アルキルアミノ置換ジシアノピリジンおよびそのアミノ酸エステルプロドラッグ
本発明は、新規6−アルキルアミノ置換ジシアノピリジン類、それらのアミノ酸エステルプロドラッグ、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防のためのそれらの使用、並びに、疾患の処置および/または予防用、好ましくは心血管障害の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用に関する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
R1は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R2は、(C1−C6)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルまたは(C3−C7)−シクロアルキルを表し
{ここで、(C1−C6)−アルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)−アルコキシ、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルスルファニルおよび(C1−C4)−アルキルスルホニルからなる群から相互に独立して選択される1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、
(C2−C4)−アルケニルおよび(C2−C4)−アルキニルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよく、
(C3−C7)−シクロアルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、N、OおよびSからなる群からさらなるヘテロ原子を含んでもよい4員ないし7員の複素環を形成し
{ここで、4員ないし7員の複素環は、フッ素、塩素、オキソ、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
R3は、水素または式
【化2】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、(C2−C6)−アルカンジイルを表し、
L2は、(C2−C6)−アルカンジイルを表し、
R4は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R5は、水素またはメチルを表し、
R6は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R7は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R6およびR7は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
または、
R7は、R4およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R8は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R9は、水素またはメチルを表し、
R10は、水素またはメチルを表し、
R11は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R12は、水素またはメチルを表し、
R13は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R14は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R15は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R16は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
R17は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R18は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R17およびR18は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
R19は、水素またはメチルを表す}
の基を表す]
の化合物、または、そのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩またはN−オキシドもしくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
R1が、水素、メチルまたはエチルを表し、
R2が、(C1−C3)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表し
{ここで、(C1−C3)−アルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルおよびシクロブチルからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一体となって、N、OおよびSからなる群からさらなるヘテロ原子を含んでもよい4員ないし6員の複素環を形成し
{ここで、4員ないし6員の複素環は、フッ素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
R3が、水素または式
【化3】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、エタン−1,2−ジイルを表し、
L2は、エタン−1,2−ジイルを表し、
R4は、メチルまたは3−アミノプロパン−1−イルを表し、
R5は、水素を表し、
R6は、水素を表し、
R7は、水素を表し、
R8は、メチルまたは2−メチルプロパン−1−イルを表し、
R9は、水素を表し、
R10は、水素を表し、
R11は、メチル、1−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、2−アミノエチル、アミノメチルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルを表し、
R12は、水素を表し、
R13は、水素を表し、
R14は、水素を表し、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となってピロリジン環を形成し、
R15は、水素を表し、
R16は、水素を表し、
R17は、水素を表し、
R18は、水素を表し、
R19は、水素を表す}
の基を表す、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
R1が、水素、メチルまたはエチルを表し、
R2が、メチル、エチルまたはn−プロピルを表し
{ここで、メチル、エチルおよびn−プロピルは、フッ素、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し
{ここで、アゼチジニルおよびピペリジニル環は、メトキシ置換基により置換されていてもよい}、
R3が、水素を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
式中、
R1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し
{ここで、アゼチジニルおよびピペリジニル環は、メトキシ置換基により置換されていてもよい}、
R3が、式
【化4】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、エタン−1,2−ジイルを表し、
R8は、メチルまたはイソブチルを表し、
R9は、水素を表し、
R10は、水素を表し、
R11は、水素、メチル、1−メチルプロパン−1−イル、4−アミノブタン−1−イルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルを表し、
R12は、水素を表し、
R13は、水素を表し、
R14は、水素を表し、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R15は、水素を表し、
R16は、水素を表す}
の基を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項5】
R3が水素を表す請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II)
【化5】
の化合物を、まず、塩化銅(II)および亜硝酸イソアミルを用いて、適する溶媒中で、式(III)
【化6】
の化合物に変換し、次いで、これを、不活性溶媒中、必要に応じて適する塩基の存在下、式(IV)
【化7】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物と反応させ、式(I−A)
【化8】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、得られた式(I)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項6】
R3が式
【化9】
(式中、L1、L2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の基を表す請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
[A]式(I−A)
【化10】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(V)または(VI)
【化11】
(式中、L2、R4およびR5は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R6A、R7A、R17AおよびR18Aは、各々、R6、R7、R17およびR18について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(VII)または(VIII)
【化12】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R6A、R7A、R17AおよびR18Aは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、式(I−B)または(I−C)
【化13】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R17およびR18は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
[B]式(I−A)の化合物を、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(IX)、(X)、(XI)または(XII)
【化14】
(式中、L1、L2、R8、R9、R10、R11、R12およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R13A、R14A、R15AおよびR16Aは、各々、R13、R14、R15およびR16について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(XIII)、(XIV)、(XV)または(XVI)
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
(式中、L1、L2、R1、R2、R8、R9、R10、R11、R12、R13A、R14A、R15A、R16AおよびR19は、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、式(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
(式中、L1、L2、R1、R2、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
[C]式(VII−1)または(VIII−1)
【化23】
【化24】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R7およびR17は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R6AおよびR18Aは、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
の化合物からアミノ保護基を標準的な方法により除去し、式(I−B−1)または(I−C−1)
【化25】
【化26】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R7およびR17は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得、これらを、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(XVII)または(XVIII)
【化27】
(式中、L1、R11およびR12は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R13A、R14A、R15AおよびR16Aは、各々、R13、R14、R15およびR16について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(XIII)、(XIV)、(XV)または(XVI)の化合物を得、次いで、存在する保護基を再度除去し、生じる化合物(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)を得る、
そして、得られた式(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性な非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、脂質代謝を調節する有効成分、抗糖尿病薬、降圧剤および抗血栓剤からなる群から選択される1種またはそれ以上のさらなる有効成分と組み合わせて含む、医薬。
【請求項13】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防用の請求項11または請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防用の請求項11または請求項12に記載の医薬。
【請求項15】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトまたは動物の高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防方法。
【請求項16】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項11、請求項12および請求項14のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトまたは動物の糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防方法。
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
R1は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R2は、(C1−C6)−アルキル、(C2−C4)−アルケニル、(C2−C4)−アルキニルまたは(C3−C7)−シクロアルキルを表し
{ここで、(C1−C6)−アルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C1−C4)−アルコキシ、(C3−C7)−シクロアルキル、(C3−C7)−シクロアルコキシ、(C1−C4)−アルキルスルファニルおよび(C1−C4)−アルキルスルホニルからなる群から相互に独立して選択される1個ないし3個の置換基により置換されていてもよく、
(C2−C4)−アルケニルおよび(C2−C4)−アルキニルは、フッ素、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよく、
(C3−C7)−シクロアルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、N、OおよびSからなる群からさらなるヘテロ原子を含んでもよい4員ないし7員の複素環を形成し
{ここで、4員ないし7員の複素環は、フッ素、塩素、オキソ、トリフルオロメチル、(C1−C4)−アルキル、トリフルオロメトキシおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
R3は、水素または式
【化2】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、(C2−C6)−アルカンジイルを表し、
L2は、(C2−C6)−アルカンジイルを表し、
R4は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R5は、水素またはメチルを表し、
R6は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R7は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R6およびR7は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
または、
R7は、R4およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R8は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R9は、水素またはメチルを表し、
R10は、水素またはメチルを表し、
R11は、水素または中性α−アミノ酸またはそのホモログもしくは異性体の側鎖の基を表し、
R12は、水素またはメチルを表し、
R13は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R14は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジンまたはピペリジン環を形成し、
R15は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R16は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R15およびR16は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
R17は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
R18は、水素または(C1−C4)−アルキルを表し、
または、
R17およびR18は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員の複素環を形成し
(ここで、5員または6員の複素環は、(C1−C4)−アルキル、アミノ、ヒドロキシルおよび(C1−C4)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい)、
R19は、水素またはメチルを表す}
の基を表す]
の化合物、または、そのN−オキシド、塩、溶媒和物、N−オキシドの塩またはN−オキシドもしくは塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
R1が、水素、メチルまたはエチルを表し、
R2が、(C1−C3)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチルを表し
{ここで、(C1−C3)−アルキルは、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルおよびシクロブチルからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一体となって、N、OおよびSからなる群からさらなるヘテロ原子を含んでもよい4員ないし6員の複素環を形成し
{ここで、4員ないし6員の複素環は、フッ素、トリフルオロメチル、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
R3が、水素または式
【化3】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、エタン−1,2−ジイルを表し、
L2は、エタン−1,2−ジイルを表し、
R4は、メチルまたは3−アミノプロパン−1−イルを表し、
R5は、水素を表し、
R6は、水素を表し、
R7は、水素を表し、
R8は、メチルまたは2−メチルプロパン−1−イルを表し、
R9は、水素を表し、
R10は、水素を表し、
R11は、メチル、1−メチルプロパン−1−イル、イミダゾール−4−イルメチル、4−アミノブタン−1−イル、3−アミノプロパン−1−イル、2−アミノエチル、アミノメチルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルを表し、
R12は、水素を表し、
R13は、水素を表し、
R14は、水素を表し、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となってピロリジン環を形成し、
R15は、水素を表し、
R16は、水素を表し、
R17は、水素を表し、
R18は、水素を表し、
R19は、水素を表す}
の基を表す、請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項3】
式中、
R1が、水素、メチルまたはエチルを表し、
R2が、メチル、エチルまたはn−プロピルを表し
{ここで、メチル、エチルおよびn−プロピルは、フッ素、トリフルオロメチルおよびメトキシからなる群から相互に独立して選択される1個または2個の置換基により置換されていてもよい}、
または、
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し
{ここで、アゼチジニルおよびピペリジニル環は、メトキシ置換基により置換されていてもよい}、
R3が、水素を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項4】
式中、
R1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一体となって、アゼチジニル、ピロリジニルまたはピペリジニル環を形成し
{ここで、アゼチジニルおよびピペリジニル環は、メトキシ置換基により置換されていてもよい}、
R3が、式
【化4】
{式中、
#は、酸素原子への結合部位を表し、
L1は、エタン−1,2−ジイルを表し、
R8は、メチルまたはイソブチルを表し、
R9は、水素を表し、
R10は、水素を表し、
R11は、水素、メチル、1−メチルプロパン−1−イル、4−アミノブタン−1−イルまたは3−グアニジノプロパン−1−イルを表し、
R12は、水素を表し、
R13は、水素を表し、
R14は、水素を表し、
または、
R14は、R11およびそれらが結合している原子と一体となって、ピロリジン環を形成し、
R15は、水素を表し、
R16は、水素を表す}
の基を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物。
【請求項5】
R3が水素を表す請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式(II)
【化5】
の化合物を、まず、塩化銅(II)および亜硝酸イソアミルを用いて、適する溶媒中で、式(III)
【化6】
の化合物に変換し、次いで、これを、不活性溶媒中、必要に応じて適する塩基の存在下、式(IV)
【化7】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物と反応させ、式(I−A)
【化8】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、得られた式(I)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項6】
R3が式
【化9】
(式中、L1、L2、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の基を表す請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の製造方法であって、
[A]式(I−A)
【化10】
(式中、R1およびR2は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(V)または(VI)
【化11】
(式中、L2、R4およびR5は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R6A、R7A、R17AおよびR18Aは、各々、R6、R7、R17およびR18について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(VII)または(VIII)
【化12】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R6A、R7A、R17AおよびR18Aは、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、式(I−B)または(I−C)
【化13】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R6、R7、R17およびR18は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
[B]式(I−A)の化合物を、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(IX)、(X)、(XI)または(XII)
【化14】
(式中、L1、L2、R8、R9、R10、R11、R12およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R13A、R14A、R15AおよびR16Aは、各々、R13、R14、R15およびR16について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(XIII)、(XIV)、(XV)または(XVI)
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
(式中、L1、L2、R1、R2、R8、R9、R10、R11、R12、R13A、R14A、R15A、R16AおよびR19は、各々上記の意味を有する)
の化合物を得、次いで、存在する保護基を除去し、式(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
(式中、L1、L2、R1、R2、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびR19は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
[C]式(VII−1)または(VIII−1)
【化23】
【化24】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R7およびR17は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R6AおよびR18Aは、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
の化合物からアミノ保護基を標準的な方法により除去し、式(I−B−1)または(I−C−1)
【化25】
【化26】
(式中、L2、R1、R2、R4、R5、R7およびR17は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有する)
の化合物を得、これらを、まず、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、式(XVII)または(XVIII)
【化27】
(式中、L1、R11およびR12は、各々請求項1、請求項2および請求項4のいずれかに記載の意味を有し、
R13A、R14A、R15AおよびR16Aは、各々、R13、R14、R15およびR16について述べた意味を有するか、または、tert−ブトキシカルボニルなどのアミノ保護基を表す)
のカルボン酸とカップリングさせ、式(XIII)、(XIV)、(XV)または(XVI)の化合物を得、次いで、存在する保護基を再度除去し、生じる化合物(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)を得る、
そして、得られた式(I−B)、(I−C)、(I−D)、(I−E)、(I−F)または(I−G)の化合物を、必要に応じて、適当な(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を用いて、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換することを特徴とする、方法。
【請求項7】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防方法において使用するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、不活性な非毒性の医薬的に適する補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物を、脂質代謝を調節する有効成分、抗糖尿病薬、降圧剤および抗血栓剤からなる群から選択される1種またはそれ以上のさらなる有効成分と組み合わせて含む、医薬。
【請求項13】
高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防用の請求項11または請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防用の請求項11または請求項12に記載の医薬。
【請求項15】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項11ないし請求項13のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトまたは動物の高血圧症、冠動脈心疾患、急性冠動脈症候群、狭心症、心不全、心筋梗塞または心房細動の処置および/または予防方法。
【請求項16】
有効量の少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)の化合物または請求項11、請求項12および請求項14のいずれかに記載の医薬を使用する、ヒトまたは動物の糖尿病、メタボリックシンドロームまたは脂質異常症の処置および/または予防方法。
【公表番号】特表2012−516290(P2012−516290A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546673(P2011−546673)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000262
【国際公開番号】WO2010/086101
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000262
【国際公開番号】WO2010/086101
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(507113188)バイエル・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】
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