説明

アルキルグリセリルエーテル配合組成物およびこれを含有する化粧料又は皮膚外用剤

【課題】化粧料又は皮膚外用剤に添加すると、感触及び乳化安定性が良好で、保湿性に富んだ油性感の少ない感触良好な皮膜を形成すると同時に、実質的に抗炎症効果や美白作用などの薬理効果を発揮できる程度に高濃度のアルキルグリセリルエーテルを安定に含有することができるアルキルグリセリルエーテル配合組成物を提供すること、さらには、アルキルグリセリルエーテルを含み透明から半透明の外観である化粧料および皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】アルキルグリセリルエーテル、レシチン、非イオン界面活性剤および多価アルコールを特定比率で混合したアルキルグリセリルエーテル配合組成物を利用することで、外観が透明又は半透明で、感触及び化安定性が良好であると同時に、高濃度のアルキルグリセリルエーテルを安定に含有する化粧料又は皮膚外用剤に配合できることを見出し、課題を解決することが出来た。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルグリセリルエーテルを含む配合組成物及びこれを含有するアルキルグリセリルエーテルを高濃度に含み透明又は半透明の外観である化粧料又は皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキルグリセリルエーテルは、一般に炭素数16〜18の直鎖及び/又は分岐のアルキル基を持つアルコールとグリセリンまたはジグリセリンとのエーテル化合物であり、化粧料や皮膚外用剤に添加すると、保湿性に富んだ皮膜を形成する。また、その皮膜は、ロウエステル、高級脂肪酸、高級アルコールなどのワックス成分と比較して、油性感が少なく感触が良好であり、それらは、優れた乳化安定効果を示し、固形成分の含有量が少なく、増粘による乳化安定化を図ることが困難な乳液、美容液などの安定性を向上させることができる(非特許文献1)。また、アルキルグリセリルエーテルの中で、サメ肝油に含まれるキミルアルコール(ヘキサデシルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(オレイルグリセリルエーテル)、バチルアルコール(オクタデシルグリセリルエーテル)は、傷の回復効果の促進や抗炎症作用、美白作用などの薬理効果が認められている(非特許文献2及び3、特許文献1)。
【0003】
このようなアルキルグリセリルエーテルの有する機能、特に抗炎症作用や美白作用などの薬理効果に着目し、これらを化粧料や皮膚外用剤に、その薬理効果を発揮させるに十分な濃度で配合することが強く求められている。しかしながら、アルキルグリセリルエーテルの中で、特に強い薬理効果を示すキミルアルコールやバチルアルコールは、高融点で、結晶性が高く、溶解する油剤も限られていることから、化粧料や皮膚外用剤に高濃度配合すると、結晶が析出して製品の安定性に支障を来し、また、溶解に使用する油剤によっては、安全性上好ましくない場合があった。さらに、これらを透明〜半透明の外観が要求されるローションあるいは美容液に配合する場合は、多量の界面活性剤や特殊な溶剤を使用しても、安定に透明〜半透明の剤型を得ることが極めて困難であった。以上から、アルキルグリセリルエーテルの化粧料、皮膚外用剤への配合量や配合方法には、剤型の安定性や安全性の観点から、自ずと制約があるのが現状であった。
【0004】
従来、アルキルグリセリルエーテルを安定に配合する技術がいくつか開示されているが、これらは、アルキルグリセリルエーテルが薬理効果を発揮できる量を安定に配合するには不十分で、特に、ローションや美容液などの透明〜半透明の剤型に適用することは、困難であった(特許文献2〜5)。
【非特許文献1】「新化粧品ハンドブック」、日光ケミカルズ株式会社、日本サーファクタント工業株式会社、東色ピグメント株式会社、株式会社コスモステクニカルセンター、株式会社ニコダーム編 平成18年、p.55〜60
【非特許文献2】Arch.Intern.Pharmacodyn.,173,56(1968)
【非特許文献3】Clin.Chim.Acta,3,253(1958)
【特許文献1】特開2007−63140号公報
【特許文献2】特開平05−039483号公報
【特許文献3】特開2000−072618号公報
【特許文献4】特開2003−238381号公報
【特許文献5】特開2006−176423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、化粧料又は皮膚外用剤に添加すると、感触及び乳化安定性が良好で、保湿性に富んだ油性感の少ない感触良好な皮膜を形成すると同時に、実質的に抗炎症効果や美白作用などの薬理効果を発揮できる程度に高濃度のアルキルグリセリルエーテルを安定に含有することができるアルキルグリセリルエーテル配合組成物を提供すること、さらには、アルキルグリセリルエーテルを含み透明から半透明の外観である化粧料および皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの実状に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アルキルグリセリルエーテルにレシチン、非イオン界面活性剤および多価アルコールを特定比率で混合したアルキルグリセリルエーテル配合組成物を調製し、それを化粧料又は皮膚外用剤を製造する際に、処方中に添加することで、多量の界面活性剤や特殊な溶解油剤を使用することなく、アルキルグリセリルエーテルを高濃度に、透明から半透明の外観である化粧料又は皮膚外用剤に配合できることを見出し、本発明を完成した。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物により、抗炎症効果や美白作用を示す一方で、結晶化しやすく製剤化が困難なアルキルグリセリルエーテルをそれらの効果が十分発揮できるほど高濃度に化粧料又は皮膚外用剤に配合することができる。さらに、従来困難であった、アルキルグリセリルエーテルを高濃度に含有する透明から半透明の化粧料を容易に調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に使用される(A)成分のキミルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコールからなる群より選ばれるアルキルグリセリルエーテルは、キミルアルコール(ヘキサデシルグリセリルエーテル)、セラキルアルコール(オレイルグリセリルエーテル)、バチルアルコール(オクタデシルグリセリルエーテル)である。
【0009】
本発明に使用される(B)成分のレシチンとしては、次のものが挙げられる。大豆レシチン、卵黄レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンなどのレシチン類、これらのレシチン類を酵素処理によりモノアシル体としたリゾレシチンおよびまたは水素添加リゾレシチン、ヒドロキシル化したヒドロキシレシチンなどを挙げることができる。また、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリンなどのレシチン中のリン脂質分画物もそれぞれ単品およびまたは混合して使用できる。
【0010】
本発明に使用される(C)成分の非イオン界面活性剤は、一般に化粧品に使用される油性原料なら何れも好適に使用できる。具体的には、POEソルビタンモノオレート、POEソルビタンモノステアレートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレートなどのPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレート、POEモノイソステアレートなどのPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEステアリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類などが好適に使用できる。
【0011】
本発明で用いられる(D)の多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトールなどが好ましい。また、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、液状の多価アルコール類であるグリセリン、1,3−ブタンジオールが、アルキルグリセリルエーテルの溶剤として作用することから、さらに好適である。
【0012】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物における、(A)〜(D)成分の配合比(質量比率)は、次のとおりである。
【0013】
(A)成分と(B)成分の比率(質量比)は、(A)/(B)=10/1〜10/10、好ましくは、(A)/(B)=10/2〜10/8、さらに好ましくは、(A)/(B)=10/3〜10/5である。
【0014】
(A)成分と(B)成分の合計と(C)成分の比率(質量比)は、[(A)+(B)]/(C)=10/1〜10/10、好ましくは、[(A)+(B)]/(C)=10/1〜10/6、さらに好ましくは、[(A)+(B)]/(C)=10/3〜10/5である。
【0015】
(A)成分と(B)成分の合計と(D)成分の比率(質量比)は、[(A)+(B)]/(D)=10/5〜10/100、好ましくは、[(A)+(B)]/(D)=10/5〜10/80、さらに好ましくは、[(A)+(B)]/(D)=10/5〜10/40である。
【0016】
また、組成物中の(A)の配合量は、5〜50質量%、好ましくは、10〜50質量%、さらに好ましくは、20〜40質量%である。アルキルグリセリルエーテルが5質量%未満では、化粧料又は皮膚外用剤にアルキルグリセリルエーテルの効果を付与するに十分な量を配合することができず、50質量%を超えると、本発明の組成物が均一性を失い、化粧料や皮膚外用剤に配合すると濁りや結晶析出を生じ、製品安定性に支障を来たす。
【0017】
本発明の化粧料又は皮膚外用剤に含有される(A)〜(D)成分の合計量は、化粧料および皮膚外用剤全量に対し、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは、3〜50質量%、さらに好ましくは、5〜40質量%である。1質量%未満では、化粧料又は皮膚外用剤にアルキルグリセリルエーテルの効果を付与するに十分な量を配合することができず、50質量%を超えると、化粧料や皮膚外用剤の粘度が高くなりすぎるばかりでなく、肌に塗布した感触がオイリーとなり、使用感に問題が生じる。
【0018】
本発明の外観が透明又は半透明の化粧料又は皮膚外用剤は、それらの一定量を石英セルに入れて測定試料とし、精製水を対照液として分光光度計で波長680nmにおける透過率を測定した場合、その透過率が60%未満で白濁、60〜80%までを半透明、80%を超えた状態を透明とする。
【0019】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物又は化粧料、皮膚外用剤には、一般に化粧品や皮膚外用剤に使用される界面活性剤、高級アルコール、脂肪酸、油性成分、活性成分、保湿成分、抗菌成分、粘度調整剤、色素、香料などを併用することができる。
【0020】
これらを例示すると、界面活性剤としては、POEソルビタンモノオレート、POEソルビタンモノステアレートなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレートなどのPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレートなどのPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレート、POEモノイソステアレートなどのPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEステアリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類、POE・POPセチルエーテル、POE・POPデシルテトラデシルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類などのノニオン界面活性剤、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸セッケン類、ラウリル硫酸ナトリウム、POEラウリル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル類、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイル−N−メチルタウリンナトリウム、ラウリルグルタミン酸ナトリウムなどのアシル化アミノ酸塩類、モノラウリルリン酸ナトリウムなどのリン酸エステル塩などのアニオン界面活性剤、第4級アンモニウム塩などのカチオン界面活性剤など。
【0021】
高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコールなど。
【0022】
脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸など。
【0023】
油性成分としては、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素類、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油などの植物油、牛脂などの動物油、トリイソオクタン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、イソオクタン酸セチル、パルミチン酸イソオクチルなどのエステル類、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、シクロメチコンなどのシリコーン類など。
【0024】
活性成分としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、エラグ酸、ルシノールなどの美白剤、アミノ酸などのNMF成分、水溶性コラーゲン、エラスチン、グリチルリチン酸、グリチルレチン酸、セラミドなどの肌荒れ防止剤、レチノール、ビタミンA酸などの抗老化剤や各種ビタミン類やその誘導体など。
【0025】
保湿成分としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
【0026】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物は、パドルミキサー、ホモミキサーなどの通常の攪拌装置が使用できる。調製法は、(A)〜(D)成分を50〜120℃で融解混合して均一な混合物とし、それを攪拌しながら室温まで冷却することで固体状あるいはペースト状の組成物として得ることができる。また、使用時の操作性を考慮し、フレークまたはペレット状に加工しても良い。
【0027】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物を含有する化粧料や皮膚外用剤を調製する場合は、パドルミキサー、ホモミキサーなどの通常の乳化装置で攪拌下、油性成分と、予め調製しておいた本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物を50〜120℃で融解混合し、ホモミキサーなどで攪拌しながら、そこに、50〜80℃の温水を投入する方法、または、油性成分と(A)〜(D)成分の各々を乳化装置に仕込み、50〜120℃で融解混合し、ホモミキサーなどで攪拌しながら、そこに、50〜80℃の温水中に投入する方法などが挙げられる。
【0028】
本発明のアルキルグリセリルエーテル配合組成物は、保湿クリーム、エモリエントクリーム、マッサージクリーム、ローション、美容液、乳液、または、軟膏などの皮膚治療薬などに好適に使用できるほか、外観が透明〜半透明の美容液、ローション、乳液にも好適に使用できる。
【0029】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
(1)アルキルグリセリルエーテル配合組成物の調製
表1に示すアルキルグリセリルエーテル配合組成物を調製した。すなわち、ヒーターおよび温度調節器の付いたステンレス製混合容器中で、表1に記載の成分を70〜75℃で攪拌しながら混合、溶解後、常温まで冷却しアルキルグリセリルエーテル配合組成物を得た。
【0031】
(2)アルキルグリセリルエーテル配合乳化組成物および水分散物の調製
表1に示すアルキルグリセリルエーテル配合組成物を用いて、表2および3に示すアルキルグリセリルエーテルを含む乳化組成物および水分散物を調製した。すなわち、減圧装置とヒーターおよび温度調節器の付いた10リッターかき取り攪拌付きステンレス製ホモミキサー中で、水以外の成分を85〜90℃で混合、溶解し、減圧下(30mmHg以下)、攪拌しながら(攪拌速度5000rpm)、これに同温度の水を徐々に添加した。さらに、同条件で30分間攪拌し、室温まで冷却し乳化組成物を得た。乳化組成物と水分散物の調製スケールは、5Kgとした。
【表1】

【0032】
(3)アルキルグリセリルエーテル配合乳化組成物および水分散物の測定
(アルキルグリセリルエーテルの結晶析出の確認)
表2および表3のアルキルグリセリルエーテル配合乳化組成物および水分散物をスライドガラス上に薄く延ばして試料とし、顕微鏡を用いて、アルキルグリセリルエーテルの溶解状態を観察した。観察は、調製直後と調製後5℃で3ヶ月間保管したものについて行った(倍率200倍)。アルキルグリセリルエーテルの結晶が確認されないもの○、結晶が確認されたものを×とした。
【0033】
(3)アルキルグリセリルエーテル配合乳化組成物および水分散物の測定
(乳化組成物および水分散物の外観測定)
表2および表3のアルキルグリセリルエーテル配合乳化組成物および水分散物を、断面が10×10mmの石英セルを用いて、分光光度計により波長680nmにおける透過率を測定した(対照液は、精製水を用いた)。透過率が、60%未満を白濁、60〜80%を半透明、80%を超えた場合を透明とした。測定は、調製直後と調製後5℃で3ヶ月間保管したものについて行った。試料が、クリーミングあるいは分離している場合は、測定不可とした。
【表2】

【表3】

【実施例2】
【0034】
敏感肌用エッセンス
A バチルアルコール 2.0質量%
POE(20)大豆ステロール 1.0
デカグリセリンモノラウリン酸エステル 0.6
デカグリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
スクワラン 1.0
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 0.2
エチルヘキサン酸セチル 0.1
ジメチコン(350mm/s) 0.1
B グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
ペンチレングリコール 2.0
キサンタンガム 0.3
L−ヒドロキシプロリン 0.1
グリチルレチン酸ジカリウム 0.002
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)半透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例3】
【0035】
老化防止エッセンス
A バチルアルコール 1.0質量%
キミルアルコール 1.0
水素添加大豆レシチン 1.2
POE(20)ヤシ脂肪酸ソルビタン 0.5
POP(4)POE(20)セチルエーテル 0.2
POP(40)水添ヒマシ油 0.1
スクワラン 0.5
ミリスチン酸イソセチル 0.1
リノール酸レチノール 0.1
ホホバ油 0.1
ブドウ種子油 0.1
油溶性甘草エキス 0.1
天然ビタミンE 0.2
B グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
ヒドロキシメチルセルロース 0.2
亜鉛グリシン錯体 0.1
GPIコリン塩 0.1
ブドウエキス 0.05
ツボクサエキス 0.05
スギナエキス 0.05
ローズマリーエキス 0.05
エルゴチオネイン 0.001
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)半透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例4】
【0036】
美容液
A バチルアルコール 2.0質量%
セラキルアルコール 0.5
水素添加大豆レシチン 1.0
リゾレシチン 0.2
POE(20)オレイン酸ソルビタン 0.6
POE(20)大豆ステロール 0.3
POE(20)セチルエーテル 0.1
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.8
パルミチン酸レチノール 0.1
水添レチノール 0.1
d−δ−トコフェロール 0.2
B グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 7.0
ポリエチレングリコール 1.0
ソルビトール 1.0
カーボポール980 0.2
エデト酸二ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
C アルギニン 0.2
精製水 3.0
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し、50℃でCを添加し、30℃で調製を終了する。
(外観)半透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例5】
【0037】
美容化粧水
A バチルアルコール 1.25質量%
水素添加大豆レシチン 0.6
POE(20)ヤシ脂肪酸ソルビタン 0.35
POE(20)大豆ステロール 0.15
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシン 1.0
酢酸トコフェロール 0.2
B グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.002
エデト酸二ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。更に、高圧ホモジナイザーを用いて微細化して得られた微細O/Wエマルションを、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)蛍光透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例6】
【0038】
美容液
A 本発明品1 10.0質量%
ジメチルポリシロキサン 0.2
デカメチルシクロペンタシロキサン 0.2
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル 0.5
パラメトキシ桂皮酸オクチル 0.1
天然ビタミンE 0.2
B グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ヒドロキシメチルセルロース 0.15
L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウム
0.1
エデト酸二ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)半透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例7】
【0039】
保湿エッセンス
A 本発明品2 15.0質量%
POE(15)オレイン酸グリセリル 0.5
水添レチノールとトリ(カプリル酸/カプリン酸)
グリセリル)の混合物 1.0
天然ビタミンE 0.2
B グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
キサンタンガム 0.1
クインスシード 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.002
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。更に、高圧ホモジナイザーを用いて微細化して得られた微細O/Wエマルションを、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)半透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例8】
【0040】
保湿肌水
A 本発明品3 20.0質量%
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシン 1.0
天然ビタミンE 0.1
B グリセリン 1.0
ジプロピレングリコール 2.0
1,3−ブチレングリコール 8.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.002
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)蛍光透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。
【実施例9】
【0041】
保湿肌水2
A 本発明品3 2.0質量%
マカデミアンナッツ油 1.0
天然ビタミンE 0.1
B グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.002
エデト酸二ナトリウム 0.05
防腐剤 適量
精製水 残部
(調製方法)Aの油相およびBの水相はそれぞれ80℃に加温し、均一にする。油相と水相を混合して、80℃で5分間ホモミキサーを用いて攪拌する。その後、攪拌しながら冷却し30℃で調製を終了する。
(外観)透明
(安定性)45℃、5℃、−5℃〜45℃のサイクル恒温槽にてそれぞれ2ヶ月間保存した本品の透過率を測定したところ、いずれも透過率の変化は認められず、安定であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)キミルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコールからなる群より選ばれた1種又は2種以上であるアルキルグリセリルエーテル、(B)レシチン、(C)非イオン界面活性、(D)多価アルコールを必須成分として含有するアルキルグリセリルエーテル配合組成物であって、それらの比率(質量比)が、(A)/(B)=10/1〜10/10であり、[(A)+(B)]/(C)=10/1〜10/10であり、[(A)+(B)]/(D)=10/5〜10/100であり、組成物中の(A)の配合量が、5〜50質量%であるアルキルグリセリルエーテル配合組成物。
【請求項2】
上記(A)〜(C)成分を、上記(D)成分に混合し、次いでこのものを水性成分に分散してなることを特徴とする請求項1に記載のアルキルグリセリルエーテル配合組成物。
【請求項3】
上記(D)成分が、グリセリン及び/又は1,3−ブタンジオールである請求項1又は2に記載のアルキルグリセリルエーテル配合組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルキルグリセリルエーテル配合組成物の(A)〜(D)成分の合計含有量が1〜50質量%である、外観が透明又は半透明の化粧料又は皮膚外用剤。

【公開番号】特開2010−59066(P2010−59066A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224248(P2008−224248)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000226437)日光ケミカルズ株式会社 (60)
【出願人】(000228729)日本サーファクタント工業株式会社 (44)
【出願人】(301068114)株式会社コスモステクニカルセンター (57)
【Fターム(参考)】