アミン中のアルデヒドの還元
ポリウレタンの製造に有用な第3級アミン触媒のような第3級アミンは、分解して望ましくない生成物を生じる可能性がある。しかし、これらの第3級アミンを第1級アミン含有材料で処理してこの該望ましくない生成物を許容できるレベルまで減少させることができる。従って、処理された第3級アミンからつくられた発泡体においても、この同じ望ましくない生成物の存在量は減少するであろう。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2008年3月20日出願の米国特許暫定出願第61/038,167号の利益を請求する
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に発泡体の製造に有用な触媒,特にアミン触媒,並びにアルデヒドおよび臭気の含有量が両方共減少しているポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡体プラスティックスに対する新しい標準および規制では,発泡体中における例えばフォルムアルデヒドのようなアルデヒド,並びにジメチルフォルムアミドの量は非常に低い量しか許容されていない.例えば米国およびヨーロッパのポリウレタン発泡体の製造業者がつくる通商グループは「CertiPUR」プログラムを適用しているが、これはポリウレタン発泡体の安全性、保険特性および環境性能を向上させるための自主的なプログラムである。「CertiPUR」プログラムでは或る種の物質を制限または禁止することによってこの目的を達成しようとしている。
【0004】
「CertiPUR」プログラムが目標としている物質の一つはフォルムアルデヒドであり、他の一つはジメチルフォルムアミド(DMF)である。CertiPURの標準に従えば、ASTM法 D5116−97のスモール・チャンバー(Small Chamber)試験を用いて試験した場合、チャンバーを16時間コンディショニングした際のフォルムアルデヒドの排出量の限界は0.1mg/m3である。もう一つの試験法であるヨーロッパのチャンバー試験では、新しくつくられた発泡体中におけるDMFまたはフォルムアルデヒドの許容量は5μg/Lであり、製造後5日より長く経過した発泡体の許容量は3μg/Lである。
【0005】
CertiPURプログラムではフォルムアルデヒドおよびDMFが目標となっているから、発泡体の製造に使用される原料中におけるフォルムアルデヒドおよびDMFの量はできるだけ少ないことが望ましい。これらの原料は第3級アミン触媒のようなアミンを含んでいることがある。新しく蒸溜されたアミンの試料はLC分析法によれば典型的には10ppmまたはそれ以下のフォルムアルデヒドを含んでいるが、実験室の戸棚から取り出されたアミンの試料は、その貯蔵時間および貯蔵条件に依存して10ppm以上、時には1000ppmにも及ぶフォルムアルデヒドを含んでいることができる。アミンの中に含まれるフォルムアルデヒドの由来は多様であり、アミン製造時の不純物として存在することもあるし、第3級アミンの種々の炭素骨格部分が酸化されるかまたはフリーラジカルにより攻撃された結果生じることもあり、或いは還元されない形としてシッフの塩基のようなメチルアミン基またはアミノメタノール(ヒドロキシラミン)基の上に存在していることもある。
【0006】
理論に拘束されるわけではないが、DMFは第3級アミンの中でカニッツァロ(Cannizzaro)反応を介してフォルムアルデヒドのようなアルデヒドから生成すると信じられている。この反応によれば、α水素原子をもたないアルデヒドは濃アルカリの存在下において自己酸化還元反応を起こし、アルコールとカルボン酸塩との混合物を生じる。カニッツァロ反応は水酸化物の濃厚な水性またはアルコール性溶液を用いると室温で起こることができる。例えば50%NaOH中において2部のフォルムアルデヒドは1部のメタノールと1部の蟻酸ナトリウムを生じる。
【0007】
大部分の第3級アミンは強塩基であるから、カニッツァロ反応は室温で起こってメタノールと蟻酸を生じ、蟻酸はメチルアミンと塩を生じる(メチルアミンは第3級アミン中に見出だされるもう一つの分解生成物である)。その結果DMFが生じるが、これはCertiPUR標準の第5節において禁止されている物質である。何故なら発癌性をもち、また胎児に対し障害を及ぼす可能性があるからである。
【0008】
従って、これらの規制された物質の含有量が少ないポリウレタン発泡体およびポリウレタン発泡体の製造に使用される材料が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の具体化例に従えば、第1級アミン、第1級アミン含有材料、およびおよび第1級アミン含有材料と組み合わされた第1級アミン含有第3級アミンは、第3級アミンおよび第3級アミン配合物中のアルデヒドおよびジメチルフォルムアミド(DMF)の存在量を劇的に減少させる。さらに第1級アミン、第1級アミン含有材料、および第1級アミン含有材料と組み合わされた第1級アミン含有第3級アミンを使用してつくられた発泡体は、フォルムアルデヒドの存在量が減少し、発泡体の臭気が著しく減少している。
【0010】
理論に拘束されるわけではないが、本発明の一具体化例は発泡体から排出するように作用するフォルムアルデヒドの量を減少させ、カニッツァロ反応を起こさせるフォルムアルデヒドの量も減少させる。即ち、フォルムアルデヒドが殆どまたは全く存在しなかったら蟻酸は殆ど生成せず、DMFはそれよりもさらに少なくなる。一般に、第1級アミンはアルデヒドと反応してシッフの塩基を生じ、これがさらに反応して種々の生成物が生じると考えられている。このようにして大部分のアルデヒドが消費され、ジメチルフォルムアミドのようなアミドが生成することは極めて少ない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一具体化例に従えば、1種またはそれ以上の第1級アミンを加えることにより第3級アミン中のフォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を抑制することができる。第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えることができる第1級アミンは、これだけには限定されないが、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン(DDP)、トリエチレンテトラミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、テトラエチレンペンチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、およびジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン(ジメチルアミノエチルメチルアミノエトキシプロピルアミン)、並びにテトラメチルアミノプロピルアミノプロピルアミンが含まれる。特に、上記文節に記載された1種またはそれ以上の第1級アミンはまた第1級アミンの他に第2級または第3級アミンのような他のアミン基を含んでいることができる。
【0012】
本発明の他の具体化例に従えば、第1級アミンを含む材料を第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えてフォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を抑制することができる。尿素、メラミン、第1級アミノ含有ポリオール、例えばJEFFAMINE(R)ポリエーテルアミン、グアニジン、置換尿素、ヒドロキシラミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、およびアニリンはすべて第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えることができる材料の例であるが、本発明の具体化例はこれだけに限られるものではない。例えば少なくとも一つの第1級アミン基(NH2)および少なくとも一つの第3級アミン含有化合物または第1級アミン基および第3級アミン基を含む化合物はこの機能を果たす理想的な化合物である。事実、アルコール含有またはアミノ含有第3級アミンのMichael付加反応で得られる任意の数の一般的な種類の第3級アミンはこの一般的な種類の化合物に適合するであろう。例えば一般式(R1)(R2)N−A−B[−M[N-(R3)(R4)]g]Wが含まれる。但しR1およびR2は水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基、Aは(CH2)yであり、ここでyは1〜8の整数であり、またBは酸素、窒素または硫黄であり、Mは水素、脂肪族、脂環式、またはアリール基であり、gは0〜3であり、Bが酸素または硫黄の時はW=1でBが窒素の時はW=2であり、R3およびR4は水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基であることができる。またR1およびR2がアルキル基のときはR3およびR4は水素であってこの場合Bは窒素であり、R1およびR2が水素のときはR3およびR4はアルキルであり、この場合この化合物は少なくとも1種の第1級アミンまたは1種またはそれ以上の第2級または第3級アミンをもっているであろう。この場合も上記の1種またはそれ以上のアミンは第1級アミンの他に他のアミン、例えば第2級または第3級アミンを含むことができる。
【0013】
Michael付加第3級アミンの例は、ジメチルアミン+アクリロニトリル → 水素で還元 → DMAPA(ジメチルアミノプロピルアミン)(CH3)2NCH2CH2CH2NH2の生成である。
【0014】
第3級アミンを含むMichael付加触媒の他の例はジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)+アクリロニトリル → 水素で還元 → ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン(CH3)2NCH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2である。
【0015】
ヒドロキシル含有アミンに対するMichael付加の例はDMEA(ジメチルアミノエタノール)+アクリロニトリル → 水素で還元 → ジメチルアミノエトキシプロピルアミン(CH3)2NCH2CH2OCH2CH2CH2NH2の生成である。
【0016】
Michael付加で変性したヒドロキシル含有触媒のさらに他の例はN,N,N’−ジメチルアミノエチルメチルアミノエタノール+アクリロニトリル → 水素で還元 →
N,N,N’−ジメチルアミノエチルメチルアミノエトキシプロピルアミン
(CH3)2CH2CH2(CH3)NCH2CH2OCH2CH2CH2NH2である。
【0017】
Michael付加生成物のさらに他の例は、テトラメチルイミノビスプロピルアミン
+ アクリロニトリル → 水素で還元 → ビスジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミンである。
【0018】
本発明のさらに他の具体化例においては、1種またはそれ以上の第1級アミン含有第3級アミンと1種またはそれ以上の第1級アミン含有材料の混合物を、第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加え、フォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を減少させることができる。
【0019】
発泡体をつくるのに有用な任意の第3級アミン含有触媒または第3級アミン触媒配合物は第1級アミンが加えられる第3級アミンであることができる。例えばビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルアミノプロピル−S−トリアジン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N−置換モルフォリン、例えばN−メチルまたはN−エチルモルフォリン、ビスジメチルアミノプロピル尿素、ヒドロキシプロピルテトラメチルイミノプロピルアミン、またはHerrington等著、1991年発行、Flexible Urethane Foams,D.1〜D.17の付録Dに示されている任意の他の触媒は適切な第3級アミンである。この文献は引用により本明細書に包
含される。
【0020】
極めて一般的には、ポリウレタン発泡体を製造するためには、一つまたはそれ以上の水素含有反応基を有する1種またはそれ以上の化合物をイソシアネートと反応させる。本発明の或る具体化例においては、一つまたはそれ以上の反応性水素をもった化合物はポリオールであるが、本発明の具体化例はそれだけに限定されない。さらに、イソシアネートは任意のイソシアネート、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)またはメチレンジイソシアネート(MDI)、重合したメチレンジイソシアネート(PMDI)またはそれらの変種であることができる。この場合も本発明の具体化例に従ってつくられる発泡体はこれだけに限定されるものではない。発泡体製造業界の専門家に公知の他の添加物も反応混合物の中に含ませることができ、これらの中にはこれだけには限定されないが表面活性剤、発泡剤、水、燃焼遅延剤、着色剤または染料、金属触媒、および酸化防止剤が含まれる。
【0021】
第1級アミンは第3級アミンに対する良好な着色安定剤である。例えば米国特許第7,169,268号明細書参照。この特許は引用により本明細書に包含される。さらに第1級アミン含有材料は第1級アルコールよりも100,000倍も速くイソシアネートと反応する。従って第1級アミン分子の中に触媒活性を付加することは非常に望ましいことである。一具体化例に従えば、このことは第1級アミン含有分子の中に第3級アミン基を導入することによって達成される。発泡体の製造においては、これらの第1級アミンはイソシアネートにより迅速に消費され、臭気の少ない非常に高品質の発泡体を生じる。
【0022】
発泡体の臭気の発生源はメチルアミンであることができる。メチルアミンは人の鼻孔に対しては0.4ppb程度のレベルでも魚臭のようなアンモニア性の臭いとして検出可能である。発泡体の中で極めて少量存在しても臭気により最終使用者の苦情を招くことができる。メチルアミンはいくつかの発生原因により生成することができる。発生原因の一つは第3級アミンの単純な熱分解である。理論に拘束されるわけではないが、第3級アミンは第4級化合物を生じ、これがHoffman脱離反応を行ってビニル材料とメチルアミン(例えばトリメチルアミン)を生じ、アミン酸化物がCope脱離反応および種々の他の種類の反応を起こして悪臭材料を生じる。
【0023】
本発明の一具体化例に従えば、第1級アミン含有第3級アミンまたは第1級アミン含有第3級アミン配合物を発泡体組成物に含ませてメチルアミンによって生じる臭気を除去する。さらに、このようなアミンを用いてつくられた発泡体は140℃より高い温度においてはメチルアミンの生成を殆どまたは全く示さないが、第1級アミンを含んでいない第3級アミンを用いてつくられた発泡体は、このような高温においてかなりのメチルアミンを発生する。
【実施例】
【0024】
典型的な1立方フィート当たり1.5ポンド(pcf)の発泡体の中には約158部または158gの材料が存在している。これらの発泡体の典型的な触媒レベルは約0.08部、即ち全組成物について約0.08/158=0.05%である。従って触媒が200ppm(0.0002)のフォルムアルデヒドを含み、触媒が組成物の0.05%存在する場合、(0.0002)X(0.0005)= 0.0000001、即ち0.1ppmのフォルムアルデヒドが発泡体のなかに存在することになり、これはCertiPURによって設定された標準に辛うじて合致する値である。本発明の一具体化例に従えば、触媒中の、従ってこの触媒を用いてつくられた発泡体の中のフォルムアルデヒド(およびDMF)は著しく減少する。
【0025】
下記の実施例においては,既知量のフォルムアルデヒドを含む第3級アミンを、室温に
おいて且つ周囲圧力で、第1級アミン含有第3級アミンを含む数種の第1級アミン含有材料で処理した。処理された第3級アミンを、Waters Detector 486UV @ 365nmを取り付け、Restek Pinnacle TO−115μMの
4.6mm×150mmのカラムを用い、液体クロマトグラフ(LC)法ST−38.40によりフォルムアルデヒドに関して試験した。LC試験は、試験材料をジニトロフェニルヒドラジンおよびクエン酸緩衝溶液と混合し、特定の時間の間40℃で加熱することにより行った。試験材料を上記のようなLC測定器に注入した。1ppm、0.1ppm、および0.01ppmフォルムアルデヒド既知試料に対して測定器を較正した。
【0026】
下記の実施例に示されているように、フォルムアルデヒドのようなアルデヒドは混合すること以外他の処理を行わずに第3級アミン中で還元することができる。
【実施例1】
【0027】
対照触媒、即ちニート触媒
【0028】
【表1】
【0029】
JEFFCAT(R) ZF−10 アミン触媒(ジメチルアミノエトオキシエチルメチルアミノエタノール、JEFFCAT(R) ZF−20 アミン触媒(ビスジメチルアミノエチルエーテル)、およびJEFFCAT(R) PMDETA アミン触媒(ペンタメチルジエチレントリアミン)はすべて米国テキサス州、The WoodlandsのHuntsman Corporation製の第3級アミン触媒である。
【実施例2】
【0030】
対照触媒またはニート触媒に対するアミンの添加
【0031】
【表2】
【0032】
ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)およびジメチルアミノエトキシプロピルアミン(DDP)はHuntsman Corporation製の第1級アミンである
。JEFFCAT(R) PMDETAアミン触媒はHuntsman Corporation製の第3級アミン触媒である。この実施例でDMAPAと配合したアミン触媒はフォルムアルデヒド含量を4倍または5倍減少させ(1/4または1/5に減少させ)、DDPと配合した触媒はフォルムアルデヒド含量を50%減少させた。従って処理された第3級アミンを用いるとフォルムアルデヒド含量は劇的に減少した。驚くべきことにはフォルムアルデヒドの減少は、第1級アミンを第3級アミンに加えること以外、加熱または他の処理をしないでも起こる。
【実施例3】
【0033】
【表3】
【0034】
アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびテトラエチレンペンチルアミン(TEPA)はHuntsman Corporation製の第1級アミンである。本実施例においてAEEAはJEFFCAT(R) ZF−10アミン触媒の4倍フォルムアルデヒドを減少させ、TEPAはJEFFCAT(R)ZF−20アミン触媒およびJEFFCAT(R) ZF−10アミン触媒のそれぞれ3倍および9倍だけフォルムアルデヒドを減少させる。
【実施例4】
【0035】
JEFFCAT(R) ZF−20アミン触媒(ニート)の異なったロットに対し、フォルムアルデヒドの最初の分析値は95.3ppmであった。この触媒に10%のDMAPAを加えるとフォルムアルデヒド含量は24.7ppmに低下した。
【実施例5】
【0036】
下記の組成物を用いて可撓性の発泡体をつくり、180℃において対流炉の中に15分間入れた。炉から取り出した後、発泡体を24時間室温で貯蔵した。発泡体から1gの試料を採取し、10mlのメタノールと共に密封したガラス瓶の中に入れた(予めフォルムアルデヒドおよびDMFに対してメタノールの分析をし、両方とも含まれていないことを見出だした)。ガラス瓶を超音波浴の中に入れ、フォルムアルデヒドを抽出した。フォルムアルデヒドに対してはLCを用い、DMFに対してはガスクロマトグラフ(GC)を用いて試料を分析した。DMFは検出されず、フォルムアルデヒドは1ppmの検出限界よりも少量であった。発泡体を5日間貯蔵し、この方法を繰り返し同じ結果を得た。
【0037】
上記の結果は本発明の一具体化例に過ぎないことを注目すべきである。しかし発泡体は例えば−300mmHg〜1000mmHgのような広い範囲の圧力において例えば−20℃〜200℃のような温度範囲でつくることができる。一般に圧力を低下させると、低密度の発泡体が得られ、圧力を増加させると高密度の発泡体が得られる。これは可変圧力法またはVP法として知られている。
【0038】
組成物:
成分 重量部
VORANOL(R) CP−3010 ポリエーテルポリオール 100.0
水 4.5
NIAX(R) L−620 シリコーン表面活性剤 1.0
JEFFCAT(R) TD−33A アミン触媒 0.18
JEFFCAT(R) ZF−20 アミン触媒 0.05
(10%のジメチルアミノプロピルアミンで処理)
KOSMOS(R) 15 オクタン酸第一錫 0.32
TDI 58.38
TDI インデックス 112
結果:
LCによるフォルムアルデヒド、 ppm 0.465ppmGCによるDMF 検出せず
【0039】
上記の結果からわかるように、発泡体の中からは1ppmより少ないフォルムアルデヒドしか検出されなかった。VORANOL(R) CP 3010 ポリエーテルポリオールは米国ミシシッピー州、MidlandのThe Dow Chemical Company製の水酸価56mgKOH/gのグリセリンをベースにしたプロピレンオキシド/エチレンオキシドポリエーテルポリオールである。NIAX(R) L−620シリコーン表面活性剤は米国コネチカット州、WiltonのMomentive Performance materials製のシリコーン表面活性剤であり、JEFFCAT(R) TD−33AはHuntsman Corporation製のジプロピレングリコール中に33%のトリエチレンジアミンを含む溶液であり、KOSMOS(R) 15 オクタン酸第一錫はドイツ、EssenのEvonik Degussa GmbH製の錫触媒であり、TDIは米国ミシシッピー州、MidlandのThe Dow Chemical Company製の80/20トルエンジイソシアネートである。
【0040】
次の実施例においては、未処理の第3級アミン触媒または第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いて発泡体をつくった。第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられた発泡体は未処理の第3級アミン触媒を用いてつくられた発泡体よりも良く膨潤し、加熱した場合ジメチルアミンの排出量は少なかった。
【実施例6】
【0041】
本実施例においては、触媒以外は実施例5の発泡体をつくった方法に従って発泡体をつくった。例えば第1の発泡体では実施例5の触媒の代わりに未処理の触媒を用い、第2の発泡体では実施例5の触媒の代わりに第1級および第3級の両方のアミン基を含む化合物を用いた。特定的に述べれば、アミン触媒として未処理のビスジメチルアミノエチルエーテルを用いて第1の発泡体をつくり、第2の発泡体はアミン触媒としてN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンを用いてつくった。10個の個別試料(individual)にして両方の発泡体を膨潤させた。個々の個別試料により第1の発泡体または第2の発泡体のどちらが臭気が強く、どちらが臭気が少ないかを決定した。結果を次に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
N,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンおよびビスジメチルアミノエチルエーテルはHuntsman Corporation製である。
【0044】
上記結果に従えば、未処理の第3級アミン触媒を用いてつくられた発泡体は第1級アミン基および第3級アミン基の両方を有する触媒を用いてつくられた発泡体よりも臭気が強いと考えられる。
【実施例7】
【0045】
この実施例においては下記の一般的組成物を用いて二つの異なったタイプの発泡体をつくった。
【0046】
組成物 重量部
B側: (樹脂)
Voranol(R) CP−3010 ポリエーテルポリオール 100.0
水 2.8
Niax(R) L−620 シリコーン表面活性剤 1.0
Kosmos(R) 15 オクタン酸第一錫 0.25
アミン触媒 必要量
A側: (イソシアネート)
トルエンジイソシアネート 39.12
TDI インデックス 110
(成分原料は前記と同じ)
【0047】
一つのタイプの発泡体においてはアミン触媒は第3級アミン触媒であり、他のタイプの発泡体では、アミン触媒は第1級および第3級アミン基を両方含んでいた。一般に異なった発泡体をつくるためには、発泡を行う1時間前に触媒以外のB側のすべての成分を予め混合することによってB側、即ち樹脂側をつくった。その後で適切なタイプおよび量のアミン触媒を103.8gの樹脂側へ加えた。これらの混合物を7秒間混合した後、錫触媒を加えた。次にB側、即ち樹脂側の混合物をさらに7秒間混合物した。
【0048】
次にTDIを樹脂混合物に加え、7秒間混合した。得られた発泡体をポリエチレンのラップで覆い(発泡体の中に臭気を閉じ込めるため)、同時に周囲条件下において1時間膨張させて硬化させた。
【0049】
その直後に芯の発泡体の試料を異なった発泡体の上表面から採取し、0.20gの量を切取る。大部分の場合各発泡体の上表面から5個の発泡体の試料を採取する。
【0050】
各々0.20gの発泡体の試料を直ちにゴムの隔膜を備えた折れ曲がった頂部を有するガラス瓶の中に入れる。密封した発泡体の試料を周囲温度から150℃または170℃に加熱し、1時間所望の温度に保持する。その後で発泡体の試料を自動的にサンプリングし
、GCのヘッドスペースによりジメチルアミンの排出の試験を行う。これらの試験結果は次のとおりである。
【0051】
【表5】
【0052】
JEFFCAT(R)DMEA触媒(ジメチルアミノエタノール)はHuntsman
Corporation製である。
【0053】
上記結果に従えば、第1級アミン基を含まない第3級アミン触媒を用いてつくられた試料に比べ、第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられたこれらの試料においては、150℃および170℃に加熱した発泡体試料からのジメチルアミンの排出が著しく減少した。さらに第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられたこれらの試料においては、不愉快な臭気が検出されなかった。
【0054】
以上或る種の具体化例に関連して本発明の具体化例を記載し説明したが、ここで考慮しなければならないことは、本明細書並びに特許請求の範囲を読みそれらを理解することにより当業界の専門家はそれらの同等な変形および代替を行い得ることは明白であるという事実である。従って本発明はこのようなすべての変形および代替を包含するものとする。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2008年3月20日出願の米国特許暫定出願第61/038,167号の利益を請求する
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に発泡体の製造に有用な触媒,特にアミン触媒,並びにアルデヒドおよび臭気の含有量が両方共減少しているポリウレタン発泡体に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡体プラスティックスに対する新しい標準および規制では,発泡体中における例えばフォルムアルデヒドのようなアルデヒド,並びにジメチルフォルムアミドの量は非常に低い量しか許容されていない.例えば米国およびヨーロッパのポリウレタン発泡体の製造業者がつくる通商グループは「CertiPUR」プログラムを適用しているが、これはポリウレタン発泡体の安全性、保険特性および環境性能を向上させるための自主的なプログラムである。「CertiPUR」プログラムでは或る種の物質を制限または禁止することによってこの目的を達成しようとしている。
【0004】
「CertiPUR」プログラムが目標としている物質の一つはフォルムアルデヒドであり、他の一つはジメチルフォルムアミド(DMF)である。CertiPURの標準に従えば、ASTM法 D5116−97のスモール・チャンバー(Small Chamber)試験を用いて試験した場合、チャンバーを16時間コンディショニングした際のフォルムアルデヒドの排出量の限界は0.1mg/m3である。もう一つの試験法であるヨーロッパのチャンバー試験では、新しくつくられた発泡体中におけるDMFまたはフォルムアルデヒドの許容量は5μg/Lであり、製造後5日より長く経過した発泡体の許容量は3μg/Lである。
【0005】
CertiPURプログラムではフォルムアルデヒドおよびDMFが目標となっているから、発泡体の製造に使用される原料中におけるフォルムアルデヒドおよびDMFの量はできるだけ少ないことが望ましい。これらの原料は第3級アミン触媒のようなアミンを含んでいることがある。新しく蒸溜されたアミンの試料はLC分析法によれば典型的には10ppmまたはそれ以下のフォルムアルデヒドを含んでいるが、実験室の戸棚から取り出されたアミンの試料は、その貯蔵時間および貯蔵条件に依存して10ppm以上、時には1000ppmにも及ぶフォルムアルデヒドを含んでいることができる。アミンの中に含まれるフォルムアルデヒドの由来は多様であり、アミン製造時の不純物として存在することもあるし、第3級アミンの種々の炭素骨格部分が酸化されるかまたはフリーラジカルにより攻撃された結果生じることもあり、或いは還元されない形としてシッフの塩基のようなメチルアミン基またはアミノメタノール(ヒドロキシラミン)基の上に存在していることもある。
【0006】
理論に拘束されるわけではないが、DMFは第3級アミンの中でカニッツァロ(Cannizzaro)反応を介してフォルムアルデヒドのようなアルデヒドから生成すると信じられている。この反応によれば、α水素原子をもたないアルデヒドは濃アルカリの存在下において自己酸化還元反応を起こし、アルコールとカルボン酸塩との混合物を生じる。カニッツァロ反応は水酸化物の濃厚な水性またはアルコール性溶液を用いると室温で起こることができる。例えば50%NaOH中において2部のフォルムアルデヒドは1部のメタノールと1部の蟻酸ナトリウムを生じる。
【0007】
大部分の第3級アミンは強塩基であるから、カニッツァロ反応は室温で起こってメタノールと蟻酸を生じ、蟻酸はメチルアミンと塩を生じる(メチルアミンは第3級アミン中に見出だされるもう一つの分解生成物である)。その結果DMFが生じるが、これはCertiPUR標準の第5節において禁止されている物質である。何故なら発癌性をもち、また胎児に対し障害を及ぼす可能性があるからである。
【0008】
従って、これらの規制された物質の含有量が少ないポリウレタン発泡体およびポリウレタン発泡体の製造に使用される材料が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本発明の具体化例に従えば、第1級アミン、第1級アミン含有材料、およびおよび第1級アミン含有材料と組み合わされた第1級アミン含有第3級アミンは、第3級アミンおよび第3級アミン配合物中のアルデヒドおよびジメチルフォルムアミド(DMF)の存在量を劇的に減少させる。さらに第1級アミン、第1級アミン含有材料、および第1級アミン含有材料と組み合わされた第1級アミン含有第3級アミンを使用してつくられた発泡体は、フォルムアルデヒドの存在量が減少し、発泡体の臭気が著しく減少している。
【0010】
理論に拘束されるわけではないが、本発明の一具体化例は発泡体から排出するように作用するフォルムアルデヒドの量を減少させ、カニッツァロ反応を起こさせるフォルムアルデヒドの量も減少させる。即ち、フォルムアルデヒドが殆どまたは全く存在しなかったら蟻酸は殆ど生成せず、DMFはそれよりもさらに少なくなる。一般に、第1級アミンはアルデヒドと反応してシッフの塩基を生じ、これがさらに反応して種々の生成物が生じると考えられている。このようにして大部分のアルデヒドが消費され、ジメチルフォルムアミドのようなアミドが生成することは極めて少ない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一具体化例に従えば、1種またはそれ以上の第1級アミンを加えることにより第3級アミン中のフォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を抑制することができる。第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えることができる第1級アミンは、これだけには限定されないが、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン(DDP)、トリエチレンテトラミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、テトラエチレンペンチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、およびジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン(ジメチルアミノエチルメチルアミノエトキシプロピルアミン)、並びにテトラメチルアミノプロピルアミノプロピルアミンが含まれる。特に、上記文節に記載された1種またはそれ以上の第1級アミンはまた第1級アミンの他に第2級または第3級アミンのような他のアミン基を含んでいることができる。
【0012】
本発明の他の具体化例に従えば、第1級アミンを含む材料を第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えてフォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を抑制することができる。尿素、メラミン、第1級アミノ含有ポリオール、例えばJEFFAMINE(R)ポリエーテルアミン、グアニジン、置換尿素、ヒドロキシラミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、およびアニリンはすべて第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加えることができる材料の例であるが、本発明の具体化例はこれだけに限られるものではない。例えば少なくとも一つの第1級アミン基(NH2)および少なくとも一つの第3級アミン含有化合物または第1級アミン基および第3級アミン基を含む化合物はこの機能を果たす理想的な化合物である。事実、アルコール含有またはアミノ含有第3級アミンのMichael付加反応で得られる任意の数の一般的な種類の第3級アミンはこの一般的な種類の化合物に適合するであろう。例えば一般式(R1)(R2)N−A−B[−M[N-(R3)(R4)]g]Wが含まれる。但しR1およびR2は水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基、Aは(CH2)yであり、ここでyは1〜8の整数であり、またBは酸素、窒素または硫黄であり、Mは水素、脂肪族、脂環式、またはアリール基であり、gは0〜3であり、Bが酸素または硫黄の時はW=1でBが窒素の時はW=2であり、R3およびR4は水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基であることができる。またR1およびR2がアルキル基のときはR3およびR4は水素であってこの場合Bは窒素であり、R1およびR2が水素のときはR3およびR4はアルキルであり、この場合この化合物は少なくとも1種の第1級アミンまたは1種またはそれ以上の第2級または第3級アミンをもっているであろう。この場合も上記の1種またはそれ以上のアミンは第1級アミンの他に他のアミン、例えば第2級または第3級アミンを含むことができる。
【0013】
Michael付加第3級アミンの例は、ジメチルアミン+アクリロニトリル → 水素で還元 → DMAPA(ジメチルアミノプロピルアミン)(CH3)2NCH2CH2CH2NH2の生成である。
【0014】
第3級アミンを含むMichael付加触媒の他の例はジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)+アクリロニトリル → 水素で還元 → ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン(CH3)2NCH2CH2CH2NHCH2CH2CH2NH2である。
【0015】
ヒドロキシル含有アミンに対するMichael付加の例はDMEA(ジメチルアミノエタノール)+アクリロニトリル → 水素で還元 → ジメチルアミノエトキシプロピルアミン(CH3)2NCH2CH2OCH2CH2CH2NH2の生成である。
【0016】
Michael付加で変性したヒドロキシル含有触媒のさらに他の例はN,N,N’−ジメチルアミノエチルメチルアミノエタノール+アクリロニトリル → 水素で還元 →
N,N,N’−ジメチルアミノエチルメチルアミノエトキシプロピルアミン
(CH3)2CH2CH2(CH3)NCH2CH2OCH2CH2CH2NH2である。
【0017】
Michael付加生成物のさらに他の例は、テトラメチルイミノビスプロピルアミン
+ アクリロニトリル → 水素で還元 → ビスジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミンである。
【0018】
本発明のさらに他の具体化例においては、1種またはそれ以上の第1級アミン含有第3級アミンと1種またはそれ以上の第1級アミン含有材料の混合物を、第3級アミンまたは第3級アミン配合物に加え、フォルムアルデヒドおよびDMFの存在量を減少させることができる。
【0019】
発泡体をつくるのに有用な任意の第3級アミン含有触媒または第3級アミン触媒配合物は第1級アミンが加えられる第3級アミンであることができる。例えばビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、トリエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ジメチルアミノプロピル−S−トリアジン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N−置換モルフォリン、例えばN−メチルまたはN−エチルモルフォリン、ビスジメチルアミノプロピル尿素、ヒドロキシプロピルテトラメチルイミノプロピルアミン、またはHerrington等著、1991年発行、Flexible Urethane Foams,D.1〜D.17の付録Dに示されている任意の他の触媒は適切な第3級アミンである。この文献は引用により本明細書に包
含される。
【0020】
極めて一般的には、ポリウレタン発泡体を製造するためには、一つまたはそれ以上の水素含有反応基を有する1種またはそれ以上の化合物をイソシアネートと反応させる。本発明の或る具体化例においては、一つまたはそれ以上の反応性水素をもった化合物はポリオールであるが、本発明の具体化例はそれだけに限定されない。さらに、イソシアネートは任意のイソシアネート、例えばトルエンジイソシアネート(TDI)またはメチレンジイソシアネート(MDI)、重合したメチレンジイソシアネート(PMDI)またはそれらの変種であることができる。この場合も本発明の具体化例に従ってつくられる発泡体はこれだけに限定されるものではない。発泡体製造業界の専門家に公知の他の添加物も反応混合物の中に含ませることができ、これらの中にはこれだけには限定されないが表面活性剤、発泡剤、水、燃焼遅延剤、着色剤または染料、金属触媒、および酸化防止剤が含まれる。
【0021】
第1級アミンは第3級アミンに対する良好な着色安定剤である。例えば米国特許第7,169,268号明細書参照。この特許は引用により本明細書に包含される。さらに第1級アミン含有材料は第1級アルコールよりも100,000倍も速くイソシアネートと反応する。従って第1級アミン分子の中に触媒活性を付加することは非常に望ましいことである。一具体化例に従えば、このことは第1級アミン含有分子の中に第3級アミン基を導入することによって達成される。発泡体の製造においては、これらの第1級アミンはイソシアネートにより迅速に消費され、臭気の少ない非常に高品質の発泡体を生じる。
【0022】
発泡体の臭気の発生源はメチルアミンであることができる。メチルアミンは人の鼻孔に対しては0.4ppb程度のレベルでも魚臭のようなアンモニア性の臭いとして検出可能である。発泡体の中で極めて少量存在しても臭気により最終使用者の苦情を招くことができる。メチルアミンはいくつかの発生原因により生成することができる。発生原因の一つは第3級アミンの単純な熱分解である。理論に拘束されるわけではないが、第3級アミンは第4級化合物を生じ、これがHoffman脱離反応を行ってビニル材料とメチルアミン(例えばトリメチルアミン)を生じ、アミン酸化物がCope脱離反応および種々の他の種類の反応を起こして悪臭材料を生じる。
【0023】
本発明の一具体化例に従えば、第1級アミン含有第3級アミンまたは第1級アミン含有第3級アミン配合物を発泡体組成物に含ませてメチルアミンによって生じる臭気を除去する。さらに、このようなアミンを用いてつくられた発泡体は140℃より高い温度においてはメチルアミンの生成を殆どまたは全く示さないが、第1級アミンを含んでいない第3級アミンを用いてつくられた発泡体は、このような高温においてかなりのメチルアミンを発生する。
【実施例】
【0024】
典型的な1立方フィート当たり1.5ポンド(pcf)の発泡体の中には約158部または158gの材料が存在している。これらの発泡体の典型的な触媒レベルは約0.08部、即ち全組成物について約0.08/158=0.05%である。従って触媒が200ppm(0.0002)のフォルムアルデヒドを含み、触媒が組成物の0.05%存在する場合、(0.0002)X(0.0005)= 0.0000001、即ち0.1ppmのフォルムアルデヒドが発泡体のなかに存在することになり、これはCertiPURによって設定された標準に辛うじて合致する値である。本発明の一具体化例に従えば、触媒中の、従ってこの触媒を用いてつくられた発泡体の中のフォルムアルデヒド(およびDMF)は著しく減少する。
【0025】
下記の実施例においては,既知量のフォルムアルデヒドを含む第3級アミンを、室温に
おいて且つ周囲圧力で、第1級アミン含有第3級アミンを含む数種の第1級アミン含有材料で処理した。処理された第3級アミンを、Waters Detector 486UV @ 365nmを取り付け、Restek Pinnacle TO−115μMの
4.6mm×150mmのカラムを用い、液体クロマトグラフ(LC)法ST−38.40によりフォルムアルデヒドに関して試験した。LC試験は、試験材料をジニトロフェニルヒドラジンおよびクエン酸緩衝溶液と混合し、特定の時間の間40℃で加熱することにより行った。試験材料を上記のようなLC測定器に注入した。1ppm、0.1ppm、および0.01ppmフォルムアルデヒド既知試料に対して測定器を較正した。
【0026】
下記の実施例に示されているように、フォルムアルデヒドのようなアルデヒドは混合すること以外他の処理を行わずに第3級アミン中で還元することができる。
【実施例1】
【0027】
対照触媒、即ちニート触媒
【0028】
【表1】
【0029】
JEFFCAT(R) ZF−10 アミン触媒(ジメチルアミノエトオキシエチルメチルアミノエタノール、JEFFCAT(R) ZF−20 アミン触媒(ビスジメチルアミノエチルエーテル)、およびJEFFCAT(R) PMDETA アミン触媒(ペンタメチルジエチレントリアミン)はすべて米国テキサス州、The WoodlandsのHuntsman Corporation製の第3級アミン触媒である。
【実施例2】
【0030】
対照触媒またはニート触媒に対するアミンの添加
【0031】
【表2】
【0032】
ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)およびジメチルアミノエトキシプロピルアミン(DDP)はHuntsman Corporation製の第1級アミンである
。JEFFCAT(R) PMDETAアミン触媒はHuntsman Corporation製の第3級アミン触媒である。この実施例でDMAPAと配合したアミン触媒はフォルムアルデヒド含量を4倍または5倍減少させ(1/4または1/5に減少させ)、DDPと配合した触媒はフォルムアルデヒド含量を50%減少させた。従って処理された第3級アミンを用いるとフォルムアルデヒド含量は劇的に減少した。驚くべきことにはフォルムアルデヒドの減少は、第1級アミンを第3級アミンに加えること以外、加熱または他の処理をしないでも起こる。
【実施例3】
【0033】
【表3】
【0034】
アミノエチルエタノールアミン(AEEA)およびテトラエチレンペンチルアミン(TEPA)はHuntsman Corporation製の第1級アミンである。本実施例においてAEEAはJEFFCAT(R) ZF−10アミン触媒の4倍フォルムアルデヒドを減少させ、TEPAはJEFFCAT(R)ZF−20アミン触媒およびJEFFCAT(R) ZF−10アミン触媒のそれぞれ3倍および9倍だけフォルムアルデヒドを減少させる。
【実施例4】
【0035】
JEFFCAT(R) ZF−20アミン触媒(ニート)の異なったロットに対し、フォルムアルデヒドの最初の分析値は95.3ppmであった。この触媒に10%のDMAPAを加えるとフォルムアルデヒド含量は24.7ppmに低下した。
【実施例5】
【0036】
下記の組成物を用いて可撓性の発泡体をつくり、180℃において対流炉の中に15分間入れた。炉から取り出した後、発泡体を24時間室温で貯蔵した。発泡体から1gの試料を採取し、10mlのメタノールと共に密封したガラス瓶の中に入れた(予めフォルムアルデヒドおよびDMFに対してメタノールの分析をし、両方とも含まれていないことを見出だした)。ガラス瓶を超音波浴の中に入れ、フォルムアルデヒドを抽出した。フォルムアルデヒドに対してはLCを用い、DMFに対してはガスクロマトグラフ(GC)を用いて試料を分析した。DMFは検出されず、フォルムアルデヒドは1ppmの検出限界よりも少量であった。発泡体を5日間貯蔵し、この方法を繰り返し同じ結果を得た。
【0037】
上記の結果は本発明の一具体化例に過ぎないことを注目すべきである。しかし発泡体は例えば−300mmHg〜1000mmHgのような広い範囲の圧力において例えば−20℃〜200℃のような温度範囲でつくることができる。一般に圧力を低下させると、低密度の発泡体が得られ、圧力を増加させると高密度の発泡体が得られる。これは可変圧力法またはVP法として知られている。
【0038】
組成物:
成分 重量部
VORANOL(R) CP−3010 ポリエーテルポリオール 100.0
水 4.5
NIAX(R) L−620 シリコーン表面活性剤 1.0
JEFFCAT(R) TD−33A アミン触媒 0.18
JEFFCAT(R) ZF−20 アミン触媒 0.05
(10%のジメチルアミノプロピルアミンで処理)
KOSMOS(R) 15 オクタン酸第一錫 0.32
TDI 58.38
TDI インデックス 112
結果:
LCによるフォルムアルデヒド、 ppm 0.465ppmGCによるDMF 検出せず
【0039】
上記の結果からわかるように、発泡体の中からは1ppmより少ないフォルムアルデヒドしか検出されなかった。VORANOL(R) CP 3010 ポリエーテルポリオールは米国ミシシッピー州、MidlandのThe Dow Chemical Company製の水酸価56mgKOH/gのグリセリンをベースにしたプロピレンオキシド/エチレンオキシドポリエーテルポリオールである。NIAX(R) L−620シリコーン表面活性剤は米国コネチカット州、WiltonのMomentive Performance materials製のシリコーン表面活性剤であり、JEFFCAT(R) TD−33AはHuntsman Corporation製のジプロピレングリコール中に33%のトリエチレンジアミンを含む溶液であり、KOSMOS(R) 15 オクタン酸第一錫はドイツ、EssenのEvonik Degussa GmbH製の錫触媒であり、TDIは米国ミシシッピー州、MidlandのThe Dow Chemical Company製の80/20トルエンジイソシアネートである。
【0040】
次の実施例においては、未処理の第3級アミン触媒または第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いて発泡体をつくった。第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられた発泡体は未処理の第3級アミン触媒を用いてつくられた発泡体よりも良く膨潤し、加熱した場合ジメチルアミンの排出量は少なかった。
【実施例6】
【0041】
本実施例においては、触媒以外は実施例5の発泡体をつくった方法に従って発泡体をつくった。例えば第1の発泡体では実施例5の触媒の代わりに未処理の触媒を用い、第2の発泡体では実施例5の触媒の代わりに第1級および第3級の両方のアミン基を含む化合物を用いた。特定的に述べれば、アミン触媒として未処理のビスジメチルアミノエチルエーテルを用いて第1の発泡体をつくり、第2の発泡体はアミン触媒としてN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンを用いてつくった。10個の個別試料(individual)にして両方の発泡体を膨潤させた。個々の個別試料により第1の発泡体または第2の発泡体のどちらが臭気が強く、どちらが臭気が少ないかを決定した。結果を次に示す。
【0042】
【表4】
【0043】
N,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンおよびビスジメチルアミノエチルエーテルはHuntsman Corporation製である。
【0044】
上記結果に従えば、未処理の第3級アミン触媒を用いてつくられた発泡体は第1級アミン基および第3級アミン基の両方を有する触媒を用いてつくられた発泡体よりも臭気が強いと考えられる。
【実施例7】
【0045】
この実施例においては下記の一般的組成物を用いて二つの異なったタイプの発泡体をつくった。
【0046】
組成物 重量部
B側: (樹脂)
Voranol(R) CP−3010 ポリエーテルポリオール 100.0
水 2.8
Niax(R) L−620 シリコーン表面活性剤 1.0
Kosmos(R) 15 オクタン酸第一錫 0.25
アミン触媒 必要量
A側: (イソシアネート)
トルエンジイソシアネート 39.12
TDI インデックス 110
(成分原料は前記と同じ)
【0047】
一つのタイプの発泡体においてはアミン触媒は第3級アミン触媒であり、他のタイプの発泡体では、アミン触媒は第1級および第3級アミン基を両方含んでいた。一般に異なった発泡体をつくるためには、発泡を行う1時間前に触媒以外のB側のすべての成分を予め混合することによってB側、即ち樹脂側をつくった。その後で適切なタイプおよび量のアミン触媒を103.8gの樹脂側へ加えた。これらの混合物を7秒間混合した後、錫触媒を加えた。次にB側、即ち樹脂側の混合物をさらに7秒間混合物した。
【0048】
次にTDIを樹脂混合物に加え、7秒間混合した。得られた発泡体をポリエチレンのラップで覆い(発泡体の中に臭気を閉じ込めるため)、同時に周囲条件下において1時間膨張させて硬化させた。
【0049】
その直後に芯の発泡体の試料を異なった発泡体の上表面から採取し、0.20gの量を切取る。大部分の場合各発泡体の上表面から5個の発泡体の試料を採取する。
【0050】
各々0.20gの発泡体の試料を直ちにゴムの隔膜を備えた折れ曲がった頂部を有するガラス瓶の中に入れる。密封した発泡体の試料を周囲温度から150℃または170℃に加熱し、1時間所望の温度に保持する。その後で発泡体の試料を自動的にサンプリングし
、GCのヘッドスペースによりジメチルアミンの排出の試験を行う。これらの試験結果は次のとおりである。
【0051】
【表5】
【0052】
JEFFCAT(R)DMEA触媒(ジメチルアミノエタノール)はHuntsman
Corporation製である。
【0053】
上記結果に従えば、第1級アミン基を含まない第3級アミン触媒を用いてつくられた試料に比べ、第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられたこれらの試料においては、150℃および170℃に加熱した発泡体試料からのジメチルアミンの排出が著しく減少した。さらに第1級および第3級アミン基の両方を含む触媒を用いてつくられたこれらの試料においては、不愉快な臭気が検出されなかった。
【0054】
以上或る種の具体化例に関連して本発明の具体化例を記載し説明したが、ここで考慮しなければならないことは、本明細書並びに特許請求の範囲を読みそれらを理解することにより当業界の専門家はそれらの同等な変形および代替を行い得ることは明白であるという事実である。従って本発明はこのようなすべての変形および代替を包含するものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る量のフォルムアルデヒドを含む第3級アミン触媒に対し第1級アミン含有化合物を添加し;
該添加に応答して該第3級アミン中のフォルムアルデヒドの量を少なくとも50%減少させることを特徴とする方法。
【請求項2】
該第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量の減少は該第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量が1/3〜1/9に減少する(フォルムアルデヒドの量が3〜9倍減少する)ことを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
フォルムアルデヒドの量の減少はフォルムアルデヒドの量が57.5ppm以下へ減少することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
該第1級アミン含有化合物の該第3級アミン触媒への添加は、該第1級アミン含有化合物が該第1級アミン含有化合物と該第3級アミン触媒との混合物の0.01〜30%をなすような量の添加であることを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
該第1級アミン含有化合物の該第3級アミン触媒への添加は、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンチルアミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、第1級アミノ含有ポリオール、グアニジン、尿素、置換尿素、ヒドロキシルアミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、メラミン、またはアニリンの第3級アミンへの添加を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、一般式
(R1)(R2)N−A−B[−M[N−(R3)(R4)]g]W、
但しR1およびR2はそれぞれ水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基、Aは(CH2)yであり、ここでyは1〜8の整数であり、またBは酸素、窒素または硫黄であり、Mは水素、脂肪族、脂環式、またはアリール基であり、gは0〜3であり、Bが酸素または硫黄の時はW=1でBが窒素の時はW=2であり、R3およびR4はそれぞれ水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基であり、R1およびR2がアルキルである時はR3及びR4は水素であって、この場合Bは窒素であり、R1およびR2が水素の場合にはR3およびR4はアルキルであって該化合物は少なくとも一つの第1級アミンおよび一つまたはそれ以上の第2級または第3級アミンを有するものとする、
をもった第3アリールアミノアルコールまたは第3アミノアミンのMichael付加生成物である1種またはそれ以上の化合物の添加を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、第1級アミン含有化合物を、トリエチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヒドロキシルプロピルテトラメチルイミノビスプロピルアミン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、置換モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ブチルモルフォリン、置換イミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノエチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、1−アミノプロピル−2−メチルイミダゾール、置換ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルアミノエチルピペラジン、N−メチルアミノプロピルピペラジン、置換尿素、ジメチルアミノプロピル尿素、ビス−ジメチルアミノプロピル尿素、ジメチルアミノプロピル(3−ジヒドロキシプロピル)アミンの1種またはそれ以上に添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
該添加は加熱せずに該第1級アミン含有化合物を該第3級アミン触媒に添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、該ビスジメチルアミノエチルエーテル中のフォルムアルデヒドの量を1/4に減少させるようにジメチルアミノプロピルアミンをビスジメチルアミノエチルエーテルに添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、該ビスジメチルアミノエチルエーテル中のフォルムアルデヒドの量を1/3に減少させるようにテトラエチレンペンチルアミンをビスジメチルアミノエチルエーテルに添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
反応性水素を含む化合物およびポリウレタン発泡体を製造するのに有用な室温および周囲圧力において処理された第3級アミン触媒を、第1級アミン含有化合物と一緒にし、その結果該第1級含有アミン化合物により第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量が少なくとも1/4に減少するようにし;
イソシアネートおよび該反応性水素を含む化合物を反応させてポリウレタン発泡体をつくり;
該処理された第3級アミン触媒の存在に応答し、該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量をCertiPUR標準において許容される量に減少させることを特徴とする方法。
【請求項12】
該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの減少はクロマトグラフ法により1ppmより少ない量しか検出されないような減少を包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
該第3級アミン触媒の存在に応答して、該ポリウレタンから排出されるジメチルフォルムアミドをクロマトグラフ法で検出できない量まで減少させることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
該第3級アミン触媒の処理は、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンチルアミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、第1級アミノ含有ポリオール、グアニジン、尿素、置換尿素、ヒドロキシルアミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、メラミン、またはアニリンを該第3級アミン触媒に加えることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
該第3級アミン触媒の処理は、一般構造式
(R1)(R2)N−A−B−A−N(R3)(R4)
但しR1およびR2は(i)水素、または(ii)炭素数1〜8のアルキルのいずれかであり、Bは酸素、硫黄、または窒素の一つであり、Aは(CH2)xであり、ここでxは1〜8の整数であり、R3およびR4は(i)水素、または(ii)炭素数1〜4のアルキルのいずれかでり、R1およびR2がアルキル基の場合R3およびR4は水素であり
、R1およびR2が水素の場合R3およびR4はアルキル基であり、Michael付加生成物は少なくとも1種の第1級アミンおよび少なくとも1種の第3級アミンを有する、をもった第3アリールアミノアルコールまたは第3アミノアミンのMichael付加生成物である1種またはそれ以上の化合物を該第3級アミン触媒に添加することを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
反応性水素を含む化合物と、ポリウレタン発泡体の製造に有用な第3級アミン触媒とを一緒にすることは、第1級アミン含有化合物をトリエチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヒドロキシルプロピルテトラメチルイミノビスプロピルアミン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、置換モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ブチルモルフォリン、置換イミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノエチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、1−アミノプロピル−2−メチルイミダゾール、置換ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルアミノエチルピペラジン、N−メチルアミノプロピルピペラジン、置換尿素、ジメチルアミノプロピル尿素、ビス−ジメチルアミノプロピル尿素、ジメチルアミノプロピル(3−ジヒドロキシプロピル)アミンの1種またはそれ以上を該反応性水素を含む化合物と一緒にすることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項17】
第3級アミン含有化合物を用いる該第3級アミン触媒の処理は、また第1級アミン基を含む第3級アミンを用いる該第3級アミンの処理を包含し、第1級アミン触媒を含む該処理された第3級アミンは臭気が減少した該発泡体をつくるのに用いられる触媒の0.01〜100%であることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項18】
該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量のCertiPUR標準において許容される量への減少は、該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量をCertiPUR規格に合致させるようにフォルムアルデヒドおよびジメチルフォルムアミドを1ppmより少ない量へ減少させることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項19】
イソシアネートを含むA側と、イソシアネートと反応し得る材料をN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンと共にを含むB側とを組み合わせ;
該A側およびB側を反応させてポリウレタン発泡体をつくることを特徴とする140℃を越える温度において臭気が低くジメチルアミンの排出が少ないポリウレタン発泡体の製造法。
【請求項20】
ジメチルアミンから生じる臭気を検出することなく該ポリウレタン発泡体を150℃および170℃の両方に加熱することを包含することを特徴とする請求項19記載の方法。
【請求項1】
或る量のフォルムアルデヒドを含む第3級アミン触媒に対し第1級アミン含有化合物を添加し;
該添加に応答して該第3級アミン中のフォルムアルデヒドの量を少なくとも50%減少させることを特徴とする方法。
【請求項2】
該第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量の減少は該第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量が1/3〜1/9に減少する(フォルムアルデヒドの量が3〜9倍減少する)ことを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
フォルムアルデヒドの量の減少はフォルムアルデヒドの量が57.5ppm以下へ減少することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
該第1級アミン含有化合物の該第3級アミン触媒への添加は、該第1級アミン含有化合物が該第1級アミン含有化合物と該第3級アミン触媒との混合物の0.01〜30%をなすような量の添加であることを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
該第1級アミン含有化合物の該第3級アミン触媒への添加は、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンチルアミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、第1級アミノ含有ポリオール、グアニジン、尿素、置換尿素、ヒドロキシルアミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、メラミン、またはアニリンの第3級アミンへの添加を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、一般式
(R1)(R2)N−A−B[−M[N−(R3)(R4)]g]W、
但しR1およびR2はそれぞれ水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基、Aは(CH2)yであり、ここでyは1〜8の整数であり、またBは酸素、窒素または硫黄であり、Mは水素、脂肪族、脂環式、またはアリール基であり、gは0〜3であり、Bが酸素または硫黄の時はW=1でBが窒素の時はW=2であり、R3およびR4はそれぞれ水素、脂肪族、脂環式、またはアリールの基であり、R1およびR2がアルキルである時はR3及びR4は水素であって、この場合Bは窒素であり、R1およびR2が水素の場合にはR3およびR4はアルキルであって該化合物は少なくとも一つの第1級アミンおよび一つまたはそれ以上の第2級または第3級アミンを有するものとする、
をもった第3アリールアミノアルコールまたは第3アミノアミンのMichael付加生成物である1種またはそれ以上の化合物の添加を包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、第1級アミン含有化合物を、トリエチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヒドロキシルプロピルテトラメチルイミノビスプロピルアミン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、置換モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ブチルモルフォリン、置換イミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノエチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、1−アミノプロピル−2−メチルイミダゾール、置換ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルアミノエチルピペラジン、N−メチルアミノプロピルピペラジン、置換尿素、ジメチルアミノプロピル尿素、ビス−ジメチルアミノプロピル尿素、ジメチルアミノプロピル(3−ジヒドロキシプロピル)アミンの1種またはそれ以上に添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
該添加は加熱せずに該第1級アミン含有化合物を該第3級アミン触媒に添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、該ビスジメチルアミノエチルエーテル中のフォルムアルデヒドの量を1/4に減少させるようにジメチルアミノプロピルアミンをビスジメチルアミノエチルエーテルに添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
第1級アミン含有化合物の第3級アミン触媒への添加は、該ビスジメチルアミノエチルエーテル中のフォルムアルデヒドの量を1/3に減少させるようにテトラエチレンペンチルアミンをビスジメチルアミノエチルエーテルに添加することを包含することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
反応性水素を含む化合物およびポリウレタン発泡体を製造するのに有用な室温および周囲圧力において処理された第3級アミン触媒を、第1級アミン含有化合物と一緒にし、その結果該第1級含有アミン化合物により第3級アミン触媒中のフォルムアルデヒドの量が少なくとも1/4に減少するようにし;
イソシアネートおよび該反応性水素を含む化合物を反応させてポリウレタン発泡体をつくり;
該処理された第3級アミン触媒の存在に応答し、該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量をCertiPUR標準において許容される量に減少させることを特徴とする方法。
【請求項12】
該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの減少はクロマトグラフ法により1ppmより少ない量しか検出されないような減少を包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
該第3級アミン触媒の存在に応答して、該ポリウレタンから排出されるジメチルフォルムアミドをクロマトグラフ法で検出できない量まで減少させることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項14】
該第3級アミン触媒の処理は、1種またはそれ以上のアミノエチルエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンチルアミン、アミノプロピルメチルアミノエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルエトキシエチルメチルアミノプロピルアミン、アミノプロピルメチルエタノールアミン、第1級アミノ含有ポリオール、グアニジン、尿素、置換尿素、ヒドロキシルアミン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、メラミン、またはアニリンを該第3級アミン触媒に加えることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
該第3級アミン触媒の処理は、一般構造式
(R1)(R2)N−A−B−A−N(R3)(R4)
但しR1およびR2は(i)水素、または(ii)炭素数1〜8のアルキルのいずれかであり、Bは酸素、硫黄、または窒素の一つであり、Aは(CH2)xであり、ここでxは1〜8の整数であり、R3およびR4は(i)水素、または(ii)炭素数1〜4のアルキルのいずれかでり、R1およびR2がアルキル基の場合R3およびR4は水素であり
、R1およびR2が水素の場合R3およびR4はアルキル基であり、Michael付加生成物は少なくとも1種の第1級アミンおよび少なくとも1種の第3級アミンを有する、をもった第3アリールアミノアルコールまたは第3アミノアミンのMichael付加生成物である1種またはそれ以上の化合物を該第3級アミン触媒に添加することを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
反応性水素を含む化合物と、ポリウレタン発泡体の製造に有用な第3級アミン触媒とを一緒にすることは、第1級アミン含有化合物をトリエチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、ジメチルアミノエトキシエチルメチルアミノエタノール、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヒドロキシルプロピルテトラメチルイミノビスプロピルアミン、テトラメチルイミノビスプロピルアミン、置換モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、N−ブチルモルフォリン、置換イミダゾール、ジメチルイミダゾール、アミノエチルイミダゾール、アミノプロピルイミダゾール、1−アミノプロピル−2−メチルイミダゾール、置換ピペラジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルアミノエチルピペラジン、N−メチルアミノプロピルピペラジン、置換尿素、ジメチルアミノプロピル尿素、ビス−ジメチルアミノプロピル尿素、ジメチルアミノプロピル(3−ジヒドロキシプロピル)アミンの1種またはそれ以上を該反応性水素を含む化合物と一緒にすることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項17】
第3級アミン含有化合物を用いる該第3級アミン触媒の処理は、また第1級アミン基を含む第3級アミンを用いる該第3級アミンの処理を包含し、第1級アミン触媒を含む該処理された第3級アミンは臭気が減少した該発泡体をつくるのに用いられる触媒の0.01〜100%であることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項18】
該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量のCertiPUR標準において許容される量への減少は、該ポリウレタン発泡体から排出されるフォルムアルデヒドの量をCertiPUR規格に合致させるようにフォルムアルデヒドおよびジメチルフォルムアミドを1ppmより少ない量へ減少させることを包含することを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項19】
イソシアネートを含むA側と、イソシアネートと反応し得る材料をN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンと共にを含むB側とを組み合わせ;
該A側およびB側を反応させてポリウレタン発泡体をつくることを特徴とする140℃を越える温度において臭気が低くジメチルアミンの排出が少ないポリウレタン発泡体の製造法。
【請求項20】
ジメチルアミンから生じる臭気を検出することなく該ポリウレタン発泡体を150℃および170℃の両方に加熱することを包含することを特徴とする請求項19記載の方法。
【公表番号】特表2011−515540(P2011−515540A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500919(P2011−500919)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/037499
【国際公開番号】WO2009/117479
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(509344984)ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/037499
【国際公開番号】WO2009/117479
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(509344984)ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】
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