説明

アルツハイマー病の診断方法およびそのためのキット

【課題】高い精度でアルツハイマー病を診断し得る方法およびそのためのキットを提供する。
【解決手段】65の塩基配列のいずれかに示される核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る、および/または該塩基配列に相補的な核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸の中から、特定の3以上の遺伝子を組合わせてアルツハイマー病マーカー遺伝子とするアルツハイマー病の診断方法;ならびにそれらの遺伝子の発現レベルを検出するための試薬を含むキット。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルツハイマー病の発症または発症リスクの判定用キットであって、配列番号n(nは1〜65の整数)のいずれかに示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する3以上の試薬の組み合わせを含んでなり、当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、
(2)配列番号18または配列番号49に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、および
(3)配列番号33または配列番号45に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬
を少なくとも含む、キット。
【請求項2】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、
(2)配列番号18に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、および
(3)配列番号33または配列番号45に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬
を少なくとも含む、請求項1記載のキット。
【請求項3】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、
(2)配列番号18に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、および
(3)配列番号45に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬
を少なくとも含む、請求項2記載のキット。
【請求項4】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、
(2)配列番号18に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、および
(3)配列番号33に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬
を少なくとも含む、請求項2記載のキット。
【請求項5】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、
(2)配列番号49に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬、および
(3)配列番号45に示される塩基配列を含む塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、および/または該塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸を含有する試薬
を少なくとも含む、請求項1記載のキット。
【請求項6】
前記試薬に各々含有される前記核酸がプローブであり、当該キットが、該プローブが固相に固定化されたチップを含む、請求項1〜5のいずれか1項記載のキット。
【請求項7】
アルツハイマー病の発症または発症リスクの判定方法であって、以下のステップ:
(I)対象とする個体から採取された生体試料について、配列番号n(nは1〜65の整数)のいずれかにそれぞれ示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる3以上の遺伝子の発現レベルを測定するステップ;および
(II)ステップ(I)において得られた各遺伝子の発現レベルと、アルツハイマー病の発症または発症リスクについての与えられた判別基準とに基づいて、対象とする個体におけるアルツハイマー病の発症または発症リスクを決定するステップ
を含み、当該判別基準は、アルツハイマー病を発症しているかまたは発症リスクを有することが既知である個体からそれぞれ採取された1以上の生体試料およびアルツハイマー病を発症しておらずかつ発症リスクを有しないことが既知である個体からそれぞれ採取された1以上の生体試料について、ステップ(I)において発現レベルを測定される遺伝子の発現レベルを測定し、個体ごとに得られた各遺伝子の発現レベルを用いて多変量解析を行うことによって得られたものであり、かつ、
ステップ(I)において発現レベルを測定される遺伝子の組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、
(2)配列番号18または配列番号49に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、および
(3)配列番号33または配列番号45に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子
を少なくとも含む、方法。
【請求項8】
多変量解析が主成分分析および線形判別分析を含み、与えられる判別基準が下記式:
【数1】


(式中、
【数2】


であり、
kはステップ(I)において発現レベルを測定される遺伝子の個数であり、
εiはステップ(I)で得られたi番目の遺伝子の発現レベルであり、
a、b、cおよびdは線形判別分析によって決定される定数であり、
P1i、P2i、P3iは、i番目の遺伝子に対して、主成分分析によって決定される固有ベクトルの、第1〜第3主成分にそれぞれ対応する構成要素であり、
μiおよびσiは、それぞれ、当該判別基準の決定のために前記の各遺伝子の発現レベルを測定される全ての試料についてのi番目の遺伝子の発現レベルの平均および標準偏差である。)
であって、前記ステップ(I)で得られた各遺伝子の発現レベルを用いて算出される値Aについて、A>0であればアルツハイマー病を発症しているかまたはその発症リスクを有すると、A<0であればアルツハイマー病を発症しておらずかつその発症リスクを有しないと、A=0であれば判別不能であると決定し得るものである、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、
(2)配列番号18に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、および
(3)配列番号33または配列番号45に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子
を少なくとも含む、請求項7または8記載の方法。
【請求項10】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、
(2)配列番号18に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、および
(3)配列番号45に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子
を少なくとも含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、
(2)配列番号18に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、および
(3)配列番号33に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子
を少なくとも含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
当該組み合わせが、
(1)配列番号3に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、
(2)配列番号49に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子、および
(3)配列番号45に示される塩基配列と同一もしくは実質的に同一の塩基配列を含む塩基配列からなる遺伝子
を少なくとも含む、請求項7または8記載の方法。
【請求項13】
前記3以上の遺伝子の発現レベルの測定が、それらの遺伝子の発現レベルを各々検出し得る核酸を固相に固定化したチップを用いて為される、請求項7〜12のいずれか1項記載の方法。

【図2】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【公開番号】特開2011−182647(P2011−182647A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48067(P2010−48067)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】