様において、wは1から4であり、より好ましくは1から2である。
【0064】
本発明の一態様では、アルブミン結合残基とリンカーの組合せは、

であって、式中、ZはCHまたはCOOHであり、qは7から21であり、kは0から5である。本発明の別の態様において、ZはCHである。本発明の別の態様において、ZはCOOHである。好適な本発明の態様において、qは13から19であり、より好ましくはqは13、14または15である。好適な本発明の態様において、kは1から4であり、より好ましくは1または2である。
【0065】
本発明の他の態様では、アルブミン結合残基は、例えば40未満のアミノ酸残基を含むペプチドのようなペプチドである。アルブミン結合残基である多数の小ペプチド及びそれらの同定方法は、J.Biol Chem.277,38(2002)35035-35043に記載されている。
本発明の他の態様では、場合によりリンカーを介してアルブミン結合残基は、リシン残基のε-アミノ基を経て接続される。
更なる態様において、本発明が、親油性残基がCys以外のアミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-ArgまたはGlu-Gluのようなジペプチドであるか、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-ArgまたはGlu-Glu-Gluのようなトリペプチドであるか、またはGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチドであるか、または5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるリンカーによって親ペプチドに接続され、親ペプチドのカルボキシル基がLys残基、又はLys残基を含むジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはマルチペプチドのアミノ基とアミド結合を形成し、Lys残基、またはLys残基を含むジペプチド、トリペプチド又はマルチペプチドの他のアミノ基が親油性残基のカルボキシル基とアミド結合を形成する、誘導体に関する。
【0066】
更なる態様において、本発明が、親油性残基がCys以外のアミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-ArgまたはGlu-Gluのようなジペプチドであるか、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-ArgまたはGlu-Glu-Gluのようなトリペプチドであるか、またはGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチドであるか、または5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるリンカーによって親ペプチドに接続され、親ペプチドのアミノ基が、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはマルチペプチドリンカーのカルボキシ基とアミド結合を形成し、アミノ酸残基またはジペプチド、トリペプチドまたはマルチペプチドリンカーのアミノ基が親油性残基のカルボキシ基とアミド結合を形成する、誘導体に関する。
【0067】
更なる態様において、本発明が、親油性残基がCys以外のアミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-ArgまたはGlu-Gluのようなジペプチドであるか、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-ArgまたはGlu-Glu-Gluのようなトリペプチドであるか、またはGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチドであるか、または5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるリンカーによって親ペプチドに接続され、親ペプチドのカルボキシ基が、アミノ酸残基リンカー又はジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはマルチペプチドリンカーのアミノ基とアミド結合を形成し、アミノ酸残基リンカー又はジペプチド、トリペプチドまたはマルチペプチドリンカーのカルボキシ基が親油性残基のアミノ基とアミド結合を形成する、誘導体に関する。
【0068】
更なる態様において、本発明が、親油性残基がCys以外のアミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-ArgまたはGlu-Gluのようなジペプチドであるか、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-ArgまたはGlu-Glu-Gluのようなトリペプチドであるか、またはGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチドであるか、または5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるリンカーによって親ペプチドに接続され、親ペプチドのカルボキシ基が、Asp又はGluであるリンカー又はAspまたはGlu残基を含むジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはマルチペプチドリンカーのアミノ基とアミド結合を形成し、リンカーのカルボキシ基が親油性残基のアミノ基とアミド結合を形成する、誘導体に関する。
本発明の一態様において、アミリン誘導体のC末端は酸又はアミドとして終了されることができる。好適な態様において、アミリン誘導体のC末端はアミドである。
【0069】
更なる態様において、本発明は、親油性残基は、Lysであるか、またはGly-Lysのようなジペプチド、またはGly-Gly-Lysのようなトリペプチド、またはGlu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチド、又はN末端位置にLysを有する5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるリシン残基を含むN末端伸長により親ペプチドに接続されており、Lys残基またはジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドまたはLys残基を含むマルチペプチドのN末端Lys残基のアミノ基が親油性残基のカルボキシル基とアミド結合を形成する、アミリン誘導体に関する。一態様において、アミド結合は、リシン残基のε-アミノ基と親油性残基との間である。一態様において、アミド結合は、リシン残基のα-アミノ基と親油性残基との間である。
【0070】
更なる態様において、本発明は、親油性残基は、アミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-Arg又はGlu-Gluのようなジペプチド、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-Argのようなトリペプチド、またはGlu-Glu-Glu、Glu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチド、又は5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるN末端伸長により親ペプチドに接続されており、
前記N末端伸長のN末端アミノ酸のアミノ基が親油性残基のカルボキシ基とアミド結合を形成する、アミリン誘導体に関する。
更なる態様において、本発明は、親油性残基は、アミノ酸残基であるか、またはGly-Lys、Glu-Arg又はGlu-Gluのようなジペプチド、またはGly-Gly-Lys、Glu-Glu-Argのようなトリペプチド、またはGlu-Glu-Glu、Glu-Glu-Glu-Glu、Glu-Arg-Glu-Gluのようなテトラペプチド、又は5−10アミノ酸からなるマルチペプチドであるN末端伸長により親ペプチドに接続されており、前記N末端伸長のN末端アミノ酸のカルボキシ基が親油性残基のアミノ基とアミド結合を形成する、アミリン誘導体に関する。
【0071】
本発明の一態様において、アミリン誘導体のアミノ酸配列は以下からなる群から選択される:
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号1)、
KCKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号2)、
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPKTNVGSNTY(配列番号3)、
KCNTATCATQRLANFLVHSSKNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号4)、
KCNTATCATQRLANFLKHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号5)、
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGKILPPTNVGSNTY(配列番号6)、
KCNTATCATQRLANFLVRSSNNFGKILPPTNVGSNTY(配列番号7)、
CNTATCATQRLANFLVRSSNNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号8)、
KCKTATCATQRLANFLVPSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号9)、
KCNTATCATQRLANFLVRSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号10)、
KCKTATCATQRLANFLVRSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号11)、
KCGTATCATQRLANFLARSSNNFGPILSPTNVGSNTY(配列番号12)、
EERECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号13)、
KCKTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号14)、
ECKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号15)、
EECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号16)、
KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGAILSSTNVGSNTY(配列番号17、ヒトアミリン)、
EERECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号19)、
EEEECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号20)、
CKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号21)、
CNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号22)、
ECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号23)、
RCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号24)、
ERCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号25)、
RRCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号26)、
KKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号27)、
RKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号28)、
EKRKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号29)、
EKRCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号30)、
EERECKTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号31)、
ECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号32)であって、少なくとも1つのアミノ酸残基がアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを経て連結する。
【0072】
更なる態様において、アミリン誘導体の1つのリシン残基のみが、場合によりリンカーを経て、アルブミン結合残基に連結される。
好適な態様において、配列番号1から16のアミノ酸配列の何れか一つを有するアミリン誘導体のC末端がアミドである。
本発明の更なる態様において、リンカーと結合されるアルブミン結合残基は、以下から成る群から選択される:



【0073】
本発明の一態様において、アミリン誘導体は、以下からなる群から選択される:
KCKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号2)[ここで、位置3のリシン残基がアルブミン結合残基又は

から成る群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPKTNVGSNTY(配列番号3)[ここで、位置29のリシン残基がアルブミン結合残基又は

から成る群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLVHSSKNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号4)[ここで、位置21のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLKHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号5)[ここで、位置17のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGKILPPTNVGSNTY(配列番号6)[ここで、位置25のリシン残基に


からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLVRSSNNFGKILPPTNVGSNTY(配列番号7)[ここで、位置25のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];
CNTATCATQRLANFLVRSSNNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号8)[ここで、位置1のシステイン残基にアルブミン結合残基又は

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCKTATCATQRLANFLVPSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号9)[ここで、位置3のリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCNTATCATQRLANFLVRSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号10)[ここで、位置1のリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCKTATCATQRLANFLVRSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号11)[ここで、位置3のリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCGTATCATQRLANFLARSSNNFGPILSPTNVGSNTY(配列番号12)[ここで、位置3のグリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

EERECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号13)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KCKTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号14)[ここで、位置3のリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

ECKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号15)[ここで、位置3のリシン残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

EECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号16)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に

からなる群から選択される式を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

EERECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号19)またはEEEECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号20)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

CKTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号21)[ここで、位置2のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

CNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号22)[ここで、位置1のシステイン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

ECNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号23)(ここで、位置1のグルタミン酸残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

RCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号24)[ここで、位置1のアルギニン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];
ERCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号25)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

RRCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号26)とRKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号28)[ここで、位置1のアルギニン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

KKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号27)[ここで、位置1のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

EKRKCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号29)とEKRCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGPILPPTNVGSNTY(配列番号30)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される];

EERECKTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号31)[ここで、位置3のリシン残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される]
及び
ECQTATCATQRLANFLVRSSQNLGPVLPPTNVGSNTY(配列番号32)[ここで、位置1のグルタミン酸残基に


を有するリンカーと結合したアルブミン結合残基が連結される]。
【0074】
本発明は、更なる一態様では、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体の患者における作用時間を増大させる方法であって、
a)位置1のアミノ酸残基を、場合により任意の天然アミノ酸と置換し、及び1−10アミノ酸からなるN末端伸長に前記天然アミノ酸を接続し、更に
a.前記伸長をアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結し、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換することによって、及び前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって修飾し;
又は
b)位置3のアミノ酸残基をリシン残基と置換し、及び前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結し、場合により位置1のアミノ酸をグルタミン残基と置換することにより修飾し;
又は
c)位置17、21、25又は29のアミノ酸残基をリシン残基と置換し、及び前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することにより修飾し;
又は
d)位置18のアミノ酸残基をアルギニン残基に置換し、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基を置換し、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に結合することにより修飾し;
e)位置18のアミノ酸はアルギニンであり、位置25、位置28と位置29のアミノ酸はプロリンであり;位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換され、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され、アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致することを特徴とする方法に関する。
【0075】
別の態様において、本発明は、ヒトアミリンの患者またはそのアナログの作用時間が約40時間以上まで増大する方法に関する。
ヒトアミリンのようなペプチドまたはそのアナログの産生は公知技術である。本発明のペプチドは、従って古典的ペプチド合成、例えばt-Bocを用いた固相ペプチド合成またはFmoc化学または確立した技術によって産生されることができる(参照、Greene and Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis",John Wiley&Sons,1999)。ペプチドは、また、ペプチド発現を可能にする条件下で適切な栄養培地において、ポリペチドをコードするDNAの塩基配列を含む、ポリペチドを発現することができる宿主細胞を培養することを含む方法によって産生されることができる。非天然アミノ酸残基を含むペプチドの場合は、例えばtRNA変異体を用いて、非天然アミノ酸がペプチドに組み込まれるように、組換え細胞は修飾されるべきである。
【0076】
(薬学的組成物)
本発明による誘導体を含む薬学的組成物は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences(1985)又はRemington:The Science and Practice of Pharmacy,第19版(1995)に記載されている従来技術により調整されてもよい。
本発明の一目的は、本発明に係るペプチドを含む医薬製剤を提供することである。一態様において、ペプチドは、約0.1mg/mlから約25mg/mlの濃度で製剤に存在する。別の態様において、ペプチドは、約1mg/mlから約10mg/mlの濃度で製剤に存在する。
別の態様において、製剤は2.0から10.0のpHを有する。
別の態様において、製剤は2.0から7.0のpHを有する。
更に他の態様では、製剤は2.5−4.5のpHを有する。
更に他の態様では、製剤は2.5−4.0のpHを有する。
【0077】
製剤は、バッファーシステム、防腐剤、等張性薬剤、キレート剤、安定剤および/または界面活性剤から更に成ることができる。薬学的組成物における当該賦形剤の使用は、当業者にとってよく知られている。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy第19版(1995)を参考文献として挙げることができる。
本発明の一態様において、医薬製剤は、水性製剤(すなわち水を含む製剤)である。このような製剤は、通常は溶液または懸濁液である。本発明の更なる態様において、医薬製剤は、水溶液である。「水性製剤」なる用語は、少なくとも50w/w%の水を含む製剤として定義される。同様に、「水性溶液」なる用語は、少なくとも50w/w%の水を含む溶液と定義され、「水性懸濁液」なる用語は、少なくとも50w/w%の水を含む懸濁液と定義される。
別の態様において、医薬製剤は凍結乾燥させた製剤であり、そこに医師または患者は使用前に溶媒および/または希釈液を加える。
別の態様において、医薬製剤は、何ら前もって溶解なしに、使用の準備ができている医薬製剤(例えば凍結乾燥させたか噴霧乾燥)である。
【0078】
本発明の更なる態様において、バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シトラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びTris(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸またその混合物からなる群から選択される。これらの特異的なバッファーのそれぞれは、本発明のもう一つの態様を構成する。
本発明の更なる態様において、製剤は、薬学的に許容可能な防腐剤から更に成る。本発明の更なる態様において、製剤は、等張性剤から更に成る。本発明の更なる態様において、製剤は、キレート剤から更に成る。
【0079】
本発明の更なる態様において、製剤は、安定剤から更に成る。薬学的組成物の安定剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy第19版(1995)を参考文献として挙げることができる。
より詳しくは、本発明の組成物は、安定化液体薬学的組成物であって、その治療効果のある成分が液体医薬製剤の貯蔵の間に、おそらく凝集形成を呈するポリペチドを含む。「凝集形成」によって、オリゴマーの形成に結果としてなるポリペチド分子間の物理的相互作用が意味され、それは可溶性のままか又は溶液から沈殿して大きな可視の凝集であってもよい。「貯蔵の間」によって、すでに調整された液体薬学的組成物又は製剤であって、患者に直ちには投与されないものを意味する。むしろ、調製後、それは貯蔵ために、液体形態、冷凍状態、または液体状態へ後に再構成するための乾燥形態、または患者に対する投与に適した他の形態の何れかにより包装される。
【0080】
「乾燥形態」によって、液体薬学的組成物または製剤が、凍結乾燥によって(すなわち、凍結乾燥;参照、例えばWilliamsとPolli(1984)J.Parenteral Sci.Technol.38:48-59)、噴霧乾燥によって(参照Masters(1991)、Spray-Drying Handbook(第五版;Longman Scientific and Technical,Essez,U.K.)pp.491-676;Broadhead等(1992)Drug Devel.Ind.Pharm.18:1169-1206;及びMumenthaler等(1994)Pharm.Res.11:12-20)、空気乾燥によって(Carpenter及びCrowe(1988)Cryobiology25:459-470;及びRoser(1991)Biopharm.4:47-53)の何れかで乾燥されることを意味する。液体薬学的組成物の貯蔵の間のポリペプチドによる凝集形成はそのポリペプチドの生物学的活性に悪影響を与えることがあり、薬学的組成物の治療効力の損失に結果としてなる。さらにまた、ポリペプチド含有薬学的組成物が注入システムを使用して投与される場合、凝集形成は管、膜またはポンプの妨害物のような他の問題を生じさせることがある。
【0081】
本発明の薬学的組成物は、組成物の貯蔵の間、ポリペプチドによって会合体形成を減少させるのに十分なアミノ酸塩基の量から更に成ることができる。「アミノ酸塩基」によって、アミノ酸またはアミノ酸の組合せが意味され、任意の所与のアミノ酸は遊離塩基形態において又は塩形態においての何れかで存在する。アミノ酸の組合せが使われる場合、アミノ酸の全てがそれらの遊離塩基形態で存在してもよく、全てがそれらの塩形態で存在してもよく、又はいくつかはそれらの遊離塩基形態で存在し、一方で他はそれらの塩形態で存在してもよい。一態様では、本発明の組成物を調製する際に使用するアミノ酸は、荷電された側鎖、例えばアルギニン、リジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸を担持しているものである。特定のアミノ酸(例えばメチオニン、ヒスチジン、イミダゾール、アルギニン、リジン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン及びそれらの混合物)の任意の立体異性体(すなわちL、Dまたはそれらの混合物)又はこれらの立体異性体の組合せは、特別なアミノ酸がその遊離塩基形態かその塩形態で存在する限り、本発明の組成物に存在してもよい。一態様において、L-立体異性体が使われる。本発明の組成物は、また、これらのアミノ酸のアナログによって調製されてもよい。「アミノ酸アナログ」によって、本発明の液体薬学的組成物の貯蔵の間、ポリペプチドによって凝集形成を減少させる所望の効果をもたらす天然に存在するアミノ酸の誘導体を意味する。適切なアルギニンアナログは、例えば、アミノグアニジン、オルニチン及びN-モノエチルL-アルギニンを含み、適切なメチオニンアナログはエチオニン及びブチオニンを含み、適切なシステインアナログはS-メチル-Lシステインを含む。他のアミノ酸のように、アミノ酸アナログは、その遊離塩基形態かその塩形態において組成物に組み込まれる。本発明の更なる態様において、アミノ酸またはアミノ酸アナログが、タンパク質の凝集を妨げるかまたは遅延させるために十分な濃度で使用される。
また、薬学的組成物は、追加的な安定化剤を含むことができ、そこにおいて治療効果のあるポリペプチドの安定性を更に向上させる。薬学的組成物における安定化剤の使用は、当業者によく知られている。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy第19版(1995)を参考文献として挙げることができる。
【0082】
本発明の更なる態様において、製剤は、界面活性剤から更に成る。本発明の更なる態様において、製剤は、プロテアーゼインヒビターから更に成る。プロテアーゼインヒビターの使用は、自己触媒を阻害するためにプロテアーゼのチモーゲンを含む薬学的組成物において特に有用である。
他の成分が本発明のペプチド医薬製剤に存在してもよい場合がある。このような追加的な成分は、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、張性調整剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン、ゼラチンまたはタンパク質)及び双性イオン(例えばベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン及びヒスチジンのようなアミノ酸)を含むことができる。このような更なる成分は、もちろん、本発明の医薬製剤の全体の安定性に悪影響を与えるべきでない。
本発明に係るヒトアミリン及びそのアナログを含む薬学的組成物は誘導体は、当該治療を必要とする患者において複数の部位に投与されてもよく、例えば局所的部位では、例えば皮膚及び粘膜部位に、バイパス吸収の部位では、例えば動脈、静脈、心臓に投与され、吸収を含む部位では例えば皮膚に、皮膚下に筋肉に、又は腹部に投与される。
本発明に係る薬学的組成物の複数の投与経路を介して、例えば舌、舌下、口腔、口内、胃腸、鼻、肺(例えば細気管支及び肺胞又はその組合せを介して)、表皮、皮膚、経皮、膣、直腸、眼(例えば結膜を介して)、尿管、及び非経口により、当該治療を必要とする患者に投与されてもよい。
【0083】
本発明の組成物は、複数の剤形、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、ミクロエマルジョン、複エマルジョン、フォーム、軟膏、ペースト、絆創膏、軟膏、錠剤、コーティング錠、リンス、カプセル(例えば、ハードゼラチンカプセル及びソフトゼラチンカプセル)、坐薬、直腸投与カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、粉末、エアゾール、吸入薬、点眼液、眼軟膏、眼用リンス、膣座薬、膣リング、膣軟膏、注射溶液、インサイツトランスフォーミング溶液(例えばインサイツゲル化、インサイツ凝結、インサイツ沈殿、インサイツ結晶化)、輸液とインプラントで投与することができる。
【0084】
本発明の組成物は、更にヒトアミリンの誘導体またはそのアナログの安定性の改良、バイオアベイラビリティの増大、溶解性の増大、副作用の減少、よく当業者に知られている時間療法の達成、患者のコンプライアンスの増大またはそれらの任意の組合せのために、例えば共有結合的、疎水性及び静電的な相互作用を介して、薬物担体、ドラッグデリバリーシステム及び高度なドラッグデリバリーシステム中に更に合成されても、又は付随させられてもよい。
本発明の組成物は、例えば定量吸引機、乾燥粉末吸引機及びネブライザー、当業者に知られている全ての装置を使用する、ヒトアミリンの誘導体またはそれのアナログの肺投与のための固体、半固体、粉末及び溶液の製剤に有用である。
本発明の組成物は、制御性、維持性、持続性、遅延性及び除放性ドラッグデリバリーシステム製剤に有用である。
【0085】
非経口投与は、注射器、場合によりペン型注射器によって、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内に行われることができる。あるいは、非経口投与は、インフュージョンポンプによって行われることができる。あるいは、非経口投与は、インフュージョンポンプによって行われることができる。更なるオプションは、ヒトアミリン又はそのアナログの誘導体の投与のための溶液又は懸濁液であってもよい組成物は鼻または肺噴霧の形態である。より更なるオプションは、本発明のヒトアミリン又はそのアナログの誘導体を含む薬学的組成物は、経皮投与に適応させることができ、例えば針なし注射又はパッチ形態、場合によりイオントフォレーゼパッチ、又は経粘膜(例えば口腔投与)である。
ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体は、溶液、懸濁液又は粉末として、肺の薬物送達に適した装置の任意の既知の種類を使用して、ビヒクルにおいて肺ルートを経て投与することができる。これらの実施例は、肺の薬物送達用のエアゾール生成のための3つの通常の種類を非限定的に含み、これはジェットまたは超音波噴霧器、定量吸入器、または乾燥粉末吸入器を含むことができる(Cf. Yu J,Chien YW.Pulmonary drug delivery:Physiologic and mechanistic aspects.Crit Rev Ther Drug Carr Sys 14(4)(1997)395-453)。
【0086】
「安定化製剤」なる用語は、ペプチドの水性溶液と比較して、増大した物理的安定性を有する製剤、増大した化学的安定性、または増大した物理的化学的安定性を指す。
本願明細書において使用される場合タンパク質製剤又は医薬製剤の「物理的安定性」なる用語は、疎水性表面と界面のような界面と表面を有する相互作用及び/又は熱機械ストレスに対するタンパク質の暴露の結果として、生物学的に不活性な及び/又は不溶性の凝集を作らないタンパク質の傾向である。水性タンパク質製剤の物理的安定性は、適切な容器’例えばカートリッジ又はバイアル)に満たした製剤を機械的/物理的ストレス(例えば撹拌)に異なった温度において様々な時間、曝した後に、外観検査および/または濁度測定によって評価することができる。
【0087】
製剤の外観検査は、暗い背景を有する鮮明な集中光において行われる。製剤の濁度は、例えば0から3(濁度を示さない製剤は視覚スコア0に相当しと、昼光において目に見える濁度を示す製剤は視覚スコア3に相当する)のスケールに、濁りの程度をランクする視覚スコアによって特徴づけられる。製剤は、昼光において目に見える濁度を示す場合、タンパク質凝集に関して物理的に不安定と分類される。あるいは、製剤の濁度は、当業者によく知られている簡単な濁度測定によって数値を求めることができる。また、水性タンパク質製剤の物理的安定性は、タンパク質の立体配置状態の分光学的な剤またはプローブを用いて数値を求めることができる。プローブは、好ましくは、タンパク質の非天然コンホーマーに優先して結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光学的プローブの1つの例は、チオフラビンTである。
チオフラビンTは、アミロイド繊維の検出のために広く使われている蛍光染料である。フィブリルがある場合に、おそらく他のタンパク質構造がある場合も同様に、チオフラビンTは、フィブリルタンパク質形態に結合すると、約450nmで新規な最大励起を、約482nmで増大された放出を起こす。結合していないチオフラビンTは、その波長において基本的に非蛍光性である。
他の小分子が、天然から非天然状態のタンパク質構造変化のプローブとして使われてもよい。例えば、タンパク質の露出した疎水性パッチに優先的に結合する「疎水性パッチ」プローブがあげられる。疎水性パッチは、一般には、その天然状態のタンパク質の三次構造内に埋められているが、タンパク質がアンフォールドされるかもしくは変性し始めると、露出するようになる。これらの小分子の分光学的プローブの例には、例えば、アントラセン、アクリジン、フェナントロリンもしくはその他のような、芳香族性、疎水性染料が含まれる。他の分光学的プローブは、金属-アミノ酸錯体、例えば、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン及びバリンもしくはその他のような疎水性アミノ酸のコバルト金属錯体、である。
【0088】
ここで用いられるタンパク質製剤の「化学的安定性」という用語は、天然タンパク質構造と比較して、潜在的に低い生物学的効力及び/又は潜在的に高い免疫原性を有する化学的変性産物の形成に至るタンパク質構造中の化学共有結合変化を意味する。天然タンパク質の種類と性質及びタンパク質がさらされる環境に応じて、様々な化学的変性産物が形成されうる。大抵の場合、化学的な変性の防止は完全には避けることができないことであり、当業者にはよく知られているように、タンパク質組成物の保存及び使用中に、化学的変性産物の量の増加がしばしば観察される。大部分のタンパク質は、グルタミニルもしくはアスパラギニル残基の側鎖アミド基が加水分解されて遊離のカルボン酸を形成するプロセスである脱アミド化を受ける傾向がある。他の変性経路は、二以上のタンパク質分子が、アミド基転移及び/又はジスルフィド相互作用を通して互いに共有結合し、共有結合した二量体、オリゴマー及び多量体変性産物の形成に至る高分子量変換産物の形成に関するものである(Stability of Protein Pharmaceuticals,Ahern.T.J.Manning M.C.,Plenum Press,New York1992)。(例えばメチオニン残基の)酸化は、化学的変性の他の変形例として挙げることができる。
【0089】
タンパク質組成物の化学的安定性は、異なった環境条件への暴露(変性産物の形成はしばしば例えば温度上昇により加速され得る)後に、様々な時点において化学的変性産物の量を測定することにより評価することができる。それぞれ個別の変性産物の量は、しばしば、様々なクロマトグラフィー法(例えば、SEC-HPLC及び/又はRP-HPLC)を用いて、分子サイズ及び/又は電荷に応じて変性産物を分離することにより決定される。
本発明のある態様では、本発明に係るヒトアミリン又はそのアナログの誘導体を含む医薬製剤は、6週間を越える使用期間、もしくは、3年を越える保存期間の間、安定している。本発明の別の態様では、本発明に係るヒトアミリン又はそのアナログの誘導体を含む医薬製剤は、4週間を越える使用期間、もしくは、3年を越える保存期間の間、安定している。本発明の更なる態様では、本発明に係るヒトアミリン又はそのアナログの誘導体を含む医薬製剤は、4週間を越える使用期間、もしくは、2年を越える保存期間の間、安定している。本発明の更なる態様では、本発明に係るヒトアミリン又はそのアナログの誘導体を含む医薬製剤は、2週間を越える使用期間、もしくは、2年を越える保存期間の間、安定している。
【0090】
別の態様において、本発明は医薬として使用するための本発明に係る誘導体に関する。
別の態様において、本発明に係る誘導体は、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、冠動脈性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防のための医薬の調製のために使用される。
別の態様において、本発明に係る誘導体は、2型糖尿病の疾患の進行を遅延又は予防のための医薬として使用される。
別の態様において、本発明に係る誘導体は、摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のため医薬として使用される。
【0091】
本発明の一態様において、本発明に係る誘導体は、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、冠動脈性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防のための、又は2型糖尿病の疾患の進行を遅延又は予防するための、又は摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のための医薬として使用される。
【0092】
本発明の更なる態様において、高血糖、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、エックス症候群、異脂肪血症、認知傷害、アテローム硬化症、心筋梗塞、冠動脈性心疾患及び他の心血管疾患、脳卒中、炎症性腸症候群、消化不良及び胃潰瘍の治療または予防のための、又は2型糖尿病の疾患の進行を遅延又は予防するための、又は摂食量減少、β細胞アポトーシス減少、β細胞機能及びβ細胞量の増大、および/またはβ細胞のグルコース感受性回復のため方法であって、本発明に係る誘導体の当該治療のための有効量を、当該治療を必要とする患者に投与することを含む方法が提供される。
【0093】
本発明に係る化合物による治療は、例えば、抗糖尿病薬剤、抗肥満症薬剤、食欲制御薬剤、血圧降下薬剤、糖尿病の結果又は糖尿病に付随する合併症の治療及び/又は予防のための薬剤、及び肥満症の結果又は肥満症に付随する合併症及び疾患の治療及び/又は予防のための薬剤から選択される第二又はそれ以上の薬理学的活性物質と併用されてもよい。それらの薬理学的に活性な物質の例は:インスリン、スルホニルウレア、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV (ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓の酵素の阻害剤、グルコース取り込みモジュレーター、HMG CoA阻害剤(スタチン)のような抗高脂血症薬剤のような脂質代謝を改変する化合物、食物摂取を低下させる化合物、RXRアゴニスト及びβ-細胞のATP-依存性カリウムチャンネルにおいて活性な薬剤;コレスチラミンアミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロサイロキシン、ネテグリニド(neteglinide)、レパグリニド;アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール及びメトプロロールのようなβ-遮断薬、ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル(fosinopril)、リシノプリル、アラトリオプリル(alatriopril)、キナプリル及びラミプリル(ramipril)のようなACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム及びベラパミルのようなカルシウムチャンネル遮断薬、及び、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン及びテラゾシンのようなα-遮断薬;CART(コカインアンフェタミン調節転写)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRFBP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン(urocortin)アゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラノサイト-刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラノサイト-濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン及びノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合性セロトニン及びノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(チレオトロピン(thyreotropin)放出ホルモン)アゴニスト、UCP2又は3(脱共役タンパク質2又は3)モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)モジュレーター、TRβアゴニスト;ヒスタミンH3アンタゴニストである。
【0094】
本発明の化合物と、一以上の上記化合物及び任意にさらなる薬理学的活性物質との任意の適切な組み合わせは本発明の範囲内であるとみなされることは理解されるであろう。
本明細書に引用する刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各文献が個々に且つ特定の形で参照により本明細書に包含されるとして示され、且つその内容全体が本明細書に開示されたように、参照によりその内容全体及び同じ範囲が(準拠法によって許される最大の範囲を限度として)本発明の開示に含まれる。
全ての表題及び副題は本明細書において、説明のためにのみ便宜上使用されるのであり、決して本発明を制限するものとして捉えられるべきではない。
【0095】
本明細書で使用されたあらゆる実施例、又は例示表現(例えば「〜などの」)は、単に、本発明を理解し易く説明するたに用いたのであり、特に断らない限り、本発明の技術範囲を制限するものではない。本明細書におけるいかなる表現も、特許請求されない要素を本発明の実施に必須のものとして示すものではない。
本明細書における特許文献の引用及び援用は単に、本発明を理解し易くするために行なわれるのであり、決して、このような特許文献が持つ有効性、特許性、及び/又は強制力の側面を提示するためのものではない。
本発明は、本明細書に添付する請求項において列挙される特許発明の主題の全ての変形物及び均等物を、準拠法によって許される範囲を限度として含む。
【0096】
(アッセイ)
薬理学的アッセイ(I)-アドリビタムを与えたラットモデルを使用する、アミリン誘導体の食欲における有効性テストのための実験的プロトコル

Taconicヨーロッパ(デンマーク)のスピローグ・ドーリー(SD)ラットが実験のために使われる。ラットは実験開始時に200−250gの体重を有する。ラットは、実験セットへ順応させるために、実験開始の少なくとも10−14日前に到着する。この期間中に、動物は少なくとも2回慣らされる。到着後、ラットは、2週間、逆転した明/暗フェーズ(照明が昼間に消灯し、夜間に点灯することを意味する)に、個々に1週間収容される。ラットは通常活動的であり、暗期の間にそれらの1日の摂食量の大部分を食べるので、ラットは、照明がオフにされるちょうど前に朝に投薬される。このセットアップは、最も低いデータ変動と最も高いテスト感受性に結果としてなる。実験はラットのホームケージにおいて行われ、ラットは順応期間と実験期間を通して食物と水に自由にアクセスする。誘導体の各投与は、5−8ラットの1グループにおいて試験される。6−8ラットのビヒクル群は、テストの各セットに含まれる。ラットは、体重に従って、0.01−3mg/kgの溶液を、腹膜内(ip)に、経口的(po)に又は皮下(sc)に、一度投与される。投与する時間は、各グループについて記録される。投与後に、ラットはそれらのホームケージに戻され、彼らはそれから食物と水にアクセスする。摂食量は、連続的にオンライン登録で、または手動で、7時間は1時間ごとに、次に24時、時々48時に、個々に記録される。実験セッションの最後に、動物を安楽死させる。
個々のデータがマイクロソフトエクセルのシートに記録される。アウトライアーはアウトライアーのためのグラブス統計評価テストを適用後に除外し、結果はGraphPadプリズムプログラムを使用してグラフで示される。
【0097】
薬理学的アッセイ(III)−スケジュール給餌ラットモデルを使用する、アミリン誘導体の食欲における有効性テストのための実験的プロトコル
TAC:SPRD @mol ラット及びM&B Breeding and Research Centre A/S(デンマーク)のウィスターラットを実験のために使用する。ラットは、実験の開始時に体重200−250gを有する。ラットは、体重180−200gで実験スタートの少なくとも10−14日前に到着する。誘導体の各投与は、6−8ラットの1グループで試験される。6−8ラットのビヒクル群は、テストの各セットに含まれる。
動物が到着した時、それらは個々に収容される。研究開始より少なくとも7日前に、3時と7時との間のスケジュール時間に食料と水へのフリーアクセスを許可する供給スケジュールの訓練を開始する。一日の残りの時間において、ラットは食料にはアクセスせず水だけにアクセスする。1週以内に、ラットは、設定されたスケジュールで1日の定量の全部を食べる。ラットは通常光が取り除かれると摂食を始めて、夜の間にそれらの1日の摂食量の主要部分を食べるので、このセットアップ結果はデイタイムの間の摂食のモニターリングを可能にし、典型的にはアドリビタムを与えたラットと比較してビヒクルグループのより少ない変異を意味する。10−14日の順応期間に、ラットは食料と水にフリーアクセスする。この期間中に動物は少なくとも3回慣らされる。実験はラットのホームケージにおいて行われる。投与する直前に、ラットは、体重によってさまざまな治療群(n=6−8)にランダム化される。ラットは、体重に従って、食料にアクセスさせる15から30分前に、0.01−3mg/kgの溶液を、腹膜内(ip)に、経口的(po)に又は皮下(sc)に、一度投与される。投与する時間は、各グループについて記録される。
投与後に、ラットはそれらのホームケージに戻され、それから食物と水にアクセスする。摂食量は、連続的にオンライン登録で、または手動で、7時間は1時間ごとに、次に24時、時々48時に、個々に記録される。実験セッションの最後に、動物は安楽死させる。個々のデータがマイクロソフトエクセルのシートに記録される。アウトライアーはアウトライアーのためのグラブス統計評価テストを適用後に除外し、結果はGraphPadプリズムプログラムを使用してグラフで示される。
【0098】
ルシフェラーゼアッセイ(II)
1. アミリンアッセイ概略
アミリンによるアミリン受容体(カルシトニン受容体の共発現及びペプチドRAMPsを修飾する受容体活性)の活性化がcAMPの細胞内濃度の増加につながることは、以前に発行されている(Poyner DR等2002,Pharmacological Reviews54(2)233-246)。結果的に、転写は、cAMP応答エレメント(CRE)の多重コピーを含むプロモーターで活性化される。したがって、アミリン受容体も発現するBHK細胞に導入されたCREルシフェラーゼレポーター遺伝子を用いてアミリン活性を測定可能である。
2. アミリン3(a)/CRE−luc細胞株の構築
BHK570細胞株はヒトカルシトニン受容体(CTa)とCRE応答ルシフェラーゼレポーター遺伝子によって安定にトランスフェクトされた。細胞株は、標準方法を用いてRAMP−3によって更にトランスフェクトした。これは、カルシトニン受容体をアミリン3(a)受容体に変える。メトトレキサート、ネオマイシン及びハイグロマイシンは、それぞれルシフェラーゼ、カルシトニン受容体及びRAMP−3のための選択マーカーである。
3. アミリンルシフェラーゼアッセイ
活性アッセイを行うために、BHKアミリン3(a)//CRE−luc細胞は、約20,000の細胞/ウェルの密度で、白い96ウェル培養プレートにまかれた。細胞は、100μlの増殖培地(10%のFBS、1%のPen/Strep、1mMのNa-ピルベート、250nMのメトトレキサート、500μg/mlのネオマイシン、及び400μg/mlのハイグロマイシンを有するDMEM)中であった。オーバーナイトで37℃及び5%のCOのインキュベーション後、増殖培地は、50μl/ウェルのアッセイ培地(DMEM(フェノールレッドなし)、GlumamaxTM、10%のFBS及び10mMのHepes、pH7.4)と交換された。更に、50μl/ウェルの基準又は試料のアッセイバッファー溶液を加えた。37℃及び5%のCOにおける4時間のインキュベーション後、基準または試料を有するアッセイ培地は取り除かれて、100μl/ウェルのPBSと交換された。更に、100μl/ウェルのLucLiteTMを加えた。プレートはシールされて、30分間、室温でインキュベートした。最後に、発光は、SPC(単光子計数)方法によりTopCounter(パッカード)で測定された。
【0099】
タンパク質製剤の物理的安定性の評価のためのThTフィブリル化アッセイの一般的説明
ペプチドの低い物理的安定性はアミロイド繊維形成につながる可能性があり、それは規則正しい糸状の高分子構造として試料中に観察され、最終的にゲル形成に結果としてなる。これは伝統的に試料の外観検査により測定されている。しかしながら、このような測定は非常に主観的であり、観察者次第である。従って、小分子インジケータープローブの適用は、はるかに有利である。チオフラビンT(ThT)はこのようなプローブであり、フィブリルと結合した場合、異なった蛍光シグネチャーを有する[Naiki等(1989)Anal.Biochem.177,244-249;LeVine(1999)Methods.Enzymol.309,274-284]。

フィブリル形成の経時変化は、次の式によりS字曲線によって記載することができる[Nielsen等.(2001)Biochemistry40,6036-6046]:
式(I)

式中、Fは時間tのThT蛍光である定数tは50%の最大蛍光に到達するために必要な時間である。フィブリル形成を記述する2つの重要なパラメータは、t−2τにより計算される遅延時間と見かけの速度定数kapp = 1/τである。

ペプチドの部分的に折り畳まれた中間体の形成は、フィブリル化のための一般的な始まりの機構として示唆される。それら中間体の少数がテンプレートを形成する核となり、その上に更に中間体が集まり、フィブリル化が進む。遅延時間は核の臨界量が構築される間隔に相当し、見かけの速度定数がフィブリル自体が形成される速度である
【0100】
(試料調整)
試料は、各アッセイの前に新しく調製された。各試料組成は、各実施例に記載する。試料のpHは、濃縮NaOHとHClOまたはHClの適切な量を使用して所望の値に調整した。チオフラビンTは、HOのストック液から最終濃度1μMまで試料に加えられた。200μlの試料アリコートは、96ウェルのマイクロタイタープレート(パッカードOptiPlateTM-96、白ポリスチレン)にに配置された。通常、各試料の4又は8の複製(1テスト条件状態に相当する)は、ウェルの1カラムに配置された。プレートは、Scotch Pad(Qiagen)によってシールした。
【0101】
(インキュベーション及び蛍光測定)
所与温度でのインキュベート、振盪及びThT蛍光放出の測定は、Fluoroskan Ascent FL蛍光プレートリーダー又はVarioskanプレートリーダー(Thermo Labsystems)で行われた。温度は37℃に調整した。全ての示されたデータにおいて、軌道振盪は1mmの振幅を有する960rpm/分に調整した。蛍光測定は、444nmのフィルターを介した励起を使用して、485nmのフィルターを介した放出の測定により実施された。各ランは、10分間、アッセイ温度でプレートを暖めることによって開始した。プレートは、所望の一定期間20分ごとに測定された。各測定の間に、記載のとおりプレートは振盪され、加熱された。
【0102】
(データ処理)
測定ポイントは更なる処理のためにマイクロソフトExcel形式で保存され、曲線描画及びフィッテイングはGraphPadPrismを使用して行われた。フィブリルの非存在下においてThTからのバックグラウンド放出は無視できるものだった。データポイントは通常4又は8試料の平均であり、標準偏差エラーバーと共に示される。同じ実験(すなわち同じプレート上の試料)において得られたデータだけを同じグラフに示し、実験間のフィブリル化の相対的測定を確実にする。
データセットは、式(1)に合わせることができる。しかしながら、この場合に完全なS字曲線が測定時間の間に必ずしも得られなかったので、フィブリル化の程度は試料の平均を表にしたThT蛍光として示され、さまざまな時点で標準偏差によって示される。
【実施例】
【0103】
実施例1−51の化合物は、下に記載するペプチド合成に従って調製された:
ペプチド合成の1方法は、マイクロ波に基づくリバティペピチドシンセサイザー(CEM社、ノースカロライナ)でFmoc化学によって行われる。樹脂は、0.25mmol/gの充填を有するTentagel S RAMであった。カップリング化学は、0.3Mのアミノ酸溶液を使用したDIC/HOAtのNMP溶液であり、6−8倍のモル過剰量であった。カップリング条件は最高70℃で5分であった。脱保護は、最高70℃で5%のピペリジンのNMP溶液であった。使用する保護アミノ酸は、0.3MのHOAtを含むNMPに0.3Mで溶解した標準Fmoc-アミノ酸(例えばAnaspecまたはNovabiochemから提供される)であった。
ペプチド合成の別の方法は、Applied Biosystems 433ペプチドシンセサイザーにおいて、0.25mmol又は1.0mmolスケールで、NMP中でHBTU(2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウムヘクサフルオロホスフェート)又はHATU(O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘクサフルオロホスフェート)介在カップリング、及びFmoc保護基の脱保護のUVモニタリングを使用する製造者により提供されたFastMoc UVプロトコルを使用した。ペプチドアミドの合成のために使用した開始樹脂は、リンク-アミド樹脂であった。使用する保護アミノ酸誘導体は、ABI433Aシンセサイザーに適している予め計量されたカートリッジで供給される標準Fmoc-アミノ酸(例えばAnaspecまたはNovabiochemから提供さえる)であった。
【0104】
リシン側鎖の化学修飾が要求される場合、リシンはLys(Mtt)として組み込まれ、N末端アミノ酸はBoc-アミノ酸として配列に組み込まれるか、N末端アミノ酸がFmoc-アミノ酸として組み込まれるならばFmoc基は除去されN末端はNMP中の6等量のBoc-カーボネートと6等量のDIPEAで30分間、処理された。樹脂はNMPとDCMによって洗われ、Mtt基を、純粋なヘキサフルオロイソプロパノールに樹脂を懸濁することによって除去し、続いてDCMとNMPによる洗浄を行った。リシンの化学修飾は、ペプチド合成に使用されるものと同じ方法によって、すなわち、リバティ又はABI433において1以上の自動化工程によって又は室温で1以上の手動のカップリング工程によって、下記の1以上のビルディングブロックを加えることで実施された。合成後、樹脂はDCMによって洗浄して乾燥し、ペプチドはTFA/TIPS/水(92.5/5/2.5)により2時間処理することによって切断し、続いて4体積のジエチルエーテルで沈殿させた。ジエチルエーテルによる更なる洗浄及び乾燥後、ペプチドは1−2mg/mlで水に再溶解し、pHは約4.5に調整され、ジスルフィド架橋は1等量の[Pt(IV)エチレンジアミンCl]Clによって処理して形成した。あるいは、ジスルフィド架橋は、1時間、NMP中で10等量のヨウ素により処理して、樹脂の上に形成された。この場合、粗ペプチドは、切断とジエチルエーテル沈殿後、直接的に精製された。
精製:粗ペプチドは、5μ又は7μのC-18シリカを詰めた20mmx250mmのカラムにおける分取HPLCによって精製された。ペプチド溶液はHPLCカラム上へ注入され、沈澱したペプチドは5mlの50%の酢酸HOに溶解されて、HOで20mlまで希釈されて、次に40−60%CHCNの0.1%TFA溶液の勾配により、40℃で、10ml/分で、50分間溶出した。ペプチドを含む分画が回収された。精製されたペプチドは、水による溶出液の希釈後、凍結乾燥された。
HPLC分画及び終末産物の解析のために、RP-HPLC解析は、214nmでUV検出を使用して、例えばVydac218TP54 4.6mmx250mm 5μC-18(The Separations Group,Hesperia,USA)で、例えば1ml/分において42℃で溶出した。多くの場合、4つの異なる溶出条件のうちの1つが使用された:
A1: 0.1Mの(NHSOを含むバッファーでカラムを平衡化し、濃縮HSOでpH2.5に調節し、同バッファー中0%から60%のCHCNの勾配によって50分間溶出した。
B1: 0.1%TFA/H20でカラムを平衡化し、0%のCHCN/0.1%TFA/HOから60%のCHCN/0.1%TFA/HOの勾配によって50分間溶出した。
B6: 0.1%TFA/H0でカラムを平衡化し、0%のCHCN/0.1%TFA/HOから90%のCHCN/0.1%TFA/HOの勾配によって50分間溶出した。
あるいは、RP-HPLC解析は、214nmでのUV検出及びSymmetry300,3.6mmx150mm,3.5μC-18 シリカカラム(Waters)を使用して実施し、42℃で1ml/分で溶出した。
B4: 0.05%のTFA/HOでカラムを平衡化し、5%のCHCN/0.05%TFA/HOから95%のCHCN/0.05%TFA/HOの勾配で15分間溶出した。ペプチドの同一性は、Bruker MicroflexでMALDI-MSによって確認した。
【0105】
使用する略語:
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
Fmoc:9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル
Mtt:4-メチルトリチル
DCM:ジクロロメタン
TIPS:トリイソプロピルシラン
TFA:トリフルオロ酢酸
NMP:1-メチル-ピロリジン-2-ワン
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
Trt:トリフェニルメチル
【0106】
実施例1−51の化合物は、以下のビルディングブロックと以下の配列によって上記手順に従って調製された:





【0107】
実施例1:N-α-(17-カルボキシヘプタノイル)-Glu-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例2:N-ε3-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例3:N-ε3-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例4:N-ε29-(19-カルボキシノナデカノイル)-[Lys29]-プラムリンチド(1-37)

実施例5:N-ε29-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-[Lys29]-プラムリンチド(1-37)

実施例6:N-ε29-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys29]-プラムリンチド(1-37)

実施例7:N-ε21-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys21]-プラムリンチド(1-37)

実施例8:N-ε17-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys17]-プラムリンチド(1-37)

実施例9:N-ε25-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Arg18,Lys25]-プラムリンチド(1-37)

実施例10:N-ε25-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys25]-プラムリンチド(1-37)

実施例11:N-ε3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例12:N-ε3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例13:N-ε3-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例14:N-ε3-(19-カルボキシノナデカノイル)-[Lys3]-プラムリンチド(1-37)

実施例16:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]-[Arg18,Leu23,Val26]-プラムリンチド(2-37)

実施例17:N-α-(2-{2-[2-(2-{2-[2-((S)-4-カルボキシ-4-{4-カルボキシ-4-[4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Arg18,Leu23,Val26]-プラムリンチド(2-37)

実施例18:N-ε3-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]-[Lys3,Pro18]-プラムリンチド(1-37)

実施例19:N-ε3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]-[Lys3,Pro18]-プラムリンチド(1-37)

実施例20:N-ε3-(2-{2-[2-(2-{2-[2-((S)-4-カルボキシ-4-{4-カルボキシ-4-[4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Lys3,Pro18]-プラムリンチド(1-37)

実施例21:N-α-(17-カルボキシヘプタノイル)-[Arg18]-プラムリンチド(1-37)

実施例22:N-ε3-(17-カルボキシヘプタノイル)-[Lys3,Arg18]-プラムリンチド(1-37)

実施例23:N-ε1-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]-[Gly3,Ala17,Arg18,Ser28]-プラムリンチド(1-37)

実施例24:N-α-(17-カルボキシヘプタノイル)-[Arg18,Leu23,Val26]-プラムリンチド(2-37)

実施例25:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-Glu-Arg-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例26:N-ε25-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{(S)-4-カルボキシ-4-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]-[Lys25]-プラムリンチド(1-37)

実施例27:N-ε25-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]-[Lys25]-プラムリンチド(1-37)

実施例28:N-ε3-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリル]-[Lys3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]-プラムリンチド(1-37)

実施例29:N-ε3-(17-カルボキシヘプタノイル)-[Glu1,Lys3,Glu18]-プラムリンチド(1-37)

実施例30:N-ε3-[2-(2-{2-[4-(16-1H-テトラゾール-5-イル-ヘクサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]-[Lys3]プラムリンチド(1-37)

実施例31:N-α-[4-(16-1H-テトラゾール-5-イル-ヘクサデカノイルスルファモイル)-ブチリル]-Glu-Glu-Arg-[Glu1]プラムリンチド(1-37)

実施例32:N-ε3(19-カルボキシノナデカノイル-Glu-Glu-Arg-Glu)[Lys3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]プラムリンチド

実施例33:N-ε3-(2-(2-(2-(19-カルボキシノナデカノイル-Glu-Glu-アミノ)エトキシ)エトキシ)アセチル)[Lys3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]プラムリンチド(1-37)

実施例34:N-ε3-(19-カルボキシノナデカノイル-Glu-Glu-Glu-Glu)[Lys3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]プラムリンチド(1-37)

実施例35:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-Glu-Arg-[Glu1,Gln3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]-プラムリンチド(1-37)

実施例36:N-α-(2-(2-(2-(19-カルボキシノナデカノイル-Glu-アミノ)エトキシ)エトキシ)アセチル)[Glu1,Gln3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]-プラムリンチド(1-37)

実施例37:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-Glu-Glu-[Glu1,Gln3,Arg18,Gln21,Leu23,Val26]-プラムリンチド(1-37)

実施例38:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-Glu-Glu-Arg-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例39:N-α-{4-カルボキシ-4-[4-(16-1H-テトラゾール-5-イル-ヘクサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ブチリル}-Glu-Glu-Arg-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例40:N-α-(4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-1H-テトラゾール-5-イル-ヘクサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘクサノイルアミノ}ブチリル)-Glu-Glu-Arg-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例41:N-α-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-Glu-Glu-Arg-[Glu1]プラムリンチド(1-37)

実施例42:N-ε3-{4-カルボキシ-4-[4-(16-1H-テトラゾール-5-イル-ヘクサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ブチリル}-[Lys3]-プラムリンチド(2-37)

実施例43:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-プラムリンチド(2-37)

実施例44:N-α-(2-{2-[2-((S)-2-{(S)-4-カルボキシ-2-[(S)-4-カルボキシ-2-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}-5-グアニジノペンタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)-[Glu1]-プラムリンチド(1-37)

実施例45:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-[Arg1]-プラムリンチド(1-37)

実施例46:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-[Arg1]-プラムリンチド(1-37)

実施例47:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-Arg-[Arg1]-プラムリンチド(1-37)

実施例48:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-Lys-プラムリンチド(1-37)

実施例49:N-α-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-Arg-プラムリンチド(1-37)

実施例50:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-Lys-Arg-プラムリンチド(1-37)

実施例51:N-α-(19-カルボキシノナデカノイル)-Glu-Lys-[Arg1]-プラムリンチド(1-37)

【0108】
実施例1−51によるアミリン誘導体は上記の通りの「アミリンルシフェラーゼアッセイ」で試験し、結果は表1に示した。誘導体の受容体親和性は上記の通りに「アミリン受容体結合アッセイ」で試験し、結果は表1に示した。表1のHPLC溶出データは、10%から90%のアセトニトリル/TFA勾配を使用して、分析的HPLC-システムで測定された。
表1


【0109】
ペプチド合成:
ペプチド合成の一方法は、マイクロ波に基づくリバティペピチドシンセサイザー(CEM社、ノースカロライナ)でFmoc化学によって行われる。樹脂は、0.25mmol/gの充填のTentagel S RAMであった。カップリング化学は、0.3Mのアミノ酸溶液を使用したDIC/HOAtのNMP溶液であり、6−8倍のモル過剰量であった。カップリング条件は最高70℃で5分であった。脱保護は、最高70℃で5%のピペリジンのNMP溶液であった。リシン側鎖の化学修飾が要求される場合、リシンはLys(mtt)として組み込まれ、N末端アミノ酸はBoc-カーボネートによる処理により保護された。Mtt基を、純粋なヘキサフルオロイソプロパノールに樹脂を懸濁することによって除去し、続いてDCMとNMPによる洗浄を行った。リシンの化学修飾は、手動の合成又はリバティの1以上の自動化工程に続く手動のカップリングで実施された。ペプチド合成の別の方法は、HBTUカップリングによりABI433でFmoc化学によって行った。合成後、樹脂はDCMによって洗浄して、乾燥し、ペプチドは2時間TFA/TIS/水(92.5/5/2.5)で処理して樹脂から切断し、続いてジエチルエーテルで沈殿させた。ジエチルエーテルで更に洗浄して乾燥後、ペプチドは1−2mg/mlで水に再溶解し、pHを約4.5に調製し、ジスルフィド架橋を1等価量の[Pt(IV)エチレンジアミンCl]Clで一晩処理して形成した。ペプチドは、アセトニトリル/TFAを使用するC18カラムにおいて標準RP-HPLCによって、直ちに精製された。あるいは、ジスルフィド架橋は1時間、10等価のヨウ素のNMP溶液による処理によって樹脂の上に形成され、この場合ペプチドは切断とエーテル沈殿後に直接的に精製した。ペプチドの同一性は、MALDI-MSによって確認された。
【0110】
使用する略語:
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル-)-1,1,3,3テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
Fmoc:9H-フルオレン-9-イルメトキシカルボニル
Boc:tert-ブチルオキシカルボニル
Mtt:4-メチルトリチル
DCM:ジクロロメタン
TIS:トリイソプロピルシラン
TFA:トリフルオロ酢酸
NMP:1-メチル-ピロリジン-2-ワン
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
DIC: ジイソプロピルカルボジイミド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
a)位置1のアミノ酸残基が1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であり、
a.前記伸長が更にアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結されるか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
又は、
b)位置3、17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されるか;
又は、
c)位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に結合されており、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。
【請求項2】
配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置1のアミノ酸残基が1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に接続される任意の天然アミノ酸であり、
a)前記伸長が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に更に連結され、
b)位置2−37の1アミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基が、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され;
位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基がプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであり、アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。
【請求項3】
配列番号17を有するヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体であって、
位置3、17、21、25または29のアミノ酸残基がリシン残基に置換されており、前記リシン残基は場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結されており、位置25、位置28及び位置29のアミノ酸残基はプロリンに置換されており、場合により位置18のアミノ酸残基はアルギニンであって、
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致する、ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体。
【請求項4】
誘導体がヒトアミリンと比較して1−12のアミノ酸置換を有する、請求項1から3の何れか一項に記載の誘導体。
【請求項5】
誘導体が配列番号17のヒトアミリンのアナログであって、ヒトアミリンと比較して0−8の更なる電荷が付加されている、請求項1から4の何れか一項に記載の誘導体。
【請求項6】
式1:
Xaa-Cys-Xaa-Thr-Ala-Thr-Cys-Ala-Thr-Gln-Arg-Leu-Ala-Asn-Phe-Leu-Xaa17-Xaa18-Ser-Ser-Xaa21-Asn-Xaa23-Gly-Xaa25-Xaa26-Leu-Xaa28-Xaa29-Thr-Asn-Val-Gly-Ser-Asn-Thr-Tyr-Xaa38 式(I)(配列番号18)
[式中、Xaaは欠失するか又は独立にLys、Arg及びGluから選択され;
Xaaは、Asn、Gly、Gln及びLysから独立に選択され;
Xaa17は、Ala、Val及びLysから独立に選択され;
Xaa18は、His、Pro及びArgから独立に選択され;
Xaa23は、Phe及びLeuから独立に選択され;
Xaa21は、Asn、Gln及びLysから独立に選択され;
Xaa25は、Ala、Pro及びLysから独立に選択され;
Xaa26は、Val及びIleから独立に選択され;
Xaa28は、Ser及びProから独立に選択され;
Xaa29は、Ser、Pro及びLysから独立に選択され;
C末端は、場合によりアミドとして誘導されてもよく;
N末端は、場合により1−10のアミノ酸残基によって伸長されてもよい]
のアミノ酸配列を含む誘導体であって、
アミノ酸残基Xaaは1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に接続され、伸長は場合によりリンカーを介してアルブミン残基に更に連結することができるものであるか、
又は
アミノ酸残基Xaa、Xaa、Xaa17、Xaa21、Xaa25またはXaa29はリシンであり、前記リシンは場合によりリンカーを経て、アルブミン結合残基に連結されており、
XaaがLysであり、XaaがAsnであり、Xaa21がAsnであり、Xaa25はAlaまたはProである場合は、Xaa29はLysであり;及び
XaaがGluまたはArgである場合は、前記GluまたはArgは1−10のアミノ酸からなるN末端伸長に接続され、前記伸長はアルブミン結合残基に更に連結され;及び
XaaがLysである場合、場合により任意にリンカーを介して、式(1)のXaa、Xaa、Xaa21、Xaa25及びXaa29からなる群から選択される位置の1アミノ酸はアミノ酸結合残基に連結される、請求項1に記載の誘導体。
【請求項7】
アルブミン結合残基がカルボン酸又は

[式中lは12、13、14、15、16、17、18、19または20である]である、請求項6に記載の誘導体。
【請求項8】
リンカーを介するアルブミン結合残基がリシン残基のε-アミノ基を経て接続され、リンカーがエチレングリコールの1以上の単位、1−4のアミノ酸残基及び

から成る群から選択される、請求項7に記載の誘導体。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項に記載の誘導体及び薬学的に許容可能な賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項10】
医薬として使用するための請求項1から8の何れか一項に記載の誘導体。
【請求項11】
被験体の高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、エックス症候群又は異脂肪血症を治療、予防又は軽減する方法であって、請求項1から6の何れか一項に記載の誘導体又は請求項9に記載の薬学的組成物を被検体に投与することを含む方法。
【請求項12】
薬学的に許容可能な物質および/または賦形剤と請求項1から8の何れか一項に記載の誘導体を混合することを含む、請求項9に記載の薬学的組成物を調製する方法。
【請求項13】
ヒトアミリンまたはそのアナログの誘導体の患者における作用時間を増大させる方法であって
a)位置1のアミノ酸残基が、場合により任意の天然アミノ酸と置換し、1−10アミノ酸からなるN末端伸長に前記天然アミノ酸を連結し、更に
a.前記伸長をアルブミン結合残基に、場合によりリンカーを介して連結するか、又は
b.位置2−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基を、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって、
又は;
b)位置3、17、21、25又は29のアミノ酸残基はリシン残基を置換し、前記リシン残基は、場合によりリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結することによって、
又は;
c)位置18のアミノ酸残基をアルギニン残基に置換し、位置2−17または19−37の1アミノ酸残基をリシン残基に置換し、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結するものことによって;
改変され、
d)位置18のアミノ酸はアルギニンであり、位置25、位置28と位置29のアミノ酸はプロリンであり;位置1−17または19−37の1アミノ酸残基はリシン残基によって置換されており、前記リシン残基は任意にリンカーを介して、アルブミン結合残基に連結され;
アミノ酸番号付けは、配列番号17のアミノ酸番号付けに合致することを特徴とする、方法。

【公表番号】特表2010−539132(P2010−539132A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524482(P2010−524482)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/062036
【国際公開番号】WO2009/034119
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(596113096)ノボ・ノルデイスク・エー/エス (241)
【Fターム(参考)】