説明

アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液、その製造法および該水性ポリマー分散液の使用

アルキルジケテンの存在で疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合によって得ることができる、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液、このようなポリマー分散液の製造法ならびにこうして得られた分散液の、紙のためのサイズ剤、皮革のための疎水化剤、天然繊維および/または合成繊維のための疎水化剤ならびに織物のための疎水化剤としての使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液、アルキルジケテンを水中でモノマーおよび安定剤の存在で剪断力の作用下に乳化させ、こうして得られたミニエマルションを重合させることによる前記水性ポリマー分散液の製造法、ならびにこうして得られた水性アルキルジケテン分散液の、紙のためのサイズ剤、皮革のための疎水化剤、天然繊維および/または合成繊維のための疎水化剤ならびに織物のための疎水化剤としての使用に関する。
【0002】
水性アルキルジケテン分散液ならびに溶融されたアルキルジケテンを水中で陽イオン澱粉および安定剤としての陰イオン分散剤の存在で剪断力の作用下に乳化させることによって前記水性アルキルジケテン分散液を製造する方法は、公知である。例えば、米国特許第3223544号明細書参照。
【0003】
WO−A−94/05855の記載から、分解された陽イオン澱粉の水性分散液を紙のためのサイズ剤である微細に分布された水性ポリマー分散液と混合し、この混合物中にアルキルジケテンを少なくとも70℃の温度で乳化させることによって得ることができる紙サイズ剤混合物は、公知である。
【0004】
WO−A−96/31650の記載から、アルキルジケテンの水性分散液および紙のためのサイズ剤である微細に分布された水性ポリマー分散液からの紙用サイズ剤の混合物は、公知である。アルキルジケテンは、安定剤としての少なくとも95質量%のアミロペクチン含量を有する陽イオン澱粉の存在で水中に乳化される。ポリマー分散液は、例えば(a)スチレン、アクリルニトリルおよび/またはメタクリルニトリル、(b)1価の飽和C3〜C8−アルコールのアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルおよび場合によっては(c)別のモノエチレン系不飽和モノマーをラジカル形成開始剤の存在で乳化重合の方法により保護コロイドとしての分解された澱粉の水溶液中で共重合させることによって製造される。
【0005】
WO−A−00/23651の記載から、アルキルジケテンを1つの安定剤としての陰イオン分散剤の存在で水中で分散させることによって得ることができる、陰イオン性に調節された水性のサイズ剤分散液は、公知である。
【0006】
公知の水性アルキルジケテン分散液中でのアルキルジケテンの粒径は、例えば0.5〜5μmである。
【0007】
更に、ミニエマルションの製造は、公知である。とりわけ、水中の疎水性モノマーの微粒状エマルションが好ましい。水相中で乳化されたモノマーの粒径は、ナノメートルの範囲内、例えば5〜500nmである。例えば、水中でのスチレンのミニエマルションを製造する目的で、均質化のために、スチレン、界面活性剤、例えばナトリウムドデシルスルフェートおよび疎水性成分、例えばヘキサデカンまたはオリーブ油からなる混合物に超音波を作用させることができる。こうして、例えば78〜102nmの乳化された油相の平均粒径を有する、水中でのスチレンおよび疎水性物質の安定したミニエマルションを得ることができる。K. Landfester, Macromol. Rapid Commun. Vol. 22, 896 - 936 (2001)参照。このエマルションは、理想的な場合には、乳化されたモノマー小液滴の粒径を維持しながらポリマーラテックスに重合させることができる。ミニエマルション重合の場合には、水不溶性の化合物、例えばアルキド樹脂または顔料を生成されるラテックスに混入することができる。
【0008】
本発明は、アルキルジケテンを基礎とする、公知技術水準に対して改善されたサイズ剤分散液を提供するという課題に基づく。更に、このような分散液でサイジングされた紙上でのトナーの付着力は、改善されるはずである。
【0009】
この課題は、本発明によれば、疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーをアルキルジケテンの存在でミニエマルション重合させることによって得ることができる、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液で解決される。
【0010】
このようなポリマー分散液は、
− 少なくとも1つのアルキルジケテンおよび
− 少なくとも1つの疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーを溶解して含有する有機相を、界面活性剤の存在で水相中で機械的乳化法により最大で500nmの乳化された有機相の粒径を有するミニエマルションの形成下に乳化させ、この場合2つの相の少なくとも1つは、付加的にラジカル形成重合開始剤を含有するかまたは重合開始剤がミニエマルションに添加され、
ミニエマルションのモノマーを重合させることによって得ることができる。
【0011】
更に、本発明の対象は、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造法であり、この場合には、アルキルジケテンの存在で疎水性モノマーのミニエマルション重合が実施される。この場合には、例えば
− 少なくとも1つのアルキルジケテンおよび
− 少なくとも1つの疎水性モノエチレン系不飽和モノマーを溶解して含有する有機相を、界面活性剤の存在で水相中で機械的乳化法により最大で500nmの乳化された有機相の粒径を有するミニエマルションの形成下に乳化させ、この場合2つの相の少なくとも1つは、乳化前に付加的にラジカル形成重合開始剤を含有するかまたは重合開始剤がミニエマルションに添加され、引続きミニエマルションのモノマーを重合させるようにして行なわれる。
【0012】
好ましい本発明によるポリマー分散液は、
− 少なくとも1つのC14〜C22−アルキルジケテン、
− スチレン、メチルスチレン、C〜C28−オレフィン、3〜5個のC原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸と1〜22個のC原子を有する1価アルコールとのエステル、C〜C22−カルボン酸、有利にC〜C18−カルボン酸のビニルエステル、C〜C30−アルコールのビニルエーテル、C〜C22−アルキルアクリレート、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルの群からの少なくとも1つのモノマー、および
− 少なくとも1つの炭化水素、10〜24個のC原子を有するアルコール、10000未満の分子量Mを有する疎水性ポリマー、テトラアルキルシランおよび/または記載された化合物の混合物を含有する、溶液、二成分系混合物もしくは多成分系混合物および/または分散液からなる有機相を、水相中でミニエマルションの形成下に乳化し、引続きその中で乳化されたモノマーを重合させるために、重合条件にかけることによって得ることができる。特に好ましいのは、アルキルジケテンを含有する水性分散液の製造の際に、有機相として、
− ステアリルジケテン、パルミチルジケテンおよび/またはベヘニルジケテン、
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第二ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アクリルニトリル、メタクリルニトリルおよび/またはビニルアセテート、および
− ヘキサデカン、オリーブ油、500〜5000の分子量Mを有するポリスチレン、500〜5000の分子量Mを有するシロキサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ベヘニルアルコール、C12〜C22−アルキルアクリレート、C12〜C22−カルボン酸のビニルエステルおよび/またはC12〜C30−アルコールのビニルエーテルを含有する溶液から出発するようなアルキルジケテンを含有する水性分散液である。この場合には、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造の際に、有機相として
− ステアリルジケテンおよび/またはパルミチルジケテンおよび
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレートおよび/またはアクリルニトリルを含有する溶液を使用するようなアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液は、特に重要である。
【0013】
更に、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造の際に、付加的に親水性モノマーを、生成されるコポリマーが水中で20℃の温度および2のpHで最大100g/l、有利に最大50g/l、特に有利に最大10g/l、殊に最大1g/lの溶解度を有するような量で含有する有機相から出発する、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液は、重要である。この場合、親水性モノマーとして、例えば3〜5個のC原子を有するエチレン系不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、ビニルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレートおよび/または無水マレイン酸の群からの少なくとも1つの化合物が使用される。有利に使用される親水性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドおよび2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。
【0014】
同様に、本発明によるポリマー分散液は、疎水性モノエチレン系不飽和モノマーを場合によっては付加的に少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の存在でミニエマルション重合させることによって得ることができるものである。
【0015】
このようなアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液は、ミニエマルションを、少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類を含有する水溶液と混合し、ミニエマルションのモノマーを水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の存在で重合させることによって得ることができる。
【0016】
アルキルジケテンは、公知の化合物である。アルキルジケテンは、例えばカルボン酸塩化物から第3アミンでの塩化水素分解によって製造される。C14〜C22−アルキルジケテンは、例えば公知技術水準で挙げられたWO−A−96/31650、第3頁、第31〜46行に記載されている。アルキルジケテンは、例えば次式:
【0017】
【化1】

〔式中、置換基RおよびRは、C〜C20−アルキルを表わす〕により記載されることができる。ステアリルジケテン、パルミチルジケテンおよびベヘニルジケテンは、特に工業的に重要である。
【0018】
ミニエマルション重合は、例えば冒頭に記載の刊行物Macromol. Rapid. Commun., Vol. 22, 896〜933 (2001)に詳細に記載されている。この重合法の本質的な特徴は、有機相が特に微粒状で水相中に分布されていることにあり、この場合この水相は、エマルションの安定化のために界面活性剤を含有する。水相中で乳化された粒子の平均粒径は、例えば50〜500nm、有利に50〜200nm、殊に50〜100nmの範囲内にある。勿論、水相中で乳化された粒子の平均粒径は、100nm未満であってもよいが、しかし、10nm以上である。ミニエマルション重合の場合、乳化された粒子または小液滴の粒径は、重合中に理想的な場合には、実際に変化せず、したがって水性ポリマー分散液中に存在するポリマーの平均粒径は、同様に乳化された有機相について記載された範囲内にある。純粋なミニエマルション重合と共に、実際には、並行反応として乳化重合も観察される。ポリマーの分子量は、乳化重合の場合と同様に0.3〜10百万ダルトンの範囲にある。
【0019】
最大500nmのこの種の小さな粒径は、エマルションの製造に使用される有機相を機械的な乳化法により乳化させる場合に達成される。このような方法は、公知である。このような方法は、例えばH. Schubert et. al.によって Mischen und Ruehren - Grundlagen und moderne Verfahren fuer die Praxis, VDI-Tagung, 23./24.11.1988, Baden-Bade, Neue Entwicklungen auf dem Gebiet der Emulgiertechnikに詳細に記載されている。機械的な乳化重合の場合には、装置として、例えば高圧ホモジナイザー、超音波発生装置、マイクロ流動化装置、回転子−固定子装置、テイラー(Taylor)反応器、キュット−セル(Cuette-Zell)、噴射ノズルおよび膜技術で作業する装置が使用される。この装置の本質的な原理は、この装置中で短時間で高い剪断の場が形成されることに基づく。水相中での有機相の乳化は、有利に超音波を発生させる装置により行なわれるかまたは高圧ホモジナイザーにより行なわれる。
【0020】
ミニエマルション重合の種類により重合されることができる、適当な疎水性モノエチレン系不飽和モノマーは、例えばスチレン、メチルスチレン、C〜C28−オレフィン、3〜5個のC原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸と1〜22個のC原子を有する1価アルコールとのエステル、C〜C22−カルボン酸、有利にC〜C18−カルボン酸のビニルエステル、C〜C30−アルコールのビニルエーテル、C〜C22−アルキルアクリレート、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルの群からのモノマーである。前記群からの有利に使用されるモノマーは、スチレン、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、第三ブチルアクリレートおよびアクリルニトリルまたは前記モノマーの混合物である。
【0021】
疎水性モノマーは、生成されるミニポリマー分散液の性質の変性のために、場合によっては微少量の親水性モノマーと一緒に使用されることができる。しかし、親水性モノマーは、せいぜい、水中で生成されるコポリマーが20℃の温度および2のpHで最大50g/l、有利に最大10g/l、殊に1g/lの溶解度を有するような量で使用される。適当な親水性化合物は、例えば3〜5個のC原子を有するエチレン系不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、ビニルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸および/または無水マレイン酸の群に属する。好ましい親水性モノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、無水マレイン酸および/またはマレイン酸である。
【0022】
疎水性モノマーは、場合によっては少なくとも2個のエチレン系不飽和二重結合を含有する化合物、例えばジビニルベンゼン、ブタジエン、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート、ペンタエリトリットトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジアリルエーテル、トリアリルアミンおよび/またはアリルアクリレートと一緒に使用されてもよい。前記の化合物は、公知のように架橋剤として重合反応の際に使用される。前記の化合物は、ミニエマルション重合の際に上記の疎水性モノマーおよび場合によっては使用される親水性モノマーから生成されるポリマーの架橋を生じる。架橋剤を共用する場合には、架橋剤の量は、例えば使用されるモノマーに対して例えば0.001〜15質量%、有利に0.001〜10質量%、特に有利に0.01〜3質量%である。架橋剤は、水相または有機相に対する溶解度に応じて1回でか、少量ずつか、または供給運転形式で計量供給されることができる。また、架橋剤は、製造中、重合前または重合中にミニエマルションに添加されてもよい。
【0023】
更に、ポリマーの性質の変法は、ミニエマルション重合が調節剤の存在で実施されることによって達成されうる。そのために、特に有機相には、乳化前に少なくとも1つの調節剤が、1回でか、少量ずつか、または供給運転形式で添加されるかまたはミニエマルションには、重合の開始時かまたは重合中に少なくとも1つの調節剤が、1回でか、少量ずつか、または供給運転形式で添加される。調節剤を使用する場合には、量は、使用されるモノマーに対して、例えば0.01〜10質量%、有利に0.1〜2質量%である。
【0024】
ミニエマルションを安定化するために、このエマルションを製造する場合には、場合によっては重合不可能な疎水性化合物、例えば炭化水素、10〜24個のC原子を有するアルコール、10000未満の分子量Mを有する疎水性ポリマー、テトラアルキルシランおよび/または記載された化合物の混合物が使用される。このような安定剤の例は、ヘキサデカン、オリーブ油、500〜5000の分子量Mを有するポリスチレン、500〜5000の分子量Mを有するシロキサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコールおよび/またはベヘニルアルコールである。また、水不溶性モノマー、例えばC12〜C22−カルボン酸のビニルエステル、C12〜C30−アルコールのビニルエーテルおよび/またはC12〜C22−アルキルアクリレートが使用されてもよい。
【0025】
ミニエマルションの製造のために水相中で乳化される有機相は、例えば少なくとも1つの疎水性モノマーおよび場合によっては別のモノマーを45〜95質量%、有利に60〜80質量%含有し、ならびに少なくとも1つのアルキルジケテンを1〜50質量%、有利に5〜40質量%、特に有利に10〜30質量%含有する。必要な場合には、有機相は、重合不可能な疎水性化合物または水不溶性モノマーを1〜10質量%、有利に2〜5質量%含有することができる。
【0026】
ミニエマルションの製造に使用される水相は、水からなり、場合によっては界面活性剤を含有し、この界面活性剤は、有機相の乳化の際に水相中で形成される微粒状のモノマー小液滴を安定化する。界面活性剤は、例えば0.05〜10質量%、有利に0.05〜5質量%、特に有利に0.1〜2質量%、殊に0.1〜1質量%の量で水相中、有機相中または双方の相中に存在する。この界面活性剤は、特に乳化前に水相に添加される。原理的には、全ての界面活性剤を使用することができる。有利に使用される界面活性剤は、陰イオン化合物である。適当な界面活性剤の例は、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムドデシルスルフェート、ナトリウムヘキサデシルスルフェート、ナトリウムジイソオクチルスルホスクシネートおよび/またはC12〜C22−アルコール1モルへの酸化エチレン15〜50モルの付加生成物である。
【0027】
本発明の1つの好ましい実施態様の場合、有機相は、
− 少なくとも1つのC14〜C22−アルキルジケテンおよび
− スチレン、メチルスチレン、C〜C28−オレフィン、3〜5個のC原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸と1〜22個のC原子を有する1価アルコールとのエステル、C〜C18−カルボン酸のビニルエステル、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルの群からの少なくとも1つのモノマーを含有する溶液、二成分系混合物もしくは多成分系混合物および/または分散液からなる。
【0028】
モノマーがアルキルジケテンの存在で完全には互いに混合不可能である場合には、二成分系、三成分系または多成分系の混合物または分散液が生成され、これらの混合物または分散液は、さらに水相中で乳化される。これは、殊に有機相が疎水性モノマーの他になお親水性モノマーを含有する場合である。特に好ましいのは、有機相が
− ステアリルジケテンおよび/またはパルミチルジケテンおよび
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレートおよび/またはアクリルニトリルを含有する溶液からなるような方法形式である。
【0029】
更に、重合は、少なくとも1つの多糖類の存在で実施されてよい。該当する多糖類は、水溶性または水膨潤性である。この多糖類は、例えばRoempp, Chemie Lexikon 第9版, 第5巻, 第3569頁またはHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, 第4版, 第14/2巻, 第IV章 Umwandelung von Cellulose und Staerke, E. HusemannおよびR. Werner第862〜915頁およびUllmanns Encyclopedia for Industrial Chemistry, 第6版, 第28巻, 第533頁以降、Polysaccharidesに記載されている。
【0030】
例えば、全ての種類の澱粉、例えばアミロースならびにアミロペクチン、天然澱粉、疎水性または親水性の変性された澱粉、陰イオン澱粉、陽イオン変性された澱粉、分解された澱粉が適当であり、この場合澱粉の分解は、例えば酸化的、熱的、加水分解的または酵素的に行なうことができ、この場合澱粉の分解には、澱粉として天然の澱粉ならびに変性された澱粉が使用されてよく、デキストリン、水膨潤性である架橋された水溶性澱粉は、例えばUllmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版, 第33巻, Staerke, 第735〜737頁に記載されている。
【0031】
このような澱粉を製造するための通常の架橋剤は、例えばPOCl、エピクロロヒドリンおよび混合された無水物である。更に、多糖類の例は、グリコーゲン、イヌリン、キチン、キトサン、ペクチン、水溶性セルロース誘導体、例えばカルボキシアルキルセルロース、セルローススルフェート、セルロース燐酸エステル、セルロースホルミエートおよびヒドロキシエチルセルロース、ヘミセルロース、例えばキシラン、マンナン、ガラクタン、糖タンパク質およびムコ多糖である。
【0032】
有利には、天然の水溶性澱粉が使用され、この水溶性澱粉は、例えば澱粉の分解により水溶性の形に変換されることができ、ならびに陰イオン変性された澱粉、酸化されたジャガイモ澱粉が使用される。特に好ましいのは、分子量分解に掛けられた陰イオン変性された澱粉である。澱粉の分子量分解は、有利に酵素的に実施される。分解された澱粉の平均分子量は、例えば500〜100000、有利に1000〜30000である。分解された澱粉は、例えば0.04〜0.5dl/gの固有粘度を有する。このような澱粉は、例えば欧州特許第0257412号明細書および欧州特許第0276770号明細書に記載されている。
【0033】
本発明によるアルキルジケテンを含有するポリマー分散液の製造は、水溶性多糖類または水膨潤性多糖類の存在で行なうことができる。例えば、前記多糖類は、例えば水溶液中に、場合によっては少なくとも1つの重合開始剤と一緒に装入されることができ、モノマーの重合が行われるような温度、例えば50〜100℃に加熱されることができる。更に、この溶液には、ミニエマルションが添加され、したがってミニエマルション中に含有されているモノマーが重合する。しかし、また、ミニエマルションを少なくとも1つの水溶性多糖類の存在で製造し、次にミニエマルション中に含有されているかまたは事後に添加される重合開始剤がフリーラジカルを形成させるような温度にミニエマルションを加熱することにより、ミニエマルションを重合に掛ける。本発明による方法の前記の実施態様の場合、有機相は、
− 少なくとも1つのアルキルジケテンおよび
− 少なくとも1つのモノエチレン系不飽和モノマーを溶解して含有し、次に界面活性剤の存在で、少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類を含有する水相中で、機械的乳化装置を用いて最大で500nmの乳化された有機相の粒径を有するミニエマルションの形成下に乳化され、引続きミニエマルションのモノマーは、少なくとも1つの重合開始剤の存在で重合される。
【0034】
好ましくは、ミニエマルションは、分解された澱粉を含有する水溶液と混合され、その中で重合される。特に好ましいのは、ミニエマルションを連続的にかまたは少量ずつ多糖類の水溶液と混合し、その中で重合するような作業方法である。それぞれ使用される重合開始剤に依存して、重合は、例えば0〜130℃の温度範囲内で実施することができ、この場合には、反応混合物の沸点を上廻る温度で高められた圧力、例えば25バールまでの圧力で重合される。多くの場合には、重合は、30〜100℃の範囲内で実施される。本発明によるポリマー分散液を製造するために、例えば50〜100℃に加熱された、場合によっては少なくとも1つの重合開始剤を含有する水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の水溶液に、ミニエマルションを連続的にかまたは少量ずつ、重合熱を冷却によって導出することにより反応混合物の温度を制御することができる速度で計量供給するように実施される。この場合、ミニエマルションの添加は、重合の連続工程の規定により行なわれる。水溶性多糖類としては、有利に分解された澱粉が使用される。
【0035】
水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類は、本発明によるアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液中に例えば10〜100質量%、有利に10〜50質量%、特に有利に15〜40質量%、殊に15〜35質量%の量で含有されている。本発明による分散液は、有利に20〜60質量%、殊に20〜40質量%のポリマー含量を有し、少なくとも1つのアルキルジケテンを1〜50質量%、有利に5〜50質量%含有する。
【0036】
重合を開始させるために、多くの場合には、水相中への有機相の乳化前に開始剤が2つの相の一方に添加されるかまたは2つの相に添加される。開始剤が有機相に添加される場合には、有利に有機相中に溶解されている開始剤、例えば過酸化ラウロイルが使用される。開始剤の選択は、最適な重合温度により左右される。しかし、好ましいのは、水相への開始剤の添加である。このためには、一般に水溶性開始剤、例えば過酸化水素または有利に過酸化水素と還元剤、例えばアスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アセトン−ビスルファイト付加物または亜硫酸ナトリウムとのレドックス系が使用される。それぞれ2つの相の一方または2つの相中に使用される開始剤の量は、例えば重合することができるモノマーに対して0.05〜10質量%、有利に0.1〜0.5質量%である。
【0037】
本発明による分散液中での分散されたポリマーおよび分散されたアルキルジケテンの粒径は、例えば50〜500nm、有利に50〜200nmであり、多くの場合には、50〜100nmの範囲内にある。勿論、本発明による分散液中での分散されたポリマーおよび分散されたアルキルジケテンの粒径は、100nm未満であることができるが、しかし、10nm以上である。
【0038】
本発明によるアルキルジケテンを含有する分散液は、紙のためのサイズ剤、皮革のための疎水化剤、天然繊維および/または合成繊維のための疎水化剤ならびに織物のための疎水化剤として使用される。この分散液は、紙のビーターサイジングの場合ならびに紙の表面サイジングの場合に使用されることができる。この場合には、それぞれ製紙の際に常用のプロセス化学薬品、例えば固定剤、保存剤、脱水剤、殺生剤または染料が共用されてよい。全部の紙の種類および紙製品、例えば厚紙は、本発明による分散液でサイジングすることができる。本発明による分散液のための好ましい使用分野は、紙および紙製品の表面サイジングである。この本発明による分散液によってサイジングされた紙は、専ら従来のアルキルジケテン分散液でサイジングされた紙と比較して本発明による分散液によってサイジングされた紙が複写装置中での複写物の製造に使用される紙上でトナーに対して顕著な付着力を有するという利点を有する。トナーは、前記の紙上で卓越して付着するので、紙は、有利にレーザープリンター中で使用されてもよい。
【0039】
分散されたポリマーおよび分散されたアルキルジケテンは、本発明によるポリマー分散液中で異なる形態で現れる(図1、白:ポリマー、白:アルキルジケテン含有相)。
【0040】
例えば、分散されたポリマーと分散されたアルキルジケテンを含有する粒子との完全な分離は、可能である(図1a)。しかし、分散された粒子は、互いに相互作用を生じてもよい。例示的には、核−外殻−構造が存在し、この場合ポリマーまたはアルキルジケテン含有相は、核を形成し、それぞれ別の相は、粒子の外殻を形成する(図1b)。同様に、アルキルジケテンを含有する相中でのポリマーの完全な溶解は、可能であり、或いはその反対も可能である(図1c)。同様に、2つの相の一方、即ちポリマーまたはアルキルジケテンを含有する相が連続相として存在し、それぞれ別の相の粒子がドメインとしてその中に存在するようなドメイン構造も考えられる(図1d)。それと同様に、2つの相の一方が連続相として存在し、一方で、それぞれ別の相の粒子が、相境界面の外側で形成されるという1つの構造を見ることができる(図1e)。同様に、それぞれ別の相の粒子がドメインとして境界面付近に存在する構造も可能である(図1f)。勿論、例えばそれぞれ別の相の粒子がなお連続相の内側でドメインとして存在し、ならびに既に相境界面での外側で存在する組み合わせも可能である(図1g)。
【0041】
別記しない限り、実施例中に記載された部は、質量部であり、百分率の記載は、質量%を意味する。
【0042】
サイジング度の測定は、DIN EN 20 535に記載のCobb 60により行なわれる。HST値は、TAPPI(パルプ製紙業界技術協会)規格 T 530に記載のHercules Sizing Testにより測定された。インキ浮遊時間は、DIN53126により紙試験用インキ青で実行された。
【0043】
ポリマー分散液の分散された粒子の平均粒径は、小型の体積モジュールを有する型LS 230のクールターの装置(Coulter Geraet)を用いてのフラウンホーファーの回折、但し、実施例中では別の装置が挙げられていてよいものとし、ならびに電子顕微鏡によって測定された。クールターによる測定は、原則的に約1%の水性調剤中で測定された。
【0044】
紙上でのトナーの付着力は、DIN V EN V 12283により測定され、この場合試験すべき枚葉紙は、DIN EN 20187により状態調節され、紙むけの測定は、ISO 3783により行なわれた。
【0045】
多分散性の指数は、クールター(Coulter)230LSの評価プログラムで測定され、LD値は、0.1%の水溶液中で水に対して測定された。
【0046】
Basoplast(登録商標)400 DSは、スチレン、n−ブチルアクリレートおよび第三ブチルアクリレートを基礎とするポリマーサイズ剤である。Basoplast(登録商標)2030 LCは、澱粉により安定化されたアルキルジケテン分散液である。
【0047】
インキジェット印刷可能性を測定するために、標準カートリッジを備えたヒューレットパッカード(Hewlett-Packard)社の型Desk Jet 895のインキジェットプリンターが利用された。本発明による分散液でサイジングするかまたは比較例に記載された製品でサイジングした、60g/mの単位面積当りの質量を有する木材不含の紙が使用された。インキジェット印刷可能性を調べるために、それぞれ印刷画像を形成させ、この印刷画像についてインキ液滴の広がりを評価した。印刷画像の線幅は、それぞれサイズ剤として使用された製品の品質についての1つの基準である。
【0048】
実施例1
スチレン54部中のステアリルジケテン13.5部およびヘキサデカン2.55部の溶液に、水266部および15%のナトリウムラウリルスルフェート水溶液5.4部を添加し、Dr. Hilscher社の超音波フィンガー(Ultraschallfinger)を用いて8分間、全出力で超音波処理した。この場合には、数時間に亘って安定性でありかつ100nm未満の中央値を有する粒径分布を有する微粒状のエマルションが生成された。次に、このエマルションにアスコルビン酸0.26部および30%の過酸化水素1.55部を添加し、この混合物を、窒素洗浄下に70℃に加熱し、この反応混合物をこの温度で2.5時間攪拌した。重合は、殆んど完結し、このことは、試料の固体含量によって示すことができた(110℃での非揮発性含量=19.4%)。重合を完結させるために、バッチ量の温度を85℃に加熱し、半時間さらに攪拌した。この場合、固体含量は、20.1%に上昇した。次に、125μmのスクリーン上での濾過によって、固体0.3部を分離し、こうして100nm未満の粒径を有する安定したポリマー分散液を得ることができた。この分散液のポリマーマトリックスは、約1百万Dの分子量を有していた(ゲル透過クロマトグラフィーにより測定した)。
【0049】
実施例2
実施例1を繰り返したが、しかし、ヘキサデカンの不在下で作業した。同様に、安定した分散液を得ることができた。分散された粒子の平均粒径は、100nm未満であった。
【0050】
実施例3
スチレン27部とn−ブチルアクリレート27部との混合物中のステアリルジケテン13.5部の溶液に、水266部および15%のナトリウムラウリルスルフェート水溶液5.4部を添加し、Dr. Hilscher社の超音波フィンガー(Ultraschallfinger)を用いて4分間、超音波処理した。この場合には、数時間に亘って安定性である極めて微粒状のエマルションが生成された。次に、このエマルションに30℃でアスコルビン酸0.26部および30%の過酸化水素1.55部を添加し、この混合物を、窒素洗浄下に70℃に加熱した。この温度で簡単に発熱反応が開始し、この場合には、内部温度が73℃に上昇した。この反応混合物をこの温度で2.5時間攪拌し、その後、温度は85℃に上昇し、この温度でなお1時間攪拌した。重合は、この時間後に殆んど完結した(110℃での非揮発性含量=19.2%)。
【0051】
次に、125μmのスクリーン上での濾過によって、固体0.1部を分離し、こうして100nm未満の平均粒径を有する分散液を得ることができた。
【0052】
実施例4
スチレン54部中のステアリルジケテン13.5部の溶液に、水266部およびナトリウムジイソオクチルスルホスクシネートの50%の水溶液1.6部を添加し、Dr. Hilscher社の超音波フィンガー(Ultraschallfinger)を用いて4分間、超音波処理した。この場合には、数時間に亘って安定性である極めて微粒状のエマルションが生成された。次に、このエマルションに30℃でアスコルビン酸0.26部および30%の過酸化水素1.55部を添加し、この混合物を、窒素洗浄下に70℃に加熱した。この温度で簡単に発熱反応が開始し、この場合には、内部温度が73℃に上昇した。この反応混合物をこの温度で2.5時間攪拌し、その後、温度は85℃に上昇し、引続きこの温度でなお1時間攪拌した。重合は、この時間後に殆んど完結した(110℃での非揮発性含量=19.2%)。125μmのスクリーン上での濾過によって、固体0.1部未満を分離し、こうして64nmの平均粒径を有する分散液を得ることができた。
【0053】
実施例5
スチレン40.5部中のステアリルジケテン27部の溶液に、水266部および15%のナトリウムラウリルスルフェート水溶液5.4部を添加し、Dr. Hilscher社の超音波フィンガー(Ultraschallfinger)を用いて4分間、超音波処理した。この場合には、数時間に亘って安定性である極めて微粒状のエマルションが生成された。次に、このエマルションに40℃で過酸化ラウロイル0.7部を添加し、この混合物を、窒素洗浄下に70℃に加熱し、2時間後に分散液の固体含量を測定した。この固体含量は、15.1%であった。更に、3時間の反応時間後、固体含量は、17.7%に上昇した。更に、過酸化ラウロイル0.35部を添加し、温度が85℃に上昇することによって、1時間の反応時間後に85℃で17.9%の固体含量を有する分散液を得ることができた。125μmのスクリーン上での濾過によって、固体4.4部未満を分離し、こうして約100nmの平均粒径を有する分散液を得ることができた。ポリマー分散液の粒径分布は、300および500nmの際に2つのさらに極めて小さな最大を有する3峰性であった。
【0054】
実施例6
スチレン13.5部中のステアリルジケテン13.5部、n−ブチルアクリレート13.5部、第三ブチルアクリレート13.5部およびアクリルニトリル13.5部の溶液に、水269.8部および50%のナトリウムジイソオクチルスルホスクシネート水溶液1.6部を添加し、Dr. Hilscher社の超音波フィンガー(Ultraschallfinger)を用いて4分間、超音波処理した。この場合には、数時間に亘って安定性でありかつ100nm未満の中央値を有する粒径分布を有する極めて微粒状のエマルションが生成された。次に、このエマルションにアスコルビン酸0.26部および30%の過酸化水素1.55部を添加し、この混合物を、窒素洗浄下に70℃に加熱し、この温度で2時間維持した。引続き、温度を85℃にもたらし、そこで1時間保持した。重合が殆んど完結し、このことは、試料の固体含量によって示すことができた(120℃/30分で非揮発性含量=17.9%)。重合を完結させるために、上記分散液170部にアスコルビン酸および30%のH 0.4部を添加し、分散液を窒素雰囲気下に85℃でさらに1時間攪拌した。この場合、固体含量は、19.0%に上昇した。更に、125μmのスクリーン上での濾過によって、固体0.1部を分離し、小型の体積モジュールを有する型LS 230のクールターの装置(Coulter Geraet)を用いてのフラウンホーファーの回折によって測定された、100nm未満の粒径を有する分散液を得ることができた。
【0055】
比較例1
実施例1を繰り返したが、ステアリルジケテンの不在下で作業した。約200nmの平均粒径を有する分散液を得ることができた。
【0056】
使用技術的例
実施例7〜18
実施例および比較例により製造されたミニ分散液をそれぞれ表面サイズ剤として試験した。最初に、水中のジャガイモ澱粉の10%の溶液を製造した。次に、この澱粉溶液にそれぞれ固体含量に対して2g/lまたは4g/lの実施例1〜6により製造されたポリマー分散液および比較例1により製造されたポリマー分散液を添加し、混合した。こうして製造された分散液を、それぞれサイジング圧縮機を用いて、80g/mの単位面積当りの質量を有する、サイジングされていない木材不含の紙上に塗布した。紙によって吸収されたサイズ剤分散液は、枚葉紙の質量に対して約60〜62%であった。引続き、こうして処理された紙を乾燥させ、50%の空気湿分で24時間状態調節し、次にサイジングに関連して試験した。結果は、第1表中に記載されている。
【0057】
比較例2〜4
第1表中に記載された製品を、実施例7〜18に対して記載された規定によりサイジング作用について試験した。結果は、第1表中に記載されている。
【0058】
【表1】

【0059】
Basoplast(登録商標)400 DSは、スチレン、n−ブチルアクリレートおよび第三ブチルアクリレートのポリマーを基礎とするポリマーサイズ剤である。
【0060】
実施例19〜22
水中の白樺硫酸塩と松硫酸塩との混合物の0.8%のスラリーに、繊維材料に対して粉砕された炭酸カルシウム20%を計量供給した。引続き、それぞれ陽イオントウモロコシ澱粉0.5%、第2表中に記載された濃度での第2表中に記載されたサイズ剤および保存剤0.025%(陰イオンポリアクリルアミド)を添加した。それぞれ得られた紙料から高速ケテン型枚葉紙形成装置(Rapid-Koethen-Blattbildner)中で80g/mの単位面積当りの質量を有する実験室用枚葉紙を製造し、乾燥させ、50%の空気湿度で24時間状態調節し、次にサイジングに関連して試験した。結果は、第2表中に記載されている。
【0061】
【表2】

【0062】
Basoplast(登録商標)2030LCは、ステアリルジケテンを基礎とするビーターサイズ剤である。
【0063】
トナーの付着力に対する使用技術的試験
実施例1〜6により製造された分散液をそれぞれトナーの付着力を改善するための薬剤として試験した。最初に水中のジャガイモ澱粉の12%の溶液を得た。次に、この澱粉溶液にそれぞれ固体含量に対して4g/lの実施例1〜6により製造されたポリマー分散液を添加し、混合した。こうして得られた調製物(分散液)をそれぞれサイジング圧縮機を用いて、80g/mの単位面積当りの質量および31g/mのCobb60を有する、僅かにサイジングされた木材不含の紙上に塗布した。紙によって吸収されたサイズ剤分散液の量は、枚葉紙の質量に対して約50〜55%であった。引続き、こうして処理された紙を乾燥させ、50%の空気湿分で24時間状態調節し、次にトナーの付着力に関連して試験した。結果は、第3表中に記載されている。
【0064】
更に、比較例9としてジャガイモ澱粉の12%の水溶液を試験し、比較例10としてポリマーに対してBasoplast(登録商標)400DS 4g/lの含量を有するジャガイモ澱粉の12%の水溶液からの調製物を試験した。結果は、第3表中に記載されている。
【0065】
【表3】

【0066】
実施例29
ミニエマルションの製造
水5511g、15%のナトリウムラウリルスルフェート水溶液113.6gならびにペレット化されたアルキルケテン二量体355gの溶液(パルミチルケテン二量体50%とステアリルケテン二量体50%との混合物)、第三ブチルアクリレート354.6g、n−ブチルアクリレート354.6gおよびスチレン710.4gを、2回300バールでAPV-Gaulin高圧ホモジナイザーを用いて室温で乳化した。このエマルションを室温で24時間貯蔵し、次に重合のために使用した。ミニエマルションの液滴の寸法は、146nm(平均直径)であり、これは、Coulter N4 Plus装置で測定された。多分散性の指数は、0.2であった。LD値は、86.6%が測定された。
【0067】
分散液の製造
200rpmで攪拌される2 lの反応器中で水418g、Sudstaerke社の酸化されたジャガイモ澱粉70.3gおよび酢酸カルシウム水和物1.4gを85℃に加熱した。引続き、アミラーゼ3.5g(Novo Nordisk社のTermamyl 120L)を添加し、この混合物を85℃で18分間攪拌した。この時間の後、澱粉の分解を氷酢酸18g、鉄−II−七水和物3.5gおよび水23.3gと30%の過酸化水素11.7gとの混合物2.8g(開始剤1)を添加することによって停止させた。その後に、連続的に120分間で実施例29からの上記のミニエマルション1216gを85℃で供給した。同時に、150分間で付加される開始剤1 32.2gの連続的な流入を開始した。開始剤の流入が終結した後、反応混合物をなお85℃で30分間攪拌し、引続き50℃に冷却し、10%のt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液3.5gを添加し、50℃で60分間攪拌した。その後に反応混合物を室温に冷却し、保存した。
【0068】
こうして、73nmの粒径(Coulter 230 LS測定の中央値)および18%の固体含量を有する分散液1769.5gを得ることができた。残留モノマーの含量は、次の通りであった:スチレン10ppm未満、第三ブチルアクリレート10ppm未満およびn−ブチルアクリレート60ppm未満。
【0069】
実施例30
ミニエマルションの製造
水2587.3g、15%のナトリウムラウリルスルフェート水溶液53.3gならびにスチレン666.6g中のペレット化されたアルキルケテン二量体355gの溶液(パルミチルケテン二量体50%とステアリルジケテン50%との混合物)を、2回300バールでAPV-Gaulin高圧ホモジナイザーを用いて乳化した。引続き、このエマルションを重合のために使用した。
【0070】
ミニエマルションの液滴の寸法は、170nm(平均直径)であった。多分散性の指数は、0.14であり、LD値は、45.6%が測定された。
【0071】
分散液の製造
200rpmで攪拌される2 lの反応器中で水282.7g、Sudstaerke社の酸化されたコムギ澱粉50.21gおよび酢酸カルシウム水和物1.0gを85℃に加熱し、引続き、アミラーゼ2.5g(Novo Nordisk社のTermamyl 120L)を添加し、この混合物を85℃で18分間攪拌した。この時間の後、澱粉の分解を氷酢酸10g、鉄−II−七水和物2.5gおよび水16.65gと30%の過酸化水素8.33gとの混合物2.0g(開始剤1)を添加することによって停止させた。その直後に、連続的に120分間で実施例30からの上記のミニエマルション868.5gを85℃で供給した。ミニエマルションの流入の開始と同時に、連続的に150分間で開始剤1 23gを付加した。同様に、それと同時に水22.5gとアスコルビン酸2.5gとの混合物(開始剤2)の流入を開始し、この混合物を150分間に亘って分配した。開始剤の流入が終結した後、反応混合物を85℃で30分間攪拌し、次に50℃に冷却し、10%のt−ブチルヒドロペルオキシド10gを添加し、次に50℃で60分間攪拌した。引続き、反応混合物を室温に冷却し、保存した。
【0072】
こうして、126nmの粒径および18.4%の固体含量を有する分散液1282.2gを得ることができた。残留スチレンの含量は、400ppm未満であった。
【0073】
比較例11
実施例30を繰り返したが、しかし、ミニエマルションは、アルキルケテン二量体を含有していなかった。同様に、152nmの分散された粒子の粒径および19.5%の固体含量を有する安定した分散液を得ることができた。残留スチレンの含量は、500ppm未満であった。
【0074】
使用技術的例
実施例29および30により製造されたミニ分散液をそれぞれ表面サイズ剤およびビーターサイズ剤として試験し、市販の製品(Basoplast 400 DSおよび2030 LC)と比較した。更に、本発明によるミニ分散液および記載された市販のサイズ剤でサイジングされた紙のインキジェット印刷可能性について試験した。
【0075】
比較例12
最初に水中のジャガイモ澱粉の6%の溶液を製造し、この溶液をサイジング圧縮機を用いて、枚葉紙の質量の約60〜62%が澱粉溶液に吸収されるように、60g/mおよび80g/mの単位面積当りの質量を有する木材不含の紙上に塗布した。この溶液で達成可能なサイジング作用は、第1表中に記載されている。
【0076】
比較例13〜25
次に、比較例12に記載の澱粉溶液にそれぞれ固体含量に対してそれぞれ第4表中および第5表中に記載の量の市販のサイズ剤Basoplast(登録商標)400 DSおよびBasoplast(登録商標)2030 LCを添加した。次に、こうして得られた混合物をサイジング圧縮機を用いて60g/mおよび80g/mの単位面積当りの質量を有する2枚の異なる木材不含の紙上に塗布することにより、この混合物のサイジング作用を測定した。紙によって吸収されたサイズ剤分散液は、枚葉紙の質量に対して約60〜62%であった。引続き、こうして処理された紙を50%の空気湿度で24時間状態調節し、次にサイジングに関連して試験した。結果は、第4表および第5表中に記載されている。
【0077】
実施例31〜38
比較例12に記載の澱粉溶液にそれぞれ固体含量に対して第4表および第5表中に記載された量の実施例29および実施例30ならびに比較例11により得られたポリマー分散液を添加し、混合した。こうして得られた分散液をそれぞれサイジング圧縮機を用いて60g/mおよび80g/mの単位面積当りの質量を有する2枚の異なる木材不含の紙上に塗布した。紙によって吸収されたサイズ剤分散液は、枚葉紙の質量に対して約60〜62%であった。引続き、こうして処理された紙を50%の空気湿度で24時間状態調節し、次にサイジングに関連して試験した。結果は、第4表および第5表中に記載されている。
【0078】
【表4】

【0079】
【表5】

【0080】
実施例39〜42および比較例26〜29
水中の白樺硫酸塩パルプと松硫酸塩パルプとの混合物の0.8%のスラリーに、繊維材料に対して粉砕された炭酸カルシウム20%を計量供給した。引続き、それぞれ陽イオントウモロコシ澱粉0.5%、第4表中に記載された濃度での第4表中に記載されたサイズ剤および保存剤0.025%(陰イオンポリアクリルアミド)を添加した。それぞれ得られた紙料から高速ケテン型枚葉紙形成装置(Rapid-Koethen-Blattbildner)中で80g/mの単位面積当りの質量を有する実験室用枚葉紙を製造し、乾燥させ、50%の空気湿度で24時間状態調節し、次にサイジングに関連して試験した。結果は、第6表中に記載されている。
【0081】
【表6】

【0082】
インキジェット印刷可能性についての試験
実施例および比較例により製造された分散液を、それぞれインキジェット印刷可能性を改善するための薬剤として試験した。結果は、第7表中に記載されている。
【0083】
【表7】





【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液において、該水性ポリマー分散液がアルキルジケテンの存在で疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーのミニエマルション重合によって得ることができたものであることを特徴とする、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項2】
前記水性ポリマー分散液が
− 少なくとも1つのアルキルジケテンおよび
− 少なくとも1つの疎水性のモノエチレン系不飽和モノマーを溶解して含有する有機相を、界面活性剤の存在で水相中で機械的乳化法により最大で500nmの乳化された有機相の粒径を有するミニエマルションの形成下に乳化させ、この場合2つの相の少なくとも1つは、付加的にラジカル形成重合開始剤を含有するかまたは重合開始剤がミニエマルションに添加され、
ミニエマルションのモノマーを重合させることによって得ることができたものである、請求項1記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項3】
有機相が超音波の作用によってかまたは高圧ホモジナイザーにより水相中で乳化されたものである、請求項1または2記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項4】
有機相が付加的に重合不可能な疎水性化合物を含有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項5】
有機相が付加的にC12〜C22−カルボン酸のビニルエステル、C12〜C30−アルコールのビニルエーテルおよびC12〜C22−アルキルアクリレートから選択された水不溶性モノマーを含有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項6】
有機相が
− 少なくとも1つのC14〜C22−アルキルジケテン、
− スチレン、メチルスチレン、C〜C28−オレフィン、3〜5個のC原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸と1〜22個のC原子を有する1価アルコールとのエステル、C〜C18−カルボン酸のビニルエステル、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルの群からの少なくとも1つのモノマー、および
− 少なくとも1つの炭化水素、10〜24個のC原子を有するアルコール、10000未満の分子量Mを有する疎水性ポリマー、テトラアルキルシラン、C12〜C22−カルボン酸のビニルエステル、C12〜C30−アルコールのビニルエーテル、C12〜C22−アルキルアクリレートおよび/または記載された化合物の混合物を含有する、溶液、二成分系混合物もしくは多成分系混合物および/または分散液からなる、請求項1から5までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項7】
有機相が
− ステアリルジケテン、パルミチルジケテンおよび/またはベヘニルジケテン、
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第二ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アクリルニトリル、メタクリルニトリルおよび/またはビニルアセテート、および
− ヘキサデカン、オリーブ油、500〜5000の分子量Mを有するポリスチレン、500〜5000の分子量Mを有するシロキサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、ベヘニルアルコール、C12〜C22−カルボン酸のビニルエステル、C12〜C30−アルコールのビニルエーテルおよび/またはC12〜C22−アルキルアクリレートを含有する溶液からなる、請求項1から6までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項8】
有機相が
− ステアリルジケテンおよび/またはパルミチルジケテンおよび
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレートおよび/またはアクリルニトリルを含有する溶液からなる、請求項1から7までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項9】
有機相が付加的に親水性モノマーを、生成されるコポリマーが水中で20℃の温度および2のpHで最大100g/l、有利に最大50g/lの溶解度を有するような量で含有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項10】
親水性モノマーとして、3〜5個のC原子を有するエチレン系不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、ビニルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸および/または無水マレイン酸の群からの少なくとも1つの化合物が使用されている、請求項9記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項11】
前記水性ポリマー分散液が少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の存在でのミニエマルション重合によって得ることができたものである、請求項1から10までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項12】
ミニエマルションを少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類を含有する水溶液と混合し、ミニエマルションのモノマーを水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の存在で重合させることによって得ることができたものである、請求項11記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液。
【請求項13】
アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造法において、アルキルジケテンの存在で疎水性モノマーのミニエマルション重合を実施することを特徴とする、アルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造法。
【請求項14】
− 少なくとも1つのアルキルジケテンおよび
− 少なくとも1つの疎水性モノエチレン系不飽和モノマーを溶解して含有する有機相を、界面活性剤の存在で水相中で機械的乳化法により最大で500nmの乳化された有機相の粒径を有するミニエマルションの形成下に乳化させ、この場合2つの相の少なくとも1つは、付加的にラジカル形成重合開始剤を含有するかまたは重合開始剤がミニエマルションに添加され、引続きミニエマルションのモノマーを重合させる、請求項13記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の製造法。
【請求項15】
有機相が付加的に少なくとも1つの重合不可能な疎水性化合物を含有する、請求項13または14記載の方法。
【請求項16】
有機相が付加的にC12〜C22−カルボン酸のビニルエステル、C12〜C30−アルコールのビニルエーテルおよびC12〜C22−アルキルアクリレートから選択された水不溶性モノマーを含有する、請求項13から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
有機相が
− 少なくとも1つのC14〜C22−アルキルジケテンおよび
− スチレン、メチルスチレン、C〜C28−オレフィン、3〜5個のC原子を有するモノエチレン系不飽和カルボン酸と1〜22個のC原子を有する1価アルコールとのエステル、C〜C22−カルボン酸のビニルエステル、アクリルニトリルおよびメタクリルニトリルの群からの少なくとも1つのモノマーを含有する、溶液、二成分系混合物もしくは多成分系混合物および/または分散液からなる、請求項13から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
有機相が
− ステアリルジケテンおよび/またはパルミチルジケテンおよび
− スチレン、n−ブチルアクリレート、第三ブチルアクリレートおよび/またはアクリルニトリルを含有する溶液からなる、請求項13から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
有機相が重合不可能な疎水性化合物として炭化水素、10〜24個のC原子を有するアルコール、10000未満の分子量Mを有する疎水性ポリマー、テトラアルキルシランおよび/または記載された化合物の混合物を含有する、請求項13から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
水相が陰イオン性の界面活性化合物を含有する、請求項13から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
水相が界面活性剤としてナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムドデシルスルフェート、ナトリウムヘキサデシルスルフェート、ナトリウムジオクチルスルホスクシネートおよび/またはC12〜C22−アルコール1モルへの酸化エチレン15〜50モルの少なくとも1つの付加生成物を含有する、請求項13から20までのいずれか1項に記載方法。
【請求項22】
有機相が付加的に親水性モノマーを、生成されるコポリマーが水中で20℃の温度および2のpHで最大100g/l、有利に最大50g/lの溶解度を有するような量で含有する、請求項13から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
疎水性モノマーとして3〜5個のC原子を有するエチレン系不飽和カルボン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、ビニルエーテル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸および/または無水マレイン酸の群からの少なくとも1つの化合物を使用する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
ミニエマルション重合を少なくとも1つの水溶性多糖類および/または水膨潤性多糖類の存在で実施する、請求項13から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
ミニエマルションを、水性澱粉を含有する水溶液と混合し、この混合物を少なくとも1つの重合開始剤の存在で重合させる、請求項24記載の方法。
【請求項26】
ミニエマルションを、分解された澱粉が溶解されて含有されている水溶液と混合する、請求項24または25記載の方法。
【請求項27】
ミニエマルションを連続的または段階的に水溶性多糖類の水溶液と混合し、重合させる、請求項24から26までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
水溶性の多糖類として分解された澱粉を使用する、請求項24から27までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
紙のためのサイズ剤、皮革のための疎水化剤、天然繊維および/または合成繊維のための疎水化剤ならびに織物のための疎水化剤としての請求項1から9までのいずれか1項に記載のアルキルジケテンを含有する水性ポリマー分散液の使用。

【公表番号】特表2006−503164(P2006−503164A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545817(P2004−545817)
【出願日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【国際出願番号】PCT/EP2003/011145
【国際公開番号】WO2004/037867
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【Fターム(参考)】