説明

アルコキシル化されたポリマー

(i)高温重合法でラジカル共重合させることによって、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を製造する工程、及び(ii)工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触させる工程、を含む、アルコキシル化されたポリマーを製造するための方法;本発明の方法によって得ることができるアルコキシル化されたポリマー;本発明に従うアルコキシル化されたポリマーの反応によってポリウレタンを製造する方法;本発明の方法によって製造されたポリウレタン;本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを含む、又はこのポリマーから成る界面活性試薬、及び本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを少なくとも1種含む洗剤処方物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(i)高温重合法でラジカル共重合させることによって、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を製造する工程、及び(ii)工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触させる工程を含む、アルコキシル化されたポリマーを製造するための方法、本発明の方法によって得ることができるアルコキシル化されたポリマー、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーの反応によってポリウレタンを製造する方法、本発明の方法によって製造されたポリウレタン、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを含むか又は該ポリマーから成る界面活性剤、及び本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを少なくとも1種含む洗剤処方物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコキシル化されたポリマーは、複数の異なる用途のために有用である。これらは、イソシアネートの反応によって、ポリウレタンの製造のために使用されて良く、及び界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤、電子構造的(electrosteric)界面活性剤、保護コロイド、超吸収剤、分散剤、表面変性剤、プラスチック変性剤、及びコンクリート可塑剤、及びポリマー充填ポリオールの立体安定剤、又は洗剤混合物中に使用されても良い。
【0003】
特許文献1(DE3131848A1)には、少なくとも1個のヒドロキシ官能性基を有するブロックコポリマーを製造するための方法が開示されている。このブロックコポリマーは、アクリレート及び/又はメタクリレートのポリマー性ブロック、及びポリ(アルキレン)オキシドのポリマー性ブロックから成っている。アクリレート及び/又はメタクリレートからのポリマー性ブロックを含む、少なくとも1個のヒドロキシ官能性基を有するブロックコポリマーが、この技術分野では公知のラジカル重合法によって、好ましくは、メルカプト基を含む調整剤の存在下に(液体アクリレート及び/又はメタクリレートコポリマーを得て)製造される。
【0004】
少なくとも1つのヒドロキシル官能性基を有するブロックコポリマーを得るために、コモノマーの選択が、特許文献1(DE3131848A1)に従い使用される従来のラジカル共重合法で限定されることが、この技術分野では公知である。統計的バックボーン(statistical backbone)を有するブロックコポリマーを得るために、同一、又はほぼ同一の共重合パラメーターを有するコノママーだけが一緒に使用可能である。ブロックコポリマーの製造のために、異なる反応性を有するコモノマーが使用された場合、最も反応性の高いモノマーのポリマー性ブロックの長い並び(シーケンス)が得られ、これは、通常のラジカル共重合法によって製造されるブロックコポリマー内に、広い組成分布をもたらす。低い分子量では、このことは、相当な大きさの低オリゴマー集団を、異質コポリマー(heterogeneous copolymer)組成と一緒にもたらす。通常のラジカル共重合法によって得られる官能化されたブロックコポリマーのこのような不均質(heterogenity)は、特に、非官能性低分子量オリゴマーが存在する場合には、ポリアルコキシル化されたグラフトの製造に問題をもたらし、アルコキシル化反応を開始することができない。通常のラジカル共重合法によって製造された、官能化されたポリマー性バックボーンを使用して得られたグラフト生成物は、従って、不均一な生成物をもたらし、このことは望ましくないものである。
【0005】
更に、通常のラジカル重合法は、官能化されたブロックコポリマーを得るために使用される、官能化されたモノマーを考慮して制限される。ブロックコポリマーバックボーン中のヒドロキシ基は、高価なヒドロキシアルキル(メト)アクリレートから出発して製造しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE3131848A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、たとえ低分子量であっても、官能基の含有量が高く、及び分子量分布(モル質量分布)が狭く、及び組成の分布が狭い、均質な生成物であるアルコキシル化されたポリマーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、以下の工程:
(i)以下のモノマー
(a)少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a);
(b)少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(b);及び
(c)任意に、少なくとも1種のマルチエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)
を150〜350℃の温度でラジカル共重合させることによって、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を製造する工程、
(ii)工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触させる工程、
を含む、アルコキシル化されたポリマーを製造するための方法によって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
少なくとも一つの官能基を有するポリマー性生成物(I)が高温重合法によって製造される、本発明の方法で、優れたアルコキシル化されたポリマーが得られることがわかった。一つの有利性は、高い温度では、反応性が低いエチレン的に不飽和のモノマー、例えば8〜22個の炭素原子を有するα−オレフィン、α,β−及びβ,β−2置換のビニルモノマー、及び環状モノマー、例えばシクロペンタジエンであっても、通常使用されるモノマー、例えば(メト)アクリレート及びスチレン類(styrenics)と、その反応割合とは独立して共重合して、少なくとも一つの官能基を有する所望のポリマー性生成物を、高い収率で得ることができる、という事実に関する。更なる有利性は、たとえ低分子量でであっても、多量の官能基をポリマー性生成物(I)内に組み入れることができることである。更に、本発明の工程(i)に従う高温重合法で得られるポリマーは、たとえ低分子量であってでも、分子量の分布が狭く、及び組成の部分が狭く、従って、所望のアルコキシル化されたポリマーの均質性を高める。更なる有利性は、アルコキシル化反応(工程(ii))は、工程(i)での生成物(I)の製造の後、又はこれと同時に、同じ反応トレイン内で行うことができることであり、従って、工程(i)で温度上昇させて得られたポリマー性生成物(I)の低い粘性及び高い反応性の有利性を得ることができ、従って、反応時間及び必要な反応エネルギーを最小限にすることができることである。しかしながら、本発明の方法の工程(i)と(ii)を、別個の反応トレインで行うことも可能である。
【0010】
工程(i) ポリマー性生成物(I)の製造
少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)が、以下のモノマー
(a)少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a);
(b)少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(b);及び
(c)任意に、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)
をラジカル共重合させることによって製造される。
【0011】
モノマー(a)、(b)及び任意に(c)のラジカル共重合は、150〜350℃の温度での高温重合法で行われる。所望のアルコキシル化されたポリマーの製造のための高温重合法の有利な点については上述した。
【0012】
本発明の工程(i)に従う高温重合法は、好ましくは160℃〜275℃の温度、より好ましくは170℃〜260℃の温度、及び最も好ましくは180℃〜250℃の温度で行われる。
【0013】
本発明の方法の工程(i)の反応時間は、通常、1〜90分、好ましくは2〜25分、及びより好ましくは10〜15分である。反応は、連続法、非連続法(バッチ法)、又は半連続法で行うことができる。連続法では、反応時間という用語は、滞留時間を意味する。
【0014】
反応は、溶媒の存在下、又は不存在下に行なわれて良い。溶媒の量は、使用するモノマーの量に対して、通常、0〜30質量%、好ましくは0〜15質量%である。
【0015】
適切な溶媒は、反応物に対して不活性な全ての液体、すなわち例えば、エーテル、例えばエチレングリコールエーテル、エステル、例えばブチルアセテート、及びケトン、例えばメチルアミルケトンである。更なる適切な溶媒は、トルエン、キシレン、クメン、及び高分子量芳香族溶媒(例えば、ExxonからのAromatic100、Aromatic150)、特にクメン及びm−キシレン、及び脂肪アルコール、例えばイソプロパノールである。
【0016】
沸点が反応温度未満のモノマー又は溶媒が存在する場合、反応は、圧力下、好ましくは系の自己生成(成り行き:autogenous)の圧力で有利に行われるべきである。
【0017】
溶媒の量は、通常、工程(i)で重合混合物中に使用される全ての成分の合計量に対して、0〜30質量%、好ましくは0〜15質量%である。
【0018】
重合の変換を、通常50〜99モル%、好ましくは80〜95モル%に行うことが奨励される。この理由は、これにより、狭い分子量分布が得られるからである。未変換のモノマー及び揮発性のオリゴマー、及び使用しても良い溶媒は、フラッシュエバポレーション又は蒸留によって、ポリマーから通常の態様で分離した後、重合に再循環されることが有利である。
【0019】
本発明の工程(i)の重合は、通常、1種以上の重合開始剤の存在下に行われる。適切な重合開始剤は、遊離基(free radical)を形成し、及びその分解温度が150〜350℃の範囲の化合物である。適切な重合開始剤の例は、ジ−tertブチルペルオキシド、ジターアミルペルオキシド、及びジベンゾイルペルオキシドである。
【0020】
開始剤の量は、工程(i)で重合に使用されるモノマーの合計量に対して、好ましくは0.1〜5質量%の範囲、好ましくは0.2〜3質量%の範囲である。
【0021】
工程(i)における重合は、この技術分野では公知の、任意の適切な重合反応器系内で行って良い。適切な反応器系は、例えば、連続攪拌タンク反応器(CSTR)、任意に静的混合器が設けられた管型反応器、ループ反応器、及び任意に再循環手段を有する環状の薄フィルム反応器である。これらは、任意に、生成物の一部を反応器の入口に再循環させることができる装置を備えている。実質的に等温の条件下で、発熱性の重合を行うことができるので、適切な脱熱機能を確保する必要がある。
【0022】
高温重合法によって重合生成物(I)を製造するための、適切な反応条件は、例えばUS6552144及びUS6605681に記載されている。
【0023】
本発明の方法の工程(i)で得られるポリマー性生成物(I)は、質量平均の分子量Mwが、通常1000〜30000g/mol、好ましくは1500〜25000g/mol、及びより好ましくは、2000〜20000g/molである。
【0024】
本発明の方法の工程(i)に従う方法を使用して、(重合条件、及び使用するモノマーに依存して)液体又は固体であり、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を製造することができる。
【0025】
好ましい固体ポリマー性生成物(I)は、分子量が3000〜20000g/molである。好ましい液体ポリマー性ポリマー生成物(I)は、分子量が1500〜4500g/molである。
【0026】
モノマー(a)
本発明に従う方法の工程(i)で使用されるモノマー(a)は、少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a)である。使用するモノマーは、好ましくはOH、COOH、エポキシ、NH、NH2、環状無水物、及び/又はSH基で官能化されていても良く、これにより、OH、COOH、NH、NH2、環状無水物、及びSHから成る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)が得られる。適切なアクリルモノマーは、この技術分野では公知である。より好ましくは、少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a)は、OH−官能性アクリルモノマー(a1)、COOH−官能性アクリルモノマー(a2)、環状無水モノマー(a3)、及びエポキシ−官能性アクリルモノマー(a4)、及びこれらの混合物から成る群から選ばれる。
【0027】
OH−官能性アクリルモノマー(a1)の例は、アクリレートとメタクリレートの両方を含む。適切な例は、1級ヒドロキシ基、又は2級ヒドロキシ基を含むもの、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(2−HPA)、3−ヒドロキシプロピルアクリレート(3−HPA)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(2−HPMA)、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート(3−HPMA)、2−ヒドロキシブチルアクリレート(2−HBA)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA)、2−ヒドロキシブチルメタクリレート(2−HBMA)及び/又は4−ヒドロキシブチルメタクリレート(4−HBMA)である。
【0028】
好ましいOH−官能性アクリルモノマーは、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)である。
【0029】
更なるOH−官能性モノマーは、2価又は2価を超えるアルコールの官能化されたビニル、アリル、又はメタリルエーテルモノマーである。
【0030】
適切なビニルエーテルモノマーは、例えば、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセリンのモノ−、又はジビニルエーテル、トリメチロールプロパンのモノ−、又はジビニルエーテル、ペンタエリチリトールのモノ−、ジ−、又はトリビニルエーテル、又はこれらの混合物で、ヒドロキシブチルビニルエーテルが好ましい。
【0031】
適切なアリル、又はメタリルエーテルモノマーは、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルメタリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルメタリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルメタリルエーテル、2−ヒドロキシブチルアリルエーテル、2−ヒドロキシブチルメタリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルメタリルエーテル、グリセリンのモノ−、又はジアリルエーテル、又はモノ−、又はジメタリルエーテル、トリメチロールプロパンのモノ−、又はジアリルエーテル又はモノ−又はジメタリルエーテル、ペンタエリチリトールのモノ−、ジ−、又はトリアリルエーテル、又はモノ−、ジ、又はトリメタリルエーテル、又はこれらの混合物である。
【0032】
適切なCOOH−官能性アクリルモノマー(a2)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選ばれ、アクリル酸が好ましい。
【0033】
適切な酸性無水モノマー(a3)は、好ましくは、コハク酸無水物、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水ジメチルマレイン酸、及びこれらの混合物から選ばれ、無水マレイン酸が好ましい。
【0034】
適切なエポキシ−官能性アクリルモノマー(a4)は、アクリレート、及びメタクリレートの両方、例えば1,2エポキシ基を含むもの、例えばグリシジルアクリレート、及びグリシジルメタクリレート、及びこれらの混合物を含む。好ましいエポキシ−官能性アクリルモノマーは、グリシジルメタクリレートである。
【0035】
少なくとも1種の官能化したアクリルモノマー(a)は、ポリマー性生成物(I)の所望の官能性に依存して選ばれる。ポリマー性生成物(I)がOH官能基を含む場合、ヒドロキシエチルメタクリレート、及び/又はヒドロキシエチルアクリレートが、モノマー(a1)として使用されることが好ましい。
【0036】
ポリマー性生成物(I)がCOOH官能基を含む場合、モノマー(a)は、好ましくはモノマー(a2)であり、より好ましくはアクリル酸、及び/又はメタクリル酸である。COOHバックボーンの、本発明の方法に従う直接アルコキシル化(工程(ii))は、従来技術では知られていない。COOH官能基を含むコポリマー性バックボーン(少なくとも1つのCOOH官能基を有するポリマー性生成物(I))は、本発明に従う工程(ii)で、(適切な触媒の存在下、又はこのような触媒を使用しなくても、エステル誘導体中にCOOH基を移す必要なく)少なくとも1つのアルキレンオキシドと直接的に反応することができる。従って、少なくとも1つのCOOH官能基を有するポリマー性生成物(I)から出発して、アルコキシル化されたポリマーを製造することについての製造コストは、大きく低減させることができ、そして全体の工程を単純化することができる。
【0037】
モノマー(b)
モノマー(b)は、モノマー(a)とは異なる、少なくとも1種のモノエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマーである。好ましいモノマー(b)は、以下の、
(b1)3〜6個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸、又はジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールとのエステル(b1)、
(b2)ビニル芳香族モノマー(b2)、
(b3)ビニルアルコールと1〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸のエステル(b3)、
(b4)オレフィン(b4)、
(b5)1〜18個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸のニトリル、及び
(b6)C4−C8−共役ジエン(b6)、
又は上述したモノマーの混合物、から成る群から選ばれる。
【0038】
3〜6個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸、又はジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールとの適切なエステル(b1)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、又はイタコン酸と、好ましくは1〜12個、より好ましくは1〜8個、及び最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルカノールとのエステルであり、ここでエステルは、好ましくは非官能性アクリレート、又は非官能性メタクリレート、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、及びこれらの混合物である。更に、α,β−モノエチレン性ジカルボン酸の適切なエステルは、ジメチルマーレート及びn−ブチルマーレートである。
【0039】
更なる適切なモノマー(b1)は、US6552144B1に記載されている非官能性アクリレートモノマーであり、これにより、この文献は、ここに導入される。
【0040】
好ましいモノマー(b1)は、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及びメチルメタクリレートである。
【0041】
適切なビニル芳香族モノマー(b2)は、例えばスチレン、2−ビニルナフタリン、9−ビニルアントラセン、置換されたビニル芳香族モノマー、例えばp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−ビニル−ビフェニル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、及びこれらの混合物である。
【0042】
好ましいビニル芳香族モノマー(b2)は、スチレンである。
【0043】
ビニルアルコールと1〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸の適切なエステル(b3)は、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルn−ブチレート、ビニルラウレート、及びビニルステアレートである。
【0044】
適切なオレフィン(b4)は、例えば、C2〜C20オレフィン、例えば、エチレン、プロピレン、又はC8〜C20アルファオレフィン、例えばオクテン−1、デセン−1、又はこれらの混合物、好ましくはC8〜C14アルファオレフィンである。
【0045】
1〜18個の炭素原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和のモノカルボン酸の適切なニトリル(b5)は、例えば、アクリロニトリル、及びメタクリロニトリルである。
【0046】
適切なC4−C8−共役ジエン(b6)は、例えば1,3−ブタジエン又はイソプレンである。
【0047】
本発明の好ましい実施の形態では、少なくとも1種のモノエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(b)は、(b1)及び(b2)について記載したモノマーから成る群の少なくとも1つの要素から選ばれる。より好ましくは、モノマー(b)は、C1〜C8アルキルアクリレート、C1〜C8アルキルメタクリレートから成る群の少なくとも1種の要素から選ばれ、特に、モノマー(b1)としてn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はメチルメタクリレート、及びモノマー(b2)として、スチレン、α−メチルスチレン、又はビニルトルエン、特にスチレンから成る群の少なくとも1種の要素から選ばれる。
【0048】
モノマー(b)は、この技術分野の当業者にとって公知のように、所望のポリマー性生成物(I)に依存して選ばれる。所望のポリマー性生成物(I)が固体生成物の場合、好ましいモノマー(b)は、例えば、モノマー(b1)としてメチルメタクリレート、及びモノマー(b2)としてスチレンである。ポリマー性生成物(I)が液体ポリマーである場合、モノマー(b)は、好ましくはモノマー(b1)として、n−ブチルアクリレート、及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートである。
【0049】
枝分れした、又は超分岐のポリマー性生成物(I)
本発明の一実施の形態では、枝分れした、又は超分岐のポリマー性生成物(I)を製造するための方法が提供され、上記ポリマー性生成物(I)は、次に本発明の方法に従う工程(ii)で、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触される。本発明の方法の工程(i)で、ポリマー性生成物(I)の枝分れ(分岐)、又は超分岐を達成するために、幾つかの経路が存在する。適切な経路は、例えば:
(ia)例えばUS6265511に記載されているように、少なくとも一つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を合成する間、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(c)を使用すること。適切なマルチエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)は、後述する;
(ib)例えばUS6346590及びWO00/218456に記載されているように、少なくとも一つの官能基を有するポリマー性生成物(I)の合成の間、又は後に、多官能性縮合共−反応物質(例えばポリアミン、ポリアポキシド、ポリアシッド)を使用すること、適切なポリアン、ポリエポキシド、及びポリアシッドは、上述した文献に記載されており、そしてこの技術分野の当業者にとって公知である;
(ic)例えばWO00/218456に開示されているように、本発明の方法のアルコキシル化反応(工程ii)の間、又は後に、多官能性縮合共−反応物質、例えばポリアミン、又はポリアシッドを使用し、ポリアルコキシレートの末端OH基を反応させること。
【0050】
経路(ia)又は(ib)を行うことによって得られる、本発明の方法の工程(ii)の後に得られる最終的なアルコキシル化されたポリマーは、本発明の方法に従う工程(ii)で得られるポリアルコキシレートポリマー−フィルド(polyalkoxylate polymer-filled)に基づく、遊離型のOH基を有する枝分れしたポリマーである。経路(ic)に従い、枝分れしたアルコキシル化したポリマーが得られ、架橋されて、本発明の方法に従う工程(ii)で得られるポリアルコキシル化された鎖に架橋される。
【0051】
モノマー(c)
上述したように、少なくとも1つの官能基を有する、枝分れした、又は超分岐したポリマー性生成物(i)が、少なくとも1種のマルチエチレン性不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)の存在下に、モノマー(a)及び(b)を重合することによって、工程(ia)に従って得られても良い。このようなマルチエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(c)は、好ましくは、少なくとも2つの非−共役二重結合を含み、及び例えば、アルキレングリコールジアクリレート、及びアルキレングリコールジメタクリレート、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、及び1,4−ブチレングリコールジメタクリレート;ジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマーレート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジエニルアクリレート、トリアリルシヌレート、トリアリルイソシアヌレート、及びジアセトンアクリルアミド、アセチルアセトキシエチルアクリレート、及びアセチルアセトキシエチルメタクリレート、及びこれらの混合物から成る群から選ばれる。より好ましくは、アルキレングリコールジアクリレート、アルキレングリコールジメタクリレート、特に、上述したアルキレングリコールジアクリレート、及びアルキレングリコールジメタクリレート、及び/又はジビニルベンゼンが、モノマー(c)として使用される。
【0052】
本発明の好ましい実施の形態では、以下のモノマー(a)、(b)及び任意に(c)がラジカル的に共重合される(radically copolymerized)。
(a)OH官能性のアクリルモノマー(a1)、COOH−官能性のアクリルモノマー(a2)、環状無水モノマー(a3)、及びエポキシ−官能性アクリルモノマー(a4)、及びこれらの混合物から選ばれる、少なくとも1種の官能性アクリルモノマー(a);
(b)以下の、
(b1)3〜6個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン的に不飽和のモノカルボン酸、又はジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールのエステル(b1)、
(b2)ビニル芳香族モノマー(b2)、
(b3)ビニルアルコールと、1〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸のエステル(b3)、
(b4)オレフィン(b4)、
(b5)1〜18個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン的に不飽和のモノカルボン酸のニトリル(b5)、及び
(b6)C4−C8−共役ジエン(b6)、
又は上述したモノマーの混合物から成る群の少なくとも1種の要素から選ばれる、少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(free radical polymerizable monomer)(b);及び
(c)任意に、アルキレングリコールジアクリレート、アルキレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマーレート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジアニルアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアセトンアクリルアミド、アセチルアセトキシエチルアクリレート、及びアセチルアセトキシエチルメタクリレートから成る群から選ばれる、少なくとも2つの非共役の二重結合を含む、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(c)。
【0053】
少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a)は、本発明の工程(i)でのラジカル共重合で、使用するモノマー(a)、(b)及び任意に(c)の合計量に対して、通常、5〜70質量%の量、好ましくは10〜65質量%の量、より好ましくは15〜60質量%の量、及び最も好ましくは20〜50質量%の量で使用される。たとえ低分子量であっても、ポリマー性生成物(I)中に、官能基を高い含有量で導入することができることが、本発明の工程(i)に従う高温重合の一つの重要な有利性である。
【0054】
少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(b)は、使用するモノマー(a)、(b)及び任意に(c)の合計量に対して、通常、30〜95質量%、好ましくは35〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%、及び最も好ましくは50〜80質量%の量で使用される。
【0055】
任意に使用される、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)は、使用するモノマー(a)、(b)及び任意に(c)の合計量に対して、通常、0〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、及び最も好ましくは1〜4質量%の量で使用される。
【0056】
本発明の好ましい実施の形態では、工程(i)で、
(a)5〜70質量%、好ましくは10〜65質量%、より好ましくは15〜60質量%、及び最も好ましくは20〜50質量%の、少なくとも1種のモノマー(a)、
(b)30〜95質量%、好ましくは35〜90質量%、より好ましくは40〜85質量%、及び最も好ましくは50〜80質量%の、少なくとも1種のモノマー(b)、及び
(c)0〜15質量%、好ましくは0.1〜12質量%、より好ましくは0.5〜10質量%、及び最も好ましくは1〜4質量%の、少なくとも1種のモノマー(c)、
(但し、モノマー(a)、(b)及び任意に(c)の合計が100質量%である)
が、ラジカル的に共重合される方法が開示される。
【0057】
適切なモノマー(a)、(b)及び(c)については上述した。
少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)が、狭い分子量分布、及び狭い組成分布を有し、従って、本発明の工程(ii)で、所望のアルコキシル化されたポリマーの均質性を高めることができることが、工程(i)に従う高温重合法の有利な点である。従って、好ましい一実施の形態では、工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)は、(好ましくは分子量分布Mw/Mnが、最も大きくて4.0、より好ましくは1.5〜3.0、及び最も好ましくは1.5〜2.5の)完全に統計的なコポリマーである。
【0058】
工程(ii)
本発明の工程(ii)では、工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)が、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触される。
【0059】
上述したように、工程(i)は、高温重合法として行われるので、たとえ低分子量であっても、官能基の高い含有量をポリマー性生成物(I)内に導入することができ、そして分子量分布が狭く、及び組成分布が狭いポリマー性生成物(I)が得られる。
【0060】
このことは、本発明の工程(ii)で、極めて均質なアルコキシル化されたポリマーを得るために重要である。工程(ii)で得られたアルキレンオキシド側鎖は、側鎖に(ポリマー性生成物(I)とは)異なる組成、マイクロ構造、及び分子量特性を与えることにより、本発明の方法の工程(i)に従い得られたポリマー性生成物(I)とは別に調整(tailor)することができる。本発明の方法に従う工程(i)及び(ii)の組合せは、従って、ポリマー性生成物(I)(バックボーン)の分子量特性と、アルキレンオキシド側鎖の、別個の調整(tailoring)を可能とする。ポリマー性生成物(I)及びアルキレンオキシド側鎖は、その溶解性パラメーター、ガラス転移温度、化学的官能性、平均分子量等で異なっていても良く、従って、高度の分子設計、及び最終的な適切な調整、及び制御が可能である。
【0061】
本発明に従う方法で得られる、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーの適用性の範囲を示す例として、ガラス転移温度(Tg)が低いポリマー生成物(I)(バックボーン)、及びガラス転移温度(Tg)が低いアルコキシル化された側鎖が、(関連する)官能基を有し、及び粘度が低い、液体状態であって良い、アルコキシル化されたポリマーをもたらしても良いことが考慮されて良い。このようなアルコキシル化されたポリマーは、例えば、低VOCポリウレタンコーティング、又はフォームに適用可能である。同様に、高度に極性の親水性のポリマー性生成物(I)(バックボーン)が、極性が低く、及び疎水性の、少なくとも1種のアルキレンオキシド(ポリマー−フィルド)(又はこの逆)と反応して、アルコキシル化されたポリマーの表面活性を調整しても良い。従って、ポリマー性生成物(I)(バックボーン)及びアルコキシル化された側鎖の、適切な親水性−疎水性の組合せ、及び適切な分子量とガラス転移温度の組合せが、オイル/オイル又は水/オイルインタフェースでの高い選択性のために調整された、表面活性ポリマーをもたらし得ることが考えられる。
【0062】
工程(i)は、高温重合工程として行われるので、工程(ii)でのアルコキシル化が、工程(i)でのポリマー性生成物(I)を製造するためのラジカル共重合の後、又は同時に、同じ反応トレイン内で行うことができ、従って、ポリマー性生成物(I)の高温での低い粘性、及び高い反応性の有利性を得ることができ、及び従って、反応時間を最小限にし、そして必要とされる反応エネルギーを最小限にすることが、本発明の方法の更なる有利な点の一つである。しかしながら、本発明の方法の工程(i)及び(ii)を、別個の反応トレイン中で行うことも可能であり、ここで、工程(ii)でのアルコキシル化は、この技術分野では公知の、任意の適切な方法によって行われて良い。
【0063】
工程(ii)で使用される、少なくとも1種のアルキレンオキシドは、この技術分野の当業者にとって公知の、如何なるアルキレンオキシドであっても良い。適切なアルキレンオキシドの例は、2〜24個の炭素原子を有する、置換された、又は置換されていないアルキレンオキシド、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、非環式エーテル、又はアンモニウム置換基を有するアルキレンオキシドである。以下の適切なアルキレンオキシドが例示されても良い:エチレンオキシド、プロピレンオキシド(1,2−エポキシプロパン)、1,2−メチル−2−メチルプロパン、ブチレンオキシド(1,2−エポキシブタン)、2,3−エポキシブタン、1,2−メチル−3−メチルブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−メチル−3−メチルペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン(2,3−エポキシプロピル)ベンゼン、ビニルオキシラン、グリシジルエーテル、グリシジル、エピクロロヒドリン、3−フェノキシ−1,2−エポキシプロパン、2,3−エポキシメチルエーテル、2,3−エポキシエチルエーテル、2,3−エポキシイソプロピルエーテル、2,3−エポキシ−1−プロパノール、(3,4−エポキシブチル)ステアレート、4,5−エポキシペンチルアセテート、2,3−エポキシプロパンメタクリレート、2,3−エポキシプロパンアクリレート、グリシジルブチレート、メチルグリシデート、エチル−2,3−エポキシブタノエート、3−(ペルフルオロメチル)プロパンオキシド、3−(ペルフルオロエチル)プロパンオキシド、3−(ペルフルオロブチル)プロパンオキシド、4−(2,3−エポキシプロピル)モルホリン、1−(オキシラン−2−イル−メチル)ピロリジン−2−オン、アラリファティックアルキレンオキシド、特に、スチレンオキシド、シクロドデカトリエン−(1,5,9)−モノオキシド、及びこれらの2種以上の混合物。
【0064】
エチレンオキシド、プロピレンオキシド(1,2−エポキシプロパン)、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、又はイソブチレンオキシド)、1,2−エポキシシクロペンタン、1,2−エポキシシクロヘキサン、シクロドデカトリエン−(1,5,9)−モノオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選ばれるアルキレンオキシドが好ましい。より好ましくは、工程(ii)の少なくとも1種のアルキレンオキシドは、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド(1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、又はイソブチレンオキシド)、スチレンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選ばれる。最も好ましくは、プロピレンオキシド、及び/又はエチレンオキシドが、本発明の方法の工程(ii)でのアルキレンオキシドとして使用される。
【0065】
上述したアルキレンオキシドの製造は、この技術分野では公知である。上述したアルキレンオキシドの大半が、市販されている。
【0066】
更に、触媒錯体の存在下に、アルキレンオキシドと共重合されるコモノマーを使用することができる。このようなコモノマーは、US3278457及びUS3404109に記載されているようなオキセタン、及びUS54145883及びUS3538043に記載されているような(ポリエーテル、及びポリエステル、又はポリエーテルエステル側鎖をそれぞれ生成する、)無水物(無水マレイン酸、無水コハク酸、又は無水フタル酸)を含む。US5525702に記載されているようなラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、又はγ−ブチロラクトン)、及び二酸化炭素が、US6762278に記載されているような、アルキレンオキシドと共重合することができる他の適切なモノマーである。
【0067】
本発明の工程(ii)でのアルコキシル化は、触媒の存在下、又は不存在下に行なわれて良い。適切な触媒は、二重金属シアニド錯体触媒(DMC−触媒)、アミン触媒、例えばDMEOA(ジメチルエタノールアミン)、第3級アミン、好ましくは脂肪族又は脂環式残基を有する第3級アミンであり、ここで、異なる第3級アミンの混合物を使用しても良い。例は、トリアルキルアミン、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソペンチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリアミルアミン、トリオクチルヘキシルアミン、ドデシルジエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジブチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、及び脂肪族基を有する第3級アミン、例えばジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、α−メチル−ベンジルジメチルアミンである。好ましいトリアルキルアミンは、6〜15個の炭素原子を有するトリアルキルアミン、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチル−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリイソペンチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリアミルアミン、及びジメチルシクロヘキシルアミン、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属ヒドロキシド触媒、例えば、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、又はセリウムヒドロキシド、塩基性触媒、例えば金属アルカノエート、例えば金属メタノレート、金属エタノレート、金属ブタノレート、(ここで、金属は、ナトリウム、カリウム、又はセシウムであっても良い)、又はブレンステッド−酸性触媒、例えば鉱酸(無機酸)、例えばモントモリオナイト、又はルイス酸−触媒、例えばボロントリフルオリドである。溶解性塩基性触媒の他に、不溶解性塩基性触媒、例えばマグネシウムヒドロキシド、又はヒドロタルサイトも適切である。好ましくは、触媒は、二重金属シアニド錯体触媒(DMC−触媒)、アミン触媒、及びアルカリ金属、又はアルカリ土類金属ヒドロキシド触媒、例えばナトリウムヒドロキシド、又はカリウムヒドロキシドから成る群から選ばれる。DMC−触媒は、塩基性条件下で不安定な(変化し易い)官能基(例えばエステル基)の存在下に、工程(ii)でのアルコキシル化反応を開始させることができるので、触媒はDMC−触媒がより好ましい。
【0068】
適切なDMC−触媒は、この技術分野では公知であり、例えば、WO2005/113640、US637673B1、EP1214368B1、及びDE−A19742978に記載されている。DMC−触媒の特に好ましいクラスは、亜鉛ヘキサシアノコバルテートである。
【0069】
DMC触媒は、当業者にとって公知の方法で事前調整しても良い。適切な方法の例を以下に示す。
(a)DMC触媒を、H官能性の共開始剤(costerter)中に分散させ、少量のアルキレンオキシドを加え、次に加熱及び重合を行い、そしてこれにより得られた事前に活性化されたDMC触媒分散物が提供される方法;
(b)DMC触媒を、H官能性の共開始剤の少なくとも一部に分散させ、そしてH官能性の共開始剤と一緒に反応器に供給する方法;
(c)少量の分散媒体中の、いわゆるスラリー化したDMC触媒を供給する方法;
(d)DMC懸濁物を形成し、そしてアルキレンオキシドを投入する前に、ポリマーバックボーンと一緒に乾燥させる方法。
【0070】
適切なH官能性共開始剤を以下に記載する。
【0071】
アルコキシル化工程(ii)の最後に、得られた生成物混合物をろ過して、DMC触媒を除去しても良い。
【0072】
アルコキシル化工程(ii)のための触媒の濃度は、所望の速度で、又は所望の期間内にアルキレンオキシドを重合するように選ばれる。通常、触媒の適切な量は、生成物100万部当たり、10〜1000部の金属シアニド触媒錯体である。使用する触媒錯体の量を決めるために、(アルキレンオキシド及び開始剤、及び使用しても良い任意のコモノマーの組合せた量に等しい)生成物の質量が通常、考慮される。より好ましい触媒錯体レベルは、同じ基準で、50〜500ppm、特に100〜250ppmである。
【0073】
追加的に、H官能性共開始剤が、本発明の工程(ii)でのアルコキシル化で使用されても良い。適切なH官能性共開始剤は、例えば以下のものである:
a.モノオール(monoles)、
b.メタノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、又はオクタデカノール、
c.ポリオール(ポリオール類)
d.エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、スクロース、サッカロース、グルコース、フルクトース、マンノース、ソルビトール、ヒドロキシアルキル化(メト)アクリル酸誘導体、及び上述した、分子量が約1.500D以下の、H官能性共開始剤のアルコキシル化した誘導体、
e.第1級、及び/又は第2級のアミン、及びチオール、
f.不飽和化合物、
g.OH及びアリル又はビニル基を含む化合物、例えば、アリルアルコール、及びその、多価アルコールとのエーテル化生成物、例えばブテノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクテノール、ノネノール、デセノール、ウンデセノール、ビニルアルコール、アリルアルコール、ゲラニオール、リナロール、シトロネロール、フェノール、又はノニルフェノール;好ましくはアルキル残基は、C4〜C15アルキル基である、
h.イソ−プレノール、
i.フェノール。
【0074】
本発明の方法の工程(i)で得られたポリマー性生成物(I)が、COOH官能基を含む場合、工程(ii)に従うアルコキシル化は、触媒を使用することなく(自己触媒的に)行うことができる。得られるコポリマーは、工程(ii)で得られたポリ(アルキレンオキシド)側基に、末端OH基を有し、これは更なる誘導体化、又は反応の影響を受けやすいものである(例えば、ポリウレタンを生成する、ジイソシアネートとの反応)。従って、COOH官能基を含むポリマー性生成物(I)が使用される工程(ii)を、最初に、触媒を使用することなく(自己触媒的に)行い、OH−官能基を含むポリマー性生成物(I)を現場(in situ)で形成することが可能である。次に、OH官能性基を含む、得られたポリマー性生成物(I)を、触媒(触媒は、好ましくは、上述した触媒から選ばれる)を使用してアルキレンオキシドと更に反応させても良い。本発明の方法の工程(ii)で、COOH官能基を含むポリマー性生成物(I)を使用することの有利性は、原料コストが安価なアクリル酸バックボーンから直接的に出発することができることである。この理由は、アクルル酸とアルキレンオキシドからのヒドロキシアクリレートの「予備合成」は、もはや必要とされないからでる。
【0075】
本発明の方法の工程(ii)でのアルコキシル化は、通常、80〜160℃、好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃で行われる。
【0076】
工程(ii)は、溶媒の存在下で行っても良い。適切な溶媒は、この技術分野の当業者にとって公知であり、そして水素−活性官能基を有しない、及び従って、アルコキシル化工程に対して不活性な全ての液体、例えば、環状エーテル(例えば、THF、ジオキサン、トリオキサン)、又はグリコールジエーテル、例えば、チレングリコールジメチルエーテル、又はエチレングリコールジエチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジエチルエーテル、又はエステル、例えばブチルアセテート、又はケトン、例えばメチルアミルケトン、又はアセトン、又は芳香族溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、及びクメンである。同様に適切な溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、及びN,N−ジメチルアセトアミド、又はジメチルスルホキシドである。好ましくは、トルエン、テトラヒドロフラン、又はジオキサンが溶媒として使用される。
【0077】
工程(ii)におけるアルコキシル化は、この技術分野の当業者にとって公知の任意の方法で、例えば連続的に、非連続的に、半連続的に、又は出発材料を連続的に供給して行うことができる。
【0078】
好ましい一実施の形態では、工程(ii)は、連続的な供給法で行われ、ここで、1種以上の出発材料が、連続的な供給法によって加えられる。一実施の形態では、H官能性の共開始剤(costarter)の少なくとも一部が、工程(ii)のアルキル化の間、反応器に連続的に加えられる。任意に、アルキレンオキシドが追加的に、反応器に連続的に加えられても良い。しかしながら、アルキレンオキシドの替わりに、ポリマー性のバックボーンを反応器に連続的に加えても良い。連続的に加えれない他の成分に関して、この方法は、セミバッチ法(半不連続法)であることが好ましい。上述した実施の形態での好ましい触媒は、二重金属シアニド錯体触媒(DMC−触媒)である。連続的供給法の例は、WO97/29146及びWO99/14258に記載されている。
【0079】
更なる好ましい実施の形態では、工程(ii)でのアルコキシル化は、連続法として行われる。アルキレンオキシド、ポリマー性バックボーン、好ましくは二重金属シアニド錯体触媒(DMC−触媒)、又はアミン触媒であっても良い触媒、及び任意に使用されるH官能性の共開始剤が、この場合、反応器に連続的に加えられ、そして所望の反応生成物が連続的に除去される。連続法についての例は、WO98/03571及びEP1469027に記載されている。
【0080】
ストリッピング
揮発性成分を除去するために、アルキル化工程(ii)の後に得られる反応混合物は、好ましくは、この技術分野の当業者にとって公知のストリッピング法でストリップされる。ストリッピングは、不活性ガス、例えば窒素、及び/又は水蒸気ストリッピングであても良く、これは、好ましくは50〜200℃、好ましくは60〜180℃、より好ましくは80〜160℃、及び最も好ましくは90〜150℃で行われる。ストリッピング工程で使用される圧力は、環境に依存する。圧力は、好ましくは、最も大きくて、1×105N/m2、より好ましくは最も大きくて、0.5×105N/m2、及び最も好ましくは最も大きくて、0.3×105N/m2である。適切なストリッピング法は、例えばWO2005/121214、又はDE10324998A1に記載されている。
【0081】
本発明の方法の工程(ii)では、ポリマー性生成物(I)上に、ポリ(アルキレンオキシド)側鎖が得られる。上述した側鎖は、好ましくは、質量平均分子量が、50〜50000g/mol、好ましくは100〜40000g/mol、及びより好ましくは500〜30000g/molである。この範囲は、ポリ(アルキレンオキシド)側鎖の分子量の合計を記載しており、1つの側鎖の分子量ではない。各側鎖は、好ましくは分子量が、50〜5000g/molである。
【0082】
本発明の方法の工程(ii)で得られるポリ(アルキレンオキシド)側鎖は、ホモポリマー、ブロックコポリマー、又はランダムコポリマーの状態が可能である。ホモポリマーは、本発明の意味において、一つのアルキレンオキシドによって製造されるホモポリマー性側鎖であり、ここで適切なアルキレンオキシドについては上述した。好ましいホモポリマー性鎖は、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドによって製造される。ブロックコポリマーは、本発明の意味において、2種以上の異なるアルキレンオキシドによって製造されるブロックコポリマー性側鎖であり、ここで適切なアルキレンオキシドについては上述した。ブロックコポリマーは、最初にある所定のアルキレンオキシドを加え、そしてその後に、更なる所定のアルキレンオキシドを加えることによって製造される。ブロックコポリマーは、2種以上の異なるブロック、例えばABブロック(ここで、Aブロックは例えば、ポリプロピレンオキシドブロックであり、及びBブロックは例えば、ポリエチレンオキシドブロックであり、また、この逆であっても良い)、又はABAブロック(ここで、Aブロックは、ポリプロピレンオキシドブロック、Bブロックは、ポリエチレンオキシドブロック、及び更なるAブロックは、再度ポリプロピレンオキシドブロックであり、また、この逆であっても良い)を含んでも良い。この場合、ポリマー性生成物(I)は、最初にプロピレンオキシドと反応され、そしてこの後に、エチレンオキシドと反応され(又はこの逆)、及び−ABAブロックの場合−再度、プロピレンオキシドと反応される(又はこの逆)。ランダムコポリマーは、本発明の意味において、ランダムコポリマー性側鎖であり、これは、2種以上の異なるアルキレンオキシドを加えることによって得られ、そして適切なアルキレンオキシドについては上述した。好ましくは、エチレンオキシド、及びプロピレンオキシドがポリマー性生成物(I)と同時に反応される。ブロックコポリマー性側鎖がランダムコポリマーであるブロックA’及びホモポリマーであるブロックBを含むことも可能である。
【0083】
好ましい一実施の形態では、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドの単独重合、又はブロックコポリマーを形成するプロリレンオキシドとエチレンオキシドの共重合が好ましい。
【0084】
更なる実施の形態では、本発明は、本発明に従う方法によって得られたアルキル化されたポリマーに関する。ポリマー性生成物(I)(バックボーン)を製造ずるために使用される好ましいモノマー、及びアルコキシル化されたポリマーのポリ(アルキレンオキシド)側鎖の製造のために使用される、好ましいアルキレンオキシド、又はこれらの混合物については上述した。アルコキシル化したポリマーは、非常に均質な微細構造(マイクロ構造)を有し、及びポリマー性生成物(I)(バックボーン)に沿った、ポリ(アルキレンオキシド)側鎖の均質(一様)な分布を有する。更に、本発明のアルコキシル化されたポリマーは、狭い組成分布、及び狭い分子量分布(多分散性Mw/Mn)を有する。この分子量分布(多分散性Mw/Mn)は、−特にOH官能性バックボーンを有するポリマーから出発するアルコキシル化されたポリマーの場合に− 通常、最も大きくて4.5、好ましくは1.2〜4.0、より好ましくは1.4〜3.7である。しかしながら、アルコキシル化されたポリマーの使用に依存して、より広い分子量分布を有するアルコキシル化されたポリマーを製造することも可能である。
【0085】
本発明に従うアルコキシル化されたポリマーの質量平均分子量は、アルコキシル化されたポリマーの用途に依存して、調整することもできる。アルコキシル化されたポリマーの質量平均分子量は、通常、1000〜75000g/molの範囲、好ましくは1500〜50000g/molの範囲である。
【0086】
本発明のアルコキシル化されたポリマーは、OH価が通常、5〜400mgKOH/g、好ましくは20〜300mgKOH/gの範囲である。酸価は、通常、10〜0.001mgKOH/g、好ましくは1〜0.01mgKOH/gである。OH価は、出発材料として使用されるポリマーの官能性バックボーン(COOH又はOH)に依存する。
【0087】
得られるアルコキシル化されたポリマーが液体ポリマーの場合、25℃での粘度は、通常、500〜50.000mPas、好ましくは1000〜20.000mPasの範囲である。
【0088】
本発明について記載した分子量は、平均分子量であり、そして分子量と多分散性は、ポリスチレンマトリクスを参照として使用してSEC法によって決定される。粘度(25℃)は、DIN51550によって決定される。OH価はDIN53240’に従って決定され、そして酸価はDINENISO3682に従って決定される。
【0089】
本発明に従えば、アルキル化工程(ii)の前又は後、又は(ストリッピングが行われる場合には)ストリッピングの間又は後に、1種以上の安定化剤を反応混合物、又は成分の1つに加えることが、追加的に可能である。上述した安定化剤は、酸化工程のために望ましくない副生成物が形成されることを防止することができる。
【0090】
本発明では、この技術分野の当業者にとって公知の全ての安定化剤を、原則として使用することができる。これらの成分は、例えば酸化防止剤、相乗作用剤、及び金属不活性化剤を含む。
【0091】
使用される酸化防止剤は、例えば立体障害フェノール、及び芳香族アミンである。
【0092】
適切なフェノールの例は、アルキル化モノフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状ノニルフェノール、又は側鎖で枝分れしたノニルフェノール、例えば2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−ウンデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−ヘプタデク−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル−トリデク−1’−イル)フェノール、及びこれらの混合物;
【0093】
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−オクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、オクチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピネート(Irganox 11135)、又は2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール;
【0094】
トコフェロール、例えばα−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、及びこれらの混合物;
【0095】
ヒドロキシル化されたチオジフェニルエーテル、例えば2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、チオジフェニルアミン(フェノチアジン)、又は4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド;
アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシ−ベンジル)4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、又は1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン;
【0096】
及び他のフェノール、例えば、メチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(PS40)、オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox11076)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンアミド)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンアモイル)]メタン、2,2’−オキアミドビス[エチル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、又はトリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートである。
【0097】
適切なアミンの例は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ブチル化及びオクチル化したジフェニルアミン(Irganox15057及びPS30)、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、4−ジメチルベンジルジフェニルアミン等である。
【0098】
相乗作用剤(synergistic agent)は、例えば、ホスフィット、ホスホナイト、及びヒドロキシアミン、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリチリチルジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリチリチルジホスフィット、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリチリチルジホスフィット、ビスイソデシルオキシペンタエリチリチルジホスフィット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリチリチルジホスフィット、ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリチリチルジホスフィット、トリステアリールソルビトールトリスホスフィット、テトラキス(2,4−ジ−tert−フェニル)4,4’−ビフェニレンジホスフィット、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスイット、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、N,N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、又はN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン(水素化されたタロー脂肪アミンからのもの)から成る群から選ばれる化合物を含む;
【0099】
金属不活性化剤は、例えば、N’−ジフェニルオキサアミド、N−サリシラル−N’−サリシロイルヒドラジン、N,N−ビス(サリシロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリシロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサル酸ヒドラジン、オキサニリド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジピン酸ジヒドラジド、N,N’−ビスサリシロイルオキサル酸ジヒドラジド、及び N,N’−ビスサリシロイルチオプロピオン酸ジヒドラジドである。
【0100】
本発明に従う、好ましい安定化剤は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、オクチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox11135)、チオジフェニルアミン(フェノチアジン)、メチル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(PS40)、オクタデシル(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox11076)、及びブチル化した、及びオクチル化したジフェニルアミン(Irganox15057及びPS30)である。
【0101】
一実施の形態では、本発明のアルコキシル化されたポリマーは、(例えば、硬質、又は柔軟性フォーム、エラストマー、コーティング、シーリング剤、粘着剤、包埋組成物、又は架橋剤の状態で、)ポリウレタンを製造するために使用することができる。ポリウレタンは、例えば、Kunststoff−Handbuch,Vol.VII,“Polyurethane”,3rdedition,1993,edited by Dr.G.Oertel(Carl Hanser Verlag Munich)に記載されているように、例えば、本発明のアルキル化したポリマーを、イソシアネート、又はポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートと反応させることにより、この技術分野では公知の方法で製造することができる。ポリウレタンの所望の特性に依存して、本発明のアルコキシル化したポリマーを、単独ででも、又はイソシアネート基に対して反応性の水素原子を少なくとも2個有する、他の化合物と一緒にでも使用することができる。イソシアネート基に対して反応性の水素原子を少なくとも2個有し、及び(ポリイソシアネートとの反応のために)本発明に従うアルコキシル化されたポリマーと一緒に使用可能な化合物として、ポリエステルアルコール、及びポリエーテルアルコール、及び任意に、2官能性、又は多官能性アルコール、及び鎖延長剤及び架橋剤として公知のアミンが含められる。触媒、発泡剤、及び通常の助剤、及び/又は添加剤を使用することも可能である。
【0102】
従って、更なる実施の形態では、本発明は、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを、イソシアネート、又はポリイソシアネートと反応させることによってポリウレタンを製造するための方法、及び上述した方法によって製造されたポリウレタンに関する。本方法の適切な実施の形態、及び適切なイソシアネートについては、上述した文献に記載されている。更に、本発明に従うポリウレタンの製造で使用しても良い、適切な更なる成分は上述した。
【0103】
本発明のアルコキシル化されたポリマーは、ポリウレタンを製造するために適切なだけではない。アルコキシル化されたポリマーの以下の反応も本発明に含められる:
i)アルコキシル化されたポリマーの末端OH基の、ジイソシアネート、又はモノイソシアネートとの(これらからポリウレタンを製造するためではなく、しかし追加的な側鎖、例えば、脂肪アルコール、又は他のブロック、又は官能基を導入するための)反応;
ii)(重合可能な官能基を導入するための)アルコキシル化されたポリマーの末端OH基の、カルボン酸、又はこれらの誘導体、例えば脂肪酸、アクリル酸、及び/又はメタクリル酸とのエステル化;
iii)アルコキシル化されたポリマーの末端OH基の、例えばアリル化、ビニル化、又はアルキル化を介してのエステル化;
iv)イオン性官能基を導入するための、アルコキシル化されたポリマーの末端OH基のスルホン化、及び/又はホスホン化。
【0104】
更に、ポリウレタンを製造するための、本発明のアルコキシル化されたポリマーの使用に加え、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーは、ポリマー充填ポリオール(ポリマー−フィルドポリオール)のための立体障害剤として、非イオン性界面活性剤として、電子構造的界面活性剤(electrosteric surfactant)として、保護コロイドとして、超吸収剤として、分散剤として、特に水上に浮かぶ、及び溶媒に浮かぶ顔料及び無機分散剤として、表面変性剤として、特に被覆物及びプラスチックのための表面変性剤として、プラスチック変性剤として、コンクリート可塑剤として使用することができ、又は界面活性試薬の更なる慣用の使用のために適用することができる。追加的に、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーは、洗剤処方物中に使用しても良い。
【0105】
従って更なる実施の形態では、本発明は、本発明に従う、少なくとも1種のアルコキシル化されたポリマーを含む、又は該ポリマーから成る界面活性剤(界面活性試薬)に関する。好ましくは、界面活性試薬は、ポリマー−フィルドポリオール(ポリマーで満たされたポリオール)のための立体安定剤、非イオン性界面活性剤、電子構造的(electrosteric)界面活性剤、保護コロイド、超吸収剤、分散剤、表面変性剤、プラスチック変性剤、及びコンクリート可塑剤から成る群から選ばれる。
【0106】
更なる実施の形態では、本発明は、本発明に従うアルコキシル化されたポリマーを少なくとも1種含む洗剤処方物に関する。洗剤処方物の適切な更なる成分は、この技術分野の当業者にとって公知である。
【0107】
以下に実施例を使用して、本発明を説明する。
【0108】
実施例1:固体OH官能性バックボーンの製造:
US5508366(第6欄〜9欄)の教示に従い、2galラジカル連続重合反応器システム内で、十四(14)の異なるOH官能性バックボーンを設計し、そして製造した。特定の合成条件、及びポリマー特徴化パラメーターを以下の表1に示す。
【0109】
【表1−1】

【0110】
【表1−2】

【0111】
上述した分子量は、平均分子量で、そして分子量と多分散性は、参照としてポリスチレンマトリクスを使用してSEC法によって決定した。OH価は、DIN53240’に従って決定した。Tgは、ISO11357−2:1999に従って決定した。Fn,OH#及びPolarityは、モノマー供給組成とMnからの化学量論的な計算に基づいている。
【0112】
実施例2:液体OH官能性バックボーンの製造:
US5508366(第6欄〜9欄)の教示に従い、2galラジカル連続重合反応器システム内で、六(6)の異なるOH官能性バックボーンを設計し、そして製造した。特定の合成条件、及びポリマー特徴化パラメーターを以下の表2に示す。
【0113】
【表2】

【0114】
上述した分子量は、平均分子量で、そして分子量と多分散性は、参照としてポリスチレンマトリクスを使用してSEC法によって決定した。OH価は、DIN53240’に従って決定した。Tgは、ISO11357−2:1999に従って決定した。Fn,OH#及びPolarityは、モノマー供給組成とMnからの化学量論的な計算に基づいている。
【0115】
実施例3:固体COOH官能性バックボーンの製造:
US4546160(第5欄〜11欄)の教示に従い、2galラジカル連続重合反応器システム内で、三(3)の異なるCOOH官能性バックボーンを設計し、そして製造した。特定の合成条件、及びポリマー特徴化パラメーターを以下の表3に示す。
【0116】
【表3】

【0117】
上述した分子量は、平均分子量で、そして分子量と多分散性は、参照としてポリスチレンマトリクスを使用してSEC法によって決定した。OH価は、DIN53240’に従って決定した。Tgは、ISO11357−2:1999に従って決定した。Fn及びPolarityは、モノマー供給組成とMnからの化学量論的な計算に基づいている。酸価は、ISO2114:2000に従って決定した。
【0118】
実施例4:液体COOH官能性バックボーンの製造:
US4546160(第5欄〜11欄)の教示に従い、2galラジカル連続重合反応器システム内で、六(6)の異なるCOOH官能性バックボーンを設計し、そして製造した。特定の合成条件、及びポリマー特徴化パラメーターを以下の表4に示す。
【0119】
【表4】

【0120】
上述した分子量は、平均分子量で、そして分子量と多分散性は、参照としてポリスチレンマトリクスを使用してSEC法によって決定した。OH価は、DIN53240’に従って決定した。Tgは、ISO11357−2:1999に従って決定した。Fn及びPolarityは、モノマー供給組成とMnからの化学量論的な計算に基づいている。酸価は、ISO2114:2000に従って決定した。
【0121】
実施例5:固体OH官能性バックボーンのプロポキシル化
50mLの乾燥トルエン中の、実施例1−1からのコポリマーバックボーン(50.0g)の溶液、及び亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩二重金属シアニド錯体触媒(PPG2000内に懸濁した状態の170mg)を、300mLステンレススチール反応器内に加え、そして130℃に加熱した。混合物を3回、脱気し、反応混合物から酸素を除去した。この後、プロピレンオキシド(20.0g)を加え、触媒を開始させた。活性化の後、プロピレンオキシドの投入を、2.5mL/minの投入速度で60分間継続した。アルキレンオキシドの添加が完了した後、生成物を130℃で30分間保持し、そして次に混合物を真空下に30分間置き、溶媒を除去し、以下の分析データーを有するハイブリッドコポリマーを得た:
OH価:21.0mgKOH/g
酸価:0.03mgKOH/g
w:31482
n:8856
多分散性:3.6
【0122】
実施例6:液体OH官能性バックボーンのプロポキシル化
実施例2−2からのコポリマーバックボーン(100.0g)、及び亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩二重金属シアニド錯体触媒(PPG2000内に懸濁した状態の120mg)を、300mLステンレススチール反応器内に加えた。混合物を130℃で、1時間脱気し、残っている水を除去した。次に、プロピレンオキシド(20.0g)を130℃で、2.5mL/minの投入速度で反応混合物に加えた。アルキレンオキシドを加えた後、生成物を更に30分間、130℃に維持し、変換の完了を確実化した。反応が完了した後、次に生成物を30分間、真空−ストリップし、以下の分析データーを有するハイブリッドコポリマーを得た:
ヒドロキシ価:92.1mgKOH/g
粘度(25℃):8543mPa・s
w:1703
n:1006
多分散性:1.69
【0123】
実施例7:固体COOH官能性バックボーンのプロポキシル化
50mLのジオキサン中の、実施例3−1からのコポリマーバックボーン(50.0g)の溶液、及び亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩二重金属シアニド錯体触媒(PPG2000内に懸濁した状態の195mg)を、300mLステンレススチール反応器内に加え、そして130℃に加熱した。混合物を3回、脱気し、反応混合物から酸素を除去した。この後、プロピレンオキシド(58.2g)を、2.5mL/minの投入速度で加えた。一定した圧力によって示される反応の完了後、反応混合物を真空下に置き、溶媒を除去し、以下の分析データーを有する、粘性の高いハイブリッドコポリマーを得た:
ヒドロキシ価:102.1mgKOH/g
w:27828
n:2627
多分散性:10.6
【0124】
実施例8:液体COOH官能性バックボーンのプロポキシル化
実施例4−3からのコポリマーバックボーン(57.6g)、及び亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩二重金属シアニド錯体触媒(PPG2000内に懸濁した状態の195mg)を、300mLステンレススチール反応器内に加えた。混合物を130℃で、1時間脱気した。プロピレンオキシド(11.5g)を加え、触媒を開始させた。活性化の後、プロピレンオキシドの投入を、2.5mL/minの投入速度で18分間継続した。アルキレンオキシドの添加の後、生成物を130℃に加熱し、そして次に30分間真空ストリップし、以下の分析データーを有する粘性のあるハイブリッドコポリマーを得た:
ヒドロキシ価:57.4mgKOH/g
酸価:27.8mgKOH/g
粘度:11876mPas
w:36550
n:2340
多分散性:15.6
【0125】
実施例9:アルコキシル化触媒の不存在下での、液体COOH官能性バックボーンのプロポキシル化
実施例4−3からのコポリマーバックボーン(103.7g)を、300mLステンレススチール反応器内に加えた。ポリマーを130℃で、1時間脱気した。プロピレンオキシド(53.6g)を、2.5mL/minの投入速度で、12時間の期間にわたって連続的に加えた。アルキレンオキシドを加えた後、生成物を130℃に加熱し、次に30分間、真空ストリップし、以下の分析データーを有する粘性のハイブリッドコポリマーを得た:
ヒドロキシ価:144.6mgKOH/g
酸価:8.3mgKOH/g
粘度(75℃):2838mPa・s
w:10877
n:2619
多分散性:4.2
【0126】
実施例10:液体OH官能性バックボーンのエトキシル化
実施例2−6からのコポリマーバックボーン(50g)、及び亜鉛ヘキサシアノコバルト酸塩二重金属シアニド錯体触媒(PPG2000内に懸濁した状態の230mg)を、300mLステンレススチール反応器内に加えた。混合物を130℃で、1時間脱気し、残っている水を除去した。次に、エチレンオキシド(73.7g)を、130℃で、2.5mL/minの投入速度で反応混合物中に加えた。エチレンオキシドを加えた後、生成物を追加的に30分間、130℃に保持し、完全な変換を確実なものにした。反応が完了した後、次に生成物を30分間、真空−ストリップし、以下の分析データーを有する固体のハイブリッドコポリマーを室温で得た:
ヒドロキシ価:73.4mgKOH/g
w:5701
n:1878
多分散性:3.03

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
(i)以下のモノマー
(a)少なくとも1種の官能化されたアクリルモノマー(a)、
(b)少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(b)、及び
(c)任意に、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和のラジカル重合可能なモノマー(c)
を150〜350℃の温度でラジカル共重合させることによって、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を製造する工程、
(ii)工程(i)で得られた、少なくとも1つの官能基を有するポリマー性生成物(I)を、少なくとも1種のアルキレンオキシドと接触させる工程、
を含む、アルコキシル化されたポリマーを製造するための方法。
【請求項2】
工程(i)で得られるポリマー性生成物は、質量平均分子量Mwが、1000〜30000g/mol、好ましくは1500〜25000g/mol、及びより好ましくは2000〜20000g/molの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
以下のモノマー(a)、(b)及び任意に(c)、
(a)OH官能性のアクリルモノマー(a1)、COOH−官能性のアクリルモノマー(a2)、環状無水モノマー(a3)、及びエポキシ−官能性アクリルモノマー(a4)、及びこれらの混合物から成る群から選ばれる、少なくとも1種の官能性アクリルモノマー(a);
(b)以下の、
(b1)3〜6個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン的に不飽和のモノカルボン酸、又はジカルボン酸と、1〜20個の炭素原子を有するアルカノールのエステル(b1)、
(b2)ビニル芳香族モノマー(b2)、
(b3)ビニルアルコールと、1〜18個の炭素原子を有するモノカルボン酸のエステル(b3)、
(b4)オレフィン(b4)、
(b5)1〜18個の炭素原子を有する、α,β−モノエチレン的に不飽和のモノカルボン酸のニトリル(b5)、及び
(b6)C4−C8−共役ジエン(b6)、
又は上述したモノマーの混合物から成る群の少なくとも1種の要素から選ばれる、少なくとも1種の追加的なモノエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(b);
(c)任意に、アルキレングリコールジアクリレート、アルキレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマーレート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタジアニルアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアセトンアクリルアミド、アセチルアセトキシエチルアクリレート、及びアセチルアセトキシエチルメタクリレートから成る群から選ばれる、少なくとも2つの非共役の二重結合を含む、少なくとも1種のマルチエチレン的に不飽和の、ラジカル重合可能なモノマー(c)、
がラジカル的に共重合されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(i)で、
(a)5〜70質量%の少なくとも1種のモノマー(a)、
(b)30〜95質量%の少なくとも1種のモノマー(b)、及び
(c)0〜15質量%の少なくとも1種のモノマー(c)、
がラジカル的に共重合され、及び成分(a)、(b)及び任意に(c)の合計が100質量%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(i)で、
(a)10〜65質量%、好ましくは15〜60質量%、及びより好ましくは20〜50質量%の少なくとも1種のモノマー(a)、
(b)35〜90質量%、好ましくは40〜85質量%、及びより好ましくは50〜80質量%の少なくとも1種のモノマー(b)、及び
(c)0.1〜12質量%、好ましくは0.5〜10質量%、及びより好ましくは1〜4質量%の少なくとも1種のモノマー(c)、
がラジカル的に共重合され、及び成分(a)、(b)、及び任意に(c)の合計が100質量%であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(i)で得られるポリマー性生成物(I)が、完全な統計コポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
工程(i)で得られるポリマー性生成物(I)は、分子量分布Mw/Mnが、最も大きくて4.0、より好ましくは1.5〜3.0、及び最も好ましくは1.5〜2.5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(ii)の、少なくとも1種のアルキレンオキシドが、プロピレンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、及びこれらの混合物から成る群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(ii)が、触媒の存在下に行なわれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
触媒が、二重金属シアニド錯体触媒であることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法によって得られるアルコキシル化されたポリマー。
【請求項12】
少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)側鎖を含み、側鎖の分子量の合計が、質量平均分子量で、50〜50000g/mol、好ましくは100〜40000g/mol、及びより好ましくは500〜30000g/molであることを特徴とする請求項11に記載のアルコキシル化されたポリマー。
【請求項13】
請求項11に記載のアルコキシル化されたポリマーと、イソシアネート又はポリイソシアネートを反応させることによりポリウレタンを製造するための方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法によって製造されたポリウレタン。
【請求項15】
請求項11に記載の、少なくなくとも1種のアルコキシル化されたポリマーを含むか、又は該ポリマーから成る界面活性剤。
【請求項16】
界面活性剤が、ポリマー充填されたポリオール用の立体安定剤、非イオン性界面活性剤、電子構造的(electrosteric)界面活性剤、保護コロイド、超吸収体、分散剤、表面変性剤、プラスチック変性剤、及びコンクリート可塑剤から成る群から選ばれることを特徴とする請求項15に記載の界面活性剤。
【請求項17】
請求項11に記載のアルコキシル化されたポリマーを少なくとも1種含む、洗剤処方物。

【公表番号】特表2013−506727(P2013−506727A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531368(P2012−531368)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064388
【国際公開番号】WO2011/039200
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】