説明

アルカリイオン水を使用した清掃水

【課題】化学合成物質を使用しなくても、洗浄力の高い清掃水であるアルカリイオン水を得る。
【解決手段】アルカリイオン水調整装置200において、水道から入った水は浄水器202に送られ、カビ臭や塩素、トリハロメタンなどが取り除かれて、陽極、陰極と隔膜から構成された電解槽203に送られ、電気分解され、各々隔膜を介して陽極側と陰極側では水のpHが片寄りそれぞれ酸性水、アルカリイオン水の二種類の水が調整される。マイナス側から出たアルカリイオン水は、アルカリイオン水専用の蛇口に向け流れ、プラス側から出た酸性水は、廃棄される。ナノバブル発生装置は、水の吸入口と、吸入口から吸入した水に空気泡を吹き込むナノバブル発生手段と、ナノバブルを含んだ水を排出するための排出口から構成されている。ナノバブル発生装置を用いて、水槽内のアルカリイオン水を循環させることによって、ナノバブル水を含んだアルカリイオン水を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学合成物質を含まない、アルカリイオン水を使用した清掃水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床などの清掃には、汚れを効率的に落とすために洗剤などの化学合成物質を用いてきた。しかしながら、化学合成物質を用いた場合の廃液の処理は、清掃業者にとって大きな負担となっている。
【0003】
よって、洗剤などの化学合成物質を用いなくても洗浄力の高い清掃水の開発が望まれている。
【0004】
このような中、水中におけるナノメーターオーダーのごく小さな空気泡(ナノバブル)の表面の活性が高いことを利用して、汚濁物質を空気泡の表面に吸着させることによって清掃を効率的に行う方法の確立が図られつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−121962号公報
【特許文献2】特願2007−523296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ナノバブルを含む水の性質(例えば、酸性、アルカリ性など)と汚濁物質の除去効果との関連性は十分に明らかになっていない。一方で、アルカリイオン水はアルカリ性の電還元水や超純水や水道水より洗浄能力が高いと言われている。
【0007】
そこで、アルカリイオン水を用い、洗浄効果の高い清掃水を得ること、さらには、アルカリイオン水中にナノバブルを発生させ、その相乗効果により、より洗浄効果の高い清掃水を得ることを、本発明の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【0009】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、pH13のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【0010】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【0011】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、pH12のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【0012】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【0013】
上記課題を解決する本発明は、化学合成物質を含まない清掃水であって、pH11のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、洗剤などの化学合成物質を用いなくても洗浄力の高い清掃水を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態で使用するアルカリイオン水調整装置を説明するための図面である。
【図2】本発明の実施例1で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)
【図3】本発明の実施例2で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図4】本発明の実施例3で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図5】本発明の実施例4で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図6】本発明の実施例5で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図7】本発明の実施例6で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図8】本発明の実施例7で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【図9】本発明の実施例8で行った実験状況を示す写真である。(図が不鮮明なため、同日付け物件提出書により提出)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて行う。図1は、本発明の実施形態で使用するアルカリイオン水調整装置を説明するための図面である。
【0017】
(実施形態)
本実施形態は、清掃処理に使用する媒体として、アルカリイオン水を得、さらに、アルカリイオン水をナノバブル処理する実施形態である。
【0018】
アルカリイオン水の調整は、公知の方法及び装置で行うことが可能であるが、例えば、図1(b)に示すアルカリイオン水調整装置200を用いることができる。
【0019】
アルカリイオン水は、例えば図1(a)に示すような電解槽100を用いて、水を電気分解して調整するが、その際に一般に水道水を使用している。水道水は、カルシウムやマグネシウム、ナトリウム、カリウム等の金属が塩形態で含まれている電解質溶液である。
【0020】
図1(a)に示すとおり、隔膜101で仕切った水槽102に、仕切りの両側に各々陽極103、陰極104を配置し、そしてこの水槽102に水道水等の電解質液を入れ、この陽極103、陰極104間に所定の電流を流すことによって電解水が製造される。
【0021】
陽極103側では水分子がH(水素イオン)とO(酸素分子)とe(電子)に分離され、水素イオンが増え、酸素分子が水にその際の水温における飽和濃度まで溶解する。この際に、オゾン、Oラジカル、酸化力を有する酸化性のイオンが多く発生する。また、水中に例えば塩化ナトリウム等の電解質が存在する場合には、これらの電解質が反応を起こすことによって、各々対応する電解質由来の物質が生成される。この際には、陽極103側では強酸性水が生成される。
【0022】
一方、陰極104側では、水にe(電子)が作用してOH(ヒドロキシイオン)が増加するとともに、H(水素分子)として水に溶解する。さらに、還元性のイオンが多く発生する陰極104側の水の特徴として、酸素等の酸化に関与する物質が極端に減っていることである。また、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等の金属の一部はイオン化して陰極104側に引き寄せられるので、これらの金属イオンが陰極104側の水中に溶存することも陰極側の水の特徴である。この際には、陰極104側では強アルカリイオン水が生成される。
【0023】
アルカリイオン水は、水道水を使い図1(b)に示すようなアルカリイオン水調整装置200を通してそのまま電気分解した水のマイナス側の水を使用する。
まず水道201から入った水は浄水器202に送られ、カビ臭や塩素、トリハロメタンなどが取り除かれる(予備処理)。次いで、予備処理された水は、図1(a)に概略を示すような陽極103、陰極104と隔膜101から構成された電解槽203に送られる。電解槽203に送られた水は、電気分解され、各々隔膜101を介して陽極103側と陰極104側では水のpHが片寄りそれぞれ酸性水、アルカリイオン水の二種類の水が調整される。
【0024】
電解槽203を通過した後、前記二種類の水は別々の流路(主吐水ホース204、排水ホース205)を流れる。すなわち、マイナス側から出たアルカリイオン水は主吐水ホース204を通ってアルカリイオン水専用の蛇口に向け流れ、一方プラス側から出た酸性水は、排水ホース205へ送られ、例えばキッチンのシンク内等に廃棄される。
【0025】
以上のようにして、清掃処理に使用する媒体としてのアルカリイオン水を得る。
【0026】
次いで、以上のようにアルカリイオン水調整装置200により調整されたアルカリイオン水に、ナノバブルを発生させる場合の実施形態を説明する。ナノバブルは、100ナノメートル(1nm=10−9m)程度の空気泡のことを言う。
【0027】
ナノバブル発生装置(図示せず)は、水の吸入口と、吸入口から吸入した水に空気泡を吹き込んでナノバブルを発生させるためのナノバブル発生手段と、ナノバブルを含んだ水を排出するための排出口から構成されている。このようなナノバブル発生装置を用いて、水槽内のアルカリイオン水を循環させることによって、ナノバブル水を含んだアルカリイオン水を調整する。
【0028】
以上のようにして、清掃処理に使用する媒体としてのアルカリイオン水にナノバブルを発生させた清掃水を得る。
【実施例1】
【0029】
表1は、日本ポリッシュ工業会作製の標準汚染物質パウダーを不織布に塗布した後乾燥させたものを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに30分間浸漬し、光沢値を測定した結果である(図2参照)。
【0030】
【表1】

【0031】
表1の結果より、水道水が浸漬前と浸漬後の光沢値が変わらないのに対し、アルカリイオン水は浸漬前に比べて浸漬後の光沢値が高くなり、汚濁物質が除去されているのが分かる。その効果はpHが高くなるに従って、またナノバブルを含まないイオン水に比べてナノバブルを含むイオン水の方が、光沢値が高く、より多くの汚濁物質が除去されているのが分かる。しかし、全体的に見て、浸漬後の光沢値の上昇の程度は小さいと言える。
【実施例2】
【0032】
表2は、赤ワイン(アルコール11.5%)とグレープフルーツジュース(100%濃縮還元)の混合液を不織布に染み込ませた後乾燥させたものを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに10分間浸漬し、観察した結果である(図3参照)。
【0033】
【表2】

【0034】
表2の結果より、水道水が浸漬直後から時間が経過した後も色の変化がないのに対し、アルカリイオン水は浸漬直後から時間が経過するに従い、色が脱色されていくのが分かる。またpHが高くなるに従って、色の脱色効果が高いことが分かる。ただし、ナノバブルの有無による差は見られない。
【実施例3】
【0035】
表3は、油脂汚れの付着したキッチン用レンジフィルターを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに30分間浸漬した後、取り出して乾燥させ、パネルに荷重1,500gで押し付け油分の残留程度を確認するために光沢値を測定した結果である(図4参照)。
【0036】
【表3】

【0037】
表3の結果より、水道水に比べアルカリイオン水のpHが高くなるに従って光沢値が高くなり、より多くの油脂が除去されているのが分かる。またナノバブルを含まないイオン水に比べてナノバブルを含むイオン水の方が、光沢値が高く、油脂の除去効果がより高いことが分かる。
【実施例4】
【0038】
表4は、ラードをしょうゆで着色したものを不織布に染み込ませた後乾燥させたものを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに30分間浸漬した後、取り出して乾燥させ、パネルに荷重1,500gで3分間押し付け油分の残留程度を確認するために光沢値を測定した結果である(図5参照)。
【0039】
【表4】

【0040】
表4の結果より、水道水に比べアルカリイオン水のpHが高くなるに従って光沢値が高くなり、より多くの油脂が除去されているのが分かる。またナノバブルを含まないイオン水に比べてナノバブルを含むイオン水の方が、光沢値が高く、油脂の除去効果がより高いことが分かる。
【実施例5】
【0041】
表5は、汚れたクランクケースオイルをステンレス板に塗布し乾燥させたものを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに30分間浸漬した後、取り出して、スポンジへらで角度45度で前方に一押しし、各ステンレス板にスポイトで水道水の水滴1ccを乗せ、ステンレス板の表面に残留した油脂を確認するため、表面張力による水滴すべりテスト(傾斜10度)を行った結果である(図6参照)。
【0042】
【表5】

【0043】
表5の結果より、水道水とpH11(ナノバブルを含む場合、含まない場合とも)、pH12(ナノバブルを含まない場合)のアルカリイオン水は、短時間で水滴が移動し、ステンレス表面にはまだ多くの油脂が残留していることが分かる。一方、pHが高く(pH=12、13)かつナノバブルを含んでいるアルカリイオン水は、水滴の移動に長い時間がかかっており、油脂の除去効果がより高いことが分かる。
【実施例6】
【0044】
表6は、牛の血液を付着させた洗浄力評価用インジケーターを、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれ40ccに静かに30分間浸漬した後、取り出して、プラスチックカートリッジをはずし、ステンレス板を水道水ですすいだ後、ATP拭き取り検査器で残留値を測定した結果である(図7参照)。
【0045】
【表6】

【0046】
表6の結果より、水道水に比べアルカリイオンのpHが高くなるに従ってATP値が低くなり、より多くの血液が除去されているのが分かる。またナノバブルを含まないイオン水に比べてナノバブルを含むイオン水の方が、ATP値が低く、血液の除去効果がより高いことが分かる。
【実施例7】
【0047】
表7は、木片を、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれに50分間浸漬した後、取り出して、モイスチャーカウンターで時間経過に対する乾燥程度の変化を測定した結果である(図8参照)。
【0048】
【表7】

【0049】
表7の結果より、水道水とpHが低いアルカリイオン水(pH=11)は、時間の経過とともに急速に木片の乾燥が起こっていることが分かる。一方、pHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)も時間の経過とともに木片の乾燥が起こっているが、乾燥の度合いが、水道水とpHが低いアルカリイオン水(pH=11)に比べて遅いことが分かる。また、ナノバブルの有無による違いについては、若干であるが、ナノバブルを含んだアルカリイオン水の方が乾燥の度合いが遅いことが分かる。
【実施例8】
【0050】
表8は、皮革片を、(1)ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水、(2)pH13のアルカリイオン水、(3)ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水、(4)pH12のアルカリイオン水、(5)ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水、(6)pH11のアルカリイオン水、(7)水道水(pH7)のそれぞれに浸漬して、皮革の染料が染み出し始めるまでの時間を測定した結果である(図9参照)。
【0051】
【表8】

【0052】
表8の結果より、pHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)が短時間で皮革の染料が染み出し始めるのに対し、pHの低いアルカリイオン水(pH=11)は染料の染み出しが始まるのに時間がかかっていることが分かる。また、ナノバブルの有無による違いについては、pHが高いアルカリイオン水(pH=13)ではナノバブルを含む場合の方が染み出し開始時間が早かったが、pHがより低いアルカリイオン水(pH=11、12)では差が見られなかった。なお、水道水は染み出しが起こらなかった。
【0053】
以上の実施例1の表1から実施例8の表8までを基に、表9に、本発明によるアルカリイオン水の清掃水としての適用性を示す。
【表9】

【0054】
実施例1から実施例6までについては、清掃対象物に付着した汚れをアルカリイオン水で洗浄した場合の効果の程度を示す実験結果である。その結果から、実施例1(標準汚染物質)を除き、汚染物質が油脂(レンジ汚れ、ラード、工業油)、血液、果汁の場合には、アルカリイオン水は清掃水としての適用性を有していることが分かった。特にpHが高く(pH=12、13)、ナノバブルを含むアルカリイオン水は、清掃水として、より高い適用性を有していることが分かった。
【0055】
実施例7については、清掃対象物が木材である場合の実験結果である。その結果、pHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)を使用すると、木材表面の乾燥時間が遅いこと、及び木材の内部へ浸透しやすいことが分かった。よって、例えば、木製のまな板の清掃水としてpHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)を使用する場合には、まな板表面の乾燥により長い時間がかかり、衛生面の問題が生じることを示している。また、木床とりわけ無垢(削りたてで表面未加工の木板)の材質に使用すると、早く水を吸い膨張しその後乾燥することによって生じる収縮が激しいため、pHが高いアルカリ水(pH=12、13)は木材の洗浄に不適であると分かった。
【0056】
実施例8については、清掃対象物が皮革である場合の実験結果である。その結果、pHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)を使用すると、短時間で皮革から染料が染み出し始めることが分かった。よって、例えば、皮革製の衣服、靴、かばんなどの清掃水としてpHが高いアルカリイオン水(pH=12、13)を使用する場合には、容易に皮革から染料が染み出してしまう恐れが高く、清掃水としての使用は適切ではないことを示している。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明により、化学合成物質を使用しなくても、洗浄力の高い清掃水であるアルカリイオン水を得ることができ、排水処理にコスト、手間をかける必要がなくなることから、多くの清掃対象物の清掃水として利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0058】
100 電解槽
101 隔膜
102 水槽
103 陽極
104 陰極
200 アルカリ水調整装置
201 水道
202 浄水器
203 電解槽
204 主吐水ホース
205 排水ホース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH13のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。
【請求項2】
化学合成物質を含まない清掃水であって、pH13のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。
【請求項3】
化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH12のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。
【請求項4】
化学合成物質を含まない清掃水であって、pH12のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。
【請求項5】
化学合成物質を含まない清掃水であって、ナノバブルを含みpH11のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。
【請求項6】
化学合成物質を含まない清掃水であって、pH11のアルカリイオン水であることを特徴とする清掃水。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−279900(P2010−279900A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135182(P2009−135182)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(500167135)東栄部品株式会社 (4)
【Fターム(参考)】