説明

アリスキレンモノフマル酸塩及びその製造方法

本発明は、新規のフマル酸塩化合物であるアリスキレンモノフマル酸塩及びその製造方法を提供する。また、本発明は、アリスキレンモノフマル酸塩を含む医薬組成物、及び、高血圧治療にアリスキレンモノフマル酸塩を使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法§119(e)の下で2008年5月23日に出願された米国特許仮出願番号第61/055,785号に基づく利益を主張する。この米国仮出願の内容は本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、アリスキレン(aliskiren)の新規なモノフマル酸塩化合物(monofumarate compound)、及び当該化合物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アリスキレンヘミフマル酸塩(Aliskiren hemifumarate)[CAS登録番号:173334−58−2]は、化学名(2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマル酸塩[C305336・0.5C444]であり、下記構造を有する。
【化1】

【0004】
本化合物は高血圧治療に適応されており、レニン阻害剤として機能し、ノバルティスから1日1回投与製剤TEKTURN A(登録商標)として販売されている。アリスキレン及び関連化合物の合成については米国特許第5,559,111号を、アリスキレン及びその関連化合物の薬理作用、薬物動態、及び治療研究についてはLindsay, K.B. et al, J Org. Chem., Vol. 71, pp 4766-4777 (2006) and in Drugs of the Future, Vol. 26, No. 12, pp 1139-1148 (2001)を参照されたい。
【0005】
米国特許第5,559,111号は、エタノール/アセトニトリルの体積比1対19の混合物から結晶化を行い、引き続き60℃で乾燥することによる、融点約95〜104℃のアリスキレンヘミフマル酸塩の結晶形の調製について述べる。
【0006】
米国特許第6,730,798号は、エタノール/アセトニトリル中での、アリスキレン塩基(aliskiren base)及びフマル酸からのアリスキレンヘミフマル酸塩の製造に言及する。米国出願公開第2006/0154926号(US’926)には、アリスキレン塩酸塩(aliskiren hydrochloride)の製造が記載されている。US’926には、アリスキレン塩酸塩からのアリスキレンヘミフマル酸塩の製造についても記載されている。
【0007】
国際公開第2007/107317号パンフレットには、結晶性の硫酸水素アリスキレン(aliskiren hydrogen-sulfate)の製造が記載されている。
【0008】
国際公開第2007/098503号パンフレットには、結晶性アリスキレン硝酸塩(aliskiren nitrate)の製造が記載されている。
【0009】
国際公開第2008/055669号パンフレットには、結晶性のアリスキレンオロチン酸塩(aliskiren orotate)の製造が記載されている。
【0010】
医薬的に有用な化合物の新しい形態の発見は、医薬品の性能特性を向上させる機会となる。これにより、例えば標的化放出プロファイルや他の所望の特性を有する医薬剤型等の設計において、製剤科学者が使用できる材料のレパートリーが広がる。当業界では、医薬的に有用なアリスキレン化合物の新しい形態に対するニーズがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はアリスキレンモノフマル酸塩(一フマル酸塩)に関する。
一実施態様によれば、本発明は単離された、好ましくは固形の、アリスキレンのモノフマル酸塩化合物を提供する。
【0012】
本発明は更に、非晶質形(amorphous form)の上記アリスキレンのモノフマル酸塩化合物を提供する。
【0013】
また、本発明は、アリスキレンモノフマル酸塩を製造する方法であって、
(a)アリスキレンヘミフマル酸塩及びフマル酸をC1−C4アルコール中に含む第1の溶液を用意する工程、
(b)溶媒を除去して固体を得る工程、
(c)工程(b)の固体をアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物と混合し、第2の溶液を得る工程、及び、
(d)工程(c)の第2の溶液から更に溶媒を除去し、アリスキレンモノフマル酸塩を得る工程、を含んでなる方法を提供する。
本発明の方法により得られるアリスキレンモノフマル酸塩は、好ましくは非晶質形である。
【0014】
本発明は更に、1)上述のアリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1の医薬的に許容される賦形剤とを含む医薬組成物、及び、2)上述のアリスキレンモノフマル酸塩の、高血圧の治療に有効な医薬組成物の製造における使用、に関する。
【0015】
本発明の医薬組成物は固形、非固形いずれの形態であってもよい。上記医薬組成物が非固形である場合も、例えば懸濁物、発泡体、軟膏等のように、非固形の医薬組成物中にアリスキレンモノフマル酸塩が固体として存在していてもよい。
【0016】
上記医薬組成物は、上述のアリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤との混合を含む方法で調製することができる。アリスキレンモノフマル酸塩は、本明細書に記載される、本発明の任意の方法で得ることができる。
【0017】
上記医薬組成物を用いて、錠剤、パウダー、カプセル、座薬、小袋(sachet)、トローチ、及びドロップ(lozenge)など、適当な剤型を作製することができる。
【0018】
本発明のアリスキレンモノフマル酸塩は、特に医薬組成物及び剤型の形態で、治療有効量を人間等の哺乳動物に投与することにより、人間等の哺乳動物の高血圧治療に使用することができる。治療有効量、又は使用すべき適切な投薬量は、投与方法、バイオアベイラビリティ、年齢、性別、患者の症状及び健康状態、治療を要する病状の重篤性等に基づき、当業者によって決定される。
【0019】
上述の任意の医薬組成物に使用されるアリスキレンモノフマル酸塩は、好ましくは固形であり、最も好ましくは非晶質形である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は非晶質アリスキレンモノフマル酸塩の粉末XRDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
アリスキレン等の医薬品原薬(API)の固体物性は、当該APIの商業利用性に影響を与える。固体物性としては、粉砕固体の流動性が挙げられる。流動性は、医薬品加工時の材料の扱い易さに影響する。粉末状化合物の粒子が容易に流動し得ない場合、処方専門家はこの事実を考慮して錠剤やカプセル処方の開発を行わなければならない。これにより、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、でんぷん、三塩基性リン酸カルシウム等の流動促進剤の利用が必要となる場合がある。
【0022】
医薬品の別の重要な固体特性は、水性流体中での溶解速度である。有効成分の患者の胃中での溶解速度は、経口投与した有効成分が患者の血流に達するであろう速度上限を規定するため、治療の結果に影響する場合がある。溶解速度はまた、シロップ、エリキシル剤及び他の液状薬剤の製剤においても考慮すべき点である。化合物の固体形態は、圧密挙動や貯蔵安定性にも影響を与える場合がある。
【0023】
これらの実用物理特性は、物質の個々の形態を定義付ける、単位格子中の分子のコンフォメーション及び配向の影響を受ける。非晶質形が示す熱的挙動は、結晶多形とは異なる場合がある。ある特定の形態が、粉末X線結晶解析、固体C−NMR分光法及び赤外分光法によって検出可能な、独自の分光学的特性を示す場合もある。アリスキレンを固体状態で得るための条件の制御が、アリスキレンの固体物性に影響を与える場合もある。
【0024】
本発明は、アリスキレン遊離塩基に比べて水への溶解性が上昇した、固形アリスキレンモノフマル酸塩化合物を提供する。溶解性が上昇することで、薬物が患者に投与された場合のバイオアベイラビリティが向上し、これによって必要な投薬量を減少させることができる。本発明の一実施態様はアリスキレンモノフマル酸塩の非晶質形であり、これはアリスキレン遊離塩基に比べて容易に溶解する。
【0025】
本明細書において「アリスキレンモノフマル酸塩」という語は、別途定義する場合を除き、アリスキレン塩基とフマル酸とが約1:1のモル比で存在するアリスキレン化合物を指す。
【0026】
本明細書において「室温」という語は、約15℃から約30℃の温度を指す。
【0027】
本明細書中において「単離された」という語は、化合物が物理的に反応混合物から分離されることを指す。例えば、分離は、化合物をHPLCカラムから溶離し、更に乾燥することによって行うことができる。好ましくは、本発明の一実施態様によるアリスキレンモノフマル酸塩は、アリスキレン遊離塩基(aliskiren free base)を1%未満、より好ましくは0.5%未満、最も好ましくは実質的に含まない(例えば0.05%未満)。本発明の一実施態様によるアリスキレンモノフマル酸塩は、アリスキレンヘミフマル酸塩を好ましくは1%未満、より好ましくは0.5%未満、最も好ましくは実質的に含まない(例えば、0.05%未満)。好ましくは、本発明によるアリスキレンモノフマル酸塩は、アリスキレンヘミフマル酸塩を0.5%未満、かつアリスキレン遊離塩基を0.5%未満含み、及び、より好ましくは、遊離塩基及びヘミフマル酸塩形のものを共に実質的に含まない(例えば、0.05%未満)。これらの実施態様の何れにおいても、アリスキレンモノフマル酸塩は、以下の何れかの実施態様に記載する非晶質形であることが好ましい。
【0028】
本明細書中では、「減圧」は、大気圧より低い圧、すなわち1気圧より低い圧を指す。
【0029】
アリスキレンモノフマル酸塩を分析すれば生成物の特性を特定し得る。非晶状態のアリスキレンモノフマル酸塩のX線粉末回折パターンは、アリスキレンモノフマル酸塩の結晶形に特徴的なピークは示さず、非晶状態にある生成物の特性を示す。結晶形に特徴的なピークの存在は、アリスキレンモノフマル酸塩の結晶形の存在を示すことになる。
【0030】
一実施態様では、本発明はアリスキレンモノフマル酸塩を提供する。
【0031】
本発明のアリスキレンモノフマル酸塩は、化学名モノフマル酸(2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドで表され、また、下記の分子構造で表わされる。
【化2】

【0032】
他の実施態様によれば、本発明は単離されたアリスキレンモノフマル酸塩を提供する。
【0033】
更に他の実施態様によれば、本発明は固体のアリスキレンモノフマル酸塩を提供する。
【0034】
一実施態様によれば、本発明は図1で表わされるX線粉末回折パターンにより特徴付けられる、非晶質アリスキレンモノフマル酸塩を提供する。
【0035】
上記アリスキレンモノフマル酸塩は、アリスキレンヘミフマル酸塩及びフマル酸をC1−C4アルコール中に含む第1の溶液を用意し、溶媒を除去して固体を得、上記固形物をアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物と混合して第2の溶液を得、第2の溶液から更に溶媒を除去し、アリスキレンモノフマル酸塩を得ること、を含んでなる方法で調製することができる。溶媒の除去は、好ましくは蒸発により、より好ましくは減圧下の蒸発により行われる。
【0036】
上記方法で得られるアリスキレンモノフマル酸塩は、好ましくは非晶質形である。
【0037】
アリスキレンヘミフマル酸塩出発物質は、本明細書に援用される米国特許第6,730,798号及び5,559,111号等に記載の、本技術分野で既知の任意の方法で調製することができる。アリスキレンヘミフマル酸塩の出発物質は、何れの結晶形であってもよく、非晶質形であってもよい。
【0038】
好ましくは、第1の溶液は、アリスキレンヘミフマル酸塩、フマル酸、及びメタノールを混合することで得られる。第1の溶媒中で使用されたフマル酸とアリスキレンヘミフマル酸塩のモル比は、好ましくは、フマル酸対アリスキレンヘミフマル酸塩1:2からである。好ましくは、フマル酸対アリスキレンヘミフマル酸塩のモル比は約1:2から1.5:2、より好ましくは約1:2から約1.2:2、又は1:2から約1.1:2、及び、最も好ましくは、約1.05:2から約1:2である。特に好ましくは、フマル酸対アリスキレンヘミフマル酸塩のモル比は約1:2である。
【0039】
第1溶液は室温程度から溶媒の還流温度程度の温度で得ることができる。好ましくは、室温程度で得ることができる。より好ましくは、約15℃から約25℃、更に好ましくは約20℃から約25℃で得ることができる。
【0040】
第2溶液のアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物におけるアセトニトリルとC1−C4アルコールとの比は、好ましくは約80:20から約98:2(v/v)である。より好ましくは、約90:10から約98:2(v/v)、更により好ましくは約95:5(v/v)である。第2溶液で使用されるC1−C4アルコールは、好ましくはメタノール、エタノール、又はイソプロピルアルコール(IPA)である。アルコールとしては、より好ましくはメタノール又はエタノール、最も好ましくはエタノールが使用される。
【0041】
また、第1溶液はアリスキレン遊離塩基、フマル酸及びメタノールの組合せで得てもよい。第1溶液で用いられるフマル酸とアリスキレン遊離塩基のモル比は、好ましくは、フマル酸対アリスキレン遊離塩基1:1からである。好ましくは、フマル酸とアリスキレン遊離塩基のモル比は約1:1から約1.5:1、より好ましくは約1:1から約1.2:1、又は1:1から約1.1:1、及び最も好ましくは約1:1から約1.05:1である。特に好ましくは、フマル酸とアリスキレン遊離塩基のモル比は約1:1である。
【0042】
アリスキレン遊離塩基物質は、例えば米国特許第6,730,798号や5,559,111号等に記載の、この技術分野で既知の任意の方法で得ることができる。
【0043】
溶媒の除去は、例えば溶媒の蒸発等、任意の既存の方法によって行うことができる。好ましくは、蒸発は減圧下で行われる。
【0044】
上述の方法に使用される非晶質アリスキレンヘミフマル酸塩は、2008年11月13日出願の国際特許出願PCT/US2008/012816に記載された任意の方法によって得ることができる。
【0045】
本発明は更に、1)上述のアリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1の医薬的に許容される賦形剤とを含んでなる医薬組成物、及び、2)上述のアリスキレンモノフマル酸塩を、高血圧の治療に有効な医薬組成物の製造に使用すること、に関する。
【0046】
本発明の医薬組成物は固形、非固形いずれの形態であってもよい。上記医薬組成物が非固形である場合も、例えば懸濁物、発泡体、軟膏等のように、非固形の医薬組成物中にアリスキレンモノフマル酸塩が固体として存在していてもよい。
【0047】
上記医薬組成物は、上述のアリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤との混合を含む方法で調製することができる。アリスキレンモノフマル酸塩は、本明細書に記載される、本発明の任意の方法で得ることができる。
【0048】
上記医薬組成物を用いて、錠剤、パウダー、カプセル、座薬、小袋(sachet)、トローチ、及びドロップ(lozenge)など、適当な剤型を作製することができる。
【0049】
特に医薬組成物及び剤型中の本発明のアリスキレンモノフマル酸塩は、治療有効量を人間などの哺乳動物に投与することにより、人間などの哺乳動物の高血圧治療に使用することができる。治療有効量、又は使用すべき適切な投薬量は、投与方法、バイオアベイラビリティ、年齢、性別、患者の症状及び健康状態、治療を要する病状の重篤性等に基づき、当業者によって決定される。
【0050】
任意の上述の医薬組成物に使用されるアリスキレンモノフマル酸塩は、好ましくは固形であり、最も好ましくは非晶質形である。
【0051】
本発明を特定の好ましい実施態様及び実施例に即して説明したが、当業者であれば理解するように、本明細書に説明又は例示された発明に対して、開示された発明の趣旨及び範囲を逸脱しない限りにおいて変更を加えてもよい。実施例は発明の理解を助けるためのものであり、発明の範囲を制限することを意図するものではなく、決して制限するものと解釈してもならない。
【実施例】
【0052】
粉末XRD(X線回折)
ARLX線粉末解析装置の、ペルチェ検出器及び丸型ゼロバックグラウンドシリコンプレート付丸型標準アルミサンプルホルダー付の、モデルX’TRA−030を使用した。カソードはCuKa線;λ=1.5418Å。走査パラメータ:範囲:2−40°.2、連続走査、速度:3度/分。計測やサンプル調整など実験誤差により、ピーク位置の精度は+/−0.2となる。
【0053】
実施例1
アリスキレンヘミフマル酸塩非晶体(300mg、0.5mmol)及びフマル酸(29mg、0.25mmol)をメタノール5mlに溶解し、室温で撹拌した。真空中でメタノールを蒸発させた後、生成物をアセトニトリル/エタノール混合物(95:5)(5ml)に溶解し、溶媒を真空中で蒸発させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式
【化1】

を有するアリスキレンモノフマル酸塩、モノフマル酸(2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミド。
【請求項2】
単離されてなる、請求項1記載のアリスキレンモノフマル酸塩。
【請求項3】
固体である、請求項1又は2記載のアリスキレンモノフマル酸塩。
【請求項4】
非晶質形である、請求項1〜3の何れかに記載のアリスキレンモノフマル酸塩。
【請求項5】
図1のX線粉末回折パターンによって特徴づけられる、請求項4記載の非晶質アリスキレンモノフマル酸塩。
【請求項6】
アリスキレンモノフマル酸塩を製造する方法であって、
(a)アリスキレンヘミフマル酸塩及びフマル酸をC1−C4アルコール中に含む第1の溶液を用意する工程、
(b)溶媒を除去して固体を得る工程、
(c)工程(b)の固体をアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物と混合し、第2の溶液を得る工程、及び、
(d)工程(c)の第2の溶液から更に溶媒を除去し、アリスキレンモノフマル酸塩を得る工程、を含んでなる方法。
【請求項7】
得られたアリスキレンモノフマル酸塩が非晶質形である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
工程(a)のフマル酸とアリスキレンヘミフマル酸塩とのモル比が1:2である、請求項6又は7記載の方法。
【請求項9】
工程(a)のC1−C4アルコールがメタノールである、請求項6〜8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
第1溶液が室温程度から還流温度程度で得られる、請求項6〜9の何れかに記載の方法。
【請求項11】
工程(c)のアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物におけるアセトニトリルとC1−C4アルコールとの比が、約80:20から約98:2(v/v)である、請求項6〜10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
工程(c)のアセトニトリル/C1−C4アルコール混合物におけるアセトニトリルとC1−C4アルコールとの比が、95:5(v/v)である、請求項6〜11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
工程(c)のC1−C4アルコールがエタノール、メタノール、又はイソプロピルアルコールである、請求項6〜12の何れかに記載の方法。
【請求項14】
工程(c)のC1−C4アルコールがエタノールである、請求項6〜13の何れかに記載の方法。
【請求項15】
溶媒が蒸発除去される、請求項6〜14の何れかに記載の方法。
【請求項16】
蒸発が減圧下で行われる、請求項6〜15の何れかに記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜5の何れかに記載のアリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1の医薬的に許容される賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
【請求項18】
非晶質アリスキレンモノフマル酸塩と、少なくとも1の医薬的に許容される賦形剤とを含んでなる、請求項17記載の医薬組成物。
【請求項19】
アリスキレンモノフマル酸塩含有医薬組成物を製造する方法であって、請求項1〜5の何れかに記載のアリスキレンモノフマル酸塩を、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤と混合することを含んでなる方法。
【請求項20】
アリスキレンモノフマル酸塩が請求項6〜16の何れかに記載の方法で得られる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
アリスキレンモノフマル酸塩が非晶質形である、請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
請求項1〜5の何れかに記載のアリスキレンモノフマル酸塩の使用であって、好ましくは高血圧治療用の、薬剤の製造における使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−520984(P2011−520984A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−510722(P2011−510722)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【国際出願番号】PCT/US2009/044975
【国際公開番号】WO2009/143423
【国際公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】