説明

アルコール検知器及びアルコール検知システム

【課題】運転者が管理者側へ、アルコール検査結果を安価かつ確実に送信することが可能なアルコール検知器及びアルコール検知システムを提供する。
【解決手段】アルコール検知システムは、図1に示すように、アルコール検知器1と、携帯電話端末2とサーバ装置3とを用いて行われる。アルコール検知器1で検出された被検者のアルコール検査結果のデータは、暗号化された後、二次元コードCとして表示部15に表示される。二次元コードCは携帯電話端末2で読み取られ、読み取った暗号データは、携帯電話端末2からサーバ装置3へ送信される。暗号データは、サーバ装置3で復号され、管理者は、アルコール検査結果のデータを確認・管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール検知器及びアルコール検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
事業用自動車の飲酒運転ゼロの目標を達成するため、旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則が改正された。この改正により、平成23年5月から、旅客自動車運送事業者及び貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対して対面により点呼を行い、酒気帯びの有無について確認を行うことが義務付けられた。また、旅客自動車運送事業者及び貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行うことも義務付けられた。
【0003】
しかし、長距離トラックドライバー等については、点呼時に事業所に不在の場合もあり、事業者と直接対面した状態での点呼はできない場合がある。そこで、運行上やむを得ない場合は電話その他の方法で点呼を行うことが認められている。具体的には、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させ、又は自動車に設置されているアルコール検知器を使用させ、及び当該アルコール検知器の測定結果を電話その他の方法(通信機能を有し、又は携帯電話等通信機器と接続するアルコール検知器を用いる場合にあっては、当該測定結果を営業所に電送させる方法)で報告させることにより行うものとする、との運用規定が設けられている(国土交通省発行「旅客自動車運送事業運輸規則の解釈及び運用について」及び「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」より)。
【0004】
このような運用に従って開発された対面しないで行う点呼方法として、携帯電話端末とアルコール検知器とをケーブルで接続し、アルコール検知器に取り込まれたデータを携帯電話端末へ送信し、さらに、携帯電話端末から管理者側のサーバ装置にデータを送信するといった方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−118177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この従来法では、携帯電話端末ごとにケーブルや通信ソフトウェアが異なるため、アルコール検知器に取り込まれたデータを携帯電話端末へ送信するには、それぞれの携帯電話端末に対応するケーブルや通信ソフトウェアを用意する必要があり、非常にコストがかかる。また、運転者がケーブルを忘れずに持ち歩く必要があるといった不便さがあり、運転者がケーブルを忘れると、アルコール検査結果を管理者側に知らせることができないといった問題があった。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、運転者が管理者側へ、アルコール検査結果を安価かつ確実に送信することが可能なアルコール検知器及びアルコール検知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明に係るアルコール検知器は、アルコールセンサに吹き付けられる被検出者の呼気から、アルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、少なくとも記憶部にあらかじめ記憶され、又は入力部を通じて被検出者から入力される、機器個体情報と被検出者識別情報とを含む識別データと、前記アルコール濃度のデータとを紐付けるデータ処理手段と、前記データ処理手段により処理された送信用データを暗号化する暗号処理手段と、前記暗号処理手段により暗号化された暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、前記二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、アルコール検知器と、無線通信端末と、サーバ装置とを有するアルコール検知システムであって、前記アルコール検知器は、アルコールセンサに吹き付けられる被検出者の呼気から、アルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、記憶部にあらかじめ記憶され、又は入力部を通じて被検出者から入力される、機器個体情報と被検出者識別情報とを含む識別データと、前記アルコール濃度のデータとを紐付けるデータ処理手段と、前記データ処理手段により処理された送信用データを暗号化する暗号処理手段と、前記暗号処理手段により暗号化された暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、前記二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備え、前記無線通信端末は、前記アルコール検知器に表示された前記二次元コードを読み取るコード読取手段と、前記二次元コードから読み取られた前記暗号データを、前記無線通信端末から前記サーバ装置へ送信するデータ送信手段とを備え、前記サーバ装置は、前記暗号データを復号する復号手段を備えることを特徴とする。
【0010】
以上の態様では、アルコール検知器が、暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、前記二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備え、無線通信端末は、アルコール検知器に表示された前記二次元コードを読み取るコード読取手段を備えているため、アルコール検知器と無線通信端末とをケーブル等で接続することなく、アルコール濃度等のデータをアルコール検知器から無線通信端末に送信することができる。また、アルコール検知器が送信用データを暗号化する暗号処理手段を備え、サーバ装置が、暗号データを復号する復号手段を備えているため、被検者がアルコール濃度のデータ等を改ざんするといった不正を行うことができない。サーバ装置を管理する管理者側が、被検者のデータを確実に管理することができる。
【発明の効果】
【0011】
以上の本発明によれば、運転者が管理者側へ、アルコール検査結果を安価かつ確実に送信することが可能なアルコール検知器及びアルコール検知システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のアルコール検知システムを示すイメージ図。
【図2】本実施形態のアルコール検知システムを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
本実施形態のアルコール検知システムは、アルコール検知器1と、無線通信端末である携帯電話端末2とサーバ装置3とを有する。
【0014】
アルコール検知器1は、図1に示すように、角部が丸みを帯び、側部に手持ちのためのくびれを有する略直方体であって、上端にマウスピース取付部Mを備え、前面上部中央に表示部15を備え、前面下部中央に電源ボタンPを備える。
【0015】
マウスピース取付部Mは、マウスピースM1が装着される部分である。マウスピースM1は、通常公知のものを使用することができ、ポリエチレン系のプラスチック製であって、ストローのような中空の筒状体である。
【0016】
電源ボタンPは、アルコール検知器1内に通電させるためのボタンである。通電させると、後述するアルコールセンサ11が起動し、アルコールを検知可能な状態となる。
【0017】
また、アルコール検知器1は、図2に示すように内部システムとして、アルコールセンサ11、計時部12、記憶部13、警報部14、処理部16を備える。
【0018】
アルコールセンサ11は、半導体式、赤外線式、接触燃焼式、電気化学式のいずれの検知方式でもよいが、本実施形態では、アルコール以外のガス成分による影響をあまり受けない電気化学式である。呼気にエタノールが含まれていれば、エタノールにのみ反応するように調整された電解液と電極によって化学反応・酸化還元反応が起き、起電力が発生する。起電力の変化を検出することにより、アルコール濃度が算出される。
【0019】
計時部12は、アルコール検査の測定時刻を計測する機能を有している。アルコールセンサ11が呼気を感知した時刻が測定時刻として記録される。計時部12は、アルコール検査結果の改ざん防止のために設けられたものである。
【0020】
記憶部13は、識別データを保存しておくメモリである。識別データには、機器ID等の機器個体情報と、累積したテスト回数を表すテスト番号等の被検出者識別情報とが含まれる。複数の識別データは、他人のなりすましを防止するために設けられたものである。これらの識別データは、毎回の測定ごとに記憶部13から取り出され、アルコール濃度のデータと紐付けられる。
【0021】
警報部14は、アルコールセンサ11がアルコールを検知したかどうかを知らせるブザーである。測定終了後、被検者の呼気に含まれるアルコール濃度が0.00mg/Lであるときには、「ピッ」という短い音が鳴り、アルコール濃度が0.00mg/Lではないとき、すなわち呼気からアルコールが検出されたときには、「ピー」という長い音が鳴る機能を有している。
【0022】
表示部15は、液晶ディスプレイ等の表示手段であり、アルコール検知器1の測定準備が完了したこと、アルコール濃度を分析中であること、分析が完了したことを各メッセージによって知らせ、後述するコード表示手段166により二次元コードCが表示されるディプレイである。ディスプレイ裏のバックライトは、電源ボタンPをONにすると点灯する。ディスプレイ裏のバックライトは、被検者が、日中の明るい日差しの中でも夜の暗闇でもディスプレイ上の表示を確実に読めるように設けられたものである。
【0023】
処理部16は、アルコールセンサ11、計時部12、記憶部13、警報部14、表示部15のシステム構成を用いて、アルコール検知器1に所要の目的を達成させる各機能を実現する回路である。図2に示すとおり、処理部16は、アルコールセンサ11、計時部12、記憶部13からの情報を処理する手段として、アルコール濃度検知手段161、テスト番号付与手段162、データ処理手段163、暗号処理手段164、コード作成手段165、コード表示手段166を備える。
【0024】
アルコール濃度検知手段161は、アルコールセンサ11から得られる電気信号を処理し、呼気中のアルコール濃度を検知する手段である。
【0025】
テスト番号付与手段162は、アルコール検知器1の使用開始から、毎回の測定ごとにテスト番号を「0001」、「0002」・・・のように1つずつ付与していく機能を有している。テスト番号付与手段162は、被検者を識別するために設けられたものであり、前述の機器固体情報と共に、記憶部13へ保存される。
【0026】
データ処理手段163は、アルコール濃度検出手段161により検知されたアルコール濃度の数値データと、計時部12で計測された測定時刻データと、テスト番号付与手段162により付与されたテスト番号とを紐付けて、送信用データを作成する手段である。
【0027】
暗号処理手段164は、データ処理手段163で処理された送信用データを暗号化する手段である。被検者は暗号化された暗号データを復号できず、管理者が復号できるように、送信用データの数値を他の符号や記号に置き換える機能を有する。
【0028】
コード作成手段165は、暗号処理手段164により暗号化された送信用データを元に、二次元コードCを作成する手段である。二次元コードCは、スタック式でも、マトリックス式でもよいが、本実施形態では、多くの携帯電話端末で対応可能なマトリックス式のQRコード(登録商標)を用いるのが好ましい。
【0029】
コード表示手段166は、コード作成手段165により作成された二次元コードCを表示する手段である。コード表示手段166は、携帯電話端末2のコード読取機能で二次元コードCを読み取ることができるように、設けられたものである。
【0030】
携帯電話端末2は、従来公知のものを使用することができ、コード読取手段21、暗号データ送信手段22を備える。コード読取手段21は、二次元コードCを写すカメラと、カメラで捕らえた二次元コードCを読み取る手段である。暗号データ送信手段22は、二次元コードCから読み取った暗号データをサーバ装置3へ送信する手段であって、例えば、通常公知のメール機能を用いて行う。
【0031】
サーバ装置3は、復号手段31、データ管理手段32を備える。復号手段31は、携帯電話端末2から送信された暗号データを復号する手段である。データ管理手段32は、復号されたアルコール濃度の数値データ、測定時刻データ、識別データ(機器IDとテスト番号データ)を管理する手段である。データ管理手段32は、識別データに基づいて被検者を識別して、その被検者のアルコール濃度の数値データ、測定時刻データを保存する機能を備える。
【0032】
[1−2.作用効果]
以上のような構成により、アルコール検知器1は、次のように作用する。そこで、被検者が管理者と電話で点呼を行う際にアルコール検査を行う方法について、図1を参照して説明する。
【0033】
被検者はまず、アルコール検知器1の電源ボタンPを押して、アルコール検知器1を起動させる。電源ボタンPを押して数秒後に、「ジュンビOK テストバンゴウ○○○○」と表示部15に表示される。そして、被検者は管理者に、アルコール検知器1の機器IDと、表示部15に表示されたテスト番号とを知らせる。管理者は、サーバ装置3へ、機器ID、テスト番号と共に、被検者の氏名を入力する。
【0034】
次に、被検者は、図1(A)に示すように、アルコール検知器1のマウスピース取付部MにマウスピースM1を装着し、マウスピースM1に呼気を数秒間吹きこむ。アルコール検知器1内に取り込まれた被検者の呼気をアルコールセンサ11が感知し、アルコール濃度が算出される。このとき、被検者の吹き込む呼気の量が少ないと、表示部15にエラーメッセージが表示される。再度、アルコール検査を行うためには、表示部15に「ジュンビOK テストバンゴウ○○○○」と表示されるまで待つ。
【0035】
被検者の呼気より算出されたアルコール濃度のデータは、アルコール検知器11内において、記憶部13に記憶された機器ID、テスト番号、計時部12で測定された測定時刻データと紐付けられ、送信用データとなる。送信用データは、暗号化処理され、暗号化処理された暗号データを元に、二次元コードCが作成される。図1(B)左図に示すように、アルコール検知器1の表示部15には、二次元コードCが表示される。
【0036】
被検者は、図1(B)右図に示すように、携帯電話端末2に内蔵されたカメラで、アルコール検知器1のディスプレイに表示された二次元コードCを写し、携帯電話端末2の二次元コード読取機能を用いてアルコール検知器1に表示された二次元コードCを読み取る。被検者は、図1(C)に示すように、読み取ったデータを、携帯電話端末2からサーバ装置3へメール送信する。
【0037】
サーバ装置3に送信されたデータは、サーバ装置3で復号され、図1(D)に示すようにサーバ装置3に表示される。サーバ装置3には、あらかじめ管理者により、機器ID、テスト番号と共に、被検者の氏名が入力されているため、サーバ装置3内で、複号された機器ID及びテスト番号のデータと被検者の氏名とが照合される。管理者は、被検者の氏名とともに、アルコール検査の測定時刻、アルコール濃度を確認する。また、アルコール検査記録としてサーバ装置3内のデータベースに保存され、管理できる。
【0038】
以上のように作用する本実施形態のアルコール検知器では、暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備え、携帯電話端末は、アルコール検知器に表示された二次元コードを読み取るコード読取手段を備えている。そのため、アルコール検知器と携帯電話端末とをケーブル等で接続することなく、アルコール検知器に表示された二次元コードに携帯電話端末をかざすのみで、アルコール濃度等のデータをアルコール検知器から携帯電話端末に送信することができる。したがって、被検者にとっては、ケーブルを持ち歩く手間を省くことができ、従来のように、ケーブルを忘れたためにアルコール検査をすることができないといった問題が生じない。また、従来では、システム開発において、携帯電話端末の機器ごとに通信ソフトウェアを用意する必要があったが、本実施形態では、共通のソフトウェアで対応できるため、開発費を抑えることができる。
【0039】
本実施形態のアルコール検知器は、計時部を備えている。電話で点呼を行った時刻と、アルコール検査の測定時刻に大きなズレが生じていなければ、そのアルコール検査は、電話点呼をしている最中に測定されたものであるといえる。したがって、例えば、運転者が電話点呼時とは別の時間に行っていたアルコール検査の結果を、電話点呼時に行ったアルコール検査の結果であるかのように偽ることができない。
【0040】
本実施形態では、アルコール検知器に設けられたデータ処理手段により、アルコール濃度の数値データと測定時刻データとテスト番号とを紐付けて、送信用データを作成する。このように、アルコール濃度の数値データと測定時刻データとを紐付けることにより、時間の改ざんを防止できる。さらに、テスト番号も紐付けることにより、他人のなりすましを防止できる。
【0041】
本実施形態のアルコール検知器は、送信用データを暗号化する暗号処理手段を備え、サーバ装置が暗号化された送信用データを復号する復号手段を備えている。そのため、被検者が送信用データ、特にアルコール濃度の数値データを改ざんするといった不正を行うことができない。一方で、サーバ装置を管理する管理者が、被検者のデータを確実に管理することができる。
【0042】
本実施形態のアルコール検知器は、警報部を備えており、呼気からアルコールが検出されたか否かによって、ブザーの音が異なる。そのため、電話点呼の時点で、管理者はブザーの音の違いを聞き分けることで、被検者が酒気帯びであるか否かを判断することができる。
【0043】
本実施形態では、アルコール検知器がテスト番号付与手段を備えている。そのため、電話で点呼をしている最中にアルコール検査を行う際、被検者が管理者に機器IDとテスト番号を伝えておけば、その後に管理者に送信されたアルコール検査結果と機器IDとテスト番号のデータを元に、アルコール検査結果が誰のものであるかを識別することができる。
【0044】
[2.他の実施形態]
本実施形態では、携帯電話端末に内蔵されたカメラで二次元コードを写し、携帯電話端末の二次元コード読取機能を用いてアルコール検知器に表示された二次元コードを読み取り、アルコール濃度等のデータをアルコール検知器から携帯電話端末に送信し、さらに、携帯電話端末からサーバ装置にデータを送信するシステムを示した。しかし、最終的に、サーバ装置にアルコール濃度等のデータが送信されればよく、携帯電話端末を介して送信しなくてもよい。
【0045】
携帯電話端末を介さない方法として、具体的には、アルコール検知器に表示された二次元コードを、プリンタを用いて紙に印刷する方法がある。印刷された紙をサーバ装置に備えられたカメラを用いて読み取り、サーバ装置に、データを送信する。サーバ装置で暗号データを復号することにより、管理者側は、被検者のデータを確認することができる。
【0046】
本実施形態では、アルコール検知器のデータ処理手段により、アルコール濃度のデータは、機器ID、テスト番号、測定時刻データと組み合わされる例を示した。さらに、アルコール検知器に入力ボタンを設けることにより、氏名や社員ID等の個人識別データを入力し、データ処理手段によって、アルコール濃度のデータと個人識別データとを紐付ける処理を行ってもよい。
【0047】
本実施形態では、無線通信端末として携帯電話端末を示した。しかし、無線通信端末は、二次元コードを読み取るカメラを備えているものであればよく、デジタルタコグラフやドライブレコーダーのような車載情報機器でもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 アルコール検知器
2 携帯電話端末
3 サーバ装置
11 アルコールセンサ
12 計時部
13 記憶部
14 警報部
15 表示部
16 処理部
21 コード読取手段
22 暗号データ送信手段
31 復号手段
32 データ管理手段
161 アルコール濃度検出手段
162 テスト番号付与手段
163 データ処理手段
164 暗号処理手段
165 コード作成手段
166 コード表示手段
C 二次元コード
M マウスピース取付部
M1 マウスピース
P 電源ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールセンサに吹き付けられる被検出者の呼気から、アルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
少なくとも記憶部にあらかじめ記憶され、又は入力部を通じて被検出者から入力される、機器個体情報と被検出者識別情報とを含む識別データと、前記アルコール濃度のデータとを紐付けるデータ処理手段と、
前記データ処理手段により処理された送信用データを暗号化する暗号処理手段と、
前記暗号処理手段により暗号化された暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、
前記二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備えた、アルコール検知器。
【請求項2】
アルコール検知器と、無線通信端末と、サーバ装置とを有するアルコール検知システムであって、
前記アルコール検知器は、
アルコールセンサに吹き付けられる被検出者の呼気から、アルコール濃度を検出するアルコール濃度検出手段と、
記憶部にあらかじめ記憶され、又は入力部を通じて被検出者から入力される、機器個体情報と被検出者識別情報とを含む識別データと、前記アルコール濃度のデータとを紐付けるデータ処理手段と、
前記データ処理手段により処理された送信用データを暗号化する暗号処理手段と、
前記暗号処理手段により暗号化された暗号データを元に二次元コードを作成するコード作成手段と、
前記二次元コードを表示部に表示するコード表示手段とを備え、
前記無線通信端末は、
前記アルコール検知器に表示された前記二次元コードを読み取るコード読取手段と、
前記二次元コードから読み取られた前記暗号データを、前記無線通信端末から前記サーバ装置へ送信するデータ送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、前記暗号データを復号する復号手段を備える、アルコール検知システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−96965(P2013−96965A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243079(P2011−243079)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(503432043)ドレーガー セイフティー アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチエン (2)
【Fターム(参考)】