説明

アルツハイマー病の治療のためのASP2阻害活性を有するヒドロキシエチルアミン化合物

本発明は、Asp2(β−セクレターゼ、BACE1またはメマプシン)阻害活性を有する新規ヒドロキシルエチルアミン化合物、その調製法、これらを含有する組成物および高いβ−アミロイドレベルまたはβ-アミロイド沈着を特徴とする疾患、特にアルツハイマー病の治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、Asp2(β−セクレターゼ、BACE1またはメマプシン)阻害活性を有する新規ヒドロキシエチルアミン化合物、その調製法、これらを含有する組成物および高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患、特にアルツハイマー病の治療におけるその使用に関する。
【0002】
(従来技術)
アルツハイマー病は、老人斑の形態におけるβ−アミロイド(Aβ)の細胞外沈着が疾患の重要な病理学上の特徴である変成脳障害である(Selkoe,D.J.(2001)Physiological Reviews 81:741−766)。老人斑の存在は、顕著な炎症反応およびニューロン損失を伴う。Aβは可溶性および不溶性フィブリル形態において存在し、特定のフィブリル形態が主な神経毒性種として同定されている(Vassar,R.およびCitron,M.(2000)Neuron 27:419−422)。加えて、痴呆はプラーク負荷量よりも可溶性アミロイドのレベルと、より密接に関連することが報告されている(Naslund,J.ら(2000)J.Am.Med.Assoc.12:1571−1577;Younkin,S.(2001)Nat.Med.1:8−19)。Aβは、Asp2と呼ばれるアスパラギン酸プロテアーゼ酵素(β−セクレターゼ、BACE1またはメマプシンとも呼ばれる)によりベータアミロイド前駆体タンパク質(APPとも呼ばれる)の開裂により産生されることが知られている(De Strooper,B.およびKonig,G.(1999)Nature 402:471−472)。
【0003】
従って、Asp2酵素の阻害はAPP処理のレベルを減少させ、その結果、脳内で見いだされるAβペプチドのレベルを減少させることが提唱されている。従って、Asp2酵素の阻害はアルツハイマー病の治療における有効な治療標的であると考えられる。
APPは様々なタンパク分解酵素により開裂される(De Strooper,B.およびKonig,G.(1999)Nature 402:471−472)。アミロイド生成経路における重要な酵素はAsp2(β−セクレターゼ)およびγ−セクレターゼであり、これらはどちらもアスパラギン酸プロテイナーゼであり、これらの酵素によるAPPの開裂によりAβが生成する。Aβ形成を除外する非アミロイド生成性α−セクレターゼ経路は、多くのプロテイナーゼにより触媒されることが示されており、最良の候補はADAM10、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼである。Aspはインビトロでα−およびβ−セクレターゼ活性の両方を示すことが主張されている。Asp1およびAsp2の発現のパターンはかなり異なり、Asp2は膵臓および脳において最も高度に発現され、一方、Asp1の発現は多くの他の抹消組織において起こる。Asp2ノックアウトマウスは、Asp2の欠失はAβ産生を排除することを示し、またこの動物モデルにおいて内因性Asp1はAsp2欠損と置換できないことも示す(Luo,Y.ら(2001)Nat Neurosci.4:231−232;Cai,H.ら(2001)Nat Neurosci.4:233−234;Roberds,S.L.ら(2001)Hum.Mol.Genet.10:1317−1324)。
【0004】
医薬がアルツハイマー病の治療において治療的に有用であるためには、前記医薬はAsp2酵素の有効な阻害物質であるのが好ましいが、理想的にはアスパラギン酸プロテイナーゼファミリーの他の酵素、例えばカテプシンDよりもAsp2に関して選択性であるべきである(Connor,G.E.(1998)Cathepsin D in Handbook of Proteolytic Enzymes,Barrett,A.J.,Rawlings,N.D.,&Woesner,J.F.(編)Academic Press London.pp828−836)。
WO01/70672、WO02/02512、WO02/02505およびWO02/02506(Elan Pharmaceuticals Inc.)は、アルツハイマー病の治療において有用であるとされるβ−セクレターゼ活性を有する一連のヒドロキシエチルアミン化合物を記載している。
本発明者らは、Asp2酵素の有効な阻害物質である新規化合物を見いだし、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患、例えばアルツハイマー病の治療においてこれらの化合物に有効である可能性を示した。
【特許文献1】WO01/70672
【特許文献2】WO02/02512
【特許文献3】WO02/02505
【特許文献4】WO02/02506
【非特許文献1】Selkoe,D.J.(2001)Physiological Reviews 81:741−766
【非特許文献2】Vassar,R.およびCitron,M.(2000)Neuron 27:419−422
【非特許文献3】Naslund,J.ら(2000)J.Am.Med.Assoc.12:1571−1577
【非特許文献4】Younkin,S.(2001)Nat.Med.1:8−19
【非特許文献5】De Strooper,B.およびKonig,G.(1999)Nature 402:471−472
【非特許文献6】Luo,Y.ら(2001)Nat Neurosci.4:231−232
【非特許文献7】Cai,H.ら(2001)Nat Neurosci.4:233−234
【非特許文献8】Roberds,S.L.ら(2001)Hum.Mol.Genet.10:1317−1324
【非特許文献9】Connor,G.E.(1998)Cathepsin D in Handbook of Proteolytic Enzymes,Barrett,A.J.,Rawlings,N.D.,&Woesner,J.F.(編)Academic Press London.pp828−836
【0005】
(発明の開示)
従って、本発明の第一の態様に従って、式(I):
【化1】

【0006】
(式中、
はアリールまたはヘテロアリールを表す;
はC1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
2aは水素、ハロゲン、C1−3アルキルまたはC1−3アルコキシを表す;
nは0、1または2を表す;
Aは−C(H)=、−C(R2b)=または−N=を表す;
2bはC1−3アルキル、C2−4アルケニル、ハロゲン、C1−3アルコキシ、アミノ、シアノまたはヒドロキシを表す;
Bは−C(R)=または−N=を表す;
は水素、ハロゲン、所望により置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C2−6アルケニル−アリール、−C2−6アルケニル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニル−ヘテロサイクリル、C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、シアノ、アジド、ニトロ、スルホキシド、−NR、−NRCOR10、−NR11SO12、−NR11CO12、−OR13、−SO14、−SR15、−C≡CR16、−C0−6アルキル−(CFCF、−CONR1718、COOR19、−C1−6アルキル−NR2021または−C1−6アルキル−N、あるいはRは隣接する炭素原子上のR2bと一緒になって縮合5〜7員飽和または部分飽和炭素環式または複素環式環(所望によりC1−6アルキル基で置換されていてもよい)を表す;
【0007】
は所望により置換されていてもよいC1−6アルキル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
は水素、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルキル−アリール、−ヘテロサイクリル−アリール、−C1−6アルキル−アリール−ヘテロアリール、−C(R)−CONH−C1−6アルキル、−C(R)−CONH−C3−8シクロアルキル、−C2−6アルキル−S−C1−6アルキル、−C2−6アルキル−NR、−C(R)−C1−6アルキル、−C(R)−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−8シクロアルキル、−CO−C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
【0008】
、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
およびRは独立して水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルまたは−C1−6アルキル−SO−C1−6アルキルを表すか、またはRおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRならびにRおよびRはこれらが結合している隣接する炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル基を形成することができる;
12はC1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
qは0〜3を表す;
、RおよびRのアルキル基の任意の置換基は、ハロゲン、C1−6アルコキシ、アミノ、シアノまたはヒドロキシ基の1以上(例えば、1、2または3)を含む;
前記アリール、ヘテロアリールまたはヘテロサイクリル基は、C1−6アルキル、ハロゲン、−CF、−OCF、=O、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキニル、C2−6アルケニル、アミノ、シアノ、ニトロ、−NR22COR23、−CONR2223−C1−6アルキル−NR2223(式中、R22およびR23は独立して水素またはC1−6アルキルを表す)、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルまたは−C1−6アルカノイル基の1以上(例えば、1、2、または3)で所望により置換されていてもよい)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物が提供される。
【0009】
本発明の一態様において、前記定義の式(I)の化合物が提供され、ここにおいて、
はC1−6アルキルを表す;
2aは水素、ハロゲンまたはC1−3アルキルを表す;
は水素、ハロゲン、所望により置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C2−6アルケニル−アリール、−C2−6アルケニル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニル−ヘテロサイクリル、C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、シアノ、アジド、ニトロ、スルホキシド、NR、−NRCOR10、−NR11SO12、−OR13、−SO14、−SR15、−C≡CR16、−C0−6アルキル−(CFCF、−CONR1718、COOR19、−C1−6アルキル−NR2021または−C1−6アルキル−Nを表すか、またはRは隣接する炭素原子上のR2bと一緒になって5〜7員縮合飽和または部分飽和炭素環式または複素環式環を形成する;
【0010】
は水素、所望により置換されていてもよいC1−10アルキル、−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルキル−アリール、−ヘテロサイクリル−アリール、−C1−6アルキル−アリール−ヘテロアリール、−C(R)−CONH−C1−6アルキル、−C(R)−CONH−C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−S−C1−6アルキル、−C1−6アルキル−NR、−C(R)−C1−6アルキル、−C(R)−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
11、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
qは1〜3を表す。
【0011】
アルキルは対応するアルキルの直鎖および分岐鎖脂肪族異性体の両方を包含する。アルケニルも同様に解釈されると理解される。
3−8シクロアルキルは、対応するアルキルの全ての脂環式(分岐を含む)異性体を包含する。
「アリール」は、単環式炭素環式芳香環(例えばフェニル)および二環式炭素環式芳香環(例えばナフチル)または炭素環式ベンゾ縮合環(例えば、フェニル環に縮合したC3−8シクロアルキル)を包含する。
【0012】
「ヘテロアリール」とは、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個の複素原子を含有する単環式および二環式複素環式芳香環炭素環を包含する。単環式複素環式芳香環の例としては、例えば、チエニル、フリル、ピロリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリジル、テトラゾリルなどが挙げられる。二環式複素環式芳香環の例としては、例えば、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、インドリル、インダゾリル、ピロロピリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリルなどが挙げられる。
【0013】
「ヘテロサイクリル」とは、窒素、硫黄または酸素から選択される1〜3個の複素原子を含有する5〜7員非芳香族単環を包含する。複素環式非芳香環の例としては、例えば、モルホリンイル、ピペリジニル、ピペラジニル、チオモルホリニル、オキサチアニル、ジチアニル、ジオキサニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサチアラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニルなどが挙げられる。
【0014】
好ましくは、Rは、所望により、ハロゲン(例えば、フッ素または塩素)、シアノ、−CF、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)または−CONR2223(例えば、−CONH)基などの1以上で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニルまたはナフチル)またはヘテロアリール(例えば、ピリジル)を表す。
さらに好ましくは、Rは、所望により1以上のハロゲン(例えば、フッ素または塩素)原子により置換されていてもよいアリール(例えば、フェニルまたはナフチル)またはヘテロアリール(例えば、ピリジル)を表す。
最も好ましくは、Rはアリール、例えば非置換フェニル、または所望によりハロゲン(例えば、フッ素または塩素)、シアノ、またはC1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)基により置換されていてもよいフェニルを表す。
【0015】
好ましくは、Rは、メチル、エチル、i−プロピルまたはブチルを表し、さらに好ましくはメチルを表す。
好ましくは、nは0または1であり、さらに好ましくは1である。
nが1を表す場合、R2aは好ましくはC1−3アルキル(例えば、メチル)またはハロゲン(例えば、フッ素)であり、さらに好ましくはハロゲン(例えばフッ素)である。
nが1を表す場合、R2aは好ましくはB基に関して炭素環/複素環のパラ位にある。 Aが−C(R2b)=を表す場合、R2bは好ましくは:
ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素);または
1−3アルキル(例えば、メチル)である。
【0016】
Aが−C(R2b)=を表す場合、R2bはさらに好ましくはフッ素である。
好ましくは、Aは−C(H)または−N=を表し、さらに好ましくは−C(H)=を表す。
好ましくは、Rは:
ハロゲン(例えば、臭素);
1−6アルキル(例えば、エチル、プロピル、i−プロピルまたはt−ブチル);
2−6アルケニル(例えば、−CH=CH、−CH=C(CH、−CH(CH)=CHまたは−CH=CH−CH);
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル);
シアノ;
所望により1以上のC1−6アルキル(例えば、メチル)基で置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル);
所望により1または2個のオキソ基(例えば、2−オキソピロリジニルまたは1,1−ジオキソ−イソチアゾリジニル)で置換されていてもよいヘテロサイクリル(例えば、ピロリジニルまたはイソチアゾリジニル);
−NR
−OR13
−SO14
−SR15
−C≡CR16;または
−CONR1718
を表す。
【0017】
さらに、好ましくは、Rは隣接する炭素原子上のR2bと一緒になって、所望によりC1−6アルキル基(例えば、エチル)で置換されていてもよい部分的に飽和した複素環(例えば、ピロリン)基を形成する。
さらに好ましくは、Rは:
ハロゲン(例えば、臭素);
1−6アルキル(例えば、i−プロピル);
2−6アルケニル(例えば、−CH=CH、−CH=C(CH、−CH(CH)=CHまたは−CH=CH−CH);
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチル);
−NR
−OR13
−SR15;または
オキソ基で置換されたヘテロサイクリル(例えば、ピロリジニル)を表す(例えば、2−オキソピロリジニル)。
【0018】
好ましくは、RおよびRは独立して:
水素;
1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、i−プロピル、i−ブチル、エチルプロピル、ジメチルプロピルまたはメチルブチル);
3−8シクロアルキル(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル);
アリール(例えば、フェニル);
−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル(例えば、−CH−シクロプロピル);
−C1−6アルキル−アリール(例えば、−CH−フェニルまたは−(CH−フェニル);または
−CO−C1−6アルキル(例えば、−COCH)を表す。
【0019】
さらに好ましくは、RおよびRは独立して、水素、C1−6アルキル(例えば、メチル、エチルまたはイソプロピル)またはC1−6アルキル−アリール(例えば、−CH−フェニル)、特に水素またはC1−6アルキルを表す。
最も好ましくは、Rは水素を表し、RはC1−6アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)を表す。
好ましくは、R13は、C1−6アルキル(例えば、エチルまたはイソプロピル)を表す。
好ましくは、R14およびR15は独立して、C1−6アルキル(例えば、メチルまたはエチル)を表す。
さらに好ましくは、R15はエチルを表す。
好ましくは、R16は水素またはC1−6アルキル(例えば、メチル)を表す。
【0020】
好ましくは、R17およびR18は独立して、C1−6アルキル(例えば、プロピル)を表す。
好ましくは、Rは、所望により1または2個のハロゲン原子(例えば、フッ素)により置換されていてもよいC1−6アルキル−アリール(例えば、ベンジル)を表す。さらに好ましくは、Rは非置換ベンジルを表す。
【0021】
好ましくは、Rは:
−C1−10アルキル(例えば、1,5−ジメチルヘキシルまたは1,1,5−トリメチルヘキシル);
−C3−8シクロアルキル(例えば、シクロプロピルまたはシクロヘキシル);
所望により1以上のハロゲン、シアノ、−OCF、−CF、C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)基により置換(例えば、3位および5位で置換)されていてもよい−C(R)−アリール(例えば、ベンジルまたは1−フェニル−1−メチルエチル);
−C(R)−CONH−C3−8シクロアルキル(例えば、C(R)−CONH−シクロヘキシル);または
−C3−8シクロアルキル−アリールを表す。
【0022】
さらに好ましくは、Rは:
所望により−OCFまたは−CF基により置換されていてもよい−C(R)−アリール(例えば、ベンジル);または
−C(R)−CONH−C3−8シクロアルキル(例えば、C(R)−CONH−シクロヘキシル)を表す。
好ましくは、RおよびRは独立して水素またはメチルを表し,さらに好ましくはR水素を表し、Rはメチルを表す。
好ましくは、RおよびRは独立して水素またはC1−6アルキル(例えば、メチル)を表すか、あるいはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル基を形成する。
【0023】
好ましい本発明の化合物の例は、以下に示すE1−E90、またはその医薬上許容される塩を包含する。
式(I)の化合物は、その酸付加塩を形成することができる。医療において使用するために、式(I)の化合物の塩は、医薬上許容されるべきであると理解される。適当な医薬上許容される塩は、当業者には明らかであり、J.Pharm.Sci.,1977,66,1−19に記載されているもの、例えば、無機または有機酸とで形成される酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、硝酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、パルモエート、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ギ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。本発明はその範囲内に全ての可能な化学量論的および非化学量論量的形態を包含する。
【0024】
式(I)の化合物は、結晶性または非結晶性形態において調製することができ、結晶であるならば、例えば水和物などとして所望により溶媒和されてもよい。本発明はその範囲内に化学量論的溶媒和物(例えば水和物)ならびに様々な量の溶媒(例えば水)を含有する化合物を包含する。
式(I)のある種の化合物は立体異性形態(例えば、ジアステレオマーおよびエナンチオマー)において存在することができ、本発明はこれらの立体異性形態のそれぞれおよびラセミ混合物を包含するその混合物に及ぶ。異なる立体異性形態は、通常の方法により互いに分離することができ、または任意の所定の異性体は立体特異性または不斉合成により得ることができる。本発明はさらに、任意の互変異性形態およびその混合物にも及ぶ。好ましくは、式(I)の化合物は式(Ia)のエナンチオマーの形態である:
【化2】

【0025】
式(I)の化合物およびその塩および溶媒和物は、本発明のさらなる態様を構成する以下に記載するような方法により調製することができる。
式(I)の化合物を調製するための本発明の方法は:
(a)式(II)の化合物またはその活性化および/または所望により保護されていてもよい誘導体:
【化3】

(式中、R、R、R2a、n、AおよびBは前記定義の通りである)を式(III)の化合物:
【化4】

(式中、RおよびRは前記定義の通りである)と反応させること;または
(b)式(IV)の化合物:
【化5】

(式中、R、R、R2a、n、A、BおよびRは前記定義の通りである)を適当なアルデヒドまたはケトンで還元的にアルキル化することを含む式(I)の化合物の調製;または
(c)保護された式(I)の化合物を脱保護すること;およびその後所望により
(d)式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に相互変換することを含む。
【0026】
式(II)の化合物が活性化誘導体(例えば、カルボン酸を酸塩化物、混合無水物、活性エステル、例えばメシレートまたはトシレート、O−アシルイソ尿素または他の種に活性化することによる)である場合、プロセス(a)は典型的には前記活性化誘導体をアミンで処理することを含む(Ogliaruso,M.A.;Wolfe,J.F.in The Chemistry of Functionalgroups(Patai、S.編)Suppl.B:The Chemistry of Acid Derivatives,Pt.1(John Wiley and Sons,1979),pp442−8;Beckwith,A.L.J.in The Chemistry of Functional Groups(Patai,S.編)Suppl.B:The Chemistry of Amides(Zabricky,J.編)(John Wiley and Sons,1970,p73ff)。式(II)の酸およびアミンを好ましくは1−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などの活性化剤の存在下で反応させる。
【0027】
式(II)の化合物がカルボン酸である場合、プロセス(a)は典型的には、適当な溶媒、例えばDMF中、適当な温度、例えば0℃から室温の間での水溶性カルボジイミド、HOBTおよび適当な塩基、例えばターシャリーアルキルアミンまたはピリジンの使用を含む。
プロセス(b)は典型的には適当な溶媒、例えばエタノール、ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンの存在下、適当な温度、例えば0℃から室温の間でのナトリウムボロヒドリドトリアセテートの使用を含む。
【0028】
プロセス(c)において、保護基およびその除去手段の例は、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts‘Protective Groups in Organic Synthesis’(J.WileyおよびSons,第3版、1999)において見いだすことができる。適当なアミン保護基としては、アリールスルホニル(例えばトシル)、アシル(例えばアセチル)、カルバモイル(例えばベンジルオキシカルボニルまたはt−ブトキシカルボニル)およびアリールアルキル(例えばベンジル)が挙げられ、これらは必要に応じて加水分解または水素添加分解により除去することができる。他の適当なアミン保護基としては、トリフルオロアセチル(−COCF)が挙げられ、これは塩基触媒加水分解により除去することができる。適当なヒドロキシ保護基は、シリルベースの基、例えばt−ブチルジメチルシリルであり、これは標準的方法を用いて、例えばトリフルオロ酢酸または塩酸などの酸またはテトラn−ブチルアンモニウムフルオリドなどのフッ素供給源の使用により除去することができる。
【0029】
プロセス(d)は、通常の相互変換法、例えばエピマー化、酸化、還元、アルキル化、芳香族置換、エステル加水分解、アミド結合形成または除去およびスルホニル化を用いて行うことができる。かかる相互変換反応の例としては、標準的水素化または還元的条件を用いて式(I)の化合物(式中、Bは−C(R)=を表し、RはC2−6アルケニル含有基を表す)を対応する式(I)の化合物(式中、RはC2−6アルキル含有基を表す)に相互変換することを含む。かかる相互変換反応のさらに別の例は、標準的水素化または還元的条件を用いて式(I)の化合物(式中、Rは−C1−6アルキル−Nを表す)を対応する式(I)の化合物(式中、Rは−C1−6アルキル−NHを表す)に相互変換することを包含する。かかる相互変換反応のさらに別の例は、標準的水素化または還元的条件を用いて、式(I)の化合物(式中、Rはニトロ基を表す)を対応する式(I)の化合物(式中、RはNHを表す)に相互変換することを含む。かかる相互変換反応のさらに別の例は、標準的Suzukiカップリング条件を用いて、式(I)の化合物(式中、Rはハロゲン原子を表す)を対応する式(I)の化合物(式中、RはC2−6アルケニル基を表す)に変換することを含む。
【0030】
式(II)の化合物および/またはその活性化され、所望により保護されてもよい誘導体は次のプロセスにしたがって調製することができる:
【化6】

(式中、R2a、n、A、B、RおよびRは前記定義の通りであり、Pは適当な基、例えばC1−6アルキルを表し、Lは適当な脱離基、例えばハロゲン原子(例えば、ヨウ素、塩素または臭素)を表し、Lは適当な基、例えばボロン酸またはボロンエステル、を表す)。
【0031】
工程(i)は典型的には、適当な溶媒、例えばジクロロメタンおよび適当な塩基、例えばピリジンおよびジメチルアミノリジンを適当な温度、例えば室温で使用することを含む。
工程(ii)は典型的には酢酸銅(II)を適当な溶媒、例えばジクロロメタンおよび適当な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、適当な温度、例えば室温で使用することを含む(Chanら(1998)Tetrahedron Letters39,2933−2936)。
【0032】
工程(iii)は典型的にはカルボン酸エステルを酸に変換するための標準的方法、例えばリチウムまたナトリウム塩などの適当な水酸化物塩を適当な溶媒、例えばメタノール中、適当な温度、例えば室温で使用することを含む。tert−ブチルエステルの場合、この変換は、適当な溶媒、例えばジクロロメタン中、適当な温度、例えば0℃でのトリフルオロ酢酸などの適当な酸の使用により達成することができる。式(II)の化合物の活性化誘導体を次いで前記プロセス(a)に記載されているようにして調製することができる。
【0033】
式(II)の化合物または活性化され、所望により保護されていてもよいその誘導体は、次のプロセスにしたがって調製することもできる:
【化7】

(式中、R2a、n、A、B、R、R、PおよびLは前記定義の通りであり、Lは適当な脱離基、例えばハロゲン原子(例えば、臭素、塩素またはヨウ素)、OSO(CF0−7CFを表す)。
【0034】
工程(I)は典型的には、炭酸セシウム、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテンおよび適当な触媒、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の適当な溶媒(例えば、トルエン)の存在下、適当な温度、例えば100℃での使用を含む。
工程(ii)は典型的には、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランの存在下、適当な温度、例えば−78℃から室温に加熱してリチウムジイソプロピルアミドを使用することを含む。
【0035】
工程(iii)は典型的には、カルボン酸エステルを酸に変換するための標準的方法、例えば適当な溶媒、例えばメタノール中、適当な温度、例えば室温で、適当な水酸化物塩、例えばリチウムまたはナトリウム塩を使用することを含む。tert−ブチルエステルの場合、この変換は、適当な酸、例えば、トリフルオロ酢酸を適当な溶媒、例えばジクロロメタン中、適当な温度、例えば0℃で使用することを含む。式(II)の化合物の活性化誘導体を次いで前記のプロセス(a)において記載されたようにして調製することができる。
【0036】
式(III)の化合物は、次のプロセスにしたがって調製することができる:
【化8】

(式中、RおよびRは前記定義の通りであり、Pは適当なアミン保護基、例えばt−ブトキシカルボニルを表す)。
【0037】
工程(i)は典型的には、適当な溶媒、例えばエタノールの存在下、適当な温度、例えば還流温度での式(X)の化合物の式NHの化合物との反応を含む。
工程(ii)は典型的には、プロセス(c)について前述したような適当な脱保護反応を使用することを含む。例えば、Pがt−ブトキシカルボニルである場合、脱保護は典型的には、適当な溶媒、例えばジクロロメタンの存在下、適当な温度、例えば0℃から室温の間でトリフルオロ酢酸を使用することを含む。
【0038】
式(IV)の化合物は、次のプロセスにしたがって調製することができる:
【化9】

(式中、R、R、R2a、n、A、B、RおよびPは前記定義の通りであり、PはPと異なる適当なアミン保護基、例えば−COOCH−フェニルを表す)。
【0039】
工程(i)は典型的には、式(X)の化合物の水性アンモニア中、適当な溶媒、例えば、エタノールの存在下、適当な温度、例えば還流温度での反応を含む。
が−COOCH−フェニルを表す場合、工程(ii)は典型的には、適当な塩基、例えばトリエチルアミン、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミドの存在下、適当な温度、例えば0℃から室温の間でのClCOOCH−フェニルの使用を含む。
【0040】
工程(iii)は典型的には、プロセス(c)について前述したように好適な脱保護反応の使用を含む。例えば、Pがt−ブトキシカルボニルを表す場合、脱保護は、典型的には適当な溶媒、例えばジクロロメタンの存在下、適当な温度、例えば0℃から室温の間でのトリフルオロ酢酸の使用を含む。
工程(iv)は、典型的には水溶性カルボジイミドおよびHOBTの存在下での式(XIII)の化合物の式(II)の化合物との反応を含む。
工程(v)は典型的には、プロセス(c)について前述したような適当な脱保護反応の使用を含む。例えば、Pが−COOCH−フェニルを表す場合、脱保護は典型的には、適当な触媒、例えばパラジウムを適当な溶媒、例えば水およびエタノールの存在下、適当な水素供給源、例えばギ酸アンモニウムの存在下、適当な温度、例えば60℃で使用することを含む。
【0041】
式(V)の化合物は、商業的に入手可能であるか、または標準的手順を用いて商業的に入手可能な化合物から調製することができるかのいずれかである。
式(X)の化合物は、公知であるか、または公知方法にしたがって調製できるかのいずれかである。
本発明のさらなる態様として、医薬として、特に高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患にかかっている患者の治療において用いられる式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物がこのように提供される。
【0042】
本発明の別の態様に従って、高いβ―アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患にかかっている患者を治療するための医薬を製造するための式(I)の化合物またはその生理学的に許容される塩または溶媒和物の使用が提供される。
さらなる態様または別の態様において、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患にかかっているヒトまたは動物患者の治療法であって、有効量の式(I)の化合物またはその生理学的に許容される塩または溶媒和物を前記ヒトまたは動物患者に投与する方法が提供される。
本発明のさらなる態様として、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患の治療において用いられる式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を含む医薬化合物が提供される。
【0043】
当業者らは、本明細書における治療に関する言及は、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患の予防ならびに治療に及ぶことを理解するであろう。
本発明の化合物は、任意の都合の良い方法で投与されるように処方することができ、従って本発明はさらに高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患の治療において用いられる医薬組成物であって、式(I)の化合物またはその生理学的に許容される塩または溶媒和物を、所望により1以上の生理学的に許容される希釈剤または担体と合わせて含む医薬組成物をその範囲内に含む。
【0044】
高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患は.アルツハイマー病、軽度の認識障害、ダウン症、オランダ型β−アミロイド沈着症を伴う遺伝性脳出血、脳β−アミロイド脈管障害および様々なタイプの退行性痴呆、例えばパーキンソン病と関連するもの、進行性核上麻痺、大脳基底変成および拡散ルイス体型アルツハイマー病を包含する。
最も好ましくは、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着を特徴とする疾患はアルツハイマー病である。
かかる医薬処方を調製する方法であって、成分を混合することを含む方法も提供される。
【0045】
式(I)の化合物は、他の治療薬との組み合わせにおいて用いることができる。このような他の治療薬の適当な例は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロアミノアクリジン、ドネペジル塩酸塩およびリバスチグミンン)、ガンマセクレターゼ阻害剤、抗炎症薬(例えば、シクロオキシゲナーゼII阻害剤)、酸化防止剤(例えばビタミンEおよびginkolidesor)、スタチンまたはp−グリコプロテイン(gPT)阻害剤(例えば、シクロスポリンA、ベラパミル、タモキシフェン、キニジン、ビタミンE−TGPS、リトナビル、メゲストロールアセテート、プロゲステロン、ラパマイシン、10,11−メタノジベンゾスベラン、フェノチアジン、アクリジン誘導体、例えばGF120918、FK506、VX−710、LY335979、PSC−833、GF−102および918)である。
化合物が他の治療薬との組み合わせにおいて用いられる場合、化合物は任意の都合の良い経路で連続的または同時のいずれかで投与することができる。
【0046】
本発明の化合物は、例えば、経口、吸入、鼻内、口腔、経腸、非経口、局所、舌下、鞘内または直腸投与、好ましくは経口投与用に処方することができる。
経口投与用錠剤およびカプセルは、通常の賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン漿、セルロースまたはポリビニルピロリドン;フィラー、例えばラクトース、微結晶性セルロース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウムまたはソルビトール;滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、クロスカルメロースナトリウムまたはデンプングリコール酸ナトリウム;あるいは湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有してもよい。錠剤は、当該分野において周知の方法に従ってコートすることができる。経口液体製剤は、例えば水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよいし、あるいは水または他の適当なビヒクルで使用前に構成するための乾燥製品として提供することもできる。かかる液体製剤は、通常の添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、グルコース/シュガー・シロップ、ゼラチン、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムまたは水素化食用脂;乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含んでもよい)、例えばアーモンド油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;あるいは保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはプロピルまたはソルビン酸を含有することができる。調製物はさらに、緩衝塩、フレーバー、着色剤および/または甘味料(例えばマンニトール)を適宜含有することができる。
【0047】
口腔投与に関しては、組成物は公知方法で処方された錠剤またはロゼンジの形態をとることができる。
化合物はさらに、例えば通常の坐剤基剤、例えばカカオ脂または他のグリセリドを含有するとして処方することもできる。
本発明の化合物は、ボーラス注入法または持続注入による非経口投与用に処方することもでき、また単位投与形態、例えばアンプル、バイアル少容量注入またはあらかじめ封入されたシリンジ、または保存料が添加された複数回投与用容器中で提供することができる。組成物は、水性または非水性ビヒクル中溶液、懸濁液、または乳液などの形態をとることができ、処方剤、例えば酸化防止剤、緩衝剤、抗菌剤および/または等張性調節剤などを含有することができる。あるいは、活性成分は適当なビヒクル、例えば無菌無パイロゲン水で使用前に構成するための粉末形態であってもよい。乾燥固体形態は、無菌粉末を無菌的に個々の無菌容器中に充填するか、または無菌溶液を無菌的に各容器中に充填し、凍結乾燥することにより調製することができる。
【0048】
本発明の化合物が局所投与される場合、これらはクリーム、軟膏または貼付剤として提供することができる。
組成物は、投与方法に応じて、0.1重量%〜99重量%、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含有することができる。
前記障害の治療において使用される化合物の用量は、該障害の重さ、患者の体重および他の同様の因子に関して通常どおりに変化するであろう。しかしながら、適当な単位投与量の一般的な規準は、0.05〜3000mgであり;このような単位投与量は、1日につき1回以上、例えば1日につき1回、2回、3回または4回(好ましくは1または2回)投与することができ;このような治療は数週間、数ヶ月または数年に及び得る。
これらに限定されないが、本明細書において記載される特許および特許出願を包含する全ての刊行物は、それぞれ個々の開示が具体的かつ個別に記載されているかのように、本明細書の一部として参照される。
【0049】
(実施例)
中間体の調製
F1の説明
((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(F1)
CHCl(10ml)中(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(1.5g、8.0ミリモル、1当量)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(1.84g、9.6ミリモル、1.2当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.47g、9.6ミリモル、1.2当量)、4−エチルモルホリン(1.76g、16ミリモル、2当量)およびシクロヘキシルアミン(1.1ml、9.6ミリモル、1.2当量)を室温で16時間撹拌した。溶液を真空中で濃縮し、残留物をAcOEt中に溶解させた。有機相を2N水性HCl溶液、飽和水性NaHCO溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、無色油状物として((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(F1)(2.2g、98%)を得た。
【0050】
F2の説明
2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(F2)
(3−メトキシ−フェニル)−酢酸エチルエステル(19.72g、0,101m、1当量)のTHF(200ml)中溶液に、NaH(60%鉱油中、8.8g、0.222モル、2.2当量)を添加し、次いでヨードメタン(26ml、0.4モル、4当量)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次いでAcOEtおよび飽和NaHCO水性溶液間で分配した。2層を分離し、有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、オレンジ色油状物として2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(F2)(20.85g、98%)を得た。
【0051】
F3の説明
2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸(F3)
2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル(F2)(20.95g、94ミリモル、1当量)のEtOH(200ml)中溶液に、2N NaOH水性溶液(90ml、180ミリモル、1.9当量)を添加し、得られた混合物を70℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物をAcOEtで抽出し、次いでpH1に酸性化した。水性相を次いでAcOEtで抽出し、有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、黄色油状物として2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸(F3)(15g、82%)を得た。
【0052】
F4の説明
[1−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(F4)
2−(3−メトキシ−フェニル)−2−メチル−プロピオン酸(F3)(1g、5.15ミリモル、1当量)のトルエン(20ml)中溶液に、室温でNEt(1.07ml、7.72ミリモル、1.5当量)を添加し、次いでジフェニルホスホリルアジド(2.2ml、10.3ミリモル、2当量)を添加した。得られる混合物を次いで80℃に2時間加熱し、次いでベンジルアルコール(1.61ml、15.45ミリモル、3当量)を添加し、溶液をさらに2時間加熱し、次いで室温に冷却し、EtOAcおよび飽和NaHCO水性溶液間で分配した。2層を分離し、水性相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:9/1)により精製して、黄色ゴム状物として[1−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(F4)(1g、65%)を得た。
【0053】
F5の説明
1−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチルアミン(F5)
フラスコに[1−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(F4)(1g、3.34ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、100mg、10%w/w)、NHCOOH(2.1g、33ミリモル、10当量)、EtOH(40ml)およびHO(8ml)を入れた。得られた混合物を80℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドを用いて触媒を濾過により除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物を1N HCl水性溶液で希釈した。水性相をAcOEtで抽出し、次いで塩基性にしてpH13にし、AcOEtで2回抽出した。合した有機層をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、黄色ゴム状物として1−(3−メトキシ−フェニル)−1−メチル−エチルアミン(F5)(290mg、53%)を得た。
【0054】
F6の説明
(S)−2−アミノ−N−シクロヘキシル−プロピオンアミド(F6)
((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(F1)(2.32g、8.6ミリモル、1当量)を4Mジオキサン中HCl(40ml)中に溶解させ、溶液を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕して、白色固体として(S)−2−アミノ−N−シクロヘキシル−プロピオンアミド塩酸塩塩(F6)(2.0g、95%)を得た。
【0055】
F7の説明
5−ニトロ−イソフタラミン酸メチルエステル(F7)
5−ニトロ−イソフタル酸モノメチルエステル(10g、44ミリモル、1当量)のCHCl(250ml)中懸濁液を(COCl)(4.36ml、50ミリモル、1.1当量)、続いて数滴のDMFで処理した。得られた混合物を30分間35℃で撹拌し、次いで0℃に冷却した。32%水性アンモニア(10ml、過剰)をゆっくりと添加し、得られた混合物を5分間撹拌した。形成された沈殿を濾過して、白色固体として5−ニトロ−イソフタラミン酸メチルエステル(F7)(9g、90%)を得た。
【0056】
F8の説明
3−シアノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F8)
5−ニトロ−イソフタラミン酸メチルエステル(F7)(500mg、2.23ミリモル、1当量)のCHCl(100ml)中懸濁液をNEt(1.2g、12.0ミリモル、5.4当量)および無水トリフルオロ酢酸(1.4mg、6.7ミリモル、3当量)で処理した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、次いで2N水性HCl溶液(50ml)、飽和水性NaHCO溶液(50ml)で処理し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびiso−ヘキサンで磨砕して、白色固体として3−シアノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F8)(250mg、54%)を得た。
【0057】
F9の説明
3−アミノ−5−シアノ−安息香酸メチルエステル(F9)
3−シアノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F8)(700mg、3.39ミリモル、1当量)のEtOH(50ml)中溶液に、SnCl(3.2g、17ミリモル、5当量)を添加した。得られた混合物を還流温度で2時間撹拌し、室温に冷却し、真空で濃縮した。残留物を氷冷AcOEtおよびHO間で分配した。水性相を、白色沈殿が現れるまで2N水性NaOH溶液で、次いでこの沈殿が消えるまでゆっくりと12.5N水性NaOH溶液で塩基性にした。この添加の間、温度を10℃より低く維持した。2層を分離し、水性相をAcOEtで抽出した。合した有機層を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄褐色固体として3−アミノ−5−シアノ−安息香酸メチルエステル(F9)(300mg、50%)を得た。
【0058】
F10の説明
5−ニトロ−N,N−ジプロピル−イソフタラミン酸メチルエステル(F10)
5−ニトロ−イソフタル酸モノメチルエステル(1.0g、4.44ミリモル、1当量)のCHCl(40ml)中懸濁液を(COCl)(655mg、5.2ミリモル、1.2当量)、続いて数滴のDMFで処理した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いでジプロピルアミン(1.65g、15ミリモル、3.4当量)を添加し、得られた溶液をさらに30分間撹拌した。溶液を次いで2N水性HCl溶液(50ml)、飽和水性NaHCO溶液(50ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄色油状物として5−ニトロ−N,N−ジプロピル−イソフタラミン酸メチルエステル(F10)(1.5g、110%)を得た。
【0059】
F11の説明
5−アミノ−N,N−ジプロピル−イソフタラミン酸メチルエステル(F11)
5−ニトロ−N,N−ジプロピル−イソフタラミン酸メチルエステル(F10)(1.5g、4.9ミリモル、1当量)、NHCOOH(3.0g、49ミリモル、10当量)、10%木炭上Pd(50%湿潤、250mg、0.082当量w/w)、EtOH(20ml)およびHO(10ml)の混合物を50℃で90分間加熱した。混合物を室温に冷却し、セライトのパッドを通して濾過し、真空で濃縮した。残留物をAcOEt(200ml)中に溶解させ、得られた溶液を飽和NaHCO溶液(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、白色ワックス状固体として5−アミノ−N,N−ジプロピル−イソフタラミン酸メチルエステル(F11)(1.2g、88%)を得た。
【0060】
F12の説明
3−シクロペント−1−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル;
3−シクロペント−2−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル;
3−シクロペント−3−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル(F12)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(1g、2.35ミリモル、1当量)のDMF(10ml)中溶液に、シクロペンテン(415μl、4.7ミリモル、2当量)、酢酸パラジウム(II)(25mg、0.10ミリモル、0.05当量)、tri(o−トリル)ホスフィン(70mg、0.23ミリモル、0.1当量)およびトリエチルアミン(980μl、7ミリモル、3当量)を添加した。得られた混合物を125℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却し、HOおよびEtO間で分配した。2層を分離し、有機相をNaSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:4/1)により精製して、無色油状物として3−シクロペント−1−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル、3−シクロペント−2−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステルおよび3−シクロペント−3−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステルの混合物(F12)(450mg、46%)の混合物を得た。
【0061】
F13の説明
3−シクロヘキシ−1−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル;
3−シクロヘキシ−2−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル;
3−シクロヘキシ−3−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert ブチルエステル(F13)
シクロヘキセンをシクロペンテン(470μ0l、4.7ミリモル、2当量)のかわりに使用し、3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(1g、2.35ミリモル、1当量)を使用して、F12の説明に関して記載した方法と類似した方法でF13を調製し、これにより、シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/EtOAc:5/1)による精製後、350mg(40%)の3−シクロヘキシ−1−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステル、3−シクロヘキシ−2−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステルおよび3−シクロヘキシ−3−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tertブチルエステルの混合物(F13)を得た。
【0062】
F14の説明
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−(2−メチル−プロペニル)−安息香酸tert−ブチルエステル(F14)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(300mg、0.7ミリモル、1当量)のDME(7ml)およびHO(2ml)中溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(40mg、0.035ミリモル、0.05当量)を添加し、懸濁液を30分間撹拌した。2,4,6 トリイソブテニルシクロトリボロキサン−ピリジン複合体(F.KerinsおよびD.F.O’Shea in J.Org.Chem、2002、67、4968−4971により記載されているようにして入手)(466mg、0.7ミリモル、1当量)およびKCO(97mg、0.7ミリモル、1当量)を添加し、得られた混合物を90℃で4時間撹拌し、室温に冷却しAcOEtで希釈した。有機相をHOで洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:4/1)により精製して、淡黄色油状物として3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−(2−メチル−プロペニル)−安息香酸tert−ブチルエステル(F14)(250mg、89%)を得た。
【0063】
F15の説明
3−(ヒドロキシ−メチル−ブト−1−イニル)−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(F15)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(200mg、0.47ミリモル、1当量)のDME(2ml)およびHO(2ml)中溶液に、KCO(136mg、1.18ミリモル、2.5当量)、CuI(9mg、0.05ミリモル、0.1当量)、トリフェニルホスフィン(14mg、0.05ミリモル、0.1当量)、10%木炭上パラジウム(14mg、0.013ミリモル、0.028当量)を添加し、溶液を室温で15分間撹拌した。2−メチル−3−ブチン−2−オール(113μl、1.15ミリモル、2.5当量)を添加し、得られた混合物を90℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却した。セライトのパッドを通した濾過により触媒を除去し、濾液をAcOEtで希釈した。有機相を2N水性HCl溶液、飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:2/1)により精製して、無色油状物として3−(ヒドロキシ−メチル−ブト−1−イニル)−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(F15)(150mg、75%)を得た。
【0064】
F16の説明
3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F16)
3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸(65g、357ミリモル、1当量)のMeOH(650ml)中溶液に0℃でSOCl(39ml、536ミリモル、1.5当量)を滴下した。得られた溶液を室温に温め、16時間撹拌した。さらにSOCl(10ml、137ミリモル、0.4当量)を滴下し、溶液を室温で5時間、50℃で2時間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEt中に溶解させ、有機相を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。固体残留物をAcOEt/iso−ヘキサンで磨砕して、淡黄色固体として3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F16)(55g、78%)を得た。
【0065】
F17の説明
3−(4−クロロ−ブタノイルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F17)
3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F16)(38g、194ミリモル、1当量)のCHCl(350ml)中溶液に、NEt(32ml、230ミリモル、1.2当量)、続いて塩化4−クロロブチリル(24.7ml、220ミリモル、1.13当量)を20分かけて滴下した。得られた混合物を室温に温め、30分間撹拌した。有機相を次いで2N水性HCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をiso−ヘキサンおよびEtOで磨砕して、褐色固体として3−(4−クロロ−ブタノイルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F17)(56g、96%)を得た。
【0066】
F18の説明
3−ニトロ−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステル(F18)
3−(4−クロロ−ブタノイルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F17)(56g、186ミリモル、1当量)のTHF(500ml)中溶液に、窒素下でNaH(鉱油中60%w/w、8g、200ミリモル、1.07当量)を10分かけて数回に分けて添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、発泡が止まるまでMeOHを滴下した。溶液を真空中で濃縮し、残留物をAcOEtで希釈した。有機相をHOで洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をiso−ヘキサンで磨砕して、淡黄褐色固体として3−ニトロ−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステル(F18)(38.5g、78%)を得た。
【0067】
F19の説明
3−アミノ−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステル(F19)
フラスコに、3−ニトロ−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステル(F18)(5g、19ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、750mg、7.5%w/w)、NHCOOH(11.9g、190ミリモル、10当量)、HO(30ml)およびMeOH(60ml)を入れた。得られた混合物を50℃で1.5時間撹拌し、室温に冷却し、セライトのパッドを通して触媒を濾過した。MeOHの大部分を真空中で除去し、残留物を飽和水性NaHCO溶液で希釈した。水性相をAcOEtで2回抽出した。合した有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、灰白色固体を得た。触媒を次いでDMFで3回洗浄し、合した有機相を真空中で濃縮した。残留物を先に得られた物質と合わせ、EtOで磨砕して、白色固体としてアミノ−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸メチルエステル(F19)(3.9g、88%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0068】
F20の説明
3−(3−クロロ−プロパン−1−スルホニルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F20)
3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F16)(45g、229ミリモル、1当量)のCHCl(450ml)中溶液に、ピリジン(18.5ml、229ミリモル、1当量)、DMAP(100mg、0.8ミリモル、触媒量)および3−クロロプロパンスルホニルクロリド(28ml、230ミリモル、1当量)を添加した。得られた混合物を40時間撹拌し、AcOEtで希釈した。有機相を2N水性HCl溶液で希釈した。得られた固体を濾過して、3−(3−クロロ−プロパン−1−スルホニルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(23g、32%)を得た。濾液を分離し、有機相を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびiso−ヘキサンで磨砕して、さらに50g(65%)の3−(3−クロロ−プロパン−1−スルホニルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F20)を淡褐色固体として得た。
[M−H]=334.9、RT=3.11分
【0069】
F21の説明
3−(1,1−ジオキソ−1l−イソチアゾリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F21)
3−(3−クロロ−プロパン−1−スルホニルアミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F20)(73g、217ミリモル、1当量)のEtOH(600ml)中溶液に、EtN(60ml、430ミリモル、2当量)を添加し、得られた混合物を3時間還流し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEt中に溶解させ、2N水性HCl溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をiso−ヘキサンおよびAcOEtで磨砕して、淡褐色固体として3−(1,1−ジオキソ−1l−イソチアゾリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F21)(58g、88%)を得た。[M+H+NH=318.0、RT=2.78分。
【0070】
F22の説明
3−アミノ−5−(1,1−ジオキソ−1l−イソチアゾリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(F22)
フラスコに、3−(1,1−ジオキソ−1l−イソチアゾリジン−2−イル)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F21)(25g、83ミリモル、1当量)および10%木炭上パラジウム(0)(50%湿潤、5g、10%w/w)およびEtOH(500ml)を入れた。得られた懸濁液を水素雰囲気下(大気圧)で4時間撹拌し、セライトのパッドを通して触媒を濾過して除去した。触媒をDMFで3回洗浄し、合した有機層を真空中で濃縮した。残留物をAcOEt中に溶解させ、残存する触媒を除去するためにセライトのパッドを通して再び濾過した。有機相を真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕して、淡褐色固体として3−アミノ−5−(1,1−ジオキソ−1l−イソチアゾリジン−2−イル)−安息香酸メチルエステル(F22)(18g、80%)を得た。[M+H]=271.0、RT=2.16分。
【0071】
F23の説明
3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸(F23)
3−アミノ−5−ニトロ−安息香酸(17.6g、96.6ミリモル、1当量)の48%水性HBr中溶液(180ml)に0℃でNaNO(8.67g、126ミリモル、1.3当量)を20分かけて数回に分けて添加した。この添加の間、温度を8℃より低く維持した。得られた混合物を次いで、CuBr(9.7g、67.6ミリモル、0.7当量)の48%水性HBr溶液(50ml)中懸濁液に65℃で40分かけて添加した。この添加の間、温度を60℃より高く維持した。得られた混合物を70℃で45分間撹拌し、室温に冷却し、1Lの水で希釈した。水性相をEtOで3回抽出した。合した有機層をHOで2回洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、褐色固体として3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸(F23)(21g、88%)を得た。[M−H]= 245.7、RT=2.82分。
【0072】
F24の説明
3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F24)
3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F24)を、3−ブロモ−5−ニトロ−安息香酸(F23)からF46に記載されたのと類似した手順にしたがって調製した。
【0073】
F27の説明
3−アミノ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(F27)
フラスコに、3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−ニトロ−安息香酸メチルエステル(F26)(400mg、1.14ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、40mg、5%w/w)、NHCOOH(718mg、11.4ミリモル、10当量)HO(2ml)およびEtOH(10ml)を入れた。得られた混合物を50℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、触媒をセライトのパッドを通して濾過して除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物をHOおよびAcOEtで希釈した。層を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡オレンジ色個体として、3−アミノ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(F27)(330mg、90%)を得た。
【0074】
F28の説明
5−エトキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F28)
CO(31.6g、223ミリモル、2.23当量)およびヨードエタン(17.8ml、230ミリモル、2.3当量)を5−ヒドロキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(21g、100ミリモル、1当量)のアセトン(500ml)中溶液に室温で添加した。得られた溶液を16時間還流し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物HOおよびAcOEt間で分配した。水性相をAcOEtで抽出し、合した有機層を2N水性NaOH溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体として5−エトキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F28)(23g、96%)を得た。RT=3.13分。
【0075】
F29の説明
5−エトキシ−イソフタル酸モノメチルエステル(F29)
5−エトキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F28)(22g、92.4ミリモル、1当量)のMeOH(440ml)中溶液に、1N水性NaOH溶液(87.8ml、87.8ミリモル、0.95当量)を添加し、得られた溶液を室温で17時間撹拌した。MeOHの大部分を真空中で除去し、残留物をAcOEtおよび1N水性NaOH溶液間で分配した。水性層をAcOEtで抽出し、酸性化してpH1にし、AcOEtで再抽出した。第二の有機抽出物をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体として5−エトキシ−イソフタル酸モノメチルエステル(F29)(17g、82%)を得た。[M+H+NH=242.0、RT=2.79分。
【0076】
F30の説明
3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−エトキシ−安息香酸メチルエステル(F30)
NEt(14.2ml、102ミリモル、1.3当量)およびジフェニルホスホリルアジド(22ml、102ミリモル、1.3当量)を5−エトキシ−イソフタル酸モノメチルエステル(F29)(17.6 g、78.6ミリモル、1当量)のトルエン(250ml)中懸濁液に添加し、混合物を80℃で3時間過熱した。ベンジルアルコール(12ml、118ミリモル、1.5当量)を添加し、得られた混合物を4時間還流し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEt(300ml)中に溶解させ、得られた溶液を2N水性HCl溶液(100ml)、続いて飽和水性NaHCO溶液(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕して、白色固体として3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−エトキシ−安息香酸メチルエステル(F30)(15g、62%)を得た。[M−H]=328.1、RT=3.46分。
【0077】
F31の説明
3−アミノ−5−エトキシ−安息香酸メチルエステル(F31)
3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−5−エトキシ−安息香酸メチルエステル(F30)(15g、45.5ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、1.5g、5%w/w)およびNHCOOH(15g、455ミリモル、10当量)HO(50ml)およびMeOH(200ml)の混合物を50℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、触媒をセライトのパッドを通して濾過して除去した。MeOHの大部分を真空中で除去し、残留物を飽和水性NaHCO溶液およびAcOEt間で分配した。水性相をAcOEtで再抽出した。合した有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡緑色固体として3−アミノ−5−エトキシ−安息香酸メチルエステル(F31)(8.8g、99%)を得た。[M+H]=196.1、RT=2.49分。
【0078】
F32の説明
5−ジメチルチオカルバモイルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F32)
5−ヒドロキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(21g、100ミリモル、1当量)のDMF(300ml)中溶液に、室温でDABCO(14.6g、130ミリモル、1.3当量)、続いてジメチルチオカルバモイルクロリド(14.8g、120ミリモル、1.2当量)を添加した。得られた混合物を室温で16時間、60℃で2時間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配し、水性相をAcOEtで再抽出した。合した有機溶液を連続して5%水性クエン酸溶液、2N水性NaOH溶液および食塩水で洗浄し、次いでMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄色油状物として5−ジメチルチオカルバモイルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F32)(23.5g、79%)を得た。[M+H]=298.0、RT=3.06分。
【0079】
F33の説明
5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸ジメチルエステル(F33)
5−ジメチルチオカルバモイルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F32)(15.5 g、52.2ミリモル、1当量)を200℃で24時間、窒素雰囲気下で撹拌し、次いで室温に冷却した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:4/1、次いで3/1)により精製して、5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸ジメチルエステル(F33)(7.0g、45%)および回収された5−ジメチルチオカルバモイルオキシ−イソフタル酸ジメチルエステル(F32)(2.77g、18%)を、どちらも白色固体として得た。[M+H]=298.0、RT=2.92分。
【0080】
F34の説明
5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸モノメチルエステル(F34)
5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸ジメチルエステル(F33)(6g、20.2ミリモル、1当量)のTHF(100ml)中溶液に、室温で2N水性NaOH溶液(9.6ml、19.2ミリモル、0.95当量)を添加した。得られた混合物を11時間撹拌し、次いでAcOEtおよびHO間で分配した。2層を分離し、水性相をAcOEtで抽出した。pH1に酸性化した後、水性相をAcOEtで2回抽出した。有機溶液をMgSO上で乾燥し、次いで真空中で濃縮して、白色固体として5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸モノメチルエステル(F34)(4.54g、79%)を得た。
【0081】
F35の説明
tert−ブトキシカルボニルアミノ−ジメチルカルバモイルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F35)
5−ジメチルカルバモイルスルファニル−イソフタル酸モノメチルエステル(F34)(4.56g、16.1ミリモル、1当量)のトルエン(100ml)中溶液に、トリエチルアミン(6.7ml、48ミリモル、3当量)およびジフェニルホスホリルアジド(5.2ml、24ミリモル、1.5当量)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌し、次いでtert−ブタノール(4.6ml、48ミリモル、3当量)を添加した。溶液を80℃でさらに16時間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。粗生成物をAcOEt中に溶解させ、得られた溶液を連続して、2N水性NaOH溶液、2N水性HCl溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:3/1〜6/4)で精製することにより、白色固体としてtert−ブトキシカルボニルアミノ−ジメチルカルバモイルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F35)(2.24g、40%)を得た。
【0082】
F36の説明
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メルカプト−安息香酸(F36)
tert−ブトキシカルボニルアミノ−ジメチルカルバモイルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F35)(2.24g、6.3ミリモル、1当量)のMeOH(30ml)およびHO(23ml)中溶液に、2N水性NaOH溶液(7ml、14ミリモル、2.2当量)を添加した。得られた混合物を3時間還流し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよび1N水性NaOH溶液間で分配した。水性相をpH1に酸性化し、AcOEtで2回抽出した。合した有機溶液をMgSO上で乾燥し、次いで真空中で濃縮して、白色固体として3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メルカプト−安息香酸(F36)(1.54g、90%)を得た。
【0083】
F37の説明
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F37)
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メルカプト−安息香酸(F36)(0.68g、2.52ミリモル、1当量)のアセトン(15ml)中溶液に、KCO(3.5g、25.3ミリモル、10当量)およびヨードメタン(473μl、7.59ミリモル、3当量)を添加した。得られた混合物を50℃で2時間撹拌し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配した。有機層をHOおよび食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:85/15)により精製して、白色固体として3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F37)(0.47g、63%)を得た。[M−H]=296.1、RT=3.51分。
【0084】
F38の説明
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−エチルスルファニル−安息香酸エチルエステル(F38)
F38をF37について記載したのと同様にして、ヨードエタンをアルキル化剤として使用し、0.68g(2.53ミリモル)の3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F36)から調製して、白色固体として3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−エチルスルファニル−安息香酸エチルエステル(F38)(0.58g、71%)を得た。[M−H]=324.2、RT=3.79分。
【0085】
F39の説明
3−アミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル塩酸塩(F39)
3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル(F37)(0.54g、1.82ミリモル、1当量)をジオキサン(2ml)中に溶解させ、4Mジオキサン中HCl(16ミリモル、4ml、8.8当量)を添加した。溶液を室温で2時間撹拌した、アミンの塩酸塩を沈殿させた。沈殿を濾過し、EtOで洗浄し、乾燥して、3−アミノ−5−メチルスルファニル−安息香酸メチルエステル塩酸塩(F39)(0.224g、52%)を得た。
[M+H]=198.1
RT=2.68分。
【0086】
F40の説明
3−アミノ−5−エチルスルファニル−安息香酸エチルエステル塩酸塩(F40)
F40を中間体39と同様にして、0.57g(1.75ミリモル)の3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−5−エチルスルファニル−安息香酸エチル(F38)から調製して、白色固体としてF40を得た;0.335g(73%)。[M+H]=226.1、RT=3.13分。
【0087】
F41の説明
3−ブロモ−5−ヨード−安息香酸tert−ブチルエステル(F41)
3−ブロモ−5−ヨード−安息香酸(50g、153ミリモル、1当量)のCHCl(500ml)中溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(30.8g、160ミリモル、1.05当量)、DMAP(14g、114ミリモル、0.75当量)およびtert−ブタノール(90ml、917ミリモル、6当量)を添加した。得られた混合物を室温で48時間撹拌した。DMAP(4.67g、38ミリモル、0.25当量)を次いで添加し、溶液をさらに24時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をAcOEt中に溶解させ、連続して、2N水性HCl溶液、1N水性NaOH溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、褐色固体として3−ブロモ−5−ヨード−安息香酸tert−ブチルエステル(F41)(50.6g、86%)を得た。
【0088】
次の化合物をF41に関して記載したのと同様にして調製した:
【表1】

【0089】
F45の説明
3−アミノ−安息香酸tert−ブチルエステル(F45)
3−ニトロ−安息香酸tert−ブチルエステル(F44)(1g、4.5ミリモル、1当量)のEtOH(30ml)およびHO(6ml)中溶液に、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、100mg、5%w/w)およびNHCOOH(2.8g、45ミリモル、10当量)を添加した。得られた混合物を50℃で2時間撹拌し、次いで室温に冷却した。触媒をセライトのパッド上で濾過することにより除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物をAcOEt中に溶解させた。有機相を飽和NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、無色油状物として3−アミノ−安息香酸tert−ブチルエステル(F45)(796mg、92%)を得た。
【0090】
F46の説明
3−アミノ−4−クロロ−安息香酸メチルエステル(F46)
3−アミノ−4−クロロ−安息香酸(1.7g、10ミリモル、1当量)のMeOH(70ml)中溶液に、0℃でSOCl(1.46ml、20ミリモル、2当量)を添加した。得られた溶液を16時間還流し、室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtで希釈し、2N水性NaOH溶液で2回、次いで食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄色油状物として3−アミノ−4−クロロ−安息香酸メチルエステル(F46)(1.8g、97%)を得た。
【0091】
F47の説明
4−((Z/E)−ブト−2−エニルアミノ)−3,5−ジヨード−安息香酸エチルエステル(F47)
4−アミノ−3,5−ジヨード−安息香酸エチルエステル(Maybridgeから商業的に入手可能)(72.6g、0.17ミリモル、1当量)のDMF(450ml)中溶液に、0℃、窒素雰囲気下で、NaH(60%鉱油中、7.3g、0.18ミリモル、1.05当量)を数回に分けて2分かけて添加した。10分後、DMF(50ml)中クロチルブロミド(21.5ml、0.21ミリモル、1.2当量)をカニューレから5分かけて添加し、得られた混合物を30分かけて室温に温めた。5mlのEtOHを添加し、混合物を真空中で濃縮した。残留物をAcOEt中に溶解させ、有機相をHOで洗浄した。水性相をAcOEtで抽出し、合した有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、ピンク色固体として標記化合物(F47)(82g、100%)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。[M+H]+=472.0、RT=4.93分。
【0092】
F48の説明
3−エチル−7−ヨード−1H−インドール−5−カルボン酸エチルエステル(F48)
4−((Z/E)−ブト−2−エニルアミノ)−3,5−ジヨード−安息香酸エチルエステル(F47)(15g、31.8ミリモル、1当量)のDMF(150ml)中溶液に、室温で窒素雰囲気下、Pd(OAc)(357mg、1.6ミリモル、0.05当量)、NaCOOH(6.5g、95.6ミリモル、3当量)、NaCO(8.4g、79.6ミリモル、2.5当量)およびNbuCl(8.0g、35.0ミリモル、1.1当量)を添加した。得られた懸濁液を窒素雰囲気下、80℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配し、2相を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:9/1)により残留物を精製して、白色固体として標記化合物(F48)(6.3g、58%)を得た。[M+H]+=344.0、RT=3.86分。
【0093】
F49の説明
7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エチル−1H−インドール−5−カルボン酸 エチルエステル(F49)
3−エチル−7−ヨード−1H−インドール−5−カルボン酸エチルエステル(F48)(850mg、2.48ミリモル、1当量)のトルエン(20ml)中溶液に、室温、窒素雰囲気下、カルバミン酸ベンジル(562mg、3.72ミリモル、1.5当量)、ヨウ化銅(24mg、0.13ミリモル、0.05当量)、KPO(1.05g、4.8ミリモル、2当量)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(26μl、0.25ミリモル、0.1当量)を添加し、得られた懸濁液を100℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配し、2相を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:9/1)により精製して、白色固体として標記化合物(F49)(250mg、27%)を得た。[M+H]+=367.1、RT=3.73分。
【0094】
F50の説明
7−アミノ−3−エチル−1H−インドール−5−カルボン酸エチルエステル(F50)
7−ベンジルオキシカルボニルアミノ−3−エチル−1H−インドール−5−カルボン酸エチルエステル(F49)(250mg、0.68mg、1当量)のEtOH(10ml)中溶液に、NHCOOH(431mg、6.8ミリモル、10当量)、HO(2ml)、Pd(10%w/w木炭上、50mg、0.02当量w/w)を添加し、得られた混合物を70℃で1.5時間撹拌した。さらに200mgのPd(10%w/w木炭上、0.08当量w/w)を次いで添加し、得られた混合物を70℃でさらに30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。触媒をセライトのパッドを通して濾過して除去し、EtOHの大部分を真空中で除去した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配し、2相を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、灰白色固体として標記化合物(F50)(150mg、95%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
[M+H]+=233.1、RT=3.19分。
【0095】
F51の説明
1,1,5−トリメチル−ヘキシルアミン(F51)
F51を、S.S.BergおよびD.T.Cowling、J.Chem.Soc.(C)1971、1653−1658に従って得た。
【0096】
説明1
3−メタンスルホニルアミノ−安息香酸メチルエステル(D1)
3−アミノ−安息香酸メチルエステル(10g、66ミリモル、1当量)のCHCl(100ml)中溶液に、室温でピリジン(5.86ml、72.6ミリモル、1.1当量)、CHSOCl(5.37ml、70ミリモル、1.06当量)およびDMAP(1g、8.2ミリモル、0.12当量)を添加し、得られた混合物をこの温度で16時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をAcOEtで希釈し、有機相を2N HCl水性溶液、飽和NaHCO溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡黄色油状物として3−メタンスルホニルアミノ−安息香酸メチルエステル(D1)(13.4g、89%)を得た。[M−H]=228.0、RT=2.40分。
【0097】
次の化合物を説明1において記載した手順にしたがって、適当なアニリン出発物質から調製した:
【表2】

【0098】
説明16
5−メタンスルホニルアミノ−ニコチン酸エチルエステル(D16)
説明17に記載した手順と同様にして、5−アミノ−ニコチン酸エチルエステル(H.H.ら、Chem.Europ.J 2002、8(5)、1218−1226に従って調製した)からD16を得た。
【0099】
説明17
2−メタンスルホニルアミノ−イソニコチン酸エチルエステル(D17)
2−アミノ−イソニコチン酸エチルエステル(Seewood、D.L.ら、J.Med.Chem.2001、44(1)、78−93に従って得た)(1g、6.02ミリモル、1当量)のCHCl(60ml)中溶液に、室温でピリジン(700μl、8.6ミリモル、1.4当量)、CHSOCl(606μl、0.78ミリモル、1.25当量)およびDMAP(100mg、0.82ミリモル、0.13当量)を添加し、得られた混合物をこの温度で16時間撹拌し、次いでCHClおよびNaHCO飽和水性溶液間で分配した。2層を分離し、有機相を水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕し、沈殿を濾過して、オレンジ色固体として2−メタンスルホニルアミノ−イソニコチン酸エチルエステル(D17)(1.6g、110%)を得た。
【0100】
説明27
3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−安息香酸エチルエステル(D27)
フラスコに窒素雰囲気下、4−ブロモ−トリフルオロメチル−ベンゼン(1.25ml、8.9ミリモル、1当量)、CsCO(4.4 g、13.4ミリモル、1.5当量)、酢酸パラジウム(II)(101mg、0.45ミリモル、0.05当量)、rac−BINAP(416mg、0.67ミリモル、0.075当量)およびトルエン(30ml)を入れた。3−アミノ−安息香酸エチルエステル(1.6ml、10.7ミリモル、1.2当量)を次いでシリンジから添加し、得られた混合物を100℃で3時間撹拌し、次いで室温に冷却し、AcOEtで希釈した。有機相をHO、2N HCl水性溶液、次いで食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:4/1)により残留物を精製して、灰白色固体として3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−安息香酸エチルエステル(D27)(600mg、21%)を得た。
【0101】
説明27に記載されたのと同様にして、適当なアニリンおよびアリールハライドから次の化合物を調製した:
【表3】

【0102】
【表4】

【0103】
説明47
3−(ピリジン−2−イルアミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(D47)
フラスコに窒素雰囲気下、3−ブロモ−ピリジン(908μl、9.42ミリモル、1当量)、t−BuONa(1.36g、14.1ミリモル、1.5当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(86mg、0.09ミリモル、0.01当量)、1,3−ビス−(2,6−ジイソプロピル−フェニル)−4,5−ジヒドロ−3H−イミダゾール−1−イウムクロリド(80mg、0.19ミリモル、0.02当量) およびジオキサン(30ml)を入れた。3−アミノ−安息香酸tert−ブチルエステル(2g、10.4ミリモル、1.1当量)を次いで添加し、得られた混合物を100℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却し、AcOEtで希釈した。有機相を2N HCl 水性溶液で洗浄した。水性相を2N NaOH水性溶液で塩基性にしてpH13にし、AcOEtで2回抽出した。合した有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:1/2)により精製して、淡黄色油状物として3−(ピリジン−2−イルアミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(D47)(420mg、16%)を得た。
【0104】
説明47に記載されたのと同様にして、適当なアニリンおよびアリールハライドから次の化合物を得た:
【表5】

【0105】
エステルの調製
エステル1
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(C1)
3−メタンスルホニルアミノ−安息香酸メチルエステル(D1)(2g、8.7ミリモル、1当量)のCHCl(25ml)中溶液に、フェニルボロン酸(2.1g、17.5ミリモル、2当量)、Cu(OAc)(1.9g、10ミリモル、1.15当量)、NEt(2.4ml、17.5ミリモル、2当量)および粉末活性化4Aモレキュラシーブ(1g、50%w/w)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次いでモレキュラシーブをセライトのパッドを通して濾過して除去し、有機相を2N HCl水性溶液、NaHCO飽和水性溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:6/1)により精製して、白色固体として3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(C1)(680mg、26%)を得た。[M+H−SOMe]=227.0、R.T.=3.04
【0106】
エステル1について記載した手順と同様にして、対応するN−アリールスルホンアミドおよびボロン酸出発物質から次のエステルを調製した:
【表6】

【0107】
【表7】

【0108】
エステル16
5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ニコチン酸エチルエステル(C16) エステル17と同様にして、5−メタンスルホニルアミノ−ニコチン酸エチルエステル(D16)からエステル16を調製した。
【0109】
エステル17
2−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−イソニコチン酸エチルエステル(C17)
2−メタンスルホニルアミノ−イソニコチン酸エチルエステル(D17)(1.47g、6.02ミリモル、1当量)のCHCl(25ml)中溶液に、フェニルボロン酸(2.2g、18.0ミリモル、3当量)、Cu(OAc)(2.19g、12.06ミリモル、2当量)、NEt(2.5ml、18.0ミリモル、3当量)および粉末化活性化4Aモレキュラシーブ(1g、70%w/w)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌し、次いでモレキュラシーブをセライトのパッドを通して濾過して除去し、得られた溶液を真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよび飽和NaHCO水性溶液間で分配し、2層を分離した。有機相を食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:2/1)により精製して、黄色固体として2−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−イソニコチン酸エチルエステル(C17)(394mg、21%)を得た。
【0110】
エステル1について記載された手順と同様にして、対応するN−アリールスルホンアミドおよびボロン酸出発物質から次のエステルを調製した:

【0111】
エステル27
3−[メタンスルホニル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸エチルエステル(C27)
3−(4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−安息香酸エチルエステル(D27)(600mg、1.94ミリモル、1当量)のTHF(10ml)中溶液に、−78℃でLDA(2M THF/n−ヘプタン中、2.45ml、4.9ミリモル、2.5当量)を滴下し、得られた混合物をこの温度でさらに5分間撹拌し、メタンスルホニルクロリド(376μl、4.9ミリモル、2.5当量)を次いで滴下し、得られた混合物を30分かけて室温に温め、次いでAcOEtで希釈した。有機相を2N HCl水性溶液、2N NaOH水性溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:3/1)により精製して、無色油状物として3−[メタンスルホニル−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミノ]−安息香酸エチルエステル(C27)(450mg、60%)を得た。
【0112】
エステル27について記載された手順と同様にして、適当なジフェニルアミンから、適当なアルキルスルホニルクロリドを使用して、次のエステルを得た:
【表8】

【0113】
エステル47
3−(メタンスルホニル−ピリジン−3−イル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C47)
3−(ピリジン−3−イルアミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(D47)(420mg、1.56ミリモル、1当量)のTHF(10ml)中溶液に、−78℃でLDA(2M THF/n−ヘプタン中、2.33ml、4.67ミリモル、3当量)を滴下し、得られた混合物をこの温度でさらに5分間撹拌した。メタンスルホニルクロリド(361μl、4.9ミリモル、2.5当量)を次いで滴下し、得られた混合物を30分かけて室温に温め、次いでAcOEtで希釈した。有機相を2N NaOH水性溶液および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:1/2)により精製して、淡黄色油状物として3−(メタンスルホニル−ピリジン−3−イル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C47)(230mg、42%)を得た。
【0114】
エステル47について記載された手順と同様にして、適当なジフェニルアミン出発物質から次のエステルを得た:
【表9】

【0115】
エステル49
3−エチルアミノ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(C49)
3−アミノ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(F27)(330mg、1.03ミリモル、1当量)の(CHCl)(10ml)中溶液に、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(306mg、1.44ミリモル、1.4当量)、アセトアルデヒド(86μl、1.44ミリモル、1.4当量)およびCHCOOH(71μl、1.24ミリモル、1.2当量)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、CHCl(20ml)で希釈し、飽和水性NaHCO溶液(20ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:1/2)により精製して、淡黄色固体として3−エチルアミノ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(C49)(260mg、72%)を得た。
【0116】
エステル50
3−(ベンジル−メチル−アミノ)−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C50)
フラスコに、窒素雰囲気下、3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(800mg、1.9ミリモル、1当量)、ナトリウムtert−ブトキシド(274mg、2.85ミリモル、1.5当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(92mg、0.1ミリモル、0.05当量)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(50mg、0.14ミリモル、0.075当量)およびトルエン(20ml)を入れた。N−メチルベンジルアミン(368μl、2.85ミリモル、1.5当量)を次いでシリンジから添加し、得られた混合物を90℃で2時間撹拌し、次いでN−メチルベンジルアミン(200μl、1.54ミリモル、0.8当量)を添加した。3時間後、混合物を室温に冷却し、HOおよびAcOEtで希釈した。層を分離し、水性相を飽和水性NaHCO溶液で希釈し、AcOEtで抽出した。合した有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:3/1)により精製して、淡黄色油状物として3−(ベンジル−メチル−アミノ)−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C50)(600mg、68%)を得た。
【0117】
エステル51
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸tert−ブチルエステル(C51)
フラスコに、窒素雰囲気下、3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(1.1g、2.58ミリモル、1当量)、CsCO(1.18g、3.61ミリモル、1.4当量)、トリスジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(47mg、0.05ミリモル、0.02当量)、Xantphos(90mg、0.15ミリモル、0.06当量)およびトルエン(20ml)を入れた。ピロリジン−2−オン(216μl、2.84ミリモル、1.1当量)を次いでシリンジから添加し、得られた混合物を100℃で16時間撹拌した。Xantphos(30mg、0.05ミリモル、0.02当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(20mg、0.021ミリモル、0.085当量)およびピロリジン−2−オン(100μl、1.31ミリモル、0.5当量)を次いで添加し、撹拌を100℃で16時間続けた。混合物を次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物をHOおよびAcOEt間で分配し、水性相をAcOEtで再抽出した。合した有機溶液をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:3/2)により精製して、白色固体として3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−安息香酸tert−ブチルエステル(C51)(1.0g、90%)を得た。
【0118】
エステル53
3−エチニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C53)
3−(ヒドロキシ−メチル−ブト−1−イニル)−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(F15)(600mg、1.40ミリモル、1当量)のトルエン(20ml)中溶液に、NaH(60%鉱油中分散液、60mg、1.5ミリモル、1.1当量)を添加した。得られた混合物を110℃で2時間撹拌し、室温に冷却しAcOEtで希釈した。有機相を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、淡褐色油状物として3−エチニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C53)(550mg、105%)を得た。
【0119】
エステル54
(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸ジメチル−エチルエステル(C54)
エステル54を、エステル55について記載した手順に従って、(2−メチルフェニル)ボロン酸を2.6−ジメチルフェニルボロン酸の代わりに用いて調製し、3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(200mg、0.47ミリモル)から(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−メチル−ビフェニル−3−カルボン酸ジメチル−エチルエステル(C54)(130mg、63%)を得た。
【0120】
エステル55
(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ジメチル−ビフェニル−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(C55)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(200mg、0.47ミリモル、1当量)のトルエン(1ml)およびEtOH(1ml)中溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(54mg、0.047ミリモル、0.1当量)、2,6−ジメチルフェニルボロン酸(74mg、0.49ミリモル、1.05当量)およびKCO(98mg、0.71ミリモル、1.5当量)を添加し、得られた混合物を90℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、AcOEtで希釈した。有機相を2N NaOH水性溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:3/1)により精製して、淡黄色油状物として(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ジメチル−ビフェニル−3−カルボン酸tert−ブチルエステル(C55)(130mg、61%)を得た。
【0121】
エステル 56
3−シクロペンチル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C56)
3−シクロペント−1−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル、3−シクロペント−2−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステルおよび3−シクロペント−3−エニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(F12)(450mg、1.09ミリモル、1当量)のEtOH(10ml)およびHO(2ml)中溶液に、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、450mg、5%w/w)およびNHCOOH(687mg、10.90ミリモル、10当量)を添加した。得られた混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで室温に冷却した。触媒をセライトのパッド上で濾過することにより除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物をAcOEt中に溶解させた。有機相をHOで洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、無色油状物として3−シクロペンチル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C56)(420mg、92%)を得た。
【0122】
エステル56について記載した手順と同様にして、次のエステルを調製した:
【表10】

【0123】
エステル58
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−プロプ−1−イニル−安息香酸tert−ブチルエステル(C58)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(200g、0.47ミリモル、1当量)のトルエン(10ml)中溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(16mg、0.014ミリモル、0.03当量)およびトリブチル−プロプ−1−イニル−スズ(171μl、0.56ミリモル、1.2当量)を添加し、得られた混合物を100℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(iso−ヘキサン/AcOEt:17/3)により精製して、無色油状物として3−(エタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−プロプ−1−イニル−安息香酸tert−ブチルエステル(C58)(150mg、83%)を得た。
【0124】
BOC−保護アミンの調製
説明G1
((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(G1)
((S)−(S)−1−オキシラニル−2−フェニル−エチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(10g、38ミリモル、1当量)[Chirex 1819W94 ロット#9924382]をEtOH(100ml)中に溶解させ、シクロヘキシルアミン(13ml、114ミリモル、3当量)を添加した。得られた混合物を窒素雰囲気下で12時間還流温度で過熱した。混合物を冷却し、溶媒を真空中で蒸発化させることにより除去した。得られた白色固体をHO、次いでEtOで洗浄した後、真空中で乾燥させて、((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(G1)(9.0g、66%)を得た。
[M+H]+=363.2
【0125】
説明G1に関して記載されたのと同様にして、シクロヘキシルアミンを表示された出発物質と置換することにより、次のBOC−保護アミンを調製した:
【表11】

【0126】
アミンの調製
アミン1
(2R,3S)−3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノ−4−フェニル−ブタン−2−オール二塩酸塩(B1)
((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(G1)(9g、25ミリモル、1当量)をMeOH(70ml)中に溶解させ、HClのジオキサン中4M溶液(60ml、過剰)を添加した。得られた混合物を3時間室温で撹拌し、次いで溶媒を真空中で蒸発化させることにより除去した。得られた残留物をAcOEt、次いでEtOで洗浄した後、真空中で乾燥して、白色固体として(2R,3S)−3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノ−4−フェニル−ブタン−2−オール二塩酸塩(B1)(7.4g、88%)を得た。
【0127】
アミン1について記載されたのと同様にして、適当なBOC−保護アミンを((1S,2R)−1−ベンジル−3−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシ−プロピル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルで置換することにより、次のアミンを調製した。場合によっては、4Mジオキサン中HClを3当量のp−トルエンスルホン酸と置換して、tosic酸塩を生成物として得た。
【表12】

【0128】
酸の調製
酸1(A1)
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A1)
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸メチルエステル(C1)(680mg、2.23ミリモル、1当量)のMeOH(5ml)中溶液に、2N水性NaOH溶液(5ml、10ミリモル、4.5当量)を添加した。得られた混合物を2時間撹拌し、次いでMeOHの大部分を真空中で除去した。残留物をHOで希釈し、EtOで抽出した。2N水性HCl溶液を用いて水性層を酸性化し、形成された白色沈殿をAcOEtで2回抽出した。合した有機溶液をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体として3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A1)(600mg、92%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0129】
酸1について記載されたのと同様にして、適当な出発物質から次の酸を調製した:
【表13】

【0130】
酸16
5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ニコチン酸(A16)
5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ニコチン酸エチルエステル(C16)(514mg、1.6ミリモル、1当量)のEtOH(50ml)中溶液に、2N水性NaOH溶液(20ml、40ミリモル、過剰)を添加した。得られた混合物を16時間撹拌し、次いでEtOHの大部分を真空中で除去した。残留物をAcOEtおよび5%クエン酸水性溶液(pH4)間で分配し、2層を分離した。水性相をAcOEtで抽出し、合した有機溶液をMgSO上で乾燥し、次いで真空中で濃縮して、クリーム色固体として5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ニコチン酸(A16)(130mg、28%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0131】
酸16について記載されたのと同様にして、適当な出発物質から次の酸を調製した:
【表14】

【0132】
酸1について記載されたのと同様して、適当な出発物質から次の酸を調製した:
【表15】

【0133】
【表16】

【0134】
【表17】

【0135】
酸44
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A44)
3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸tert−ブチルエステル(C44)(2g、4.7ミリモル、1当量)のCHCl/CFCOOH(1/1、30ml)中溶液を室温で2時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。トルエンとの共沸蒸留により微量の溶媒を除去した。残留物をEtO/iso−ヘキサン(1:1)で磨砕し、濾過して、白色固体として3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A44)(1.45mg、83%)を得、これをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【0136】
酸44について記載されたのと同様にして、適当な出発物質から次の酸を調製した:
【表18】

【0137】
酸59
3−メタンスルホニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A59)
3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−メチルスルファニル−安息香酸(A14)(67mg、0.199ミリモル、1当量)のMeOH/HO(3:1、12ml)中溶液に、オキソン(488mg、0.79ミリモル、4当量)を添加した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をAcOEtおよびHO間で分配し、層を分離した。有機層をHOおよび食塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、固体を得、これをEtOで磨砕して、白色固体として3−メタンスルホニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A59)(66mg、90%)を得た。[M−H]=368.0、RT=2.64分。
【0138】
酸60
3−エタンスルホニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A60)
A60を、酸59について記載したのと同様にして、53mg(0.15ミリモル)の3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−エチルスルファニル−安息香酸(A15)から調製し、白色固体として56mg(96%)の3−エタンスルホニル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A60)を得た。[M−H]=382.0、RT=2.73分。
【0139】
実施例の調製
実施例1
N−[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E1)
【化10】

3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−安息香酸(A1)(45mg、0.15ミリモル、1当量)のDMF(5ml)中溶液に、室温で(S)−2−((2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチルアミノ)−N−シクロヘキシル−プロピオンアミド二塩酸塩(B2)(63mg、0.15ミリモル、1当量)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(28mg、0.15ミリモル、1.2当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(23mg、0.15ミリモル、1.2当量)および4−エチルモルホリン(120μl、0.93ミリモル、6当量)を添加した。得られた混合物を4時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残留物をAcOEtで希釈し、有機相を飽和水性NaHCO溶液で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕することにより精製して、白色固体としてN−[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E1)(46mg、50%)を得た。
[M+H]+=607.2
RT=2.63分。
【0140】
実施例2〜79(E2〜E79)
実施例1と同様にして、下記の表中に表示された適当な酸およびアミンから実施例2〜79を調製した:
【表19】

【0141】
【表20】

【0142】
【表21】

【0143】
【表22】

【0144】
【表23】

【0145】
【表24】

【0146】
【表25】

【0147】
【表26】

【0148】
【表27】

【0149】
【表28】

【0150】
【表29】

【0151】
【表30】

【0152】
【表31】

【0153】
【表32】

【0154】
【表33】

【0155】
【表34】

【0156】
【表35】

【0157】
【表36】

【0158】
【表37】

【0159】
【表38】

【0160】
【表39】

【0161】
【表40】

【0162】
【表41】

【0163】
【表42】

【0164】
【表43】

【0165】
実施例80
N−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−ビニル−ベンズアミド(E80)
【化11】

N−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E45)(140mg、0.2ミリモル、1当量)のDME(0.7ml)およびHO(0.6ml)中溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)−パラジウム(0)(12mg、0.01ミリモル、0.05当量)を添加し、懸濁液を10分間撹拌し、DME(1.3ml)中2,4,6−トリビニルシクロトリボロキサン−ピリジン複合体(49mg、0.2ミリモル、1当量)およびKCO(28mg、0.2ミリモル、1当量)を添加し、得られた混合物を90℃で1時間撹拌し、室温に冷却し、AcOEtで希釈した。有機相をHOで洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:96/4)により精製して、淡黄色泡状物としてN−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−ビニル−ベンズアミド(E80)(100mg、77%)を得た。
[M+H]=638.2
RT=2.92分
【0166】
実施例81〜83
実施例80と同様にして、実施例45(E45)および適当なビニルシクロトリボロキサン−ピリジン複合体(F.KerinsおよびD.F.O’Shea in J.Org.Chem、2002、67、4968−4971に記載されているとおり)から実施例81〜83を調製した:
【表44】

【0167】
実施例84
5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ビフェニル−3−カルボン酸[(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド(E84)
【化12】

N−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−ブロモ−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E45)(140mg、0.2ミリモル、1当量)のトルエン(10ml)中溶液に、酢酸パラジウム(II)(2mg、0.01ミリモル、0.05当量)、フェニルボロン酸(29mg、0.24ミリモル、1.2当量)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(7mg、0.02ミリモル、0.1当量)およびKPO(127mg、0.6ミリモル、3当量)を添加し、得られた混合物を100℃で16時間撹拌し、室温に冷却し、AcOEtで希釈した。有機相を水および食塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。シリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、淡黄色油状物として5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ビフェニル−3−カルボン酸 [(1S,2R)−1−ベンジル−2−ヒドロキシ−3−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−アミド(E84)(84mg、61%)を得た。
[M+H]=688.2
RT=3.10分。
【0168】
実施例85
N−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−エチル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E85)
【化13】

フラスコに、N−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−ビニル−ベンズアミド(E80)(100mg、0.16ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、100mg、50%w/w)、NHCOOH(99mg、1.6ミリモル、10当量)HO(2ml)およびEtOH(10ml)を入れた。得られた混合物を50℃で4時間撹拌し、室温に冷却し、触媒をセライトのパッドを通して濾過して除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物をHOおよびAcOEtで希釈した。層を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮して、白色固体としてN−[(1S,2R)−ベンジル−ヒドロキシ−(3−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピル]−3−エチル−5−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E85)(70mg、70%)を得た。
[M+H]=640.3
RT=2.86分
【0169】
実施例86〜87(E86〜E87)
実施例85(E85)について記載されたのと同様にして、適当な出発物質から実施例86〜87を調製した:
【表45】

【0170】
実施例88
N−[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−メチルアミノ−ベンズアミド(E88)
【化14】

フラスコに、N−[(1S,2R)−ベンジル−((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチルアミノ)−ヒドロキシ−プロピル]−(ベンジル−メチル−アミノ)−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−ベンズアミド(E39)(50mg、0.07ミリモル、1当量)、10%木炭上パラジウム(50%湿潤、5mg、5%w/w)、NHCOOH(44mg、0.7ミリモル、10当量)、HO(2ml)およびEtOH(10ml)を入れた。得られた混合物を50℃で3時間撹拌し、室温に冷却し、触媒をセライトのパッドを通して濾過して除去した。EtOHの大部分を真空中で除去し、残留物を飽和NaHCO水性溶液およびAcOEtで希釈した。層を分離した。有機相をMgSO上で乾燥し、真空中で濃縮した。残留物をEtOで磨砕して、白色固体としてN−[(1S,2R)−1−ベンジル−3−((S)−1−シクロヘキシルカルバモイル−エチルアミノ)−2−ヒドロキシ−プロピル]−3−(メタンスルホニル−フェニル−アミノ)−5−メチルアミノ−ベンズアミド(E88)(18mg、41%)を得た。
[M+H]=636.2、RT=2.62分。
【0171】
実施例89〜90(E89からE90)
実施例1と同様にして、下記の表に表示した適当な酸およびアミンから実施例89〜90を調製した:
【表46】

【0172】
本発明の化合物を以下の分析法に従ってインビトロでの生物学的活性について試験することができる:
(I)Asp−2阻害活性
384ウェルプレート中の分析される各化合物について次のものを添加した:
a)1μlの試験化合物のDMSO溶液(IC50曲線は500μMからの2連続希釈のうちの1つを10回使用する)。
b)10μlの緩衝液中基質(FAM−[SEVNLDAEFK]−TAMRA)溶液。これは、2mlの2mMの基質のDMSO溶液を400mlの緩衝液(100mM酢酸ナトリウム pH=4.5、1l Milli−Q水、0.06%トリトンX−100(0.5ml/l)中に希釈し、氷酢酸を用いてpHを4.5に調節することにより調製した。アミノメチルフルオロセイン(FAM)およびテトラメチルローダミン(TAMRA)は、協同してSEVNLDAEFKペプチドの開裂に際して535nmで蛍光を発光する蛍光分子である。
c)10μlの酵素溶液。これは、16mlの500nM酵素溶液を384mlの緩衝液(前記のようにして調製)中に希釈することにより調製する。
ブランクのウェル(酵素溶液を緩衝液で置換)は、各プレート上、対照として含まれている。ウェルを1時間室温でインキュベートし、Tecan Ultra蛍光計/分光光度計(485nm励起、535nm発光)を用いて蛍光を読みとった。
【0173】
(II)カテプシン阻害分析
384ウェルプレート中、分析される各化合物について、次のものを添加した:
a)1μlの試験化合物のDMSO溶液(IC50曲線は500μMからの2連続希釈のうちの1つを10回使用する)。
b)10μlの緩衝液中基質(FAM−[SEVNLDAEFK]−TAMRA)溶液。これは、2mlの2mM基質のDMSO溶液を400mlの緩衝液(100mM酢酸ナトリウムpH=4.5、1l Milli−Q水、0.06%トリトンX−100(0.5ml/l)中に希釈し、氷酢酸を用いてpHを4.5に調節することにより調製した。
c)10μlの酵素溶液。これは、1.6mlの200単位/ml(10mM HCl中)酵素溶液を398.4mlの緩衝液(前記のようにして調製)中に希釈することにより調製する。
ブランクウェル(酵素溶液を緩衝液で置換)は各プレート上で対照として含まれている。ウェルを1時間室温でインキュベートし、Tecan Ultra蛍光計/分光光度計(485nm励起、535nm発光)を用いて蛍光を読みとる。
【0174】
薬理学的データ
E1−E90の化合物を分析(I)および(II)において試験し、次の範囲内の阻害を示した:1〜5000nM(Asp−2)および50〜25000nM(CatD)。さらに詳細には、E17、25、38、41、46、49、50、55−56、60、61、64、77、83および87の化合物は、次の範囲内で阻害を示した:1〜100nM(Asp−2)および200〜2500nM(CatD)。最も具体的には、E38、41、49、55、60、64、77および87の化合物は、次の範囲内で阻害活性を示した:1〜10nM(Asp−2)および400−1000nM。
【0175】
略号
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMAP ジメチルアミノフェノール
DABCO 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DME ジメチルエーテル
THF テトラヒドロフラン
HOBT N−ヒドロキシベンゾトリアゾール
FAM カルボキシフルオロセイン
TAMRA カルボキシテトラメチルローダミン
[ ] 関連するペプチド配列をコードする一文字アミノ酸コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
はアリールまたはヘテロアリールを表す;
はC1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
2aは水素、ハロゲン、C1−3アルキルまたはC1−3アルコキシを表す;
nは0、1または2を表す;
Aは−C(H)=、−C(R2b)=または−N=を表す;
2bはC1−3アルキル、C2−4アルケニル、ハロゲン、C1−3アルコキシ、アミノ、シアノまたはヒドロキシを表す;
Bは−C(R)=または−N=を表す;
は水素、ハロゲン、置換されていてもよいC1−6アルキル、C2−6アルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C2−6アルケニル−アリール、−C2−6アルケニル−ヘテロアリール、−C2−6アルケニル−ヘテロサイクリル、C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、シアノ、アジド、ニトロ、スルホキシド、−NR、−NRCOR10、−NR11SO12、−NR11CO12、−OR13、−SO14、−SR15、−C≡CR16、−C0−6アルキル−(CFCF、−CONR1718、COOR19、−C1−6アルキル−NR2021または−C1−6アルキル−N、あるいはRは隣接する炭素原子上のR2bと一緒になって縮合5〜7員飽和または部分飽和炭素環式または複素環式環(C1−6アルキル基で置換されていてもよい)を表す;
は置換されていてもよいC1−6アルキル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
は水素、置換されていてもよいC1−10アルキル、−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C3−8シクロアルキル−アリール、−ヘテロサイクリル−アリール、−C1−6アルキル−アリール−ヘテロアリール、−C(R)−CONH−C1−6アルキル、−C(R)−CONH−C3−8シクロアルキル、−C2−6アルキル−S−C1−6アルキル、−C2−6アルキル−NR、−C(R)−C1−6アルキル、−C(R)−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−アリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロアリール、−C(R)−C1−6アルキル−ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−O−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
、R、R、R10、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20およびR21は独立して水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C3−8シクロアルキル、−CO−C1−6アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−C1−6アルキル−C3−8シクロアルキル、−C1−6アルキル−アリール、−C1−6アルキル−ヘテロアリールまたは−C1−6アルキル−ヘテロサイクリルを表す;
、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは独立して水素、C1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
およびRは独立して水素、C1−6アルキル、C3−8シクロアルキルまたは−C1−6アルキル−SO−C1−6アルキルを表すか、またはRおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびR、RおよびRならびにRおよびRはこれらが結合している隣接する炭素原子と一緒になってC3−8シクロアルキル基を形成することができる;
12はC1−6アルキルまたはC3−8シクロアルキルを表す;
qは0〜3を表す;
、RおよびRのアルキル基の任意の置換基は、ハロゲン、C1−6アルコキシ、アミノ、シアノまたはヒドロキシ基の1以上(例えば、1、2または3)を含む;
前記アリール、ヘテロアリールまたはヘテロサイクリル基は、C1−6アルキル、ハロゲン、−CF、−OCF、=O、ヒドロキシ、C1−6アルコキシ、C2−6アルキニル、C2−6アルケニル、アミノ、シアノ、ニトロ、−NR22COR23、−CONR2223−C1−6アルキル−NR2223(式中、R22およびR23は独立して水素またはC1−6アルキルを表す)、−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルまたは−C1−6アルカノイル基の1以上(例えば、1、2、または3)で置換されていてもよい]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項2】
式E1〜E90の化合物またはその医薬上許容される塩である請求項1記載の化合物。
【請求項3】
請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を1以上の医薬上許容される希釈剤または担体との混合物において含む医薬組成物。
【請求項4】
医薬として使用される請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物。
【請求項5】
請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物の、高いβアミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療における使用。
【請求項6】
請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物の、高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療用医薬の製造における使用。
【請求項7】
高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療または予防法であって、患者に有効量の請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を投与することを含む方法。
【請求項8】
高いβ−アミロイドレベルまたはβ−アミロイド沈着により特徴づけられる疾患の治療において用いられる請求項1または2において定義される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物を含む医薬組成物。


【公表番号】特表2006−520358(P2006−520358A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504685(P2006−504685)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002644
【国際公開番号】WO2004/080376
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】