説明

アルコキシル化アミンで中和された芳香族スルホン酸界面活性剤を含有する農薬製剤

【課題】農薬製剤中に広く使用されている一般的な工業用界面活性剤のアルキルフェノール・エトキシレート(APEs)に変わる生命科学及び工業用配合物において有用な界面活性剤の提供。
【解決手段】アルコキシル化アミン中和芳香族スルホン酸塩を非−APE界面活性剤代替物として用い、さらにそれを含有する農薬製剤とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、生命科学及び工業的配合物において有用である界面活性剤に関する。より特に、本発明は、芳香族スルホン酸により中和されたアルコキシル化アミンの界面活性剤及びそれを含有する農薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
アルキルフェノール・エトキシレート(alkylphenol ethoxylate(APEs))は、農薬製剤中に広く使用されている一般的な工業用界面活性剤の1クラスである。しかしながら、APEsを含有する製剤は、設計仕様の最も望ましい組合せ、例えば、製品効力、作用パラメーター(working parameters)、及びコストを常に提供するわけではない。伝統的な非−APE界面活性剤系は、APE界面活性剤のための直ちに適合可能な代替物をもっていない。例えば、その製剤要求に依存して、脂肪酸エトキシレートとともに使用されるカルシウム・ドデシルベンゼスルホネートは、1以上の設計パラメーター、例えば、エマルジョン安定性、急性毒性、時間及び熱安定性、化学的及び物理的安定性;溶液、懸濁液又は希釈物力学、並びに粘度及び懸濁液の安定化、の中の1の低性能のために、許容されないAPE代替物であることが証明されている。多くのタイプの製剤中に見られる非−APE界面活性剤である、リン酸エステルは、その界面活性剤混合物のモノ−エステル、ジ−エステル、及び遊離酸成分に関わる、不所望のトランスエステル化及びケン化反応に因り、長期間の安定性の問題を患う。APEsを含有する界面活性剤系の特徴に対する、既存改良技術を適合させる当該産業の不能力は、全く新しいラインの非−APE界面活性剤代替物の開発を促した。科学者仲間が直面した追加の挑戦は、容易に入手可能な、かつ、低コストの原材料から容易に作られることができる新規な非−APE代替物を開発することである。従って、他の非−APE界面活性剤代替物の必要性は未だに在る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の要約
今般、アルコキシル化アミン中和芳香族スルホン酸が非−APE界面活性剤代替物として好適であることが発見された。本発明に係る界面活性剤は、界面活性剤塩化合物の形態にあるか、又は1以上の上記界面活性剤化合物又は塩を含有する組成物であることができる。本発明の1の態様においては、上記非−APE界面活性剤を含有する組成物は、アルキルフェノール・エトキシレート(APEs)を実質的に含有しない。本発明の界面活性剤は、適当は芳香族スルホン酸を適当なアルコキシル化アミンと併合することから得られる。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の詳細な説明
本発明の1の局面は、以下の式(I):
【0005】
【化1】

【0006】
{式中、An-は酸H−A(ここで、H−Aは芳香族スルホン酸である。)の共役塩基であり;そして(H−B)+ は塩基B(ここで、Bはアルコキシル化アミンである。)の共役酸であり、そしてnは、それぞれ、上記共役塩基又は酸上のスルホネート・アニオン基又はスルホン酸基の数であり、但し、HAとAn-はフェノール成分を含まない。}により表される塩化合物である。“フェノール成分”は、少なくとも1の−OH基又はその−OH基の水素を他の有機又は金属ラジカルで置換することにより現れた基を含有するフェノール環として定義される。本明細書中に開示する発明は、式(I)の塩化合物を含む界面活性剤組成物をも含む。本発明は、少なくとも1の農薬及び式(I)の塩化合物を含む農薬製剤をも含む。
【0007】
本発明の好ましい局面は、式〔(H−B)+nn-
{式中、An-は以下の式:
【0008】
【化2】

【0009】
(ここで、各Rは独立してC1 −C24アルキル、及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。)により表されるアニオンであり、そして(H−B)+ は以下の式:
【0010】
【化3】

【0011】
(ここで、R4 は水素、C1 −C24アルキル、及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 は独立して直鎖又は分枝鎖C2 −C4 アルキレンであり、そしてxは1〜50の数であり、そしてyは0〜50の数であり、好ましくはx+yは2〜50(含む)の数である。)により表されるカチオンである。}をもつ塩化合物である。本発明のより好ましい態様は、式(H−B)+- {式中、A- は以下の式:
【0012】
【化4】

【0013】
(ここで、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素及びC1 −C24アルキルから成る群から選ばれる。)により表されるアニオンであり、そして(H−B)+ は以下の式:
【0014】
【化5】

【0015】
(ここで、R4 は先に定義したもの(好ましくは、n−オクタデシル、n−ヘキサデシル、及びcis−9−オクタデセニル)であり;そしてx+yは約7〜9(好ましくは8)の数である。)により表されるカチオンである。}により表される塩化合物である。本発明のさらに好ましい態様は、式中、A- が以下の式:
【0016】
【化6】

【0017】
(式中、R1 はn−ドデシル基である。)をもつアニオンである、上記塩化合物である。
本発明は、式HAの芳香族スルホン酸を式Bのアルコキシル化アミンで中和する方法から製造される化合物又は塩でもある。芳香族スルホン酸をアルコキシル化アミンと(差異が存在する程度まで)併合する方法から産物、並びに上記アンモニウムスルホネート塩化合物は両者とも、本明細書中に開示する発明の特徴である。本明細書中に開示する発明の範囲は、界面活性剤を作るために使用される成分又は他の最終的に有用な製剤(例えば、農薬製剤)を作るために使用される他の成分の、複合体形成、平衡、反応又は酸−塩基化学に関する特定の化学的理論に限定されると解釈されるべきではない。この点で、本発明の他の局面は、1以上の芳香族スルホン酸及び1以上のアルコキシル化アミンを含む界面活性剤組成物であって、その構成成分が、その成分の形態における変化をもたらすように化学的に相互作用することもしないこともできる、前記組成物である。本発明は、少なくとも1の芳香族スルホン酸及び少なくとも1のアルコキシル化アミンを含む、互いに混合された適当な成分の静的組成物、及び化学的に統合された界面活性剤組成物を包含する。“静的組成物”とは、その成分が他の組成成分との併合により実質的に変化していないところの、成分から構成される組成物である。“化学的統合された組成物”とは、その成分の併合後に、かつ、農薬製剤中での界面活性剤の最終的使用の前に、生じることができる自然平衡、複合体(錯体)形成、解離又は他の化学的変換から生じる組成物を意味する。それ故、本発明の“化学的に統合された組成物”は、定義により、“静的組成物”が存在する状況、及び最初の生成と界面活性剤を含有する製品の分野における最終的使用の間の時点に生じるいずれかの得られた組成物が存在する状況を包含する。換言すれば、本発明は、化学的に変化しない構成成分の静的組成物に限定されない。
【0018】
本発明の他の局面は、それがアンモニウムスルホネート塩化合物以外の物から成る程度までの、芳香族スルホン酸とアルコキシル化アミン塩基の併合から、全体として作られた界面活性剤組成物である。このような組成物は、化学的に変化されなかった出発材料、及び上記組成物中の成分の反応、平衡、解離又は錯体形成からの他の反応生成物又は副生成物を含有することができる。
【0019】
本発明は、APE代替物として有用な界面活性剤を獲得する方法をも含む。上記界面活性剤物、又はプロダクト−バイ−プロセスに加えて、上記界面活性剤のいずれかを獲得し又は製造する方法を、本発明の一部として本明細書中に開示する。本発明は、APE代替物として式(I)の界面活性剤塩化合物及びその組成物を使用する方法をも含む。
【0020】
本発明の界面活性剤を製造するために使用されるアルコキシル化アミン及び芳香族スルホン酸は、好ましくは、容易に入手可能であり、かつ、安価な化合物である。しかしながら、材料のコストは、出発材料として使用されるアルコキシル化アミンと芳香族酸の選択において1の要因でしかない。日常的な費用−収益分析を実施した後、及び他の設計パラメーターの観点から、より高価であり、かつ、より入手が難しい材料も好ましいものでありうることも明らかであろう。
【0021】
本発明において使用する芳香族スルホン酸は、1以上のスルホン酸基、及びその中の芳香成分に付着された1以上の基をもつことができる。上記芳香族スルホン酸は、一般に、以下の式(II)又は(III ):
【0022】
【化7】

【0023】
{式中、各R,m,n,p,q,r、及びsは先に定義したものである。}により定義されることができる。
本発明の界面活性剤の製造のための好ましい出発材料は、以下の式(IIa)又は(III a):
【0024】
【化8】

【0025】
{式中、R1 ,R2 、及びR3 は先に定義したものである。}により定められる化合物である。
本発明の界面活性剤の製造のために有用である好ましいアルコキシル化アミンは、以下の式(IV):
【0026】
【化9】

【0027】
{式中、R4 ,x、及びyは先に定義したものである。}により定められる1以上の化合物である。本発明の好ましい特徴は、アルコキシル化アミンが以下の式(V):
【0028】
【化10】

【0029】
{式中、R4 ,x、及びyは先に定義したものである。}により表される1以上のエトキシル化アミンである場合にある。本発明の他の好ましい局面は、R4 がn−オクタデシル、n−ヘキサデシル、及びシス−9−オクタデシルから成る群から選ばれ、そしてx+yが5〜10の数である場合にある。本発明の他の好ましい局面は、平均x+yが約7〜9(より好ましくは8)の数である場合にある。
【0030】
本発明の他の局面は、1以上の他の活性成分を含有する配合物中の先に開示した界面活性剤の配合物を含む組成物である。本発明の好ましい態様は、ここに開示する非−APE含有界面活性剤を含有する農薬製剤である。しかしながら、本発明は、農薬製剤に限定されない。ここに開示する非−APE含有界面活性剤を含有することができる他の有用な配合物は、シャンプー配合物、洗浄配合物一般、及び鉱業において使用される石けん配合物を含む。ここに開示する界面活性剤は、APE代替物としての一般的利用性をもつと考えられ、そしてそれ故、多くの他の知られた配合物中で有用であると予想されるであろう。本発明は、APEs及び他の界面活性剤に代えてここに開示する界面活性剤を用いることにより得られる配合物も包含する。本明細書中に開示する発明は、APEsを含有する組成物に、ここに請求する界面活性剤を補うことにより得られる配合物をも包含する。一般に、界面活性剤添加物を慣用する配合物は、1以上の本発明の界面活性剤による置換又はこれによる補給による修飾に供されるであろう。上記化合物及び組成物を本明細書中“界面活性剤”というけれども、それらは、固有の界面活性剤の特性から独立して有用でありうる他の非界面活性剤特性をも有するであろうことが予想される。本発明の適用に依存して、それは、高められた生体効果(bioefficacy)及び/又は低下した毒性及び刺激をもたらしうる。
【0031】
本発明の他の局面は、1以上の除草剤及び1以上の毒性緩和剤(解毒剤)を含有する配合物中に、先に開示した界面活性剤の配合物を含む組成物である。除草剤を適用するとき、栽培植物は、除草剤の濃度及び適用方法、栽培植物自身、土壌の性質、及び気候条件、例えばさらされている状態(exposure)を含む要因に因りかなりのダメージを受けることもできる。本発明の好ましい態様は、例えば、それぞれ、本発明の界面活性剤との組合せにおける、s−メトラクロール及びベノクサコール、又はs−メトラクロール、アトラジン、及びベノクサコールの配合物である。
【0032】
上記界面活性剤は、式(II)又は(III )の芳香族スルホン酸を、pHをコントロールしながら、式(IV)のアルコキシル化アミンと混合することにより製造される。所望のpHは、その組成物中の酸成分と塩基成分の比を正確に調節することにより維持される。例えば、適当な酸−塩基比及び所望のpHは、以下の手順に従って達成されることができる:1)既知重量の上記芳香族スルホン酸を、イソプロパノールと水の50/50溶液に溶解させる。2)塩化銀電極を装置したpH計の使用によりpHをモニターしながらマグネチップスターラーを用いて常に撹拌しつつ、風袋を差し引いた量のアルコキシル化アミンを、ゆっくりと上記芳香族スルホン酸に添加する。3)所望のpHが達成されたとき、要求されたアルコキシル化アミンの量を計測する。4)芳香族スルホン酸:アルコキシル化アミン(酸:塩基)の比を決定し、そして上記界面活性剤を、撹拌しながら適当な量の上記2成分を混合することにより調製する。本明細書中に記載する農薬製剤の多くについては、好ましい酸:塩基比は、約35:65(重量比)である。上記構成成分の酸性度又は塩基性度は、上記材料の供給者又は特定のバッチに依存して変化しうる。それ故、そのpHは、本発明の化合物、組成物、及び配合物の調製における支配要因である。芳香族スルホン酸とアルコキシル化アミンのそれぞれについてのpkaとpkbは、式(II)、(III )、及び(IV)により定められる化合物についての置換のタイプ及び程度を操作することによりある程度まで変えられうる。それ故、使用される特定の酸又は塩基の選択も、界面活性剤を製造するために使用される酸:塩基比、及び所望のpHを生み出すであろう。上記界面活性剤のための好ましいpH範囲は、約3〜7のpHであり、より好ましいpHレンジは約4〜6であり、そして究極的に好ましいpHレンジは約5〜6である。pHを上昇又は低下させるために典型的に使用される他の酸又は塩基のさらなる添加により、上記スルホン酸及びアミン塩基成分が混合された後にpHを調整することは望ましくない。なぜなら、たとえ僅かな量の付加塩でさえ、製品、界面活性剤の観察される特性において大きな相違をもたらすことができるからである。追加の化学物質の購入、取扱い、保管、及び処分に関係する追加の方法ステップをもち又は追加のコストをもつことも望ましくない。
【0033】
エトキシル化牛脂アミンで中和されたドデシルベンゼンスルホン酸のエマルジョン安定性は、その牛脂アミン上の“酸化エチレン単位の平均数”(EO)が8(すなわち、8EO)であるとき、典型的には最大である。“平均”は、1セットの実数の算術平均(この場合、上記界面活性剤を製造するために使用されるエトキシル化アミン牛の酸化エチレン単位の数)として定義される。本発明の好ましい特徴は、8EOの付近に連続的かつ対称なベル状曲線集団分布が存在する場合にある。好ましくは平均値(平均EO)の1標準偏差(σ)内に低分散が存在することも望ましい。乳化能力における低下は、界面活性剤を作るために7EO又は9EO牛脂アミンが使用されたときに、観察される。
【0034】
エトキシル化アミン(すなわち、アミン・エトキシレート)のためのいくつかの商業的供給者及び製品名は以下のものである:
【0035】
【表1】

【0036】
本発明の1の好ましい局面は、特別な混合手順を伴わずに水性農薬製剤を与えるために水又は他の水性溶液と直接混合されることができる乳化性濃縮配合物を得るように、本明細書中の界面活性剤組成物と液体農薬組成物の併合を含む。
“アルキルアリール”は、1以上のアルキル基により置換されたアリール基であり、ここで、“アリール”は非複素芳香環系又は複素芳香環系のいずれかであることができる。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は、本発明の局面のいくつかをさらに説明するが、その範囲を限定するものと意図されない。本明細書及びクレームを通して別段の定めなき場合、温度は摂氏で与えられる。
実施例1
活性成分として固体グリフォセートを含有する油ベースの懸濁液濃縮物を、以下の配合に従って調製した:
36.8重量%の固体グリフォセート、
15.0重量%の、牛脂アミンで中和された直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸(8EO)、
0.1重量%の、消泡剤としてのジメチル・ポリシロキサン、
1.0重量%の、増粘剤としてのfumed silicate、及び100%までの石油炭化水素溶媒。
【0038】
他のグリフォセート塩、例えば、グリフォセート−イソプロピルアンモニウム、ブリフォセート−セスキソディウム、又はグリフォセート−トリメシウムも本発明において使用されうる。
実施例2
活性成分として固体アトラジンを含有する水性懸濁液濃縮物を、以下の配合に従って調製した:
43.5重量%のアトラジン、
2.0重量%の、牛脂アミンで中和された直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸(8EO)、
1.15重量%ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ブロック・コポリマー、
0.10重量%のシリコーン消泡剤、
0.15重量%の、増粘剤としてのキサンタン・ガム、
0.10重量%の保存料ホルムアルデヒド、及び
100%までの水。
【0039】
プレゲルを、高剪断条件下、増粘剤と水を混合することにより調製する。スラリーを、アトラジン、牛脂アミン(tallow amine)で中和した直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸(8EO)、及び水を使用して調製する。このスラリーを粉砕して、アトラジンの粒子サイズを減少させる。上記プレゲルと残りの配合物を添加し、そして材料が均一になるまで混合する。
【0040】
実施例3
活性成分として固体アトラジンを含有する水性懸濁液濃縮物を、以下の配合に従って、実施例2のやり方と同様のやり方で調製した:
43.5重量%のアトラジン・テクニカル、
2.0重量%の、ココ・アミン(coco amine)で中和した分枝状ドデシルベンゼンスルホン酸(10EO)、
1.15重量%のポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ブロック・コポリマー、
0.10重量%のシリコーン消泡剤、
0.15重量%の、増粘剤としてのキサンタン・ガム、
0.10重量%の保存料ホルムアルデヒド、及び
100%までの水。
【0041】
材料の粘度=130cps (Rotational(Brookfield)粘度計、ASTM法D2196による粘度)
実施例4
活性成分として固体アトラジンを含有する水性懸濁液濃縮物を、以下の配合に従って、実施例2のやり方と同様のやり方で調製した:
43.5重量%のアトラジン、
2.0重量%の、ココ・アミンで中和した直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸(15EO)、
1.15重量%のポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ブロック・コポリマー、
0.10重量%のシリコーン消泡剤、
0.15重量%の、増粘剤としてのキサンタン・ガム、
0.10重量%の保存料ホルムアルデヒド、及び
100%までの水。
【0042】
材料の粘度=125cps (Rotational(Brookfield)粘度計、ASTM法D2196による粘度)
実施例5
活性成分として固体アトラジンを含有する水性懸濁液濃縮物を、以下の配合に従って、実施例2のやり方と同様のやり方で調製した:
43.5重量%のアトラジン・テクニカル、
2.0重量%の、牛脂アミンで中和した直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸(9EO)、
1.15重量%のポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ブロック・コポリマー、
0.10重量%のシリコーン消泡剤、
0.15重量%の、増粘剤としてのキサンタン・ガム、
0.10重量%の保存料、例えばホルムアルデヒド、及び
100%までの水。
【0043】
材料の粘度=324cps (Rotational(Brookfield)粘度計、ASTM法D2196による粘度)
さらに、1以上の非イオン界面活性剤成分を、作物保護配合物中で使用することができる。非イオン界面活性剤は、好ましくは、脂肪族アルコールのポリグリコール・エーテル誘導体である。この非イオン界面活性剤は、例えば、エチレンオキシ/プロピレンオキシ・ブロック・ポリマー、ひまし油エトキシレート、及びトリスチアリールフェノール・エトキシレートであることができる。
【0044】
作物保護組成物は、意図された適用のために好適な形態で配合されることができる。配合のタイプは、例えば、種子処理のための流動物(flowable(FL))、流動性濃縮物(FS)、水和性粉末(WP)、水和性分散性粒剤(WDG)、油混和性流動性濃縮物(OF)、懸濁液濃縮物(SG)、乳化性濃縮物(EC)、液体(L)、水/油エマルジョン(EW)、粒剤(GR)、スラリー処理のための水分散性粉末(WS)、及び乾燥流動物(DF)を含む。
【0045】
本発明のいくつかの他の好ましい態様は以下の表1及び表2の中に含まれる。
【0046】
【表2】

【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【0051】
【表7】

【0052】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式〔(H−B)+nn-
{式中、An-は以下の:
【化1】

(ここで、各Rは独立してC1 −C24アルキル及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。)
であり、そして(H−B)+ は以下の式:
【化2】

(ここで、R4 は水素、C1 −C24アルキル及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 は独立して直鎖又は分枝C2 −C4 アルキレンであり、xは1〜50の数であり、そしてyは0〜50の数である。)により表されるカチオンである。}
により表される塩化合物。
【請求項2】
式(H−B)+-
{式中、A- は以下の:
【化3】

(ここで、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素及びC1 −C24アルキルから成る群から選ばれる。)であり;そして(H−B)+ は以下の式:
【化4】

(ここで、x+yは約7〜9の数であり、そしてR4 は先に定義したものである。)により表されるカチオンである。}を有する、請求項1に記載の塩化合物。
【請求項3】
- が以下の式:
【化5】

(ここで、R1 は先に定義したものである。)を有するアニオンである、請求項2に記載の塩化合物。
【請求項4】
1 がn−ドデシル基である、請求項3に記載の塩化合物。
【請求項5】
4 がn−オクタデシル、n−ヘキサデシル及びシス−9−オクタデセニルから成る群から選ばれ;そしてx+yが8に等しい、請求項4に記載の塩化合物。
【請求項6】
以下の式(II)又は(III ):
【化6】

{式中、各Rは独立して水素、C1 −C24アルキル、及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。}により表される少なくとも1の芳香族スルホン酸を、以下の式(IV):
【化7】

{式中、R4 は水素、C1 −C24アルキル、及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 は独立して直鎖又は分枝C2 −C4 アルキレンであり、そして平均x+yは2〜50(含む)の数である。}により表される少なくとも1のアルコキシル化アミン塩基で、中和させる方法により得られる物。
【請求項7】
前記少なくとも1の芳香族スルホン酸が、以下の式(IIa)又は(III a):
【化8】

{式中、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素、及びC1 −C24アルキルから選ばれる。}により得られる化合物であり;そして
少なくとも1のエトキシル化アミン塩基が以下の式(V):
【化9】

{式中、R4 はC1 −C24アルキルであり、そして平均x+yは約7〜9の数である。}により表される、請求項6に記載の物。
【請求項8】
前記物、界面活性剤が3〜7のpHをもつ、請求項6に記載の物。
【請求項9】
前記物、界面活性剤が4〜6のpHをもつ、請求項6に記載の物。
【請求項10】
前記物、界面活性剤が5〜6のpHをもつ、請求項6に記載の物。
【請求項11】
(a)以下の式(II)又は(III ):
【化10】

{式中、各Rは独立してC1 −C24アルキル、及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。}により表される少なくとも1の芳香族スルホン酸化合物、及び
(b)以下の式(IV):
【化11】

{式中、R4 は水素、C1 −C24アルキル、及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 は独立して直鎖又は分枝C2 −C4 アルキレンであり、そして平均x+yは2〜50(含む)の数である。}により表される少なくとも1のアルコキシル化アミン塩基、
の塩を含む界面活性剤組成物。
【請求項12】
(a)が以下の式(IIa)又は(III a):
【化12】

{式中、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素、及びC1 −C24アルキルから成る群から選ばれる。}により表される少なくとも1の芳香族スルホン酸化合物であり;そして
(b)が以下の式(V):
【化13】

{式中、R4 はC1 −C24アルキルであり、そしてx+yは約7〜9の数である。}により表される少なくとも1のエトキシル化アミン塩基である、
請求項11に記載の界面活性剤。
【請求項13】
前記物、界面活性剤が3〜7のpHをもつ、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記物、界面活性剤が4〜6のpHをもつ、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
前記物、界面活性剤が5〜6のpHをもつ、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
以下の式(II)又は(III ):
【化14】

{式中、各Rは独立してC1 −C24アルキル、及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。}により表される少なくとも1の芳香族スルホン酸化合物、及び以下の式(IV):
【化15】

{式中、R4 は水素、C1 −C24アルキル、及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 は独立して直鎖又は分枝C2 −C4 アルキレンであり、そして平均x+yは2〜50(含む)の数である。}により表される少なくとも1のアルコキシル化アミン塩基、を含む化学的に統合された界面活性剤組成物、又はその化学的相互作用物。
【請求項17】
前記芳香族スルホン酸化合物が以下の式(IIa)又は(III a):
【化16】

{式中、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素、及びC1 −C24アルキルから成る群から選ばれる。}により定められ;そして少なくとも1のエトキシル化アミン塩基は以下の式(V):
【化17】

{式中、R4 はC1 −C24アルキルであり、そしてx+yは約7〜9の数である。}により表される、請求項16に記載の化学的に統合された界面活性剤組成物。
【請求項18】
前記物、界面活性剤が3〜7のpHをもつ、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記物、界面活性剤が4〜6のpHをもつ、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
前記物、界面活性剤が5〜6のpHをもつ、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1の農薬、及び少なくとも1のエトキシル化アミンで中和された少なくとも1の芳香族スルホン酸を含む農薬製剤であって、上記芳香族スルホン酸が、以下の式(II)又は(III ):
【化18】

{式中、各Rは独立してC1 −C24アルキル及びC7 −C24アルキルアリールから成る群から選ばれ、mは0〜5の数であり、nは1〜3の数であり、pは0〜3の数であり、qは0〜3の数であり、rは0〜4の数であり、そしてsは1〜3の数である。}により表され、そして上記アルコキシル化アミンが以下の式(IV):
【化19】

{式中、R4 が水素、C1 −C24アルキル、及びC2 −C24アルケニル−CH2 −から成る群から選ばれ、各R5 が独立して直鎖又は分枝鎖C2 −C4 アルキレンであり、そして平均x+yは2〜50(含む)の数である。}により表される、前記農薬製剤。
【請求項22】
前記芳香族スルホン酸が以下の式(IIa)又は(III a):
【化20】

{式中、R1 ,R2 、及びR3 は独立して水素及びC1 −C24アルキルから成る群から選ばれる。}により表され;そして前記エトキシル化アミンが以下の式(V):
【化21】

{式中、R4 はC1 −C24アルキルであり、そしてx+yは約7〜9の数である。}により表される、請求項21に記載の農薬製剤。
【請求項23】
少なくとも1の農薬がメフェノキサム(mefenoxam)、s−メトラクロール(s−metolachlor)、フルメツラム(flumetsulam)、フルチアセット−メチル(fluthiacet−methyl)、アトラジン(atrazine)、及びグリフォセート(glyphosate)から成る群から選ばれる、請求項21に記載の農薬製剤。
【請求項24】
保護の必要な作物の場に、農業的に有効な量の請求項21の製剤を適用するステップを含む、作物保護方法。
【請求項25】
保護の必要な作物の場に、農薬的に有効な量の請求項22の製剤を適用するステップを含む、作物保護方法。
【請求項26】
製剤中のAPE界面活性剤系を、式〔(H−B)+nn-をもつ塩化合物で置換することを含む、APE代替物としての請求項1の塩化合物の使用方法。

【公開番号】特開2010−163437(P2010−163437A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29303(P2010−29303)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【分割の表示】特願2000−563381(P2000−563381)の分割
【原出願日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】