説明

アルカリ電池用陰極材料及び添加剤

アルカリ電池の陰極は、陰極効率を増大するための導電性添加剤を包含できる。添加剤は、バリウム塩及び導電性材料を包含できる。導電性材料は、バリウム塩の表面上に被覆されることができる。導電性材料は、導電性金属酸化物であることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池、より具体的には電池用陰極材料に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、電気エネルギー源として一般に使用される。電池は、一般的に陽極と呼ばれるマイナス極と、一般的に陰極と呼ばれるプラス極とを有する。陽極は、酸化されることができる活物質を有する。陰極は、還元されることができる活物質を含有又は消費する。陽極活物質は、陰極活物質を還元できる。
【0003】
電池が電気エネルギー源として装置に使用される時、陽極及び陰極に電気接点が作られ、電子が装置を通って流れることを可能にし、それぞれの酸化及び還元反応が発生して電力を提供できるようにする。陽極及び陰極と接触する電解質は、放電中に電池全体の電荷のバランスを維持するために電極間の隔離体を通って流れるイオン類を含有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルカリ電池は、陰極、陽極、及び水性アルカリ電解質を包含できる。陰極は、陰極活物質及び導電性添加剤を包含できる。有効寿命が延長されたアルカリ電池が望ましい。陰極活物質は、二酸化マンガンを包含できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様において、アルカリ電池は、バリウム塩及び導電性材料を包含する添加剤と二酸化マンガンとを含んでなる陰極と、亜鉛を含んでなる陽極と、該陰極と該陽極との間の隔離体と、並びに該陰極及び該陽極と接触するアルカリ電解質とを包含する。
【0006】
別の態様において、アルカリ電池は、バリウム塩及び該バリウム塩の表面上への被覆物を包含する添加剤と二酸化マンガンとを含んでなる陰極と、亜鉛を含んでなる陽極と、該陰極と該陽極との間の隔離体と、並びに前記陰極及び前記陽極と接触するアルカリ電解質とを包含する。
【0007】
別の態様において、アルカリ電池の製造方法は、二酸化マンガンを包含する陰極活物質と、バリウム塩及び導電性材料を包含する添加剤とを包含する陰極の形成を包含する。
【0008】
別の態様において、アルカリ電池の製造方法は、バリウム塩及び該バリウム塩表面上の被覆物を包含する添加剤と二酸化マンガンを包含する陰極活物質とを組み合わせることを含んでなる。
【0009】
さらに別の態様において、アルカリ電池の有効寿命の延長方法は、バリウム塩及び該バリウム塩表面上の被覆物を包含する添加剤を、二酸化マンガンを包含する陰極活物質に添加することを包含する。
【0010】
導電性材料は、バリウム塩の表面上に被覆されることができる。導電性材料は、金属酸化物を包含できる。被覆物は導電性のものであることができる。被覆物は金属酸化物を包含できる。金属酸化物は酸化スズであることができる。前記バリウム塩は、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムを包含できる。二酸化マンガンは、電解質二酸化マンガンであることができる。断続的放電試験における前記電池の有効寿命は、前記粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも2%、又は少なくとも3%長い。前記方法は、ハウジング内に、陰極と、陽極、隔離体、及び電解質を組み立てることを含んでなる。
【0011】
電池の有効寿命は、電池が、一組の運転条件の下で規定電圧以上で電力を提供できる時間の量である。有効寿命の1つの制限は、陰極活物質が消費される効率から生じうる。陰極活物質の全容量が使用されない場合、電池寿命が短縮されうる。導電性添加剤は、陰極活物質の効率を増大できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1つ以上の実施形態の詳細が、添付図面及び以下の記載に示されている。その他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面から、並びに請求項から明らかになるであろう。
【0013】
図1を参照すると、電池10は、陰極12、陽極14、隔離体16及び円筒形ハウジング18を包含する。電池10は、集電体20、シール22、及びマイナスの金属トップキャップ24(これが電池のマイナス端子として機能する)も包含する。陰極は、ハウジングと接触し、電池のプラス端子は電池のマイナス端子の反対の端部にある。電解液は、電池10全体に分散されている。電池10は、例えば、AA、AAA、AAAA、C、又はD電池であることができる。あるいは、電池10は、角形、積層若しくは薄形電池又はコイン若しくはボタン形セルであることができる。
【0014】
陰極12は、二酸化マンガン、炭素粒子、添加剤、及び、任意に結合剤を包含する。添加剤を包含する陰極は、添加剤が欠如している陰極と比較して、強化された性能を提供することができる。特に、添加剤を包含する陰極を有する電池は、添加剤が欠如している陰極を有する電池よりも長い有効寿命を持つことができる。添加剤は、バリウム塩及び導電性材料を包含できる。導電性材料は、任意にバリウム塩上に被覆されることができる。前記バリウム塩は、例えば、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムであることができる。導電性材料は、金属又は導電性金属酸化物を包含できる。適した導電性材料は、銀、酸化スズ、酸化銀、銀酸化ニッケル、又は銀酸化ビスマスを包含できる。金属酸化物は、わずかに還元された又は化学的にドープされた金属酸化物であることができる。導電性酸化スズが、適している。例えば、導電性酸化スズは、酸素欠乏酸化スズ、SnO2−x(式中xは1〜2の間)、ドープ酸化スズ、又は酸化スズ化合物であることができる。ドープ酸化スズは、例えば、ニオビウム、インジウム、又はハロゲン化物でドープされることができる。酸化スズ化合物は、例えば、インジウム酸化スズを包含できる。
【0015】
添加剤の例は、例えば、米国特許第5,698,315号、第5,919,598号、及び第5,997,775号に記載されており、この各々の全体を参照として本明細書に組み入れる。添加剤は、0.1〜150m/gの範囲の比表面積の中核材料(即ち、バリウム塩)を有することができる。中核材料は、導電性被覆物(導電性酸化スズのような)で被覆されることができ、その際被覆物は厚さが2〜80nmの範囲である。
【0016】
陰極に使用される従来形態の二酸化マンガンのいずれもが使用できる。例えば、二酸化マンガンは電解による二酸化マンガン(EMD)又は化学的二酸化マンガン(CMD)であることができる。二酸化マンガンの販売者としては、カーマギー社(Kerr McGee Co.)(トロナ(Trona)D)、ケムメタルズ社(Chem Metals Co.)、トーソー(Tosoh)、デルタマンガニーズ(Delta Manganese)、ミツイケミカルズ(Mitsui Chemicals)、JMC、及びシャンタン(Xiangtan)が挙げられる。一般に、陰極は、例えば80重量%〜90重量%、好ましくは86重量%〜88重量%の二酸化マンガンを包含してもよい。
【0017】
EMDの製造方法及びその代表的特性は、「電池(Batteries)」、カールV.コーデッシュ(Karl V.Kordesch)編、マーセルデッカー社(Marcel Dekker,Inc.)、ニューヨーク、第1巻、1974年、433〜488頁に記載されており、その全体を本明細書に参考として組み込む。EMDは、アルカリセルへの使用に好ましい種類の二酸化マンガンである。電着工程の1つの結果は、EMDが一般に電解浴の硫酸からの高レベルの表面酸性度を保持することである。この残留物表面の酸性度は、例えば水性塩基溶液での処理によって、中和できる。適した水性塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム(すなわち、アンモニア水)、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0018】
二酸化マンガン材料は、粉末X線回折によって評価できる。マンガン含有量は、誘導結合プラズマ原子分光分析によって決定できる。酸素の化学量論(すなわち、MnOのx)は、滴定によって決定できる。比表面積は、BET法によって窒素吸着/脱着等温線から決定できる。
【0019】
結合剤の例としては、ポリエチレン、ポリアクリル酸、又はPVDF若しくはPTFEのようなフルオロカーボン樹脂が挙げられる。ポリエチレン結合剤の一例は、コアチレン(COATHYLENE)HA−1681の商標名で販売されている(ヘキスト(Hoechst)又はデュポン(Dupont)より入手可能)。陰極は、例えば、0.1重量%〜4重量%、又は0.5重量%〜2重量%の結合剤を包含できる。
【0020】
炭素粒子は、グラファイト粒子を包含できる。グラファイトは、膨張グラファイトを包含する人工グラファイト、非人工グラファイト、天然グラファイト、又はこれらのブレンドであることができる。適した天然グラファイト粒子は、例えば、ブラジリアン・ナショナル・デ・グラファイト(Brazilian Nacional de Grafite)(ブラジル、イタペセリカ(Itapecerica)、NdG MP−0702xグレード)又はスペリオール・グラファイト社(Superior Graphite Co.)(米国イリノイ州シカゴ、ABGグレード)から入手できる。適した膨張グラファイト粒子は、例えば、日本のチュウエツグラファイトワークス(Chuetsu Graphite Works,Ltd.)(チュウエツ(Chuetsu)グレードWH−20A及びWH−20AF)又はティムカル・アメリカ(Timcal America)(米国オハイオ州ウエストレーク(Westlake)、KSグレード)から入手できる。陰極は、例えば、2重量%〜10重量%、3重量%〜8重量%、又は4重量%〜6重量%の導電性炭素粒子を包含できる。
【0021】
電解質溶液は陰極12を通じて分散されることができ、上記及び下記で与えられた重量パーセントは電解質溶解の添加後に決定される。電解質は、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムのような水酸化アルカリの水溶液であることができる。電解質は、15重量%〜60重量%、20重量%〜55重量%、又は30重量%〜50重量%の水に溶解した水酸化アルカリを含有できる。電解質は、酸化亜鉛のようなアルカリ酸化物を0重量%〜4重量%含有できる。
【0022】
陽極14は、電池陽極に使用される標準的な亜鉛材料のいずれからも形成できる。例えば、陽極14は、亜鉛金属粒子、ゲル化剤、及び気泡発生阻害物質のような微量の添加剤を包含する亜鉛スラリーであることができる。さらに、電解質溶液の一部は陽極全体に分散される。
【0023】
亜鉛粒子は、スラリー陽極に従来使用されている亜鉛粒子のいずれでもあることができる。亜鉛粒子の例としては、米国特許第6,284,410号及び第6,521,378号、並びに米国出願番号第09/115,867号が挙げられ、この各々の全体を本明細書に参考として組み込む。陽極は、例えば、60重量%〜80重量%、65重量%〜75重量%、又は67重量%〜71重量%の亜鉛粒子を包含できる。
【0024】
ゲル化剤の例としては、ポリアクリル酸、グラフト化デンプン材料、ポリアクリル酸の塩、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)又はこれらの組み合わせが挙げられる。ポリアクリル酸の例としては、カーボポール(CARBOPOL)940及び934(B.F.グッドリッチ(Goodrich)より入手可能)並びにポリゲル(POLYGEL)4P(3Vより入手可能)が挙げられ、グラフト化デンプン材料の例としては、ウオーターロック(WATERLOCK)A221又はA220(グレイン・プロセシング・コーポレーション(Grain Processing Corporation)、米国アイオワ州マスカティーン(Muscatine)より入手可能)が挙げられる。ポリアクリル酸の塩の例としては、アルコソルブ(ALCOSORB)G1(チバ・スペシャルティーズ(Ciba Specialties)より入手可能)が挙げられる。陽極は、例えば、0.05重量%〜2重量%、又は0.1重量%〜1重量%のゲル化剤を包含できる。
【0025】
気泡発生阻害剤は、ビスマス、スズ、又はインジウムのような無機材料を包含できる。あるいは、気泡発生阻害剤は、リン酸エステルのような有機化合物、イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を包含できる。イオン性界面活性剤の例は、例えば、米国特許第4,777,100号に開示されており、その全体を本明細書に参考として組み込む。
【0026】
隔離体16は、従来のアルカリ電池隔離体であることができる。いくつかの実施形態において、隔離体16は、一層がもう一層の表面に沿って付着された2層の不織布、非膜材料で形成されることができる。例えば、有効な電池を提供しながら隔離体16の体積を最小にするため、不織布、非膜材料の各層は、1平方メートル当たり約54gの坪量、乾燥時に約0.14mm(5.4mil)の厚さ及び湿潤時に約0.25mm(10mil)の厚さを有することができる。前記層は、無機粒子のような充填剤が実質的に無しであることができる。
【0027】
別の実施形態において、隔離体16は、1層の不織布材料と組み合わされた1層のセロハンを包含できる。隔離体は、追加の不織布材料の層も包含できる。セロハン層は、陰極12又は陽極に隣接できる。不織布材料は、78重量%〜82重量%のポリビニルアルコール及び18重量%〜22重量%のレーヨンを微量の界面活性剤とともに含有することができ、例えばPA25の商標名でPDMより入手可能な不織布材料である。
【0028】
ハウジング18は、一次アルカリ電池に一般に使用される従来のハウジング、例えば、ニッケルめっき冷間圧延鋼であることができる。ハウジングは、内側の金属壁及び外側の熱収縮性プラスチックのような非導電材料を包含できる。任意に、導電性材料の層は、内壁と陰極12との間に配置できる。該層は、内壁の内表面に沿って、陰極12の周辺に沿って、又はそのいずれでも配置できる。導電層は、例えば、LB1000(ティムカル(Timcal))、エココート(Eccocoat)257(W.R.グレース(Grace)&Co.)、エレクトロダッグ(Electrodag)109(アチソン・コロイズ・カンパニー(Acheson Colloids Company))、エレクトロダッグ(Electrodag)EB−009(アチソン(Acheson))、エレクトロダッグ(Electrodag))112(アチソン(Acheson))及びEB0005(アチソン(Acheson))のような炭素質材料(例えば、コロイド状グラファイト)で作ることができる。導電層の適用方法は、例えば、カナダ特許第1,263,697号に開示されており、その全体を本明細書に参考として組み込む。任意に、金、窒化チタン又は酸窒化チタンのような耐食性被覆物をハウジングの内側の金属壁に適用できる。
【0029】
集電体28は、黄銅のような適した金属から作ることができる。シール30は、例えば、ナイロンで作ることができる。
【実施例】
【0030】
9N水酸化カリウム電解質を満たした3つの開放型セルのセル外部で電気化学的特性決定を実施した。Hg/HgO及び白金を、それぞれ参照電極及び対電極として使用した。作用電極は、テフロン化アセチレンブラック:EMD及び添加剤を包含する陰極活物質の1:1混合物を、7100ニッケル集電体(デルカー・コーポレーション(Delker Corporation))上で、圧力1t/cmにて加圧することによって調製した。湿潤増強のため、該作用電極に真空下で電解質を充満した。電気化学測定は、コルウエア(CorrWare)電気化学データ収集ソフトウエアによって駆動される273A EG&Gプリンストン・アプライド・リサーチ(Princeton Applied Research)ポテンショスタットで実施した。
【0031】
導電性酸化スズで被覆された市販の硫酸バリウム(ミツイマイニング社(Mitsui Mining Co.)(日本)製)を添加剤として使用した。該添加剤は、EMDを基準にして10重量%で存在した。次の2つの添加剤の試料を試験した、1つの試料は固有抵抗が7Ω/cmであり、他方の試料は固有抵抗が70Ω/cmであった。粉末形態の添加剤の固有抵抗を、添加剤試料を800kg/cmの圧力下で保持しながら4プローブ試験法によって測定した。図2は、添加剤あり又はなしでEMDについて記録されたボルタモグラムを描いたグラフである。EMDの量は、3つの測定のすべてで同じであった。いずれの添加剤も、0.2〜−0.6V(Hg/HgOを基準にして)の電圧範囲全体にわたってEMD放電の効率を増大した。導電性のより高い添加剤(7Ω/cm)は、電気固有抵抗のより高い添加剤よりもEMD放電の効率を増強した。添加剤がEMD放電効率に及ぼす最も重大な影響は、放電曲線の低電圧領域(すなわち、−0.4Vの後)に存在し、−0.5Vで追加のピークが検出された。
【0032】
上述のように調製された材料の定電流(すなわち、一定電流)放電曲線を図3に示す。活性なEMD材料の量は、3つの測定のすべてで同じであった。いずれの添加剤も、EMD放電の効率を増大した。導電性のより高い添加剤は、電気固有抵抗のより高い添加剤よりも効率の増大が大きかった。さらに、添加剤は、負荷電圧及び見掛けのEMD容量を増大した。導電性のより高い添加剤は、低電圧放電領域で追加の改良を提供した。
【0033】
AAサイズの電池を、85.65%のEMD、5.30%のグラファイト、2.65%の導電性添加剤、及び6.4%の7N水酸化カリウムの正極合剤(陰極ミックス)を用いて調製した。この実験では、導電性のより高い(7Ω/cm)添加剤は、3重量%の濃度(すなわち、97重量%のEMD、3重量%の添加剤)でのみ使用した。該正極合剤(陰極ミックス)を、ブレンダー内で均質化した。該正極合剤(陰極ミックス)を、実験用カーバー(Carver)プレスにて1,055Kg/cm(15,000psi)の圧力で円筒環状のペレットに加圧した。陽極は、ゲル化剤に71.5%の金属亜鉛粉末を含有させた。対照陰極を、88.3%のEMD(添加剤なし)、5.30%のグラファイト及び6.4%の7N水酸化カリウムを用いて調製した。対照陰極は、添加剤を包含する陰極よりも大量の活性EMDを含有した。
【0034】
電気化学的評価のため、2つの異なる断続的放電試験を実施した。セルは、250mA又は3.9Ωのいずれかで1時間放電の後、11時間の緩和を行い、該充電−放電サイクルを電圧が0.75V未満に下がるまで繰り返した。アービン(Arbin)電気化学試験機モデルBT2043をアービンミッツ(Arbin Mits)’97スマート・エデション(Smart Edition)電気化学ソフトウエアと共に、又はマッカー(Maccor)電気化学試験機モデル4000をマッカ−(Maccor)電気化学ソフトウエア、バージョン2.50と共に、使用した。すべての試験は、23℃(74°F)で実施された。
【0035】
図4は、陰極に3%の添加剤あり又はなしでの、AAセルの典型的な断続的放電試験(3.9Ω)の結果を示す。断続的放電試験の最初の6時間は、2つのセルはほぼ同じに機能した。6時間後、添加剤はEMD放電効率を増強し、その結果有効時間が3.6%増大した。導電性添加剤を包含する陰極中のEMDがより少量であることを考慮すると、これはEMD放電効率の6.1%増大を表す。
【0036】
図5は、陰極に3%の導電性添加剤あり及びなしでの、AAセルの典型的な断続的放電試験(250mA)の結果を示す。断続的放電の開始時(7時間まで)は、添加剤あり又はなしのセルはほぼ同じに機能した。7時間の放電の後、添加剤はEMD放電効率を増強し、その結果有効時間が2.2%増大した。活物質の含有量がより少ないことを考慮すると、これはEMD放電効率の4.8%増大を表す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】電池の概略図。
【図2】種々の陰極混合物の電気化学的性能を描いたグラフ。
【図3】種々の陰極混合物の電気化学的性能を描いたグラフ。
【図4】電池性能を描いたグラフ。
【図5】電池性能を描いたグラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ電池であって、
バリウム塩及び導電性材料を包含する添加剤と、二酸化マンガンとを含んでなる陰極と、
亜鉛を含んでなる陽極と、
前記陰極と前記陽極との間の隔離体と、及び
前記陰極及び前記陽極と接触するアルカリ電解質を含んでなる、アルカリ電池。
【請求項2】
前記導電性材料が、バリウム塩の表面上に被覆されてなる、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記導電性材料が、金属酸化物を包含する、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記導電性材料が、金属酸化物を包含する、請求項2に記載の電池。
【請求項5】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項3に記載の電池。
【請求項6】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項4に記載の電池。
【請求項7】
前記バリウム塩が、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムを包含する、請求項1に記載の電池。
【請求項8】
前記二酸化マンガンが、電解による二酸化マンガンである、請求項1に記載の電池。
【請求項9】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、前記粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも2%長い、請求項1に記載の電池。
【請求項10】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも3%長い、請求項1に記載の電池。
【請求項11】
アルカリ電池であって、
バリウム塩及び該バリウム塩の表面上における被覆物を包含する添加剤と、二酸化マンガンとを含んでなる陰極と、
亜鉛を含んでなる陽極と、
前記陰極と前記陽極との間の隔離体と、及び
前記陰極及び前記陽極に接触するアルカリ電解質を含んでなる、アルカリ電池。
【請求項12】
前記被覆物が、導電性のものである、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記被覆物が、金属酸化物を包含する、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記バリウム塩が、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムを包含する、請求項11に記載の電池。
【請求項16】
前記二酸化マンガンが、電解による二酸化マンガンである、請求項11に記載の電池。
【請求項17】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも2%長い、請求項11に記載の電池。
【請求項18】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、前記粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも3%長い、請求項11に記載の電池。
【請求項19】
アルカリ電池の製造方法であって、
二酸化マンガンを包含する陰極活物質と、バリウム塩及び導電性材料を包含する添加剤とを包含する陰極を形成することを含んでなる、製造方法。
【請求項20】
前記導電性材料が、バリウム塩の表面上に被覆されてなる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記導電性材料が、金属酸化物を包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記導電性材料が、金属酸化物を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記バリウム塩が、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムを包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記二酸化マンガンが、電解による二酸化マンガンである、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
ハウジング内に、陰極と、陽極と、隔離体と、及び電解質を組み立てることをさらに含んでなる、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
アルカリ電池の製造方法であって、
バリウム塩及び該バリウム塩表面上の被覆物を包含する添加剤と二酸化マンガンを包含する陰極活物質とを組み合わせることを含んでなる、製造方法。
【請求項29】
前記被覆物が、導電性である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記被覆物が、金属酸化物を包含する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記バリウム塩が、硫酸バリウム、水酸化バリウム、炭酸バリウム、又は酸化バリウムを包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記二酸化マンガンが、電解による二酸化マンガンである、請求項28に記載の方法。
【請求項34】
ハウジング内に、陰極と、陽極と、隔離体と、及び電解質を組み立てることをさらに含んでなる、請求項28に記載の方法。
【請求項35】
アルカリ電池の有効寿命の延長方法であって、
バリウム塩及び該バリウム塩表面上の被覆物を包含する添加剤を、二酸化マンガンを包含する陰極活物質に添加することを含んでなる方法。
【請求項36】
前記被覆物が、導電性である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記被覆物が、金属酸化物を包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記金属酸化物が、酸化スズである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記バリウム塩が、硫酸バリウム、水酸化バリウム、又は酸化バリウムを包含する、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記二酸化マンガンが、電解による二酸化マンガンである、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも2%長い、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
断続的放電試験における前記電池の有効寿命が、粒子が欠如している電池の有効寿命よりも少なくとも3%長い、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−519212(P2007−519212A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551447(P2006−551447)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【国際出願番号】PCT/US2005/002512
【国際公開番号】WO2005/074059
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】