説明

アラミド心線及び動力伝動用ベルト

【課題】アラミド繊維のホツレを防止することができ、また耐屈曲疲労性が高く、ゴムとの接着性に優れたアラミド心線を提供する。
【解決手段】アラミド繊維コードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をレゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液に浸漬して乾燥させる工程と、さらに前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液より小さい第2のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で処理をした工程と、前記処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程と、を経て作製されたてアラミド心線である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アラミド繊維から形成されるアラミド心線及び、このアラミド心線を用いて形成した動力伝動用ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
動力伝動用ベルトの心線として、アラミド繊維コードからなる心線が、その優れた特性のために広く用いられている。アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)は、高強度、高モジュラスの有機繊維であり、熱中での寸法安定性が他の有機繊維より優れているという特性を有する。
【0003】
そしてアラミド繊維のコードを動力伝動用ベルトに心線(アラミド心線)として埋設して使用するにあたって、両側面のカット面が露出した状態で使用されるVリブドベルトやカットエッジタイプのVベルトなどでは、ベルトのカットしたこの側面にアラミド心線が露出することになる。そしてこのようにアラミド心線の動力伝動用ベルトの側面に露出すると、アラミド心線の切断面のアラミド繊維フィラメントが解れて、動力伝動用ベルトの側面から飛び出すという、いわゆるホツレという問題が生じる。特にベルトの側面をカットする際に同時にカットされるアラミド心線の切断面が露出すると、ホツレの問題が生じ易い。またアラミド繊維はポリエステル繊維やポリアミド繊維に比べてゴムとの接着性が悪いという問題があり、さらにアラミド繊維は剛直な分子構造を有するために耐屈曲疲労性に劣るという問題もある。
【0004】
上記のような問題に対処するため、従来から種々の提案がされている。例えば特許文献1には、アラミド繊維の原糸をゴムラテックスの前処理液に含浸し、次にこの原糸を2本以上引き揃えて撚り合わせ、続いてレゾルシン−ホルマリン−ラテックス(RFL)液に含浸し、さらにゴム層を被覆することによって作製したアラミド心線が開示されている。そしてこの特許文献1には、ベルトの屈曲疲労性を改善することができると共に、アラミド心線のホツレを防止できることが記載されている。
【0005】
また特許文献2には、無撚りのアラミド繊維を、ポリエポキシド化合物を含む処理剤で処理した後、RFL液で処理し、次いで加撚処理をした後に、さらにRFL液で処理することによって作製したアラミド心線が開示されている。そしてこの特許文献2には、ベルト端面に露出したアラミド心線のホツレを防止し、かつゴムとの接着性を向上させ、疲労性の低下を抑制できることが記載されている。
【0006】
また特許文献3には、エポキシ化合物やイソシアネート化合物で処理した無撚りリボン状のアラミド繊維フィラメントを下撚りすると共に、これを2本以上束ねて上撚りし、これをRFL液で処理し、さらにゴム糊で接着処理することによって作製したアラミド心線が開示されている。そしてこの特許文献3には、ベルトの屈曲疲労性及びホツレを改善できると共に、心線の接着性を向上できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平4−29644号公報
【特許文献2】特開平6−25978号公報
【特許文献3】特公平7−72578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記の特許文献1においては、前処理剤に柔らかいゴムラテックスを使用してアラミド繊維を処理しているため、屈曲疲労性には優れるものの、ベルトを長時間走行させるとアラミド心線のアラミド繊維フィラメント間の結束性が低下して、次第にホツレが発生するおそれがあり、ホツレの改善の効果については十分に認めることができない。しかも柔軟なゴムラテックスのみの前処理剤で処理した後にRFL液で処理するため、前処理剤とそれを被覆するRFL層との接着性が十分でないという問題もある。
【0009】
また、上記の特許文献2においては、ポリアミド繊維を加撚処理する前にポリエポキシド化合物を含む処理剤で処理し、加撚処理後にさらにRFL液で処理するようにしているので、ホツレや接着性は改善されるものの、ポリアミド繊維に含浸させるポリエポキシド化合物によってアラミド繊維の柔軟性が低下するので、屈曲疲労性を改善する効果については十分に認めることができない。
【0010】
さらに、上記の特許文献3においては、無撚りリボン状のアラミド繊維フィラメントをエポキシ化合物やイソシアネート化合物で処理した後に撚りをかけ、この後にRFL等の処理をしているので、ホツレや接着性は改善されるものの、特許文献2の場合と同様に、エポキシ化合物やイソシアネート化合物で処理することによってアラミド繊維の柔軟性が損なわれるものであり、屈曲疲労性を低下させる要因になるおそれがある。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、アラミド繊維のホツレを防止することができ、また耐屈曲疲労性が高く、ゴムとの接着性に優れたアラミド心線を提供することを目的とするものであり、またこのようなアラミド心線を用いてこれらの特性に優れた動力伝動用ベルトを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るアラミド心線は、撚りをかけて形成されるアラミド繊維コードからなるアラミド心線であり、前記アラミド繊維コードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)の固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のRFL液に浸漬して乾燥させる工程と、さらに前記第1のRFL液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のRFL液より小さい第2のRFL液で処理をした工程と、前記処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程と、を経て作製されてなることを特徴としている。
【0013】
このように本発明に係るアラミド心線は、アラミド繊維コードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む第1のRFL液に浸漬することで、前記RFL液がアラミド繊維コードを構成するフィラメント群の内部(フィラメント群の隙間)まで浸透して付着し、またクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が硬化するために、フィラメント群の結束性を良好にしてホツレ発生を防ぐことができる。また第1のRFL液で処理したアラミド繊維コードを、固形分濃度が第1のRFL液よりも小さい第2のRFL液で処理するので、第1のRFLの被膜の上に第2のRFLの被膜を密着性高く形成することができ、第2のRFLの被膜で上撚りの結束性を高めて上撚り同士の擦れやホツレを防止できる。さらに第2のRFL液で処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊で処理するので、第2のRFLの被膜によってゴム糊の被膜を密着性高く形成することができると共に、ゴム糊の被膜でゴムとの接着性を高めることができるものである。
【0014】
また、前記第1処理液の固形分濃度が10〜30質量%、前記第2処理液の固形分濃度が2〜7質量%であり、この範囲であればRFL液がアラミド繊維コードの内部まで浸透して、その固形分が内部及ぶ外表面に付着することになる。
【0015】
また、アラミド繊維コードを前記RFL液に浸漬して、前記RFL液の固形分を少なくとも前記原糸の内部まで付着させたアラミド心線であり、この場合には前記RFL液が少なくともアラミド繊維原糸を構成するフィラメント群の内部まで均一に浸透して付着固化し、このためフィラメント群の結束性を良好にしてホツレ発生を防ぐことができる。
【0016】
本発明に係る動力伝動用ベルトは、ゴム中に心線としてアラミド心線を埋設し、ベルト側面を露出させた動力伝動用ベルトであり、前記アラミド心線が、前記アラミド心線がアラミド繊維フィラメント群からなる原糸を撚糸したコードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をRFLの固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のRFL液に浸漬して乾燥させる工程と、さらに前記第1のRFL液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のRFL液より小さい第2のRFL液で処理をした工程と、前記処理したアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程と、を経て作製されてなることを特徴としている。
【0017】
上記の動力伝動用ベルトは、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が硬化するためにアラミド繊維フィラメント群の結束性が良好になってホツレ発生を防ぐことができ、更にはゴム層との接着力を向上させて寿命の長いベルトになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アラミド繊維コードを、所定の固形分添加量のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含むRFL液に浸漬することで、アラミド繊維コードを構成するフィラメント群の内部まで付着させ、このためフィラメント群の結束性を良好にしてホツレ発生を防ぐことができるものであり、また第1のRFL液で処理したアラミド繊維コードを、固形分濃度が第1のRFL液よりも小さい第2のRFL液で処理するので、第1のRFLの被膜の上に第2のRFLの被膜を密着性高く形成することができ、第2のRFLの被膜で上撚りの結束性を高めて上撚り同士の擦れやホツレを防止できるものであり、更にはゴム糊で処理するので、第2のRFLの被膜によってゴム糊の被膜を密着性高く形成することができると共に、ゴム糊の被膜でゴムとの接着性を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る動力伝動用ベルトの実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る動力伝動用ベルトの他の実施形態の一例を示す断面図である。
【図3】実施例における性能試験を示すものであり、(a)は剥離試験の試験片の作製を示す平面図、(b)は屈曲疲労試験に用いる装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
(アラミド心線の構成と作製)
アラミド心線は、アラミド繊維のフィラメント群を無撚りでリボン状に引き揃えたアラミド繊維フィラメントの束(アラミド繊維単糸という)を2〜3本収束して下撚り係数0〜1の範囲で下撚りし、この下撚り糸を通常2〜3本程度引き揃えて、この下撚り糸の撚り方向と逆方向もしくは同一方向に上撚り係数1〜4の範囲で撚糸したコードである。
このアラミド繊維コードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をRFLの固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のRFL液に浸漬した後に加熱乾燥し、このRFL液をフィラメント群の内部(フィラメント群の隙間)まで含浸、付着させ、さらに前記第1のRFL液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のRFL液より小さい第2のRFL液で処理をした工程と、この第2のRFL液で処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程と、を経て作製される。
【0022】
前記撚り係数は、撚り係数=〔(撚り数(回/m)×√(トータル繊度(dtex)〕/960で定義されるものである。
【0023】
アラミド繊維単糸の浸漬や加熱乾燥条件は、特に限定されるものではないが、浸漬時間は1〜10秒程度に設定し、加熱乾燥条件は90〜130℃で1〜5分程度で、張力を付与して行なうのが好ましい。特に、10〜15Nの張力を掛けながら加熱乾燥することによって含浸されたRFL液の原糸に対する馴染みが良くなって、撚りムラを低減することができ、撚りムラによって生じる撚りコードの径のばらつきを、より小さくすることができるものである。
【0024】
(アラミド繊維)
本発明においてアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)としては、パラ系アラミドとメタ系アラミドのいずれを用いることもできるが、心線に用いるアラミド繊維としてはモジュラスが高いパラ系アラミドが好ましい。例えばコポリパラフェニレン−3,4′オキシジフェニレン・テレフタルアミド(例えば帝人(株)の「テクノーラ」)、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(例えば帝人(株)の「トワロン」、東レ・デュポン(株)の「ケブラー」)などを挙げることができる。
【0025】
(第1のRFL液)
前記第1のRFL液では、レゾルシンとホルマリンの初期縮合物とゴムラテックス、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを混合して調製されるものであり、前記ラテックスの種類は特に限定されるものではなく、接着対象となるゴムの種類に応じて適宜選択することができる。例えば、後述のようにRFL処理後に付着させるゴム糊のゴム組成物がエチレン・α−オレフィンゴムを主成分とするものの場合には、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体からなるニトリル(NBR)、ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムのラテックス等を好適に使用することができる。勿論、ラテックスとしてはこれら以外に、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、水素化ニトリルゴム、天然ゴムなどのラテックスを用いることもできる。これらのラテックスは1種を単独で用いる他、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0026】
上記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分添加量は、RFLの固形分質量1に対してクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量を0.2〜0.4の割合で混合することが好ましい。比率が0.2未満では、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の添加量が少なく、フィラメント群の結束性が悪くなってホツレが発生する。他方、比率が0.4を超えると、ホツレ対策には効果があるが、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が硬化するためにアラミド心線が硬くなり、柔軟性に欠けて耐屈曲疲労性が悪くなる。
【0027】
そして前記第1のRFL液に含まれるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、下記の式で表される。
【0028】
【化1】

(式中、nは整数である。)
【0029】
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、多官能であるため、2官能であるビスフェノールA型エポキシ樹脂に比べて橋かけ密度が大きくなり耐熱性、耐水性に優れた硬化樹脂になる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、RFL液の加熱乾燥時の熱により硬化し、フィラメント群の結束性を良好にし、フィラメント群が切断されやすくなってホツレ発生を防ぐことができる。
【0030】
前記クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば吉村油化学社製のユカレジンKE−278(商品名)、ナガセケムテックス社製のデナコールEM150(商品名)などが挙げられる。
【0031】
レゾルシンとホルマリンのモル比は1:0.5〜3程度に設定されるのが一般的であり、アラミド心線とゴムとの接着性を高めるうえでこの範囲が好ましい。このレゾルシンとホルマリンの初期縮合物を、ゴムラテックスのゴム分100質量部に対して10〜100質量部の範囲で混合し、水等の溶媒で希釈することによって、RFL液を調製することができる。
【0032】
第1のRFL液は、水などの溶媒でその濃度を10〜30質量%に調整して用いられるものであり、この第1のRFL液にアラミド繊維フィラメント群からなる原糸を下撚り、上撚りした撚糸したコードを浸漬して、乾燥させることによって、第1のRFL液で処理することができる。浸漬や乾燥の条件は、特に限定されるものではないが、浸漬の時間は1〜10秒程度に設定し、乾燥は90〜130℃で1〜5分程度行なうのが好ましい。
【0033】
ここで、上記のように第1のRFL液は10〜30質量%の濃度で用いられるものであるが、第1のRFL液の濃度が10質量%未満であると、RFLによるアラミド繊維のフィラメントの結束性が不十分になり、アラミド繊維のホツレを十分に防止することができない。一方、第1のRFL液の濃度が30質量%を超えて高いと、RFL固形分の付着量が多くなってカス付が発生し、このカス付の上にさらに後述の第2のRFL液が付着してRFL被膜の厚みが過度に大きくなり、RFL被膜内部に破壊が発生し易くなって、RFL処理による接着効果が却って損なわれるおそれがあると共に、アラミド繊維の柔軟性が損なわれて屈曲疲労性が低下するおそれもある。
【0034】
このように第1のRFL液に浸漬処理したアラミド繊維コードは、フィラメント間に第1のRFL液の固形分が十分に浸透して付着している。従って、アラミド繊維のフィラメント同士の結束性を十分に高めて、アラミド繊維フィラメントの解れを防ぐことができ、ホツレが発生することを有効に防止することができるものである。
【0035】
(第2のRFL液)
次に、このように上撚りをかけたアラミド繊維コードを第2のRFL液で処理する。第2のRFL液としては、上記の第1のRFL液と同様の組成であるレゾルシンとホルマリンの初期縮合物とゴムラテックス、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とを混合して調製されるものであるが、第2のRFL液は、水などの溶媒でその濃度を2〜7質量%に調整して用いられるものである。そして、この第2のRFL液に、第1のRFL液で処理したアラミド繊維コードを浸漬して、乾燥させることによって、第2のRFL液の被膜を形成する。浸漬や乾燥の条件は、特に限定されるものではないが、浸漬の時間は1〜10秒程度に設定し、乾燥は180〜240℃で1〜5分程度行なうのが好ましい。
【0036】
このように第2のRFL液で処理してアラミド繊維コードの表面にRFLの被膜を形成することによって、上撚りの結束性を高めて、上撚り同士のこすれやホツレを防ぐことができるものである。ここで、上記のように第2のRFL液は2〜7質量%の濃度で用いられるものであり、第2のRFL液の濃度が2質量%未満であると、上記の第1のRFL液で処理して形成されるRFL被膜と密着性の高い被膜を形成することができず、上撚り
の結束性を高める効果が不十分になる。一方、第2のRFL液の濃度が7質量%を超えて高くなると、形成されるRFL被膜の膜厚が厚くなり、上記の第1のRFL液で形成される被膜との合計厚みが過度に大きくなる。このため、RFL被膜内部に破壊が発生し易くなって、RFL処理による接着効果が却って損なわれるおそれがあると共に、アラミド心線の柔軟性が損なわれて屈曲疲労性が低下するおそれもある。
【0037】
ここで、アラミド繊維コードの表面に形成されるRFL被膜の厚み、すなわち第1のRFL液によるRFL被膜と第2のRFL液によるRFL被膜の合計厚みは、5〜20μmであることが好ましく、RFL被膜の厚みをこの範囲に設定することによって、アラミド繊維コードとゴムとの接着性、特にゴム糊のゴムとの接着力を高めることができるものである。すなわち、RFL被膜の厚みが5μm未満であると、第1のRFL液のRFL被膜と第2のRFL液のRFL被膜がそれぞれ薄く、RFL被膜間の接着力が不十分であり、RFL被膜を介してアラミド繊維コードに接着されるゴムの接着力も不十分になるおそれがある。一方、RFL被膜の厚みが20μmを超えて厚いと、RFL被膜内部に破壊が発生してRFL被膜の強度が低くなり、つまりRFL被膜の強度がアラミド繊維やゴムに対するRFL被膜の接着強度より低くなって、アラミド繊維とゴムの間の接着力が却って低下するおそれがある
【0038】
(ゴム被膜)
上記のように上撚りしたアラミド繊維コードを第2のRFL液で処理した後、このアラミド繊維コードをゴム糊で処理する。ゴム糊としては、心線の表面にゴム層を形成するために従来から使用されているものを用いることができるものであり、後述の接着ゴム層のゴムとの接着性が優れるものであれば何でもよい。例えは、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、エチレン−α・オレフィン(EPM、EPDMなど)などのゴム成分とイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの樹脂成分とを、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤に溶解乃至分散したものを用いることができる。ゴム糊の濃度は特に限定されるものではないが、2〜10質量%程度の範囲が好ましい。
【0039】
第2のRFL液で処理したアラミド繊維コードをこのゴム糊に浸漬して、乾燥することによって、ゴム糊をオーバーコート処理することができるものである。このように、RFL被膜で被覆したアラミド繊維コードの表面にゴム糊の被膜をオーバーコートすることによって、本発明に係るアラミド心線に仕上げることができるものである。ゴム糊の被膜の厚みは特に限定されるものではないが、5〜15μm程度の範囲であることが好ましい。
【0040】
そして、前記ゴム被膜となるゴム組成物には、硫黄、有機過酸化物等の架橋剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、充填材、カーボンブラックやシリカ等の補強材が含まれたゴム組成物をメチルエチルケトン等の溶剤に溶かしたゴム糊である。
【0041】
ゴム被膜の付着量はアラミド心線の全量(コード本体とRFL固形分とゴム被膜を加えた重量)に対して5〜15質量%が好ましく、5質量%未満では付着量が少なくなって接着処理したアラミド心線と接着ゴム(例えば、EPDM組成物)との接着力が低下し、他方15質量%を超えると付着量が多くなり、厚みが大きくなってゴム被膜自身が破損しやすくなり接着力が低下するといった不具合が発生する。
【0042】
ゴム被膜に含まれる架橋剤(加硫剤)としては、たとえば、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系架橋剤、ラウリルメタアクリレートやメチルメタアクリレートなどのメタアクリレート系架橋剤、DAF(ジアリルフマレート)、DAP(ジアリルフタレート)、TAC(トリアリルシアヌレート)およびTAIC(トリアリルイソシアヌレート)などのアリル系架橋剤、またビスマレイミド、フェニールマレイミドまたはN,N’−m−フェニレンジマレイミドなどのマレイミド系架橋剤(マレイミドまたはマレイミド誘導体)を用いることができる。
尚、ゴム被膜を形成する材料として、ゴムと架橋剤とを含む市販の接着剤を用いてもよい。そのような接着剤としては、例えばケムロック402(ロードコーポレーション製)が挙げられる。
【0043】
(動力伝動用ベルト)
図1は上記のようにして作製したアラミド心線1を用いた動力伝動用ベルトの一例を示すものである。アラミド心線1は接着ゴム層6に埋設してベルト長手方向に沿って配置され、この接着ゴム層6の内周の伝動面側に隣接して圧縮ゴム層2を積層すると共に、接着ゴム層6の背面側に隣接して伸長ゴム層8を積層している。圧縮ゴム層2にはその内周面にV溝を切削することによって、ベルト長手方向に沿う複数本のリブ9が形成されている。図1において短繊維10は圧縮ゴム層2に含有され、ベルト幅方向に配列し、ベルトの耐側圧性を維持している。また、ベルト背面には、織物、不織布、編物などで形成される補強布(図示せず)を積層してもよい。
【0044】
上記のように形成される動力伝動用ベルトにあって、その両側面は切断したカット面となっており、この切断の際にアラミド心線1も長手方向に切断され、アラミド心線1の切断面が動力伝動用ベルトの側面に露出することになる。そしてアラミド心線1が動力伝動用ベルトの側面に露出していると、アラミド心線1のアラミド繊維フィラメントが解れた場合に、動力伝動用ベルトの側面から解れたアラミド繊維を起点としてアラミド心線がベルト側面より飛び出るポップアウトが生じ、ポップアウトしたアラミド心線が回転するプーリの軸に巻き付いてベルトが破断するなどのおそれがある。しかし、本発明のアラミド心線1は前述のようなRFL処理を行なうことによって、フィラメント同士の結束性を高め、フィラメントの解れを防ぐようにしているので、動力伝動用ベルトの側面においてアラミド心線1にホツレが発生することを防ぐことができる。
【0045】
図2は、本発明に係る動力伝動用ベルトの他の例であるローエッジVベルトを示す概略断面図である。ローエッジVベルトは、ベルト長手方向に延びる複数のアラミド心線1を埋設した接着ゴム層6と、接着ゴム層6の内周の伝動面側に隣接して圧縮ゴム層2を積層すると共に、接着ゴム層6の背面側に隣接して伸長ゴム層8を積層した横断面が台形の形状になっている。このローエッジVベルトでは、前記Vリブドベルトと比べて、圧縮ゴム層2にリブ部が形成されていない点で相違する。このローエッジVベルトは、ベルト長手方向に沿って所定の間隔をおいてコグ(凸部)を形成してもよく、また伸長ゴム層8の背面と圧縮ゴム層2の内面には、織物、不織布、編物などで形成される補強布を積層してもよい。
【0046】
前記動力伝動用ベルトでは、接着ゴム層6や圧縮ゴム層2はゴム組成物を成形して作製されるが、これらのゴム組成物のゴム成分としては、エチレン−α−オレフィンエラストマーが用いられるものである。このエチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテンなど)の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体などを用いることができる。このジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数5〜15の非共役ジエンが挙げられる。具体的にはエチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー(EPDM)などが用いられるが、EPDMがより好ましい。
【0047】
本発明の動力伝動用ベルトは、前記Vリブドベルト、ローエッジVベルトに限定されず、歯付ベルト、平ベルトなどにも利用できる。
【実施例】
【0048】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0049】
(実施例1〜6)
1670dtex(フィラメント数1000本)のアラミド繊維(帝人(株)製「テクノーラ」)からなる無撚りでリボン状に引き揃えたアラミド繊維フィラメントの束(アラミド繊維単糸という)1本を、下撚り数を3.7回/10cmで下撚り(Z撚り)した後、これを2本束ね、上撚り数を13.1回/10cmで下撚りと同じ方向に上撚り(Z撚り)し、アラミド繊維コードを作製した。
【0050】
前記アラミド繊維コードを表1に示す組成からなる固形分濃度を変えた第1のRFL液(RFL1〜6)に浸漬して、乾燥する処理をした。また浸漬は、前記アラミド繊維コードを第1のRFL液に3秒間通過させることによって行ない、加熱乾燥は230℃、1.5分間の条件で行なった。
【0051】
続いて、第1のRFL液で処理したアラミド繊維コードを表1に示す組成からなる固形分濃度を変えた第2のRFL液(RFL12〜17)に浸漬して、乾燥する処理をした。処理条件は第1のRFL液の場合と同じである。
【0052】
この後、第2のRFL処理したアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して、乾燥する処理をすることによって、アラミド心線を得た。ここで、ゴム糊として、表3に示すEPDM配合ゴム組成物をトルエンに溶解し、これにイソシアネートを添加した表2に示す組成の溶液(濃度9%)を用いた。また浸漬は、アラミド繊維コードをゴム糊に3秒間通過させることによって行ない、乾燥は170℃、1.5分間の条件で行なった。この場合、RFL固形分付着量は10質量%であった。
【0053】
(比較例1〜5)
実施例1と同じアラミド繊維単糸1本を、下撚り数を3.7回/10cmで下撚り(Z撚り)した後、これを2本束ね、上撚り数を13.1回/10cmで下撚りと同じ方向に上撚り(Z撚り)し、アラミド繊維コードを作製した。前記コードを表1に示す組成からなるRFL液(RFL7〜11)に浸漬して、乾燥する処理をした。また浸漬は、アラミド繊維単糸をRFL液に3秒間通過させることによって行ない、加熱乾燥は230℃、1.5分間の条件で行なった。次に、RFL処理したアラミド繊維コードを表1に示す組成からなる固形分濃度を変えた第2のRFL液(RFL18〜22)に浸漬して、乾燥する処理をした。処理条件は第1のRFL液の場合と同じである。
【0054】
この後、RFL処理したアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して、乾燥する処理をすることによって、アラミド心線を得た。ここで、ゴム糊として、実施例1と同様に表3に示すEPDM配合ゴム組成物をトルエンに溶解し、これにイソシアネートを添加した表2に示す組成の溶液(濃度7%)を用いた。また浸漬は、アラミド繊維コードをゴム糊に3秒間通過させることによって行ない、乾燥は170℃、1.5分間の条件で行なった。この場合、RFL固形分付着量は10質量%であった。
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
【表3】

【0058】
【表4】

【0059】
上記の実施例1〜6及び比較例1〜5で得たアラミド心線について、耐ホツレ試験、屈曲疲労試験、そして剥離試験(接着力試験)を以下のようにして行なった。その結果を上記の表5に示す。
【0060】
(ホツレ試験)
アラミド心線のホツレ性を評価するため、次の方法でVリブドベルトを作製した。まず、表面が平滑な円筒状の成形モールドの外周に、1プライのゴム付綿帆布を巻き付け、その外側に表5のゴム組成物の未加硫の接着ゴム用シートを巻き付けた。次にこの接着ゴム層用シートの上からアラミド心線をスピニングして巻き付け、さらにこの上に表4のゴム組成の未加硫接着ゴム層用シート及び未加硫の圧縮ゴム層用シートをこの順に巻き付けた。この後、圧縮ゴム層用シートの外側に加硫用ジャケットを配置した状態で、成形モールドを加硫缶に入れて加硫した。そして加硫して得られた筒状の加硫ゴムスリーブを成形モールドから取り出し、加硫ゴムスリーブの圧縮ゴム層をグラインダーによりV溝状に研削することによって複数のリブを形成した後、加硫ゴムスリーブを輪切りするようにカッターで周方向に切断することによって、Vリブドベルト(図1参照)に仕上げた。
【0061】
上記のように作製したVリブドベルトについて、カッターで周方向に切断したベルト側面に露出するアラミド心線を手で擦り、目視でホツレの有無やその程度を調べるホツレ試験をした。そして露出したアラミド心線を強く擦ってもホツレが発生しない場合を「◎」、ホツレは発生するが微少である場合を「○」、ホツレが大きく発生する場合を「△」、カッターで切断した時点で既にホツレが発生している場合を「×」と評価し、評価が「○」以上の場合を良好と判定した。
【0062】
(屈曲疲労試験)
屈曲疲労試験用の試験片を次のようにして作製した。まず表4に示す組成の未加硫のEPDM配合ゴムシート(厚み0.5mm)を円筒状の金型に巻き付け、この上にアラミド心線をスパイラル状に巻き付けた後、さらにこの上に同じ未加硫のEPDM配合ゴムシート(厚み0.5mm)を巻き付け、これにジャケットを被せて加熱することよって加硫し、加硫ゴムスリーブを作製した。そしてアラミド心線が2本埋設され、且つカットした側面にアラミド心線が露出しないように加硫ゴムスリーブを周方向にカッターでカットし、幅3mm、長さ50cm、厚み1.5mmの試験片を作製した。
【0063】
屈曲疲労試験は、図3(b)に示すように、上下に配置した一対の円柱形の回転バー(直径30mm)12a,12bに上記のように作製した試験片13を屈曲させて巻き掛け、試験片13の一端をフレーム14に固定すると共に試験片13の他端に2kgの荷重15をかけ、一対の回転バー12a,12bを相対距離を一定に保ったまま、上下方向に300000回往復(ストローク:100mm、サイクル:100回/分)させることによって、回転バー12a,12bへの試験片13の巻き付け・巻き戻しを繰り返し、屈曲疲労させた。そしてオートグラフ((株)島津製作所製「AGS−J10kN」)を用いて、この屈曲後の試験片を引張速度50mm/minの条件で引張り、試験片の破断時の強力を測定した。一方、屈曲前の試験片の破断時の強力を予め測定しておき、
強力保持率(%)=(屈曲後の強力/屈曲前の強力)×100
の式から強力保持率を算出した。そして強力保持率が60%以上であれば「◎」、40%以上60%未満であれば「○」、20%以上40%未満であれば「△」、20%未満であれば「×」と評価し、評価が「○」以上であれば耐屈曲疲労性は良好と判定した。
【0064】
(剥離試験)
表5に示す組成の未加硫のEPDM配合ゴムシート(厚み4mm)の一方の面に、長さ150mmのアラミド心線を25mm幅となるように複数本平行に揃えて並べ(図3(a)にアラミド心線1を平行に揃えて並べた状態を示す)、EPDM配合ゴムシートの他方の面に帆布を重ねて、プレス板で0.2MPa(2kgf/cm)の圧力をかけてプレスし、さらに160℃で30分間加熱して加硫することによって、剥離試験用の短冊試験片(幅25mm、長さ150mm、厚み4mm)を作製した。この試験片を用いて、JIS K6256に準拠して、引張速度50mm/minで剥離試験を行ない、アラミド心線とゴムとの接着力(加硫接着力)を室温雰囲気下で測定した。そして接着力が500N以上であれば「◎」、400N以上550N未満であれば「○」、250N以上400N未満であれば「△」、250N未満であれば「×」と評価し、評価が「○」以上であれば接着性は良好と判定した。
【0065】
【表5】

【0066】
表5にみられるように、実施例1〜6のアラミド心線は、所定の固形分添加量のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む第1のRFL処理液と、同じ組成をもつ第2のRFL液を使用し、第2のRFL液の固形分濃度を第1のRFL処理液より小さくすることにとって、ホツレ性、屈曲疲労性、そして接着性に優れていることが判る。
【0067】
一方、比較例1のアラミド心線では、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含まない第1と第2のRFL処理液で処理されているため、ホツレが発生しやすくなり、比較例2のアラミド心線では、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型を使用しているために、ホツレが発生しやすく、屈曲疲労性、接着性に劣っていることが判る。比較例3のアラミド心線では、ラテックスとしてスチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体(Vp)を使用した場合、RFL液が凝固し、処理液の濃度が不均一になり均一な接着処理が出来ない問題が発生した。比較例4のアラミド心線では、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分添加量が少ないために、耐屈曲疲労性が良好であるが、ホツレが発生しやすくて接着性に劣っており、逆に比較例5のアラミド心線では、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分添加量が多いために、ホツレ性と接着性に優れているが、耐屈曲疲労性が悪いことが判る。
【0068】
以上の結果から、所定の固形分添加量のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を含む第1のRFL処理液と、同じ組成をもつ第2のRFL液を使用し、第2のRFL液の固形分濃度を第1のRFL処理液より小さくすることにより、アラミド心線とゴムとの接着性を高く維持して、心線のホツレを防止し、そして耐屈曲疲労性を改善することができるものである。
【符号の説明】
【0069】
1 心線
2 圧縮ゴム層
6 接着ゴム層
8 伸長ゴム層
9 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撚りをかけて形成されるアラミド繊維コードからなるアラミド心線であり、前記アラミド繊維コードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をレゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液に浸漬して乾燥させる工程と、さらに前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液より小さい第2のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で処理をした工程と、前記処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程と、を経て作製されてなることを特徴とするアラミド心線。
【請求項2】
前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液の固形分濃度が10〜30質量%であり、前記第2のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液の固形分濃度が2〜7質量%である請求項1記載のアラミド心線。
【請求項3】
ゴム中に心線としてアラミド心線を埋設し、ベルト側面を露出させた動力伝動用ベルトであり、前記アラミド心線がアラミド繊維フィラメント群からなる原糸を撚糸したコードを、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の固形分質量をレゾルシン・ホルマリン・ラテックスの固形分質量1に対して0.2〜0.4の割合で混合した第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液に浸漬して乾燥させる工程と、さらに前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液と同じ組成であって、固形分濃度が前記第1のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液より小さい第2のレゾルシン・ホルマリン・ラテックス液で処理をした工程と、前記処理をしたアラミド繊維コードをゴム糊に浸漬して乾燥させる工程とを経て作製されてなることを特徴とする動力伝動用ベルト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−83027(P2013−83027A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228389(P2011−228389)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】