説明

アリールスルホンアミジルテトラリン誘導体及びそれらの使用

式(I)(式中、Ar、X、m、R、Rは明細書に定義したとおりである)の化合物又は薬学的に許容しうるその塩。また、式(I)の化合物を、製造する方法、含有する組成物、及び5−HT6介在疾患の処置のために使用する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アリールスルホンアミジルテトラリン、すなわち、テトラヒドロナフタレン化合物、ならびに関連組成物、製造方法、及び医薬の製造のためのそれらの使用に関するものである。
【0002】
本発明は、式I:
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、
mは、0〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
Xは、−SO2−NRG−又は−NRG−SO2−(ここで、RGは、水素又はアルキルであるか;あるいはRGは、Arに結合するアルキレン橋架けを形成する)であり;
各々のR1は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Rfは、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、式:
【0005】
【化2】

【0006】
であり;
nは、1〜3であり;
3及びR4は、各々独立に、水素又はアルキルであるか、あるいはR3及びR4は、一緒になって、=O又は=NRf(Rfは、水素又はアルキルである)を形成し;
5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールであるか;あるいは
5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、ウレア基、グアニジニル基、又は場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル環を形成しうるか;あるいは
5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとが、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員の環を形成しうる]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0007】
本発明は、また、製造方法、使用方法、及び上記化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0008】
脳内の主要な調節性神経伝達物質としての5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)の作用は、5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6、及び5−HT7と名付けられた多数の受容体ファミリーを通して媒介される。脳内の5−HT6受容体mRNAの高いレベルに基づいて、5−HT6受容体は、中枢神経系障害の病理及び処置において役割を果たしうるということが述べられている。特に、5−HT2選択的リガンド及び5−HT6選択的リガンドは、パーキンソン病、ハンチントン病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の増強)、睡眠障害、摂食障害、例えば、拒食症、過食症及び肥満、パニック発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類のような薬物乱用からの禁断症状、統合失調症、ならびにまた、脊髄外傷及び/又は水頭症のような頭部損傷に関連した障害のようなある種のCNS障害の処置において有用である可能性があることが確認されている。そのような化合物は、機能性腸障害のようなある種の胃腸(GI)障害の処置においても使用しうると予想される。例えば、B. L. Roth et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1994, 268, pages 1403-14120、D. R. Sibley et al., MoL Pharmacol, 1993, 43, 320-327、A. J. Sleight et al., Neurotransmission, 1995, 11, 1-5、及びA. J. Sleight et al., Serotonin ID Research Alert, 1997, 2(3), 115-8を参照のこと。
【0009】
5−HT6及び5−HT2Aのモジュレーターはいくつか開示されているが、5−HT6受容体、5−HT2A受容体、又はその双方の調節に有用な化合物が、引き続き必要とされている。
【0010】
本発明は、アリールスルホンアミジルテトラリン又はテトラヒドロナフタレン化合物、関連組成物、治療剤としての使用方法、調製方法、及び医薬を製造するためのそれらの使用を提供する。
【0011】
この開示において引用された全ての刊行物は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0012】
定義
特記しない限り、明細書及び特許請求の範囲を含む本出願において使用される以下の用語は、下記の定義を有している。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」には、文脈から明白に別に示される場合を除いて、複数の対象物が含まれることに注意されたい。
【0013】
「アゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の活性を増強する化合物をさす。
【0014】
「アンタゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の作用を減少又は阻止する化合物をさす。
【0015】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有している、炭素原子及び水素原子のみからなる、一価の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基(すなわち、C1−C6アルキル)をさす。アルキル基の例として、以下に限定はされないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル等が挙げられる。
【0016】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン等を意味する。
【0017】
「アルケニレン」は、2〜6個の炭素原子の直鎖状不飽和二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素基、例えば、エテニレン(−CH=CH−)、2,2−ジメチルエテニレン、プロペニレン、2−メチルプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等を意味する。
【0018】
「アルキルカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0019】
「アルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルキルカルボニルである)の基を意味する。
【0020】
「アルキルスルホニル」は、基−SO2−R(式中、Rは本明細書において定義されるアルキルである)を意味する。
【0021】
「アルキルスルホニルアルキル」は、基−R−SO2−R’(式中、R’はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)を意味する。
【0022】
「アルキルスルホニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルキルスルホニルアルキルである)の基を意味する。
【0023】
「アルキルスルホンアミドアルキル」は、式−R−NR’−SO2−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0024】
「アルコキシ」は、基−OR(式中、Rは本明細書において定義されるアルキルである)を意味する。アルコキシ部分の例として、以下に限定はされないが、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等が挙げられる。
【0025】
「アルコキシカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるアルコキシである)の基を意味する。
【0026】
「アルコキシカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルコキシカルボニルである)の基を意味する。
【0027】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、R’はアルコキシであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0028】
「アルコキシカルボニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルコキシカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0029】
「アルコキシアルキル」は、式−R−OR’(式中、R’はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基である。
【0030】
「アルコキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアルコキシアルキルである)の基を意味する。
【0031】
「アミノ」は、基−NRR’(式中、R及びR’は、各々独立に、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)を意味する。したがって、「アミノ」としては、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」が挙げられる。
【0032】
「アミジニル」は、式:
【0033】
【化3】

【0034】
(式中、各々のRは、独立に、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。「N−シアノアミジニル」は、式:
【0035】
【化4】

【0036】
(式中、R’はシアノであり、Rは、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0037】
「アミノスルホニル」は、基−SO2−R(式中、Rは−NR’−であり、R’は水素又は本明細書において定義されるアルキルである)を意味する。
【0038】
「アミジニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はアミジニルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)を意味する。
【0039】
「アミノアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)を意味する。「アミノアルキル」としては、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどが挙げられる。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1回又は2回置換されて、それぞれ「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」を与え得る。「アルキルアミノアルキル」としては、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどが挙げられる。「ジアルキルアミノアルキル」としては、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどが挙げられる。
【0040】
「アルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、R’は水素又はアルキルであり、R”はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。「ジアルキルアミノアルキル」は、アルキルアミノアルキル(式中、R’はアルキルである)である。
【0041】
「アミノカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるアミノである)の基を意味する。
【0042】
「アミノカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0043】
「アミノカルボニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアミノカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0044】
「アミノアルキルカルボニル」は、式−C(O)−R−R’(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0045】
「アミノアルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアミノカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0046】
「アミノスルホンアミドアルキル」は、式−R−NR’−SO2−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるアミノである)の基を意味する。
【0047】
「アリール」は、単環式、二環式、又は三環式の芳香環からなる一価の環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書において定義されるように、場合により置換されていることができる。アリール部分の例としては、以下に限定はされないが、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等が、それらの部分的に水素化された誘導体も含めて、挙げられる。好ましいアリールは、フェニル及びナフチルであり、より好ましくはフェニルである。好ましい、場合による置換基は、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、及びシアノである。最も好ましい、場合による置換基は、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、メタンスルホニル及びシアノである。
【0048】
「アリーレン」は、二価のアリール基(式中、アリールは、本明細書において定義されるものである)を意味する。「アリーレン」としては、例えば、o−、m−及びp−フェニレン(それぞれ、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン及び1,4−フェニレン)が挙げられ、これらは、本明細書において定義されるように、場合により置換されていてもよい。
【0049】
交換可能に使用されうる「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、基−R−R’(式中、Rはアルキレン基であり、Rは本明細書において定義されるアリール基である)を意味し;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル等が、アリールアルキルの例である。
【0050】
「シクロアルキル」は、単環式又は二環式の環からなる飽和炭素環式部分を意味する。好ましくは、シクロアルキルは、3〜7員の飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、特に示されない限り、各々の置換基が独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである、1個以上の置換基で場合により置換されていることができる。シクロアルキル部分の例としては、以下に限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が、それらの部分不飽和誘導体、例えばシクロヘキセニル、シクロペンテニル等も含めて、挙げられる。
【0051】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R−R’(式中、Rはアルキレンであり、R’は本明細書において定義されるシクロアルキルである)の部分を意味する。
【0052】
「グアニジニル」は、式:
【0053】
【化5】

【0054】
(式中、各々のRは、独立に、水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、又はフェニルであり、R”は水素、アルキル又はシアノである)の基を意味する。「グアニジニル」のフェニル部分は、本明細書において定義されたように、場合により置換されていてもよい。「N−シアノグアニジニル」は、グアニジニルについての式中のR”がシアノであることを意味する。
【0055】
「グアニジニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はグアニジニルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)である。
【0056】
「グアニジニルカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、R’はグアニジニルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0057】
「ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル基の結合している点が炭素原子を介してであるという理解のもとで、1、2又は3個の水素原子が−ORii、−NRiiiiv、及びS(O)zv(式中、zは0〜2の整数である)よりなる群から独立に選択される置換基に置き換えられた、本明細書において定義されるアルキル基を意味する(式中、Riiは水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;Riii及びRivは互いに独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;かつ、zが0である場合、Rvは水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、かつzが1又は2である場合、Rvはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)。代表的な例としては、以下に限定はされないが、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等が挙げられる。
【0058】
「ヘテロアリール」は、ヘテロアリール基の結合している点が芳香環上にあるという理解のもとで、N、O、又はSより選択された1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCである芳香環を少なくとも1つ有している5〜12個の環原子の単環式又は二環式の一価基を意味する。ヘテロアリール環は、本明細書において定義されるように場合により置換されうる。ヘテロアリール部分の例としては、以下に限定はされないが、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピリジニル、ピリダジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等が、それらの部分的に水素化された誘導体も含めて、挙げられる。前記のヘテロアリール部分は、部分的に飽和されていてもよい。したがって、「ヘテロアリール」として、「イミダゾリニル」、テトラヒドロピリミジニル等が挙げられる。
【0059】
「ヘテロアリーレン」は、二価のヘテロアリール基(式中、ヘテロアリールは、本明細書において定義されるものである)を意味する。「ヘテロアリーレン」は、場合により本明細書において定義されるように置換されていてもよい。「ヘテロアリーレン」としては、例えば、インドリレン、ピリミジニレン等が挙げられる。
【0060】
「ヘテロアリールアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるヘテロアリールである)の基を意味する。
【0061】
交換可能に使用されうる「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、置換基、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードをさす。
【0062】
「ハロアルキル」は、1つ以上の水素が同一の又は異なるハロゲンに置き換えられた本明細書において定義されるアルキルを意味する。例としてのハロアルキルとして、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、パーフルオロアルキル(例えば、−CF)等が挙げられる。
【0063】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子がN、NH又はN−アルキルであり、かつ残りの環原子がアルキレン基を形成している、飽和環を意味する。
【0064】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3又は4個の(窒素、酸素又は硫黄より選択された)ヘテロ原子が組み込まれている、1〜3個の環からなる一価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書において定義されるように、場合により置換されうる。ヘテロシクリル部分の例としては、以下に限定はされないが、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等が、それらの部分的に不飽和化された誘導体も含めて、挙げられる。
【0065】
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシで1、2又は3回置換されている、本明細書において定義されるアルキル基を意味する。
【0066】
「ヒドロキシアルキルカルボニル」は、式−C(O)−R−OH(式中、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)の基を意味する。
【0067】
「ヒドロキシアルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるヒドロキシアルキルカルボニルである)の基を意味する。
【0068】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるヒドロキシアルキルである)の基を意味する。
【0069】
「イミダゾリニル」は、式:
【0070】
【化6】

【0071】
の基、より好ましくは、式:
【0072】
【化7】

【0073】
の基を意味する(式中、Rは、水素又はアルキルである)。「イミダゾリニル」は、「4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル」と互換的に使用しうる。
【0074】
「イミダゾロニル」は、式:
【0075】
【化8】

【0076】
の基、より好ましくは、式:
【0077】
【化9】

【0078】
の基を意味する(式中、Rは、水素又はアルキルである)。
【0079】
「イミダゾロニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるイミダゾロニルである)の基を意味する。
【0080】
「イミダゾリニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’は本明細書において定義されるイミダゾリニルであり、Rはアルキレンである)を意味する。
【0081】
「イミダゾリニルアミノアルキル」は、基−R−R’−R”(式中、R”は本明細書において定義されるイミダゾリニルであり、R’はアミノであり、Rはアルキレンである)を意味する。「イミダゾリニルアミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで場合により置換されていてもよい。
【0082】
「イミダゾリルカルボニル」は、式:
【0083】
【化10】

【0084】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0085】
「イミダゾリニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0086】
「イミダゾリルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又は本明細書において定義されるアルキルであり、R”はイミダゾリルである)の基を意味する。
【0087】
「イミダゾリニルアルキル」は、式−R−R”(式中、Rはアルキレンであり、R”は本明細書において定義されるイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0088】
「イミダゾリニルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−C(O)−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0089】
「ピリミジニルアミノアルキル」は、基−R−R’−R”(式中、R”はピリミジニル(好ましくは、ピリミジン−2−イル)であり、R’はアミノであり、Rはアルキレンである)を意味する。「ピリミジニルアミノアルキル」のピリミジニル部分は、本明細書において定義されるように場合により置換されていてもよく、「ピリミジニルアミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで場合により置換されていてもよい。
【0090】
「ピロリルカルボニル」は、式:
【0091】
【化11】

【0092】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0093】
「ピロリルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるピロリルカルボニルである)の基を意味する。
【0094】
「ピロリジニルカルボニル」は、式:
【0095】
【化12】

【0096】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0097】
「ピロリジニルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるピロリジニルカルボニルである)の基を意味する。
【0098】
「テトラヒドロピリミジニル」は、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、好ましくは1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルを意味し、本明細書において定義されるように場合により置換されていてもよい。「テトラヒドロピリミジニル」として、5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルが挙げられる。
【0099】
「テトラヒドロピリミジニルアミノアルキル」は、基−R−NR’−R”(式中、R”はテトラヒドロピリミジニルであり、R’は水素又はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)を意味する。
【0100】
互換的に使用しうる「ウレア」又は「ウレイル」は、式:
【0101】
【化13】

【0102】
(式中、Rは、独立に水素又はアルキルである)の基を意味する。
【0103】
「ウレアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はウレアであり、Rは本明細書において定義されるアルキレンである)を意味する。
【0104】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロシクリル」と一緒になって使用された場合、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(式中、Rは水素、アルキル、フェニル、又はフェニルアルキルである)、−(CR’R”)y−COOR(式中、yは0〜5の整数であり、R’及びR”は独立に水素又はアルキルであり、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、又は−(CR’R”)y−CONR'''R''''(式中、yは0〜5の整数であり、R’及びR”は独立に水素又はアルキルであり、R'''及びR''''は互いに独立に水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)より選択される1〜4個の置換基、好ましくは1又は2個の置換基で独立に場合により置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを意味する。好ましい場合による置換基は、他に特記しない限り、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルスルホニル、及びシアノである。最も好ましい場合による置換基は、他に特記しない限り、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、メタンスルホニル及びシアノである。
【0105】
「脱離基」は、有機合成化学において、従来からそれに関連している意味を持つ基を意味し、すなわち、置換反応条件下で交換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例としては、以下に限定はされないが、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ)、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等が挙げられる。
【0106】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用として、以下に限定はされないが、本明細書において定義されるアゴニスト、アンタゴニスト等が挙げられる。
【0107】
「場合による」又は「場合により」は、その後に記述された事象又は状況が存在してもよいが、存在しなくてもよく、その記述は、事象又は状況が存在する場合と、存在しない場合とを含んでいることを意味する。
【0108】
「疾患状態」は、任意の疾患、状態、症状、又は兆候を意味する。
【0109】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒が、それに関して記述された反応の条件の下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンもしくはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン等を含む。特記のない限り、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0110】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の面からも有害ではない、医薬組成物の調製において有用なものを意味し、ヒトにおける医薬的使用のみならず獣医学的使用にも許容されるものを含む。
【0111】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書において定義される、薬学的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有している塩を意味する。そのような塩として、
例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸で形成されるか;又は例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、しょうのうスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸等の有機酸で形成された酸付加塩;あるいは
親化合物中の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンに交換されるか;又は有機もしくは無機の塩基と配位した場合に形成される塩
が挙げられる。許容しうる有機塩基として、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等が挙げられる。許容しうる無機塩基として、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
【0112】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0113】
薬学的に許容しうる塩の全ての関連物として、同酸付加塩の、本明細書において定義される溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形)が挙げられることを理解されたい。
【0114】
本明細書中で互換的に使用しうる「プロ−ドラッグ」及び「プロドラッグ」という用語は、このようなプロドラッグを哺乳動物対象に投与した場合に、式Iの活性親薬物をインビボで放出する、任意の化合物を意味する。式Iの化合物のプロドラッグは、式Iの化合物に存在する1個以上の官能基を修飾することにより調製され、その修飾はインビボで切断されて親化合物を放出しうるようなものである。プロドラッグとしては、式Iの化合物中のヒドロキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基が、インビボで切断されて遊離ヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基をそれぞれ再生しうるような任意の基に結合している、式Iの化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、式Iの化合物におけるヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体)、カルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基、及びエナミノン、式Iの化合物中のケトン及びアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタール、及びエノールエステルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、Bundegaard, H.、"Design of Prodrugs(プロドラッグの設計)" p1-92, Elesevier, New York-Oxford (1985) などを参照されたい。
【0115】
「保護(Protective)基」又は「保護(protecting)基」は、合成化学において従来それと関連づけられている意味において、多官能化合物中の1つの反応部位を選択的にブロックして、もう一つの保護されていない反応部位において選択的に化学反応が実施されうるようにする基を意味する。本発明のある種の方法は、反応物の中に存在する反応性の窒素及び/又は酸素原子をブロックするための、保護基に依存する。例えば、「アミノ保護基」及び「窒素保護基」という用語は、本明細書において互換的に使用され、合成手順中に望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とするこれらの有機基をさす。例としての窒素保護基として、以下に限定はされないが、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)等が挙げられる。当業者は、除去を容易にするために、また後続の反応に耐える能力のために、基をどのようにして選択するかを知っている。
【0116】
「溶媒和物」は、化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒を含有している溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶固体状態において一定のモル比の溶媒分子を捕捉し、それにより溶媒和物を形成する傾向を有している。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、水がその分子状態をHOとして維持する、1個以上の水分子と1個の物質との組み合わせにより形成され、そのような組み合わせは1つ以上の水和物を形成することができる。
【0117】
「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物とは、以下に限定はされないが、ヒト;チンパンジー及びその他の類人猿ならびにサル類などの非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、及びネコなどのペット;ラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物等を含む、哺乳類のあらゆる構成員を意味する。非哺乳動物の例として、以下に限定はされないが、トリ等が挙げられる。「対象」という用語は、特定の齢又は性別を意味しない。
【0118】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与するとき、疾患状態のこのような処置を行うのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される疾患状態、重篤度又は処置される疾患、対象の年齢及び相対的な健康さ、投与の経路及び形態、従事する医師又は獣医の判断、ならびに他の因子により変わる。
【0119】
変数に対して引用される用語「上で定義されるもの」及び「本明細書において定義されるもの」は、変数の広い定義、ならびに、存在するならば、好ましい、より好ましい、及び最も好ましい定義が参照により組み入れられる。
【0120】
疾患状態を「処置すること」又は疾患状態の「処置」として、以下のものが挙げられる:
(i)疾患状態の予防、すなわち疾患状態に暴露される又は罹患しやすくなっているが、まだ疾患状態の症状を経験又は示していない対象において、疾患状態の臨床症状を発現させないこと、
(ii)疾患状態の阻害、すなわち疾患状態又はその臨床症状の進展を制止すること、あるいは
(iii)疾患状態の緩和、すなわち疾患状態又はその臨床症状を一時的又は永久的に後退させること。
【0121】
「処理する」、「接触させる」、及び「反応させる」という用語は、化学反応をさす場合、2つ以上の試薬を適切な条件下で加えるか又は混合して、表示の生成物及び/又は所望の生成物を製造することを意味する。表示の生成物及び/又は所望の生成物を製造する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせたことの直接の結果である必要はなくてもよいこと、すなわち混合物中に製造された1つ以上の中間体が存在し、最終的にそれが表示の生成物及び/又は所望の生成物の形成につながってもよいことを理解されたい。
【0122】
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法を生み出すBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。
【0123】
本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作製された。本明細書中の化学構造における炭素、酸素、又は窒素原子上に見られるあらゆる空原子価は、水素原子の存在を示す。
【0124】
本発明は、式I:
【0125】
【化14】

【0126】
[式中、
mは、0〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
Xは、−SO2−NRG−又は−NRG−SO2−(ここで、RGは、水素又はアルキルであるか;あるいはRGは、Arに結合するアルキレン橋架けを形成する)であり;
各々のR1は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Rfは、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、式:
【0127】
【化15】

【0128】
であり;
nは、1〜3であり;
3及びR4は、各々独立に、水素又はアルキルであるか、あるいはR3及びR4は、一緒になって、=O又は=NRf(Rfは、水素又はアルキルである)を形成してもよく;
5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールであるか;あるいは
5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、ウレア基、グアニジニル基又は場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル環を形成しうるか;あるいは
5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとが、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員の環を形成しうる]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0129】
nが2又は3である場合、1個のR3は、他のR3から独立に選択することができ、1個のR4は、また、他のR4から独立に選択することができる。
【0130】
本発明の範囲には、存在しうる様々な異性体のみならず、形成されうる異性体の様々な混合物も包含されることを理解されたい。
【0131】
さらに、本発明の範囲には、式Iの化合物の溶媒和物及び塩も包含される。
【0132】
式Iの特定の実施態様において、Xは、−SO2−NRG−であり、テトラリン環系の6位又は7位(R2に対して)に位置している。
【0133】
式Iの特定の実施態様において、Xは、−SO2−NRG−であり、テトラリン環系の6位(R2に対して)に位置している。
【0134】
式Iの特定の実施態様において、Xは、−NRG−SO2−であり、テトラリン環系の6位又は7位(R2に対して)に位置している。
【0135】
式Iの特定の実施態様において、Xは、−NRG−SO2−であり、テトラリン環系の6位(R2に対して)に位置している。
【0136】
式Iの特定の実施態様において、RGは水素である。
【0137】
本発明の特定の実施態様において、対象化合物は、式IIa又は式IIb:
【0138】
【化16】

【0139】
(式中、m、Ar、X、R1、及びR2は、本明細書において定義されるものである)
で示される。
【0140】
式I、式IIa又は式IIbの多くの実施態様において、mは0又は1である。
【0141】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R1はハロである。
【0142】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、R1は、テトラリン環系の8位に位置している。
【0143】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、nは1である。
【0144】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、nは2である。
【0145】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、nは3である。
【0146】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、水素である。
【0147】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Xは、−SO2−NH−である。
【0148】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Xは、−NH−SO2−である。
【0149】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Xは、−NRG−SO2−であり、RGは、Arとのアルキレン橋架けを形成する。
【0150】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方はアルキルである。
【0151】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、水素である。
【0152】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;又はアルコキシアルキルである。
【0153】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0154】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アルキルカルボニル;又はアミノカルボニルである。
【0155】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0156】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:各々が場合により置換されている、ベンゾチアゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル及びイミダゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0157】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:ピリミジニル、ベンゾチアゾール−2−イル、及び5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルから選択されるヘテロアリールである。
【0158】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基を形成する。
【0159】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基を形成する。
【0160】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ウレア基を形成する。
【0161】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=NRf(式中、Rfは水素である)を形成する。
【0162】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=Oを形成する。
【0163】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとは、それらが結合している窒素と一緒になって、イミダゾリニル環を形成する。
【0164】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつ追加の窒素ヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0165】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、イミダゾリル又はピラゾリルから選択される5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0166】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0167】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼピニル及びジアゼピニルから選択される5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0168】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、場合により置換されているフェニルである。
【0169】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、2−ハロフェニル又は3−ハロフェニルである。
【0170】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、ヘテロアリールである。
【0171】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、各々場合により置換されている、インドリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジニル及びピリミジニルから選択されるヘテロアリールである。
【0172】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、各々場合により置換されている、インドリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びベンゾイミダゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0173】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、Arは、各々場合により置換されている、インドール−3−イル、ピロール−3−イル、1−メチルイミダゾール−2−イル、イミダゾール−2−イル、ピラゾール−4−イル、ベンゾイミダゾール−4−イル、6−フルオロインドール−3−イル、1−メチルピロール−3−イル及び6−フルオロベンゾイミダゾール−4−イルから選択されるヘテロアリールである。
【0174】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、R5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとは、それらが結合している原子と一緒になって、イミダゾリニル環を形成する。
【0175】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルである。
【0176】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−である。
【0177】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素である。
【0178】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0179】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0180】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0181】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、水素;アルキル;アルキルカルボニル;又はアミノカルボニルである。
【0182】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルカルボニルである。
【0183】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アミノカルボニルである。
【0184】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R2は:アミノアルキル;アルキルアミノアルキル;ジアルキルアミノアルキル;イミダゾリニルアミノアルキル;イミダゾリニルアルキル;グアニジニルアルキル;テトラヒドロピリミジニルアミノアルキル;アミジニルアルキル;ウレアルキル;アミジニル;ヘテロアリールアミノアルキル;イミダゾリルアミノアルキル;グアニジニルカルボニルアルキル;イミダゾロニルアミノアルキル;イミダゾリニルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキル;ピロリルカルボニルアミノアルキル;アミノアルキルカルボニルアミノアルキル;アルコキシカルボニルアルキルアミノアルキル;N−シアノグアニジニルアルキル;アルキルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキルアミノアルキル;ピロリジニルカルボニルアミノアルキル;アルキルスルホンアミドアルキル;アミノスルホンアミドアルキル;アルコキシカルボニルアミノアルキル;ヒドロキシアルキルカルボニルアミノアルキル;ヒドロキシアルキルアミノアルキル;アルコキシアルキルアミノアルキル;又はアルキルスルホニルアルキルアミノアルキルである。
【0185】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、R2は:アミノアルキル;アルキルアミノアルキル;ジアルキルアミノアルキル;グアニジニルアルキル;アミジニルアルキル;ウレアルキル;アミジニル;グアニジニルカルボニルアルキル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニルアミノアルキル;アルキルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキルアミノアルキル;及びアルコキシカルボニルアミノアルキルである。
【0186】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、R2は:
【0187】
【化17】

【0188】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0189】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、R2は:
【0190】
【化18】

【0191】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0192】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0193】
【化19】

【0194】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0195】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0196】
【化20】

【0197】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0198】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1又は2であり、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=NRf(式中、Rfは水素である)を形成し、またR5及びR6は、水素である。
【0199】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1又は2であり、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=Oを形成する。
【0200】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2である。
【0201】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素である。
【0202】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0203】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0204】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0205】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0206】
【化21】

【0207】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0208】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0209】
【化22】

【0210】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0211】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3である。
【0212】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素である。
【0213】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0214】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0215】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0216】
【化23】

【0217】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0218】
式I、式IIa又は式IIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、Arは、場合により置換されているフェニルであり、Xは、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0219】
【化24】

【0220】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0221】
本発明の特定の実施態様において、対象化合物が、式IIIa又は式IIIb:
【0222】
【化25】

【0223】
(式中、
sは、0〜4であり;
各々のR7は、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、又は−C(=O)−Re(ここで、rは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc及びRdは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Reは、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R1、R3、R4、R5及びR6は、本明細書において定義されているとおりである)
で示されうる。
【0224】
式IIIa又は式IIIbの多くの実施態様において、mは0又は1である。
【0225】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R1は、ハロである。
【0226】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、R1は、テトラリン環系の8位に位置している。
【0227】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、nは1である。
【0228】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、nは2である。
【0229】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、nは3である。
【0230】
式IIIa又は式IIIbの多くの実施態様において、sは0又は1である。
【0231】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、RGは水素である。
【0232】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、RGはアルキルである。
【0233】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、RG及び一つのR7が、C2又はC3アルキレンを形成する。
【0234】
式IIIa又は式IIIbの多くの実施態様において、mは0又は1であり、R1はハロ、好ましくはフルオロである。
【0235】
式IIIa又は式IIIbの多くの実施態様において、sは0又は1であり、R7はハロ、好ましくはフルオロである。
【0236】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、水素である。
【0237】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0238】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、水素である。
【0239】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;又はアルコキシアルキルである。
【0240】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0241】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0242】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:各々が場合により置換されている、ベンゾチアゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル及びイミダゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0243】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:ピリミジニル、ベンゾチアゾール−2−イル、及び5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルから選択されるヘテロアリールである。
【0244】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基を形成する。
【0245】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基を形成する。
【0246】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ウレア基を形成する。
【0247】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=NRf(式中、Rfは水素である)を形成する。
【0248】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=Oを形成する。
【0249】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとは、それらが結合している原子と一緒になって、イミダゾリニル環を形成する。
【0250】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつ追加の窒素ヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0251】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、イミダゾリル又はピラゾリルから選択される5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0252】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0253】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼピニル及びジアゼピニルから選択される5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0254】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、R5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとは、それらが結合している原子と一緒になって、イミダゾリニル環を形成する。
【0255】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、sは0〜2であり、R7は、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、シアノ又はメタンスルホニルである。
【0256】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、sは0又は1であり、R7は、ハロである。
【0257】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1である。
【0258】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、は1であり、RGは水素である。
【0259】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、R3及びR4は水素である。
【0260】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0261】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0262】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0263】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RG及び一つのR7はC2又はC3アルキレンを形成し、sは0、1又は2であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0264】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0265】
【化26】

【0266】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0267】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0268】
【化27】

【0269】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0270】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、RGは水素であり、nは1であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アルキルカルボニル;又はアミノカルボニルである。
【0271】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、RGは水素であり、nは1であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0272】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、RGは水素であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルカルボニルである。
【0273】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、RGは水素であり、nは1であり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アミノカルボニルである。
【0274】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1又は2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=NRf(式中、Rfは水素である)を形成し、R5及びR6は、水素である。
【0275】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1又は2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、=Oを形成する。
【0276】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2である。
【0277】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、R3及びR4は水素である。
【0278】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0279】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0280】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R及びRの一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0281】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0282】
【化28】

【0283】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0284】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0285】
【化29】

【0286】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0287】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3である。
【0288】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、R3及びR4は水素である。
【0289】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0290】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0291】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0292】
【化30】

【0293】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0294】
式IIIa又は式IIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、RGは水素であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R3及びR4は水素であり、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:
【0295】
【化31】

【0296】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0297】
特定の実施態様において、対象化合物は、より具体的には、式IVa、IVb、IVc又はIVd:
【0298】
【化32】

【0299】
(式中、m、n、s、R1、R5、R6及びR7は、本明細書において定義されるものである)
で示されうる。
【0300】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの多くの実施態様において、mは0又は1である。
【0301】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R1はハロである。
【0302】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、R1は、テトラリン環系の8位に位置している。
【0303】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、nは1である。
【0304】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、nは2である。
【0305】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、nは3である。
【0306】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0307】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、水素である。
【0308】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;又はアルコキシアルキルである。
【0309】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0310】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0311】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、各々が場合により置換されている、ベンゾチアゾリル、インドリル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル及びイミダゾリルから選択されるヘテロアリールである。
【0312】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、ピリミジニル、ベンゾチアゾール−2−イル、及び5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニルから選択されるヘテロアリールである。
【0313】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基を形成する。
【0314】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基を形成する。
【0315】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ウレア基を形成する。
【0316】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつ追加の窒素ヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0317】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、各々場合により置換されている、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、イミダゾリル又はピラゾリルから選択される5員又は6員のヘテロアリール環を形成する。
【0318】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0319】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、アゼピニル及びジアゼピニルから選択される5員又は6員のヘテロシクリル環を形成する。
【0320】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、R5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとは、それらが結合している原子と一緒になって、イミダゾリニル環を形成する。
【0321】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、sは0〜2であり、R7は、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシ、シアノ又はメタンスルホニルである。
【0322】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、sは0又は1であり、R7は、ハロである。
【0323】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1である。
【0324】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0325】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0326】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0327】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0328】
【化33】

【0329】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0330】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは1であり、sは0又は1であり、R1及びR7はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0331】
【化34】

【0332】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0333】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2である。
【0334】
式IIIa又はIIIbの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0335】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0336】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、水素;アルキル;アミノカルボニル;又はアルキルカルボニルである。
【0337】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルである。
【0338】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アルキルカルボニルである。
【0339】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は、アミノカルボニルである。
【0340】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0341】
【化35】

【0342】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素であり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0343】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは2であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0344】
【化36】

【0345】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0346】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3である。
【0347】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである。
【0348】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである。
【0349】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0350】
【化37】

【0351】
(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素であり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である。
【0352】
式IVa、式IVb、式IVc又は式IVdの特定の実施態様において、mは0又は1であり、nは3であり、sは0又は1であり、R1及びR8はハロであり、R5及びR6の一方は、水素であり、他方は:
【0353】
【化38】

【0354】
(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である。
【0355】
ここで、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rf、Rg、Rh、Ri、Rj、Rk、Rm及びRGが、アルキルであるか、又はアルキル部分を含む場合、このようなアルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわちC1〜C6アルキル、より好ましくはC1〜C4アルキルである。
【0356】
本発明に係る代表的化合物は、表1に示されている。
【0357】
【表1】



【0358】
本発明の他の態様は、治療有効量の少なくとも一つの式Iの化合物及び薬学的に許容しうる担体とを含む組成物を提供する。
【0359】
本発明のさらに他の態様は、治療有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む、対象における中枢神経系(CNS)疾患状態を処置する方法を提供する。疾患状態は、例えば、精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、又はハンチントン病を含みうる。
【0360】
本発明のさらなる他の態様は、治療有効量の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、対象における胃腸管の障害を処置する方法を提供する。
【0361】
本発明の他の態様は、式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
【0362】
合成
本発明の化合物は、以下に示し、記載した例示的な合成反応スキームに示される多様な方法により調製することができる。
【0363】
これらの化合物の調製において使用される出発材料及び試薬は、一般に、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)のような商業的な供給元から入手可能であるか、又はFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals; 及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 2004, Volumes 1-56のような参照文献に示された手順に従い、当業者に既知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を例示するものに過ぎず、これらの合成反応スキームに対する様々な変更を行うことができ、本出願に含まれる開示を参照すれば、当業者に示唆されるであろう。
【0364】
合成反応スキームの出発材料及び中間体は、所望により、従来技術、例えば、以下に限定はされないが、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を使用して、単離及び精製することができる。そのような材料は、物理定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を使用して特徴付けることができる。
【0365】
特記のない限り、本明細書に記載された反応は、好ましくは、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の反応温度範囲で、最も好ましくかつ好都合にはおよそ室温(又は周囲温度)、例えば約20℃で、大気圧で、不活性雰囲気下に実施される。
【0366】
下記スキームAは、本発明の化合物(式中、Ar、m、X及びR1は本明細書において定義されるものである)を調製するために使用可能な1つの合成手順を例示する。インダン及びテトラリン化合物への多数の合成経路が公知であり、対象化合物の調製に使用しうる。スキームAの手順は、単に例示するものである。スキームAの手順の具体的な例が、以下の実験の部に提供されている。
【0367】
【化39】

【0368】
スキームAの工程1において、ケトン化合物は、アルキル化/シアニル化反応により、アリールスルホニルニトリル化合物を与える。ケトン化合物は、例えば、アリールスルホンアミジルテトラロン又はアリールアミノスルホニルテトラロンを包含しうる。ケトン化合物は、この分野で公知の多様な手法により調製しうる。工程1のアルキル化反応は、極性非プロトン溶媒条件下、ヨウ化亜鉛の存在下、シアン化トリメチルシリルでのケトン化合物の処理と、それに続くp−トルエンスルホン酸又は同様の酸での処理により達成しうる。
【0369】
工程2において、ニトリル化合物を環原子還元すると、ニトリル化合物を与える。この還元は、工程1で得られた残余の不飽和を除去するが、白金又はパラジウム触媒と共に水素ガスを用いて行いうる。
【0370】
第二の還元反応は工程3で行われて、化合物のニトリル基を還元し、アミノメチル化合物を与える。化合物は、本発明に係る式Iの化合物である。
【0371】
スキームAの手順に多くの変形が可能であり、当業者に容易に明らかである。特定の実施態様において、工程2及び工程3の還元反応は、単一の工程で行いうる。他の実施態様において、工程2の還元は、追加の不飽和をもたらすために省略しうる。アミン化合物は、好適な保護/脱保護を用いて、追加のアルキル化反応に付して、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノ化合物を与えうる。アミン化合物は、また、引き続く反応により、アミジニル、グアニジニル、イミダゾリニル、イミダゾリニルアミノ、及び他の官能性を形成しうる。このような追加的な反応の具体的な例は、以下の実施例中に提供されている。
【0372】
スキームBを参照して、Yが脱離基であり且つ存在ごとに同一又は異なってもよく、Rが低級アルキルであり且つ存在ごとに同一又は異なってもよく、Ar、m、X、R1、R3及びR4は本明細書において定義されるものである、対象化合物への別の合成経路が示されている。
【0373】
【化40】

【0374】
スキームBの工程1において、ケトン化合物は、アルキル化反応に付すと、ヒドロキシエステル化合物を与える。工程1におけるアルキル化は、亜鉛及びヨウ素と、引き続くハロアルキルエステル化合物、例えばブロモプロピオン酸エチル(ここで、Yはブロモであり、nは1であり、R3及びR4は水素であり、Rはエチルである)でのケトン化合物の処理により達成しうる。
【0375】
工程2において、ヒドロキシエステル化合物は、酸、例えばp−トルエンスルホン酸で処理することにより脱水すると、不飽和エステル化合物が得られる。特定の実施態様態様において、工程2の脱水は、工程1の間に自然に起こりうるので、工程2は省略しうる。
【0376】
還元反応は、工程3で生起し、ここでは、化合物中の残余の不飽和を、適切な白金又はパラジウム触媒の存在下に水素で処理することにより水素化すると、エステル化合物が得られる。
【0377】
工程4において、化合物を還元に付し、引き続いてアルキルスルホニル化すると、スルホネート化合物が得られる。この工程は、化合物gを還元剤、例えば水素化リチウムアルミニウムで処理することにより行われて、アルコール(示されていない)が形成され、これは、その後、ハロゲン化アルキルスルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理される。
【0378】
工程5におけるアリールスルホネート化合物のアミノ化は、アミン化合物をもたらす。多くの実施態様におけるこのアミノ化は、スルホネート化合物をアジ化ナトリウムで処理してアジド化合物(示されていない)を形成し、次いでこれを水素化リチウムアルミニウム又は同様の還元剤を用いて還元し、引き続き酸処理することにより、アミンiを与えることを含みうる。
【0379】
スキームAの場合のように、スキームBの手順に多くの変形が可能であり、当業者に想起されるであろう。そのような変形において、スルホネート化合物は、シアン化物で処理するとニトリル化合物を形成し、これは、次いで、還元すると、アミンを与える。
【0380】
スキームAの化合物又はスキームBの化合物iのアミン基は、種々の反応を経て、スキームCに示されるような、多様なR2官能基をもたらす。
【0381】
【化41】

【0382】
スキームBにおいて、化合物を、BOC保護し、次いで、アルキル化に付し、引き続き脱保護すると、メチルアミノ化合物が得られる。化合物は、別のアルキル化(示されていない)に付されると、対応するジメチルアミノ又は他のジアルキルアミノ化合物を与える。
【0383】
化合物は、また、極性非プロトン性溶媒条件下、アミン触媒の存在下に1H−ピラゾール−1−カルボキシアミジン塩酸塩と反応させると、グアニジン化合物を与えうる。あるいは、化合物は、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させると、ホルムアミジン化合物が得られる。また別の代替法として、化合物を、2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールで処理すると、イミダゾリニルアミノ化合物を与える。さらに別の代替法において、化合物は、エチルイミデート(アセトイミド酸エチルエステル)と反応させると、アセトアミジン化合物を与える。
【0384】
スキームA、スキームB及びスキームCの手順に多くの変形が可能であり、当業者に容易に明らかである。そのような追加的な反応の具体的な例は、以下の実施例に提供されている。
【0385】
有用性
本発明の化合物は、5−HT受容体、5−HT2A受容体、又はその双方を含む5−HT受容体に対する選択的親和性を有しており、従って、パーキンソン病、ハンチントン病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の増強)、睡眠障害、摂食障害、例えば拒食症、過食症、及び肥満、不安発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン、及びベンゾジアゼピン類などの薬物乱用からの禁断症状、統合失調症、ならびにまた、脊髄外傷及び/又は水頭症などの頭部損傷に関連した障害などのある種のCNS障害の処置において有用であると期待される。そのような化合物は、機能性腸障害及び過敏性腸症候群などのある種のGI(胃腸)障害の処置においても使用しうると期待される。
【0386】
試験
本発明の化合物の薬理学は、当技術分野において認識されている手順によって決定された。放射性リガンド結合及び機能アッセイにおける5−HT6受容体及び5−HT2A受容体へのテスト化合物の親和性を決定するためのインビトロ技術は、下に記載されている。
【0387】
投与及び医薬組成物
本発明は、少なくとも1つの本発明の化合物、又は個々の異性体、異性体のラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物、又は薬学的に許容しうるそれらの塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体と一緒に、そして場合によりその他の治療用及び/又は予防用成分と一緒に含む、医薬組成物を包含する。
【0388】
一般に、本発明の化合物は、類似した有用性をもたらす薬剤が許容されている任意の投与方法によって、治療有効量で投与されるであろう。適切な投薬量範囲は、治療すべき疾患の重篤度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効能、投与の経路及び形態、投与が指示される適応、ならびに関与する医師の選択及び経験などの多数の因子に依存して、典型的には1日あたり1〜500mg、好ましくは1日あたり1〜100mg、最も好ましくは1日あたり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、必要以上に試験を行うことなく、かつ個人的な知識及び本特許出願の開示に依拠して、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を確定することが可能となる。
【0389】
一般に、本発明の化合物は、経口(口内及び舌下を含む)、直腸、鼻、局所、肺、膣、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、及び静脈内を含む)投与に適したものを含む医薬製剤として、又は吸入もしくは通気による投与に適した形態で、投与される。好ましい投与の方法は、一般に、苦痛の程度に従って調整されうる、好都合な毎日投薬計画を使用した経口である。
【0390】
本発明の化合物は、1つ以上の慣用の補助剤、担体、又は希釈剤と一緒になって、医薬組成物及び単位投薬量の形態にしうる。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物又は有効成分と一緒に、又はそれらなしで、慣用の割合の慣用の成分から構成されることができ、単位投薬形態は、使用される目的の1日投薬量の範囲に相応した任意の適切な有効量の活性成分を含有しうる。医薬組成物は、経口的に使用するための錠剤もしくは充填カプセルのような固体、半固体、粉末、徐放性製剤、又は溶液、懸濁剤、乳濁剤、エリキシル、もしくは充填カプセルのような液体として;又は直腸もしくは膣への投与のための坐剤の形態で;又は非経口的に使用するための無菌の注射用液の形態で使用されうる。そこで、1錠あたり約1ミリグラム、又はより広く約0.01〜約100ミリグラムの活性成分を含有している製剤が、適切な代表的な単位投薬形態である。
【0391】
本発明の化合物は、多様な経口投与投薬形態へと製剤化されうる。医薬組成物及び投薬形態は、本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容しうる塩を活性成分として含みうる。薬学的に許容しうる担体は、固体又は液体でありうる。固形調製物として、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散可能顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル材料としても機能しうる1つ以上の物質でありうる。粉末剤において、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である、微粉化した固体である。錠剤において、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有している担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉末剤及び錠剤は、好ましくは、約1〜約70パーセントの活性化合物を含有している。適切な担体として、以下に限定はされないが、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂等が挙げられる。「調製物」という用語には、担体を含む又は含まない活性成分が、それに関連する担体により包囲されているカプセルを提供する、担体としてのカプセル材料を含む活性化合物の製剤が含まれるものとする。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に適した固体の形態でありうる。
【0392】
経口投与に適したその他の形態として、乳濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性溶液剤、水性懸濁剤を含む液状調製物、又は使用直前に液状調製物に変換することを意図した固形調製物が挙げられる。乳濁剤は、溶液中、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製することができ、又は例えばレシチン、ソルビタンモノオレアート、もしくはアラビアゴムのような乳化剤を含有していてもよい。水性溶液剤は、活性成分を水に溶解させ、適切な着色剤、風味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することにより調製することができる。水性懸濁剤は、天然又は合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びその他の周知の懸濁化剤のような粘性材料と共に、微粉化した活性成分を水に分散させることにより調製することができる。固形調製物として、溶液剤、懸濁剤、及び乳濁剤が挙げられ、活性成分に加え、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有していてもよい。
【0393】
本発明の化合物は、(例えば、注射、例としては、ボーラス注射又は連続注入による)非経口投与用に製剤化してもよく、アンプル、充填済注射器、小量注入容器中に単位用量形態で又は防腐剤を添加した多用量容器中に存在できる。組成物は、油性又は水性のビヒクル中の懸濁剤、溶液剤、又は乳濁剤、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液剤のような形態をとりうる。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられ、保存剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、安定剤、及び/又は分散剤のような製剤化剤を含有していてもよい。別法として、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
【0394】
本発明の化合物は、軟膏、クリームもしくはローションとして、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に製剤化されうる。軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤が添加された水性又は油性の基剤と共に製剤化されうる。ローションは、水性又は油性の基剤と共に製剤化することができ、一般に、1つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤をも含有しているであろう。口内への局所投与に適している製剤として、風味付けされた基剤、一般的にはショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントゴムの中に活性薬剤を含むトローチ;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアラビアゴムのような不活性基剤の中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体の中に活性成分を含む洗口液が挙げられる。
【0395】
本発明の化合物は、坐剤としての投与用に製剤化されうる。脂肪酸グリセリドの混合物又はカカオ脂のような、低融点ロウがまず溶融され、例えば攪拌によって、活性成分が均質に分散される。次いで、溶融した均質な混合物を好適なサイズの鋳型に注入し、冷却し、凝固する。
【0396】
本発明の化合物は、膣投与用に製剤化されうる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが適切であることは、当該技術で公知である。
【0397】
本発明の化合物は、鼻投与用に製剤化されうる。溶液剤又は懸濁剤が、慣用の手段によって、例えば、点滴器、ピペット又はスプレーにより、鼻腔に直接適用される。その製剤は、単一用量形態又は多用量形態で提供されうる。後者の点滴器又はピペットの場合、これは、患者が、適切な所定の容量の溶液剤又は懸濁剤を投与することによって達成しうる。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプによって達成しうる。
【0398】
本発明の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に気道へのエアロゾル投与用に製剤化しうる。化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有しているであろう。そのような粒子サイズは、当技術分野において既知の手段によって、例えば微粒子化によって、得られる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素もしくはその他の適切なガスのような適切な噴射剤を含む加圧パック中で供される。エアロゾルが、レシチンのような界面活性剤を含有することも好都合でありうる。薬物の用量は、計量弁によって制御されうる。別法として、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、及びポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供しうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル又はカートリッジ、又はブリスターパックのような単位用量形態で存在してよく、これから粉末剤が吸入器により投与される。
【0399】
所望の場合、製剤は、活性成分の徐放投与又は放出制御投与に適応した腸溶コーティングを用いて調製しうる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達デバイスに製剤化することができる。化合物の徐放が必要である場合、及び治療計画に対する患者のコンプライアンスが重要である場合、これらの送達システムは有利である。経皮送達システムにおける化合物は、多くの場合に、皮膚粘着性の固体支持体に結合されている。目的の化合物を、浸透増強剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。徐放性送達システムは、手術又は注射によって皮下層へと皮下挿入される。皮下インプラントは、脂溶性の膜、例えばシリコンゴム又は生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を封入している。
【0400】
医薬調製物は、単位投薬形態にあることが好ましい。そのような形態において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量へと分割されている。単位投薬形態は、パッケージ調製物であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤のような調製物の個々の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、もしくはトローチ剤自体であってもよく、又はこれらのいずれかが適切な数でパッケージされた形態であることも可能である。
【0401】
その他の適切な医薬的担体及びそれらの製剤化は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有している代表的な医薬製剤は、以下の実施例に記載される。
【0402】
実施例
以下の調製及び実施例を、より明確に理解して、本発明を実施することを当業者に可能にすることが得られる。それらは、本発明の範囲を制限するが、単にその実例及び典型であると見なされるべきではない。以下の略語を実施例において使用してもよい。
【0403】

DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DDQ 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
tBuOH tert−ブタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルリンアミド
hplc 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
NMP N−メチルピロリジノン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0404】
本発明の化合物を製造する追加手順は、参照により本明細書に組み込まれる、2005年12月21日に出願された、米国特許出願Ser.No.11/315,706の開示に見られる。
【0405】
実施例1
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームCに示した方法にしたがって実施した。
【0406】
【化42】

【0407】
工程1 6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
20%硫酸20mL中のN−(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−アセトアミド2.5グラム(12.3mmole)の混合物を、90℃で45分間加熱した。6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン硫酸エステルを固体塊として沈殿するとすぐ、溶液を放置して室温に冷却した。固体を濾過により回収し、冷水で洗浄して、乾燥して、6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン硫酸エステル1.92g(97%)を得た。
【0408】
工程2 N−(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン25mL中の6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン0.46グラム(2.85mmole)の溶液に、ベンゼンスルホニルクロリド0.605グラム(3.42mmoles)を加えた。反応混合物を23℃で24時間撹拌した。混合物を水100mLで希釈して、酢酸エチル200mLで抽出した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲル230−400メッシュ上、ヘキサン中50%酢酸エチルで溶離する低圧カラムクロマトグラフィーに付した。標記化合物を、固体、0.48グラム(56%)、融点164−165℃、M_H=300として得た。
【0409】
工程3 N−(5−シアノ−7,8−ジヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド(4.21g、14mmol)、シアン化トリメチルシリル(10.0g、100mmol)とヨウ化亜鉛(0.25g)を合わせて、窒素下、15時間撹拌した。次に、反応混合物をEtO 200mLの添加により希釈し、冷水で洗浄して、有機層を乾燥して(MgSO)、減圧下で蒸発して、油状物を得た。油状物をトルエン250mLに溶解して、p−トルエンスルホン酸を加えた。反応混合物を3時間還流し、冷却して、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、ヘキサン中の5%EtOAcを用いて中圧下でシリカを通じて溶出して、油状物としてN−(5−シアノ−7,8−ジヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド1.89g(6.1mmol、44%)が得られた。MS:311(M+H)
【0410】
工程4 N−(5−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(5−シアノ−7,8−ジヒドロ−ナフタレン−2−イル)ベンゼンスルホンアミド(5.27g、17.2mmol)、EtOH 70mLと酢酸50mLを、パール容器(Parr vessel)中に入れて、10%パラジウム担持炭(Fluka Chemica Co.)1.0gを加えた。反応混合物を15時間、55psi水素下で振とうした。パール容器を窒素でパージして、反応混合物を濾過した。濾液を水500mLに加えて、水性混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥して(MgSO)、蒸発して、油状物としてN−(5−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド4.85g(15.5mmol、90%)が得られた。MS:314(M+H)
【0411】
工程5 N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
N−(5−シアノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド(4.85g、15.5mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(THF)100mLに溶解して、氷浴中で冷却する間、混合物を撹拌した。ボラン−THF錯体(40mL、1.0M)を冷却して撹拌した溶液に加えて、反応混合物を窒素下、15時間、室温で撹拌した。反応混合物を20%HCl 20mLとメタノール60mLの添加によりクエンチした。溶媒を減圧下で除去して、水性残留物を塩基性になるまで1M NaOHで滴下処理をした。残留物をEtOAcで抽出して、合わせた有機層を乾燥して(MgSO)蒸発した。粗生成物をEtOHで溶解した希HClで酸性化して、EtOAcから再結晶化して、塩酸塩としてN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド2.8gが得られた。MS:317(M+H)
同様に、ただし工程2中で3−フルオロベンゼンスルホニルクロリドを使用したが、N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、MS:335(M+H)を調製した。
【0412】
実施例2
3−フルオロ−N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームDに示した方法にしたがって実施した。
【0413】
【化43】

【0414】
工程1 3−フルオロ−N−(5−ホルミルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
ギ酸n−ブチル6mL中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド0.28グラム(0.837mmoles)の溶液を、1.5時間還流下で加熱した。溶液を減圧下で濃縮した。3−フルオロ−N−(5−ホルミルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、2−プロパノール/エチルエーテルから残留物の再結晶により得て、3−フルオロ−N−(5−ホルミルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド0.27グラム(89%)、融点143−144℃、MH=363を提供した。
【0415】
工程2 3−フルオロ−N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
THF5mL中の3−フルオロ−N−(5−ホルミルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド0.17グラム(0.469mmoles)の溶液に、1.0Mボラン−THF 2mLを加えた。反応混合物を23℃で18時間撹拌した。6N塩酸1.0mLを加えて、混合物を15分間還流下で加熱した。溶液を減圧下で濃縮して、残留物を酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム水溶液に分配した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。3−フルオロ−N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、結晶質シュウ酸塩として、0.05グラム(24%)、融点135−136℃、MH=349を単離した。
同様に、N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド・シュウ酸塩を調製した。MH=317。
【0416】
実施例3
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド
【0417】
【化44】

【0418】
ピリジン25mL中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド0.18グラム(0.538mmoles)の溶液に、無水酢酸0.052グラム(0.511mmole)を加えた。反応混合物を23℃で4時間撹拌した。混合物を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。有機相を、0.5M塩酸、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミドを、酢酸エチル/エチルエーテルから結晶質固体として、0.18グラム(89%)、融点136−137℃、MH=377を得た。
同様に、R−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド、MH=377を調製した。
【0419】
実施例4
3−フルオロ−N−(5−ウレイドメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【0420】
【化45】

【0421】
水25mL中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド0.23グラム(0.688mmoles)、6M塩酸0.15mL、シアン酸カリウム0.112グラム(1.38mmole)の混合物を、1.5時間還流下で加熱した。固体沈殿物を、濾過により回収して、減圧下で乾燥して、白色の固体として3−フルオロ−N−(5−ウレイドメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、0.21グラム(81%)、融点162−163℃、MH=378を提供した。
【0422】
実施例5
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【0423】
【化46】

【0424】
DMF10mL中の(+/−)−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.22グラム(0.524mmole)の溶液に、炭酸カリウム0.08グラム(0.576mmole)とヨードメタン0.033mL(0.524mmole)を加えた。反応混合物を23℃で0.5時間撹拌した。混合物を水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。有機相を、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を温TFA3mLに溶解して、直ちに減圧下で濃縮した。残留物を、飽和炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミドを、結晶質シュウ酸塩として、0.06グラム(18%)、融点176−177℃、MH=349を単離した。
【0425】
実施例6
(R)−5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(3−フルオロ−フェニル)−アミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームEに示した方法にしたがって実施した。
【0426】
【化47】

【0427】
工程1 6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン・硫酸塩1.92gに、水20mLと氷酢酸20mLを加えた。得られた溶液を氷浴中で撹拌して、水15mL中の亜硝酸ナトリウム1.72グラム(25mmoles)の溶液を0.5時間かけて滴下した。反応混合物を、水80mL中のヨウ化カリウム8グラム(48mmoles)のよく撹拌した溶液にゆっくり注いだ。混合物をジエチルエーテルで抽出して、有機相を水、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の5%酢酸エチルで溶離するシリカゲル230−400メッシュ上で、低圧カラムクロマトグラフィーに付した。6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンを、白色の固体として、3.12グラム(94%)、融点77−78°を得た。
【0428】
工程2 S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール
トルエン中の1.0M R−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン3.7mL(3.7mmoles)及びトルエン40mL中のボラン−ジエチルアニリン錯体7.5mL(42mmoles)の溶液を、30°に加熱した。トルエン40mL中の6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン10グラム(36.8mmoles)の溶液を、2.5時間かけて滴下した。反応混合物をさらに0.5時間、30°で撹拌した。溶液(室温で)に、メタノール20mLを加えた。0.25時間後、1N塩酸50mLをゆっくり加えた。混合物を20分間撹拌して、次にジエチルエーテルで抽出した。有機相を、1N塩酸水溶液、水、及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。油状の残留物を熱ヘキサンから再結晶化した。結晶化が完了した時、白色の固体を回収して乾燥して、S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール、9.62グラム(95%)を得た。融点102−103°、M+.=274、[α]=+12.2°(c=1、クロロホルム)。
【0429】
工程3 R−2−エトキシカルボニル−2−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル。
トルエン150mL中のS−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール9.5グラム(34.7mmoles)及びトリカルボン酸トリエチルメタン16グラム(69.3mmoles)の溶液に、トルエン中の1.0Mトリメチルホスフィン70mLを加えた。溶液を撹拌して、窒素下で−50°に冷却した。そのままのジイソプロピルアゾジカルボキシラート(14mL、69.3mmoles)を、0.5時間かけて滴下した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物に、水100mLと3N水酸化ナトリウム100mLを加えた。混合物をジエチルエーテルで抽出して、有機相を3N水酸化ナトリウム水溶液、水、1N塩酸水溶液、水、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。乾燥後(硫酸マグネシウム)、溶液を減圧下で濃縮した。残留物に、ジエチルエーテル25mLを加えた。10分後、ジイソプロピル−1,2−ヒドラジンジカルボキシラートの結晶質沈殿物を濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮して、残留物をヘキサン中の7%酢酸エチルで溶離する230−400メッシュシリカゲル上で低圧カラムクロマトグラフィーに付した。標記化合物を、白色の結晶質固体(ヘキサンから)として、14.84グラム(88%)、融点86−87°、[α]=−20.3°(c=1、クロロホルム)、M+.=488を得た。
【0430】
工程4 S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸
メタノール25mL中のR−2−エトキシカルボニル−2−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル14グラム(28.7mmoles)の溶液に、水60mLと3N水酸化ナトリウム60mLを加えた。反応混合物を還流下で20時間加熱して、次に冷却して減圧下で濃縮した。残留物に、氷酢酸200mLを加えた。溶液を還流下で3時間加熱して、次にそれを減圧下で濃縮した。残留物を水とジエチルエーテルに分配した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、エチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸、7.6グラム(84%)、融点90−91°、M+.=316、[α]=+20°(c=1、クロロホルム)を得た。
【0431】
工程5 R−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩
ジクロロメタン350mL中のS−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸28.4グラム(90mmoles)の溶液に、DMF5滴及び塩化オキサリル12mL(.135mole)を加えた。反応混合物を23°で1時間撹拌して、次にそれを減圧下で濃縮した。残留物をアセトン250mLに溶解して、溶液を0°に冷却した。水80mL中の亜硝酸ナトリウム12グラム(0.18mole)の溶液を0.5時間かけて滴下した。反応混合物を、水400mLと飽和塩化ナトリウム200mLで希釈した。混合物をトルエンで抽出して、有機相を乾燥し(硫酸マグネシウム)、次に還流下で0.5時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物をジオキサン150mLに溶解して、溶液を濃塩酸水溶液250mLの沸騰している溶液に40分かけて滴下した。溶液を少量のタールから静かに移して、温デカンテーション液(decantate)を減圧下で濃縮した。残留物をエタノール/エチルエーテルから再結晶化して、塩酸塩としてR−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン、23.3グラム(80%)、融点276−277°、M=287、[α]=−2.8°(c=1、メタノール)を提供した。
【0432】
工程6 R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
トルエン20mL中のR−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩1.0グラム(3.1mmoles)及び水20mLの撹拌した混合物に、炭酸ナトリウム1.0グラム(9.4mmoles)とクロロギ酸ベンジル0.5mLを加えた。反応混合物を23℃で2時間撹拌し、次に水で希釈して、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステルを、ヘキサンから結晶質固体として、1.24グラム(94%)、融点111−112℃、M+.=421、[α]=+21.2(c=1、クロロホルム)を得た。
【0433】
工程7 R−(6−ベンジルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
ItohとMase、Organic Letters 6(24):4587(2004)の一般的手順にしたがって、R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル0.52グラム(1.29mmoles)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.059グラム(.064mmoles)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン0.074グラム(0,128mmoles)、ジイソプロピルアミン.333グラム(2.58mmoles)及びベンジルチオール0.2グラム(1.42mmoles)を、ジオキサン15mLに加えた。反応混合物を50°で1時間撹拌した。混合物を、ジエチルエーテル50mLで希釈して濾過した。濾液を水で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の10%酢酸エチルで溶離するシリカゲル230−400メッシュ上で低圧カラムクロマトグラフィーに付した。溶出した生成物をヘキサンから再結晶化して、R−(6−ベンジルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル、0.46グラム(90%)、融点82−83°、M+.=417を提供した。
【0434】
工程8 R−(6−クロロスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル
90%酢酸水溶液10mL中のR−(6−ベンジルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル0.2グラム(0.48mmole)の溶液に、N−クロロスクシンイミド0.192グラム(1.44mmole)を加えた。反応混合物を23℃で2時間撹拌し、次に減圧下で濃縮して、残留物を酢酸エチルと水に分配した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の15%酢酸エチルで溶離するシリカゲル230−400メッシュ上で低圧カラムクロマトグラフィーに付した。R−(6−クロロスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステルを、重い油状物として、0.17グラム(90%)、MH=394を得た。
【0435】
工程9 R−[6−(3−フルオロ−フェンスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸ベンジルエステル
ピリジン5mL中のR−(6−クロロスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸ベンジルエステル0.13グラム(0.33mmole)及び3−フルオロアニリン0.04グラム(0.35mmole)の溶液を、23℃で1時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮して、残留物を酢酸エチルと0.1N塩酸水溶液に分配した。有機相を0.1N塩酸水溶液と水で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、均質な白色の泡状物としてR−[6−(3−フルオロ−フェンスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸ベンジルエステル、0.15グラム(97%)、MH=469が残った。
【0436】
工程10 (R)−5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(3−フルオロ−フェニル)−アミド
メタノール6mL中のR−[6−(3−フルオロ−フェンスルファモイル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸ベンジルエステル0.12グラム(0.26mmole)と10%パラジウム担持炭0.032グラムの撹拌した混合物に、97%ギ酸0.2mLを加えた。反応混合物を23℃で1時間撹拌し、次に濾過して減圧下で濃縮した。(R)−5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(3−フルオロ−フェニル)−アミドを、メタノール/酢酸エチル/エチルエーテルから結晶質固体として、0.069グラム(70%)、融点122−123℃、MH=335を得た。
同様に、C−[6−(2,3−ジヒドロ−インドール−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン(MH=343)及びC−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン(MH=357)を調製した。
【0437】
実施例7
R−N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームFに示した方法にしたがって実施した。
【0438】
【化48】

【0439】
工程1 R−(6−ベンジルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル.
本工程は、Zhang, CaiとMa, J. Organic Chemistry 70(13):5164−5173(2005)の一般的手順に従った。DMSO 2mL中のR−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.73グラム(1.9mmole)、ヨウ化銅(I)0.036グラム(0.19mmole)、L−プロリン0.044グラム(0.38mmole)及びベンジルアミン0.31グラム(2.85mmole)の混合物を、60℃で44時間加熱した。反応混合物を水15mLで希釈して、ジエチルエーテルで抽出した。有機相を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の5−20%酢酸エチルの勾配で溶離するシリカゲル230−400メッシュ上でカラムクロマトグラフィーに付した。標記化合物を、固体として、0.29グラム(40%)を得た。
【0440】
工程2 R−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
氷酢酸0.06グラム(1.0mmole)を含有するメタノール8mL中のR−(6−ベンジルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.37グラム(0.97mmoles)及びパールマン触媒(20%水酸化パラジウム(II)担持炭)0.1グラムの混合物を、1気圧水素ガス下、23℃で1時間撹拌した。混合物を濾過して、濾液を減圧下で濃縮した。油状の残留物を、THF3mLとピリジン1.5mLの混合物に溶解した。この混合物に、3−フルオロ−フェニルスルホニルクロリド0.21グラム(1.1mmole)を加えて、反応混合物を23℃で3.5時間撹拌した。混合物を減圧下で半量に濃縮して、酢酸エチルと5%塩酸水溶液に分配した。有機相を水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、クロロホルム中の2%メタノールで溶離するシリカゲル230−400メッシュ上でカラムクロマトグラフィーに付した。R−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを、固体として、0.4グラム(95%)を得た。
【0441】
工程3 R−N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
ジクロロメタン6mL中のR−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル0.4グラム(0.92mmole)の撹拌した懸濁液に、TFA2mLを加えた。混合物を23℃で1時間撹拌して、次に減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルと0.75M炭酸ナトリウム水溶液に分配した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。R−N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドを、エタノール/エチルエーテル/ヘキサンから再結晶により固体、0.24グラム(78%)、融点142−144℃、MH=335を得た。
【0442】
実施例8
N−(6−ベンゼンスルホニルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジン
【0443】
【化49】

【0444】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドとエチルイミダート(アセトイミド酸エチルエステル)を、無水エタノールに溶解して、反応混合物をアルゴン下、室温で撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、残留物をEtO/EtOHから再結晶化して、N−(6−ベンゼンスルホニルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジンを得た。N−(6−フェニルスルファモイル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジンを同様に調製することができた。
【0445】
実施例9
N−(5−グアニジノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【0446】
【化50】

【0447】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩とジエチルイソプロピルアミンを、DMFに溶解して、反応混合物を100℃に加熱し、次に冷却して、水を加えることにより希釈した。水性混合物をEtOAcで抽出して、合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮して、N−(5−グアニジノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを得た。5−グアニジノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0448】
実施例10
N−{5−[(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド
【0449】
【化51】

【0450】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドと2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール・ヨウ化水素酸塩を塩化メチレンに加えて、全ての溶媒が蒸発するまで、反応混合物を加熱して還流した。反応混合物を150℃に加熱して、次に冷却した。得られた混合物を、NaOH水溶液の滴下添加により塩基性にして、次に分取液体クロマトグラフィーにより精製して、N−{5−[(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミドを得た。5−[(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0451】
実施例11
N−{5−[(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド
【0452】
【化52】

【0453】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、実施例1と2の手順にしたがって7−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンから調製した。C−(6−ベンゼンスルホニル−ナフタレン−1−イル)−メチルアミンと5,5−ジメチル−2−メチルスルファニル−ヘキサヒドロ−ピリミジン塩酸塩を塩化メチレンに加えて、全ての溶媒が蒸発するまで、反応混合物を加熱して穏やかに還流した。反応混合物を150℃に加熱して、次に冷却した。得られた混合物をNaOH水溶液の滴下添加により塩基性にして、次に分取液体クロマトグラフィーにより精製して、N−{5−[(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミドを得た。5−[(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イルアミノ)−メチル]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0454】
実施例12
N−[5−(ジメチルアミノ−メチレンアミノメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【0455】
【化53】

【0456】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールに加えて、反応混合物を95℃に加熱した。反応混合物を冷却し、水を加えることによりクエンチして、得られた水性混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥して(MgSO)、減圧下で蒸発して、N’−(6−ベンゼンスルホニルアミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−N,N−ジメチル−アセトアミジンを得た。N,N−ジメチル−N’−(6−フェニルスルファモイル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジンを同様に調製することができた。
【0457】
実施例13
N−(5−ジメチルアミノメチル−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド
【0458】
【化54】

【0459】
Journal of Organic Chemistry, 61(11), 3849−3862 (1996)に記載されている手順を使用して、メチレン中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドと含水ホルムアルデヒドの溶液を室温で撹拌して、NaBH(OAc)を加えて、反応混合物を室温で撹拌した。飽和NaHCO水溶液をゆっくり加えて、反応物をクエンチして、水性混合物をEtOAcで抽出した。有機層を水とブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過して、減圧下で濃縮して、N−(5−ジメチルアミノメチル−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドが得られた。5−ジメチルアミノメチル−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0460】
実施例14
N−{5−[(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミド
【0461】
【化55】

【0462】
エタノール中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、2−メチルスルファニル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン(Chenらにより報告された方法により調製した、WO9736859)と水酸化ナトリウムの混合物を加熱して還流し、次に減圧下で濃縮し、酢酸エチルで希釈して、炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機相を乾燥して(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、N−{5−[(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ナフタレン−2−イル}−ベンゼンスルホンアミドを得た。5−[(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルアミノ)−メチル]−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0463】
実施例15
N−(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−2−メチルアミノ−アセトアミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームGに示した方法にしたがって実施した。
【0464】
【化56】

【0465】
工程1 {[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル
塩化メチレン中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−酢酸、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド及びトリエチルアミンの混合物を、室温で撹拌した。反応物を、水を加えることによりクエンチして、混合物を、シリカゲルを通じて溶出して、{[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステルを得た。
【0466】
工程2 N−(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−2−メチルアミノ−アセトアミド
室温で、メタノールとギ酸中の{[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステルの撹拌した溶液に、パラジウム担持炭を加えた。混合物を室温で撹拌し、セライトを通じて濾過して、濾液を濃縮して、N−(6−ベンゼンスルホニル−ナフタレン−1−イルメチル)−2−メチルアミノ−アセトアミドを得た。2−メチルアミノ−N−(6−フェニルスルファモイル−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミドを同様に調製することができた。
【0467】
実施例16
2−[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−アセトアミド
本実施例に記載した合成手順を、スキームHに示した方法にしたがって実施した。
【0468】
【化57】

【0469】
工程1 [(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−酢酸エチルエステル
ジクロロエタン中のN−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドとトリエチルアミン(0.2ml、1.55mmole)を撹拌して、氷浴中で冷却した。グリオキシル酸エチルを加え、続けてナトリウムトリアセトキシボロヒドリドを加えた。反応物を撹拌して、次に2%炭酸ナトリウム溶液を加えることによりクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出して、有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して、減圧下で濃縮して、[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−酢酸エチルエステルを得た。
【0470】
工程2 2−[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−アセトアミド
[(6−ベンゼンスルホニルアミノ−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−酢酸エチルエステルをメタノール中のメチルアミンに加えて、溶液を室温で撹拌して、次に減圧下で濃縮した。油状物をエタノールに溶解して、ジエチルエーテル中の1N HClを加えて、塩酸塩として2−[(6−ベンゼンスルホニル−ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N−メチル−アセトアミドが沈殿した。
【0471】
実施例17
N−[5−(メタンスルホニルアミノ−メチル)−ナフタレン−2−イル]−ベンゼンスルホンアミド
【0472】
【化58】

【0473】
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドを塩化メチレンとピリジンに溶解して、混合物を氷浴中で冷却した。塩化メタンスルホニルを滴下して、反応混合物を氷浴温度で撹拌し、次に室温に温めた。反応混合物を、水を加えることによりクエンチして、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過して減圧下で濃縮して、N−[5−(メタンスルホニルアミノ−メチル)−ナフタレン−2−イル]−ベンゼンスルホンアミドを得た。5−(メタンスルホニルアミノ−メチル)−ナフタレン−2−スルホン酸フェニルアミドを同様に調製することができた。
【0474】
実施例18
製剤
種々の経路で送達するための医薬製剤は、以下の表に示されるようにして、製剤化される。表中に使用されている「活性成分」又は「活性化合物」は、1以上の式Iの化合物を意味する。
【0475】
【表2】

【0476】
成分を混合し、各々約100mgを含むカプセルに分配し;1個のカプセルは、およそ1日の用量である。
【0477】
【表3】

【0478】
成分を合わせ、メタノールなどの溶媒を使用して造粒した。その後、製剤を乾燥し、適切な錠剤機を用いて錠剤(約20mgの活性化合物を含む)に成形した。
【0479】
【表4】

【0480】
成分を混合し、経口投与用の懸濁液を形成した。
【0481】
【表5】

【0482】
活性成分を、注射用水の一部に溶かした。その後、十分量の塩化ナトリウムを攪拌しながら加え、溶液を等張とした。溶液を、残りの注射用水を用いてかさを増し、0.2ミクロンのメンブランフィルターを通してろ過し、無菌条件下でパッケージングした。
【0483】
【表6】

【0484】
成分を蒸気浴上で一緒に融解し混合し、全重量2.5gを含む型に注いだ。
【0485】
【表7】

【0486】
水を除く全ての成分を合わせ、攪拌しながら約60℃まで加熱した。その後、約60℃の十分量の水を、激しく攪拌しながら加え、成分を乳化し、その後、水を適量加えて全量を約100gとした。
【0487】
鼻スプレー製剤
約0.025〜0.5パーセントの活性化合物を含有しているいくつかの水性懸濁物を、鼻スプレー製剤として調製した。その製剤は、場合により、例えば、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース等のような不活性成分を含有していてもよい。pHを調整するために、塩酸を添加しうる。鼻スプレー製剤は、典型的には、1作動あたり約50〜100マイクロリットルの製剤を送達する鼻スプレー計量ポンプを介して送達されうる。典型的な投薬スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0488】
実施例19
放射性リガンド結合研究
この実施例は、式Iの化合物のインビトロ放射性リガンド結合研究を説明する。
本発明の化合物のインビトロでの結合活性を次のようにして決定した。組換えヒト5−HT6受容体を安定して発現するHEK293細胞に由来する細胞膜における[3H]LSDの結合について競合させることにより、5−HT6リガンド親和性の二重測定を行った。組換えヒト5−HT2A受容体を安定して発現するCHO−K1細胞に由来する細胞膜における[3H]ケタンセリン(Ketanserin)(3−(2−(4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジノール)エチル)−2,4(1H,3H)−キナゾリンジオン)の結合について競合させることにより、5−HT2Aリガンド親和性の二重測定を行った。Monsma et al., Molecular Pharmacology, Vol. 43 pp. 320-327 (1993)により記載された方法によりHEK293細胞系から、またBonhaus et al., Br. J Pharmacol. Jun; 115(4): 622-8 (1995)により記載されたようにCHO−K1細胞系から、膜を調製した。
【0489】
5−HT受容体での親和性を評価するためには、すべての測定は、250マイクロリットルの反応容量で、50mM Tris−HCl、10mM MgSO、0.5mM EDTA、1mMアスコルビン酸を含有するpH7.4、37℃のアッセイ緩衝液中で行った。5−HT2Aレセプターでの親和性を評価するためには、すべての測定は、250マイクロリットルの反応容量で、50mM Tris−HCl、5mMアスコルビン酸、4mM CaCl2を含有するpH7.4、32℃のアッセイ緩衝液中で行った。
【0490】
3H]LSD又は[3H]ケタンセリン(5nM)、競合リガンド、及び膜を含有するアッセイ管を振とう水浴中、37℃で75分間(5−HTについて)又は32℃で60分間(5−HT2Aについて)インキュベートし、Packard 96ウェル細胞採取機を使用してPackard GF−Bプレート(0.3%PEIで予備浸漬)で濾過し、氷冷50mM Tris−HClで3回洗浄した。結合[3H]LSD又は[3H]ケタンセリンを、Packard TopCountを使用して、1分間あたりの放射活性カウントとして測定した。
【0491】
結合部位からの[3H]LSD又は[3H]ケタンセリンの置換は、濃度−結合データを4−パラメータロジスティック式に当てはめることによって定量化した:
【0492】
【数1】

【0493】
(式中、ヒルはヒル勾配であり、[リガンド]は競合放射性リガンドの濃度であり、IC50は放射性リガンドの半最大値特異的結合を生じる放射性リガンドの濃度である。特異的結合ウィンドウは、Bmaxと基底値パラメータとの差である)。
【0494】
本実施例の手順を使用して、式Iの化合物が試験され、選択的5−HT6アンタゴニスト、選択的5−HT2Aアンタゴニスト、又はその双方であることが見出された。例えば、化合物N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミドは、5−HT6に対して約9.86のpKiを示した。いくつかのさらなる代表例を、下表に示す。
【0495】
【表8】

【0496】
化合物5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(3−フルオロフェニル)−アミドは、5−HT2Aに対して約6.86のpKiを示した。
【0497】
実施例20
認知増強
本発明の化合物の認知増強特性は、動物認知モデル:物体認識課題モデルにおけるものでありうる。4ヶ月齢の雄ウィスターラット(Charles River, The Netherlands)を使用した。化合物を毎日調製し、生理食塩水に溶解し、3種の用量で試験した。投与は、常にT1の60分前に、腹腔内(注射容量1ml/kg)に行った。スコポラミン臭化水素酸塩を、化合物注射の30分後に注射した。ラット24匹の2つの等しい試験群を作成し、2人の実験者によって試験した。投与の試験の順序はランダムに決定した。実験は二重盲検プロトコルを使用して実施した。全てのラットを、各投与条件で1回処理した。物体認識テストは、Ennaceur, A., Delacour, J., 1988, A new one-trial test for neurobiological studies of memory in rats.1: Behavioral data.Behav.Brain Res. 31, 47-59によって記載されたようにして実施した。
【0498】
本発明をその特定の実施態様に関して記載したが、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更をなしうること及び均等物が代用されうることを、当業者は理解されたい。さらに、特定の状況、材料、組成物、方法、1つ以上のプロセス工程を、本発明の目的とする精神及び範囲に適応させるために、多くの修正を行いうる。そのような修正は、全て、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化59】


[式中、
mは、0〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
Xは、−SO2−NRG−又は−NRG−SO2−(ここで、RGは、水素又はアルキルであるか;あるいはRGは、Arに結合するアルキレン橋架けを形成する)であり;
各々のR1は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、又は−C(=O)−Re(ここで、tは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Rfは、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
2は、式:
【化60】


であり;
nは、1〜3であり;
3及びR4は、各々独立に、水素又はアルキルであるか、あるいはR3及びR4は、一緒になって、=O又は=NRf(Rfは、水素又はアルキルである)を形成してもよく;
5及びR6の一方は、水素又はアルキルであり、他方は:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;アルキルスルホニルアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールであるか;あるいは
5及びR6は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、ウレア基、グアニジニル基、又は場合により置換されておりかつO、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員もしくは6員のヘテロアリールもしくはヘテロシクリル環を形成しうるか;あるいは
5及びR6のうちの1つとR3及びR4のうちの1つとが、それらが結合している原子と一緒になって、O、N及びSから選択される追加のヘテロ原子を場合により含む5員又は6員の環を形成しうる]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、Xが、テトラリン環系の6位に位置している、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Arが、場合により置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Arが、フェニル、2−ハロフェニル又は3−ハロフェニルである、請求項4記載の化合物。
【請求項5】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素又はアルキルであり、他方が:アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;イミダゾロニル;イミダゾリルカルボニル;ピロリルカルボニル;ピロリジニルカルボニル;N−シアノアミジニル;アルキルスルホニル;ヒドロキシアルキルカルボニル;アミノスルホニル;ヒドロキシアルキル;アルコキシアルキル;又は場合により置換されているヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素であり、他方が:水素;アルキル;アミジニル;アミノカルボニル;アルキルカルボニル;アルコキシカルボニル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニル;アルコキシカルボニルアルキル;アルキルスルホニル;又はヒドロキシアルキルカルボニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素であり、他方が、アルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素であり、他方が:水素;アルキル;アルキルカルボニル;又はアミノカルボニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素であり、他方が、アルキルカルボニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R3及びR4が水素であり、R5及びR6の一方が、水素であり、他方が、アミノカルボニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R2が:アミノアルキル;アルキルアミノアルキル;ジアルキルアミノアルキル;イミダゾリニルアミノアルキル;イミダゾリニルアルキル;グアニジニルアルキル;テトラヒドロピリミジニルアミノアルキル;アミジニルアルキル;ウレアルキル;アミジニル;ヘテロアリールアミノアルキル;イミダゾリルアミノアルキル;グアニジニルカルボニルアルキル;イミダゾロニルアミノアルキル;イミダゾリニルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキル;ピロリルカルボニルアミノアルキル;アミノアルキルカルボニルアミノアルキル;アルコキシカルボニルアルキルアミノアルキル;N−シアノグアニジニルアルキル;アルキルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキルアミノアルキル;ピロリジニルカルボニルアミノアルキル;アルキルスルホンアミドアルキル;アミノスルホンアミドアルキル;アルコキシカルボニルアミノアルキル;ヒドロキシアルキルカルボニルアミノアルキル;ヒドロキシアルキルアミノアルキル;アルコキシアルキルアミノアルキル;又はアルキルスルホニルアルキルアミノアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R2が:
【化61】


(式中、Rgは、水素、アルキル、場合により置換されているフェニル又は場合により置換されているピリミジニルであり、Rh、Ri、Rj及びRkは、各々独立した存在で、水素又はアルキルであり、Rmは、水素、アルキル又は−NRhiである)
である、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R2が:
【化62】


(式中、Rg、Rh、Ri及びRjは、水素又はアルキルである)
である、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
mが0又は1であり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルであり、Xが、−SO2−NH−又は−NH−SO2−であり、R2が:アミノアルキル;アルキルアミノアルキル;ジアルキルアミノアルキル;グアニジニルアルキル;アミジニルアルキル;ウレアルキル;アミジニル;グアニジニルカルボニルアルキル;アミノカルボニルアルキル;アミノアルキルカルボニルアミノアルキル;アルキルカルボニルアミノアルキル;アミノカルボニルアルキルアミノアルキル;及びアルコキシカルボニルアミノアルキルである、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
式IIa又は式IIb:
【化63】


(式中、m、Ar、X、R1及びR2は、請求項1に定義されたとおりである)
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
式IIIa又は式IIIb:
【化64】


[式中、
sは、0〜4であり;
各々のR7は、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−Ra、−C(=O)−NRbc、−SO2−NRbc、−N(Rd)−C(=O)−Re、又は−C(=O)−Re(ここで、rは、0〜2であり、Ra、Rb、Rc及びRdは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Reは、水素、アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R1、R3、R4、R5及びR6は、請求項1に説明されたとおりである]
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項19】
式IVa、IVb、IVc又は式IVd:
【化65】


(式中、m、n、s、R1、R5、R6及びR7は、請求項1に説明されたとおりである)
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
N−[8−(2−アミノ−エチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]−ベンゼンスルホンアミド、
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、
3−フルオロ−N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
3−フルオロ−N−(5−ウレイドメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
3−フルオロ−N−(5−ホルミルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド、
N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−N−メチル−ベンゼンスルホンアミド、
(S)−N−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド、(S)−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド、
(S)−3−フルオロ−N−(5−メチルアミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、
5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホン酸(3−フルオロ−フェニル)−アミド、
C−[6−(2,3−ジヒドロ−インドール−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、又は
C−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン
よりなる群から選択される、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一項記載の1以上の化合物を、薬学的に許容しうる担体と混合して含む医薬組成物。
【請求項22】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
5−HT6受容体モジュレーター、5−HT2A受容体モジュレーター又は双方に関連する疾患の処置用の医薬の製造のための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項24】
精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、摂食障害、及びハンチントン病より選択される中枢神経系疾患状態の処置用の、請求項23記載の使用。
【請求項25】
胃腸管の障害の治療及び/又は予防用の、請求項23記載の使用。
【請求項26】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2009−541248(P2009−541248A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515832(P2009−515832)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055840
【国際公開番号】WO2007/147762
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】