説明

アミリンファミリーペプチドおよびそれらを作成し使用するための方法

本発明は、アミリンファミリーにおいてペプチドの機能を有する新規化合物、関連した核酸、発現構築体、宿主細胞、および該化合物の製法に関する。本発明の化合物は、1以上のアミノ酸配列修飾を含む。加えて、肥満、糖尿病、および心血管系リスクの増加のような代謝障害を治療および予防するための方法および組成物が開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、その両方が全文において引用によって本明細書中に援用される2004年2月11日に出願された米国仮出願60/543,275、および2004年3月3日に出願された米国仮出願60/550,447に対して、優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、新規化合物およびそれらを作成し使用するための方法に関する。これらの化合物は、代謝障害、血管障害、腎障害、および/または胃腸障害のような状態を治療または予防するのに有用であり得る。例示的な状態は、例えば、肥満、II型糖尿病、摂食障害、メタボリック症候群およびインスリン抵抗性症候群といった食糧摂取量またはカロリー摂取量の減少が価値のあるものであり得る。
【0003】
背景
これまで、アミリン、カルシトニン、およびカルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)に対して、それらの構造および機能を理解しようと、多くの研究がなされてきた。表1は、Wimalawansa, S.J. (1997) Critical Reviews in Neurobiology, 11;167-239に公開されたとおり、CGRP、カルシトニンおよびアミリンのいくつかの生物学的効果の概要を提供する。
【0004】
【表1】

【0005】
アミリンは、胃内容排出を制御し、グルカゴン分泌および食糧摂取量を抑制し、従って、循環血液中のグルコース出現の割合を制御すると報告されている。循環血液からのグルコース消失の割合および末梢組織によるその摂取量を制御するインスリンの作用を補足すると思われる。これらの作用は、齧歯類およびヒトにおける実験的発見によって支持され、これは、アミリンが、その全てがグルコース出現の割合に影響を及ぼす少なくとも3つの独立したメカニズムによる食後のグルコース制御におけるインスリンの効果を補足することを示す。まず、アミリンは、食後のグルカゴン分泌を抑制する。健康な成人と比較して、1型糖尿病患者は、循環するアミリンを全く有さず、2型糖尿病患者は、減少した食後のアミリン濃度を有する。さらに、循環するアミリンを結合したアミリン特異的モノクローナル抗体の注入は、再び、対照と比較して、非常に上昇したグルカゴン濃度を生じた。これらの結果の両方は、食後のグルカゴン分泌の制御における内在性アミリンの生理学的役割を提示する。第2に、アミリンは、胃腸運動および胃内容排出を遅らせる。最後に、ラットアミリンの視床下部内注射が、ラットにおいて摂食を減少させ、視床下部において、神経伝達物質代謝を改変することが分かった。特定の研究において、食糧摂取量は、ラットアミリンおよびラットCGRPの視床下部内注射後8時間までの間、有意に減少した。ヒト治験において、アミリンアナログ、プラムリンタイド(pramlintide)が、体重または体重の増加を減少させることが分かっている。アミリンは、糖尿病および肥満のような代謝状態を治療するのに有益であり得る。また、アミリンを使用して、疼痛、骨疾患、胃炎を治療、脂質、特にトリグリセリドを変調、あるいは脂肪の選択的喪失および脂肪のほとんどない組織の貧弱性のように身体組成に影響を及ぼし得る。
【0006】
ホルモンカルシトニン (CT)は、誘発された高カルシウム血症に応答したその分泌およびその迅速な低カルシウム血症効果に対して名付けられた。それは、C細胞と命名されている甲状腺中の神経内分泌細胞において生成され、それから分泌される。CT(l-32)の最も研究された作用は、破骨細胞に対するその効果である。CTのインビトロ効果は、飾り罫の迅速な喪失およびリソソーム酵素の減少した放出を含む。最終的に、CTによる破骨細胞機能の阻害は、骨吸収の減少を引き起こす。しかしながら、甲状腺摘出術の場合の血清CTの慢性的減少または甲状腺髄様癌において発見される増加した血清CTのいずれも、血清カルシウムまたは骨量の変化と関連しているようには思われない。従って、恐らく、CT(l-32)の主な機能は、緊急事態に急性高カルシウム血症と戦い、および/または、成長、妊娠、および授乳のような「カルシウムストレス」の期間、骨格を保護することである。(Becker, JCEM, 89(4): 1512-1525 (2004) and Sexton, Current Medicinal Chemistry 6: 1067-1093 (1999)で概説された)。これは、マウスが正常レベルの基本的なカルシウム関連値を有したが、増加したカルシウム血症応答を有したことを明らかにしたカルシトニンおよびCGRP-Iペプチドの両方を除去するカルシトニン遺伝子ノックアウトマウスからの最近のデータと一致する。
【0007】
CTは、血漿カルシウムレベルに対して効果を有し、破骨細胞機能を阻害し、骨粗鬆症の治療に広く使用される。治療的に、サケCTは、骨密度を増加し、最小の副作用で、骨折の割合を減少するように思われる。また、CTは、骨格の1以上の領域で肥大したまたは変形した骨を生じ得る慢性骨障害である骨パジェット病のための治療として、過去25年間にわたり、上手く使用されてきた。また、CTは、骨粗鬆症の間に経験される骨痛に対するその鎮痛効果に広く使用されているが、この効果に対するメカニズムは明白には理解されていない。
【0008】
カルシトニン遺伝子関連ペプチド (CGRP)は、その受容体が、神経系および心血管系を含む体内で広く分配されるニューロペプチドである。このペプチドは、感覚神経伝達を変調すると考えられ、現在までに発見された最も強力な内因性血管拡張ペプチドのうちの1つである。CGRPに対する報告された生物学的効果は:炎症における物質Pの変調、神経筋接合部でのニコチン性受容体活性、膵酵素分泌の刺激、胃酸分泌の減少、末梢血管拡張、心促進、神経調節、カルシウム代謝の調節、骨形成刺激、インスリン分泌、体温の上昇および食糧摂取量の減少を含む。(Wimalawansa, Amylin, calcitonin gene-related peptide, calcitonin and ADM: a peptide superfamily. Crit Rev Neurobiol. 1997; 11(2-3): 167-239)。CGRPの重要な役割は、CGRPの静脈内投与後の平均動脈圧の減少によって実証されるように、その強力な血管拡張作用による種々の臓器への血流を調節することである。また、血管拡張作用は、末梢交感神経作用の増加によって引き起こされた末梢血管抵抗の上昇および高血圧を示すホモ接合性ノックアウトCGRPマウスの最近の分析によって支持される(Kurihara H, et al, Targeted disruption of ADM and alphaCGRP genes reveals their distinct biological roles. Hypertens Res. 2003 Feb; 26 SuppliS 105-8)。従って、CGRPは、いくつかある作用の中でも特に、血管拡張効果、降圧効果および心拍数の増加を引き出すと考えられる。
【0009】
鬱血性心不全患者へのCGRPの注入の延長は、副作用なしに血行力学機能に対する有益な効果の持続を示し、これは心不全における使用を示唆する。CGRP使用の他の適応症は、腎不全、急性および慢性冠動脈虚血、心不整脈の治療、レイノー現象のような他の末梢血管疾患、クモ膜下出血、高血圧、および肺高血圧を含む。また、妊娠および早産の子癇前中毒症(Preeclamptic toxemia)も、潜在的に治療可能である(Wimalawansa, 1997)。最近の治療的使用は、偏頭痛の治療のためのCGRPアンタゴニストの使用を含む。
【0010】
単独で使用または併用して、種々の状態を治療または予防することができる各ペプチドの有益な特性は、多く存在する。現存するペプチドが持っていない改良された特徴を与える複数の作用を有する新規および有用なペプチドを作り出すことが有用であろう。例えば、食糧摂取量アッセイにおいて、アミリンは、30分以内の速やかな発現を有することが分かっているが、その効果は、60分を過ぎると、次第に衰える。対照的には、サケカルシトニンは、ピークレベルが240分経ってもまだ維持される遅延された効果を有することが分かっている。アミリンおよび/またはカルシトニンの効果を模倣することができ、カルシトニンの持続する活性を有するアミリンのような活性の速やかな発現を有する新規化合物は、いずれかの化合物のみの効能および有効性を増加し得る。さらに、単一の様式へのアミリン、カルシトニン、および/またはCGRPの特定の物理化学的特徴の組合せは、機能不全な代謝回路の異なる点での介入を促進し得る。これらの新規化合物は、優れた治療法のために、所望の活性または特性を組合せ、これは、より高い有効性、より優れた効能、より優れた生体利用性、より少ない副作用、製造の容易さ、安定性、および/または溶解性のような少なくとも1つの所望の特徴を有する化合物を生じ得る。
【0011】
本明細書中で言及される全文献は、あたかも本明細書中に全て記載されるかのように、本出願に引用によって援用される。
【0012】
概要
本発明は、少なくとも部分的に、新規アミリンファミリーペプチドまたは化合物に関する。一般的な態様において、これらの新規化合物(本発明の化合物とも呼ばれる)は、アミリンまたはカルシトニンおよびそのアナログの少なくともループ領域;カルシトニンまたはそのアナログのαらせん領域の少なくとも一部のαらせん領域またはアミリンαらせん領域およびカルシトニンのらせん領域またはそれらのそれぞれのアナログの一部を有するαらせん領域;およびアミリンまたはカルシトニンまたはそのアナログのC-末端テイルを有するが、但し、カルシトニンまたはカルシトニンアナログのC-末端テイルは、プロリン (Pro)、ヒドロキシプロリン (Hyp)、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体ではない。
【0013】
本明細書中で使用されるように、「アナログ」は、配列が、例えば、アミリンおよびカルシトニンといった基本の参照ペプチドのものから由来したペプチドを指し、好ましくは、基本のペプチドと少なくとも50または55%のアミノ酸配列同一性を有する、より好ましくは、基本のペプチドと少なくとも70%、80%、90%、または95%のアミノ酸配列同一性を有する参照アミノ酸配列の挿入、置換、延長、および/または欠失を含む。1つの具体例において、そのようなアナログは、(非天然アミノ酸およびLおよびD形態を含む)保存的または非保存的アミノ酸置換を含み得る。アナログは、アゴニストを有する化合物およびアンタゴニスト活性を有する化合物を含む。また、本明細書において定義されるように、アナログは誘導体を含む。
【0014】
「誘導体」は、1以上のそのアミノ酸側鎖、α-炭素原子、末端アミノ基、または末端カルボン酸基の化学的修飾を有する上記の参照ペプチドまたはアナログと定義される。化学的修飾は、化学部位を加える、新たな結合を作り出す、および化学部位を除去することを含むが、これらに限定されるものではない。アミノ酸側鎖での修飾は、制限なしに、リジンε-アミノ基のアシル化、アルギニン、ヒスチジン、またはリジンのN-アルキル化、グルタミン酸またはアスパラギン酸カルボン酸基のアルキル化、およびグルタミンまたはアスパラギンのアミド分解を含む。末端アミノの修飾は、制限なしに、デスアミノ、N-低級アルキル、N-ジ-低級アルキル、およびN-アシル修飾を含む。末端アミノの修飾は、制限なしに、デスアミノ、N-低級アルキル、N-ジ-低級アルキル、およびアルキルアシル、分岐アルキルアシル、アルキルアリール-アシルのようなN-アシル修飾を含む。末端カルボキシ基の修飾は、制限なしに、アミド、低級アルキルアミド、ジアルキルアミド、アリールアミド、アルキルアリールアミドおよび低級アルキルエステル修飾を含む。低級アルキルはC1-C4アルキルである。さらに、1以上の側鎖、または末端基は、普通に熟練した合成化学者に知られる保護基によって保護されてもよい。アミノ酸のα-炭素は、モノ-またはジメチル化されていてもよい。
【0015】
特定の具体例において、該新規化合物は、アミリンまたはアミリンアナログループ領域、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも一部、およびアミリンまたはアミリンアナログC-末端テイルを有する。他の具体例において、該新規化合物は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログループ領域、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも一部、およびアミリンまたはアミリンアナログC-末端テイルを有する。さらなる他の具体例において、該新規化合物は、アミリンまたはアミリンアナログループ領域、アミリンまたはアミリンアナログαらせん領域の少なくとも一部およびカルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも一部、およびアミリンまたはアミリンアナログC-末端テイルを有する。さらに他の具体例において、該新規化合物は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログループ領域、アミリンまたはアミリンアナログαらせん領域の少なくとも一部およびカルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも一部、およびアミリン末端アミリンアナログC-末端テイルを有する。さらになお他の具体例において、該新規化合物は、アミリンまたはアミリンアナログループ領域、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の一部またはアミリンまたはアミリンアナログαらせん領域の少なくとも一部およびカルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも一部、およびカルシトニンまたはカルシトニンアナログC-末端テイルを有する。
【0016】
特定の具体例において、該新規化合物の該ループ領域は、さらに、該アミリンまたはカルシトニンループ、およびそのアナログからの置換、挿入、または欠失を含む1、2、3、または4つ以下の修飾を含み得る。さらに、該新規化合物は、アセチル、イソカプロイル、3,6-ジオキシオクタン酸、または1-アミノ-4,7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミンスクシニミック酸(tridecanamine succinimic acid)のような疎水性または親水性特徴を有し得るN-冠域を含むループのN-末端部にて、さらなる修飾を有し得ると考えられる。さらに、修飾は、1、2、3以上のさらなるアミノ酸を含み得る。これは、枚挙にいとまがない多くの修飾を可能にする領域であるが、本出願においてさらに例示されるものに基づき、当業者によって理解されるであろう。
【0017】
一般的には、アミノ酸配列に関して、用語「修飾」は、単独でまたは組合せでの置換、挿入、延長、欠失、および誘導体化を含む。本発明の新規化合物は、「非必須」アミノ酸残基の1以上の修飾を含み得る。本発明の文脈において、「非必須」アミノ酸残基は、アナログポリペプチドのアゴニスト活性を取り除くまたは実質的に減少させたりせずに、新規アミノ酸配列において、改変、つまり、欠失または置換され得る残基である。
【0018】
置換は、保存的アミノ酸置換を含む。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖、または物理化学的特徴(例えば、静電、水素結合、等比体積、疎水性特徴)を有するアミノ酸残基によって置換されるものである。該アミノ酸は、天然に生じるまたは非天然(非天然)であってもよい。同様の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で知られている。これらのファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電性極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、メチオニン、システイン)、非極性側鎖 (例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン)、β-分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸を含む。また、置換は、非保存的変化を含んでもよい。
【0019】
また、本発明の化合物は、さらに、アミド化、グリコシル化、アシル化、硫酸化、リン酸化、アセチル化、および環化のような化学的改変によって誘導体化されてもよい。そのような化学的改変は、化学的または生化学的手順を介して、ならびにインビボプロセス、またはそのいずれかの組合せを介して得てもよい。また、本発明の化合物の誘導体は、1以上のポリマーまたは小分子置換基への結合を含み得る。ポリマー結合の1つのタイプは、ポリエチレングリコール (「PEG」) ポリマー、ポリアミノ酸 (例えば、ポリ-his、ポリ-arg、ポリ-lys等)および/またはAFP-6アナログのN-またはC-末端またはアミノ酸残基側鎖への種々の長さの脂肪酸鎖の連結または付着である。小分子置換基は、短いアルキルおよび限定アルキル(例えば、分岐、環状、縮合、アダマンチル)、および芳香族基を含む。加えて、RおよびKのような塩基性残基は、ホモRおよびホモK、シトルリン、またはオルニチンによって置換されて、ペプチドの代謝安定性を改善し得る。また、本発明の化合物は、ペプチドの酸ならびにアミド形態を含む。
【0020】
特定の具体例において、該新規化合物の該αらせん領域は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも4つの連続アミノ酸を含む。他の具体例において、該αらせん領域は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも5、6、7、または8つの連続アミノ酸を含む。他の具体例において、該αらせん領域は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21またはそれ以上の連続アミノ酸を含む。特定の具体例において、連続アミノ酸の数が8未満である時、該αらせん領域は、さらに、アミリンまたはアミリンアナログαらせん領域の少なくとも4、5、6、7、9、10、11、またはそれ以上の連続アミノ酸を含むと考えられる。特定の具体例において、カルシトニンまたはカルシトニンアナログのアミノ酸が少なければ少ないほど、より多くのアミリンまたはアミリンアナログのアミノ酸が、該新規化合物の該αらせん領域において発見され得ると予想される。該αらせん領域を含むアミノ酸の数は、約10ないし23のアミノ酸であり得る。従って、該αらせん領域は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23のアミノ酸長であり得る。さらに、該アミノ酸は、約3ないし約6つのαらせんターンを提供するはずである。さらに、該新規化合物の該αらせん領域は、さらに、該カルシトニンおよび/またはアミリンαらせん領域、およびそのアナログのものからの置換、挿入、または欠失を含む、1、2、3、4、5、6、7、8または10以下の修飾を含み得ると考えられる。
【0021】
特定の具体例において、該新規化合物の該C-末端テイルは、アミリンまたはカルシトニン、およびそのアナログのいずれかの少なくとも最後の6、5、または4つのアミノ酸を含む。特定の具体例において、該新規化合物の該C-末端テイルは、βターンを有するC-末端の少なくとも一部を含む。特定の具体例において、該βターンは、Gly-Serのアミノ酸組合せによって導入される。従って、該新規化合物は、Gly-Serを有するまたはGly-Serで開始するアミリンまたはカルシトニンC-末端テイル (およびそのアナログ)の一部を含むC-末端を有し得る。
【0022】
特定の具体例において、該新規化合物の該C-末端テイルは、さらに、該アミリンまたはカルシトニンループ、およびそのアナログからの置換、挿入、または欠失を含む1、2、または3以下の修飾を含み得る。さらに、該新規化合物は、L-オクチルグリシン、4ABU (4-アミノ酪酸)、9Anc (9 アミノナノン酸、3,6-ジオキシオクタン酸または1-アミノ-4,7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミンスクシニミック酸(tridecanamine succinimic acid)を含み得る該C-末端テイルのC-末端部にて、さらなる修飾を有し得ると考えられる。さらに、修飾は、1、2、3またはそれ以上のさらなるアミノ酸を含み得る。この領域で考えられる修飾のタイプは、本出願においてさらに例示されるものに基づき、当業者によって理解されるであろう。
【0023】
1つの態様において、ループ領域は、例えば、アミリンの位置2-7での残基またはカルシトニンの位置1-7での残基およびそれらのそれぞれのアナログにおけるそれらの対応する領域といった、少なくとも5ないし8つのアミノ酸を含むN-末端にて見受けられる該領域として定義され、ここに、該第1および最後のアミノ酸は、結合を作り出すことが可能である。もう1つの態様において、αらせん領域は、例えば、アミリンの位置8-23での残基またはカルシトニンの位置8-27での残基およびそれらのそれぞれのアナログにおけるそれらの対応する領域といった、αらせんを構造的に形成する該ループ領域および該C-末端テイルによってフランクされたアミリンまたはカルシトニンの内部分として定義される。さらにもう1つの態様において、C-末端テイルは、例えば、アミリンの位置33-37または位置27-37での残基またはカルシトニンの位置27または28ないし32での残基のようなそれ以上での残基といった、該αらせんより後の該領域として定義される。開示された化合物のアミドおよび酸形態の両方が、本発明の化合物に含まれる。
【0024】
本明細書中で定義されるように、アミリンおよびカルシトニンは、全ての天然および種変動を含む。アミリンおよびカルシトニンの例は:
ヒトアミリン (hAmylin) KCNTATCATQRLANFLVHSSNNFGAILSSTNVGSNTY (配列番号:1)
ラットアミリン (rAmylin) KCNTATCATQRLANFLVRSSNNLGPVLPPTNVGSNTY (配列番号:2)
サケカルシトニン (sCT) CSNLSTCVLGKLSQELHKLQTYPRTNTGSGTP (配列番号:3)
ヒトカルシトニン (hCT) CGNLSTCMLGTYTQDFNKFHTFPQTAIGVGAP (配列番号:4)
を含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
「アミノ酸」および「アミノ酸残基」によって、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、および修飾アミノ酸を意味する。反対のことを述べない限り、一般的なまたは名前によって具体的なアミノ酸へのいずれの言及も、もし構造がそのような立体異性体を許容するなら、DおよびL立体異性体の両方への言及を含む。天然アミノ酸は、アラニン (Ala)、アルギニン (Arg)、アスパラギン (Asn)、アスパラギン酸 (Asp)、システイン (Cys)、グルタミン (Gln)、グルタミン酸 (Glu)、グリシン (Gly)、ヒスチジン (His)、イソロイシン (Ile)、ロイシン (Leu)、リジン (Lys)、メチオニン (Met)、フェニルアラニン (Phe)、プロリン (Pro)、セリン(Ser)、トレオニン (Thr)、トリプトファン (Trp)、チロシン (Tyr)およびバリン (Val)を含む。非天然アミノ酸は、ホモリジン、ホモアルギニン、ホモセリンアゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、第三-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフタラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸およびチオプロリンを含むが、これらに限定されるものではない。さらなる非天然アミノ酸は、例えば、N-メチル化DおよびLアミノ酸または残基のような、N-末端アミノ基または側鎖基上で、化学的に遮断された、可逆的にまたは不可逆的に、あるいは化学的に修飾された修飾アミノ酸残基を含み、ここに、側鎖官能基は、もう1つの官能基に化学的に修飾される。例えば、修飾アミノ酸は、メチオニンスルホキシド; メチオニンスルホン; アスパラギン酸-(ベータ-メチルエステル)、アスパラギン酸の修飾アミノ酸; N-エチルグリシン、グリシンの修飾アミノ酸;またはアラニンカルボキサミド、アラニンの修飾アミノ酸を含む。組み込むことができるさらなる残基は、Sandberg et al., J. Med. Chem. 41: 2481-91, 1998に記載される。
【0026】
一般的な態様において、本発明の化合物は、少なくともループ領域、αらせん領域、およびC-末端テイルを含む。該ループ領域は、式X-Xaa1 配列-Yを含むアミノ配列を含み、ここに、XおよびYは、結合を作り出すことが可能であり、相互に化学的に結合して、ジスルフィド結合;アミド結合のような分子内連結を形成する側鎖;環状ラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン;凝縮され還元されて、アルキルアミンまたはイミン橋を形成し得るアルキルアルデヒドまたはアルキルハライドおよびアルキルアミン;または、結合して、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルまたはチオエーテル結合を形成し得る側鎖のような側鎖を有する独立して選択された残基である。アルキル鎖は、約1ないし約6つの炭素原子を有する低級アルキル基を含み得る。特定の具体例において、該分子内連結は、ジスルフィド、アミド、イミン、アミン、アルキルおよびアルケン結合であり得る。特定の具体例において、XおよびYは、独立して、Ser、Asp、Glu、Lys、Orn、またはCysから選択される。特定の具体例において、XおよびYはCysおよびCysである。他の具体例において、XおよびYはSerおよびSerである。さらに他の具体例において、XおよびYは、AspおよびLysまたはLysおよびAspである。
【0027】
Xaa1配列は、XおよびYの間の3、4、5、または6 アミノ酸のアミノ酸配列を含む。特定の具体例において、Xaa1配列は、Yに隣接する1以上の置換または非置換ヒドロキシル含有残基を有する領域を有するアミノ酸配列を含む。例えば、ヒドロキシル含有残基領域は、SerまたはThrのいずれかである3つのアミノ酸隣接Yのうちの少なくとも2つを有し得る。Xaa1配列における他のアミノ酸は、いずれのアミノ酸であってもよい。特定の具体例において、Xaa1配列は3 アミノ酸である。他の具体例において、Xaa1配列は4 アミノ酸である。さらに他の具体例において、Xaa1配列は5 アミノ酸である。さらに他の具体例において、Xaa1配列は6 アミノ酸である。従って、Xaa1は、Xaa2-Xaa3-Xaa4-Xaa5-Xaa6-Xaa7 (配列番号:5)によって表すことができる。特定の具体例において、Xaa2、Xaa3、および/またはXaa4は不在であってもよい。特定の具体例において、Xaa5、Xaa6、およびXaa7は、ヒドロキシ含有残基領域を含む。そのようなものとして、該3つのアミノ酸のうちの少なくとも2つは、Ser、hSer、Thr、alloThr、d-Thr、またはその他の天然でないアナログであり得る。Xaa2はいずれかのアミノ酸であるかまたは存在しなくてもよく、Xaa3はいずれかのアミノ酸であるかまたは存在しなくてもよく、Xaa4はいずれかのアミノ酸であるかまたは存在しなくてもよく、もしXaa6がSerまたはThrであり、Xaa7がSerまたはThrならば、Xaa5はいずれかのアミノ酸であり得、Xaa5がSerまたはThrであり、Xaa7がSerまたはThrならば、Xaa6はいずれかのアミノ酸であり得、Xaa5がSerまたはThrであり、Xaa6がSerまたはThrならば、Xaa7はいずれかのアミノ酸であり得る。従って、特定の具体例において、Xaa1はXaa2存在せずとして表すことができ、Xaa3は、Ala、Gly、Ser、Aspまたは存在せず、Xaa4は、Asn、Ala、Asp、Glyまたは存在せず;Xaa5は、Ala、Leu、Thr、またはSerであり;Xaa6は、Ala、Ser、またはThrであり;ならびにXaa7は、Ala、Ser、Val、Hse、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-メチルブタン酸(Ahb)、(2S,3R)-2-アミノ-3ヒドロキシ-メチルペンタン酸(Ahp)、D-Thr、Thr、またはその誘導体である。他の具体例において、Xaa1はXaa2存在せずとして表すことができ、Xaa3はSer、Gly、または存在せず、Xaa4はAsn またはAspであり、Xaa5はAla、Ser、ThrまたはLeuであり、Xaa6はAla、ThrまたはSerであり、およびXaa7はSer、D-Thr、アロThrまたはThrである。特定の具体例において、該ループ領域は、Xaa1の上記表現を含み、ここに、Xaa3はAlaであり、ここにXaa3はSerであるかあるいはここにXaa3はGlyである。別法としてあるいは加えて、該ループ領域は、Xaa1の上記表現を含み、ここにXaa4はAlaであり、ここにXaa4はAsnであり、ここにXaa4はAspであり、あるいはここにXaa4はGlyである。別法としてあるいは加えて、該ループ領域はXaa1の上記表現を含み、ここにXaa5はAlaであり、ここにXaa5はThrであり、あるいはここにXaa5はLeuである。別法としてあるいは加えて、該ループ領域は、Xaa1の上記表現を含み、ここに、Xaa6はSerであるかあるいはここにXaa6はAlaである。別法としてあるいは加えて、該ループ領域は、Xaa1の上記表現を含み、ここに、Xaa7はThrであるかあるいはXaa7はD-Thrである。さらに、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、または3以下の修飾が、該ループ領域になされてもよいと考えられる。
【0028】
例えば、代替物が、1以上の潜在的アミノ酸を含有する各アミノ酸位置といったマーカッシュ群で書かれることが、本出願を通して記されるべきである。特異的には、該マーカッシュ群の各メンバーは別個に考えられるべきであり、それにより、本発明のもう1つの具体例を含み、該マーカッシュ群は単一のユニットとして読み取られるべきではないと考えられる。
【0029】
本発明のループ領域の例は、C-N-T-A-T-C (配列番号:6); C-A-T-A-T-C (配列番号:7); C-D-T-A-T-C (配列番号:8); C-G-T-A-T-C (配列番号:9); C-N-A-A-T-C (配列番号:10); C-N-T-S-T-C (配列番号:11); C-N-T-A-dThr-C (配列番号:12); C-N-T-A-T(OPO3H2)-C (配列番号:13); C-N-T-A-S-C (配列番号:14); C-N-T-A-A-C (配列番号:15); C-N-T-A-V-C (配列番号:16); C-N-T-A-Hse-C (配列番号:17); C-N-T-A-Ahb-C (配列番号:18); C-N-T-A-Ahp-C (配列番号:19); C-S-N-L-S-T-C (配列番号:20); C-G-N-L-S-T-C (配列番号:21); C-A-N-L-S-T-C (配列番号:22); C-S-A-L-S-T-C (配列番号:23); C-S-N-A-S-T-C (配列番号:24); C-S-N-L-A-T-C (配列番号:25);およびC-S-N-L-S-A-C (配列番号:26)を含むが、これらに限定されるものではない。先述のように、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、または3以下の修飾が該ループ領域になされ得ることがさらに考えられる。
【0030】
該新規化合物の該ループ領域は、さらに、N-末端にて、修飾またはさらなるアミノ酸を含み得る。そのような修飾は、Lys、Ala、Phe、Ile、Ser、オクチルグリシン、Isocap、Fmoc-3,6-ジオキシオクタン酸、Fmoc-1-アミノ-4,7,10-トリオキサ-13-トリデカンアミンスクシニミック酸(tridecanamine succinimic acid)、アセチル、および/または溶解性、送達、シグナリングのための基のような化合物の付加を含む。例示的な修飾されたループは、Xaa1の配列へのLysの付加またはXaa1の配列へのIleの付加を含む。例えば、該修飾されたループ領域は、K-C-N-T-A-T-C (配列番号:27)であってもよい。特定の具体例において、該ループ領域の該N-末端での添加および/または修飾は、該ループ領域を変化し得る。例えば、本発明の該ループ領域は、以下のとおり修飾されてもよい: シクロ(2,7) 1-7 hAmylin、シクロ(2Asp 7Lys) 1-7 hAmylin、N-イソカプロイル 1-7 hAmylin、N-3,6 ジオキサオクタノイル 1-7 hAmylin、L-オクチルグリシン 1-7 hAmylin、アセチル (2Agy、7Agy) 1-7 hAmylin [式中、Agyは、アリルグリシン、アセチル (1Ala) 1-7 hAmylin、(1Thr 3Asp) 1-7 hAmylin、Isocap (7Ala) 5-7 sCT、アセチル (2Agy、7Agy) 1-7 sCT、およびシクロ (1,7) (1Asp 7Lys) 1-7 sCTである]。従って、Isocap(7Ala) 5-7 sCTの例を挙げると、本発明の特定の具体例は、アミノ酸 Xaa2ないしXaa5が存在しないように、本発明の該ループ領域の該N-末端領域での修飾を含む。
【0031】
本出願を通して、該アミノ酸配列は、参照ペプチドに隣接する位置aないし位置bのアミノ酸と呼んでもよい。本出願において、該参照ペプチドは、アミリンおよびカルシトニンであり、それらの配列は、配列番号:1ないし4で提供される。例えば、前の段落において、1-7 hAmylinは、ヒトアミリン (配列番号:1)の包括的な位置1ないし位置7の該アミノ酸配列を指す。該参照ペプチドへの修飾は:該修飾に隣接する修飾の位置として示し得る。例えば、(2Asp 7Lys) 1-7 hAmylinは、位置2でのCysないしAspの修飾および位置7でのCysないしLysの修飾を有するヒトアミリンの位置1ないし7での該アミノ酸配列を表す。
【0032】
該新規化合物の該αらせん領域は、長さ約8ないし23 アミノ酸であり得る。特定の具体例において、該αらせん領域は両親媒性である。特定の具体例において、該αらせん領域は、約3ないし6のらせんターンを含む。特定の具体例において、該αらせん領域は、3、4、5、または6のらせんターンを含む。他の具体例において、該αらせん領域は、約3、4、5、または6のらせんターンに同等の強固な構造である。理想化されたらせんの例は、LLQQLQKLLQKLKQY (配列番号:28)である。特定の具体例において、該αらせんは、両親媒性構造である。従って、このタイプの構造を提供するであろう所望のアミノ酸の特徴が選択され得る。
【0033】
該カルシトニンαらせん領域、アミリンおよびカルシトニンαらせん領域の組合せ、またはその部分、および/またはいくつかのCGRP要素が、該新規化合物の該αらせん領域において望ましいことが分かっている。該ループ領域と同様、該αらせん領域は、いずれかのアミリンまたはカルシトニン、およびそのアナログからであり得ると考えられる。従って、特定の具体例において、該αらせん領域は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログのαらせん領域の少なくとも一部である。他の具体例において、該αらせん領域は、カルシトニンまたはカルシトニンアナログのαらせん領域の少なくとも一部およびアミリンまたはアミリンアナログのαらせんの少なくとも一部である。さらに他の具体例において、該新規化合物の該αらせん領域は、CGRPの要素を含有する。さらに、新規化合物は、置換、挿入、欠失および/または誘導体化のような1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10を超えるさらなる修飾を有さないと考えられる。
【0034】
特定の具体例において、本発明の該αらせん領域は、sCTの位置8ないしsCTの位置18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27のアミノ酸を含み得る。さらに、該αらせん領域は、例えば、8-21 sCT 19-27 sCT; 8-21 sCT 18-27 sCT;または8-16 hCT 17-27 sCT;または(11Arg) 8-16 hCT (18Arg) 17-27 sCTといった同一または異なる種のカルシトニンまたはカルシトニンアナログαらせん領域の1以上の部分を含み得る。別法としてまたは加えて、8-18 sCTないし8-27 sCTの該上記αらせんは、さらに、(10Aib)、(11Arg)、(11Orn)、(11hArg)、(11Cit)、(11hLys)、(11Lys(for))、(17Aib)、(18Arg)、(18Orn)、(18hArg)、(18Cit)、(18hLys)、(18Lys(for))、(18Lys(PEG5000))、(22Leu)、(24Pro)またはそのいずれかの組合せの1以上の置換を含み得る。
【0035】
1つの具体例において、本発明のαらせん領域は、(αらせん領域タイプI) R1-VL Xaa10 Xaa11 LSQ Xaa15 L Xaa17 Xaa18 LQT Xaa22 P Xaa24 TNT-R1 (配列番号:29)によって表すことができ、ここに、
Xaa10は、GlyまたはAibであり;
Xaa11は、Lys、Arg、Orn、hArg、Cit、hLys、またはLys(for)であり;
Xaa15は、GluまたはPheであり;
Xaa17は、HisまたはAibであり;
Xaa18は、Lys、Arg、Orn、hArg、Cit、hLys、Lys(for)、Lys(PEG 5000)であり;
Xaa22は、TryまたはLeuであり;
Xaa24は、ArgまたはProであり;あるいは
R1は、存在せずまたは1ないし4つのさらなるアミノ酸を含む。
【0036】
再び、該マーカッシュ群の各メンバー、またはその組合せは、本発明のもう1つの具体例であって、単一のユニットとして読み取られるべきでないことを記憶に留めておくべきである。これは、例として、本発明の具体例が、Xaa18 がLys、Arg、Orn、hArg、Cit、hLys、またはLys(for)であり得るαらせん領域タイプI式を含み、各変形が本発明の別の具体例であると述べる手短な方法である。従って、該αらせん領域タイプI式は、Xaa18がArgである1つの具体例を有する。それは、Xaa18がArgである等もう1つの具体例を有する。さらに、該αらせん領域は、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以下の修飾を含有し得ると考えられる。従って、αらせん領域タイプIの該化合物は、C-末端にて、さらなる欠失を有し得る。特定の具体例において、R1の該アミノ酸は、αらせんターンを形成することができる。
【0037】
本発明のαらせん領域タイプIの例は、8-18 sCT、8-21 sCT、8-24 sCT、8-27 sCT、(11Arg) 8-18 sCT、(18Arg) 8-18 sCT、(11Arg 18Arg) 8-18 sCT、(11Orn 18Orn) 8-18 sCT、(11Arg 18Cit) 8-18 sCT、(11hArg 18hArg) 8-18 sCT、(11Arg 18Orn) 8-18 sCT、(11Cit 18Arg) 8-18 sCT、(11Cit 18Cit) 8-18 sCT、(11hLys 18hLys) 8-18 sCT、(10Aib 11Arg 17Aib 18Arg) 8-18 sCT、(11Lys(for) 18Lys(for)) 8-18 sCT、(10Aib 11Lys(for) 17Aib 18Lys(for)) 8-18 sCT、(11Arg 18Lys(PEG 5000)) 8-18 sCT、(11Arg) 8-21 sCT、(18Arg) 8-21 sCT、(11Arg 18Arg) 8-21 sCT、(11Orn 18Orn) 8-21 sCT、(11Arg 18Cit) 8-21 sCT、(11hArg 18hArg) 8-21 sCT、(11Arg 18Orn) 8-21 sCT、(11Cit 18Arg) 8-21 sCT、(11Cit 18Cit) 8-21 sCT、(11hLys 18hLys) 8-21 sCT、(10Aib 11Arg 17Aib 18Arg) 8-21 sCT、(11Lys(for) 18Lys(for)) 8-21 sCT、(10Aib 11Lys(for) 17Aib 18Lys(for)) 8-21 sCT、(11Arg 18Lys(PEG 5000)) 8-21 sCT、(11Arg) 8-24 sCT、(18Arg) 8-24 sCT、(11Arg 18Arg) 8-24 sCT、(11Arg 18Arg 22Leu) 8-24 sCT、(11Arg 18Arg 24Pro) 8-24 sCT、(11Orn 18Orn) 8-24 sCT、(11Arg 18Cit) 8-24 sCT、(11hArg 18hArg) 8-24 sCT、(11Arg 18Orn) 8-24 sCT、(11Cit 18Arg) 8-24 sCT、(11Cit 18Cit) 8-24 sCT、(11hLys 18hLys) 8-24 sCT、(10Aib 11Arg 17Aib 18Arg) 8-24 sCT、(11Lys(for) 18Lys(for)) 8-24 sCT、(10Aib 11Lys(for) 17Aib 18Lys(for)) 8-24 sCT、(11Arg 18Lys(PEG 5000)) 8-24 sCT、(11Arg) 8-27 sCT、(18Arg) 8-27 sCT、(11Arg 18Arg) 8-27 sCT、(11Arg 18Arg 22Leu) 8-27 sCT、(11Arg 18Arg 24Pro) 8-27 sCT、(11Orn 18Orn) 8-27 sCT、(11Arg 18Cit) 8-27 sCT、(11hArg 18hArg) 8-27 sCT、(11Arg 18Orn) 8-27 sCT、(11Cit 18Arg) 8-27 sCT、(11Cit 18Cit) 8-27 sCT、(11hLys 18hLys) 8-27 sCT、(10Aib 11Arg 17Aib 18Arg) 8-27 sCT、(11Lys(for) 18Lys(for)) 8-27 sCT、(10Aib 11Lys(for) 17Aib 18Lys(for)) 8-27 sCT、(11Arg 18Lys(PEG 5000)) 8-27 sCT、(11Arg 18Arg) 8-21 sCT-19-27 sCT、および(11Arg 18Arg) 8-21 sCT-(18Leu) 18-27 sCTを含むが、これらに限定されるものではない。
【0038】
特定の具体例において、本発明の該αらせん領域は、アミリンまたはアミリンアナログのαらせん領域の一部およびカルシトニンまたはカルシトニンアナログのαらせん領域の一部を含み得る。本発明の該αらせん領域は、hAmylinの位置8ないしhAmylinの11、12、13、14、15、16、17、18または19のアミノ酸およびsCTの位置13、14、15、16、17、18、および19ないしsCTの位置18、19、20、21、22、23、24、25、26、または27のアミノ酸を含み得る。別法としてまたは加えて、アミリンおよびカルシトニンの該上記のαらせん領域は、さらに、1以上の(8Val)、(9Leu)、(9Met)、(10Gly)、(10His)、(12Thr)、(13Thr)、(13Asn)、(13Phe)、(13Tyr)、(14Arg)、(14Ala)、(14Asp)、(14Glu)、(14Gln)、(14Thr)、(14Gly)、(15Leu)、(15Ser)、(15Glu)、(15Ala)、(15Tyr)、(16Asp)、(17Ser)、(17Phe)、(18Arg)、(17Aib)、(18Arg)、(18Orn)、(18hArg)、(18Cit)、(18hLys)、(18Lys(for))、(18Lys(PEG5000))、(19Phe)、(20His)、(21Asn)、(22Met)、(22Val)、(22Phe)、(22Leu)、(24Pro)、またはそのいずれかの組合せの置換を含み得る。特定の具体例において、本発明の該αらせん領域のアミノ酸の数は、少なくとも10 アミノ酸である。他の具体例において、本発明の該αらせん領域におけるアミノ酸の数は、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、または23である。他の具体例において、本発明の該αらせん領域におけるアミノ酸の数は24以上である。
【0039】
1つの具体例において、本発明のαらせん領域は、(αらせん領域タイプII) R1-Xaa8 Xaa9 Xaa10 R Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 P Xaa24 TNT-R1 (配列番号:30)によって表すことができ、ここに
Xaa8は、AlaまたはValであり;
Xaa9は、Thr、MetまたはLeuであり;
Xaa10は、Gln、Gly、Hisであり;
Xaa12は、Leu、またはThrであり;
Xaa13は、Ala、Thr、Asn、Phe、Tyr、Ser、またはThrであり;
Xaa14は、Asn、Arg、Ala、Asp、Glu、Gln、Thr、またはGlyであり;
Xaa15は、Phe、Leu、Ser、Glu、Ala、Asp、またはTyrであり;
Xaa16は、LeuまたはAspであり;
Xaa17は、Val、His、Ser、Phe、またはAibであり;
Xaa18は、His、Arg、Lys、Orn、hArg、Cit、hLys、Lys(for)、またはLys(PEG5000)であり;
Xaa19は、Leu、SerまたはPheであり;
Xaa20は、GlnまたはHisであり;
Xaa21は、ThrまたはAsnであり;
Xaa22は、Tyr、Val、Phe、LeuまたはMetであり;
Xaa24は、ArgまたはProであり;および
R1は、存在せずまたは1ないし4のさらなるアミノ酸を含む。
【0040】
再び、該マーカッシュ群の各メンバー、またはその組合せは、本発明のもう1つの具体例であり、単一のユニットとして読み取られるべきでないことは記憶に留めておくべきである。さらに、該αらせん領域は、本明細書中に記載される化合物の置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以下の修飾を含有し得ると考えられる。例えば、特定の具体例において、αらせん領域タイプIIの化合物は、C-末端にて欠失を有し得、これは、位置27、26、25、24、または22の欠失を生じる。しかしながら、他の具体例において、欠失は、位置19、20、21、または22のアミノ酸を除去しない。
【0041】
タイプIIのαらせん領域の例は、(8Val 9Leu 10Gly) 11-15 hAmylin 16-27 sCT、(8Val 9Leu 10Gly) 11-15 hAmylin (18Arg) 16-27 sCT、8-12 hAmylin (18Arg) 13-27 sCT、8-18 hAmylin 19-23 sCT、8-18 HAmylin 19-27 sCT、(15Glu 18Arg) 8-18 hAmylin 19-24 sCT、(14Arg 15Ser) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Ala 14Ala 15Ala) 8-18 hAmylin 19-27 sCT、(13Ala 14Asp 15Ala) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Ala 14Asp) 8-18 hAmylin 19-23 sCT、(13Ala 14Asp) 8-18 hAmylin 19-27 sCT、(13Ala 14Ala) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Ala 14Glu) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Thr 14Asp 15Tyr) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Ala 14Gln) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(13Asn 14Glu 15Tyr) 8-18 hAmylin 19-27 sCT、(13Phe 14Asp) 8-18 hAmylin 19-27 sCT、(13Ala 14Asp) 8-18 hAmylin (15Glu 18Arg) 8-18 hAmylin 19-24 sCT、(19Phe 22Phe) 19-27 sCT、(13Ala 14Asp) 8-18 hAmylin (19Phe 20His 22Phe) 19-27 sCT、(13Ala 14Asp) 8-18 hAmylin (19Phe 22Phe) 19-27 sCT、(9Thr 10His) 8-18 hAmylin 19-22 sCT、(9Thr 10His 14Gly 15Leu 17Ser 18Arg) 8-19 hAmylin 20-23 sCT、8-18 hAmylin (21Asn 22Phe 23Val) 19-23 sCT、8-18 hAmylin (22Met) 19-27 sCT、8-18 hAmylin (22Val) 19-27 sCT、(9Met 12Thr 13Tyr 14Thr 15Glu 16Asp 17Phe) 8-17 hAmylin (18Arg) 18-20 sCT)を含むが、これらに限定されるものではない。他の具体例において、新規化合物は、sCTの22、23、24、25、26または27に対応するところで終了する該αらせんを有する該上記例示的化合物の変化を含む。言い換えると、化合物8-18 hAmylin 19-24 sCTは、この化合物が、単に、位置24まで切断された上記の8-18 hAmylin 19-27 sCTであるとも、特異的に記載される。もう1つの例として、化合物(13Ala 14Asp 15Ala) 8-18 hAmylin 19-23は、(13Ala 14Asp 15Ala) 8-18 hAmylin 19-22に適用された上記の言語のため、特異的に記載される。
【0042】
特定の具体例において、本発明の該C-末端テイルは、hAmylinの位置27、28、29、30、31、32、または33ないし位置36または37のアミノ酸を含む。他の具体例において、該C-末端テイルは、sCTの位置27または28ないし位置32のアミノ酸を含み;しかしながら、該ループ領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからであり、該αらせん領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからである時、該C-末端テイルの該最後の位置は、Pro、Hyp、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体ではない。別法としてまたは加えて、アミリンおよびカルシトニンの該上記のαらせんは、さらに、1以上の(27Tyr) hAmylin、(29Arg) hAmylin、(32Val) hAmylin、(32Thr) hAmylin、(34Glu) hAmylin、(35Lys) hAmylin、(36Phe) hAmylin、(36Ala) hAmylin、(37Phe) hAmylin、 (30Asn) sCT、(32Tyr) sCT、またはそのいずれかの組合せの置換を含み得る。
【0043】
1つの具体例において、本発明のC-末端テイルは、Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 Xaa33 G Xaa35 Xaa36 Xaa37 Xaa38 (配列番号:31)によって表すことができ、ここに
Xaa28は、Lys、Tyr、または存在せず:
Xaa29は、Ser、Pro、または存在せず:
Xaa30は、Ser、Pro、Arg、または存在せず:
Xaa31は、Thr、または存在せず:
Xaa32は、Asn または存在せず:
Xaa33は、Val、Thr、または存在せず:
Xaa35は、Ser、Gluであり
Xaa36は、Asn、Lys、またはGlyであり;
Xaa37は、Thr、Phe、またはAlaであり;
Xaa38は、Tyr、Phe、Pro、または存在せず:
但し、該ループ領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからであり、該αらせん領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからである時、該C-末端テイルの該最後の位置は、Pro、Hyp、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体ではない。
【0044】
再び、該マーカッシュ群の各メンバー、またはその組合せは、本発明のもう1つの具体例であって、単一のユニットとして読み取られるべきではないことを記憶に留めておくべきである。さらに、該C-末端テイルは、前の段落で記載した化合物の置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、または3つ以下の修飾を含有し得ると考えられる。
【0045】
本発明の該C-末端テイルの例は、27-37 rAmylin、(27Tyr 29Arg 32Thr) 27-37 rAmylin、(29Arg 32Thr) 28-37 rAmylin、30-37 hAmylin、(32Thr) 30-37 hAmylin、(35Lys 36Ala 37Phe) 30-37 hAmylin、30-36 hAmylin、(32Val) 30-36 hAmylin、(34Glu 36Phe) 30-36 hAmylin、31-37 hAmyin、31-36 hAmylin、33-36 hAmylin、33-7 hAmylin、28-32 sCT、(30Asn 32Tyr) 28-32 sCT、および27-32 sCTを含むが、これらに限定されるものではない。他の具体例において、該C-末端テイルは、該アミノ酸配列 KSNFVPTN (配列番号:32)またはSNFVPTNV (配列番号:33)を含む。
【0046】
さらに、前の段落で記載のように、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような1、2、または3つ以下の修飾が、本発明の該C-末端テイルになされ得ると考えられる。該新規化合物の該C-末端テイルは、さらに、該C-末端にて、修飾またはさらなるアミノ酸を含み得る。そのような修飾は、Lys、4までのLys、L-オクチルグリシン、4ABU (4-アミノ酪酸)、9Anc (9-アミノナノン酸)、および/または溶解性、安定性、または送達のための基のような化合物の添加を含む。例は、33-37 hAmylin L-オクチルグリシン、33-37 hAmylin 4ABU、および33-37 hAmylin 9Ancを含む。
【0047】
一般的な態様において、本発明の化合物は、
(a)本発明のいずれかのループ領域;
(b)本発明のいずれかのαらせん領域;および
(c)本発明のいずれかのC-末端テイルを含むが、但し、該ループ領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからであり、該αらせん領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからである時、該C-末端テイルの最後の位置は、Pro、Hyp、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体ではない。
【0048】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、
(a)N-末端にて修飾を有するXaa1またはXaa1を含むループ領域;
(b)該αらせん領域タイプIまたはタイプIIを含むαらせん領域;
(c)配列番号:31によって表されるC-末端テイルを含むが、但し該ループ領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからであり、該αらせん領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからである時、該C-末端テイルの最後の位置は、Pro、Hyp、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体でない。該C-末端は、さらなる修飾を含み得る。
【0049】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、
式I Xaa1 X Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Y Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 (配列番号:34)のアミノ酸配列を含み、ここに
Xaa1は、A、C、hC、D、E、F、I、L、K、hK、R、hR、S、Hse(ホモSER)、T、G、Q、N、M、Y、W、P、Hyp(ヒドロキシプロリン)、H、Vまたは存在せず;
Xaa3は、A、D、E、N、Q、G、V、R、K、hK、hR、H、I、L、M、または存在せず;
Xaa4は、A、I、L、S、Hse、T、V、M、または存在せず;
Xaa5は、A、S、T、Hse、Y、V、I、L、またはMであり;
Xaa6は、T、A、S、Hse、Y、V、I、L、またはMであり;
Xaa8は、A、V、I、L、F、またはMであり;
Xaa9は、L、T、S、Hse、V、I、またはMであり;
Xaa10は、G、H、Q、K、R、N、hK、またはhRであり;
Xaa11は、K、R、Q、N、hK、hR、またはHであり;
Xaa12は、L、I、V、F、M、W、またはYであり;
Xaa13は、A、F、Y、N、Q、S、Hse、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、K、Q、R、H、hR、またはhKであり;
Xaa15は、A、D、E、F、L、S、Y、I、V、またはMであり;
Xaa16は、L、F、M、V、Y、またはIであり;
Xaa17は、H、Q、N、S、Hse、T、またはVであり;
Xaa18は、K、hK、R、hR、H、u (Cit)、またはn (Orn) であり;
Xaa19は、F、L、S、Hse、V、I、T、または存在せず;
Xaa20は、H、R、K、hR、hK、N、Q、または存在せず;
Xaa21は、T、S、Hse、V、I、L、Q、N、または存在せず;
Xaa22は、F、L、M、V、Y、またはIであり;
Xaa23は、P またはHypであり;
Xaa24は、P、Hyp、R,K、hR、hK、またはHであり;
Xaa25は、T、S、Hse、V、I、L、F、またはYであり;
Xaa26は、N、Q、D、またはEであり;
Xaa27は、T、V、S、F、I、またはLであり;
Xaa28は、GまたはAであり;
Xaa29は、S、Hse、T、V、I、L、またはYであり;
Xaa30は、E、G、K、N、D、R、hR、hK、H、またはQであり;
Xaa31は、A、T、S、Hse、V、I、L、F、またはYであり;および
Xaa32は、F、P、Y、Hse、S、T、またはHypであり;
ここに、XおよびYは、結合を作り出すことが可能であり、相互に化学的に結合して、ジスルフィド結合;アミド結合;環状ラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン; アルキルアルデヒドまたはアルキルハライドおよび濃縮され還元されて、アルキルアミンまたはイミン架橋を形成し得るアルキルアミンのような分子内連結を形成する側鎖; または結合して、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルまたはチオエーテル結合を形成し得る側鎖を有する独立して選択された残基である。アルキル鎖は、約1ないし約6つの炭素原子を有する低級アルキル基を含み得る。特定の具体例において、該分子内連結は、ジスルフィド、アミド、イミン、アミン、アルキルおよびアルケン結合であり得る。特定の具体例において、XおよびYは、独立して、Ser、Asp、Glu、Lys、Orn、またはCysから選択される。特定の具体例において、XおよびYは、CysおよびCysである。他の具体例において、XおよびYは、SerおよびSerである。さらに他の具体例において、XおよびYはAspおよびLysまたはLysおよびAspである。
【0050】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、式II: Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 (配列番号:35)のアミノ酸配列を含み、ここに、
Xaa1は、A、C、D、F、I、K、S、T、または存在せず;
Xaa2は、C、D、S、または存在せず;
Xaa3は、A、D、N、または存在せず;
Xaa4は、A、L、T、または存在せず;
Xaa5は、AまたはSであり;
Xaa6は、T、A、S、またはVであり;
Xaa7は、C、K、またはAであり;
Xaa8は、A、V、L、またはMであり;
Xaa9は、LまたはTであり;
Xaa10は、G、H、またはQであり;
Xaa11は、K、R、Q、またはhArgであり;
Xaa12は、L、W、またはYであり;
Xaa13は、A、F、N、Q、S、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、K、Q、またはRであり;
Xaa15は、A、D、E、F、L、S、またはYであり;
Xaa16は、L、またはFであり;
Xaa17は、H、Q、S、またはVであり;
Xaa18は、K、R、hArg、u (Cit)、またはn (Orn)であり;
Xaa19は、F、L、S、または存在せず;
Xaa20は、H、Q、または存在せず;
Xaa21は、T、N、または存在せず;
Xaa22は、F、L、M、V、またはYであり;
Xaa23は、Pであり;
Xaa24は、PまたはRであり;
Xaa25は、Tであり;
Xaa26は、Nであり;
Xaa27は、TまたはVであり;
Xaa28は、Gであり;
Xaa29は、Sであり;
Xaa30は、E、G、K、またはNであり;
Xaa31は、A またはTであり;および
Xaa32は、F、P、またはYである。
【0051】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、式III: Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32, (配列番号:36)のアミノ酸配列を含み、ここに、
Xaa1は、A、C、F、I、K、S、または存在せず;
Xaa2は、C、D、またはSであり;
Xaa3は、A、DまたはNであり;
Xaa4は、A、LまたはTであり;
Xaa5は、AまたはSであり;
Xaa6は、Tであり;
Xaa7は、CまたはKであり;
Xaa8は、AまたはVであり;
Xaa9は、LまたはTであり;
Xaa10は、G、H、またはQであり;
Xaa11は、K、R、またはhArgであり;
Xaa12は、Lであり;
Xaa13は、A、F、N、S、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、Q、またはRであり;
Xaa15は、A、E、F、L、S、またはYであり;
Xaa16は、Lであり;
Xaa17は、H、S、またはVであり;
Xaa18は、K、R、hArg、u (Cit)、またはn (Orn)であり;
Xaa19は、F、L,またはSであり;
Xaa20は、HまたはQであり;
Xaa21は、TまたはNであり;
Xaa22は、F、L、M、V、またはYであり;
Xaa23は、Pであり;
Xaa24は、PまたはRであり;
Xaa25は、Tであり;
Xaa26は、Nであり;
Xaa27は、T、またはVであり;
Xaa28は、Gであり;
Xaa29は、Sであり;
Xaa30は、E、G、K、またはNであり;
Xaa31は、A,またはTであり;および
Xaa32は、F、P、またはYである。
【0052】
一般的な態様において、式I、II、またはIIIの配列は、さらに、置換、挿入、欠失、延長および/または誘導体化の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上の修飾を含む。特定の具体例において、式I、II、またはIIIの配列は、位置22および23にてアミノ酸の間に挿入されたValを含む。他の具体例において、式I、II、またはIIIの配列は、位置22および23の間に挿入されたGlnを含む。さらに他の具体例において、式I、II、またはIIIの配列は、位置22および23の間にGln-Thr-Tyr (配列番号:37) の配列を含む。さらに他の具体例において、式I、II、またはIIIの配列は、位置22および23の間に、Leu-Gln-Thr-Tyr (配列番号:38) の配列を含む。もう1つの一般的な態様において、式I、II、またはIIIの修飾は、N-末端にあってもよい。特定の具体例において、式I、II、またはIIIの該N-末端部は、付加されたオクチルグリシンを有する。他の具体例において、式I、IIまたはIIIの該N-末端部は、付加されたisocapを有する。
【0053】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、式IV: Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 (配列番号:39)のアミノ酸配列を含み、ここに
Xaa1は、A、C、D、F、K、T、または存在せず;
Xaa2は、A、C、D、S、または存在せず;
Xaa3は、A、D、N、または存在せず;
Xaa4は、A、L、T、または存在せず;
Xaa5は、AまたはSであり;
Xaa6は、A、S、T、またはVであり;
Xaa7は、A、C、またはKであり;
Xaa8は、A、L、M、またはVであり;
Xaa9は、LまたはTであり;
Xaa10は、G、H、またはQであり;
Xaa11は、K、Q、またはRであり;
Xaa12は、L、W、またはYであり;
Xaa13は、A、N、Q、S、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、K、N、Q、またはRであり;
Xaa15は、A、D、E、F、L、S、またはYであり;
Xaa16は、FまたはLであり;
Xaa17は、H、Q、SまたはVであり;
Xaa18は、K、またはRであり;
Xaa19は、F、L、S、または存在せず;
Xaa20は、H、K、Q、または存在せず;
Xaa21は、Q、T、または存在せず;
Xaa22は、F、L、またはYであり;
Xaa23は、Pであり;
Xaa24は、PまたはRであり;
Xaa25は、Tであり;
Xaa26は、Nであり;
Xaa27は、TまたはVであり;
Xaa28は、Gであり;
Xaa29は、Sであり;
Xaa30は、E、KまたはNであり;
Xaa31は、AまたはTであり;
Xaa32は、F、Y、または存在しない。
【0054】
一般的な態様において、式IVの配列は、置換、挿入、欠失、延長および/または誘導体化の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、またはそれ以上の修飾を含む。特定の具体例において、式I、II、III、またはIVの配列は、位置24にて欠失を含む。
【0055】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、
a)Xaa1を含むループ領域;
b)αらせんループタイプI;および
c)C-末端テイルを含むアミノ酸配列を含み、
ここに、X1は、X Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Y (配列番号:5)のアミノ配列を含み、ここに、
Xaa2は、いずれかのアミノ酸または存在せず;
Xaa3は、Ala、Gly、Ser、Aspまたは存在せず;
Xaa4は、Asn、Ala、Asp、Glyまたは存在せず;
Xaa5は、Ala、Leu、Thr、またはSerであり;
Xaa6は、Ala、Ser、またはThrであり;ならびに
Xaa7は、Ala、Ser、Val、Hse、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-メチルブタン酸 (Ahb)、(2S,3R)-2-アミノ-3ヒドロキシ-メチルペンタン酸(Ahp)、D-Thr、Thr、またはその誘導体であり;
XおよびYは、結合を作り出すことが可能なアミノ酸であり、相互に化学的に結合してジスルフィド結合;アミド結合;環状ラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン;縮合され還元されて、アルキルアミンまたはイミン架橋を形成し得るアルキルアルデヒドまたはアルキルハライドおよびアルキルアミンのような分子内連結を形成する側鎖;または結合して、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルまたはチオエーテル結合を形成し得る側鎖を有する独立して選択された残基であり;
該αらせん領域タイプIは、配列R1-V L Xaa10 Xaa11 L S Q Xaa15 L Xaa17 Xaa18 L Q T Xaa22 P Xaa24 T N T-R1 (配列番号:29)を含み、ここに、
Xaa10は、GlyまたはAibであり;
Xaa11は、Lys、Arg、Orn、hArg、Cit、hLys、またはLys(for)であり;
Xaa15は、GluまたはPheであり;
Xaa17は、HisまたはAibであり;
Xaa18は、Lys、Arg、Orn、hArg、Cit、hLys、Lys(for)、Lys(PEG 5000)であり;
Xaa22は、TryまたはLeuであり;
Xaa24は、ArgまたはProであり;あるいは
R1は存在せず、または1ないし4つのさらなるアミノ酸を含み;ならびに
該C-末端テイルは、配列Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 Xaa33 G Xaa35 Xaa36 Xaa37 Xaa38 (配列番号:31)を含み、ここに、
Xaa28は、Lys、Tyr、または存在せず;
Xaa29は、Ser、Pro、または存在せず;
Xaa30は、Ser、Pro、Arg、または存在せず;
Xaa31は、Thr、または存在せず;
Xaa32は、Asnまたは存在せず;
Xaa33は、Val、Thr、または存在せず;
Xaa35は、Ser、Gluであり
Xaa36は、Asn、Lys、またはGlyであり;
Xaa37は、Thr、Phe、またはAlaであり;
Xaa38は、Tyr、Phe、Pro、または存在せず;
但し、該ループ領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからであり、該αらせん領域がカルシトニンまたはカルシトニンアナログからである時、該C-末端テイルの最後の位置は、Pro、Hyp、ホモセリン (Hse)またはHseの誘導体ではない。
【0056】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、
a)Xaa1を含むループ領域;
b)αらせんループタイプII;および
c)C-末端テイルを含むアミノ酸配列を含み、
ここに、ループ領域 Xaa1は、X Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Yのアミノ配列を含み、ここに、
Xaa2は、いずれかのアミノ酸または存在せず;
Xaa3は、Ala、Gly、Ser、Aspまたは存在せず;
Xaa4は、Asn、Ala、Asp、Glyまたは存在せず;
Xaa5は、Ala、Leu、Thr、またはSerであり;
Xaa6は、Ala、Ser、またはThrであり;ならびに
Xaa7は、Ala、Ser、Val、Hse、(S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-メチルブタン酸(Ahb)、(2S,3R)-2-アミノ-3ヒドロキシ-メチルペンタン酸(Ahp)、D-Thr、Thr、またはその誘導体であり;
XおよびYは、結合を作り出すことが可能なアミノ酸であり、相互に化学的に結合して、ジスルフィド;アミド結合;環状ラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン;縮合され、還元されて、アルキルアミンまたはイミン架橋を形成し得るアルキルアルデヒドまたはアルキルハライドおよびアルキルアミンのような分子内連結を形成する側鎖;または結合してアルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルまたはチオエーテル結合を形成し得る側鎖を有する独立して選択された残基であり;
該αらせん領域タイプIIは、配列R1-Xaa8 Xaa9 Xaa10 R Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 P Xaa24 TNT-R1 (配列番号:30)を含み、ここに、
Xaa8は、AlaまたはValであり;
Xaa9は、Thr、MetまたはLeuであり;
Xaa10は、Gln、Gly、Hisであり;
Xaa12は、Leu、またはThrであり;
Xaa13は、Ala、Thr、Asn、Phe、Tyr、Ser、またはThrであり;
Xaa14は、Asn、Arg、Ala、Asp、Glu、Gln、Thr、またはGlyであり;
Xaa15は、Phe、Leu、Ser、Glu、Ala、Asp、またはTyrであり;
Xaa16は、LeuまたはAspであり;
Xaa17は、Val、His、Ser、Phe、またはAibであり;
Xaa18は、His、Arg、Lys、Orn、hArg、Cit、hLys、Lys(for)、またはLys(PEG5000)であり;
Xaa19は、Leu、SerまたはPheであり;
Xaa20は、GlnまたはHisであり;
Xaa21は、ThrまたはAsnであり;
Xaa22は、Tyr、Val、Phe、LeuまたはMetであり;
Xaa24は、ArgまたはProであり;ならびに
R1は、存在しないまたは1ないし4つのさらなるアミノ酸を含み;ならびに
該C-末端テイルは、配列Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 Xaa33 G Xaa35 Xaa36 Xaa37 Xaa38 (配列番号:31)を含み、ここに、
Xaa28は、Lys、Tyr、または存在せず;
Xaa29は、Ser、Pro、または存在せず;
Xaa30は、Ser、Pro、Arg、または存在せず;
Xaa31は、Thr、または存在せず;
Xaa32は、Asnまたは存在せず;
Xaa33は、Val、Thr、または存在せず;
Xaa35は、Ser、Gluであり
Xaa36は、Asn、Lys、またはGlyであり;
Xaa37は、Thr、Phe、またはAlaであり;
Xaa38は、Tyr、Phe、Pro、または存在しない。
【0057】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は:
【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
【表7】

【0064】
【表8】

を含む。
【0065】
さらにもう1つの態様において、本発明の化合物は、配列番号:40ないし137の生物学的に活性な断片を含む。生物学的に活性な断片は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15またはそれ以上のアミノ酸の欠失を含み得る。特定の具体例において、配列番号:40ないし137の該アミノ酸配列は、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の修飾を含む。他の具体例において、配列番号:40ないし137の該アミノ酸配列は、置換、挿入、欠失、および/または誘導体化のような少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10以下の修飾を有する。さらに本発明のもう1つの態様において、本発明の化合物は、配列番号: 40ないし137のいずれかに対して少なくとも75、80、85、90、95、または97 % アミノ酸配列同一性を有するものを含む。パーセント同一性は、ベクター NTI (Invitrogen; Carlsbad CA)において、AlignXモジュールによる分析によって決定される。記載された各パーセント同一性、または生物学的に活性な断片または修飾への言及は、各配列番号に個々に適用されることが意図される。例えば、記載の各具体例、断片、修飾、または%同一性は、配列番号:40、41、42、43、44等、または配列番号のいずれかの群に適用できる。さらに、本発明の化合物は、実施例3に記載の化合物1ないし127を含む。
【0066】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、本明細書中に開示されたカルシトニン、アミリン、および/またはCGRPの少なくとも1つの生物学的効果に対してアゴニストとして作用し得、またはアミリン、カルシトニン、またはCGRPの受容体の少なくとも1つに結合し得る。
【0067】
さらにもう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、食糧摂取量の減少、食欲の減少、満腹感の誘導、栄養素利用性の減少、体重減少、身体組成への影響、身体エネルギー含量またはエネルギー支出の改変、(LDLコレステロールおよびトリグリセリドレベルの減少および/またはHDLコレステロールレベルの変化を含む) 脂質プロファイルの改善、胃腸運動の遅延、胃内容排出の遅延、食後の血中グルコースエクスカーションの抑制、グルカゴン分泌の防止または阻害、および血圧の降下に有用であり得る。
【0068】
従って、特定の具体例において、本発明の方法は、治療上または予防上有効量の本発明の化合物を該対象に投与することを特徴とする、栄養素利用性を減少させることによって軽減され得る状態または障害の治療または予防に有用である。そのような状態および障害は、摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症を含むが、これらに限定されるものではない。
【0069】
心血管状態または疾患の非限定的な例は、高血圧、心筋虚血、および心筋再かん流である。また、本発明の化合物は、脳卒中、癌 (例えば、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、および結腸癌)、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、低受精率、および変形性関節症を含む肥満と関連した他の状態を治療または予防するのに有用であり得る(Lyznicki et al, Am. Fam. Phys. 63:2185, 2001参照)。他の具体例において、本発明の化合物を使用して、審美的理由のために身体組成を改変する、肉体的能力を高める、あるいはより脂肪の少ない肉源を生成してもよい。
【0070】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物を使用して、グレリンの分泌を阻害してもよい。従って、本発明の化合物は、このメカニズムを利用して、プラダーウィリ症候群、全タイプの糖尿病およびその合併症、肥満、過食症、高脂血症、または栄養過剰と関連した他の障害のようなグレリン関連障害を治療または予防し得る。
【0071】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストは、バレット食道、逆流性食道炎(GERD)およびそれと関連した状態を治療または予防するのに有用であり得ると、現在認識される。そのような状態は、胸焼け、口または肺への胃/腸内容物の逆流に付随して起こる胸焼け、嚥下困難、咳、間欠的呼吸困難および声帯炎症 (GERDと関連した状態)、食道のびらん、食道潰瘍、食道狭窄、バレット化生(異常な上皮による正常な食道上皮の置き換え)、バレット腺癌、および肺吸引を含み得るが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストは、胃酸の阻害、胆汁酸の阻害、および膵酵素の阻害のような抗分泌特性を有する。さらに、アミリンは胃保護効果を有することが分かっている。従って、アミリン、アミリンアゴニストおよび本発明の化合物のこれらの特性は、それらを、バレット食道、および/またはGERDならびに本明細書中に記載されたような関係のあるまたは関連した状態の治療または予防に特に有用にし得る。
【0072】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、さらに、膵炎、膵臓癌、および胃炎を治療または予防するのに有用であり得る。さらに、本発明の化合物は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を受けた患者における膵炎の治療および予防に有用であり得る。さらに、本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストは、ソマトスタチンと組み合わされた時、驚くほど優れた治療効果を有し得ることが発見されている。従って、特定の具体例において、膵炎を治療または予防するための方法は、対象に、本発明の化合物を含むアミリン、およびアミリンアゴニストを投与し、ソマトスタチンおよびソマトスタチンアゴニストを投与することを特徴とする。他の具体例において、膵炎を治療または予防するための方法は、本発明の化合物を投与し、ソマトスタチンおよびソマトスタチンアゴニストを投与することを特徴とする。
【0073】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、また、骨吸収の減少、血漿カルシウムの減少、および鎮痛作用の誘発に有用であり得る。従って、本発明の化合物は、骨減少症および骨粗鬆症のような骨障害を治療するのに有用であり得る。さらに他の具体例において、本発明の化合物は、疼痛および痛みを伴う神経障害を治療するのに有用であり得る。
【0074】
さらにもう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、併用療法の一部として使用されてもよい。特定の具体例において、本発明の化合物は、一例として、PYYおよびPYYアゴニスト、GLP-1およびGLP-1アゴニスト、DPPIV阻害剤、CCKおよびCCKアゴニスト、エキセンディンおよびエキセンディンアゴニスト、およびレプチンおよびレプチンアゴニストのような他の商業的に入手可能なダイエット補助剤または他の抗肥満剤と一緒に使用してもよい。他の具体例において、本発明の化合物は、他の鎮痛剤、免疫抑制剤、または他の抗炎症剤と一緒に使用してもよい。
【0075】
さらにもう1つの一般的な態様において、本発明の化合物を含む新規医薬組成物ならびにそれらを使用するための方法が記載される。特定の具体例において、医薬組成物は、少なくとも0.01%ないし5% w/vを含み得る。特定の具体例において、該組成物の該pHは、約3.0ないし約6.0であり得る。特定の具体例において、緩衝液は、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、またはグルタミン酸塩であってもよい。特定の具体例において、組成物は、さらに、炭水化物または多価アルコール等張剤を含む。特定の具体例において、該組成物は、さらに、m-クレゾール、ベンジルアルコール、パラベンおよびフェノールよりなる群から選択された保存料を含む。さらに他の具体例において、該化合物の投与は約0.05 mg/kgないし約2 mg/kgの用量範囲である。例えば、一日量は、1 μgないし約5 mg/日であってもよい。特定の具体例において、送達の例示的モードは、注射、注入、(粘膜)吸収、および吸入であり得る。投与の経路は、筋肉内、静脈内、皮下、経皮、経粘膜、経口、経鼻、または肺吸引によってであり得る。
【0076】
また、本明細書中に記載の該アミノ酸配列をコードするヌクレオチド、該ヌクレオチドを含有するベクター、ヌクレオチドを伝播するおよび/または該ヌクレオチドによってコードされた該ポリペプチドを発現するための宿主細胞、該新規化合物に指向された抗体、および対象における本明細書中に記載されたもののような状態のスクリーニングまたは検出/診断におけるそれらの使用も、本発明の一部として考えられる。
【0077】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の好ましい具体例および詳細な記載への参照をもって、より明白に理解されるであろう。
【0078】
詳細な説明
本発明は、新規アミリンファミリー化合物またはアゴニスト(新規化合物および本発明の化合物とも呼ばれる)に関する。これらの新規化合物は、代謝障害、血管障害、腎障害、および/または胃腸障害のような状態を治療または予防するのに有用であり得る。前のセクションは、該化合物の構造を提供する。該新規化合物は、さらに、アミリン、カルシトニン、および/またはCGRPと比べて、代謝状態および障害の治療および/または予防において相当するまたはより高い活性のような所望の特徴を有すると記載されてもよい。他の具体例において、本発明の化合物は、相当するまたはより高い活性を有さないかもしれないが、アミリン、カルシトニンまたはCGRPよりも増加された安定性または溶解性、より少ない副作用、生物学的活性の組合せ、活性のより速い発現、活性のより長い持続期間、および/または製造、処方、または使用の容易さを有し得る。
【0079】
アミリン活性によって、化合物が、例えば、食糧摂取量の減少といった、本発明の明細書に記載したもののようなアミリンと同様の生理学的特徴を示すことが意味される。本発明の化合物は、アミリンそのものが相互作用して、例えば、食糧摂取量の減少といった生物学的応答を導き出し得るアミリン受容体、または他の受容体または複数の受容体に結合する、あるいはさもなければそれと直接的にまたは間接的に相互作用することが可能であってもよい。
【0080】
カルシトニン活性によって、化合物が、例えば、破骨細胞機能の阻害といった、本発明の明細書に記載のもののようなカルシトニンと同様の生理学的特徴を示すことが意味される。本発明の化合物は、カルシトニンそのものが相互作用して、例えば、破骨細胞機能の阻害といった生物学的応答を導き出し得るCT受容体、または他の受容体または複数の受容体に結合するあるいはさもなければそれと直接的にまたは間接的に相互作用することが可能であってもよい。
【0081】
CGRP活性によって、化合物が、血管拡張効果の誘導といった本発明の明細書に記載のもののようなCGRPと同様の生理学的特徴を示すことが意味される。本発明の化合物は、CGRPそのものが相互作用して、血管拡張効果の誘導といった生物学的応答を導き出し得るCGRP受容体、または他の受容体または複数の受容体に結合するあるいはさもなければそれと直接的にまたは間接的に相互作用することが可能であってもよい。
【0082】
また、本発明の化合物は、活性を維持する本明細書中に記載のより大きいペプチドの生物学的に活性な断片を含み得る。従って、本発明の化合物が保持する所望の活性の例は、(1)アミリン、カルシトニン、またはCGRPと同様の食糧摂取量、胃内容排出、膵臓分泌物、血圧、心拍数または体重の喪失アッセイにおいて活性を有すること、および/または(2)アミリン、カルシトニン、またはCGRPに対する受容体結合アッセイにおいて結合することを含む。いくつかの例示的アッセイは、実施例1で提供される。
【0083】
本発明の化合物は、さらに、特定の結合プロファイルを有し得る。例えば、アミリン、カルシトニン、およびCGRPの生物学的活性は、2つの近似したタイプII G 蛋白質結合受容体 (GPCR)、カルシトニン受容体(CTR)およびカルシトニン受容体様受容体 (CRLR)への結合を介して媒介される。クローニングおよび機能的研究は、CGRPおよびアミリンがCTRまたはCRLRおよび受容体活性修飾蛋白質(RAMP)の異なる組合せと相互作用することを示している。多くの細胞は複数のRAMPを発現する。RAMPおよびCTRまたはCRLRのいずれかの同時発現はカルシトニン、CGRP、およびアミリンに対する機能的受容体を発生させるのに必要であると考えられる。RAMPファミリーは、30%未満の配列同一性を共有するが、共通のトポロジー組織を有する3つのメンバー(RAMP1、-2、および-3)を含む。CRLRおよびRAMP1の同時発現は、CRLRおよびRAMP3の同時発現のように、CGRPに対する受容体の形成に繋がる。hCTR2およびRAMP1の同時発現は、アミリンおよびCGRPに対する受容体の形成に繋がる。hCTR2およびRAMP3の同時発現は、アミリンに対する受容体の形成に繋がる。
【0084】
従って、本発明の方法における使用のための本発明の化合物は、アミリンファミリーのアミリン、CGRP、およびカルシトニンの受容体に対して親和性を示し得る。本発明の化合物は、該アミリン受容体への結合に対する有意な親和性、ならびにカルシトニンおよびCGRP受容体のような他の受容体に結合する能力を示し得る。本発明の化合物は、20nM、10 nM、5 nM、1nMを超える親和性を有する、より好ましくは0.10 nMを超える親和性を有するアミリン受容体を結合し得る。加えて、本発明の化合物は、また、カルシトニンおよびCGRP受容体に対して同様の親和性で結合するが、CGRP受容体にて、より低い親和性で結合し得る。他の具体例において、本発明の化合物は、20 nM、10nM、または1 nMを超える親和性で、カルシトニン受容体に結合してもよい。さらに他の具体例において、本発明の化合物は、約1 μM、700 nM、または500 nMを超える親和性で、CGRP受容体に結合し得る。また、本発明の化合物は、種々の程度に、全3つの受容体に結合してもよい。従って、本発明の化合物は、本明細書中に記載のものからの各受容体に対して特定の結合親和性を有する結合プロファイルを有し得ると考えられる。
【0085】
式I、II、III、IVのもの、配列番号: 40ないし137の生物学的に活性な断片、配列番号: 40ないし237のいずれかに対して少なくとも75、80、82、85、87、90、92、95、または97%のアミノ酸配列同一性を有するもの、およびその生物学的に活性な断片を含む本発明の化合物は、食糧摂取量の減少、または、本明細書中、例えば、表1に記載された他の活性のうちの1つに関して、アミリン、カルシトニン、CGRP、または配列番号:40ないし137の配列を有する化合物、または実施例3における化合物1ないし137の生物学的活性の少なくとも約25%, 好ましくは、約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%を保有し得る。もう1つの具体例において、本発明の化合物は、改善された生物学的活性を呈する。好ましくは、該新規化合物は、食糧摂取量の減少、または、本明細書中、例えば、表1に記載の他の活性のうちの1つに関して、アミリン、カルシトニン、CGRP、または配列番号:40ないし137の配列を有する化合物、または実施例3における化合物1ないし137の生物学的活性の少なくとも約110%、125%、130%、140%、150%、200%、またはそれ以上を呈する。例えば、本発明の所望の化合物は、本明細書中に記載のアッセイのうちの1つの活性(食糧摂取量、減量アッセイ、胃内容排出、トリグリセリド、膵炎、グレリン、またはカルシウム)を有するものであり、これは、当該アッセイにおいてアミリン、カルシトニン、またはCGRPの活性より大きい。
【0086】
単なる説明として、本発明の所望の化合物は、ビヒクルの投与よりも5%を超えて、ビヒクルよりも好ましくは15%を超えて、より好ましくは25%を超えて、なおより好ましくは35%または40%を超えて、最も好ましくは50%を超えて累積食糧摂取量を低下させる能力を示し得る。
【0087】
さらにもう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、食糧摂取量を減少させる、食欲を減らす、満腹感を誘導する、栄養素利用性を減少させる、減量を引き起こす、身体組成に影響を与える、身体エネルギー量またはエネルギー消費量を改変する、脂質プロファイルを改善する (LDLコレステロールおよびトリグリセリドレベルの減少および/またはHDLコレステロールレベルの変化を含む)、胃腸運動を遅らせる、胃内容排出を遅らせる、食後の血糖エクスカーションを抑える、グルカゴン分泌を防ぐまたは阻害する、および血圧を低下させるのに有用であり得る。食糧摂取量、減量、胃内容排出、トリグリセリド、および身体組成に対する作用のための例示的アッセイは、少なくとも実施例3、4、5、6、および7に記載される。
【0088】
従って、特定の具体例において、該対象に治療上または予防上有効量の本発明の化合物を投与することを特徴とする本発明の方法は、栄養素利用性を減少させることによって緩和することができる状態または障害を治療または予防するのに有用である。そのような状態および障害は、摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症を含むが、これらに限定されるものではない。
【0089】
心血管状態または疾患の非限定的例は、高血圧、心筋虚血、および心筋再かん流である。また、本発明の化合物は、脳卒中、癌(例えば、子宮体癌、乳癌、前立腺癌、および大腸癌)、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、受精率の低下、および変形性関節症を含む肥満と関連した他の状態を治療または予防するのに有用であり得る(Lyznicki et al, Am. Fam. Phys. 63:2185, 2001参照)。他の具体例において、本発明の化合物を使用して、審美的理由のために身体組成を改変する、肉体的能力を高める、あるいはより脂肪の少ない肉源を生成してもよい。
【0090】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物を使用して、グレリンの分泌を阻害してもよい。従って、本発明の化合物は、このメカニズムを利用して、プラダーウィリ症候群、全タイプの糖尿病およびその合併症, 肥満、過食症、高脂血症、または栄養過剰と関連した他の障害のようなグレリン関連障害を治療または予防してもよい。グレリンに対する作用の例示的アッセイは、実施例8に記載される。
【0091】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストが、バレット食道、胃食道逆流症 (GERD)およびそれと関連した状態を治療または予防するのに有用であり得ることが、現在認識されている。そのような状態は、胸焼け、胃/腸内容物の口または肺への逆流に伴って起こる胸焼け、嚥下困難、咳、断続的な喘鳴および声帯の炎症 (GERDと関連した状態)、食道のびらん、食道潰瘍、食道狭窄、バレット化生 (正常な食道上皮の異常な上皮による置き換え)、バレット腺癌、および肺吸引を含み得るが、これらに限定されるものではない。本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストは、胃酸の阻害、胆汁酸の阻害、および膵酵素の阻害のような抗分泌特性を有する。従って、アミリン、アミリンアゴニストおよび本発明のこれらの化合物の特性は、それらをバレット食道, および/またはGERDおよび本明細書中に記載の相関または関連した状態の治療または予防に特に有用にし得る。胃酸分泌および胃保護効果に対する効果を示す例示的アッセイは、実施例10および11に記載される。
【0092】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、さらに、膵炎、膵臓癌、および胃炎を治療または予防するのに有用であり得る。さらに、本発明の化合物は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)を受けた患者における膵炎の治療および予防に有用であり得る。さらに、本発明の化合物を含むアミリンおよびアミリンアゴニストは、ソマトスタチンと組み合わされると、驚くほど優れた治療効果を有し得ることが発見されている。従って、特定の具体例において、膵炎を治療または予防するための方法は、対象に、本発明の化合物を含むアミリン、およびアミリンアゴニストを投与し、ソマトスタチンおよびソマトスタチンアゴニストを投与することを特徴とする。他の具体例において、膵炎を治療または予防するための方法は、本発明の化合物を投与し、ソマトスタチンおよびソマトスタチンアゴニストを投与することを特徴とする。膵臓機能に対して効果を示す例示的アッセイは、実施例9に記載される。
【0093】
もう1つの一般的な態様において、本発明の化合物は、また、骨吸収を減少させ、血漿カルシウムを減少させ、鎮痛効果を促すのに有用であり得る。従って、本発明の化合物は、骨減少症および骨粗鬆症のような骨障害を治療するのに有用であり得る。さらに他の具体例において、本発明の化合物は、疼痛および痛みを伴う神経障害を治療するのに有用であり得る。カルシウムレベルに対する効果を示す例示的アッセイは、実施例6に提供される。
【0094】
本発明の方法において、該ポリペプチドは、別々にあるいは長期作用または短期作用を呈する1以上の他の化合物および組成物と一緒に投与されて、アミリンまたはアミリンアナログアゴニスト、サケカルシトニン、コレシストキニン(CCK)またはCCK アゴニスト、レプチン (OB蛋白質)またはレプチンアゴニスト、エキセンディンまたはエキセンディンアナログアゴニスト、GLP-1またはGLP-1アナログアゴニスト、DPPIV阻害剤、PYYまたはPYYアナログ、AFP-6 (インターメジン)またはAFP-6 アゴニスト、ウロコルチンまたはウロコルチンアゴニスト、またはアドレノメデュリンまたはアドレノメデュリンアゴニストを含む他の化合物および組成物を含むが、これらに限定されるものではない栄養素利用性を減らしてもよい。適当なアミリンアゴニストは、例えば、(「プラムリンタイド(pramlintide)」としても知られ、米国特許5,686,511および5,998,367に記載の) [25,28,29 Pro-]-ヒトアミリンを含む。使用されるCCKは、好ましくはCCK オクトペプチド (CCK-8)である。レプチンは、例えば、(Pelleymounter, Cullen et al., Science 269: 540-543 (1995); Halaas, Gajiwala et al., Science 269: 543-6 (1995); Campfield, Smith et al., Science 269: 546-549 (1995))で論議される。適当なエキセンディンは、エキセンディン-3およびエキセンディン-4を含み、エキセンディンアゴニスト化合物は、例えば、PCT公報WO 99/07404、WO 99/25727、およびWO 99/25728に記載のものを含む。適当なPYYポリペプチドおよびアナログは、米国特許番号: [代理人整理番号18528.662および18528.663]に記載のものを含む。
【0095】
「肥満」は、一般的には、肥満度指数が30以上と定義されるが、本開示の目的のためには、30未満の肥満度指数のものを含めた、体重を減らす必要のあるあるいは体重を減らすことを望むいずれの対象も「肥満」の範囲内に含まれる。
【0096】
本発明の化合物の調製
本明細書中に記載の本発明の化合物は、例えば、自動または半自動ペプチド合成器、あるいは両方を用いる当該分野で知られる標準組換え技術または化学ペプチド合成技術を用いて調製することができる。同様に、本発明のポリペプチドの誘導体は、標準的な化学、生化学、またはインビボ手順を用いて生成することができる。
【0097】
本発明の化合物は、慣用的な技術によって、溶液中または固体支持体上で合成することができる。種々の自動合成器は商業的に入手可能であり、既知のプロトコルによって使用することができる。例えば、Stewart and Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2d. ed., Pierce Chemical Co. (1984); Tam et al., J. Am. Chem. Soc. 105: 6442 (1983); Merrifield, Science 232: 341-7 (1986); and Barany and Merrifield, The Peptides, Gross and Meienhofer, eds., Academic Press, New York, 1-284 (1979)参照。固相ペプチド合成は、キャッピングを施して、NMP/HOBt (オプション1)システムおよびtBocまたはFmoc化学(Applied Biosystems User's Manual for the ABI 430A Peptide Synthesizer, Version 1.3B July 1, 1988, section 6, pp. 49-70, Applied Biosystems, Inc., Foster City, California参照)を用いて、自動ペプチド合成器(例えば、Model 430A, Applied Biosystems Inc., Foster City, California)で行うことができる。また、ペプチドは、Advanced ChemTech Synthesizer (Model MPS 350, Louisville, Kentucky) を用いて、整理してもよい。ペプチドを、例えば、Waters Delta Prep 3000 システムおよびC4、C8、またはC18調製カラム (10 μ, 2.2x25 cm; Vydac, Hesperia, California)を用いる(予備および分析)RP-HPLCによって精製してもよい。活性蛋白質は容易に合成し、次いで、反応性ペプチドを同定するように設計されたスクリーニングアッセイにおいてスクリーンすることができる。
【0098】
該古典的な段階的合成に加えて、(ハイブリッドアプローチとしてまたは断片縮合方法としても知られる)収束固相ペプチド合成が、複雑かつ困難なペプチドおよび低分子蛋白質の調製に開発されている。この方法によると、全ペプチド配列に及び、固相上で調製された適当な保護されたペプチド断片は、固体支持体上または溶液中のいずれかで、標的ペプチドへと縮合される。新たな樹脂および樹脂ハンドルの利用性は、該固相技術によって、迅速に完全に保護されたペプチドセグメントを合成する可能性を開いている。該アプローチは、固相および溶液相方法の両方の利点を組み合わせるため、巨大分子の製造に特に魅力的である。生産サイクル時間は、固相手順と比較して短く、収率および純度はより高いことが多い。加えて、スケールアップは大いに簡単であり、長いペプチドの固相合成においてしばしば遭遇する凝集の問題の多くを回避する。
【0099】
もう1つの具体例において、合成戦略は、収束断片縮合を使用する。収束断片縮合は、大きく、高い質のペプチドを生産する、標準的な固相合成または標準的な液相合成より優れた方法である。そのような方法によって、断片は、平行して合成でき、合成時間を短縮し、ならびに品質を確保する。ペプチドがより長く成長するにつれ、副反応および不完全な合成のリスクがより大きくなる。2つのアミノ酸は、断片結合の間、ラセミ化することができず、非常に効率的な縮合速度を示すため、本発明のペプチド配列は、断片アプローチを促す理想的に配置されたグリシンおよびプロリンを有し得ることが認識されている。単純な固相合成が大きなスケールアップ問題を提示し、従って、恐らく大きなスケール合成に適当ではないという事実の他に、断片アプローチはよりはるかに制御可能であり、中間体を精製する機会を提供する。ジスルフィド橋は、第1の断片のみに位置し、従って、完全に保護された前駆体で、断片段階を形成することができる。このアプローチは、戦略およびスケールの点から見ると、多くの利点を提示するため、全断片を同時に合成することが可能であるため、合成時間を短縮するであろう。これは、リスクを最小化し、コストを減少するのに優れたツールである。以下の断片は、所望の断片の骨格構造を示すように描かれ、ここにこの戦略の実行が可能とされる:
断片1: Boc-X (Boc)-X-X (Trt)-X (tBu)-X-X(tBu)-X-X-X-Gly-OH
環状(環化は、断片結合の前に起こるであろう)
断片2: Fmoc-K(Pbf)-X-X(tBu)-X(Trt)-X(OtBu)-X-X(Trt)-X(Pbf)-X-X(Trt)-X(tBu)-X(tBu)-Pro-OH
断片3: Fmoc-X(Pbf)-X(tBu)-X(Trt)-X(tBu)-X-X(tBu)-X(Trt)-Thr(tBu)-OH
断片4: H-Tyr(tBu)-NH2
これらの教示に基づき、本発明の化合物がそのような合成に理想的であることを、当業者は理解するであろう。進化する技術は、3つの断片のみを有する、つまり、該第4の断片が該第3の断片から別に作り出される必要がないことを可能にし得る。
【0100】
本発明の化合物は、別法として、当該分野でよく知られる組換え技術によって生成してもよい。例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor (1989)参照。組換え技術によって生成されたこれらのポリペプチドは、ポリヌクレオチドから発現され得る。これらのポリヌクレオチド配列は、微生物宿主中のmRNAの転写および翻訳を促進するコドンを組み込み得る。そのような製造配列は、当該分野でよく知られた方法によって、すぐに構築することができる。例えば、WO 83/04053参照。また、上記のポリヌクレオチドは、所望により、N-末端メチオニル残基をコードし得る。本発明において有用な非ペプチド化合物は、当該分野で知られる方法によって調製できる。例えば、そのようなアミノ酸を含有するリン酸塩含有のアミノ酸およびペプチドは、当該分野で知られる方法を用いて調製することができる。例えば、Bartlett and Landen, Bioorg. Chem. 14: 356-77 (1986)参照。
【0101】
種々の発現ベクター/宿主システムを利用して、該新規化合物のコード配列を含有させ、発現させてもよい。これらは、組換えバクテリオファージ、プラスミドまたはコスミドDNA発現ベクターによって形質転換された細菌;酵母発現ベクターによって形質転換された酵母;ウィルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)によって感染された昆虫細胞系;ウィルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウィルス, CaMV;タバコモザイクウィルス, TMV)によって形質移入されたあるいは細菌発現ベクター (例えば、TiまたはpBR322プラスミド)によって形質転換された植物細胞系;または動物細胞系のような微生物を含むが、これらに限定されるものではない。組換え蛋白質生成において有用な哺乳類細胞は、VERO細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞系統、(COS-7のような)COS細胞、WI 38、BHK、HepG2、3T3、RIN、MDCK、A549、PC12、K562および293細胞を含むが、これらに限定されるものではない。蛋白質の組換え発現のための例示的プロトコルは、下記に本明細書中に記載される。
【0102】
そのようなものとして、本発明によって提供されるポリヌクレオチド配列は、新たなおよび有用なウィルス性およびプラスミドDNAベクター、(培養液中で成長した細菌、酵母、および哺乳類細胞を含む)新たなおよび有用な形質転換されたおよび形質移入された原核および真核宿主細胞、および本発明のポリペプチドの発現が可能なそのような宿主細胞の培養された成長のための新たなおよび有用な方法を生成するのに有用である。また、本明細書中の該新規化合物をコードするポリヌクレオチド配列は、遺伝子療法に有用であり得る。
【0103】
また、本発明は、該新規化合物の組換えDNA生成のためのプロセスを提供する。(a) そのようなDNA分子の発現を促す条件下で、そのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有する該宿主細胞を培養し;次いで(b) 該新規化合物を得ることを特徴とする、該新規化合物をコードする核酸を含有する宿主細胞からポリペプチドを生成するためのプロセスが提供される。
【0104】
宿主細胞は、原核または真核であり得、細菌、(チャイニーズハムスター卵巣 (CHO)細胞、サル細胞、ベイビーハムスター腎臓細胞、癌細胞または他の細胞のような)哺乳類細胞、酵母細胞、および昆虫細胞を含む。
【0105】
また、組換え蛋白質の発現のための哺乳類宿主システムは、当業者によく知られている。宿主細胞株は、発現された蛋白質を処理するまたは蛋白質活性を提供するのに有用であろう特定の翻訳後修飾を生成する特定の能力につき選択してもよい。ポリペプチドのそのような修飾は、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化を含むが、これらに限定されるものではない。また、蛋白質の「プレプロ」形態を開裂する翻訳後処理は、正確な挿入、折り畳みおよび/または機能に重要であり得る。CHO、HeLa、MDCK、293、WI38等のような異なる宿主細胞は、そのような翻訳後活性に対して特異的な細胞マシーナリーおよび特性メカニズムを有し、選択されて、正確な修飾および導入された異種蛋白質の処理を確証してもよい。
【0106】
別法として、酵母系を使用して、本発明の該新規化合物を発生させてもよい。該新規化合物をコードするDNAのコード領域は、PCRによって増幅される。酵母プレ-プロ-アルファリーダー配列をコードするDNAは、アルファ接合因子遺伝子のヌクレオチド 1-20およびこの遺伝子のヌクレオチド 255-235に相補的なもう1つのプライマーを含有する1つのプライマーを用いて、PCR反応において、酵母ゲノムDNAから増幅する (Kurjan and Herskowitz, Cell, 30: 933-43 (1982))。プロモーターが、成熟した新規化合物に縮合されたプレ-プロ-アルファファクターよりなる融合蛋白質の発現を導くように、プレ-プロ-アルファリーダーコード配列および該新規化合物のコード配列断片は、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH2)プロモーターを含有するプラスミドに連結される。Rose and Broach, Meth. Enz. 185: 234-79, Goeddel ed., Academic Press, Inc., San Diego, California (1990)によって教示されるように、ベクターは、さらに、クローニング部位、酵母「2-ミクロン」複製起源、酵母leu-2d遺伝子、酵母REP1およびREP2遺伝子、E. coliβ-ラクタマーゼ遺伝子、および複製のE. coli起源の下流に、ADH2転写ターミネーターを含む。β-ラクタマーゼおよびleu-2d遺伝子は、それぞれ、細菌および酵母の選択に提供する。また、該leu-2d遺伝子は、酵母におけるプラスミドのコピー数の増加を促進して、より高いレベルの発現を誘発する。該REP1およびREP2遺伝子は、プラスミドコピー数の制御に関与する蛋白質をコードする。
【0107】
前の段落に記載のDNA構築体を、例えば、酢酸リチウム処理といった既知の方法を用いて、酵母細胞に形質転換する(Steams et al., Meth. Enz. 185: 280-97 (1990))。ADH2プロモーターは、成長培地において、グルコースの消耗の際に誘導される(Price et al., Gene 55: 287 (1987))。プレ−プロ−アルファ配列は、細胞からの融合蛋白質の分泌に影響をおよぼす。付随して、酵母KEX2蛋白質は、本発明の成熟した化合物からプレ−プロ配列を開裂する(Bitter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 5330-4 (1984))。
【0108】
また、本発明の化合物は、製造者の指示に従って、例えば、Pichia Expression Systemといった商業的に入手可能な発現システムを用いて、酵母中に組換え技術を用いて発現されてもよい(Invitrogen, San Diego, California)。また、このシステムは、分泌を指導するのにプレ−プロ−アルファ配列に依存するが、インサートの転写は、メタノールによる誘導の際、アルコールオキシダーゼ(AOX1) プロモーターによって駆動される。該分泌された新規化合物は、例えば、細菌および哺乳類細胞上清から該新規化合物を精製するのに使用される方法によって、酵母成長培地から精製される。
【0109】
別法として、該新規化合物をコードする該DNAは、バキュロウイルス発現ベクターpVL1393へとクローン化されてもよい(PharMingen, San Diego, California)。次いで、この新規化合物含有ベクターを、製造者の指示(PharMingen)に従って使用して、sF9 蛋白質無しの培地においてSpodoptera frugiperda細胞を感染し、組換え蛋白質を生成する。蛋白質を、へパリン-セファロースカラム(Pharmacia, Piscataway, New Jersey)および順次の分子サイズ分けカラム(Amicon, Beverly, Massachusetts)を用いて、培地から精製し濃縮し、PBS中で再懸濁する。SDS-PAGE分析は、単一のバンドを示し、蛋白質の大きさを確認し、Proton 2090 ペプチドシーケンサー上でのEdman 配列決定は、そのN-末端配列を確認する。
【0110】
例えば、所望の新規化合物をコードするDNA配列は、所望のプロモーター、所望により、リーダー配列を含有するプラスミドにクローン化されてもよい(例えば、Better et al., Science 240: 1041-3 (1988)参照)。この構築体の配列は、自動配列決定によって確認できる。次いで、該プラスミドは、該細菌のCaCl2 インキュベーションおよび熱ショック処理を使用する標準的な手順を用いて、E. coli、株MC1061に形質転換される(Sambrook et al., supra)。形質転換された細菌は、カルベニシリンで補充されたLB培地において成長し、発現された蛋白質の生成は、適当な培地における成長によって誘発される。もし存在するなら、リーダー配列は、成熟した新規化合物の分泌に影響を及ぼし、分泌の間、開裂されるであろう。該分泌された組換え蛋白質は、下記の方法によって、細菌培養培地から精製される。
【0111】
別法として、本発明のポリペプチドは、昆虫系において発現されてもよい。蛋白質発現のための昆虫系は、当業者によく知られている。1つのそのようなシステムにおいて、Autographa californica核多角体病ウィルス(AcNPV)をベクターとして使用して、Spodoptera frugiperda細胞においてまたはTrichoplusia larvaeにおいて、外来遺伝子を発現する。該新規化合物のコード配列は、ポリヘドリン遺伝子のようなウィルスの非必須領域へとクローン化され、ポリヘドリンプロモーターの制御下に置かれる。該新規化合物の首尾良い挿入は、ポリヘドリン遺伝子を不活性にし、コート蛋白のコートを欠く組み換えウィルスを生成するであろう。次いで、組換えウィルスを使用して、該ポリペプチドが発現されるS. frugiperda細胞またはTrichoplusia larvaeを感染する(Smith et al., J. Virol. 46: 584 (1983); Engelhard et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 3224-7 (1994))。
【0112】
もう1つの実施例において、該新規化合物をコードするDNA配列は、PCRによって増幅し、適切なベクター、例えば、pGEX-3X (Pharmacia, Piscataway, New Jersey)へとクローン化してもよい。該pGEXベクターは、ベクターによってコードされたグルタチオン-S-トランスフェラーゼ (GST)、およびベクターのクローン化部位に挿入されたDNA断片によってコードされた蛋白質を含む融合蛋白質を生成するように設計される。PCRに対するプライマーは、例えば、適切な開裂部位を含むように生成させてもよい。次いで、該組換え融合蛋白質は、該融合蛋白質のGST部から開裂されてもよい。該pGEX-3X/PYYアナログポリペプチド構築体は、E. coli XL-1 Blue細胞(Stratagene, La Jolla, California)へと形質転換され、個々の形質転換体は単離され、0.4の波長 600 nmの光学密度まで37℃にて(カルベニシリンで補充された)LB培地中で増殖させ、続いて、0.5 mM イソプロピルβ-D-チオガラクトピラノシド(Sigma Chemical Co., St. Louis, Missouri)の存在下でさらに4時間インキュベートする。個々の形質転換体からのプラスミドDNAを精製し、自動配列決定器を用いて部分的に配列決定して、適切な配向で、所望の遺伝子インサートの存在を確認する。
【0113】
細菌において不溶性封入体として生成されると予想される融合蛋白質を、以下のとおり生成してもよい。細胞を遠心分離によって収穫し;0.15 M NaCl, 10 mM Tris, pH 8, 1 mM EDTA中で洗浄し;次いで、室温にて15分間、0.1 mg/mLリゾチーム(Sigma Chemical Co.)で処理する。該溶解物を超音波処理によってクリアし、細胞デブリスを、12,000xgにて、10分間、遠心分離によってペレットする。該融合蛋白質含有ペレットを、50 mM Tris, pH 8, および10 mM EDTA中で再懸濁し、50% グリセロール上で層状にし、6000xgにて、30分間、遠心分離する。該ペレットを、Mg++およびCa++なしの標準リン酸緩衝生理食塩水溶液(PBS)中で再懸濁する。該融合蛋白質を、さらに、変性SDSポリアクリルアミドゲル中で再懸濁されたペレットを分画することによって精製する(Sambrook et al., supra)。該ゲルを、0.4 M KCl中に浸漬して、該蛋白質を視覚化し、これを、SDSを欠くゲル泳動緩衝液中で切除し、電気溶出させる。もし該GST/新規化合物融合蛋白質が、細菌中で可溶性蛋白質として生成されれば、それをGST精製モジュール(Pharmacia Biotech)を用いて精製してもよい。
【0114】
該融合蛋白質を消化に付して、成熟した新規蛋白質からGSTを開裂してもよい。消化反応物(0.5 mL PBS中に20-40 μgの融合蛋白質, 20-30ユニットのヒトトロンビン(4000 U/mg (Sigma))を、室温にて、16ないし48時間インキュベートし、変性SDS-PAGEゲル上で荷電して、反応産物を分画する。ゲルを0.4 M KCl中に浸漬して、蛋白質バンドを視覚化する。該新規化合物の予測される分子量に対応する蛋白質バンドの同一性を、自動配列決定器を用いて、部分的アミノ酸配列分析によって確認してもよい(Applied Biosystems Model 473A, Foster City, California)。
【0115】
該新規化合物の組換え発現の特に好ましい方法において、293の細胞を、リン酸カルシウム方法によって、pCMVベクター (5' CMVプロモーター, 3' HGH ポリ A 配列)および(ネオ耐性遺伝子を含有する)pSV2neoにおける該新規化合物のDNAを含有するプラスミドによって、同時形質移入してもよい。好ましくは、ベクターは、形質移入前に、ScaIによって直線化するべきである。同様に、組み込まれたネオ遺伝子を有する同様のpCMVベクターを用いる代替の構築体を使用することができる。安定した細胞系統を、10ないし14日間、0.5 mg/mL G418 (ネオマイシン様抗生物質)を含有する成長培地における希釈を制限することによって、単一の細胞クローンから選択する。細胞系統はELISAまたはウェスタンブロットによって、該新規化合物の発現につきスクリーニングし、高発現細胞系統は大規模増殖のために拡大培養する。
【0116】
形質転換された細胞を、長期間、高収率蛋白質生成に使用することが好ましく、そのようなものとして、安定した発現が望ましい。一旦、そのような細胞を、所望の発現カセットに沿って選択可能なマーカーを含有するベクターによって形質転換すると、該細胞は、選択性培地に変えられる前に、豊富化された培地において、1ないし2日間成長させてもよい。該選択可能なマーカーは、選択に対する耐性を授与するように設計され、その存在は、導入された配列を首尾良く発現する細胞の成長および回収を可能にする。安定して形質転換された細胞の耐性群を、該細胞に適切な組織培養技術を用いて増殖させることができる。
【0117】
多くの選択システムを使用して、組換え蛋白質生成について形質転換されている細胞を回収してもよい。そのような選択システムは、それぞれ、tk-、hgprt-またはaprt- 細胞におけるHSV チミジンキナーゼ、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼおよびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子を含むが、これらに限定されるものではない。また、代謝拮抗剤耐性は、メトトレキサートに対する耐性を授与するdhfr;ミコフェノール酸に対する耐性を授与するgpt;アミノグリコシドに対する耐性を付与するneo;クロルスルフロン(chlorsulfuron)に対する耐性を付与するG418; およびハイグロマイシンに対する耐性を授与するhygroについての選択の基礎として使用できる。有用であり得るさらなる選択可能な遺伝子は、細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用することを可能にするtrpB、または細胞がヒスチジンの代わりにヒスチノールを利用することを可能にするhisDを含む。形質転換体の同定のために視覚的表示を与えるマーカーは、アントシアニン、β-グルクロニダーゼおよびその基質、GUSおよびルシフェラーゼおよびその基質、ルシフェリンを含む。
【0118】
本発明の該新規化合物の多くは、自動ペプチド合成および組換え技術の両方の組合せを用いて生成され得る。例えば、本発明の化合物は、ペグ化による欠失、置換、および挿入を含む修飾の組合せを含有し得る。そのような化合物は、段階的に生成され得る。最初の段階において、欠失、置換、挿入、およびそのいずれかの組合せの修飾を含有する該新規化合物の中間体形態は、記載されたように、組換え技術によって生成され得る。次いで、下記の所望の精製工程の後、中間体ポリペプチドを、(例えば、Nectar Transforming Therapeutics, San Carlos, Californiaからの)適切なペグ化試薬による化学的修飾を介してペグ化して、所望の化合物を得る。当業者は、上記手順を一般化して、欠失、置換、挿入、誘導体化、および当該分野でよく知られ、本発明によって考えられる修飾の他の手段から選択される修飾の組合せを含有する該新規化合物に適用できることを理解するであろう。
【0119】
本発明によって生じた該新規化合物を精製することが望ましいかもしれない。ペプチド精製技術は、当業者によく知られている。これらの技術は、1つのレベルにて、ポリペプチドおよび非-ポリペプチド画分への細胞環境の粗製画分を含む。他の蛋白質からポリペプチドを分離して、関心のあるポリペプチドを、さらに、クロマトグラフィーおよび電気泳動法技術を用いて精製して、部分的または完全な精製(または均一になるまで精製)を達成してもよい。純ペプチドの精製に特に適した分析方法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法、および等電点電気泳動法である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は、逆相HPLCであり、続いて、液体クロマトグラフィー/質量分析 (LC/MS)およびマトリックス援助レーザー脱着イオン化 (MALDI) 質量分析によって精製生成物を特徴付ける。純度のさらなる確認は、アミノ酸分析を決定することによって得られる。
【0120】
本発明の特定の態様は、精製に関し、特定の具体例においては、コードされた蛋白質またはペプチドの実質的な精製に関する。ペプチド精製における使用に適当な種々の技術は、当業者によく知られているであろう。これらは、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体等による沈殿; 熱変性、その後の遠心分離;イオン交換、ゲルろ過、逆相、水酸燐灰石および親和性クロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー工程; 等電点電気泳動法;ゲル電気泳動法;およびそのようなおよび他の技術の組合せを含む。当該分野で一般的に知られるように、種々の精製工程を実施する順序を変更してもよく、あるいは該特定の工程を削除してもよく、それでも実質的に精製された蛋白質またはペプチドの調製のための適当な方法が得られると考えられる。ポリペプチドを精製するための方法は、米国特許5,849,883で見つけることができる。これらの文書は、本発明の該新規化合物を単離し精製するのに有用であり得るG-CSF組成物の単離および精製のための特異的な例示的方法を記載する。これらの特許の開示を鑑みて、当業者が、所与の源からポリペプチドを精製するのに使用できる数多くの精製技術を知っているであろうことは明白である。また、アニオン交換および免疫親和性クロマトグラフィーの組合せを使用して、本発明の精製された化合物を生成できることが考えられる。
【0121】
従って、用語「単離されたポリペプチドまたはペプチド」は、蛋白質が由来する細胞または組織源からの細胞物質または他の夾雑蛋白質を実質的に有さない、あるいは化学的に合成された時、化学的前駆体または他の化学物質を実質的に有さないポリペプチドまたはペプチドを指す。言語「実質的に細胞物質なし」は、蛋白質が、単離されたまたは組換え技術で生成された細胞の細胞成分から分離された蛋白質の調製物を含む。従って、実質的に細胞物質なしの蛋白質は、約30%、20%、10%、または5%(重量による)未満の(本明細書において「夾雑蛋白質」とも呼ばれる)異種蛋白質を有する蛋白質の調製物を含む。蛋白質、ペプチド、またはその断片が組換え技術によって生成される時、それも、好ましくは、実質的に培養媒体なしであり、つまり、培養媒体は、該蛋白質調製物の容量の約20%、10%、または5%未満を示す。蛋白質が化学的合成によって生成される時、それは、好ましくは、実質的に化学的前駆体または他の化学物質なしであり、つまり、それは、該蛋白質の合成に関与する化学的前駆体または他の化学物質から分離される。従って、該蛋白質のそのような調製物は、関心のあるポリペプチド以外に、約30%、20%、10%、5%(重量による)未満の化学的前駆体または化合物を有する。好ましい具体例において、精製されたまたは単離された調製物は、例えば、非ヒト細胞におけるヒト蛋白質の組換え発現によって達成することができるように、該蛋白質が正常に生成される同一の動物からのいずれかの夾雑蛋白質を欠くであろう。
【0122】
合成のための特定の好ましい方法は、同一出願人による特許出願番号454,533(1999年12月6日に提出)に記載されており、その全文は、本明細書中に、引用によって援用される。
【0123】
全適応症について、該新規化合物は、単一または分割用量あるいは制御された継続放出において、1日あたり約1 μgないし約5 mgの用量にて、あるいは一用量あたり約0.01 μg/kgないし約500 μg/kg、より好ましくは約0.05 μg/kgないし約250 μg/kg、最も好ましくは約50 μg/kg以下にて末梢投与されてもよい。用量は、1日に1、2、3または4回投与されてもよい。これらの範囲の用量は、各アナログまたは誘導体の強度によって変動するであろうし、もちろん、当業者によって決定されてよい。
【0124】
本発明の方法において、該ポリペプチドは、単独であるいはアミリンまたはアミリンアナログアゴニスト、サケカルシトニンまたはサケカルシトニンアゴニスト、コレシストキニン(CCK)またはCCK アゴニスト、レプチン (OB蛋白質)またはレプチンアゴニスト、エキセンディンまたはエキセンディンアナログアゴニスト、またはGLP-1またはGLP-1アナログアゴニストまたはPYYまたはPYYアナログ、またはPYY関連ポリペプチドを含む他の化合物および組成物を含むが、これらに限定されるものではない、栄養素利用性を減少させる長期間または短期間作用を呈する1以上の他の化合物および組成物と一緒に投与されてもよい。適当なアミリンアゴニストは、例えば、(「プラムリンタイド(pramlintide)」としても知られ、米国特許5,686,511および5,998,367に記載の)[25,28,29 プロ-]-ヒトアミリンを含む。使用されたCCKは、好ましくは、CCK オクトペプチド (CCK-8)である。レプチンは、例えば、(Pelleymounter, Cullen et al., Science 269: 540-543 (1995); Halaas, Gajiwala et al., Science 269: 543-6 (1995); Campfield, Smith et al., Science 269: 546-549 (1995))で論議される。適当なエキセンディンは、エキセンディン-3およびエキセンディン-4を含み、エキセンディンアゴニスト化合物は、例えば、PCT公報WO 99/07404、WO 99/25727、およびWO 99/25728に記載のものを含む。適当なPYYポリペプチドおよびアナログは、米国出願番号: [代理人整理番号18528.740および18528.723]に記載のものを含む。
【0125】
医薬組成物
また、本発明は、該新規化合物の送達において有用な、医薬上許容される希釈剤、保存料、溶解剤、乳化剤、アジュバントおよび/またはキャリアと一緒に、治療上または予防上有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその医薬上許容される塩を含む医薬組成物に関する。そのような組成物は、種々の緩衝液の内容 (例えば、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、TRIS)、pHおよびイオン強度の希釈剤;界面活性剤および溶解剤のような添加剤(例えば、ソルビタンモノオレエート、レシチン、プルロニック(Pluronics)、Tween 20 & 80、ポリソルベート20 & 80、プロピレングリコール、エタノール、PEG-40、ドデシル硫酸ナトリウム)、抗酸化剤(例えば、モノチオグリセロール、アスコルビン酸、アセチルシステイン、亜硫酸塩 (亜硫酸水素塩およびメタ重亜硫酸塩)、保存料 (例えば、フェノール、メタ-クレゾール、ベンジルアルコール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、フェニル第二水銀塩、(酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩)、およびポリ乳酸、ポリグリコール酸等のような高分子化合物、またはリポソームと関連した粒状製剤への物質の等張化剤/充填剤 (グリセリン、塩化ナトリウム、マンニトール、スクロース、トレハロース、ブドウ糖)の組み込みを含んでもよい。そのような組成物は、物理的状態、安定性、インビボ放出の速度、および本発明の化合物のインビボ排除の速度に影響を及ぼすであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences 1435-712, 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania (1990)参照。
【0126】
一般的には、本発明の化合物は、アミリンがその薬理学的特性を鑑みて有用であるのと同じように、有用であろう。1つの好ましい使用は、代謝状態および障害の治療または予防のために、そのような新規化合物を末梢血管から投与することである。特に、本発明の化合物は、栄養素利用性を減らし、食糧摂取量を減らし、減量をもたらす剤として活性を有する。
【0127】
新規化合物は、注射、経口投与、経鼻投与、肺投与、局所投与、または当業者が認識するであろう他のタイプの投与のための処方を含む末梢投与用に処方されてもよい。処方の例は、本明細書中にその全文において引用によって援用される米国特許6,410,511および特許出願10/159,779で見つけることができる。より具体的には、本発明による医薬組成物の投与は、該標的組織が該経路を介して入手可能である限り、いずれの共通の経路を介してもよい。好ましい具体例において、該医薬組成物は、例えば、静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、髄腔内、球後、肺内 (例えば、期間放出)によって; 経口、舌下、経鼻、肛門内、膣内、または経皮送達によって、あるいは特定の部位にて外科的移植によってといったいずれかの慣用的な末梢方法によって、対象に導入され得る。治療は、一定の期間にわたり、単一用量または複数の用量よりなっていてもよい。また、本発明の組成物の制御された連続放出も考えられる。微粒子技術の例は、本明細書中にその全文において引用によって援用される米国特許6,458,387および米国特許5,578,708で見つけることができる。
【0128】
処方は、液体であってもよく、あるいは再構成のために、凍結乾燥のような固体であってもよい。本発明の水性組成物は、医薬上許容されるキャリアまたは水媒体中に溶解または分散された有効量の該新規化合物を含む。用語「医薬上または薬理上許容される」は、動物またはヒトに投与された時、副作用、アレルギー反応、または他の有害反応を生成しない分子的実体および組成物を指す。本明細書中で使用されるように、「医薬上許容される担体」は、いずれかおよび全ての溶媒、分散培地、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等を含む。医薬上活性な物質に対するそのような培地および剤の使用は、当該分野でよく知られている。いずれかの慣用的培地または剤が該活性成分と不適合である場合を除いて、治療用組成物におけるその使用が考えられる。また、補助的な有効成分を、組成物中に組み込むことができる。幾つかのケースにおいて、単一の組成物または一緒に投与するための溶液中に、アミリン、アミリンアゴニストアナログ、CCKまたはCCKアゴニスト、またはレプチンまたはレプチンアゴニスト、またはエキセンディンまたはエキセンディンアゴニストアナログ、またはPYYまたはPYYアナログのような本発明の化合物をよびもう一方の食物摂取量減少、血漿グルコース低下または血漿脂質改変剤を提供することが便宜であろう。他のケースにおいては、さらなる剤を該新規化合物とは別に投与することがより有益であり得る。
【0129】
本発明の化合物は、遊離塩基の溶液またはヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適当に混合された水中の医薬上許容される塩として、投与のために調製されてもよい。本明細書中で使用されるように、用語「医薬上許容される塩」は、硫酸、クエン酸、マレイン酸、酢酸、シュウ酸、塩酸塩、臭化水素酸、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸エステル塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、クエン酸、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酸性酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸エステル塩、マレイン酸エステル塩、ゲンチシネート、フマル酸エステル塩、グルコン酸塩、グルクロン酸、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸エステル塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホナート、p-トルエンスルホナートおよびパモエート(つまり、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート))塩を含むがこれらに限定されるものではない無機酸および有機酸および塩基を含む、医薬上許容される、好ましくは無毒の酸および塩基から調製された塩を指す。医薬上許容される塩は、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、および酒石酸から由来されるものを含むがこれらに限定されるものではない遊離アミノ基によって形成されたものを含む。また、医薬上許容される塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、およびプロカインから由来するものに制限されるものではないが、それらのような遊離カルボキシル基によって形成されたものを含む。保存および使用の通常の条件下で、これらの調製物は保存料を含有して、微生物の成長を防ぐ。
【0130】
1つの具体例において、本発明の医薬組成物は、例えば、注射または注入を介して、非経口投与に適当なように処方される。好ましくは、該新規化合物は、水溶担体中で、例えば、約3.0ないし約8.0のpHの、好ましくは約3.0ないし約7.4、3.5ないし6.0、または3.5ないし約5.0のpHの等張緩衝溶液中で、懸濁される。有用な緩衝液は、酢酸ナトリウム/酢酸、乳酸ナトリウム/乳酸、アスコルビン酸、クエン酸ナトリウム/クエン酸、炭酸水素ナトリウム/カルボン酸、コハク酸ナトリウム/コハク酸、ヒスチジン、安息香酸ナトリウム/安息香酸、およびリン酸ナトリウム、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む。持続性または「デポー」持続放出製剤の形態は、治療上有効量の調製物が、経皮注射または送達後数時間または数日にわたり、血流へと送達されるように使用されてもよい。
【0131】
注射用の使用に適当な医薬組成物は、無菌水溶液または分散液および無菌注射溶液または分散液の即時調製用の無菌粉末を含む。全てのケースにおいて、該形態は無菌であるべきで、容易に注射可能な流体であるべきである。また、本発明のPPFポリペプチドは、製造および保存の条件下で安定していることが望ましく、細菌および真菌のような微生物の汚染活性に対して保存されなければならない。キャリアは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、ソルビトール、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、ジメチルアセタミド、クレモルフォール EL、その適当な混合物、および油(例えば、大豆、ゴマ、ヒマシ、綿実、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、グリコフロール、トウモロコシ)を含有する溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用によって、分散の場合における必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の活性の予防は、例えば、メタ-クレゾール、ベンジルアルコール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、クロロブタノール、フェノール、フェニル第二水銀塩(酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩)、ソルビン酸、チメロサール等といった種々の抗細菌および抗真菌剤によって、成し遂げることができる。多くの場合において、等張化剤 (例えば、砂糖、塩化ナトリウム)を含むことが好ましいであろう。注射用組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる剤 (例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の組成物における使用によって成し遂げることができる。例示的な医薬組成物は、約3.0ないし約6.0の最終組成物のpHとした約0.02ないし約0.5% (w/v)の酢酸系、リン酸系、クエン酸系、またはクエン酸系緩衝液ならびに約1.0ないし10% (w/v)の炭水化物または多価アルコール等張剤;および、所望により、約0.005ないし1.0%(w/v)のm-クレゾール、ベンジルアルコール、パラベンおよびフェノールよりなる群から選択される保存料と共に、水性系中の0.1ないし5%の本発明の化合物であり得る。
【0132】
無菌の注射剤は、必要に応じて、上記で列挙した種々の他の成分を有する適切な溶媒において必要な量の活性化合物を組み込み、続いて滅菌ろ過することによって調製されてもよい。一般的には、分散液は、上記に列挙したものからの塩基性分散媒および必要な他の成分を含有する無菌ビヒクルに、種々の滅菌された有効成分を組み込むことによって調製される。無菌注射剤の調製用の無菌粉末の場合において、調製の好ましい方法は、活性成分の粉末プラスその予め滅菌ろ過された溶液からのいずれかのさらなる所望の成分を得る真空乾燥および凍結乾燥技術である。
【0133】
一般的には、治療上または予防上有効量の本発明の新規化合物は、受取人の年齢、体重、および疾患の状態または重症度または代謝状態または障害によって決定されるであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences 697-773参照。また、Wang and Hanson, Parenteral Formulations of Proteins and Peptides: Stability and Stabilizers, Journal of Parenteral Science and Technology, Technical Report No. 10, Supp. 42:2S (1988)参照。典型的には、約0.001μg/kg 体重/日ないし約1000μg/kg 体重/日の間の用量を使用してもよいが、当業者が認識するであろうように、それ以上またはそれ以下を使用してもよい。用量は、1日に1またはそれ以上の回数であってもよく、あるいはより少なくてもよく、本明細書中に記載の他の組成物と併用してもよい。本発明は、本明細書中に列挙される用量に制限されないことが記されるべきである。
【0134】
適切な用量は、適切な用量応答データと併せた代謝状態または障害のレベルを決定するための確立されたアッセイの使用を介して確かめてもよい。最終用量計画は、例えば、薬物の特異的な活性といった薬物の活性、損傷の重症度および患者の応答性、患者の年齢、状態、体重、性別および食事、いずれかの感染症の重症度、投与の時間および他の臨床因子を修飾する因子を考慮しつつ、主治医によって決定されるであろう。研究が実施されると、適切な用量レベルおよび特異的な疾患および状態に対する治療の持続期間に関するさらなる情報が分かってくるであろう。
【0135】
有効な用量は、典型的には、単一量または分割量で投与される約1ないし30 μgないし約5 mg/日、好ましくは約10ないし30 μgないし約2 mg/日およびより好ましくは約5ないし100 μgないし約1 mg/日、最も好ましくは約5 μgないし約500 μg/日の範囲であろう。用量は、約0.01ないし約500 μg/用量の間であってよい。本発明の化合物を、1日当たり1、2、3、4回またはそれ以上投与することができることが考えられる。従って、例示的な用量は、1日に投与される薬物の総量および1日に投与される用量の回数から由来することができる。例えば、例示的な用量は、約0.125 μg/用量 (1日に4回0.5 μg投与)ないし約5 mg/用量 (1日に一度5 mg 投与)の範囲であり得る。他の用量は、約0.01ないし約100 μg/kg/用量の間であってもよい。さらなる他の例示的用量は、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200 μg/用量であってもよい。投与される正確な用量は、当業者によって決定されてよく、特定の化合物の強度、ならびに個人の年齢、体重および状態によって決まる。投与は、栄養素利用性、食糧摂取量、体重の抑制、血糖または血漿中脂質低下が望ましい時はいつでも、例えば、肥満、糖尿病、またはインスリン抵抗性症候群の最初の徴候が出た時またはその診断の直後、開始するべきである。投与は、例えば、注射、好ましくは、皮下または筋肉内、経口、経鼻、経皮等のいずれかの経路によるものでよい。例えば、経口投与といった特定の経路のための用量を増加して、例えば、生物学的利用能を約5ないし100倍減少させてもよい。
【0136】
1つの具体例において、医薬処方が非経口で投与される場合、該組成物は、0.1 μg/kgないし100 mg/kg 体重/日の範囲の該新規化合物の用量、好ましくは10 μg/kgないし約50 mg/kg体重/日の範囲の用量にて、送達されるように処方される。非経口投与は、最初のボーラスによって実施され、その後、持続注入して、製剤の治療的循環レベルを維持してもよい。優良な医療行為および個々の患者の臨床状態によって決定されるように、当業者は容易に有効量および投与計画を最適化するであろう。
【0137】
用量の頻度は、該剤の薬物動態パラメーターおよび投与経路によって決まるであろう。最適な医薬処方は、投与経路および所望の用量によって、当業者によって決められるであろう。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, supra, pages 1435-1712参照。そのような処方は、物理的状態、安定性、投与された剤のインビボ放出の速度およびインビボ排除の速度に影響を及ぼし得る。投与経路によって、適当な用量は、体重、体の表面領域または臓器の大きさに従い計算してもよい。適切な治療用量を決定するのに必要な計算のさらなる改良は、特に、本明細書中に開示した用量情報およびアッセイ、ならびに動物またはヒト臨床試験において観察された薬物動態データに鑑みて、過度の実験なしに、当業者によってルーチン的になされる。
【0138】
本発明の医薬組成物および治療方法が、ヒト医学および獣医学の分野で有用であり得ることが理解されるであろう。従って、治療される対象は、哺乳類、好ましくはヒトまたは他の動物であってもよい。獣医目的に対して、対象は、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマおよびヤギを含む家畜、イヌおよびネコのようなペット、外来および/または動物園の動物、マウス、ラット、ウサギ、モルモットおよびハムスターを含む研究室の動物;および鶏、七面鳥、アヒルおよびカモのような家禽を含む。
【0139】
本発明を理解するのを助けるために、以下の実施例が含まれる。本発明に関連する実験は、もちろん、本発明を特異的に制限すると解釈されるべきではなく、当業者の範囲内であろう現在知られているまたは後に開発される本発明のそのような変化は、本明細書中に記載され以下主張されるように、本発明の範囲内にあると考えられる。
【実施例】
【0140】
実施例
実施例:カロリー摂取量低下ポリペプチドの合成
以下のポリペプチドは、標準的なポリペプチド合成方法を用いて合成することができる。そのような方法は、以下およびその全文が本明細書中に引用によって援用される、US Pat 6,610,824およびUS Pat 5,686,411および特許出願シリアル番号454,533 (1999年12月6日に出願)に記載される。
【0141】
該ポリペプチドを、Fmoc-保護アミノ酸 (Applied Biosystems, Inc.)を用いて、4-(2'-4'-ジメトキシフェニル)-Fmoc アミノメチルフェノキシアセタミドノルロイシンMBHA樹脂 (Novabiochem, 0.55 mmole/g)上に並べる。一般的には、単一結合サイクルは、合成を通して使用され、Fast Moc (HBTU活性化)化学が使用される。しかしながら、いくつかの場所で、結合は、予想より効率的ではなく、二重結合が必要となり得る。同様に、ピペリジンを用いる成長ペプチド鎖の脱保護 (Fmoc基除去)は、常に効率的ではなく、二重脱保護を必要とし得る。完了したペプチド樹脂の最終脱保護を、標準的な方法に従って、トリエチルシラン(0.2 mL)、エタンジチオール(0.2 mL)、アニソール(0.2 mL)、水(0.2 mL)およびトリフルオロ酢酸(15 mL)の混合物を使用して達成する(Introduction to Cleavage Techniques, Applied Biosystems, Inc.)。ペプチドをエーテル/水 (50 mL)中に沈殿させ、遠心分離する。沈殿物は、氷酢酸中で再構成し、凍結乾燥する。凍結乾燥されたペプチドは、水中で溶解させる。次いで、粗製純度を決定する。
【0142】
溶媒A (水中に0.1% TFA)および溶媒B (ACN中に0.1% TFA)を、精製および分析工程で使用する。
種々のポリペプチドを含有する溶液を、調製用C-18カラムに適用し、精製する (40分にわたり、溶媒Aにおいて10% ないし40% 溶媒B)。分画の純度は、C-18分析カラムを用いて、均一溶媒で決定される。純粋な画分をプールして、上記で同定されたペプチドを提供する。滞留時間を決定するための凍結乾燥ペプチドの分析用RP-HPLC (30分にわたる溶媒A中のグラジエント30%ないし60% 溶媒B)。
【0143】
実施例2:受容体結合アッセイ
最初に、ポリペプチドをアッセイにおいて使用して、アミリン、カルシトニンおよびCGRP受容体への結合活性を決定することができる。アミリン-受容体、カルシトニン-受容体、およびCGRP受容体との相互作用を決定するための結合アッセイは、例えば、その全文が引用によって本明細書中に援用されるU.S. Patent No. 5,264,372に記載される。
【0144】
より詳細には、本発明の化合物のアミリン受容体への結合の評価は、以下のように実施することができる。125I-ラットアミリン (N-末端リジンでボルトンハンター(Bolton-Hunter)標識された)を(Arlington Heights, Ill.)から購入する。標識されていないペプチドを、BACHEM Inc. (Torrance, Calif.)およびPeninsula Laboratories (Belmont, Calif.)から得る。
【0145】
雄のSprague-Dawley(登録商標)ラット(200-250) グラムを、斬首によって屠殺する。脳を、冷リン酸緩衝食塩水(PBS)に除去する。腹側表面から、視床下部まで頭側に切断し、外側を嗅索によって囲み、これらの管から45度内側に延長する。側坐核および周りの領域を含有するこの前脳基底部の重さを測り、氷冷20 mM HEPES 緩衝液 (20 mM HEPES酸、23CにてNaOHでpHを7.4に調整)中で均一化する。膜を、48,000xgにて、15分間、遠心分離によって、新鮮な緩衝液中で、3回洗浄する。最終膜ペレットを、0.2 mMフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)を含有する20 mM HEPES緩衝液中で再懸濁する。
【0146】
125I-アミリン結合を測定するために、組織の4 mgの元来の湿重量からの膜を、0.5 mg/ml バシトラシン、0.5 mg/mlウシ血清アルブミン、および0.2 mM PMSFを含有する20 mM HEPES緩衝液において、12-16 pMにて、125I-アミリンによってインキュベートする。溶液を、2Cにて、60分間インキュベートする。インキュベーションを、放射性標識ペプチドの非特異的結合を減らすために、0.3% ポリエチレンイミン中に4時間、予め浸漬されたGF/B ガラス繊維フィルター (Whatman Inc., Clifton, N.J.)を通したろ過によって終了する。ろ過の直前に5 mlの冷PBSで、およびろ過の直後に15 mlの冷PBSで、フィルターを洗浄する。フィルターを除去し、放射能を、77%の計数効率にて、ガンマ計数器で評価する。競合曲線を、10-12ないし10-6 Mの標識されていないテスト化合物の存在下で、結合を測定することによって生成し、4-パラメーターロジスティック方程式を用いて非線形回帰によって分析する(Inplot program; GraphPAD Software, San Diego)。
【0147】
このアッセイにおいて、精製されたヒトアミリンは、約50 pMの測定されたIC50にて、その受容体に結合する。本発明のテスト化合物に対する結果を、下記の表に記載し、これは、該化合物の各々が、有意な受容体結合活性を有することを示す。
【0148】
本発明の化合物のCGRP受容体への結合の評価は、主に、CGRP受容体を発現することが分かっているSK-N-MC細胞から調製された125I hCGRPおよび膜を用いることを除いて、アミリンについて記載されたとおりであった(Muff, R. et.al. Ann NY Acad. Sci. 1992: 657, 106-16)。結合アッセイを、13,500 cpm 125I-hCGRP /ウェルまたは21.7 pM/ウェルを用いる以外は、アミリンについて記載したとおり実施した (Amersham)。
【0149】
当該分野で知られるように、カルシトニン受容体への結合は、カルシトニン受容体も発現するCHO細胞またはT47D細胞を用いて調べてもよい (Muff R. et.al, Ann N Y Acad Sci. 1992, 657:106-16 and Kuestner R.E. et. al. Mol Pharmacol. 1994, 46:246-55)。
【0150】
【表9】

【0151】
実施例3:食物摂取量に対するポリペプチドの活性
雌のNIH/Swissマウス(生後8-14)を、12:12時間の明:暗サイクルでグループ飼育した。特記されない限り、水および標準のペレット化したマウス飼料ダイエットは、無制限に入手可能である。動物は、実験の1日前の約1500時間から絶食させる。
【0152】
時間=0分時に、全動物に、200uL/マウスの容量でビヒクルまたはポリペプチドを腹腔内注射し、直ぐに予め重さを測った量(10-15g)の標準の飼料を与える。食物を除去し、30、60、120および180分時に重さを測って、消費された食物の量を決定する。食糧摂取量に対する治療の効果を、対照に対する%変化として表す。
【0153】
図1において見ることができるように、化合物2は、25-300nmol/kgの用量にて、用量依存的に、注射後30分で、食糧摂取量を減少させた。下記の表は、用量25 nmol/kgにて末梢投与 (腹腔内投与)されたポリペプチドによる食糧摂取量の減少を示す。時点30、60、120、および180分でのデータは、ビヒクルと比較して、累積食糧摂取量のパーセント減少を表す。
【0154】
【表10】

【0155】
【表11】

【0156】
【表12】

【0157】
【表13】

【0158】
【表14】

【0159】
【表15】

【0160】
【表16】

【0161】
【表17】

【0162】
【表18】

【0163】
実施例4:減量およびカロリー摂取量に対する本発明の化合物の活性
個々に飼育された雄のSprague-Dawley (登録商標)ラット (350g; 12時間明/暗サイクル)を、4週間、高脂肪食餌(脂肪から58% kcal)で維持した。肥育期間の終わりに、14日浸透圧ポンプ(Durect Corp.)を、麻酔下で、肩胛骨間に移植した。ラットは、2.9nmol/kg/日の用量で、ビヒクル (50% DMSO)またはポリペプチドを継続して送達するポンプを受け取った。食物摂取量および体重測定を、毎週入手した。図2Aおよび2Bは、ポリペプチド化合物3、化合物4、または化合物5が、14日間のテスト期間を通して、カロリー摂取量および体重増加の減少を生じたことを示す。
【0164】
下記の表は、いくつかの化合物について、1週目および2週目でのパーセント体重喪失を示す。
【0165】
【表19】

【0166】
実施例 5: 身体組成
個々に飼育した雄のSprague-Dawley (登録商標)ラット(420g; 12時間明/暗サイクル)を、4週間、高脂肪食餌(脂肪から58% kcal)で維持した。肥育期間の終わりに、14日浸透圧ポンプ (Durect Corp.)を、麻酔下で、肩胛骨間に移植した。ラットは、70 nmol/kg/日の用量で、ビヒクル (50% DMSO)または化合物 1を継続して送達するポンプを受け取った。動物を12日目に屠殺した。屠殺体を直ぐに冷凍し、身体組成 (脂肪および蛋白質)を化学的分析によって測定した(Covance Laboratories, Madison, WI)。図3は、総体重のパーセントとして、脂肪量が、対照と比較して、化合物1によって治療されたラットにおいて減少したことを示す。加えて、化合物1は、脂肪の少ない質量含量のパーセントを増加した。
【0167】
実施例6: 胃内容排出およびイオンカルシウム
胃内容排出を、胃管栄養法トリチウム化グルコースの血漿中の出現を測定することによってモニターした。対象は意識があり、雄のSprague Dawley(登録商標)ラット (生後7-9週間, 12:12時間明:暗サイクル)は、実験の開始まで、食物および水に自由にアクセスした。投薬前に、食物および水を除去した。t = -5分にて、ペプチドまたはビヒクル (200μl 生理食塩水)を、皮下注射した。t = 0分にて、5μCi D-[3-3H] グルコース (Dupont, Wilmington, DE, USA)を含有する1ml 滅菌水の溶液を、口腔咽頭管によって与えた。t = 20分にて、局所麻酔剤 (Hurricaine(登録商標), 20%ベンゾカイン液)を、尾の先端に投与した。t = 40分にて、尾の先端をメスで結紮し、〜250μl 血液をへパリン化管へと収集した。次いで、血漿を、直ぐに、Ciba/Corning 634 Ca/pH アナライザー (Ciba/Corning, Inc., Medfield, MA)を用いて、イオン化カルシウムにつきアッセイした。10μl 血漿試料を、調製されたシンチレーションバイアル(0.5 ml 水 + 2 ml シンチレーションカクテル (Ecolite シンチレーションカクテル ICN, Costa Mesa, CA))にピペットし、ボルテックスし、1分間/バイアルで、β-計数器 (1209 Rack-beta; LKB-Wallac, Gaithersburg, MD)において計数した。
【0168】
図4Aにおいて、点は、6匹のSDラット(食餌済み, 意識あり)の平均±標準偏差を示す。ペプチドの示された用量を、t=0にて、皮下注射した。血液を、cpm 分析のために、35分後収集した。*全点 p<0.001 対 生理食塩水対照; ANOVA, ダネット検定。非直線回帰から: ED50 = 2.3 μg/kg。底= 25cpm/10μl; トップ= 328cpm/10μl。血漿cpmの最大減少:-92%。適合の良好性: r2 =0.9992。
【0169】
図4Bにおいて、点は、6匹のSDラット(食餌済み, 意識あり)の平均±標準偏差を示す。ペプチドの示された用量を、t=0にて、皮下注射した。血液を、cpm 分析のために、35分後収集した。*P<0.001 対 生理食塩水対照; ANOVA, ダネット検定。非直線回帰から: ED50 = 1.1 μg/kg。底= 1.2 mmol/L; トップ= 1.3 mmol/L。 血漿iCaの最大減少:-14%。適合の良好性: r2 =0.9936。
【0170】
実施例7 トリグリセリド
研究1において、育種から退いた雌のHarlan Sprague-Dawley(登録商標)ラット (HSD; HarlanTeklad, Indianapolis, IN)に、研究の開始前の9週間、高脂肪食餌 (脂肪から40%のカロリー; Diet #TD95217, HarlanTeklad)を与え、この食餌を実験の期間を通して続けた。ラットの一群に、研究を通して、自由に食べさせて、化合物 1、本発明の代表的な化合物、対照、処置されていないラット(n=10)に対する処置(n=10)の代謝効果を検査した。食餌制限(「ダイエット」)の設定における化合物1の代謝効果を決定するために、ラットの第2の群に、化合物 1 (n=10)またはビヒクル (n=10) 処置の開始前の10日間、毎日、予め研究されたベースライン食糧摂取量の75% を与えた(〜5%体重喪失対制限前の体重)。その時、全ラットは、イソフルレン麻酔下で、皮下に、肩胛骨内領域に移植手術されたAlzet(登録商標)浸透圧ポンプ (Durect, Cupertino, CA)を受け取った。該ポンプを調製して、継続して21日間、化合物1 (101 μg/kg/日)またはビヒクル (水中の50% ジメトキシスルホキシド [DMSO])のいずれかを送達した。食餌制限されたラットに、毎日、ベースライン食糧摂取量の75%を与え続けた。処置の21日後、血液試料を、(午前中〜2-4時間絶食した)イソフルレン麻酔下の吸収後のラットから、心臓穿刺を介して、へパリン化したシリンジへと得、血漿を検体分析のために入手した。血漿トリグリセリドを、臨床化学用の標準自動化分析を用いて決定した(LabCorp, Inc., San Diego, CA)。
【0171】
研究2において、HSDラット (Charles River, Wilmington, MA)の肥満傾向のあるLevin株からの雄のラットに、研究の開始前の6週間、高脂肪食餌(脂肪から32%のカロリー; Diet #12266B, Research Diets, Inc., New Brunswick, NJ)を与え、実験を通して、この食餌を続けた。処置の開始は、研究1当たりとして、化合物1またはDMSOビヒクルを含有する皮下浸透圧ポンプの設置と共に始まり、3週(21日)間続けた。代謝パラメーターを、化合物1処置ラット(303 μg/kg/日; n=10)、ビヒクル処置対照(n=10)、および化合物1処置ラットが食べた量の食物を毎日与えられたペアフィード群(n=10)の間で比較した。血液収集および血漿トリグリセリド濃度の分析を、1週目および2週目の時点で、尾血管収集を用いて、研究1と同様に実施した。
【0172】
動物を8週(56日)間および異なる用量の化合物1で処置したことを除いては、研究3を、研究2のとおり実施した。処理の28日目、古いポンプを新しい浸透圧ポンプと取り換えた。ポンプを調製して、1、3、10、または100 μg/kg/日 (n=10/群)の用量にて化合物1またはDMSO ビヒクル (対照, n=10)を送達した。さらなるペアフィード群 (n=10)にビヒクルを与え、100 μg/kg/日 化合物1群が食べる量の食物を毎日与えた。ベースライン、2、4、および6週目の時点に対する血漿トリグリセリド濃度の血液収集および分析を、へパリン化された管に、尾血管収集を介して、意識のある食餌済みのラットから入手した; 血液収集および8週目の時点の血漿トリグリセリド濃度の分析を、標準トリグリセリドアッセイ (Cobas Mira Plus, Roche Diagnostics)を用いて、心臓穿刺を介して、へパリン化シリンジへと、イソフルラン麻酔された食餌済みのラットから入手した。
【0173】
研究の所与の時点に対する処置にわたる平均血漿トリグリセリドレベルの差異を、一元配置分散分析(ANOVA)、続いてダネット多重比較テスト(Prism v. 4.01, GraphPad Software, San Diego, CA)によって評価した。差異は、p<0.05にて、統計学的に有意と考えた。
【0174】
図5ないし7Eにおいて示されるように、1ないし8週間にわたる化合物1によるそれぞれ研究1、2、および3の処置は、有意により低いトリグリセリド濃度を招いた。図5は、継続した皮下(s.c.)注入を介した化合物1による21日目の処置後の、雌の育種から退いたラットにおける血漿トリグリセリド濃度を示す。化合物1を投与されたラットは、自由に食餌した対照と比較して、有意により低いトリグリセリドレベルを示した:この効果は、化合物1が自由な食餌条件下または食物制限条件下で与えられたかに拘わらず、観察された。自由に、ビヒクル処置された対照と比較して*p<0.05, **p<0.01。
【0175】
図6A-6Cは、継続した皮下注入を介した化合物1による3週間処置の間、節食を促された肥満(DIO)雄Levinラットにおける血漿トリグリセリド濃度を示す。グラフは、処置の (A) 1週目、 (B) 2週目、および (C) 3週目にて収集された血液試料から由来する値を示す。ビヒクル処置対照と比較して*p<0.05, **p<0.01。
【0176】
図7A-7Eは、化合物1の用量応答研究を示し、ここに1μg/kg/日ほどの低用量は、2、4、6および8週の時点(それぞれ、図7B、C、D、およびE)にて、ビヒクル対照と比較した時、血漿トリグリセリド濃度の減少を生じた。ビヒクル処置対照と比較して、*p<0.05, **p<0.01。処置群は、説明文で示される。
【0177】
実施例 8: グレリンアッセイ
この実施例は、グレリンに対する本発明の化合物の効果を検出するための例示的アッセイを提供する。
雄のHarlan Sprague Dawley(登録商標)(HSD)ラットを、12:12時間の明:暗サイクルにおいて、22.8 +/- 0.8 ℃にて飼育した。全実験を、明サイクルにおいて実施した。動物を、実験前約20時間、絶食させた。全動物に、実験の開始までに、水へのフリーアクセスを与えた。動物の尾を20% ベンゾカインで麻酔し(Hurricaine, Beutlich Pharmaceutical, Waukegan, IL)、血液試料を尾静脈から収集した。総および活性グレリン濃度を、それぞれ、Linco RIA キットGHRA-89HKおよびGHRA-88HKを用いて測定した。
【0178】
研究1において、HSDラットを、局所的に麻酔をかけられた尾からの定期的な血液サンプリングに付し、グレリンレベルをアッセイした。t=0にて、ラット(n=6)に、125μg/kgペンタガストリン(Sigma)を皮下注射して、胃酸分泌 (図1においてPG=0分)を刺激し、20分後、10μgラットアミリンを皮下(s.c.)注射した。血液試料を、総および活性(アシル化)グレリン (Linco)につき分析した。図8Aに示されるように、アミリンは、1時間以内に、活性グレリンを、〜50%減少した。
【0179】
研究2を実施して、外生アミリンが、ペンタガストリン刺激と無関係のグレリン分泌を阻害するかを検査した。絶食させたラットに、時間= 0分にて、生理食塩水のまたは30μg/kgラットアミリンの皮下注射あるいは生理食塩水または125μg/kg ペンタガストリン (Sigma, Lot#050K1525) のいずれかの皮下注射のいずれかを与えた。生理食塩水、あるいは生理食塩水ビヒクル単独(それぞれ、n=5,5)の100μl中の30μg/kgの用量にて、ラットアミリン (AC0128, lot #AR2081-42A, Amylin Pharmaceuticals)に、時間20分にて、皮下注射によって与えた。血液血漿試料を、少なくとも、時間0、10、20、30、60、および90分にて、収集した。図8Bおよび8Cの両方は、生理食塩水対照と比較して、アミリンの投与によって、総血漿グレリンの減少を示し、図8Bは、血漿グレリンが、アミリン単独の存在下、つまり、ペンタガストリンなしの対照と比較して減少したことを確認する。ペンタガストリンは、アミリンのグレリン低下効果を促進するように思われる。
【0180】
実施例9:膵臓機能
大腿動脈および静脈カニューレ挿入を、絶食させ、麻酔をかけたHSDラット (体重 320-350g)において実施し、それらを、90分間安定させる。t=-30にて、生理食塩水(1ml/時間)または化合物1の注射を開始した(1ml/時間)。t=0にて、ラットは、セルレイン, 10μg/kgのimp注射を受ける。血漿アミラーゼ、リパーゼのための試料を、t=-30ないしt=240の種々の時点にて収集した。
【0181】
図9Aおよび9Bに示されるように、化合物1による処置は、急性膵炎のラットモデルにおいて、血液中の膵酵素活性の増加を弱め、これは、アミリンのアゴニストが、膵炎の予防および治療のための見込み薬物候補であり得ることを示唆する。
【0182】
実施例 10: アミリンの胃酸分泌
雄のHarlan Sprague Dawley(登録商標)ラットを、12:12時間の明:暗サイクルにおいて、22.8±0.8℃に収容した。実験を、光期の間実施した。ラット飼料 (Teklad LM485, Madison, WI)を与えられたラットを、実験前の約20時間、絶食させた。それらには、実験の開始まで、自由に水を与えた。
【0183】
ラット(生後9ないし14週間、体重264-395 g)を、供給者(Zivic Miller, Catalog number SCAO3.00 )によって、二重胃フィストラで外科的に適合させた。ハロタン麻酔下の開腹の間、グロメット型の二管式プラグを、腹壁に縫合した。プラグに接続され、胃管腔と通じている2つのシラスティック2.3mm内径(入り口および出口)カニューレを、腹壁を通して、それらが別々に露出された肩甲間部に、皮下に、通した。該開腹の傷をクリップで閉じ、ラットを、水に自由にアクセスさせつつ、1日間、熱せされた回復ケージに入れた。その後、ラットを、水およびラット飼料に自由なアクセスを与えて、単一に収容し、その後、それらを、手術後約10-15日に、意識のあるラットに行う実験のために一晩絶食させた。
【0184】
胃のカテーテルのふたを取り、注射およびサンプリングのための柔軟性のあるPE240管に付着させた。カテーテルの開通性を確証するために、室温の2-3mLの食塩水を注射し、直ぐに、腹から出した。これを、流れが容易になり、流出物が清浄になるまで繰り返した。胃酸分泌を、1つのカテーテルを介して、5mL生理食塩水および2mL空気を注射することによって、10分間隔で測定し、次いで、直ぐに、他のカテーテルを介して、それを出した。このように、小さな、分泌された容量の不完全な吸引による誤差を最小化することができた。各胃の吸引物の3mLを、pHメーターを用いて0.01N水酸化ナトリウムによって、pH7.0まで倍散した (Beckman model number PHI34 Fullerton, CA)。各倍散に必要な、吸引された総容量に修正された塩基の量を使用して、各試料中の酸のモルを計算した。
【0185】
ベースライン試料を収集し、回収された容量を記録した後、動物に、125μg/kg ペンタガストリン (Peninsula Laboratories lot number 019945 and 034686)の皮下注射を与え、10分間の胃のサンプリングを、後2時間続けた。胃酸分泌の安定した停滞期が観察されるペンタガストリン注射後40分にて、ラットに、0.01、0.1、1.0、10.0または100μg (それぞれ、n=3、3、4、5、5)の用量にて、生理食塩水(n=6)またはラットアミリン (batch number AR905-80, Amylin Pharmaceuticals Inc., San Diego, CA)を皮下注射した。
【0186】
図10Aに示されるように、ペンタガストリンは、ペンタガストリン注射(総平均; P<0.0001)の40分後、約13.8±2.2μmol/10分ないし約63.4±3.3μmol/10 分の基本比率から4.6倍、胃酸分泌を刺激した。ペンタガストリンの40分後に注射されたアミリンは、用量依存的に、それぞれ、0.1、1、10および100μgの用量に対して、8.6、10.4、5.8および6.3分の活性の開始に対する半減期によって、胃酸生成を阻害した。最高(100μg)用量のアミリンによって、酸のペンタガストリン刺激された分泌は、アミリン注射(用量0.1-100μgに対してP<0.001)後1時間で、93.4±2.6%減少した。分泌のこの割合は、ペンタガストリン注射(P<0.01, t検定, Welch修正)に先行した基本比率のほんの32%であった。ペンタガストリン刺激された酸分泌のアミリン阻害に対する用量応答を図10Bに示す。アミリンの酸抑制効果に対するED50は、0.05μg/ラット±0.15 ログ単位(41pmol/kg)であった。
【0187】
実施例11:アミリンの胃保護効果
体重163-196gの絶食させた雄のラットに、1mL 無水エタノール (エチルアルコール-200標準強度無水アルコール, USP, Spectrum Quality Products, Inc. Gardena, CA )による強制飼養の20分前に、0.001、0.01、0.1、0.3、1、3または10μg (それぞれ、n=5、5、5、9、9、5、6)の用量にて、0.1mL 生理食塩水 (n=12)またはラットアミリンを含有する同容量を皮下注射した。強制飼養の30分後、各ラットに、5% ハロタンで麻酔をかけ、腹を切除し、小弯に沿って開き裏返して、粘膜を暴露した。裏返された腹を、生理食塩水で静かに濯ぎ、直ぐに、実験処置を見ていない10人の観察者の各々に、粘膜の損傷につき採点させた。採点スケールを、例えば、Guidobono F. et al. Br J Pharmacol 120:581-586 (1997)といった他者に使用される0-5スコアシステムに相当のゼロ(損傷観察されず)および5(100%が充血、潰瘍形成、または腐肉の形成によって覆われた粘膜表面)の間に制約した。図11Aは、エタノールによって誘発された損傷のパーセントとして、損傷スコアの結果を示す。
【0188】
アミリンの胃保護効果が、アミリン特異的メカニズムに起因するかを決定するために、4匹のラットに、エタノール強制飼養の25分前に、3.0mgの選択性アミリンアンタゴニスト, AC187 (Amylin Pharmaceuticals, Inc. San Diego, CA)を静脈注射し、5分後(強制飼養からt=20分にて) 0.3μg ラットアミリンを皮下注射した。上記のように、腹を切除し、エタノール強制飼養の30分後、損傷につき採点した。結果を、図11Aの最後の欄の隣に提供する。最後の欄は、ラットアミリン注射なしの3.0 mgのAC187の注射の結果を示す。結果に対するより選択的な調査を、図11Bに示す。
【0189】
図11Cは、エタノールによる強制飼養の5分前に皮下注射として与えられたアミリンが、用量依存的に、粘膜の損傷から腹を保護したことを示す(0.1μgおよびより高い用量によるP<0.05)。アミリンは、0.3μgおよびそれ以上の用量によって損傷スコアを67%減少させた。この実験システムにおけるアミリンの胃保護効果に対するED50は、0.036μg (31pmol/kg)±0.40ログ単位であった。
【0190】
アミリンの胃保護効果が、内生アミリンのグルコース刺激性の分泌に応答して生じ得るかをさらに調査するために、腹腔内グルコース投与前(250mg/0.5mL D-グルコース;強制飼養からt=30分; n=9)のエタノール誘発性の胃炎に対する効果を、ビヒクル処置されたラット(n=23)において観察された損傷と比較した。腹を切除し、上記のように、エタノール強制飼養の30分後に損傷につき採点し、血液を、血漿グルコース測定のために採取した。また、損傷応答を、AC187 (n=9)の3mgの静脈内ボーラスを共投与されたグルコース処置されたラットにおいて測定した。
【0191】
t=+30分後に血漿中グルコースを123mg/dL (比較;対照においては76mg/dL)まで増大させ、かつ絶食させたSprague Dawleyラットにおける内因性血漿中アミリン濃度を4.8±0.6pMまで増大させることが従前に示されているD-グルコースの先立っての投与は、18.5±4.6% (P<0.0005)だけ胃損傷スコアを有意に減少させた。しかしながら、AC187の前注射は、グルコース処置されたラットにおいて、損傷スコアに対して何の効果もなかった。
【0192】
本明細書中で言及した全出版物および特許出願は、本発明が関係する当業者の技量のレベルの指標である。全出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が、特異的かつ個々に、引用によって援用されると示されたのと同じ程度に、引用によって本明細書中に援用される。
【0193】
前述の発明は、理解の明白さの目的のために、実例および例証として、詳細に記載してきたが、特定の変更および修飾を、添付の請求の範囲の範囲内で実施してもよいことが明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】図1は、一晩絶食させたマウスにおける食物消費の用量依存的減少対本発明の例示的な化合物の用量を示す(食物摂取アッセイ)
【図2】図2Aは、2週間の期間にわたる、本発明の例示的化合物のビヒクルのいずれかの継続した末梢注入による、太らせた(節食を促された肥満の、またはDIO)ラットにおける減少したカロリー摂取量を示す。図2Bは、対応する期間にわたる、体重の減少を示す。
【図3】図3は、本発明の例示的化合物による身体組成に対する効果を示す。
【図4】図4Aは、本発明の例示的化合物による胃内容排出に対する効果を示す。図4Bは、本発明の例示的化合物による低カルシウム血症の効果を示す。
【図5】図5は、本発明の例示的化合物によるトリグリセリドに対する効果を示す。
【図6】図6Aないし6Bは、本発明の例示的化合物による長期間にわたるトリグリセリドに対する効果を示す。
【図7】図7Aないし7Eは、本発明の例示的化合物による長期間にわたるトリグリセリドに対する投与効果を示す。
【図8】図8Aは、アミリンによるグレリンに対する効果を示す。図8Bないし8Cは、アミリンによるグレリンに対する効果を示す。
【図9】図9Aは、本発明の例示的化合物による膵臓機能のマーカーに対する効果を示す。図9Bは、本発明の例示的化合物による膵臓機能のマーカーに対する効果を示す。
【図10】図10Aは、アミリンによる胃酸分泌に対する効果を示す。図10Bは、アミリンによる胃酸分泌に対する用量応答効果を示す。
【図11】図11Aは、アミリンの胃保護効果を示す。図11Bは、アミリンの胃保護効果を示す。図11Cは、アミリンの用量応答曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミリンおよびそのアナログのループ領域; カルシトニンまたはそのアナログのαらせん領域の少なくとも一部のαらせん領域およびカルシトニンまたはそのアナログのαらせん領域を含むアミリンファミリーペプチド。
【請求項2】
該アミリンがヒトアミリンおよびそのアナログである請求項1記載のペプチド。
【請求項3】
該カルシトニンがサケカルシトニンである請求項1記載のペプチド。
【請求項4】
該カルシトニンがサケカルシトニンである請求項2記載のペプチド。
【請求項5】
式I Xaa1 X Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Y Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 (配列番号:34)のアミノ酸配列を含み、ここに、
Xaa1は、A、C、hC、D、E、F、I、L、K、hK、R、hR、S、Hse(ホモSER)、T、G、Q、N、M、Y、W、P、Hyp(ヒドロキシプロリン)、H、V または存在せず;
Xaa3は、A、D、E、N、Q、G、V、R、K、hK、hR、H、I、L、M、または存在せず;
Xaa4は、A、I、L、S、Hse、T、V、M、または存在せず;
Xaa5は、A、S、T、Hse、Y、V、I、L、またはMであり;
Xaa6は、T、A、S、Hse、Y、V、I、L、またはMであり;
Xaa8は、A、V、I、L、F、またはMであり;
Xaa9は、L、T、S、Hse、V、I、またはMであり;
Xaa10は、G、H、Q、K、R、N、hK、またはhRであり;
Xaa11は、K、R、Q、N、hK、hR、またはHであり;
Xaa12は、L、I、V、F、M、W、またはYであり;
Xaa13は、A、F、Y、N、Q、S、Hse、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、K、Q、R、H、hR、またはhKであり;
Xaa15は、A、D、E、F、L、S、Y、I、V、またはMであり;
Xaa16は、L、F、M、V、Y、またはIであり;
Xaa17は、H、Q、N、S、Hse、T、またはVであり;
Xaa18は、K、hK、R、hR、H、u (Cit)、またはn (Orn)であり;
Xaa19は、F、L、S、Hse,V、I、T、または存在せず;
Xaa20は、H、R、K、hR、hK、N、Q、または存在せず;
Xaa21は、T、S、Hse、V、I、L、Q、N、または存在せず;
Xaa22は、F、L、M、V、Y、またはIであり;
Xaa23は、P またはHypであり;
Xaa24は、P、Hyp、R,K、hR、hK、またはHであり;
Xaa25は、T、S、Hse、V、I、L、F、またはYであり;
Xaa26は、N、Q、D、またはEであり;
Xaa27は、T、V、S、F、I、またはLであり;
Xaa28は、G またはAであり;
Xaa29は、S、Hse、T、V、I、L、またはYであり;
Xaa30は、E、G、K、N、D、R、hR、hK、H、またはQであり;
Xaa31は、A、T、S、Hse、V、I、L、F、またはYであり;および
Xaa32は、F、P、Y、Hse、S、T、またはHypであり;
ここに、XおよびYは、結合を作り出すことが可能であり、相互に化学的に結合して、ジスルフィド結合;アミド結合;環状ラクタムを形成し得るアルキル酸およびアルキルアミン;縮合され還元されて、アルキルアミンまたはイミン橋を形成し得るアルキルアルデヒドまたはアルキルハライドおよびアルキルアミン;または連結されて、アルキル、アルケニル、アルキニル、エーテルまたはチオエーテル結合を形成し得る側鎖のような分子内連結を形成する側鎖を有する独立して選択された残基である請求項1記載のペプチド。
【請求項6】
XおよびYが、ジスルフィド、アミド、イミン、アミン、アルキルおよびアルケン結合の分子内連結を形成する請求項5記載のペプチド。
【請求項7】
さらに、置換、挿入、欠失、延長および/または誘導体化の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の修飾を含む請求項5記載のペプチド。
【請求項8】
式II: Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32 (配列番号:35)のアミノ酸配列を含み、ここに、
Xaa1は、A、C、D、F、I、K、S、T、または存在せず;
Xaa2は、C、D、S、または存在せず;
Xaa3は、A、D、N、または存在せず;
Xaa4は、A、L、T、または存在せず;
Xaa5は、AまたはSであり;
Xaa6は、T、A、S、またはVであり;
Xaa7は、C、K、またはAであり;
Xaa8は、A、V、L、orMであり;
Xaa9は、LまたはTであり;
Xaa10は、G、H、またはQであり;
Xaa11は、K、R、Q、またはhArgであり;
Xaa12は、L、W、またはYであり;
Xaa13は、A、F、N、Q、S、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、K、Q、またはRであり;
Xaa15は、A、D、E、F、L、S、またはYであり;
Xaa16は、L、またはFであり;
Xaa17は、H、Q、S、またはVであり;
Xaa18は、K、R、hArg、u (Cit)、またはn (Orn)であり;
Xaa19は、F、L、S、または存在せず;
Xaa20は、H、Q、または存在せず;
Xaa21は、T、N、または存在せず;
Xaa22は、F、L、M、V、またはYであり;
Xaa23は、Pであり;
Xaa24は、P またはRであり;
Xaa25は、Tであり;
Xaa26は、Nであり;
Xaa27は、TまたはVであり;
Xaa28は、Gであり;
Xaa29は、Sであり;
Xaa30は、E、G、K、またはNであり;
Xaa31は、AまたはTであり;および
Xaa32は、F、P、またはYである請求項1記載のペプチド。
【請求項9】
さらに、置換、挿入、欠失、延長および/または誘導体化の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の修飾を含む請求項8記載のペプチド。
【請求項10】
式III: Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16 Xaa17 Xaa18 Xaa19 Xaa20 Xaa21 Xaa22 Xaa23 Xaa24 Xaa25 Xaa26 Xaa27 Xaa28 Xaa29 Xaa30 Xaa31 Xaa32、(配列番号:36)のアミノ酸配列を含み、ここに、
Xaa1は、A、C、F、I、K、S、または存在せず;
Xaa2は、C、D、またはSであり;
Xaa3は、A、DまたはNであり;
Xaa4は、A、LまたはTであり;
Xaa5は、AまたはSであり;
Xaa6は、Tであり;
Xaa7は、CまたはKであり;
Xaa8は、AまたはVであり;
Xaa9は、LまたはTであり;
Xaa10は、G、H、またはQであり;
Xaa11は、K、R、またはhArgであり;
Xaa12は、Lであり;
Xaa13は、A、F、N、S、またはTであり;
Xaa14は、A、D、E、G、N、Q、またはRであり;
Xaa15は、A、E、F、L、S、またはYであり;
Xaa16は、Lであり;
Xaa17は、H、S、またはVであり;
Xaa18は、K、R、hArg、u (Cit)、またはn (Orn)であり;
Xaa19は、F、L、またはSであり;
Xaa20は、HまたはQであり;
Xaa21は、TまたはNであり;
Xaa22は、F、L、M、V、またはYであり;
Xaa23は、Pであり;
Xaa24は、PまたはRであり;
Xaa25は、Tであり;
Xaa26は、Nであり;
Xaa27は、T、またはVであり;
Xaa28は、Gであり;
Xaa29は、Sであり;
Xaa30は、E、G、K、またはNであり;
Xaa31は、A、またはTであり;および
Xaa32は、F、P、またはYである請求項1記載のペプチド。
【請求項11】
さらに、置換、挿入、欠失、延長および/または誘導体化の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12の修飾を含む請求項11記載のペプチド。
【請求項12】
配列番号:40ないし137の配列を含むアミリンファミリーペプチド。
【請求項13】
該ペプチドが、配列番号:40ないし137に対して少なくとも95%配列同一性を有する請求項12記載のペプチド。
【請求項14】
請求項1記載のペプチドを含む摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症の治療方法。
【請求項15】
請求項5記載のペプチドを含む摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症の治療方法。
【請求項16】
請求項8記載のペプチドを含む摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症の治療方法。
【請求項17】
請求項12記載のペプチドを含む摂食障害、インスリン抵抗性、肥満、異常な食後高血糖、1型、2型、および妊娠糖尿病を含むいずれかの種類の糖尿病、メタボリック症候群、ダンピング症候群、高血圧、異常脂質血症、心疾患、高脂血症、睡眠時無呼吸、癌、肺高血圧、胆嚢炎、および変形性関節症の治療方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2008−500281(P2008−500281A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501804(P2007−501804)
【出願日】平成17年2月11日(2005.2.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/004631
【国際公開番号】WO2006/083254
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(598133654)アミリン・ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (38)
【氏名又は名称原語表記】AMYLIN PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】