説明

アルコール飲料セット

【課題】簡便に氷を用いて、「オン・ザ・ロックス」でアルコール飲料を飲むことができるようにするアルコール飲料セットを提供すること。
【解決手段】一方端9が開放端となると共に他方端11に凹部13が形成された中空のカップ本体3と、前記開放端側から収納される氷5と、前記凹部13に収容されるアルコール飲料容器7とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール飲料セットに係り、特に、氷を用いて「オン・ザ・ロックス」でアルコール飲料を飲む場合に簡便なアルコール飲料セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、アルコール飲料と、これを飲むための容器をセットにしたアルコール飲料セットとしてはいくつか提案されている。第1の例としては、ウィスキーボトルと水割り用容器と割り水をセットとして包装したものである(特許文献1参照。)。また、第2の例としては、酒類と、容量表示目盛り付容器と、果実の包装体をセットとして包装したものである(特許文献2参照)。更に、第3の例としては、酒類と容器とをシュリンクパックしたものである(特許文献3参照。)。
【特許文献1】実開平5−672号
【特許文献2】特開2002−186477号
【特許文献3】特開2003−54636号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記各従来例は、以下のような問題点を有している。即ち、上記各従来例は、単に酒類や割り水或いは果実などをセットとして包装しているに過ぎない。このため、酒類を「オン・ザ・ロックス」として楽しむことはできない。ここで、「オン・ザ・ロックス」とは、グラスに氷を2〜3個入れて酒を注ぐ飲み方のことを指す。美味しい「オン・ザ・ロックス」を作るには、大きめのカドが少ないカチ割り氷を用いることが望ましく、酒類が一番薄まりにくい飲み方を希望するのであれば、氷の表面積が最小である球状の氷を用いることもある。即ち、上記各従来例で、「オン・ザ・ロックス」を楽しむには、氷を別途用意しなければならず、また通常市販されている氷は、そのサイズも様々である為、所望するサイズの氷を別途用意することは煩雑であり、また、市販されている氷は通常大きな包装袋に大量に収容されている為、容器1杯程度の酒類を飲む場合には、使用しない氷が無駄になってしまう。そもそも、上記各従来例では、液体飲料を、注ぎ込む部分にアルコール飲料容器としてのウイスキーボトルや割り水用容器などが収納されるため、開封する部分に異物が残ってしまう可能性もある。そこで、本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、カップ本体の開放端の他端側に凹部を形成し、この凹部に、酒類が収容されたアルコール飲料容器を収容することにより、「オン・ザ・ロックス』を楽しむのに適したサイズの氷を、酒類とセットで、冷蔵庫内にコンパクトに収容し販売することができるとの考えの下、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、「オン・ザ・ロック」を楽しむことができるアルコール飲料セットの販売を可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記した課題を解決するために、本願発明に係るアルコール飲料セットでは、一方端が開放端となると共に他方端に凹部が形成された中空のカップ本体と、前記開放端側から収納される氷と、前記凹部に収容されるアルコール飲料容器とからなる、という構成を採っている。
【0005】
また、前記凹部は中空円柱形状である、という構成を採っている。
【0006】
また、前記開放端は所定の密封部材で密封されている、という構成を採っている。
【0007】
また、前記カップ本体と前記アルコール飲料容器とがシュリンクフィルムによって包装されている、という構成を採っている。
【0008】
また、前記アルコール飲料容器には蒸留酒が収容されている、という構成を採っている。
【0009】
更に、前記氷は、前記カップ本体の底に接触しない大きさである、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るアルコール飲料セットにより、別途、氷を用意することなく、「オン・ザ・ロックス」として酒類を楽しむことができる。また、「オン・ザ・ロックス」を楽しむのに望ましい、カドが少ないカチ割り氷を予めセットとして提供をすることができる。また、アルコール飲料容器の収納部と飲料注入部が完全に分離されているので、飲料注入部への異物の残留などの問題も生じない。更には、冷蔵庫に収容して販売することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るアルコール飲料セット1を示す図であり、図1(A)は平面図を示し、図1(B)は図1(A)のb−b線における縦断面図を示している。
【0012】
図1から明らかなように、本実施形態のアルコール飲料セット1は、全体として飲料用カップのような逆円錐台形状をしている。そして、アルコール飲料セット1は外形が逆円錐台形状のカップ本体3と、このカップ本体3の内部に収納されている氷5及びアルコール飲料容器7とからなり、これらがセットとしてシュリンクフィルム8でパックされている。但し、カップ本体3は単純な円筒形状でもよいし、円錐台形状でもよい。或いは四角柱形状やその他の多角形形状でもよい。
【0013】
カップ本体3は一方端(図1では上端)9の全体が開放端となっており、この開放端9から氷5が収納されている。一方、カップ本体3の他方端(図1では底面)11の中央部には略円柱形状の凹部13が形成されている。そして、この凹部13にはアルコール飲料容器7が収納されている。カップ本体3の材質は様々なものが考えられるが、具体的にはプラスチックや紙などが最適である。プラスチックを用いる場合には、透明な材料を選択することで、購買者に中身を見せることもできる。上記凹部13の形状は円柱状でなくてもよく、アルコール飲料容器7が収容できる形状であればよい。
【0014】
アルコール飲料容器7にはアルコール飲料が収容され、キャップ等で閉止されたものであり、いわゆるミニチュアボトルと呼ばれる小容量の容器である。ここで言うアルコール飲料とは、氷と共に0℃以下の冷蔵庫内に収容されて販売されるものであるので、ウィスキーやスピリッツ類等の蒸留酒であって、アルコール度数が高いものが好ましい。アルコール度数は、好ましくは25%以上であり、より好ましくは30%以上であり、更に好ましくは40%以上である。カップ本体3の凹部13は、アルコール飲料容器7の高さや直径に対応した寸法となっている。このアルコール飲料容器7は、アルコールが収容できるものであれば、その形状、材質等は問わない。
【0015】
また、開放端9に密封部材(図示略)を貼り付けて、その上からシュリンクフィルム8で包装することも有利である。予め密封部材を貼り付けることにより、シュリンクフィルム8を剥がした場合でも、カップ本体3の内部の氷が飛び出さないからである。
【0016】
次に、上記した本実施形態のアルコール飲料セット1の使用方法について説明する。当該アルコール飲料セット1は内部に氷5が収容されているため、冷蔵庫などに収納されて販売される。ウィスキーなどのアルコール飲料はアルコールが含まれており融点が水よりも低いので、0℃以下の温度に保っても凍ることはない。
【0017】
本発明で用いる氷5は、「オン・ザ・ロックス」を楽しむのに好適な大きさの氷であり、具体的には氷5がカップ本体3の底に接触しない大きさである。このような目的を実現するためには、カップ本体3における底の隙間(円筒状凹部13の壁とカップ本体3の外壁との隙間)よりも氷5の最小厚さが厚ければよい。こうすることで、氷5はカップ本体3の底に接触する前に両壁面に接触して途中で止まる。尚、氷5の形状は様々なものが考えられるが、カドが少ないカチ割り氷が好適であるが、丸い氷であってもよい。尚、氷5は図1(B)に示すように、細長い氷を用いてその上端部がカップ本体3の上端部近傍にまで到達するような寸法とすることも望ましい。こうすることで、氷5の上端部がアルコール飲料の面から飛び出し、氷5を目でも楽しめるからである。
【0018】
そして、購入者は、先ず外部のシュリンクフィルム8を剥がす。この段階で、凹部13からアルコール飲料容器7を取り出すことが可能となる。一方、開放端9に密封部材が貼り付けられている場合には、シュリンクフィルムを剥がしても氷が内部から飛び出すことはない。次に、開放端9の密封部材を剥がす。そして、アルコール飲料容器7内のアルコール飲料を開放端9から注ぐ。これにより、ウィスキーなどのアルコール飲料を「オン・ザ/ロックス」で飲むことが可能となる。但し、好みに応じて割り水、ソーダ水等を加え、水割りやソーダ割り等として飲むことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
アルコール飲料と容器をセットにしたアルコール飲料セットに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る飲料セットであり、図1(A)は平面図を示し、図1(B)は図1(A)のb−b線における縦断面図を示す。
【符号の説明】
【0021】
1 アルコール飲料セット
3 カップ本体
5 氷
7 アルコール飲料容器
8 シュリンクフィルム
9 開放端
11 他方端
13 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方端が開放端となると共に他方端に凹部が形成された中空のカップ本体と、
前記開放端側から収納される氷と、
前記凹部に収容されるアルコール飲料容器とからなることを特徴とするアルコール飲料セット。
【請求項2】
前記凹部は中空円柱形状であることを特徴とする請求項1に記載のアルコール飲料セット。
【請求項3】
前記開放端は所定の密封部材で密封されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルコール飲料セット。
【請求項4】
前記カップ本体と前記アルコール飲料容器とがシュリンクフィルムによって包装されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のアルコール飲料セット。
【請求項5】
前記アルコール飲料容器には蒸留酒が収容されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のアルコール飲料セット。
【請求項6】
前記氷は、前記カップ本体の底に接触しない大きさであることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のアルコール飲料セット。

【図1】
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【公開番号】特開2007−302297(P2007−302297A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132359(P2006−132359)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)
【出願人】(593162969)株式会社ドッヂ商会 (2)
【Fターム(参考)】