説明

アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤を含むヘアコンディショニング組成物

ヘアコンディショニング組成物であって:カチオン性界面活性剤;高融点脂肪化合物;及び水性キャリアを含み、この際、該カチオン性界面活性剤、該高融点脂肪化合物、及び該水性キャリアが、層状ゲルマトリックスを形成し;該ラメラ層のd−空隙部が、33nm以下の範囲内であり;及び、該組成物が、26.7℃にて約30Pa以上の降伏応力を有する、ヘアコンディショニング組成物が開示される。本発明の組成物は、改善されたコンディショニング効果を提供し、特に濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を改善する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン性界面活性剤;高融点脂肪化合物;及び水性キャリア;を含むヘアコンディショニング組成物に関し、該カチオン性界面活性剤、該高融点脂肪化合物、及び該水性キャリアが、層状ゲルマトリックスを形成し、ラメラ層のd−空隙部が、33nm以下の範囲内であり、該組成物が、26.7℃にて約30Pa以上の降伏応力を有する。本発明の組成物は、改善されたコンディショニング効果を提供し、特に濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を改善する。
【背景技術】
【0002】
毛髪の状態を整えるために様々な取り組みが開発されてきた。コンディショニング効果をもたらす一般的な方法は、カチオン性界面活性剤及びポリマー、高融点脂肪化合物、低融点オイル、シリコーン化合物並びにこれらの混合物のようなコンディショニング剤の使用を介する。これらのコンディショニング剤の大部分は、様々なコンディショニング利益を提供することが知られている。例えば、いくつかのカチオン性界面活性剤は、いくつかの高融点脂肪化合物及び水性キャリアを共に使用すると、各種コンディショニング効果、例えば、濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感及び乾燥した毛髪へのソフト感及びしっとり感を提供するのに適しているゲルマトリックスを提供すると考えられている。例えば、PCT国際公開特許WO04/035016には、次の:カチオン性架橋ポリマー;ステアルアミドプロピルジメチルアミン又はベヘニルトリメチル塩化アンモニウム;セチル/ステアリルアルコール類;及び水(実施例中)、を含むコンディショニング組成物が開示されている。前記コンディショニング組成物は、改良されたコンディショニング効果例えば、濡れた物質上でのソフト感を提供し、同時に濡れた物質上でのつるつる感及びそれらが乾燥した際には物質上でソフト感及びしっとり感を提供するとされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、改良されたコンディショニング効果、特に濡れた毛髪に適用する際の改善されたつるつる感を提供するヘアコンディショニング組成物に対する必要性は依然として存在する。
【0004】
前述に基づき、改良されたコンディショニング効果、特に濡れた毛髪に適用する際の改善されたつるつる感を提供するヘアコンディショニング組成物に対する必要性は依然として存在する。
【0005】
既存の技術には、本発明の利点及び効果の全てを提供するものは存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次のものを含むヘアコンディショニング組成物であって、
(a)約0.1重量%〜約10重量%のカチオン性界面活性剤;
(b)該組成物の約2.5重量%〜約15重量%の高融点脂肪化合物、及び
(c)水性キャリア
を含み、
この際、該カチオン性界面活性剤、該高融点脂肪化合物及び該水性キャリアが、層状ゲルマトリックスを形成し、該ラメラ層のd−空隙部が、33nm以下の範囲内にあり、且つ該組成物が26.7℃にて、約30Pa以上の降伏応力を有する。
【0007】
本発明のコンディショニング組成物は、改善されたコンディショニング効果を提供し、特に濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を改善する。
【0008】
本発明の前述及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を読むことで、よりよく理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項をもって結論とするが、本発明は、添付図面の以降の説明からより良く理解されると考えられる。
【0010】
本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0011】
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率はすべて、本発明の組成物の総重量を基準とする。提示された成分に関するこのような重量は、すべて、活性物質の濃度に基づき、従って市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物を含まない。
【0012】
本明細書において「混合物」とは、物質の単純な組み合わせ及びそれらの組み合わせの結果として生じ得るあらゆる化合物も包含することを意味する。
【0013】
組成物
本発明は、次のものを含むヘアコンディショニング組成物であって:
(a)約0.1重量%〜約10重量%のカチオン性界面活性剤;
(b)該組成物の約2.5重量%〜約15重量%の高融点脂肪化合物組成物;及び
(c)水性キャリア
を含み、
この際、該カチオン性界面活性剤、該高融点脂肪化合物及び該水性キャリアが、層状ゲルマトリックスを形成し、該ラメラ層のd−空隙部が、33nm以下の範囲内にあり、且つ該組成物が26.7℃にて、約30Pa以上の降伏応力を有する。
【0014】
本発明のコンディショニング組成物は、改善されたコンディショニング効果を提供し、特に濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を改善する。
【0015】
上記で選択したd−空隙部及び上記で選択した降伏応力を有するヘアコンディショニング組成物が、より大きなd−空隙部及び/又はより小さな降伏応力を有する組成物と比較して、改善されたウェットコンディショニング効果、特に濡れた毛髪へ適用する際の改善されたつるつる感を提供することが明らかとなっている。このような選択されたd−空隙部及び選択された降伏応力を有する組成物は、より大きなd−空隙部及び/又はより小さな降伏応力を有する組成物と比較して、より稠密な層状ゲルマトリックスとなる、より多量の層状ゲルマトリックスを含む、と考えられている。選択されたd−空隙部及び選択された降伏応力の組み合わせが、他の組成物から、改善されたウェットコンディショニング効果を送達する組成物を適切に区別できるということが明らかとなっている。
【0016】
層状ゲルマトリックス
本発明の組成物は、層状ゲルマトリックス、特に、より稠密な層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを含む。前記ゲルマトリックスは、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪化合物、及び水性キャリアを含む。前記ゲルマトリックスは、各種コンディショニング効果、例えば、濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感及び乾燥した毛髪へのソフト感及びしっとり感を提供するのに適している。前記ゲルマトリックスのうち、層状ゲルマトリックスは、改良された濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を提供することができる。前記層状ゲルマトリックスのうち、より稠密な層状ゲルマトリックスは、改良された濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を提供することができる。
【0017】
改良されたウェットコンディショニング効果の観点から、前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物は、前記カチオン性界面活性剤の前記高融点脂肪化合物に対するモル比が、好ましくは約1:1〜1:10、より好ましくは約1:1〜1:4の範囲であるような濃度で含有されている。
【0018】
好ましくは、本発明の組成物は、ヘアケア組成物の重量割合で、約60%〜約99%、好ましくは、約70%〜約95%、より好ましくは、約80%〜約95%のゲルマトリックス(層状ゲルマトリックスを含む)を含み、これに任意成分、例えば、シリコーン類を加えることができる。
【0019】
上述の量のゲルマトリックス(層状ゲルマトリックスを含む)を含む組成物は、約30Pa以上の降伏応力を特徴とし、周波数1Hz且つ26.7℃での動的振動応力スイープとして、ティー・エイ・インスツルメント社より入手可能なモード名AR2000のレオメーターによって、0.0015m(1500μm)のギャップを有する40mm直径の並列型形状を用いて測定される。好ましくは、本発明の組成物、特に洗い流す用途のものは、約30Pa〜約90Pa、より好ましくは約35Pa〜約85Pa、更により好ましくは約40Pa〜約80Pa、一層より好ましくは約40Pa〜約70Paの降伏応力を有する。
【0020】
上述の量のゲルマトリックスを含む組成物は、950s-1の剪断速度での剪断応力によって特徴づけることができ、それは約150Pa〜約500Pa、好ましくは約200Pa〜約500Pa、より好ましくは約250Pa〜500Paであり、26.7℃にて、ティー・エイ・インスツルメント社から入手可能なモード名AR2000のレオメーターにより、0.0015m(1500μm)のギャップを有する4cm度アルミニウムコーン型形状を用いて測定される。上述の量のゲルマトリックスを含む組成物は、ある種の貯蔵弾性率G’により特徴づけることができる。貯蔵弾性率G’は、広く使用されている粘弾性パラメータの1つとして公知である。G’は、正弦波形状条件下で、剪断歪を歪みで除したものと一致する剪断応力の一部として定義される。上述の量のゲルマトリックスを含む組成物は、約2200Pa〜約10000Pa、好ましくは約2500〜約8000PaのG’によって特徴づけられるが、これは、26.7℃及び1Hzの周波数にて、ティー・エイ・インスツルメント社より入手可能なモード名AR2000のレオメーターを用い、0.0015m(1500μm)のギャップを有する4cm並列型形状を使用して測定される。上述の量のゲルマトリックスを含む組成物は、その希釈特性により特徴づけることができる。より多量のゲルマトリックスを含む組成物は、希釈された際、水と均質化するために、より長い時間を必要とする。上述の量のゲルマトリックスを含む組成物は、ゲルマトリックス内に組み込まれない水の量を測定することにより特徴づけることができる。
【0021】
層状ゲルマトリックスの存在は、クライオ走査電子顕微鏡(クライオSEM)によって観察できる。好ましくは、本発明の組成物は、より多量の層状ゲルマトリックスを有する。層状ゲルマトリックスの量は、SEM画像を分析することにより、例えば、単位面積当たりの層状ゲルマトリックスの領域を計算することによって測定できる。
【0022】
層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスの存在は、示差走査熱量計(以下に「DSC」と称する)により前記組成物を測定することによって検出してもよい。DSC測定により得られる特性チャートは、試料温度が変動した際のエンタルピー変化又はエネルギー勾配に伴って生じる、走査した試料の化学的及び物理的変化を示す。そのようなものとして、本発明のヘアコンディショニング組成物の相挙動及び成分間の相互作用を、それらのDSC特性によって理解してもよい。本発明の組成物のDSC測定は、任意の利用可能な好適な機器によって実施してもよい。例えば、DSC測定は、セイコーインスツル株式会社(Seiko Instruments Inc.)より入手可能なセイコー(Seiko)DSC6000機器によって好適に実施されてもよい。典型的な測定手順では、試料は、適量の組成物をDSC測定用に作成された容器内に封入し且つ密封することにより準備する。試料重量を記録する。盲検体試料、即ち、同一容器の密封されていない試料も準備する。該試料及び該盲検体試料を機器内に配置し、約−50℃〜約130℃、約1℃/分〜約10℃/分の加熱速度の測定条件下で測定した。同定されたピーク領域を計算し、試料重量で除して、エンタルピー変化をmJ/ミリグラムで求める。ピーク位置は、ピーク頂点位置により決定する。
【0023】
より多量のゲルマトリックスを有する好ましい組成物の場合、DSC特性は、約3mJ/ミリグラムより大きい、より好ましくは約6mJ/ミリグラム〜約10mJ/ミリグラムの形成ピークを示す。好ましい組成物のDSC特性は、約55℃〜約75℃のピーク頂点温度を有する単一ピークを示す。好ましい組成物のDSC特性は、40℃〜55℃の温度にて、3mJ/ミリグラム超、より好ましくは2.5mJ/ミリグラム超、更により好ましくは2mJ/ミリグラム超のピークを示さない。これは、40℃〜55℃の温度で示されるピークが、ゲルマトリックス内へ組み込まれていない高融点脂肪化合物及び/又はカチオン性界面活性剤の存在を意味するからである。このようなゲルマトリックスを主成分として形成された組成物は、約40℃〜約55℃の温度範囲で、比較的安定した相挙動を示すと考えられている。高度に好ましい組成物の場合、DSC特性は、約8mJ/ミリグラム、約67℃〜約73℃のピーク頂点温度を有する単一ピークを示し、2mJ/ミリグラム超、40℃〜約65℃ではピークを示さない。
【0024】
層状ゲルマトリックスの存在も、d−空隙部によって検出される。本発明の組成物は、33nm以下、好ましくは31nm以下、より好ましくは28nm以下のd−空隙部値を有する。本発明のD−空隙部は、図1に示すように、2つのラメラ二重層間の距離に1つのラメラ二重層の幅を加えたものを意味する。このため、d−空隙部は、次式:
D−空隙部=d水+d二重層
に従って定義される。
【0025】
D−空隙部は、パナリティカル社(PANalytical)より商標名サクセス(SAXSess)にて入手可能な高フラックス小角X線錯乱機器を使用し、小角X線錯乱(SAXS)測定の典型的な条件下で、q−レンジ(q=4π/λsin(θ)で、式中、λは波長であり、θは散乱角の半分)を0.06<q/nm-1<27(これは0.085<2θ/度<40に相当する)として測定できる。全データの透過性は、異なる試料の相対強度が得られるように、減衰一次ビーム強度をモニターすること及びそれを1つに正規化することにより較正される。透過性の較正により、正味の試料の錯乱から、水による寄与分を正確に差し引くことができる。D−空隙部は、次式(ブラッグ(Bragg)の式として公知):
nλ2dsin(θ)(式中、nはラメラ二重膜の数)
に従って計算される。
【0026】
より小さいD−空隙部(即ち、より稠密なシート状層状ゲルマトリックス)及び上述の選択された降伏応力を有するヘアコンディショニング組成物が、より大きなD−空隙部及び/又はより小さな降伏応力を有する組成物と比較して、改良されたウェットコンディショニング効果、特に改良された濡れた毛髪へ適用する際のつるつる感を送達することが明らかとなっている。このような選択されたd−空隙部及び選択された降伏応力を有する組成物は、より大きなd−空隙部及び/又はより小さな降伏応力を有する組成物と比較して、より多量のシート状層状ゲルマトリックスを含む、より多量のゲルマトリックスを含むと考えられている。選択されたd−空隙部及び選択された降伏応力の組み合わせが、他の組成物から、改善されたウェットコンディショニング効果を送達する組成物を適切に区別可能であるということが明らかとなっている。上述の選択されたD−空隙部及び選択された降伏応力に加えて、上述の好ましいゲルマトリックス総計、及び/又は好ましい層状ゲルマトリックス量が、更に本発明の組成物を他の組成物と区別する手助けをする。
【0027】
本発明の好ましいカチオン性界面活性剤は、他のカチオン性界面活性剤、例えば、三級アミン、三級アミンの塩、及びジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩と比較して、改良されたウェットコンディショニング効果を提供できることも明らかとなっている。このため、本発明においては、改良されたウェットコンディショニング効果を提供する観点から、該組成物は本発明において好ましいもの以外のカチオン性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましい。このような「他のカチオン性界面活性剤」としては、例えば、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩が挙げられ、ここで、アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェート、三級アミン、三級アミンの塩、及びジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩ではない。本発明において、「他のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない」とは、組成物が、このような他のカチオン性界面活性剤を合計で、1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0%含有することを意味する。
【0028】
好ましくは、ゲルマトリックスの安定性の観点から、本発明のコンディショニング組成物は、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない。本発明において、「アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない」とは、組成物が、アニオン性界面活性剤とアニオン性ポリマーとの合計を1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは完全に0%含有することを意味する。
【0029】
改良されたウェットコンディショニング効果の観点から、前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物は、前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物の重量比が、約1:1〜1:10、より好ましくは約1:1〜1:4の範囲であるような濃度で含有されることが好ましい。改良されたウェットコンディショニング効果の観点から、特にモノ長アルキル四級化アンモニウム塩をカチオン性界面活性剤として含む場合には、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩及び高融点脂肪化合物を、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩及び高融点脂肪化合物の総計が、組成物に対する重量で5%以上、より好ましくは6.5%以上、更により好ましくは7.5%以上となる濃度で含むことも好ましい。
【0030】
層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスを形成するためには、該組成物を次の方法で調製するのが好ましい。
【0031】
水を、典型的には、少なくとも約70℃、好ましくは約80℃〜約90℃の間まで加熱する。前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物を水と混ぜ合わせて、混合物を形成する。前記混合物の温度は、好ましくは、カチオン性界面活性剤の融解温度及び高融点脂肪化合物の融解温度の両方よりも高い温度に保たれ、混合物全体が均質化される。固形分が観察されなくなるまで混合した後、前記混合物を徐々に(例えば、約1℃/分〜約5℃/分の速度で)、60℃より低い温度まで、好ましくは約55℃より低い温度まで冷却する。この徐々に冷却するプロセスの間、約55℃〜約75℃の間で、粘度の顕著な増大が観察される。これは、層状ゲルマトリックスを含むゲルマトリックスの形成を示す。次に、追加成分を前記ゲルマトリックスと混ぜ合わせて、室温まで冷却する。
【0032】
カチオン性界面活性剤
本発明の組成物は、カチオン性界面活性剤を含む。各種カチオン性界面活性剤のうち、好ましいものは次の:()モノ長アルキル四級化アンモニウム及びアニオン(該アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェート、例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート、及びこれらの混合物から成る群から選択される)の塩;並びに(ii)アルキルジ四級化アンモニウム塩である。前記カチオン性界面活性剤は、前記組成物中に約0.1重量%〜約10重量%の濃度で含まれる。モノ長アルキル四級化アンモニウム塩をカチオン性界面活性剤として含む場合、前記モノ長アルキル四級化アンモニウム塩は、改良されたウェットコンディショニング効果の観点から、好ましくは約1重量%〜約8重量%、より好ましくは約2重量%〜約5重量%の濃度で含まれる。アルキルジ四級化アンモニウム塩をカチオン性界面活性剤として含む場合、前記アルキルジ四級化アンモニウム塩は、改良されたウェットコンディショニング効果、特に洗い流す用途の観点から、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.8重量%〜約3重量%の濃度で含まれる。
【0033】
本発明においては、改良されたウェットコンディショニング効果の観点から、前記組成物は本発明において好ましいもの以外のカチオン性界面活性剤を実質的に含まないことが好ましい。このような「他のカチオン性界面活性剤」としては、例えば、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩が挙げられ、ここで、アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェート、三級アミン、三級アミンの塩、及びジ−長鎖アルキル四級化アンモニウム塩ではない。本発明において、「他のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない」とは、組成物が、このような他のカチオン性界面活性剤を合計で、1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0%含有することを意味する。
【0034】
)モノ長アルキル四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本発明の好ましいカチオン性界面活性剤の1つは、モノ長アルキル四級化アンモニウム及びアニオン(該アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェート、例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート、及びこれらの混合物から成る群から選択される)の塩である。意外にも、他のアニオン類、例えば、クロライドと比較して、より大きなイオン結合力を有する選択されたアニオン類を使用することにより、カチオン性界面活性剤の水和半径は減少し、このような水和半径の減少によって、より稠密な層状ゲルマトリックスになる、即ち、あるラメラ二重層ともう1つのラメラ二重層の間の距離が減少するということが判明されている。
【0035】
本明細書で有用なモノ長アルキル四級化アンモニウム塩類は、次の式()を有するようなものである。
【0036】
【化1】

(式中、R71、R72、R73及びR74のうちの少なくとも1つは、炭素原子16〜40個の脂肪族基、又は炭素原子約40個までを有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールもしくはアルキルアリール基から選択され、R71、R72、R73及びR74の残りは、独立して、炭素原子1〜8個の脂肪族基又は炭素原子約8個までを有する、芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリール又はアルキルアリール基から選択され;X-は、C1〜C4アルキルサルフェート、例えば、メトサルフェート及びエトサルフェート、及びこれらの混合物から成る群から選択される塩生成アニオンである。脂肪族基は、炭素及び水素原子に加えて、エーテル結合及びアミノ基のような他の基を含有することができる。長鎖の脂肪族基、例えば、炭素数が約16個以上のものは、飽和であるかもしくは不飽和であることができる。好ましくは、R71、R72、R73及びR74の1つが、16〜40個の炭素原子、より好ましくは18〜26個の炭素原子、更により好ましくは22個(from 22)の炭素原子のアルキル基から選択され、R71、R72、R73及びR74の残りが、独立してCH3、C25、C24OH、CH265、及びこれらの混合物から選択される。)そのようなモノ長アルキル四級化アンモニウム塩は、多長アルキル四級化アンモニウム塩と比較して、濡れた毛髪での改善されたツルツルして滑らかな感触を与えることができると考えられる。また、モノ長アルキル四級化アンモニウム塩は、アミン又はアミン塩カチオン性界面活性剤と比較して、乾燥した毛髪での改善された疎水性及び滑らかな感触を与えることができるとも考えられる。
【0037】
これらのうち、より好ましいカチオン性界面活性剤は、より長いアルキル基、即ちC18〜22アルキル基を有するものである。このようなカチオン性界面活性剤としては、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート又はエチルサルフェート及びステアリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート又はエチルサルフェート、更により好ましくはベヘニルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート又はエチルサルフェートが挙げられる。より長いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤は、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、毛髪へ改良された付着をもたらし、そのため乾燥した毛髪に改良された柔らかさのような改良されたコンディショニング効果をもたらすことができると考えられる。そのようなカチオン性界面活性剤は、より短いアルキル基を有するカチオン性界面活性剤と比較して、軽減した刺激をもたらすことができるとも考えられる。
【0038】
(iii)アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤
本発明において好ましい他のカチオン性界面活性剤は、アルキルジ四級化アンモニウム塩である。本明細書で有用なアルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、2個の四級窒素原子を有するものである。意外にも、2個の四級窒素原子を有することにより、他のカチオン性界面活性剤例えば、ベヘントリメチルアンモニウムクロライド及びステアリルアミドプロピルジメチルアミンと比較して、前記アルキルジ四級化アンモニウム塩がより稠密な層状ゲルマトリックスになる、即ち、あるラメラ相と別のラメラ相の間の距離が減少するということが判明されている。
【0039】
本明細書で有用なアルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、次の:
(A1)
【0040】
【化2】

(式中、R1は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和、及び/又は官能化もしくは非官能化C12〜C40アルキル鎖(該官能化アルキル鎖は、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−及び−(R5−O)n−(この際、R5は、C2〜4アルキレンであり、且つnは0〜30の整数である)から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わし;R2は、C1〜3アルキル、ヒドロキシアルキル、又は−(R5−O)n−Hを表わし;R3は、R2又はHを表わし;且つ、R4は、官能化又は非官能化C2〜8アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わす)を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩;
(A2)
【0041】
【化3】

(式中、R1〜R4は、上述したものと同一構造を表わし;Xは、CH又はNを表わし;且つ、R6は、官能化又は非官能化C1〜10アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わす)を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩;並びにこれらの混合物からなる群から選択されるアルキルジ四級化アンモニウム塩である。
【0042】
好ましくは、該アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤は、次のものから成る群から選択される:式(A1)を有し、式中、R4が−OH基で官能化されたC2〜8アルキレンであり、例えば、INCI名「ヒドロキシプロピル−ビス−ステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド」を有するようなものであるもの;式(A2)を有するもの;及びこれらの混合物。
【0043】
高融点脂肪化合物
本明細書に有用な高融点脂肪化合物は25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体及びこれらの混合物から成る群から選択される。当業者は、本明細書のこの項に開示されている化合物が、場合によっては2つ以上の分類に属することができる(例えば、いくつかの脂肪族アルコール誘導体類が脂肪酸誘導体類として分類されることもあり得る)ことを理解している。しかしながら、示されている分類は、その特定の化合物に対する限定であるように意図するのではなく、分類及び命名法の便宜上そのようにしている。更に、当業者は、二重結合の数と位置、及び分枝の長さと位置によっては、特定の必要とされる炭素原子を有する特定の化合物が25℃未満の融点を有することがあることを理解している。そのような低融点の化合物はこの項に含まれないものとする。高融点化合物の非限定的な例は、国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版、1993年、及びCTFA化粧品成分ハンドブック(Cosmetic Ingredient Handbook)、第2版、1992年に記載されている。
【0044】
様々な高融点脂肪化合物のうち、脂肪族アルコール類が好ましくは本発明の組成物に使用される。本明細書で有用な脂肪族アルコール類は、炭素原子数約14〜約30、好ましくは炭素原子数約16〜約22であるものである。これらの脂肪族アルコール類は飽和であり、直鎖もしくは分枝鎖アルコールであることができる。好ましい脂肪族アルコール類には、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
高純度の単一化合物の高融点脂肪化合物類が好ましい。純粋なセチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコールから成る群より選択される純粋な脂肪族アルコール類の単一化合物が極めて好ましい。本明細書で「純粋」とは、化合物が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%の純度を有することを意味する。高純度のこれら単一化合物は、消費者が前記組成物をすすぎ落とすときに、毛髪からの良好なすすぎやすさを提供する。
【0046】
本明細書で有用な市販の高融点脂肪化合物には、新日本理化(Shin Nihon Rika)(日本、大阪)から入手可能な商品名コノール(KONOL)シリーズ及びNOF(日本、東京)から入手可能な商品名NAAシリーズのセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコール;ワコー(WAKO)(日本、大阪)から入手可能な商品名1−ドコサノール(DOCOSANOL)の純粋なベヘニルアルコールが挙げられる。
【0047】
高融点脂肪化合物は、改良されたウェットコンディショニング効果を提供する観点から、前記組成物中に、該組成物の約5重量%〜約15重量%、好ましくは約5.5重量%〜約10重量%、より好ましくは約6重量%〜約8重量%の濃度で含まれる。
【0048】
水性キャリア
本発明のコンディショニング組成物は水性キャリアを含む。このキャリアの濃度と種は、他の成分との適合性及び当該製品の他の所望の特性により選択される。
【0049】
本発明で有用な前記キャリアには、水、並びに低級アルキルアルコール類及び多価アルコール類の水溶液が挙げられる。本明細書で有用な低級アルキルアルコール類は、炭素数1〜6の一価アルコール類、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な多価アルコール類には、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0050】
好ましくは、水性キャリアは実質的に水である。脱イオン水が好ましく使用される。ミネラルカチオン類を含む天然供給源からの水も、製品の所望の特性に応じて使用することができる。一般的に、本発明の組成物は約20%〜約99%、好ましくは約30%〜約95%、より好ましくは約80%〜約90%の水を含む。
【0051】
シリコーン化合物
好ましくは、本発明の組成物は好ましくはシリコーン化合物を含有する。シリコーン化合物は、乾燥した毛髪に滑らかさ及び柔らかさを提供することができると考えられる。本明細書のシリコーン化合物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により好ましくは約1重量%〜約8重量%の濃度で使用され得る。
【0052】
単一化合物として、少なくとも2つのシリコーン化合物のブレンド又は混合物として、もしくは少なくとも1つのシリコーン化合物及び少なくとも1つの溶媒のブレンド又は混合物として、本明細書で有用なシリコーン化合物は、25℃にて、好ましくは約1,000〜約2,000,000mPa.sの粘度を有する。
【0053】
粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート(Dow Corning Corporate)試験方法CTM0004、1970年7月20日に記載されるガラスキャピラリー粘度計によって測定できる。好適なシリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類、アミノ置換シリコーン類、四級化シリコーン類及びこれらの混合物が挙げられる。コンディショニング特性を有する他の不揮発性シリコーン化合物も使用することができる。
【0054】
好ましくは、前記シリコーン化合物は、前記組成物中にて、約1ミクロン〜約50ミクロンの平均粒径を有する。
【0055】
本明細書で有用なシリコーン化合物には、以下の構造式:
【0056】
【化4】

(式中、R93はアルキル又はアリールであり、pは約7〜約8,000の整数である。Z8はシリコーン鎖の末端を止める基を表す)を有するポリアルキル又はポリアリールシロキサン類が挙げられる。シロキサン鎖上で置換されるアルキルもしくはアリール基(R93)又はシロキサン鎖の末端に置換されるアルキルもしくはアリール基Z8は、得られるシリコーンが室温で流体のままであり、分散性があり、毛髪に適用されたときに刺激性がなく、毒性やその他の害もなく、組成物の他の構成成分と相溶性があり、通常の使用及び保管条件下で化学的に安定であり、毛髪に付着することができ、毛髪の状態を整える限り、いかなる構造をも有することができる。好適なZ8基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。シリコーン原子上の2つのR93基は、同一の基又は異なる基を表してもよい。好ましくは、2つのR93基は同一の基を表す。好適なR93基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン化合物はポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。ジメチコンとしても知られるポリジメチルシロキサンは、特に好ましい。使用とされ得るポリアルキルシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、例えば、ビスカシル(Viscasil)(登録商標)及びTSF451シリーズでゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)から、並びにダウ・コーニング(Dow Corning)SH200シリーズでダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能である。
【0057】
上記ポリアルキルシロキサン類は、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。そのような混合物は、好ましくは約1,000mPa.s〜約100,000mPa.s、より好ましくは約5,000mPa.s〜約50,000mPa.sの粘度を有する。好ましくは、()25℃にて、約100,000mPa.s〜約30,000,000mPa、好ましくは約100,000mPa.s〜約20,000,000mPa.sの粘度を有する第一シリコーンと、(ii)25℃にて、約5mPa.s〜約10,000mPa、好ましくは約5mPa.s〜約5,000mPa.sの粘度を有する第二シリコーン、との混合物である。本明細書で有用なそのような混合物には、例えば、GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンと、200mPa.sの粘度を有するジメチコンとのブレンド、及びGE東芝から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンと、シクロペンタシロキサンとのブレンドが挙げられる。
【0058】
本明細書で有用なシリコーン化合物は、また、シリコーンガムを含む。用語「シリコーンガム」とは、本明細書で使用するとき、25℃で1m2/s(1,000,000センチストークス)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン材料を意味する。本明細書に記載のシリコーンガム類はまた、上に開示したシリコーン化合物と一部重複する部分も有り得るとみなされる。この重複は、これらの物質のいずれにおいても限定を意図しない。「シリコーンガム」は、典型的に約200,000を越え、一般的に約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。具体的な例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリ(ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン)コポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。シリコーンガム類は、例えば、低い粘度を有するシリコーン化合物との混合物として入手可能である。本明細書で有用なそのような混合物には、例えば、信越(Shin-Etsu)から入手可能なゴム/シクロメチコンブレンドが挙げられる。
【0059】
使用することができるシリコーン化合物には、例えば、ポリプロピレンオキシド変性ポリジメチルシロキサンが挙げられるが、エチレンオキシド、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの混合物も使用することができる。このエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドの濃度は、シリコーンの分散特性を妨げないように十分に低くあるべきである。これらの物質はジメチコンコポリオールとしても知られている。
【0060】
本明細書で有用なシリコーン化合物には、また、アミノ置換物質が挙げられる。好ましいアミノシリコーン類としては、例えば、次の一般式:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル、好ましくは、メチル;aは、0又は1〜3の値を有する整数、好ましくは、1;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、0〜1,999の数;mは、0〜1,999の整数;n及びmの合計は、1〜2,000の数;aとmとが、両方共に0ではない;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の基から選択される:−N(R2)CH2−CH2−N(R22;−N(R22;−N(R23-;−N(R2)CH2−CH2−NR22A-;式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、好ましくは約C1〜約C20のアルキルラジカル;A~は、ハロゲン化物イオン)を有するアミノシリコーンである。
【0061】
極めて好ましいアミノシリコーンは、式()に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルで、nは、好ましくは約1500〜約1700、より好ましくは約1600;及びLは、−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。別の極めて好ましいアミノシリコーンは、式()に対応するものであり、式中、m=0、a=1、q=3、G=メチルで、nは、好ましくは約400〜約600、より好ましくは約500;及びLは、−N(CH32又は−NH2、より好ましくは−NH2である。このような極めて好ましいアミノシリコーンは、末端アミノシリコーンと呼ばれるが、これはシリコーン鎖の一端又は両端が、窒素含有基によって末端処理されているためである。
【0062】
上述のアミノシリコーン類を組成物中に組み込む場合、低粘度を有する溶媒と混合することができる。このような溶媒としては、例えば、極性又は非極性、揮発性又は不揮発性油が挙げられる。このような油としては、例えば、シリコーンオイル、炭化水素、及びエステルが挙げられる。このような各種溶媒のうち、好ましいものは、非極性、揮発性炭化水素類、揮発性環状シリコーン類、不揮発性線状シリコーン類及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。本明細書で有用な不揮発性線状シリコーン類は、25℃にて、約1E−6m2/s(1cSt)〜約0.02m2/s(20,000センチストークス)、好ましくは約2E−5m2/s(20cSt)〜約0.01m2/s(10,000センチストークス)の粘度を有するようなものである。好ましい溶媒のうち、極めて好ましいのは、アミノシリコーン類の粘度を低下させ、及び乾いた毛髪の低減された摩擦のような改善されたヘアコンディショニング効果を提供する点で、非極性で揮発性の炭化水素類、特に非極性で揮発性のイソパラフィン類である。そのような混合物は、好ましくは約1,000mPa.s〜約100,000mPa.s、より好ましくは約5,000mPa.s〜約50,000mPa.sの粘度を有する。
【0063】
他の好適なアルキルアミノ置換シリコーン化合物として、次の構造(II):
【0064】
【化5】

(式中、R94は、H、CH3又はOHであり;p1及びp2は1以上の整数であり、ここでp1とp2との合計は650〜1,500であり;q1及びq2は1〜10の整数である)によって表されるものが挙げられる。Z8はシリコーン鎖の末端を止める基を表す。好適なZ8基としては、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びアリールオキシが挙げられる。極めて好ましいものは、「アモジメチコン」として知られているものである。本明細書で有用な市販のアモジメチコン類としては、例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能なBY16−872が挙げられる。
【0065】
使用することができる他のアミノ置換シリコーンポリマーは、以下の式:
【0066】
【化6】

(式中、R98は1から18個までの炭素原子を有する一価の炭化水素基、好ましくはアルキル又はアルケニル基、例えばメチルを示し;R99は炭化水素基、好ましくはC1〜C18アルキレン基又はC1〜C18、そして更に好ましくはC1〜C8アルキレンオキシ基を示し;Q-はハロゲン化物イオン、好ましくはクロリドであり;p5は2から20まで、好ましくは2から8までの平均統計的値を示し;p6は20から200まで、また好ましくは20から50までの平均統計的値を示す)により表される。
【0067】
上記シリコーン化合物は更に、機械的混合によるか又はエマルション重合化による合成段階で、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される界面活性剤の助けを借りて又は助け無しで製造されるエマルションの形態で本発明の組成物に組み入れることができる。
【0068】
追加の成分
本発明の前記組成物は、他の追加的な成分を包含してもよく、それは最終的な製品の所望の特性に照らして当業者により選択されてもよく、またそれは前記組成物をより美容的又は審美的に許容可能なものにするかあるいは付加的な使用効果を前記組成物に提供するのに好適なものである。このような他の追加的な成分は、一般に、前記組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約5重量%までの濃度で個々に使用される。
【0069】
他の多種多様な追加的な成分が本組成物に配合可能である。これらには、他のコンディショニング剤、例えば、ホーメル社(Hormel)から入手可能な商標名ペプテイン(Peptein)2000の加水分解コラーゲン、エーザイ株式会社(Eisai)から入手可能な商標名Eミックス−d(Emix-d)のビタミンE、ロシュ社(Roche)から入手可能なパンテノール、ロシュ社(Roche)から入手可能なパンテニルエチルエーテル、加水分解したケラチン、タンパク質、植物抽出物、及び栄養素;防腐剤、例えば、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン及びイミダゾリジニル尿素;pH調整剤、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム;着色剤、例えば、食品、医薬品及び化粧品用又は医薬品及び化粧品用染料のいずれか;香料;及び金属封鎖剤、例えば、二ナトリウムエチレンジアミンテトラ−アセテート;紫外線及び赤外線用スクリーニング及び吸収用薬剤、例えば、ベンゾフェノン;並びにふけ防止剤、例えば、ジンクピリチオン、がある。
【0070】
低融点オイル
本明細書で有用な低融点オイル類は、25℃未満の融点を有するものである。本明細書で有用な低融点オイルは、炭素原子数10〜約40の炭化水素;オレイルアルコールのような炭素原子数約10〜約30の不飽和脂肪族アルコール類;炭素原子数約10〜約30の不飽和脂肪酸類;脂肪酸誘導体類;脂肪族アルコール誘導体類;ペンタエリスリトールエステル油類、トリメチロールエステル油類、クエン酸エステル油類及びグリセリルエステル油類のようなエステル油類;ポリα−オレフィン油類;並びにこれらの混合物から成る群より選択される。本明細書における好ましい低融点オイル類は、ペンタエリスリトールエステル油類、トリメチロールエステル油類、クエン酸エステル油類及びグリセリルエステル油類のようなエステル油類;ポリα−オレフィン油類;ならびにこれらの混合物から成る群より選択される。
【0071】
本明細書における特に有用なペンタエリスリトールエステル油類及びトリメチロールエステル油類には、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、テトラオレイン酸ペンタエリスリトール、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオレイン酸トリメチロールプロパン、及びこれらの混合物が挙げられる。このような化合物は、コーキョウ・アルコール(Kokyo Alcohol)から商標名KAKPTI、KAKTTIとして、及び新日本理化株式会社(Shin-nihon Rika)から商標名PTO、ENUJERUBU TP3SOとして入手可能である。
【0072】
本明細書において特に有用なクエン酸エステル油類としては、バーネル(Bernel)から商標名シトモール(CITMOL)316として入手可能なクエン酸トリイソセチル、フェニックス(Phoenix)から商標名ペレモール(PELEMOL)TISCとして入手可能なクエン酸トリイソステアリル、及びバーネル(Bernel)から商標名シトモール(CITMOL)320として入手可能なクエン酸トリオクチルドデシルが挙げられる。
【0073】
本明細書において特に有用なグリセリルエステル油類には、太陽化学株式会社(Taiyo Kagaku)から商標名サン・エスポール(SUN ESPOL)G−318として入手可能なトリイソステアリン、クローダ・サーファクタンツ(Croda Surfactants Ltd.)から商標名シスロール(CITHROL)GTOとして入手可能なトリオレイン、ヴェヴィ(Vevy)から商標名エファダーマ−F(EFADERMA-F)又はブルックス(Brooks)から商標名エファ−グリセライズ(EFA-GLYCERIDES)として入手可能なトリリノレインが挙げられる。
【0074】
本明細書において特に有用なポリα−オレフィン油類には、エクソン・モービル(Exxon Mobil Co.)から入手可能な、数平均分子量が約500の商標名ピュアシン6(PURESYN 6)、数平均分子量が約3000の商標名ピュアシン100(PURESYN 100)及び数平均分子量が約6000の商標名ピュアシン300(PURESYN 300)としてのポリデセン類が挙げられる。
【0075】
製品形態
本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフ製品又はリーブオン製品の形態であることができ、これらに制限されないが、クリーム、ジェル、エマルション、ムース及びスプレーを包含する多種多様な製品形態で配合されることができる。本発明のコンディショニング組成物は、リンスオフヘアーコンディショナーに特に好適である。
【実施例】
【0076】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に記載し実証する。これらの実施例は、説明の目的で提示されているに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多くの変形が可能であるため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。成分は、適用できる場合は、化学名又はCTFA名称で識別され、そうでない場合には下記で定義される。
【0077】
【表1】

【0078】
成分の定義
*1 ジメチコンブレンド:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンと200mPa.sの粘度を有するジメチコンとのブレンド
*2 ジメチコン/シクロメチコン:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとのブレンド
*3 アミノシリコーン−1:GEから入手可能、10,000mPa.sの粘度を有し、次の式():
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−0−SiG3-a(R1a
(式中、Gはメチル;aは、1の整数;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、400〜約600の数;mは、0の整数;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、3の整数であり、Lは、−NH2である)を有する。
*4 アミノシリコーン−2:GE社より、商品名BX3083−1にて入手可能であり、220,000〜245,000mPa.sの範囲の粘度を有し、次の式():
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−0−SiG3-a(R1a
(式中、Gはメチル;aは、1の整数;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、1500〜約1700の数;mは、0の整数;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、3の整数であり、Lは、−NH2である)を有する。
*5 新日本石油化学株式会社(NISSEKI)から入手可能なイソソル(Isosol)400
*6 カトンCG:ローム&ハース社(Rohm & Haas)から入手可能
【0079】
【表2】

【0080】
【表3】

【0081】
成分の定義
*1 アルキルジ四級化アンモニウム塩−1:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*2 アルキルジ四級化アンモニウム塩−2:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*3 アルキルジ四級化アンモニウム塩−3:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ステアラミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*4 アルキルジ四級化アンモニウム塩−4:東邦化学工業株式会社(Toho Kagaku K.K.)から入手可能なヒドロキシプロピル−ビス−ベヘニル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド
*5 シリコーン化合物−1:ジメチコン/シクロメチコン:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンとシクロペンタシロキサンとのブレンド
*6 シリコーン化合物−2:ジメチコンブレンド:GE東芝(GE Toshiba)から入手可能な18,000,000mPa.sの粘度を有するジメチコンと200mPa.sの粘度を有するジメチコンとのブレンド
*7 シリコーン化合物−3:GE社より、商品名BX3083−1にて入手可能であり、220,000〜245,000mPa.sの範囲の粘度を有し、次の式():
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−0−SiG3-a(R1a
(式中、Gはメチル;aは、1の整数;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、1500〜約1700の数;mは、0の整数;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、3の整数であり、Lは、−N(CH32である)を有する末端アミノシリコーン
*8 シリコーン化合物−4:GEから入手可能、10,000mPa.sの粘度を有し、次の式()する:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−0−SiG3-a(R1a
(式中、Gはメチル;aは、1の整数;bは、0、1又は2、好ましくは、1;nは、400〜約600の数;mは、0の整数;R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、3の整数であり、Lは、−N(CH32である)を有する。
*9 新日本石油化学株式会社(NISSEKI)から入手可能なイソソル(Isosol)400
*10 メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン:ローム&ハース社(Rohm & Haas)から入手可能なカトン(Kathon)CG
【0082】
調製方法
上記で示した「実施例1」〜「実施例18」のコンディショニング組成物は、当該技術分野において周知の従来のいかなる方法によっても調製できる。これらは、次のようにして好適に調製される。
【0083】
カチオン性界面活性剤及び高融点脂肪化合物は、攪拌しながら水に添加され、約80℃に加熱される。混合物は約55℃に冷却される。含まれる場合、シリコーン化合物、香料、防腐剤が混合物に攪拌しながら添加される。次に、混合物は室温に冷却される。
【0084】
実施例1〜18は、リンスオフ使用に特に有用な本発明のヘアコンディショニング組成物である。実施例5の組成物は、22nmの空隙部値、26.7℃にて、45Paの降伏応力及び26.7℃にて、剪断速度950s-1で350Paの剪断応力を有する。実施例9の組成物は、26nmのD−空隙部値、26.7℃にて、80Paの降伏応力を有する。前記「実施例1」〜「実施例18」に開示され代表される実施形態は、多くの利点を有する。例えば、それらは、改良されたウェットコンディショニング効果、例えば、改良された乾燥コンディショニング効果、例えば、乾燥した毛髪上でのソフト感及びしっとり感を維持しつつ、濡れた毛髪上に適用する際の改良されたつるつる感を提供できる。
【0085】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲内においては、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0086】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変形及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】層状ゲルマトリックスのD−空隙部測定の一実施例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショニング組成物であって:
(a)約0.1重量%〜約10重量%のカチオン性界面活性剤、
(b)該組成物の約2.5重量%〜約15重量%の高融点脂肪化合物、及び
(c)水性キャリア
を含み、この際、該カチオン性界面活性剤、該高融点脂肪化合物及び該水性キャリアが、層状ゲルマトリックスを形成し、該ラメラ層のd−空隙部が、33nm以下の範囲内にあり、且つ該組成物が26.7℃にて、約30Pa以上の降伏応力を有する、ヘアコンディショニング組成物。
【請求項2】
前記d−空隙部が、31nm以下である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項3】
前記d−空隙部が、28nm以下である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記組成物が、約30Pa〜約90Paの降伏応力を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項5】
前記組成物が、約35Pa〜約85Paの降伏応力を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項6】
前記組成物が、約40Pa〜約80Paの降伏応力を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項7】
前記組成物が、約40Pa〜約70Paの降伏応力を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記カチオン性界面活性剤が、モノ長アルキル四級化アンモニウム及びアニオン(該アニオンは、C1〜C4アルキルサルフェートから成る群から選択される)の塩及びこれらの混合物である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項9】
モノ長アルキル四級化アンモニウム及びアニオンの前記塩が、式():
【化1】

(式中、R71、R72、R73及びR74のうち1つは、炭素原子数16〜30の脂肪族基、又は、炭素原子数約30までの芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基もしくはアルキルアリール基から選択され;残りのR71、R72、R73及びR74は独立して、炭素原子数1〜約8の脂肪族基、又は、炭素原子数約8までの芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基もしくはアルキルアリール基から選択され;X-が、C1〜C4アルキルサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される、塩生成アニオンである)を有する、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記カチオン性界面活性剤が、次の:
(A1)
【化2】

(式中、R1は、直鎖もしくは分岐鎖、飽和もしくは不飽和、及び/又は官能化もしくは非官能化C12〜C40アルキル鎖(該官能化アルキル鎖は、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−及び−(R5−O)n−(式中、R5は、C2〜4アルキレンであり、nは0〜30の整数である)から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わし;R2は、C1〜3アルキル、ヒドロキシアルキル、又は−(R5−O)n−Hを表わし;R3は、R2又はHを表わし;R4は、官能化又は非官能化C2〜8アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CO−NH−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わす)を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩;
(A2)
【化3】

(式中、R1〜R4は、上述したものと同一構造を表わし;Xは、CH又はNを表わし;R6は、官能化又は非官能化C1〜10アルキレン(この際、該官能化アルキレンは、−OH、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−O−、及び−(R5−O)n−から成る群から選択される1つ以上の官能基を含むものである)を表わす)を有するアルキルジ四級化アンモニウム塩;並びに
これらの混合物
からなる群から選択されるアルキルジ四級化アンモニウム塩である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項11】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、前記式(A1)を有するものから選択される、請求項10に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項12】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、前記式(A1)(式中、R4は、−OHで官能化されたC2〜8アルキレンを表す)を有するものから選択される、請求項10に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項13】
前記アルキルジ四級化アンモニウム塩カチオン性界面活性剤が、前記式(A2)を有するものから選択される、請求項10に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項14】
前記組成物が、請求項6及び8に記載のもの以外のカチオン性界面活性剤を実質的に含まない、請求項8及び10に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項15】
前記組成物が、アニオン性界面活性剤及びアニオン性ポリマーを実質的に含まない、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項16】
前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物の重量比が、約1:1〜約1:4の範囲内である、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項17】
前記カチオン性界面活性剤及び前記高融点脂肪化合物の総計が、7.5%以上の濃度で前記組成物中に存在する、請求項8に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項18】
約0.1%〜約20%のシリコーン化合物を更に含む、請求項1に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項19】
前記シリコーン化合物が、次の一般式:
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-bm−O−SiG3-a(R1a
(式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ、又はC1〜C8アルキル;aは、0又は1〜3の値を有する整数;nは、0〜1,999の数;mは、0〜1,999の整数;n及びmの合計は、1〜2,000の数;aとmとが、両方共に0ではない;R1は、一般式Cq2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは、2〜8の値を有する整数であり、Lは、以下の基から選択される:−N(R2)CH2−CH2−N(R22;−N(R22;−N(R23-;−N(R2)CH2−CH2−NR22-;式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル又は飽和炭化水素ラジカル;A-は、ハロゲン化物イオン)を有するアミノシリコーンである、請求項18に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項20】
前記アミノシリコーンが、非極性、揮発性炭化水素類、揮発性環状シリコーン類、不揮発性線状シリコーン類及びこれらの混合物から成る群から選択される低粘度を有する溶媒と混合される、請求項19に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項21】
前記シリコーン化合物が、()25℃にて、約100,000mPa.s〜約30,
000,000mPa.sの粘度を有する第一シリコーンと、(ii)25℃にて、約5
mPa.s〜約10,000mPa.sの粘度を有する第二シリコーンとの混合物である、請求項18に記載のヘアコンディショニング組成物。
【請求項22】
(i)毛髪をシャンプーした後、該毛髪をコンディショニングするため、請求項1に記載のコンディショニング組成物の有効量を該毛髪に適用する工程;及び
(ii)その後、該毛髪をすすぐ工程
を含む、毛髪をコンディショニングする方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−515901(P2008−515901A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535776(P2007−535776)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/035830
【国際公開番号】WO2006/044209
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】