アミロイドβに対するヒト化抗体
本発明は、アルツハイマー病などのアミロイドタンパク質と関連する一群の障害および異常である、アミロイドーシスを含むアミロイドもしくはアミロイド様タンパク質によって引き起こされるかまたはアミロイドもしくはアミロイド様タンパク質と関連する疾患および障害の処置における治療的および診断的使用のための方法および組成物に関する。本発明は、β-アミロイドタンパク質のある範囲に由来する特異的なエピトープを特異的に認識しかつ該エピトープに特異的に結合する能力を有する極めて特異的なかつ極めて有効な抗体を含む新規の方法および組成物を提供する。本発明の教示によって可能になる抗体は、アルツハイマー病(AD)などの神経学的障害を含むが、これらに限定されない、続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含むアミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害である、アミロイドーシスを含むアミロイドもしくはアミロイド様タンパク質によって引き起こされるかまたはアミロイドもしくはアミロイド様タンパク質と関連する疾患および障害の処置に特に有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該エピトープが、抗体への結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列(配列番号:10):
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸である、
キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項2】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該エピトープが、抗体への結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列(配列番号:9):
Xaa3 - Phe - Phe - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基である、
キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項3】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも2つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該少なくとも2つのエピトープが各々、抗体の結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸が、抗体結合に関与しないかまたは該連続するアミノ酸残基よりも顕著に小さい程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられており、該連続するアミノ酸残基がそれぞれ以下のコア配列:
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Phe - Phe - Xaa4 _ Xaa5 _ Xaa6
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-および-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸である、
請求項1または2記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項4】
Xaa1が、HisおよびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa3が、ValおよびLeuからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa4が、AlaおよびValからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸である、
請求項1〜3のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項5】
Xaa1がHisであり;
Xaa2がGlnであり;
Xaa3がValであり;
Xaa4がAlaであり;
Xaa5がGluであり;かつ
Xaa6がAspである、
請求項4記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項6】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも2つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
前記少なくとも2つのエピトープが、それぞれ、- Phe -Phe - および - Lys - Leu -である抗体の結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を各々含み、かつ少なくとも2つの別個の結合部位がそれぞれ、配列番号:7に示すアミノ酸配列-Val - Phe - Phe - Ala - Glu - Asp -および配列番号:8に示すアミノ酸配列His - Gln - Lys - Leu - Val -を示す、
請求項1〜5のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項7】
可変領域中に非ヒト起源の少なくとも1つのCDRおよび1つまたは複数のヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに任意で、ヒトまたは霊長類が源の抗体に由来する定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片であって、
β-アミロイドタンパク質、β-アミロイド単量体ペプチド、複数のβ-アミロイド単量体単位を含む重合体可溶性アミロイドペプチド、β-アミロイドの繊維、フィブリル、またはフィラメント、および孤立しているかまたはβ-アミロイド斑の一部としてのβ-アミロイド重合体ペプチドに、以下のアミノ酸配列(配列番号:11):
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Phe - Phe- Xaa4 _ Xaa5 _ Xaa6
を含むエピトープにおいて特異的に結合することができ、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Glnからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にHisであり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にGlnであり;かつ
Xaa3が、Val、Leu、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にValであり;
Xaa4が、AlaおよびValからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にAlaであり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にGluであり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にAspである、
ヒト化抗体またはその断片。
【請求項8】
非ヒト起源のCDRが、エピトープを含まない抗原断片に対して作製されたドナー抗体から得られる、請求項1〜7のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項9】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも1つのCDR
を有する可変領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項10】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも1つのCDR
を有する重鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項11】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4のアミノ酸配列を持つ1つのCDR
を有する軽鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項12】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項13】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する重鎖可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項14】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、ならびに
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する軽鎖可変領域を含むヒト化抗体であって、同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項15】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を特に示した順序で持つCDR
を有する重鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項16】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、ならびに
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を特に示した順序で持つCDR
を有する軽鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項17】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも3つのCDR
を有する可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項18】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも4つのCDR
を有する可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項19】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも5つのCDR
を有する可変領域を含むヒト化抗体であって、同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項20】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を持つCDR
を有する可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項21】
少なくとも1つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項10記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項22】
少なくとも1つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項10記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項23】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1およびCDR2を表す配列番号:2のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項24】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項25】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項26】
少なくとも2つのCDRが、軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4およびCDR2を表す配列番号:5のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項14記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項27】
少なくとも2つのCDRが、軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項14記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項28】
少なくとも2つのCDRが、請求項23〜27のいずれか一項記載のCDRの群より選択される、請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項29】
ヒト起源または霊長類起源の軽鎖および/または重鎖の定常領域を含む、請求項9〜28のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項30】
抗体がその完全な機能性を維持するように、配列番号:1〜6に示す軽鎖および重鎖のCDR領域のアミノ酸のうちの少なくとも1つを、保存的置換によって変化させる、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項31】
配列番号:5に示す軽鎖可変領域(LCVR)のCDR2のアミノ酸配列内で、Kabat位置50のLysをArg、Gln、もしくはGluによって、特にArgによって置き換え、かつ/またはKabat位置53のAsnをAla、Val、Leu、Ser、およびIle;とりわけSerによって置き換える、請求項30記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項32】
フレームワーク配列が、KABATサブグループVKIIのヒト生殖系列VK配列である、請求項9〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項33】
フレームワーク配列が、KABATサブグループVHIIIのヒト生殖系列VH配列である、請求項9〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項34】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域のアミノ酸のうちの少なくとも1つを、マウスのヒト化抗体ACI-01-Ab7C2の対応する領域由来のアミノ酸に対する置換またはそれに対する保存的置換によって変化させる、請求項1〜33のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項35】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸によって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項36】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項37】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項38】
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Phe、Leu、Val、Ile、およびAlaからなる群より選択されるアミノ酸によって、特にLeuおよびPheによって、とりわけPheによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項39】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換え、かつ
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Phe、Leu、Val、Ile、およびAlaからなる群より選択されるアミノ酸によって、特にLeuおよびPheによって、とりわけPheによって置き換える、
請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項40】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換える、請求項35記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項41】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸によって、とりわけSerによって置き換える、請求項36記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項42】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、LeuおよびIleからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけLeuによって置き換える、請求項37記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項43】
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Pheによって置き換える、請求項38記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項44】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、LeuおよびIleからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgをSerによって置き換え、かつ
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrをPheによって置き換える、
請求項39記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項45】
重鎖可変領域(HCVR)が、それぞれ配列番号:15および16に示す配列と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその抗体の断片。
【請求項46】
軽鎖可変領域(LCVR)が、それぞれ配列番号:12および13に示す配列と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項47】
重鎖可変領域(HCVR)のCDR領域のうちの少なくとも2つ、とりわけ3つが、配列番号:1〜3に示す対応するCDR領域と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項48】
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR領域のうちの少なくとも2つ、とりわけ3つが、配列番号:4〜6に示す対応するCDR領域と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項49】
配列番号:13の軽鎖可変領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項50】
配列番号:14の軽鎖定常領域をさらに含む、請求項49記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項51】
配列番号:13の軽鎖可変領域および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項52】
配列番号:16の重鎖可変領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項53】
配列番号:17の重鎖定常領域をさらに含む、請求項52記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項54】
配列番号:16の重鎖可変領域および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項55】
重鎖定常領域のN末端のLysが除去されている、請求項50、51、53、および54のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項56】
抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、または突然変異したIgG4を含むIgG4アイソタイプ、特にIgG4アイソタイプである、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項57】
高度の立体構造感受性(conformational sensitivity)と特に組み合わさった、凝集阻害特性と脱凝集特性の両方を示すという点で、抗体が二重に効果的(bi-effective)である、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項58】
アミロイド単量体および/または重合体の可溶性アミロイドペプチドと、特に例えば、Aβ単量体ペプチド1-39;1-40、1-41、もしくは1-42などのβ-アミロイド単量体ペプチド、および/または複数の該Aβ単量体単位を含む重合体可溶性β-アミロイドペプチドと、とりわけAβ1-42単量体および/または複数の該Aβ1-42単量体単位を含むAβ重合体の可溶性アミロイドペプチドとコインキュベーションすると、抗体が、Aβ単量体の高分子重合体のフィブリルまたはフィラメントへの凝集を阻害し、かつ
アミロイド単量体ペプチド、特に例えば、Aβ単量体ペプチド1-39;1-40、1-41、または1-42などのβ-アミロイド単量体ペプチド、とりわけAβ1-42単量体ペプチドの凝集によって形成された前形成された高分子重合体アミロイドのフィブリルまたはフィラメントとコインキュベーションすると、抗体が、前形成された重合体のフィブリルまたはフィラメントをさらに脱凝集させることができる、
前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項59】
抗体が哺乳動物脳、特にヒト脳中に凝集したAβに実質的に結合する、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項60】
抗体が哺乳動物脳、特にヒト脳中のAβ斑負荷を低下させる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項61】
請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項62】
重鎖可変領域(HCVR)の相補性決定領域(CDR)2および3を表す配列番号:2および3を含む抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項63】
軽鎖可変領域(LCVR)の相補性決定領域(CDR)1を表す配列番号:4を含む抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項64】
配列番号:18および配列番号:19に示すヌクレオチド配列を含む、請求項62記載の核酸分子。
【請求項65】
配列番号:20に示すヌクレオチド配列を含む、請求項63記載の核酸分子。
【請求項66】
配列番号:22の軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項67】
配列番号:22の軽鎖可変領域および配列番号:23の軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項68】
配列番号:25の重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項69】
配列番号:25の重鎖可変領域および配列番号:26の重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項70】
請求項60〜69のいずれか一項記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
【請求項71】
請求項60〜68のいずれか一項記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクターまたは請求項70記載の発現ベクターを含む、細胞。
【請求項72】
治療的有効量の任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を含む、組成物。
【請求項73】
薬学的に許容される担体を任意でさらに含む薬学的組成物である、請求項72記載の組成物。
【請求項74】
治療的有効量の抗体を含む、請求項72〜73のいずれか一項記載の組成物。
【請求項75】
治療的有効量の任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片、ならびに任意で、さらなる生物活性物質および/または薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/または賦形剤を含む、混合物。
【請求項76】
さらなる生物活性物質が、アルツハイマー病に関与するAβタンパク質などのアミロイドまたはアミロイド様タンパク質と関連する一群の疾患および障害であるアミロイドーシスの処置で用いられる化合物である、請求項75記載の混合物。
【請求項77】
本発明による抗体ならびに、任意で薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/または賦形剤と共に、酸化ストレスに対する化合物、抗アポトーシス性化合物、金属キレート剤、ピレンゼピンおよび代謝物などのDNA修復の阻害剤、3-アミノ-1-プロパンスルホン酸(3APS)、1,3-プロパンジスルホネート(1,3PDS)、α-セクレターゼ活性化剤、β-およびγ-セクレターゼ阻害剤、タウタンパク質、神経伝達物質、β-シート破壊剤(breaker)、アミロイドβを除去する/枯渇させる細胞成分の誘引剤、ピログルタミン酸化したアミロイドβ3-42を含むN末端切断型アミロイドβの阻害剤、抗炎症分子、またはタクリン、リバスチグミン、ドネペジル、および/もしくはガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、M1アゴニスト、ならびに任意のアミロイドもしくはタウの修飾薬物を含むその他の薬物、ならびに栄養補給剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項76記載の混合物。
【請求項78】
化合物がコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)である、請求項77記載の混合物。
【請求項79】
化合物が、タクリン、リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、ナイアシン、およびメマンチンからなる群より選択される化合物である、請求項75〜77のいずれか一項記載の混合物。
【請求項80】
治療的有効量の抗体および/または生物活性物質を含む、請求項75〜79のいずれか一項記載の混合物。
【請求項81】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患を含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害であるアミロイドーシスの影響を処置または緩和するための医薬の調製用の、キメラ抗体もしくはその断片、またはヒト化抗体もしくはその断片、および/または請求項1〜60のいずれか一項記載のその機能性部分、および/または請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物、または請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物の、使用。
【請求項82】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項81記載の使用。
【請求項83】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項81記載の使用。
【請求項84】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の増加をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項85】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項86】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに、進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患も含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害である、アミロイドーシスの影響を防止するか、処置するか、または緩和する方法で使用するための、請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物または請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物の調製のための方法であって、
本発明の抗体を薬学的に許容される形態で製剤化する工程を含む、方法。
【請求項87】
抗体が組成物中に治療的有効量で含まれる、請求項86記載の方法。
【請求項88】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項86記載の方法。
【請求項89】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項86記載の方法。
【請求項90】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の増加をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項91】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力を損なうことを特徴とする、請求項86記載の方法。
【請求項92】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の逆転および、特に、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項93】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに、進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患も含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害である、アミロイドーシスの影響を、請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片、および/あるいはその機能性部分、ならびに/あるいは請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物、あるいは請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物をそのような障害によって冒された動物またはヒトに投与することによって、防止するか、処置するか、または緩和する方法であって、
前記抗体を治療的有効量で投与する工程を含む、方法。
【請求項94】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項93記載の方法。
【請求項95】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項93記載の方法。
【請求項96】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持の増加をもたらす、請求項93記載の方法。
【請求項97】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力を損なうことを特徴とする、請求項93記載の方法。
【請求項98】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項93記載の方法。
【請求項99】
患者におけるアミロイド関連の疾患または状態の診断の方法であって、
(a)アミロイドタンパク質を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を、請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体と接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイドタンパク質に結合させる工程;
(c)該タンパク質に結合した抗体を検出する工程;および
(d)抗体結合の有無と、試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイドタンパク質の有無とを相関付ける工程
を含む、方法。
【請求項100】
組織および/または体液中のアミロイド形成的な斑負荷の程度を決定する方法であって、
(a)調査中の組織および/または体液を代表する試料を得る工程;
(b)請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を用いて、アミロイドタンパク質の存在について該試料を検査する工程;
(c)該タンパク質に結合した抗体の量を決定する工程;ならびに
(d)該組織および/または体液中の斑負荷を計算する工程
を含む、方法。
【請求項101】
請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を含む、アミロイドに関連する疾患および状態の検出および診断のための検査キット。
【請求項102】
本発明による1つまたは複数の抗体を入れた容器、および
免疫学的複合体の有無がアミロイドタンパク質の有無と相関するように、アミロイドタンパク質に結合させて免疫学的複合体を形成させかつ該免疫学的複合体の形成を検出する目的のために抗体を用いるための、取扱説明書
を含む、請求項101記載の検査キット。
【請求項103】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4のアミノ酸配列を持つ少なくとも1つのCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項104】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも1つのCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項105】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも2つのCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項106】
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも2つのCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項107】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を特に上記で示した順序で持つCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項108】
組み込まれたヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)の、CDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を特に上記で示した順序で持つCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項109】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項110】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片を提供する。
【請求項111】
配列番号:13に示すシグナル配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項112】
配列番号:13に示すシグナル配列を含む完全な軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項113】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項114】
配列番号:13の完全な軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項115】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項116】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項117】
配列番号:16に示すシグナル配列を含む重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項118】
配列番号:16に示すシグナル配列を含む完全な重鎖可変領域(HCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項119】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項120】
配列番号:16の重鎖可変領域(HCVR)および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項121】
抗体が、Aβ単量体に実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項122】
少なくとも約1×10-7 M〜少なくとも約1×10-12 Mの、特に少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-11 Mの、より特には少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-10 Mの、さらにより特には少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約5×10-8 Mの範囲のKDによって表される結合親和性でAβ単量体に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、請求項122記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項123】
抗体が、Aβの繊維、フィブリル、またはフィラメントに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項124】
少なくとも約1×10-7 M〜少なくとも約1×10-12 Mの、特に少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-11 Mの、より特には少なくとも約1×10-9 M〜少なくとも約1×10-10 Mの、さらにより特には少なくとも約2×10-9 M〜少なくとも約8×10-9 Mの範囲内のKDによって表される結合親和性でAβ繊維、フィブリル、またはフィラメントに結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、請求項123記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項125】
抗体が、可溶性重合体アミロイドβに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項126】
抗体が、Aβ単量体、および/もしくはAβの繊維、フィブリル、もしくはフィラメント、および/または可溶性重合体アミロイドβに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項127】
結合親和性が昇順に増加する、請求項126記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項128】
Aβ繊維、フィブリル、またはフィラメントに対して、Aβ単量体に対する結合親和性よりも少なくとも10倍、特に少なくとも15倍、より特には少なくとも20倍、とりわけ少なくとも25倍高い結合親和性を示す、請求項127記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項129】
抗体が、哺乳動物の、特にヒトの脳内のAβ斑を含む凝集したAβに実質的に結合するが、好ましくはアミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項130】
抗体が、哺乳動物の、特にヒトの脳内のAβ単量体を含む可溶性の繊維に実質的に結合するが、好ましくはアミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項131】
立体構造の変換を誘導することで繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させ、かつ組織および/または体液中、特に脳内の、脱凝集および可溶化したAβ形態に結合しかつ該Aβ形態を安定化することによって、その可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項132】
α-ヘリックスおよび/またはランダムコイル立体構造、特にランダムコイル立体構造、さらにより特には分子中の所与の場所における、とりわけAβタンパク質のTyr 10およびVal 12の環境におけるランダムコイル立体構造へのβ-シート立体構造の転移を誘導することができる抗体またはその断片であって、
β-シート立体構造を代償にしたランダムコイル立体構造の増加、および前形成された高分子重合体アミロイドのフィブリルまたはフィラメントの向上した可溶化をもたらす、請求項131記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項133】
β-シート立体構造の減少が、緩衝剤中でインキュベートしたそれぞれの前形成されたアミロイド重合体のフィブリルまたはフィラメント(対照)と比較して、少なくとも30%、特に少なくとも35%、およびより特には少なくとも40%、およびそれより多くにまで達する、請求項132記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項134】
単量体形態を含む、重合体でかつあまり凝集していない可溶性のAβタンパク質種に実質的に結合し、したがってこれらのAβタンパク質種の末梢での除去および異化を改変しかつそれらの毒性作用を低下させる、請求項131記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項135】
マウスドナー抗体から、特にマウス抗体ACI-01-Ab7C2から得られる少なくとも1つ、特に2つ、およびより特には3つのCDR領域を組み入れた少なくとも1つの軽鎖もしくはその断片または少なくとも1つの重鎖もしくはその断片を含むヒト化抗体またはその断片であって、
Aβ抗原に対して、マウスドナー抗体の親和性よりも少なくとも5倍、特に少なくとも8倍、より特には少なくとも10倍、とりわけ少なくとも15倍高い親和性を有する、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項136】
ヒト化抗体またはその断片が、脳内の凝集したアミロイドβと必ずしも結合するわけではない、請求項83〜85のいずれか一項記載の使用。
【請求項137】
ヒト化抗体またはその断片が、脳内の凝集したアミロイドβと必ずしも結合するわけではない、請求項89〜91のいずれか一項記載の方法。
【請求項138】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項139】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項140】
可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項141】
繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させることによって、可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項142】
ヒト組織および/または体液中、特に脳内のAβには実質的に結合しないが、立体構造の変換を誘導することで繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させ、かつ組織および/または体液中、特に脳内の、脱凝集および可溶化したAβ形態に結合しかつ該Aβ形態を安定化することによって、その可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項143】
マウス抗体の結合親和性よりも少なくとも5倍、10倍、特に少なくとも15倍、より特には少なくとも20倍、とりわけ少なくとも100倍高い結合親和性を示す、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項144】
抗体またはその断片の親和性、特異性、および安定性がグリコシル化プロファイルの変化によって改変されている、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項145】
配列番号:27に挙げた可変領域を含む抗体、またはその変異体。
【請求項146】
請求項145記載の抗体を発現する細胞株。
【請求項147】
配列番号:29に挙げた可変領域を含む抗体遺伝子、またはその変異体。
【請求項148】
請求項147記載の抗体を発現する細胞株。
【請求項149】
hC2抗体を前形成されたβ-アミロイド繊維と相互作用させる工程を含む、前形成されたβ-アミロイド繊維を脱凝集させるための方法。
【請求項150】
Aβ誘導性の分解からニューロンを保護する、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項151】
前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片の有効量で、ニューロンを処置する工程を含む、Aβ誘導性のニューロン分解を防止する方法。
【請求項152】
Aβオリゴマーへの曝露によるニューロンの変性を防止するための医薬の調製用の、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片の使用。
【請求項153】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該少なくとも1つまたは少なくとも2つの別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つのアミノ酸残基および少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、本発明の具体的な態様において、第一の別個の結合部位を構成する少なくとも1つの残基が、以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Xaa3 - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれたLeuであり、第二の別個の結合部位を構成する、少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、Lys、His、Asn、Gln、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基である、
モノクローナル抗体。
【請求項154】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体結合に関与しないかまたは抗体の結合に主に関与するアミノ酸残基と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基残基によって隔てられている、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基がそれぞれ、以下のコア配列;
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 - Xaa8 -
の中に埋め込まれた、-His-および-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa8が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa6、Xaa7、Xaa8が、抗体結合に関与しないかまたは-His-および-Lys-Leu-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項155】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、第一の結合部位を表す少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - His - Xaa3 - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6 - Phe - Phe - Xaa7 - Xaa8 - Xaa9 -
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、かつ少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、Ala、Val、Leu、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、Ala、Val、Leu、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa8が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa9が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa1、Xaa3、Xaa6、Xaa7、Xaa8、およびXaa9が、抗体結合に関与しないかまたは-His-および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項156】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれた-Lys-および-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-Lys-Leu-および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項157】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第三の少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-His-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項158】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Asp -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第三の少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Asp-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-Asp-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項159】
β-アミロイドタンパク質上の4つの別個の結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該4つの別個の結合部位が、残基が抗体の結合に主に関与する、1つのアミノ酸残基および2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗原上で互いにごく近接して位置し、抗体結合に関与しないかまたは4つの別個の結合部位の1つのアミノ酸残基および2つの連続するアミノ酸残基と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられており、それゆえ立体構造的な不連続エピトープを形成する、モノクローナル抗体。
【請求項160】
任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
抗体の結合に主に関与する第一の2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列:
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Asp -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第一の1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、第二の1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Asp-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-His-、-Asp-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
請求項159記載のモノクローナル抗体。
【請求項161】
β-アミロイドタンパク質の結合に主に関与する、連続するアミノ酸残基、特に位置16および17の-Lys-Leu-ならびに位置19および20の-Phe-Phe-が、アミロイドβペプチドの以下のコア領域:
の中に埋め込まれている、
任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む、請求項157〜160のいずれか一項記載のモノクローナル抗体。
【請求項162】
アミロイドタンパク質のエピトープに対するモノクローナル抗体またはその活性断片の免疫特異的結合を試料中でまたはインサイチューで検出する工程を含む、患者におけるアミロイド関連の疾患または状態になりやすい傾向を診断するための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)該免疫学的複合体の量を正常対照値と比較する工程
を含み、正常対照値と比較した凝集体の量の増加によって、患者がアミロイド関連の疾患もしくは状態に苦しんでいるかまたは該疾患もしくは状態を発症する危険性があるということが示される、方法。
【請求項163】
前記請求項のいずれか一項記載の抗体またはワクチン組成物による処置後に患者における最小限の残存疾患をモニタリングするための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)該免疫学的複合体の量を正常対照値と比較する工程
を含み、正常対照値と比較した凝集体の量の増加によって、患者が依然として最小限の残存疾患に苦しんでいるということが示される、方法。
【請求項164】
前記請求項のいずれか一項記載の抗体またはワクチン組成物によって処置されている患者の応答性を予測するための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)処置の開始前後の該免疫学的複合体の量を比較する工程
を含み、凝集体の量の減少によって、患者が処置に対して応答性であるという高い可能性を有するということが示される、方法。
【請求項165】
脳内の斑負荷の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の斑負荷を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項166】
脳内の斑負荷を、少なくとも20%、特に少なくとも25%、より特には30%低下させ、さらにより特には30%よりも多く減少させる、請求項165記載の方法。
【請求項167】
脳内の斑負荷の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の斑の量を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項168】
脳内の斑の量を少なくとも10%、特に少なくとも15%、より特には20%低下させる、請求項94記載の方法。
【請求項169】
脳内の可溶性Aβの濃度の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の可溶性Aβの総量を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項170】
アミロイド関連の疾患または状態を示す哺乳動物における認知的記憶能力を保持するかまたは増加させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項1】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該エピトープが、抗体への結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列(配列番号:10):
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸である、
キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項2】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該エピトープが、抗体への結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列(配列番号:9):
Xaa3 - Phe - Phe - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基である、
キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項3】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも2つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
該少なくとも2つのエピトープが各々、抗体の結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を含み、該少なくとも2つの連続するアミノ酸が、抗体結合に関与しないかまたは該連続するアミノ酸残基よりも顕著に小さい程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられており、該連続するアミノ酸残基がそれぞれ以下のコア配列:
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Phe - Phe - Xaa4 _ Xaa5 _ Xaa6
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-および-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸である、
請求項1または2記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項4】
Xaa1が、HisおよびArgからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa3が、ValおよびLeuからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa4が、AlaおよびValからなる群より選択されるアミノ酸であり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸であり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸である、
請求項1〜3のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項5】
Xaa1がHisであり;
Xaa2がGlnであり;
Xaa3がValであり;
Xaa4がAlaであり;
Xaa5がGluであり;かつ
Xaa6がAspである、
請求項4記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項6】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも2つのエピトープに特異的に結合する、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片であって、
前記少なくとも2つのエピトープが、それぞれ、- Phe -Phe - および - Lys - Leu -である抗体の結合に主に関与する少なくとも2つの連続するアミノ酸残基を各々含み、かつ少なくとも2つの別個の結合部位がそれぞれ、配列番号:7に示すアミノ酸配列-Val - Phe - Phe - Ala - Glu - Asp -および配列番号:8に示すアミノ酸配列His - Gln - Lys - Leu - Val -を示す、
請求項1〜5のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項7】
可変領域中に非ヒト起源の少なくとも1つのCDRおよび1つまたは複数のヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに任意で、ヒトまたは霊長類が源の抗体に由来する定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片であって、
β-アミロイドタンパク質、β-アミロイド単量体ペプチド、複数のβ-アミロイド単量体単位を含む重合体可溶性アミロイドペプチド、β-アミロイドの繊維、フィブリル、またはフィラメント、および孤立しているかまたはβ-アミロイド斑の一部としてのβ-アミロイド重合体ペプチドに、以下のアミノ酸配列(配列番号:11):
Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Phe - Phe- Xaa4 _ Xaa5 _ Xaa6
を含むエピトープにおいて特異的に結合することができ、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Glnからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にHisであり;
Xaa2が、AsnおよびGlnからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にGlnであり;かつ
Xaa3が、Val、Leu、およびIleからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にValであり;
Xaa4が、AlaおよびValからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にAlaであり;
Xaa5が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にGluであり;かつ
Xaa6が、GluおよびAspからなる群より選択されるアミノ酸残基、特にAspである、
ヒト化抗体またはその断片。
【請求項8】
非ヒト起源のCDRが、エピトープを含まない抗原断片に対して作製されたドナー抗体から得られる、請求項1〜7のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項9】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも1つのCDR
を有する可変領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項10】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも1つのCDR
を有する重鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項11】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4のアミノ酸配列を持つ1つのCDR
を有する軽鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項12】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項13】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する重鎖可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項14】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、ならびに
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも2つのCDR
を有する軽鎖可変領域を含むヒト化抗体であって、同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項15】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を特に示した順序で持つCDR
を有する重鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項16】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、ならびに
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を特に示した順序で持つCDR
を有する軽鎖可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項17】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも3つのCDR
を有する可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、
請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項18】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも4つのCDR
を有する可変領域を含み、
同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項19】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ、少なくとも5つのCDR
を有する可変領域を含むヒト化抗体であって、同じCDRが該抗体中に二度は存在し得ない、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項20】
ヒト化抗体が、
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、ならびに
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3、ならびに軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を持つCDR
を有する可変領域を含む、請求項9記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項21】
少なくとも1つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項10記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項22】
少なくとも1つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項10記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項23】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1およびCDR2を表す配列番号:2のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項24】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項25】
少なくとも2つのCDRが、重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項13記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項26】
少なくとも2つのCDRが、軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4およびCDR2を表す配列番号:5のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項14記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項27】
少なくとも2つのCDRが、軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を持つCDRである、請求項14記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項28】
少なくとも2つのCDRが、請求項23〜27のいずれか一項記載のCDRの群より選択される、請求項12記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項29】
ヒト起源または霊長類起源の軽鎖および/または重鎖の定常領域を含む、請求項9〜28のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項30】
抗体がその完全な機能性を維持するように、配列番号:1〜6に示す軽鎖および重鎖のCDR領域のアミノ酸のうちの少なくとも1つを、保存的置換によって変化させる、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項31】
配列番号:5に示す軽鎖可変領域(LCVR)のCDR2のアミノ酸配列内で、Kabat位置50のLysをArg、Gln、もしくはGluによって、特にArgによって置き換え、かつ/またはKabat位置53のAsnをAla、Val、Leu、Ser、およびIle;とりわけSerによって置き換える、請求項30記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項32】
フレームワーク配列が、KABATサブグループVKIIのヒト生殖系列VK配列である、請求項9〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項33】
フレームワーク配列が、KABATサブグループVHIIIのヒト生殖系列VH配列である、請求項9〜31のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項34】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域のアミノ酸のうちの少なくとも1つを、マウスのヒト化抗体ACI-01-Ab7C2の対応する領域由来のアミノ酸に対する置換またはそれに対する保存的置換によって変化させる、請求項1〜33のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項35】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸によって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項36】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項37】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項38】
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Phe、Leu、Val、Ile、およびAlaからなる群より選択されるアミノ酸によって、特にLeuおよびPheによって、とりわけPheによって置き換える、請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項39】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけSerによって置き換え、かつ
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Phe、Leu、Val、Ile、およびAlaからなる群より選択されるアミノ酸によって、特にLeuおよびPheによって、とりわけPheによって置き換える、
請求項34記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項40】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、Leu、ノルロイシン、Ile、Val、Met、Ala、およびPheからなる群より選択されるアミノ酸、特にLeuおよびIle、とりわけLeuによって置き換える、請求項35記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項41】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgを、SerおよびThrからなる群より選択されるアミノ酸によって、とりわけSerによって置き換える、請求項36記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項42】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、LeuおよびIleからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけLeuによって置き換える、請求項37記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項43】
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrを、Pheによって置き換える、請求項38記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項44】
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置47のTrpを、LeuおよびIleからなる群より選択されるアミノ酸、とりわけLeuによって置き換え、かつ
配列番号:15に示すヒト由来または霊長類由来の重鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置94のArgをSerによって置き換え、かつ
配列番号:12に示すヒト由来または霊長類由来の軽鎖可変領域のフレームワーク領域中のKabat位置87のTyrをPheによって置き換える、
請求項39記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項45】
重鎖可変領域(HCVR)が、それぞれ配列番号:15および16に示す配列と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその抗体の断片。
【請求項46】
軽鎖可変領域(LCVR)が、それぞれ配列番号:12および13に示す配列と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項47】
重鎖可変領域(HCVR)のCDR領域のうちの少なくとも2つ、とりわけ3つが、配列番号:1〜3に示す対応するCDR領域と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項48】
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR領域のうちの少なくとも2つ、とりわけ3つが、配列番号:4〜6に示す対応するCDR領域と90%、特に95%、より特には98%同一であるアミノ酸配列を有する、請求項1〜44のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項49】
配列番号:13の軽鎖可変領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項50】
配列番号:14の軽鎖定常領域をさらに含む、請求項49記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項51】
配列番号:13の軽鎖可変領域および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項52】
配列番号:16の重鎖可変領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項53】
配列番号:17の重鎖定常領域をさらに含む、請求項52記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項54】
配列番号:16の重鎖可変領域および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、キメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項55】
重鎖定常領域のN末端のLysが除去されている、請求項50、51、53、および54のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項56】
抗体が、IgG1、IgG2、IgG3、または突然変異したIgG4を含むIgG4アイソタイプ、特にIgG4アイソタイプである、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項57】
高度の立体構造感受性(conformational sensitivity)と特に組み合わさった、凝集阻害特性と脱凝集特性の両方を示すという点で、抗体が二重に効果的(bi-effective)である、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項58】
アミロイド単量体および/または重合体の可溶性アミロイドペプチドと、特に例えば、Aβ単量体ペプチド1-39;1-40、1-41、もしくは1-42などのβ-アミロイド単量体ペプチド、および/または複数の該Aβ単量体単位を含む重合体可溶性β-アミロイドペプチドと、とりわけAβ1-42単量体および/または複数の該Aβ1-42単量体単位を含むAβ重合体の可溶性アミロイドペプチドとコインキュベーションすると、抗体が、Aβ単量体の高分子重合体のフィブリルまたはフィラメントへの凝集を阻害し、かつ
アミロイド単量体ペプチド、特に例えば、Aβ単量体ペプチド1-39;1-40、1-41、または1-42などのβ-アミロイド単量体ペプチド、とりわけAβ1-42単量体ペプチドの凝集によって形成された前形成された高分子重合体アミロイドのフィブリルまたはフィラメントとコインキュベーションすると、抗体が、前形成された重合体のフィブリルまたはフィラメントをさらに脱凝集させることができる、
前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項59】
抗体が哺乳動物脳、特にヒト脳中に凝集したAβに実質的に結合する、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項60】
抗体が哺乳動物脳、特にヒト脳中のAβ斑負荷を低下させる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項61】
請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項62】
重鎖可変領域(HCVR)の相補性決定領域(CDR)2および3を表す配列番号:2および3を含む抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項63】
軽鎖可変領域(LCVR)の相補性決定領域(CDR)1を表す配列番号:4を含む抗体可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項64】
配列番号:18および配列番号:19に示すヌクレオチド配列を含む、請求項62記載の核酸分子。
【請求項65】
配列番号:20に示すヌクレオチド配列を含む、請求項63記載の核酸分子。
【請求項66】
配列番号:22の軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項67】
配列番号:22の軽鎖可変領域および配列番号:23の軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項68】
配列番号:25の重鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子。
【請求項69】
配列番号:25の重鎖可変領域および配列番号:26の重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項70】
請求項60〜69のいずれか一項記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
【請求項71】
請求項60〜68のいずれか一項記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクターまたは請求項70記載の発現ベクターを含む、細胞。
【請求項72】
治療的有効量の任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を含む、組成物。
【請求項73】
薬学的に許容される担体を任意でさらに含む薬学的組成物である、請求項72記載の組成物。
【請求項74】
治療的有効量の抗体を含む、請求項72〜73のいずれか一項記載の組成物。
【請求項75】
治療的有効量の任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片、ならびに任意で、さらなる生物活性物質および/または薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/または賦形剤を含む、混合物。
【請求項76】
さらなる生物活性物質が、アルツハイマー病に関与するAβタンパク質などのアミロイドまたはアミロイド様タンパク質と関連する一群の疾患および障害であるアミロイドーシスの処置で用いられる化合物である、請求項75記載の混合物。
【請求項77】
本発明による抗体ならびに、任意で薬学的に許容される担体および/または希釈剤および/または賦形剤と共に、酸化ストレスに対する化合物、抗アポトーシス性化合物、金属キレート剤、ピレンゼピンおよび代謝物などのDNA修復の阻害剤、3-アミノ-1-プロパンスルホン酸(3APS)、1,3-プロパンジスルホネート(1,3PDS)、α-セクレターゼ活性化剤、β-およびγ-セクレターゼ阻害剤、タウタンパク質、神経伝達物質、β-シート破壊剤(breaker)、アミロイドβを除去する/枯渇させる細胞成分の誘引剤、ピログルタミン酸化したアミロイドβ3-42を含むN末端切断型アミロイドβの阻害剤、抗炎症分子、またはタクリン、リバスチグミン、ドネペジル、および/もしくはガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)、M1アゴニスト、ならびに任意のアミロイドもしくはタウの修飾薬物を含むその他の薬物、ならびに栄養補給剤からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項76記載の混合物。
【請求項78】
化合物がコリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)である、請求項77記載の混合物。
【請求項79】
化合物が、タクリン、リバスチグミン、ドネペジル、ガランタミン、ナイアシン、およびメマンチンからなる群より選択される化合物である、請求項75〜77のいずれか一項記載の混合物。
【請求項80】
治療的有効量の抗体および/または生物活性物質を含む、請求項75〜79のいずれか一項記載の混合物。
【請求項81】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患を含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害であるアミロイドーシスの影響を処置または緩和するための医薬の調製用の、キメラ抗体もしくはその断片、またはヒト化抗体もしくはその断片、および/または請求項1〜60のいずれか一項記載のその機能性部分、および/または請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物、または請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物の、使用。
【請求項82】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項81記載の使用。
【請求項83】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項81記載の使用。
【請求項84】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の増加をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項85】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項86】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに、進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患も含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害である、アミロイドーシスの影響を防止するか、処置するか、または緩和する方法で使用するための、請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物または請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物の調製のための方法であって、
本発明の抗体を薬学的に許容される形態で製剤化する工程を含む、方法。
【請求項87】
抗体が組成物中に治療的有効量で含まれる、請求項86記載の方法。
【請求項88】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項86記載の方法。
【請求項89】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項86記載の方法。
【請求項90】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の増加をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項91】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力を損なうことを特徴とする、請求項86記載の方法。
【請求項92】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の逆転および、特に、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項93】
アルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム・パーキンソン-認知症複合などの神経学的障害;ならびに、進行性核上麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルトヤコブ病、パーキンソン病、HIV関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病;老人心アミロイドーシス;内分泌腫瘍、および黄斑変性症を含むその他のものなどのアミロイド様タンパク質に基づくかまたはアミロイド様タンパク質と関連するその他の疾患も含むが、これらに限定されない疾患のような続発性アミロイドーシスおよび加齢に関係のあるアミロイドーシスを含む、アミロイド斑形成と関連する一群の疾患および障害である、アミロイドーシスの影響を、請求項1〜60のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片、および/あるいはその機能性部分、ならびに/あるいは請求項72〜74のいずれか一項記載の薬学的組成物、あるいは請求項75〜80のいずれか一項記載の混合物をそのような障害によって冒された動物またはヒトに投与することによって、防止するか、処置するか、または緩和する方法であって、
前記抗体を治療的有効量で投与する工程を含む、方法。
【請求項94】
アミロイド関連の疾患または状態がアルツハイマー病である、請求項93記載の方法。
【請求項95】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力の喪失を特徴とする、請求項93記載の方法。
【請求項96】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持の増加をもたらす、請求項93記載の方法。
【請求項97】
アミロイド関連の状態が、動物、特に哺乳動物またはヒトにおける認知的記憶能力を損なうことを特徴とする、請求項93記載の方法。
【請求項98】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の完全な回復をもたらす、請求項93記載の方法。
【請求項99】
患者におけるアミロイド関連の疾患または状態の診断の方法であって、
(a)アミロイドタンパク質を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を、請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体と接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイドタンパク質に結合させる工程;
(c)該タンパク質に結合した抗体を検出する工程;および
(d)抗体結合の有無と、試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイドタンパク質の有無とを相関付ける工程
を含む、方法。
【請求項100】
組織および/または体液中のアミロイド形成的な斑負荷の程度を決定する方法であって、
(a)調査中の組織および/または体液を代表する試料を得る工程;
(b)請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を用いて、アミロイドタンパク質の存在について該試料を検査する工程;
(c)該タンパク質に結合した抗体の量を決定する工程;ならびに
(d)該組織および/または体液中の斑負荷を計算する工程
を含む、方法。
【請求項101】
請求項1〜60のいずれか一項記載の抗体を含む、アミロイドに関連する疾患および状態の検出および診断のための検査キット。
【請求項102】
本発明による1つまたは複数の抗体を入れた容器、および
免疫学的複合体の有無がアミロイドタンパク質の有無と相関するように、アミロイドタンパク質に結合させて免疫学的複合体を形成させかつ該免疫学的複合体の形成を検出する目的のために抗体を用いるための、取扱説明書
を含む、請求項101記載の検査キット。
【請求項103】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4のアミノ酸配列を持つ少なくとも1つのCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項104】
ヒト由来または霊長類由来のフレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR2を表す配列番号:2およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも1つのCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項105】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも2つのCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項106】
ヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)のCDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を持つ少なくとも2つのCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項107】
ヒト由来または霊長類由来の重鎖フレームワーク領域、および
重鎖可変領域(HCVR)のCDR1を表す配列番号:1、CDR2を表す配列番号:2、およびCDR3を表す配列番号:3のアミノ酸配列を特に上記で示した順序で持つCDR
を含む、重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項108】
組み込まれたヒト由来または霊長類由来の軽鎖フレームワーク領域、および
軽鎖可変領域(LCVR)の、CDR1を表す配列番号:4、CDR2を表す配列番号:5、およびCDR3を表す配列番号:6のアミノ酸配列を特に上記で示した順序で持つCDR
を含む、軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項109】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項110】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片を提供する。
【請求項111】
配列番号:13に示すシグナル配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)。
【請求項112】
配列番号:13に示すシグナル配列を含む完全な軽鎖可変領域(LCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項113】
配列番号:12の軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項114】
配列番号:13の完全な軽鎖可変領域(LCVR)および配列番号:14の軽鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項115】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項116】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項117】
配列番号:16に示すシグナル配列を含む重鎖可変領域(HCVR)。
【請求項118】
配列番号:16に示すシグナル配列を含む完全な重鎖可変領域(HCVR)を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項119】
配列番号:15の重鎖可変領域(HCVR)および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項120】
配列番号:16の重鎖可変領域(HCVR)および配列番号:17の重鎖定常領域を含む、ヒト化抗体またはその断片。
【請求項121】
抗体が、Aβ単量体に実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項122】
少なくとも約1×10-7 M〜少なくとも約1×10-12 Mの、特に少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-11 Mの、より特には少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-10 Mの、さらにより特には少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約5×10-8 Mの範囲のKDによって表される結合親和性でAβ単量体に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、請求項122記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項123】
抗体が、Aβの繊維、フィブリル、またはフィラメントに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項124】
少なくとも約1×10-7 M〜少なくとも約1×10-12 Mの、特に少なくとも約1×10-8 M〜少なくとも約1×10-11 Mの、より特には少なくとも約1×10-9 M〜少なくとも約1×10-10 Mの、さらにより特には少なくとも約2×10-9 M〜少なくとも約8×10-9 Mの範囲内のKDによって表される結合親和性でAβ繊維、フィブリル、またはフィラメントに結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、請求項123記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項125】
抗体が、可溶性重合体アミロイドβに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項126】
抗体が、Aβ単量体、および/もしくはAβの繊維、フィブリル、もしくはフィラメント、および/または可溶性重合体アミロイドβに実質的に結合するが、好ましくは、アミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項127】
結合親和性が昇順に増加する、請求項126記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項128】
Aβ繊維、フィブリル、またはフィラメントに対して、Aβ単量体に対する結合親和性よりも少なくとも10倍、特に少なくとも15倍、より特には少なくとも20倍、とりわけ少なくとも25倍高い結合親和性を示す、請求項127記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項129】
抗体が、哺乳動物の、特にヒトの脳内のAβ斑を含む凝集したAβに実質的に結合するが、好ましくはアミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項130】
抗体が、哺乳動物の、特にヒトの脳内のAβ単量体を含む可溶性の繊維に実質的に結合するが、好ましくはアミロイド前駆体タンパク質(APP)との顕著な交差反応性を少しも示さない、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項131】
立体構造の変換を誘導することで繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させ、かつ組織および/または体液中、特に脳内の、脱凝集および可溶化したAβ形態に結合しかつ該Aβ形態を安定化することによって、その可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項132】
α-ヘリックスおよび/またはランダムコイル立体構造、特にランダムコイル立体構造、さらにより特には分子中の所与の場所における、とりわけAβタンパク質のTyr 10およびVal 12の環境におけるランダムコイル立体構造へのβ-シート立体構造の転移を誘導することができる抗体またはその断片であって、
β-シート立体構造を代償にしたランダムコイル立体構造の増加、および前形成された高分子重合体アミロイドのフィブリルまたはフィラメントの向上した可溶化をもたらす、請求項131記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項133】
β-シート立体構造の減少が、緩衝剤中でインキュベートしたそれぞれの前形成されたアミロイド重合体のフィブリルまたはフィラメント(対照)と比較して、少なくとも30%、特に少なくとも35%、およびより特には少なくとも40%、およびそれより多くにまで達する、請求項132記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項134】
単量体形態を含む、重合体でかつあまり凝集していない可溶性のAβタンパク質種に実質的に結合し、したがってこれらのAβタンパク質種の末梢での除去および異化を改変しかつそれらの毒性作用を低下させる、請求項131記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項135】
マウスドナー抗体から、特にマウス抗体ACI-01-Ab7C2から得られる少なくとも1つ、特に2つ、およびより特には3つのCDR領域を組み入れた少なくとも1つの軽鎖もしくはその断片または少なくとも1つの重鎖もしくはその断片を含むヒト化抗体またはその断片であって、
Aβ抗原に対して、マウスドナー抗体の親和性よりも少なくとも5倍、特に少なくとも8倍、より特には少なくとも10倍、とりわけ少なくとも15倍高い親和性を有する、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項136】
ヒト化抗体またはその断片が、脳内の凝集したアミロイドβと必ずしも結合するわけではない、請求項83〜85のいずれか一項記載の使用。
【請求項137】
ヒト化抗体またはその断片が、脳内の凝集したアミロイドβと必ずしも結合するわけではない、請求項89〜91のいずれか一項記載の方法。
【請求項138】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持をもたらす、請求項81記載の使用。
【請求項139】
認知的記憶能力の喪失を特徴とするアミロイド関連の状態に苦しんでいる、動物、特に哺乳動物またはヒトの処置が、認知的記憶能力の保持をもたらす、請求項86記載の方法。
【請求項140】
可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項141】
繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させることによって、可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項142】
ヒト組織および/または体液中、特に脳内のAβには実質的に結合しないが、立体構造の変換を誘導することで繊維を可溶性の重合体形態および単量体形態まで脱凝集させ、かつ組織および/または体液中、特に脳内の、脱凝集および可溶化したAβ形態に結合しかつ該Aβ形態を安定化することによって、その可溶性の状態のAβと凝集した状態のAβとの間の平衡をその可溶性の形態へと移動させることができる、前記請求項のいずれか一項記載のキメラ抗体もしくはその断片またはヒト化抗体もしくはその断片。
【請求項143】
マウス抗体の結合親和性よりも少なくとも5倍、10倍、特に少なくとも15倍、より特には少なくとも20倍、とりわけ少なくとも100倍高い結合親和性を示す、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項144】
抗体またはその断片の親和性、特異性、および安定性がグリコシル化プロファイルの変化によって改変されている、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項145】
配列番号:27に挙げた可変領域を含む抗体、またはその変異体。
【請求項146】
請求項145記載の抗体を発現する細胞株。
【請求項147】
配列番号:29に挙げた可変領域を含む抗体遺伝子、またはその変異体。
【請求項148】
請求項147記載の抗体を発現する細胞株。
【請求項149】
hC2抗体を前形成されたβ-アミロイド繊維と相互作用させる工程を含む、前形成されたβ-アミロイド繊維を脱凝集させるための方法。
【請求項150】
Aβ誘導性の分解からニューロンを保護する、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片。
【請求項151】
前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片の有効量で、ニューロンを処置する工程を含む、Aβ誘導性のニューロン分解を防止する方法。
【請求項152】
Aβオリゴマーへの曝露によるニューロンの変性を防止するための医薬の調製用の、前記請求項のいずれか一項記載のヒト化抗体またはその断片の使用。
【請求項153】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該少なくとも1つまたは少なくとも2つの別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つのアミノ酸残基および少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、本発明の具体的な態様において、第一の別個の結合部位を構成する少なくとも1つの残基が、以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Xaa3 - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれたLeuであり、第二の別個の結合部位を構成する、少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が、該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、Lys、His、Asn、Gln、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基である、
モノクローナル抗体。
【請求項154】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体結合に関与しないかまたは抗体の結合に主に関与するアミノ酸残基と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基残基によって隔てられている、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基がそれぞれ、以下のコア配列;
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa3 - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 - Xaa8 -
の中に埋め込まれた、-His-および-Lys-Leu-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa8が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa6、Xaa7、Xaa8が、抗体結合に関与しないかまたは-His-および-Lys-Leu-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項155】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、第一の結合部位を表す少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - His - Xaa3 - Xaa4 - Xaa5 - Xaa6 - Phe - Phe - Xaa7 - Xaa8 - Xaa9 -
の中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、かつ少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa3が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、Ala、Val、Leu、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、Ala、Val、Leu、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa8が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa9が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa1、Xaa3、Xaa6、Xaa7、Xaa8、およびXaa9が、抗体結合に関与しないかまたは-His-および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項156】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれた-Lys-および-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-Lys-Leu-および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項157】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Xaa7 -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第三の少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa7が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-His-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項158】
β-アミロイドタンパク質上の少なくとも1つの別個の結合部位、特に少なくとも2つの別個の結合部位、より特には少なくとも3つの別個の結合部位を認識しかつ該結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該別個の結合部位が、抗体の結合に主に関与する、少なくとも1つおよび少なくとも2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗体の結合に主に関与する第一の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が以下のコア配列:
- Xaa1 - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Asp -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第三の少なくとも1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Asp-であり、
式中、
Xaa1が、His、Asn、Gln、Lys、およびArgを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-Asp-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
モノクローナル抗体。
【請求項159】
β-アミロイドタンパク質上の4つの別個の結合部位に結合する、任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
該4つの別個の結合部位が、残基が抗体の結合に主に関与する、1つのアミノ酸残基および2つの連続するアミノ酸残基をそれぞれ含み、抗原上で互いにごく近接して位置し、抗体結合に関与しないかまたは4つの別個の結合部位の1つのアミノ酸残基および2つの連続するアミノ酸残基と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する少なくとも1つのアミノ酸残基によって隔てられており、それゆえ立体構造的な不連続エピトープを形成する、モノクローナル抗体。
【請求項160】
任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含むモノクローナル抗体であって、
抗体の結合に主に関与する第一の2つの連続するアミノ酸残基が、以下のコア配列:
- His - Xaa2 - Lys - Leu - Xaa4 - Phe - Phe - Xaa5 - Xaa6 - Asp -
の中に埋め込まれた-Lys-Leu-であり、第二の少なくとも2つの連続するアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Phe-Phe-であり、第一の1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-His-であり、第二の1つのアミノ酸残基が該コア配列中に埋め込まれた-Asp-であり、
式中、
Xaa2が、AsnおよびGlnを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa4が、Ala、Val、Leu、ノルロイシン、Met、Phe、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa5が、Ala、Val、Leu、Ser、およびIleを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;
Xaa6が、GluおよびAspを含む群より選択されるアミノ酸残基であり;かつ
アミノ酸残基Xaa2、Xaa3、Xaa4、Xaa5、Xaa6、Xaa7が、抗体結合に関与しないかまたは-His-、-Asp-、-Lys-Leu-、および-Phe-Phe-結合部位と比較した場合に著しくより少ない程度に関与する、
請求項159記載のモノクローナル抗体。
【請求項161】
β-アミロイドタンパク質の結合に主に関与する、連続するアミノ酸残基、特に位置16および17の-Lys-Leu-ならびに位置19および20の-Phe-Phe-が、アミロイドβペプチドの以下のコア領域:
の中に埋め込まれている、
任意の機能的に等価な抗体またはその機能性部分を含む、請求項157〜160のいずれか一項記載のモノクローナル抗体。
【請求項162】
アミロイドタンパク質のエピトープに対するモノクローナル抗体またはその活性断片の免疫特異的結合を試料中でまたはインサイチューで検出する工程を含む、患者におけるアミロイド関連の疾患または状態になりやすい傾向を診断するための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)該免疫学的複合体の量を正常対照値と比較する工程
を含み、正常対照値と比較した凝集体の量の増加によって、患者がアミロイド関連の疾患もしくは状態に苦しんでいるかまたは該疾患もしくは状態を発症する危険性があるということが示される、方法。
【請求項163】
前記請求項のいずれか一項記載の抗体またはワクチン組成物による処置後に患者における最小限の残存疾患をモニタリングするための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)該免疫学的複合体の量を正常対照値と比較する工程
を含み、正常対照値と比較した凝集体の量の増加によって、患者が依然として最小限の残存疾患に苦しんでいるということが示される、方法。
【請求項164】
前記請求項のいずれか一項記載の抗体またはワクチン組成物によって処置されている患者の応答性を予測するための方法であって、
(a)アミロイドタンパク質のエピトープに結合する、本発明による、本明細書で記載した通りの抗体と、アミロイド抗原を含むことが疑われる試料または特定の身体部分もしくは身体部位を接触させる工程;
(b)該抗体をアミロイド抗原と結合させて免疫学的複合体を形成させる工程;
(c)該免疫学的複合体の形成を検出する工程;および
(d)該免疫学的複合体の有無と試料または特定の身体部分もしくは部位におけるアミロイド抗原の有無を相関付ける工程、
(e)処置の開始前後の該免疫学的複合体の量を比較する工程
を含み、凝集体の量の減少によって、患者が処置に対して応答性であるという高い可能性を有するということが示される、方法。
【請求項165】
脳内の斑負荷の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の斑負荷を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項166】
脳内の斑負荷を、少なくとも20%、特に少なくとも25%、より特には30%低下させ、さらにより特には30%よりも多く減少させる、請求項165記載の方法。
【請求項167】
脳内の斑負荷の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の斑の量を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項168】
脳内の斑の量を少なくとも10%、特に少なくとも15%、より特には20%低下させる、請求項94記載の方法。
【請求項169】
脳内の可溶性Aβの濃度の増加をもたらす疾患または状態に苦しんでいる動物、特に哺乳動物であるが、とりわけヒトの脳内の可溶性Aβの総量を低下させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【請求項170】
アミロイド関連の疾患または状態を示す哺乳動物における認知的記憶能力を保持するかまたは増加させるための方法であって、
そのような処置を必要とする動物、特に哺乳動物、より特にはヒトに、請求項153〜161のいずれか一項記載の治療的有効量のモノクローナル抗体を投与する工程を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13−1】
【図13−2】
【図13−3】
【図13−4】
【図13−5】
【図14−1】
【図14−2】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図13−2】
【図13−3】
【図13−4】
【図13−5】
【図14−1】
【図14−2】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2010−505415(P2010−505415A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531414(P2009−531414)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/021134
【国際公開番号】WO2008/060364
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(506027491)エーシー イミューン ソシエテ アノニム (14)
【出願人】(509012625)ジェネンテック インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/021134
【国際公開番号】WO2008/060364
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(506027491)エーシー イミューン ソシエテ アノニム (14)
【出願人】(509012625)ジェネンテック インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
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