説明

アルコール消費に関連する副作用の襲来の防止若しくは遅延、又は副作用の低下若しくは緩和のための組成物

【課題】アルコール消費に関連する副作用の襲来の防止若しくは遅延、又はこれらの作用の低下若しくは緩和に有効な組成物を提供する。
【解決手段】組成物は、活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石が含まれる。場合に応じて、ビタミンB1及び/又は倦怠感緩和薬剤のような他の薬剤も含む。錠剤又はゼラチンカプセルに被包された粉末の形態が好ましい。組成物は、1投与量当たり約100ないし500ミリグラムに変化する予め調薬された量であり、アルコール消費に関連する有害な影響を低下又は緩和する方法であり、好ましくは、アルコール消費の前、中、及び後に、規則的に間隔を設けて、活性炭及び活性化石灰石を含有する組成物を投与することが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、アルコール消費に関連する影響を低減するために有効な組成物、及びこの組成物をそれが必要な対象に投与することに基づく方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
歴史が記録されてきたのと同じくらい長く、いずれの社会も雰囲気、考え及び気分を変える物質を用いてきた。アルコールに基づく飲料(alcohol based beverage)は、社会的及び文化的集まりでの重要な成分として近代史をとおして中心的役割を演じてきた。アルコールに基づく飲料が料理の楽しみ及び他の人の祝い事と関連することは、西洋文化の発展での中核であった。アルコールに基づく飲料の社会的人間の活動における役割は、地球全体にわたりますます広がっている。これは、アルコールに基づく飲料が、世界中の人々により西洋の生活様式及び文化的基準に取り込まれたことによる。
【0003】
しかしながら、適度のアルコールに基づく飲料の消費は、優美で洗練された西洋の生活様式と関連してきた一方で、アルコールの乱用及びアルコール依存性(即ち、アルコール中毒)は、ますます、近代西洋社会の公衆衛生問題になり、いまや、世界中の公衆衛生問題である。合衆国だけでも、推定1,300万の成人が、過剰なアルコール摂取を原因とするアルコール依存性の症状を示し、さらに700万人が依存性の症状を示すことなくアルコールを乱用している。
【0004】
アルコール依存性及び乱用は、経済的及び医学的観点から非常に高価である。アルコール乱用が関連する経費は、来年には2000億ドルを優に超えて合衆国に損失をもたらしているであろうと推定され、この損失は、減少又は平準化する見込みはない。アルコール乱用の帰結として個人が負わされる社会的及び心理学的損害は、例えば、より多くの子供が致死的アルコール症の状態で生まれ、及びアルコールに関係する事故、自殺、殺人等に合う被害者がより多くなる等のように、はかりしれない。アルコール乱用に関連する膨大な統計の観点から、アルコールの効果についての全てのではないとしても、ほとんどの努力は、アルコール乱用及びアルコール依存性の治療に焦点が当てられている。それらの努力は、重要であり、追求されるべきである一方で、先祖が社会的及び文化的規範内としてきたアルコールを適度に消費することによる積極的影響の重要性の影を薄くするべきではない。
【0005】
適度に消費される場合のアルコールの、より劇的でない効果は、ほとんど又は全く関心を持たれていない。適度なアルコール消費の影響に取り組むために合理的に開発された救済は、非常にわずかしかない。それらの影響には、一般的には、頭痛、震え、吐き気、胸やけ、下痢、疲れ及び認識又は視覚的空間技能の低下により特徴付けられる、アルコールに関係する「二日酔い」が含まれる。
【0006】
二日酔いとして言及される症状は、脱水、ホルモン変化、サイトカイン経路の脱制御及びアルコールの他の毒性効果と関係すると信じられている。脱水は、二日酔いの主要な原因の一つであると信じられている。アルコールが摂取されると、エタノールは、食道に導入される。体内では、アルコール及びその代謝物は、毒素として認識され、したがって、より有害性の低い化学物質に分解される。体内では、肝臓及び腎臓が、ほとんどの毒素処理を行う臓器である。肝臓及び腎臓により適切に毒素が処理されるために、毒素は水に溶解しなければならない。アルコール消費により発生する毒素の量が、胃で入手可能な水の量よりも多いとき、入手可能な体の他の領域から水が引き寄せられる。アルコール消費に関連する過剰量の毒素を処理するために、水は、通常、血液、リンパ節、及び脳から引き寄せられる。毒素の処理のために体内で入手可能な水の集中的な使用は、脱水をもたらし、その次に、単なる頭痛から脳、腎臓、肝臓、リンパ節及び人体の他の必須の部分への重篤な損害までの結果をもたらす。
【0007】
アルコール消費の他の影響は、アルコール飲料の調製中、特に発酵段階における同種物の存在に関連する。アルコール消費の影響を及ぼす他の源は、腎臓肝臓によるアルコールの代謝中のアセトアルデヒドの構築に関連する。肝臓におけるアルコール分解には、2種類の異なる酵素により触媒される二工程が含まれる。第一工程において、酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)が、アルコールを極端に毒性であるアセトアルデヒドに変換する。第二工程において、酵素であるデヒドロゲナーゼ(ALDH)が、アセトアルデヒドを無害なアセテートに変換する。
【0008】
アセトアルデヒドが、そのアセテートへの変換よりも早い速度で産生されると、肝臓に過剰なアセトアルデヒドが蓄積し、肝臓は、極端な目立った反応を起こす。体でのアセトアルデヒド蓄積のこの目立った激しい影響により、肝臓におけるアセトアルデヒド蓄積に関連する症状の治療への特別の注意が必要とされる。ほとんどの研究は、肝臓に蓄積するアセトアルデヒドの量を低減させることを助けるビタミンB6を用いることに焦点を当ててきた。なぜならば、ビタミンB6とアルコールの摂取は、ALDHによるアセトアルデヒドのアセテートへの変換を容易にする共因子であると信じられているからである。しかしながら、ビタミンB6は、一般的には、アルコールを消費すると体内に十分量入手可能であることが示され、したがって、B6の高投与量の投与は、アルコール消費の副作用の顕著な低減にはならない。しかしながら、(ADH)に要求されるビタミンB1が、アルコールの代謝の主要な酸素依存部分のために必要とされるチアミン(B1)の供給、及び体に必要とされるビタミンB1の供給の両供給のために潜在的に不十分量しか入手可能でないことが研究により示されてきた。正味の影響は、体から有効に除去するためにアルコールを無害なアセテートに分解することを困難にすることに追加して、高血中アルコールレベルは、脳へのビタミンB1供給を潜在的に低減し得る。脳におけるビタミンB1不足の長期間効果は、重篤な健康問題を引き起こし得る。
【0009】
アルコール消費の望ましくない効果を低減するための別のアプローチは、アルコール吸収物質による吸収により血流からアルコール及びその代謝物を除去することに焦点が当てられてきた。具体的には、合衆国特許4,594,249(この内容は、その全部を引用により本明細書に取り込む)には、アルコール含有飲料の消費の影響を緩和するための活性炭(activated charcoal)の使用が開示されている。この’249特許には、アルコール消費の影響が、対象の体重1キログラム当たり5ないし15ミリグラムの間を変化する量の活性炭を対象に投与することにより低減し得ることが開示されている。しかしながら、アルコール消費に関連する二日酔い症状は、活性炭を単独で投与しても限定的に軽減されるだけであった。それらの影響のより有効な軽減には、実質的により大量の活性炭の注射を必要とするに違いない。
【0010】
アルコール消費の影響の治療における活性炭の有効な使用は、50グラム又はそれ以上の範囲の高投与量の投与を必要とし得、これは、水サスペンジョンの形態で提供されるべきである。しかしながら、木炭サスペンジョンは、のどの粘性表面に固着し、また、不快であり、チョークのような味がし、これは、活性炭を摂取する望ましさを低減し得る。錠剤又はカプセルの形態で投与するために適切な投与量での活性炭の有効性が限定的であることにより、活性炭に基づくアルコール消費の影響を低減するための方法を開発する努力が停止される結果となってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
すなわち、活性炭に基づく組成物及び方法であって、しかも、カプセル及び錠剤包装のための適切な量を超える対象に投与すべき活性炭の高められた投与量を必要とすることなく、アルコール消費に関連する二日酔い症状を低減するための顕著に高められた効果を呈するものが依然として必要とされている。したがって、本発明の目的は、活性炭に基づく組成物であって、錠剤及びカプセル被包及び投与に適合する小投与量での活性炭を投与しながら、アルコール消費の影響を顕著に低減化し得る組成物を提供することである。
【0012】
関連出願のクロスレフェレンス
本出願は、2001年1月12日に出願された合衆国仮出願番号60/260,916号の利益を請求する。前記仮出願は、その全体が引用により本明細書に取り込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の要約
本発明は、活性炭と石灰石、場合に応じて活性化石灰石との組み合わせにより、アルコール消費の影響を低減化するために顕著により有効である組成物の調製を可能にし、且つ、錠剤又はカプセル形態の組成物の調製と適合する投与量の活性炭の投与が可能になるという予測せざる発見に基づいている。
【0014】
即ち、本発明の最も広い態様において、本発明は、アルコール消費に関連する副作用の発生を予防若しくは遅延させるため、又は前記副作用を低減若しくは緩和するための組成物を提供する。ここで、本発明の組成物は、活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石を含有する。場合に応じて、本発明の組成物は、ビタミンB1を更に含有することができる。典型的には、本発明の組成物は、80重量%までの活性炭、例えば、20重量%よりも多く、好ましくは、30ないし60重量%、より好ましくは、45重量%までの活性炭を含有すべきである。本発明の組成物は、80重量%までの活性化石灰石、例えば、20重量%、40重量%又は60重量%の活性化石灰石を含むことができ、好ましくは、活性化石灰石は、55重量%ないし75重量%の範囲に、より好ましくは40ないし70重量%、組成物中に存在すべきである。
【0015】
本発明の組成物に含まれ得るアルコール消費の副作用を低減化するために有益な影響を有する他の成分には、脱水剤、アルコール依存性を低減化し得る薬剤、例えば、オランザピン(olanzapine)、疲労軽減剤、例えば、L−メチオニン若しくはその生物学的に許容し得る塩、又は生物学的に許容し得るマグネシウム塩、葉酸、ビタミンB12、又はそれらの混合物が含まれる。
【0016】
第二の態様において、本発明は、アルコール摂取に関連する望ましくない「二日酔い」の影響を緩和するための方法であって、活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石を含有する組成物を、対象に投与することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好ましい態様の詳細な説明
本発明は、活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石を含有する組成物が、活性炭単独に基づく組成物を投与する場合と比較して、アルコール摂取の影響をより有効且つより早く緩和及び低減化し得るという予期せざる発見に基づいている。本発明の組成物の高められた活性により、本発明の活性炭に基づく組成物は、活性炭に基づく組成物を、粉末の形態にある組成物を含有する錠剤又はカプセルの形態に調製することが可能になる。具体的には、本発明は、活性炭及び活性化石灰石が相乗的に組み合わされ、血流中のアルコール又はその有害な代謝物の存在を顕著に低減化するという発見に基づいている。
【0018】
活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石の組み合わせにより、本発明の組成物の吸着特性(adsorption properties)を顕著に高めることが可能になると信じられている。体重1キログラムあたり5ないし15ミリグラムの量の活性炭を用いながら、本発明の組成物の薬効を顕著に増加させることにより、錠剤形態又はカプセルに被包された粉末のような許容し得る形態に本発明の組成物を処方することができる。基本的には、石灰石、場合に応じて活性化石灰石の添加により、活性炭に基づく組成物は、いまや、アルコール摂取に関連する症状の緩和にずっとより望ましい。本発明の組成物は、多様な配達システムに取り込まれ得ることを認識し、活性成分、即ち、活性炭及び活性化石灰石は、20ないし80重量%の活性炭(20ないし80重量%の活性化石灰石に対応)、好ましくは30ないし50重量%の活性炭の量が、埋め合わせの活性化石灰石といっしょに存在することができる。
【0019】
活性炭は、微細で、黒く、不溶性粉末であり、味又は匂いがない。木のような有機材料の燃焼による調製の後、それは、高温での酸化ガス流により活性化される。このプロセスにより、孔の内部ネットワークを有する固体であって、この内部ネットワークは、その固体の外表面積よりもずっと大きい内表面積を呈している。例えば、活性炭の総表面積は、1グラム当たり1,000メートルのオーダーである一方で、総全体積は、1グラム当たり約1立方センチメートルである。活性炭は、多くの異なる等級で、多様な商品名の下に、商業的に入手可能である。
【0020】
活性炭と共同して、本発明の組成物は、石灰石、場合に応じて活性化石灰石も含有する。石灰石は、炭酸カルシウム(CaCO3)から主として構成される堆積岩であり、通常、方解石又はアラレ石の形態にある。石灰石は、炭酸マグネシウム(苦灰石)もかなりの量含有することができる。共存する、より少ない成分には、粘土、炭酸鉄、長石、黄鉄鉱及び石英も含まれる。ほとんどの石灰石は、粒子状質感を有する。それらの構成粒子のサイズは、0.01mm(0.00004インチ)から可視顆粒の範囲にある。多くの場合、粒子は、化石動物殻の微細断片である。石灰石は、2つの源を有する。(1)海水からの生物由来の沈殿物(原地性石灰石)であって、主要な成分は、石灰分泌有機物及び有孔虫である、及び(2)以前から存在する石灰石の機械的輸送及び堆積(異地性石灰石)であって、砕屑堆積を形成している。石灰石は、地球科学者を長く魅惑してきた。なぜならば、それが豊富に化石を含有しているからである。石灰石は、多くの源から商業的に入手可能であり、それには、プライム PVC インク(Prime PVC Inc.)が含まれる。
【0021】
本発明に従う組成物は、多様な形態で対象に投与され得るが、好ましくは水溶性カプセル被包材料中にばらばらの粉末の形態で与えられる。カプセルには、1カプセル当たり100ないし800ミリグラム、好ましくは100ないし500ミリグラムの範囲で都合のよい投与量が含有される。本発明の組成物は、錠剤形態で、好ましくは1錠剤当たり約50ないし300ミリグラムの投与サイズで投与されることもできる。本発明の活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石を組み合わせる効果は、2つのタイプの錠剤又はカプセルであって、1つのタイプの錠剤又はカプセルは活性炭を含有し、もうひとつのタイプの錠剤又はカプセルは石灰石又は活性化石灰石を含有するものを投与することにより奏することもできる。
【0022】
本発明の組成物であって、活性炭及び石灰石、場合に応じて活性化石灰石、及び場合に応じてビタミンB1のような他の成分を含むものは、多様な方法に従い調製することができる。具体的には、本発明の組成物は、合衆国特許第5,496,566号(その内容は、引用によりそれらの全体を本明細書に取り込む)に開示される方法に従い調製することができる。
【0023】
アルコール摂取の不都合な副作用を有効に緩和するために、本発明の組成物は、好ましくは、自己投与のために好適な形態且つ予め調薬された量に、包装される。好ましくは、第一服目は、本発明の組成物を含有する錠剤又はカプセルの形態にあり、アルコール飲料を飲み始めたとき又は飲み始めるわずかに前に、対象により摂取される。予め調薬された錠剤又はカプセルは、好ましくは体重1キログラム当たり約5ないし15ミリグラムの本発明の組成物を含有する。例えば、本発明の組成物の標準的一服には、それぞれ300ないし600ミリグラム、好ましくは400ミリグラムの本発明の組成物を含有する2つの錠剤又はカプセルが含まれる。
【0024】
アルコール摂取に関連する有害な影響の開始を低減又は予防するための本発明の組成物の最適の作用には、適度のアルコール消費中には1ないし3時間、又は大量の飲酒中には1ないし2時間の間隔で、本発明の組成物の1投与量を自己投与することが含まれる。アルコールが消費されると、消化管中に摂取され、迅速に循環系に吸収される。アルコール消費中に、活性炭及び石灰石(好ましくは活性化石灰石)、さらに、場合に応じてビタミンB1を含む本発明の組成物の1投与量を投与することにより、血流中のアルコールの吸収を低下させるが、完全には排除しない。したがって、血流中のアルコール及びその代謝物の存在に関連する高揚感のようなアルコール消費に関連より望ましい作用は、依然として維持される一方で、血流中のアルコール又はその代謝物の過剰な存在に関連する有害な影響は、顕著に低減又は排除される。過剰量のアルコール及び/又はその代謝物は、本発明の組成物の活性化アルコール及び活性化石灰石により吸収される一方で、任意の他の成分は、アルコール又はその代謝物の吸収(absorption)又は吸着(adsorption)以外のメカニズムによりアルコール及びその代謝物の影響を低下することを助ける。
【0025】
アルコール消費の期間の終わりに本発明の組成物のいくつかの最終投与量を投与することが非常に望ましい。アルコール摂取が停止された後に投与される本発明の組成物は、循環系からエタノール及びその代謝物を取り除くことを助ける。本発明の組成物によるアルコール、その代謝物及びその産生に関連する類似物の吸着は、これらの成分が消化管に戻る運動に有利な、これらの望ましくない成分の濃度勾配を作る。したがって、血流中に存在するアルコール、その代謝物及び類似物の量は、顕著に低下し、それによって、その次に、アルコール消費に関連する有害な作用、具体的には、「二日酔い」作用に関連するとして知られているものを顕著に低下することができる。
【実施例】
【0026】
アルコールに基づく飲料を摂取した際の血中アルコール水準を顕著に低下させる本発明の組成物の薬効を示すために、アルコール飲料を提供されたボランティア群に本発明の組成物を投与し、酒気検知器法により血中アルコール分析に供した。第一群(対象A〜D)は、多様なアルコール飲料及び本発明の一つの態様に従う活性炭及び活性化石灰石を含有する組成物約850ミリグラムを含有するカプセル2つを提供された4名の女性からなり、カプセルは、二回目の飲酒とともに経口により自己投与された。第二群(対象E及びF)は、二人の男性からなり、各人は、各々本発明の組成物900ミリグラムを含有するカプセル2つを最後の飲酒直後に摂取した。ボランティアの特徴及びこの実験中に得られた結果を表1〜3にまとめる。
【表1】


【表2】


【表3】

【0027】
表3に示す結果は、本発明の組成物は、飲酒期間中の最後に本発明の組成物を摂取する場合と比較して、飲酒期間の途中に摂取する場合が非常に有効であることを示している。もし、本発明の組成物が、飲酒期間の開始に先立ち投与されるならば、本発明の組成物を飲酒期間中に摂取した対象で得られた結果と同様の結果が得られるであろう。しかしながら、飲酒期間の開始よりも前に本発明の組成物が摂取されると、アルコールの影響は、基本的には低下し、対象は、アルコール飲料を飲むことに関連する高揚を経験しないかもしれない。したがって、好ましい態様において、血中アルコール水準を低く保つ一方で、同時に、対象が適度なアルコール摂取に関連する高揚及び良い気分のいくつかを経験できるように、本発明の組成物は、飲酒期間の開始後まもなく(一回目の飲酒の後)投与される。
【0028】
本発明の組成物の二日酔い症状の低減又は排除する薬効を試験(注)するために、ランダム化し、ブラインドのプラセボ制御された試験を9人の男性及び女性対象に対して行った。
【0029】
(注)アメリカ合衆国、ミシガン州、コマース・タウンシップ(Commerce Township)の独立臨床試験社(Independent Clinical Investigators, Inc.,)により行われた。プロトコールは、シカゴ大学アルコール研究センター(Alcohol Research Center)及び人研究のための協会再検討委員会(Institutional Review Board for Human Studies)により開発及び承認された。
【0030】
まず。10人の対象が、試験プロトコールに入った。一人は、アルコール摂取に対していずれの反応も示さなかったので不適格とされた。残りの9人の対象が、表4に示すようにランダムな順番で行った4晩の期間に参加した。約半時間ごとに消費された飲み物は、国産ワイン(約13.5ないし14体積%のアルコール)、体重当たりの体積で、約0.25gアルコール/体重kgに等価(2時間の期間にわたりトータルで1gのアルコール/体重kgが投与された)からなり、表4に指摘されるように、この期間中に投与された投与量は、2カプセル(約35重量%の活性炭及び約65重量%の活性化石灰石を含む450ミリグラムのカプセル)に等しい。
【表4】

【0031】
測定は頭痛、倦怠感、口の渇き、下痢、食欲不振、吐き気、震え及び全体の健康の感覚についての主観的症状点数に基づいて行われ、試験期間の翌日(午前8:30ないし9:30)に記録された。ほとんど全部の場合において、症状の重篤性は、低減された。二重投与量期間(連続D)対プラセボ期間(連続A)について収集されたデータに基づく結果を表5にまとめる。
【表5】

【0032】
上に報告される結果から、活性化炭酸カルシウム/木炭の投与は、二日酔いになった対象において、最もアルコールに関係する二日酔い症状の重篤性を顕著に低下させることに関連した。
【0033】
本発明を説明の観点で説明してきたが、本発明の範囲は、先に記載する特許請求の範囲によってのみ制限される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール消費に関連する副作用の襲来の防止若しくは遅延、又は前記副作用の低下若しくは緩和のための組成物であって、前記組成物が、活性炭及び石灰化を含有する組成物。
【請求項2】
前記石灰石が、活性化石灰石を含有する請求項1の組成物。
【請求項3】
ビタミンB1を更に含む請求項1の組成物。
【請求項4】
前記組成物が錠剤形態である請求項1の組成物。
【請求項5】
前記組成物が粉末形態である請求項1の組成物。
【請求項6】
前記組成物がカプセル形態である請求項1の組成物。
【請求項7】
再水和剤(re-hydrating agent)をさらに含有する請求項1の組成物。
【請求項8】
アルコール依存症を低減させ得る薬剤を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項9】
前記アルコール依存性を低減させ得る薬剤が、オランジピン(Olanzipine)を含む請求項8の組成物。
【請求項10】
アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を高め得る薬剤をさらに含有する請求項1の組成物。
【請求項11】
前記酵素アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)活性を高め得る薬剤がビタミンB1を含有する請求項10の組成物。
【請求項12】
倦怠感緩和剤を更に含有する請求項1の組成物。
【請求項13】
前記倦怠感緩和剤が、L−メチオニン若しくはその生物学的に許容し得る塩、生物学的に許容し得るマグネシウム塩、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12又はそれらの混合物を含む請求項12の組成物。
【請求項14】
アルコール消費に関連する副作用の襲来の防止若しくは遅延、又は前記副作用の低下若しくは緩和のための組成物であって、且つ前記組成物が、活性炭及び石灰化を含有し、前記組成物が、活性炭単独により吸着されるアルコール又はその代謝物の量よりも多い量のアルコール又はその代謝物を吸着し得るものである組成物。
【請求項15】
活性炭及び石灰石を含有する組成物を対象に投与することを含む、アルコール消費の有害な影響を緩和するための方法。
【請求項16】
前記石灰石が、活性化石灰石を含有する請求項15の方法。
【請求項17】
前記組成物が、ビタミンB1を更に含有する請求項15の方法。
【請求項18】
活性炭が、前記対象の体重1キログラム当たり約5ないし15ミリグラムの量の木炭を提供する請求項15の方法。
【請求項19】
前記組成物が、活性炭単独の投与により提供される軽減よりも大きいアルコールの有害な影響を軽減することを引き起こし得る請求項15の方法。
【請求項20】
前記組成物が、錠剤形態で提供される請求項15の方法。
【請求項21】
前記組成物が、カプセル被包粉末形態で提供される請求項15の方法。
【請求項22】
前記組成物が、ゼラチンに基づくカプセルに被包されている請求項21の方法。
【請求項23】
前記組成物が、アルコール乱用治療と併せて投与される請求項15の方法。
【請求項24】
活性炭及び活性化石灰石を含有する組成物を約100ないし800ミリグラム含む錠剤。
【請求項25】
前記錠剤が、約100ないし500ミリグラムの前記組成物を含む請求項24の錠剤。
【請求項26】
粉末形態の組成物を約100ないし約800ミリグラム含有するカプセルであって、前記組成物が活性炭及び活性化石灰石を含むカプセル。
【請求項27】
前記錠剤が、約100ないし500ミリグラムの前記組成物を含む請求項26のカプセル。

【公開番号】特開2013−79289(P2013−79289A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−18646(P2013−18646)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2009−191916(P2009−191916)の分割
【原出願日】平成14年1月11日(2002.1.11)
【出願人】(510272506)チェイサー サプリメンツ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】