説明

アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法

【課題】アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られる方法を提供する。
【解決手段】0.01〜10ミリモル/キログラムのフェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液を含酸素ガスで酸化するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、該アルキルベンゼン溶液中に一般式(I)で表される化合物を含み、かつ該アルキルベンゼン溶液中のフェノール類に対する一般式(I)で表される化合物の比が0.4モル/モル以上であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。


(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらは互いに結合して非芳香族性の環を形成してもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによりアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法は公知である。しかしながら、原料であるアルキルベンゼン溶液中にフェノール類が存在すると、該フェノール類は酸化阻害物となり、効率的に酸化反応が進行しないことが知られている。そのため通常は所望のアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを得るために、反応温度を高くしたり反応時間を長くしたりする対応が行われている。
【0003】
原料であるアルキルベンゼン溶液中のフェノール類を低減させ含酸素ガスで酸化する方法が、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されているが、該特許文献に記載されている方法は蒸留、アルカリ洗浄等によりフェノール類を系外へ除去する方法、反応によりフェノール類を別の化合物に転化する方法、吸着剤等によりフェノール類の濃度を減少させる方法であり、新たに蒸留塔、洗浄用容器、反応器又は吸着塔等が必要であり、またフェノール類の濃度を十分に下げるために、蒸留塔又は吸着塔を2塔で行うように多塔化したり、アルカリ洗浄は、洗浄攪拌槽と静置分液槽の組合せを2段階で行うように多段化したりする必要があり、経済的に高収率でアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造するという観点で十分ではないという問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−270880号公報
【特許文献2】特開2001−11045号公報
【特許文献3】米国特許3523977号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる現状において、本発明が解決しようとする課題は、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は、0.01〜10ミリモル/キログラムのフェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液を含酸素ガスで酸化するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、該アルキルベンゼン溶液中に一般式(I)で表される化合物を含み、かつ該アルキルベンゼン溶液中のフェノール類に対する一般式(I)で表される化合物の比が0.4モル/モル以上であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法に係るものである。


(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらは互いに結合して非芳香族性の環を形成してもよい。)
【発明の効果】
【0007】
本発明により、アルキルベンゼンを含酸素ガスで酸化することによるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを製造する方法であって、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドを経済的に高収率で得られるという優れた効果を有するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のアルキルベンゼンとしては、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、イソプロピルメチルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン等があげられ、これらは単独でもよいし、2種以上のアルキルベンゼンが任意に混合されているものでもよい。アルキルベンゼンの酸化は、空気や酸素濃縮空気等の含酸素ガスによる自動酸化で行われる。酸化はアルカリ水溶液の存在下で行ってもよい。アルカリ水溶液は、アルカリ性を示す水溶液ならばいかなるものでよく、フレッシュアルカリ水溶液、酸化工程から回収される水溶液や酸化工程から回収される水溶液にフレッシュアルカリ水溶液を混合したもの等が用いられる。フレッシュアルカリ水溶液としては、NaOH、KOHのようなアルカリ金属化合物や、アルカリ土類金属化合物又はNa2CO3、NaHCO3のようなアルカリ金属炭酸塩又はアンモニア及び(NH42CO3、アルカリ金属炭酸アンモニウム塩等を水に溶解させたものが用いられる。酸化工程から回収される水溶液としては、酸化工程から回収される水溶液であればいかなるものでもよいが、酸化反応器から得られた液相を油相と水相に分離した該水相等が用いられる。通常の反応温度は50〜200℃であり、反応圧力は大気圧から5MPaの間である。
【0009】
本発明の原料であるアルキルベンゼン溶液中に含まれるフェノール類としては、フェノール類であればいかなるものでもよく、フェノール、ジヒドロキシベンゼンやクレゾール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール等のアルキルフェノールがあげられる。
【0010】
本発明のアルキルベンゼン溶液中のフェノール類の濃度としては、0.01〜10ミリモル/キログラムであるものが適用でき、好ましくは、0.1〜5ミリモル/キログラムの範囲である。フェノール類の濃度が高過ぎる場合にはアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが高収率で得られず、また該濃度が低過ぎる場合にはアルキルベンゼンの精製工程等が必要になり不経済となる。
【0011】
本発明の0.01〜10ミリモル/キログラムのフェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液は、例えば、イソプロピルベンゼンを含酸素ガスで酸化することで得られたイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸触媒に接触させ、フェノールとアセトンを得るプロセスにおいて回収された未反応イソプロピルベンゼンがあげられる。また、エチルベンゼンを含酸素ガスで酸化することで得られたエチルベンゼンハイドロパーオキサイドをエポキシ化触媒の存在下にプロピレンと反応させることでプロピレンオキサイドを得るプロセスにおいて回収された未反応エチルベンゼンや、イソプロピルベンゼンを含酸素ガスで酸化することで得られたイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドをエポキシ化触媒の存在下にプロピレンと反応させることでプロピレンオキサイドを得るプロセスにおいて回収された未反応イソプロピルベンゼン等があげられる。
【0012】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、一般式(I)で表される構造を持つ化合物であればいかなるものでもよい。式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらは互いに結合して非芳香族性の環を形成してもよい。
【0013】
本発明の一般式(I)で表される化合物としては、プロピレン、ブテン、ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、エチルシクロヘキセン、エテニルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキセン、イソプロペニルシクロヘキサン、ジイソプロピルシクロヘキセン、ジイソプロペニルシクロヘキサン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジイソプロペニルベンゼン等のアルケンがあげられる。
【0014】
本発明のアルキルベンゼン溶液中のフェノール類に対する一般式(I)で表される化合物の比が0.4モル/モル以上である必要があり、好ましくは、0.4〜20モル/モルである。アルキルベンゼン溶液中のフェノール類に対する一般式(I)で表される化合物の比が低過ぎる場合には酸化阻害が大きく、高収率でアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが得られない。また、該比が高過ぎる場合には一般式(I)で表される化合物からの副生物が酸化阻害を起こし、高収率でアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが得られないことがある。
【0015】
本発明の一般式(I)で表される化合物の濃度は、0.1〜20ミリモル/キログラムであることが好ましく、更に好ましくは0.2〜10ミリモル/キログラムである。濃度が低過ぎる場合には酸化阻害が大きく、高収率でアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが得られないことがあり、また、濃度が高過ぎる場合には一般式(I)で表される化合物からの副生物が酸化阻害を起こし、高収率でアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドが得られないことがある。
【0016】
本発明の一般式(I)で表される化合物を含むアルキルベンゼン溶液を得る方法は、フェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液に、一般式(I)で表される化合物が含まれる方法ならよいが、フェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液に、一般式(I)で表される化合物を添加する方法や、フェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液に、一般式(I)で表される化合物を含むアルキルベンゼン溶液を混合する方法等があげられる。例えば、アルキルベンゼン溶液をリサイクルしない場合は、一般式(I)で表される化合物を添加する方法やフェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液に、一般式(I)で表される化合物を含むアルキルベンゼン溶液を混合する方法等があげられる。また、下記に述べるような水添反応を経てアルキルベンゼン溶液をリサイクルする場合は、該水添反応の反応条件である、反応温度、反応圧力、水素供給量や滞留時間を制御することで、一般式(I)で表される化合物の量を所望の範囲内にすることができる。
【0017】
本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、フェノール類とアセトンの製造用原料として用いることができる。一例として、得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを酸触媒に接触させ、フェノールとアセトンを得、このものを分離・精製することにより、フェノールとアセトンを製造する方法等があげられる。酸触媒としては、硫酸、過塩素酸、塩酸、弗化水素酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、イオン交換樹脂やシリカアルミナ等があげられる。
【0018】
本発明において得られるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドは、アルキレンオキサイドの製造用原料として用いることができる。例えば、得られるイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドをチタン含有触媒の存在下、プロピレンと作用させ、プロピレンオキサイドとクミルアルコールを得、このものを分離した後、該クミルアルコールは水素化分解触媒の存在下、水素と反応させてイソプロピルベンゼンを得、該イソプロピルベンゼンを酸化工程の原料として再利用する方法等があげられる。また、該クミルアルコールは脱水触媒の存在下α−メチルスチレンとし、更には、該α−メチルスチレンを水添触媒の存在下、水素と作用させてイソプロピルベンゼンを得、該イソプロピルベンゼンを酸化工程の原料として再利用することもできる。該α−メチルスチレンを水添触媒の存在下、水素と作用させてイソプロピルベンゼンを得る際、触媒層入口温度は水添反応液中の未反応α−メチルスチレンと芳香環が水素化された核水添生成物を指標に決定したり、水素供給量は、反応温度、反応圧力下で遊離水が発生しない条件になるように決定することができる。また、別な例として、得られるエチルベンゼンハイドロパーオキサイドをチタン含有触媒やモリブデン含有触媒の存在下、プロピレンと作用させ、プロピレンオキサイドと1−フェニルエチルアルコールを得、このものを分離した後、該1−フェニルエチルアルコールは脱水触媒の存在下、スチレンを得る方法等があげられる。
【実施例】
【0019】
以下に実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例より限定されるものではない。
実施例1
1Lガラス製オートクレーブを反応釜とした連続流通反応装置を用い、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドを含有するイソプロピルベンゼン溶液(イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド:9.0重量%)280グラムと炭酸ナトリウムを含む水溶液7.0グラムを入れた反応釜に、o−イソプロピルフェノール及び1−イソプロピル−1−シクロヘキセンを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.51ミリモル/キログラム、1−イソプロピル−1−シクロヘキセン:4.0ミリモル/キログラム、1−イソプロピル−1−シクロヘキセン/o−イソプロピルフェノール:7.8モル/モル)を207グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.0グラム/時及び空気を260Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度120℃の条件下、6.0h連続流通反応させた。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は3体積%であり、5.0時間目から6.0時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは9.6重量%であった。
【0020】
実施例2
o−イソプロピルフェノール及び1−イソプロピル−1−シクロヘキセンを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.55ミリモル/キログラム、1−イソプロピル−1−シクロヘキセン:0.48ミリモル/キログラム、1−イソプロピル−1−シクロヘキセン/o−イソプロピルフェノール:0.9モル/モル)を205グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.3グラム/時及び空気を260Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度119℃の条件下、6.1h連続流通反応させたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は3体積%であり、5.0時間目から6.1時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは8.5重量%であった。
【0021】
実施例3
o−イソプロピルフェノール及びα−メチルスチレンを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.56ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン:4.5ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン/o−イソプロピルフェノール:8.0モル/モル)を206グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.4グラム/時及び空気を260Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度118℃の条件下、6.0h連続流通反応させたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、5.0時間目から6.0時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは8.7重量%であった。
【0022】
実施例4
o−イソプロピルフェノール及びα−メチルスチレンを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.51ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン:0.51ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン/o−イソプロピルフェノール:1.0モル/モル)を206グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.4グラム/時及び空気を260Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度119℃の条件下、6.0h連続流通反応させたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、5.0時間目から6.0時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは8.5重量%であった。
【0023】
比較例1
o−イソプロピルフェノールを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.51ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン:0.17ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン/o−イソプロピルフェノール:0.3モル/モル)を213グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.6グラム/時及び空気を260Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度120℃の条件下、5.5h連続流通反応させたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、4.5時間目から5.5時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは8.1重量%であった。
【0024】
比較例2
o−イソプロピルフェノール及びα−メチルスチレンを含有するイソプロピルベンゼン溶液(o−イソプロピルフェノール:0.51ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン:0.17ミリモル/キログラム、α−メチルスチレン/o−イソプロピルフェノール:0.3モル/モル)を205グラム/時、炭酸ナトリウムを含む水溶液を6.8グラム/時及び空気を174Nml/分でそれぞれ供給し、圧力0.65MPa−G、温度119℃の条件下、6.0h連続流通反応させたこと以外は、実施例1と同様に行った。その結果、反応が定常化した状態での排ガス中の酸素濃度は2体積%であり、5.5時間目から6.0時間目に回収された回収液の油層を分析すると、油相中のイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドは6.2重量%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.01〜10ミリモル/キログラムのフェノール類を含有するアルキルベンゼン溶液を含酸素ガスで酸化するアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法であって、該アルキルベンゼン溶液中に一般式(I)で表される化合物を含み、かつ該アルキルベンゼン溶液中のフェノール類に対する一般式(I)で表される化合物の比が0.4モル/モル以上であるアルキルベンゼンハイドロパーオキサイドの製造方法。


(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示し、これらは互いに結合して非芳香族性の環を形成してもよい。)
【請求項2】
アルキルベンゼンがイソプロピルベンゼンであり、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドがイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドである請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
アルキルベンゼンがエチルベンゼンであり、アルキルベンゼンハイドロパーオキサイドがエチルベンゼンハイドロパーオキサイドである請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
アルキルベンゼン溶液中の一般式(I)で表される化合物の濃度が0.1〜20ミリモル/キログラムである請求項1記載の製造方法。