説明

アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂組成物

粉剤とアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂とを含む組成物を開示する。これらの組成物は、種々のパーソナルケア組成物又は医療用ケア組成物に特に有用であり、局所適用後の粉剤の耐久性及び持続性を強化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
該当なし。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、粉剤とアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂とを含む組成物を提供する。本発明の組成物を、種々のパーソナルケア組成物、家庭用ケア組成物、自動車用ケア組成物又は医療用ケア組成物中に包含させることにより、局所適用後の粉剤の耐久性及び持続性(substantivity)を強化することができる。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
一般式RSiO(4−n)/2(式中、Rはアルキル基であり、nは、一般的に1.8未満である)のシロキサン樹脂は、多くの商業用途(例えば、接着剤組成物及びコーティング用途)におけるその有用性のため、シリコーンポリマーの重要な群(family)の1つである。シロキサン樹脂の特定のサブクラスの1つであって、MQ樹脂として知られるもの(一般式RSiO1/2の「M」単位と一般式SiOの「Q」単位とから主に構成されるため)は、化粧品配合物における有用性がわかっている。特に、MQ樹脂は、「長時間使用性(extended wear)」又は「転写抵抗性(transfer resistant)」化粧品配合物に通常用いられている。これらの配合物において、MQ樹脂は、適用後における顔料又は他の配合活性物質の皮膚に対する持続性を強化して、より長時間の持続性をもたらし、従って、長時間使用性の製品をもたらす。
【0004】
MQ樹脂を用いた転写抵抗性化粧品組成物の代表例は、米国特許第6,071,503号、米国特許第6,074,654号、米国特許第6,139,823号、米国特許第6,340,466号、国際公開第97/17058号パンフレット及び国際公開第97/17059号パンフレットに見られ、これらは、オルガノシロキサン樹脂及び液状ジオルガノシロキサン樹脂と揮発性キャリアとの組み合わせを含む組成物を開示している。
【0005】
米国特許第5,330,747号には、トリメチルシリル末端封鎖樹脂性コポリマー、シラノール末端封鎖ポリジオルガノシロキサン流体、及びフェニル含有ポリシロキサン流体を含む感圧接着剤組成物に由来する被膜形成剤を用いる、耐久性が強化された化粧品が教示されている。
【0006】
米国特許第5,800,816号には、a)約0.1〜60重量%のトリメチル化シリカ、b)約0.1〜60重量%の揮発性溶媒(25℃で0.5〜100mPa・s(センチポアズ)の粘度を有する)、c)0.1〜60重量%の不揮発性油(25℃で200〜1,000,000mPa・s(センチポアズ)の粘度を有する)、d)0.1〜80%の、化粧用として許容可能なキャリアを含む、改善された転写抵抗性を有する化粧品組成物が開示されている。
【0007】
米国特許第5,837,223号及び米国特許第6,036,947号には、組成物の総重量に対して、a)10〜70%の揮発性溶媒(25℃で0.5〜20mPa・s(センチポアズ)の粘度を有する)、b)0.5〜40%のゲルベ(guerbet)エステル、及びc)0.1〜20%のシロキシシリケートポリマーを含む、転写抵抗性の高艶出し化粧品スティック状組成物が教示されている。
【0008】
英国特許第2,319,527号には、高分子量ポリジオルガノシロキサン化合物を主成分とする香料放出性の不揮発性ポリシロキサンが開示されており、これは、ポリマーの有機置換基の少なくとも1つ以上が、芳香性アルコールに由来する基である。
【0009】
特公平6(1994)−72085号公報には、改善された耐水性及び耐久性を有し、有機シリコーン樹脂、揮発性シリコーン油、及びメーキャップ用粉剤を含むメーキャップ化粧品組成物が教示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
スキンケア配合物において、化粧品配合物に現在使用されているMQ樹脂に少なくとも匹敵する長時間使用性及び転写抵抗性を与え、また、改善された光沢(すなわち、非艶消し(non-matte))を有する、改善されたシロキサン樹脂が必要である。さらに、一般に使用されるパーソナルケア溶媒中におけるフェニルシルセスキオキサン樹脂の溶解性を改善する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、アルキル(R’SiO3/2)シロキシ単位とフェニル(CSiO3/2)シロキシ単位とを組み合わせることによって、改善されたシロキサン樹脂を見出した。得られるシロキサン樹脂は、本明細書中でアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂と称され、皮膚への局所適用後の粉剤の持続性を改善する。特に、本発明のアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂を含有する化粧品配合物は、フェニルシルセスキオキサン樹脂のみよりも耐久性が改善した。
【0012】
[発明の概要]
本発明は、
(A)粉剤と、
(B)アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂であって、以下の式:
(R’SiO3/2(CSiO3/2
(式中、x及びyは0.05〜0.95の値を有し、R’は2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である)を有するシロキシ単位を少なくとも60モル%含むアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂と
を含む組成物に関する。
【0013】
本発明の組成物は、種々のパーソナルケア組成物、家庭用ケア組成物、自動車用ケア組成物又は医療用ケア組成物中に包含され得る。アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、本発明の組成物を含む配合物による局所適用後の、皮膚上における粉剤又は顔料の耐久性及び持続性を強化する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[発明の詳細な説明]
本発明は、
(A)粉剤と、
(B)アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂であって、以下の式:
(R’SiO3/2(CSiO3/2
(式中、x及びyは0.05〜0.95の値を有し、R’は2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である)を有するシロキシ単位を少なくとも60モル%含むアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂と
を含む組成物に関する。
【0015】
成分(A)は粉剤であり、本明細書中では粒径0.02〜50ミクロンの乾燥粒状物質として定義される。粒状物質は、有色であっても、無色(例えば、白色)であってもよい。好適な粉剤としては、オキシ塩化ビスマス、チタン酸マイカ、ヒュームドシリカ、球状シリカビーズ、ポリメチルメタクリレートビーズ、微粉化テフロン(登録商標)、窒化ホウ素、アクリレートポリマー、ケイ酸アルミニウム、オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、ベントナイト、ケイ酸カルシウム、セルロース、チョーク、コーンデンプン、珪藻土、フラー土、グリセリルデンプン、ヘクトライト、水和シリカ、カオリン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、マルトデキストリン、モンモリロナイト、微結晶セルロース、米デンプン、シリカ、タルク、マイカ、二酸化チタン、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ロジン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ポリエチレン、アルミナ、アタパルガイト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、デキストラン、カオリン、ナイロン、シリル化シリカ、シルク粉末、セリサイト、大豆粉、酸化スズ、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、クルミ殻粉末、又はそれらの混合物が挙げられる。レシチン、アミノ酸、鉱油、シリコーン油、又は他の様々な物質を単独若しくは併用して上記粉剤を表面処理し、粉剤表面を被覆し且つ粒子を事実上疎水化させることができる。
【0016】
また、粉末状成分(A)は、様々な有機顔料及び無機顔料を含む。有機顔料は、一般に、D&C及びFD&Cブルー、ブラウン、グリーン、オレンジ、レッド、イエロー等として表わされるアゾ、インディゴ、トリフェニルメタン、アントラキノン、及びキサンチン染料等の様々な芳香族種である。無機顔料は、一般に、レーキ又は酸化鉄と称される認証着色添加物(certified color additives)の不溶性金属塩から成る。粉状着色剤(例えば、カーボンブラック、酸化クロム又は酸化鉄、ウルトラマリン、ピロリン酸マンガン、紺青及び二酸化チタン)、有色顔料との混合物として一般に用いられる真珠光沢剤、又は有色顔料との混合物として一般に用いられ、且つ化粧品業界で通常用いられる幾つかの有機染料を組成物に加えることができる。また、粉状の無機充填剤又は有機充填剤を加えることもできる。これらの粉状充填剤は、タルク、マイカ、カオリン、酸化亜鉛又は酸化チタン、炭酸カルシウム又は炭酸マグネシウム、シリカ、球状二酸化チタン、ガラスビーズ又はセラミックビーズ、8〜22個の炭素原子を有するカルボン酸由来の金属石鹸、無発泡(non-expanded)合成ポリマー粉末、発泡粉末(expanded powder)、及び穀類デンプン等の天然有機化合物由来の粉末から選ぶことができ、それらは架橋していてもしていなくてもよい。タルク、マイカ、シリカ、カオリン、ナイロン粉末(特に、ORGASOL)、ポリエチレン粉末、テフロン(登録商標)、デンプン、窒化ホウ素、EXPANCEL(Nobel Industrie)やPOLYTRAP等のコポリマーミクロスフェア、並びにシリコーン樹脂粉末又はミクロビーズ(例えば、東芝製TOSPEARL)において、特に言及することができる。
【0017】
成分(B)は、式:(R’SiO3/2(CSiO3/2(式中、x及びyは0.05〜0.95の値を有し、R’は2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である)を有するシロキシ単位を少なくとも60モル%含むアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂である。本明細書中で使用される場合、x及びyは、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中で存在して互いに関連する、(R’SiO3/2)シロキシ単位及び(CSiO3/2)シロキシ単位(すなわち、T−アルキルシロキシ単位及びT−フェニルシロキシ単位)のモル分率を表す。従って、(R’SiO3/2)シロキシ単位及び(CSiO3/2)シロキシ単位のモル分率はそれぞれ、独立して0.05〜0.95で変化し得る。しかし、(R’SiO3/2)シロキシ単位及び(CSiO3/2)シロキシ単位の組み合わせは、全体で、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に存在する全てのシロキシ単位の少なくとも60モル%、或いは80モル%、或いは95モル%で存在しなければならない。
【0018】
R’は、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基又はオクチル基等の直鎖又は分枝鎖アルキルであり得る。好ましくは、R’はプロピルである。
【0019】
アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、一般に当該技術分野において既知であり、且つ本明細書中ではM単位、D単位、T単位及びQ単位としてそれぞれ用いられる、(i)(RSiO1/2、(ii)(RSiO2/2、(iii)(RSiO3/2、又は(iv)(SiO4/2単位等の付加的なシロキシ単位を含有することができる。アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に存在する各単位の量は、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂に存在する全てのシロキシ単位の総モル数のモル分率として表すことができる。従って、本発明のアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、以下の単位:
(i) (RSiO1/2
(ii) (RSiO2/2
(iii) (RSiO3/2
(iv) (SiO4/2
(v) (R’SiO3/2及び
(vi) (CSiO3/2
(式中、R、R及びRは、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、カルビノール基又はアミノ基であり;R’は、2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり;a、b、c及びdは、0〜0.4の値を有し;x及びyは、0.05〜0.95の値を有し;但し、x+yの値は0.60以上であり、a+b+c+d+x+yの値は1である)を含む。
【0020】
アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂の単位におけるR、R及びRは、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、カルビノール基又はアミノ基である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル及びオクチルが例示される。アリール基としては、フェニル、ナフチル、ベンジル、トリル、キシリル、キセニル、メチルフェニル、2−フェニルエチル、2−フェニル−2−メチルエチル、クロロフェニル、ブロモフェニル及びフルオロフェニルが例示され、典型的にはアリール基はフェニルである。
【0021】
本発明の目的のため、「カルビノール基」は、少なくとも1つの炭素結合ヒドロキシル(COH)基を含有する任意の基であると定義される。従って、カルビノール基は、1つより多くのCOH基、例えば、
【0022】
【化1】

【0023】
等を含有していてもよい。
【0024】
カルビノール基は、アリール基を含まない場合、少なくとも3個の炭素原子を有し、アリール含有カルビノール基では少なくとも6個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有する、アリール基を含まないカルビノール基としては、式ROH(式中、Rは、少なくとも3個の炭素原子を有する二価の炭化水素基、又は少なくとも3個の炭素原子を有する二価のヒドロカルボノキシ基である)を有する基が例示される。R基としては、−(CH−(式中、xは3〜10の値を有する)、−CHCH(CH)−、−CHCH(CH)CH−、−CHCHCH(CHCH)CHCHCH−及び−OCH(CH)(CH−(式中、xは1〜10の値を有する)等のアルキレン基が例示される。
【0025】
少なくとも6個の炭素原子を有するアリール含有カルビノール基としては、式ROH(式中、Rは、−(CH−(式中、xは0〜10の値を有する)、−CHCH(CH)(CH−(式中、xは0〜10の値を有する)、−(CH(CH−(式中、xは1〜10の値を有する)等のアリーレン基である)を有する基が例示される。アリール含有カルビノール基は、6〜14個の原子を典型的に有する。
【0026】
アミノ基は、第一級、第二級又は第三級アミンであってもよい。アミンとしては、式−RNH又は−RNHRNH(式中、Rは、少なくとも2個の炭素原子を有する二価の炭化水素基であり、Rは、少なくとも2個の炭素原子を有する二価の炭化水素基である)を有する基が例示される。R基は、典型的に、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である。Rとしては、エチレン、プロピレン、−CHCHCH−、ブチレン、−CHCH(CH)CH−、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、3−エチル−ヘキサメチレン、オクタメチレン及びデカメチレンが例示される。
【0027】
は、典型的に、2〜20個の炭素原子を有するアルキレン基である。Rとしては、エチレン、プロピレン、−CHCHCH−、ブチレン、−CHCH(CH)CH−、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、3−エチル−ヘキサメチレン、オクタメチレン及びデカメチレンが例示される。
【0028】
典型的なアミノ基は、−CHCHCHNH及び−CH(CH)CHCH(H)NCH、−CHCHNHCHCHNH、−CHCHNH、−CHCHNHCH、−CHCHCHCHNH、−(CHCHNH)H及び−CHCHNHCHCHNHCである。
【0029】
典型的に、Rはメチル基であり、Rはメチル基又はフェニル基であり、Rはメチル基である。
【0030】
また、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂の個々のDシロキサン単位、Tシロキサン単位又はQシロキサン単位のいずれかは、ヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を含有し得る。このようなヒドロキシ基及び/又はアルコキシ基を含有するシロキサン単位は、一般式RSiO(4−n)/2を有するシロキサン樹脂において一般に見られる。このようなシロキサン樹脂中のヒドロキシ基は、シロキサン単位上の加水分解性基と水との反応に典型的に由来する。アルコキシ基は、アルコキシシラン前駆物質を使用した場合の不完全な加水分解に由来するか、又はアルコールの加水分解性基との交換に由来する。典型的に、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に存在するヒドロキシ基の総重量パーセントは、10%以下、或いは5%以下、或いは3%以下である。典型的に、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に存在するアルコキシ基の総重量パーセントは、20%以下、或いは10%以下、或いは5%以下である。
【0031】
アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂の分子量は限定されないが、典型的に、数平均分子量(M)は500〜10,000、或いは1,000〜5,000の範囲である。
【0032】
本発明のアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、一般式RSiO(4−n)/2(式中、Rはアルキル基又はアリール基であり、nは一般に1.8未満である)を有するシロキサン樹脂を調製するための当該技術分野において既知の任意の方法によって調製することができる。従って、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、アルキルシランとフェニルシランとを共加水分解することで調製することができ、これらのシランはそれぞれ、シラン分子中に存在するハロゲン基又はアルコキシ基等の加水分解性基を3つ有する。例えば、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン又はプロピルトリプロポキシシランを、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン又はフェニルトリプロポキシシランと共加水分解させて得ることができる。或いは、プロピルトリクロロシランをフェニルトリクロロシランと共加水分解させて、本発明のアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂を生成させることができる。典型的に、アルコール溶媒又は炭化水素溶媒中で共加水分解は行われる。これらの目的に適したアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、又は類似のアルコール類が挙げられる。併用することもできる炭化水素系溶媒の例としては、トルエン、キシレン、又は類似の芳香族炭化水素;ヘキサン、へプタン、イソオクタン、又は類似の直鎖飽和炭化水素若しくは部分的に分枝した飽和炭化水素;及び、シクロへキサン、又は類似の脂肪族炭化水素が挙げられる。
【0033】
上記の付加的なM単位、D単位、T単位及びQ単位は、付加的なオルガノシラン(単数又は複数)を反応させることによって、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に導入することができ、当該オルガノシランは、アルキルシランとフェニルシランとの共加水分解中に得られる樹脂が所望のシロキシ単位を生成するように選択される。例えば、反応性のメトキシトリメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、テトラメトキシシラン(或いは、対応するそれぞれのエトキシシラン又はクロロシラン)はそれぞれ、M単位、D単位、T単位又はQ単位をアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂中に導入するであろう。共加水分解反応において存在するこれらの付加的なシランの量は、上記されるようなモル分率の定義を満たすように選択される。
【0034】
或いは、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、Mシロキサン単位、Dシロキサン単位、Tシロキサン単位及びQシロキサン単位の反応を起こすことで知られている当該技術分野における任意の方法を用いて、アルキルシルセスキオキサン樹脂とフェニルシルセスキオキサン樹脂とを反応させることによって調製することができる。例えば、アルキルシルセスキオキサン樹脂とフェニルシルセスキオキサン樹脂とを、触媒の存在下、縮合反応によって反応させることができる。典型的に、出発樹脂は、芳香族炭化水素溶媒又はシロキサン溶媒中に含有される。好適な縮合反応触媒は、塩基触媒(例えば、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等の金属水酸化物;シラノレート、カルボン酸塩及び炭酸塩等の金属塩;アンモニア;アミン;及びテトラブチルチタネート等のチタネート;並びにそれらの混合物)である。典型的に、シロキサン樹脂の反応は、反応混合物を50〜140℃、或いは100〜140℃の範囲の温度に加熱することで作用する。反応は、バッチプロセス、半連続プロセス又は連続プロセスで行うことができる。
【0035】
本発明のアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂としては、
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO1/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO2/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CH)SiO3/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
(SiO4/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO1/2
(SiO4/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO1/2
((CH)SiO3/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO1/2
((CHSiO2/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO2/2
((CH)SiO3/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO2/2
(SiO4/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CH)SiO3/2
(SiO4/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CHSiO1/2
((CHSiO2/2
((CH)SiO3/2、及び
(SiO4/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CH)(HNCHCHCHSiO2/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂;
(CHCHCHSiO3/2
(CSiO3/2
((CH)(C)SiO2/2
の単位を含むプロピル−フェニルシルセスキオキサン樹脂
(式中、a、b、c、及びdは0〜0.4の値を有し、x及びyは0.05〜0.95の値を有し、但し、x+yの値は0.60以上であり、a+b+c+d+x+yの値は1である)が例示される。
【0036】
任意で、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂を成分C)溶媒中に溶解することができる。揮発性シロキサン溶媒又は有機溶媒は、粉剤(A)と混合させる前にアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂を溶解又は分散させる任意の成分C)として選択され得る。成分B)が、選択された溶媒と分散性又は混和性があれば、どのような揮発性シロキサン溶媒又は有機溶媒も選択することができる。揮発性シロキサン溶媒は、環状ポリシロキサン、直鎖状ポリシロキサン、又はそれらの混合物であり得る。幾つかの代表的な揮発性直鎖状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン及びヘキサデカメチルヘプタシロキサンがある。幾つかの代表的な揮発性環状ポリシロキサンとしては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサンがある。有機溶媒は、エステル;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール又はn−プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン又はメチルイソブチルケトン等のケトン;ベンゼン、トルエン又はキシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン又はオクタン等の脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル又はエチレングリコールn−ブチルエーテル等のグリコールエーテル;エチルアセテート又はブチルアセテート等のアセテート;ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン又はメチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;アセトニトリル;テトラヒドロフラン;又はホワイトスピリット、ミネラルスピリット、イソドデカン、ヘプタン、ヘキサン又はナフサ等の脂肪族炭化水素であり得る。典型的に、溶媒はデカメチルシクロペンタシロキサン又はイソドデカンである。
【0037】
成分A)と成分B)とを混合させるのに必要な特有の要件又は条件はない。従って、このような組成物を混合させることで知られている当該技術分野における任意の方法を使用することができる。成分A)及び成分B)は、成分C)として上記されるような溶媒中に任意に含有されていてもよい。混合は、バッチプロセス、半連続プロセス又は連続プロセスで行うことができる。
【0038】
混合物中の成分A)と成分B)との重量比(すなわち、A/B)は、99:1〜1:99、或いは85:15〜15:85で変化し得る。
【0039】
アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、種々のパーソナルケア組成物、家庭用ケア組成物、自動車用ケア組成物又は医療用ケア組成物に有用である。従って、アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、制汗剤、消臭剤、スキンクリーム、スキンケアローション、保湿剤、アクネ除去剤又はしわ除去剤等のフェイシャルトリートメント、パーソナルクレンザー及びフェイシャルクレンザー、日焼け止め剤、マニュキュア液、メーキャップ用品、カラー化粧品、ファンデーション、ほお紅、口紅、リップクリーム、アイライナー、マスカラ、並びにパウダーに使用することができる。さらに、本発明の組成物を様々な他の成分と組み合わせて、以下に記載されるパーソナルケア製品を製造し得ることが予想される。これらの成分としては、付加的な界面活性剤、保湿剤、顔料、日焼け止め剤、香料、皮膚軟化剤が挙げられ、これらは、このようなパーソナルケア製品を配合するのに一般に使用される。
【0040】
アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂は、化粧品配合物又はメーキャップ用配合物による局所適用後の顔料の耐久性及び持続性を強化するのに特に有用である。
【実施例】
【0041】
以下の実施例は、本発明の組成物及び方法をさらに説明するために示されるが、本発明を限定するものとは解釈されない。特に記載のない限り、実施例における全ての部及びパーセントは重量基準とし、すべての測定値は約23℃で得られた。
【0042】
これらの実施例の代表的なアルキルシルセスキオキサン樹脂は、樹脂中に存在するシロキシ単位としてM、D、T及びQの記号を用いて示される。さらに、上付き文字は、シロキシ単位上に存在するアルキル置換基又はフェニル置換基を示す。本明細書中で使用される場合、PrはCHCHCH−、PhはC−、NHは−CHCHCHNHである。下付き文字は、樹脂中のシロキシ単位のモル分率を示す。従って、それぞれのシロキシ単位に対してモル分率が0.50であるアルキル−フェニルシロキサン樹脂は、本明細書中ではTPr0.50Ph0.50と表される。
【0043】
(実施例1)
メトキシシランから製造されるTPr0.50:TPh0.50シロキサン樹脂
4つ口反応フラスコに、991.50gのフェニルトリメトキシシラン、821.60gのプロピルトリメトキシシラン、及び0.52gのFC−24を入れた。フラスコには、圧縮空気駆動式(air driven)攪拌翼と、温度計と、冷却器を備えたディーンスタークトラップとを設けた。次に、323.26gの水を5秒以内で加え、混合物を加熱して形成されたメタノールを除去した。80%のメタノールが除去されたら、747.93gのトルエンを加えて60重量%の混合物を生成させた。揮発物質を除去するために加熱を再開した。メタノールの大部分を除去した後、次に、162.15gの水を加えて、残存する全てのメトキシ基をさらに加水分解させた。反応混合物を加熱して還流させ(75〜115℃)、メタノール及び水を除去した。得られた樹脂混合物を冷却し、3.38gのCaCOを添加して、存在するFC−24を中和し、その後4gのMgSOを加えて極微量の全ての水を除去した。混合物をろ過して塩を除去し、150〜155℃の油浴温度、53.3Pa(0.4mmHg)でロータリーエバポレータにより揮散させた(stripped)。得られた樹脂は、室温で透明な無色の固体であった。
【0044】
(実施例2)
クロロシランから製造されるTPr0.70:TPh0.30樹脂
5Lの4つ口反応フラスコに、2,136.52gの脱イオン水及び214.00gの2−プロパノールを入れ、加熱マントルで70℃に加熱した。2Lのエルレンマイヤーフラスコに、483.63gのトルエン、291.70gのフェニルトリクロロシラン(PhSiCl)、及び572.10gのプロピルトリクロロシラン(PrSiCl)を入れた。その後、エルレンマイヤーフラスコ中の試薬を、添加中に氷水浴を用いて温度を74〜78℃に維持し、且つ添加速度を変えながら、滴下漏斗を介して反応フラスコに添加した。添加が完了した後、反応混合物をゆっくりと冷却した。加熱マントルは冷却速度を遅くするために適用したが、加熱はしなかった。反応生成物を50℃の4L分液漏斗に移し、水相を除去した。分液漏斗中に残った物質を3Lの3つ口丸底フラスコに移した後、残りの水を共沸によって除去した。次に、50.78gの脱イオン水及び21.61gの2−プロパノールを用いて共沸による洗浄(wash)を行った。水を共沸によって再び除去した。得られた混合物を酸分について分析し、酸分は、溶液に対して148ppmHClを示した。次に、125〜130℃、40Pa(0.3mmHg)で1時間、ロータリーエバポレータによって、得られた反応混合物から揮発物質を除去した。得られた樹脂を、酢酸ブチルに溶解して、75重量%固形分の樹脂溶液を生成させた。
【0045】
(実施例3)
クロロシランから製造されるTPr0.90:TPh0.10樹脂
この樹脂は、実施例2の手順に従い、反応フラスコ中で、182.90gのトルエン、103.76gのPhSiCl、及び784.20gのPrSiClの混合物を、2,278.82gの脱イオン水及び229.10gの2−プロパノールの混合物に添加することによって調製された。得られた樹脂を75重量%固形分にまで酢酸ブチルを用いて希釈した。
【0046】
これらの物質を、NMR及びGPCによって特徴付けし、レネッタ(Leneta)チャート上の揮発性溶媒中の35%固形分の光沢及び粘性について評価し、ファンデーション(カラー化粧品)における耐久性について評価した。NMR特性は表1で見ることができ、適用結果は表2で見ることができる。
【0047】
(実施例4)
メトキシシランから製造されるTPr0.45:TPh0.45NH20.050.05シロキサン樹脂
4つ口反応フラスコに、446.15gのフェニルトリメトキシシラン、369.6gのプロピルトリメトキシシラン、47.85gのMe(EtO)Si(PrNH)及び376.38gのキシレンを入れた。フラスコには、圧縮空気駆動式攪拌翼、温度計及び冷却器を設けた。次に、116.0gの水を加え、混合物を加熱して、形成されたアルコールを除去した。44.0gのMeSiOEt、78.26gの水及び10.55gの1.0M KOH(aq)を添加して、加熱還流しながら、ディーンスタークトラップ内で水及びアルコールを取り除いた。取り除いた10.77gの1.0M HClを幾らか添加して、KOHを中和した。アルコール及び水の大部分を除去した後、物質をろ過して塩を除去し、155〜160℃の油浴温度、80Pa(0.6mmHg)で1時間、ロータリーエバポレータで揮散させた。得られた樹脂は、室温で透明な無色の固体であった。
【0048】
(実施例5)
Pr0.30:TPh0.70樹脂
この樹脂は、実施例2と同様の手順を用いて調製した。
【0049】
(実施例6)
Pr0.32:TPh0.31NH20.050.33
この樹脂は、実施例4と同様の手順を用いて調製した。
【0050】
【表1】

【0051】
【表2】

【0052】
(ファンデーション配合物)
顔料予備混合物:
50重量% DC 245流体
13.16重量% Carde AS 二酸化チタン(カプリリルシラン処理済み)
11.41重量% Carde AS ベンガラ(カプリリルシラン処理済み)
18.26重量% Carde AS 酸黄(カプリリルシラン処理済み)
7.17重量% Carde AS 黒色酸化鉄(カプリリルシラン処理済み)
【0053】
手順:
1)ワーリングブレンダー内にDC 245流体を入れる。
2)二酸化チタンを添加し、パルスボタン(pulse button)を2秒間、合計15秒間押すことにより混合する。
3)ベンガラを添加し、二酸化チタンと同様に混合する。
4)他の顔料について継続する。
5)全ての材料が分散されたら、30秒間高速で混合して剪断し(shred)、顔料を磨砕する。
6)予備混合物を丸ガラスジャー内に入れ、ペールローラー(pail roller)上に6時間置く。
【0054】
A相
20.50重量% 顔料予備混合物
7.50重量% DC 5225C
8重量% 50%樹脂固形分(溶媒中)
【0055】
B相
54.80重量% DI水
1.0重量% NaCl
0.20重量% ポリソルベート20
【0056】
油中水型リキッドファンデーションのための手順
1)顔料分散体をローラー上に1時間置く。
2)樹脂及び溶媒を計り取り、50%固形分の希釈液を作製する。オーブン及びホイール(wheel)を用いて混合する。
3)A相の原料成分を合わせ、均一になるまで双翼(dual blade)、乱流型混合作用(turbulent style mixing action)を用いて混合する。
4)B相の原料成分を別のビーカー内で合わせ、均一になるまでマグネチックスターラーを用いて混合する。
5)A相の混合速度を1,376rpmに上げ、B相を、非常にゆっくりと滴下漏斗によって添加する。この添加は10分間かけて行うのがよい。
混合をさらに10分間継続する。
【0057】
ファンデーション耐久性の測定法:ガードナー(Gardner)磨耗試験機
1)コラーゲンを8.89cm×7.62cm(3.5インチ×3インチ)片に切断し、1個ずつ各7.62×6.35cm(3インチ×2.5インチ)のポリカーボネートブロック上に置き、湿度室内に一晩入れる。この湿度室は、一定の相対湿度レベル、98%でなければならない。
2)コラーゲン及びブロックを湿度室から取り出す。コラーゲンをブロックにセロハンテープで、テープがブロック表面の上部に付かないように注意しながら固定する。
3)約1gのファンデーションをコラーゲンに加え、ブロックの上面全体でファンデーションを数珠状にする。8番メイヤー(Meyer)ロッドを用い、数珠状のファンデーション上にロッドを置き、これをブロックの底面に向かって下向きに広げることにより、コラーゲンをファンデーションでコーティングする。最終コーティング重量は、約0.2gとするのがよい。この操作は、適正なコーティング重量を得るまで繰り返してもよい。材料がブロック側面にあれば除去する。
4)コラーゲン上の試料を乾燥させる。乾燥時間は、種々の試料によって異なる。試料全面は、試験前に湿気が全くない状態にしておかなければならない。初期ベースライン色について、コラーゲン上の試料の色を分光光度計(spectrophometer)又は比色計を用いて測定する。L、a及びbは、三次元空間内における着色対象物の位置を示す。
5)コラーゲンを伴うブロックを上向きにしてガードナー磨耗試験機に載せ、ブロックが試験機内にあることを確認する。ベルクロ(Velcro)の柔らかい面を損傷ブロックに取り付け、コラーゲン上のファンデーション試料を磨耗させるか、又はファンデーション試料に損傷を与える。損傷ブロックをファンデーション試料全面にわたって前後に擦る。1回の損傷は、1回の前後の動作から成る。コラーゲン上のファンデーション試料に20回損傷を与える。試験機を一定間隔で停止し、色を測定してもよい。
6)ファンデーション試料に20回損傷を与えた後、色をL、a、bとして読み取り、色変化ΔEを計算する(下記等式を参照)。損傷の回数、コーティング重量及び反復回数(repetition)は、被験材料の必要性に合わせて変更してもよい。これは、試験者の判断次第である。
ΔL、Δa及びΔb=磨耗後の値−磨耗前の初期ベースライン時の値
ΔE=(ΔL+Δa*2+Δb*21/2
ΔEが大きいほど、ファンデーションはより多く剥がれ、従って、ファンデーションの耐久性は低くなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)粉剤と、
(B)アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂であって、以下の式:
(R’SiO3/2(CSiO3/2
(式中、x及びyは0.05〜0.95の値を有し、R’は2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基である)を有するシロキシ単位を少なくとも60モル%含むアルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂と
を含む組成物。
【請求項2】
前記アルキル−フェニルシルセスキオキサン樹脂が、以下の単位:
(i) (RSiO1/2
(ii) (RSiO2/2
(iii) (RSiO3/2
(iv) (SiO4/2
(v) (R’SiO3/2、及び
(vi) (CSiO3/2
(式中、R、R及びRは、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、アリール基、カルビノール基又はアミノ基であり;R’は、2〜8個の炭素原子を有する一価の炭化水素基であり;a、b、c及びdは、0〜0.4の値を有し;x及びyは、0.05〜0.95の値を有し;但し、x+yの値は0.60以上であり、a+b+c+d+x+yの値は1である)を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R’がプロピル基である請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
(C)揮発性シロキサン溶媒又は有機溶媒をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項6】
前記パーソナルケア製品が化粧品である請求項5に記載のパーソナルケア製品。
【請求項7】
前記化粧品が口紅又はファンデーションである請求項6に記載の化粧品。
【請求項8】
請求項1に記載の組成物を含む家庭用ケア製品。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物を含む自動車用ケア製品。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物を含む医療用ケア製品。

【公表番号】特表2007−535586(P2007−535586A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503970(P2007−503970)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2005/007967
【国際公開番号】WO2005/090444
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(596012272)ダウ・コーニング・コーポレイション (347)
【Fターム(参考)】