説明

アルコキシチオフェン誘導体の製造方法

【課題】ドープされた状態において高い導電性能を示し、かつ大気安定性を有するチオフェン系重合体のモノマーとして有用であるアルコキチオフェン誘導体を、不安定な中間体を経ずに効率的に合成できる製造方法を提供する。
【解決手段】アルコキシチオフェン化合物の金属化合物又はホウ素化合物と、単環式、縮合多環式又は環集合式のチオフェン誘導体等からなる基を有するヘテロアリーレン化合物のハロゲン化物とを、遷移金属触媒下でクロスカップリング反応することにより、アルコキチオフェン誘導体を高収率で得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコキシチオフェン誘導体の製造方法に関するものである。本発明の方法で製造されたアルコキシチオフェン誘導体は、半導体又は、導電性高分子の材料として有用である。
【背景技術】
【0002】
ピロール、チオフェン、アニリン等のようにヘテロ原子が環内外に存在する五員環構造又は六員環構造を有する化合物を重合したり、炭化水素系芳香環構造を有する化合物を重合したりして得られる重合体は半導体性を有しており、有機電解トランジスタ、薄膜トランジスタ、RFID等の様々な有機デバイスへの用途が検討されている。また、酸化的、還元的にドープされたこれらの重合体は導電性を有しており、ドーピング量を調整することにより電気特性及び光学特性を適切にコントロールすることができるため、各種電極、エレクトロクロミック材料、各種センサー、一次電池、二次電池、固体電解コンデンサー、帯電防止剤等の様々な有機材料への用途が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、アルキルチオフェンとチエノ〔3,2−b〕チオフェンとを含む共重合体をドープした重合体が導電性を有することが記述されている。しかし、具体的な導電性や安定性については言及されておらず、非特許文献1において、これらの重合体の導電性が大気暴露によって大幅に低下することが報告されている。また、アルキルチオフェンとジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールとを含む共重合体が、酸化的にドープされた際、高い導電性を示すことが報告されているが、大気暴露で大幅に導電性が低下している(非特許文献2)。
【0004】
したがって、より高い導電性を示し、大気中においても安定な重合体及びその製造方法の提供が求められている。
【0005】
本発明者らのこれまでの検討(特願2011−121312)により、前記課題は以下の方法によって解決できることを見出している。すなわち、アルコキシ基を含有するアルコキシチオフェン誘導体をモノマーとして用いることにより、半導体性能、及びドープされた状態において高い導電性能を示し、かつ大気曝露によって導電性が低下することなく大気安定性を有する重合体を提供することができる。
【0006】
しかし、特願2011−121312に記載の製造方法によれば、3−アルコキシ−2−ハロゲノチオフェンとトリアルキルスズ化合物とを触媒存在下で反応させることで重合前駆体であるアルコキシチオフェン誘導体を合成しているが、高収率でアルコキシチオフェン誘導体を得ることはできていない。この原因として、2−ハロゲノチオフェンの3位に電子供与性基であるアルコキシ基が結合しているため、触媒の酸化的付加に不利に働き、目的の反応が進行し難く収率が低いことが考えられる。また、3−アルコキシ−2−ハロゲノチオフェンは、容易に重合することが知られており(非特許文献3)、安定性が悪いことから取り扱いが困難である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Advanced Functional Materials,19,1906(2009)
【非特許文献2】Journal of American Chemical Society,130,13167(2008)
【非特許文献3】Australian Journal of Chemistry,64,335(2011)
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2008−504379
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかして、本発明の目的は、アルコキチオフェン誘導体を、不安定な中間体を経ずに効率的に合成できる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは更なる鋭意検討を重ね、アルコキシチオフェン化合物とハロゲン化ヘテロアリーレン化合物とを用いて反応を行うことにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明に至った。
【0011】
即ち、本発明は、
1.下記化学式(1)
【0012】
【化1】

〔化学式(1)中、Rは下記化学式(2)
−〔W−(CH− ・・・(2)
(式(2)中、Rは水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、Wは酸素原子又は硫黄原子であり、〔W−(CH〕は繰り返し単位毎にWとaとが同一又は異なっていてもよく、aは1〜20、bは0〜20の正数である)で示される側鎖であり、
は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基であり、
Mはハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化亜鉛、トリアルキル化スズ、ホウ酸又はホウ酸エステルである〕
で示されるアルコキシチオフェン化合物と、下記化学式(3)
−A−X ・・・(3)
〔化学式(3)中、Aは置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基であり、X及びXはそれぞれ同一又は異なるハロゲン原子である〕
で示されるヘテロアリーレン化合物とを反応させることを特徴とする、下記化学式(4)
【0013】
【化2】

〔化学式(4)中、R及びRは前記と同じである〕
で示されるアルコキシチオフェン誘導体の製造方法;
2.置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基がチオフェン誘導体からなる基である、上記1に記載のアルコキシチオフェン誘導体の製造方法;
3.置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基が下記化学式(5)〜(9)から選択されるいずれかである、上記2に記載のアルコキシチオフェン誘導体の製造方法
【0014】
【化3】

〔化学式(5)〜(9)中、R、R、R、R、R、R、R10、R11,R12、R13、R14、R15、R16、R17はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基であり、R18は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である〕;
である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法を用いることにより、不安定な中間体を経ずに、アルコキシチオフェン誘導体を効率的に製造できる。このようにして得られたアルコキシチオフェン誘導体は、ドープされた状態において高い導電性を示し、かつ大気安定性を有する重合体の材料として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0017】
本発明の製造方法に用いられるアルコキシチオフェン化合物は、前記化学式(1)で示されるように、チオフェン環の2位にMで表されるハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化亜鉛、トリアルキル化スズ、ホウ酸、ホウ酸エステルから選ばれる何れかの官能基を有し、チオフェン環の3位に−O−Rで表されるアルコキシ基を有するものである。
【0018】
化学式(1)中のRを表す化学式(2)において、〔W−(CH〕の繰り返し単位は、Wがそれぞれ酸素原子のみ又は硫黄原子のみであってもよく、両原子が規則的又は不規則的に含有されているものであってもよい。
【0019】
化学式(2)において、Rが表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基等が挙げられる。Rが表すアルキル基は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。
【0020】
化学式(1)において、−O−Rで表されるアルコキシ基としては、例えば、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ基、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ基、2−(3−(2−メトキシエトキシ)プロポキシ)エトキシ基、3−(3−メトキシプロポキシ)プロポキシ基等が挙げられる。
【0021】
化学式(1)においてMが表すハロゲン化マグネシウムとして、−MgCl、−MgBr、−MgI等が挙げられる。
【0022】
化学式(1)においてMが表すハロゲン化亜鉛として、−ZnCl、−ZnBr、−ZnI等が挙げられる。
【0023】
化学式(1)においてMが表すトリアルキルスズとして、−Sn(Me)、−Sn(Bu)等が挙げられる。
【0024】
化学式(1)においてMが表すホウ酸エステルとしては、−B(OMe)、−B(OEt)、−B(OPr)、−B(OBu)、化学式(10)〜(13)で表される環状ホウ酸エステル等が挙げられる。
【0025】
【化4】

【0026】
化学式(1)において、Rが表す炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロプロピル基等が挙げられる。
【0027】
化学式(1)において、Rが表すアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルテトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−イコシルオキシ基等が挙げられる。
【0028】
これらのアルキル基、アルコキシ基は置換基を有していてもよく、かかる置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキレンオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
【0029】
本発明の製造方法に用いられるヘテロアリーレン化合物は、前記化学式(3)で示されるように、両末端に同一または異なるハロゲン原子を有し、間にAで表される置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基を有するものである。
【0030】
化学式(3)において、X及びXが表すハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子がそれぞれ挙げられる。
【0031】
化学式(3)において、Aが表す2価のヘテロアリーレン基としては、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、2,2´−ビチオフェン−5,5´−ジイル、チエノ〔3,2−b〕チオフェン−2,5−ジイル、チエノ〔2,3−b〕チオフェン−2,5−ジイル、チエノ〔3,4−b〕チオフェン−4,6−ジイル、ジチエノ〔3,2−b:2´3´―d〕チオフェン−5,5´−ジイル、シクロペンタ〔2,1−b:3,4−b´〕ジチオフェン−2,6−ジイル、ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロール−2,6−ジイル、ベンゾ〔1,2−b:4,5−b´〕ジチオフェン−2,6−ジイル等の基が挙げられる。ヘテロアリーレン基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。
【0032】
化学式(3)において、Aが表す2価のヘテロアリーレン基として、好ましくは単環式、縮合多環式又は環集合式のチオフェン誘導体からなる基である。具体的には、下記化学式(5)〜(9)で示される、置換基を有していてもよいチオフェン−2,5−ジイル、2,2´−ビチオフェン−5,5´−ジイル、チエノ〔3,2−b〕チオフェン−2,5−ジイル、ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロール−2,6−ジイル、ベンゾ〔1,2−b:4,5−b´〕ジチオフェン−2,6−ジイルから選択されるいずれかの基であるのが好ましい。
【0033】
【化5】

〔式(5)〜(9)中、R、R、R、R、R、R、R10、R11,R12、R13、R14、R15、R16、R17はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基であり、R18は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である。〕
【0034】
化学式(5)〜(9)中の、R、R、R、R、R、R、R10、R11,R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18が表す置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基としては、Rで例示したものと同じものが挙げられ、また、かかる置換基としても、同様に同じものが挙げられる。
【0035】
化学式(8)中のR18が表すアリール基としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環等から誘導されるアリール基が挙げられる。アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。
【0036】
化学式(8)中のR18が表すヘテロアリール基としては、例えば、チオフェン環、ピロール環、フラン環、セレノフェン環、シロール環、ゲルモール環、キノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環等から誘導されるヘテロアリール基が挙げられる。ヘテロアリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等が挙げられる。
【0037】
本発明が提供するアルコキシチオフェン誘導体の製造方法は、アルコキシチオフェン化合物(1)とヘテロアリーレン化合物(3)を反応する(以下これを工程1と称する)ことにより製造できる。
【0038】
【化6】

(式中、R、R、A、M、X及びXは前記定義の通り。)
【0039】
工程1で使用するアルコキシチオフェン化合物(1)の製法に特に制限はなく、例えば、3−アルコキシチオフェンの2位をリチオ化した後、塩化トリブチルスズを反応させることで製造できる(非特許文献4)。市販品を使用することも可能である。
〔非特許文献4〕Macromolecules,34,4314−4323(2001)
【0040】
工程1で使用するヘテロアリーレン化合物(3)の製法に特に制限はなく、例えば、チエノ〔3,2−b〕チオフェンの2位、5位を臭素化することで製造することができる(非特許文献5)。また、N−アルキルジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールの2位、6位を臭素化することで製造できる(非特許文献6)。市販品を使用することも可能である。
〔非特許文献5〕Macromolecules,33,9277−9288(2000)
〔非特許文献6〕Macromolecular Rapid Communications,29,1603−1608(2008)
【0041】
工程1は、アルコキシチオフェン化合物(1)とヘテロアリーレン化合物(3)を窒素、又はアルゴン雰囲気下、遷移金属化合物存在下において、クロスカップリング反応することにより行う。クロスカップリング反応としては、例えば、化学式(1)のMがハロゲン化マグネシウムで示される基を用いた玉尾−熊田−Corriu反応、ハロゲン化亜鉛で示される基を用いた根岸反応、ホウ酸又は、ホウ酸エステルで示される基を用いた鈴木−宮浦反応、トリアルキルスズで示される基を用いた右田−小杉−Stille反応等が挙げられる。
【0042】
工程1で使用する遷移金属化合物としては、有機化学合成において、クロスカップリング反応を行う際に一般的に用いられる遷移金属化合物を使用することができる。例えば、ニッケルやパラジウム等にリン系の配位子が配位している金属錯体を用いることができる。パラジウム化合物としてPd(PPh、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(OAc)等が挙げられ、ニッケル化合物としては、NiCl(dppp)、Ni(acac)等が挙げられる。また、リン系の配位子を共存させておくこともでき、例えば、トリアルキルホスフィン類、トリアリールホスフィン類、トリアルキルホスホニウム塩類、トリアリールホスホニウム塩類等が挙げられる。
【0043】
遷移金属化合物の使用量は、使用されるアルコキシチオフェン化合物(1)またはヘテロアリーレン化合物(3)に対して1当量以下であり、好ましくは0.1当量以下である。
【0044】
工程1の反応は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に影響を与えない限りどのような溶媒でも構わないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化溶媒、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒等が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を併用して用いてもよい。また、水と有機溶媒を混合してもよく、化学式(1)のMがホウ酸、又はホウ酸エステルの場合には、水と有機溶媒との混合溶媒を用いて懸濁状態で反応を行うことが好ましい。水と有機溶媒の混合溶媒を使用する場合、4級アンモニウム塩、ホスニウム塩、クラウンエーテル等を相関移動触媒として添加してもよい。溶媒の使用量は、経済性及び、後処理の容易さの観点から、ヘテロアリーレン化合物(3)に対して0.1質量倍から200質量倍であることが好ましい。
【0045】
工程1で化学式(1)のMがホウ酸、又はホウ酸エステルの場合には、塩基の存在下で反応を行うことが好ましい。塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属水酸化物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のカルボン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩等が挙げられる。この場合の塩基の使用量は、ヘテロアリーレン化合物(3)に対して、2当量以上であることが好ましい。
【0046】
工程1の反応温度は、使用する溶媒、化合物(1)、化合物(3)等によっても異なるが、−20℃から用いる溶媒の還流温度の範囲内である。
【0047】
工程1の反応時間は、使用する溶媒、化合物(1)、化合物(3)等によっても異なるが、0.5時間から72時間の範囲が好ましく、1時間から24時間の範囲がより好ましい。
【0048】
工程1の反応において、必要があれば、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶などの有機化合物を単離する際に用いられる操作を行うことにより目的物を単離することができる。
【0049】
このような工程を経ることにより、目的のアルコキチオフェン誘導体(4)を、不安定な中間体を経ずに効率的に合成することができる。得られたアルコキシチオフェン誘導体(4)は、半導体性能及びドープされた状態において高い導電性能を示し、かつ大気安定性を有する重合体の材料として有用である。
【実施例】
【0050】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
<合成例1>
2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕チオフェンの合成
【0052】
【化7】

【0053】
温度計を備えた内容量200mlの3つ口フラスコに窒素雰囲気下、3−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕チオフェン7.0g(34.6mmol)をジエチルエーテル10gに溶解した。次いでn−ブチルリチウムヘキサン溶液(2.6M)13.3ml(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、反応液の温度を0℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、ジエチルエーテル20gに溶解した塩化トリメチルスズ6.9g(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、室温で1時間攪拌した。反応混合液に水とジエチルエーテルを投入し、有機層と水層を分離した。次いで、有機層は水で洗浄した後、減圧下で濃縮し、化学式(14)で示される2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕チオフェンを12g取得した(収率94%)。
【0054】
H−NMR(270MHz,CDCl,TMS,ppm)δ:0.35(9H,s)、3.39(3H,s)、3.56(2H,t,J=4.5Hz)、3.69(2H,t,J=4.5Hz)、3.78(2H,t,J=5.0Hz)、4.12(2H,t,J=5.0Hz)、6.95(1H,d,J=4.9Hz)、7.46(1H,d,J=4.9Hz)
【0055】
<合成例2>
2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ〕チオフェンの合成
【0056】
【化8】

【0057】
温度計を備えた内容量200mlの3つ口フラスコに窒素雰囲気下、3−〔2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ〕チオフェン8.5g(34.6mmol)をジエチルエーテル10gに溶解した。次いでn−ブチルリチウムヘキサン溶液(2.6M)13.3ml(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、反応液の温度を0℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、ジエチルエーテル20gに溶解した塩化トリメチルスズ6.9g(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、室温で1時間攪拌した。反応混合液に水とジエチルエーテルを投入し、有機層と水層を分離した。次いで、有機層は水で洗浄した後、減圧下で濃縮し、化学式(15)で示される2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ〕チオフェンを13g取得した(収率91%)。
【0058】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:0.34(9H,s)、3.38(3H,s)、3.53〜3.86(10H,m)、4.11(2H,m)、6.95(1H,d,4.9Hz)、7.49(1H,d,4.9Hz)
【0059】
<合成例3>
2−トリメチルスタニル−3−ドデシルオキシチオフェンの合成
【0060】
【化9】

【0061】
温度計を備えた内容量200mlの3つ口フラスコに窒素雰囲気下、3−ドデシルオキシチオフェン9.3g(34.6mmol)をジエチルエーテル10gに溶解した。次いでn−ブチルリチウムヘキサン溶液(2.6M)13.3ml(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、反応液の温度を0℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、ジエチルエーテル20gに溶解した塩化トリメチルスズ6.9g(34.6mmol)を反応液の内温が5℃以下であるように滴下し、その後、室温で1時間攪拌した。反応混合液に水とジエチルエーテルを投入し、有機層と水層を分離した。次いで、有機層は水で洗浄した後、減圧下で濃縮し、化学式(16)で示される2−トリメチルスタニル−3−ドデシルオキシチオフェンを13g取得した(収率90%)。
【0062】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:0.34(9H,s)、0.88(3H,t)、1.26〜1.43(18H,m)、1.71(2H,m)、3.9(2H,t)、6.94(1H,d,4.9Hz)、7.46(1H,d,4.9Hz)
【0063】
<合成例4>
2,6−ジブロモ−N−ドデシル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールの合成
【0064】
【化10】

【0065】
温度計を備えた内容量300mlの三つ口フラスコに窒素雰囲気下、N−ドデシル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロール4g(11.5mmol)を添加したところにクロロホルム100gを投入した。その後、クロロホルム18gに溶解したN−ブロモスクシンイミド4.1g(23.0mmol)を反応液の温度が0℃〜5℃の間で滴下した。反応混合液を2時間、内温5℃で攪拌した。反応終了後、反応液に水とヘキサンを投入した後、有機層と水層を分離した。この有機層から再結晶化で精製することで、化学式(17)で示される2,6−ジブロモ−N−ドデシル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールを4.8g(収率82%)得た。
【0066】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:0.88(3H,t,6.6Hz)、1.28(18H,m)、1.82(2H,m)、4.07(2H,t,7.2Hz)、7.02(2H,s)
【0067】
<実施例1>
2,5−ビス〔3−{2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ}チオフェン−2−イル〕チエノ〔3,2−b〕チオフェンの合成
【0068】
【化11】

【0069】
温度計及びジムロート冷却器を備えた300ml3つ口フラスコに窒素雰囲気下、合成例1の方法で得られた2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕チオフェンを6.0g(16.3mmol)と2,5−ジブロモ−チエノ〔3,2−b〕チオフェン2.4g(8.15mmol)を仕込んだ。次いで、トルエン69g、ジメチルホルムアミド76g、フッ化カリウム0.47g(8.15mmol)、トリ−o−トリルホスフィン0.20mg(0.640mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.47mg(0.408mmol)を投入した。その後、反応混合液を3時間、内温90℃で加熱攪拌した。反応終了後、トルエンと飽和食塩水を加え、有機層と水層を分離した。この有機層は水で洗浄した後、ヘキサンを加え、再結晶化することで、化学式(18)で示される2,5−ビス〔3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン〕2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンを3.6g得た(収率81%)。
【0070】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:3.40(6H,s)、3.58(4H,m)、3.75(4H,m)、3.92(4H,t,5.0Hz)、4.30(4H,t,5.0Hz)、6.87(2H,d,5.5Hz)、7.07(2H,d,5.5Hz)、7.39(2H,s)
【0071】
<実施例2>
2,5−ビス〔3−{2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ}チオフェン−2−イル〕チエノ〔3,2−b〕チオフェンの合成
【0072】
【化12】

【0073】
温度計及びジムロート冷却器を備えた300ml3つ口フラスコに窒素雰囲気下、合成例2の方法で得られた2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ〕チオフェンを6.7g(16.3mmol)と2,5−ジブロモ−チエノ〔3,2−b〕チオフェン2.4g(8.15mmol)を仕込んだ。次いで、トルエン69g、ジメチルホルムアミド76g、フッ化カリウム0.47g(8.15mmol)、トリ−o−トリルホスフィン0.20mg(0.640mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.47mg(0.408mmol)を投入した。その後、反応混合液を3時間、内温90℃で加熱攪拌した。反応終了後、トルエンと飽和食塩水を加え、有機層と水層を分離した。この有機層は水で洗浄した後、ヘキサンを加え、再結晶化することで、化学式(19)で示される2,5−ビス〔3−{2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ}チオフェン−2−イル〕チエノ〔3,2−b〕チオフェン4.0g得た(収率79%)。
【0074】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:3.36(6H,s)、3.51〜3.78(16H,m)、3.91(4H,t,5.0Hz)、4.29(4H,t,5.0Hz)、6.88(2H,d,5.7Hz)、7.07(2H,d,5.7Hz)、7.26(2H,s)
【0075】
<実施例3>
2,5−ビス−3−ドデシルオキシチオフェン−2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンの合成
【0076】
【化13】

【0077】
温度計及びジムロート冷却器を備えた300ml3つ口フラスコに窒素雰囲気下、合成例3の方法で得られた2−トリメチルスタニル−3−ドデシルオキシチオフェンを7.0g(16.3mmol)と2,5−ジブロモ−チエノ〔3,2−b〕チオフェン2.4g(8.15mmol)を仕込んだ。次いで、トルエン69g、ジメチルホルムアミド76g、フッ化カリウム0.47g(8.15mmol)、トリ−o−トリルホスフィン0.20mg(0.640mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.47mg(0.408mmol)を投入した。その後、反応混合液を3時間、内温90℃で加熱攪拌した。反応終了後、トルエンと飽和食塩水を加え、有機層と水層を分離した。この有機層は水で洗浄した後、ヘキサンを加え、再結晶化することで、化学式(20)で示される2,5−ビス−3−ドデシルオキシチオフェン−2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンを4.5g得た(収率82%)。
【0078】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:0.87(6H,t,6.6Hz)、1.26(36H,m)、1.86(4H,m)、4.12(4H,t,6.5Hz)、6.85(2H,d,5.4Hz)、7.06(2H,d,5.4Hz)、7.35(2H,s)
【0079】
<実施例4>
N−ドデシル−2,6−ビス〔3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン〕−2−イル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールの合成
【0080】
【化14】

【0081】
温度計及びジムロート冷却器を備えた300ml三つ口フラスコに窒素雰囲気下、合成例4の方法で得られた2,6−ジブロモ−N−ドデシル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロール4.1g(8.1mmol)、合成例1の方法で得られた2−トリメチルスタニル−3−〔2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ〕チオフェン6.6g(16.3mmol)を仕込んだ。次いで、トルエン69g、ジメチルホルムアミド76g、フッ化カリウム0.47g(8.15mmol)、トリ−o−トリルホスフィン0.20mg(0.640mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.47mg(0.408mmol)を投入した。その後、反応混合液を3時間、内温90℃で加熱攪拌した。反応終了後、トルエンと飽和食塩水を加え、有機層と水層を分離した。この有機層は水で洗浄した後、ヘキサンを加え、再結晶化することで、化学式(21)で示されるN−ドデシル−2,6−ビス〔3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン〕−2−イル−ジチエノ〔3,2−b:2´,3´−d〕ピロールを5.1g得た(収率84%)。
【0082】
H−NMR(270MHz、CDCl、TMS)δ:0.87(3H,t,6.8Hz)、1.27(18H,m)、1.87(2H,m)、3.39(6H,s)、3.58(4H,m)、3.76(4H,m)、3.93(4H,t,5.0Hz)、4.30(4H,t,5.0Hz)、6.87(2H,d,5.1Hz)、7.01(2H,d,5.1Hz)、7.13(2H,s)
【0083】
<比較例1>
2,5−ビス〔3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン〕2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンの合成
【0084】
【化15】

【0085】
温度計およびジムロート冷却器を備えた100ml三つ口フラスコに、クロロベンゼン50ml、2,5−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン466mg(1.00mmol)、2−ブロモ−3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン562mg(2.00mmol)、塩化リチウム42.4mg(1.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム18.3mg(0.0200mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン24.4mg(0.0800mmol)を加えた。反応容器を130℃に加熱した後、8時間攪拌した。反応終了後、トルエン200ml及び飽和食塩水200mlを加え、有機層と水層を分離した。有機層を200mlの水で2回、洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮することにより、粗成生物を得た。この粗生成物は副生成物が多かったため、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化学式(18)で示される2,5−ビス〔3−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)チオフェン〕2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンを228mg(0.420mmol,42.0%)得た。
【0086】
<比較例2>
2,5−ビス−3−ドデシルオキシチオフェン−2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンの合成
【0087】
【化16】

【0088】
温度計およびジムロート冷却器を備えた100ml三つ口フラスコに、クロロベンゼン50ml、2,5−ビス(トリメチルスズ)−チエノ[3,2−b]チオフェン466mg(1.00mmol)、2−ブロモ−3−ドデシルオキシチオフェン695mg(2.00mmol)、塩化リチウム42.4mg(1.00mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム18.3mg(0.0200mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン24.4mg(0.0800mmol)、を加えた。反応容器を130℃に加熱した後、8時間攪拌した。反応終了後、トルエン200ml及び飽和食塩水を200ml加え、有機層と水層を分離した。有機層は減圧下で濃縮することにより、粗成生物を得た。この粗生成物は副生成物が多かったため、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、化学式(20)で示される2,5−ビス−3−ドデシルオキシチオフェン−2−イル−チエノ〔3,2−b〕チオフェンを302mg(0.449mmol,44.9%)得た。
【0089】
以上の結果より、本発明の製造方法を用いた実施例1〜4は、比較例1、2と比較し、副生成物の生成が少ないことから、再結晶化のみで目的物を取得することができ、高収率でアルコキシチオフェン誘導体を得ることができるため、アルコキシチオフェン誘導体の製造方法として優れていることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)
【化1】

〔化学式(1)中、Rは下記化学式(2)
−〔W−(CH− ・・・(2)
(式(2)中、Rは水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基であり、Wは酸素原子又は硫黄原子であり、〔W−(CH〕は繰り返し単位毎にWとaとが同一又は異なっていてもよく、aは1〜20、bは0〜20の正数である)で示される側鎖であり、
は水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基であり、
Mはハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化亜鉛、トリアルキル化スズ、ホウ酸又はホウ酸エステルである〕
で示されるアルコキシチオフェン化合物と、下記化学式(3)
−A−X ・・・(3)
〔化学式(3)中、Aは置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基であり、X及びXはそれぞれ同一又は異なるハロゲン原子である〕
で示されるヘテロアリーレン化合物とを反応させることを特徴とする、下記化学式(4)
【化2】

〔化学式(4)中、R及びRは前記と同じである〕
で示されるアルコキシチオフェン誘導体の製造方法。
【請求項2】
置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基がチオフェン誘導体からなる基である、請求項1に記載のアルコキシチオフェン誘導体の製造方法。
【請求項3】
置換基を有していてもよい2価のヘテロアリーレン基が下記化学式(5)〜(9)から選択されるいずれかである、請求項2に記載のアルコキシチオフェン誘導体の製造方法;
【化3】

〔化学式(5)〜(9)中、R、R、R、R、R、R、R10、R11,R12、R13、R14、R15、R16、R17はそれぞれ同一または異なって水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基又はアルコキシ基であり、R18は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基である〕。

【公開番号】特開2013−75832(P2013−75832A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214996(P2011−214996)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】