説明

アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物及びアリールカルボン酸エステルを含む局所用組成物

アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物及びアリールカルボン酸エステルを含む局所用組成物が提供される。好ましくは、局所用組成物は、α-シアノ-β-(4-メトキシフェニル)-β-フェニルアクリル酸α-エチルヘキシル及び安息香酸2-フェニルエチルを含み、場合によりさらに4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンを含むサンスクリーン組成物であって、改善された皮膚の光保護性を特徴とし、日光、又は紫外線(UV)、可視光、及び赤外線(IR)領域での他の光源への曝露に際して、皮膚の光ダメージを防止し/低減させるのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月8日出願の米国特許仮出願第61/176,515号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、スキンケア又は化粧用特性を有する局所用組成物に関する。具体的には、本発明は、アリールカルボン酸エステル、より具体的にはアリールカルボン酸とアリールアルキルアルコールとのエステルと組み合わせてアルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物を含有する局所用組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
局所用組成物の製剤化には多くの問題がある。商業的に許容可能なものとするには、組成物は安定でなければならない。製品がどんなに有効なものであろうとも、それが市販される前の通常の輸送及び貯蔵条件下で分離したり又は劣化さえするようであれば、その製品は商業的に許容可能なものではない。さらに、皮膚に塗布される組成物がフィルムを形成することを意図する場合、形成されるフィルムは皮膚上で比較的均質であることが重要である。皮膚上に形成されるフィルムの適正を評価するための1つの基準は伸展性(spreadability)であり、これは、組成物を皮膚へ塗布する場合に、比較的一様なフィルムを形成するように皮膚へ伸ばすべきであることを意味する。これは、着色化粧品及びサンスクリーン剤の場合に特に重要である。当然ながら、日光浴者は、塗布範囲に隙間があるようにサンスクリーンフィルムを塗布することを望まず、また消費者は唇を均一に着色できないリップスティックを使用することを望まない。組成物中の各種成分(例えば粒子、油及びポリマーなど)の分散性を改善する成分と共に組成物を製剤化した場合には、皮膚への伸展性及び比較的均質なフィルム形成が改善されると考えられる。製剤化の別の問題点は美的なものである。製品がどんなに有効なものであろうとも、皮膚に塗布した場合に美的に好ましくない場合には消費者はそれを購入しないだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジフェニルアクリレートは一般に、サンスクリーン剤に組み込まれた場合にSPFを高めることが知られている。米国特許出願公開2009/0039323A1は、特定のα-シアノジフェニルアクリレートが、特定の環境条件下に曝された際に、アボベンゾン(Avobenzone)などの有機サンスクリーンにより生じる三重項励起状態エネルギーを受容することにより作用することを教示している。最後の結果は、不安定なアボベンゾンによって形成される過剰なエネルギーが次に消散し、処方の安定性を低下させる不安定な成分を生じないというものである。しかし、化粧品設計者は、2種以上のジフェニルアクリレートと有機サンスクリーンを組み合わせて、商業的に許容される化粧品処方を生成しなくてはならず、異なる極性及び疎水性/親水性の複数の成分を組み合わせる場合には、良好な伸展性、安定性及び美的外観を有する化粧用組成物を生成するのが非常に困難である。物理的又は無機サンスクリーン成分が含まれる場合には、それらの極性及び非極性溶媒中の不溶性や、毛穴を詰まらせる可能性のある塊に凝集する傾向のため、上記のような困難性は特に高まる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それらのSPF強化能に加えて、いくつかのアルコキシル化ジフェニルアクリレート、特にアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレートは、化粧用成分のための優れた分散剤であることが見出された。それらの親油性特性にもかかわらず、アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレートは、荷電性若しくは極性であるか又は親油性及び親水性部分の両方を含む化粧用成分の分散を促進し、容易に伸展可能な局所用化粧品を生成することができる。最も予想外なことは、アリールカルボン酸エステルと組み合わせた場合に、アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレートが、有機及び/又は無機サンスクリーンを溶解又は分散させるのに特に有用な安定基剤を形成し、それによりSPF保護が改善され、より美的な外観であり、保管寿命が延長された安定なサンスクリーン製品の形成が可能となることである。
【0006】
発明の概要
本発明は、アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物及びアリールカルボン酸エステルを、製薬上又は化粧用として許容される担体中に含む局所用組成物を提供する。アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物は、アリールカルボン酸エステルと組み合わせた場合に、驚くべきことにまた予期せず、化粧用成分(限定されるものではないが、有機及び/又は無機サンスクリーン活性物質を含む)の溶解又は分散に有効であることが見出された。
【0007】
より具体的には、本発明は、アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物、及びアリールカルボン酸とアリールアルキルアルコールとのエステルを、製薬上又は化粧用として許容される担体中に含む局所用組成物を提供する。アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物は、好ましくは、式(I):
【化1】

【0008】
[式中、
R1及びR2の一方又は両方が、直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルコキシ基であり、アルコキシ基でないR1又はR2は水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルキル基である。]
を有する。本明細書において上述したアリールカルボン酸とアリールアルキルアルコールとのエステルは、好ましくは、式(II):
【化2】

【0009】
[式中、
R1及びR2は同じ又は異なるものであり、ヒドロキシ基、直鎖又は分岐鎖C1-C4アルキル又はアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、及びC6H6SO2基からなる群より選択されるものであり、
mは0〜5の整数であり、nは1〜10の整数であり、oは0〜5の整数であり、pは1〜6の整数であり、但しm + pは6以下(m + p <= 6)である。]
を有する。
【0010】
本発明の他の態様及び目的は、次の説明、実施例及び特許請求の範囲からより明確となるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1以上のα-シアノジフェニルアクリレート部分を含む有機化合物、例えば2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル(以下では、「オクトクリレン」)は、ブチルメトキシジベンゾイルメタン(以下では、「アボベンゾン」)及び/又はメトキシケイ皮酸オクチル(以下では、「OMC」)などの他の有機サンスクリーン剤と組み合わせてサンスクリーン組成物を形成するために使用されてきた。アボベンゾンは、有効なUV-A吸収剤であるが、特にUV-B吸収剤(OMCなど)と組み合わせた場合に、UV照射に長時間照射された際に不安定となることが知られている。α-シアノジフェニルアクリレート化合物は、アボベンゾンの光安定性を改善することが知られており、従って、典型的にはそれと組み合わせて使用されている。
【0012】
本発明の発明者は、α-シアノジフェニルアクリレート化合物の非常に特定の群、すなわちアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が、驚くべきかつ予期せぬことに、アリールカルボン酸エステル、特にアリールカルボン酸とアリールアルキルアルコールとのエステルと組み合わせた場合に、化粧用成分の溶解又は分散に有効であることを見出した。そのような本明細書の上で記載する組合せは、様々な活性成分を組み込むことにより種々の化粧用又はスキンケア用製品を形成するために用いることができる安定な基本製剤を提供する。そのような組み合わせは、有機及び/又は無機サンスクリーン剤を溶解又は分散させるために特に安定であり、それによりSPFが強化され、伸展性が高められ、美的外観がより良好でありかつ貯蔵寿命が長いことを特徴とする安定なサンスクリーン組成物を形成する。
【0013】
すべてのアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が本発明の実施のために好適であるが、本発明での使用のために好ましいアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物は、フェニル環のうちの少なくとも1つのパラ位にアルコキシル置換基を有するもの、すなわち、式(III):
【化3】

【0014】
[式中、
R1及びR2の一方又は両方が、直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルコキシ基、より好ましくは直鎖又は分岐鎖C1〜C8アルコキシ基であり、アルコキシ基でないR1又はR2は水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルキル基である。]
により表されるものである。直鎖又は分岐鎖C1〜C8アルコキシ基の中で、好ましいものは、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブチルオキシ(butyoxy)基、イソブチルオキシ(isobutyoxy)基、及びtert-ブトキシ基である。直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルキル基の中で、好ましいものは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-アミル基、イソアミル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、デシル基及びラウリル基である。
【0015】
アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物のより好ましい分子種としては、式(IV)〜(VI):
【化4】

【化5】

【0016】
及び
【化6】

【0017】
[式中、R3は上記で定義した通りである。]
を有するものが挙げられる。
【0018】
本発明の実施のためのアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物のうち、最も好ましい分子種は、α-シアノ-β-(4-メトキシフェニル)-β-フェニルアクリル酸α-エチルヘキシル(本明細書中、以下では「メトキシクリレン」)であり、これは、HallStar社(Chicago, IL)から市販されている。メトキシクリレンに関する詳細については、米国特許出願公開US2009/039322A、同US2009/039323A及び同US2009/042312A、並びに国際特許出願公開WO09/020675Aを参照されたい(すべての目的のためにその全体で参照により本明細書中に組み入れられる)。メトキシクリレンは、以前は、アボベンゾン及びOMCなどのUV照射への曝露に際して光分解を受けやすい一部の有機サンスクリーン剤を安定化するために用いられてきた。しかし、本発明者らにより、メトキシクリレンが、驚くべきかつ予期せぬことに、効果的な分散剤であることが見出された。アリールカルボン酸エステルと組み合わせた場合、メトキシクリレンは、非常に安定な基本製剤を形成し、それに種々の化粧用及びスキンケア用活性物質を容易に組み込んで多様な化粧用及びスキンケア用製品を生成することができる。そのような基本製剤は、有機及び無機サンスクリーン剤の溶解又は分散に特に効果的であり、それにより良好な伸展性及び安定性の化粧用又はサンスクリーン組成物を形成することができる。
【0019】
アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物は、組成物の総重量に基づいて、約0.01%〜約50%、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約1%〜約15%の量で、本発明の局所用組成物中に存在することができる。本明細書中で用いる場合、「パーセンテージ」は全て、特に記載しない限り、最終的な組成物の総重量に基づいて計算される重量パーセンテージを指す。
【0020】
本発明の実施に好適なアリールカルボン酸エステルとしては、アリールアルキルアルコールとのアリールカルボン酸のエステル化により形成されるものが挙げられ、好ましくは式(II):
【化7】

【0021】
[式中、
R1及びR2は同じ又は異なるものであり、ヒドロキシ基、直鎖又は分岐鎖C1-C4アルキル又はアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、及びC6H6SO2基からなる群より選択されるものであり、
mは0〜5の整数であり、nは1〜10の整数であり、oは0〜5の整数であり、pは1〜6の整数であり、但しm + pは6以下(m + p <= 6)である。]
を有するものが挙げられる。
【0022】
本明細書において上述したアリールカルボン酸エステルの中で、特に好ましくは安息香酸2-フェニルエチル、トルイル酸2-フェニルエチル及びフタル酸ジ-2-フェニルエチルであり、最も好ましくは下記式:
【化8】

【0023】
を有する安息香酸2-フェニルエチルであり、これはInternational Special Products, Inc.(Wayne, NJ)からX-Tend 226(登録商標)の商標名で市販されている。
【0024】
本発明において、アリールカルボン酸エステルは、組成物の総重量に基づいて、約0.01%〜約50%、好ましくは約0.1%〜約20%、より好ましくは約1%〜約15%の量で存在することができる。
【0025】
本発明の局所用組成物はさらに、少なくとも1種のジベンゾイルメタン UV遮断剤を含んでもよく、これは、本明細書において上述したアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート及びアリールカルボン酸エステルを含有する基本製剤により効果的に溶解し、安定化され、それにより光保護が改善され保護時間が延長されたサンスクリーン組成物を形成することができる。本発明の実施のために好ましいジベンゾイルメタン化合物には、例えば限定されるものではないが、2-メチルジベンゾイルメタン、4-メチルジベンゾイルメタン、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチルジベンゾイルメタン、2,4-ジメチルジベンゾイルメタン、2,5-ジメチルジベンゾイルメタン、4,4'-ジイソプロピルジベンゾイルメタン、4,4'-ジメトキシジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、2,4-ジメチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン、及び2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンが挙げられる。ジベンゾイルメタン化合物のより好ましい種は、Merckから「Eusolex 8020」の商標名で市販されている4-イソプロピルジベンゾイルメタン、一般的に「アボベンゾン」と称され、Roche Vitaminsから「Parsol 1789」の商標名で市販されている4-(tert-ブチル)-4'-メトキシジベンゾイルメタンである。
【0026】
ジベンゾイルメタン化合物は、存在する場合には、組成物の総重量に基づいて、0.01%〜30%、より好ましくは0.1%〜15%、最も好ましくは1%〜8%の量で提供されうる。
【0027】
本発明の局所用組成物は、1種以上の追加の有機サンスクリーン剤(すなわちアルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物又はジベンゾイルメタン化合物以外のもの)をさらに含んでもよく、それにより高SPF値のサンスクリーン組成物(例えば、25、30、35、40、45より大きいか、又は50以上でさえあるSPF測定値)を提供することができる。存在する場合、そのような追加の有機サンスクリーン剤は、それぞれ、組成物全体の重量に基づいて、約0.01〜45%であり得る。
【0028】
本発明の無機粒子状材料及びアルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物と組み合わせて用いることができる例示的な有機サンスクリーン剤としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:UVA及びUVBサンスクリーン、例えばベンゾフェノン及びその誘導体など(例えば、ベンゾフェノン-3、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、オクタベンゾン、ヒドロキシ置換ベンゾフェノン及び/又はメトキシ置換ベンゾフェノン、及びベンゾフェノンスルホン酸並びにそれらの塩);サリチル酸誘導体(例えば、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸オクチル、サリチル酸ホモメンチル、及びサリチル酸フェニル);ウロカニン酸及びその誘導体(例えば、ウロカニン酸エチル);p-アミノ安息香酸(PABA)及びその誘導体(例えば、そのエチル/イソブチル/グリセロールエステル、及びp-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル(ジメチルPABAオクチルとも称される));アントラニレート及びその誘導体(例えば、o-アミノベンゾエート及びアミノ安息香酸の種々のエステル);ベンザルマロネート誘導体;ベンズイミダゾール誘導体;イミダゾリン;ビス-ベンズアゾリル誘導体;ベンゾアゾール/ベンゾジアゾール/ベンゾトリアゾール及びその誘導体(例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及びメチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(一般的には、「Tinosorb M」と称される));ジフェニルメチレン又は9H-フルオレン置換基を含むジエステル又はポリエステル;2-フェニル-ベンズイミダゾール-5-スルホン酸(PBSA);4,4-ジアリールブタジエン;シンナメート及びその誘導体(例えば、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、p-メトキシケイ皮酸オクチル、ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト-ウンベリフェロン、エスクレチン、メチルエスクレチン、及びダフネチン);カンファー及びその誘導体(例えば、3-ベンジリデンカンファー、4-メチルベンジリデンカンファー、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸、及びテレフタリリデンジカンファースルホン酸(一般的には、「エカムスル」(Encamsule)と称される));トリアジン及びその誘導体(例えば、2,4-ビス-{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン(一般的には、「Tinosorb S」と称される));ナフタレン及びその誘導体(例えば、ジエチルヘキシル-2,6-ナフタレン);ナフトールスルホン酸及びその誘導体(例えば、2-ナフトール-3,6-ジスルホン酸及び2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸のナトリウム塩);ジベンザルアセトン及びベンザルアセトンフェノン;ジフェニルブタジエン及びその誘導体;ジヒドロキシナフトエ酸及びその塩;o-及びp-ヒドロキシジフェニルジスルホネート;クマリン誘導体(例えば、その7-ヒドロキシ、7-メチル、及び3-フェニル誘導体);アゾール/ジアゾール/トリアゾール及びそれらの誘導体(例えば、2-アセチル-3-ブロモインダゾール(bromoindazole)、フェニルベンゾオキサゾール、メチルナフトオキサゾール、及び種々のアリールベンゾトリアゾール);キニン及びその誘導体(例えば、その重硫酸塩、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、及びタンニン酸塩);キノリン及びその誘導体(例えば、2-フェニルキノリン塩及び8-ヒドロキシキノリン塩);タンニン酸及びその誘導体(例えば、そのヘキサエチルエーテル誘導体);ヒドロキノン及びその誘導体;尿酸及びその誘導体;ビオルル酸(vilouric acid)及びその誘導体、並びにそれらの混合物又は組み合わせ。上記のリストからの一部の酸性サンスクリーンの塩及びその他の中和形態も、本明細書中で有用である。これらの有機サンスクリーン剤は、単独で、又は2以上の組み合わせで用いることができる。さらに、UV光吸収能を有する他の公知の動物又は植物抽出物を、適切に、単独又は組み合わせで用いることができる。
【0029】
本発明の実施のために特に有用な有機サンスクリーン剤は、以下のものである:サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ビス-{4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、2,6-ナフタル酸ジエチルヘキシル、ジガロイルトリオレエート、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリル、アントラニル酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、2-(p-ジメチルアミノフェニル)-5-スルホニオベンゾオキサゾール酸(2-(p-dimethylaminophenyl)-5-sulfoniobenzoxazoic acid)、及びそれらの混合物又は組み合わせ。
【0030】
本発明の局所用組成物は、限定するものではないが、以下に挙げられる1種以上の無機粒子状材料を含んでもよい:二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、チタン酸マイカ(titanated mica)、アルミナ、タルク、パール粉末、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、ヒュームドシリカ、含水シリカ、球状シリカ、シリル化シリカ、オキシ塩化ビスマス、チョーク、カオリン、珪藻土、フラー土、カオリン、絹雲母(sericite)、白雲母(muscovite)、金雲母(phlogopite)、鱗雲母(lepidolite)、黒雲母(biotite)、バーミキュライト、スメクタイト粘土、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属、マグネシウム、シリカアルミナ、ゼオライト、酸化スズ、硫酸バリウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミック粉末、コロイド状二酸化ケイ素、窒化ホウ素、ヘクトライト、モントモリロナイト、ベントナイト、アタパルジャイト、水酸化チタン、リン酸三マグネシウム、など。本発明の発明者らは、アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が、無機粒子の分散を促進し、かつ得られる局所用組成物の全体的な美的長所を改善するのに有効であることを見出した。この知見は、金属酸化物などの無機粒子が高度に荷電した粒子であり、一方でアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が親油性有機化合物であるという事実に照らせば、特に驚くべきかつ予期されないことである。無機粒子が、二酸化チタン及び酸化亜鉛などの無機サンスクリーン剤である場合、そのアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物との組み合わせは、驚くべきかつ予期されないことに、組成物全体のSPFを強化し、これはアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物の優れた分散特性によるものと考えられる。
【0031】
好ましい無機粒子状材料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、アルミナ(又は酸化アルミニウム)、酸化スズなどの金属酸化物から選択される。より好ましくは、本発明の局所用組成物は、二酸化チタン及び酸化亜鉛などの少なくとも1種の無機サンスクリーン剤を含み、最も好ましくは、二酸化チタンと酸化亜鉛とのブレンドを含む。
【0032】
無機粒子状材料の平均粒径は、好ましくは、1ミクロン未満、より好ましくは約0.001ミクロン〜約0.1ミクロン、最も好ましくは約0.01〜約0.1ミクロンである。本発明の無機粒子状材料は、いずれかの規則的又は不規則的形状のものであり得、例えば、球状、立方体、円筒形、平面状、線維状などであり得る。そのような無機粒子状材料は、所望の表面特性を付与するために、表面処理されたか又はコーティング材料の1以上の層でコーティングされていることができる。例えば、無機粒子状材料は、担体媒体とのそのような無機粒子状材料の適合性を改善するために、親水性若しくは疎水性ポリマーでコーティングされるか、又は親水性若しくは疎水性ポリマーマトリックス中にカプセル化/封入されていることができる。
【0033】
存在する場合には、無機粒子状材料は、組成物の総重量に基づいて、約0.1%〜約90%、好ましくは約5%〜約50%、より好ましくは約10%〜約30%の量である。
【0034】
本明細書の上に記載のようなアルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物、アリールカルボン酸エステル、及び場合により1種以上の有機若しくは無機サンスクリーン剤を、いずれかの製薬上又は化粧用として許容される担体に直接的に添加して、化粧用又は局所用組成物を形成させることができる。本発明の目的のために、製薬上又は化粧用として許容される担体は、ヒト皮膚と生体適合性の物質であり、本明細書中で上述及び/又は後述する活性成分を、局所的に塗布することができるクリーム、ジェル、エマルジョン、液体、懸濁液、粉末、ネイルコーティング剤、スキンオイル、又はローションに製剤化するために用いることができる。化粧用として許容される担体がエマルジョンの形態である場合、組成物全体の重量に基づいて、約0.1〜99%、好ましくは約0.5〜95%、より好ましくは約1〜80%の水、及び組成物全体の重量に基づいて、約0.1〜99%、好ましくは約0.1〜80%、より好ましくは約0.5〜75重量%の油を含有することができる。化粧上許容される担体が水系のジェル、溶液、又は懸濁液である場合、約0.1〜99重量%の水、及び約0.1〜75重量%の他の成分(植物成分、非水性溶媒など)を含むことができる。
【0035】
製薬上又は化粧用として許容される担体の好適な成分としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:湿潤化剤、収斂剤、キレート剤、乳化剤若しくは界面活性剤、金属イオン封鎖剤(seqenstrant)、皮膚軟化剤、保存料、安定化剤、研磨剤、吸着剤、増粘剤、ゲル化剤、固形化剤/構造化剤、アンチケーキング剤、消泡剤、pH緩衝/調整剤、結合剤、フィルム形成剤、保湿剤、顔料、乳白剤、精油、香料、及び芳香族化合物。製薬上又は化粧用として許容される担体(1種又は複数)は、局所用又は化粧用組成物の総重量に基づいて、約1%〜約99.9%、好ましくは約50%〜約99.5%、より好ましくは約70%〜約99%、最も好ましくは約80%〜90%の量で、本発明の局所用又は化粧用組成物中に存在することができる。
【0036】
局所用又は化粧用組成物は、単に局所用組成物の物理的又は美的特性を改善するのではなく、皮膚に対して利益をもたらす作用剤である1種以上のスキンケア添加剤を含有することができる。存在する場合、そのようなスキンケア活性物質は、組成物全体の重量に基づいて、約0.01〜50%、好ましくは約0.05〜35%であり得る。本発明の局所用又は化粧用組成物中で用いることができる例示的なスキンケア添加剤としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:セルフタンニング剤(例えば、ジヒドロキシアセトン)、アンチエイジング剤、DNA修復酵素、しわ防止剤、抗座瘡剤(例えば、レゾルシノール、サリチル酸など)、酵素阻害剤、コラーゲン刺激剤、加齢性のしみ及び角化症を除去するための作用剤、鎮痛剤、麻酔薬、抗微生物剤(例えば、抗細菌剤、抗酵母剤、抗真菌剤、及び抗ウイルス剤)、フケ防止剤、抗皮膚炎剤、抗掻痒剤、制吐剤、抗炎症剤、過剰角質溶解防止剤、制汗剤、抗乾癬剤、抗脂漏剤、抗ヒスタミン剤、皮膚美白剤、脱色素剤、皮膚平滑化/治癒剤(例えば、アロエベラ抽出物、アラントインなど)、コルチコステロイド、ホルモン、抗酸化剤、タンパク質又はペプチド、ビタミン及びその誘導体(例えば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB3、ビタミンB5など)、剥離剤(exfoliant)、レチノイド(例えば、レチノイン酸及びレチノール)、ファルネソール、ビサボロール、フィタントリオール、グリセロール、尿素、グアニジン(例えば、アミノグアニジン)、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、グリセオフルビン、ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、プラモキシン、リドカイン、プロカイン、メピバカイン、モノベンゾン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、クリンダマイシン、メクロシリン、ミノサイクリン、ヒドロキノン、ナプロキセン、イブプロフェン、テオフィリン、クロモリン、アルブテロール、局所用ステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン、21-酢酸ヒドロコルチゾン、17-吉草酸ヒドロコルチゾン、及び17-酪酸ヒドロコルチゾン)、吉草酸ベタメタゾン、ジプロピオン酸ベタメタゾン(betamethasone diproprionate)、過酸化ベンゾイル、クロタミトン、プロプラノロール、プロメタジン、並びにそれらの混合物又は誘導体。必要ではないが好ましい本発明の実施形態では、局所用組成物は、セルフタンニング剤、アンチエイジング剤、DNA修復酵素、しわ防止剤、抗座瘡剤、抗微生物剤、抗炎症剤、皮膚美白剤、抗酸化剤、タンパク質又はペプチド、ビタミン及びその誘導体、剥離剤(exfoliant)、並びにそれらの混合物からなる群より選択される1種以上のスキンケア活性物質を含む。
【0037】
例えば、本発明の局所用又は化粧用組成物は、1種以上の抗酸化剤、より好ましくは抗酸化活性を示す生物学的材料の1種以上の水溶性抽出物を含むことができる。存在する場合、そのような抗酸化剤又は抗酸化活性を有する水溶性抽出物は、組成物全体の重量に基づいて、約0.01〜45%、好ましくは約0.05〜20%、より好ましくは約0.1〜15%であり得る。抗酸化活性を示す好適な水溶性抽出物の例としては、限定するものではないが、以下のものからの抽出物が挙げられる:アルテミア(artemia)、フィトスフィンゴシン、コジョウコン(虎杖根)(polygonum cuspidatum root)、サッカロミセス溶解物などの酵母、テルムス・テルモフィルス発酵(thermos thermophillus ferment)、カバ(シラカバ(Betula alba))、ミモサ・テヌイフローラ(mimosa tenuiflora)(樹皮)抽出物、フルーツ、チョウジ、ライムギ、麦芽、トウモロコシ、スペルトコムギ、アワ、オオムギ、オートムギ、コムギ、ゴマ、クミン、ウコン、ネギ、セロリ、チョウセンニンジン、ショウガ、カンゾウ、ニンジン、サイコ(柴胡)(bupleurum)根、イチョウ(Ginkgo biloba)、ウイキョウ(茴香)(Foeniculi Fructus)、キウイ、クワ(Morus bombycis)などのベリー、リンドウ(Gentiana lutea)、紅藻類などの藻類、ゴボウ(Arctium lappa)、セージ(Salvia officinalis)、シイタケ(Lentinus edodes)、エゴマ(Perilla frutescens)、シモツケソウ(Filipendula Multijuga)、ブラダーラック(ヒバマタ、海藻)(Fucus vesiculosis)、杏仁、ニンニク(Allium sativum)、ブクリョウ(Poria cocos)、ホップ(Humulus lupulus)、ボタン皮(ボタン樹皮)、ピンピネラ・マイオール(Pimpinella major)、レタス(Lactuca sative)、レンゲ(Astragalus membranaceous)及びローズマリー(Rosmarinus officinalis)、アーモンド(Prunus amygdalus)、アルテア(Althea officinale)、アロエ、エイジツ(営実)(Rosae Fructus、rose fruit、又はノイバラ(Rosa multiflora))、オウギ(黄耆)(Scuttelaria baicalensis)、カッコン(葛根)(Puerariae Radix、又はPueraria lobata)、ジャーマンカモミール(Chamomillae Flos)などのカモミール、クチナシ(Gardenia jasminoides(zhii zi)、Gardeniae Fructus)、クジン(苦参)(Sophora flavescens Aiton)、クロレラ、米ヌカ、白ボタン(Paeoniae lactiflora)、ワレモコウ(ziyu、Sanguisorba officinalis)、マグワ(Morus alba)(桑白皮、クワ)、ダイズ(Glycine max)、チャ(Camellia sinensis)、ベニバナ(Carthami Flos)、セイヨウトチノキ(Aesculus hippocastanum)、レモンバーム(Melissa officinalis)及びヨクイニン(Coicis Semen、Coix lacryma-jobi var. ma-yuen)、アシタバ(Angelica keisukei)、アルニカ(Arnica montana)、ウイキョウ(茴香)(Foeniculum officinale)、ヒキオコシ(Isodon japonicus Hara)(エンメイソウ(Isodonis Herba))、ニンジン(Daucus Carota)、イネ(Oryza sativa)、サンザシ(Crataegus cuneata)、ショウブ(Acorus calamus)、サンザシ(Crataegus oxycantha)、セイヨウネズ(Juniperus communis)、センキュウ(Ligusticum wallichii)、センブリ(Swertiae Herba(Swertia Herb))、タチジャコウソウ(Thymus vulgaris)(ガーデンタイム)、ポンカン(Citrus reticulata)(ウンシュウミカン(Citrus unshiu))、トウガラシチンキ(Capsicum tincture)、アンゼリカ(Angelicae sinensis)、チンピ(陳皮)(Aurantii Pericarpium)、ナギイカダ(Ruscus aculeatus)、ブドウ(Vitis vinifera)、ライム(Tilia japonica)、ユズ(Citrus junos)及びローズヒップ(Rosa canina)、カフェイン、桂皮(Cinnamomi Cortex)及びビワ(Eriobotrya japonica Lindl.)、アセンヤク(阿仙薬、ガンビール)、エキナセア(Echinacea)、オウバク(黄柏)(Phellodendri Cortex)(キハダ(Phellodendron amurense))、セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)(セント・ジョーンズ・ワート)、オレンジ(Citrus sinensis)、カノコソウ(Valeriana fauriei Briquet)、カワラヨモギ(Artemisia capillaris Thunb.)、キュウリ(Cucumis sativus)、ゲンノショウコ(Geranii Herba)、ムラサキ(Lithospermum erythrorhizon Sieb. et Zucc.)、セイヨウキヅタ(Hedera helix)、ノコギリソウ(Achillea millefolium)、ナツメヤシ(Ziziphus jujuba)、キンセンカ(Calendula officinalis)、ドクダミ(ジュウヤク)(Houttuynia cordata(Houttuyniae Herba、Houttuynia Herba))、タチキジムシロ(Potentilla erecta)、パセリ(Petroselinum crispum)、パリエタリア・オフィシナリス(Parietaria officinalis)、ビャクダン(白檀)(Santalum album)、モモ(Prunus persica)、ヤグルマソウ(Centaurea cyanus)、ユーカリ(Eucalyptus globulus)及びラベンダー(Lavandula angustifolia)、アボカド(Persea americana)、クレソン(Nasturtium officinalis)、ヒレハリソウ(Symphytum officinale)、カンアオイ(wild ginger)(Asarum sieboldii)、サンショウ(Xanthoxyum piperitum)、アカヤジオウ(Rehmannia glutinosa(ジオウ(地黄)(di huang)))、ペパーミント(Mentha piperita)、チョウジ(Syzygium aromaticum)、フキタンポポ(Tussilago farfara)及びアカミノキ(Haematoxylum campechianum);ウーロン茶、キナノキ(Cinchona succirubra)(キナ皮)、カバ(Betula verrucosa)及びカキドウシ(Glechoma hederacea)、ミルク及びローヤルゼリー、ハチミツ、システイン及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、BHA、BHT、フェルラ酸及びその誘導体、グレープシード抽出物、マツ樹皮抽出物、セイヨウワサビ抽出物、ハイドロキノン、ロスマリン酸、ロブスタコーヒー種子、コーヒー酸、トコフェロール及びその誘導体、緑茶抽出物、DNAナトリウム、リボ核酸ナトリウム、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル及び没食子酸ドデシル、尿酸及び及びチオジプロピオネート誘導体。
【0038】
別の例に関して、本発明の局所用又は化粧用組成物は、1種以上のDNA修復酵素、より好ましくは、以下のものからなる群より選択される1種以上のDNA修復酵素を含むことができる:8-オキソグアニンDNAグルコシラーゼ、ウラシル及びヒポキサンチンDNAグリコシラーゼ、ダメージ塩基グリコシラーゼ(例えば、3-メチル-アデニン-DNAグリコシラーゼ)、3-メチルアデニン-DNA-グリコシラーゼ、ピリミジン二量体特異的グリコシラーゼ、ピリミジングリコシラーゼ/脱塩基部位リアーゼ(abasic lyase)、N-グリコシラーゼ/脱ピリミジン部位リアーゼ(apyrimidinic lyase)、N-グリコシラーゼ/脱プリン-脱ピリミジン部位リアーゼ(apurinic-apyrimidinic lyase)、ホトリアーゼ(光回復酵素)、O6-メチルグアニン-DNA-メチルトランスフェラーゼ、T4エンドヌクレアーゼV、ピリミジン二量体特異的エンドヌクレアーゼ、脱ピリミジン/脱プリン部位エンドヌクレアーゼ(apyrimidin/apurin-endonuclease)、UVダメージエンドヌクレアーゼ、コレンドヌクレアーゼ、及びDNAエキソヌクレアーゼ。塩基除去修復(BER)経路、ヌクレオチド除去修復(NER)経路、又は選択性除去修復(alternative excision repair)経路のいずれかに関与する他のDNA修復酵素又は酵素複合体も、本発明の実施のために用いることができる。そのようなDNA修復酵素は、細菌、藻類、原生動物、プランクトン、植物などの好適な供給源に由来するか、又はそこから抽出することができる。さらに、DNA修復酵素は、皮膚へのより効率的な送達のために、リポソームにカプセル化することができる。リポソームは、リン脂質及びスフィンゴミエリンなどの膜脂質により形成された1層以上の脂質層に包まれた水性コアからなる顕微鏡的小胞である。リポソームは、皮膚の真皮へのスキンケア活性物質の移動を促進する。リポソームへのDNA修復酵素のカプセル化に関する詳細については、米国特許第5,296,231号を参照されたい(その内容は、すべての目的のためにその全体で参照により本明細書中に組み入れられる)。存在する場合、DNA修復酵素は、組成物の総重量に基づいて、約0.01%〜20%、好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくかつ望ましくは約0.5%〜約2%であり得る。
【0039】
化粧用として許容される担体は、これもまた皮膚コンディショニング剤として知られる1種以上の油(揮発性又は非揮発性シリコーン、エステル、パラフィン系炭化水素、植物油、及び合成油など)も含有することができる。好適な揮発性又は非揮発性シリコーンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:シクロメチコン;メチルトリメチコン;オクタメチルトリシロキサン;デカメチルテトラシロキサン;ドデカメチルペンタシロキサン;ジメチコン;フェニルトリメチコン;トリメチルシロキシフェニルジメチコン;フェニルジメチコン;セチルジメチコン;ジメチコンコポリオール、セチルジメチコンコポリオール;ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのグリセロール化シリコーン(glycerolated silicone)、又はそれらの混合物。一実施形態では、組成物は、25℃で約5〜250,000cstの粘度を有する1種以上の非揮発性シリコーン油を含有することができる。例としては、ジメチコン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコンなどが挙げられる。好適なエステルとしては、モノエステル、ジエステル又はトリエステルが挙げられる。モノエステルは、一般形RCO-R’(式中、R及びR’はそれぞれ独立に、C1〜45直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和アルキルである)である。ジエステルは、C1〜45脂肪族又は芳香族一価又は二価アルコールと、C1〜45脂肪族又は芳香族モノ又はジカルボン酸との反応により形成することができ、適切な場合、脂肪族基は直鎖若しくは分岐鎖、又は飽和若しくは不飽和であり得る。好適なトリエステルとしては、少なくとも3個のヒドロキシル基を有するC1〜45脂肪族若しくは芳香族アルコールとC1〜45カルボン酸、又はC1〜45脂肪族若しくは芳香族アルコールとC1〜45トリカルボン酸との反応生成物(脂肪族鎖は直鎖若しくは分岐鎖、飽和若しくは不飽和である)が挙げられる。例としては、カプリル酸及びカプリン酸とグリセリンとのエステル(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなど);グリセリン又はポリグリセリンとステアリン酸とのエステル(ステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリルなど);リンゴ酸とイソステアリルアルコールとのエステル(リンゴ酸ジイソステアリルなど);ココカプリル酸カプリン酸などが挙げられる。存在する場合、そのような油は、組成物の総重量に基づいて、約0.1〜99%であり得る。
【0040】
化粧用として許容される担体はさらに、1種以上の乳化剤又は界面活性剤を含有してもよい。好ましくは、1種以上の非イオン性有機乳化剤を含有する。本発明の実施に好適な非イオン性有機乳化剤としては、アルキレンオキシドから誘導される乳化剤が挙げられる。例えば、そのようなアルキレンオキシドから誘導される乳化剤の1グループは、アルコールとアルキレンオキシド(エチレン又はプロピレンオキシドなど)との反応により生成される。アルコールは、好ましくは炭素数6〜30の脂肪アルコールである。このグループの乳化剤は、一般式R(X)nOR’[式中、RはC6-C30アルキル基であり、Xは-OCH2CH2-又は-OCH2CH(CH3)-のいずれかであり(エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから誘導されたものである)、nは約6〜約200の整数であり、R’は水素又はC6-C30アルキル基のいずれかである。]を有する。このグループの乳化剤の例としては、ステアレス2-100(ステアリルアルコールとエチレンオキシドとの反応により形成され、エチレンオキシド単位数が2〜100である);セテス1-45(セチルアルコールとエチレンオキシドとの反応により形成され、反復エチレンオキシド単位数が1〜45である);ベヘネス5-30(ベヘニルアルコールとエチレンオキシドとの反応により形成され、反復エチレンオキシド単位数が5〜30である);セテアレス2-100(セチル及びステアリルアルコールの混合物とエチレンオキシドとの反応により形成され、分子中の反復エチレンオキシド単位数が2〜100である)などが挙げられる。アルキレンオキシドから誘導される乳化剤の別のグループは、アルキレンオキシドと脂肪酸との反応により形成することができる(すなわち、脂肪酸のアルキレンオキシドエステル)。このグループの乳化剤は、一般式RCO(X)nOH又はRCO(X)nOOCR[式中、RはC6-C30アルキル基であり、Xは-OCH2CH2-又は-OCH2CH(CH3)-(エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから誘導されたものである)のいずれかであり、nは約6〜約200の整数である。]を有する。このグループの乳化剤の例としては、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸PEG-10 、ステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-8、ジステアリン酸PEG-10などが挙げられる。アルキレンオキシドから誘導される乳化剤のまた別のグループは、アルキレンオキシドと脂肪酸及び脂肪アルコールの両方との反応により形成することができる(すなわち、ポリアルキレンオキシド部分が、一端では脂肪酸でエステル化され、他の端では脂肪アルコールでエーテル化される)。このグループのアルキレンオキシドから誘導される乳化剤は、一般式RCO(X)nOR'[式中、R及びR'はC6-C30アルキル基であり、Xは-OCH2CH2-又は-OCH2CH(CH3)-(エチレンオキシド又はプロピレンオキシドから誘導されたものである)のいずれかであり、nは約6〜約200の整数である。]を有する。アルキレンオキシドから誘導される乳化剤のまたさらに別のグループは、アルキレンオキシドと、脂肪酸及び一価、二価又は多価アルコール(例えば限定されるものではないが、グリセリン又は糖類、例えばグルコース、ガラクトース、メチルグルコースなど)との反応により形成することができる。このグループの乳化剤の例としては、オレイン酸PEGグリセリル、ステアリン酸PEGグリセリル、及びポリヒドロキシアルカン酸PEG、例えばジポリヒドロキシステアリン酸PEGであり、その反復エチレングリコール単位数が3〜1000のものが挙げられる。アルキレンオキシド(例えばエチレン又はプロピレンオキシド)モノマーの重合により形成されるホモポリマー又はブロックコポリマーエーテルもまた、本発明の実施のための非イオン性乳化剤として好適である。
【0041】
脂肪アルコールと糖又はスターチポリマーとの縮合生成物もまた本発明において非イオン性乳化剤として用いることができる。このグループの乳化剤は、式(S)nOR[式中、Sは、糖部分、例えばグルコース、フルクトース、マンノース及びガラクトースなどであり、nは約1〜約1000の整数であり、RはC6-C30アルキル基である。]により表すことができる。このグループの乳化剤の好ましい例としては、デシルポリグルコシド(HenkelよりAPG 325 CSとして市販)及びラウリルポリグルコシド(HenkelよりAPG 600 CS及び625 CSとして市販)が挙げられる。
【0042】
他の好適な非イオン性乳化剤には、アルコキシル化ソルビタン及びアルコキシル化ソルビタン誘導体がある。例えば、アルキル化、特にソルビタンのエトキシル化によって、ポリアルコキシル化ソルビタン誘導体が提供される。ポリアルコキシル化ソルビタンのエステル化により、ポリソルベートなどのソルビタンエステルが提供される。例えば、ポリアルコキシル化ソルビタンは、C6-30、好ましくはC12-22脂肪酸とエステル化することができる。このグループの乳化剤の例としては、ポリソルベート20-85、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタンなどが挙げられる。
【0043】
また、リン酸系乳化剤、例えばC2-40アルコール及びリン酸であるものなども好適である。より好ましくは、アルコールが脂肪C6-22アルコール、例えばセチル、ステアリル、ベヘニルアルコール又はその塩であるものである。また、リン酸ジエステル及び1以上のC2-40アルコール、例えばリン酸ジセチル;又は脂肪C6-30エトキシ化アルコール及びリン酸、例えばセテス-10リン酸、ステアレス-10リン酸、C12-13 パレス-2リン酸;ラウレス-7リン酸;なども好適である。
【0044】
イヌリン系乳化剤もまた用いることができる。例えば、ラウリルカルバミン酸イヌリン;パルミトイルイヌリン;カルボキシメチルイヌリンナトリウム;ステアリン酸イヌリン;ウンデシレノイルイヌリン;及びそれらの混合物が挙げられる。
【0045】
組成物中に液晶の形成を誘導する種々のタイプの界面活性剤を組み込むことが望ましいこともある。そのような界面活性剤の例としては、セラミド系界面活性剤、例えばフィトスフィンゴシン;C12-20アルキルグルコシド;ココグルコシド;オリーブ系半固体、例えばパルミチン酸セチル;オリーブ油脂肪酸ソルビタン;パルミチン酸ソルビタン;又はリン脂質系乳化剤、例えばレシチン、水添レシチン、植物ステロールなどが挙げられる。
【0046】
本明細書において上述した非イオン性乳化剤のうち、ステアレス-2, ステアレス-21、ステアレス-100、セテアレス-20、セテアレス-12、ステアリン酸PEG-6、ステアリン酸PEG-10、ステアリン酸PEG-12、ステアリン酸PEG-100、及びその混合物からなる群より選択されるものが好ましい。
【0047】
非イオン性乳化剤は、本発明の局所用組成物中に、組成物の総銃量に基づいて、約0.1%〜約50%、好ましくは約1%〜約40%、より好ましくは約2%〜約20%の総量で存在することができる。本明細書中で言及するパーセンテージは全て、他に記載のない限り、重量パーセンテージである。
【0048】
化粧用として許容される担体は、限定するものではないが、グリセロール、糖などをはじめとする1種以上の保湿剤も含むことができる。好適なグリセロールは、モノマー型又はポリマー型のものであり、PEG4-200(4〜200個の反復エチレンオキシド単位を有するポリエチレングリコール)などのポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;並びにプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコールなどのC1〜6アルキレングリコールが挙げられる。好適な糖(その一部は、多価アルコールでもある)もまた、好適な保湿剤である。そのような糖の例としては、グルコース、フルクトース、ハチミツ、水添ハチミツ、イノシトール、マルトース、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、スクロース、キシリトール、キシロースなどが挙げられる。好ましくは、本発明の組成物中で用いられる保湿剤は、C1〜6、好ましくはC2〜4アルキレングリコール、最も好ましくはブチレングリコール、又はグリセリンである。存在する場合、そのような保湿剤は、局所用組成物の総重量に基づいて、約0.001%〜約25%、好ましくは約0.005%〜約20%、より好ましくは約0.1%〜約15%であり得る。
【0049】
化粧用として許容される担体はまた、一般的には非乳化性として知られている1種以上のオルガノシロキサンエラストマーも含むことができる。存在する場合、そのようなエラストマーは、組成物全体の重量に基づいて、約0.1〜30%であり得る。好適なエラストマーの例としては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端化ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端化ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端化ジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端化ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端化ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端化メチル(3,3,3-トルフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びジメチルビニルシロキシ末端化ジメチルシロキサン-メチル(3,3,-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーなど。
【0050】
本発明の組成物は、アクリルポリマー、ポリアミド又はポリウレタンなどのポリマー性構造化剤の形態での構造化剤などの他の成分も含有することができる。構造化剤は、水溶性若しくは油溶性又は水分散性若しくは油分散性であり得る。そのような構造化剤は、構造を付与する、又は組成物の粘度を増大させるであろう。存在する場合、示唆される範囲は、組成物全体の重量に基づいて、約0.1〜50%、好ましくは約0.5〜40%、より好ましくは約1〜35%である。好適な構造化剤としては、天然、合成ワックス、又はミネラルワックス(ワセリン、カンデリラ、オゾケライト、合成ワックス、ポリエチレン、シリコーンワックス(ステアリル又はベヘニルジメチコンなど)など)が挙げられる。好適なポリマー性構造化剤としては、カルボマー、アクリルポリマー又はコポリマー(アクリレートコポリマー、ポリアクリレート-1クロスポリマー、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー(例えば、Carbopol(登録商標)又はPermulen(登録商標)として市販されているもの)など)、エステル又はアミド末端化ポリアミド(商品名Uniclear(登録商標)又はSylvaclear(登録商標)としてArizona Chemical社から市販されているもの)、又はポリウレタンの水性分散液若しくは水溶液が挙げられる。
【0051】
本発明の局所用組成物、特にサンスクリーン組成物は、好ましくは、耐水性、汗耐性、非刺激性、ノンコメドジェニック(すなわち、毛穴を詰まらせない)、かつ/又は低刺激性(hypo allergenic)である。より好ましくは、局所用組成物は、透明又は半透明で白浮きせず、かつ皮膚に容易に吸収させることができる。最も好ましくは、局所用組成物は、日光によりダメージを受けたか若しくは光過敏性の皮膚に、最大限の広スペクトルな光保護及び治療的又は治癒的利益をもたらし、SPFが約15〜100、好ましくは約20〜75であるであろう。
【0052】
本発明の局所用組成物は、毎日塗布できるように、かつメーキャップの下に塗布できるように設計される。本発明の一実施形態では、本発明の局所用組成物は比較的低濃度の有機化学的サンスクリーン剤を含有し得るので、有機サンスクリーン化合物が含まれていないサンスクリーンを好む消費者には、多くの場合、より望ましいと理解される。好ましくは、組成物は、UV照射に曝露されるであろう、又は曝露されやすいであろう皮膚のいかなる部位にも局所的に塗布することができ、そのような部位としては、限定するものではないが、顔、耳、頭皮、手、腕、肩、脚、足、腹部及び背部、並びに個人がUV、可視光及び/又はIR照射に曝露することを選択した皮膚のいずれかの領域が挙げられる。そのようなUV照射は、必要ではないが典型的には、太陽から皮膚に向かうものである。他のUV、可視光、及びIR領域光源には、当業者であれば理解するであろうほとんどの典型的なUV光源が含まれ、ほとんどの工業的光源も含まれる。
【実施例】
【0053】
以下の実施例は、本明細書中で上述した本発明の局所用組成物を例示するものであり、限定するものではない。
【0054】
[実施例1]
メトキシクリレン、安息香酸2-フェニルエチル及びアボベンゾンを含有する無水局所用サンスクリーン組成物を以下のように調製することができる。
【表1】

【0055】
[実施例2]
メトキシクリレン、安息香酸2-フェニルエチル及びアボベンゾンを含む2種の無水局所用サンスクリーン組成物を以下のように調製することができる。
【表2】

【0056】
[実施例3]
メトキシクリレン及び安息香酸2-フェニルエチルを含む、SPFを有するシリコーン中水型エマルジョンベースの2種の化粧水を以下のように調製することができる。
【表3】

【0057】
[実施例4]
メトキシクリレン及び安息香酸2-フェニルエチルを含む、SPFを有する水中油型エマルジョンベースの2種のサンスクリーン組成物を以下のように調製することができる。
【表4】

【0058】
本発明の一部の例示的実施形態を上述してきたが、これらの例示的実施形態は、いかなるようにも本発明の広い範囲を限定するものと解釈されるべきではない。記載された実施形態及びその構成要素の種々の改変及び等価物が、当業者には明らかであろう。一部の改変及び等価物は、当業者には容易に認識されるであろうし、他のものは日常的な実験以上のものを必要としない。したがって、そのような改変及び等価物が本発明の精神及び範囲のうちに入ることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物及びアリールカルボン酸エステルを製薬上又は化粧用として許容される担体中に含む、局所用組成物。
【請求項2】
アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物がアルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレートである、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項3】
アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が、式(I):
【化1】

[式中、
R1及びR2の一方又は両方が直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルコキシ基であり、アルコキシ基でないR1又はR2は水素であり、R3は直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルキル基である。]
を有する、請求項2に記載の局所用組成物。
【請求項4】
R1及びR2の一方又は両方が、直鎖又は分岐鎖C1〜C8アルコキシ基である、請求項3に記載の局所用組成物。
【請求項5】
アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が、式(IV)、(V)又は(VI):
【化2】

【化3】

又は
【化4】

[式中、R3は直鎖又は分岐鎖C1〜C30アルキル基である。]
を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
アルコキシル化α-シアノジフェニルアクリレート化合物が、α-シアノ-β-(4-メトキシフェニル)-β-フェニルアクリル酸α-エチルヘキシルである、請求項2に記載の局所用組成物。
【請求項7】
アリールカルボン酸エステルがアリールカルボン酸とアリールアルキルアルコールのエステルである、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項8】
アリールカルボン酸エステルが、式(II):
【化5】

[式中、
R1及びR2は同じ又は異なるものであり、ヒドロキシ基、直鎖又は分岐鎖C1-C4アルキル又はアルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、及びC6H6SO2基からなる群より選択されるものであり、
mは0〜5の整数であり、nは1〜10の整数であり、oは0〜5の整数であり、pは1〜6の整数であり、但しm + p <= 6である。]
を有する、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項9】
アリールカルボン酸エステルが、安息香酸2-フェニルエチル、トルイル酸2-フェニルエチル、フタル酸ジ-2-フェニルエチル(di-2-phenylether)からなる群より選択される、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項10】
ジベンゾイルメタンUV遮断剤をさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項11】
ジベンゾイルメタンUV遮断剤が、4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンを含む、請求項10に記載の局所用組成物。
【請求項12】
以下のもの:サリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、p-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ビス-{4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、2,6-ナフタル酸ジエチルヘキシル、ジガロイルトリオレエート、4-[ビス(ヒドロキシプロピル)]アミノ安息香酸エチル、p-アミノ安息香酸グリセリル、アントラニル酸メチル、p-ジメチルアミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、2-(p-ジメチルアミノフェニル)-5-スルホニオベンゾオキサゾール酸(2-(p-dimethylaminophenyl)-5-sulfoniobenzoxazoic acid)、及びそれらの混合物又は組み合わせからなる群より選択される1種以上の追加の有機サンスクリーン剤をさらに含む、請求項11に記載の局所用組成物。
【請求項13】
二酸化チタン、酸化亜鉛、及びその混合物からなる群より選択される少なくとも1種の物理的サンスクリーン剤をさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のDNA修復酵素をさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項15】
グリセリン又はC2-4アルキレングリコールをさらに含む、請求項1に記載の局所用組成物。
【請求項16】
アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物及びアリールカルボン酸エステルを製薬上又は化粧用として許容される担体中に含む、SPF約15〜100の局所用組成物。
【請求項17】
アルコキシル化ジフェニルアクリレート化合物がα-シアノ-β-(4-メトキシフェニル)-β-フェニルアクリル酸α-エチルヘキシルであり、アリールカルボン酸エステルが安息香酸2-フェニルエチルである、請求項16に記載の局所用組成物。
【請求項18】
4,4’-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンをさらに含む、請求項16に記載の局所用組成物。
【請求項19】
酸化亜鉛粒子、二酸化チタン粒子、及びその混合物からなる群より選択される物理的サンスクリーン剤をさらに含む、請求項16に記載の局所用組成物。
【請求項20】
25℃で約5〜250,000センチストークスの粘度を有する少なくとも1種の非揮発性シリコーン及び少なくとも1種のシリコーンエラストマーをさらに含む、請求項16に記載の局所用組成物。

【公表番号】特表2012−526117(P2012−526117A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−509842(P2012−509842)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/032702
【国際公開番号】WO2010/129321
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(598100128)イーエルシー マネージメント エルエルシー (112)
【Fターム(参考)】