説明

アリール基を有する複素環化合物

【課題】新しい作用機序を有し、副作用が少ない、優れた抗HIV活性を有する化合物を提供すること
【解決手段】一般式


「式中、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはアミノ基などを:RおよびRは、同一または異なって、C1−2アルキル基を;ZおよびZは、同一または異なって、CHまたはNを示す。」で表される化合物またはその塩は、優れた抗HIV活性を有し、抗HIV剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗HIV剤として有用である複素環化合物またはその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
レトロウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫細胞に感染し、後天性免疫不全症候群(エイズ)を引き起こす。現在、HIV感染者数は、全世界で数千万人に達している。特にアジアおよびアフリカ地域での近年の感染拡大は、重大な問題とされている。
HIVは、ウイルス特有の酵素(プロテアーゼ、逆転写酵素およびインテグラーゼなど)がコードされたRNA遺伝子を殻内に有し、免疫応答細胞表層に存在するCD4およびケモカインレセプターを介して標的細胞に侵入する。HIVは、脱殻後、細胞質内にRNAおよびインテグラーゼなどの複合体を放出し、自己の有する逆転写酵素を用いてその遺伝情報を二本鎖のプロウイルスDNAへと逆転写する。さらに、HIV特有のインテグラーゼにより、プロウイルスDNAを標的細胞のDNA内に組み込む。このようにして、標的細胞に組み込まれたプロウイルスDNAは、RNA鎖に転写され、TatおよびRevといったウイルスの制御性遺伝子産物により、効率的にウイルス蛋白を産生する。ウイルス蛋白は、別に形成されたウイルスRNAと組み合わされて宿主細胞の膜表面から出芽する。細胞外に遊出したウイルスは、免疫応答細胞(CD4陽性T細胞およびマクロファージなど)に感染・増殖を繰り返し、結果として宿主に免疫不全症を引き起こす。
これまで、ウイルス特有の酵素を標的とした抗HIV剤が開発されている。たとえば、核酸系逆転写酵素阻害剤であるジドブジン、ジダノシン、ラミブジン、アバカビルおよびテノフォビルなど;非核酸系逆転写酵素阻害剤であるエファビレンツおよびネビラピンなど;プロテアーゼ阻害剤であるロピナビル、ホスホアンプレナビル、アタザナビルおよびダルナビルなど;インテグラーセ阻害剤であるラルテグラビル;ならびに侵入阻害剤であるマラビロックなどが市販されている。
エイズ治療においては、これらの薬剤を併用する多剤併用療法が用いられている。たとえば、非核酸系逆転写酵素阻害剤1剤および核酸系逆転写酵素阻害剤2剤の組み合わせ、および、プロテアーゼ阻害剤1剤および核酸系逆転写酵素阻害剤2剤の組み合わせ、などが推奨されている(非特許文献1)。
しかしながら、HIVは、容易に耐性化する。一旦、耐性化したウイルスは、同系統の薬剤に対して、感受性が低下する(非特許文献2)。さらに、併用療法に用いられる薬剤の数が限られており、必ずしも満足できる効果が得られていない。
また、現在使用されている薬剤の副作用として、たとえば、核酸系逆転写酵素阻害剤による乳酸アシドーシス、プロテアーゼ阻害剤による脂質代謝異常および糖尿病などの合併症が報告されている(非特許文献3、4)。
一方、抗ウイルス活性を有するナフチリドンまたはキノロン化合物が知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3713291号
【特許文献2】特許第3754467号
【非特許文献1】化学療法の領域、2009年、第25巻、p26−33
【非特許文献2】化学療法の領域、2004年、第20巻、p58−68
【非特許文献3】化学療法の領域、2009年、第25巻、p40−53
【非特許文献4】化学療法の領域、2009年、第25巻、p54−61
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
新しい作用機序を有し、体内動態に優れ、副作用が少ない、優れた抗HIV活性を有する化合物が、強く望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、一般式[1]

「式中、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基、アシル基、C1−6アルキルアミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基または単環の複素環式基を:RおよびRは、同一または異なって、C1−2アルキル基を;ZおよびZは、同一または異なって、CHまたはNを示す。」で表される化合物またはその塩が、優れた抗HIV活性を有し、抗HIV剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【発明の効果】
【0006】
本発明の複素環化合物またはその塩は、体内動態に優れ、副作用が少ない、優れた抗HIV活性を有し、抗HIV剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、特にことわらない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
1−2アルキル基とは、メチルまたはエチル基を意味する。
1−6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキル基を意味する。
2−6アルケニル基とは、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、1,3−ブタジエニル、ペンテニルおよびヘキセニル基などの直鎖状または分枝鎖状のC2−6アルケニル基を意味する。
【0008】
アルC1−6アルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、フェネチルおよびナフチルメチルなどのアルC1−6アルキル基を意味する。
【0009】
1−6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシなどの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルオキシ基を意味する。
1−6アルコキシC1−6アルキル基とは、メトキシメチルおよび1−エトキシエチルなどのC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基を意味する。
アルC1−6アルコキシC1−6アルキル基とは、ベンジルオキシメチルおよびフェネチルオキシメチルなどのアルC1−6アルキルオキシC1−6アルキル基を意味する。
【0010】
2−12アルカノイル基とは、アセチル、プロピオニル、バレリル、イソバレリルおよびピバロイルなどの直鎖状または分枝鎖状のC2−12アルカノイル基を意味する。
アロイル基とは、ベンゾイルまたはナフトイル基を意味する。
複素環式カルボニル基とは、ニコチノイル、テノイル、ピロリジノカルボニルまたはフロイル基を意味する。
(α−置換)アミノアセチル基とは、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、プロリンおよびヒドロキシプロリンなどのアミノ酸が挙げられる。)から誘導されるN末端が保護されていてもよい(α−置換)アミノアセチル基を意味する。
アシル基とは、ホルミル基、スクシニル基、グルタリル基、マレオイル基、フタロイル基、C2−12アルカノイル基、アロイル基、複素環式カルボニル基または(α−置換)アミノアセチル基を意味する。
【0011】
1−6アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルおよび1,1−ジメチルプロポキシカルボニルなどの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アリールオキシカルボニル基とは、フェニルオキシカルボニルまたはナフチルオキシカルボニル基を意味する。
アルC1−6アルコキシカルボニル基とは、ベンジルオキシカルボニルおよびフェネチルオキシカルボニルなどのアルC1−6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
【0012】
1−6アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノおよびヘキシルアミノなどの直鎖状または分枝鎖状のC1−6アルキルアミノ基を意味する。
ジ(C1−6アルキル)アミノ基とは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、(エチル)(メチル)アミノおよび(メチル)(プロピル)アミノなどの直鎖状または分枝鎖状のジ(C1−6アルキル)アミノ基を意味する。
【0013】
1−6アルキルスルホニル基とは、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニルなどのC1−6アルキルスルホニル基を意味する。
アリールスルホニル基とは、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニルまたはナフタレンスルホニル基を意味する。
1−6アルキルスルホニルオキシ基とは、メチルスルホニルオキシおよびエチルスルホニルオキシなどのC1−6アルキルスルホニルオキシ基を意味する。
アリールスルホニルオキシ基とは、ベンゼンスルホニルオキシまたはp−トルエンスルホニルオキシ基を意味する。
【0014】
シリル基とは、トリメチルシリル、トリエチルシリルまたはトリブチルシリル基を意味する。
【0015】
単環の含窒素複素環式基とは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、ピペリジル、テトラヒドロピリジル、ピリジル、ホモピペリジニル、オクタヒドロアゾシニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピペラジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ホモピペラジニル、トリアゾリルおよびテトラゾリル基などの該環を形成する異項原子として窒素原子のみを含む単環の含窒素複素環式基を意味する。
単環の含酸素複素環式基とは、テトラヒドロフラニル、フラニル、テトラヒドロピラニルまたはピラニル基を意味する。
単環の含硫黄複素環式基とは、チエニル基を意味する。
単環の含窒素・酸素複素環式基とは、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリルおよびモルホリニル基などの該環を形成する異項原子として窒素原子および酸素原子のみを含む単環の含窒素・酸素複素環式基を意味する。
単環の含窒素・硫黄複素環式基とは、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、チオモルホリニル、1−オキシドチオモルホリニルおよび1,1−ジオキシドチオモルホリニル基などの該環を形成する異項原子として窒素原子および硫黄原子のみを含む単環の含窒素・硫黄複素環式基を意味する。
単環の複素環式基とは、単環の含窒素複素環式基、単環の含酸素複素環式基、単環の含硫黄複素環式基、単環の含窒素・酸素複素環式基または単環の含窒素・硫黄複素環式基を意味する。
【0016】
含ホウ素複素環式基とは、1,3,2−ジオキサボレタン−2−イル、1,3,2−ジオキサボロラン−2−イルおよび1,3,6,2−ジオキサアザボロカン−2−イルなどの該環を形成する異項原子としてホウ素原子を含む単環の含ホウ素複素環式基を意味する。
【0017】
脱離基としては、ハロゲン原子、C1−6アルキルスルホニルオキシ基およびアリールスルホニルオキシ基が挙げられる。
【0018】
アミノ保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696〜926頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、アルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アルC1−6アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基およびシリル基などが挙げられる。上記の基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキル基およびC1−6アルコキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。
【0019】
ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第16〜299頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、アルC1−6アルキル基、C1−6アルコキシC1−6アルキル基、アルC1−6アルコキシC1−6アルキル基、アシル基、C1−6アルコキシカルボニル基、アルC1−6アルコキシカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シリル基、テトラヒドロフラニル基およびテトラヒドロピラニル基などが挙げられる。上記の基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C1−6アルキル基およびC1−6アルコキシ基から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい。
【0020】
ハロゲン化炭化水素類とは、塩化メチレン、クロロホルムまたはジクロロエタンを意味する。
エーテル類とは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジエチルエーテルを意味する。
アルコール類とは、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノールまたは2−メチル−2−プロパノールを意味する。
ケトン類とは、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノンまたはメチルイソブチルケトンを意味する。
エステル類とは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルまたは酢酸ブチルを意味する。
アミド類とは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドまたは1−メチル−2−ピロリドンを意味する。
芳香族炭化水素類とは、ベンゼン、トルエンまたはキシレンを意味する。
【0021】
一般式[1]の化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基およびヒドロキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸および硫酸などの鉱酸との塩;ぎ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩が挙げられる。
酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミン、1−エフェナミンおよびN,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などが挙げられる。
上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0022】
、R、R、RおよびRのC1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子、シアノ基、保護されていてもよいアミノ基および保護されていてもよいヒドロキシル基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
【0023】
本発明の一般式[1]の化合物において、好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
が、水素原子またはハロゲン原子である化合物が好ましく、水素原子である化合物がより好ましい。
が、水素原子または保護されていてもよいアミノ基である化合物が好ましく、保護されていてもよいアミノ基である化合物がより好ましく、アミノ基である化合物がさらに好ましい。
が、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基またはアシル基である化合物が好ましく、ハロゲン原子またはシアノ基である化合物がより好ましく、フッ素原子である化合物がさらに好ましい。
が、水素原子またはハロゲン原子である化合物が好ましく、水素原子またはフッ素原子である化合物がより好ましい。
が、ハロゲン原子である化合物が好ましく、フッ素原子である化合物がより好ましい。
が、メチル基である化合物が好ましい。
が、メチル基である化合物が好ましい。
が、CHである化合物が好ましい。
が、CHである化合物が好ましい。
【0024】
また、一般式[1]の化合物またはその塩において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それらの異性体を包含し、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶を包含するものである。
【0025】
次に本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、自体公知の方法を組み合わせることにより製造されるが、たとえば、次に示す製造法に従い、製造することができる。
【0026】
[製造法1]

「式中、Lは、脱離基を;RおよびRは、同一または異なってヒドロキシル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基または結合するホウ素原子と一緒になって置換されていてもよい含ホウ素複素環式基を;R、R、R、R、R、R、R、ZおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0027】
一般式[3]の化合物として、たとえば、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸および3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾールなどが知られている。
また、一般式[3]の化合物は、たとえば、テトラヘドロン(Tetrahedron)、第58巻、第3323〜3328頁(2002年)に記載された方法に準じ、対応するハロゲノ体から製造することができる。
【0028】
一般式[1]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、パラジウム触媒の存在下、リガンドの存在下または不存在下、一般式[2]の化合物を一般式[3]の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0029】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン炭化水素類、エーテル類、アルコール類、芳香族炭化水素類、アセトニトリルおよび水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アルコール類、芳香族炭化水素類および水の混合溶媒ならびにエーテル類が挙げられ、エタノール、トルエンおよび水の混合溶媒ならびにジオキサンがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[2]の化合物に対して、1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、10〜30倍量(v/w)である。
【0030】
この反応に使用されるパラジウム触媒としては、たとえば、パラジウム−炭素およびパラジウム黒などの金属パラジウム;塩化パラジウムなどの無機パラジウム塩;酢酸パラジウムなどの有機パラジウム塩;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドおよびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などの有機パラジウム錯体;ならびにポリマー担持ビス(アセタート)トリフェニルホスフィンパラジウム(II)およびポリマー担持ジ(アセタート)ジシクロヘキシルフェニルホスフィンパラジウム(II)などのポリマー固定化有機パラジウム錯体が挙げられ、これらは組み合わせて使用してもよい。
パラジウム触媒の使用量は、一般式[2]の化合物に対して0.00001〜1倍モル、好ましくは0.01〜0.2倍モルであればよい。
【0031】
この反応において所望により用いられるリガンドとしては、たとえば、トリメチルホスフィンおよびトリ−tert−ブチルホスフィンなどのトリアルキルホスフィン類;トリシクロヘキシルホスフィンなどのトリシクロアルキルホスフィン類;トリフェニルホスフィンおよびトリトリルホスフィンなどのトリアリールホスフィン類;トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイトおよびトリブチルホスファイトなどのトリアルキルホスファイト類;トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシクロアルキルホスファイト類;トリフェニルホスファイトなどのトリアリールホスファイト類;1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリドなどのイミダゾリウム塩;アセチルアセトンおよびオクタフルオロアセチルアセトンなどのジケトン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリブチルアミンなどのアミン類;1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン;2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル;2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル;2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル;2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル;ならびに2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニルが挙げられ、これらは組み合わせて使用してもよい。
リガンドの使用量は、一般式[2]の化合物に対して0.00001〜1倍モル、好ましくは0.02〜0.5倍モルであればよい。
【0032】
この反応において所望により用いられる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムおよびリン酸三カリウムなどの無機塩基ならびにトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、一般式[2]の化合物に対して1〜50倍モル、好ましくは、2〜10倍モルであればよい。
【0033】
一般式[3]の化合物の使用量は、一般式[2]の化合物に対して、1〜50倍モル、好ましくは、1〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、不活性気体(たとえば、窒素および/またはアルゴン)雰囲気下、0〜160℃、好ましくは20〜120℃で、1分間〜96時間実施すればよい。
【0034】
[製造法2]

「式中、Lは、脱離基を;R、R、R、R、R、R、RおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0035】
一般式[1a]の化合物は、たとえば、コレクション・オブ・チェコスロバク・ケミカル・コミュニケイションズ(Collection of Czechoslovak Chemical Communications)、第69巻、第822〜832頁(2004年)に記載の方法に準じて、一般式[4]の化合物を塩基の存在下または不存在下、閉環反応に付すことにより製造することができる。
【0036】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、エーテル類、アミド類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アミド類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[4]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、5〜50倍量(v/w)である。
【0037】
この反応において所望により用いられる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドおよび水素化ナトリウムが挙げられる。
塩基の使用量は、一般式[4]の化合物に対して、1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜140℃、好ましくは、40〜120℃で30分間〜24時間実施すればよい。
【0038】
次に本発明化合物の製造の原料である一般式[2]および一般式[4]の化合物の製造法について説明する。
【0039】
[製造法A]

「式中、R、R、R、R、R、L、LおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0040】
(A−1)
一般式[6]の化合物は、たとえば、コレクション・オブ・チェコスロバク・ケミカル・コミュニケイションズ(Collection of Czechoslovak Chemical Communications)、第69巻、第822〜832頁(2004年)に記載の方法に準じて、酸無水物の存在下または不存在下、一般式[5]の化合物にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを反応させることにより製造することができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば、特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アミド類および芳香族炭化水素類が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アミド類が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。
N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを溶媒として用いてもよい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[5]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、1〜10倍量(v/w)である。
【0041】
この反応において所望により用いられる酸無水物としては、たとえば、無水酢酸が挙げられる。
酸無水物の使用量は一般式[5]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、1〜10倍量(v/w)である。
が窒素原子の場合、酸無水物を用いることが好ましい。
この反応は、通常、0〜150℃、好ましくは、40〜110℃で30分間〜24時間実施すればよい。
【0042】
(A−2)
一般式[8]の化合物は、たとえば、コレクション・オブ・チェコスロバク・ケミカル・コミュニケイションズ(Collection of Czechoslovak Chemical Communications)、第69巻、第822〜832頁(2004年)に記載の方法に準じて、一般式[6]の化合物に、一般式[7]の化合物を反応させることにより製造することができる。
【0043】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、エステル類、芳香族炭化水素類ならびにぎ酸および酢酸などの有機酸が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、エステル類および酢酸が挙げられ、酢酸エチルおよび酢酸がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[6]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、1〜50倍量(v/w)である。
この反応は、通常、0〜110℃、好ましくは、20〜80℃で30分間〜24時間実施すればよい。
【0044】
(A−3)
一般式[2a]の化合物は、一般式[8]の化合物を塩基の存在下または不存在下、閉環反応に付すことにより製造することができる。
この反応は製造法2の方法に準じて行えばよい。
【0045】
[製造法B]

「式中、Lは、脱離基を;R、R、R、R、R、LおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0046】
一般式[2a]の化合物は、一般式[9]の化合物を塩基の存在下または不存在下、一般式[10]の化合物と反応させることにより製造することができる。
【0047】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、芳香族炭化水素類、アミド類、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシドが挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アミド類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[9]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、5〜100倍量(v/w)である。
【0048】
この反応において所望により用いられる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドおよび水素化ナトリウムが挙げられる。
塩基の使用量は、一般式[9]の化合物に対して、1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、20〜140℃、好ましくは、40〜120℃で30分間〜24時間実施すればよい。
【0049】
[製造法C]

「式中、Rは、C1−6アルキル基を;R、R、R、R、R、L、LおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0050】
(C−1)
一般式[12]の化合物は、一般式[11]の化合物を、N,N’−カルボニルジイミダゾールを用いて活性酸アミドに誘導した後、マロン酸モノエステルのマグネシウム塩と反応させることにより製造することができる。
この反応は、たとえば、アンゲバンテ・ヘミ・インターナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew. Chem. Int. Ed. Engl.)第18巻、第72〜74頁(1979年)に記載の方法に準じて行えばよい。
【0051】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、エステル類、アミド類および芳香族炭化水素類が挙げられ、これらは混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類、エステル類および芳香族炭化水素類が挙げられ、塩化メチレンおよび酢酸エチルがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[11]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、1〜30倍量(v/w)である。
【0052】
この反応に使用されるN,N’−カルボニルジイミダゾールおよびマロン酸モノエステルのマグネシウム塩の使用量は、一般式[11]の化合物に対して、それぞれ、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜2倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、10〜80℃で、5分間〜30時間実施すればよい。
【0053】
(C−2)
一般式[13]の化合物は、一般式[12]の化合物に、無水酢酸存在下、オルトエステル類を反応させた後、一般式[7]の化合物を反応させることにより製造することができる。
【0054】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、エステル類、アミド類、芳香族炭化水素類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、これらは混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、ハロゲン化炭化水素類およびエステル類が挙げられ、塩化メチレンおよび酢酸エチルがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[12]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、1〜30倍量(v/w)である。
【0055】
この反応に使用されるオルトエステル類としては、たとえば、オルトぎ酸メチルおよびオルトぎ酸エチルが挙げられる。
オルトエステル類の使用量は、一般式[12]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜10倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜150℃、好ましくは、50〜150℃で、20分間〜50時間実施すればよい。
【0056】
ついで、一般式[7]の化合物を反応させることにより、一般式[13]の化合物を製造することができる。
一般式[7]の化合物の使用量は、一般式[12]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜3倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜100℃、好ましくは、10〜60℃で、20分間〜30時間実施すればよい。
【0057】
(C−3)
一般式[14]の化合物は、一般式[13]の化合物を、塩の存在下または不存在下、塩基の存在下または不存在下、閉環反応に付すことにより得ることができる。
【0058】
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、エーテル類、アミド類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、これらは混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アミド類およびジメチルスルホキシドが挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキシドがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[11]の化合物に対して1〜1000倍量(v/w)、より好ましくは、5〜50倍量(v/w)である。
【0059】
この反応で所望に応じて用いられる塩としては、たとえば、フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムが挙げられる。
この反応で所望に応じて用いられる塩基としては、たとえば、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシドおよび水素化ナトリウムが挙げられる。
塩および塩基の使用量は、一般式[13]の化合物に対して、等モル以上であればよく、好ましくは、1〜3倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜180℃で、5分間〜30時間実施すればよい。
【0060】
(C−4)
一般式[15]の化合物は、一般式[14]の化合物を酸または塩基の存在下、加水分解を行うことにより製造することができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン炭化水素類、エーテル類、アルコール類、ケトン類、アミド類、芳香族炭化水素類およびジメチルスルホキシドならびに水の混合溶媒が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、エーテル類、アルコール類およびケトン類ならびに水の混合溶媒が挙げられ、1,4−ジオキサン、メタノールおよびエタノールならびに水の混合溶媒がより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[14]の化合物に対して、1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、10〜30倍量(v/w)である。
【0061】
この反応に使用される酸としては、たとえば、塩酸および硫酸が挙げられる。
この反応に使用される塩基としては、たとえば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。
酸および塩基の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[14]の化合物に対して、0.01〜1000倍モル、より好ましくは、1〜10倍モルである。
この反応は、通常、0〜150℃で、5分間〜30時間実施すればよい。
【0062】
(C−5)
一般式[16]の化合物は、一般式[15]の化合物を還元剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類および水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、エーテル類、アルコール類および水の混合溶媒が挙げられ、メタノールがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[15]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、2〜50倍量(v/w)である。
【0063】
この反応に用いられる還元剤としては、たとえば、水素化ホウ素ナトリウムおよびナトリウムアセトキシボロハイドライドなどの水素化ホウ素類;ならびに、リチウムアルミニウムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルミニウム類が挙げられる。
好ましい還元剤としては、水素化ホウ素類が挙げられ、水素化ホウ素ナトリウムがより好ましい。
還元剤の使用量は、一般式[15]の化合物に対して0.25〜20倍モル、好ましくは、1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜30℃で、5分間〜10時間実施すればよい。
【0064】
(C−6)
一般式[17]の化合物は、一般式[16]の化合物を、酸の存在下または不存在下、加熱することにより製造することができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類および水が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、エーテル類、アルコール類および水が挙げられ、メタノールが好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[16]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、2〜50倍量(v/w)である。
【0065】
この反応で所望に応じて用いられる酸としては、たとえば、塩酸、硫酸および硝酸などの鉱酸ならびに酢酸およびパラトルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。
酸の使用量は、一般式[16]の化合物に対して0.001〜20倍モル、好ましくは、0.1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、10〜130℃で、5分間〜10時間実施すればよい。
【0066】
(C−7)
一般式[2a]の化合物は、一般式[17]の化合物を、酸化剤と反応させることにより得ることができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類および芳香族炭化水素類が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、エーテル類および芳香族炭化水素類が挙げられ、1,4−ジオキサンがより好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[17]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、2〜50倍量(v/w)である。
【0067】
この反応に用いられる酸化剤としては、たとえば、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)および二酸化セレンが挙げられる。
好ましい酸化剤としては、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)が挙げられる。
酸化剤の使用量は、一般式[17]の化合物に対して等モル以上であればよく、好ましくは、1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜150℃で、5分間〜30時間実施すればよい。
【0068】
[製造法D]

「式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、L、LおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0069】
(D−1)
一般式[18]の化合物は、塩基の存在下または不存在下、パラジウム触媒の存在下、リガンドの存在下または不存在下、一般式[6]の化合物を一般式[3]の化合物と反応させることにより製造することができる。
この反応は、製造法1に準じて行えばよい。
【0070】
(D−2)
一般式[4]の化合物は、一般式[18]の化合物を一般式[7]の化合物と反応させることにより製造することができる。
この反応は、製造法A−2に準じて行えばよい。
【0071】
[製造法E]

「式中、R、R、R、R、R、L、LおよびZは、前記と同様の意味を有する。」
【0072】
一般式[8]の化合物として、たとえば、2−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−オキソアセトアルデヒドが知られている。
また、一般式[8]の化合物は、ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)第24巻、第441〜451頁(1987年)に記載された方法に準じ、アセトフェノン化合物を酸化することにより製造することができる。
一般式[19]の化合物として、たとえば、フェニルヒドラジンが知られている。
【0073】
また、一般式[2b]の化合物は、一般式[8]の化合物を一般式[19]の化合物と反応させることにより製造することができる。
この反応で使用される溶媒としては、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、たとえば、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、水ならびに塩酸、硫酸および酢酸などの酸類が挙げられ、これらの溶媒は混合して使用してもよい。
好ましい溶媒としては、アルコール類および酸類が挙げられ、エタノールおよび酢酸の混合溶媒が好ましい。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、好ましくは、一般式[8]の化合物に対して1〜100倍量(v/w)、より好ましくは、2〜50倍量(v/w)である。
【0074】
一般式[19]の化合物の使用量は、一般式[8]の化合物に対して等モル以上であればよく、好ましくは、1〜5倍モルであればよい。
この反応は、通常、0〜100℃で、5分間〜50時間実施すればよい。
【0075】
上記した製造法で使用される化合物において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、これらの異性体も使用することができる。また、溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶が存在する場合、これらの溶媒和物、水和物および種々の形状の結晶も使用することができる。
上記した製造法で使用される化合物において、アミノ基を有している化合物は、予め通常の保護基で保護しておき、反応後、自体公知の方法でこれらの保護基を脱離することができる。
アミノ基の保護および脱保護は、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696〜926頁、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載の方法により行うことができる。
【0076】
上記した製造法で得られた化合物は、たとえば、縮合、付加、酸化、還元、転位、置換、ハロゲン化、脱水もしくは加水分解などの自体公知の反応に付すことにより、または、それらの反応を適宜組み合わせることにより、他の化合物に誘導することができる。
【0077】
本発明化合物を医薬として用いる場合、通常、製剤化に使用される賦形剤、担体および希釈剤などの製剤補助剤を適宜混合してもよい。これらは常法に従い、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤、坐剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、貼付剤、軟膏剤または注射剤などの形態で経口または非経口で投与することができる。また投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択することができる。通常、成人に対しては、経口または非経口(たとえば、注射、点滴および直腸部位への投与など)投与により、1日、0.01〜1000mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。
【0078】
次に本発明の代表的化合物の有用性を以下の試験例で説明する。
【0079】
試験例1 抗HIV活性
ジャーナル オブ クリニカル マイクロバイオロジー、2007年、第45巻、第477〜487頁を参考にして行った。
ヒトTリンパ球由来HPB-M(a)にHIV-1 LTRで発現を制御したルシフェラーゼ遺伝子ならびにCCR5遺伝子等を導入したMaRBLE細胞を用いて、抗HIV活性を評価した。
10%FCS(牛胎児血清)ならびにペニシリン/ストレプトマイシン含有RPMI1640にMaRBLE細胞を懸濁し、HIV-1(JRCSF)を感染させた後、96ウエルプレートに播種(1×105細胞/ウエル)した。対照群として、同数の非感染細胞を播種した。
本プレートを37℃、5%CO2条件下、2時間インキュベーションした後、各ウエルに新鮮培地または適宜希釈した試験化合物を含む培地を加えた。
さらに、37℃、5%CO2下、7日間培養した後、デュアルグロールシフェラーゼアッセイシステム(プロメガ社製)(Dual-Glo Luciferase assay system:Promega)を用いて、細胞内のルシフェラーゼ活性を測定した。
ウイルス増殖率は、以下の式で求めた。
【0080】
ウイルス増殖率(%)=(A/B)×100
A=(化合物添加ウエルのファイアーフライルシフェラーゼ活性)−(非感染細胞ファイアーフライルシフェラーゼ活性)
B=(化合物非添加ウエルのファイアーフライルシフェラーゼ活性)−(非感染細胞ファイアーフライルシフェラーゼ活性)
【0081】
化合物のIC50は、各濃度のウイルス増殖率をカーブフィッティングソフトウェアXLfit 4の4パラメーターロジステックモデル(parameter Logistic Model)を用いて算出した。
結果を表1に示す。
【0082】
【表1】

本発明化合物は、優れた抗HIV活性を示した。
【0083】
試験例2 マウスの体内動態試験(経口投与)
試験化合物として、実施例2、4、13および19の化合物を用いた。
0.5%メチルセルロースに懸濁した試験化合物(2.5mg/mL)を雄性ICR系マウス(6週齢、1群3匹)に10mL/kg経口投与した。投与から12時間後、マウスの血液を採取し、血清中の試験化合物の濃度をHPLCにて測定した。
その結果、実施例2、4、13および19の化合物の血清中の濃度は、いずれも1.0μg/mL以上であり、良好な体内動態を示した。
【0084】
試験例3 マウスの経口単回投与毒性試験
試験化合物として、実施例4、13、19および21の化合物を用いた。
0.5%メチルセルロースに懸濁した試験化合物を雄性ICR系マウス(6週齢、1群1匹)に10mL/kg経口投与した。
投与終了の翌日にマウスの状態を観察した。
その結果、実施例4、13、19および21の化合物は、25mg/mL以上の投与量で良好な安全性を示した。
【0085】
試験例4 マウスのin vivo小核試験
試験化合物として、実施例4、13、19および21の化合物を用いた。
0.5%メチルセルロースに懸濁した試験化合物を雄性ICR系マウス(8週齢、1群3匹)に24時間間隔で2回経口投与した。なお、対照群には0.5%メチルセルロースを投与した。
マウスが全例生存できた最高投与量群で、最終投与から24時間後、エーテル麻酔下でマウスを放血死させ、片側の大腿骨を採取した。採取した大腿骨の近位端を切断した後、ディスポーザブル注射筒を用いて牛胎児血清で骨髄細胞を遠沈管へ洗い出し、遠心分離(1000rpm、5分、HITACHI 05PR-22)後に上清の一部を捨て、骨髄細胞懸濁液を得た。この懸濁液をスライドグラスに塗抹し、乾燥後、メタノール固定して標本を作製した。
標本観察は、アクリジンオレンジ染色により行った。
蛍光顕微鏡下、個体当たり1000個以上の多染性赤血球(Polychromatic erythrocyte: PCE)について小核の有無を観察し、小核を有する多染性赤血球(Micronucleated polychromatic erythrocytes: MNPCE)の出現頻度(小核出現頻度,Frequency of MNPCE)を次式を用いて算出した。なお、小核出現頻度が0.5%を越える標本は陽性と判定した。
【0086】
小核出現頻度(%)=(MNPCE数/観察したPCE数)×100
【0087】
実施例4、13、19および21の化合物は、陰性であった。
【実施例】
【0088】
次に本発明を参考例および実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
溶離液における混合比は、容量比である。
特に記載のない場合、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおける担体は、関東化学株式会社、シリカゲル60N(球状、中性、63−210μm)である。
フラッシュカラムクロマトグラフィーは、山善株式会社、中圧液体クロマトグラフ、YFLC−Wprep2XY.Nである。特に記載のない場合、シリカゲルカラムは、山善株式会社、ハイフラッシュカラム、W001、W002、W003またはW004である。
各実施例において各略号は、以下の意味を有する。
Ac:アセチル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
DDQ:2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン
DMADA:N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMFDA:N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMSO:ジメチルスルホキシド
Et:エチル
Me:メチル
p−TsOH・HO:p−トルエンスルホン酸・一水和物
S−Phos:2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
DMSO−d:重ジメチルスルホキシド
【0089】
参考例1

エチル=3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソプロピオナート20.0gの1,4−ジオキサン100mL溶液に6mol/L塩酸100mLを加え、3時間20分間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にDMFDA40mLを加え、2時間30分間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去し、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、黄色固体の(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン12.7gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.91(s,3H),3.15(s,3H),5.59(dd,J=12.4,1.7Hz,1H),7.26(dd,J=10.0,1.7Hz,1H),7.33(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),7.68(dd,J=8.1,7.9Hz,1H),7.70-7.84(m,1H)
【0090】
参考例2

1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)エタン−1−オン19.1gのDMFDA95.0mLおよび無水酢酸28.5mL溶液を1時間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去し、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:メタノール=20:1→10:1]で精製し、褐色固体の(E)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン13.4gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.92(s,3H),3.15(s,3H),5.39(d,J=12.4Hz,1H),7.30(d,J=8.0Hz,1H),7.66-7.82(m,1H)
【0091】
参考例3

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン2.50gおよび2,4−ジフルオロアニリン1.54gの酢酸7.5mL溶液を70℃で2時間攪拌した。反応混合物を冷却後、固形物を濾取した。得られた固形物のDMSO9.6mL溶液に炭酸カリウム2.48gを加え、80℃で2時間攪拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルを加えた。固形物を濾取し、淡褐色固体の7−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン2.51gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:6.24(dd,J=8.2,0.7Hz,1H),7.08(s,1H),7.37-7.47(m,1H),7.57-7.64(m,1H),7.67-7.76(m,1H),7.87(ddd,J=8.7,8.7,6.0Hz,1H),8.00(d,J=7.8Hz,1H),8.13(dd,J=8.2,0.5Hz,1H)
【0092】
参考例4

エチル=3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソプロピオナート8g、オルトぎ酸エチル12.4gおよび無水酢酸14.3gの溶液を5時間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物の4分の1をとり、2−フルオロ−4−ニトロアニリン1.2g、ジイソプロピルエーテル10mLを加え、室温で22時間30分間攪拌した。減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に炭酸カリウム1.47gおよびDMSO10mLを加え、120℃で2時間攪拌した。反応混合物を水およびメタノール混液に滴下した。固形物を濾取し、固体2.51gを得た。
得られた固体2.0gの1,4−ジオキサン10mL溶液に2mol/L水酸化カリウム水溶液4mLを加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物にクロロホルムおよび水を加えた。水層を分取し、濃塩酸およびクロロホルムを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去し、白色固体の7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.76gを得た。
【0093】
参考例5

7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン−3−カルボン酸0.76gのメタノール6.1mL懸濁液に水素化ホウ素ナトリウム0.11gを氷冷下、25分間かけて添加した。反応混合物を同温度で、5分間攪拌した後、p−TsOH・HO0.14gを添加し、2時間35分間加熱還流した。減圧下で溶媒を留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=5:1→3:1]で精製し、7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン0.17gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.88(t,J=6.5Hz,2H),3.97-4.04(m,1H),6.72(dd,J=2.1,1.9Hz,1H),7.09(dd,J=8.5,1.9Hz,1H),7.50(dd,J=8.3,8.3Hz,1H),8.76(d,J=8.5Hz,1H),8.11-8.18(m,2H)
【0094】
参考例6

7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−2,3−ジヒドロキノリン−4(1H)−オン0.17gおよびDDQ0.14gの1,4−ジオキサン1.4mL溶液を9時間30分間加熱還流した.反応混合物にクロロホルムおよび2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=49:1→9:1]で精製し、固体の7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.11gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:6.41(d,J=7.8Hz,1H),6.99(dd,J=1.6,1.6Hz,1H),7.44(d,J=7,8Hz,1H),7.53(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.73(dd,J=8.5,7.3Hz,1H),8.28-8.36(m,3H)
【0095】
参考例7

7−ブロモ−1−(2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.11g、鉄粉84mgおよび塩化アンモニウム9.6mgのエタノール1.6mLおよび水0.83mLの懸濁液を1時間加熱還流した。不溶物を濾去し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にクロロホルム、エタノールおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、1−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン67mgを得た。
【0096】
参考例8

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン16.1gおよびtert−ブチル=(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)カルバマート18.0gの酢酸100mL溶液を40〜50℃で2時間30分間攪拌した。固形物を濾取し、黄色固体のtert−ブチル=((5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニル)アミノ)−2,4−ジフルオロフェニル)カルバマート23.1gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.54(s,9H),6.04(dd,J=7.9,2.4Hz,1H),6.67(brs,1H),6.95(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),7.31(dd,J=10.4,1.8Hz,1H),7.38(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.49(dd,J=11.8,7.9Hz,1H),7.79(dd,J=8.3,8.2Hz,1H),8.17(dd,J=6.8,6.8Hz,1H),12.10(d,J=11.8Hz,1H)
【0097】
参考例9

tert−ブチル=((5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニル)アミノ)−2,4−ジフルオロフェニル)カルバマート23.0gおよび炭酸カリウム8.09gのDMSO200mL懸濁液を50〜70℃で2時間30分間攪拌した。反応混合物を冷却した後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、褐色固体の7−ブロモ−1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン17.1gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.52(s,9H),6.35(d,J=7.8,1H),6.82(s,1H),7.03(brs,1H),7.16(dd,J=9.6,9.6Hz,1H),7.46(d,J=7.8Hz,1H),7.47(dd,J=9.2,2.1Hz,1H),8.30(d,J=8.8Hz,1H),8.30-8.38(m,1H)
【0098】
参考例10

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン3.00gおよびtert−ブチル=(5−アミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)カルバマート3.46gの酢酸10mLおよび酢酸エチル5mL溶液を40〜50℃で3時間20分間攪拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、黄色固体のtert−ブチル=((5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニル)アミノ)−2,3,4−トリフルオロフェニル)カルバマート3.97gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.54(s,9H),6.08(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),6.67(brs,1H),7.32(dd,J=10.5,1.8Hz,1H),7.39(dd,J=8.3,1.8Hz,1H),7.46(dd,J=12.1,7.9Hz,1H),7.79(dd,J=8.3,8.2Hz,1H),7.90-7.99(m,1H),12.08(d,J=12.2Hz,1H)
【0099】
参考例11

tert−ブチル=((5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニル)アミノ)−2,3,4−トリフルオロフェニル)カルバマート3.95gおよび炭酸カリウム1.34gのDMSO40mL懸濁液を50〜60℃で1時間5分間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=10:1]で精製し、淡黄色固体の7−ブロモ−1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン2.21gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.52(s,9H),6.36(d,J=7.8Hz,1H),6.84(brs,1H),7.03(dd,J=1.6,1.5Hz,1H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.50(dd,J=8.5,1.6Hz,1H),8.12-8.20(m,1H),8.31(d,J=8.5Hz,1H)
【0100】
参考例12

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン1.00gおよび4−クロロ−2−フルオロ−5−ニトロアニリン0.91gの酢酸3mL溶液を70℃で4時間攪拌した。反応混合物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、淡黄色固体の1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−((4−クロロ−2−フルオロ−5−ニトロフェニル)アミノ)−2−プロペン−1−オン1.10gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:6.22(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.32-7.45(m,4H),7.79(dd,J=8.2,8.2Hz,1H),7.85(d,J=7.6Hz,1H),12.06-12.27(m,1H)
【0101】
参考例13

1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−((4−クロロ−2−フルオロ−5−ニトロフェニル)アミノ)−2−プロペン−1−オン1.0gおよび鉄粉0.67gの酢酸5.0mL、エタノール2.5mLおよび水2.5mL懸濁液を2時間加熱還流した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。不溶物を濾去した。有機層を分取し、水、水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、黄色固体の3−((5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)アミノ)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン0.87gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:5.32(brs,2H),6.00(d,J=7.1Hz,1H),6.92(d,J=8.1Hz,1H),7.32(d,J=10.5Hz,1H),7.55(d,J=7.8Hz,1H),7.63-7.83(m,3H),12.02(d,J=12.4Hz,1H)
【0102】
参考例14

3−((5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)アミノ)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン0.85gおよび炭酸カリウム0.61gのDMSO3.4mL懸濁液を70℃で2時間10分間攪拌した。反応混合物に水を加え、固形物を濾取した。得られた固形物にクロロホルムおよび飽和塩化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、淡褐色固体の1−(5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.37gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:5.69(brs,2H),6.21(d,J=7.8Hz,1H),6.97(d,J=7.3Hz,1H),7.15(s,1H),7.57-7.65(m,2H),8.00(d,J=7.8Hz,1H),8.12(d,J=8.6Hz,1H)
【0103】
参考例15

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン0.50gおよび2−アセチルアミノ−4−アミノ−5−フルオロフェノール酢酸塩0.54gの酢酸2mL懸濁液を70℃で2時間10分間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、固形物を濾取し、黄色固体0.70gを得た。
得られた黄色固体0.30gおよび炭酸カリウム0.12gのDMSO2.0mL懸濁液を80℃で1時間攪拌した。炭酸カリウム0.12gを加え、100℃で4時間攪拌した。反応混合物を水に添加し、6mol/L塩酸を加えた。固形物を濾取し、酢酸エチルで懸濁させた。不溶物を濾去し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルを加え、固形物を濾取し、褐色固体の1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン80mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.10(s,3H),6.20(d,J=7.8Hz,1H),6.98(d,J=11.2Hz,1H),7.08(brs,1H),7.58(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.96(d,J=7.8Hz,1H),8.09(d,J=8.5Hz,1H),8.12(d,J=8.6Hz,1H),9.46(s,1H),11.07(s,1H)
【0104】
参考例16

N−(5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニルアミノ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)アセトアミド0.40g、炭酸カリウム0.27gおよびジメチル硫酸0.10mLのDMSO2.0mL懸濁液を室温で1時間20分間攪拌した。反応混合物に水および6mol/L塩酸を順次添加した。不溶物を濾去し、濾滓を酢酸エチルで洗浄した。濾液と洗液を合わせた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加え、固形物を濾取し、褐色固体のN−(5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニルアミノ)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)アセトアミド0.21gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.22(s,3H),3.88(s,3H),6.01(dd,J=7.8,2.2Hz,1H),6.73(d,J=11.7Hz,1H),7.30(dd,J=10.4,1.8Hz,1H),7.37(dd,J=8.2,1.8Hz,1H),7.49(dd,J=12.1,7.8Hz,1H),7.68(brs,1H),7.79(dd,J=8.2,8.2Hz,1H),8.48(d,J=8.8Hz,1H),12.18(d,J=12.1Hz,1H)
【0105】
参考例17

N−(5−(3−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−オキソ−1−プロペニルアミノ)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)アセトアミド0.30gのDMSO1.5mL溶液に炭酸カリウム0.20gを加え、80℃で1時間攪拌した。反応混合物に水を加え、固形物を濾取した。得られた固形物にクロロホルムおよびメタノールを加えた。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物に酢酸エチルを加えた。固形物を濾取し、褐色固体の1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.19gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.11(s,3H),3.98(s,3H),6.21(d,J=7.8Hz,1H),7.08(brs,1H),7.38(d,J=11.7Hz,1H),7.59(dd,J=8.5,1.7Hz,1H),7.97(d,J=7.8Hz,1H),8.13(d,J=8.5Hz,1H),8.20(d,J=8.5Hz,1H),9.50(s,1H)
【0106】
参考例18

7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン1.5g、2,4,5−トリフルオロニトロベンゼン2.0gおよび炭酸カリウム3.1gのDMF10mL懸濁液を室温で3時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸および酢酸エチルを添加した。反応混合物を氷冷した後、固形物を濾取し、7−クロロ−1−(2,5−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.95gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:6.29(d,J=7.9Hz,1H),7.30(brs,1H),7.50(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),8.06(d,J=7.9Hz,1H),8.21(d,J=8.6Hz,1H),8.31(dd,J=11.1,6.2Hz,1H),8.59(dd,J=9.3,6.6Hz,1H)
【0107】
参考例19

7−クロロ−1−(2,5−ジフルオロ−4−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.80gおよびアジ化ナトリウム156mgのDMF8mL懸濁液を50℃で30分間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、1−(5−アジド−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.72gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:6.27(d,J=7.8Hz,1H),7.26(brs,1H),7.48(dd,J=8.7,2.0Hz,1H),8.02(d,J=7.8Hz,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.22(d,J=6.6Hz,1H),8.40(d,J=9.3Hz,1H)
【0108】
参考例20

1−(5−アジド−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン50mgおよびトリフェニルホスフィン63mgのTHF0.25mLおよび水0.1mLの懸濁液を80℃で2時間攪拌した。反応混合物に6mol/L塩酸を1滴添加した。固形物を濾過し、固体の1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン42mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:6.25(d,J=7.8Hz,1H),7.23(dd,J=1.8,1.7Hz,1H),7.30(d,J=6.8Hz,1H),7.49(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.62(brs,2H),8.05(d,J=7.8Hz,1H),8.15(d,J=10.7Hz,1H),8.21(d,J=8.6Hz,1H)
【0109】
参考例21

7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン6.00g、2−アミノ−4,5−ジフルオロベンゾニトリル5.41gおよび炭酸カリウム16.2gのDMF50mL懸濁液を90〜110℃で12時間30分間攪拌した。反応混合液に水を添加し、固形物を濾取した。得られた固形物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=20:1]で精製し、淡黄色固体の7−クロロ−1−(5−アミノ−4−シアノ−2−フルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン4.55gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:6.22(d,J=8.1Hz,1H),6.39(brs,2H),6.99(d,J=6.6Hz,1H),7.11(brs,1H),7.47(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.81(d,J=9.8Hz,1H),8.02(d,J=8.1Hz,1H),8.20(d,J=8.6Hz,1H)
【0110】
参考例22

7−クロロ−4−ヒドロキシキノリン0.50g、2,4,5−トリフルオロフェニル=メチル=スルホキシド0.64gおよび炭酸カリウム0.58gのDMF5.0mL懸濁液を室温で4時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、白色固体の7−クロロ−1−(2,5−ジフルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.69gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:3.37(s,3H),6.40(d,J=8.1Hz,1H),6.88(dd,J=1.7,1.5Hz,1H),7.39(dd,J=8.5,1.5Hz,1H),7.43(d,J=8.1Hz,1H),7.48(dd,J=8.4,5.5Hz,1H),8.04(dd,J=8.1,5.9Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H)
【0111】
参考例23

7−クロロ−1−(2,5−ジフルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.20g、N−メチルモルホリン0.24mLおよび2,4−ジメトキシベンジルアミン0.14gの1,4−ジオキサン2.0mL懸濁液を1時間加熱還流した。N−メチルモルホリン0.06mLおよび2,4−ジメトキシベンジルアミン0.04gを添加し、2時間20分間加熱還流した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、1mol/L塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=10:1→3:1]で精製し、油状物の7−クロロ−1−(5−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.29gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:3.16(s,3H),3.76(s,3H),3.80(s,3H),4.29(d,J=5.6Hz,2H),6.36(d,J=8.1Hz,1H),6.42-6.48(m,2H),6.66(t,J=5.6Hz,1H),6.88(d,J=5.6Hz,1H),6.91(dd,J=1.8,1.7Hz,1H),7.11(d,J=7.8Hz,1H),7.34(dd,J=8.6,1.8Hz,1H),7.41(d,J=8.1Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),8.37(d,J=8.6Hz,1H)
【0112】
参考例24

(E)−1−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン10.0g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール9.84g、炭酸水素ナトリウム9.26g、トリフェニルホスフィン4.82gおよび酢酸パラジウム0.41gのトルエン100mL、エタノール80mLおよび水50mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間45分間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム→クロロホルム:アセトン=10:1]で精製し、淡黄色固体の(E)−3−(ジメチルアミノ)−1−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン9.03gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.30(s,3H),2.44(s,3H),2.93(s,3H),3.17(s,3H),5.67(dd,J=12.4,2.0Hz,1H),6.98(dd,J=11.3,1.6Hz,1H),7.09(dd,J=7.8,1.6Hz,1H),7.86(dd,J=7.8,7.1Hz,1H),7.77-7.82(m,1H)
【0113】
参考例25

5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロアニリン4.13gの濃塩酸16mL溶液に、亜硝酸ナトリウム1.68gの水12mL溶液を-5℃で滴下し、同温度で10分間撹拌した。反応混合物を、塩化第二スズ二水和物15.02gの濃塩酸16mLおよび水12mL溶液に、0℃以下で、10分間かけて滴下した。反応混合物を室温まで昇温しながら、4時間50分間攪拌した。反応混合物を5℃まで冷却し、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。反応混合物に酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルおよびヘキサンを加えた。固形物を濾取し、褐色固体の5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン3.11gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.04(s,3H),3.98(brs,2H),6.50(brs,1H),7.07(dd,J=11.0,11.0Hz,1H),7.50(dd,J=8.8,8.8Hz,1H),9.51(brs,1H)
【0114】
参考例26

二酸化セレン3.98gの1,4−ジオキサン23mLおよび水1.1mL懸濁液を60℃で30分間攪拌した。反応混合物に1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)エタン−1−オン5.24gの1,4−ジオキサン10mL溶液を75℃以下で滴下した後、6時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、不溶物を濾去し、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム]で精製し、褐色固体5.52gを得た。
得られた褐色固体3.12gのエタノール30mL、水11.4mLおよび酢酸3.6g溶液に5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン3.08gを加え、室温で50分間攪拌した。反応混合物にクロロホルムおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。不溶物を濾去した。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物のアセトニトリル34mL溶液に炭酸カリウム1.52gを加え、1時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、水を加えた。固形物を濾取し、橙色固体の1−(5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロピリド〔2,3,c〕ピリダジン−4−オン2.86gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.11(s,3H),7.64(d,J=8.5Hz,1H),7.70(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),8.07(s,1H),8.23(dd,J=8.1,8.1Hz,1H),8.54(d,J=8.5Hz,1H),10.00(brs,1H)
【0115】
参考例27

(E)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン0.6gおよび2,3,4−トリフルオロアニリン0.72gの酢酸6mL溶液を50℃で1時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを添加した。固形物を濾取し、固体0.32gを得た。
得られた固体0.32gおよび炭酸カリウム0.25gのアセトニトリル5mL懸濁液を1時間加熱還流した。不溶物を濾去した後、減圧下で溶媒を留去し、白色固体の7−クロロ−1−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.3gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:6.43(d,J=8.1Hz,1H),7.15-7.23(m,2H),7.35(d,J=8.3Hz,1H),7.60(d,J=8.1Hz,1H),8.64(d,J=8.3Hz,1H)
【0116】
参考例28

(E)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン1.5gおよび3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロアニリン1.65gの酢酸7.5mL溶液を40〜50℃で18時間、60℃で12時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、固体の3−(3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニルアミノ)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−2−プロペン−1−オン0.5gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:3.81(brs,2H),5.92(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),7.36(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.59(dd,J=11.6,7.7Hz,1H),7.89(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),11.82(d,J=11.6Hz,1H)
【0117】
参考例29

3−(3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニルアミノ)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−2−プロペン−1−オン0.45gおよび炭酸カリウム0.33gのDMSO2.5mL懸濁液を60℃で1時間攪拌した。反応混合物に塩酸を加えた。固形物を濾取し、固体の1−(3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.35gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:3.90(brs,2H),6.44(d,J=8.1Hz,1H),7.36(d,J=8.2Hz,1H),7.53(d,J=8.1Hz,1H),8.63(d,J=8.2Hz,1H)
【0118】
参考例30

(E)−1−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−ジメチルアミノ−2−プロペン−1−オン4.00gおよびtert−ブチル=5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニルカルバマート4.58gの酢酸12mL溶液を50〜60℃で4時間45分間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、黄色固体のtert−ブチル=(5−(3−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニルアミノ)−2,4−ジフルオロフェニル)カルバマート3.63gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.54(s,9H),5.87(d,J=7.7Hz,1H),6.69(brs,1H),6.97(dd,J=10.1,10.1Hz,1H),7.35(d,J=8.0Hz,1H),7.53(dd,J=12.4,7.7Hz,1H),7.88(d,J=8.0Hz,1H),8.13-8.25(m,1H),11.96(d,J=12.4Hz,1H)
【0119】
参考例31

tert−ブチル=(5−(3−(2,6−ジクロロピリジン−3−イル)−3−オキソ−1−プロペニルアミノ)−2,4−ジフルオロフェニル)カルバマート1.00gおよび炭酸カリウム0.40gのDMSO10mL懸濁液を50〜60℃で1時間攪拌した。反応混合物に水を加えた。固形物を濾取し。淡黄色固体の1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.85gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.51(s,9H),6.41(d,J=8.0Hz,1H),6.78(brs,1H),7.09(dd,J=10.5,9.0Hz,1H),7.32(d,J=8.3Hz,1H),7.65(d,J=8.0Hz,1H),8.28(dd,J=7.7,7.7Hz,1H),8.63(d,J=8.3Hz,1H)
【0120】
参考例32

1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.20gに6mol/L塩酸0.49mLおよびエタノール0.49mLを加え、30分間加熱還流した。反応混合物に5mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えた。固形物を濾取し、1−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.13gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:3.79(brs,2H),6.40(d,J=8.0Hz,1H),6.79(dd,J=8.8,7.1Hz,1H),7.01(dd,J=10.5,9.3Hz,1H),7.32(d,J=8.2Hz,1H),7.60(dd,J=8.0,0.6Hz,1H),8.63(d,J=8.2Hz,1H)
【0121】
実施例1

7−ブロモ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.50g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール0.40g、炭酸水素ナトリウム0.38g、酢酸パラジウム17mgおよびS−Phos62mgのトルエン5mL、エタノール4mLおよび水2.5mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、1時間30分間加熱還流した。反応混合物にクロロホルムを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=49:1→9:1]で精製し、固体の1−(2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン32mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.14(s,3H),2.34(s,3H),6.24(d,J=8.1Hz,1H),6.85(s,1H),7.34-7.44(m,1H),7.47(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.64-7.74(m,1H),7.82-7.92(m,1H),8.03(d,J=7.8Hz,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H)
【0122】
実施例2

7−ブロモ−1−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン67mg、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール54mg、炭酸水素ナトリウム50mg、酢酸パラジウム2.3mgおよびS−Phos8.2mgのトルエン0.7mL、エタノール0.5mLおよび水0.3mLの懸濁液を、アルゴン雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物にクロロホルムおよび水を加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=9:1→7:3]で精製し、1−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン27mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.15(s,3H),2.35(s,3H),5.91(brs,2H),6.17(d,J=7.7Hz,1H),6.52-6.59(m,2H),6.85(s,1H),7.28(dd,J=8.9,8.9Hz,1H),7.44(dd,J=8.2,1.6Hz,1H),7.94(d,J=7.7Hz,1H),8.26(d,J=8.2Hz,1H)
【0123】
実施例3

7−ブロモ−1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン17.0g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール10.1g、炭酸水素ナトリウム9.49g、酢酸パラジウム423mgおよびトリフェニルホスフィン4.94gのトルエン170mL、エタノール136mLおよび水85mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、3時間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム→クロロホルム:アセトン=10:1]で精製し、褐色固体の1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン17.8gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.50(s,9H),2.20(s,3H),2.36(s,3H),6.40(d,J=7.8,1H),6.77(brs,1H),6.80(brd,J=1.7Hz,1H),7.15(dd,J=9.6,9.6Hz,1H),7.26-7.29(m,1H),7.53(d,J=7.8Hz,1H),8.36-8.45(m,1H),8.51(d,J=8.2Hz,1H)
【0124】
実施例4

1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン17.3gの1,4−ジオキサン170mL溶液に、3mol/L塩酸165mLを加え、40分間加熱還流した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液およびクロロホルムを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にクロロホルムおよび酢酸エチルを加えた。固形物を濾取し、淡黄色固体の1−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン11.0gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.16(s,3H),2.36(s,3H),5.45(brs,2H),6.21(d,J=7.8,1H),6.90(s,1H),6.95(dd,J=8.5,8.5Hz,1H),7.42-7.49(m,2H),8.02(d,J=7.9Hz,1H),8.27(d,J=7.9Hz,1H)
【0125】
実施例5

7−ブロモ−1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン2.20g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール1.26g、炭酸水素ナトリウム1.18g、酢酸パラジウム53mgおよびS−Phos0.19gのトルエン22mL、エタノール17.5mLおよび水11mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、1時間8分間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にヘキサンおよび酢酸エチルを加えた。固形物を濾取し、淡黄色固体の1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン2.62gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:1.50(s,9H),2.20(s,3H),2.36(s,3H),6.41(d,J=7.8Hz,1H),6.77(s,1H),6.85(brs,1H),7.29(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.52(d,J=7.8Hz,1H),8.20-8.28(m,1H),8.51(d,J=8.3Hz,1H)
【0126】
実施例6

1−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン2.41gの1,4−ジオキサン25mL溶液に、1mol/L塩酸25mLを加え、1時間加熱還流した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=20:1]で精製し、淡黄色固体の1−(5−アミノ−2,3,4−トリフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン1.51gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.17(s,3H),2.37(s,3H),5.79(brs,2H),6.22(d,J=7.8Hz,1H),6.73-6.82(m,1H),7.07(s,1H),7.46(dd,J=8.2,1.5Hz,1H),8.03(d,J=7.8Hz,1H),8.26(d,J=8.2Hz,1H)
【0127】
実施例7

1−(5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.35g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール0.25g、炭酸水素ナトリウム0.24g、酢酸パラジウム11mgおよびS−Phos35mgのトルエン3.5mL、エタノール2.8mLおよび水1.8mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間20分間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=20:1→3:1]で精製し、淡褐色固体の1−(5−アミノ−4−クロロ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.23gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.16(s,3H),2.36(s,3H),5.65(brs,2H),6.22(d,J=7.8Hz,1H),6.95(brs,1H),6.98(d,J=7.6Hz,1H),7.46(d,J=8.5Hz,1H),7.59(d,J=9.8,Hz,1H),8.04(d,J=7.8Hz,1H),8.27(d,J=8.5Hz,1H)
【0128】
実施例8

1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン70mg、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール48mg、炭酸水素ナトリウム60mg、酢酸パラジウム2mgおよびS−Phos8mgのトルエン0.70mL、エタノール0.54mLおよび水0.35mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物にクロロホルムおよび6mol/L塩酸を加えた。有機層を分取し、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=2:1→クロロホルム:メタノール=20:1]で精製し、褐色固体の1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン45mgを得た。
【0129】
実施例9

1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン45mgの1,4−ジオキサン1.0mL溶液に、2mol/L塩酸1.0mLを加え、5時間加熱還流した。反応混合物にトリエチルアミン1mLを加えた後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=50:1→20:1]で精製し、淡褐色固体の1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン32mgを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.21(s,3H),2.37(s,3H),3.98(brs,2H),6.51(d,J=7.7Hz,1H),6.70(d,J=7.2Hz,1H),6.98(d,J=10.7Hz,1H),6.99(s,1H),7.34(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.71(d,J=7.7Hz,1H),8.54(d,J=8.3Hz,1H),10.69(brs,1H)
【0130】
実施例10

1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−ブロモ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.18g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール0.12g、炭酸水素ナトリウム0.11g、酢酸パラジウム5mgおよびS−Phos18mgのトルエン1.8mL、エタノール1.4mLおよび水0.9mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=5:1→クロロホルム:エタノール50:1]で精製し、淡褐色固体の1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン90mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.09(s,3H),2.14(s,3H),2.34(s,3H),3.95(s,3H),6.22(dd,J=7.8,1.2Hz,1H),6.87(s,1H),7.36(d,J=11.7Hz,1H),7.46(d,J=8.3Hz,1H),8.01(d,J=7.8Hz,1H),8.23(d,J=8.8Hz,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H),9.47(s,1H)
【0131】
実施例11

1−(5−アセチルアミノ−2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン80mgの1,4−ジオキサン1.6mLおよび2mol/L塩酸1.6mL溶液を2時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルを加えた。固形物を濾取し、淡褐色固体の1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−メトキシフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン40mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.15(s,3H),2.36(s,3H),3.87(s,3H),5.00(s,2H),6.19(d,J=7.8Hz,1H),6.75(d,J=7.8Hz,1H),6.87(brs,1H),7.07(d,J=12.0Hz,1H),7.44(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.99(d,J=7.8Hz,1H),8.27(d,J=8.3Hz,1H)
【0132】
実施例12

1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン42mg、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール34mg、炭酸水素ナトリウム32mg、酢酸パラジウム3mg、S−Phos11mgおよびテトラブチルアンモニウムブロミド41mgのトルエン0.4mL、エタノール0.2mLおよび水0.1mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、クロロホルムおよび水を加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=3:1]で精製し、固体の1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−ニトロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン32mgを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.18(s,3H),2.37(s,3H),6.26(d,J=7.9Hz,1H),7.10(brs,1H),7.30(d,J=6.8Hz,1H),7.48(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.62(s,2H),8.09(d,J=7.9Hz,1H),8.12(d,J=10.7Hz,1H),8.27(d,J=8.3Hz,1H)
【0133】
実施例13

1−(5−アミノ−4−シアノ−2−フルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン5.00g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール4.27g、炭酸水素ナトリウム4.69g、酢酸パラジウム0.54g、S−Phos1.96gおよびテトラブチルアンモニウムブロミド5.14gのトルエン50mL、エタノール40mLおよび水25mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、5時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=20:1]で精製し、淡黄色固体の1−(5−アミノ−4−シアノ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン4.33gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.17(s,3H),2.37(s,3H),6.23(d,J=7.8Hz,1H),6.36(s,2H),7.00(d,J=6.6Hz,1H),7.01(brs,1H),7.44-7.50(m,1H),7.78(d,J=10.2Hz,1H),8.05(d,J=7.8Hz,1H),8.27(d,J=8.3Hz,1H)
【0134】
実施例14

7−クロロ−1−(5−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.29g、3,5−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソオキサゾール0.19g、炭酸水素ナトリウム0.14g、酢酸パラジウム12mg、S−Phos44mgおよびテトラブチルアンモニウムブロミド0.10gのトルエン3.0mL、エタノール2.4mLおよび水1.5mLの懸濁液を、窒素雰囲気下、3時間加熱還流した。反応混合物に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=5:1]で精製し、淡褐色固体の1−(5−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.27gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.20(s,3H),2.36(s,3H),3.13(s,3H),3.78(s,3H),3.79(s,3H),4.26(d,J=5.6Hz,2H),6.38-6.47(m,3H),6.60-6.67(m,1H),6.80-6.84(m,1H),6.88(d,J=5.9Hz,1H),7.09(d,J=8.3Hz,1H),7.30(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.46(d,J=7.8Hz,1H),7.79(d,J=9.0Hz,1H),8.51(d,J=8.3Hz,1H)
【0135】
実施例15

1−(5−(2,4−ジメトキシベンジルアミノ)−2−フルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.26gおよびアニソール0.49mLの混合物にTFA2.6mLを添加し、室温で30分間攪拌した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびクロロホルムを加えた。不溶物を濾去し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:エタノール=10:1]で精製し、白色固体の1−(5−アミノ−2−フルオロ−4−メチルスルホニルフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.13gを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.21(s,3H),2.37(s,3H),3.18(s,3H),5.22(s,2H),6.40(d,J=7.8Hz,1H),6.83(s,1H),6.89(d,J=5.6Hz,1H),7.30(d,J=8.2Hz,1H),7.50(d,J=7.8Hz,1H),7.78(d,J=8.8Hz,1H),8.50(d,J=8.2Hz,1H)
【0136】
実施例16

(E)−3−ジメチルアミノ−1−(4−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−2−フルオロフェニル)−2−プロペン−1−オン0.90gおよび5−アセチルアミノ−4−ブロモ−2−フルオロアニリン1.35gの酢酸9mL溶液を70〜85℃で4時間15分間攪拌した。反応液に水を加え、固形物を濾取した。得られた固形物のDMSO20mL溶液に炭酸カリウム0.65gを添加し、70〜85℃で1時間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物のDMSO15mL溶液に炭酸カリウム0.65gを加え、70℃で40分間攪拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=2:1→アセトン]で精製し、褐色固体の1−(5−アセチルアミノ−4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン1.05gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.09(s,3H),2.15(s,3H),2.35(s,3H),6.24(d,J=7.8Hz,1H),6.94(brs,1H),7.47(dd,J=8.3,1.2Hz,1H),8.01(d,J=7.8Hz,1H),8.04(d,J=7.8Hz,1H),8.05(d,J=9.5Hz,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H),9.71(s,1H)
【0137】
実施例17

1−(5−アセチルアミノ−4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.30g、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド45mgおよび(1−エトキシビニル)トリブチルスズ0.30gのトルエン3mL懸濁液を、窒素雰囲気下、20分間加熱還流した。反応混合物に水および酢酸エチルを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=2:1]で精製し、赤色油状物を得た。
得られた赤色油状物の1,4−ジオキサン3mL溶液に3mol/L塩酸3mLを加え、25分間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物に酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、黄色固体の1−(4−アセチル−5−アミノ−2−フルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソキノリン0.19gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.17(s,3H),2.37(s,3H),2.58(s,3H),6.24(d,J=7.9Hz,1H),6.99(dd,J=1.5,1.5Hz,1H),7.01(d,J=6.8Hz,1H),7.33(s,2H),7.48(dd,J=8.3,1.5Hz,1H),7.94(d,J=11.5Hz,1H),8.07(d,J=7.9Hz,1H),8.28(d,J=8.3Hz,1H)
【0138】
実施例18

1−(5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロピリド[2,3,c]ピリダジン−4−オン1.40g、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸703mg、トリエチルアミン1.67mL、酢酸パラジウム45mgおよびS−Phos164mgの1,4−ジオキサン30mL懸濁液を、窒素雰囲気下、3時間加熱還流した。トリエチルアミン1.67mLを加え、2時間20分間加熱還流した。反応混合物に水およびクロロホルムを加えた。有機層を分取し、1mol/L塩酸および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物にジイソプロピルエーテルを加えた。固形物を濾取し、淡黄色固体の1−(5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)ピリド[2,3,c]ピリダジン−4−オン1.68gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.09(s,3H),2.16(s,3H),2.47(s,3H),7.70(dd,J=10.2,10.2Hz,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),8.03(s,1H),8.25(dd,J=8.0,8.0Hz,1H),8.58(d,J=8.3Hz,1H),9.98(s,1H)
【0139】
実施例19

1−(5−アセチルアミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)ピリド[2,3,c]ピリダジン−4−オン1.68g、1,4−ジオキサン10mLおよび2mol/L塩酸20mLの混合物を3時間30分間加熱還流した。反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液およびクロロホルムを加えた。有機層を分取し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=20:1→10:1]で精製し、淡黄色固体の1−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)ピリド[2,3,c]ピリダジン−4−オン0.94gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.20(s,3H),2.50(s,3H),5.35(s,2H),7.00(dd,J=9.1,7.7Hz,1H),7.36(dd,J=11.0,10.0Hz,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),8.01(s,1H),8.57(d,J=8.3Hz,1H)
【0140】
実施例20

7−クロロ−1−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.3g、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸142mg、酢酸パラジウム23mg、トリエチルアミン0.6mLおよびS−Phos82mgの1,4−ジオキサン3mL懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、水およびクロロホルムを加えた。有機層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=20:1]で精製し、固体の7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1−(2,3,4−トリフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.25gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.14(s,3H),2.44(s,3H),6.33(d,J=7.9Hz,1H),7.57-7.73(m,2H),7.71(d,J=8.3Hz,1H),8.19(d,J=7.9Hz,1H),8.61(d,J=8.3Hz,1H)
【0141】
実施例21

1−(3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.3g、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸147mg、トリエチルアミン0.6mL、酢酸パラジウム20mgおよびS−Phos70mgの1,4−ジオキサン4.5mL懸濁液を、窒素雰囲気下、2時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=15:1]で精製し、固体の1−(3−アミノ−2,4,5,6−テトラフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン0.16gを得た。
1H-NMR(DMSO-d6)δ値:2.18(s,3H),2.47(s,3H),5.87(brs,2H),6.35(d,J=7.9Hz,1H),7.72(d,J=8.3Hz,1H),8.26(d,J=7.9Hz,1H),8.61(d,J=8.3Hz,1H)
【0142】
実施例22

1−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−クロロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン100mg、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−ボロン酸50.7mg、リン酸三カリウム水和物208mg、酢酸パラジウム3.7mgおよびS−Phos13.4mgのトルエン1.0mL、エタノール0.8mLおよび水0.5mLの懸濁液を、アルゴン雰囲気下、4時間加熱還流した。反応混合物を冷却した後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を分取し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー[溶離液;クロロホルム:アセトン=3:1]で精製し、固体の1−(5−アミノ−2,4−ジフルオロフェニル)−7−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン12mgを得た。
1H-NMR(CDCl3)δ値:2.26(s,3H),2.45(s,3H),3.80(brs,2H),6.40(d,J=7.9Hz,1H),6.81(dd,J=8.9,7.2Hz,1H),6.96-7.04(m,1H),7.43(d,J=8.3Hz,1H),7.65(d,J=7.9Hz,1H),8.74(d,J=8.3Hz,1H)
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明の複素環化合物またはその塩は、優れた抗HIV活性を有し、抗HIV剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】

「式中、R、R、R、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、置換されていてもよいC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基、アシル基、C1−6アルキルアミノ基、ジ(C1−6アルキル)アミノ基または単環の複素環式基を:RおよびRは、同一または異なって、C1−2アルキル基を;ZおよびZは、同一または異なって、CHまたはNを示す。」で表される複素環化合物またはその塩。
【請求項2】
が、メチル基;Rが、メチル基である請求項1に記載の複素環化合物またはその塩。
【請求項3】
が、CH;Zが、CHである請求項1または2に記載の複素環化合物またはその塩。
【請求項4】
が、水素原子またはハロゲン原子;Rが、水素原子または保護されていてもよいアミノ基;Rが、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルホニル基またはアシル基;Rが、水素原子またはハロゲン原子;Rが、ハロゲン原子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複素環化合物またはその塩。
【請求項5】
が、水素原子;Rが、保護されていてもよいアミノ基;Rが、ハロゲン原子またはシアノ基;Rが、水素原子またはハロゲン原子;Rが、ハロゲン原子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の複素環化合物またはその塩。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の複素環化合物またはその塩を含有する抗HIV剤。

【公開番号】特開2011−168586(P2011−168586A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10436(P2011−10436)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000003698)富山化学工業株式会社 (37)
【出願人】(504136993)独立行政法人国立病院機構 (37)
【Fターム(参考)】