説明

アルキル化剤の調製及び使用

【課題】放射性医薬品の合成又は修飾に使用し得る、標的化合物を迅速かつ有効にアルキル化するための組成物及び方法を提供する。
【解決手段】
X-(CR1R2)aCR3R4-LG(式中、aは、0、1、2又は3であり、R1、R2、R3及びR4は、独立にH、X又はアルキルであり、Xは、ハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンである、LGは、脱離基である)を有するアルキル化剤を合成し、アルキル化剤を、アルキル化反応性基を含む標的化合物のアルキル化に適した条件下で、標的化合物と反応させる。アルキル化剤の合成は、約40℃〜80℃未満の温度で起こる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本件出願は継続している、2003年7月24日に出願された、米国特許出願第60/490,233号(参考として明らかに含まれる)の35 U.S.C. 119(e)による出願日の利益を主張する。
本発明は、一般に、有機化学、更に特別にはアルキル化剤の合成方法及び使用の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキル化方法は非常に多くの化合物を合成し、修飾するのに使用されていた(例えば、米国特許第6277982号、同第6278020号、同第6281380号、同第6281399号、同第6281405号、同第6288233号、同第6291716号、同第6291724号、同第6294499号、同第6303840号、同第6307048号、同第6313362号、同第6315964号、同第6339179号、同第6355839号、同第6376729号、同第6376730号、同第6387705号、同第6388157号、同第6392114号、同第6395871号、同第6395945号、同第6423871号、同第6429349号、同第6440886号、同第6448458号、同第6479721号、同第6486374号、同第6492571号、同第6500998号、同第6504071号、同第6512153号、同第6515169号、同第6525234号、同第6528316号、同第6541655号、同第6548113号、同第6552241号、同第6555722号、同第6642425号、同第6642426号、同第6664432号、同第6673977号、同第6677269号、同第6709638号、同第6747152号、同第6750354号、同第6759349号を参照のこと)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの方法は典型的には反応中間体の合成及び精製の多工程及び/又は望まれない副生物の除去を必要とする。それ故、これらの方法は、特に放射性同位元素が比較的短い寿命であり、かつ放射能標識化合物が放射性トレーサー又はイメージング剤としての使用に意図されている場合に、放射能標識化合物の合成又は修飾に不適であり、又は使用が制限されることがあり得る。こうして、放射能標識化合物の合成又は修飾に使用し得る迅速かつ有効なアルキル化方法についての要望が当業界にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、放射性医薬品の合成又は修飾に使用し得る、標的化合物を迅速かつ有効にアルキル化するための組成物及び方法を提供する。
本開示は一つ以上のアルキル化反応性基を含む標的化合物のアルキル化方法を提供する。或る実施態様において、その方法はアルキル化剤を合成することを含む。或る実施態様において、アルキル化剤は一つ以上の脱離基及びアルキル化部分を含んでもよい。或る任意の実施態様において、アルキル化剤は検出可能な部分を含んでもよい。或る実施態様において、アルキル化部分は検出可能な部分を含んでもよい。或る実施態様において、検出可能な部分は放射性同位元素であってもよい。
或る実施態様において、アルキル化剤は介在精製工程なしにアルキル化反応に利用し得る。それ故、或る実施態様において、アルキル化剤は、一旦合成されると、標的化合物を直接アルキル化するのに使用し得る。或る実施態様において、アルキル化剤の合成及び標的化合物のアルキル化が単一容器中で起こり得る。
或る実施態様において、開示された方法の種々の局面が一般目的又は特別な目的の装置により自動化し得る。或る実施態様において、その装置はデータを貯蔵し、かつ/又はコンピュータプログラムコード指令を実行するためのプロセッサー又はコンピュータを含んでもよい。それ故、或る実施態様において、特定の様式で機能するようにコンピュータを誘導するためのコンピュータ読み取り可能なメモリーが利用し得る。コンピュータ又はプロセッサーは開示された方法のあらゆる一つ以上の局面を制御し得る。
開示のその他の局面において、アルキル化され、かつ/又は標識された標的化合物が提供される。或る実施態様において、標的化合物は放射性の検出可能な部分で標識し得る。
それ故、或る実施態様において、アルキル化され、かつ/又は標識された標的化合物が治療薬、トレーサー、及び/又はin vitroもしくはin vivoのイメージング剤として使用し得る。或る実施態様において、標識標的化合物が陽電子放出断層撮影法のためのイメージング剤として使用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】一実施態様による、アルキル化剤、〔18F〕フルオロエタントシレートの合成を示す。
【図2】一実施態様による、アルキル化剤、〔18F〕フルオロメタントシレートの合成を示す。
【図3】一実施態様による、ジメチルエタノールアミンの〔18F〕フルオロアルキル化を示す。
【図4】一実施態様の、〔18F〕フルオロアルキル化された四級アミン、3-キヌクリジニルベンジレート(MQNB)の構造を示す。
【図5】一実施態様の、〔18F〕フルオロアルキル化された四級アミン、ネオスチグミン、アセチルコリンエステラーゼインヒビターの構造を示す。
【図6】一実施態様の、〔18F〕フルオロアルキル化された四級アミン、N-メチル-4-フェニル-ピリジニウム(MPP)、ニューロトキシンの構造を示す。
【図7】一実施態様に従って、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の〔18F〕フルオロメチルトシレートを使用するチロシン(Tyr)のO-フルオロアルキル化を示す。
【図8】一実施態様の、カルボン酸、安息香酸のO-フルオロアルキル化を示す。
【図9】一実施態様の、ベンジルメルカプタン(α-トルエンチオール)のS-フルオロアルキル化を示す。
【図10】一実施態様の、アルキル化剤の自動化合成、標的化合物(Tc)のアルキル化及びアルキル化された標的化合物の精製に適したシステムを示す略図を示す。
【図11】一実施態様の、放射アルキル化された標的化合物の合成の工程系統図を示す。図の左の数値は例示された合成のおよその時点を示す。
【図12】一実施態様の、共有結合された四級アンモニウム塩を含むポリマー樹脂、ポリスチレン4-ジアルキルアミノピリジニウムの構造を示す。図中、R11及びR12はアルキル基である。
【図13】一実施態様の〔18F〕標識されたメチオニンを生成するためのシステインの〔18F〕フルオロアルキル化及びペプチドのアミノ末端への〔18F〕標識されたメチオニンの結合を示す。
【図14】一実施態様の、放射能検出器を使用する〔18F〕FEChのHPLCトレーシング(mV vs. 分)を示す。トレーシングは主放射能ピーク、〔18F〕FEChを示す。
【図15】一実施態様の、紫外線(UV)検出器を使用する〔18F〕FEChのHPLCトレーシング(吸光度単位(AU) vs. 時間)を示す。トレーシングはUV吸収により検出可能な主ピーク、ジメチルエタノールアミンを示す。〔18F〕FEChはUV吸収により検出できない。
【図16】一実施態様の、放射能検出器を使用する〔18F〕FCHのHPLCトレーシング(mV vs.分)を示す。トレーシングは主放射能ピーク、〔18F〕FCHを示す。
【図17】一実施態様の、放射能検出器を使用する〔18F〕FCHのHPLCトレーシング(mV vs.分)を示す。トレーシングはUV吸収により検出可能な主ピーク、ジメチルエタノールアミンを示す。〔18F〕FCHはUV吸収により検出できない。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示はアルキル化剤の合成方法及び標的化合物のアルキル化方法の発見に関する。或る実施態様において、アルキル化剤は標識し得る。或る実施態様において、標識はアルキル化反応で標的化合物に転移し得る。或る実施態様において、アルキル化標的化合物はトレーサー分子、イメージング剤又は治療薬としての用途がある。こうして、或る実施態様において、標識アルキル化標的化合物はin vivo又はin vitroの細胞又は組織の代謝又は生理状態を測定するのに使用し得る放射性医薬品であってもよい。それ故、或る実施態様において、本開示は組織又は細胞中の放射性化合物を検出又は監視する方法を提供する。
或る実施態様において、検出又は監視される放射性化合物は細胞又は組織の代謝又は生理状態を評価するのに使用し得る。
或る実施態様において、開示された方法は単一反応容器中のアルキル化剤の合成及び標的化合物のアルキル化を含む。或る実施態様において、その合成及びアルキル化反応は介在精製工程のない対にされた操作であってもよい。或る実施態様において、これらの方法はアルキル化標的化合物を単離又は精製することを更に含む。
或る実施態様において、開示された方法の一つ以上の局面が自動化し得る。こうして、種々の実施態様において、開示は夫々が開示された方法の一つ以上の工程に適した反応条件を実施し、かつ/又は与えることができる一つ以上の自動化モジュールを提供する。或る実施態様において、一つ以上のモジュールはデータ及び/又はコマンドを貯蔵するためのプロセッサーを有する装置により制御し得る。
【0007】
本明細書の“アルキル化剤”及び文法上の均等物はアルキル化反応で別の化合物、例えば、標的化合物のアルキル化反応性中心又は基に転移し得るアルキル基を生成するのに適した部分を有する化合物を表す。本明細書の“アルキル化反応”、“アルキル化すること”、“アルキル化”及び文法上の均等物はアルキル基が置換及び/又は付加により化合物のアルキル化反応性中心又は基に転移される反応を意味する。こうして、或る実施態様において、アルキル基はアルキル化標的化合物を生成するために標的化合物のアルキル化反応性中心に転移し得る。本明細書の“アルキル化反応性中心”、“アルキル化反応性基”及び文法上の均等物はアルキル基がアルキル化剤から化合物に転移し得る方法でアルキル化剤と反応する化合物の少なくとも一つの原子を意味する。或る実施態様において、本明細書の“アルキル基”及び文法上の均等物は一般式CnH(2n+1)の一連の1価の基のいずれかを表す。こうして、種々の例示の実施態様において、アルキル基はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、C2H3等であってもよく、また以下に更に記載されるようなものであってもよい。或る実施態様において、アルキル基は検出可能な部分を更に含んでもよい。
種々の例示の実施態様において、アルキル化反応は当業界で知られているような、SN1又はSN2メカニズムによるアルキル化剤の電子不足領域への標的化合物のアルキル化反応性中心の求核的攻撃を含んでもよい(例えば、Jerry March著Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanism, and Structure. 293-871(第4編John Wiley & Sons 1992)を参照のこと)。それ故、当業者は、或る実施態様において、アルキル化剤が一つ以上の脱離基(LG)を更に含むことを認めるであろう。本明細書の“脱離基”及び文法上の均等物は分子、例えば、有機分子から分離する原子又は分子を意味する。或る実施態様において、残留部分は標的化合物に共有結合されるようになるアルキル基であってもよい。それ故、種々の例示の実施態様において、脱離基は、特定の反応で基質の残留部分又は主要部分と考えられるもの中の原子又は分子から分離されるようになる、荷電又は未荷電の、原子又は基であってもよい。アルキル化剤から離れる脱離基の能力は脱離基の不安定性の関数であり得る。こうして、脱離基はアルキル化反応におけるアルキル化剤の固有の反応性に影響し得る。或る実施態様において、脱離基の共役酸のpKaが低い程、脱離基は良好である。何とならば、或る実施態様において、脱離基はアルキル化反応で起こり得る発生する負の電荷を一層容易に安定化し得るからである。それ故、或る実施態様において、脱離基は電気陰性原子又は分子であってもよい。脱離基の例として、アセテート(AcO)、p-ニトロベンゾエート(PNBO)、スルホネート(例えば、メタンスルホネート(メシレート:MsO)、p-トルエンスルホネート(トシレート:TsO)、p-ブロモベンゼンスルホネート(ブロシレート:BsO)、p-ニトロベンゼンスルホネート(ノシレート:NsO)、フルオロメタンスルホネート、ジフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート(トリフレート:TfO)及びエタンスルホネート)、NH3、ハライドエステル、ハロゲンイオン(例えば、I-、Br-、Cl-)及びH2Oが挙げられるが、これらに限定されない。それ故、種々の例示の実施態様において、アルキル化剤として、(TsO)2CH2、(TsO)CH3、(TsO)2C2H5、(TsO)2C3H7、(MsO)C2H5、(I)2CH2、(I)CH3、(I)2C2H5、(I)2C3H7、(I)C2H5、(Br)2CH2、(Br)CH3、(Br)2C2H5、(Br)2C3H7、(Br)C2H5等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
或る実施態様において、アルキル化剤は一つ以上の標識を含む。或る実施態様において、標的化合物に転移するのに適した基又は部分(即ち、アルキル化部分)は一つ以上の標識を含む。本明細書の“標識”、“検出可能な部分”、及び文法上の均等物は検出又は監視に適した分子又は化合物のあらゆる区別できる特徴を意味する。それ故、標識は化合物の固有の特徴及び/又は化合物に共有結合又は非共有結合される部分であってもよい。標識は当業界で公知であり、標識を含む化合物を合成し、使用し、かつ/又は検出する方法に基づいて専門家の判断で選ばれる。当業者は、或る実施態様において、標識が標識を含む化合物の機能又は活性を実質的に妨害又は抑制しないことを認めるであろう。それ故、或る実施態様において、アルキル化剤の標識はアルキル化剤による、別の化合物、例えば、標的化合物のアルキル化を実質的に妨害しないかもしれない。標識はそれが結合し得る化合物の活性又は機能を妨害し得る程度を決めることは、当業者の能力の範囲内である。
種々の例示の実施態様において、標識として、蛍光体(例えば、参考として明らかに含まれる、Richard P. Haugland著、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals第6編(Michelle T.A. Spence編集、Molecular Probes, Inc. 1996));リガンド(例えば、ハプテン、ビオチン)、移動度改良剤(例えば、参考として明らかに含まれる、米国特許第5470705号、同第5514543号、同第6395486号)、コードされたマイクロビード(例えば、参考として明らかに含まれる、米国特許第6630307号、同第6500622号、同第6274323号)、酵素標識、有機又は無機化合物、放射能標識(例えば、18F、11C、14C、123I、124I、125I、131I、76Br)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。或る実施態様において、放射能標識は高い比活性、例えば、少なくとも約600mCi/ミリモルもしくはそれ以上及び/又は短い陽電子範囲、例えば、約2mmから約5mmまでを有することが好ましい。或る実施態様において、その位置範囲は約2mm未満であってもよい。それ故、或る実施態様において、放射能標識は陽電子放出断層撮影法(PET)を含むが、それに限定されないラジオイメージング技術に適した陽電子エミッターであってもよい。
【0009】
或る実施態様において、アルキル化剤は式Iの構造を有し、アルキル化部分、脱離基及び標識を含む。
X-(CR1R2)aCR3R4-LG (I)
式中、
aは0から3までの整数であり、
R1、R2、R3及びR4は独立にH、X又はアルキルであり、
XはH、ハロゲン又は標識であり、かつ
LGは脱離基である。
或る実施態様において、
aが1であり、
R1、R2、R3、及びR4がHであり、
Xが18F、123I、124I、125I、131I又は76Brであり、かつ
LGがスルホン酸エステルである。
或る実施態様において、
aが0であり、
R3及びR4がHであり、
Xが〔18F〕であり、かつ
LGがトシレート、メシレート又はトリフレートである。
【0010】
或る実施態様において、
aが0であり、
R3及びR4がH又はXであり、
Xが〔18F〕であり、かつ
LGがトシレート、メシレート又はトリフレートである。
こうして、種々の例示の実施態様において、放射能標識を含むアルキル化剤として、ハロアルキルスルホネート、例えば、〔18F〕フルオロアルキルスルホネート(例えば、〔18F〕フルオロエタンスルホネート(例えば、〔18F〕フルオロエタントシレート、〔18F〕フルオロエタンメシレート、〔18F〕フルオロトリフレート)、〔18F〕フルオロメタンスルホネート(例えば、〔18F〕フルオロメタントシレート、〔18F〕フルオロメタンメシレート、〔18F〕フルオロメタントリフレート))、〔76B〕ブロモアルキルスルホネート(例えば、〔76B〕ブロモエタンスルホネート(例えば、〔76B〕ブロモエタントシレート、〔76B〕ブロモエタンメシレート、〔76B〕ブロモエタントリフレート)、〔76B〕ブロモメタンスルホネート(例えば、〔76B〕ブロモメタントシレート、〔76B〕ブロモメタンメシレート、〔76B〕ブロモメタントリフレート))、〔125I〕ヨードアルキルスルホネート(例えば、〔125I〕ヨードエタンスルホネート(例えば、〔125I〕ヨードエタントシレート、〔125I〕ヨードエタンメシレート、〔125I〕ヨードエタントリフレート)、〔125I〕ヨードメタンスルホネート(例えば、〔125I〕ヨードメタントシレート、〔125I〕ヨードメタンメシレート、〔125I〕ヨードメタントリフレート))等が挙げられるが、これらに限定されない。
種々の例示の実施態様において、アルキル化剤は標的化合物をアルキル化又は標識する方法に用途がある。本明細書の“標的化合物”及び文法上の均等物は一つ以上のアルキル化反応性中心を含む化合物を表し、それ故、本明細書に開示された方法により、単独又はあらゆる組み合わせの、一種以上のアルキル化剤によりアルキル化し得る。或る実施態様において、2種以上の標的化合物が一種以上のアルキル化剤により同時及び/又は連続にアルキル化されてもよい。同時又は連続の一種以上のアルキル化剤によるアルキル化についての一種以上の標的化合物又は一つ以上のアルキル化反応性中心の適性の決定は当業者の能力の範囲内にある。或る実施態様において、標的化合物は上記のように標識を含む。
それ故、或る実施態様において、標識はアルキル化及び/又はアルキル化標的化合物の使用を実質的に妨害又は抑制しない。
【0011】
或る実施態様において、標的化合物のアルキル化反応性中心又は基はアルキル化反応に適した求核体であってもよい。アルキル化反応性中心の例として、N、O、S、P、C、アルデヒド、脂肪族炭素、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール(-OH)、アミン(例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミン及び四級アミン)、芳香族化合物(例えば、ベンゼン、フェノール)、カルボン酸(-COOH)、エステル、ジアゾニウムイオン、ジチアン、エナミン、エノレート、複素環、ヒドラゾン、イミン、ケトン、ニトリル、オキサジン、オキサゾリン、セレン酸化物、スルホン、スルホネート、並びにこれらの環状、線状、及び分岐の、置換及び未置換の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。参考として明らかに含まれる、Dictionary of Chemical Terms (Parkerら編集, McGraw-Hill Book Co.)、Encyclopedia of Chemistry (Considineら編集, 第4編, Van Nostrand Reinhold Co.), March, Advanced Organic Chemistry)を参照のこと。或る実施態様において、アルキル化反応性基はアルキル、置換アルキル、飽和及び不飽和シクロアルキル、アリール、置換アリール、スルフヒドリル(-SH)、アミノ、並びに、例えば、窒素、酸素、硫黄、及びこれらの組み合わせの一つ以上を含む飽和及び不飽和複素環であってもよい。
【0012】
本明細書の“アルキル基”は親のアルカン、アルケン又はアルキンの単一炭素原子からの一つの水素原子又は脱離基の除去により誘導された飽和又は不飽和、分岐、直鎖又は環状の1価の炭化水素基を意味する。分岐している場合、それは一つ以上の位置で、また明記されない限り、あらゆる位置で分岐していてもよい。典型的なアルキル基として、メチル;エチル、例えば、エタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えば、プロパン-1-イル、プロパン-2-イル、シクロプロパン-1-イル、プロプ-1-エン-1-イル、プロプ-1-エン-2-イル、プロプ-2-エン-1-イル(アリル)、シクロプロプ-1-エン-1-イル、シクロプロプ-2-エン-1-イル、プロプ-1-イン-1-イル、プロプ-2-イン-1-イル等;ブチル、例えば、ブタン-1-イル、ブタン-2-イル、2-メチル-プロパン-1-イル、2-メチル-プロパン-2-イル、シクロブタン-1-イル、ブト-1-エン-1-イル、ブト-1-エン-2-イル、2-メチル-プロプ-1-エン-1-イル、ブト-2-エン-1-イル、ブト-2-エン-2-イル、ブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブタ-1,3-ジエン-2-イル、シクロブト-1-エン-1-イル、シクロブト-1-エン-3-イル、シクロブタ-1,3-ジエン-1-イル、ブト-1-イン-1-イル、ブト-1-イン-3-イル、ブト-3-イン-1-イル等が挙げられるが、これらに限定されない。
こうして、或る実施態様において、“アルキル基”はあらゆる程度又はレベルの飽和を有する基、即ち、専ら単一の炭素−炭素結合を有する基、一つ以上の二重の炭素−炭素結合を有する基、一つ以上の三重の炭素−炭素結合を有する基並びに単一の炭素−炭素結合、二重の炭素−炭素結合及び三重の炭素−炭素結合の混合物を有する基を表す。特別のレベルの飽和が意図されている場合、“アルカニル”、“アルケニル”、及び“アルキニル”という表現が使用される。種々の例示の実施態様において、アルキル基は約1個から約20個までの炭素原子(C1-C20アルキル)、約1個から約15個までの炭素原子(C1-C15アルキル)、約1個から約10個までの炭素原子(C1-C10アルキル)、もしくは約1個から約6個までの炭素原子(C1-C6アルキル)、又は約1個から約3個までの炭素原子(C1-C3)を含む。
【0013】
“置換アルキル基”という用語は1個以上の水素原子が置換基、例えば、ハライド(例えば、F、Br、I、Cl)、アルキル、アミン、芳香族化合物、アリール、ヒドロキシル、カルボニル、ジアゾ、イミン、ニトリル、ニトロ、スルフヒドリル及びスルホニルにより置換されている先に定義されたアルキル基を表す。
“シクロアルキル基”という用語は約20個までの炭素原子(C20)を有する環状構造を有する先に定義されたアルキル基を表す。種々の例示の実施態様において、シクロアルキルは単環式又は多環式、例えば、二環式であってもよい。シクロアルキル基は必要により一つ以上の炭素−炭素二重結合を含んでもよく、但し、その基が芳香族ではないことを条件とする。それ故、種々の例示の実施態様において、シクロアルキル基は飽和又は不飽和であってもよい。
本明細書に使用される“アリール基”は約6個から約20個までの炭素原子(C6-C20アリール)、約6個から約15個までの炭素原子(C6-C15アリール)又は約6個から約10個までの炭素原子(C6-C10アリール)を含む芳香族単環式又は多環式炭化水素基並びにこれらのあらゆる炭素環式ケトン又はチオケトン誘導体を表し、自由な原子価を有する炭素原子が芳香族環の一員である(例えば、アリールとして、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-5-ナフチル、1-オキソ-1,2-ジヒドロ-5-ナフチル、1-チオキソ-1,2-ジヒドロ-5-ナフチル等が挙げられる)。
或る実施態様において、アリールはヘテロアリールであってもよい。“ヘテロアリール基”は合計で6個から20個までの原子を含む芳香族単環式又は多環式炭化水素基(示された炭素原子の少なくとも1個から約5個までがN、O、S、P又はAsから選ばれたヘテロ原子により置換されており、自由原子価を有する原子が芳香族環の一員である)、並びにこれらの複素環ケトン及びチオケトン誘導体(例えば、チエニル、フリル、ピロリル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、インドリル、ベンゾ〔b〕チエニル、イソベンゾフラニル、プリニル、イソキノリル、プテリジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリル、ピラジニル、4-オキソ-1,2-ジヒドロ-1-ナフチル、4-チオキソ-1,2-ジヒドロ-1-ナフチル等)を表す。こうして、ヘテロ(C6)アリールとして、ピリジル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
【0014】
或る実施態様において、アリールは置換アリールであってもよい。“置換アリール基”は1個以上の水素原子が置換基、例えば、ハライド(例えば、F、Br、I、Cl)、アルキル、アミン、芳香族化合物、アリール、ヒドロキシル、カルボニル、ジアゾ、イミン、ニトリル、ニトロ、スルフヒドリル及びスルホニルにより置換されている先に定義されたアリール基を表す。
本明細書に使用される“複素環”は一種より多い原子を含む環を表す。それ故、或る実施態様において、複素環として、環中に少なくとも一種の別の原子を有する炭素環が挙げられるが、それに限定されない。種々の例示の実施態様において、複素環は飽和又は不飽和であってもよい。或る実施態様において、ヘテロ原子が環構造に結合し得る。或る実施態様において、複素環は一つ以上の環中に20個までの原子を有し得る。それ故、種々の例示の実施態様において、複素環は単環式又は多環式、例えば、二環式であってもよい。
それ故、種々の例示の実施態様において、標的化合物は有機化合物、無機化合物、天然産化合物(例えば、天然から単離される)(例えば、ポリペプチド、核酸、ホルモン、サイトカイン、抗体等)、非天然産化合物(例えば、合成又は天然に生じることが知られていない、例えば、ペプチド核酸(PNA))、医薬品(例えば、坑ウイルス薬、プロドラッグ)及び/又はこれらの組み合わせを含んでもよい。或る実施態様において、標的化合物は生物学的化合物であってもよい。本明細書の“生物学的化合物”、“生化学的化合物”及び文法上の均等物はin vivo(例えば、被験者中)又はin vitro(例えば、組織培養液中又はアッセイ中)で少なくとも一つの生物学的又は生化学的活性を有する化合物を意味する。それ故、種々の例示の実施態様において、生物学的に活性な化合物は別の分子及び/又は細胞に特異的又は非特異的に結合してもよく、かつ/又は関係する細胞に侵入してもよい。或る実施態様において、細胞は原核生物の細胞、真核生物の細胞(例えば、腫瘍細胞)、血球、無核細胞、除核細胞等であってもよい。種々の例示の実施態様において、結合は分子(例えば、抗体又はその結合フラグメント)、分子のクラス(例えば、MHCクラスII分子)、特異性受容体又は受容体のクラス等に対するものであってもよい。或る実施態様において、生物学的に活性な化合物は一つ以上の細胞膜及び/又は細胞壁を横断することが好ましい。或る実施態様において、生物学的に活性な化合物は細胞の器官又は領域(例えば、細胞質、ミトコンドリア、小胞体、膜の一つ以上の表面等)中に蓄積してもよい。生物学的に活性な化合物は種々のメカニズム、例えば、活性又は受動的メカニズムにより細胞に侵入してもよい。これらのメカニズムとして、拡散メカニズム及び飲食作用のメカニズム、例えば、受容体媒介エンドサイトーシス、並びに活性及び受動的輸送が挙げられるが、これらに限定されない。或る実施態様において、生物学的に活性な化合物はその他の細胞を実質的に越える速度又は大きさで関係する細胞により吸収される。こうして、本開示はその他の細胞を超える速度で関係する細胞に侵入する生物学的に活性な化合物及びその他の細胞中の濃度を越える最終濃度で関係する細胞中に蓄積する生物学的に活性な化合物を意図している。例えば、或る実施態様において、生物学的化合物は非腫瘍細胞と較べて腫瘍細胞に優先的に侵入し得る。
【0015】
或る実施態様において、細胞への侵入後に、生物学的に活性な化合物は細胞により代謝され、それにより生物学的に活性な化合物の疎水性が変化し得る。或る実施態様において、生物学的に活性な化合物の疎水性は、一旦修飾されると、低下されて細胞中の化合物の保持を促進する。生物学的に活性な化合物の疎水性は幾つかの細胞プロセス、例えば、酸化(例えば、カルボニルへのヒドロキシル基の変換)、又は疎水性基(例えば、アルキル)の除去による、極性基(例えば、ヒドロキシル)又は荷電された基(例えば、ホスフェート、カルボキシレート)の付加により低下し得る。生物学的に活性な化合物の疎水性が低下し得る方法は当業者の能力の範囲内であり、生物学的に活性な化合物及び関係する細胞の代謝プロセスに基づき得る。
【0016】
生物学的に活性な化合物の例として、コリン、ジメチルエタノールアミン(DeGradoら (2001) J. Nucl. Med. (42:1805-1814);米国特許第6630125号; Haraら (2002) J. Nucl. Med. 43(2):187-199; Haraらの特許庁、特許ジャーナル(A)、公開特許出願平成9年〔1997年〕第48747号)、モルヒネ、ヘロイン、ペチン、タモキシフェン、コデイン、ニコチン、チオプロペラジン、ジアゼパム、カフェイン、フルニトラゼパム、ヘキサメトニウム、メチオジド、キヌクリジニルベンジレート、グルコース、デオキシグルコース、乳酸、ヘキソバルビタール、チミジン、ヨードアンチピリン、アンチピリン、コエンザイムQ、アデノシルメチオニン、フェニルアミン(Huangら (2002) Nuc. Med. Biol. 29(741-751))、CP-126,998(Musachioら (2002) Nucl. Med. Biol. 29:547-552)、コカイン誘導体(Schonbachlerら (2002) Nucl Med. Biol. 29:19-27)、タンパク質及びペプチド(米国特許第6358489号)、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト(米国特許第6241964号、同第6187284号)、スピロペリドール(U.S. Inv. Reg. H1209、米国特許第4871527号)、脂肪酸(米国特許第6362352号)、血小板GPIIb/IIIa受容体アンタゴニスト(米国特許第5879657号、同第6022523号)、フルオロミソニダゾール(米国特許第5886190号)、タモキシフェン誘導体(米国特許第5219548号)、オピオイドリガンド(米国特許第4775759号;Ravertら (2002) Nucl. Med. Biol. 29:47-53; Ogawaら (2001) Nucl. Med. Biol. 28:941-947)、非ステロイド芳香族化合物(米国特許第6019957号)、アミノ酸類似体(米国特許第5187776号、同第5808146号)、MQNB、ネオスチグミン、MPP、NMS、アミノ酸(例えば、チロシン(例えば、-OH)、セリン(例えば、-OH)、スレオニン(例えば、-OH)、システイン(例えば、チオ)、アスパラギン酸(例えば、-COOH)、グルタミン酸(例えば、-COOH))、カルボン酸(例えば、安息香酸及びアミノ酸)、スピペロン、スピロペリドールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
アルキル化剤は二置換アルキル前駆体から合成し得る。それ故、或る実施態様において、アルキル化剤の前駆体は式IIの構造を有してもよい。
LG1-(CR1R2)aCR3R4-LG2 (II)
式中、
aは0〜2であり、
R1、R2、R3及びR4は独立にH、標識、CH3、C2H3であり、かつ
LG1及びLG2は脱離基である。
或る実施態様において、
aが0〜1であり、
R1、R2、R3及びR4がHであり、かつ
LG1及びLG2がスルホン酸エステル又は18F、123I、124I、125I、131I、76Brである。
或る実施態様において、
aが0〜1であり、
R1、R2、R3及びR4がHであり、かつ
LG1及びLG2が独立にトシレート、メシレート又はトリフレートである。
或る実施態様において、
aが1であり、
R1、R2、R3及びR4がHであり、かつ
LG1及びLG2が両方ともトシレート、メシレート又はトリフレートである。
或る実施態様において、
aが0であり、
R3及びR4がHであり、かつ
LG1及びLG2が両方ともトシレート、メシレート又はトリフレートである。
【0018】
こうして、種々の例示の実施態様において、アルキル化剤の前駆体として、ジスルホン酸エステル、例えば、ジトシルエタン、ジメシルエタン、ジトリフルエタン、ジトシルメタン、ジメシルメタン及びジトリフリルメタンが挙げられるが、これらに限定されない。
或る実施態様において、アルキル化剤はその前駆体をハロゲン化することにより合成し得る。或る実施態様において、ハロゲンは放射性同位元素(例えば、18F、123I、124I、125I、131I、76Br)であってもよく、それ故、また標識であってもよい。好ましい実施態様において、ハロゲンが18Fであってもよい。或る実施態様において、18Fが〔18F〕フッ化物であってもよく、当業界で知られているような幾つかの方法により製造し得る。或る実施態様において、18Fは〔18O〕H2Oをサイクロトロン中で高エネルギープロトンで照射して当業界で知られているような〔18F〕HF/〔18O〕H2Oを製造することにより製造し得る400。或る実施態様において、〔18F〕フッ化物は当業界で知られているようなイオン交換クロマトグラフィー410及びその他の方法を含むが、これらに限定されないクロマトグラフィーにより精製し得る。
その他の放射性同位元素を製造する方法が当業界で知られている(例えば、Handbook of Radiopharmaceuticals (Welch及びRadvanly編集, John Wiley & Sons, 2003)及びChemists' View of Imaging Centers 291-295 (Emran編集, Penum Press 1995)を参照のこと)。例えば、ヨード放射性核種の製造方法がHandbook of Radiophamaceuticals 423-400 (Welch及びRedvanly編集, John Wiley & Sons, 2003)中のFinn, Chemistry Applied to Iodine Radionuclides、及びChemists' View of Imaging Centers 291-295 (Emran編集, Penum Press 1995)中のWashburnら, Production and Application of 123I-Labeled M-Iodobenzylguanidine (123I-MIBG)に見られる。ブロモ放射性核種の製造方法がHandbook of Radiophamaceuticals 423-400 (Welch及びRedvanly編集, John Wiley & Sons, 2003)中のRowlandら, Radiobromine for Imaging and Therapy 441-465に見られる。
【0019】
或る実施態様において、前駆体のハロゲン化はBlockら, 1987, J. Label. Compds. Radiopharm. 24:1029-41により記載されたとおりであってもよい。しかしながら、或る実施態様において、ハロゲン化反応の温度がアルキル化剤の収率を決めるのに重要であり得る。それ故、種々の例示の実施態様において、ハロゲン化反応の温度は約40℃から80℃以下まで、約40℃から約50℃まで、約45℃から約50℃まで、又は約20℃から約50℃までであってもよい。一般に、理論により束縛されないが、アルキル化剤前駆体をハロゲン化する場合、合成されるアルキル化剤はジハロアルカンを含むが、これらに限定されない、副生物の合成において生じる前駆体よりもハロゲンと反応性であり得る。それ故、低温(例えば、約50℃以下)が副生物の合成を減少し得る。当業者は低温がハロゲン化反応の速度を低下することを認めるであろう。それ故、ハロゲンが放射性同位元素である、或る実施態様において、その反応の温度及び速度が反応中の放射性同位元素崩壊の程度を最小にするために調節し得る。ハロゲン化反応の最適の温度及び速度の範囲の決定は当業者の能力の範囲内にある。しかしながら、或る実施態様において、約40℃以下の温度は放射性同位元素が約2時間以下である半減期を有する場合に不適であるかもしれない。或る実施態様において、ハロゲン化はクリプトフリックス(登録商標)(例えば、クリプトフリックス(登録商標)2.2.2)又は塩基性テトラアルキルアンモニウム塩(例えば、重炭酸テトラブチルアンモニウム)を含むが、これらに限定されない、触媒の存在下で起こり得る410。或る実施態様において、炭酸カリウムがハロゲン化物イオン、例えば、〔18F〕フッ化物イオンの対イオンを与え得る。しかしながら、対イオンの源及び型の選択は当業者の能力の範囲内にあり、専門家の判断で選ばれたハロゲン化物イオン及び/又は標的化合物の型により影響し得る。或る実施態様において、ハロゲン化反応は、振とう、混合及び実質的に不活性のガス(例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム等)を反応液に吹き込むことを含むが、これらに限定されない、あらゆる手段により撹拌し得る450。或る実施態様において、撹拌は反応中にできるだけ長く維持し得る。
【0020】
種々の例示の実施態様において、固体支持体又は樹脂がジハロアルキル副生物の合成を最小にし、又は抑制するのに使用し得る。或る実施態様において、固体支持体又は樹脂は前駆体をハロゲン化するのに使用し得るハロゲン化物イオンに結合する。或る実施態様において、アルキル化剤前駆体は上記のようなジスルホン酸エステルであってもよい。或る実施態様において、樹脂は共有結合された四級アンモニウム塩(例えば、四級4-ジアルキルアミノピリジニウム塩)を含むポリマー樹脂、例えば、ポリスチレン(図12)であってもよい。或る実施態様において、固体支持体はQMAであってもよい。
或る実施態様において、精製されたハロゲン化物イオン、例えば、〔18F〕フッ化物イオンは少なくとも約110℃から少なくとも約115℃までの温度におけるアルゴン流の下の共沸乾燥420そして冷却430を含むが、それに限定されない、当業界で知られているような方法を使用して乾燥し得る。或る実施態様において、共沸乾燥温度はこの範囲より高くてもよく、又低くてもよいが、当業者は乾燥が起こる実際の温度ではなくアルキル化剤の合成及びアルキル化剤の下流の使用についてのハロゲン化物イオンの適性に関する乾燥の影響を認めるであろう。
一旦つくられると、アルキル化剤は、或る実施態様において、精製して、又は精製せずに、標的化合物をアルキル化又は標識するのに使用し得る460。本明細書の“精製”、“精製する”、及び文法上の均等物は関係する物質からの異物、例えば、副生物の量を減少することを意味する。それ故、或る実施態様において、アルキル化剤は、一旦つくられると、標的化合物をアルキル化又は標識するのに直接使用し得る。或る実施態様において、標的化合物はアルキル化剤を合成するのに使用された容器に直接添加し得る。それ故、或る実施態様において、アルキル化剤及びアルキル化された標的化合物は対にされた反応(或る実施態様において、それは“ワンポット、2工程”操作であってもよい)で製造し得る。
【0021】
或る実施態様において、標的化合物の量はアルキル化反応の開始時に液体であってもよく、約0.2mLから約0.5mLまでであってもよい。或る実施態様において、標的化合物はニートで使用し得る。或る実施態様において、標的化合物はアセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びテトラヒドロフラン(THF)を含むが、これらに限定されない溶媒中で希釈又は溶解し得る。標的化合物との使用のための溶媒の型の選択は当業者の能力の範囲内である。種々の例示の実施態様において、標的化合物のアルキル化は約10分から約25分までにわたって約100℃、約100℃から約130℃まで、もしくは約100℃から約110℃まで、又は約100℃から約105℃までで起こり、上記のように撹拌し得る460。温度及び反応期間の選択は当業者の能力の範囲内である。
或る実施態様において、標的化合物はスキーム1に従ってアルキル化される。
スキーム1
LG-(CH2)nR5+QmZ→QmZ(CH2)nR5
式中、
nは1から3までの整数であり、
R5はH又は標識(X)であり、
LGは脱離基であり、
QmZは標的化合物のアルキル化反応性中心であり、mは1-4の整数であり、かつ夫々のQは独立にH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アリール及び置換アリール基であり、ZはN、O、S、P又はCである。
或る実施態様において、
nは1から2までの整数であり、
R5は標識(X)であり、
LGはスルホン酸エステルであり、
QmZは標的化合物のアルキル化反応性中心であり、mは1-4の整数であり、かつ夫々のQは独立にH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、アリール及び置換アリールであり、ZはN、O、S、P又はCである。
【0022】
或る実施態様において、
nは1から2までの整数であり、
Xは放射能標識であり、
LGはメシレート、トシレート又はトリフレートであり、
QmZは標的化合物のアルキル化反応性中心であり、mは1-3の整数であり、かつ夫々のQ1-3は独立にメチル及びヒドロキシエチルであり、ZはNである。
標的化合物が一旦アルキル化又は標識されると、或る実施態様において、それは当業界で知られているような種々の手段により精製し得る。例えば、アルキル化された標的化合物は電気泳動、沈殿、抽出、及び/又はカラムクロマトグラフィー470(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、分子排除クロマトグラフィー)により精製し得る。アルキル化又は標識された標的化合物を精製するためのあらゆる一つ以上の精製工程又は方法の決定は当業者の能力の範囲内である。こうして、当業者は、例えば、クロマトグラフィーによるアルキル化又は標識された標的化合物の精製が溶離500の前の一つ以上の洗浄工程480、490を含み得ることを認めるであろう。或る実施態様において、アルキル化又は標識された標的化合物のpH又はイオン強度が続いて変化し得る510。或る実施態様において、アルキル化又は標識された標的化合物はそれが生きている被験者520中の使用に適しているように精製し得る。
限定のためでなく、例示のために、アルキル化された標的化合物はN-フルオロメチル-MQNB(図4)、N-フルオロメチル-MPP(図6)、N-フルオロメチルスピペロン(FNMS)、〔18F〕フルオロメチル-ネオスチグミン、〔18F〕フルオロメチル-チロシン及び3-(2'-フルオロエチル)スピペロン(FESP)であってもよい。或る実施態様において、アルキル化された標的化合物は又標識し得る。それ故、本開示は、或る実施態様において、放射能標識標的化合物を意図している。こうして、種々の例示の実施態様において、上記の夫々中のフッ素は18F、123I、124I、125I、131I、又は76Brにより置換し得る。
或る実施態様において、アルキル化された標的化合物は式IIIの構造を有し得る。
【0023】
【化1】

【0024】
式中、
R'は18F、123I、124I、125I、131I又は76Brであり、
B-は対イオンであり、
bは1から3までの整数であり、
R6、R7、R10は独立にCH3、C2H5、C3H7、C6H5であり、
R8、R9は独立にH、CH3、C2H5である。
それ故、種々の例示の実施態様において、アルキル化された標識化合物はコリン類似体(例えば、N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミン(フルオロコリン:FCH)、N,N-ジメチル-N-フルオロエチルエタノールアミン(フルオロエチルコリン:FECh)、〔18F〕FCH、及び〔18F〕FECh、N,N-ジメチル-N-ブロモメチルエタノールアミン(ブロモコリン:BrCH)、N,N-ジメチル-N-ブロモエチルエタノールアミン(ブロモエチルコリン:BrECh)、〔76Br〕BrCH、及び〔76Br〕BrECh、N,N-ジメチル-N-ヨードメチルエタノールアミン(ヨードコリン:ICH)、N,N-ジメチル-N-ヨードエチルエタノールアミン(ヨードエチルコリン:IECh)、〔125I〕ICH、並びに〔125I〕IECh等であってもよい。
或る別の実施態様において、アルキル化された化合物は、例えば、〔18F〕FCH、〔18F〕FECh又は〔18F〕FDG(フルオロデオキシグルコース)以外であってもよく、そのアルキル化された化合物を調製するのに使用されるアルキル化剤はアルキル化反応の前に精製される。
【0025】
或る実施態様において、〔18F〕標識標的化合物(Tc)の製造方法は反応容器中に〔18F〕フッ化物及びX-(CH2)n-Xを添加して〔18F〕-(CH2)n-X(式中、Xはトシレート、メシレート又はトリフレートであり、かつnは1-4である)を生成し、アルキル化反応性基を含む標的化合物を反応容器に添加して〔18F〕-(CH2)n-Tcを生成し、その反応混合物を第一クロマトグラフィー支持体に通して〔18F〕-(CH2)n-Tcを結合し、〔18F〕-(CH2)n-Tcを支持体から溶離することを含む。或る実施態様において、反応容器は第一クロマトグラフィー支持体と液体連通していてもよい。或る実施態様において、第一クロマトグラフィー支持体は〔18F〕-(CH2)n-Tcの溶離剤のアリコートを個々のバイアルに送出するための分配器と液体連通している出口を有する。或る実施態様において、第二クロマトグラフィー支持体が第一クロマトグラフィー支持体と分配器と液体連通していてもよく、その間に位置されてもよい。
一旦つくられると、アルキル化又は標識された標的化合物(標的化合物誘導体)は当業者の判断でin vivo又はin vitroの用途があり得る。或る実施態様において、アルキル化又は標識された標的化合物は第二標的化合物を修飾又は標識するのに使用し得る。図13に例示されるように、標識されたアミノ酸がペプチドに結合し得る。或る実施態様において、結合の方法は、例えば、Biancoら, 2003, Org. Biomol. Chem. 1(23):4141-3 (Epub 2003年10月22日); Deechongkitら, 2004, Org Lett. 6(4):497-500; Hojoら, 2004, Chem. Pharm. Bull. (東京) 52(4):422-7; Malkinsonら, Org. Lett. 5(26):5051-4; Merrifield, 1995, Biopolymers 37(1):3-4; Merrifield, 1997, Methods Enzymol. 289:3-13; Songら, 2004, Bioorg. Med. Chem. Lett. 14(1):161-5; Stephensonら, 2004, Bioconjug. Chem. 15(1):128-36; Wangら, 1987, Int. J. Pept. Protein Res. 30(5):662-667、並びに米国特許第4507230号、同第4816513号、同第5186898号、同第5233044号、同第5258454号、同第5286846号、同第5380495号、同第5444150号に記載されているような固相ペプチド合成方法を使用し得る。
【0026】
或る実施態様において、標識された標的化合物は治療薬、イメージング剤、放射性医薬品、又はトレーサーとしての用途があるかもしれない。それ故、或る実施態様において、アルキル化又は標識された標的化合物は被験者の細胞又は組織を検出、監視又は分析するのに使用し得る。或る実施態様において、細胞又は組織は良性、悪性、腫瘍性かつ/又は癌であってもよく、イメージング技術により段階付けし得る。或る実施態様において、イメージング技術は陽電子放出断層撮影法(PET)であってもよい。PETを行なうための方法及び技術は当業界で公知である(例えば、米国特許第4563582号、同第4642464号、同第4647779号、同第4677299号、同第4733083号、同第4864138号、同第4864140号、同第5027817号、同第5103098号、同第5138165号、同第5210420号、同第5224037号、同第5319204号、同第5378893号、同第5453623号、同第5591977号、同第5602395号、同第5744802号、同第5827499号、同第5998792号、同第6130430号、同第6288399号、同第6434216号、同第6521893号、同第6674083号、同第6718006号を参照のこと)。こうして、或る実施態様において、アルキル化又は標識された標的化合物は専門家の判断でその意図される用途に従って製剤化し得る。in vivoイメージング剤としての使用について、標識された標的化合物は静脈内注射に適するように製剤化される(例えば、無菌、非発熱性)。或る実施態様において、標識された標的化合物は医薬上許される担体、例えば、医薬上許される塩とともに製剤化され、医薬有効量が被験者に投与される。
本明細書の“医薬上許される塩”は対イオンとともにつくられ、当業界で医薬用途に一般に許されると理解され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有する本発明の化合物の塩を意味する。このような塩として、(1)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等、又は有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタン-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、ショウノウスルホン酸、4-メチルビシクロ〔2.2.2〕-オクト-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、ターシャリーブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等で生成された、酸付加塩、又は(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンにより置換され、又は有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等と配位する場合に生成される塩が挙げられる。又、アルギン酸塩等の如きアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツロン酸等のような有機酸の塩が含まれる(例えば、Bergeら, 1977, J. Pharm. Sci. 66:1-19を参照のこと)。
【0027】
“医薬有効量”又は“治療有効量”は所望の生理学的効果を生じるのに充分な量或いは特に障害もしくは疾患の一つ以上の症候の軽減もしくは排除又は疾患もしくは症状の予防を含む、障害又は症状を診断又は治療するための、所望の効果を得ることができる量を表す。それ故、好ましい実施態様において、標識された標的化合物は被験者中の腫瘍を検出、監視かつ/又は段階付けするのに充分な量で投与し得る。投与される量及び投与の経路は当業界で知られているように専門家の判断で選ばれる。
例えば、動脈内(関節中)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、及び皮下の経路によるような、非経口投与に適した製剤として、水性及び非水性の、等張無菌注射溶液(これらは酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、及び製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る)、並びに水性及び非水性の無菌懸濁液(これらは懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、及び防腐剤を含み得る)が挙げられる。本発明の実施において、組成物は、例えば、静脈内注入、経口、局所、腹腔内、膀胱内又は鞘内により投与し得る。非経口投与、経口投与、皮下投与及び静脈内投与が投与の好ましい方法である。
【0028】
種々の例示の実施態様において、アルキル化剤の上記合成方法、標的化合物のアルキル化もしくは標識、及び/又はアルキル化もしくは標識された標的化合物の精製は自動化し得る。こうして、或る実施態様において、開示された方法は一般目的又は特別な目的の装置、例えば、データ及び/又はコマンドを貯蔵するためのプロセッサーを有する装置で実施し得る。その演算装置は単一コンピュータ又は複数のネットワーク化コンピュータであってもよいこと並びに本明細書に記載された方法及び操作を実施するのと関連する幾つかの操作が一つ又は複数のコンピュータ装置で実施し得ることが認められるであろう。或る実施態様において、開示された操作及び方法はインフラストラクチャーの上部に加えられ、又はそれと適合性の開示された特徴の種々の実施態様を含む通常のサーバー−クライアントネットワークインフラストラクチャーで実施される。本明細書に記載された方法、プロセス及び操作は一般にソフトウェア、ハードウェア及び/又はこれらの組み合わせで実施し得る。図10に例示されたような、或る実施態様において、プロセッサー300は読み取り可能なメモリー310により指示される。或る実施態様において、プロセッサー300はQMA 170を使用するハロゲンイオン、例えば、〔18F〕フッ化物イオン100の精製を指示するようにプログラムし得る。或る実施態様において、プロセッサー300はK222/炭酸塩110を使用するQMA 170からの〔18F〕フッ化物100の溶離を指示し、溶離物を反応容器(RV)210に誘導する。或る実施態様において、ジトシルメタン120が反応容器210に誘導し得る。アルキル化剤、例えば、〔18F〕フルオロメタントシレートを合成するために、プロセッサー300が温度制御モジュール320に指示して反応容器210を専門家の判断で選ばれたプログラムされた温度に加熱させることができ、例えば、不活性ガス、例えば、アルゴン180を吹き込むことにより混合反応体を誘導し得る。或る実施態様において、プロセッサー300はRV210へのジメチルアミン130の添加を指示し、これが熱制御モジュール320により加熱され、アルゴン180により混合されてアルキル化又は標識された標的化合物、例えば、〔18F〕FCHを合成し得る。EtOH/水140がプロセッサー300により反応容器320に誘導され、これが或る実施態様において反応容器320を洗浄し、付加的なアルキル化生成物を得る。或る実施態様において、プロセッサー300は反応容器320の内容物をシリカカラム200に誘導する。廃棄物230はシリカカラム200に結合せず、或る実施態様において、アルキル化生成物、例えば、〔18F〕FCHがAcOH150により溶離し得る。AcOH150は溶離物を弱塩基性イオン交換樹脂240に誘導することにより除去され、アルキル化生成物、例えば、〔18F〕FCHがバイアル250に集められる。バルブ160はQMA 170への流入及びそれからの流出を制御する。3方バルブ190及び220はシリカカラム200、廃棄物230、弱塩基性イオン交換樹脂240及びバイアル250への流入及び/又はそれらからの流出を制御する。
【0029】
或る実施態様において、これらの方法及び操作がシーメンス-CTI化学プロセス制御ユニット(CPCU)(CTI社、ノックスビル、TN)中の、示されたような、3方バルブ190及び220の挿入により自動化し得る。当業界で知られているように、CPCUは三つの構成部分:化学プロセス制御ユニット、制御シャシ、種々の操作を指示するように専門家によりプログラム可能であるように設計されたオペレーティングシステム及び制御ソフトウェアを有する。当業界で知られているように、CPCUはIBMコンパチブルPCシステム及び標準(STD)バスサブシステムを含む。コンピュータはマイクロソフト(登録商標)ウインドーズNT(登録商標)オペレーティングシステム及びインテルーション(登録商標)ソフトウェアパッケージで作動する(例えば、〔18F〕化学プロセス制御ユニット(CHF.SA 10.0796.0500, CTI, Inc., 1996); 及びPadgettら, 1989,“コンピュータ制御放射化学合成:放射性医薬品の自動化製造のための化学プロセスユニット” Int. J. Rad. Appl. Instrum 〔A〕. 40(5):433-45を参照のこと)。
この明細書及び特許請求の範囲に使用される、単一の形態“a”、“an”及び“the”は、状況が明らかにそれ以外を示さない限り、複数を含む。下記の実施例は説明のために示され、限定のためではない。こうして、これらの実施例はこの開示の真の範囲を限定するために何ら利用できないことが理解される。技術分野、関連出願の相互参照に引用された特許及び/又は特許出願を含む、本明細書に引用された全ての文献は、参考として本明細書に含まれる。
【実施例】
【0030】
試薬及び溶媒をアルドリッチ・ケミカル社及びフィッシャー・サイエンティフィックから入手し、特に明記されない限り、更に精製しないで使用した。融点をエレクトロサーマル9100(エレクトロサーマル・エンジニアリング社、サウセンド-オン-シー、UK)で記録し、修正しない。NMR分光分析をバリアン400 MHz装置(バリアン社、パロ・アルト、CA)で行なった。カラムクロマトグラフィーを230メッシュシリカゲル(カタログ番号4791010、ワットマン社、クリフトン、NJ)で行なった。薄層クロマトグラフィー(TLC)をバイオスキャン200イメージングスキャナー(バイオスキャン社、ワシントン、DC)を備えたシリカ60F254分析プレート(E. Merck、カタログ番号4410222、ワットマン社、クリフトン、NJ)で行なった。高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を直列に取り付けられたUV検出器(例えば、図15及び17を参照のこと)(カタログ番号WAT080690、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)及び放射能検出器(例えば、図14及び16を参照のこと)(カタログ番号FC3200、バイオスキャン社、ワシントン、DC)を備えたウォーターズ600システム(ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)で行ない、パーチシルSCXカラム(250x4.6mm、カタログ番号8173、オールテク・アソシエーツ、ディアーフィールド、IL)を使用して0.25モル/Lのリン酸二水素ナトリウムを含む20%のアセトニトリル/水溶液で1mL/分で溶離した。ガスクロマトグラフィー(GC)をCAMカラム(30mmx0.25μm、カタログ番号1122132、J&W サイエンティフィック、アギレント・テクノロジーズ社、パロ・アルト、CA)を備えたヒューレット-パッカード6890GC(ヒューレット-パッカード社、パロ・アルト、CA)で行なった。
【0031】
実施例1:ジトシルメタン
ジヨードメタン(1.2g、4.5ミリモル)及び2倍のp-トルエンスルホン酸銀塩(2.8g、11ミリモル)を無水アセトニトリル(20mL)中で混合することによりジトシルメタンを調製した。得られる混合物を16時間還流した。230メッシュシリカゲルカラム(カタログ番号4791010、ワットマン社、クリフトン、NJ)(30-40%の酢酸エチル-ヘキサン)を使用してジトシルメタンを精製して白色の結晶性生成物(1g、63%)を得た。融点117℃(文献融点116-117℃);1H-NMR (CDCl3, 400 MHz)δ2.45 (s, 6H, CH3), 5.10 (s, 2H, OCH2O), 7.25 (d, J=8 Hz, 2H), 7.60 (d, J=8 Hz, 2H)
実施例2:N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミン(フルオロコリン(FCH))
無水テトラヒドロフラン(THF)10mL及びN,N-ジメチルエタノールアミン2mL(20ミリモル)を含むシールした管を-78℃で冷却した。クロロフルオロメタン(5.7g、70ミリモル、カタログ番号593-70-4、シンクエスト・ラブズ、アラチュア、FL)を15分間にわたってその冷却溶液に吹き込んだ。その混合物を一夜にわたって室温に徐々に温めた。白色の固体が生成し、これを濾過し、冷たい(約5℃)THFで3回洗浄し、真空下で乾燥させた。FCHを吸湿性の白色の固体(0.5g、15%)として単離した。1H-NMR(D2O、400 MHz)δ3.24 (s, 3H, CH3), 3.25 (s, 3H, CH3), 3.60-3.63 (m, 2H, CH2), 4.05-4.08 (m, 2H, CH2OH), 5.43 (bd, J=4.5 Hz, 2H, CH2F)
【0032】
実施例3:〔18F〕フルオロメタントシレート及び〔18F〕フルオロエタントシレート
1,1-、1,2-及び1,3-二置換アルカンのキャリヤー無添加〔18F〕フッ素化がBlockら (1987) J. Label Compds. Radiopharm. 24:1029-1042により系統的に研究されていた。本発明者らはジトシルメタン及び1,2-ジトシルエタンの〔18F〕フッ素化においてBlockらの結果を再現した。両方の反応を80℃で5分間加熱し、生成物をTLCにより分析した。TLCを30%の酢酸エチル/ヘキサン中でシリカ60F254分析プレート(カタログ番号4410222、ワットマン社、クリフトン、NJ)で行なった。〔18F〕フッ化物をこれらの研究に入れて品質管理分析のためのUV検出可能な部分を得た。
1,2-ジトシルエタンの〔18F〕フッ素化は〔18F〕フルオロエタントシレート(図1)の80%の収率を生じた。〔18F〕〔19F〕ジフルオロエタンを検出しなかった。それ故、電子吸引効果はβ位にある〔18F〕フッ素のために観察されなかった。80%の収率が反応の撹拌なしに得られた。〔18F〕フルオロエタントシレートを一層低い温度で生成することができるが、当業者はその温度が低下するにつれて収率が低下することを認めるであろう。
ジトシルメタンの〔18F〕フッ素化は種々の条件下で2種の標識生成物、〔18F〕ジフルオロメタン及び〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタントシレートを生じた。80℃で、唯一の生成物、即ち、副生物〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンが生成され、これは〔18F〕フルオロコリンの合成に有益ではない。加えて、特にその反応が完結まで進められない場合には、若干の遊離の、検出可能な〔18F〕フッ化物が異常ではない。Blockらの研究により予想されるように、〔18F〕フルオロメタントシレートの収率は約1%であった(図2)。〔18F〕フルオロメタントシレートの低収率はα位にあるフッ素の電子吸引効果のために〔18F〕フルオロメタントシレートがSN2反応でジトシルメタンよりも反応性であることの結果であるかもしれない。反応後に検出された〔18F〕フッ化物の非常に低い濃度のために、明らかに〔18F〕フルオロメタントシレートは反応容器中に存在する〔19F〕キャリヤーで第二フッ素化を受けて非常に揮発性の化合物(沸点=-52℃)である〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンを生成するかもしれない。
本発明者らはジトシルメタンのフッ素化に関する温度の影響を調べた。反応温度を約45-50℃に下げた場合、〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンの生成が減少し、本発明者らは〔18F〕FCH(図2)を合成するのに充分な量の〔18F〕フルオロメタントシレートを得た。20分までにわたって約40℃未満の温度では、ほんの少量の〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンが検出された。しかしながら、その反応速度は若干短い寿命の同位元素を使用する放射合成に不適であるかもしれない。約50℃より高い温度では、主反応生成物が〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンであった。
フッ素化工程は又撹拌に敏感である。撹拌の不在下の、約40℃から約50℃までの温度では、反応が少量の〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンを生じたが、又少量の〔18F〕フルオロメタントシレートを生じた(約10%の収率)。撹拌を伴う約40℃から約50℃までの範囲の温度における〔18F〕フッ素化の実施は、〔18F〕FCHを合成するのに充分な量の〔18F〕フルオロメタントシレートを生成した(約30%の収率)。
【0033】
実施例4:〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミン(〔18F〕FCH)
18F〕FCHを2工程反応:〔18F〕フッ化物によるジトシルメタンのフッ素化、続いて改良シーメンス-CTI化学プロセス制御ユニット(CPCU、カタログ番号3601037、CTI、ノックスビル、TN)(図10)を使用する〔18F〕フルオロメタントシレート及びジメチルエタノールアミンによるアルキル化反応で調製した。シリカSep-Pakカラム(カタログ番号WAT023537、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)を使用して〔18F〕FCHを精製した。そのカラムをエタノール及び水で洗浄して全ての不純物を除去し、〔18F〕FCHを2%の酢酸で溶離した。AG4-X4弱塩基性イオン交換樹脂カラム(143-3341、バイオ-ラド・ラボラトリィズ社、ハークルズ、CA)(AG4指示マニュアルLIT207 Rev B、バイオ-ラドを参照のこと)を使用して酢酸を除去した。3方スライダーバルブ、例えば、テフロン(登録商標)スライダーバルブをCPCUに加えて精製を行なった(図10)。ソフトウェアを改良して温度を下げ、標識工程について撹拌を可能にした。
【0034】
18F〕フッ化物を調製するために、濃縮18O-水を11 MeVプロトン(60分間にわたって33μA)で照射した。衝撃後に、Ar圧力を使用して標的18F-HF/18O-水溶液を陰イオン交換QMAカートリッジ(炭酸塩形態)(カタログ番号WAT054725、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)に移した。キャリヤー無添加〔18F〕フッ化物をQMAカートリッジで捕捉し、18O-水を回収した。〔18F〕フッ化物を2.2mMの炭酸カリウム(K2CO3)及び40mMのクリプトフィックス(登録商標)2.2.2(4,7,13,16,21,24-ヘキサオキサ-1,10-ジアザビシクロ〔8.8.8〕ヘキサコサン、C18H36N2O6、カタログ番号291110、シグマ-アルドリッチ社、セントルイス、MO)を含むアセトニトリル:水溶液(19:1)1mLでカートリッジから反応容器に溶離した。その混合物を110℃で4分間にわたってAr流の下で共沸乾燥させ、約60秒にわたって冷却した。無水アセトニトリル1ml中のジトシルメタン(10mg、0.03mM)をその乾燥残渣に添加した。その混合物を間欠Arガス吹き込み(20秒毎に10秒)により45-50℃で5分間加熱した。その後、N,N-ジメチルエタノールアミン0.2mLを含むアセトニトリル1mLを反応容器に添加し、これを間欠Arガス吹き込み(30秒毎に15秒)により100℃で10分間加熱した(図3)。全混合物をSiO2 Sep-Pakカートリッジ(カタログ番号WAT023537、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)に装填し、エタノール(3x5mL)及び水(2x5mL)で洗浄した。二つの3方バルブを使用してその流れを最終生成物バイアルに再度向けた。〔18F〕FCHを2%の酢酸5mL、続いてH2O 5mlでSiO2 Sep-Pakカートリッジから放出した。酢酸をAG4-X4弱塩基性イオン交換樹脂カラム(カタログ番号143-3341、バイオ-ラド・ラボラトリィズ社、ハークルズ、CA)(AG4指示マニュアルLIT207 Rev B、バイオ-ラドを参照のこと)により溶離剤からストリッピングして除き、その溶液を0.2μmの膜フィルター(カタログ番号SLGS V255F、ミリポア社、ビレリカ、MA)に通して23.4%の塩化ナトリウム濃縮溶液0.5mlを含む無菌バイアルに流入した。又、SiO2 Sep-Pakカートリッジを予備活性化(1N HCl 10mL)アクセルカートリッジ(カタログ番号WAT023531、ウォーターズ社、ミルフォード、MA)により置換し、〔18F〕FCHを食塩水10mLで溶離した。
アルキル化反応の結果は〔18F〕フルオロメタントシレートがアセトニトリル中でN,N-ジメチルエタノールアミンとほぼ定量的に反応して〔18F〕FCHの>90%の収率を得たことを示した。〔18F〕フルオロメタントシレートから〔18F〕FCHへの合成の全収率は20%であり、これはフッ素化工程中の〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンの生成のためであるかもしれない。全合成時間は約40分以下であった(図16及び17を参照のこと)。
【0035】
実施例5:N,N-ジメチル-N-フルオロエチルエタノールアミン(フルオロエチルコリン(FECh))合成
1-ブロモ-2-フルオロエタン(1g、8ミリモル)をN,N-ジメチルエタノールアミン(0.7g、8ミリモル)に溶解し、100℃で10分間加熱した。得られる混合物を10%のエタノール/酢酸エチルに吸収させた。溶媒の除去後に、FEChを白色の固体(1.7g、100%)として得た。1H-NMRスペクトルはHaraら, 2002, J. Nucl. Med. 43(2):187-199により報告されたスペクトルと区別できなかった。
実施例6:〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロエチルエタノールアミン(〔18F〕FECh)合成
無水〔18F〕フッ化物を実施例3に記載されたようにして得、無水アセトニトリル1mL中で1,2-ビス-ジトシルエタン(10mg、0.03ミリモル)と反応させた。その混合物を間欠Arガス吹き込み(20秒毎に10秒)により80℃で5分間加熱した。その後、N,N-ジメチルエタノールアミンニート0.3mLを反応容器に添加し、それを間欠Arガス吹き込み(30秒毎に15秒)により100℃で10分間加熱した。シリカゲルSep-Pakカートリッジを使用して〔18F〕FEChを実施例3に記載されたようにして反応混合物から精製した。
N,N-ジメチルエタノールアミンニート中の〔18F〕フルオロエタントシレートによるアルキル化はほんの50%の収率を与えた。〔18F〕FEChの全収率は又50%であり、これは〔18F〕FCHの収率(20%)より高い。これは〔18F〕〔19F〕ジフルオロエタン副生物がフッ素化工程中に非常にわずかに生成され、又は全く生成されないという結果であるかもしれない。〔18F〕FCHにつき上記されたように、全合成時間は約40分以下であった(図14及び15を参照のこと)。
【0036】
実施例7:〔18F〕FCH及び〔18F〕FECh精製
18F〕FCH及び〔18F〕FEChは四級化アルキルアミンであり、これらはシリカゲルSep-Pakカートリッジに強く吸収し得る(Mulhollandら (1999) J. Label Componds Radiopham. 42:Suppl. 1 s459-s461)。〔18F〕FCH及び〔18F〕FEChは殆どの不純物がエタノール溶離により迅速に廃棄へと除去されることを可能にするカートリッジにしっかりと保持した。〔18F〕FCH及び〔18F〕FEChを2%の酢酸溶液で溶離し、弱塩基性イオン交換樹脂(AG 4-X4、カタログ番号140-4341、バイオ-ラド・ラボラトリィズ社、ハークルズ、CA)を使用して中和した。
18F〕FCH及び〔18F〕FEChの放射化学純度をHPLC(HPLC600システム、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)及びTLC(シリカ60F254分析プレート、ワットマン社、クリフトン、NJ)により測定した。〔18F〕FCH及び〔18F〕FEChは夫々6.8分及び7.5分でHPLCカラムから溶離した。HPLCを直列に取り付けられたUV検出器(カタログ番号WAT080690、ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)及び放射能検出器(カタログ番号FC3200、バイオスキャン社、ワシントン、DC)を備えたウォーターズ600システム(ウォーターズ・コーポレーション、ミルフォード、MA)で行ない、パーチシルSCXカラム(250x4.6mm、カタログ番号8173、オールテク・アソシエーツ、ディアーフィールド、IL)を使用して0.25モル/Lのリン酸二水素ナトリウムを含む20%のアセトニトリル/水溶液で1mL/分で溶離した。最終溶液中のN,N-ジメチルエタノールアミンの残留量をアミン用に設計されたCAMカラム(カタログ番号1122132、アギレント・テクノロジィズ社、パロ・アルト、CA)を使用するGCにより分析した。HPLC及びGCにより検出されたわずかな化学汚染物はN,N-ジメチルエタノールアミン(バッチ当り<0.5mg)及びエタノール(バッチ当り<5mg)であった。
【0037】
N,N-ジメチルエタノールアミン汚染を低下するために、シリカゲルSep-Pakカートリッジをアクセルカートリッジ(Haraら (1997) J. Nucl. Med. 38(6):842-847)と交換した。アクセルカートリッジをHCl及びH2Oで予備コンディショニングし、最終生成物を食塩水溶液で溶離した。N,N-ジメチルエタノールアミンは〔18F〕FCH調製においてバッチ当り<0.1mgであることがわかった。〔18F〕FEChはアクセルカートリッジを使用して有効に精製されず、即ち、〔18F〕FEChの約半分が廃棄画分中に見られた。
18F〕FCH及び〔18F〕FEChの生理食塩水中の最終精製溶液を37℃の濃縮チオグリコレート及び23℃のトリプチカーゼ大豆ブロース培地中の増殖のための微生物について培養した(1mL)。増殖は2週間観察されなかった。最終精製溶液はLALのための標準方法(Charles River Labs Endosafe, Charleston, SC)を使用して発熱原のないことが示された。
陽性対照標準物質が常にそのアッセイに含まれる。〔18F〕FCHは現在ヒトにおけるFDA認可予備臨床IND安全性試験中である。現在まで、約50の試験後に、試験した〔18F〕フルオロコリンからの不利な効果が観察されなかった。
TLCプレートを2%の酢酸中で前処理し、使用前に空気乾燥した。プレートを2%の酢酸中で溶離した。〔18F〕FCH及び〔18F〕FEChのRfは0.40であり、これはHPLC結果と一致する。
【0038】
実施例8:その他のアルキル化剤、アルキル化方法及び精製方法
アルキル化剤
18F〕FCH及び〔18F〕FEChを調製するために使用されたSN2求核置換反応のためのトシレート脱離基の別型として、ハロゲン化物及びその他のスルホン酸エステル、例えば、メタンスルホネート(例えば、メシレート)及びトリフルオロメタンスルホネート(例えば、トリフレート)が挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、アルキル化剤の揮発性が増大するにつれて、アルキル化剤を溶液中に維持することが低下する。それ故、炭素原子の数を増大することにより、揮発性が低下でき、その結果、アルキル化剤が溶液中に維持し得る。
18F〕フッ化物による1,2-ジトリチルエタンの標識化は〔18F〕フルオロエタントリフレートの>80%の収率を与える。これは〔18F〕フルオロエタントシレートの収率よりも大きい。何とならば、トリフレートが3種のスルホン酸エステル(メシレート、トシレート、トリフレート)の中で最も反応性であるからである。更に、高収率が脱離基としてトリフレートを使用するN,N-ジメチルエタノールアミンによるアルキル化工程で得られる。2-〔18F〕フルオロエタントシレート及びN,N-ジメチルエタノールアミンを使用するアルキル化は〔18F〕FEChの50%の収率を与える。対照的に、2-〔18F〕フルオロエタントリフレートはN,N-ジメチルエタノールアミンと反応して〔18F〕FEChを定量的に生じる。こうして、1,2-ジトリチルエタンを未標識前駆体として使用する〔18F〕FEChの全収率は>70%である。
18F〕フッ化物による標識ジトシルメタンの本発明者らの研究の結果として、第二フッ素化がジフルオロメタンの合成をもたらすα位の〔18F〕フッ素の電子吸引効果により活性化される。それ故、第二の活性化されたフッ素化を遅延又は防止するための一つ以上の工程が有益である。共有結合された四級アンモニウム塩を含むポリマー樹脂支持体(例えば、J. Labelled Cpd. Radiophamceuticals 26:378-380 (1989)、図12)又はQMAの如き固体支持体が照射された〔18O〕H2O及び標識ジトシルメタンからのキャリヤー無添加〔18F〕フッ化物を保持する。ポリマー樹脂方法は溶液反応程有効ではないかもしれないが、それらは〔18F〕〔19F〕ジフルオロメタンの生成を遅延又は防止する。
アルキル化
スルホン酸エステルはハライドエステルよりも反応性であるので、〔18F〕フルオロメタントシレート及び〔18F〕フルオロエタントシレートはN,N-ジメチルエタノールアミンによるオン-カラムアルキル化に適している。スルホン酸エステルはジメチルエタノールアミンで装填されたSep-Pak C18カートリッジに捕捉される。こうして、N,N-ジメチルエタノールアミンの〔18F〕フルオロメチル化が能率的にされ、そのアルキル化工程が一層速い。
精製
本発明者らは〔18F〕FCHの精製がシリカゲル又はアクセルカートリッジを使用して行なわれたことを示した。しかしながら、〔18F〕FEChはシリカゲルで有効に精製されたが、アクセルカートリッジで有効に精製されなかった。これは希釈しない(ニート)N,N-ジメチルエタノールアミンの使用を必要とするアルキル化工程条件のためであるかもしれない。〔18F〕FCHでは、アルキル化が溶媒アセトニトリル中で起こる。それ故、〔18F〕FECh反応混合物をアクセルカートリッジに装填する前に、アセトニトリル1mLを添加し、これは〔18F〕FEChがアクセルカートリッジに保持して精製を促進することを可能にする。
【0039】
実施例9:その他の〔18F〕標識された標的化合物
開示された方法は〔11C〕アルキルヨージドで標識された標的化合物を一層長い寿命のハロゲン、例えば、18Fで標識された均等化合物で置換するのに使用し得る。それ故、〔18F〕フルオロアルカンスルホネートが種々のN、O、S及びCアルキル化に使用し得る。
開示された方法により〔18F〕フルオロアルキル化し得る四級アミンの例として、MQNB(3-キヌクリジニルベンジレート誘導体)、ムスカリン様リガンド(図5)、アセチルコリンエステラーゼインヒビターネオスチグミン(図6)及びその代謝産物TMA-フェノールが挙げられ、ニューロトキシンN-メチル-4-フェニル-ピリジニウムがこの方法を使用して標識される。開示された方法に従って〔18F〕フルオロメチル化し得る二級アミンとして、〔18F〕N-メチルスピペロン(〔18F〕NMS)及び3-(2'-〔18F〕フルオロエチル)スピペロン(〔18F〕FESP)(図7)が挙げられる。O-アルキル化反応はジメチルスルホキシド(DMSO)の存在下でアミノ酸チロシンをメチル化するのに使用される(図8)。カルボン酸は図9に示されるようにアルキル化される。S-アルキル化反応は図9の標的化合物をフルオロメチル化するのに使用される。
【0040】
以下において、本発明の好ましい態様について記載する。
1. a)式:
X-(CR1R2)aCR3R4-LG
(式中、
aは0、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は独立にH、X又はアルキルであり、
Xはハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンであることを条件とし、
LGは脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成し、そして
b)前記アルキル化剤を、アルキル化反応性基を含む標的化合物のアルキル化に適した条件下で、標的化合物と直接反応させることを特徴とする標的化合物のアルキル化方法。
2. 前記アルキル化剤が式
X-CH2CH2-LG
(式中、
Xは〔18F〕であり、かつ
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、請求項1記載の方法。
3. 前記アルキル化剤が式
X-CH2-LG
(式中、
Xは〔18F〕であり、かつ
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、上記1記載の方法。
4. 前記アルキル化剤が式
CH3-CH2(X)-CH2-LG
(式中、
Xは〔18F〕であり、かつ
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、上記1記載の方法。
5. 前記アルキル化剤が式
X-CH2-CH2-CH2-LG
(式中、
Xは〔18F〕であり、かつ
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、上記1記載の方法。
6. 前記アルキル化剤の前駆体が式LG-(CR1R2)aCR3R4-LGを有する、上記1記載の方法。
7. 前記前駆体が式LG-(CH2)2-LGを有する、上記1記載の方法。
8. aが0であり、かつR3及びR4がアルキルである、上記1記載の方法。
9. LGがトシレート、メシレート又はトリフレートエステルからなる群から選ばれる、上記2、3、4、5、6、7又は8記載の方法。
10. 前記アルキル化反応性基がアルキル、置換アルキル、アルコール、カルキシル酸、飽和シクロアルキル、不飽和シクロアルキル、アリール、置換アリール、飽和複素環、不飽和複素環、スルフヒドリル、アミン、N、O、S又はCを含む、上記1記載の方法。
11. 前記標的化合物がモルヒネ、ヘロイン、ペチン、タモキシフェン、コデイン、ニコチン、チオプロペラジン、ジアゼパム、カフェイン、フルニトラゼパム、ヘキサメトニウム、メチオジド、キヌクリジニルベンジラテム、MQNB、ネオスチグミン、MPP、NMS、チロシン、スピペロン、及びスピロペリドールからなる群から選ばれる、上記1記載の方法。
12. 前記アルキル化標的化合物が〔18F〕-フルオロメチル-MQNB、〔18F〕N-フルオロメチル-MPP、〔18F〕FNMS、〔18F〕フルオロエチルスピペロン、〔18F〕フルオロメチル-ネオスチグミン、〔18F〕フルオロメチル-チロシンである、上記11記載の方法。
13. 前記標的化合物がグルコース、乳酸、ヘキソバルビタール、チミジン、ヨードアンチピリン、アンチピリン及びコエンザイムQからなる群から選ばれる、上記1記載の方法。
14. 前記標的化合物がジメチルエタノールアミンである、上記1記載の方法。
15. アルキル化標的化合物が〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミンである、上記項14記載の方法。
16. アルキル化標的化合物が〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロエチルエタノールアミンである、上記14記載の方法。
17. 式
X-(CR1R2)aCR3R4-LG
(式中、
aは0、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は独立にH、X又はアルキルであり、
Xはハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンであることを条件とし、
LGは脱離基である)
を有するアルキル化試薬を標的化合物のアルキル化に適した条件下でアルキル化反応性基を含む標的化合物と接触させることを含み、アルキル化標的化合物が〔18F〕FCH、〔18F〕FECh又は〔18F〕フルオロデオキシグルコース以外であることを特徴とする、18F標識標的化合物の合成方法。
18. LGがスルホン酸エステルである、上記17記載の方法。
19. 前記スルホン酸エステルがトシレート、メシレート及びトリフレートエステルからなる群から選ばれる、請求項18記載の方法。
20. 前記標的化合物がモルヒネ、ヘロイン、ペチン、タモキシフェン、コデイン、ニコチン、チオプロペラジン、ジアゼパム、カフェイン、フルニトラゼパム、ヘキサメトニウム、メチオジド、キヌクリジニルベンジラテム、MQNB、ネオスチグミン、MPP、NMS、チロシン、スピペロン、及びスピロペリドールからなる群から選ばれる、上記17記載の方法。
21. 前記アルキル化標的化合物が〔18F〕-フルオロメチル-MQNB、〔18F〕N-フルオロメチル-MPP、〔18F〕FNMS、〔18F〕フルオロエチルスピペロン、〔18F〕フルオロメチル-ネオス
チグミン、〔18F〕フルオロメチル-チロシンである、上記20記載の方法。
22. 前記標的化合物がグルコース、乳酸、ヘキソバルビタール、チミジン、ヨードアンチピリン、アンチピリン及びコエンザイムQからなる群から選ばれる、上記17記載の方法。
23. a)式:
18F-(CH2)a-LG
(式中、
aは1又は2であり、
LGは脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成し、そして
b)前記アルキル化剤を、ジメチルエタノールアミンのアルキル化に適した条件下でジメチルエタノールアミンと直接反応させることを特徴とするジメチルエタノールアミンのアルキル化方法。
24. 前記アルキル化剤が式
18F-CH2CH2-LG
(式中、
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、上記23記載の方法。
25. 前記アルキル化剤が式
18F-CH2-LG
(式中、
LGはスルホン酸エステルである)
を有する、上記23記載の方法。
26. 前記アルキル化剤の前駆体が式LG-(CH2)a-LGを有する、上記23記載の方法。
27. LGがトシレート、メシレート又はトリフレートエステルからなる群から選ばれる、上記23、24、25又は26記載の方法。
28. 前記フルオロアルキル化コリンが〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミンである、上記23記載の方法。
29. 前記フルオロアルキル化コリンが〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロエチルエタノールアミンである、上記23記載の方法。
30. a)反応容器中でハロゲン化物イオン及び触媒を使用して、式:
X-(CR1R2)aCR3R4-LG
(式中、
aは0から2までの整数であり、
R1、R2、R3及びR4は独立にH又はXであり、
Xはハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンであることを条件とし、
LGは脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成するための合成モジュールを制御するコンピュータを誘導するための実行可能な指令、及び
b)前記反応容器中で前記アルキル化剤を標的化合物をアルキル化するのに適した条件下でアルキル化反応性基を含む標的化合物と直接反応させるための前記合成モジュールを制御する前記コンピュータを誘導する実行可能な指令
を含むことを特徴とする、コンピュータを誘導して特定の様式で機能させるためのコンピュータ読み取り可能なメモリー。
31. c)アルキル化標的化合物を第一固体支持体に結合させるための前記合成モジュールを制御する前記コンピュータを誘導する実行可能な指令を更に含み、前記反応容器及び前記第一固体支持体が液体連通している、上記30記載のコンピュータ読み取り可能なメモリー。
32. d)前記アルキル化標的化合物を前記第一固体支持体から溶離するための前記合成モジュールを制御する前記コンピュータを誘導する実行可能な指令を更に含む、上記31記載のコンピュータ読み取り可能なメモリー。
33. e)溶離されたアルキル化標的化合物を第二支持体に結合させ(前記第一固体支持体及び第二固体支持体は液体連通している)、かつ前記アルキル化標的化合物を前記第二固体支持体から溶離するための前記合成モジュールを制御する前記コンピュータを誘導する実行可能な指令を更に含む、上記 32記載のコンピュータ読み取り可能なメモリー。
34. 上記 1又は17記載の方法に従ってつくられた18F標識標的化合物。
35. 〔18F〕アルキルモルヒネ、〔18F〕アルキルヘロイン、〔18F〕アルキルペチン、〔18F〕アルキルタモキシフェン、〔18F〕アルキルコデイン、〔18F〕アルキルニコチン、〔18F〕アルキルチオプロペラジン、〔18F〕アルキルジアゼパム、〔18F〕アルキルカフェイン、〔18F〕アルキルフルニトラゼパム、〔18F〕アルキルヘキサメトニウム、〔18F〕アルキルメチオジド、〔18F〕アルキルキヌクリジニルベンジラテム、〔18F〕アルキル-MQNB、〔18F〕アルキルネオスチグミン、〔18F〕アルキル-MPP、〔18F〕アルキル-NMS、〔18F〕アルキルチロシン、〔18F〕アルキルスピペロン、及び〔18F〕アルキルスピロペリドールからなる群から選ばれた化合物を含むことを特徴とする組成物。
【符号の説明】
【0041】
100−〔18F〕フッ化物イオン
120−ジトシルメタン
130−ジメチルアミン
140−EtOH/水
150−AcOH
160−バルブ
170−QMA
180−アルゴン
190、220−3方バルブ
200−シリカカラム
210−反応容器
230−廃棄物
240−弱塩基性イオン交換樹脂
250−バイアル
300−プロセッサー
310−メモリー
320−熱モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的化合物のアルキル化方法であって、以下の工程、
a)式:
X-(CR1R2)aCR3R4-LG
(式中、
aは、0、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は、独立にH、X又はアルキルであり、
Xは、ハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンであることを条件とし、
LGは、脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成する工程、そして
b)前記アルキル化剤を、アルキル化反応性基を含む標的化合物のアルキル化に適した条件下で、標的化合物と反応させる工程、
を含み、前記アルキル化剤の合成が、約40℃〜80℃未満の温度で起こり、前記反応が、前記アルキル化剤を精製することなく、達成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記アルキル化剤が、式、
X-CH2-LG
(式中、
Xは、〔18F〕であり、かつ
LGは、スルホン酸エステルである)
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記アルキル化剤が、式、
CH3-CH2(X)-CH2-LG
(式中、
Xは、〔18F〕であり、かつ
LGは、スルホン酸エステルである)
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記アルキル化剤の前駆体が、式LG-(CR1R2)aCR3R4-LGを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
LGが、トシレート、メシレート又はトリフレートエステルからなる群から選ばれる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アルキル化反応性基が、アルキル、置換アルキル、アルコール、カルキシル酸、飽和シクロアルキル、不飽和シクロアルキル、アリール、置換アリール、飽和複素環、不飽和複素環、スルフヒドリル、アミン、N、O、S又はCを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記標的化合物が、モルヒネ、ヘロイン、ペチン、タモキシフェン、コデイン、ニコチン、チオプロペラジン、ジアゼパム、カフェイン、フルニトラゼパム、ヘキサメトニウム、メチオジド、キヌクリジニルベンジレート、MQNB、ネオスチグミン、MPP、NMS、チロシン、スピペロン、及びスピロペリドールからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記アルキル化標的化合物が、〔18F〕-フルオロメチル-MQNB、〔18F〕N-フルオロメチル-MPP、〔18F〕FNMS、〔18F〕フルオロエチルスピペロン、〔18F〕フルオロメチル-ネオスチグミン、〔18F〕フルオロメチル-チロシンである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記標的化合物が、グルコース、乳酸、ヘキソバルビタール、チミジン、ヨードアンチピリン、アンチピリン及びコエンザイムQからなる群から選ばれる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記標的化合物が、ジメチルエタノールアミンである、請求項1記載の方法。
【請求項11】
アルキル化標的化合物が、〔18F〕N,N-ジメチル-N-フルオロメチルエタノールアミンである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
18F標識標的化合物の合成方法であって、以下の工程、
a)式
X-(CR1R2)aCR3R4-LG
(式中、
aは、0、1、2又は3であり、
R1、R2、R3及びR4は、独立にH、X又はアルキルであり、
Xは、ハロゲン又は標識であり、但し、少なくとも一つのXがハロゲンであることを条件とし、
LGは、脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成する工程、
b)前記アルキル化剤を、標的化合物のアルキル化に適した条件下でアルキル化反応性基を含む標的化合物と接触させる工程、
を含み、前記アルキル化標的化合物が、〔18F〕FCH、〔18F〕FECh又は〔18F〕フルオロデオキシグルコース以外であり、かつ前記アルキル化剤の合成が、約40℃〜80℃未満の温度で起こり、前記接触が、前記アルキル化剤を精製することなく達成されることを特徴とする方法。
【請求項13】
LGが、スルホン酸エステルである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記スルホン酸エステルが、トシレート、メシレート及びトリフレートエステルからなる群から選ばれる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記標的化合物が、モルヒネ、ヘロイン、ペチン、タモキシフェン、コデイン、ニコチン、チオプロペラジン、ジアゼパム、カフェイン、フルニトラゼパム、ヘキサメトニウム、メチオジド、キヌクリジニルベンジレート、MQNB、ネオスチグミン、MPP、NMS、チロシン、スピペロン、及びスピロペリドールからなる群から選ばれる、請求項12記載の方法。
【請求項16】
前記アルキル化標的化合物が、〔18F〕-フルオロメチル-MQNB、〔18F〕N-フルオロメチル-MPP、〔18F〕FNMS、〔18F〕フルオロエチルスピペロン、〔18F〕フルオロメチル-ネオスチグミン、〔18F〕フルオロメチル-チロシンである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記標的化合物が、グルコース、乳酸、ヘキソバルビタール、チミジン、ヨードアンチピリン、アンチピリン及びコエンザイムQからなる群から選ばれる、請求項12記載の方法。
【請求項18】
ジメチルエタノールアミンのアルキル化方法であって、以下の工程、
a)式、
18F-(CH2)a-LG
(式中、
aは、1又は2であり、
LGは、脱離基である)
を有するアルキル化剤を合成する工程、そして
b)前記アルキル化剤を、ジメチルエタノールアミンのアルキル化に適した条件下でジメチルエタノールアミンと反応させる工程、
を有し、前記アルキル化剤の合成が、約40℃〜80℃未満の温度で起こり、前記反応が、前記アルキル化剤を精製することなく、達成されることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記アルキル化剤が、式、
18F-CH2-LG
(式中、
LGは、スルホン酸エステルである)
を有する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記アルキル化剤の前駆体が、式LG-(CH2)a-LGを有する、請求項18記載の方法。
【請求項21】
LGが、トシレート、メシレート又はトリフレートエステルからなる群から選ばれる、請求項18〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記アルキル化剤の合成が、約40℃〜約50℃の温度において起こる、請求項1、12又は18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−207025(P2012−207025A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132533(P2012−132533)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【分割の表示】特願2006−521314(P2006−521314)の分割
【原出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【出願人】(505315085)ザ クイーンズ メディカル センター (5)
【Fターム(参考)】