説明

アルコキシル化エステルオイルを含む逆エマルジョン

逆エマルジョン重合によって作られ、少なくとも1種の水溶性ポリマー、特には水中で粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液を含む分散した水相、ならびにアルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルである、またはを含む連続したオイル相を有する逆エマルジョン。アルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルの包含は、エマルジョン中に、特には水での希釈による逆エマルジョンの逆転によって作られたパーソナルケアエマルジョン中に、これらのオイルを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性ポリマーの水溶液または水性分散液のオイル中の逆相(油中水)エマルジョンに関し、このオイルは皮膚軟化剤、特にはアルコキシル化アルコール部分を基にしたエステルオイルであり、もしくはを含み、そして特には、そのようなエマルジョンの逆相または逆エマルジョン重合による製造、ならびにそのようなエマルジョンのパーソナルケア製品における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
水性システムのレオロジー調節剤、特に増粘剤として用いられるポリマーは、しばしば非常に粘稠な溶液または分散液を形成する傾向があり、それは、非常に粘稠な塊としてみることができ、この塊は、特に、普通は固体のポリマーが直接に水と混合される場合に、分散が困難である。これに関する1つの方法は、このポリマーを水と混合する前に、このポリマーを非水性媒体中によく分散させることである。これを行う特に便利な方法は、逆エマルジョン重合プロセスによって増粘性ポリマーを作り、次いで逆エマルジョンを、水に希釈することによって逆転させることである。逆エマルジョン重合法は、米国特許第2,982,749号明細書、第3,284,393号明細書および第4,506,062号明細書に記載されている。更に、希釈による逆転の利点が評価され、そして、特に、国際公報第98/09998号中に記載されているように、水の精製において用いられるポリアクリルアミド、ならびに英国特許公報第1384470号明細書中に記載されているように、水溶性モノマーの単独/共重合体の製造では、これが通常の方法となっている。
【0003】
そのようなポリマーは、パーソナルケア産業において増粘剤として通常用いられ、そこではイオン性および非イオン性親水性モノマー、例えばアクリレートおよびメタクリレートが、特に遊離の酸またはアルカリ金属、アンモニアもしくはアミンの塩としてしばしば用いられる。逆エマルジョンの形態で用いられる場合には、連続相として鉱物油が通常用いられるが、しかしながら他のオイル、例えばシリコーン(国際公開第2002/044228号)、ジおよびトリグリセリド、エステル(米国特許出願公開第2002/0032243号明細書)および、アクリルアミドの製造では、エステル系の、特に植物性の、オイル(国際公開第98/09998号)が示唆されている。しかしながら、パーソナルケア用途では、そのような製品および方法は、意図したパーソナルケア製品においては、特に望ましいものではないオイル相を、通常使用している。
【0004】
増粘剤は、パーソナルケア製品において広く用いられており、しばしば界面活性剤、香料、保存料および殺菌剤などの成分と組み合わせて配合される。局所のスキンケア用途での重要な成分として、皮膚コンディショニング剤または皮膚軟化剤がある。典型的な皮膚軟化剤としては、脂肪酸エステルが挙げられ、それについては皮膚軟化剤としての使用について非常に広範囲のものが知られている。アルコキシル化アルコールとカルボン酸のエステルが、パーソナルケア製剤中の皮膚軟化剤とし、米国特許第5,693,316号明細書、第5,455,025号明細書および第6,476,254号明細書中に示唆されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、カルボン酸のアルコキシル化エステルの使用は、水溶性ポリマー、特に、水溶液中で増粘剤として作用し、有利な性質を備え、特には、慣用の逆エマルジョン増粘剤に比べて、向上した粘度増加を得ることを可能にし、そしてアルコキシル化エステルの皮膚軟化性から生じる利益を備えるようなポリマー、を含んだ逆エマルジョンを与えることができるという我々の発見に基づいている。
【発明の効果】
【0006】
この取り組みは、レオロジー調節する、通常は増粘性のポリマーを含む逆エマルジョンのオイル相中に、そのような高められた皮膚軟化剤を供給することによって、パーソナルケア製品の配合を単純化する。このことは、感覚的なそしてレオロジー上の利益の両方を与えることができ、向上した破断点/降伏点によって証拠づけられるように、標準的な鉱物油逆エマルジョンよりも、高い皮膚感覚を与えることができる。更に、アルコキシル化エステルは、有意な自己エマルジョン化を与えることができ、そしてこのことを、最終製品中に必要とされる乳化界面活性剤の全体の水準を低減するのに用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、逆エマルジョン重合によって作られ、少なくとも1種の水溶性ポリマー、特に、水中で粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液もしくは分散液を含む分散した水相、ならびにアルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルであるもしくはを含む連続したオイル相、を有する逆(油中水)エマルジョンが与えられる。
【0008】
用語「水溶性ポリマー」は、不溶性ポリマー粒子を実質的に含まない、水溶液を形成するポリマーを表すと理解される。更に、この用語はまた、ポリマーが水膨潤性である態様も含んでいる。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、分散した水相を有する逆エマルジョンを作る方法を提供し、このエマルジョンは、
i)少なくとも1種の水溶性ポリマー、特に水中の粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液;ならびに
ii)アルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルであるか、またはを含む連続したオイル相、
を含み、この方法は、
a)オイル相中に、モノマーの水溶液を分散させること、このモノマーは、重合して水溶性もしくは水分散性ポリマーを形成することができ、このオイル相は、アルコキシル化アルコール基を有する、少なくとも1種のエステルオイルを含む、もしくはからなり、ならびに、
b)前記モノマーを重合して、オイル中に、結果として得られるポリマーの水中の溶液または分散液の粒子の、コロイド状懸濁液を形成すること、
を含んでいる。
【0010】
本発明の第3の態様によれば、分散した水相を有する逆エマルジョンを作る他の方法を提供し、このエマルジョンは、
i)少なくとも1種の水溶性ポリマー、特に水中の粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液および
ii)アルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルであるか、またはを含む連続したオイル相、
含んでおり、この方法は、
a)オイル相中に、モノマーの水溶液を分散すること、このモノマーは、重合して、水溶性もしくは水分散性のポリマーを形成することができる、
b)前記モノマーを重合して、オイル中に、結果として得られるポリマーの水中の溶液または分散液の粒子の、コロイド状懸濁液を形成すること、ならびに、
c)次いで、このエマルジョン中に、アルコキシル化アルコール基を含む少なくとも1種のエステルオイル含めること、
を含んでいる。
【0011】
この第3の態様の方法では、アルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルは、前記エマルジョン中に、
i)予め形成したエマルジョンへの添加によって、ここで、その中でエマルジョンが作られるオイルは、このエマルジョンの川下での用途に適合する、または
ii)その中でこのエマルジョンが作られるオイルの、アルコキシル化アルコール基を含む少なくとも1種のエステルオイルによる、部分的なもしくは完全な置き換えによって、
含むことができる。
【0012】
第2および第3の態様として説明したエマルジョン重合法の代替として、逆エマルジョンは、ミクロ分散重合(ミニエマルジョン重合としても知られている)によって作ることができ、その中では、モノマーの分散した液滴が、水相およびオイル相の均質化によって形成され、そしてこのモノマーは、その形状もしくは液滴で重合されると、コロイド状の懸濁液を与える。逆エマルジョンを作るこの代替の方法では、他の全ての特徴は、第2および第3の態様に関して説明したものと同様である。
【0013】
本発明の逆エマルジョンで用いられる特定の皮膚軟化剤オイルとしては、アルコキシル化アルコール基を含むエステルがある。望ましいそのようなエステルは、以下のものから、単独で、またはいずれかの組み合わせで選択することができる。
i 長鎖脂肪酸とアルコキシル化された脂肪族アルコールとのエステル、特に下記の式(I)で表される:
【0014】
【化1】

【0015】
式中、
は、C〜C23、特にはC〜C17、ヒドロカルビル、特にはアルキルもしくはアルケニル基、それぞれの基AOは、独立してアルキレンオキシ基、特にはエチレンオキシもしくはプロピレンオキシ基である;
n1は、1〜15、好ましくは1〜10、特には1〜5である;
は、脂肪族、特にC〜C20脂肪族基、そして特にはアルキル、アルケニルまたはアルキニル基である;
ii 脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸ならびに/あるいはトリカルボン酸と脂肪族アルコキシル化アルコールとのジエステルおよび/またはトリエステル、特に下記の式(II)で表される:
【0016】
【化2】

【0017】
式中
は、C〜C10ヒドロカルビル基である;
は、脂肪族ヒドロカルビル、特にアルキル、アルケニルまたはアルキニル基である;
AOは、アルキレンオキシ基、特にはエチレンオキシもしくはプロピレンオキシ基である;
n2は、1〜15、好ましくは1〜10、特には1〜5である;
は、式RO(O)C−(ここでRは、H、塩を形成する部分、特にアルカリ金属、アルミニウム、またはアミンから選ばれる)で表される基、あるいは基(AO)n2(ここで、AO、n2およびRは上記で規定した通りである);そして、
mは、0または1のいずれかに等しい。
【0018】
特に望ましいエスエルは、下記の一般式(IIa)のクエン酸エステルである。
【0019】
【化3】

【0020】
式中、
それぞれのR4aは、独立して、式(II)中で規定した基Rである;
それぞれのOA2aは、独立して、式(II)中で規定した基AOである;
それぞれのn2aは、独立して1〜15、通常は1〜10、特には1〜5である;更に、
6aは、Hまたは基(AO2a)n2a2a(ここで、AO2a、n2aおよびR2aは上記で規定した通りである)から選ばれる。
【0021】
更に望ましいエステルとしては、下記の一般式(IIb)のジカルボン酸エステルがある。
【0022】
【化4】

【0023】
式中、
それぞれのR4bは、独立して、式(II)中で規定した通りの基Rである;
それぞれのOA2bは、独立して、式(II)中で規定した通りの基AOである;
それぞれのn2bは、独立して1〜15、通常は1〜10、特には1〜5である;そして、
それぞれのRは、H、C〜C30アルキル、またはC〜C30アルケニル基から選ばれるか、あるいは2つの基Rは一緒に、それらが結合する炭素原子間の直接の結合を表す
iii 脂肪族カルボン酸と芳香族アルコールのポリアルコキシレートとのエステル、特には下記の式(III)で表される:
【0024】
【化5】

【0025】
式中、
は、芳香環を含む基である;
10は、脂肪族アルキルもしくはアルケニル基である;
それぞれの基AOは、アルキレンオキシ基、特にはエチレンオキシもしくはプロピレンオキシ基から、独立して選ばれる;そして、
n3は、1〜15、通常は1〜10、特には1〜5である。
【0026】
アルコキシル化された脂肪族アルコールの長鎖脂肪酸は、望ましくはC〜C24、特にはC10〜C18脂肪酸である。この脂肪酸は、直鎖または分岐、そして飽和または不飽和であることができ、そして好ましい脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸およびリノール酸が挙げられる。これらのエステル中に用いられる脂肪族アルコールは、望ましくはC〜C20、特にはC10〜C18である。脂肪族アルコールは、直鎖または分岐であることができ、そして飽和または不飽和であることができる。脂肪族アルコールは、アルケニルまたはアルキニル基から選ぶことができる。好適な例としては、2−エチルヘキシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、パルミトレイル、ステアリル、イソステアリル、オレイルおよびリノレイルが挙げられる。アルコキシル化は、典型的には、エチレンオキシもしくはプロピレンオキシ基、またはエチレンオキシおよびプロピレンオキシ基の組み合わせを形成し、それらはブロック、テーパードブロックまたはランダム鎖を形成していてよい。
【0027】
望ましくは、アルコキシル化は、エチレンオキシ基でのアルコキシル化であるか、あるいは、50%超、通常は70%超、望ましくは80%超(モル)のエチレンオキシ基を備えた、エチレンオキシとプロピレンオキシ基の組み合わせによる。アルキレンオキシ残基の数は、典型的には1〜100、より好ましくは2〜20、特には3〜15である。実際には、この数は平均値であり、そして従って整数でなくてもよい。長鎖脂肪酸とアルコキシル化された脂肪族アルコールとの好適なエステルの例としては、(INCI命名法を用いて)PPG-2ミリスチルエーテルプロピオネート(Croda Europeから、Crodamol PMPとして入手可能である)、ジ−PPG-3セテス4アジペート(Croda Europeから、Cromapure GDEとして入手可能である)およびジ−PPG-2ミレス−10アジペート(Croda Europeから、Cromollient SCEとして入手可能である)が挙げられる。
【0028】
脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸および/またはトリカルボン酸の脂肪族アルコキシレートジ−および/またはトリ−エステルは、典型的には、通常はC〜C30の酸であるジカルボン酸および/またはトリカルボン酸を基にしている。脂肪族アルコールアルコキシレートは、典型的には、長鎖脂肪酸とアルコキシル化された脂肪族アルコールとのエステルについて上記したものと同じ型のアルコールを基にしており、そして与えられた例が、これらのジ−およびトリ−エステルにも同様に適用できる。また、アルコキシル化は、典型的には、長鎖脂肪酸とアルコキシル化された脂肪族アルコールとのエステルについて上記したものと同様である。
【0029】
これらのジ−およびトリ−エステルは、それらが、局所製剤で、特に同等の分子量の他のオイルと比較した場合に、例外的に乾燥した皮膚軟化感覚を与えることができるという利点を有している。従って、本発明は、少なくとも1種の水溶性ポリマー、特には水中の粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液を含む分散した水相、ならびにアルコキシル化アルコール基を含み、脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸および/またはトリカルボン酸の脂肪族アルコキシレートジ−および/またはトリ−エステルである、エステルオイルである、またはを含む連続したオイル相を有する逆(油中水)エマルジョンを含んでいる。
【0030】
脂肪族カルボン酸と芳香族アルコールのポリアルコキシレートとのエステルは、典型的には、長鎖脂肪酸とアルコキシル化された脂肪族アルコールとのエステルについて上記したものと同様の種類の脂肪酸を用いて作られ、そして与えられた例は、それらのアルコキシル化された芳香族アルコールのエステルに適用できる。この芳香族アルコールは、典型的には、芳香族基が、ヒドロカルビル、通常はアルキルまたはアルケニル鎖、通常はC〜C30、特にはC〜C10の鎖の置換基である化合物である。典型的には、この芳香族基としては、6〜20個の炭素原子(置換基は別として)、特には6、10もしくは14個、より好ましくは6もしくは10個の炭素原子を含む芳香環が挙げられる。好適な芳香環の例としては、ベンゼン(C)、ナフタレン(C10)およびアントラセン(C14)環系がある。これらの環系を基にしたアルコキシル化芳香族アルコールは、1個、2個、または3個以上の、しかしながら好ましくは1個のヒドロキシ基を有している。
【0031】
アルコキシル化は、重ねて典型的には、長鎖脂肪酸およびアルコキシル化された脂肪族アルコールのエスエルについて上記したものと同様である。アルコキシル化芳香族アルコールのそのようなエステルの例としては、PEG-2 PPG-3シンナミルリノレエート(シス,シス−9,12−オクタデカノジエノアート)、PEG-60 PPG-80シンナミルラウレート、PEG-6 PPG-3シンナミルミリステート、PPG-5シンナミルパルミテート、PPG-2ベンジルエーテルミリステート(Croda EuropeからCrodamol STSとして入手可能)、PPG-3ベンジルミリステート、PPG-10ベンジルプロピオネート、PPG-10ベンジルミリステート、PEG-10ベンジルアセテート、PEG-20ベンジルステアレート、ジ−(PEG-3, PPG-9)−4,8−ジ−ヒドロキシエチル−ナフチルモノパルミテート、PPG-4 2−ナフチルカプレート、PPG-4 2−ナフチルミリステートEMI22.4 PEG-5, PPG-4 2−ナフチルオレエート(シス−9−オクタデセノエート)、PEG-5, PPG-4 2−ナフチルリノレエート(シス,シス−9,12−オクタデカジエノアート)、PEG-3, PPG-5 2−ナフチルラウレート、PEG-3, PPG-5 2−ナフチルベヘネート、ジ−(PEG-3)−2,6−ジ−ヒドロキシメチル−ナフチルジミリステート、ジ−(PEG-3)−2,7−ジ−ヒドロキシメチル−ナフチルジミリステートおよびPEG-3, PPG-5 4−ナフチルベヘネートが挙げられる。
【0032】
他の皮膚軟化剤および/または非皮膚軟化剤オイルを、本逆エマルジョン中に含むことができる。そのような他の皮膚軟化剤オイルの例としては、エステルオイル、特には、カルボン酸と脂肪族アルコールのエステル、より好ましくは脂肪酸とアルコールのエステル、および脂肪族カルボン酸の脂肪族アルコールエステルを含む脂肪族アルコールのカルボキシルエステル;アルコキシレートオイル、特に、脂肪族アルコールのポリアルコキシレート、特に完全にもしくは主にポリプロピレンオキシエーテル、例えばステアリルアルコール15−プロポキシレート(以前のCrodaのArlamol E);中鎖長の、特には分岐したパラフィン、例えばイソ−デカンが挙げられる。
【0033】
非皮膚軟化オイル、特に炭化水素、特にミネラルパラン、特にイソ−パラフィン、オイルを、逆エマルジョン重合において連続相として、または連続相の中に用いることができる。これらのオイルは、逆エマルジョン製品中に保持されてよく、またはそれらは、例えば蒸留によって、完全にもしくは部分的に除去されてもよい。
【0034】
このオイル相は、逆エマルジョンの、通常は15〜70質量%、より好ましくは25〜50質量%を構成し、そして対応して、水相は、典型的には、85〜30質量%、より好ましくは75〜50質量%を構成する。水相のオイル相に対する質量比は、典型的には0.5:1〜3:1、通常は約2:1である。
【0035】
このオイル相は、特に水相のオイル相中への乳化を援けるために、オイルとオイル可溶性界面活性剤を、通常は含んでいる。このオイルとしては、アルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルが、典型的には、逆エマルジョン中に全体のオイルの、1〜100質量%、より好ましくは20〜60質量%、特には30〜55質量%を構成する。含まれる場合には、他の皮膚軟化オイル、例えば直鎖のエステルが、典型的には、このオイルの1〜99質量%、より好ましくは40〜80質量%、特には45〜80質量%を構成する。含まれる場合には、存在するいずれの非皮膚軟化オイルは、典型的には、逆エマルジョン中の全体のオイルの、80質量%以下、通常は5〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%、特には40〜60質量%を構成する。より少ない量の非皮膚軟化オイルを有する混合オイル組成物は、逆エマルジョンから非皮膚軟化オイルを蒸留して所望の水準を与えることによって得ることができる。
【0036】
最終製剤(逆エマルジョンポリマー分散液)の組成は、典型的には下表の通り(質量%による)である。
【0037】
【表1】

【0038】
本発明の逆エマルジョンの水相中に含まれる水溶性ポリマーは、イオン性または非イオン性であることができるが、しかしながら、典型的には、(メタ)アクリルモノマー、特には親水性アクリルモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、および親水性置換基、例えば1個もしくは2個以上のヒドロキシ基、を有する(メタ)アクリルエステル、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを基にしている。特に有用なポリマーおよびコポリマーは、主に(メタ)アクリル酸、特には、主にアクリル酸を用いて作ることができる。特定の効果を与えるように、他のモノマーを含むことができる(更に下記を参照)。
【0039】
第1級(メタ)アクリルモノマーに加えて、これらのポリマーは、更なる機能性を与える他のモノマーを含むことができる。特に、強酸基を含むモノマーが、硬水耐性および/またはpH範囲を改善するために含まれてよく、それによって(共)重合体が、有用な増粘またはレオロジー調節効果を与える。強酸を含むモノマーとしては、通常は、スルフェート酸(sulphate acid)またはスルホン酸基(もしくはそれらの塩)が挙げられるが、しかしながらホスフェートまたはホスホネート基(もしくはそれらの塩)もまた用いることができる。そのようなモノマーの例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、(メタ)アクリル酸イセチオネート、ビニルスルホン酸およびビニルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。そのような強酸含有モノマーの比率は、典型的には、水溶性(共)重合体中に用いられる合計のモノマーの、約90モル%以下、より好ましくは5〜50モル%、特には10〜40モル%、そして望ましくは10〜20モル%である。
【0040】
水溶性ポリマーは、通常は、それらの分子量、および水溶液中で構造を形成するそれらの能力を増加させるために、少なくとも一部は架橋されており、例えば、わずかに架橋されており、少し架橋されているなど、である。また、この架橋は、水系中で、特有のレオロジー調節を与えることができる。このことは、典型的には、少なくとも2つのエチレン性二重結合を備えたモノマーを少しの比率で含むことによってなされる。典型的には、このモノマーは、ただ2つのエチレン性二重結合を有している。好適なモノマーとしては、ジエチレン性の不飽和化合物、例えばメチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリルアミド、ビニルオキシエチルアクリレートもしくはメタクリレートが挙げられる。また、架橋は、他の反応性、例えば前述のN−(ヒドロキシメチル)アクリルアミドを備えたモノエチレン性の不飽和化合物を含むことによって行うことができる。用いられる架橋剤の量は、典型的には、0.01〜1モル%、より好ましくは0.005〜0.2モル%、特には0.0075〜0.02モル%である。
【0041】
水溶性(共)重合体は、一般に最終製品、特にパーソナルケア、製剤中で、増粘するために、そして製剤のレオロジー調節のために、用いられる。増粘は、製品の粘度を増加することが含まれ、そして所望の粘度を与えるため(これは製品における感覚上および審美上の利益を有することができる)、製品を安定させる、特にエマルジョンおよび/または分散液の不連続相成分の安定性を向上させることを援けるための、両方で用いられる。レオロジー調節は、粘度を単に増加させることを超えて、製品の流動特性を変化させることを含み、特に、製品に非ニュートニアン流動特性、一般にはせん断減粘、を与えることを含む可能性がある。
【0042】
典型的には、水溶性ポリマーは、少なくとも約3kD、より好ましくは少なくとも20kD、特には約100kD超、そして特には約1MD超の分子量を有する。典型的には、最大の分子量は、約10MD、特には約4MDである。
【0043】
安定性を与えるために、逆エマルジョンは、油中水乳化剤を含んでおり、これは通常は、比較的に疎水性の、油溶性の界面活性剤であり、通常は、約9以下、より好ましくは2〜7、特には3〜5の親水親油平衡(HLB)値を有している。油中水乳化剤は、典型的には疎水性の低分子量界面活性剤および/疎水性のポリマー界面活性剤である。
【0044】
好適な疎水性低分子量油溶性界面活性剤としては、ソルビタンモノ、セスキおよび/またはトリ−脂肪族、特にはC14〜C20のモノ−不飽和脂肪族、特にオレインの、酸エステル;グリセロールモノ−および/またはジ脂肪族の、特にはC14〜C20のモノ−不飽和の、特にオレインの、酸エステル;および脂肪族の、特にC14〜C20のモノ−不飽和、特にオレインの、酸アルカノールアミド、特にはエタノールアミド、特にジエタノールアミド、が挙げられる。そのような乳化剤の例としては、ソルビタンエステル、例えばソルビタンモノオレエート(Crodaの「Span 80」)およびソルビタンイソステアレートが挙げられる。そのような疎水性の低分子量界面活性剤は、典型的には、1.5〜7.5、より好ましくは2〜6の範囲のHLB値を有しており、例えば、Span 80は、4.3のHLBを有している。
【0045】
疎水性のポリマー界面活性剤では、ポリマー疎水物質は、典型的には、少なくとも30個の炭素原子を含み、典型的にはカルボキシル官能基を通して、親水性基に結合している。好適なポリマー疎水性基の例としては、ポリマーヒドロカルビル基(通常は50〜1000、より好ましくは500以下の炭素原子を有する、通常はオレフィンポリマー、例えばポリイソブチレンを基にしており、これは、好都合には、コハク酸基を通して親水性物質に結合している(典型的には、重合したオレフィンとマレイン酸無水物との間の「エン−」反応によって、ヒドロカルビルで置換されたコハク酸無水物を与え、それを更に反応させて界面活性剤を作ることができる));およびポリエステル基(典型的には、ヒドロキシ脂肪酸、特にはヒドロキシC12〜C20脂肪酸、例えばヒドロキシステアリン酸(通常は12−ヒドロキシステアリン酸)、典型的には50〜200、より好ましくは100〜150個の炭素原子を含む、のポリエステルであり、(ヒドロキシステアリン酸が用いられる場合には)約7個のヒドロキシステアレート残基に相当する)、が挙げられる。
【0046】
親水性物質は、短鎖の親水性基であることができ、特にはアルコールもしくはポリオール、アミンもしくはポリアミン、アミンとヒドロキシル基の両方を含む化合物、から誘導され、所望により、他の基、例えばカルボキシル基、あるいはそのようなアミノ−、もしくはヒドロキシル、もしくはカルボニル基の官能性誘導体を含んでいる。あるいは、親水性基は、ポリマー親水性物質、例えば、ポリオキシアルキレン基、特にはポリオキシエチレン基であることができる。ポリエステル疎水性物質を有する界面活性剤としては、通常は、ポリマー、特にはポリオキシエチレン、親水性物質が挙げられ、ヒドロカルビル疎水性物質を有する界面活性剤は、短鎖もしくはポリマー親水性物質のいずれかを有することができる。好適なポリマー界面活性剤としては、ポリ(イソブチレン)アルカノールアミド、特にはエタノールアミド(Croda EuropeからHypermer 2422として入手可能である)およびポリエチレンオキシ−ポリヒドロキシ−ステアレート−ポリエチレンオキシブロック共重合体(Croda EuropeからHypermer B246として入手可能である)が挙げられる。そのようなポリマー界面活性剤は、比較的に疎水性の界面活性剤であり、そして典型的には3〜8、特には4〜6の範囲のHLB値を有しており、例えばHypermer 2422は、4.1のHLBを有している。
【0047】
低分子量およびポリマー油中水界面活性剤の混合物が、有利には、そして典型的には両方の種類が低HLB界面活性剤であるために、通常は直接に、用いられる。
【0048】
油中水乳化剤は、逆エマルジョンを安定させるために存在する。(共)重合体エマルジョンが逆エマルジョン重合によって作られる場合には、重合の前にエマルジョン中に含めることができ、そして重合の間に逆エマルジョンを安定化するように作用する。(共)重合体が、別箇に作られ、そして次いで逆エマルジョンを形成する場合には、油中水乳化剤は、典型的には、(共)重合体の包含の前に、オイル中に溶解もしくは分散される。
【0049】
逆エマルジョンは、水中油乳化剤を、特には逆転剤として、すなわち水での希釈で、即座の、そして望ましくは自発的な逆転(水中油エマルジョンを形成する)を促進するように、含むことができる。通常は、逆転剤は、水油性ポリマーの重合の後に(通常は、逆エマルジョンの製造者によって)、下流での使用の前に、特に後重合処理、例えば溶媒を除去する蒸留の後に加えられるが、しかしながら、逆転剤は、水でのもしくは水中の希釈の前に下流の使用者によって加えられてもよい。
【0050】
典型的な水中油乳化剤(逆転剤)は、親水性の水溶性乳化剤であり、通常は少なくとも7、より好ましくは9〜14のHLB値を有している。好適な水中油乳化剤としては、脂肪族の、通常はC〜C18、より好ましくは、C10〜C16、アルコール8〜20、通常は10〜12、より好ましくは11もしくは12、ポリアルコキシレート、特にはポリエトキシレートまたは混合されたポリエトキシレート/ポリプロポキシレート(通常は、小比率のポリプロポキシレートを有する)、例えばCrodaによってSynperonicsおよびVolposとして販売されているもの;およびエトキシル化ソルビタンエステル、特にはモノ−オレエート、ソルビタンエステル、例えばCrodaからTweensおよびCrilletsとして販売されているものが挙げられる。
【0051】
本発明の逆エマルジョン中に含まれる界面活性剤の総量は、逆エマルジョンの、典型的には1〜20質量%、通常は2.5〜15質量%、より好ましくは3〜10質量%、そして特には約5〜8質量%である。この内、油中水乳化剤(逆転剤(inverter))は、逆エマルジョンの、典型的には1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量、そして典型的には、ポリマー逆エマルジョンの18〜10質量%、より好ましくは15〜12質量%である。
【0052】
また、本発明の逆エマルジョンは、最終製品の特徴に悪影響を与えない添加剤、例えば、悪影響を有する金属不純物を防止するための、例えば完成剤(completing agents)、キレート化剤/金属排除剤、クエン酸およびEDTA、必要であれば分子量を制限/制御するための連鎖移動剤、および典型的にはポリマーの合成の間にこれらの試薬を分散するために少量で用いられる溶媒、揮発性有機溶媒、を含むことができる。これらの成分の総量は、通常は総エマルジョンの3質量%以下である。
【0053】
得ることができる更なる利点は、特定のアルコキシル化エステルが用いられた場合には、それらが自己乳化特性を有する、またはそれらを用いて作られたエマルジョンに、自己乳化特性を与えることである。特に、更なるオイルの添加は、逆エマルジョン、またはそれらから作られた水中油エマルジョンのいずれかを、相当に単純化することができる。典型的には、鉱物油系逆エマルジョンを用いて作られた水性分散液は、更に15質量%(分散液の)の付加的な、または第2のオイルを受け入れる。我々は、本発明の逆エマルジョンから作られた、または本発明の方法によって作られた水性分散液は、実質的により大きな比率の第2のオイルを、典型的には35〜40質量%を、そのエマルジョンを安定に維持したままで、受け入れることができ(更なる界面活性剤なしで)、そして濃縮された水系の粘度に実質的な変化を引き起こさないことを見出した。驚くべきことに、我々は、そのような第2のオイルを、少なくともいくらかの本発明の逆エマルジョンに添加することで、粘度の増加が引き起こされることを見出した。このことは、レオロジー調節ポリマーの向上した分散性、特には向上した空間充填を可能にすることおよび/または連鎖のもつれの解除(chain detanglement)のためである可能性がある。
【0054】
逆エマルジョンは、逆エマルジョン重合によって作られ、そしてこのプロセスは、典型的には慣用の重合と全般的には同様であり、モノマーが水に、典型的には総エマルジョンの20〜80質量%で、典型的には、架橋剤も、必要ならば、連鎖移動剤、開始剤および金属抑制剤とともに溶解される。
【0055】
水性溶液がオイル相中に分散され、オイル相は、疎水性成分を含み、典型的には少なくとも1種の油中水乳化剤および通常は少なくとも1種のポリマーエマルジョン安定剤、例えば親水性末端にされたPIBSA誘導体、特にはアミド、特にはヒドロキシル置換アミド、例えばエタノールアミド、例えばHypermer 2422(Crodaから)、および親水性−親油性、特には親水性−親油性−親水性ブロック共重合体、特にポリ(ヒドロキシ脂肪酸);ポリエチレンオキシド;ポリ(ヒドロキシ脂肪酸)トリブロック共重合体、特に脂肪酸がヒドロキシステアリン酸である、例えばHypermer B-246(Crodaから)を含んでいる。この混合物は、必要に応じて脱酸素され、通常は、高せん断下で、オイル相中に水相を乳化するように混合される。重合は、適切な遊離ラジカル源、例えば、熱的にまたはレドックス発生された遊離ラジカルまたはその両方、を用いて開始される。
【0056】
合成反応系は、水溶性ポリマーの分子量と分子量分布を制御するために、連鎖移動剤を含むことができる。必要であれば、分子量および分子量分布を制御するためのより洗練された取り組みを用いることができ、特に制御された遊離ラジカル重合法、例えば触媒連鎖移動(CCT)および原子移動ラジカル重合(ATRP)を用いることができる。
【0057】
重合の後に、逆エマルジョンは、水中に溶解された水溶性(共)重合体の内側(分散)相と外側オイル相を含んでいる。この重合に用いられるオイル相は、アルコキシル化エスエルからなる、またはアルコキシル化エステルを含み、あるいはこのアルコキシル化エステルは、重合の後に加えられてもよい。このエマルジョンのポリマー含量は、この系から溶媒を蒸留すること(真空蒸留および/または水蒸気蒸留を含めて)によって調節(増加)することができる。このことは、所望のポリマーに含まれる(さもなければ不活性な)水の量を低減するために用いられ、このエマルジョンを究極的におそらくは、実質的に無水にする。製品にはないことが望ましいであろう非皮膚軟化剤オイルは、この段階で、この蒸留によって除去することができる。
【0058】
この段階で、転換剤を加えることが都合がよい(しかしながら、これは上記のように後で加えてもよい)し、そしてポリマー界面活性剤またはワックスを、逆エマルジョンの貯蔵寿命を向上させるオイル相構成成分(structurant)として作用するように加えることが望ましい。
【0059】
これらの逆エマルジョンの主要な用途は、それらが必要とされるパーソナルケア製品に、水溶性ポリマーを提供することである。このポリマーを含むことの主な効果は、最終製品を増粘させることである、何故ならば、このポリマーは、オイル相中に(溶液で)分散されており、それは高められた皮膚軟化剤性能および/または製品レオロジーへの利益からの製品特性の向上を備えた、優れた皮膚軟化剤であるからである。逆エマルジョンは、典型的には0.1〜10質量%、特には0.5〜6質量%の濃度で、水性または混合された水性/有機系に効果的な増粘を与えることができる。逆エマルジョンは、増粘/レオロジー調節と、付随するアルコキシル化エステルおよびオイル相中に含まれるおそらくは他の皮膚軟化剤成分の皮膚軟化性(emoiliency)との組み合わせを与えることができる。
【0060】
逆エマルジョンは、広範囲なパーソナルケア用途に用いることができる。例えば、スキンケア、例えば顔用保湿剤、ヘアケア、特にヘアスタイリングムーズ、ヘアセラムおよびシャンプー、製品、サンケア、特にはサンケア活性剤を含むローション、製品および化粧品、特にスキン保湿剤、保湿ファンデーション、およびメークアップ製品。
【0061】
従って、本発明の第4の態様によれば、水性の連続相と、皮膚軟化剤オイル相を含む、1種もしくは2種以上の分散相を有するエマルジョンの形態のパーソナルケア製品が提供され、これは、第1の態様の逆(油中水)エマルジョン、または第2もしくは第3の態様の方法によって作られた逆(油中水)エマルジョンを含んでいる。
【0062】
更に、本発明の第5の態様によれば、水の存在下での、特に逆エマルジョンを水で、または水中で希釈することによる、逆(油中水)エマルジョンの逆転を含む、パーソナルケアエマルジョンの製造方法が与えられ、この逆エマルジョンは、第1の態様のエマルジョン、または第2もしくは第3の態様のいずれかの方法によって作られたエマルジョンである。
【0063】
本発明の逆エマルジョンを含む典型的なパーソナルケア製剤の例を、以下に概要を示した。
【0064】
【表2】

【0065】
【表3】

【0066】
アルコキシル化エステルを含む皮膚軟化剤オイル中の水溶性ポリマーの逆エマルジョンの、製品、特にはパーソナルケア製品の配合における使用は、多機能製品を備えた最終製品の配合者(formulator)を与える。このことは、向上した製品の美的外観(aesthetics)、特にはレオロジー、および機能性、特には乳化と懸濁特性および上記のような場合による自己乳化を包含することにおける、配合者の仕事を単純化する。それらの使用は、更に、最終使用者が、持続可能性の向上を援けるための、石油化学で誘導されたオイル、例えば鉱物油、例えばイソパラフィン/MOから脱却することを可能にする。
【0067】
上記の説明に加えて、重合の後に、このエマルジョンにオイルを加えることができる。重合の間のアルコキシル化エステルオイルの包含もしくは混和は、このことを行うことができる容易さを向上させるように思われる。
【0068】
典型的には、オイル添加は、5〜40%までであることができ、そして加えることができる可能性のあるオイルとしては、イソパラフィン、他の皮膚軟化剤エステル、特にはアルコキシル化アルコールエステル、およびシリコーンオイル、特にはジメチコーンオイルが挙げられる。下記の見本製剤は、レオロジー調節剤に関して興味深い。普通は、このような高オイル相の製剤を安定させるためには、更なる界面活性剤が必要とされるが、しかしながら本発明の逆エマルジョンは、付加的な界面活性剤の必要なしで、レオロジー性能に悪影響なしに、第2のオイルの取り込みを可能にする。
【0069】
上記の見本製剤は、全体の製剤の2〜3質量%の水準の逆エマルジョンを用いている。特に製剤後の添加によって、例えば、合計で5質量%、または更に多く、例えば10質量%以下を与えるように、高水準の逆エマルジョンを、より高いゲル強度を得るように、あるいは、所望のゲルの破壊の粘度(the viscosity of break a desired gel)を低下させる傾向にある製剤添加剤を補償するように、用いることができる。この種の後添加は、重合のプロセス最適化と、下流の製品に適合させる逆エマルジョンの最適化の両方を可能にする。
【実施例】
【0070】
下記の例は、本発明を説明する。全ての部およびパーセントは、特に断りのない限り、質量基準である。
【0071】
<材料>
<モノマー>
AA アクリル酸
AMPS 2−アクリルアミド−2メチル−1−プロパンスルホン酸
MBA メチレン−ビスアクリルアミド
【0072】
<オイル−アルコキシル化エステル>
AOil1 PPG−3 ベンジルエーテルミリステート
AOil2 ジ−PPG−3 ミリスチリルエーテルアジペート
【0073】
<オイル−エステル>
EOil1 エチルヘキシルココエート
EOil2 イソノナン酸イソトリデシル
【0074】
<オイル−他のオイル>
HOil1 炭化水素溶媒(低芳香族の)
【0075】
<界面活性剤−重合安定剤>
Surfl ソルビタンオレエート
Surf2 Hypermer 2422
Surf3 Hypermer 2524
【0076】
<界面活性剤−逆転剤界面活性剤>
Inv1 トリデカノール 6−エトキシレート
【0077】
<重合開始剤>
ABDV ジクロロメタン中の2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、以前のWaco
TBPO t−ブチルペルオキシド
【0078】
<その他>
NaOH かっこ中のW/V濃度のNaOH水溶液
【0079】
<合成例>
例 SE1
この例は、水性分散相中に、軽度に架橋したアクリル酸の共重合体と、増粘剤としてのAMPSを含む、逆エマルジョンの製造を説明している。水相およびオイル相を、以下に列挙した成分を別々に混合することによって作った。この水相を作る際に、NaOH溶液の添加(酸性モノマーの部分的な中和)の間、温度は、30℃未満に保持した。
【0080】
【表4】

【0081】
別々のフラスコ中で、これらの2つの相に窒素を30分間導入し、次いで、窒素導入装置、攪拌機および温度計を備え付けた500mLの反応容器中で、窒素雰囲気下で、高せん断を用いて、混合して、油中水エマルジョンを形成させた。キレート化剤(EDTA)の溶液(0.019質量%)、水(0.48質量%)中のクエン酸(0.019質量%)およびエチルヘキシルココエート(0.24質量%)中のt−ブチルペルオキシド遊離ラジカル開始剤(0.12質量%)を、この反応器に加えた。重合を、水性のメタ重亜硫酸ナトリウム(1.7質量%の水中に0.012質量%)を、蠕動ポンプを用いて、1時間に亘って加えることによって開始させた。
【0082】
反応の発熱が鎮まった後に、この反応混合物を40℃に2時間保持し、そして揮発性の溶媒(水を含めて)を真空蒸留によって除去して、約55質量%のポリマー固形分濃度を得て、そして最終的に4質量%のInv1を加えた。
【0083】
例 SE1a
架橋剤のより高い水準(0.048質量%のMBA)を用いて、より高度に架橋され、より高い分子量と水で希釈したときの粘度上昇能力とを備えた製品を与えた以外は、例SE1を繰り返した。
【0084】
例 SE2
水相およびオイル相を、下記に列挙した成分を用いて、SE1で記載したように作製した。
【0085】
【表5】

【0086】
合成方法は、下記の量を用いた以外は、SE1中に記載したとおりである。
【0087】
【表6】

【0088】
反応混合物をSE1中に記載した通りに作って、約58質量%のポリマー固形分含量を与え、そして3.5質量%のAOil1および約6質量%のInv1を加えた。
【0089】
例 SE3
水相およびオイル相を、以下に列挙した成分を用いて、SE1中に記載した通りに作製した。
【0090】
【表7】

【0091】
合成方法は、以下の量を用いた以外は、SE1中に記載した通りであった。
【0092】
【表8】

【0093】
反応混合物を、SE1に記載した通りに作って、約58質量%のポリマー固形分含量を与え、そして約6質量%のInv1を加えた。
【0094】
例 SE4
下記の成分を用いて、SE1中に記載した通りに水相およびオイル相を作製した。
【0095】
【表9】

【0096】
合成方法は、量を以下のように変えた以外は、SE1中に記載した通りであった。
【0097】
【表10】

【0098】
反応混合物をSE1中に記載した通りに作って、約58質量%のポリマー固形分含量と約6質量%のInv1を与えた。
【0099】
例 SE5
以下に列挙した成分を用いて、SE1中に記載した通りに水相およびオイル相を作製した。
【0100】
【表11】

【0101】
合成方法は、下記の量を用いた以外は、SE1中に記載した通りであった。
【0102】
【表12】

【0103】
反応混合物は、SE1中に記載した通りに作って、約58%のポリマー固形分含有量を与え、そして約6質量%のInv1を加えた。
【0104】
用途例
<材料>
合成例中に記載された通りに作られた逆エマルジョンをそれらのSE番号によって識別した。
比較の逆エマルジョン
CIE1 RMA52−鉱物油連続相を備えた逆アクリルエマルジョン、以前のSNF SA
【0105】
試験方法
1.長期安定性(パーソナルケア製品の重要要件)−水性分散液(AD)およびオイルエマルジョン(OE)について評価した。水性分散液を、測定した量の逆エマルジョンを、測定した量の水(通常は、2質量%の水中のポリマー分散液を形成するように)に、撹拌しながら加えて、むらのないゲル様の分散液を形成することによって作製した。試験に用いたオイルエマルジョンは、逆エマルジョンを用いて作ったパーソナルケア製剤であった(下記の製剤1〜4)。これらの製剤の試料を、45℃での3ヶ月間(周囲温度での12ヶ月間と同等と通常評価される)にわたる貯蔵による促進熟成に掛けた。これらの製剤の安定性を、この試験期間の間に定期的に採取した試料で、目視により評価した。
【0106】
2.貯蔵寿命安定性−これは、逆エマルジョンの秤量した試料を、4000rpm(約67Hz)で20分間にわたり遠心分離することによって、油中水逆エマルジョンを評価した。上澄み液をデカントして、残りの固体を秤量し、そして固形分を全体の試料の質量のパーセントとして報告した(この数値が小さければ小さい程、その試料はより安定である)。
【0107】
3.逆転したエマルジョンのレオロジー−HAAKE Rheostress 600を用いて、周囲温度で、2質量%の水性分散液およびエマルジョン製剤としての両方で評価した(製剤1〜4から)。
【0108】
4.自己乳化−逆エマルジョンからの皮膚軟化剤含有分散液を、更にどれくらいの(第2の)オイルがこの分散液中に、更なる乳化剤もしくは安定剤の添加なしで、粘度低下もしくは相分離のいずれもなしに、含めることができるのかを観察することによって評価した。
【0109】
試験製剤−試験製剤1、2および3の試料を、下記のように作製した。これらの試料は、用途例においては、Fx.y(製剤x;試料y)として識別した。
【0110】
製剤1
本発明の逆エマルジョンまたは鉱物油系逆エマルジョン(C1E)で増粘されたサーマルスムージングセラムの試料(髪、特には熱でダメージを受けた髪のトリートメント用)を下記のように作った。
【0111】
【表13】

【0112】
この逆エマルジョンを水で希釈し、そして均一になるまで攪拌し、そして次いで残りの成分を攪拌しながら加えた。
【0113】
製剤2
増粘された更なるサーマルスムージングセラムの試料を、下記のように作った。
【0114】
【表14】

【0115】
A成分を混合し、そして均一になるまで攪拌した;逆エマルジョンBを攪拌しながら加えた;そして次いで成分Cを攪拌しながら加えた。
【0116】
製剤3
本発明の逆エマルジョンまたは鉱物油系逆エマルジョン(C1E)で増粘された顔用超質剤の試料を、下記のように作った。
【0117】
【表15】

【0118】
オイル相A成分を混合し、65〜70℃に加熱し、そして均一になるまで攪拌した;逆エマルジョンBを攪拌しながら加えた;水相成分Cを別個に混合し、65〜70℃に加熱し、そして均一になるまで攪拌した;成分AとBとの混合された混合物を、水相成分混合物Cと混合した−試料F3.1およびF3.3では、水相をオイル相に攪拌しながら加え、そして試料F3.5では、オイル相を水相に攪拌しながら加えた;そして全体の混合物を、攪拌しながら周囲温度に冷却させた。
【0119】
製剤4
製剤3と同様の顔用保湿剤の試料を、下記のように、増粘剤の後添加を用いて作った。
【0120】
【表16】

【0121】
オイル相A成分を混合し、65〜70℃に加熱し、そして均一になるまで攪拌した;水相成分Bを、別個に混合し、65〜70℃に加熱し、そして均一になるまで攪拌した;オイル相を水相に攪拌しながら加えた;逆エマルジョンを、攪拌しながら加えた;そして全体の混合物を、攪拌しながら周囲温度に冷却させた。
【0122】
用途例 AE1
製剤1、2、3および4の試料(すべてはOE試料)を、上記の長期安定性試験に掛けて、そしてその結果を下記のテーブルAE1中に示した。
【0123】
【表17】

【0124】
用途例 AE2
例SE1およびSE1aのポリマー逆エマルジョンのレオロジーを、水で希釈して分散液中の2質量%の共重合体濃度を与える逆転による水性分散液(AD)の形成の後、ならびに水中油エマルジョン製剤(OE)(上記の製剤3)中のポリマーの配合の後に、上記の一般的方法によって評価した。これらのデータを、慣用の商業的に入手可能な(鉱物油系の)逆エマルジョンポリマーを用いて得た結果と比較した。
【0125】
【表18】

【0126】
これらの水性分散液は、せん断下での実質的な粘度低下によって表されるせん断減粘である。これらの分散液は、降伏点、ゼロせん断粘度およびブルックフィールド粘度について、SE1aの共重合体を用いた分散液が最大値を与え、慣用の共重合体が最小値を与えるようなパターンを示した。このパターンへの1つの誘因は、おそらくは、SE1a中で用いられた架橋剤のより高い水準がより高い分子量の共重合体を与えたことにあると思われる。
【0127】
逆共重合体エマルジョンの逆転によって得た水性分散液から作ったエマルジョンは、最も高いせん断値で、チキソトロピーの徴候を備えたせん断減粘を示した。高せん断応力では、全てのエマルジョンで、滑り(Slippage)が観察された。試料間の傾向は、分散液の傾向とは異なり、SE1aの共重合体が最も高い降伏強度およびゼロせん断粘度を与えたが、しかしながらSE1の共重合体のそれは、慣用の共重合体のそれよりも幾分か低く、これらの2種類のポリマーのブルックフィールド粘度は、同様であった。
【0128】
用途例 AE3
これらのエマルジョンの安定性を上記のように評価した。本発明の逆エマルジョンにおいてエマルジョン安定性の実質的な向上を示した結果を、下記のテーブルAE3中に示した。
【0129】
【表19】

【0130】
用途例 AE4
この例は、希釈されて逆転したエマルジョンへの付加的なもしくは第2のオイルの含有を示している。希釈エマルジョンは、水に対して2質量%の増粘性ポリマーで作った。第2のオイルを、段階的に加え、そしてブルックフィールド粘度を、このエマルジョンが不安定になるまで測定した。3種類の逆エマルジョンを試験したが、1つは鉱物油CIE1を用い、1つはSE2の直接重合エマルジョン(いずれのアルコキシル化エステルオイルも含まないEOil1)を用いて、SE2’と表記した、そして逆エマルジョンSE2(EOil1とAOil1の組み合わせを用いた)である。結果を、下記のテーブルAE4中に示し、そして本発明の逆エマルジョンが、鉱物油または慣用のエステルオイルのいずれよりも有意に良好に、第2のオイルを許容することを示している。また、上記の粘度の増加は、これらのデータによっても示されている。
【0131】
【表20】

【0132】
用途例 AE5
逆エマルジョンポリマーの性質を、逆エマルジョンポリマーの逆転した試料によって造った2質量%のポリマー水溶液を用いて、製品間の感覚的な違いを検知するために、パネル試験で評価した。用いたこれらの試料は、鉱物油系逆エマルジョンCIE1を用いて作り、そして1つは逆エマルジョンSE2で作った。2組のパネルを用いた。
【0133】
・15人のパネリストが3種の試料(記号によってのみ識別されている)を与えられる3点パネル試験。パネリストは、2つの試料は同じで、そして1つは異なっていると聞かされている。皮膚感触が評価され、そしてパネリストは、異なると感じられた試料を識別するように要請された。この試験では、15人のパネリスト中の11人が、「異なる」試料を正しく識別した。
【0134】
・12人の別のパネルが、次いで、逆エマルジョンSE2を含む分散液と、CEI1を含む分散液との間の嗜好試験を、皮膚感触、吸収、ラブイン(rub-in)時間および吸収量(pick-up)などの特性を考慮して、これらの2つの間のどちらに、そしてどのような好感を持ったかを表すことによって、行なうように要請された。パネリストの大多数は、鉱物油に対して、皮膚軟化剤含有のLDPを好んだ。
【0135】
用途例 AE6
30質量%のオイルを含むボディーバター製剤を、下記の配合を用いて、本発明の逆エマルジョンで作った。
【0136】
【表21】

【0137】
皮膚軟化剤オイル成分Aと水系成分Bを、攪拌しながら別々に混合し、そして次いで攪拌しながら混合し、その後に、成分Cを混ぜ入れた。
【0138】
この製剤は、合計で30質量%のオイル含有量を有する濃化されたパーソナルケア製品を作るための、第2のオイルの相当の添加を示している。
【0139】
本発明は、例示のためだけに記載された上記の態様の詳細には限定されないことが理解されなければならない。多くの変化が可能である。ここに記載された全ての特徴は、いずれかの組み合わせで、上記の態様のいずれかと組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の水溶性ポリマー、特には水中で粘稠な溶液または分散液を形成するポリマー、の溶液または分散液を含む分散水相、ならびにアルコキシル化アルコール基を含むエステルオイルである、またはを含む、連続オイル相を有してなる、逆エマルジョン重合によって作られた逆(油中水)エマルジョン。
【請求項2】
前記アルコキシル化エステルが、以下の化合物、
i)式(I)で表される、長鎖脂肪酸とアルコキシル化脂肪族アルコールのエステル
【化1】

式中、
は、C〜C23ヒドロカルビルであり;
それぞれのAOは、独立してアルキレンオキシ基であり;
n1は、1〜15であり;
は、脂肪族基である;
ii)式(II)で表される、脂肪族および/または芳香族ジカルボン酸ならびに/あるいはトリカルボン酸と脂肪族アルコキシル化アルコールとのジエステルおよび/またはトリエステル
【化2】

式中、
は、C〜C10ヒドロカルビル基であり;
は、脂肪族ヒドロカルビル基であり;
AOは、アルキレンオキシ基であり;
n2は、1〜15であり;
は、式RO(O)C−の基であり、Rは、H、塩を形成する残基、特にはアルカリ金属もしくはアミン、または基(AO)n2であり、AO、n2およびRは,上記で規定したとおりであり;そして
mは、0または1のいずれかに等しい;
iii)式(III)で表される、脂肪族カルボン酸と芳香族アルコールのポリアルコキシレートとのエステル
【化3】

式中、
は、芳香環を含む基であり;
10は、脂肪族アルキルまたはアルケニル基であり;
それぞれの基AOは、独立してアルキレンオキシ基から選ばれ;そして
n3は、1〜15である、
の1種もしくは2種以上から、単独でまたはいずれかの組み合わせで選択された、請求項1記載のエマルジョン。
【請求項3】
前記アルコキシル化エステルが、
下記の式(IIa)または(IIb)
【化4】

式中、
それぞれのR4aは、独立して請求項2の式(II)中で規定した基Rであり;
それぞれのOA2aは、独立して請求項2の式(II)中で規定した基AOであり;
それぞれのn2aは、独立して1〜15であり;そして
6aは、Hまたは基(AO2a)n2a2aから選択され、AO2a、n2aおよびR2aは上記で規定したとおりであり;
【化5】

式中、
それぞれのR4bは、独立して請求項2の式(II)中で規定した基Rであり;
それぞれのOA2bは、独立して請求項2の式(II)中で規定した基AOであり;
それぞれのn2bは、独立して1〜15であり;そして
それぞれのRは、H、C〜C30アルキル、またはC〜C30アルケニル基から選ばれ、あるいは2つの基Rが一緒に、それらが結合する炭素原子間の直接結合を表す、
で表される1種もしくは2種以上の化合物またはそれらの組み合わせである、請求項2記載のエマルジョン。
【請求項4】
本発明の第2の態様によれば、分散された水相を有する逆エマルジョンの製造方法が提供され、該エマルジョンは、
i)少なくとも1種の水溶性ポリマー、特には水中で粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液;および
ii)アルコキシルル化アルコール基を含むエステルオイルである、またはを含む連続オイル相、
を含み、
a)オイル相中に、モノマーの水溶液を分散させること、該モノマーは、重合性であって、水溶性もしくは水分散性ポリマーを形成し、該オイル相は、アルコキシル化アルコール基を有する少なくとも1種のエステルオイルを含む、またはからなる;ならびに
b)該モノマーを重合して、結果として得られたポリマーの水中の溶液もしくは分散液の粒子の、該オイル中のコロイド状懸濁液を形成すること、
を含む、方法。
【請求項5】
本発明の第3の態様によれば、分散した水相を有する逆エマルジョンの代替の製造方法が提供され、該エマルジョンは、
i)少なくとも1種の水溶性ポリマー、特には水中で粘稠な溶液もしくは分散液を形成するポリマーの溶液または分散液;および
ii)アルコキシルル化アルコール基を含むエステルオイルであるまたはを含む連続オイル相、
を含み、
a)オイル相中に、モノマーの水溶液を分散させること、該モノマーは、重合性であって、水溶性もしくは水分散性ポリマーを形成する;
b)該モノマーを重合して、結果として得られたポリマーの水中の溶液もしくは分散液の粒子の、該オイル中のコロイド状懸濁液を形成すること;ならびに
c)次いで、アルコキシル化アルコール基を含む少なくとも1種のエステルオイルを、該エマルジョンン中に包含させること、
を含む方法。
【請求項6】
アルコキシル化アルコール基を含む前記エステルオイルが、予め形成されたエマルジョンの添加によって、あるいは該エマルジョンがその中で作られた処のオイルの、アルコキシル化アルコール基を含む少なくとも1種のエステルオイルによる部分的もしくは完全な置換によって、前記逆エマルジョン中に存在する、請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか1項記載の、または請求項4〜6のいずれか1項記載の方法によって作られた逆エマルジョンを希釈することおよび逆転させることを含み、パーソナルケア製品に必要とされる他の成分を随意に含む、パーソナルケアエマルジョンの製造方法。
【請求項8】
前記希釈され逆転されたエマルジョン中に、付加的なオイルを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
水性の連続相および、皮膚軟化剤オイル相を含む1種もしくは2種以上の分散相を有するエマルジョンの形態のパーソナルケア製品であって、請求項1〜3のいずれか1項記載の逆(油中水)エマルジョンまたは請求項4〜8のいずれか1項記載の方法によって作られた逆(油中水)エマルジョンを含む、パーソナルケア製品。
【請求項10】
水の存在下で、特には逆エマルジョンを水でもしくは水中で希釈することによって、逆(油中水)エマルジョンを逆転することを含み、該逆エマルジョンが、請求項1〜3のいずれか1項記載または請求項4〜8のいずれか1項記載の方法によって作られたエマルジョンである、パーソナルケアエマルジョンの製造方法。

【公表番号】特表2013−515709(P2013−515709A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545429(P2012−545429)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002307
【国際公開番号】WO2011/077083
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(506352278)クローダ インターナショナル パブリック リミティド カンパニー (24)
【Fターム(参考)】