説明

アルツハイマー病を治療するためのβ−セクレターゼ阻害薬として有用なスピロピペリジン化合物

本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害薬であり且つアルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与している疾患の治療において有用な、式(I)で表されるスピロピペリジン化合物に関する。本発明は、さらにまた、そのような化合物を含んでいる医薬組成物、並びに、β−セクレターゼ酵素が関与している疾患の治療におけるそれらの化合物及び組成物の使用にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害薬として有用であり、アルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与している疾患の治療において有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、アミロイドが、細胞外プラーク及び細胞内神経原線維変化の形態で、脳内に異常に沈着していることを特徴とする。アミロイドの蓄積速度は、形成速度、凝集速度及び脳からの排出速度の組合せである。アミロイドプラークの主成分が4kDアミロイドタンパク質(βA4、これは、Aβ、βタンパク質及びβAPとも称される。)であるということは一般に受け入れられており、このアミロイドタンパク質は、それよりずっと大きな寸法を有する前駆体タンパク質のタンパク質分解産物である。アミロイド前駆体タンパク質(APP又はAβPP)は、大きな外部ドメインと膜貫通領域と及び短い細胞質側尾部とを含んでいる受容体様構造を有する。Aβドメインは、APPの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両者の一部を含んでおり、従って、その放出は、そのNH末端とCOOH末端を生成するための2つの異なったタンパク分解イベントが存在していることを意味する。APPを膜から放出する分泌機構と及びAPP(複数種類のAPP)の可溶性COOH末端切断形態を生成する分泌機構との、少なくとも2種類の分泌機構が存在している。APPとそのフラグメントを膜から放出するプロテアーゼは、「セクレターゼ」と称される。大部分のAPPは、推定α−セクレターゼにより放出されるが、このα−セクレターゼは、Aβタンパク質を内部で切断して複数種類のα−APPを放出し、完全なAβの放出を妨げている。一部のAPPは、β−セクレターゼ(「β−セクレターゼ」)により放出されるが、このβ−セクレターゼは、APPのNH末端付近で切断して、完全なAβドメインを含んでいる複数種類のCOOH末端フラグメント(CTF)を産生する。
【0003】
従って、β−セクレターゼの活性又はβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)の活性は、APPの切断、Aβの産生及びアルツハイマー病の特徴である脳内におけるβアミロイドプラークの蓄積をもたらす(以下の文献を参照されたい:R.N.Rosenberg, Arch. Neurol., vol.59, Sep 2002, pp.1367−1368; H.Fukumoto et al, Arch. Neurol., vol.59, Sep 2002, pp.1381−1389; J.T.Huse et al, J. Biol. Chem., vol.277, No.18, issue of May 3, 2002, pp.16278−16284; K.C.Chen and WJ.Howe, Biochem. Biophys. Res. Comm, vol.292, pp 702−708, 2002)。従って、β−セクレターゼ又はBACEを阻害することができる治療薬は、アルツハイマー病の治療に有用であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の化合物は、β−セクレターゼ又はBACEの活性を阻害することにより、従って、不溶性Aβの形成を防止し且つAβの生成を抑制することにより、アルツハイマー病を治療するのに有効である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害薬として有用な、一般式(I)
【0006】
【化11】

で表される新規スピロピペリジン化合物、又は、その互変異性体(I’)
【0007】
【化12】

及び、それらの製薬上許容される塩に関する。
【0008】
本発明は、さらに、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の有効量と製薬上許容される担体を含んでいる医薬組成物にも関する。本発明は、さらに、β−セクレターゼ酵素が関与している疾患(例えば、アルツハイマー病)に関して哺乳動物を治療する方法、並びに、そのような疾患の治療における本発明の化合物及び医薬組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
一実施形態では、本発明は、β−セクレターゼ酵素が関与している疾患(例えば、アルツハイマー病)に関して哺乳動物を治療する方法に関し、ここで、該方法は、式(I)
【0010】
【化13】

で表される化合物又はその互変異性体(I’)
【0011】
【化14】

【0012】
[上記式中、
Xは、CR又はNであり;
X’は、CRH又はNHであり;
Zは、O又はSであり;f
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(4)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(5)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(6)−O−R;及び
(7)−C0−6アルキル−Q−R
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;及び
(d)−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該R炭素環部分は、1以上の
(a)−OR
(b)=O;
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(e)−C(=O)−NR4’
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−OH及び(III)−C6−10アリールで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−NR−SO−R4’
(h)−SO−R
(i)−NR−C(=O)−R4’
(J)−C(=O)−OR
(k)−NR4’
(1)−C(=O)−R;及び
(m)−SO−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)−C1−6アルキル;
(c)−C2−6アルケニル;
(d)−C2−6アルキニル;
(e)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(f)シアノ;
(g)−O−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(h)−O−R
(i)−C(=O)−NR4’
(j)−NR4’
(k)−Q−R;及び
(l)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、
(a)−C(=O)−;
(b)−C(=O)−O−;
(c)−C(=O)−NR−;
(d)−NR−C(=O)−;
(e)−S(=O)−;
(f)−Si(R)−;
(g)−S(=O)−R−;
(h)−R−S(=O)−;
(i)−O−C(=O)−;
(j)−NR−C(=O)−O−;
(k)−SO−NR
(l)−NRSO
(m)−NR
からなる群から選択され、ここで、nは、0、1又は2であり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(4)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(5)−C0−6アルキル−Q−C1−6アルキル;
(6)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)シアノ;
(c)−C3−8シクロアルキル;
(d)−O−C1−6アルキル;
(e)OH;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の−C1−6アルキルで場合により置換されていてもよく、
該Rアリール又はヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR10
(b)ハロゲン,
(c)−シアノ;
(d)−NO
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、及び、(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(III)−C2−6アルケニル、(IV)−C2−6アルキニル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(IX)−NO、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(h)−SO−C1−6アルキル;
(i)−SO−NR4’
(j)−NR4’
(k)−C3−8シクロアルキル;
(l)−C2−6アルケニル;
(m)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);
(n)−NHC(=O)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);,
(o)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(p)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(q)−CO−R
(r)−C(=O)−NR4’
(s)−C0−6アルキル−NRSO−R
(t)−O−C2−6アルケニル;
で、場合により置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(3)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(4)−C0−3アルキル−C3−10炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR11
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−C(=O)−NR4’
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−Q−H;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の
(a)−C1−6アルキル;
(b)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−O−C2−6アルケニル;
(m)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
12は、
(I)水素;
(II)−C1−6アルキル;
(III)−C2−6アルケニル;
(IV)−C2−6アルキニル;
(V)−C3−8シクロアルキル;及び
(VI)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、
ここで、該R12アルキル、アルケニル及びアルキニル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
(E)−NR4’
(F)−NR−S(=O)−R4’
(G)−NR−C(=O)−R4’
(H)−NR−C(=O)−OR4’
(I)−S(=O)NR−;
で、場合により置換されていてもよく、
該R10シクロアルキル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)−シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該R12アリール部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)シアノ;
(C)−O−C1−6アルキル;及び
(D)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
及びR4’は、
(1)水素,
(2)−C1−8アルキル(ここで、該アルキルは、(a)ハロゲン、(b)−C3−8シクロアルキル、(c)−CO1−6アルキル、(d)−OC1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン又は(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。)で、場合により置換されていてもよい。);
(3)−C2−8アルケニル;及び
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)ハロゲン;及び
(4)−CO−R
からなる群から選択され;
、R、R、R、R10及びR11は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C3−8シクロアルキル;
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から独立して選択され、
ここで、該アルキルは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該シクロアルキル及びアリールは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい。]
並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを、投与することによる。
【0013】
本発明は、さらにまた、式(I)で表される化合物又はその製薬上許容される塩の有効量及び製薬上許容される担体を含んでいる医薬組成物にも関する。
【0014】
本発明は、さらにまた、ヒト及び動物におけるβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するための薬物又は組成物を製造する方法にも関する。本発明は、さらにまた、ヒトにおけるアルツハイマー病を治療するための薬物を製造する方法にも関し、該方法は、本発明の化合物を製薬上許容される担体又は希釈剤と合することを含む。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、上記式(I)で表される新規スピロピペリジン化合物に関し、但し、XがNであり、ZがOであり、Rが非置換シクロヘキシルであり、及びRが非置換フェニルである場合、Rは、非置換ベンジルではない。
【0016】
好ましい実施形態では、ZはOである。
【0017】
この実施形態の一亜属では、本発明は、XがNであり、X’がNHである式(I)の化合物に関する。別の実施形態では、XはCR(ここで、Rは、好ましくは水素である。)であり及びX’はCRH(ここで、Rは、好ましくは水素である。)である。
【0018】
式(I)で表される化合物の別の実施形態では、Rは、−C1−6アルキル又は−C0−3アルキル−C3−12炭素環であり、ここで、該アルキル又は炭素環は、1以上の、
(a)−OR
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−NR';及び
(e)−C1−6アルキル;
で場合により置換されていてもよい。
【0019】
好ましいR炭素環基には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、モルホリニル、テトラヒドロピラン及びピロリジニルなどの−C3−8炭素環基が包含される。
【0020】
式(I)で表される化合物の別の実施形態では、Rは、−C0−3アルキル−C6−10アリール、好ましくはフェニル又はベンジルである。好ましくは、該Rアリール部分は、1以上の、
(a)ハロゲン;又は
(b)−C1−6アルキル;
で、場合により置換される。
【0021】
別の実施形態では、Rは、C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリール部分は、1以上の
(a)ハロゲン;又は
(b)−C1−6アルキル;
で、場合により置換されていてもよい。
【0022】
好ましいRヘテロアリール基としては、ピリジニル、チエニル、フラニル及びイミダゾリルなどがある。
【0023】
別の実施形態では、Rは、
(1)−C1−6アルキル;
(2)−C0−6アルキル−C3−8炭素環;及び
(3)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、ここで、これらは、上記で記載されているように場合により置換されていてもよい。好ましくは、Rは、−C1−6アルキル、フェニル、ベンジル又は−C0−3アルキル−C3−8炭素環から選択され、ここで、これらは、上記で記載されているように場合にいより置換されていてもよい。
【0024】
が、−C0−3アルキル−C6−10アリールである場合、好ましくは、該アリール部分は、1以上の、
(a)−OR10
(b)ハロゲン;
(c)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(d)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル、(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
(e)−SO−C1−6アルキル;及び
(f)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、及び、(II)−OHで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい。
【0025】
この実施形態の範囲内に、式(II)
【0026】
【化15】

で表される化合物又はその互変異性体(II’)
【0027】
【化16】

【0028】
並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーからなる亜属が存在し、ここで、上記式中、
X、X’、Z、R及びRは、上記で定義されているとおりであり、R15は、
(a)−OR10
(b)ハロゲン;
(c)−シアノ;
(d)−Q−C1−6アルキル;
(e)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン及び(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(f)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(g)−SO−C1−6アルキル;
(h)−SO−NR4’
(i)−C3−8シクロアルキル;
(j)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NH−SOで、場合により置換されていてもよい);
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(l)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(m)−CO−R
(n)−C(=O)−NR4’
(o)−C0−6アルキル−NRSO−R
からなる群から選択される。
【0029】
式(II)で表されるこの亜属の化合物の範囲内において、Rは、好ましくは、
(1)−C0−3アルキル−C6−10アリール;又は
(2)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
であり、ここで、、該アリール及びヘテロアリールは、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい。
【0030】
が、−C0−3アルキル−ヘテロアリールである場合、好ましくは、該ヘテロアリールは、ピリジル、ピロリル、フラニル、チエニル、ジヒドロベンゾフラン、インドリル、イソキノリニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロインドリル及びピリジルからなる群から選択される。Rが、−C0−3アルキル−ヘテロアリールである場合、好ましくは、該ヘテロアリールは、1以上の、
(a)−OR12
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−C(=O)−NR4’
(e)−C1−6アルキル;及び
(f)−NR4’
で置換されている。
【0031】
式(II)で表される化合物の好ましい実施形態では、XはNであり及びZはOである。
【0032】
式(I)で表される化合物の実施形態の別の亜属では、本発明は、式(III)
【0033】
【化17】

で表される化合物又はその互変異性体(III’)
【0034】
【化18】

並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関し、ここで、上記式中、
X、X’、Z、R及びRは、上記で定義されているとおりであり、R16は、
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;及び
(l)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
からなる群から選択される。
【0035】
式(III)で表される化合物の好ましい実施形態では、XはNであり及びZはOである。
【0036】
本明細書で使用される場合、用語「アルキル」は、それ自体又は他の置換基の一部として、示されている数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C1−10アルキルは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明で使用するのに好ましいアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルキル基である。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがある。Cアルキルは、結合を意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「アルコキシ」は、それ自体又は他の置換基の一部として、示されている数の炭素原子を有する基−O−アルキル(ここで、アルキルは、上記で定義されている。)を意味する(例えば、C1−10アルコキシは、1〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルコキシ基は、1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルコキシ基である。例示的な好ましいアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ及びペントキシなどがある。特に好ましいアルコキシ基は、C1−3アルコキシである。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「アルケニル」は、それ自体又は他の置換基の一部として、1つの炭素−炭素二重結合及び示されている数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルケニルは、2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルケニル基は、2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。例示的なアルケニル基としては、エテニル及びプロペニルなどがある。
【0039】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、それ自体又は他の置換基の一部として、1つの炭素−炭素三重結合及び示されている数の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルキニルは、2〜10個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。)。本発明で使用するのに好ましいアルキニル基は、2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルキニル基である。例示的なアルケニル基としては、エチニル及びプロピニルなどがある。
【0040】
本明細書で使用される場合、用語「シクロアルキル」は、それ自体又は他の置換基の一部として、示されている数の炭素原子を有する飽和環式炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは、3〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。)。本明細書で使用される用語「シクロアルキル」には、単環式、二環式及び三環式の飽和炭素環並びに架橋環式炭素環及び縮合環式炭素環(例えば、スピロ縮合環系)などが包含される。
【0041】
本発明で使用するのに好ましいシクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子を有する単環式C3−8シクロアルキル基である。例示的な単環式シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルなどがある。例示的な架橋シクロアルキル基としては、アダマンチル及びノルボルニルなどがある。例示的な縮合シクロアルキル基としては、デカヒドロナフタレンなどがある。
【0042】
本明細書で使用される場合、用語「炭素環」は、それ自体又は他の置換基の一部として、上記で定義したシクロアルキル基を意味するか、又は、非芳香族ヘテロ環式基を意味する。非芳香族ヘテロ環式基は、それ自体又は他の置換基の一部として、環炭素原子のうちの1個以上がヘテロ原子(例えば、N、S又はO)で置き換えられている上記で定義したシクロアルキル基を意味する。本発明で使用するのに適している非芳香族ヘテロ環式基としては、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、アゼチジニル、テトラヒドロピラニル及びイミダゾリジニルなどがある。好まし非芳香族ヘテロ環式基は、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル及びアゼチジニルである。
【0043】
本明細書において定義されている非芳香族ヘテロ環式基が置換される場合、該置換基は、ヘテロ環式基の環炭素原子に結合し得るか、又は、置換可能な原子価を有している環ヘテロ原子(即ち、窒素、酸素又は硫黄)に結合し得る。好ましくは、該置換基は、環炭素原子に結合する。同様に、非芳香族ヘテロ環式基が本明細書において置換基として定義されている場合、その結合点は、ヘテロ環式基の環炭素原子上にあり得るか、又は、置換可能な原子価を有している環ヘテロ原子(即ち、窒素、酸素又は硫黄)上にあり得る。好ましくは、環炭素原子上で結合する。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「アリール」は、それ自体又は他の置換基の一部として、示されている数の炭素原子を有する芳香族環式炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C6−10アリールは、6〜10個の炭素原子を有するアリール基を意味する。)。用語「アリール」には、多環系及び単環系が包含される。本発明で使用するのに好ましいアリール基としては、フェニル及びナフチルなどがある。
【0045】
用語「アリール」には、さらに、部分的に芳香族である(即ち、縮合環のうちの1つが芳香族であり、残りの環は非芳香族である)縮合環式炭化水素環も包含される。部分的に芳香族である例示的なアリール基は、インダニルである。
【0046】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが包含される。
【0047】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、それ自体又は他の置換基の一部として、少なくとも1個の環ヘテロ原子(O、N又はS)を有する芳香族環式基を意味する。用語「ヘテロアリール」には、多環系及び単環系が包含される。本発明で使用するための例示的なヘテロアリール基としては、フリル、ピラニル、ベンゾフランニル、イソベンゾフランニル、クロメニル、チエニル、ベンゾチオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、インダゾリル、ナフチリジニル、トリアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソオキサゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル及びジヒドロインドリルなどがある。
【0048】
用語「ヘテロアリール」には、さらに、部分的に芳香族である(即ち、縮合環のうちの1つが芳香族であり、残りの環は非芳香族である)縮合芳香族環式基も包含される。部分的に芳香族である例示的なヘテロアリール基としては、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾフラン及びジヒドロインドリルなどがある。
【0049】
本明細書において定義されているヘテロアリール基が置換される場合、該置換基は、ヘテロアリール基の環炭素原子に結合し得るか、又は、置換可能な原子価を有している環ヘテロ原子(即ち、窒素、酸素又は硫黄)に結合し得る。好ましくは、該置換基は、環炭素原子に結合する。同様に、ヘテロアリール基が本明細書において置換基として定義されている場合、その結合点は、ヘテロアリール基の環炭素原子上にあり得るか、又は、結合可能な原子価を有している環ヘテロ原子(即ち、窒素、酸素又は硫黄)上にあり得る。好ましくは、環炭素原子上で結合する。
【0050】
本発明の化合物の一部は、少なくとも1の不斉中心を有している。当該分子の様々な置換基の種類に応じて、さらなる不斉中心も存在し得る。不斉中心を有している化合物では、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)又はそれら両方が生じる。混合状態にある可能な全てのエナンチオマー及びジアステレオマー、並びに、純粋な化合物又は部分的に純粋な化合物としての可能な全てのエナンチオマー及びジアステレオマーは、本発明の範囲内に包含されることが意図されている。本発明は、それらの化合物のそのような全ての異性体形態を包含するものである。
【0051】
本明細書で使用される場合、用語「互変異性体」は、平衡混合物の状態で存在しており且ついずれか一方の形態で単離可能で、いずれか一方の形態で反応可能な化合物を表す。互変異性体は、原子間の結合(「linkage」、「bond」又は「connection」)の点で、また、当該分子内の原子の位置又は配分の点で、異なり得る。互変異性の一般的な一形態は、エナミン基(例えば、基RC=CR−NHR)がその互変異性イミン形態(例えば、RCH−CR=NR)と平衡して存在している場合に生じる。本発明に関連して、式(I)で表される化合物は、上記で表されているエナミン形態で、又は、以下に示されているような互変異性イミン形態(I’)
【0052】
【化19】

[ここで、上記式中、X’、Z、R、R及びRは、上記で定義されているとおりである。]
で並びにそれらの製薬上許容される塩で並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーの形態で、存在し得る。
【0053】
さらに、式(II)で表される化合物は、上記で表されているエナミン形態で又は以下に示されているような互変異性イミン形態(II’):
【0054】
【化20】

[ここで、上記式中、X’、Z、R、R及びR15は、上記で定義されているとおりである]で並びにそれらの製薬上許容される塩で並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーの形態で、存在し得る。
【0055】
式(III)で表される化合物は、上記で表されているエナミン形態で又は以下に示されているような互変異性イミン形態(III’)
【0056】
【化21】

[ここで、上記式中、X’、Z、R、R及びR16は、上記で定義されているとおりである]で並びにそれらの製薬上許容される塩で並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーの形態で、存在し得る。
【0057】
本明細書に記載されている化合物は、1つ以上の二重結合を含むことができ、従って、シス/トランス異性体及び他の配座異性体を生じ得る。本発明は、そのような可能な全ての異性体及びそのような異性体の混合物を包含する。
【0058】
式(I)〜式(III)は、上記において、特定の位置における立体化学を明確にすることなく示されている。本発明は、式(I)〜式(III)で表される全ての立体異性体及びそれらの製薬上許容される塩を包含する。
【0059】
エナンチオマー的若しくはジアステレオマー的に富化された化合物の独立した合成又はそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示されている方法を適切に修正することにより、当技術分野で知られているように行うことができる。これらの絶対立体化学は、結晶質生成物又は結晶質中間体(これらは、必用に応じて、絶対配置が知られている不斉中心を有する試薬で誘導体化されている。)のX線結晶学により決定することができる。
【0060】
必用に応じ、本発明化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。そのような分離は、当技術分野でよく知られている方法により、例えば、化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成させ、次いで、標準的な方法(例えば、分別結晶又はクロマトグラフィー)で個々のジアステレオマーを分離することにより、実施することができる。そのようなカップリング反応は、多くの場合、エナンチオマー的に純粋な酸又は塩基を用いた塩の形成である。そのジアステレオマー誘導体は、次いで、付加させたキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換することができる。該化合物のラセミ混合物は、さらにまた、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法によって直接的に分離させることも可能である。そのような方法は、当技術分野ではよく知られている。
【0061】
あるいは、特定化合物の任意のエナンチオマーは、立体配置が知られている光学的に純粋な出発物質又は試薬を当技術分野でよく知られている方法で使用する立体選択的合成により、得ることができる。
【0062】
本発明において特許請求されている化合物は、以下の一般的な方法(スキーム1及びスキーム2)に従って、調製することができる。
【0063】
下記スキーム1は、コア構造1−1を作り上げるピペリドン誘導体とアミンとイソニトリルとシアン酸塩の間のウギ4成分カップリング反応を表している。1−1にさらに手を加えることも可能であり、例えば、一時的なR基を除去することにより1−2が得られ、次いで、異なったRでアルキル化することにより、新しい構造1−3が得られる。
【0064】
スキーム1
【0065】
【化22】

【0066】
あるいは、X=Cである本発明化合物は、下記スキーム2に示されているように調製することができる。適切に構成されているピペリドンをストレッカー反応に付すことにより、ニトリル2−1が得られ、これを、加水分解及びエステル化して、2−2とすることができる。アシル化して2−3とし、閉環して2−4とし、次いで、アミンと縮合させることにより、化合物2−5が得られる。
【0067】
スキーム2
【0068】
【化23】

【0069】
本発明化合物の特定の実施形態及びそれらの調製方法については、本明細書内の実施例(3−1)〜実施例(15−45)及びスキーム3〜スキーム15に記載してある。
【0070】
用語「実質的に純粋な」は、単離された物質が、当技術分野で既知の分析技術で分析して、少なくとも90%純粋、好ましくは95%純粋、さらに好ましくは99%純粋であることを意味する。
【0071】
用語「製薬上許容される塩」は、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を包含する、製薬上許容される非毒性の塩基又は酸から調製された塩を意味する。本発明の化合物は、該化合物の遊離塩基形態中に存在している酸官能性の数に応じて、モノ塩、ジ塩又はトリス塩であり得る。無機塩基から誘導された遊離塩基及び塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが包含される。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態にある塩は、2種以上の結晶構造で存在することができ、また、水和物の形態であることもできる。製薬上許容される有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一級、第二級及び第三級のアミン類、天然の置換アミン類を包含する置換アミン類、環状アミン類並びに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンの塩などがある。本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸及び有機酸を包含する製薬上許容される非毒性酸から調製することができる。そのような酸としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸及びp−トルエンスルホン酸トリフルオロ酢酸などがある。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0072】
本発明は、β−セクレターゼ酵素活性又はβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)活性の阻害が必要な患者又は被検者(例えば、哺乳動物)におけるそのような酵素活性の阻害薬としての、本明細書に開示されている式(I)〜式(III)で表される化合物の使用に関し、ここで、該使用は、有効量の該化合物を投与することを含む。用語「β−セクレターゼ酵素」、「β−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素」及び「BACE」は、本明細書においては、交換可能に使用される。ヒトに加えて、さまざまな他の哺乳動物を、本発明の方法に従って治療することができる。
【0073】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療、改善、制御において、又は、アルツハイマー病のリスクを低減するのに有用である。例えば、該化合物は、アルツハイマー型の痴呆を予防するのに有用であり得るとともに、アルツハイマー型の早期、中期又は後期痴呆を治療するのに有用であり得る。該化合物は、さらにまた、アミロイド前駆体タンパク質(「APP」とも称される)の異常切断が介在する疾患、及び、β−セクレターゼを阻害することにより治療若しくは予防が可能な他の状態の、治療、改善、制御において、又は、そのような疾患若しくは状態のリスクを低減するのに有用であり得る。そのような状態としては、軽度の認知障害、21トリソミー(ダウン症候群)、脳アミロイド血管障害、退行性痴呆、Dutch−Typeのアミロイド症に伴う脳出血(HCHWA−D)、クロイツフェルト−ヤコブ病、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、頭部外傷、卒中、膵臓炎、封入体筋炎、他の末梢性アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症などがある。
【0074】
本発明の化合物が投与される被検者又は患者は、一般に、β−セクレターゼ酵素活性の阻害が望まれるヒト(男性又は女性)であるが、そのような被検者又は患者には、β−セクレターゼ酵素活性の阻害又は上記疾患の治療が望まれる他の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジー又は他の類人猿若しくは霊長類も包含され得る。
【0075】
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用性を有する疾患又は状態の治療において、薬物を一緒に組み合わせることが、何れかの薬物単独よりも安全であるか又はより有効であるとき、1種類以上の別の薬物と組み合わせて使用することが可能である。さらに、本発明の化合物は、治療し、予防し、制御し、改善し、又は、本発明化合物の副作用若しくは毒性のリスクを低減する、1種類以上の別の薬物と組み合わせて使用することもできる。そのような別の薬物は、それらについて一般的に使用される経路及び量で、本発明の化合物と同時に又は逐次的に投与することができる。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1種類以上の別の活性成分を含有するものが包含される。そのような組合せは、単位投与形態組合せ生成物の一部として投与し得るか、又は、1種類以上の追加の薬物を治療計画の一部として別個の投与形態で投与するキット若しくは治療プロトコルとして投与し得る。
【0076】
本発明化合物と別の薬物の単位用量又はキットの形態にある組合せの例としては、以下のものとの組合せなどがある:抗アルツハイマー薬、例えば、別のβ−セクレターゼ阻害薬又はγ−セクレターゼ阻害薬;タウリン酸化阻害薬;M1受容体ポジティブアロステリックモジュレーター;Aβオリゴマー形成の遮断薬;5−HTモジュレーター、例えば、PRX−03140、GSK 742467、SGS−518、FK−962、SL−65.0155、SRA−333及びキサリプロデン;p25/CDK5阻害薬;NK1/NK3受容体拮抗薬;COX−2阻害薬;HMG−CoAレダクターゼ阻害薬;NSAID類、例えば、イブプロフェン;ビタミンE;抗アミロイド抗体、例えば、抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体;抗炎症性化合物、例えば、(R)−フルルビプロフェン、ニトロフルルビプロフェン(nitroflurbiprofen)、ロシグリタゾン、ND−1251、VP−025、HT−0712及びEHT−202;CB−1受容体拮抗薬又はCB−1受容体逆作動薬;抗生物質、例えば、ドキシサイクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、例えば、メマンチン及びネラメキサン;コリンエステラーゼ阻害薬、例えば、ガランタミン、リバスティグミン、ドネペジル、タクリン、フェンセリン、ラドスチギル(ladostigil)及びABT−089;成長ホルモン分泌促進薬、例えば、イブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン(capromorelin);ヒスタミンH3拮抗薬、例えば、ABT−834、ABT 829及びGSK 189254;AMPA作動薬又はAMPAモジュレーター、例えば、CX−717、LY 451395及びS−18986;PDE IV阻害薬;GABA逆作動薬;神経細胞ニコチン性作動薬(neuronal nicotinic agonists);選択的M1作動薬;微小管親和性調節キナーゼ(MARK)リガンド;P−450阻害薬、例えば、リトナビル;又は、本発明の化合物の、効能、安全性、利便性を増加させるか又は望ましくない副作用若しくは毒性を低減させる受容体又は酵素に影響を与える他の薬物。組合せの上記のリストは、例示のみであり、決して限定であることを意図しない。
【0077】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、指定された成分を所定の量又は割合で含んでいる製品、及び、指定された量の指定された成分の組合せから直接的に又は間接的に得られる任意の製品を包含することが意図されている。この用語は、医薬組成物に関連して、1種類以上の活性成分及び不活性成分を含む任意の担体を含有する製品、並びに、何れか2種以上の成分の組合せ、複合体生成若しくは凝集から、又は、1種類以上の成分の解離から、又は、1種類以上の成分の他のタイプの反応若しくは相互作用から、直接的に又は間接的に得られる全ての製品を包含することが意図されている。
【0078】
一般に、医薬組成物は、活性成分を、液体担体又は微粉化固体担体又は液体担体及び微粉化固体担体の両方と、均一且つ緊密に混合し、次いで、その生成物を、必要に応じて、所望の製剤に成形することによって調製する。該医薬組成物において、活性化合物(ここで、活性化合物は、式(I)〜式(III)で表される化合物である。)は、疾患の過程又は状態に対して所望の効果をもたらすのに十分な量で含有されている。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と製薬上許容される担体を混合することにより製造された全ての組成物を包含する。
【0079】
担体は、投与、例えば、経口投与又は非経口投与(これは、静脈内投与を包含する)などに望ましい調製物の形態に応じて、さまざまな形態をとることができる。従って、本発明の医薬組成物は、それぞれが所定量の活性成分を含んでいるカプセル剤、カシェ剤又は錠剤などの経口投与に適した個別単位として供することができる。本発明の医薬組成物は、さらに、粉末剤として、顆粒剤として、溶液剤として、水性液体中の懸濁液剤として、非水性液体剤として、水中油型のエマルション剤として、又は、油中水型の液体エマルション剤として供することもできる。上記で説明した一般的な投与形態に加えて、式(I)〜式(VII)で表される化合物又はそれらの製薬上許容される塩は、制御放出手段及び/又は送達装置により投与することもできる。
【0080】
経口で用いることが意図されている医薬組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野で既知のいずれかの方法に従って調製することが可能であり、そのような組成物には、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択された1種類以上の薬剤を含有させて、医薬として外観及び風味が良い製剤を提供することができる。錠剤には、錠剤の製造に適した製薬上許容される非毒性の賦形剤と混合した状態で活性成分を含有させ得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアラビアゴム、及び、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどであり得る。錠剤には、コーティングを施さなくてもよいか、又は、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延させ、それによって、長期間に亘る持続的な作用を提供するために、既知技術によってコーティングを施してもよい。
【0081】
本発明の組成物を含んでいる錠剤は、場合により1種類以上の副成分又はアジュバントと一緒に、圧縮又は成形することにより調製することができる。圧縮錠剤は、場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合した状態にある、自由流動性形態(例えば、粉末又は顆粒)の活性成分を、適切な機械で圧縮することにより調製することができる。湿製錠剤は、粉末化して不活性液体希釈剤で湿らせた化合物の混合物を適切な機械で成形することにより調製することができる。各錠剤には、好ましくは、約0.1mg〜約500mgの活性成分を含有させ、各カシェ剤又はカプセル剤には、好ましくは、約0.1mg〜約500mgの活性成分を含有させる。
【0082】
経口で使用するための組成物は、さらにまた、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合されている硬質ゼラチンカプセルとしても供することができるか、又は、活性有効成分が水若しくは油性媒体(例えば、ラッカセイ油、液体パラフィン又はオリーブ油)と混合されている軟質ゼラチンカプセルとしも供することができる。
【0083】
他の医薬組成物には、活性物質を水性懸濁液の製造に適している賦形剤と混合した状態で含有している水性懸濁液剤などがある。さらに、油性懸濁液剤は、活性成分を、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油)中に懸濁させるか、又は、鉱油(例えば、液体パラフィン)中に懸濁させることにより、製剤することができる。油性懸濁液剤には、さらに、種々の賦形剤を含ませることもできる。本発明の医薬組成物は、さらにまた、水中油滴型エマルションの形態であってもよく、これには、また、甘味剤及び矯味矯臭剤のような賦形剤を含有させてもよい。
【0084】
該医薬組成物は、無菌の注射可能な水性若しくは油性の懸濁液の形態であることができるか、又は、そのような無菌の注射可能な溶液若しくは懸濁液を必用に応じて調製するための無菌の粉末の形態であることもできる。いかなる場合においても、最終的な注射可能な形態は、無菌でなくてはならず、また、容易に注入可能であるために効果的な流動性を有していなくてはならない。該医薬組成物は、製造及び貯蔵の条件下において、安定であることが必用であり、従って、好ましくは、細菌又は真菌などの微生物による汚染作用に対して保護されるべきである。
【0085】
本発明の医薬組成物は、局所使用に適した形態、例えば、エーロゾル剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、粉末剤(dusting powder)などの形態であることもできる。さらに、本発明の医薬組成物は、経皮装置での使用に適した形態であることもできる。それらの製剤は、慣習的な加工処理方法により調製することができる。例えば、クリーム剤又は軟膏剤は、約5重量%〜約10重量%の該化合物と一緒に親水性物質及び水を混合して、所望の稠度を有するクリーム又は軟膏を生成させることにより調製する。
【0086】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である直腸内投与に適した形態であることも可能である。該混合物が、単位用量の坐剤を形成するのが好ましい。適切な担体には、カカオバター及び当該技術分野で一般に使用される他の物質などがある。
【0087】
「製薬上許容される」は、担体、希釈剤又は賦形剤が、当該製剤の残りの成分と適合性でなくてはならず、また、そのレシピエントに対して有害であってはならないことを意味する。
【0088】
用語「(化合物の)投与」又は「(化合物を)投与する」は、本発明の化合物を、治療が必要な個体に、その個体の体の中に治療的に有用な形態及び治療的に有用な量で導入することができる投与形態で与えることを意味すると理解されるべきであり、ここで、そのような投与形態としては、限定するものではないが、経口投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液剤など;注射可能投与形態、例えば、IV、IM又はIPなど;経皮投与形態、例えば、クリーム剤、ジェリー剤、散剤又はパッチ剤など;口腔内投与形態;吸入散剤、スプレー剤、懸濁液剤など;及び、直腸坐剤などを挙げることができる。
【0089】
用語「有効量」又は「治療上有効量」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床家によって求められている、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き出す対象化合物の量を意味する。
【0090】
本明細書で使用される場合、用語「治療」又は「治療する」は、本発明の化合物の任意の投与を意味し、これには、(1)疾患の病状又は総体的症状を経験している又は示している動物における疾患を阻害すること(即ち、病状及び/又は症状のさらなる進行を抑止すること)、又は、(2)疾患の病状又は総体的症状を経験している又は示している動物における疾患を改善すること(即ち、病状及び/又は症状を逆転させること)が包含される。用語「制御する」には、制御される状態の重症度を、予防すること、治療すること、根絶すること、改善すること又は他の方法で低減させることが包含される。
【0091】
本発明の化合物を含有する組成物は、好都合には、単位投与形態で提供することができ、また、調剤学の技術分野において周知であるいずれかの方法によって製剤することができる。用語「単位投与形態」は、全ての活性成分及び不活性成分が適切なシステム内で組み合わされていて、患者又は患者に薬物を投与するヒトが、その中に含有されている全用量を有する1個の容器又はパッケージを開けることができ、また、2個以上の容器又はパッケージからの如何なる成分も一緒に混合する必要がない、単一用量を意味する。単位投与形態の典型的な例は、経口投与用の錠剤若しくはカプセル剤、注射用の1回用量バイアル、又は、直腸内投与用の坐剤である。単位投与形態のこのリストは、決して限定することを意図せず、単に単位投与形態の典型的な例を表すことを意図している。
【0092】
本発明の化合物を含有する組成物は、好都合には、キットとして提供することが可能であり、その場合、2種類以上の成分(これらは、活性成分又は非活性成分、担体、希釈剤などであり得る。)が、患者又は患者に薬物を投与するヒトが実際の投与形態を調製するための指示書と共に提供される。このようなキットは、その中に含有されている全ての必要な物質及び成分と共に提供されるか、又は、それらには、患者又は患者に薬物を投与するヒトが独立に得なくてはならない物質又は成分を使用する又は作るための指示書が含まれ得る。
【0093】
本発明化合物の適応症であるアルツハイマー病又は他の疾患を治療、改善、制御するか、又は、それら疾患のリスクを低減する場合、本発明の化合物を、動物の体重1kg当たり、約0.1mg〜約100mgの1日用量で、好ましくは、1日1回投与として又は1日当たり2から6回の分割投与で又は持続放出形態型で投与すれば、一般的に満足できる結果が得られる。全1日用量は、体重1kg当たり、約1.0mg〜約2000mg、好ましくは、約0.1mg〜約20mgである。70kgの成人ヒトの場合、全1日用量は、一般に、約7mg〜約1,400mgとなる。この用法は、最適な治療応答を与えるように調節することができる。本発明の化合物は、1日当たり1〜4回、好ましくは1日当たり1回又は2回の投与計画で投与することができる。
【0094】
担体物質と組み合わせて単一投与形態を生成し得る活性成分の量は、治療対象の宿主及び特定の投与方法に応じて、様々であり得る。例えば、ヒトへの経口投与用の製剤は、好都合には、約0.005mg〜約2.5gの活性薬物を適切且つ好都合な量の担体物質と混合された状態で含有し得る。単位投与形態は、一般に、約0.005mg〜約1000mgの活性成分を含有し、典型的には、0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgの活性成分を含有し、1日当たり1回、2回又は3回投与される。
【0095】
しかしながら、任意の特定の患者についての特定の用量レベル及び投与の頻度は、さまざまであることができ、それらは、使用する特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与の方法及び時間、排泄速度、薬物組合せ、特定の状態の重症度、並びに、治療を受ける宿主を含む種々の要因に依存する。
【0096】
β−セクレターゼ酵素活性の阻害薬としての本発明化合物の有用性は、当技術分野で既知の方法によって示すことができる。酵素阻害は以下のようにして求められる。
【0097】
ECLアッセイ: ビオチニル化BACE基質を用いた均一終点電気化学ルミネセンス(ECL)アッセイ(homogeneous end point electrochemiluminescence assay)を使用する。この基質のKmは、100μMより大きく、その基質の溶解度の限界に起因して測定不可能である。典型的な反応物には、約0.1nMの酵素、0.25μMの基質及びバッファー(50mM NaOAc、pH4.5又は6.5、0.1mg/mL BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTA 及び 1mM デフェロキサミン)が総反応容積100μLで含まれている。30分間反応させ、次いで、25μLの1M Tris−HCl(pH8.0)を添加して反応を停止させる。酵素的に得られた生成物について、該生成物のC−末端残基を特異的に認識するルテニウム化抗体(ruthenylated antibody)を添加することにより、アッセイする。その溶液に、ストレプトアビジンでコーティングした磁気ビーズを添加し、サンプルを、M−384(Igen Inc., Gaithersburg, MD)分析に付す。これらの条件下、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験に使用する酵素は、バキュロウイルス発現系で産生させた、可溶性(膜貫通ドメイン及び細胞質伸長(cytoplasmic extension)が除かれている。)のヒトタンパク質である。化合物の阻害能力を測定するために、100μMから開始して3倍連続希釈することにより、阻害薬の12種の濃度を調製する。反応混合物中に、阻害薬のDMSO溶液を含ませる(最終DMSO濃度は、10%)。全ての実験は、室温で、上記で記載した標準的な反応条件を用いて行う。化合物のIC50を求めるために、4パラメータ式を用いて曲線当てはめを行う。解離定数を再現する際の誤差は、典型的に2倍未満である。
【0098】
HPLCアッセイ: BACE1により切断されてクマリンが結合しているN−末端フラグメントを放出する基質(クマリン−CO−REVNFEVEFR)と一緒に、均一終点HPLCアッセイを使用する。この基質のKmは、100μMより大きく、その基質の溶解度の限界に起因して測定不可能である。典型的な反応物には、約2nMの酵素、1.0μMの基質及びバッファー(50mM NaOAc、pH4.5又は6.5、0.1mg/mL BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTA 及び 1mM デフェロキサミン)が総反応容積100μLで含まれている。30分間反応させ、次いで、25μLの1M Tris−HCl(pH8.0)を添加して反応を停止させる。得られた反応混合物をHPLCにロードし、5分間の直線勾配で、生成物を基質から分離させる。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によってプロセシングされる。これらの試験に使用する酵素は、バキュロウイルス発現系で産生させた、可溶性(膜貫通ドメイン及び細胞質伸長(cytoplasmic extension)が除かれている。)のヒトタンパク質である。化合物の阻害能力を測定するために、阻害薬の12種の濃度を調製する。その濃度範囲は、ECLによって予測される効力に依存する。反応混合物中に、阻害薬のDMSO溶液を含ませる(最終DMSO濃度は、10%)。全ての実験は、室温で、上記で記載した標準的な反応条件を用いて行う。化合物のIC50を求めるために、4パラメータ式を用いて曲線当てはめを行う。解離定数を再現する際の誤差は、典型的に2倍未満である。
【0099】
特に、下記実施例の化合物は、上記アッセイにおいて、一般に、約1nM〜500μMのIC50、好ましくは、1nM〜100μMのIC50で、β−セクレターゼ酵素の阻害活性を示した。このような結果は、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する際の本発明化合物の固有活性を暗示している。
【0100】
本発明化合物を調製するための数種類の方法について、以下のスキーム及び実施例において例示する。出発物質は、当技術分野で既知の方法により調製するか、又は、本明細書に例示したようにして調製する。以下の実施例は、本発明を一層完全に理解できるように提供される。これらの実施例は、例示のみであり、決して本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0101】
以下の略号を、本明細書を通して使用する。
【0102】
【表1】

【0103】
ウギ4成分カップリングについての典型的な手順は、下記スキーム3に表されているが、その手順は、下記実施例(3−1)〜実施例(3−46)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(3−1)〜実施例(3−46)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0104】
スキーム3
【0105】
【化24】

【実施例】
【0106】
実施例3−1
8−ベンジル−4−(ベンジルアミノ)−1−フェニル−l,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(3−1)
【0107】
【化25】

【0108】
10mL容のフラスコ内で、N−ベンジルピペリジノン(833mg, 4.41mmol)及びベンジルイソシアニド(500mg, 4.2mmol)をMeOH(2.2mL)に溶解させた。KOCΝ(313mg, 4.41mmol)のHO(0.9mL)中の溶液を、撹拌しながら、一度に添加した。アニリン塩酸塩を、5分間かけて、少量ずつ添加した。1時間撹拌した後、粗生成物が溶液から沈殿した。生じた固体を、真空濾過で単離し、HOで洗浄した後、EtOで洗浄し、減圧下に乾燥させて、150mgの白色の固体を得た。その固体の一部を、RP−HPLCでさらに精製した。生成物を含んでいる画分を、水性NaHCOとEtOAcの2相混合物上に注いだ。層を分離させ、有機層をブラインで洗浄した。その有機層をNaSOで脱水し、減圧下に溶媒を除去した後、標的化合物である8−ベンジル−4−(ベンジルアミノ)−1−フェニル−l,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンが白色の固体として得られた。
【0109】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 9.05(br s,1H),7.4−7.2(m,8H),6.88(d,J=6.9Hz,2H),4.66(d,J=5.2Hz,2H),3.37(s,2H),2.75(重複 t’s,J=6.8Hz,2H),2.30(重複 t’s,J=7.2Hz,2),2.03(m,4H);
LC−MS(M+H)=425.03;
HPLC=98.6%(215nm);100%(254nM)。
【0110】
以下の実施例は、適切に置換されたイソシアニド及び/又はアミンで置き換えて、同様の方法で調製し、表1に記載されている生成物を得た。実施例3−45に関しては、シアン酸カリウムをチオシアン酸カリウムに置き換えた。実施例(3−37)〜実施例(3−40)は、4−Bocアミノアナリン(analine)を使用し、その後、脱保護し、適切なアシル化試薬でアシル化することにより、調製した。
【0111】
【表2】










【0112】
スキーム4Aは、X=CHである本発明化合物の調製方法を表していて、このスキーム4Aは、下記実施例4A−6を包含する本発明の様々な化合物の合成において使用することができる(実施例4A−6は、エナミン形態で表されているが、互変異性形態でも存在し得る。)。
【0113】
スキーム4A
【0114】
【化26】

【0115】
実施例4A−6
8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0116】
【化27】

【0117】
ステップ1: 1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボニトリル(4A−1)
15g(79mmol)のN−ベンジルピペリドンの80mLの酢酸中の0℃の溶液に、7.6mL(79mmol)の3−フルオロアニリンを添加した後、10.5mL(79mmol)のトリメチルシリルニトリル(TMSCN)を滴下して加えた。その反応混合物を室温まで昇温させて1時間撹拌した後、120gの氷と120gの濃NHOHの混合物に注いだ。得られた混合物を、2×300mLのCHClで抽出した。その抽出液を合してブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残渣を、100mLのジイソプロピルエーテル中に懸濁させて30分間撹拌し、濾過して、1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボニトリルを得た。
【0118】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.26−7.35(m,5H);7.19(app q,J=8.06Hz,1H);6.55−6.66(m,3H);3.78(s,1H);3.56(s,2H);2.80(br m,2H);2.48(ddd,J=12.5,12.5,2.2Hz,2H);2.35(ddd,J=13.4,2.56,2.56Hz,2H);1.92(ddd,J=13.2,13.2,3.1Hz,2H);
高分解能質量分析(FT/ICR)
計算値 M+H=310.1714; 実測値 310.1749。
【0119】
ステップ2: 1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボン酸エチル(4A−2)
5g(16mmol)の1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボニトリルの20mL濃HSO中の溶液を、18時間激しく撹拌し、次いで、氷浴中で冷却した。その混合物を、濃NaOHと氷片をゆっくりと添加することにより中和した。得られた不均質混合物を、500mLのCHClで抽出した。有機抽出物をMgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、4.6gの1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボニトリルを黄褐色の固体として得た。そのうちの3.5g(10.7mmol)を25mLのエチレングリコールに溶解させた。それに、2.4gの固体KOHを添加した。得られた混合物を190℃に4時間加熱し、次いで、0℃まで冷却した。水(100mL)を添加した後、pHが中性になるまで酢酸を添加した。形成された沈澱物を濾過し、2番目の生成物を得た。各生成物を75mLのEtOHに溶解させ、1.5mLの濃HSOを添加した。得られた混合物を2日間加熱還流し、冷却し、濃縮した。自動フラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ 0−5%MeOH/CHC1/(10%NHOH) 15分間)で精製して、1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボン酸エチルを濃厚な油状物として得た。
【0120】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.31(m,4H);7.25(m,1H);7.05(app q,J=8.24Hz,1H);6.41(app dt,J=8.42 及び 2.38Hz,1H);6.33(dd,J=8.24 及び 2.20Hz,1H);6.27(app dt,J=11.5 及び 2.20Hz,1H);4.16(q,J=7.14Hz,2H);3.96(s,1H);3.51(s,2H);2.63(br m,2H);2.38(ddd,J=12.3,12.3,2.01Hz,2H);2.24(ddd,J=13.7,3.67,3.67Hz,2H);2.00(br d,J=11.3Hz,2H);1.16(t,J=7.14,3H);
エレクトロスプレー質量スペクトル M+H=357.1。
【0121】
ステップ3: 4−[アセチル(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸エチル(4A−3)
0.2g(0.56mmol)の1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボン酸エチルの2.6mL(28mmol)無水酢酸(ニート)中の溶液を、120℃に20時間加熱し、次いで、水と濃NHOHの(1:1)混合物50mL中に注ぎ入れ、100mLのEtOAcで抽出し、水で洗浄した後ブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮した。自動フラッシュクロマトグラフィー(40g シリカゲルカートリッジ 0−5%MeOH/CHCl) 15分間)で精製して、4−[アセチル(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸エチルを得た。
【0122】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.39(m,1H);7.20−7.31(m,4H);7.06−7.15(m,4H);4.25(q,J=7.14Hz,2H);3.46(s,2H);2.59(br m,2H);2.30−2.48(m,3H);2.22(m,2H);1.72(s,3H);1.63(m,2H);1.31(t,J=7.15,3H);
エレクトロスプレー質量スペクトル M+H=399.2。
【0123】
ステップ4: 8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(4A−4)
0.86g(2.2mmol)の4−[アセチル(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−ベンジルピペリジン−4−カルボン酸エチルの1mLTHF中の0℃の溶液に、3.2mL(6.5mmol;ヘプタン、THF、エチルベンゼン中の2M溶液)のリチウムジイソプロピルアミド溶液を添加し、その反応混合物を、ゆっくりと室温まで昇温させ、さらに14時間撹拌した。その混合物に、50mLの水及び50mLのEtOAcを添加し、そのpHを、1N HCl(約1mL)で調節して、pH=6とした。水層を、3×l00mLのEtOAcで抽出した。抽出液を合して100mLのブラインで洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンを固体として得た。
【0124】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.44(ddd,J=8.06,8.06 及び 6.23Hz,1H);7.14−7.30(m,6H);6.95(br d,J=7.88Hz,1H);6.89(ddd,J=9.16,2.02,及び 2.02Hz,1H);3.52(s,2H);3.26(s,2H);2.73(m,2H);2.65(m,2H);1.85(br m,4H);
エレクトロスプレー質量スペクトル M+H=353.1。
【0125】
ステップ6 8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(4A−6)を得る
55mg(0.156mmol)の8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンの2mL乾燥トルエン中の溶液に、36mg(0.187mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物及び0.030mL(0.312mmol)の4−フルオロアニリンを添加した。その反応混合物を24時間還流した。次いで、減圧下に濃縮することにより溶媒を除去した。残渣を、分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)アミノ]−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンを白色の固体として得た。
【0126】
1H NMR(CDOD,400MHz):δ 7.50−7.20(m,7H),7.20−6.98(m,6H),5.24(s,1H),3.60(s,2H),2.99−2.80(m,2H),2.36−2.43(m,2H),2.24−1.98(m,2H),2.10(m,1H),1.00(m,2H);
高分解能質量分析(FT/ICR):
計算値 M+H=446.2039; 実測値 446.2035。
【0127】
スキーム4Bは、下記実施例4B−7を包含する本発明化合物(ここで、X=CRであるか、又は、X’=CR4’である)を調製するための別法を表している(実施例4B−7は、エナミン形態で表されているが、互変異性形態でも存在し得る)。ストレッカー付加体4A−1を最初にアシル化することにより4B−2が得られ、次いで、NaOMeなどの塩基を用いて環化して4B−3とする。4B−3及びその誘導体のタイプの構造も、本明細書に記載されている本発明にとって有用である。水性6N HClなどの強酸を用いて4B−3のタイプの構造を脱カルボキシル化することにより、最初に、4B−4aのタイプの構造が得られる。これも、本発明での使用に関して特許請求されている。酸の中で長期間にわたり加熱することにより、中間体4B−4b(スキーム4Aにおける4A−4と同一)が生成する。次いで、4B−4bを適切なアミンで処理することにより、4B−54A−4)のタイプの最終的な化合物が得られる。さらに、X=CRであって、R=フッ素である場合、合成経路4A又は合成経路4Bから得られた最後から2番目の化合物(例えば、4B−5)をフッ素化剤で処理して、4B−6のタイプの化合物を得ることができる。
【0128】
スキーム4B
【0129】
【化28】

【0130】
実施例4B−7
8−ベンジル−4−[(2−エチルフェニル)アミノ]−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0131】
【化29】

【0132】
ステップ1: 4B−2のタイプの中間体を得るためのアシル化
9.0g(29.1mmol)の3−[(1−ベンジル−4−シアノピペリジン−4−イル)(3−フルオロフェニル)アミノ]−3−オキソプロパン酸エチル(上記中間体4A−1)の150mLのCHCl中の室温の溶液に、4.9mL(37.8mmol)のエチルマロニルクロリド及び5.1mL(43.6mmol)の2,6−ルチジンを添加した。3時間経過した後、その反応物を150mLのCHClで希釈し、水及びブラインで洗浄した。有機部分を、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、3−[(1−ベンジル−4−シアノピペリジン−4−イル)(3−フルオロフェニル)アミノ]−3−オキソプロパン酸エチルを得た。
【0133】
LC/MS [M+H]=424.0。
【0134】
ステップ2: 4B−3のタイプの中間体:8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
14.9g(35.2mmol)の3−[(1−ベンジル−4−シアノピペリジン−4−イル)(3−フルオロフェニル)アミノ]−3−オキソプロパン酸の20mLメタノール中の室温の溶液に、7.6mL(42.2mmol)のメタノール中30%w/vナトリウムメトキシドを添加した。1時間経過した後、その反応物を濃縮して、4−アミノ−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−3−カルボン酸エチルと4−アミノ−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−3−カルボン酸メチルの混合物を得た。その混合物を、200mLの6N HClに懸濁させ、80℃まで加熱した。18時間経過した後、その反応物を0℃まで冷却し、濃NaOHを用いてpH=10に調節し、9×200mLのEtOAcで抽出した。抽出液を合してブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、赤色の泡状物を得た。CHClから結晶化させて、ケトアミド中間体8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンを得た。
【0135】
LC/MS [M+H]=353.1。
【0136】
ステップC: 4B−4のタイプの構造を得るためのアミンとの縮合. 8−ベンジル−4−[(2−エチルフェニル)アミノ]−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(4B−7)
100mg(0.28mmol)の8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンの0.71mL乾燥トルエン中の溶液に、70mg(0.37mmol)のp−トルエンスルホン酸一水和物及び61μL(0.50mmol)の2−エチルアニリンを添加した。その反応物を18時間加熱還流し、次いで、EtOAcで希釈し、1N NaOHで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。得られた粗物質を、20−60%EtOAc/ヘキサンを用いるシリカゲルで精製して、標題実施例8−ベンジル−4−[(2−エチルフェニル)アミノ]−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンを黄褐色の泡状物として得た。
【0137】
H NMR(CDOD,400MHz)δ 7.43(q,J=7.38Hz,1H),7.32(m,1H),7.24(m,6H),7.16(m,3H),7.08(m,2H),4.55(s,1H),3.41(s,2H),2.80(m,2H),2.64(q,J=7.51Hz,2H),2.38(m,2H),2.19(m,2H),2.10(dt,J=11.5 及び 3.85Hz,2H),1.18(t,J=7.51Hz,3H);
LC/MS [M+H]=456.1。
【0138】
表1aにおける以下のタイプの化合物(又は、その塩)は、スキーム4A及びスキーム4Bで記載した上記方法のうちの1つと同様の方法で調製することができる。
【0139】
【表3】




【0140】
実施例4B−24
8−ベンジル−4−(シクロヘキシルアミン)−3−フルオロ−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(4B−24)
【0141】
【化30】

【0142】
ビニル性(vinylgous)アミド8−ベンジル−4−(シクロヘキシルアミン)−1−(3−フルオロフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(11mg, 0.025mmol)の無水DMA中の溶液に、Selectfluor(9mg,0.025mmol)を添加した。この溶液を、室温で一晩撹拌した。分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、生成物を固体として得た。
【0143】
H NMR(CDOD,400MHz)δ 7.51−7.11(m,9H),4.17(s,2H),3.51−3.41(m,3H),2.54(m,3H),2.34−2.30(m,2H),1.80(m,2H),1.60(m,2H),1.40(m,3H),1.37−1.12(m,5H);
HRMS(FT/ICR):
計算値 M+H=452.2508; 実測値 452.2513。
【0144】
実施例4B−25
4−アミノ−8−ベンジル−1−(5−ブロモ−2−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−3−カルボン酸エチル
【0145】
【化31】

【0146】
1−ベンジル−4−[(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)アミノ]ピペリジン−4−カルボニトリル(100mg,0.258mmol;2−ブロモ−4−フルオロアニリンを用いてストレッカー反応により調製したもの)の2mLのジクロロメタン中の溶液に、エチルマロニルクロリド(43μL,0.335mmol)を添加した。その溶液を室温で1時間撹拌した。減圧下に溶媒を除去し、残渣を、分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、生成物を白色の固体として得た。
【0147】
H NMR(CDOD,400MHz):δ 7.60−7.05(m,8M),4.29−4.15(m,4H),3.53−3.50(m,2H),2.69−2.53(m,4H),1.30(m,3H);
LC/MS [M+l]=502.0。
【0148】
実施例4B−26
4−アミノ−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]−1,8−ジアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0149】
【化32】

【0150】
4B−25を脱カルボキシル化し、実施例4B−1と同様の条件を用いて単離し、次いで、実施例15−2に関して記載されているように[4(メチルスルホニル)フェニル]ボロン酸を用いるスズキカップリングに付し、RP−HPLCを用いて精製して、標題化合物を白色の固体として得た。
【0151】
LC/MS [M+H]=506.3。
【0152】
スキーム5は、下記実施例(5−3)のような別のR基を有する化合物を合成するための方法を表している(実施例(5−3)は、エナミン形態で表されているが、互変異性イミン形態でも存在し得る。)。
【0153】
スキーム5
【0154】
【化33】

【0155】
実施例5−3
8−(3−ブロモベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0156】
【化34】

【0157】
ステップ1: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチル(5−1)
4.05g(20.3mmol)のN−bocピペリジノンと2.11g(19.3mmol)のシクロヘキシルイソシアニドの10mLMeOH中の懸濁液に、2.06g(25.4mmol)のカリウムイソシアネートの2.8mLHO中の溶液を、撹拌しながら一度に添加し、次いで、3.0g(20.3mmol)の3−フルオロアニリン塩酸塩を、5分間かけて、少量ずつ添加した。2時間撹拌した後、その反応物を250mLのCHClで処理した。有機層を水(2×50mL)で洗浄し、ブライン(1×50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固させて、粗な油状物(9.68g)を得た。自動フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の0−5.5%MeOH(28分間))で精製して、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチルを白色の固体として得た。
【0158】
H NMR(CDCl,400MHz):δ 7.41(m,1H),7.11(m,1H),7.05(d,J=7.88Hz,1H),6.99(m,1H),5.40(br s,1H),4.02(m,1H),3.58(m,2H),3.27(m,2H),2.05(m,4H),1.92(m,2H),1.71(m,4H),1.44(m,12H),1.24(m,2H);
エレクトロスプレー質量スペクトル:M+H=445.2。
【0159】
ステップ2:2: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩(5−2)
2.74g(6.16mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチルの50mLEtOAc中の懸濁液に、0℃で、溶媒が飽和するまでHClガスを通気した。その反応物を、冷却しながら30分間撹拌し、減圧下に濃縮した。固体残渣を、再度、濃縮乾固させ(2×エチルエーテル)、高真空下に乾燥させて、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エンを、その二塩酸塩として、白色の細かな固体として得た。
【0160】
H NMR(DMSO,400MHz):δ 10.73(br s,1H),9.58(br s,lH),9.21(s,1H),8.36(br s,1H),7.46(m,4H),3.82(br m,1H),3.36(br s,2H),2.92(br s,2H),2.55(m,2H),2.33(br m,2H),1.87(br s,2H),1.75(br s,2H),1.52(br m,3H),1.29(br m,2H),1.16(m,1H);
エレクトロスプレー質量スペクトル:M+H=345.2。
【0161】
ステップ3: 8−(3−ブロモベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(5−3)
600mg(1.44mmol)の4−(シクロヘキシルアンモニオ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩、376μL(2.16mmol)のジイソプロピルエチルアミン及び427mg(2.01mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの20mLDCE中の懸濁液に、25μL(2.16mmol)の3−ブロモベンズアルデヒドの4mLのDCE溶液を滴下して加えた。得られた不均質混合物を、窒素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。この反応混合物を、5OmLのCHClで処理し、2OmLの飽和NaHCO(aq)で洗浄し、2OmLのブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。自動フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の0−5%MeOH(25分間))で精製して、生成物を白色の固体として得た。
【0162】
H NMR(CDCl,400MHz):δ 7.75(d,J=8.15Hz,1H),7.45(m,2H),7.36(m,1H),7.22(m,1H),7.15(d,J=7.69Hz,1H),7.02(m,3H),3.97(m,1H),3.50(s,2H),2.76(m,2H),2.43(m,2H),2.09(m,4H),1.95(m,2H),1.75(m,2H),1.68(m,1H),1.41(m,2H),1.23(m,3H);
高分解能質量分析(FT/ICR):
計算値 M+H=513.1660; 実測値 513.1697。
【0163】
実施例(5−4)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−{3−[(1−メチルプロプ−2−エニル)オキシ]ベンジル}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0164】
【化35】

【0165】
ステップ1
【0166】
【化36】

【0167】
ステップ1: 3−[(1−メチルプロプ−2−エニル)オキシ]ベンズアルデヒド
トリフェニルホスフィン(0.1.611g,6.142mmole)、3−ブテン−2−オール(Fluka;0.423mL,4.91mmole)及び3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.5g,4.09mmole)を10mLの乾燥THFに溶解させた溶液に、アルゴン下、室温で、DEAD(0.964mL,6.142mmole)を滴下して加えた。10分間経過した後、その反応物を減圧下に濃縮し、ヘキサン中の5%−30%EtOAcの勾配で溶離させる35g Redisepカラムで精製した。
【0168】
ステップ2: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−{3−[(l−メチルプロプ−2−エニル)オキシ]ベンジル}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
この化合物は、上記アルデヒドを使用して、実施例(5−3)に関する記載と同様にして調製した。
【0169】
H NMR(CDCl,400Mh)δ 8.07(d,J=7.9Hz,1H);7.34(m,1H);7.23(t,J=8.24,8.06Hz,1H);7.00(m,3H);6.84(m,3H);5.89(ddd,J=6.4,5.9,11.0,21.9Hz,1H);5.25(dd,J=Ll,17.4Hz,1H);5.17(d,J=10.6Hz,1H);4.80(m,1H);3.95(m,1H);3.49(s,2H);2.78(m,2H);2.44(m,2H);2.12(m,2H);2.07(m,2H);1.94(m,2H);1.74(m,2H);1.67(m,2H);1.43(d,J=6.5Hz,3H);1.39(m,1H);1.22(m,3H);
質量スペクトル(m+1)=505。
【0170】
実施例(5−5)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0171】
【化37】

【0172】
ステップ1: 3−イソプロポキシベンズアルデヒド
【0173】
【化38】

【0174】
このアルキル化方法は、文献(J Med Chem(2002),45(18),3891−3904)に記載されている方法と同様である。3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.500g、4.094mmole)を、アルゴン下、室温で、10mLのEtOHに溶解させ、磁気的に撹拌した。K2CO3(1.132g,8.189mmole)を添加し、次いで、2−ヨードプロパン(0.819mL,8.819mmole)を添加した。6O℃まで昇温させた。18時間経過した後、二番目の等量のヨウ化アルキル(0.819mL,8.189mmole)を添加し、60℃での加熱を継続した。4時間経過した後、室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣をEtOAcとHOの間で分配させた。有機層を1M NaOH(2×2OmL)で洗浄し、有機層をMgSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、当該アルデヒドを得た。
【0175】
ステップ2: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(5−6)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩(5−2,0.50Og,1.198mmole)及び3−イソプロポキシアルデヒド(0.197g,1.198mmole)を5mLのCHC1に懸濁させた。ヒューニッヒ塩基(0.313mL,1.795mmole)を添加した。0.5時間撹拌した後、シリカ結合シアノボロヒドリド(1mmole/g,1.318g,1.318mmole)(Aldrich)を添加し、次いで、0.034mLのHOAcを添加した。1時間撹拌した後、電子レンジ内で、150℃で20分間加熱した。シリカゲルを濾過して除去し、減圧下に濃縮した。0−5%メタノール/CHC1(NHで飽和)で溶離させるRedi−sep 40g シリカゲルカラムを用いて精製し、不純な生成物を固体として採集した。固体をEtOAcで洗浄し、精製された固体を採集して、生成物を得た。
【0176】
H NMR(CDCl,400 Mh),δ 8.11(d,J=7.4Hz,1H);7.40(m,1H);7.24(m,1H);7.02(m,3H);6.80(m,3H);4.55(quintet,J=6.04Hz,1H);3.98(m,1H);3.50(s,2H);2.79(m,2H);2.43(m,2H);2.10(m,2H);2.02(m,2H);1.97(m,2H);1.74(m,2H);1.64(m,2H);1.38(m,1H);1.33(d,J=6.0Hz,6H);1.23(m,3H);
質量分析(m+l)=493。
【0177】
スキーム6は、Rがメチルである化合物(例えば、下記実施例(6−3)〜実施例(6−6))の調製方法を表している。実施例(6−3)〜実施例(6−6)は、エナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0178】
スキーム6
【0179】
【化39】

【0180】
実施例6−3
4−メチル−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン(6−3)
【0181】
【化40】

【0182】
中間体6−1: 1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−4−[(トリメチルシリル)メチル]アミノ−l,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチル
中間体6−1は、上記で記載した中間体5−1の場合と同様の方法で調製した。
【0183】
中間体6−2: 1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチル
1.04g(2.41mmol)の1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−4−{[(トリメチルシリル)メチル]アミノ}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチル(上記で記載した中間体5−1の場合と同様の方法で調製したもの)の50mLTHF中の溶液に、3.61mL(3.61mmol)の1.0M テトラブチルアンモニウムフルオリドTHF溶液を5分間かけて添加し、その反応物を60℃に一晩昇温させた。その反応物を、減圧下に濃縮乾固させ、残渣を、10OmLのCHClで処理した。有機層を水(1×25mL)で洗浄し、ブライン(1×25mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固させて、粗な油状物(1.6g)を得た。フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の0−7.5%MeOH(25分間))で精製して、1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボン酸t−ブチル6−2を白色の固体として得た。
【0184】
H NMR(CDCl,400MHz)δ 7.39(m,1H),7.12(m,1H),7.03(d,J=7.95Hz,1H),6.97(m,1H),5.70(br s,1H),3.54(m,2H),3.11(d,J=4.76Hz,3H),2.02(m,2H),1.92(m,2H),1.42(s,9H);
高分解能質量分析(FT/ICR):
計算値 M+H=377.1984; 実測値 377.2010。
【0185】
中間体5−2の場合と同様にして、4−メチル−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン(6−3)を調製した。表2の下記実施例及びそれらの製薬上許容される塩は、スキーム6に従い、中間体5−3の場合と同様にして調製した。
【0186】
【表4】


【0187】
スキーム7は、別のR基を有している化合物(例えば、下記実施例(7−2)及び実施例(7−3))を調製するための別の方法を表している。実施例(7−2)及び実施例(7−3)は、エナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0188】
スキーム7
【0189】
【化41】

【0190】
実施例(7−2)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−ビニル−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(7−2)
【0191】
【化42】

【0192】
0.020g(0.039mmol)の8−(3−ブロモベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(5−3)の脱ガスした0.5mLDMF:HO(4:1)中の溶液に、0.006g(0.039mmol)の(2−ビニルフェニル)ボロン酸及び0.003g(0.006mmol)の3,3’,3”−ホスフィニジントリス(ベンゼンスルホン酸)及び0.001g(0.002mmol)の酢酸パラジウム(II)及び16μL(.117mmol)のジイソプロピルアミンを添加した。その反応物を、電子レンジ内で、100℃で10分間加熱した。分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−vinyl−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンを白色の固体として得た。
NMR H NMR(CDOD)δ 7.65(dd,J=6.8Hz,2.2Hz,1H),7.43(dt,J=7.96Hz,6.32Hz,1H),7.34(m,3H)7.17(m,7H),6.61(dd,J=17.49Hz,10.99Hz,1H),5.70(d,J=17.58,1H),5.15(d,J=10.99Hz,1H),3.75(m,1H),3.46(s,1H),2.78(m,2H),2.14(m,6H),1.93(m,2H),1.74(m,2H),1.63(m,1H),1.34(m,4H),1.17(m,1H);
高分解能質量分析(FT/ICR)
計算値 M+H=537.3024; 実測値 537.3038。
【0193】
実施例(7−3)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[3−(4−メチルピリジン−3−イル)ベンジル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(7−3)
【0194】
【化43】

【0195】
ステップ1: 3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェニルボロン酸(7−1)
【0196】
【化44】

【0197】
3.0g(7.188mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩の30mLTHF:AcOH(9:1)中の溶液に、1.8g(12.005mmol)の3−ホルミルフェニルボロン酸及び5.53g(21.567mmol)のPS−DIEA樹脂及び5.97g(14.388mmol)のMP−シアノボロヒドリド樹脂を添加した。その不均質反応混合物を室温で24時間撹拌し、次いで、濾過し、10OmLのメタノールで洗浄し、濃縮した。自動フラッシュクロマトグラフィー(8−30%CHCN/HO(41分間);0.05%のTFA添加;逆相YMC ODSA 120Å, 粒径15−30μM)で精製して、3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェニルボロン酸を固体として得た。
【0198】
H NMR(CDOD,400MHz)δ 7.44(m,1H),7.38(d,J=7.32Hz,1H),7.29(s,1H),7.18(m,1H),7.09(m,3H)6.93(m,1H),3.75(m,1H),3.31(s,2H),2.78(m,2H),2.12(m,4H),1.97(m,4H),1.78(m,2H),1.65(m,1H),1.35(m,5H);
高分解能質量分析(FT/ICR)
計算値 M+H=478.2661; 実測値478.2709。
【0199】
ステップ2: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[3−(4−メチルピリジン−3−イル)ベンジル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(7−3)
0.100g(0.209mmol)の3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェニルボロン酸(7−1)の1mLCHCN:HO中の溶液に、0.030g(0.174mmol)の3−ブロモ−4−メチルピリジン及び0.007g(0.011mmol)のトリス(4,6−ジメチル−3−スルファナトフェニル)ホスフィン及び0.001g(0.004mmol)の酢酸パラジウム(II)及び0.037g(0.349mmol)の炭酸ナトリウムを添加した。その反応物を、電子レンジ内で、120℃で20分間加熱した。分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[3−(4−メチルピリジン−3−イル)ベンジル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンを白色の固体として得た。
【0200】
NMR H NMR(CDOD)δ 8.37(d,J=5.04Hz,1H),8.29(s,1H),7.42(m,3H)7.19(m,6H),3.76(m,1H),3.47(s,2H),2.77(m,2H),2.29(s,3H),2.14(m,6H),1.95(m,2H),1.77(m,2H),1.66(m,1H),1.36(m,4H),1.18(m,1H);
高分解能質量分析(FT/ICR)
計算値 M+H=526.2977; 実測値 526.3012。
【0201】
下記表3中に挙げられている実施例(7−4)〜実施例(7−109)は、スキーム3、スキーム5及びスキーム7で記載されている方法と同様の方法で調製した。実施例(7−4)〜実施例(7−109)及びそれらの製薬上許容される塩は、エナミン形態で表されているが、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0202】
【表5】


























【0203】
スキーム8は、アミノピリジンR置換基を含んでいる化合物(例えば、実施例(8−1)〜実施例(8−4))を調製するための方法について説明している。実施例(8−1)〜実施例(8−4)は、エナミン形態で表されているが、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0204】
スキーム8
【0205】
【化45】

【0206】
実施例(8−1)
8−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(8−1)
【0207】
【化46】

【0208】
実施例(8−1)は、中間体5−3の場合と同じ方法で調製した。
【0209】
エレクトロスプレー質量スペクトル M+H=418.2。
【0210】
実施例(8−2)
8−{[6−(ベンジルアミノ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(8−2)
【0211】
【化47】

【0212】
27mg(0.052mmol)の8−[(6−ブロモピリジン−3−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(8−1,中間体5−3の場合と同じ方法で調製したもの)及び9mg(0.094mmol)のナトリウムt−ブトキシド及び2mg(0.003mmol)のラセミ−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BlNAP)及び2mg(0.003mmol)のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)の600μLの乾燥させて脱ガスしたトルエン中の懸濁液に、29μL(0.262mmol)のベンジルアミンを添加した。その反応容器に蓋をして、110℃に一晩昇温させた。透明なトルエン層をデカントし、残渣を抽出した(2×熱トルエン)。有機抽出物を合して減圧下に濃縮乾固させた。残渣を900μLのDMFに溶解させ、分取HPLC(5→95%CHCN/HO(30分間);0.05%のTFA添加;C18 PRO YMC 20×150mm)で精製して、凍結乾燥に付した後、8−{[6−(ベンジルアミノ)ピリジニウム−3−イル]メチル}−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エンビス(トリフルオロ酢酸塩)を白色の綿毛状固体として得た。
【0213】
H NMR(KCO含有CDOD,400MHz):δ 7.70(s,1H),7.34(m,5H),7.23(m,2H),7.08(m,3H),6.47(d,J=8.60Hz,1H),4.49(s,2H),3.77(m,1H),3.28(s,2H),2.68(m,2H),2.12(m,4H),2.00(m,4H),1.80(m,2H),1.68(m,1H),1.33(m,5H);
高分解能質量分析(FT/ICR):
計算値 M+H=541.3086; 実測値 541.3103。
【0214】
実施例(8−3)
5−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}ピリジン−2−イルカルバミン酸t−ブチル(8−3)
【0215】
【化48】

【0216】
188mg(0.45mmol)の4−(シクロヘキシルアンモニオ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩(5−2)及び136mg(0.473mmol)の5−(ブロモメチル)ピリジン−2−イルカルバミン酸t−ブチル(PCT出願WO00/0665570に記載されている方法と同様の方法において、臭素化ステップで「メタンスルホン酸無水物/ルチジン/LiBr/THF 0−55℃」に置き換えて調製したもの)の2.5mLDMF中の溶液に、399mg(2.89mmol)の顆粒状炭酸カリウムを添加し、得られた混合物を、55℃で、激しく一晩撹拌した。その反応混合物を、3OmLのHOで処理し、EtOAc(3×25mL)で抽出した。抽出液を合してHO(1×20mL)で洗浄し、ブライン(1×20mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮乾固させて、粗な油状固体(390mg)を得た。自動フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中の0−6%MeOH(20分間))で精製して、5−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}ピリジン−2−イルカルバミン酸t−ブチルを白色の固体として得た。
【0217】
H NMR(DMSO,400MHz):δ 9.67(s,1H),8.09(d,J=7.78Hz,1H),7.97(s,1H),7.69(d,J=8.42Hz,1H),7.46(dd,J=8.52,2.10Hz,1H),7.36(m,1H),7.14(m,2H),7.07(d,J=8.15Hz,1H),3.68(m,1H),3.22(s,2H),2.53(m,2H),2.09(m,2H),1.82(m,4H),1.73(m,1H),1.61(m,1H),1.47(s,9H),1.29(m,5H),1.12(m,1H);
高分解能質量分析(FT/ICR):
計算値 M+H=551.3141; 実測値 551.3157。
【0218】
実施例(8−4)
8−[(6−アミノピリジン−3−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン(8−4)
【0219】
【化49】

【0220】
64mg(0.116mmol)の5−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}ピリジン−2−イルカルバミン酸t−ブチルの1.5mLEtOAc中の懸濁液に、0℃で、溶媒が飽和するまでHClガスを通気した。その反応物を、冷却しながら30分間撹拌し、減圧下に濃縮した。固体残渣を、再度、濃縮乾固させ(2×エチルエーテル)、高真空下に乾燥させて、8−[(6−アミノピリジニウム−3−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1、3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩を白色の細かな固体として得た。
【0221】
H NMR(KCO含有CD3OD,400MHz):δ 7.65(s,1H),7.41(m,1H),7.27(dd,J=8.48,2.34Hz 1H),7.16(m 1H),7.07(m,2H),6.51(d,J=8.52Hz,1H),3.77(m,1H),3.28(s,2H),2.68(m,2H),2.13(m,4H),1.99(m,4H),1.80(m,2H),1.68(m,1H),1.34(m,5H);
高分解能質量分析(FT/ICR)
計算値 M+H=451.2616; 実測値 451.2617。
【0222】
下記表4中に挙げられているアミノピリジン実施例(8−5)〜実施例(8−25)は、スキーム8で記載されている方法と同様の方法で調製した。実施例(8−5)〜実施例(8−25)及びそれらの製薬上許容される塩は、エナミン形態で表されているが、互変異性イミン形態でも存在し得る。実施例(8−26)は、8−[(6−ブロモフェニル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンから出発して、(8−5)〜(8−25)の場合と同じ方法で調製した。
【0223】
【表6】






【0224】
置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム3に表されているが、その手順は、下記実施例(9−4)〜実施例(9−11)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(9−4)〜実施例(9−11)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0225】
スキーム9
【0226】
【化50】

【0227】
実施例9−4
2−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェノキシ)プロピルカルバミン酸t−ブチル
【0228】
【化51】

【0229】
ステップ1: 2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸t−ブチル(9−2)
2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸t−ブチル(2):Biorg.Med Chem.,6,1998 2405−2419
1−アミノ−2−プロパノールの77mLMeOH中10%EtN中の溶液に、CHCl(30mL)中に入れたBoc無水物(8.19g,37.4mmole)を添加した。アルゴン下、室温で撹拌した。6時間経過した後、減圧下に濃縮した。EtOAc:Hex(1:1)で溶離させる120g redisepカラムで精製した。透明なフラクションを減圧下に濃縮した。
【0230】
ステップ2: 2,3−(ホルミルフェノキシ)プロピルカルバミン酸t−ブチル(9−3)
2,3−(ホルミルフェノキシ)プロピルカルバミン酸t−ブチル
トリフェニルホスフィン(0.805g,3.07mmole)、3−ヒドロキシベンズアルデヒド(0.25g,2.047mmole)及び2−ヒドロキシプロピルカルバミン酸t−ブチル(0.395g,2.25mmole,)を、室温で、乾燥トルエン(5mL)に溶解させた。ADDP(アゾジカルボニルジピペリジン)(0.755g,3.07mmole)を一度に添加した。80℃まで急速に昇温させた。5時間経過した後、室温まで冷却した。CHClで希釈し、濾過して固体を除去し、CHClで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮した。50mLのCHClに溶解させた。1N NaOH(2×20mL)で洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。ヘキサン中の5%EtOAcから25%EtOAcまでで溶離させる120g isco redisepカラムを用いて精製して、当該アルデヒドを得た。
【0231】
2−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェノキシ)プロピルカルバミン酸t−ブチル(9−4)
実施例(5−6)に関して記載されている方法と同様の方法を用いて、2,3−(ホルミルフェノキシ)プロピルカルバミン酸t−ブチルと4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩(5−2)をカップリングさせた。
【0232】
H NMR(CDCl,400Mh),δ 7.98(bd,J=8.05Hz,1H);7.35(m,1H);7.24(m,1H);7.03(m,2H);6.97(m,1H);6.82(m,3H);4.88(bs,1H);4.50(bs,1H);3.97(m,1H);3.49(s,2H);3.44(m,2H);3.25(m,1H);2.78(m,2H);2.44(m,2H);2.07(m,4H);1.95(m,2H);1.72(m,3H);1.44(s,9H);1.39(m,2H);1.27(d,J=6.0Hz,3H);1.19(m,3H);
質量スペクトル(m+1)=608。
【0233】
実施例9−5
8−[3−(2−アミノ−1−メチルエトキシ)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(9−5)
【0234】
【化52】

【0235】
(4)(0.103g,0.169mmole)の5mLCHCl中の氷冷溶液に、磁気的に撹拌しながら、室温で、2mLのTFAを添加した。15分間経過した後、その反応物を減圧下に濃縮した。残渣をCHCNに溶解させ、次いで、0.1%TFAを含有しているHO中の10−60%CHCNで溶離させるGilson逆相 100×30mm YMC J−sphereカラムで精製した。適切なフラクションをGenie vac.で減圧下に濃縮した。その乾燥したフラクションをNaHCO(aq)とCHClの間で分配させ、分離し、水層をCHClで洗浄した。有機層を合してブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮して、0.123mgを得た。CDCl中におけるNMRは、不純物が存在していることを示した。不純物が存在しなくなるまで上記精製を繰り返し実施して、当該生成物を得た。
【0236】
H NMR(CDCl,400Mh),δ 8.01(bd,J=8.5Hz,1H);7.35(m,1H);7.25(m,1H);7.01(m,3H);6.86(d,J=9.3Hz,1H);6.81(m,2H);4.37(q,J=5.8,5.4,1H);3.97(m,1H);3.51(d,J=2.4Hz,2H);2.9(m,2H);2.79(m,4H);2.41(m,2H);2.13(m,2H);2.03(m,4H);1.72(m,2H);1.65(m,1H);1.45(m,2H);1.28(d,J=6.0Hz,3H);1.24(m,3H);
質量スペクトル(m+1)=508。
【0237】
8−[3−(2−アミノ−1−(R)−メチルエトキシ)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン及び8−[3−(2−アミノ−1−(S)−メチルエトキシ)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(9−5及び9−5)
8−[3−(2−アミノ−1−メチルエトキシ)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンのラセミ混合物(100mg)をキラルクロマトグラフィーで分離させた。その化合物は、Chiral Pak ADカラムを用いて、1mL/LのDEAを含んでいるヘキサン中の20%EtOHで溶離させた。
【0238】
質量スペクトル(m+1)=508。
【0239】
実施例9−6
N−[4−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェノキシ)ブチル]メタンスルホンアミド(9−6)
【0240】
【化53】

【0241】
8−{3−[(6−アミノヘキシル)オキシ]ベンジル}−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(0.116mg、0.222mmole)の5mLCHCl中の溶液に、室温で、メタンスルホニルクロリド(.019mL,0.245mmole)を滴下して加え、及び、EtN(0.034mL,0.245mmole)。室温で0.5時間撹拌した後、その反応物を減圧下に濃縮した。残渣をCH2Clに溶解させ、HOで洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。NaSOで脱水し、濾過し、減圧下に濃縮した。残渣を、アンモニアで飽和した100%CHClからアンモニアで飽和したCHCl中の4%MeOHまでで溶離させる40g シリカゲルカラムで精製した。透明なフラクションを合し、減圧下に濃縮して、当該生成物を得た。
【0242】
H NMR(CDCl,400Mh),δ 7.73(bd,J=8.0Hz,1H);7.35(dd,J=8.1,14.6Hz,1H);7.23(m,1H);7.01(m,3H);6.83(m,3H);4.70(m,1H);4.55(m,1H);3.97(m,1H);3.49(d,J=3.8Hz,2H);3.41(m,1H);3.27(m,1H);2.99(s,3H);2.74(m,2H);2.40(m,2H);2.09(m,4H);1.97(m,2H);1.72(m,3H);1.41(m,2H);1.30(d,J=6.1Hz,3H);1.24(m,3H);
質量スペクトル(m+1)=600。
【0243】
【表7】


【0244】
置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム10に表されているが、その手順は、下記実施例(10−1)〜実施例(10−3)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(10−1)〜実施例(10−3)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0245】
スキーム10
【0246】
【化54】

【0247】
実施例10−2
8−[3−(アミノメチル)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0248】
【化55】

【0249】
0.470g(1.02mmol)の8−[3−シアノベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例(7−12))及び少量のラネーニッケル(水の中に入れたもの)の50mLEtOH中の懸濁液を、まず、排気してNを3回流し、次いで、Hバルーン下に配置して、一晩撹拌した。触媒を濾過し、濾液を減圧下に濃縮して、純粋な生成物とした。
【0250】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.98−8.0(m,1H),7.28−7.52(m,4H),7.20−7.24(m,1H),7.12−7.14(m,1H),6.97−7.04(m,2H),4.70(s,2H),3.95−4.05(m,1H),3.69−3.73(m,1H),2.74−2.81(m,2H),2.4−2.46(m,2H),2.05−2.14(m,4H),1.92−2.03(m,2H),1.35−1.75(m,9H);
正確なMS 実測値 464.2806; 理論値 464.2820。
【0251】
実施例10−3
N−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}ベンジル)メタンスルホンアミド
【0252】
【化56】

【0253】
0.05g(0.11mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−8−[3−(アミノメチル)ベンジル]−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例(7−12))、0.02mL(0.22mmol)メタンスルホニルクロリド及び過剰量のKCOをCHClに懸濁させた2mLのCHCl懸濁液を、室温で一晩撹拌した。その反応物を濾過し、濃縮した。残留した油状物を0.5mLのCHClに溶解させ、Biotage Flash 25(S)カートリッジが付いたIsco自動システム(CHCl中の0−5%MeOHで20mL/分で15分間にわたり溶離、及び、5%MeOHで30分間維持)で精製した。2番目に溶出した生成物は、HPLC/MS及びNMRにより、純粋であった。
【0254】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.79−7.83(m,1H),7.45−7.54(m,2H),7.33−7. 4(m,2H),7.12−7.14(m,1H),6.96−7.05(m,3H),4.31−4.39(m,1H),3.92−4.05(m,1H),3.48−3.52(m,1H),2.65−2.80(m,2H),2.4−2.50(m,2H),1.90−2.20(m,6H),1.62−1.8(m,4H),1.55(s,3H),1.30−1.50(m,2H),1.15−1.30(m,4H);
MS 542.4
【0255】
置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム11に表されているが、その手順は、下記実施例(11−2)〜実施例(11−8)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(11−2)〜実施例(11−8)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0256】
スキーム11
【0257】
【化57】

【0258】
実施例11−2
8−(3−アミノベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0259】
【化58】

【0260】
1.0g(2.1mmol)の8−(3−ニトロベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例104)及び0.57g(2.5mmol)SnCl二水和物の100mLEtOH中の溶液を、加熱還流し、一晩撹拌した。HPLC/MSにより変換が完了したことが示されたので、その反応混合物をセライトで濾過し、EtOHで洗浄し、次いで、濾液を濃縮した。残留した油状物3N NaOHとEtOAcの間で分配させた。水層中で濃厚な白色の沈澱物が形成された。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮して、純粋な生成物とした。
【0261】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.09−8.11(m,1H),7.32−7.36(m,1H),7.10−7.13(m,1H),6.96−7.03(m,3H),6.60−6.63(m,2H),6.53(s,1H),3.95−4.0(m,1H),3.43(s,2H),2.75−2.80(m,2H),2.37−2.42(m,2H),1.93−2.12(m,5H),1.64−1.75(m,3H),1.35−1.41(m,2H),1.16−1.27(m,4H);
MS 450.4。
【0262】
実施例11−3
N−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェニル)アセトアミド
【0263】
【化59】

【0264】
0.05g(0.11mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−8−[3−アミノベンジル]−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン、0.1mL(0.11mmol)の塩化アセチル及び過剰量のKCOの2mLCHCl中の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。その反応物を濾過し、濃縮した。次いで、残留した油状物を1mLのCHClに溶解させ、Biotage Flash 25(S)カートリッジが付いたIsco自動システム(CHCl中の0−5%MeOHで20mL/分で15分間にわたり溶離、及び、5%MeOHで30分間維持)で精製した。2番目に溶出した生成物は、HPLC/MS及びNMRにより、純粋であった。
【0265】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.88−7.90(m,1H),7.63−7.70(m,2H),7.30−7.35(m,1H),7.19−7.24(m,1H),6.92−7.04(m,4H),3.90−3.94(m,1H),3.47(s,2H),2.72−2.78(m,2H),2.29−2.36(m;4H),2.14(s,3H),1.98−2.1(m,6H),1.62−1.73(m,2H),1.13−1.41(m,4H);
MS 492.4。
【0266】
実施例11−4
N−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−イル]メチル}フェニル)メタンスルホンアミド
【0267】
【化60】

【0268】
塩化アセチルを塩化スルホニルで置き換えた以外は、上記実施例11−3についての方法により調製した。
H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.60−7.62(m,1H),7.30−7.38(m,2H),7.20(s,1H),7.12−7.14(m,1H),6.96−7.07(m,4H),3.92−3.96(m,1H),3.51(s,2H),3.00(s,3H),2.69−2.75(m,2H),2.36−2.43(m,2H),1.97−2.14(m,6H),1.68−1.74(m,2H),1.16−1.42(m,6H);
MS 528.1。
【0269】
実施例11−5
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−{3−[(2−メチルペンチル)アミノ]ベンジル}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0270】
【化61】

【0271】
方法Z: 0.05g(0.11mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−8−[3−アミノベンジル]−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例11−2)、0.01mL(0.13mmol)の2−メチルペンタン−1−アール、0.05mLのHOAc及び0.05g(0.22mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの5mLジクロロエタン中の懸濁液を、室温で一晩撹拌した。その反応物を、飽和水性NaHCOでクエンチし、CHClで希釈し、15分間激しく撹拌した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留した油状物を、Biotage Flash 25(S)カートリッジが付いたIsco自動システム(CHCl中の5%MeOHで20mL/分で30分間にわたり溶離)で精製した。生成物は、2番目に溶出した。
【0272】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.22−8.24(m,1H),7.31−7.37(m,1H),7.11−7.15(m,1H),6.94−7.02(m,3H),6.52−6.56(m,2H),6.43(s,1H),3.94−3.97(m,1H),3.65−3.70(m,1H),3.45(s,2H),3.00−3.06(m,1H),2.77−2.90(m,3H),2.39−2.45(m,2H),1.87−2.14(m,7H),1.64−1.74(m,3H),1.13−1.44(m,8H),0.89−0.97(m,6H);
MS 534.3。
【0273】
実施例11−6
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[3−(イソプロピルアミノ)ベンジル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0274】
【化62】

【0275】
この化合物は、方法Zを使用し、アルデヒドをアセトンに置き換えて、調製した。
【0276】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.18−8.2(m,1H),7.31−7.36(m,1H),7.11−7.14(m,1H),6.96−7.03(m,3H),6.50−6.54(m,2H),6.41(s,1H),3.94−3.97(m,1H),3.59−3.65(m,1H),3.45(s,2H),2.77−2.83(m,2H),2.38−2.44(m,2H),1.91−2.13(m,3H),1.63−1.75(m,3H),1.34−1.43(m,2H),1.14−1.25(m,6H);
MS 492.4。
【0277】
実施例11−7
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[2−(イソプロピルアミノ)ベンジル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0278】
【化63】

【0279】
方法Zを使用し、アルデヒドをアセトンに置き換えて、また、基体を8−(2−アミノベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例80)に置き換えて、調製した。
MS 492.4。
【0280】
実施例11−8
4−[(2−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1 ,3,8−トリアザスピロ [4.5]デク−3−エン−イル]メチル}フェニル)アミノ]ブタンニトリル
【0281】
【化64】

【0282】
0.05g(0.11mmol)の8−(2−アミノベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(実施例80)、過剰量の4−ブロモブチロニトリル及びCsCOの2mLCHCN中の懸濁液を、60℃まで加熱し、2日間撹拌した。HPLC/MSにより、少量の生成物が示されたので、その反応物を濾過し、濃縮した。残留した油状物を、Biotage Flash 25(M)カートリッジが付いたIsco自動システム(CHCl中の0−5%MeOH+0.5M NHで20mL/分で30分間にわたり溶離)で精製した。生成物は、最後に溶出した。
【0283】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.31−7.42(m,1H),6.83−7.18(m,5H),6.57−6.70(m,2H),4.6−4.8(br m,1H),3.57−3.97(m,6H),3.28(m,1H),2.65−2.70(m,1H),2.39−2.58(m,4H),2.21−2.25(m,1H),1.67−2.08(m,9H),1.26−1.43(m,4H);
MS 517.1。
【0284】
置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム12に表されているが、その手順は、下記実施例(12−4)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(12−4)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0285】
スキーム12
【0286】
【化65】

【0287】
実施例12−4
3−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−イル]メチル}フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(12−4)
【0288】
【化66】

【0289】
ステップ1: 3−(3−ブロモフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(12−2)
2.5mL(5mmol)のLDA(THF中2M)をTHFに溶解させた10mLのTHF溶液をドライアイス−アセトン浴上に置き、それに、0.7mL(4.76mmol)の3−ブロモプロピオニトリル(9−l)を滴下して加えた。その溶液を、15分間撹拌し、次いで、カニューレで、0.31mL(5mmol)のMeIをTHFに溶解させて同様に−78℃に冷却した10mLのTHF溶液に、移した。上記浴を除去し、反応物を室温まで昇温させ、30分間撹拌した。その反応物を、飽和水性NHClでクエンチし、生成物をEtOAc中に抽出した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留した油状物を1mLのCHClに溶解させ、Biotage Flash 40(M)カートリッジが付いたIsco自動システム(ヘキサン中の50−100%EtOAcで溶離)で精製した。生成物は、最後に溶出した。
【0290】
MS 224.0 NB#212867−102。
【0291】
ステップ2: 3−(3−ホルミルフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(12−3)
冷却器と2つの隔壁を備えた3つ口フラスコにNを流し、次いで、そのフラスコに、0.6g(2.7mmol)の3−(3−ブロモフェニル)−2−メチルプロピオニトリル(9−2)、0.275g(4mmol)のギ酸ナトリウム及び0.155g(0.13mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを入れ、バルーンからCOを5分間流した。その固体を10mLのDMFに懸濁させ、その液体中へのCOの通気を継続した。そのフラスコを油浴中で100℃で20分間加熱し、次いで、撹拌しながら110℃で加熱した。1.5時間後、色が黄色から濃い橙色に変化した。HPLC/MS分析により、出発物質が存在していないこと及び1種類の主要な生成物が存在していることが示された。その反応物を冷却し、ブラインでクエンチした。生成物をEtOAc中に抽出し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。その生成物を1mLのCHClに溶解させ、Biotage Flash 25(M)カートリッジが付いたIsco自動システム(ヘキサン中の0−50%EtOAcで25mL/分で15分間にわたり溶離、及び、30分間維持)で精製した。生成物は、最後に溶出した。
【0292】
MS 174.1 NB#212867−104。
【0293】
ステップ3: 3−(3−{[4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−イル]メチル}フェニル)−2−メチルプロパンニトリル(12−4)
0.35g(0.92mmol)の4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン及び0.25mL(1.4mmol)のDIEAをジクロロエタンに溶解させた20mLのジクロロエタン溶液に、0.16g(0.92mmol)の3−(3−ホルミルフェニル)−2−メチルプロパンニトリル(9−3)を添加した。その懸濁液を10分間撹拌した後、0.4g(1.9mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。その反応物を、室温で一晩撹拌した。HPLC/MSにより、出発物質が存在していないことが示されたので、その反応物を10OmLの飽和NaHCOでクエンチし、CHClで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、濾過し、濃縮した。残留した油状物を、Biotage Flash 25(M)カートリッジが付いたIsco自動システム(CHCl中の5%MeOH+0.5M NHで25mL/分で30分間にわたり溶離)で精製した。生成物は、2番目に溶出した。
【0294】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.80−7.82(d,IH J=8Hz),7.28−7.37(m,2H),7.14−7.19(m,3H),6.96−7.04(m,3H),3.94−3.97(m,1H),3.51(s,2H),2.84−2.87(m,3H),2.71−2.78(m,2H),2.34−2.41(m,2H),1.97−2.11(m,6H),1.65−1.75(m,3H),1.33−1.41(m,5H),1.17−1.25(m,3H);
MS 502.0。
【0295】
スキーム13
【0296】
【化67】

【0297】
置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム13に表されているが、その手順は、下記実施例(13−4)〜を実施例(13−5)包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。実施例(13−4)〜を実施例(13−5)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0298】
実施例13−4
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[(6−イソプロポキシピリジン−2−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0299】
【化68】

【0300】
ステップ1: 2−ブロモ−6−イソプロポキシピリジン
この化合物は、WO02/076983(第80頁)に記載されている方法と同様の方法で調製した。オーブンで乾燥させた250mL容の3つ口フラスコ内に、窒素下、乾燥イソプロパノール(25mL,42.2mmole)を入れ、球状のナトリウム(0.5g,21.1mmol)を添加した。その反応物を80℃に加熱して、ナトリウムを溶解させた。2,6−ジブロモピリジン(10g,42.2mmole)を固体として添加し、その反応物を95℃で加熱した。約2.5時間加熱した後、反応物を冷却し、エーテルと水の間で分配させた。有機層を蒸発させて、固体と油状物を得た。その混合物をヘキサン中に懸濁させ、冷却し、濾過して固体を除去した。濾液を注意深く蒸発させ、ヘキサンで溶離させるシリカ上のクロマトグラフィーに付して、生成物を透明な無色の油状物として得た。
【0301】
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.23(d,J=7.8Hz,1H),7.53(t,J=8.2Hz,1H),7.33(dd,J=8.0,14.7Hz,1H),7.0(m,3H),6.75(d,7=7.2Hz,1H),6.60(d,J=8.3Hz,1H),5.22(m,1H),3.93(m,1H),3.59(s,2H),2.90(m,2H),2.55(m,2H),2.12(m,2H),2.0(m,4H),1.7−1.5(m,4H),1.4−1.3(m,2H),1.33(d,J=6.2Hz,6H),1.15(m,3H);
LCMS(m+l)=215.1, 217.1。
【0302】
ステップ2: 6−イソプロポキシピリジン−2−カルバルデヒド
6−イソプロポキシピリジン−2−カルバルデヒドは、文献(D.L Comins,M.O.Killpack,J.Org.Chem. 1990 55 69−73)に記載されているメトキシ類似体についての方法と同様の方法で調製した。2−ブロモ−6−イソプロポキシピリジン(1g,4.6mmole)を、アルゴン下、10mLの乾燥THFに溶解させ、−78℃に冷却し、反応物の温度を−65℃未満に維持しながら、追加された2.5M n−ブチルリチウム(1.9mL,4.8mmole)で処理した。その反応物を45分間撹拌した後、温度を再び−60℃未満に維持しながらDMF(0.717mL,9.25mmole)を添加した。その反応物を15分間撹拌し、次いで、飽和重炭酸塩溶液でクエンチした。層を分離させ、水層をCHClで抽出した。有機層をNaSOで脱水し、濾過し、注意深く蒸発させた。残渣を、0−50%エーテル/ヘキサンでのクロマトグラフィーに付して、生成物を油状物として得た。
【0303】
LCMS(m+l)=165.2。
【0304】
ステップ3: 4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−[(6−イソプロポキシピリジン−2−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
この化合物は、スキーム13のステップ2で得た中間体及び化合物(5−2)を使用し、実施例(5−6)に関して記載した方法と同様の方法で調製した。
【0305】
LCMS(m+l)=494.1。
【0306】
実施例13−5
8−[(6−s−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン
【0307】
【化69】

【0308】
8−[(6−s−ブトキシピリジン−2−イル)メチル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンは、最終ステップでジクロロエタンを使用した以外は、実施例13−4に関して記載した方法と同様の方法で調製した。
【0309】
LCMS(m+l)=508.1。
【0310】
スキーム14Aは、本発明化合物の調製に有用な8−ベンジル−1−フェニル−4−チオキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン14A−5中間体の調製方法について表している。市販されている14A−1は、アセトニトリルなどの適切な溶媒中で、炭酸カリウムなどの適切な塩基を使用して、塩化ベンジルなどの適切なハロゲン化アルキルでアルキル化することが可能であり、それにより、14A−2が得られる。同様の方法は、M.E.Kopachら(J.Org.Chem. 2003 68 5739−5741)によって記述されている。A−2を修正されたストレッカー反応に付すことにより、14A−3が得られ、次いで、塩化メチレン中でクロロスルホニルイソシアネートで処理することにより、14A−4が得られる。同様の方法は、P.L.Feldman及びM.F.Brackeen(J.Org.Chem. 1990,55,4207−4209)によって記述されている。14A−5は、14A−4をNaSによるチオール化(thiolation)に付すことにより得られる。中間体14A−5を、DMSO又はDMFなどの適切な溶媒中で、加熱しながら、様々なアミンで処理することにより、本発明化合物14A−6が得られる。
【0311】
スキーム14A
【0312】
【化70】

【0313】
スキーム14
【0314】
【化71】

【0315】
実施例14
1−(3−フルオロフェニル)−4−イソブチルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(14−8)
【0316】
【化72】

【0317】
ステップ1: 3−イソプロポキシ−ベンジルブロミド(14−3)
3−イソプロポキシ−ベンズアルデヒド14−1(20g,122mmol)のメタノール(400mL)中の溶液に、0℃で、水素化ホウ素ナトリウム(5g)を数回に分けて添加する。次いで、得られた混合物を、室温で3時間撹拌する。その反応物を、飽和NHOHを添加することによりクエンチする。抽出し(EtOAc)、濃縮することにより、無色の油状物14−2(MH+,166)が得られ、精製することなく使用する。(3−イソプロポキシ−フェニル)−メタノール14−2をエーテル(244mL)に再溶解させ、0℃で、PBr(11.5mL,122mmol)を滴下して加える。その反応混合物を0℃で撹拌し、次いで、室温で3時間撹拌し、クエンチし(MeOH)、抽出し(EtOAc)、濃縮して、無色の油状物14−3(MH+,288)を得る。
【0318】
ステップ2: 1−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−オン一水和物(14−4)
4−ピペリドン塩酸塩一水和物(19.52g,127.12mmol)、1−ブロモメチル−3−イソプロポキシ−ベンゼン(19.41g,84.76mmol)及びKCOのDMF(150mL)中の混合物を、室温で16時間撹拌する。減圧下に溶媒を除去し、残渣を、抽出し(EtOAc/ブライン)、脱水し(NaSO)、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル,EtoAc/ヘキサン 2/3)で精製して、14−4(MH+,266)を得る。
【0319】
ステップ3: 4−(3−フルオロ−フェニル)−1−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−カルボニトリル(14−5)
1−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−オン一水和物14−4(7.98g,30mmol)及びアニリン(3.67g,33mmol)の氷酢酸(30mL)中の溶液に、温度を40℃未満に維持しながら、TMSCN(2.98g,30mmol)を10分間かけて滴下して加える。その反応混合物をさらに30分間撹拌した後、冷NHOH混合物(30mLのNHOH及び30gの氷)中に注ぎ入れる。pHが10になるまで、追加のNHOHをゆっくりと添加する。抽出し(CHCl)、脱水し(NaSO)、濃縮し、シリカゲルで精製して、14−5を得る。
【0320】
LCMS(MH+ 368.3)。
【0321】
ステップ4: 1−(3−フルオロ−フェニル)−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−4−チオキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オン(14−7)
4−(3−フルオロ−フェニル)−1−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペリジン−4−カルボニトリル14−5(5.28g,15.0mmole)をクロロホルム(15mL)に溶解させた。その溶液を撹拌し、0℃に冷却した。その時点で、クロロスルホニルイソシアネート(Acros, 1.75mL,20.1mmole,1.25当量)を滴下して加えた。それにより、大量の白色の沈澱物が形成された。氷浴を除去し、スラリーを、磁気撹拌機で、10分間激しく撹拌した。LCMS(MH+ 411.2)により、この時点でニトリルが消費されたことが示された。水(15mL)を添加し、その不均質混合物を、室温で1時間激しく撹拌した。500mL容の三角フラスコ(大きな撹拌棒に対応するために使用した)内で、硫化ナトリウム(無水物;Aldrich;22.5g,288mmole)を水(200mL)に溶解させ、氷/イソプロパノール浴を用いて、内部温度0℃未満に冷却した。その溶液を撹拌しながら、それに、酢酸(約28mL)を約10分間かけて滴下して加えて、内分温度が0℃付近に留まっているようにした。(上記添加中に、明るい色の沈澱物が大量に形成され、該混合物は濃厚になる。酢酸の添加が完了に近づくにつれて、その濃さが低減される。)上記添加は、pH試験紙がpHが約6であることを示した時に中止し、その溶液は、僅かに緑がかった色を有すると推定された。この時点で、この硫化物溶液に、イミンの上記スラリーを添加したが、その移し替えを助けるためにジクロロメタン(約30mL)を使用した。イソプロパノール(50mL)を添加し、そのフラスコをバルーンで密封し、氷浴から取り出し、16時間激しく撹拌した。次いで、その反応物をジクロロメタンで希釈し、水と充分な量の飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄して、塩基性のpHとした。次いで、有機層を除去し、水層を2×ジクロロメタンで抽出した。有機層を合して脱水し(MgSO)、濾過し、濃縮して黄色の固体とした。その固体をジクロロメタン中に再懸濁させ、クロマトグラフィーに付すためにシリカゲル上にデポジットさせた。そのサンプルを、溶離液として50%酢酸エチル/ヘキサン(製品 Rf〜0.25)を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(Combiflashシステム(80g カラム)を使用)で精製して、生成物14−7を得た。
【0322】
LCMS(MH+ 428.2)。
【0323】
ステップ6: 1−(3−フルオロフェニル)−4−イソブチルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(14−8)
1−(3−フルオロ−フェニル)−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−4−チオキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デカン−2−オンSNS−1(21.4mg,0.05mmol)の DMSO(1mL)中の溶液に、イソブチルアミン(36.5mg,0.5mmol)を添加した。その反応混合物を110℃で12時間加熱した。得られた粗物質を分取HPLCで精製して、(14−8)を得た。
【0324】
H NMR(CDOD):δ 7.29(br s,1H),7.18(m,1H),7.05(m,3H),6.90(d,J=8.31Hz,1H),6.76(br m,2H),4.50(m,1H),4.06(br s,2H),3.00−3.20(br,2H),2.2−2.8(br,4H),1.92(br,1H),1.19(d,J=5.87Hz),0.86(m,6H);
EI−MS m/z:467.25(MH+)。
【0325】
【表8】








【0326】
は、スキーム3、スキーム14−Aにおいて記載されている方法により、様々な置換アニリンを用いて調製することが可能であるか、又は、15−1を様々なボロン酸又はボロン酸エステルとのスズキカップリングに付すことにより調製することが可能である。R置換基を生成させるための典型的な手順は、下記スキーム15に表されているが、その手順は、下記実施例(15−2)〜実施例(15−42)を包含する本発明の様々な化合物を合成する上で用いることが出来る。該ボロン酸エステルは、スキーム15−Aに記載されているように調製することができる。実施例(15−2)〜実施例(15−42)は、以下ではエナミン形態で表されているが、上記で記載したように、互変異性イミン形態でも存在し得る。
【0327】
スキーム15
【0328】
【化73】

【0329】
スキーム15−A: ハロゲン化アリールからボロン酸エステルを合成するための一般的な方法
【0330】
【化74】

【0331】
この方法は、ミヤウラら(J.Org.Chem. 1995, 60, 7508−7510)により開発された条件に基づいている。丸底フラスコに、ハロゲン化アリール15−A−1(0.20mmol,1当量)、酢酸カリウム(0.60mmol,3当量)、ビス(ピナコレート)ジボロン(0.18mmol,0.9当量)及びPdCl(dppf)(0.020mmol,0.1当量)を添加した。そのフラスコに、乾燥DMF(3mL)を添加し、窒素を流した後、栓をした。得られた混合物を撹拌し、80℃の油浴内においた。その反応は、LCMSで追跡した。臭化アリールが消費されたとき(数時間)、その反応混合物を酢酸エチル/水で3〜4回抽出し、次いで、ブラインで2回洗浄した。得られた有機溶液をMgSOで脱水し、濃縮して、粗ボロン酸エステル15−A−2を得た。これは、次のスズキカップリング反応に直接使用した。ハロゲン化アリールからボロン酸エステルを合成するための代表的な一連の手順は、スキーム15−B−Eに記載されている。
【0332】
スキーム15−B
【0333】
【化75】

【0334】
メチルアミン塩酸塩(0.091g,1.35mmol)及びピリジン(0.364mL,4.50mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液を撹拌しながら、それに、0℃で、化合物15−B−1(0.230g,0.90mmol)を添加した。その反応混合物を室温まで昇温させた。その反応は、LCMSで追跡した。出発物質が消費されたとき(約3時間)、その混合物を、ジエチルエーテル/飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回抽出した。得られた有機溶液を、水性リン酸二水素ナトリウム(pH=3〜4)溶液で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄した。次いで、その有機溶液を、MgSOで脱水し、濃縮して、粗スルホンアミド15−B−2を得た。
【0335】
丸底フラスコに、上記粗15−B−2(0.050g,0.20mmol)、酢酸カリウム(0.059g,0.60mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(0.046g,0.18mmol)及びPdCl(dppf)(0.016g,0.020mmol)を添加した。そのフラスコに、乾燥DMF(3mL)を添加し、窒素を流した後、栓をした。得られた混合物を撹拌し、80℃の油浴内においた。その反応は、LCMSで追跡した。出発物質が消費されたとき、その反応混合物を酢酸エチル/水で3〜4回抽出し、次いで、ブラインで2回洗浄した。得られた有機溶液をMgSOで脱水し、濃縮して、粗ボロン酸エステル15−B−3を得た。これは、それ以上精製することなく、スズキカップリングに直接使用して、実施例15−35を得た。そのスズキカップリングは、Boykin触媒を使用して、既に記述されている標準的な条件を用いて実施した。
【0336】
スキーム15−C
【0337】
【化76】

【0338】
p−ブロモアニリン(1.032g,0.00600mol)及びピリジン(5mL)をジクロロメタン(90mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、窒素下、0℃で、3−クロロプロピルスルホニルクロリド(1.20Og,0.00678mol)を滴下して加えた。その混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。得られた混合物を濃縮し、EtO/水性リン酸二水素ナトリウム(pH=3〜4)溶液で抽出した。次いで、その有機溶液を、飽和重炭酸ナトリウム溶液で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄した後、MgSOで脱水し、濃縮して、粗15−C−1(1.630g,87%)を得た。
【0339】
15−C−1(1.630g,0.0052mol)を10mLのDMFに溶解させた。NaH(鉱油中60%分散液)(0.480g,0.0104mol)とDMF(30mL)の混合物を撹拌しながら、それに、0℃で、上記で得られた溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。終了後、その反応物を、飽和NHCl水溶液でクエンチし、ジエチルエーテルで2回抽出した。得られたエーテル溶液を、水性リン酸二水素ナトリウム(pH=3〜4)溶液で2回洗浄し、次いで、飽和NaHCO水溶液で2回洗浄し、次いで、ブラインで2回洗浄した。その有機溶液を、MgSOで脱水し、濃縮して、粗15−C−2(1.295g,90%)を得た。
【0340】
丸底フラスコに、粗15−C−2(0.156g,0.566mmol)、酢酸カリウム(0.167g,1.698mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(0.144g,0.509mmol)及びPdCl(dppf)(0.046g,0.0566mmol)を添加した。次いで、そのフラスコに、乾燥DMF(10 ml)を添加し、窒素を流した。得られた混合物を撹拌し、80℃の油浴中においた。その反応は、LCMSで追跡した。出発物質が消費されたときに(1〜2時間)、その反応混合物を、酢酸エチルで希釈し、水で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄した。次いで、得られた有機溶液を、MgSOで脱水し、濃縮して、粗ボロン酸エステル15−C−3を得た。これは、それ以上精製することなく、次のステップで直接使用した。そのスズキカップリングは、Boykin触媒を使用して、既に記述されている標準的な条件を用いて実施した。生成物については、実施例15〜実施例36を参照されたい。
【0341】
スキーム15−D
【0342】
【化77】

【0343】
4−ブロモ安息香酸(402.0mg,2mmol)をDMF(10mL)に溶解させた溶液に、HATU
(836.5mg,2.2mmol)及びDIEA(697.0μL,4mmol)を添加した。室温で5分間撹拌した後、メチルアミン塩酸塩(135.0mg,2mmol)を添加した。その溶液を、室温で一晩撹拌した。その反応混合物を、水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を合して飽和重炭酸ナトリウム、1M HCl及びブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固させて、15−D−1(181.1mg,42.0%)を白色の結晶として得た。
【0344】
15−D−1(107.0mg,0.5mmol)、ビス(ピナコレート)ジボロン(139.7mg、0.55mmol)及び酢酸カリウム(245.4mg,2.5mmol)の2.5mLDMF中の溶液を窒素ガスでパージし、次いで、PdCl(dppf)(11.0mg,0.015mmol)を添加した。その溶液を80℃で2時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。その反応物を、水でクエンチし、次いで、酢酸エチルで2回抽出した。その有機溶液を、水で洗浄し、次いで、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。次いで、その有機溶液を、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固させて、ボロン酸エステル15−D−2(91.1mg,61.0%)を得た。最終化合物である実施例15−14は、典型的なスズキカップリング条件とBoykin触媒を使用して、ボロン酸エステル15−D−2から調製した。
【0345】
スキーム15−E
【0346】
【化78】

【0347】
4−ブロモフェニルスルホニルクロリド(3.33 g,13.0mmol,1.0当量)及びジメチルアミン塩酸塩(1.58g,19.4mmol,1.49当量)を、フラスコの中に計量した。THF(25mL)を添加した後、DIEA(5.2mL,29.9mmol,2.3当量)を添加した。その反応物を、室温で5.5時間激しく撹拌し、次いで、ジエチルエーテルで希釈し、1N 塩酸で洗浄し、次いで、飽和重炭酸溶液で洗浄した。得られた溶液を硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。その粗物質を、塩化メチレン:ヘキサンから再結晶させることにより精製して、スルホンアミド15−E−1(1.1788g,34%)を得た。
【0348】
上記N,N−ジメチル−4−ブロモフェニルスルホンアミド(0.486g,1.84mmol,1.0当量)、ビス(ピナコレート)ジボロン(538.5mg,2.12mmol,1.15当量)、酢酸カリウム(881.2mg,8.98mmol,4.88当量)及びPdCl(dppf)(11.0mg,0.015mmol)を、20mL容のシンチレーションバイアルの中に計量した。DMF(6mL)を添加した。そのバイアルに窒素を流し、蓋をして、80℃アルミニウムブロック内で撹拌した。2時間経過した後、その反応物を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水で洗浄した。その有機溶液を、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望のボロン酸エステル15−E−2(256.2mg,45%)を得た。これは、下記に記載されている実施例15−2の調製において使用した。
【0349】
実施例15
2’−[4−シクロヘキシルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デク−3−エン−1−イル]−4’−フルオロ−ビフェニル−4−スルホン酸ジメチルアミド(15−2)
【0350】
【化79】

【0351】
ステップ1:
ステップ2: 2’−[4−シクロヘキシルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デク−3−エン−1−イル]−4’−フルオロ−ビフェニル−4−スルホン酸ジメチルアミド(15−2)
臭化物(15−1;実施例14に関して記載されている方法と同様の方法で調製したもの)(60.4mg,0.106mmol,1.0当量)、ボロン酸(51.8mg,0.166mmol,1.57当量)、パラジウム触媒(26.7mg,0.045mmol,0.43当量;触媒の調製については、「Boykin et.al, J.Org.Chem. 2004, 69, 13, 4330−4335」を参照されたい)及び3塩基性リン酸カリウム(70.6mg,0.333mmol,3.1当量)を、1ドラム容バイアル内に計量した。磁気撹拌棒を加え、次いで、無水エタノール(1mL)を添加した。そのバイアルに蓋をし、ホットプレート上の90℃アルミニウムブロック内で撹拌した。その反応物により黒色のパラジウム沈澱物が示されたとき(約3時間)、その反応物を室温まで冷却した。次いで、その反応物をセライトで濾過し、得られた溶液を、アセトニトリル:水(0.1%TFA含有)中の逆相HPLCで直接精製して、所望のジアリール生成物をTFA塩として得た。
【0352】
H NMR(400MHz,MeOH−d4):δ 7.83(d,J=8.3Hz,2H),7.59(m,2H),7.33(m,4H),7.11(br s,1H),6.84(m,2H),4.75−4.50(m,1H),4.14(s,2H),2.68(s,6H),2.50−2.00(m,2H),2.00−1.60(m,6H),1.50−1.20(m,10H);
EI−MS m/z:676(M+H)
【0353】
【表9】















【0354】
実施例15−46
4−シクロヘキシルアミノ−8−シクロプロピルメチル−1−(4’−ジメチルスルファモイル−4−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニア−スピロ[4.5]デク−3−エントリフルオロ酢酸塩
【0355】
【化80】

【0356】
【化81】

【0357】
N−(t−ブチルオキシカルボニル)−4−ピペリドン(10.13g,50.8mmol,1.0当量)及び2−ブロモ−5−フルオロアニリン(11.60g,61.0mmol,1.2当量)を、フラスコ内に計量した。酢酸(75mL)を添加した後、トリメチルシリルシアニド(7.75mL,58.1mmol,1.14当量)を添加した。その混合物を、室温で24時間撹拌し、次いで、200mLの氷と200mLの飽和水酸化アンモニウム溶液の混合物に添加した。得られた混合物を塩化メチレンで2回抽出した。その有機溶液を、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮して、22.57gの粗生成物を得た。このアミノニトリルは、既に記述されている標準的な方法により、チオヒダントインに変換した。
【0358】
標準的なチオール化条件により得た粗チオール(8.47g,17.5mmol,1.0当量)及びシクロヘキシルアミン(8.0mL,70mmol,4.0当量)を、DMSO(32mL)に溶解させた。その溶液を撹拌し、油浴内で115℃に24時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。得られた溶液を、ジエチルエーテルで希釈し、1N 塩酸で洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗アミノヒダントインを、ヘキサン中の70%酢酸エチル及びそれに続く100%酢酸エチルを溶出溶媒として使用して、2L容ガラス漏斗内の600mLのシリカプラグを通して濾過することにより精製した。この方法により、(2.0971g,23%)の所望の生成物が、暗緑色の半固体として得られた。そのアミノヒダントインの一部(528.6mg)をジオキサン(4mL)に溶解させた。ジオキサン(5mL)中の塩化水素の4N 溶液を添加し、得られた反応物を3時間静置し、次いで、濃縮した。得られた粗生成物を、ジクロロメタンで処理し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。その有機溶液を、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮した。得られた粗遊離塩基を、次いで、5%の2Nアンモニア(メタノール):95%のジクロロメタンを使用するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して、所望の脱保護ピペリジン(241mg,56%)を得た。
【0359】
DMF(3mL)中の上記脱保護ピペリジン(127.0mg,0.3mmol)に、炭酸カリウム(45.6mg,0.33mmol)を添加し、次いで、シクロプロパンメチルブロミド(32.3μL,0.33mmol)を添加した。その溶液を80℃で15時間加熱し、室温まで冷却し次いで、水でクエンチした。得られた生成物を、酢酸エチルで3回抽出し、水で洗浄し、次いで、水性1M HClで洗浄し、次いで、ブラインで洗浄した。その有機溶液を、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固させた。その生成物を、分取TLC(1%メタノール/99%酢酸エチルで溶離)を用いて精製して、シクロプロピルメチルピペリジンアリールブロミド(52.6mg,36.8%)を得た。最終化合物である実施例15−43(MS(MH+)582.3)は、Boykin触媒を使用し、既に記述されている標準的なスズキカップリング条件を介して、上記臭化アリールから調製した。
【0360】
実施例15−47
4−シクロヘキシルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−1−[3−(5−メチル−[l,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−2−オキソ−l,3−ジアザ−8−アゾニア−スピロ[4.5]デク−3−エントリフルオロ酢酸塩
【0361】
【化82】

【0362】
3−アミノ−ベンゾニトリル(4.7g,40.0mmol)を200mLTHF中の溶液に、トリエチルアミン(5.6mL,40.0mmol)を添加し、次いで、二炭酸ジ−t−ブチル(8.7g,40.0mmol)を添加した。2日間加熱還流した後、その溶液を冷却し、次いで、水と酢酸エチルの間で分配させた。生成物を、酢酸エチルで3回抽出し、水性1M HClで洗浄し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固させた。その生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(10%ヘキサン/90%酢酸エチルで溶離)を用いて精製して、(8.31g,93.2%)を得た。
【0363】
(6.54g,30mmol)と50%w/w水性ヒドロキシルアミン(3.6mL,60mmol)と60mLのエタノールからなる混合溶液を3時間還流した。高真空下にエタノールを除去して、(7.3g,96.9%)を脆性の泡状物として得た。
【0364】
(1.7g,7.0mmol)及び塩化アセチル(746.5μL,10.5mmol)の35.0mLピリジン中の溶液を、1日間還流した。高真空下にピリジンを除去した。得られた粗物質を、酢酸エチルと水の間で分配させた。その生成物を、酢酸エチルで3回抽出し、水性1M HClで洗浄した後、ブラインで洗浄し、次いで、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、濃縮乾固させた。その生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(15%ヘキサン/85%酢酸エチルで溶離)を用いて精製して、を得た。を50mLの4M HCl/ジオキサンに溶解させた溶液を室温で30分間撹拌することにより、Boc保護基を除去した。減圧下にジオキサンを蒸発させて、アニリン塩酸塩(944.8mg,64.3%)をオフホワイトの固体として得た。そのアニリンは、スキーム3に記載されている標準的なウギ反応条件を用いて、所望の生成物である実施例15−47(MS(MH+)577.25)に変換した。
【0365】
実施例15−48
1−[2−(4−アセチルアミノ−ピペリジン−1−イル)−5−フルオロ−フェニル]−4−シクロヘキシルアミノ−8−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニア−スピロ[4.5]デク−3−エントリフルオロ酢酸塩
【0366】
【化83】

【0367】
4−t−ブトキシカルボニルアミノ−ピペリジン(804.4mg,4.02mmol,1.0当量)及び2,5−ジフルオロニトロベンゼン(679.5mg,4.27mmol,1.06当量)を、撹拌棒を有する20mL容のシンチレーションバイアル内のDMSO(4mL)に溶解させた。ジイソプロピルエチルアミン(DIEA,1mL,7.75mmol,1.93当量)を添加した。そのバイアルに蓋をし、70℃のアルミニウムブロック内で3.5時間撹拌した。次いで、その溶液を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、1N 塩酸で洗浄した。その有機溶液を、MgSOで脱水し、濾過し、濃縮して、アリールピペリジン(1.5261g,112%)を得た。これは、次ぎの反応へ、直接移した。
【0368】
(339.36mg,1.0mmol)の2.5mLメタノールと2.5mL水中の溶液に、塩化アンモニウム(266.5mg,5mmol)を添加し、次いで、亜鉛粉末(327mg,5mmol)を添加した。その反応混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、セライトのプラグを通して濾過した。その遊離アミンに塩酸(1mmol)を添加して、アミン塩酸塩を得た。その濾液を濃縮して、(307.5mg,89.0%)を白色の固体として得た。
【0369】
1−(3−イソプロポキシ−ベンジル)−ピペリジン−4,4−ジオール(132.5mg,0.5mmol)及び(169.9mg,0.55mmol)の氷酢酸(0.5mL)中の氷冷溶液に、トリメチルシリルシアニド(73.4μL,0.55mmol)をゆっくりと添加した。その反応混合物を0℃に5分間維持し、次いで、30分間かけて室温まで昇温させた。得られた混合物を、pHが10になるまで、飽和水酸化アンモニウム:氷混合物でクエンチし、次いで、ジクロロメタンで2回抽出した。ジクロロメタン抽出液を合してブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。得られた粗物質を、分取TLC(20%酢酸エチル/60%ヘキサン)で精製して、(234.5mg,83.0%)を油性の残渣として得た。
【0370】
(234.5mg,0.415mmol)の1.5mLクロロホルム中の氷冷溶液に、クロロスルホニルイソシアネート(39.7μL,0.46mmol)を滴下して加えた。その反応物を、室温で30分間撹拌し、次いで、830μLの水を添加することによりクエンチした。その反応混合物を室温でさらに1時間撹拌し、次いで、使用直前に調製した0℃のHS水溶液(622.5mgのNaS+313.0mLのHO+622.5〜650.0μLの酢酸)に添加した。得られた混合物を、室温で24時間撹拌した後、pHが7を超えるまで、飽和重炭酸ナトリウム溶液を用いてアルカリ性化し、次いで、酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を合してブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濃縮した。得られた粗物質を、分取TLC(40%酢酸エチル/60%ヘキサン)で精製して、(98.8mg,38.0%)を油性の残渣として得た。
【0371】
(98.8mg,0.158mmol)の2mLのDMSO中の溶液に、シクロヘキシルアミン(200μL,1.58mmol)を添加した。その反応混合物を、110℃で2日間加熱した。得られた粗生成物を、分取逆相HPLCで精製して、凍結乾燥後、TFA塩としての(59.7mg,54.7%)を黄色の微粉末として得た。
【0372】
0.5mLの25%TFA/DCMを室温で10分間使用して、(30mg,0.43mmol)からBocを除去した。そのTFAアミン塩を減圧下に乾燥させ、0.5mLのテトラヒドロフランに再溶解させた。その反応溶液に、トリエチルアミン(0.09mmol,12.5μL)を添加した後、塩化アセチル(約4.0μL,0.052mmol)を添加した。次いで、その反応物を、室温で15分間撹拌した。得られた粗反応物を、分取逆相HPLCで精製し、凍結乾燥させて、15−45(6.4mg,23.6%)(MS(MH+)633.3)を黄色の微粉末として得た。
【0373】
本発明のいくつかの特定の実施形態を参照しながら、本発明について記載及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、手順及びプロトコルに対して、様々な適合、変化、修正、置き換え、削除又は付加を加えることができるということは、当業者には理解されるであろう。従って、本発明は、「特許請求の範囲」の範囲によって定義されることが意図されており、また、そのような「特許請求の範囲」は、合理的な範囲で広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

で表される化合物又はその互変異性体(I’)
【化2】

[上記式中、
Xは、CR又はNであり;
X’は、CRH又はNHであり;
Zは、O又はSであり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(4)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(5)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(6)−O−R;及び
(7)−C0−6アルキル−Q−R
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;及び
(d)−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該R炭素環部分は、1以上の
(a)−OR
(b)=O;
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(e)−C(=O)−NR4’
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−OH及び(III)−C6−10アリールで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−NR−SO−R4’
(h)−SO−R
(i)−NR−C(=O)−R4’
(J)−C(=O)−OR
(k)−NR4’
(1)−C(=O)−R;及び
(m)−SO−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)−C1−6アルキル;
(c)−C2−6アルケニル;
(d)−C2−6アルキニル;
(e)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(f)シアノ;
(g)−O−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(h)−O−R
(i)−C(=O)−NR4’
(j)−NR4’
(k)−Q−R;及び
(l)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、
(a)−C(=O)−;
(b)−C(=O)−O−;
(c)−C(=O)−NR−;
(d)−NR−C(=O)−;
(e)−S(=O)−;
(f)−Si(R)−;
(g)−S(=O)−R−;
(h)−R−S(=O)−;
(i)−O−C(=O)−;
(j)−NR−C(=O)−O−;
(k)−SO−NR
(l)−NRSO
(m)−NR
からなる群から選択され、ここで、nは、0、1又は2であり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(4)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(5)−C0−6アルキル−Q−C1−6アルキル;
(6)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)シアノ;
(c)−C3−8シクロアルキル;
(d)−O−C1−6アルキル;
(e)OH;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の−C1−6アルキルで場合により置換されていてもよく、
該Rアリール又はヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR10
(b)ハロゲン,
(c)−シアノ;
(d)−NO
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン及び(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(III)−C2−6アルケニル、(IV)−C2−6アルキニル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(IX)−NO、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(h)−SO−C1−6アルキル;
(i)−SO−NR4’
(j)−NR4’
(k)−C3−8シクロアルキル;
(l)−C2−6アルケニル;
(m)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);
(n)−NHC(=O)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);,
(o)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(p)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(q)−CO−R
(r)−C(=O)−NR4’
(s)−C0−6アルキル−NRSO−R
(t)−O−C2−6アルケニル;
で、場合により置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(3)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(4)−C0−3アルキル−C3−10炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR11
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−C(=O)−NR4’
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−Q−H;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の
(a)−C1−6アルキル;
(b)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−O−C2−6アルケニル;
(m)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
12は、
(I)水素;
(II)−C1−6アルキル;
(III)−C2−6アルケニル;
(IV)−C2−6アルキニル;
(V)−C3−8シクロアルキル;及び
(VI)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、
ここで、該R12アルキル、アルケニル及びアルキニル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
(E)−NR4’
(F)−NR−S(=O)−R4’
(G)−NR−C(=O)−R4’
(H)−NR−C(=O)−OR4’
(I)−S(=O)NR−;
で、場合により置換されていてもよく、
該R10シクロアルキル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)−シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該R12アリール部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)シアノ;
(C)−O−C1−6アルキル;及び
(D)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
及びR4’は、
(1)水素,
(2)−C1−8アルキル(ここで、該アルキルは、(a)ハロゲン、(b)−C3−8シクロアルキル、(c)−CO1−6アルキル、(d)−OC1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン又は(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。)で、場合により置換されていてもよい。);
(3)−C2−8アルケニル;及び
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)ハロゲン;及び
(4)−CO−R
からなる群から選択され;
、R、R、R、R10及びR11は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C3−8シクロアルキル;
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から独立して選択され、
ここで、該アルキルは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該シクロアルキル及びアリールは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく;
但し、XがNであり、ZがOであり、Rが非置換シクロヘキシルであり及びRが非置換フェニルである場合、Rは、非置換ベンジルではない。]
並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
XがNであり又はX’がNHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ZがOである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が、−C1−6アルキル又は−C0−3アルキル−C3−12炭素環(ここで、該アルキル又は炭素環は、請求項1の場合と同様に場合により置換されていてもよい。)である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
が、−C0−3アルキル−C6−10アリールであり、該アリール部分は、1以上の(a)ハロゲン又は(b)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
が、−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、1以上の(a)ハロゲン又は(b)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項7】
が、
(1)−C1−6アルキル;
(2)−C0−6アルキル−C3−8炭素環;
及び
(3)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、ここで、該アルキル、炭素環又はアリール部分は、請求項1の場合と同様に場合により置換されていてもよい、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
が、フェニル又はベンジルであり、該フェニル又はベンジルは、請求項1の場合と同様に場合により置換されていてもよい、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式(II)
【化3】

で表される化合物又はその互変異性体(II’)
【化4】

[上記式中、
X、X’、Z、R及びRは、請求項1で定義されているとおりであり、R15は、
(a)−OR10
(b)ハロゲン;
(c)−シアノ;
(d)−Q−C1−6アルキル;
(e)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン及び(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(f)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(g)−SO−C1−6アルキル;
(h)−SO−NR4’
(i)−C3−8シクロアルキル;
(j)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NH−SOで、場合により置換されていてもよい。);
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(l)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(m)−CO−R
(n)−C(=O)−NR4’
(o)−C0−6アルキル−NRSO−R
からなる群から選択される。]
である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項10】
XがNであり又はX’がNHである、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
ZがOである、請求項9又は10に記載の化合物。
【請求項12】
が、
(1)−C0−3アルキル−C6−10アリール;又は
(2)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
からなる群から選択され、該アリール及びヘテロアリールは、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(e)−NO
(f)−Q−R
(g)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(h)−C2−6アルケニル;
(i)−C2−6アルキニル;
(j)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(k)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい、請求項9、10及び11のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
が、ベンジルであり、ここで、該ベンジルは、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、pは、0又は1であり、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式(III)
【化5】

で表される化合物又はその互変異性体(III’)
【化6】

[上記式中、
X、X’、Z、R及びRは、請求項1で定義されているとおりであり、R16は、
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
からなる群から選択される。]
である、請求項1に記載の化合物並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項15】
XがNであるか、又は、X’がNHである、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
及びその互変異性体からなる群から選択される化合物及びその製薬上許容される塩。
【請求項17】
ヒト及び動物におけるβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するための薬物又は組成物を製造する方法であって、請求項1に記載の化合物又はその製薬上許容される塩を製薬上許容される担体又は希釈剤と合することを含む、前記方法。
【請求項18】
式(I)
【化7】

で表される化合物又はその互変異性体(I’)
【化8】

[上記式中、
Xは、CR又はNであり;
X’は、CRH又はNHであり;
Zは、O又はSであり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(4)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(5)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(6)−O−R;及び
(7)−C0−6アルキル−Q−R
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;及び
(d)−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該R炭素環部分は、1以上の
(a)−OR
(b)=O;
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(e)−C(=O)−NR4’
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−OH及び(III)−C6−10アリールで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−NR−SO−R4’
(h)−SO−R
(i)−NR−C(=O)−R4’
(J)−C(=O)−OR
(k)−NR4’
(1)−C(=O)−R;及び
(m)−SO−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)−C1−6アルキル;
(c)−C2−6アルケニル;
(d)−C2−6アルキニル;
(e)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(f)シアノ;
(g)−O−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(h)−O−R
(i)−C(=O)−NR4’
(j)−NR4’
(k)−Q−R;及び
(l)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、
(a)−C(=O)−;
(b)−C(=O)−O−;
(c)−C(=O)−NR−;
(d)−NR−C(=O)−;
(e)−S(=O)−;
(f)−Si(R)−;
(g)−S(=O)−R−;
(h)−R−S(=O)−;
(i)−O−C(=O)−;
(j)−NR−C(=O)−O−;
(k)−SO−NR
(l)−NRSO
(m)−NR
からなる群から選択され、ここで、nは、0、1又は2であり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(4)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(5)−C0−6アルキル−Q−C1−6アルキル;
(6)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)シアノ;
(c)−C3−8シクロアルキル;
(d)−O−C1−6アルキル;
(e)OH;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の−C1−6アルキルで場合により置換されていてもよく、
該Rアリール又はヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR10
(b)ハロゲン,
(c)−シアノ;
(d)−NO
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン及び(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(III)−C2−6アルケニル、(IV)−C2−6アルキニル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(IX)−NO、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(h)−SO−C1−6アルキル;
(i)−SO−NR4’
(j)−NR4’
(k)−C3−8シクロアルキル;
(l)−C2−6アルケニル;
(m)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);
(n)−NHC(=O)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);,
(o)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(p)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(q)−CO−R
(r)−C(=O)−NR4’
(s)−C0−6アルキル−NRSO−R
(t)−O−C2−6アルケニル;
で、場合により置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(3)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(4)−C0−3アルキル−C3−10炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR11
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−C(=O)−NR4’
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−Q−H;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の
(a)−C1−6アルキル;
(b)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−O−C2−6アルケニル;
(m)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい);
で、場合により置換されていてもよく、
12は、
(I)水素;
(II)−C1−6アルキル;
(III)−C2−6アルケニル;
(IV)−C2−6アルキニル;
(V)−C3−8シクロアルキル;及び
(VI)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、
ここで、該R12アルキル、アルケニル及びアルキニル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
(E)−NR4’
(F)−NR−S(=O)−R4’
(G)−NR−C(=O)−R4’
(H)−NR−C(=O)−OR4’
(I)−S(=O)NR−;
で、場合により置換されていてもよく、
該R10シクロアルキル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)−シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該R12アリール部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)シアノ;
(C)−O−C1−6アルキル;及び
(D)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
及びR4’は、
(1)水素,
(2)−C1−8アルキル(ここで、該アルキルは、(a)ハロゲン、(b)−C3−8シクロアルキル、(c)−CO1−6アルキル、(d)−OC1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン又は(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。)で、場合により置換されていてもよい。);
(3)−C2−8アルケニル;及び
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)ハロゲン;及び
(4)−CO−R
からなる群から選択され;
、R、R、R、R10及びR11は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C3−8シクロアルキル;
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から独立して選択され、
ここで、該アルキルは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該シクロアルキル及びアリールは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい。]
並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーの治療上有効量を含んでいる、医薬組成物。
【請求項19】
アルツハイマー病の治療を必用としている患者におけるアルツハイマー病を治療する方法であって、該患者に、式(I)
【化9】

で表される化合物又はその互変異性体(I’)
【化10】

[上記式中、
Xは、CR又はNであり;
X’は、CRH又はNHであり;
Zは、O又はSであり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(4)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(5)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(6)−O−R;及び
(7)−C0−6アルキル−Q−R
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;及び
(d)−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該R炭素環部分は、1以上の
(a)−OR
(b)=O;
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(e)−C(=O)−NR4’
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−OH及び(III)−C6−10アリールで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−NR−SO−R4’
(h)−SO−R
(i)−NR−C(=O)−R4’
(J)−C(=O)−OR
(k)−NR4’
(1)−C(=O)−R;及び
(m)−SO−NR4’
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)−C1−6アルキル;
(c)−C2−6アルケニル;
(d)−C2−6アルキニル;
(e)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(f)シアノ;
(g)−O−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(h)−O−R
(i)−C(=O)−NR4’
(j)−NR4’
(k)−Q−R;及び
(l)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、
(a)−C(=O)−;
(b)−C(=O)−O−;
(c)−C(=O)−NR−;
(d)−NR−C(=O)−;
(e)−S(=O)−;
(f)−Si(R)−;
(g)−S(=O)−R−;
(h)−R−S(=O)−;
(i)−O−C(=O)−;
(j)−NR−C(=O)−O−;
(k)−SO−NR
(l)−NRSO
(m)−NR
からなる群から選択され、ここで、nは、0、1又は2であり;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C0−6アルキル−C3−12炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
(4)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(5)−C0−6アルキル−Q−C1−6アルキル;
(6)−C0−6アルキル−C5−12ヘテロアリール
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)ハロゲン;
(b)シアノ;
(c)−C3−8シクロアルキル;
(d)−O−C1−6アルキル;
(e)OH;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の−C1−6アルキルで場合により置換されていてもよく、
該Rアリール又はヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR10
(b)ハロゲン,
(c)−シアノ;
(d)−NO
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン及び(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。);
(g)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル、(III)−C2−6アルケニル、(IV)−C2−6アルキニル、(V)−O−C1−6アルキル、(VI)−SO−C1−6アルキル、(VII)シアノ、(VIII)−C3−8シクロアルキル、(IX)−NO、(X)−SO−NR4’で、場合により置換されていてもよい。);
(h)−SO−C1−6アルキル;
(i)−SO−NR4’
(j)−NR4’
(k)−C3−8シクロアルキル;
(l)−C2−6アルケニル;
(m)−NHC(=O)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)−NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);
(n)−NHC(=O)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリールは、1以上の(I)NR4’、(II)OH、(III)−SO及び(IV)−NHSOで、場合により置換されていてもよい。);,
(o)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、1以上の(I)ハロゲン、(II)−C1−6アルキル及び(III)=Oで、場合により置換されていてもよい。);
(p)−S(=O)−C0−6アルキル−C6−10アリール;
(q)−CO−R
(r)−C(=O)−NR4’
(s)−C0−6アルキル−NRSO−R
(t)−O−C2−6アルケニル;
で、場合により置換されていてもよく、
mは、0、1又は2であり、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
は、
(1)水素;
(2)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
(3)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(4)−C0−3アルキル−C3−10炭素環(ここで、該炭素環基は、S、N及びOからなる群から選択される1〜3個の環ヘテロ原子を、場合により有していてもよい。);
からなる群から選択され、
ここで、該Rアルキル部分は、1以上の
(a)−OR11
(b)ハロゲン;
(c)シアノ;
(d)−C(=O)−NR4’
(e)−Q−C1−6アルキル;
(f)−Q−H;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rシクロアルキル部分は、1以上の
(a)−C1−6アルキル;
(b)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
で、場合により置換されていてもよく、
該Rアリール及びヘテロアリール部分は、1以上の
(a)−OR12
(b)−NR4’
(c)ハロゲン;
(d)シアノ;
(f)−NO
(g)−Q−R
(h)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン、(II)シアノ、(III)−C1−6アルキル、(IV)−O−C1−6アルキル、(V)−C3−8シクロアルキル、(VI)−C(=O)−C1−6アルキルで、場合により置換されていてもよい。);
(i)−C2−6アルケニル;
(j)−C2−6アルキニル;
(k)−C0−3アルキル−C5−12ヘテロアリール;
(l)−O−C2−6アルケニル;
(m)−C0−3アルキル−C6−10アリール(ここで、該アリール部分は、1以上の(I)−C1−6アルキル、(II)−C2−6アルケニル、(III)−C2−6アルキニル、(IV)ハロゲン、(V)シアノ、(VI)−C3−8シクロアルキル及び(VII)NOで、場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
12は、
(I)水素;
(II)−C1−6アルキル;
(III)−C2−6アルケニル;
(IV)−C2−6アルキニル;
(V)−C3−8シクロアルキル;及び
(VI)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択され、
ここで、該R12アルキル、アルケニル及びアルキニル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
(E)−NR4’
(F)−NR−S(=O)−R4’
(G)−NR−C(=O)−R4’
(H)−NR−C(=O)−OR4’
(I)−S(=O)NR−;
で、場合により置換されていてもよく、
該R10シクロアルキル部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)−シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該R12アリール部分は、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)シアノ;
(C)−O−C1−6アルキル;及び
(D)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
及びQは、Q及びQの場合と同じ群から選択され;
及びR4’は、
(1)水素,
(2)−C1−8アルキル(ここで、該アルキルは、(a)ハロゲン、(b)−C3−8シクロアルキル、(c)−CO1−6アルキル、(d)−OC1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上の(I)ハロゲン又は(II)シアノで、場合により置換されていてもよい。)で、場合により置換されていてもよい。);
(3)−C2−8アルケニル;及び
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から選択される;
は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)ハロゲン;及び
(4)−CO−R
からなる群から選択され;
、R、R、R、R10及びR11は、
(1)水素;
(2)−C1−6アルキル;
(3)−C3−8シクロアルキル;
(4)−C0−3アルキル−C6−10アリール;
からなる群から独立して選択され、
ここで、該アルキルは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよく、
該シクロアルキル及びアリールは、1以上の
(A)ハロゲン;
(B)ヒドロキシル;
(C)シアノ;
(D)−O−C1−6アルキル;及び
(E)−C1−6アルキル(ここで、該アルキルは、1以上のハロゲンで場合により置換されていてもよい。);
で、場合により置換されていてもよい。]
並びにそれらの製薬上許容される塩並びにそれらの個々のエナンチオマー及びジアステレオマーの治療上有効量を、投与することを含む、前記方法。

【公表番号】特表2008−515989(P2008−515989A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536860(P2007−536860)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/036752
【国際公開番号】WO2006/044497
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(500586635)サネシス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】