説明

アルコールの製造方法、アルコール飲料の製造方法、アルコール含有食品の製造方法、および、それらに用いる種菌

【課題】アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるシロアミタケ(Trametes suaveolens)を用いて炭素源からアルコールを生成する技術を提供する。
【解決手段】シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを生成することを特徴とする、アルコール製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールの製造方法、アルコール飲料の製造方法、アルコール含有食品の製造方法、および、それらに用いる種菌に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、世界のエネルギー消費は約9割が石油をはじめとする化石燃料に依存しており、エネルギー枯渇の窮地に立たされている。また、近年の原油価格の上昇に加え、炭酸ガスの増加や地球温暖化等の世界的な環境問題が注目されており、将来的に予想される化石燃料の枯渇および原油価格の高止まり等に先立ち、世界各国で化石燃料に代わる新たな再生可能エネルギーの開発が進められている。このような状況の下、バイオエタノールをはじめとするバイオ燃料の開発導入に係る動きがブラジル、米国、アジア各国を中心に各国で活発化するなど、バイオ燃料への期待が高まっている。しかしながら、これらの大半は、サトウキビやトウモロコシ等の食用や飼料作物を原料として生産されているため、現在、農家の転作等による余波が穀物市場の高騰を連鎖的に招いている。したがって、中長期的には、食用や飼料作物と競合しないバイオ燃料の実用化を目指して、廃木材や草本類等の未利用資源の活用が世界規模で重要となる。
【0003】
これに対して、木質系や草本系等のバイオマス資源から糖を生成し、その得られた糖から燃料として有用なエタノール等のアルコールを生成する技術が知られている。例えば、特許文献1および非特許文献1には、木質系バイオマス(または、リグノセルロース系植物材料)からバイオ燃料を製造する際の糖化処理に先駆けて、リグニン分解能を有する白色腐朽菌によりリグニンを分解する生物的処理(前処理)を行う方法について開示されている。
【0004】
また、菌類を用いて炭素源からアルコールを製造する研究もなされている。例えば、特許文献2、特許文献3、非特許文献2および非特許文献3には、アガリクスタケ(Agaricus blazei)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、マツタケ(Trichloma matsutake)、ヒラタケ(Pleurotus ostreatus)およびエノキタケ(Flammulina velutipes)等の担子菌を用いて炭素源からアルコール飲料を製造する方法が開示されている。また、特許文献4および非特許文献4には、ミミナミハタケ(Lentinellus cochleatus)を用いて炭素源からアルコールを製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−6372号公報
【特許文献2】特開2001−286276号公報
【特許文献3】特開2004−298109号公報
【特許文献4】特開2006−223159号公報
【特許文献5】特開2006−281010号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】バイオエネルギー技術と応用展開、2003年10月31日発行、(株)シーエムシー出版、pp.165-171
【非特許文献2】Tokumitsu OKAMURA, Tomoko OGATA, Norie MINAMOTO, Tomomi TAKENO, Hiroko NODA, Shoko FUKUDA and Masahiro OHSUGI, “Characteristics of Wine Produced by Mushroom Fermentation”, Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol. 65 (2001), No. 7 pp.1596-1600
【非特許文献3】Tokumitsu Okamura-Matsui, Tomomi Tomoda, Shoko Fukuda and Masahiro Ohsugi, “Discovery of alcohol dehydrogenase from mushrooms and application to alcoholic beverages”, Journal of Molecular Catalysis B: Enzymatic、Volume 23, Issues 2-6, 1 September 2003, pp.133-144
【非特許文献4】化学工業日報、2007年10月22日発行、(株)化学工業日報社
【非特許文献5】樋口誠一、高橋学、山路明俊、「小麦由来機能性成分の新規利用技術の開発」、埼玉県産業技術総合センター研究報告 第5巻(2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の木質系等のバイオマスからのアルコールの製造においては、バイオマスの主要成分であるセルロースやヘミセルロースを加水分解して糖を生成(糖化)する工程と、生成した糖を酵母や細菌により糖を発酵させることによりアルコールを生成する工程、の2工程が必要であった。したがって、バイオマスからのアルコール製造工程全体では、煩雑な作業が必要となり、コストおよび作業時間が嵩むという問題があった。
【0008】
また、前述した糖化する工程においては、硫酸による加水分解が必要となるため、処理コスト面および環境面で問題視されていた。また、生成したグルコース等の糖の過分解を抑制するために反応制御が必要であった。
【0009】
さらに、硫酸を用いる以外の糖化方法として、バイオマスに、(1)粉砕、蒸煮(蒸煮爆砕、蒸煮、熱水分解・加圧熱水処理等)、エネルギー線(電子線、γ線、マイクロウエーブ)の照射等の物理的方法で処理する物理的前処理、(2)酸(硫酸、亜硫酸、リン酸)、アルカリ(カセイソーダ、アンモニアなど)などを用いて化学的処理する化学的前処理、または、(3)白色腐朽菌等のリグニン分解菌を用いて行う生物的前処理、による前処理を行い、リグニン等の難分解性成分を分解した後に、セルラーゼのような糖化酵素を加えてセルロースを加水分解して糖にする酵素糖化方法がある。
しかしながら、この方法では、糖化酵素を用いるため、コストが掛かり、しかも、当該酵素による糖の過分解を抑制するために反応制御が必要であった。
【0010】
さらに、前述の(1)の前処理方法では、蒸煮のための高温・高圧装置や、電子線、γ線、マイクロウエーブ等のエネルギー線の照射装置などの高価な装置が必要なため、設備費が高くなり、さらに、前処理工程の管理を厳密に行う必要があった。また、前述の(2)の前処理方法においては、バイオマスの糖化または前処理に当たり、酸やアルカリ等の化学薬品を用いるため、それらの薬品に耐え得る設備を使用する必要があることから、設備費が高くなるという問題があった。そして、糖化または前処理に用いた酸やアルカリの中和処理とそれによって発生する大量の中和廃棄物(例えば、硫酸カルシウムなど)の処理、あるいは、前処理に用いた溶媒の除去を行う必要があるため、手間やコストが掛かり、しかも、環境面での問題があった。さらに、前述の(3)の前処理方法では、他の前処理方法のような不都合は生じないが、酵素糖化工程およびその次工程である酵母等の糖の発酵工程のために、白色腐朽菌を除去する必要が生じ、手間が掛かるという問題があった。また、そもそも、白色腐朽菌は、アルコール生成を企図して導入されるものでなく、実際のアルコール生成は、酵母等の発酵により行われるので、前述の(3)の方法で用いられる白色腐朽菌のアルコール生成能については、特に考慮する必要はなかった。
【0011】
また、担子菌は、酵母や細菌に比べ、幅広い糖質資化能を有していることが知られているが、担子菌の種類によって糖質資化能には差があった。しかしながら、本発明者らは、この担子菌が有する幅広い糖質資化能を応用すれば、効果的で、かつ実用的なアルコール発酵を図ることができると考え、これまで、アルコール発酵能を有する担子菌の探索を行ってきた。
【課題を解決するための手段】
【0012】
即ち、本発明によれば、シロアミタケ(Trametes suaveolens)を用いて炭素源からアルコールを生成することを特徴とするアルコール製造方法が提供される。この構成によれば、シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを効率よく製造することができる。また、本発明によれば、シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを含有する液体を生成することを特徴とするアルコール飲料の製造方法が提供される。この構成によれば、シロアミタケを用いて炭素源から生成されたアルコールを含有する飲料を製造することができる。さらに、本発明によれば、シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを含有する組成物を生成することを特徴とするアルコール含有食品の製造方法が提供される。この構成によれば、シロアミタケを用いて炭素源から生成されたアルコールを含有する食品を製造することができる。さらにまた、本発明によれば、シロアミタケの菌糸と、菌糸を担持する担体とを備えることを特徴とするシロアミタケを用いて炭素源からアルコールを生成するための種菌が提供される。この構成によれば、シロアミタケの菌糸と、菌糸を担持する担体とを備えた種菌により、炭素源からアルコールを効率よく生成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れた菌類により、バイオマス等から効率的なアルコール生産を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)および図1(b)は、シロアミタケにより炭素源からアルコールを生成する方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】図2(a)、図2(b)および図2(c)は、シロアミタケを用いた種菌の構成を模式的に示した概念図である。は、シロアミタケを用いた種菌の構成を模式的に示した概念図である。
【図3】図3は、シロアミタケの培養および菌体回収の方法を説明するための実験プロトコルである。
【図4】図4は、グルコースを炭素源として、シロアミタケを微好気的条件下で培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図5】図5は、グルコースを炭素源として、シロアミタケを好気的条件下で培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図6】図6は、グルコースを炭素源として、培養開始11日前後の菌糸体を有するシロアミタケを微好気的条件下で培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図7】図7は、グルコースを炭素源として、培養開始11日前後の菌糸体を有するシロアミタケを嫌気的条件下で培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図8】図8は、小麦フスマを炭素源として、シロアミタケを培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図9】図9は、小麦フスマを炭素源として、ミミナミハタケを培養した場合のエタノール生産量の経時変化をまとめたグラフである。
【図10】図10は、シロアミタケを用いた未利用バイオマス資源の再利用の方法を説明するための概念図である。
【図11】図11は、シロアミタケを用いた未利用バイオマス資源の燃料用アルコールとしての再利用のサイクルを説明するための概念図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、リグニン分解能を有する白色腐朽菌の一種であるシロアミタケが、各種炭素源を糖化することにより糖を生成する工程、および、糖を発酵することによりアルコールを生成する工程を単一で行うことができ、かつ、高いアルコール生産性を有することを確認してバイオマスから直接アルコールが生産可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
表1に、シロアミタケの主な特性を、特許文献4および非特許文献4に開示のセルロース分解能を有する褐色腐朽菌であるミミナミハタケのものと共に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
本実施形態では、アルコール生成に白色腐朽菌の一種であるシロアミタケを用いることを特徴の一つとする。以下に示すとおり、シロアミタケのアルコール生成能についてはこれまで何ら報告されていなかった。
【0019】
特許文献1および非特許文献1においては、リグニン分解能を有する白色腐朽菌として、シロアミタケを用いることについては具体的に記載されていない。そもそも、かかる文献に開示されている白色腐朽菌は、前述した糖化工程における生物的前処理用として用いるものであって、直接的にアルコールを生成するために用いるものではない。したがって、前述の白色腐朽菌のアルコール生成能については考慮する必要がないので、当然のことながら、アルコール生成能については示唆すらされていない。
【0020】
また、特許文献2、特許文献3、非特許文献2および非特許文献3においても、シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを製造することについては何ら記載されていない。
【0021】
一方、特許文献5には、スギ木粉およびフスマ添加スギ木粉含有培地に対するサルノコシカケ科シロアミタケ属(Polyporaceae Trametes)と相同性が高い菌類のリグニン分解能について示されている。
【0022】
しかしながら、特許文献5に開示されている菌類は、シロアミタケ属と相同性が高いとされているだけであって、種のレベルまで同定されるに至っていない。したがって、同文献に開示のシロアミタケ属とされる菌類は、実施形態で用いるシロアミタケ(Trametes suaveolens)と異なる種の可能性がある。また、同文献に係る発明は、建設現場等から発生する廃木材等の木質廃材を、環境に無害な方法で分解することを目的とした、主に環境保護の観点から検討を行っているものであり、アルコール生産については具体的な検討が何らなされていない。さらに、特許文献5においては、前述したとおりに、炭素源として、スギ木粉およびフスマのみにより試験しているにすぎず、さまざまな炭素源により試験をしていないので、種々のバイオマス等の炭素源を幅広く効率的に分解できるかについては疑問が残る。
【0023】
したがって、シロアミタケのアルコール生成能についてはこれまで何ら報告されておらず、本実施形態は、これまで存在しなかった優れたアルコール製造方法といえる。
【0024】
また、本実施形態においては、シロアミタケは、毒性はなく、遺伝子組換え体でなく、野生のものを用いる。したがって、本実施形態のアルコール製造方法では、安全性の高いアルコールの製造が実現可能となる。
【0025】
さらに、表1に示したとおり、シロアミタケは食用に適していない。また、産業的に有効に利用されているという報告はなく、これまでほとんど利用されていなかった。そして、表1に示したとおり、シロアミタケは、成長が早い部類に属し、全国に分布しており比較的入手しやすい。したがって、本実施形態に係るアルコール製造方法においては、用いるシロアミタケは、少なくとも産業界と直接競合することは考え難く、資源として有用性および優位性に富むものである。
【0026】
なお、実施の形態において用いる菌類は、後述するように、塩基配列を解析し相同性検索を行った結果、シロアミタケ(Trametes suaveolens)であることが明らかとなっている。
【0027】
図1は、実施の形態に係るシロアミタケにより炭素源からアルコールを生成する方法を説明するためのフローチャートである。
【0028】
なお、特許文献4におけるミミナミハタケは、ヒラタケに比べて、同一条件下で10倍程度の優れたアルコール生産能を有することが本発明者らによって見出されたが、後述するように、シロアミタケは、ミミナミハタケと比較して、同一条件下で同等以上のアルコール生成能を有することを、本発明者らは見出している。また、後述するように、シロアミタケは、幅広い糖の資化性を有することを、本発明者らは見出している。
【0029】
具体的には、図1(a)に示すように、まず、シロアミタケの種菌を木質系等のバイオマスまたは各種の糖などを含む炭素源に接種する(S102)。次いで、シロアミタケの種菌を接種された炭素源を培養する(S104)。そして、シロアミタケにより炭素源から生成されたアルコールを含む液体を濾過などの手法により回収する(S106)。
【0030】
前述の炭素源が木質系等のバイオマスを含む場合には、前述の培養工程において、図1(b)に示すように、シロアミタケにより炭素源を糖化する(S108)。そして、糖化された炭素源をシロアミタケにより発酵してアルコールを生成する(S110)。
【0031】
なお、前述の発酵工程は、嫌気的条件であってもよく、好気的条件であってもよいが、後述するように、微好気的条件または嫌気的条件が、アルコール生成効率の面から好ましい。
【0032】
また、前述の炭素源は、糖を含んでいてもよい。さらに、前述の炭素源は、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、マルトース、フルクトースおよびセロビオースからなる群より選ばれる一種以上の糖を含んでいてもよい。後述するように、シロアミタケは、これらの糖に対する資化性を有していることを、本発明者らは見出している。さらに、前述の炭素源は、糖蜜、廃糖蜜、上白糖、黒糖、マルツエキスおよびデンプン等を含んでいてもよい。
【0033】
あるいは、前述の炭素源は、セルロース、木質系または草本系の材料(バイオマス等)を含んでいてもよい。セルロースとしては、綿リンター、木材パルプや溶解パルプ等から得られる植物系のセルロース、アセトバクター属(Acetobacter)等に属する微生物が生産するセルロース、再生セルロースおよび微結晶セルロース等が挙げられる。木質系の材料としては、建築廃材等の廃木材、製材残材、間伐材、林地残材などを含む木材、おがくず、古紙・廃紙等の紙類およびパルプ等を挙げることができる。草本系の材料としては、小麦フスマ等のフスマ、稲藁・麦藁等の藁およびもみ殻などを含む農業残渣、バガス、刈り草および雑草類等を挙げることができる。後述するように、小麦フスマおよびセルロースを炭素源として直接的にアルコール生成能を有し、アルコール収率が高いことを、本発明者らは見出している。また、後述するように、シロアミタケは白色腐朽菌に属するが、リグニン分解能だけでなく、セルロース分解能を有していることも、本発明者らは見出している。さらに、本発明者らは、シロアミタケは、グルコマンナンを含む培地で培養すると、培地が透明になることから、グルコマンナンの分解能を有することも見出している。
【0034】
また、前述のシロアミタケにより生成されるアルコールは、エタノールを含んでいてもよい。後述するように、シロアミタケは、炭素源からエタノールを生成することを、本発明者らは見出している。
【0035】
そして、前述のシロアミタケにより生成されるアルコールを用いて、アルコール飲料またはアルコール含有食品を製造してもよい。これらのアルコール飲料またはアルコール含有食品には、アルコール以外にも、シロアミタケの生成する各種成分が含まれていてもよい。また、アルコール含有食品は、固体であってもよく、液体であってもよく、ゲル状体などであってもよい。
【0036】
図2は、実施の形態に係るシロアミタケを用いた種菌の構成を模式的に示した概念図である。図2(a)は、おがくずを担体として用いたシロアミタケの種菌である。この種菌200では、蓋204を備える容器202内に、おがくず208が敷き詰められている。このおがくず中にシロアミタケの菌糸206a、206bが担持されている。なお、シロアミタケの菌糸は、図2(a)のように、きのこを形成している必要はない。
【0037】
図2(b)は、木材チップを担体として用いたシロアミタケの種菌である。この種菌300では、容器302内に、コルク栓状の形状からなる木材チップ304a、304b、304c、304d、304e、304fが収納されている。これらの木材チップには、シロアミタケの菌糸306a、306b、306c、306d、306e、306fが担持されている。なお、シロアミタケの菌糸は、図2(b)のように、きのこを形成している必要はない。
【0038】
図2(c)は、液体培地を担体として用いたシロアミタケの種菌である。この種菌400では、蓋404を備える容器402内に、各種の糖などの炭素源を含む液体培地408が収納されている。これらの液体培地には、シロアミタケの菌糸406が担持されている。なお、シロアミタケの菌糸は、図2(c)のように、きのこを形成している必要はない。
【0039】
前述の種菌は、菌類を用いて炭素源からアルコールを生成するための種菌であって、シロアミタケの菌糸と、この菌糸を担持する担体とを備える。なお、この菌糸は、定常期の菌糸であってもよい。具体的には、この菌糸は、培養開始10日経過後の菌糸であってもよい。培養開始10日経過後の定常期のシロアミタケの菌糸は、種菌として用いた場合の増殖能が優れていることを、本発明者らは見出している(実施例参照)。
【0040】
以下、実施の形態に係るアルコール製造方法の作用効果について説明する。
シロアミタケは、後述するように、ヒラタケの10倍以上のアルコール生産能を有することが示されたミミナミハタケと同等以上のアルコール生産能を有するので、優れたアルコール生産効率を実現することができる。
【0041】
また、シロアミタケは、後述するように、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロース、マルトース、フルクトースおよびセロビオースに対する資化性を有するので、担子菌類では困難であった幅広い種類の炭素源を用いてアルコール発酵を行うことができる。
【0042】
そのため、前述の実施の形態に係るアルコール製造方法によれば、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるシロアミタケを用いるため、アルコール製造方法の生産効率を向上し、炭素源の種類の幅を拡大することができる。
【0043】
図10は、実施の形態に係るシロアミタケを用いた未利用バイオマス資源の再利用の方法を説明するための概念図である。このように、実施の形態に係るアルコール製造方法は、シロアミタケが炭素源を糖化することにより糖を生成する工程と、シロアミタケが糖を発酵することによりアルコールを生成する工程と、を含むため、従来の酸等による加水分解の工程が必要ではなく、一種類の菌類を用いて糖化・発酵の両工程を行うことができる。このため、未利用バイオマス資源をシロアミタケによる糖化・発酵工程により効率よくエタノールに変換することができる。また、環境負荷、コストや手間の削減につながるのはいうまでもない。
【0044】
ここで、木材や紙類などの木質系のバイオマスを酸糖化して得られる炭素源には、一般的にグルコースにくわえて、マンノース等が数%含まれる。酵母は、グルコースを好適に資化するが、マンノースに対する資化性は低い。一方、シロアミタケは、酵母により資化することが困難なマンノースに対しても資化性を有するため、酵母による発酵後に残存するマンノースも資化することができる。そのため、木質系のバイオマスを糖酸化し、酵母およびシロアミタケを組み合わせてアルコール発酵を行うことにより、資源のリサイクル効率およびアルコール生産効率を高めることができる。また、天然の酵母は、小麦フスマ等のバイオマスを直接的にエタノールに変換することはできない。これに対して、シロアミタケは、後述するように、小麦フスマから直接的にエタノールを生産することができる。したがって、実施の形態に係るアルコール製造方法においては、天然の酵母が利用することができないバイオマスからアルコールを直接的に生産することができる点でも、優位性および有用性に富むものである。
【0045】
図11は、実施の形態に係るシロアミタケを用いた未利用バイオマス資源の燃料用アルコールとしての再利用のサイクルを説明するための概念図である。このように、実施の形態に係るアルコール製造方法は、未利用バイオマス資源をシロアミタケによる糖化・発酵工程により効率よくアルコールに変換することができるため、バイオマスと燃料用アルコールとの間で資源の循環システムを構築することができる。そのため、地球環境保全および産業の発展を両立しうるエネルギー供給システムを構築することができる。
【0046】
また、実施の形態に係るアルコール飲料の製造方法によれば、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるシロアミタケを用いるため、アルコール飲料の製造方法の生産効率を向上し、炭素源の種類の幅を拡大することができる。
【0047】
さらに、実施の形態に係るアルコール含有食品の製造方法によれば、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるシロアミタケを用いるため、アルコール含有食品の製造方法の生産効率を向上し、炭素源の種類の幅を拡大することができる。
【0048】
そして、実施の形態に係る種菌によれば、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるシロアミタケの菌糸を担体に担持させているため、菌類を用いて炭素源からアルコールを生成するための種菌として好適に用いることができる。
【0049】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。ただし、実施例中に表示される%は、特に断りのない限り質量パーセントを示す。
【0051】
[使用菌株]
実施例では、菌株としてシロアミタケ(Trametes suaveolens)を用いた。当該シロアミタケの28S rDNA塩基配列を解析し、GenBank/DDBJ/EMBL等の塩基配列データベースに基づく相同性検索を行ったところ、Trametes suaveolensの塩基配列と100%の相同率を示した。したがって、本実施例で用いた菌株は、多孔菌目(Polyporales)サルノコシカケ科(Polyporaceae)シロアミタケ属(Trametes)シロアミタケ(Trametes suaveolens)であることが確認された。
【0052】
[実験方法]
1)使用培地
使用培地としては、T培地を用いた。下記に、T培地の基本的な組成を示す。
グルコース* 2.0 %
Yeast extract 1.0 %
KH2PO4 1.0 %
(NH42SO4 0.2 %
MgSO4・7H2O 0.05%
*)グルコースについては、必要に応じて、他の炭素源に変更した。
【0053】
2)培養および菌体回収
図3は、シロアミタケの培養および菌体回収の方法を説明するための実験プロトコルである。まず、菌糸懸濁液の調製ステップでは、シロアミタケの平板培地に、T培地を10ml加え、白金耳で菌糸を懸濁し、133μmメッシュで濾過して菌糸懸濁液を得た。
【0054】
次いで、培養ステップでは、500ml容三角フラスコにT培地を50ml加え、シロアミタケの菌糸懸濁液を1ml接種し、シリコンゴム栓を用いて三角フラスコを密栓状態にして、30℃で静置培養(微好気条件下での培養)を行った。
【0055】
続いて、培養液の回収ステップでは、液体培養後、次の手順で回収を行った。すなわち、培養液を吸引濾過し、湿菌体を回収して、湿菌体重量測定および冷凍保存を行い、培養濾液については、培養濾液量および培養濾液pHの測定を行ってコーニング管に培養濾液を15ml分注した。そして、培養濾液をHPLC分析、および活性測定して、その後、冷凍保存した。
【0056】
3)HPLC分析
シロアミタケの培養濾液をHPLC分析した。その分析条件は以下に示すとおりである。
【0057】
(HPLC分析条件)
キャピラリーカラム Shodex SUGAR SP0810
キャピラリーサイズ 8.0mmID×300mmL
流量 0.6ml/min
カラム温度 80℃
抽出液 脱気蒸留水
試料 10μl
【0058】
4)グルコース以外の糖を用いた培養
【0059】
T培地の炭素源であるグルコースに代わり、同濃度のマルトース、マンノース、スクロース、セロビオース、フルクトース、ガラクトースを用いて、その資化性とエタノール生産の有無を確かめた。手順は2)および3)と同様である。
【0060】
5)微好気培養、好気培養および嫌気培養
グルコースを炭素源とするT培地で静置培養(微好気条件下での培養;手順は2)と同様)と、通気性を有するシリコ栓で蓋をして静置培養(好気条件下での培養)をそれぞれ行い、エタノール生産の経時変化を比較した。
【0061】
また、培養開始11日前後の菌糸体を用いて、微好気的条件下、嫌気的条件下でそれぞれ培養を行い、エタノール生産の経時変化を調べた。なお、嫌気培養は、窒素ガスを充填してシリコンゴム栓で密栓状態にすることにより行った。
【0062】
6)バイオマスからの直接的なエタノール生産性の検討
シロアミタケが、糖化処理を行うことなく、バイオマスから直接的に単一の工程によりエタノールを生産することができるか否かについて、小麦フスマ培地およびセルロース粉末を炭素源として用いて検討を行った。
【0063】
小麦フスマ(wheat bran)は、製粉後に残った外皮と胚芽、胚乳の一部が混ざったもので、製粉時に30%ほど発生し、主に、ヘミセルロース、セルロースおよびリグニンの不溶性食物繊維から構成される。小麦フスマは、その大半が家畜の飼料として利用されているのが現状であるが、国内の飼料の需要が伸び悩んでいることや、食品リサイクル法の実施に伴い、他の食品残渣の飼料化が行われることなどから、今後は小麦フスマの飼料としての需要が低下し、その価格が下落することも考えられる。そのため、飼料用以外での小麦フスマの有効利用が重要な課題となっていた(例えば、非特許文献5参照)。
【0064】
なお、小麦フスマ培地は、1)のT培地において、グルコースを小麦フスマに代えた以外は、基本的な組成は同様である。また、比較担子菌として、特許文献4にて各種炭素源から高いエタノール生産能が認められている、ミミナミハタケを用いた。
【0065】
また、セルロースを炭素源とした検討については、培養開始11日前後の菌糸体を用いて、1)のT培地において、グルコースを20g/lセルロース粉末(Sigmacell Cellulose Type 20;シグマ社製)に代えた基本組成を有する培地により、嫌気培養を行った。なお、嫌気培養は、5)と同様の手順で行った。
【0066】
[結果と考察]
1)各糖質の資化性とエタノール生産の有無
図4は、グルコースを炭素源とする培地にシロアミタケを微好気的条件下で培養した場合の、グルコース使用量、エタノール生産量、コハク酸生産量、グリセリン生産量およびpHの経時的変化を示したグラフである。
【0067】
グルコースを炭素源として培養した結果、グルコース資化性およびエタノールの生産が確認され、培養18日後にエタノール生産量は最大となり(7.67g/L)、理論上の収率は75.5%と高い値を示した。
【0068】
また、グルコース以外の炭素源として、マルトース、マンノース、スクロース、セロビオース、フルクトース、ガラクトースを用いて培養を行った結果、すべての基質から資化性およびエタノールの生産が確認された(表2〜表7参照)。エタノール生産の最大量とその培養日数はそれぞれ、マルトース;7.03g/L(24日目)、マンノース;5.56g/L(24日目)、スクロース;3.14g/L(18日目)、セロビオース;2.87g/L(24日目)、フルクトース;1.08g/L(20日目)、ガラクトース;0.46g/L(24日目)であった。特に、マルトース、マンノースにおいては、培養24日目の理論上のエタノール収率はそれぞれ、68.94%、58.45%と高かった。菌の生育の点では、マルトースを用いた培地が最も生育が良好で、マンノースを用いた培地でも良好であった。
【0069】
【表2】

【0070】
【表3】

【0071】
【表4】

【0072】
【表5】

【0073】
【表6】

【0074】
【表7】

【0075】
以上の結果から、シロアミタケは、グルコース、マルトース、マンノース、スクロース、セロビオース、フルクトース、ガラクトースを代謝することで、比較的高い濃度のエタノールを生産することがわかった。そのエタノール生産量のピークは炭素源によって異なり、エタノールはある程度蓄積された後、基質が欠乏すると代謝されると考えられる。また、従来糖化処理で生成された糖の発酵に用いていた酵母や細菌と同等以上のアルコール生成能を有し、産業上の優位性および有用性が示唆された。
【0076】
2)微好気培養と好気培養の比較、微好気培養と嫌気培養の比較
図5は、グルコースを炭素源とする培地にシロアミタケを好気的条件下で培養した場合の、グルコース使用量、エタノール生産量、コハク酸生産量、グリセリン生産量およびpHの経時的変化を示したグラフである。図5に示す微好気的条件下では、グルコースが代謝されるに従い、エタノールが生産されていることが確認できた。一方、図6に示す好気的条件下では、培養10日間をピークにエタノールはほとんど生産されなくなった。また、ピーク時のエタノール生産量も、微好気的条件下と比べ明らかに少なかった。したがって、微好気的条件下での培養の方がエタノール生産に適しているのではないかと考えられた。なお、菌体量は好気培養の方が多く、培地pHは、微好気培養においては5.0付近で安定していたが、好気培養においては3.4〜6.4程度の変動があった。
【0077】
また、グルコースを炭素源とする培地に培養開始11日前後の菌糸体を有するシロアミタケを微好気的条件下(図6)、嫌気的条件下(図7)で培養を行った。その結果、微好気培養および嫌気培養において、エタノール生産は培養2日で最大となり、図4に示す前培養を行っていない菌糸体を用いて微好気培養を行った場合の培養18日と比較して、最大エタノール生産量に達するまでの培養日数を大幅に短縮することができた。また、エタノール収率も90%以上と非常に高くなった。なお、培地pHは、微好気培養、嫌気培養ともに、6.0付近で安定していた。
【0078】
3)バイオマスからの直接的なエタノール生産能について
図8および表8に、小麦フスマを炭素源とする培地にシロアミタケを微好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化を示す。シロアミタケは、小麦フスマから直接的にエタノールを生産することができ、培養17日目でエタノール生産量は最大の4.11g/lとなった。これは、理論上、小麦フスマ中に存在する糖の実に80%以上もがエタノールに変換されたことになる。また、図9および表9に示すとおり、ミミナミハタケについても、微好気的条件下での培養において、小麦フスマから直接的にエタノールを生産することが可能であることが示されたが、シロアミタケの方がエタノール生産量および理論上の収率は多くなる傾向となった。なお、いずれの菌ともに生育は良好であった。
【0079】
さらに、セルロースを炭素源とする培地にシロアミタケを嫌気的条件下で培養して試験を行った結果、培養2日目においてエタノールが3g/l(収率30%)生産された。なお、菌の生育は良好であった。
【0080】
小麦フスマを炭素源とする培地にシロアミタケを微好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化
【表8】

【0081】
小麦フスマを炭素源とする培地にミミナミハタケを微好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化
【表9】

【0082】
小麦フスマを炭素源とする培地にシロアミタケを好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化
【表10】

【0083】
小麦フスマを炭素源とする培地にミミナミハタケを好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化
【表11】

【0084】
また、図8および表10に、小麦フスマを炭素源とする培地にシロアミタケを好気的条件下で培養した場合の、糖の遊離量、エタノール生産量、コハク酸生産量およびpHの経時的変化を示す。ミミナミハタケの場合(図9および表11参照)と同様に、微好気的条件下での培養による場合と比べ、エタノール生産量は少なかった。
【0085】
かかる結果より、本発明のアルコール製造方法によれば、バイオマスを加水分解して糖を生成(糖化)する工程を行うことなく、単一の担子菌で、バイオマスから直接的に単一工程で効率的にエタノールを生産することができる。したがって、酸等による糖化処理を行わなくてもよいため、これに伴う環境面、設備面、作業面およびコスト面等での負荷が低減される。
【0086】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0087】
例えば、前述の実施例では、炭素源としてT培地、小麦フスマ培地、および、セルロースを含有する培地を用いているが、他の炭素源も同様に利用可能である。具体的には、木質系のバイオマスなどを炭素源として用いることもできる。シロアミタケは、実施例の結果に基づき、小麦フスマおよびセルロースから直接的にエタノールを生産することが可能であることが実証されたこと、および、シロアミタケは白色腐朽菌に属するが、リグニン分解能だけでなく、セルロース分解能を有することを本発明者らは確認していることから、木質系のバイオマスであっても炭素源として利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明で用いるシロアミタケは、アルコール生産効率および炭素源の資化性に優れるため、アルコール生産効率を向上し、炭素源の種類の幅を拡大するという効果を有し、アルコール製造方法、アルコール飲料の製造方法、アルコール含有食品の製造方法およびそれらに用いる種菌等として有用である。
【符号の説明】
【0089】
200 種菌
202 容器
204 蓋
206 菌糸
208 おがくず
300 種菌
302 容器
304 木材チップ
306 菌糸
400 種菌
402 容器
404 蓋
406 菌糸
408 液体培地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シロアミタケ(Trametes suaveolens)を用いて炭素源からアルコールを生成することを特徴とする、アルコール製造方法。
【請求項2】
シロアミタケを炭素源に発酵させることによりアルコールを生成することを特徴とする、請求項1に記載のアルコール製造方法。
【請求項3】
発酵を微好気的条件または嫌気的条件において行うことを特徴とする、請求項2に記載のアルコール製造方法。
【請求項4】
炭素源が、糖を含むことを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載のアルコール製造方法。
【請求項5】
炭素源が、グルコース、マルトース、マンノース、スクロース、セロビオース、フルクトースおよびガラクトースからなる群より選ばれる一種以上の糖を含むことを特徴とする、請求項4に記載のアルコール製造方法。
【請求項6】
シロアミタケが炭素源を糖化することにより糖を生成する工程と、
シロアミタケが糖化により生成された糖を発酵することによりアルコールを生成する工程と、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアルコール製造方法。
【請求項7】
炭素源が、セルロース、木材、おがくず、紙類、パルプ、フスマ、藁、もみ殻、農業残渣、バガス、刈り草および雑草類からなる群より選ばれる一種以上を含むことを特徴とする、請求項1から6の何れか一項に記載のアルコール製造方法。
【請求項8】
アルコールが、エタノールを含むことを特徴とする、請求項1から7に記載のアルコール製造方法。
【請求項9】
シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを含有する液体を生成することを特徴とする、アルコール飲料の製造方法。
【請求項10】
シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを含有する組成物を生成することを特徴とする、アルコール含有食品の製造方法。
【請求項11】
シロアミタケの菌糸と、
菌糸を担持する担体と、
を備えることを特徴とする、シロアミタケを用いて炭素源からアルコールを生成するための種菌。
【請求項12】
菌糸が、定常期の菌糸であることを特徴とする、請求項11に記載の種菌。
【請求項13】
菌糸は、培養開始10日経過後の菌糸であることを特徴とする、請求項11または12に記載の種菌。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−183859(P2010−183859A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29178(P2009−29178)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】