説明

アルコキシシラン基で修飾したシリカ/ラテックスハイブリッドからなるモノリシックキセロゲル及びエーロゲルの臨界未満の条件下における製造方法。

本発明は、亜臨界条件の下にシリカ/ラテックスハイブリッドの均質なキセロゲル及びエーロゲルの製造方法に関係する。酸−塩基触媒の存在下でこれらのアルコゲルの二段階合成において、シリコンアルコキドの加水分解と重縮合は過剰の水を含有する有機媒体中において行われる。ポリブチルメタクリレート及びポリブチルアクリレートからなるラテックスはアルコキシシラン基で修飾されて最初に合成され、次いでシリコンアルコキシドで共加水分解を受ける第一の段階においてか又は予め加水分解されたコロイド状シリカと共縮合する第二の段階のいずれかにおいて混合物に取り込まれる。生成したアルコゲルは熟成され、洗浄され、そして亜臨界条件下に乾燥される。この操作により、0.1〜50重量%のラテックスを含み、300〜1300kg/mの密度、40〜85%の多孔性、400〜900m/gの比表面積及び2〜12nmの平均孔直径を持つハイブリッド製品が得られる。この製品は、大気中の湿度及び湿気に耐え、相当する無機物質より優れた機械的性質を持ち、断熱材、遮音材及び電気的絶縁体として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、ナノサイズの孔を有するハイブリッドキセロゲル及びエーロゲルに関し、特にナノサイズの孔を持ち、無機のシリカマトリックスに化学的に結合したコロイド状ポリマー(ラテックス)を0.1〜50重量%含有するハイブリッド材料、並びにこの材料の製造方法と使用に関係する。
【背景技術】
【0002】
現代工業は益々エネルギーを必要としているが、また絶えず増大する環境に対する要求を充たさなければならず、一層有効な絶縁物質を開発するためのより大きな努力が求められている。
【0003】
ミネラルウール及び膨張ポリマーのような従来の絶縁物質はこのような要求を満たしていない。ミネラルウールの製造には高温が必要であり、好ましくない残留物の生成を伴う。他方、ポリスチレン、ポリオレフィン及びポリウレタンから製造された発泡ポリマーは、化学的にフルオロカーボン(CF)、クロロフルオロカーボン(CFC)又はペンタン異性体のような炭化水素である発泡剤が必要である。この発泡剤は泡の中の空のセルを満たし、適当な熱特性、すなわち0.02〜0.04 W/m.k.の熱伝導性を確保する。しかし、発泡剤は絶縁体から徐々に大気中に逸脱するので、これらの絶縁体は環境に対して有害である。非ハロゲン化発泡剤は汚染作用が少ないが、それらは可燃性であるために、発泡プラスチックの製造及び使用において問題を生じる。さらに、発泡プラスチックは生分解性でなく、耐用期間が短いので、多くの応用には不適当である。
【0004】
しかし、非常に有効で、安定、不燃性且つ環境に優しい新しいタイプの無機絶縁体が市場に徐々に導入されている。これらはキセロゲル及びエーロゲルからなり、現在光学的、熱的、音響的及び電気的絶縁体として使用するために製造されている。例えば、ヨーロッパ特許出願公開公報EP−A 0,172,722に記述されているように、シリカエーロゲルは特に種々の応用のための将来の絶縁体として提案されている。これらの材料は、3〜600kg/mの密度を持ち、10nmの程度の典型的な直径を持つコロイド状粒子又は相互に結合したポリマーにより形成された固体状マトリックスの中に孔の連続的ネットワークを持つ低密度無機発泡体である。この微細構造は、60〜99容積%の多孔性と350〜1100m/gの大きな比表面積を可能にし、この材料を、0.01〜0.02 W/m.k.の程度の熱伝導性及び10〜10kg/m.s.の程度の音響インピーダンスを持つ熱的及び音響的に優れた絶縁体にしている。さらに、その低密度は、(1〜2程度の)例外的に低い誘電率を可能にし、これによりこの材料を電子工学への応用に適するものにしている。しかし、これらの物質は圧縮強度が低く、壊れ易い。
【0005】
シリカエーロゲルの製造は基本的に二つの工程、すなわち、湿性シリカゲルの合成及び該湿性シリカゲルの体積の明らかな減少を生じない乾燥を含む。厳密に言うと、エーロゲルは、それから除去されるべき液体の臨界点を超えた温度と圧力において乾燥されたゲルである。他方で、ゲル中に含有された液体が臨界未満の領域において除去された場合には、その結果得られた材料はキセロゲルと呼ばれる。大まかに言って、エーロゲルは、「分散相として50容量%を超える空気を含有する乾燥ゲル」であり、この意味においてエーロゲルはキセロゲルを含むことができる。本発明による乾燥ゲルは、それらが、分散相として50%を超える空気を含有するか、或いはそれより少ないかにより、それぞれエーロゲル又はキセロゲルのいずれかとして分類される。
【0006】
湿性シリカゲルは、最初は酸性溶媒中において珪酸ナトリウムの水性縮合により製造された[例えば、参考文献としてここに示されているS.S.Kistler,J.Phys Chem.,36(1932),pp.52〜64を参照]。これは有効な方法であるが、ゲル内に副産物として形成した塩を数回の洗浄サイクルにより除去しなければならず、これは時間と労力を要する作業である。しかし、ゾル−ゲル化学の発展により、米国特許No.3,672,833に記述されているように、好ましくない副産物の形成は回避され、そして最終製品に対する非常に良い管理が可能になっている。ゾル−ゲル工程において、水、溶媒、触媒及びガラス状若しくはセラミック状の材料の前駆体を含有するコロイド溶液(すなわち、ゾル)が使用される。このコロイド溶液を鋳型に入れ、その中でゲルを得るために無機重合反応が行われる。シリカの場合には、この溶液は典型的にシリコンアルコキシド、水、アルコール及び酸若しくはアルカリ性触媒を含有する。加水分解及び重縮合の結果として、残余の液体反応混合物中に残るこのゾルは多孔性の固体マトリックスを形成する。湿性ゲルは基本的に使用した鋳型と同じ形と大きさを持つモノリシック材料である。
【0007】
ゾル−ゲル工程の利点は、形成された製品が化学的に非常に純粋であり、高度に均一であり、組成を広い範囲から選択することができ、比較的低い温度が要求され、そして多少とも求める形態を持ったモノリシック品(monolithic pieces)が得られることであり、仕上コストを節減する。しかし、高い多孔性を持ち、亀裂のない大きなモノリシック品を製造するためにゾル−ゲル工程を使用することは一般的に極めて困難であることが認められている。亀裂は一般的に乾燥中に生じ、また孔を充たしている液体が、その表面張力になって孔の壁に及ぼす毛細管圧により生じる。湿性ゲルの極めて多孔質の構造は機械的強度が低いので、生じる毛細管圧はネットワークを破壊し、製品に亀裂を生じさせるのに十分強いことがある。さらに、毛細管圧はゲルの容積を大きく減少させることがあり、本来持っている多孔性を部分的に失う結果を生じる。毛細管圧は、孔の中の液体の表面張力、液体と孔の壁との間の接触角度及び孔の平均半径に依存する。ゾル−ゲルのモノリシック品を製造する際に遭遇したこれらの問題を解決するためにいくつかの試みが行われたが、これまでのところそれらは一つ以上の利点を犠牲にすることによってのみ成功している。
【0008】
モノリシックなゾル−ゲル品を乾燥するのに、一般的に二つの方法がある。第一の方法は、臨界未満乾燥(subcritical drying)と呼ばれ、湿性ゲルを大気圧で乾燥媒体として使用した液体の沸点の近く又はその少し上の温度において乾燥する(例えば、米国特許No.5,966,832参照)。超臨界乾燥(supercritical drying)と呼ばれる第二の方法では、湿性ゲルを、乾燥剤として使用された液体の臨界温度を超える温度に加熱する。これはオートクレーブ中で行われ、液体の臨界圧力を超えることを可能にする。この工程は、例えば、ヨーロッパ特許EP−A No.0,018,955及びEP−A No.0,366,197及び国際特許WO 92/03378に記述されている。
【0009】
臨界点以上のゲルマトリックスの孔の中には液体/蒸気の境界面がなく、操作中に毛細管圧を生じないため、この超臨界法は乾燥中の亀裂の形成を防ぐのに非常に有効である。このようにして得られたゲルは、乾燥により湿性ゲルの容積についてその容積の小部分(15%未満)を失うのみである。しかし、有効ではあるが、一部は一般的にそのために高温及び高圧を使用するために、そして一部は必要な装置が高価であり、中間工程が遅く複雑であるために、この方法は危険であり費用がかかる。例えば、エタノールを乾燥用液体として使用する場合には、温度は243℃を超え、圧力は6.4MPaを超える。そのような高圧は特別な装置(オートクレーブ)を必要とし、それは手が出ないほどに高価である可能性がある。こうして得られたシリカエーロゲルの均質個体は、大型のオートクレーブが高価であるために一般的に小さい。そのうえ、文献によると、この方法により製造されたモノリシックなエーロゲル品は非常に壊れ易い。
【0010】
これらの欠点を最少にするために、超臨界乾燥法がさらに改良されている、すなわちアルコールが、31.06℃の臨界温度と超臨界換気(supercritical ventilation)前で7.3 MPaの臨界圧を持つ液体二酸化炭素のような無機溶媒に置き換えられた。これは、例えば米国特許No.4,610,863及び米国特許No.5,795,557に記述されているように、乾燥操作を安価に且つ安全にした。しかし、緩和な条件の下に行われる場合オートクレーブのコストは大きく減少するが、二酸化炭素を液化するために必要な圧縮機及びそれを液状に維持するために必要な極低温装置はやはり非常に高価である。例えば、米国特許No.6,670,402B1に記述されているように、アルコールの代りに超臨界二酸化炭素へ直接置換されるならば、コストはさらに減少する。しかしながら、拡散によって制約される溶媒置換工程を伴うために、この方法は非常にゆっくりとしている。そのうえ、このようにして得られたエーロゲルは極めて親水性であり、大気中の湿度と水分に対して安定化するために乾燥後さらに化学的処理を必要とする。
【0011】
シリカエーロゲルの製造に使用される亜臨界法は、前記のように液体/蒸気の境界面を形成するために、いくつかの問題を伴う。したがって、臨界値以下の温度においてゲルから液体が蒸発を開始するとすぐに、液体の表面張力はゲルの孔の内側に凹状の湾曲部(concare meniscus)を形成する。蒸発が進行するに従って、この湾曲部はゲルの中にさらに引き退がり、ゲルは圧縮する力の影響を受けて収縮する。ゲルの構造は、最終的に圧縮されてかなりの容積が失われ、顕著な多孔性の損失を生じ、エーロゲルの代わりにキセロゲルが得られる。
【0012】
しかし、大気圧の値に近い圧力において乾燥液体の臨界未満での蒸発による高度に多孔性のシリカエーロゲルの製造方法が開示された。液体の表面張力の作用は、米国特許No.5,911,658に記述されているように、この方法の注意深い使用及び/又は適当な乾燥液体の選択により減少する。この方法は乾燥工程中の容積収縮を効果的に減少させ、そして殆んどの場合に小さな孔が均一に分布したエーロゲルを生じる。この方法は小さなサイズの試料、すなわち、シリカエーロゲル粒子を製造するために使用することができるが、亀裂のないモノリシック品が得られることはこれまで示されていない。その他の方法においては、蒸発する液体がゆっくり排出されるようにいくつかの開口部を持つチェンバー中において臨界未満の温度で湿性ゲルを加熱することにより乾燥速度を減少する(例えば、米国特許No.3,243,769及び米国特許No.5,243,769参照)。このチェンバーはこのように大気に通じているので、その中の圧力は大気圧の値を決して超えない。この方法は一般的に亀裂のないモノリシック品を製造するのに有効であるが、非常に遅いことがあり、乾燥操作を完了するために1ヶ月以上を要することがある。この乾燥は開口部の面積を増加させることにより促進することができるが、亀裂の形成を防ぐために、通常1週間以上湿性ゲルの構造を適切に熟成する必要がある。
【0013】
さらに、国際特許WO 94/25,149は臨界未満の条件でシリカエーロゲルの製造方法を開示しており、その方法では湿性ゲル中の孔の内側の表面は、乾燥前にシリル化剤による修飾により有機化される。このプロセスは非常に有効に乾燥収縮を除去し、有利に疎水性製品を生じる。しかし、最も有効なシリル化剤はクロル化された化合物であり、これらの使用は、HClの発生及び種々の副産物の生成といった好ましくない環境汚染を伴う。このプロセスはゲルを精製するために時間のかかる洗浄操作を必要とし、時間と費用がかかる。そのうえ、製品は特に耐腐食性でなければならず、関連する安全対策には高度に複雑で、高価な装置が必要である。この欠点を除くために、非クロル化シリル化剤が提案された(例えば、米国特許No.6,159,539参照)。しかし、その疎水性基は酸素架橋によりシリカに結合し、これは水により容易に切断されるので、これは有効ではない。そのうえ、殆んどの非クロルシリル化剤は工業的規模で利用できないので、この工程のコストを非常に増加させる。さらに、有機基で修飾されたエーロゲルは機械的に余り強くはなく、容易に壊れる。
【0014】
上記の乾燥方法は総て、乾燥操作の前のゲルの微細構造に充分に注目せずに毛細管圧を最少にすることを目的としている。しかし、その微細構造に依存する湿性ゲルの機械的強度が有意に改善されるならば、乾燥過程における容積収縮及び亀裂に対する抵抗性はかなり改善されることが期待できる。これに基づいて、多数の溶液が提案された。即ち、種々の触媒の使用は、乾燥段階に発生する毛細管圧をそれ相応に減少させることにより、孔の平均半径を増加させることができる。しかし、この方法は、平均サイズが10nmより大きい孔にすることができる触媒が発見されなかったので、特に大きなモノリシック品を製造するのに適することは認められなかった。ゾルにコロイドシリカ粒子を導入することも、平均孔半径を増加させることを可能にするが、その存在は、ゲルがその均一性を失い、使用することができる組成の範囲を制限することを意味する(例えば、米国特許No.4,681,615参照)。乾燥工程を管理するために、例えば、ホルムアルデヒド又はジメチルホルムアミドのような化学的添加物の使用も、大きな孔及びより均一なサイズの孔の分布を生じる。これはゲルのマトリックスを強くするが、この方法は一般的にモノリシック品の中に多数の泡を造る。乾燥操作の前のゲルの適切な熟成は、湿性ゲルの平均孔直径を増加させるための別の方法であるが、必要な通常の熟成期間は、時間を要する工程であり、装置のコストを増加させる(例えば、国際特許WO 92/20623及び米国特許No.5,023,208参照)。米国特許No.5,264,197によると、乾燥工程を開始する前のゲルに必要な機械的及び構造的性質を与えるために、加水分解及び縮合反応に使用する有機溶媒及び/又は酸触媒の相対的量を変えることにより、ゲルの微細構造の寸法(dimensions)を調節することが可能である。しかし、湿性ゲルの合成は数時間を要し、そして熟成は70℃において1週間又はそれ以上の長期間を要する。事実、湿性ゲルの機械的強度を改善することを目的とした既存の工程の殆んどは、亀裂のないモノリシック品を得るのであれば、長期間の熟成と乾燥を必要とする。しかし、これにより得られる乾燥ゲルのサイズ及び工程全体の時間は一般的に開示されていない。
【0015】
いずれの方法が使用されても、応力はシリカネットワークの貧弱な固体構造によってのみ拡大することができるので、シリカエーロゲルの高い多孔性はこれらの製品に独特の絶縁特性を賦与するのみでなく、その低い機械的強度の原因でもある。一方、多くの応用で、高い多孔性は高い機械的強度を伴っていなければならない。
【0016】
機械的強度の問題を解決するために、モノリシックな形態でそれを使用する代わりとして、樹脂中に(例えば、米国特許No.6,143,400参照)又は泡の中に(例えば、米国特許No.5,124,364及び6,040,375参照)吸収されたか又は埋め込まれた粒子の形態でエーロゲルを使用することが提案された。しかし、有機の樹脂又は泡は可燃性であり、エーロゲルの絶縁性能を減少させる。
【0017】
潜在的熱遮断物としてエーロゲル粉末で固めた線維状材料を使用することは既に示唆されていた。この材料は、最初にその成分(すなわち、エーロゲル粉末、線維及び樹脂)を製造し、次いで混合し、圧縮して、絶縁線維又は板を得ることにより製造される。しかし、大量の粉末状の超臨界エーロゲルが必要であり、多数の臨界的な製造段階を必要とするために、この製造方法はコストがかかる。さらに、この材料の絶縁特性はモノリシックなシリカエーロゲルよりも優れる点は少ない傾向にある(例えば、米国特許No.6,479,416 B1参照)。
【0018】
ハイブリッドエーロゲルを製造することも提案されており、その中でエーロゲル構造はマトリックスとして機能し、そして他の粒子(典型的には、ゾル−ゲル前駆混合物に加えられた線維)は、シリカネットワークを補強するためにこのマトリックス中に組み込まれる。例えば、米国特許No.6,087,407に開示されたプロセスにおいて、これらの線維補強モノリシックエーロゲルもまた非常に低い熱伝導性を有し、純粋なシリカエーロゲルよりもかなり優れた機械的強度も示した。しかし、その製造プロセスはまた超臨界乾燥を含んでおり、前に記述した技術的問題及び高いコストに悩まされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
事実、現在のところ、臨界未満の条件下で合理的な時間内に大きな、亀裂のない、モノリシックなエーロゲルを製造する有効な方法はない。また、現在のところ、疎水性の特性及び、実用的応用の大部分に必要な機械的性質をもつこのモノリシックなエーロゲルを製造するための有効な方法もない。
【0020】
発明の要約
これまでに言及したところに従って、本発明は、その孔の表面を化学的に修飾せずに、大気の湿度と水分に耐性で、良好な絶縁特性及び改良された機械的強度を持つ亀裂のないモノリシック品の形態で臨界未満の条件下で得られる新しいエーロゲル−タイプの材料を提供することを目的とする。
【0021】
本発明のその他の目的は、有機/無機ハイブリッドからなるナノ−スケールの複合体であるエーロゲル−タイプの材料を提供することである。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、このエーロゲル−タイプの材料の製造方法を提供することである。
【0023】
本発明の追加の目的は、超臨界抽出工程に伴うコストを削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明のこれらの及びその他の目的は、有機コロイド状ポリマー又はラテックスの製造及びそれを無機前駆体を含むゾルの中に組み込むことにより達成される。この添加の後に、生じた混合物はゲル化し、多孔性の固体複合材料を形成する。この複合材料は、次いで熟成され、洗浄され、固体の内部の孔の解放ネットワークを破壊しないように臨界未満条件で乾燥される。ゲルが形成される前にゾルの中にラテックス粒子を導入することにより、無機マトリックスの中に分子レベルで均一な有機相の分散が得られる。
【0025】
この複合ゲルの性質は、重量で有機化合物の量を変えることにより、また絶縁の応用のためにナノ−スケールで設計することができる構造の範囲を拡張することにより調節することができる。得られた複合材料の物理的及び化学的性質は、無機マトリックス、有機成分又は複合エーロゲル若しくはキセロゲル材料を修飾することにより、ゾル−ゲルプロセスの間のいくつかのポイントでさらに修飾することができる。
【0026】
さらに具体的には、マトリックスの構造及び最終的性質の両者、すなわちその疎水性、多孔性及び機械的強度は、溶液中の無機前駆体の濃度、触媒の量及び種類、水と前駆体の間の比率及び湿性ゲルの熟成に使用する条件を調節することにより、厳密に制御することができる。ここに採用した二段階合成は、湿性ゲルの製造に必要な時間及びそれを適切に熟成するために必要な時間の両方を大きく減少させ、10nmより大きい平均孔直径を持つエーロゲルを製造することを可能にする。製品の機械的強度は、製品の衝撃強度を修飾する軟らかいコロイド状ポリマー粒子を使用することにより改善される。このラテックスは反応混合物中で安定した分散を形成し、無機前駆体と共重合するように設計され、これによって真のハイブリッド材料を創る。
【0027】
最終的に、得られたハイブリッド材料は不燃性、無毒且つ生分解性である。乾燥は正確に臨界未満条件下に行われるので、その製造コストは従来のシリカエーロゲルのコストより低い。
【0028】
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の詳細な説明
本発明は、臨界未満条件下にエーロゲル−タイプハイブリッドモノリシック材料の製造方法に関し、この製品は疎水性及び高い機械的強度を持っている。この方法は、a)金属酸化物ネットワークの構造の寸法及び多孔性を調節するためにゾル−ゲル工程の多様性、及びb)それを優れた絶縁体にする特有の性質を保ちながら、純粋な無機エーロゲルの機械的性質を改善するために有機及び無機の特徴の相乗効果の両者を利用する。
【0030】
既に述べたように、臨界未満条件においてゾル−ゲル法によりモノリシック品を製造することの大きな困難は、乾燥段階における液体/気体の境界面の形成によるものである。この境界面は、非常に高い毛細管圧を発生することがあり、構造が応力を吸収できない場合には、亀裂の拡大及び/又はゲル中の孔の破壊が促進される。本発明において、この問題は二つの方法で解決される:一つには、乾燥段階における毛細管圧の減少により、また一つには乾燥プロセスの前に湿性ゲルのネットワークの機械的強度を増加することによる。
【0031】
毛細管圧Pは以下のように定義される:
=2γ・cosθ/r
式中、γは蒸発する液体の表面張力であり、θは接触角度であり、rは毛細管孔の平均半径である。したがって、毛細管圧Pは問題の液体及び湿性ゲルのネットワークの両者に依存する。それは液体の表面張力の減少、及び接触角度及び/又は孔の大きさの増加により減少させることができる。
【0032】
ゾル−ゲルプロセスは基本的に、低温において溶液中で行われる化学反応による無定形の無機ネットワークの合成からなる。この工程の最も明らかな特徴は、液体(ゾル又はコロイド状溶液)から固体(二相又は多相ゲル)への変化を含んでいる点であり、これが「ゾル−ゲル工程」という言葉の由来である。関連する文献は、例えば、C.J.Brinker and G.W.Scherer:“Sol−Gel Science and Technology−The Phsics and Chemistry of Sol−Gel Processing”であり、ボストン、MA.のAcademic Pressにより1990年に出版された(参考文献の一つとしてここに示された)。加水分解を受け重縮合することができ、反応性「無機」モノマー又はオリゴマーを形成することができる分子は、ゾル−ゲルプロセスで前駆体として使用することができる。(例えば、R.K.Iller:“The Chemistry of Silica”、Wiley in New Yorkにより1979年に出版された(参考文献の一つとしてここに示された)を参照)。典型的な前駆体は一般式、M(OR)を持つ金属アルコキシドであり、これは「無機」モノマーの源として適切に作用し、通常の有機溶媒に可溶性である利点を持っている。溶液中において、アルコキシドは加水分解と縮合のいずれも行い、金属−酸素−金属の結合を持つ重合分子種を形成する[例えば、H.J.Schmidt,Non−Cryst.Solids,No.100(1988),p.51,ここに参考文献として示した]。含まれる官能基はここで、ゾル−ゲルプロセスを記述するために一般的に使用される次の3つの反応に関与し、シリコンアルコキシド、Si(OR)の場合に次のように書くことができる:
【化1】

【0033】
これらの反応から、ゾル−ゲル材料の構造は数段階で発現することは明らかである:同時に又は連続して生じる加水分解及び縮合反応の結果であり、それと同様に、対応する逆反応(それぞれ、エステル化及び解重合)の結果である。したがって、上記反応の機構と動態を化学的に管理すること、すなわち、温度、反応物質(そのアルコキシド及び水)の濃度、反応物質のための共溶媒、アルコキシドのタイプ及び反応の触媒条件を変化させることによりかなり広範囲の制限中である湿性ゲル構造と性質を設計することが可能である。
【0034】
これらの反応が起こる緩和な条件は、湿性ゲルの製造中にオキシドマトリックスの中に有機分子を組み込むことを可能にする。このゾル−ゲルプロセスの特性は、従来の製造方法ではこれまで達成できなかった構造、形状及び性質を持つ高性能で多機能の有機/無機ハイブリッド材料の製造に利用することができる。シリカをベースとするハイブリッド材料は、a)ゾル−ゲル工程の前又は途中で有機分子とシロキサンのアルコキシド前駆体の化学的結合、又はb)前駆体の溶液中にポリマー粒子を組み込むことにより得ることができる。ポリマーの存在は、無機マトリックスと化学的に結合することにより、最終製品の構造及び性質に大きな影響を与えることができる。
【0035】
湿性ゲルが形成された後、臨界未満条件下でのその後の処理は、キセロゲルかエーロゲルのいずれであっても、乾燥ゲルの最終構造及び性質に影響を与えることができる。この処理段階は、(平均の孔のサイズを修飾することができる)ゲルの熟成及び(表面張力及び/又は接触角度を減少させるのに役立ち得る)適切な液体による熟成ゲルの洗浄、並びにこれらの段階が実施される温度の調節を含む。
【0036】
乾燥ゲルの最終的な構造と性質(疎水性、多孔性及び機械的強度)の厳密な制御は、湿性ゲルの合成及びその熟成に影響するパラメーターを最適化することにより本発明において達成される。これが、平均孔半径を増加させ、それにより乾燥操作中の毛細管圧を減少させる助けとなる。湿性ゲル(及びエーロゲル)の機械的強度は、熟成プロセス及びアルコキシド前駆体の溶液中へコロイド状ポリマー粒子の取り込みの両者により改善される。これらの粒子は、反応混合物中に安定的に分散し、そして共加水分解又は共重合のいずれかを行うことによりシリカネットワークと反応するように設計される。最後に、このハイブリッドゲルの乾燥は、厳密に管理された臨界未満条件の下に行われる。
【0037】
この新しい複合物質に適する無機マトリックスは、ゾル−ゲルプロセスにより製造される金属オキシドに基づくものであり、シリカネットワークが好ましい。適する有機ポリマーは、シリカネットワークと架橋結合し、化学結合を形成し得ることを条件に、室温に近いか又はそれより低いガラス転移温度を持つポリマー、コポリマー又はポリマーの混合物からなるコロイド状粒子を含む。
【0038】
新しい無機/有機ハイブリッドエーロゲルの製造に含まれる個別のステップは、この発明による工程を特に適用する新しいシリカ/ラテックスハイブリッドエーロゲルの場合を特別に参照して、以下さらに詳細に記述される。
【0039】
湿った状態におけるシリカ/ラテックスハイブリッドゲルの合成
本発明によるプロセスの最初のステップは、過剰の水を含む有機溶媒中で、適当なシリコンアルコキシドの加水分解及び縮合反応の酸/塩基触媒を用いる、二段階法による湿った状態でのシリカ/ラテックスハイブリッドゲルの最適化合成である。
【0040】
シリコンアルコキドは、最初に縮合反応が非常に遅いpHを持つ強い酸性媒体中で過剰の水で加水分解され、問題の反応機構は以下の通りである:
【化2】


[式中Rはアルキル基である]。
この酸性ゾルは、次いで以下の式にしたがってアルカリ触媒の下に(OHイオンにより)生じる縮合反応を促進するために中和される:
【化3】


[式中、R’はトリアルコキシシリル基、すなわちSi(OR’)又は水素原子のいずれかである]。
【0041】
実際には、これらの反応は決して純粋なオキシドを与えるものではなく、加水分解性の重縮合の全反応は以下のように書くことができる:
【化4】


[式中、mは2n+(a−b)/2に等しく、シリカ(SiO)への変換が完全である場合には2の値を持つ]。
このようにして得られたゲルは、そのアルコキシル(OR)基が残った水の影響の下に続いて加水分解を受けるので、化学的に不安定である。残る溶媒からそれを取り出すことにより得られた乾燥ゲルも(キセロゲル又は超臨界的に乾燥されたエーロゲルであっても)、残存水酸基(OH)が、大気中の湿気に曝された時に、依然として縮合するから、やはり不安定である。最終の結果は、製造してから数ヶ月後であっても構造変化(例えば、密度が高くなる)を行う「生きた」物質である。
【0042】
本発明による二段階法において、縮合反応の始めに存在した水酸基は、殆んどシリカに結合するので、シリカネットワークにおける架橋結合の形成に好ましい。さらに、第二段階の早い反応の程度はSi−OH基の酸性度により増加し、そしてこれは既に多くの交差結合を含んでいる凝集の場合に大きいので、アルカリ触媒の下の重合の機構もまた交差結合の形成に好ましい。全体的結果は、大きなポリマー分子が小さな分子を犠牲にして成長し、本質的に純粋なシリカからなる高度に交差結合したゲルを生じることである。これはよく知られている二段階法の改良された形態である(例えば、C.J.Brinker et al.,J.Non−Cryst.Solids,No.48(1982),p.47,及びC.J.Brinker et al.,J.Non−Cryst.Solids,No.63(1984),p.45,参照文献としてここに与える)。加水分解と重合を互いに有効に分離したために、これによりわれわれは、シリカ形成の総合的収量を上げることが出来た。この方法のその他の利点は、従来のゾル−ゲルプロセスにより製造したシリカよりも本来的に疎水性である湿性ゲルを与えることであり、そのためシラノール基を置換するための化学的修飾の好ましくないステップを省くことができることである。
【0043】
適するシリカ前駆物質としては、短鎖アルコキシシラン、好ましくは最も一般的なもの、すなわちテトラエトキシシラン(TEOS)及びテトラメトキシシラン(TMOS)があり、これらの前者が特に好ましい。最初の溶液中の前駆物質の量は、10〜50重量%にしない;長いゲル化時間を避けるために、15重量%より多いのが好ましく、テトラエトキシシランと水の間の相分離が生じることを避けるために40重量%未満が好ましい。前駆物質の最も適する量は20〜30重量%である。
【0044】
水とテトラエトキシシランの間のモル比R(「加水分解比(hydrolytic ratio)」と称す)は、テトラエトキシシランと水の間の相分離を起こさずに、2から10まで変えることができる。この比は、長いゲル化時間を避けるために、シリコンアルコキシドをSi(OH)へ完全に変換ために必要な化学量論的値(すなわち4)より上が好ましい;Rの最も好ましい値は6と8の間である。
【0045】
水−TEOS系のための有機共溶媒は主に反応分子種の間の統計的相互作用(statistical interactions)に影響し、系を均一のままにすることを確保する有機溶媒であればよい。従って、多種類の溶媒を使用することができる;例えば、
−ジオキサン、ベンゼン、ヘキサン及びクロロホルムなどの非極性溶媒;
−ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル及びアセトンなどの極性非プロトン性溶媒;及び
−アルコール類及びホルムアミドなどの極性プロトン性溶媒。
【0046】
アルコキシド前駆体の酸加水分解及びその後のシリカオリゴマーのアルカリ重合からなる本発明による二段階法においては、酸触媒の活性を増加させるために、極性プロトン性溶媒の使用が好ましい。有機共溶媒は、特にアルコール及びアルコールの混合物、すなわち、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノールの中から選択することができ、特に最後の3つが好ましい。
【0047】
ポリマーのコロイド状粒子の分散であるラテックスは、ネットワークに発生した応力を吸収することにより衝撃強度を改善するものとして働く。この目的のために、ラテックスは低い、すなわち好ましくは室温に近いか又はそれより低い温度のガラス転移温度(Tg)を持たなければならない。シリカネットワークと化学的に結合できるように、このラテックスは粒子の表面上に、シリカネットワークと反応することができる特定の基を持っていなければならない(好ましくは、トリアルコキシシリル、すなわちSi(OR)基)。ラテックス粒子と形成されつつあるシリカネットワークの間の反応は、酸加水分解又はアルカリ重縮合のいずれかの間に起り得る。ゾル−ゲル重合において、ラテックスのトリアルコキシシリル基は、(第1段階に加えられた場合には)酸加水分解或いは(第2段階に加えられた場合には)アルカリ加水分解のいずれかを受け、形成されつつあるシリカオリゴマーと共縮合し、これらの粒子とシリカネットワークの間に化学結合を形成するであろう。
【0048】
ハイブリッドゲルの機械強度を改善するラテックス粒子は、ミクロン未満の範囲、すなわち好ましくは1μm未満、特に30〜300nmの範囲の直径を持たなければならない。
【0049】
ラテックス粒子は、安定した分散を形成しなければならず、また上記二段階法によるシリカ及びラテックスからなるハイブリッドゲルの合成の間に凝集してはならない。これらの粒子は、反応混合物の非常に低い又は非常に高いpH値のいずれにも耐えることができなければならず、またアルコキシシランのアルキル鎖の存在下又はアルコール共溶媒の存在下に凝集してはならない。この必要な安定性を確保するために、ラテックス粒子はジアクリレート又はジメチルアクリレートコモノマーの助けにより架橋結合される。ジメチルアクリレートは好ましい架橋剤であり、エチレングリコールジメタアクリレートは特に好ましい。架橋剤は、反応混合物全体で計算して、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは約0.5重量%の量で使用される。
【0050】
最終のシリカマトリックスに対するラテックスの量は、無機ネットワークにおける種々の機械的応答を誘導することを目的として、0.1〜50重量%とすることができる。無機部分の量が50%より有意に少ない場合には、このタイプの組成物は充分な機械的結合力を持たないので、不利である。ラテックス粒子の好ましい量は3〜5重量%である。
【0051】
最初の混合物が、水、テトラエトキシシラン、共溶媒及びラテックスから作られた場合には(最初のステップにおいてラテックスが加えられた場合に)、加水分解は酸の添加により開始され、この目的にはいずれかの強酸を使用することができるが、塩酸(HCl)が好ましい。縮合が効果的に抑制され、酸加水分解のみが行われることを確実にするために、pHはシリカの等電点(約pH2.7)より低い値に調節することができる。そのようなpH値において、陽性荷電を持つ活性化複合体を介する二段階電子吸引性機構により加水分解は進行する。反応の速度は、溶液中のHイオンの濃度により調節され、低いpHほど、反応速度は大きくなる。好ましいpH値は1〜2.5の間である。
【0052】
次いで、酸性溶液は、ゲルの鋳型となる密閉容器の中に入れられ、そして加熱され、シリカ前駆体の加水分解を促進するために攪拌される。加水分解段階は、室温と溶媒の沸点に近い値の間の温度の間の温度で行われる。温度は好ましくは、本方法に使用される好ましい共溶媒の観点から、30〜80℃に固定するべきである。最初の段階でラテックスが加えられた場合には、特にその分解を防ぐために、50〜60℃の範囲が好ましい。この段階は典型的に1時間を要すが、一部の場合にはより短い時間で充分である。
【0053】
次いでアルカリ触媒が加えられ、加水分解混合物の縮合によりもたらされるゲル化を促進する。触媒として、ここではいずれの塩基も使用することができるが、アンモニア(NHOH)が好ましい。縮合は中性の媒体中において最も早いので、この方法のこの段階のために好ましいpHは5〜8であり、より好ましくは6〜7の範囲内である;そのような媒体中に、かなり高濃度のプロトン化された及び脱プロトン化されたシラノールが存在する。pHが6未満の場合には、ゲル化は遅く、数時間を要し、一方pHが7を越える場合には、速すぎる(数秒しかかからない)ので、ゲルの中に泡が出来易くなる。
【0054】
テトラエトキシシランの量、加水分解比、ラテックス濃度及び各段階の酸及び塩基の量を最適化するならば、本発明による方法は、調節された粒子サイズ、孔の形態、多孔性及び孔のサイズを持つハイブリッドシリカ/ラテックスアルコゲルを約1時間で与える。
【0055】
ハイブリッドゲルの熟成
本発明の方法において、新たに製造されたアルコゲルはシリカネットワークを強化するために熟成される。これにより製品の機械的性質は改善され、ゲルの乾燥中の亀裂の形成を防ぐことができる。この合成後の段階は種々のプロセス、例えば縮合反応及びシリカの分解及び再沈殿を含んでいる。熟成した湿性ゲルの構造は、熟成条件、例えばその媒体、温度及び期間により決まる。
【0056】
種々の組成で、残留ゾル、水/溶媒混合物、及びテトラエトキシシラン水及び溶媒の混合物を含む種々の熟成媒体を使用することができる。シリカの分解と再沈殿を促進するので、水の存在は好ましい。添加したモノマーの加水分解と及び重合その後のゲルのネットワークでの沈殿により、ゲルの粘りと機械的強度を改善するので、テトラエトキシシランの存在もまた好ましい。水はテトラエトキシシランをさらに活性化することによりこの第二プロセスを促進するので、水とテトラエトキシシランの同時使用は特に好ましい。
【0057】
湿性ゲルは、ラテックスを分解しないので、ハイブリッド材料が無傷で保たれる温度で熟成媒体と接触させた状態で維持される。これは、室温と同じか又はそれよりも高くてもよく、好ましくはゲルの製造に使用したのと同じ範囲、特に50〜60℃である。このゲルは密閉容器の内の熟成媒体中にネットワークを強化するのに充分長い時間、例えば要求されるモノリシック品の大きさに応じて2〜15日間維持される。長い熟成時間は、大きな孔を生じ(孔の半径rを増加させる)ので、乾燥操作中の毛細管圧を減少させ(Pの値を減少させる)、そして低い密度が得られる。過剰に長い熟成は、過剰な再沈殿のために、ゲルの多孔性が減少するので好ましくない。アンモニアの添加による熟成過程の加速は、アルコゲルの表面へシリカの沈殿を生じるか又は全く異なるゲルを形成することさえ起こりうるので、やはり好ましくない。
【0058】
熟成の後のハイブリッドゲルの洗浄
洗浄に使用される溶媒は乾燥操作中に蒸発する液体であるので、熟成後の湿性ゲルの洗浄は重要である。湿性ゲルが、残留する熟成溶液(水、反応しなかったテトラエトキシシラン、触媒及び種々の有機溶媒を含む可能性がある)中に残った場合には、乾燥中に最も揮発し易い成分のために濃度勾配が形成されるであろう。結果として、輸送は流れでなく拡散に基づくであろう。そのような場合に、低い透過性を持つ湿性ゲルを通じての非常に異なる拡散係数を持つ混合物の成分の相互拡散は、ネットワーク中に内部応力を生じ、亀裂を生じる。したがって、本発明において、モノリシックキセロゲルを製造する可能性は、熟成媒体を適当な乾燥用液体に置換することにより改善され、これは置換工程として知られている。
【0059】
シリカネットワークからの水の除去をより効果的にするために、好ましくは、アルコールが洗浄液又は溶媒として使用される。1水酸化、2水酸化又は3水酸化脂肪族アルコールはいずれも使用することができるが、1〜5の炭素を持つアルコールが好ましい。イソプロパノールは、おそらくシリカネットワークと大きな接触角(θ)を形成し、乾燥操作中の毛細管圧を減させるのに役立つので、特に好ましい。
【0060】
製品は、熟成に使用した温度範囲内で洗浄することができる。温度は湿ったハイブリッドゲルの損傷を避けるために充分低くなければならないが、置換過程を加速する液体の拡散係数を増加させるために充分高くなければならない。製品は好ましくは50〜60℃で洗浄される。残留物を取り除くのに必要な時間は、モノリシック品の要求される大きさによって、数時間から数日まで変動する。
【0061】
ハイブリッドゲルの臨界未満条件での乾燥
乾燥モノリシックゲル(キセロゲル又はエーロゲルのいずれにせよ)を得るためには、溶媒をアルコゲルから取り除かなければならない。速すぎる乾燥はゲルを破壊することがあるので、管理された条件下に乾燥を行うことが必須である。シリカ骨格を取り巻く液体中に存在する成分と同じ成分を含む雰囲気中で操作を行うことによって、乾燥の速度を調節することができる。これは、この混合物の蒸気で殆んど完全に飽和された雰囲気のチャンバー内で行うことが好ましい。適当な乾燥温度範囲は、室温から蒸発させる液体の沸点に及び、好ましくは50〜60℃の間である。
【0062】
ラテックスの合成
ラテックス粒子は、多孔性シリカ構造の製造中にその中に取り込まれるので、ラテックス、すなわち、コロイド状ポリマー粒子の分散は、ハイブリッドネットワークが合成される前に製造される。その目的は、製品の衝撃強度を改善する物質としてこの粒子を使用することである。
【0063】
このラテックスは、水中(極めて低いpH及び非常に高いpHのいずれにおいても)又は有機溶媒中(ラテックス粒子による共溶媒及びシリカ前駆体の吸収を防ぐために)のいずれでも安定でなければならない。換言すれば、ラテックスは、ハイブリッドゲルの合成に使用される条件に耐えることができなければならない。
【0064】
ラテックス粒子は、架橋結合を形成し架橋剤として作用できるコ−モノマーを使用して、室温に近いか又は室温より低いガラス転移温度(Tg)を持つポリマー又はコポリマーを生じるモノマーの混合物から合成される。架橋剤としてのジアクリレート又はジメタアクリレートと共に、単量体アクリレートとメタアクリレートの混合物を使用するのが一番よい。この試薬は、好ましくはジメタアクリレート、特にエチレングリコールジメタアクリレートである。このラテックス粒子は、クラウンがシリカネットワークと反応することができる基を含んでいるコア−アンド−クラウン構造(core−and−crown structure)を持っていなければならない。この基はアルコキシシラン基、好ましくはトリアルコキシシラン基[−Si(OR)]を含むコ−モノマーの助けにより導入される。このコ−モノマーは好ましくはアクリレート又はメタアクリレートであり、特にトリメトキシシリルメタアクリレートである。
【0065】
コロイド状ポリマー粒子は、好ましくはアニオンタイプであり、特にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である乳化剤を使用して、二段階エマルジョン重合により製造される。架橋結合される核形成粒子は、約50nmの直径を持ち、第一段階で、その核がバッチ式エマルジョン重合により70〜90℃、好ましくは80℃において製造される。第二段階において、この核形成又はコア粒子は、約80℃におけるエマルジョン重合、好ましくは半連続的エマルジョン重合、特に粒子のサイズ及び組成の有効な調節を確実にするためにその材料の導入を制御して、約100nmの直径を持つ架橋結合ラテックス粒子に変換される。
【0066】
バッチ式エマルジョン重合による架橋結合コア粒子の製造は、コンデンサーと機械的攪拌機を装着した反応器の中で行われる。両段階における反応混合物の成分の量は、それぞれの混合物中の試薬の全量に基づいて計算した重量%で以下に示されることを、ここに述べなければならない。下記の物質が反応器に導入される:
−80〜95%の水;
−4〜5%のブチルメタアクリレート(BMA);
−0.4〜0.5%のブチルアクリレート(BA);
−0.1〜1.5%のエチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA);
−0.1〜2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS);及び
−0.1〜1%の過硫酸カリウム(PPS)。
【0067】
好ましい変法において、窒素ガスを反応混合物中に2時間通し、次いで反応器を70〜90℃に、好ましくは80℃にさらに2時間加熱する。この操作により、直径30〜60nmでサイズのばらつきの少ないポリマー粒子の安定した水性分散が得られる。
【0068】
重合の第二段階において、反応器に、この段階の反応混合物の40〜60%を占める予め製造した核形成又はコア粒子の分散を入れる。窒素ガスを15分間材料の中を通し、そして窒素ガス雰囲気の下に反応器を70〜90℃、好ましくは80℃に加熱する。次いで、二つの相(有機相及び水相)を一定の速度で長時間をかけて、好ましくは約12時間かけて反応器に入れる。有機相は以下を含む:
−15〜20%のブチルメタアクリレート(BMA);
−1〜2%のブチルアクリレート(BA);及び
−1〜2%のエチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA)架橋剤。
【0069】
水相は以下を含む:
−1〜2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)乳化剤;
−開始剤として0.01〜0.1%の過硫酸カリウム;及び
−15〜20%の水(その中に最初の二つの成分が溶解されている)。
【0070】
反応器は、反応物質が導入される間攪拌して70〜90℃、好ましくは80℃に維持し、次いでさらに2時間保ち、その後室温に冷却する。これにより、直径80〜300nmで、サイズのばらつきの少ない、40重量%の固体含量の粒子の水性分散が得られる。
【0071】
実施例
以下の実施例は、100nmの平均直径を持ち、トリメトキシシリル基で修飾されている、ブチルメタアクリレート及びブチルアクリレートの間に形成されたコポリマーからなる3重量%のラテックス粒子を含む、ハイブリッドシリカ/ラテックスエーロゲルを製造するための本発明の方法を説明する。この材料の物理的及び機械的性質は、密度、ガス/固体物理的吸着、及び一方向の圧縮強度を測定することにより決定された。この結果は純粋な無機エーロゲルについて得られた値と比較された。
【0072】
コロイド状ポリマー粒子は二段階エマルジョン重合により製造された。核形成又はコア粒子は、コンデンサーと機械的攪拌機を装着した反応器中で製造された。両段階における反応混合物の成分の量は、それぞれの混合物中の試薬の全量に基づいて計算した重量%で以下に示されることを、ここに述べなければならない。下記の物質が反応器の中に導入された:
−94.4%の水;
−4.5%のブチルメタアクリレート(BMA);
−0.45%のブチルアクリレート(BA);
−0.15%のエチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA);
−0.4%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS);及び
−0.1%の過硫酸カリウム(PPS)。
【0073】
窒素ガスを反応混合物の中を2時間通し、次いで80℃に2時間加熱した。
【0074】
重合の第二段階において、反応器に、総反応混合物の46.5重量%を占める予め製造した核形成又はコア粒子の分散を入れた。窒素ガスを15分間物質の中を通し、そして窒素ガス雰囲気の下に反応器を80℃に加熱した。次いで、水相及び有機相を一定の速度で12時間をかけて反応器に入れた。有機相は以下を含有した:
−18%のブチルメタアクリレート(BMA);
−1.8%のブチルアクリレート(BA);及び
−1.2%のエチレングリコールジメタアクリレート(EGDMA)架橋剤。
【0075】
水相は以下の化合物を含有した:
−0.37%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)乳化剤;
−開始剤として0.03%の過硫酸カリウム;及び
−26.6%の水(その中に最初の二つの成分が溶解されている)。
【0076】
反応器は、反応物質を導入しながら攪拌して80℃に12時間維持し、次いでさらに2時間保ち、その後室温に冷却した。これにより、平均直径約100nmを有し、40重量%の固体を含む、クラウンの中にトリメトキシシラン基を含む架橋結合コア−アンド−クラウン粒子の水性分散を得た。
【0077】
ハイブリッドアルコゲルは、テトラエトキシシラン(TEOS)の二段階の加水分解及び縮合により合成された。モル比1:9.2のTEOS/iPrOHを使用して、TEOSを最初にイソプロパノール(iPrOH)に溶解した。固体を約4重量%含む水性ラテックス分散を蒸留水で希釈して水/TEOSモル比を6.5にした後、攪拌しつつテトラエトキシシランのアルコール溶液中に滴加した。このようにして得られた反応混合物を、HCl/TEOSモル比0.007を使用して、0.1N塩酸で酸性にした。25重量%のテトラエトキシシランを含む酸性ゾルを密封容器に入れ、60℃に加熱して、60分間約140rpmで攪拌した。次いで、アンモニアを、NHOH/TEOSモル比が0.007になるまで加えた。生じた均一ゾルを攪拌せずに放置し、約4分間でゲル化を生じた。ハイブリッドアルコゲルを48時間60℃で熟成した。具体的には最初の24時間は残留液体中で、次いでゲルを製造するために使用した比率のテトラエトキシシラン、イソプロパノール及び水を含有する熟成液の同量中で熟成した。次いで、製品をイソプロパノールで洗うことによって、孔の中の液を置換した。ゲルを洗った後、60℃、大気圧下の臨界未満条件下で乾燥した。事実上明らかな重量減少を生じなくなるまで、管理された条件下で蒸発を継続した。乾燥ハイブリッドゲルは3重量%のラテックスを含有した。
【0078】
このようにして得られた均質なエーロゲルは不透明であり、以下の性質を有した:
−多孔性:83%(350kg/mの密度に相当);
−比表面積:770m/g;
−平均孔直径:11.5nm;
−ヤング率:44MPa;及び
−機械的強度:4.2MPa.
【0079】
比較のために、純粋な無機エーロゲルが同じ条件下に製造された。ポリマー粒子の水性分散の代わりに水を使用した以外は複合ゲルの製造と同じ組成を使用した。これにより、以下の性質を持つ純粋に無機の透明なエーロゲルが得られた:
−多孔性:82%(370kg/mの密度に相当);
−比表面積:950m/g;
−平均孔直径:10nm;
−ヤング率:28MPa;及び
−機械的強度:0.9MPa.
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨界未満の条件下(under subcritical conditions)にモノリシックなシリカ/ラテックスハイブリッドキセロゲル又はエーロゲルを製造する方法において、
有機溶媒中の過剰の水によりシリコンアルコキシドを酸加水分解し、その後、得られた加水分解ゾルをアルカリ条件下に重縮合させることにより、ハイブリッドゲルを合成し;
シリコンアルコキシドと共加水分解するための第一段階か、或いは予め加水分解されたコロイド状シリカと共縮合するための第二段階のいずれかにおいて、アルコキシシラン基を含むコロイド状ポリマー粒子を水性分散未満の形態で製造し、それを前記混合物に入れ;
このようにして得られたゲルを熟成し、洗浄し、次いでその洗浄のために使用した溶媒でほぼ完全に飽和した雰囲気中で臨界未満条件下で乾燥する
ステップを含み;
得られた乾燥ハイブリッドゲルが300〜1300kg/mの密度、40〜85%の多孔性、400〜900m/gの比表面積及び2〜12nmの平均孔直径を持ち;
該乾燥ハイブリッドゲルが大気中の湿度及び湿気に耐性であり、対応する無機物質より優れた機械的性質を持ち、断熱材、遮音材及び電気的絶縁体として使用することができる
前記方法。
【請求項2】
シリコンアルコキシドが、短いアルキル鎖を持つアルコキシシラン、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)又はテトラメトキシシラン(TMOS)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
出発溶液中のシリコンアルコキシドの量が10〜50重量%であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
水とテトラエトキシシランの間のモル比が2〜10であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
共溶媒が、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノールのなかから選択されるアルコール又はアルコールの混合物のような極性のプロトン供与溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記加水分解が塩酸のような強酸により触媒されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記加水分解が2.7より低いpHにおいて行われることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記加水分解の時間が60分に限定されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記重縮合がアンモニア(NHOH)のようなアルカリ性触媒により触媒されることを特徴とする請求項1及び8に記載の方法。
【請求項10】
前記重縮合が5〜8のpHで行われることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
0.1〜50重量%のコロイド状ポリマー粒子が前記ハイブリッド材料に組み込まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
コア−アンド−クラウン構造及び30〜1000nmの平均直径を持つコロイド状ポリマー粒子が製造され、前記ハイブリッド物質中に組み込まれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
製造され前記ハイブリッド材料中に組み込まれた前記コロイド状ポリマー粒子が、ポリマー、コポリマー又は例えばn−ブチルメタクリレート−n−ブチルアクリレートコポリマーのような室温に近いか室温以下のガラス転移温度を有するポリマー、コポリマー又はポリマーの混合物からなることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
製造されそして前記ハイブリッド材料中に組み込まれた前記コロイド状ポリマー粒子が、架橋結合コア及びクラウンを持つことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
製造されそして前記ハイブリッド材料中に組み込まれた前記コロイド状ポリマー粒子の外側のクラウンが、該ポリマーに共有結合したアルコキシシラン基で修飾されていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸触媒の導入の前に、前記コロイド状ポリマー粒子の水性分散がシリコンアルコキシド、水及び共溶媒の混合物に加えられることを特徴とする請求項1,4,5,8,11及び15に記載の方法。
【請求項17】
前記コロイド状ポリマー粒子の水性分散を、予め加水分解された混合物に、触媒として使用される塩基の導入の直前、同時又は直後に加えることを特徴とする請求項1,4,5,10,11及び15に記載の方法。
【請求項18】
前記ゲルが室温と溶媒の沸点に近い温度の間において合成されることを特徴とする請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記ゲルが、種々の比率で使用される残留ゾル、残留ゾル、水及び溶媒の混合物、又は、残留ゾル、シリコンアルコキシド、水及び溶媒の混合物であり得る適当な媒体の中で熟成されることを特徴とする請求項1及び18に記載の方法。
【請求項20】
前記ゲルが二段階;最初は残留溶液中で、次いで前記残留溶液、シリコンアルコキシド、水及び溶媒の混合物中で熟成されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ハイブリッドゲルが無傷のままで維持される温度で前記熟成が行われることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記熟成されたゲルが1水酸基、2水酸基又は3水酸基のC〜C脂肪族アルコールで洗浄されることを特徴とする請求項1及び21に記載の方法。
【請求項23】
前記ハイブリッドゲルが無傷のままで維持される温度で前記洗浄が行われることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アルコゲルのその後の乾燥が臨界未満条件下で行われることを特徴とする請求項1及び23に記載の方法。
【請求項25】
洗浄溶媒でほぼ完全に飽和した雰囲気中において、室温と洗浄溶媒の沸点に近い温度の間で乾燥が行われることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項1〜25に記載の方法に従って製造されるアルコゲル及びそのハイブリッド材料の使用であって、断熱材として使用されることを特徴とする使用。
【請求項27】
請求項1〜25に記載の方法に従って製造されるアルコゲル及びそのハイブリッド材料の使用であって、遮音材として使用されることを特徴とする使用。
【請求項28】
請求項1〜25に記載の方法に従って製造される、前記アルコゲル及びそのハイブリッド材料の使用であって、電気的絶縁体として使用されることを特徴とする使用。

【公表番号】特表2008−537570(P2008−537570A)
【公表日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505254(P2008−505254)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/PT2006/000010
【国際公開番号】WO2006/107226
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(505150903)インスティテュート スペリオール テクニコ (4)
【Fターム(参考)】