説明

アルツハイマー病の治療のためのアリール酢酸および関連化合物

式Iの化合物は、脳内のβ−アミロイド沈着に関連する疾患の治療に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の治療処置に使用する化合物に関する。特に、本発明は、アルツハイマー病など脳内のβ−アミロイドペプチド沈着に関連する疾患の治療に有用なアリール酢酸および関連化合物、またはこのような疾患に伴う認知症の発症を予防もしくは遅延させるアリール酢酸および関連化合物を提供する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、認知症の最も一般的な形態である。その診断については、米国精神医学会(American Psychiatric Association)刊行の精神疾患の分類と診断の手引(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)、第4版(DSM−IV)において記載されている。この疾患は、臨床的には記憶および全般的な認知機能の進行性喪失を特徴とし、病理学的には患者の脳の皮質および連合野領域における細胞外タンパク質プラークの沈着を特徴とする、神経変性疾患である。これらのプラークは、主に、β−アミロイドペプチド(Aβ)の繊維凝集体を含む。Aβは、酵素β−セクレターゼおよびγ−セクレターゼが関与する別個の細胞内タンパク質分解イベントを介して、アミロイド前駆体タンパク質(APP)から形成される。γ−セクレターゼが介在するタンパク質分解部位は多様であるため、例えば、Aβ(1−38)、Aβ(1−40)およびAβ(1−42)など、様々な鎖長のAβがある。Aβ(4−42)などのN−末端切断型も脳内で認められるが、これはおそらくβ−セクレターゼが介在するタンパク質分解部位が多様であることの結果である。便宜上、本明細書では、「Aβ(1−40)」および「Aβ(1−42)」などの表現には、N−末端切断型変異体などが含まれる。Aβは、細胞外液に分泌された後、ADにおいてキーとなる神経毒性物質であると広く考えられている(Gongら、PNAS、100(2003年)、10417〜22頁)、最初は可溶性である凝集体を形成し、最終的にはADの病理学的特徴である不溶性の沈着物および高密度の老人斑となる。
【0003】
脳内のAβ沈着に関連する他の認知症疾患には、脳アミロイド血管障害、アミロイドーシスに関連する遺伝性大脳出血、オランダ型(HCHWA−D)、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症およびダウン症候群が挙げられる。
【0004】
ADに対する治療処置としては、プラーク形成過程における様々な介入方法が提案されている(例えば、HardyおよびSelkoe、Science、297(2002年)、353〜6頁参照。)。提案されている治療方法の1つに、例えば、β−またはγ−セクレターゼの阻害により、Aβの産生をブロックする、または減衰させることが挙げられる。また、グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3(GSK−3)の阻害、特にGSK−3αの阻害により、Aβ産生をブロックできることも報告されている(Phielら、Nature、423(2003年)、435〜9頁参照。)。
【0005】
他の提案された治療方法には、Aβの凝集をブロックする化合物の投与、およびAβに選択的に結合する抗体の投与がある。
【0006】
別の提案された治療方法は、Aβ(1−42)産生を選択的に減衰させるようにγ−セクレターゼの作用を調整するというものである。これにより、Aβの短鎖アイソフォームが優先的に分泌されることになる。Aβの短鎖アイソフォームは、自己凝集およびプラーク形成の傾向が低いと考えられ、したがって、脳から容易に除去され、および/または神経毒性が低い。この効果を示す化合物には、ある種の非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDs)およびこの類似体が挙げられる(WO01/78721およびUS2002/0128319およびWeggenら、Nature、414(2001年)、212〜16頁;Moriharaら、J.Nuerochem.、83(2002年)、1009〜12頁;およびTakahashiら、J.Biol.Chem.、278(2003年)、18644〜70頁参照。)。PPARαおよび/またはPPARδの活性を調整する化合物は、Aβ(1−42)を減少させる効果を有することも報告されている(WO02/100836)。酸化窒素を放出可能なNSAID誘導体は、動物モデルにおいて、抗神経炎症作用の向上および/または脳内のAβ沈着の減少を示すことが報告されている(WO02/092072;Jantzenら、J.Neuroscience、22(2002年)、226〜54頁)。US2002/0015941は、容量性カルシウム流入活性を増強する薬剤は、Aβ(1−42)を減少させることができることを示している。
【発明の開示】
【0007】
日本特許出願第08−325182号は、抗血栓剤として、ある種のテルフェニル−置換アルカン酸誘導体(酢酸誘導体を含む)を開示している。Aβの分泌に対するいずれかの作用、または脳のAβ沈着に関連するADもしくはいずれか他の疾患の治療もしくは予防におけるいずれかの活用については、開示または示唆されていない。
【0008】
現在、ある種の置換されたアリール酢酸および関連化合物は、Aβ(1−42)の産生を選択的に阻害する望ましい特性を有することが明らかになっている。
【0009】
本発明によれば、脳内のβ−アミロイド沈着に関連する疾患を治療または予防する薬剤を製造するための、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩の使用:
【0010】
【化3】

[式中、nは、0、1または2であり;
Yは、NまたはCHであり;
Zは、NまたはCRであり;
AおよびBは、独立して、結合またはC、O、NおよびSから選択される1から3個の原子の鎖を含む二価の連結基を表し、但し、前記原子の多くとも1個は、O、NまたはSであり;
およびRは、独立して、H、F、ORもしくはRを表し、または一緒になって、C1〜4アルキル置換基を場合によっては有するC3〜6シクロアルキル基を完成させ;
およびRは、独立して、5から10個の炭素原子の非環状炭化水素基、またはC、N、OおよびSから選択される5から10個の環原子を含む単環式環系もしくは二環式環系を表し、但し、任意の単一の環における多くとも3個の環原子は、C以外であり、前記環系は、ハロゲン、N、CN、NO、R、OR、SR、CO、OCORおよびCORから選択される最大3つの置換基を場合によっては有し;
は、最大3個のハロゲン原子で場合によっては置換された、最大7個の炭素原子の炭化水素基を表し;
は、Hを表し、またはRと同様の定義を有する。]
が提供される。
【0011】
特定の実施形態では、AおよびBは、独立して、結合またはC、OおよびSから選択される1から3個の原子の鎖を含む二価の連結基を表し(但し、前記原子の多くとも1つは、OまたはS。)、および
およびRは、それぞれ独立に、H、F、もしくはRを表し、または一緒になってC3〜6シクロアルキル基を完成させ;および
およびRは、独立して、6〜10個の炭素原子の炭化水素基、またはC、N、OおよびSから選択される5から10個の環原子を含む単環式環系もしくは二環式環系を表す(但し、任意の単一の環における多くとも3個の環原子は、C以外であり、前記環系は、ハロゲン、CN、NO、R、OR、SR、CO、OCORおよびCORから選択される最大3つの置換基を場合によっては有していることを条件とする)。
【0012】
式Iにおいて、変数が1回を超えて出現する場合、前記変数が任意の特定の出現において取るアイデンティティは、任意の他の出現において前記変数が取るアイデンティティとは無関係である。
【0013】
脳内のAβ沈着に関連する疾患は、一般的にはアルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管障害、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症またはダウン症候群であり、好ましくはADである。
【0014】
第二の態様において、本発明は、アルツハイマー病、脳アミロイド血管障害、HCHWA−D、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症もしくはダウン症候群に伴う認知症の発症を治療、予防または遅延させる薬剤の製造において、上述の式Iの化合物、または薬学的に許容されるこの塩の使用を提供する。
【0015】
本発明はまた、必要とする患者に、上述した式Iの化合物、または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を投与することを含む、脳内のAβ沈着に関連する疾患を治療または予防する方法も提供する。
【0016】
さらなる態様において、本発明は、必要とする患者に、上述した式Iの化合物、または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を投与することを含む、アルツハイマー病、脳アミロイド血管障害、HCHWA−D、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症もしくはダウン症候群に伴う認知症の発症を治療、予防または遅延させる方法を提供する。
【0017】
式Iの化合物は、Aβ(1−40)などの短鎖アイソフォーム産生を大幅に低下させることなく、Aβの(1−42)アイソフォーム産生を選択的に減衰させるようにγ−セクレターゼの作用を調整する。これにより、自己凝集および不溶性沈着物の形成傾向が低く、脳から容易に除去され、および/または神経毒性が低いAβが分泌されることになる。したがって、本発明のさらなる態様は、必要とする対象に、上述した式Iの化合物、または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を投与することを含む、脳内のAβ蓄積を遅延、阻止または予防するための方法を提供する。
【0018】
式Iの化合物は、γ−セクレターゼ活性を抑制するのではなく、前記活性を調節するため、副作用(例えば、γ−セクレターゼにより制御される他のシグナル伝達経路(例えば、Notchなど)の阻害に起因する可能性のあるものなど)のリスクの低い、上述した治療効果が得られると考えられる。
【0019】
本発明の1つの実施形態において、式Iの化合物は、AD、脳アミロイド血管障害、HCHWA−D、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症またはダウン症候群に罹患している患者に投与されるが、好ましくはAD患者に投与される。
【0020】
本発明の代替の実施形態において、式Iの化合物は、軽度認知障害または加齢関連認識衰退に罹患している患者に投与される。このような治療の好ましい成果とは、AD発症の予防または遅延である。加齢関連認識衰退および軽度認知障害(MCI)とは、記憶障害は見られるが、認知症に対する他の診断基準が見られない状態である(SantacruzおよびSwagerty、American Family Physician、63(2001年)、703〜13頁)。(「精神障害および行動障害に関するICD−10分類」(“The ICD−10 Classification of Mental and Behavioural Disorders”)、ジュネーブ:世界保健機関、1992年、64〜5頁も参照のこと。)。本明細書では、「加齢関連認識衰退」とは、記憶および学習;注意および集中;思考;言語;および視空間機能のうち少なくとも1つが、最低6カ月間にわたり低下すること、およびMMSEなどの標準化神経心理テストにおいて、基準を下回る標準偏差が1を超えるスコアであることを意味する。特に、進行性の記憶力低下が認められる。より重度の状態のMCIにおいては、記憶障害の程度は、患者の年齢に対して正常とみなされる範囲外となるが、ADは認められない。MCIおよび軽度ADの鑑別診断については、Petersenら、Arch.Neurol.、56(1999年)、303〜8頁に述べられている。MCIの鑑別診断に関するさらなる情報は、Knopmanら、Mayo Clinic Proceedings、78(2003年)、1290〜1308頁に提供されている。高齢の対象に関する研究において、Tuokkoら(Arch,Neurol.、60(2003年)577〜82頁)は、発症時にMCIを示す者は、5年以内に認知症を発症するリスクが3倍上昇することを明らかにした。
【0021】
Grundmanら(J.Mol.Neurosci.、19(2002年)、23〜28頁)は、MCI患者におけるベースラインの海馬体積の低下は、その後のADに対する予後指標となることを報告している。同様に、Andreasenら(Acta Neurol.Scand、107(2003年)47〜51頁)は、総タウのCSFレベルの高さ、ホスホ−タウのCSFレベルの高さ、およびAβ42のCSFレベルの低さは全て、MCIからADへ進展するリスクの増加と関連していることを報告している。
【0022】
この実施形態内において、式Iの化合物は、有利には、記憶機能障害をきたしているものの認知症症状を示さない患者に投与される。このような記憶機能障害は、通常、卒中または下垂体機能不全による代謝障害など、全身性疾患または脳疾患に起因するものではない。このような患者は、特に55歳以上の人であり、特に60歳以上の人、好ましくは65歳以上の人でありうる。このような患者は、その年齢に対する成長ホルモン分泌のパターンおよびレベルが正常である可能性がある。しかし、このような患者は、アルツハイマー病発症の1つ以上のさらなる危険因子を保有している可能性がある。このような因子には、この疾患の家族歴;この疾患に対する遺伝的素因;血清コレステロール値の上昇;および成人発症型糖尿病が挙げられる。
【0023】
本発明の特定の実施形態において、式Iの化合物は、ADの家族歴;ADに対する遺伝的素因;血清コレステロール値の上昇;成人発症型糖尿病;ベースラインの海馬体積の上昇;総タウのCSFレベルの上昇;ホスホ−タウのCSFレベルの上昇;およびAβ(1−42)のCSFレベルの低下から選択される、1つ以上のAD発症危険因子をさらに保有している加齢関連認識衰退またはMCIの罹患患者に投与される。
【0024】
遺伝的素因(特に早期発症型ADに対して)は、APP、プレセニリン−1およびプレセニリン−2遺伝子を含む、いくつかの遺伝子の1つ以上における点変異に起因する可能性がある。また、アポリポプロテインE遺伝子のε4アイソフォームがホモ接合型である患者は、AD発症リスクがより高い。
【0025】
患者の認知の衰退または障害の程度は、例えば、認識衰退の減速または停止など、治療コースにおける変化を検出できるように、有利には、本発明による治療コースの前、最中および/または後で定期的に評価される。この目的のため、当技術分野においては、年齢および教育に関する基準が調整されたミニメンタルステート検査(MMSE)などの様々な神経心理テストが知られている(Folsteinら、J.Psych.Res.、12(1975年)、196〜198頁、Anthonyら、Psychological Med.、12(1982年)、397〜408頁;Cockrellら、Psychopharmacology、24(1988年)、689〜692頁;Crumら、J.Am.Med.Assoc’n.18(1993年)、2386〜2391頁)。MMSEは、成人における認知状態の簡易な、定量的測定法である。MMSEは、認知の衰退または障害をスクリーニングし、ある時点での認知の衰退または障害の重症度を評価し、経時的な個人における認知変化の経過を追跡し、および治療に対する個人の反応を記録するために用いることができる。別の適切なテストは、アルツハイマー病評価スケール(Alzheimer Disease Assessment Scale)(ADAS)であり、特にその認知機能検査(ADAS−cog)である(Rosenら、Am.J.Psychiatry、141(1984年)、1356〜64頁参照。)。
【0026】
本発明のさらなる態様によれば、上述した式Iによる化合物、または薬学的に許容されるこの塩が提供される(但し、nが1または2であり、YおよびZがCHであり、ならびにAおよびBがいずれも結合を表し、ならびにRおよびRの少なくとも一方がHである場合、RおよびRは両方共が非置換フェニルを表さないことを条件とする)。
【0027】
本明細書では、「炭化水素基」という表現は、炭素および水素原子のみからなる基のことをいう。このような基は、単独または示された炭素原子の最大数に一致するいずれかの組み合わせで、直鎖、分岐または環状構造を含んでよく、および特に指摘がない限り、示された炭素原子の最大数が許す場合には芳香族性を含め、飽和または不飽和状態であってよい。
【0028】
本明細書では、「C1〜xアルキル」(ここで、xは、1を超える整数)とは、構成炭素原子数が1からxの範囲である、直鎖および分岐アルキル基のことをいう。特定のアルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルである。「C2〜6アルケニル」、「ヒドロキシC1〜6アルキル」、「ヘテロアリールC1〜6アルキル」、「C2〜6アルキニル」および「C1〜6アルコキシ」などの誘導発現は、類似の様態とみなされるべきである。
【0029】
「C3〜6シクロアルキル」という表現は、3から6個の環原子を含有する環状非芳香族炭化水素基のことをいう。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルがある。
【0030】
本明細書で使用されている「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含み、このうち、特に指摘のない限り、フッ素および塩素が好ましい。
【0031】
薬剤に使用するため、式Iの化合物は、薬学的に許容される塩の形態であってよい。しかし、他の塩は、式Iの化合物またはこの薬学的に許容される塩の調製において、有用となりうる。本発明の化合物の適切な、薬学的に許容される塩には、適切な塩基によるカルボン酸基の中和化により形成された塩が挙げられる。したがって形成された、薬学的に許容される塩の例としては、ナトリウム塩またはカリウム塩などのアルカリ金属塩;アンモニウム塩;カルシウム塩またはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアミン塩(ピリジニウム塩を含む)および第4アンモニウム塩など、適切な有機塩基により形成された塩がある。
【0032】
本発明による化合物が、少なくとも1つの不斉中心を有する場合、化合物はそれ故にエナンチオマーとして存在しうる。本発明による化合物が、2つ以上の不斉中心を有する場合、化合物はそれ故にジアステレオ異性体として存在しうる。これらの異性体およびいずれかの割合におけるこの混合物は全て、本発明の範囲内に含まれることを理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
式Iにおいて、nは、好ましくは1または2であり、最も好ましくは、nは1である。
【0034】
Yは、CHまたはNを表し、Zは、CRまたはNを表す。好ましくはYおよびZは、いずれもNではない。Rの一般的なアイデンティティは、Hおよび場合によっては4−トリフルオロメチルフェニルなど、置換フェニルを含む。好ましい実施形態においては、YおよびZは、いずれもCHである。
【0035】
AおよびBは、独立して、結合またはC、N、OおよびSから選択される1〜3個の原子の鎖を含む二価の連結基を表す(但し、前記鎖原子の多くとも1つは、N、OまたはS。)。好ましい連結基は、1個または2個の鎖原子を含む。適切な連結基の例としては、CH、0、S、CHCH、CH=CH、C≡C、NH、N(R)、C(=O)、C(=CHR)、OCH、CHO、SCH、CHSおよびCHCHCHがある(ここで、Rは、前述と同様の意味を有する)。この状況において、Rは、好ましくはC1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルを表す。好ましい連結基の例には、O、OCH、C≡C、NH、N(CHCH=CMe、C(=O)およびC(=CHCHCHMe)がある。(誤解を避けるため、連結基は、右側のRおよびRの結合点により描かれている)。
【0036】
好ましい実施形態において、AおよびBの一方(好ましくはB)は、結合を表し、他方は、結合または上述した連結基を表す。さらなる好ましい実施形態において、AおよびBは、それぞれ結合を表す。
【0037】
およびRは、それぞれ独立に、H、F、RもしくはORを表し(ここで、Rは、前述の通りである)、または一緒になって、C1〜4アルキル置換基(メチルなど)を場合によっては有するC3〜6シクロアルキル基を完成させる。この状況におけるRの適切なアイデンティティは、C1〜6アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシルおよび4−メチルペンチルなど)、ハロ−C1〜6アルキル(3,3,3−トリフルオロプロピル、4−クロロブチル、5−クロロペンチルおよび3−クロロプロピルなど)、C2〜6アルケニル(アリルおよび2−メチル(プロペン−3−イルなど)、シクロアルキルアルキル(シクロプロピルメチルなど)およびアリールアルキル(ベンジルなど)を含む。RおよびRが、一緒になってシクロアルキル基を完成させる場合、適切な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、メチルシクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルがある。
【0038】
nが2である場合、CR基の少なくとも一方は、CHである。
【0039】
好ましい実施形態においては、nは1であり、RおよびRのどちらか一方はHであり、他方はH、RもしくはOR、またはRおよびRは、一緒になってシクロアルキル基を完成させる。より好ましくは、nは1であり、RはHであり、RはC1〜6アルキル、ハロ−C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルである。
【0040】
1つの実施形態においては、RおよびRの一方または両方は、分岐アルキル基(例えば、4−メチルペンチルまたは3−メチルブチルなど)またはアルケニル基(例えば、3−メチルブト−2−エニルなど)など、5〜10個の炭素原子の非環状炭化水素基を表す。このような場合、Aおよび/またはB(必要に応じて)は、結合、O、NHまたはN(R)を適切に表す。
【0041】
別の実施形態において、RおよびRの一方または両方は、上述した単環式環系または二環式環系を表す。前記環系は、芳香族化合物および複素環式芳香族化合物を含め、飽和状態または不飽和状態であってよい。適切な単環系の例としては、フェニル、ピリジル、ピペラジン、ピペリジニル、モルフォリニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルが挙げられる。適切な二環系の例としては、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、インデニルおよび一部または完全に水素化されたこれらの誘導体が挙げられる。好ましくは、RおよびR(特にR)で表される少なくとも1つの環系は、芳香族化合物または複素環式芳香化合物であり、特にフェニルである。特定の実施形態においては、RおよびRはいずれも、場合によって置換されたフェニルを表す。
【0042】
および/またはRで表される環系は、好ましくは少なくとも1つの、および好ましくは多くとも2つの、上述の置換基を有する。好ましい置換基には、ハロゲン、N、RおよびOR(ここで、Rは上述した通り)がある。この状況におけるRの適切なアイデンティティは、場合によっては最大3個のハロゲン原子で置換されたC1〜6アルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびCFなど)ならびにフェニルを含む。
【0043】
さらなる態様では、本発明は、式IIの化合物または薬学的に許容されるこの塩:
【0044】
【化4】

[式中、R、R、RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、RおよびORからそれぞれ独立に選択され、但し、R〜Rの少なくとも1つはH以外であり、
A、Y、Z、R、RおよびRは、前述と同様の定義および好ましいアイデンティティを有する。]
を提供する。
【0045】
式IIの化合物の1つの好ましいサブセットにおいて、Rは、CFを表し、好ましくは4位にあり、およびRは、H、ハロゲン、N、C1〜4アルキルまたはCFを表す。
【0046】
式IIの化合物の別の好ましいサブセットにおいては、Rは、CFを表し、好ましくは4位にあり、およびRは、H、ハロゲンまたはCFを表す。
【0047】
式IIによる化合物の特定の例には、YおよびZがそれぞれCHであり、A、R、R、R〜Rが以下の表に示されているものがある。
【0048】
【表1】


【0049】
式IIによる化合物のさらなる特定の例には、YおよびZがそれぞれCHであり、A、R、RおよびR〜Rが以下の表に示されているものがある。
【0050】
【表2】



【0051】
本発明によるさらなる化合物は、式:
【0052】
【化5】

のものを含む
(式中、AおよびRは、以下の表に示された通りである。)。
【0053】
【表3】

【0054】
式Iの化合物は、当業者には既知の標準的合成技術を用いて調製することができる。
【0055】
例えば、式Iの化合物は、一般に、対応するエステルI’:
【0056】
【化6】

の加水分解により調製される
(式中、Rは、C1〜4アルキル(例えば、メチル)を表し、n、A、B、Y、Z、R、RおよびRは、前述と同様の意味を有する。)。加水分解は、例えば、100℃の40%KOHなど、アルカリ水溶液中で加熱することにより行うことができる。
【0057】
式I’(式中、Aは、結合、CH、CHCH、CHCHCHまたはCH=CHを表す。)の化合物は、ボロン酸R−A’−B(OH)を有する式(1a)または(1c):
【0058】
【化7】

の化合物の反応により調製することができる
(式中、A’は、結合、CH、CHCH、CHCHCHまたはCH=CHを表し、Rは、最大6個の炭素原子のペルフルオロアルキル(例えば、CFなど)を表し、n、B、Y、Z、R、RおよびRは、前述と同様の意味を有する。)。反応は、無機塩基(例えば、KPOなどのアルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属リン酸塩など)およびPd触媒(好ましくは、Pd(dppf)Cl)の存在下、炭化水素またはエーテルの溶媒(例えば、トルエンまたはジオキサンなど)中、高温で起きる。対応するボロン酸エステル(例えば、ピナコールエステルなどの環状エステルなど)は、ボロン酸R−A’−B(OH)の代わりに用いることができる。
【0059】
化合物(1a)は、ピリジンなどの塩基存在下、0℃のジクロロメタンなどの不活性溶媒中、(RSOOまたはRSOClを用いた処置により、対応するフェノール(1b)から得ることができる。
【0060】
化合物I’(式中、Aは、結合を表し、Zは、CRを表し、Rは、Rと同じアイデンティティを有する。)は、対応するブロモフェノール(式中、Z=CBr)を生成するためのフェノール(1b)(Z=H)の臭素化、次いでペルフルオロアルキルスルホン化および前述したR−B(OH)2当量との反応により得ることができる。
【0061】
式(1c)の化合物は、アニリン(1d)のジアゾ化、およびその結果得られるジアゾニウム塩を臭化物イオンまたはヨウ化物イオンで処置することにより得ることができる。
【0062】
式I’(式中、Aは、OまたはNHを表す。)の化合物は、それぞれ、フェノール(1b)またはアニリン(1d)とR−B(OH)との反応により得ることができる。反応は、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中、酢酸銅(II)、モレキュラーシーブおよびトリエチルアミンの存在下で起きる。
【0063】
式I’(式中、Aは、OCHまたはNHCHを表す。)の化合物は、それぞれ、フェノール(1b)またはアニリン(1d)とR−CH−L(ここで、Lは、例えばBrなどハロゲン化物などの離脱基)との反応により得ることができる。反応は、炭酸カリウムなどの塩基存在下、DMFなどの不活性溶媒中で起きる。
【0064】
式I’(式中、Aは、N(R)を含む。)の化合物は、炭酸カリウムなどの塩基存在下、例えば、DMFなどの不活性溶媒中で、R−L(ここで、Lは、前述と同様の意味を有する。)によるアルキル化により、対応する化合物(式中、AはNHを含む。)から調製することができる。
【0065】
式I’(式中、Aは、Sを表す。)の化合物は、アニリン(1d)のジアゾ化、およびその結果得られるジアゾニウム塩をRSHで処置することにより得ることができる。
【0066】
式I’(式中、Aは、−C≡C−を表す。)の化合物は、一般的にはCuI、PHP、(PhP)Pd(0)およびトリエチルアミンの存在下、化合物(1a)とR−C≡CHとの反応により得ることができる。
【0067】
式I’(式中、Aは、C(=CHR)を表す。)の化合物は、臭化物またはヨウ化物(1c)とトリブチルスタニル誘導体R−C(=CHR)−SnBuとの反応により得ることができる。反応は、トリス(ジベンジリデン)ジパラジウム(0)などのCuI、PhAsおよびPd(0)触媒存在下、加熱により、DMFなどの双極性非プロトン性溶媒中で行うことができる。
【0068】
式(1b)または(1d)(式中、Bは、結合)の化合物は、それぞれ、式(2a)または(2b)
【0069】
【化8】

の化合物とボロン酸R−B(OH)との反応により調製することができる
(式中、Halは、ハロゲン原子を表し(好ましくは、BrまたはI)、n、Y、Z、R、R、RおよびRは、前述と同様の意味を有する。)。R−B(OH)との反応は、例えば、NaCOおよびPd(dpp)Clの存在下、100℃のジオキサン溶液中など、化合物(1a)とR−B(OH)との反応に類似した条件下で起き、ボロン酸エステル(ピナコールエステルなど)は、ボロン酸と置換することができる。
【0070】
式(1b)または(1d)(式中、Bは、結合以外)の化合物は、Aの様々な実施形態を作成するのに用いられたものと類似の方法により調製することができる。
【0071】
上述した工程の順序は、化合物(2)(式中、WおよびHalの結合点が逆になっている。)の類似体から開始し、RおよびRが付着する順序を逆にすることで変更することができる。
【0072】
式Iまたは式I’(式中、RおよびRの少なくとも一方は、R)の化合物は、塩基存在下、R−L(ここで、Lは、前述と同様の意味を有する。)による処置により、対応する式Iまたは式I’(式中、RおよびRの少なくとも一方は、H)の化合物から得ることができる。R−Lに代わるN−フルオロベンゼンスルホンイミドの使用は、式I’(式中、Rおよび/またはRは、F)の化合物を提供する。式I’(式中、R=R=H)の化合物と、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ジヨードブタンなどのジハロアルカンとの類似の処置は、式I’(式中、RおよびRは、一緒になってシクロアルキル基を形成する。)の化合物を提供する。
【0073】
式I’(式中、RおよびRの一方は、ORを表す。)の化合物は、式I’(式中、R=R=H)の化合物の、4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジドによる処置、およびその結果得られるジアゾ化合物とROHとの反応により得ることができる。第1の工程は、−10℃から雰囲気温度にてアセトニトリル中で行うことができ、第2の工程は、二酢酸二量体二水和物などのRh(II)触媒存在下、還流トルエン中で行うことができる。
【0074】
上記手順により調製された式Iの個々の化合物は、標準的合成技術を用いて式Iによる他の化合物に変更できることも明らかである。または、こうした変更は、式Iの化合物の合成前駆体で行ってもよい。
【0075】
これら自体が市販されていない場合、上述した合成スキームに使用される出発原料および試薬は、公表された手順により、または有機合成の標準技術を市販原料に応用することにより得ることができる。
【0076】
本発明によるある種の化合物は、1つ以上のキラル中心が存在するため、または分子の全般的不斉のため、光学異性体として存在することができる。このような化合物は、ラセミ体で調製することができ、または個々のエナンチオマーは、エナンチオ選択的合成もしくは分解のどちらかにより調製することができる。例えば、新規化合物は、分取得HPLCなどの標準技術により、またはジ−p−トルオイル−D−酒石酸および/またはジ−p−トルオイル−L−酒石酸などの光学活性酸を用いた塩形成後、遊離塩基の分別結晶化および再生によるジアステレオマー対の形成により、新規化合物のエナンチオマー成分に分解することができる。新規化合物はまた、ジアステレオマーエステルまたはアミドの形成後、クロマトグラフ分離およびキラル補助基の除去により分解することができる。
【0077】
上記合成順序のいずれかの間、関係分子のいずれかの感受性基または反応基を保護することが必要および/または望ましい場合がある。これは、Protective Groups in Organic Chemistry、ed.J.F.W.McOmie、Plenum Press、1973年;およびT.W.Greene & P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、3rd ed.、1999年において記述されているものなど、従来の保護基を用いて実現することができる。保護基は、当技術分野には既知の方法を用いて、都合の良い後段で除去することができる。
【0078】
式Iの化合物は、通常、式Iの1つ以上の化合物、および1つの薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物の形態で使用される。好ましくは、これらの組成物は、経口、非経口、鼻内、舌下もしくは直腸投与、または吸入もしくは吹送による投与のための、錠剤、ピル、カプセル、粉末、顆粒、滅菌非経口溶液または懸濁液、定量エアロゾルまたは液体スプレー、ドロップ、アンプル、経皮パッチ、自動注入装置または坐薬などのユニット投与剤形である。主要有効成分は通常、薬学的担体、例えば、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムおよびリン酸二カルシウム、またはゴムのような従来の錠剤成分、ソルビタンモノオレエートおよびポリエチレングリコールなどの分散剤、懸濁化剤または界面活性剤、ならびに例えば水などの他の医薬希釈剤と混合して、本発明の化合物、または薬学的に許容されるこの塩を含む均一な製剤前組成物を形成する。これらの製剤前組成物を均一と呼ぶ場合、化合物が錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく有効なユニット投与剤形へ容易に細分されうるように、有効成分が組成物全体に均等に分散されていることを意味する。この製剤前組成物は、次いで、本発明の有効成分の0.1mgから約500mgを含有する上述した種類のユニット投与剤形に細分される。通常のユニット投与剤形は、有効成分の1mgから100mg、例えば、1、2、5、10、25、50または100mgを含有している。本組成物の錠剤またはピルは、被覆またはさもなければ調合して、持続作用の利点が得られる投与形態を提供することができる。例えば、錠剤またはピルは、内側の投与成分と外側の投与成分を含むことができ、後者は前者を覆う膜の形態をとる。2つの成分は、腸溶層により分離することができる。腸溶層は、胃における分解に抵抗する役目をし、内側成分を完全なまま十二指腸へ運び、または内側成分の放出を遅延させることができる。このような腸溶層またはコーティングのため、様々な原料を用いることができる。このような原料には、いくつかのポリマー酸、およびポリマー酸とセラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースといった原料との混合物がある。
【0079】
本発明において有用な組成物を、経口投与または注射投与用に組み込むことができる液状剤形には、水溶液、液体またはゲルを充填したカプセル、適切に香味付けしたシロップ、水性または油性懸濁液、および綿実油、ゴマ油、ココナツ油もしくはピーナツ油などの食用油で香味付けした乳剤のほか、エリキシル剤および類似の医薬ビヒクルがある。水性懸濁液のための適切な分散剤または懸濁化剤には、トラガカント、アカシア、アルギン酸塩、デキストラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)またはゼラチンなどの合成および天然ゴムが挙げられる。
【0080】
アルツハイマー病の治療または予防のため、有効成分の適切な投与量レベルは、1日あたり約0.01から250mg/kg、好ましくは1日あたり約0.01から100mg/kg、より好ましくは1日あたり約0.05から50mg/kg体重である。本化合物は、1日あたり1回から4回のレジメンで投与することができる。しかし、場合によっては、これらの制限外の投与量を用いることができる。
【0081】
式Iの化合物は、場合によっては、ADまたはこの症状の治療または予防に有用であることが既知の、1種以上の追加の化合物と併用して投与することができる。したがって、このような追加の化合物としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジルおよびガランタミンなど)、NMDAアンタゴニスト(例えば、メマンチンなど)またはPDE4阻害剤(例えば、Ariflo(商標)およびWO03/018579、WO01/46151、WO02/074726およびWO02/098878に開示されている化合物のクラスなど)のような認知増強剤が挙げられる。また、このような追加の化合物には、例えばシンバスタチンなどのスタチンのようなコレステロール低下剤も含まれる。このような追加の化合物には、同様に、Aβ分泌を阻害する化合物(γ−セクレターゼ阻害剤、β−セクレターゼ阻害剤、およびGSK−3α阻害剤を含む)、Aβ凝集を阻害する化合物、およびAβに選択的に結合する抗体といった、脳内のAβ産生またはプロセシングを調整することが知られている化合物(「アミロイド変性剤」)がある。
【0082】
本発明のこの実施形態において、アミロイド変性剤は、Aβ分泌を阻害する化合物、例えば、γ−セクレターゼ阻害剤(WO01/53255、WO01/66564、WO01/70677、WO01/90084、WO01/77144、WO02/30912、WO02/36555、WO02/081435、WO02/081433、WO03/018543、WO03/093252、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO03/013506、WO03/013527およびWO03/014075に開示されているものなど)、またはβ−セクレターゼ阻害剤(WO03/037325、WO03/030886、WO03/006013、WO03/006021、WO03/006423、WO03/006453、WO02/002122、WO01/70672、WO02/02505、WO02/02506、WO02/02512、WO02/02520、WO02/098849およびWO02/100820に開示されているものなど)、またはWO98/28268、WO02/47671、WO99/67221、WO01/34639、WO01/34571、WO00/07995、WO00/38618、WO01/92235、WO01/77086、WO01/74784、WO01/74796、WO01/74783、WO01/60826、WO01/19797、WO01/27108、WO01/27091、WO00/50391、WO02/057252、US2002/0025955およびUS2002/0022621で開示されているもの、およびGSK−3阻害剤、特にPhielら、Nature、423(2003年)、435〜9頁に開示されている、リチウムのようなGSK−3α阻害剤も含め、Aβの形成または遊離を阻害するいずれか他の化合物であってよい。
【0083】
この実施形態において、アミロイド変性剤は、有利にはγ−セクレターゼ阻害剤であり、この好ましい例には、式XIの化合物:
【0084】
【化9】

(式中、m、Z、R1b、R1c、Ar、Arは、WO03/018543に記載されている通り。);
または薬学的に許容されるこの塩が含まれる。
【0085】
このような化合物は、WO03/018543に記載されている通りに調製することができる。好ましい例には、式XIa:
【0086】
【化10】

により定義したもの、および薬学的に許容されるこの塩が含まれる(式中、mは0または1、XはClまたはCF、YはOH、OC1〜6アルキル、NHまたはNHC1〜6アルキル)。
特定の例としては、mは1であり、YはOH(またはこれらのナトリウム塩)であるもの、mは0であり、YはNHまたはNHC1〜6アルキルであるものが挙げられる。
【0087】
本発明のこの実施形態において使用するγ−セクレターゼ阻害剤の別の好ましいクラスは、式XII:
【0088】
【化11】

により定義したもの(式中、XおよびRは、WO03/093252において定義されている通り。);
または薬学的に許容されるこの塩である。
【0089】
Xは、きわめて適切な、5−置換−チアゾール−2−イル、5−置換−4−メチルチアゾール−2−イル、5−置換−1−メチルピラゾール−3−イル、1−置換−イミダゾール−4−イルまたは1−置換−1,2,4−トリアゾール−3−イルである。好ましくは、Rは、フェニル、モノハロフェニル、ジハロフェニル、トリハロフェニル、シアノフェニル、メチルフェニル、メトキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェニル、ピリジル、モノハロピリジルおよびトリフルオロメチルピリジル(ここで、「ハロ」とは、フルオロまたはクロロを意味する。)などの、場合によっては置換されたフェニルまたはヘテロアリールを表す。特に好ましいR−X−のアイデンティティには、5−(4−フルオロフェニル)−1−メチルピラゾール−3−イル、5−(4−クロロフェニル)−1−メチルピラゾール−3−イルおよび1−(4−フルオロフェニル)イミダゾール−4−イルがある。このような化合物は、WO03/093252に開示されている方法により調製することができる。
【0090】
γ−セクレターゼ阻害剤のさらなる好ましいクラスには、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO2004/039370、WO2004/39800、WO2004/031139、WO2005/030731、WO2005/014553およびWO2005/101538に開示されているものが挙げられる。
【0091】
あるいは、アミロイド変性剤は、Aβ凝集を阻害する化合物であってよい。適切な例としては、クリオキノール(GourasおよびBeal、Neuron、30(2001年)、641〜2頁)などのキレート剤およびWO99/16741に開示されている化合物、特に、DP−109(Kalendarevら、J.Pharm.Biomed.Anal.、24(2001年)、967〜75頁)として知られているものがある。本発明における使用に適したAβ凝集の他の阻害剤には、Apan(商標)(Praecis)として知られる化合物を含む、WO96/28471、WO98/08868およびWO00/052048に開示されている化合物;WO00/064420、WO03/017994、WO99/59571に開示されている化合物およびAlzhemed(商標)(Neurochem)として知られる化合物;WO00/149281に開示されている化合物ならびにPTI−777およびPTI−00703(ProteoTech)として知られる組成物;WO96/39834、WO01/83425、WO01/55093、WO00/76988、WO00/76987、WO00/76969、WO00/76489、WO97/26919、WO97/16194、およびWO97/16191に開示されている化合物がある。
【0092】
あるいは、アミロイド変性剤は、選択的にAβに結合する抗体であってよい。前記抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってよいが、好ましくはモノクローナルであり、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体である。好ましくは、抗体は、WO03/016466、WO03/016467、WO03/015691およびWO01/62801に記載されているように、体液から可溶性Aβを捕捉することができる。適切な抗体には、ヒト化抗体266(WO01/62801に記載)およびWO03/016466に記載にされているものの修飾抗体がある。
【0093】
本明細書で用いられる「併用して」という表現は、式Iの化合物および追加化合物の双方の治療有効量が対象に投与されることを必要とするが、これが実施される方法については制限していない。したがって、この2種類は、対象に同時投与するための単回投与形態において併用してもよく、または対象に同時もしくは連続投与するための別個の投与形態において提供してもよい。連続投与は、時間を空けずに行うことも、または例えば1種類を朝に投与し他方を夕方に投与するなど、時間を空けて行うこともできる。別個の種類を同じ頻度、または例えば1種類を1日1回投与し他方を1日2回以上投与するなど、異なる頻度で投与してもよい。別個の種類を同じ経路、または例えば1種類を経口投与し他方を非経口投与するなど、異なる経路で投与してもよいが、可能であれば、両方の種類を経口投与することが好ましい。追加の化合物が抗体である場合、通常これは、非経口的に、および式Iの化合物とは別に投与されることになる。
【0094】
さらなる態様では、本発明は、脳内のβ−アミロイド沈着に関連する疾患の治療または予防において使用するため、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩、および式XI(a)の化合物または薬学的に許容されるこの塩の組み合わせを提供する。前記使用には、このような治療または予防が必要な患者に対する、それぞれの化合物の同時または連続投与を含めることができる。
【0095】
さらなる態様では、本発明は、薬学的に許容される担体として、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩、および式XI(a)の化合物または薬学的に許容されるこの塩を含む薬学的組成物を提供する。好ましくは、薬学的組成物は、錠剤またはカプセルなど、経口投与に適したユニット投与剤形である。
【実施例】
【0096】
式Iの化合物がAβ(1−41)の産生を選択的に阻害する能力は、以下のアッセイを用いて判定した。
【0097】
細胞ベースのγ−セクレターゼアッセイ
ダイレクトγ−セクレターゼ基質(direct γ−secretase substrate)を過剰発現しているヒトSH−SY5Y神経芽種細胞を、プレーティングの前に4時間、酪酸ナトリウム(10mM)により誘導した。細胞を、フェノールレッド不含MEM/10%FBS、50mM HEPES、1%グルタミンにおいて、96−ウェルプレートに35,000細胞/ウェル/100μlでプレートし、37℃、5%COで2時間インキュベートした。
【0098】
試験化合物をMeSOで希釈し、10ポイントの用量−反応曲線を得た。一般的には、これらMeSO中の希釈化合物10μlを、182μl希釈バッファー(フェノールレッド不含MEM/10%FBS、50mM HEPES、1%グルタミン)でさらに希釈し、各希釈物10μlを、96−ウェルプレートの細胞に添加した(最終MeSO濃度0.5%を得る)。適切なビヒクルおよび阻害剤対照物を用いて、アッセイのウィンドー(window)を決めた。
【0099】
37℃、5%COで一晩インキュベートした後、10μlおよび50μlの培地を、Aβ(40)およびAβ(42)ペプチドをそれぞれ検出するため、未使用の丸底96−ウェルプレートに移した。40μlOrigenバッファー(PBS、2%BSA、0.2%Tween−20)をAβ(40)ウェルに添加した後、25μlの各抗体プレミックスをこのウェルに添加した;
Aβ(40)プレミックス:Origenバッファーで希釈した、ルテニウム化G2−10抗体1μg/ml、ビオチニル化4G8抗体4μg/ml
Aβ(42)プレミックス:Origenバッファーで希釈した、ルテニウム化G2−11抗体0.5μg/ml、ビオチニル化4G8抗体4μg/ml
(ビオチニル化4G8抗体は、Signet Phatology Ltdにより供給されている;G2−10およびG2−11抗体は、Chemiconにより供給されている)。
【0100】
アッセイプレートを撹拌機で4℃にて一晩インキュベートした後、Origen M8 Analyser(Igen Inc.)をメーカーの使用説明書に従って較正した。25μlのストレプトアビジン電磁ビーズ(Dynal)プレミックス(Origenバッファー中、400μg/mlストレプトアビジンビーズ/ml)を、アッセイプレートに添加し、撹拌機で15分間インキュベートした。Origenバッファー150μlを、各ウェルに添加し、プレートをOrigen M8 Analyserで、メーカーの使用説明書に従い読み取った。
【0101】
細胞の生存は、フォルマザンに対するMTS(Owen試薬)の生体内還元性を利用した比色細胞増殖アッセイ(CellTiter 96(商標)AQアッセイ、Promega)によるAβアッセイのため、培地を除去した後の対応する細胞において測定した。簡単には、5μlの10×MTS/PESをインキュベーターに戻す前に残留培地50μlに添加した。光学濃度は、495nmで約4時間後に読み取った。
【0102】
Aβ(40)およびAβ(42)を阻害するためのLD50およびIC50値は、適切なソフトウェアを用いて(例えば、エクセル フィットなど)、非線形回帰適合性分析により算出した。総シグナルおよびバックグラウンドは、対応するMeSOでおよび阻害剤対照物により定義した。
【0103】
上記の表に列挙された化合物は全て、Aβ(1−42)阻害のIC50値が、対応するAβ(1−40)阻害のIC50値より少なくとも2倍低く、一般的には少なくとも5倍低く、好ましいケースにおいては、少なくとも50倍低かった。
【0104】
(実施例1)
3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1:メチル(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニル)フェニルアセタート
ジオキサン(80ml)中のメチル(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アセタート(8.24g、33.6mmol)(WO9749710に従って調製)を、4−イソプロピルフェニルボロン酸(8.2g、50mmol)および飽和炭酸ナトリウム溶液(45ml)で処理した。窒素で脱気した後、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(1.39g、1.7mmol)を添加し、混合物を脱気した。反応物を18時間、100℃で加熱し、室温に冷却して水を加えた。混合物を、2Nの塩酸で中和し、酢酸エチル(5×100ml)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。イソヘキサン中の5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、標題化合物(6.3g、66%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39〜7.33(4H,m)、7.15(2H,m)、6.93(1H,dd,J=1.6,8.8Hz)、5.24(1H,s)、3.69(3H,s)、3.58(2H,s)、2.99〜2.91(1H,m)、1.29(6H,d,J=7.0Hz)。
【0105】
ステップ2:メチル(4’−イソプロピル−6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ビフェニル−3−イル)アセタート
ジクロロメタン(20ml)中のメチル(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニル)フェニルアセタート(ステップ1、1.42g)、5mmol)を0℃に冷却し、ピリジン(489μL、6mmol)、続いてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(929μL、5.5mmol)で処理した。撹拌した反応混合物を、一晩放置して室温まで加温した。水(30ml)を加え、有機層を分離した。水層を、ジクロロメタン(30ml)でさらに抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の7%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、標題化合物(1.6g、77%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.38〜7.30(7H,m)、3.72(3H,s)、3.68(2H,s)、2.99〜2.91(1H,m)、1.29(6H,d,J=6.9Hz)。
【0106】
ステップ3:3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
5mlのPersonal Chemistry(商標)処理バイアルを、メチル(4’−イソプロピル−6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ビフェニル−3−イル)アセタート(ステップ2、0.57g、1.37mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.39g、2.05mmol)、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(0.06g、0.073mmol)、およびオルトリン酸カリウム(0.63g、2.74mmol)の混合物で充填した。バイアルに蓋をし、トルエンを混合物に添加した。Personal Chemistry Smith(商標)合成器を用いて、バイアルを15分間、170℃で加熱し、室温に冷却した。黒い混合物を、水(10ml)および酢酸エチル(50ml)の間で分割し、相を分離した。さらに2回抽出を行った後、有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、油状のメチル3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(0.32g、57%)を得た。
【0107】
メチル3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(0.32g、0.78mmol)を、40%の水性水酸化カリウム溶液(10ml)中で100℃にて2時間加熱した。室温に冷却後、1NのHClを添加してpH4を得、水相を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の10〜50%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、発泡体の標的化合物を得、これを70%の水性メタノールから再結晶化して、無色固体の標的化合物280mg(90%)を得た。MS:(ES(M−1))397。H NMR(360MHz,CDCl)δ7.45(2H,d,J=8.2Hz)、7.38〜7.33(3H,m)、7.25〜7.23(2H,d,J=8.2Hz)、7.08(2H,d,J=8.0Hz)、7.01(2H,d,J=8.0Hz)、3.73(2H,s)、2.85(1H,七重線,J=6.8Hz)、1.22(6H,d,J=6.8Hz)。
【0108】
(実施例2〜26)
【0109】
【化12】

【0110】
実施例1の手順に従い、ステップ1および3において、適切なアリルボロン酸R−B(OH)およびR−B(OH)をそれぞれ用いて、以下を調製した。
【0111】
【表4】

【0112】
(実施例27)
3,4,5−トリス−(4−(トリフルオロエチル)フェニル)フェニル酢酸
酢酸(2ml)中の臭素(480mg、3mmol)を、酢酸(10ml)中のメチル4−ヒドロキシ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセタート(実施例26ステップ1)(930mg、3mmol)に滴下添加し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を蒸発させ、残留物を、溶離剤としてイソヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、白色固体のメチル3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセタート(925mg、79%)を得た。
【0113】
上記中間体を、4−(トリフルオロエチル)ベンゼンボロン酸との反応によるトリフルオロ化合物、ならびに実施例1のステップ2および3の手順により加水分解されたエステル基に変換して標題化合物を得た。MS:523(ES)(M−1−CO)。
【0114】
(実施例28)
2−(3,4−ビス−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−2−メチル−2−プロピオン酸
テトラヒドロフラン(5ml)中のメチル3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(実施例26、120mg、0.274mmol)を、0℃に冷却し、カリウムtert−ブトキシド(0.55ml、THF中1M、0.55mmol)で処理した。20分後、ヨードメタンを滴下添加した。反応物を放置して室温まで加温し、一晩撹拌した。水(5ml)を加え、反応物を酢酸エチル(2×20ml)により抽出した。有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、ジメチル化エステル(90mg)を得た。これを、40%水酸化カリウム(2ml)/ジオキサン(2ml)混合物中で100℃、18時間加熱して加水分解した。反応混合物を室温に冷却し、2Nの塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(30ml)を用いて抽出した。蒸発後、化合物をマストリガーHPLC(mass−triggered HPLC)により精製し、標題化合物(27mg、22%)を得た。MS:407(ES(M−1−CO))。
H NMR(500MHz,CDCl)δ1.69(6H,s)、7.21〜7.26(4H,m)、7.40〜7.44(2H,m)、7.8〜7.54(5H,m)ppm。
【0115】
(実施例29)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−2−(2−プロペニル)−4−ペンテン酸
ヨウ化メチルの代わりに臭化アリルを用いて、実施例28に記載された通りに調製した。MS:459(ES(M−1−CO))。
【0116】
(実施例30)
3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル−2,2−ジフルオロ酢酸
塩基としてヘキサメチルジシラジド、および求電子試薬としてN−フルオロベンゼンスルホンイミドを用いて、実施例28に記載された通りに調製した。:MS:415(ES(M−1−CO))。
【0117】
(実施例31)
1−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロペンタン−1−カルボン酸
ヨウ化メチルの代わりに1,4−ジヨードブタンを用いて、実施例28に記載された通りに調製した。:MS:433(ES(M−1−CO))。
【0118】
(実施例32)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−2−(プロピル)ペンタン酸
エタノール(10ml)中の2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−2−(2−プロペニル)−4−ペンタン酸(実施例29、90mg)を、炭素上の5%パラジウムで処理し、Parr装置を用いて37psiで20分間加水分解した。濾過および蒸発により、白色固体の標題化合物を得た(60mg、66%)。MS:(ES(M−1−CO))463。
H NMR(500MHz,CDCl)δ0.94〜0.97(6H,三重線,J=7.2Hz)、1.18〜1.26(4H,m)、1.99〜2.12(4H,m)、7.22〜7.23(4H,m)、7.36〜7.51(7H,m)ppm。
【0119】
(実施例33)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−2−メチルプロピオン酸
テトラヒドロフラン(5ml)中の3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸(実施例28)(170mg、0.4mmol)を、−78℃に冷却した。混合物を、n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、0.65ml、1mmol)で処理し、2度目の塩基等価物の添加により濃い赤色を発色させる。20分後、ヨードメタン(32μL,0.5mmol)を滴下添加した。反応物を一晩放置して室温まで加温した。水(5ml)、次いで2Nの塩酸(10ml)を添加した。反応混合物を、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をマストリガーHPLCにより精製し、標題化合物(42mg、24%)を得た。
H NMR(500MHz,CDCl)δ1.6(3H,d,J=7.2Hz);3.86(1H,四重線,J=7.2Hz)、7.20〜7.26(4H,m)、7.38〜7.50(7H,m)ppm。
【0120】
(実施例34)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)ヘキサン酸
ヨードメタンの代わりにヨードブタンを用いて、実施例33に記載された通りに調製した。MS:435(ES(M−1−CO))。
【0121】
(実施例35)
2−(3,4−ビス−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−3−フェニルプロピオン酸
ヨードメタンの代わりに臭化ベンジルを用いて、実施例33に記載された通りに調製した。MS:469(ES(M−1−CO))。
【0122】
(実施例36)
4−(フェニルエチニル)−3−(4−イソプロピルフェニル)フェニル酢酸
トリエチルアミン(2ml)中のメチル(4’−イソプロピル−6−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}ビフェニル−3−イル)アセタート(実施例1ステップ2)、(416mg、1mmol)、フェニルアセチレン(204mg、2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)58mg、0.05mmol)、トリフェニルホスフィン(26.2mg、0.1mmol)およびヨウ化銅(I)(19.5mg、0.1mmol)を、Personal Chemistry Smith合成器を用いて180℃で10分間加熱し、室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチル(20ml)および水(30ml)の間で分割した。有機層を、2Nの塩酸(30ml)および塩水(30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の1%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーの後、残留物をジオキサン(3ml)に溶解し、水(3ml)中の水酸化リチウム(100mg)で処理し、室温で一晩撹拌した。反応物を、2Nの塩酸(5ml)で酸性化し、酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留物をマストリガーHPLCにより精製し、標題化合物(20mg、6%)を得た。MS:309(ES(M−1−CO))。
H NMR(500MHz,CDCl)δ1.31(6H,d,J=7.0Hz)、2.98(1H,七重線,J=7.0Hz)、3.72(2H,s)、7.26〜7.39(7H,m)、7.52〜7.62(5H,m)ppm。
【0123】
(実施例37)
4−(4−(トリフルオロメチル)フェニルエチニル)−3−(4−イソプロピルフェニル)フェニル酢酸
フェニルアセチレンの代わりに4−(トリフルオロメチル)フェニルアセチレンを用いて、実施例36に記載された通りに調製した。MS:377(ES(M−1−CO))。
【0124】
(実施例38)
3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル酢酸
ジクロロメタン(50ml)中のメチル(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニル))フェニルアセタート(実施例1、ステップ1、1.42g、5mmol)、活性化モレキュラーシーブ粉末(1.5g)、酢酸銅(II)(908mg、5mmol)および4−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸を、トリエチルアミンで処理した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の1〜5%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、メチル3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニルアセタート(140mg)を得た。このエステル(100mg)を40%水酸化カリウム(1ml)および1,4−ジオキサン(2ml)の混合物中で溶解し、100℃で18時間加熱し、室温に冷却し、2Nの塩酸で酸性化し、ジクロロメタンで抽出して標題化合物を得た(78mg)。MS:(ES(M−1))413。H−NMR(500MHz CDCl3)d:(ppm))7.48(d,2H,J=8.7Hz)、7.41〜7.37(m,3H)、7.27〜7.24(m,1H)7.19(d,2H,J=8.2Hz)、7.01(d,1H,J=8.3Hz)、6.95(d,2H,J=8.6Hz)、3.71(s,2H)、2.91〜2.85(m,1H)、1.23(d,6H,J=6.9Hz)。
【0125】
(実施例39)
3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)フェニル酢酸
DMF(10ml)中のメチル(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニル))フェニルアセタート(実施例1、ステップ1、1.569g、2mmol)を、炭酸カリウム(553mg、4mmol)で処理した。10分後、DMF(1ml)中の4−臭化トリフルオロメチルベンジルを添加した。18時間の撹拌後、溶媒を蒸発させ、残留物を水(30ml)および酢酸エチル(50ml)での間で分割した。水層を、さらなる酢酸エチル(50ml)で抽出した。有機物を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、メチル3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)フェニルアセタート(670mg)を得た。このエステル(200mg)を、40%水酸化カリウム溶液(1.5ml)および1,4−ジオキサン(0.75ml)の混合物中で溶解し、100℃にて18時間加熱し、室温に冷却し、2Nの塩酸で酸性化してジクロロメタンで抽出した。酢酸エチル:イソヘキサンからの結晶化により、標題化合物を得た(50mg)。MS:(ES(M−1))413。
H NMR(500MHz CDCl)d(ppm):7.56(2H,d,J=8.0Hz)、7.48(2H,d,J=8.0Hz)、7.41(2H,d,J=8.0Hz)、7.3〜7.24(3H,m)、7.19(1H,d,J=8.3Hz)、6.94(1H,d,J=8.3Hz)、5.11(2H,s)、3.64(2H,s)、2.99〜2.93(1H,m)、1.30(6H,d,J=6.8Hz)。
【0126】
(実施例40)
4−(4−メチル−1−ペンチルオキシ)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
実施例39の方法により調製したが、4−臭化トリフルオロメチルベンジルの代わりにヨウ化4−メチル−1−ペンチルを用いた。MS:379(ES(M−1−CO))。
【0127】
(実施例41)
4−(1−(4−フェニル)ピペラジニル)−3−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ジオキサン(60ml)中の3−ブロモ−4−フルオロアセトフェノン(4.34g、20mmol)を4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸(5.3g、30mmol)および飽和炭酸ナトリウム溶液(30ml)で処理した。窒素脱気後、[1,1’−ジフェニルホスフィノ]フェロセン]−ジクロロパラジウム(II)、(816mg、1mmol)を添加し、混合物を脱気した。反応物を100℃で18時間加熱し、室温に冷却して水(50ml)を加えた。反応混合物を、酢酸エチル(4×50ml)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の5%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−(4−トリフルオロメチル)フェニル−4−フルオロアセトフェノン(4.6g、81%)を得た。
【0128】
DMSO(3ml)中のこの中間体(847mg、3mmol)、炭酸カリウム(415mg、3mmol)およびフェニルピペラジン(383mg、3.6mmol)を、95℃で18時間加熱した。混合物を、水(15ml)および酢酸エチル(35ml)での間で分割した。有機層を塩水(15ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
【0129】
溶離剤としてイソヘキサン中の10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(1−(4−フェニル)ピペラジニル)−アセトフェノン(160mg、13%)を得た。
【0130】
この化合物(141m、0.33mmol)を硫黄(27mg、0.83mmol)およびモルホリン(174uL、2mmol)で処理し、混合物を、Emrys Optimiserマイクロ波合成器を用いて170℃で10分間加熱し、次いで室温に冷却した。粗混合物を、溶離剤としてイソヘキサン中の20%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、4−{2−[6−(4−フェニルピペラジン−1−イル)−4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−3−イル]エタンチオイル}モルホリン(142mg、81%)を得た。
【0131】
エタノール(15ml)中のこのチオアミド(50mg、0.095mmol)を、4Nの水酸化ナトリウムで処理し、還流で一晩加熱した。溶媒を除去し、残留物を2Nの塩酸で処理した。水(5ml)を加え、水層を、メタノール含有ジクロロメタンで抽出した。有機物を合わせ、蒸発させてマストリガーHPLCにより精製し、トリフルオロ酢酸塩の標題化合物(7.5mg、14%)を得た。MS:441(ES(M+1))。
H NMR(500MHz,CDCl)δ3.25(4H,m,br.)、3.39(4H,m,br.)、3.66(2H,s)、7.12〜7.52(8H,m)、7.68〜7.73(4H,m)ppm。
【0132】
(実施例42)
3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)安息香酸
Personal Chemistry社製5ml処理バイアルを、3,4−ジクロロ安息香酸(191mg、1mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(0.57g、3mmol)、[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、(41mg、0.05mmol)およびオルトリン酸カリウム(848mg、4mmol)の混合物で充填した。バイアルに蓋をし、トルエンを混合物に添加した。Personal Chemistry Smith合成器を用いて、バイアルを15分間、170℃で加熱し、室温に冷却した。混合物を、Hyfloにより濾過し蒸発させた。化合物を、マストリガーHPLCにより精製して標題化合物(11.8mg、3%)を得た。MS:409(ES(M−1))。
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.26〜7.27(4H,m)、7.53〜7.56(5H,m)、8.18〜8.21(2H,m)ppm。
【0133】
(実施例43)
3−(4−イソプロピルフェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルプロピオン酸
実施例1の手順により調製したが、3−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルにより開始した。無色固体。MS:411(ES(M−1))。
H NMR(400MHz,CDCl):d 7.45(d,2H J=8.2Hz)、7.22〜7.33(m,5H)、7.08(d,2H,J=8.0Hz)、7.02〜7.00(d,2H,J=8.0Hz)、3.05(t,2H,J=7.7Hz)、2.90〜2.81(m,1H)、2.77(t,2H,J=7.7Hz)、1.23(d,6H J=6.9Hz)ppm。
【0134】
(実施例44)
2,3−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジル−6−酢酸
ステップ1−2,3−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−6−メチルピリジン
3−ブロモ−2−クロロ−6−メチルピリジンおよび4−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸を用いて実施例1ステップ1に記載した通りに調製した。MS:382(ES(M+1))。
H NMR(360MHz,CDCl)δ2.68(3H,s)、7.25〜7.28(3H,m)、7.45(2H,d,J=8.2Hz)、7.51〜7.55(4H,m)、7.64(1H,d,J=7.9Hz)ppm。
【0135】
ステップ2
n−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M溶液7.5mL、12mmol)を、無水THF(10mL)中のジイソプロピルアミン溶液(1.76mL、12.6mmol)に窒素雰囲気下で−20℃にて滴下添加した。5分間撹拌した後、溶液を−78℃に冷却し、2,3−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−6−メチルピリジン(ステップ1)(2.18g、5.7mmol、THF2mL中で溶解)を5分間添加した。藍色の溶液を1時間撹拌し、炭酸ジメチル(0.97mL,11.4mmol)を1時間添加した。反応物に、飽和した水性塩化アンモニウム(10mL)および酢酸エチル(20mL)を添加して急冷する前に、冷却槽を除去し、0℃でさらに1時間撹拌を続けた。相を分離し、水性相を2度抽出した。有機相を合わせ、水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中の5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、黄色い油状のメチル2,3−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジル−6−アセタート1.4g(56%)を得た。MS:439(ES(M+1))。
【0136】
このメチルエステル(0.28g、0.64mmol)をTHF(4mL)および水(2mL)に溶解した後、水酸化リチウム(70mg;2.92mmol)を連続添加した。混合物を70℃で15時間加熱し、室温まで冷まして酢酸エチル/1NのHCL(20ml/4ml)の混合物に注いだ。相を分離し、水性相を酢酸エチル(各20ml)で2度抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、シリカゲルに吸着させた。フラッシュクロマトグラフィー精製(イソヘキサン中50%酢酸エチル)により、無色固体の標題化合物0.22g(81%)を得た、MS:426(ES(M+1))。
H NMR(360MHz,DMSO)δ3.54(2H,s)、7.40(2H,d,J=8.1Hz)、7.47〜7.50(3H,m)、7.64〜7.70(4H,m)、7.77(1H,d,J=8.0Hz)ppm。
【0137】
(実施例45)
2,3−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジル−5−酢酸
実施例44に記載された通りに調製したが、3−ブロモ−2−クロロ−5−メチルピリジンにより開始し、脱プロトン化ステップの共溶媒として、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジンオン(2当量)を用いた。無色固体。MS:426(ES(M+1))。
H NMR(360MHz,CDCl)δ3.76(2H,s)、7.27(2H,d,J=7.4Hz)、7.42(2H,d,J=8.2Hz)、7.51〜7.57(4H,m)、7.73(1H,d,J=1.9Hz)、8.71(1H,d,J=1.9Hz)ppm。
【0138】
実施例46〜54は、ヨードメタンの代わりに適切なヨードアルカン誘導体を、ブチルリチウムの代わりにリチウムジイソプロピルアミドを用いて、実施例33の手順により調製した。
【0139】
(実施例46)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)ヘキサン酸
MS:435(ES(M−1−CO))。
【0140】
(実施例47)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)ブタン酸
MS:407(ES(M−1−CO))。
【0141】
(実施例48)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)ペンタン酸
MS:421(ES(M−1−CO))。
【0142】
(実施例49)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−3−メチルブタン酸
MS:421(ES(M−1−CO))。
【0143】
(実施例50)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチルペンタン酸
MS:435(ES(M−1−CO))。
【0144】
(実施例51)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−3−シクロプロピルプロパン酸
MS:433(ES(M−1−CO))。
【0145】
(実施例52)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−5,5,5トリフルオロペンタン酸
MS:475(ES(M−1−CO))。
【0146】
(実施例53)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−6−クロロヘキサン酸
MS:513(ES(M−1))。
【0147】
(実施例54)
2−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチルペンタ−4−エン酸
MS:433(ES(M−1−CO))。
【0148】
(実施例55)
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1の4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、およびステップ3の2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、実施例1の手順により調製した。
MS:447(ES(M−1−CO))。
【0149】
(実施例56)
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1の4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、およびステップ3の2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、実施例1の手順により調製した。
【0150】
(実施例57)
3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1
3−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)トルエン
窒素下、1,4−ジオキサン(100ml)および飽和炭酸ナトリウム溶液(40ml)中の3−ブロモ−4−ヨードトルエン(14g;47.15mmol)および4−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(9.85g;51.8mmol)に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]塩化パラジウム(II)(1.73g;2.36mmol)を添加した。反応混合物を80℃で18時間加熱し、水および酢酸エチルで希釈し、hyfloにより濾過した。濾液を分離し、有機抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過して減圧下で蒸発させ油を得た。油をシリカに吸着させ、溶離剤としてイソヘキサンを溶離剤として用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて標題化合物を得た。
【0151】
ステップ2
メチル3−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート
20℃のTHF(100ml)中のジイソプロピルアミン溶液(6.4221g8.944ml;63.4662mmol)に、1.6Mのn−ブチルリチウム(39.6mls63.47mmol)溶液を添加した。添加完了時に、反応混合物を10分間撹拌し、次いで−78℃に冷却した。1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジンオン(8.13g7.675ml;63.47mmol)を添加した後、THF中の3−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)トルエン(7.6g;24.1172mmol)溶液を滴下添加した。−78℃で1時間撹拌した後、炭酸ジメチル(4.345g4.061ml;48.2344mmol)を滴下添加した。添加完了時に、反応混合物を放置して0℃に加温し、1時間撹拌した。反応混合物を、塩化アンモニウム溶液の添加により急冷し、酢酸エチルで抽出し、合わせた酢酸エチル抽出物を2Nの塩酸、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で蒸発させて油を得た。油を、溶離剤としてイソ−ヘキサン−イソ−ヘキサン/酢酸エチル(10:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて標題化合物を得た。
【0152】
ステップ3
メチル3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート
1,4−ジオキサン(4ml)中のメチル3−ブロモ−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(.5g;1.34mmol)および2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(.52g;2.00mmol)溶液、および飽和炭酸ナトリウム溶液(1ml)に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]塩化パラジウム(II)(0.049g;0.067mmol)を添加した。反応混合物を、マイクロ波反応器で170℃にて15分間加熱し、次いで水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出物を合わせ、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、減圧下で蒸発させて油を得た。油を、シリカに吸着させ、溶離剤として勾配溶離イソ−ヘキサン対イソ−ヘキサン/酢酸エチル(10:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて標題化合物を得た。収量=0.5g
ステップ4
3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
実施例1ステップ3に記載された条件下で、ステップ3のエステル加水分解により調製した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ3.75(2H,s)、7.17〜7.20(3H,m)、7.26(2H,m)7.41〜7.48(4H,m)、7.60(1H,d,J=8.7Hz)7.94(1H,s)ppm。
MS:(ES(M−H−CO2)=447
(実施例58)
3−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
実施例57ステップ2の生成物を、実施例1ステップ3に記載されたように加水分解した。1,4−ジオキサン(4ml)および飽和炭酸ナトリウム(1ml)中の、その結果得られた酸(0.2g;0.557mmol)および2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(0.19g;0.84mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]塩化パラジウム(II)(0.0407g;0.05569mmol)を、マイクロ波反応器で170℃にて15分間加熱した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、相分離カートリッジを通過させた。ジクロロメタン抽出物を合わせ、減圧下で蒸発させて残留物をシリカに吸着させ、イソ−ヘキサン−酢酸エチル勾配溶離を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて固体を得た。固体を、アセトニトリルで粉末にし、濾過して回収し乾燥させた。収量=38mg。
H NMR(400MHz,CDCl)δ3.76(2H,s)、7.20〜7.27(5H,m)、7.40〜7.48(5H,m)、7.60(1H,s)ppm。
MS:(ES(M−H−CO)=413
【0153】
(実施例59)
2−(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチルペンタン酸
実施例33に記載された工程により実施例55の生成物から調製したが、ヨードメタンの代わりに1−ヨード−2−メチルプロパン、およびブチルリチウムの代わりに塩基としてリチウムジイソプロピルアミドを用いた。
MS:503(ES(M−1−CO))。
【0154】
(実施例60)
2−(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチルペンタン酸
実施例33に記載された工程により実施例56の生成物から調製したが、ヨードメタンの代わりに1−ヨード−2−メチルプロパン、およびブチルリチウムの代わりに塩基としてリチウムジイソプロピルアミドを用いた。
MS:469(ES(M−1−CO))。
【0155】
(実施例61)
2−(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチルペンタ−4−エノン酸
実施例33に記載された工程により、ヨードメタンの代わりに3−ブロモ−2−メチルプロペン、およびブチルリチウムの代わりに塩基としてリチウムジイソプロピルアミドを用いて、実施例56の生成物から調製した。MS:467(ES(M−1−CO))。
【0156】
(実施例62)
2−(3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)ペンタン酸
実施例33に記載された工程により実施例57の生成物から調製したが、ヨードメタンの代わりにブロモプロパンを用いた。
MS:(ES(M−H−CO)=489
(実施例63)
3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−4−メチル−2−ペンタン酸
実施例33に記載された工程により実施例57の生成物から調製したが、ヨードメタンの代わりに1−ブロモ−3−メチルブタンを用いた。
MS:(ES(M−H−CO)=503
(実施例64)
3−(2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロペンタン−1−カルボン酸
実施例28に記載された工程により実施例57の生成物から調製したが、ヨードメチルの代わりに1,4−ジヨードブタンを用いた。
MS:(ES(M−H−CO)=501
(実施例65)
α−イソプロポキシ−3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1
メチルα−ジアゾ−(3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセタート
氷/塩槽で−10℃に冷却した、アセトニトリル(10ml)中のメチル3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸(2g;4.5625mmol)および4−アセトアミドベンゼンスルホニルアジド(1.0961g;4.5625mmol)に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.7641g0.749ml;5.01875mmol)を滴下添加した。反応混合物を放置して室温まで加温し、一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を、ジエチルエーテルおよび炭酸ナトリウム溶液の間で分割した。ジエチルエーテル抽出物を合わせて塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、減圧下で蒸発させて油を得た。油を、溶離剤としてイソ−ヘキサン/酢酸エチル(25:1)を用いたフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて固体を得た。
【0157】
ステップ2
α−イソプロポキシ−3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
イソプロパノールおよび酢酸ロジウム(II)二量体二水和物(46.3273mg;0.096915mmol)に還流で、トルエン中のステップ1のジアゾ誘導体溶液(0.3g;0.6461mmol)を滴下添加した。反応混合物をさらに15分間還流し、次いで水酸化ナトリウムを添加し、反応混合物をさらに2時間還流で加熱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物を2NのHClで酸性化した。溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて油を得た。油をDMSOに溶解し、マスダイレクティドHPLC(Mass−directed HPLC)により精製した。適切な留分を合わせ、減圧下で蒸発させて油を得た。油をジクロロメタンで抽出し、ジクロロメタン抽出物を合わせ硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させて油を得た。油を、ヘキサンで粉末にして固体を得た。固体を、濾過により回収し、ヘキサンで洗浄し、乾燥させて標題化合物を得た。
H NMR(400MHz,DMSOd)δ1.65(6H,m)3.70(1H,m)、7.31〜7.35(4H,m)、7.46〜7.51(2H,m)、7.57〜7.65(5H,m)ppm。
MS:(ES(M−H)=481
(実施例66)
1−(3,4−ビス(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロブタン−1−カルボン酸
ステップ1
1−フルオロ−(3,4−ビス−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ベンゼン
ジオキサン(150ml)中の2−ブロモ−4−フルオロヨードベンゼン(15.5g、51.5mmol)を、4−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(28.5g、150mmol)、次いで飽和炭酸ナトリウム溶液(100ml)で処理した。反応混合物を窒素脱気し、[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.04g、2.5mmol)を添加し、反応混合物を脱気した。反応物を100℃で18時間加熱し、室温に冷却し、水(50ml)を加えた。反応混合物をHyfloにより濾過し、酢酸エチル(4×100ml)を用いて抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中0〜2%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、1−フルオロ−(3,4−ビス−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ベンゼン(17.2g、87%)を得た。
【0158】
ステップ2
1−(3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロブタン−1−カルボニトリル
カリウムヘキサメチルジシラジド(30ml、トルエン中0.5M、15mmol)を、トルエン(10ml)中の1−フルオロ−(3,4−ビス(4−トリフルオロメチル)フェニル)ベンゼン(3.71g、9.65mmol)およびシクロブタンカルボニトリル(3.13g、39mmol)に周囲温度で滴下添加した。混合物を85℃で18時間加熱した。水(50ml)を加え、混合物を酢酸エチル(4×50ml)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、1−(3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロブタン−1−カルボニトリル(2.3g)を得た。
【0159】
ステップ3
水(2ml)/エタノール(18ml)中の1−(3,4−ビス(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)シクロブタン−1−カルボニトリル(1.2g)および水酸化カリウム(2g)を、95℃で18時間加熱した。反応混合物を蒸発させ、塩酸(5N)を用いて酸性化し、酢酸エチルを用いて抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。マストリガーHPLCにより精製し、標題化合物(460mg)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):d 1.92〜2.00(1H,m)、2.12〜2.20(1H,m)、2.28〜2.65(2H,m)、2.90〜2.96(2H,m)、7.21〜7.26(4H,m)、7.36(1H,s)、7.40〜7.46(2H,m)、7.49(4H,dd,J=3.8,8.0Hz)ppm。
MS:419(ES(M−1−CO))。
【0160】
(実施例67)
1−(3,4−ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル)−3−メチルシクロブタン−1−カルボキシル酸(syn型およびanti型異性体)
シクロブタンカルボニトリルの代わりに3−メチルシクロブタンカルボニトリルを用いて、実施例66と同様に調製した。syn型およびanti型異性体の両方を得た。
MS:433(ES(M−1−CO))。
【0161】
(実施例68)
3−(4−トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1
エチル4−アミノ−3−ヨードフェニル酢酸
エチル4−アミノフェニルアセタート(21.2g、0.12mol)をアセトニトリル(100ml)に溶解した後、炭酸水素ナトリウム(20g、0.24mol)および水(200ml)を添加した。混合物を0℃に冷却し、ヨードを30秒間にわたり5回に分けて激しく撹拌しながら添加した。黒い混合物を室温まで加温しながら、さらに15時間撹拌した。水を加え、混合物を、ジエチルエーテル(5×100ml)を用いて抽出した。合わせた有機抽出物を、水、飽和チオ硫酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、シリカゲルに吸着させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー精製により、赤色固体の標題化合物を得た(21.5g、59%)。
【0162】
ステップ2
エチル4−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート
エチル4−アミノ−3−ヨードフェニルアセタート(2.72g、8.9mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(2.54g、13.3mmol)、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(0.37g、0.45mmol)および2Mの水性炭酸ナトリウム溶液(9ml、18mmol)を、20mlジオキサンに添加した。フラスコを脱気し、100℃で12時間加熱し、室温に冷却した。黒い混合物を、水(50ml)および酢酸エチル(100ml)の間で分割し、相を分離した。さらに2度抽出した後、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、油の標的化合物を得た。
【0163】
ステップ3
エチル4−ヨード−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート
エチル4−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(53.1g、0.164mol)をジエチルエーテル400mlに溶解し、塩酸(4Mのジオキサン溶液60ml、0.24mol)を室温で添加した。反応物を15分間放置して室温に冷却し、溶液が混濁するまでイソ−ヘキサンを添加した。混合物を放置して1時間結晶化させ、得られた固体を濾過し、イソ−ヘキサンで洗浄し、焼結で乾燥して明るいロゼ色の固体55g(93%)を得た。得られた塩酸塩(27.8g、77.4mmol)を、濃縮塩酸300mlに懸濁し、0℃に冷却した。水(40ml)中の亜硝酸ナトリウム溶液(5.4g、78mmol)を滴下添加し、均質な反応物をさらに10分間同じ温度で放置した。次いで水(150ml)中のヨードカリウム溶液(38g、0.23ml)を、温度を0℃に保ちながら滴下添加した。温度を室温まで上げ、黒い混合物を一晩撹拌し、最後にこれを氷水に注いで急冷した。生成物を、酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、油の標題化合物(27g、80%)を得た。
【0164】
ステップ4
4−ヨード−3−(4−トリフルオロメチルフェニル)フェニル酢酸
実施例1ステップ3に記載された手順を用いたステップ3のエステル加水分解、および溶離剤として100%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、黄色固体の標的化合物(6.0g、19%)を得た。
H NMR(400MHz,CDCl3)δ3.63(2H,s)、7.01(1H,dd,J=8.1,1.9Hz)、7.19(1H,d,J=1.9Hz)、7.44(2H,d,J=7.8Hz)、7.70(2H,d,J=7.8Hz)、7.91(1H,d,J=8.1Hz)ppm。
【0165】
ステップ5
2−(1−プロピル)−4−トリフルオロメチルフェニルボロン酸ピナコールエステル
4−ブロモベンゾトリフルオライド(35ml、0.25mol)を、トリフル酸100mlに室温で溶解した。N−ヨードスクシンイミド(59g、0.26mol)を5分間滴下添加し、濃い混合物を、さらに15時間室温で撹拌した。反応混合物を氷水(300g)に入れ、氷が解けた後に、水性相を3回に分けた(100ml)ジメチルエーテルで抽出した。有機相を合わせ、飽和炭酸ナトリウム、水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を濾過および蒸発させた後、残留液体を真空下(0.25mbar)で蒸留し、透明な液体(沸点:62〜64℃)の4−ブロモ−3−ヨードベンゾトリフルオライド(85g、85%)を得た。
【0166】
n−プロピルマグネシウムクロリド(THF中の2M溶液50ml、0.1mol)を、窒素下、室温で塩化亜鉛(THF中の0.5M溶液、0.1mol)200mlに添加した。懸濁液を50℃で4時間加熱し、再び室温に冷却した。4−ブロモ−3−ヨードベンゾトリフルオライド(35g、0.1mol)、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(3.66g、5mmol)、ヨウ化銅(I)(1.12g、5.8mmol)を室温で添加し、反応物をさらに3時間撹拌した。水を加え、混合物を2Nの塩酸で中和し、ジメチルエーテル(5×100ml)を用いて抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残留液体を真空下(57mbar)で蒸留し、透明な液体(沸点:112〜114℃)である、4−ブロモ−3−(1−プロピル)ベンゾトリフルオライドおよび開始原料4:1の混合物を得た。
【0167】
4−ブロモ−3−(1−プロピル)ベンゾトリフルオライド(3.55g、13.3mmol)をTHF(30ml)に窒素下で溶解し、−75℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6Mの9.1ml、14.5mmol)を1分間滴下添加し、その結果得られたオレンジ色の溶液を、同じ温度で5分間撹拌した。2−ボロン酸プロポキシピナコール(3ml、14.6mmol)を滴下添加し、その結果得られた溶液を室温まで加温し、さらに3時間撹拌した。水を加え、混合物をジメチルエーテル(3×20ml)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫化ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させて、オレンジ色のシロップである標題化合物(4g)を得た。標題化合物を、次のステップのように使用した。
H NMR(500MHz,CDCl3)δ0.95(3H,t,J=7.3Hz)、1.35(12H,s)、1.58〜1.59(2H,m)、2.89(2H,t,J=7.7Hz)、7.39〜7.40(2H,m)、7.84(1H,d,J=8.3Hz)ppm。
【0168】
ステップ6
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−プロピル−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
5mlのPersonal Chemistry(商標)処理バイアルを、ステップ4の生成物(406mg、1mmol)、ステップ5の生成物(628mg、2mmol)、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(0.041g、0.05mmol)、ジオキサン(2ml)および飽和炭酸ナトリウム溶液(1.5ml)の混合物で充填した。Personal Chemistry Smith(商標)合成器を用いて、バイアルを15分間、170℃で加熱し、室温に冷却した。混合物を、塩酸(2N、15ml)および酢酸エチル(20ml)での間で分割し、相を分離した。さらに1回抽出を行った後、有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。マストリガーHPLCにより精製し、標題化合物(30mg)を得た。MS:421(ES(M−1−CO))。
【0169】
(実施例69)
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−アジド−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1
エチル3−(4−トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート
ジオキサン中の2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)アニリン(240mg、1mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(305mg、1.2mmol)、酢酸カリウム(295mg、3mmol)およびジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(50mg)の混合物を、Personal Chemistry Smith(商標)合成器を用いて、160℃で15分間加熱し、室温に冷却した。反応混合物を、実施例68ステップ3の生成物(1mmol)、ジクロロメタンとの[1,1’−ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)錯体(50mg)および飽和炭酸ナトリウム溶液(2ml)の入ったバイアルに添加した。これを、Personal Chemistry Smith(商標)合成器を用いて170℃で15分間加熱し、室温に冷却した。混合物を塩酸および酢酸エチルでの間で分割し、相を分離した。酢酸エチルで抽出した後、有機相を合わせて、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、標題化合物(112mg)を得た。
【0170】
ステップ2
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−アジド−4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸エチル
トリフルオロ酢酸(5ml)中のステップ1の生成物(233mg、0.5mmol)を0℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(35mg、0.5mmol)で処理した。1時間後、さらに亜硝酸ナトリウム(35mg、0.5mmol)を添加した。1時間後、アジ化ナトリウム(65mg、1mmol)を添加した。反応物を放置して室温まで1時間加温し、室温で1時間撹拌した。水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(3×30ml)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、標題化合物(130mg)を得た。
【0171】
ステップ3
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(2−アジド−4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ジオキサン中のステップ2(50mg)のエステルを、40%水酸化カリウム溶液(0.5ml)で処理し、100℃で18時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、塩酸(2N)を用いて酸性化し、酢酸エチル(50ml)を用いて抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。マストリガーHPLC精製により、標題化合物(24mg)を得た。H NMR(500MHz,CDCl):d 3.78(2H,s)、7.21〜7.34(6H,m)、7.38(1H,s)、7.42(1H,d,J=7.2Hz)、7.48(2H,d,J=8.0Hz)ppm。
MS:392(ES(M−1−CO−N))。
【0172】
(実施例70)
2−[4−(2−アジド−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル]−4−メチルペンタン酸
ステップ1
メチル2−[4−ヨード−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル]−4−メチルペンタノアート
エチル4−ヨード−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート(実施例68ステップ3)を、実施例69ステップ3のように加水分解して対応する酸を得た。これを、ヨードメタンの代わりに1−ヨード−2−メチルプロパン、およびブチルリチウムの代わりに塩基としてリチウムジイソプロピルアミドを用いて、実施例33に記載した通りにアルキル化して2−[4−ヨード−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニル]−4−メチルペンタン酸を得た。0℃のTHF中のこの酸(1.59g、3.45mmol)を、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中2M、5ml、10mmol)で処理した。40分後、水(10ml)を加え、窒素を排出した。混合物を酢酸エチル(2×40ml)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中0〜2%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、標題化合物(1.44mg)を得た。
【0173】
ステップ2〜4
ステップ1の生成物を、実施例69の手順により標題化合物に変換した。H NMR(500MHz,CDCl):d 0.97(6H,d,J=6.6Hz)、1.55〜1.65(1H,m)1.73〜1.79(1H,m)、2.04〜2.10(1H,m)、3.80(1H,t,J=7.7Hz)、7.21〜7.31(6H,m)、7.40(1H,s)、7.45〜7.49(3H,m)ppm。
MS:448(ES(M−1−CO−N))。
【0174】
(実施例71)
4−(4−メチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)ペンタ−1−エン−1−イル)−3−(4−トリフルオロメチル)フェニル)フェニル酢酸
ステップ1
3−メチル−1−(トリブチルスタニル)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−ブテン
4−ヨードベンゾトリフルオライド(11.587g42.6mmol)を、ピロリジン(130ml)に溶解し、次いでこの溶液を真空脱気し、窒素下に置いた。テトラキストリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.39g、1.2mmol)を、次いで4−メチル−1−ペンチン(10ml、85mmol)を添加した。反応物を室温で3.5時間撹拌した。ヨウ化銅(I)(436mg、2.29mmol)を添加し、反応物を加温し、次いで1日撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液(300ml)を添加した後、エーテル(5×70ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、1.7Mの塩酸(3×30ml)、次に水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を蒸発させて油を残し、これを75〜78℃、2mmHgで蒸留した。4−メチル1−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−ペンチンの収量8g(83%)。
【0175】
上述したアルキン(7.08g、31.3mmol)をTHF(50ml)に溶解し、ビス(トリフェニルホスフィノ)二塩化パラジウム(II)(1g、1.4mmol)を添加した。混合物を3回脱気し、水素化トリブチルチンを室温で滴下添加した。黒い溶液をさらに4時間撹拌し、水に入れた。生成物を3回に分けた(100ml)ジエチルエーテルで抽出し、有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を濾過および蒸発させた後、残留液体を真空下(0.05mbar)で蒸留し、透明な液体(沸点:125℃)の標題化合物(13.5g、83%)を得た。
H NMR(500MHz,CDCl3)δ0.85〜1.65(34H,m)、1.89(1H,t,J=7.0Hz)、5.81(1H,t,J=7.0Hz)、7.00(2H,d,J=8.0Hz)、7.50(2H,d,J=8.0Hz)ppm。
【0176】
ステップ2
エチル4−ヨード−3−(4−(トリフルオロメチルフェニル)フェニルアセタート(実施例68ステップ3、2.05g、4.7ミリモル)、3−メチル−1−(トリブチルスタニル)−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−1−ブテン(ステップ1、3.67g、7.1mmol)、トリス(ジベンジリデン)ジパラジウム(0)(0.15g、0.16mmol)、トリフェニルアルシン(0.16g、0.52mmol)およびヨウ化銅(I)(0.09g、0.47mmol)を、DMFに溶解した。溶液を3回脱気し、90℃で15時間加熱した。黒い混合物を、水(10ml)および酢酸エチル(50ml)の間で分割し、相を分離した。さらに2回抽出した後、有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中5〜10%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、油である、エチル4−(4−メチル−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)ペンタ−1−エン−1−イル)−3−(4−(トリフルオロ−メチル)フェニル)フェニルアセタート(1.02g、41%)を得た。
【0177】
このエステル(1.02g、1.9mmol)を5mlエタノールに溶解し、水酸化カリウム(1g、17.8mmol)および水(0.5ml)を添加した。混合物を100℃で12時間加熱した。室温に冷却後、1NのHClをpH4まで添加し、水性相を酢酸エチル(2回20mL)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。溶離剤としてイソヘキサン中10〜50%酢酸エチルを用いたシリカフラッシュクロマトグラフィー精製により、無色の油である標的化合物0.8g(83%)を得た。
H NMR(360MHz,CDCl)δ0.83(6H,d,J=6.4Hz)、1.59〜1.66(1H,m)、2.02(2H,d,J=6.9Hz)、3.69(2H,s)、5.89(1H,t,J=7.4Hz)、6.79(2H,d,J=7.7Hz)、7.10〜7.12(3H,m)、7.24(2H,d,J=7.2Hz)、7.37〜7.40(4H,m)、10.17(1H,s,br.)ppm。MS:(ES(M−1−CO))461。
【0178】
(実施例72)
4−[ビス(3−メチルブト−2−エン−1−イル)アミノ]−3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]フェニル酢酸
アセトニトリル(50ml)中のエチル4−アミノ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)フェニルアセタート塩酸塩(実施例68ステップ2および3)(1.08g、3mmol)を炭酸カリウム(1.66g、12mmol)で処理した。10分後、過剰な1−ブロモ−3−メチルブト−2−エンを添加した。反応混合物を60℃で18時間加熱した。混合物を蒸発させて粗エステル(1.37g)を得た。ジオキサン(10ml)中のエステル(0.86g)を、40%水酸化カリウム溶液(5ml)で処理し、100℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、塩酸(2N)で中和し、酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。マストリガーHPLC精製により、標題化合物(144mg)を得た。
H NMR(500MHz,CDCl):d 1.48(6H,s)、1.67(6H,s)、3.69(2H,s)、3.84(4H,d,J=7.0Hz)、5.03(2H,t,J=7.0Hz)、7.17(1H,d,J=1.8Hz)、7.33(1H,d,J=8.3Hz)、7.39〜7.47(3H,m)、7.69(2H,d,J=8.1Hz)ppm。
MS:432(ES(MH+)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳内のβ−アミロイド沈着に関連する疾患を治療または予防する薬剤を製造するための、式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩の使用:
【化1】

[式中、nは、0、1または2であり;
Yは、NまたはCHであり;
Zは、NまたはCRであり;
AおよびBは、独立して、結合またはC、O、NおよびSから選択される1から3個の原子の鎖を含む二価の連結基を表し、但し、前記原子の多くとも1個が、O、NまたはSであり;
およびRは、独立して、H、F、ORもしくはRを表し、または一緒になって、C1〜4アルキル置換基を場合によっては有するC3〜6シクロアルキル基を完成させ;
およびRは、独立して、5から10個の炭素原子の非環状炭化水素基、またはC、N、OおよびSから選択される5から10個の環原子を含む単環式環系もしくは二環式環系を表し、但し、任意の単一の環における多くとも3個の環原子が、C以外であり、前記環系は、ハロゲン、N、CN、NO、R、OR、SR、CO、OCORおよびCORから選択される最大3つの置換基を場合によっては有し;
は、最大3個のハロゲン原子で場合によっては置換された、最大7個の炭素原子の炭化水素基を表し;
は、Hを表し、またはRと同様の定義を有する。]。
【請求項2】
脳内のAβ沈着に関連する疾患は、アルツハイマー病(AD)、脳アミロイド血管障害、多発梗塞性認知症、ボクサー認知症またはダウン症候群である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
脳内のAβ蓄積の遅延、阻止または予防を必要とする対象に、請求項1に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩の治療有効量を投与することを含む、脳内のAβ蓄積を遅延、阻止または予防するための方法。
【請求項4】
nが1または2であり、YおよびZがCHであり、ならびにAおよびBがいずれも結合を表し、ならびにRおよびRの少なくとも一方がHである場合、RおよびRが両方共非置換フェニルを表すことはないことを条件とする、請求項1に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこの塩。
【請求項5】
式IIの請求項4に記載の化合物または薬学的に許容されるこの塩:
【化2】

(式中、R、R、RおよびRは、独立して、H、ハロゲン、RおよびORから選択され、但し、RからRの少なくとも1つはH以外であり、ならびに
A、Y、Z、R、RおよびRは、請求項4に記載の通りである。)。
【請求項6】
が、4位にあるCFを表し、Rが、H、ハロゲン、N、C1〜4アルキルまたはCFを表す、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
が、4位にあるCFを表し、Rが、H、ハロゲンまたはCFを表す、請求項5または請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
YおよびZが、いずれもCHである、請求項4から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
Aが、結合である、請求項4から8のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
およびRの一方が、Hであり、他方が、H、RもしくはORであり、またはRおよびRは、一緒になって、シクロアルキル基を完成させる、請求項5から9のいずれかに記載の化合物。
【請求項11】
がHであり、ならびにRがC1〜6アルキル、ハロC1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
請求項4から11のいずれかに記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。

【公表番号】特表2008−507498(P2008−507498A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522039(P2007−522039)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【国際出願番号】PCT/GB2005/050114
【国際公開番号】WO2006/008558
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(390035482)メルク シャープ エンド ドーム リミテッド (81)
【Fターム(参考)】