説明

アルツハイマー病を治療するためのマクロ環式スピロピペリジンβ−セクレターゼ阻害剤

本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤であり、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の治療において有用な式(I)


を有する化合物に関する。本発明は、前記化合物を含む医薬組成物、並びに前記した化合物及び組成物のβ−セクレターゼ酵素が関与する前記疾患の治療における使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用であり、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の治療において有用なマクロ環式スピロピペリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は、脳にアミロイドが細胞外プラーク及び細胞内神経原線維濃縮体の形態で沈着されていることを特徴とする。アミロイド蓄積の速度は形成、集合及び脳からの退出の速度の関数である。通常、アミロイドプラークの主成分は、サイズの非常に大きい前駆体タンパク質のタンパク質分解産物である4kDアミロイドタンパク質(βA4;Aβ、β−タンパク質及びβAPとも称される)である。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は、大きなエクトドメイン、膜貫通領域及び短い細胞質テールを有する受容体様構造を有している。AβドメインはAPPの細胞外ドメイン及び貫膜ドメインの両方の部分を含み、よってその放出はそのNH末端及びCOOH末端を生成する2つの異なるタンパク質分解事象の存在を暗示している。少なくとも2つの分泌メカニズムが存在し、これによりAPPが膜から放出され、APP(APP)の可溶性のCOOH切頭形態(APPs)が生ずる。膜からAPP及びその断片を放出するプロテアーゼは“セクレターゼ”と称されている。多くのAPPsは、Aβタンパク質を切断してα−APPsを放出し、無傷のAβの放出を妨げる推定上α−セクレターゼにより放出される。APPsの少量はAPPのNH末端の近くを切断し、全Aβドメインを含むCOOH末端断片(CTFs)を産生するβ−セクレターゼ(“β−セクレターゼ”)により放出される。
【0003】
よって、β−セクレターゼまたはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(“BACE”)の活性により、APPが切断され、Aβが産生され、脳にアルツハイマー病の特徴であるβアミロイドプラークが蓄積する(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,2002年9月,p.1367−1368;H.Fukumotoら,Arch.Neurol.,vol.59,2002年9月,p.1381−1389;J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,vol.277,No.18,2002年5月3日発行,p.16278−16284;及びK.C.Chen及びW.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm.,vol.292,p.702−708,2002参照)。従って、β−セクレターゼまたはBACEを阻害し得る治療薬はアルツハイマー病の治療のために有用であり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,2002年9月,p.1367−1368
【非特許文献2】H.Fukumotoら,Arch.Neurol.,vol.59,2002年9月,p.1381−1389
【非特許文献3】J.T.Huseら,J.Biol.Chem.,vol.277,No.18,2002年5月3日発行,p.16278−16284
【非特許文献4】K.C.Chen及びW.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm.,vol.292,p.702−708,2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を阻害し、よって不溶性Aβの形成を防止し、Aβの産生を阻止することによりアルツハイマー病を治療するために有用である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要旨
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用である一般式(I)
【0007】
【化1】

を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0008】
本発明はまた、治療有効量の式(I)を有する化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、哺乳動物のβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の治療方法、並びに本発明の化合物及び医薬組成物の前記疾患の治療における使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
1つの実施形態において、本発明は、一般式(I)
【0010】
【化2】

[式中、
Xは、
(1)N、及び
(2)CR(ここで、R
(a)水素、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−C3−7シクロアルキル、
(d)−C0−6アルキル−アリール、
(e)−C0−6アルキル−ヘテロアリール、
(f)ハロ、及び
(g)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基
からなる群から選択され、前記したアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、
(iii)−OC1−6アルキル、及び
(iv)−NO
で置換されている)
からなる群から選択され;
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキル、
(6)−C3−12シクロアルケニル、
(7)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(8)アリール、及び
(9)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環式、アリールまたはヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)−O−CH−アリール、
(h)アリール、
(i)ヘテロアリール,
(j)−NR6A6B(ここで、R6A及びR6Bは(i)水素及び(ii)−C1−6アルキルからなる群から選択される)、
(k)−NR6AC(=O)R6B
(l)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(m)−SO1−3アルキル、
(n)−SONR6A6B
(o)−NR6ASO1−3アルキル、
(p)−C(=O)−O−R6A
(q)−C(=O)NR6A6B
(r)−C(=O)R6A、及び
(s)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のハロゲンで置換されている)、
(iii)−O−C1−6アルキル、及び
(iv)−NO
で置換されており;
は、
(1)−C1−4アルキレン、
(3)−C2−4アルケニレン、
(4)−C2−4アルキニレン、
(5)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキレン、
(6)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(7)アリーレン、及び
(8)ヘテロアリーレン
からなる群から選択され、前記したアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロ環式基、アリーレンまたはヘテロアリーレンR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)−C0−6アルキル−アリール(ここで、前記アリールは場合により1個以上のハロで置換されている)、
(h)−C0−6アルキル−ヘテロアリール、
(i)−NC(=O)−NR6A6B
(j)−NC(=O)−C1−3アルキル−NR6A6B
(k)−NR6AC(=O)R6B
(l)−NR6A6B
(m)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、及び
(n)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−OC1−10アルキル、
(vi)−SO1−3アルキル、
(vii)−SONR6A6B
(viii)−NR6ASO1−3アルキル、
(ix)−C(=O)−O−R6A、及び
(x)−C(=O)NR6A6B
で置換されており;
は、
(1)−C1−4アルキレン、
(2)−C2−4アルケニレン、
(3)−C2−4アルキニレン、
(4)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキレン、
(5)−C0−4アルキレン−C3−12シクロアルケニレン、
(6)−C0−4アルキレン−フェニレン、及び
(7)C0−4アルキレン−ヘテロアリーレン
からなる群から選択され、前記したアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、フェニレンまたはヘテロアリーレンR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C3−12シクロアルキル、
(g)−O−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)ヘテロ環式基が4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である−O−C3−12ヘテロ環式、
(j)アリール、
(k)ヘテロアリール、
(1)−NR6A6B、及び
(m)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロ環式、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−OC1−10アルキル、
(vii)−NR6A6B
(viii)−C2−6アルケニル、
(ix)−C1−6ハロアルキル、
(x)−SO1−3アルキル、
(xi)−SONR6A6B、及び
(xii)−CONR6A6B
で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、及び
(3)−C2−4アルケニル
からなる群から選択され、前記したアルキルまたはアルケニルR基は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−C1−6アルキル、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C(=O)−R(ここで、Rは(i)水素、(ii)OH、(iii)−C1−6アルキル、(iv)−OC1−6アルキル及び(v)アリールからなる群から選択される)、
(g)−NR(ここで、R及びRは(i)水素及び(ii)−C1−6アルキルからなる群から選択される)、及び
(h)−S(O)−C1−6アルキル(ここで、nは0、1または2である)
で置換されており;
Yは、
(1)−O−、
(2)−NR−、
(3)−S(O)−(ここで、pは0、1または2である)、
(4)−C(=O)−NR−、
(5)−NR−C(=O)−、
(6)−C1−5アルキレン、及び
(7)−C2−5アルケニレン
からなる群から選択され、前記したアルキレンまたはアルケニレンY部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)OH、
(iii)−CN、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−OC1−10アルキル、及び
(vii)−C2−4アルケニル
で置換されている]
で表される大環状スピロピペリジン化合物及びその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0011】
1つの実施形態では、XはNである。代替実施形態では、XはCRである。
【0012】
別の実施形態では、R
(1)−C1−10アルキル、及び
(2)−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキルまたはシクロアルキルR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、及び
(c)−CN
で置換されている。
【0013】
例えば、Rは場合により置換されているシクロヘキシルであり得る。
【0014】
他の実施形態では、Rは場合により置換されている−C1−4アルキレンまたはフェニレンからなる群から選択される。
【0015】
ある実施形態では、Rは−C1−4アルキレンまたは−C0−4アルキレン−フェニレンからなる群から選択される。例えば、Rはベンジレンである。
【0016】
ある実施形態では、Rは水素またはメチルからなる群から選択される。
【0017】
ある実施形態では、Yは
(1)C1−4アルキレン、
(2)−C(=O)NR、及び
(3)−NR−C(=O)−
からなる群から選択される。
【0018】
1つの実施形態では、RはC1−4アルキレンであり、YはC1−5アルキレンまたはC2−5アルケニレンであり、Rはベンジルである。
【0019】
別の実施形態では、RはC1−4アルキレンであり、Yは−C(=O)NR−または−NR−C(=O)−であり、Rはベンジレンである。
【0020】
別の実施形態では、Rはフェニルであり、YはC1−5アルキレンまたはC2−5アルケニレンであり、RはC1−4アルキレンまたはC2−4アルケニレンである。
【0021】
式(I)を有する化合物の属の範囲には、式(II)
【0022】
【化3】

(式中、X、R、R、R及びYは上に定義した通りである)
を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩の亜群がある。
【0023】
式(I)を有する化合物の属の範囲には、式(III)
【0024】
【化4】

(式中、X、R、R、R及びYは上に定義した通りである)
を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩の亜群がある。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、式(I)を有する化合物の以下の種:
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H,15H−16,18a−エタノ−14,10−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
(7Z)−1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,13,15,16−テトラヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
(8E)−1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,10,15,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5,10]トリアザシクロヘキサデシン−3,8(9H)−ジオン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,16,17,19,20−デカヒドロ−3H,9H−18,20a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,11,19,20−オクタヒドロ−3H,5H,17H−18,20a−エタノ−16,12−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
2−(シクロヘキシルアミノ)−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,19.01,5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン、
2−(シクロヘキシルアミノ)−15−メチル−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,19.01,5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,11,19,20−オクタヒドロ−3H,5H,17H−18,20a−エタノ−16,12−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,11,12,20,21−デカヒドロ−3H,18H−19,21a−エタノ−17,13−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロノナデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−10,13−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,11,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−12,15−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,11,12,17,19,20−デカヒドロ−3H,5H−18,20a−エタノ−13,16−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチレン−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチレン−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−5,6,7,8,16,17−ヘキサヒドロ−3H,14H−15,17a−エタノ−13,9−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−5,6,16,17−テトラヒドロ−3H,14H−15,17a−エタノ−13,9−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチル−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチル−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,9,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[5,1−d][1,5,10]トリアザシクロヘプタデシン−3,8(5H)−ジオン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,9H−14,16a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H−16,18a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H,9H−16,18a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9,10,11,12,13,14,15,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H−14,16a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,16,17−ヘキサヒドロ−3H,10H−15,17a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H−16,18a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,15,16,18,19−オクタヒドロ−3H,10H−17,19a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,16,17,19,20−デカヒドロ−3H−18,20a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,15,16,17,18,20,21−デカヒドロ−3H,10H−19,21a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロノナデシン−3−オン、
(16S,17aR)−1−(シクロヘキシルアミノ)−16−メチル−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3Η−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
(18S,19aR)−1−(シクロヘキシルアミノ)−18−メチル−9,10,11,12,13,14,15,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9−メチレン−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9−メチル−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン
またはその医薬的に許容され得る塩に関する。
【0026】
本発明はまた、治療有効量の式(I)の実施形態の化合物を投与することによるβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患(例えば、アルツハイマー病)の哺乳動物の治療方法に関する。
【0027】
本発明はまた、有効量の式(I)の実施形態の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物に関する。
【0028】
本発明は更に、式(I)の実施形態の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を薬用担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒト及び動物におけるβ−セクレターゼ酵素活性を阻害するための薬剤または組成物の製造方法に関する。
【0029】
1つの実施形態では、本発明は、治療有効量の式(I)の実施形態の化合物を投与することによるBACE1酵素活性の阻害方法に関する。
【0030】
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の式(I)の実施形態の化合物を投与することによるBACE2酵素活性の阻害方法に関する。
【0031】
本発明はまた、式(I)の実施形態の化合物またはその医薬的に許容され得る塩を薬用担体または希釈剤と組み合わせることを含むヒトにおけるアルツハイマー病を治療するための薬剤または組成物の製造方法に関する。
【0032】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルキル」は、指定されている炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐鎖状炭化水素基を意味する(例えば、C1−10アルキルは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を意味する)。本発明で使用するのに適したアルキル基は1〜6個の炭素原子を有するC1−6アルキル基である。アルキル基の例にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が含まれる。
【0033】
用語「アルキレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したアルキル基を意味する。
【0034】
用語「−Cアルキル−C6−12アリール」中の用語「Cアルキル」または「Cアルキレン」は結合を指す。
【0035】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルケニル」は、1つの炭素−炭素二重結合及び指定されている炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐鎖状炭化水素基を意味する(例えば、C2−10アルケニルは2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する)。本発明で使用するのに適したアルケニル基は2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルケニル基である。アルケニル基の例にはエテニル及びプロペニルが含まれる。
【0036】
用語「アルキニレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したアルケニル基を意味する。
【0037】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アルキニル」は、1つの炭素−炭素三重結合及び指定されている炭素原子数を有する飽和直鎖または分岐鎖状炭化水素基を意味する(例えば、C2−10アルキニルは2〜10個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する)。本発明で使用するのに適したアルキニル基は2〜6個の炭素原子を有するC2−6アルキニル基である。アルキニル基の例にはエチニル及びプロピニルが含まれる。
【0038】
用語「アルキニレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したアルキニル基を意味する。
【0039】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「シクロアルキル」は、指定されている炭素原子数を有する飽和環式炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは3〜12個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する)。本明細書中で使用されている用語「シクロアルキル」には単環式、二環式及び三環式飽和炭素環、並びに架橋及び縮合環炭素環(例えば、スピロ縮合環系)が含まれる。
【0040】
本発明で使用するのに適したシクロアルキル基は3〜8個の炭素原子を有する単環式C3−8シクロアルキル基である。単環式シクロアルキル基の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれる。架橋シクロアルキル基の例にはアダマンチル及びノルボルニルが含まれる。縮合シクロアルキル基の例にはデカヒドロナフタレンが含まれる。
【0041】
用語「シクロアルキレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したシクロアルキル基を意味する。
【0042】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「シクロアルケニル」は、1つのC=C二重結合及び指定されている炭素原子数を有する飽和環式炭化水素基を意味する(例えば、C3−12シクロアルケニルは3〜12個の炭素原子を有するシクロアルケニル基を意味する)。
【0043】
本発明で使用するのに適したシクロアルケニル基は3〜8個の炭素原子を有する単環式C3−8シクロアルケニル基である。単環式シクロアルケニル基の例にはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が含まれる。
【0044】
用語「シクロアルケニレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したシクロアルケニル基を意味する。
【0045】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「ヘテロ環式」は、環炭素原子の1つ以上がヘテロ原子(例えば、NまたはO)で置換されている上に定義したシクロアルキル基を意味する。本発明で使用するのに適した非芳香族ヘテロ環式基にはピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル及びイミダゾリジニルが含まれる。ある実施形態では、本発明で使用するためのヘテロ環式基は4〜8個の環原子及び1個の窒素または酸素ヘテロ原子を有する。
【0046】
上に定義したヘテロ環式基が置換されている場合、置換基はヘテロ環式基の環炭素原子、または置換を可能にする原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合され得る。同様に、ヘテロ環式基が本明細書中で置換基として定義されている場合には、結合点はヘテロ環式基の環炭素原子、または置換を可能にする原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)上にあり得る。
【0047】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「アリール」は、指定されている炭素原子数を有する芳香族または環式基を意味する(例えば、C6−10アリールは6〜10個の炭素原子を有するアリール基を意味する)。用語「アリール」には多環系(例えば、縮合環系)及び単環系が含まれ、分子の一部が芳香族であり、一部が非芳香族である多環系も含まれる。本発明で使用するのに適した単環アリール基はフェニルである。適当な縮合環アリール基にはナフチル、テトラヒドロナフチル及びインダニルが含まれる。
【0048】
用語「アリーレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したアリール基を意味する。
【0049】
用語「ハロ」または「ハロゲン」にはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードが含まれる。
【0050】
本明細書中でそれ自体または別の置換基の一部として使用されている用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(O、NまたはS)を有する芳香族環式基を意味する。用語「ヘテロアリール」には多環系及び単環系が含まれる。ヘテロアリール基の例は5〜12個の環原子を有する。ヘテロアリール基の例にはピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、インダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、インジニル及びベンゾオキサゾリルが含まれる。
【0051】
用語「ヘテロアリーレン」は、2つのラジカルを有する上に定義したヘテロアリール基を意味する。
【0052】
本明細書中に定義したヘテロアリール基が置換されている場合、置換基はヘテロアリール基の環炭素原子、または置換を可能にする原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合され得る。同様に、ヘテロアリール基が本明細書中で置換基として定義されている場合には、結合点はヘテロアリール基の環炭素原子、または置換を可能にする原子価を有する環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)上にあり得る。
【0053】
本明細書中で使用されている用語「ベータ−セクレターゼ」または「β−セクレターゼ」は、文献中でときどき「BACE」、「BACE1」(例えば、Vassarら,1999,Science,286:735−741参照)または「BACE2」(例えば、Farzanら,2000,PNAS,97:9712−9717参照)として公知の酵素を指す。BACE1は501アミノ酸の膜結合アスパラギン酸プロテアーゼである。BACE1はβ−セクレターゼの公知の機能特性及び特徴をすべて有している。Asp−1またはメマプシン−1とも称されるBACE2は膜結合アスパラギン酸プロテアーゼのBACEファミリーの第2メンバーである。BACE1とBACE2の違いを更に検討するためには、Roggo,Current Topics in Medicinal Chemistry,2002,2:359−370を参照されたい。
【0054】
本発明の化合物はBACE1酵素及びBACE2酵素の両方の阻害剤である。
【0055】
式(I)を有する化合物は少なくとも1つの不斉中心を有する。分子上の各種置換基の種類に応じて追加の不斉中心が存在することがある。
【0056】
不斉中心を有する化合物によりエナンチオマー(光学異性体)及び/またはジアステレオマー(立体配置異性体)が生ずる。混合物の形態(純粋なまたは部分的に精製されている化合物として)の考えられるエナンチオマー及びジアステレオマーのすべてが式(I)の範囲に含まれる。
【0057】
本明細書中に記載されている化合物は1つ以上の二重結合を含み得、よってシス/トランス異性体及び他の立体配置異性体が生じ得る。式(I)を有する化合物は上記した考えられる異性体のすべて及び前記異性体の混合物を含む。
【0058】
式(I)は、特定位置での明確な立体化学なしに上に示されており、式(I)を有するすべての立体異性体及びその医薬的に許容され得る塩を含む。
【0059】
エナンチオマーまたはジアステレオマーに富む化合物の独立合成またはそのクロマトグラフ分離は、本明細書中に記載されている方法を適当に修飾することにより当業界で公知のようになされ得る。その絶対立体化学は結晶性生成物、または所要により公知の絶対配置を有する不斉中心を含む試薬を用いて誘導体化される結晶性中間体をX線結晶学にかけることにより決定され得る。
【0060】
所望により、化合物のラセミ混合物は、個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーが単離されるように分離され得る。この分離は当業界で公知の方法により、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後、標準方法(例えば、分別結晶またはクロマトグラフィー)により個々のジアステレオマーを分離する。カップリング反応はしばしばエナンチオマー的に純粋な酸または塩基を用いる塩の形成である。次いで、ジアステレオマー誘導体は、付加したキラル残基を切断することにより純粋なエナンチオマーに変換され得る。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を用いるクロマトグラフ方法によっても直接分離され得、この方法は当業界で公知である。
【0061】
或いは、化合物のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、公知の立体配置を有する光学的に純粋な出発物質または試薬を用いて当業界で公知の方法により立体選択的に合成することにより得られ得る。
【0062】
本発明の化合物は、以下のスキーム1.1〜3.2に概説されている一般合成方法、並びに本明細書中の中間体及び実施例により製造され得る。
【0063】
スキーム1.1は、タイプ1.1dの環化前中間体の製造を記載している。保護ピペリジノンコア1.1a、Rを有するイソシアニド及びリンカーを有するアミン塩酸塩が関与する4成分ウギカップリング反応により、コアスピロピペリジンテンプレート1.1bを得ることができる。保護基(PG)を除去し、アルキル化または還元アミノ化すると、タイプ1.1dの環化前中間体が得られる。
【0064】
【化5】

【0065】
スキーム1.2は各種大環状化手順を記載している。アルケンをヒドロホウ素化した後、分子内スズキタイプカップリングすると、タイプ1.2aのシクロアルキルが生ずる。内部アルケニル炭素に対してヒドロホウ素化して、環外メチルを示す異性体構造を製造することも可能であることに留意されたい。或いは、分子内ヘックカップリングすると、異性体構造1.2b〜dが生ずる。最後に、芳香族ハライドをネギシまたはスティルカップリングにより更に加工すると、追加のアルケンを有する鎖が生じ、これを閉環メタセシス(RCM)方法を用いて大環状化すると、タイプ1.2eの化合物が生ずる。化合物1.2b〜eは二重結合水素化を受けると対応の飽和大環状化合物1.2f〜hが生ずることに留意されたい。
【0066】
【化6】

【0067】
スキーム1.3は環化前側鎖へのエステルの取り込みを記載している(1.3a)。芳香族ハライドを対応のメチル−アミン部分に変換した後、加水分解し、マクロラクタム化すると、タイプ1.3bのマクロラクタムが生ずる。アミド結合還元によりタイプ1.3cの対応するアミンが得られることに留意されたい。
【0068】
【化7】

【0069】
スキーム2.1は、ストレッカー反応による中央コアを製造する代替モードを提供する。ピペリジノン1.1a、官能化アニリン及びTMSCNを組み合わせると、タイプ2.1aの中間体が生ずる。トリクロロアセチルイソシアネートを介して尿素カルボニルを導入した後、アセチル加水分解し、シアノ部分で環化すると、イミノ誘導体2.1bが生ずる。Rを有するアミンの導入、保護基の除去及びアルキル化により、環化前駆体2.1dが生ずる。
【0070】
【化8】

【0071】
スキーム2.2は、スキーム1.2に記載されているのと同様の方法でのタイプ2.1dの構造物の大環状分子への加工を記載している。
【0072】
【化9】

【0073】
スキーム3.1は、鎖中に2つの芳香族基を有する大環状分子の製造のための初期ウギ反応を記載している。スキーム1.2に記載されているのと同様にして更に操作すると、タイプ3.1c〜jの大環状分子が製造できる。
【0074】
【化10】

【0075】
スキーム3.1の代わりに、スキーム3.2は、鎖中に2つの芳香族基を有する大環状分子の製造のためのストレッカールートを記載している。このルートは保護ピペリジノンを出発物質とし、スキーム1.2に記載されているのと同様に更に操作すると、タイプ3.2c〜jの大環状分子が製造できる。
【0076】
【化11】

【0077】
用語「実質的に純粋」は、単離された物質が当業界で公知の分析技術によりアッセイして少なくとも90%の純度を有していることを意味する。1つの実施形態では、単離された物質は少なくとも95%の純度を有している。別の実施形態では、単離された物質は少なくとも99%の純度を有している。
【0078】
用語「医薬的に許容され得る塩」は、無機または有機の塩基及び無機または有機の酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性の塩基または酸から製造される塩を指す。本発明の化合物は、遊離塩基形態の化合物中に存在する酸官能基の数に応じてモノ、ジまたはトリス塩であり得る。遊離塩基及び無機塩基から誘導される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、第一マンガン、第二マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が含まれる。アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在し得、水和物の形態であってもよい。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩には、第1級、第2級及び第3級アミン、天然に存在する置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩が含まれる。本発明の化合物が塩基性の場合、塩は無機酸及び有機酸を含めた医薬的に許容され得る非毒性酸から製造され得る。前記酸には、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸,グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が含まれる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0079】
本発明は、有効量の本明細書中に開示されている式(I)〜(III)を有する化合物を投与することを含むβ−セクレターゼ酵素活性またはβ−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(“BACE”)活性の阻害を要する患者または被験者(例えば、哺乳動物)における上記活性の阻害剤としての前記化合物の使用に関する。用語「β−セクレターゼ酵素」、「β−部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素」及び「BACE」は本明細書中で互換可能に使用されている。ヒトに加えて、各種の他の哺乳動物が本発明の方法により治療され得る。
【0080】
本発明の化合物は、アルツハイマー病のリスクを治療、回復、コントロールまたは軽減させるのに使用される。例えば、本発明の化合物はアルツハイマー型認知症を予防するため、及びアルツハイマー型の初期、中期または後期認知症を治療するためにも有用であり得る。本発明の化合物は、アミロイド前駆体タンパク質(APPとも称される)の異常切断により媒介される疾患及びβ−セクレターゼを阻害することにより治療または予防され得る他の状態のリスクを治療、回復、コントロールまたは軽減させるのにも使用され得る。前記状態には、軽度認知障害、21トリソミー(ダウン症候群)、脳アミロイドアンギオパチー、退行性認知症、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性大脳出血(HCHWA−D)、クロイツフェルト・ヤコブ疾患、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上性麻痺、頭部外傷、卒中、膵炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイドーシス、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0081】
本発明の化合物が投与される被験者または患者は通常、β−セクレターゼ活性の阻害を望んでいる男性または女性のヒトであるが、β−セクレターゼ活性の阻害または上記した障害の治療を望んでいる他の哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、家兎、サル、チンパンジーまたは他の類人猿、或いは霊長類も含まれ得る。
【0082】
本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾患または状態の治療において1つ以上の他の薬物と併用され得、こうした薬物の併用はいずれかの薬物の単独よりもより安全であるかまたはより有効である。加えて、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性のリスクを治療、予防、コントロール、回復または軽減させる他の薬物の1つ以上と併用され得る。前記した他の薬物は、当該薬物について一般的に使用されているルート及び量で本発明の化合物と同時にまたは順次投与され得る。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて1つ以上の他の活性成分を含有するものが含まれる。配合剤は、単位投与形態の配合品の一部として、または1つ以上の追加薬物を治療レジメンの一部として別々の剤形で投与するキットまたは治療プロトコルとして投与され得る。
【0083】
本明細書中で使用されている用語「組成物」は、所定の量または比率で特定成分を含む製品及び特定量の特定成分の組合せから直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。医薬組成物に関連するこの用語は、1つ以上の活性成分及び任意の不活性成分からなる担体を含む製品;及び2つ以上の成分の組合せ、複合体化または集合から、1つ以上の成分の解離から、または1つ以上の成分の他のタイプの反応または相互作用から直接または間接的に生ずる製品を包含すると意図される。
【0084】
単位投与またはキットの形態での本発明の化合物と他の薬物の配合剤の例には、抗アルツハイマー病剤、例えば他のβ−セクレターゼ阻害剤またはγ−セクレターゼ阻害剤;グリシン輸送阻害剤;タウリン酸化阻害剤;Aβオリゴマー形成のブロッカー;p25/CDK5阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;PPAR−γアゴニスト、例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン;NK1/NK3受容体アンタゴニスト;イブプロフェンを含めたNSAID;ビタミンE;抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体を含めた抗アミロイド抗体;COX−2阻害剤;抗炎症化合物、例えば(R)−フルルビプロフェン;CB−1受容体アンタゴニストまたはCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質、例えばドキシサイクリン及びリファンピン;N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アンタゴニスト、例えばメマンティン及びネラメキサン;NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体モジュレーター;アセチルコリンエストラーゼ阻害剤、例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン;mGluR5モジュレーター;成長ホルモン分泌促進物質、例えばイブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン;ヒスタミンH3アンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA逆アゴニスト;GABAα5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;カリウムチャネルブロッカー;ニューロンニコチンアゴニスト;P−450阻害剤、例えばリトナビル;或いは、本発明の化合物の効果、安全性、便宜性を高めるかまたは本発明の化合物の望ましくない副作用または毒性を低下させる受容体または酵素に作用する他の薬物との配合剤が含まれる。配合剤の上記リストは例示にすぎず、決して限定的と意図されない。
【0085】
医薬組成物には、本発明の化合物である活性化合物が疾患のプロセスまたは状態に対して所望効果を与えるのに十分な量で含まれている。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物を医薬的に許容され得る担体と混合することにより作成される組成物が含まれる。
【0086】
担体は、投与、例えば経口または(静脈内を含めた)非経口のために所望する製剤の形態に応じて広範囲のいろいろな形態をとり得る。よって、本発明の医薬組成物は経口投与に適したばらばらの単位、例えば各々が所定量の活性成分を含有しているカプセル剤、カシェ剤または錠剤として提供され得る。更に、組成物は散剤、顆粒剤、溶液剤、または水性液体中懸濁液剤、非水性液剤、水中油型エマルジョン剤または油中水型エマルジョン剤として提供され得る。上記した一般的な剤形に加えて、本発明の化合物は制御放出手段及び/またはデリバリーデバイスによっても投与され得る。
【0087】
経口投与用医薬組成物は医薬組成物を製造するために当業界で公知の方法に従って製造され得、この組成物は、医薬的に上品で口にあう製剤を提供するために甘味料、着香料、着色料及び保存料からなる群から選択される1つ以上の物質を含み得る。錠剤は、本発明の化合物を錠剤の製造に適した非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤と混合して含み得る。賦形剤の例は、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチンまたはアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤にコーティングを被せていなくても、胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせて、長期間にわたり持続作用を与えるためにコーティングを公知技術により被せてもよい。
【0088】
本発明の化合物を含有する錠剤は、場合により1つ以上の補助成分または佐剤と一緒に圧縮または成形することにより製造され得る。圧縮錠は、適当な機械において自由流動形態(例えば、粉末または顆粒状)の本発明の化合物を場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性または分散剤と混合して圧縮することにより製造され得る。成形錠は、適当な機械において不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形することにより製造され得る。ある実施形態では、各錠剤は約0.1〜約500mgの活性成分を含有しており、各カシェ剤またはカプセル剤は約0.1〜約500mgの本発明の化合物を含有している。
【0089】
経口投与用組成物は、本発明の化合物が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されてなる硬ゼラチンカプセル剤として、または本発明の化合物が水または油性媒体(例えば、落花生油、流動パラフィンまたはオリーブ油)と混合されてなる軟ゼラチンカプセル剤としても提供され得る。
【0090】
他の医薬組成物には、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性物質を含有している水性懸濁液剤が含まれる。加えて、油性懸濁液剤は、本発明の化合物を植物油(例えば、アラキス油、オリーブ油、ゴマ油または落花生油)または鉱油(例えば、流動パラフィン)中に懸濁させることにより製剤化され得る。油性懸濁液剤は各種賦形剤をも含み得る。本発明の医薬組成物は、賦形剤(例えば、甘味料及び着香料)をも含んでいてもよい水中油型エマルション剤の形態をもとり得る。
【0091】
医薬組成物は、滅菌注射可能水性または油性懸濁液の形態、または前記した滅菌注射可能溶液または分散液を即時調合するための滅菌粉末の形態であってもよい。いずれの場合も、最終注射可能形態は滅菌でなければならず、容易に注射し得るように十分に流動性でなければならない。医薬組成物は製造及び貯蔵の条件下で安定でなければならず、微生物(例えば、細菌及び真菌)の汚染作用から保護されていなければならない。
【0092】
本発明の医薬組成物は、エアゾール剤、クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、ダスティングパウダー等のような局所使用に適した形態であってもよい。更に、組成物は経皮デバイスで使用するのに適した形態であってもよい。これらの製剤は慣用のプロセシング方法により製造され得る。例えば、クリーム剤または軟膏剤は、所望のコンシステンシーを有するクリーム剤または軟膏剤を作成すべく親水性材料及び水を約5〜約10重量%の本発明の化合物と混合することにより製造される。
【0093】
本発明の医薬組成物は、担体が固体である直腸内投与に適した形態であってもよい。適当な担体にはカカオ脂及び当業界で一般的に使用されている他の材料が含まれる。
【0094】
「医薬的に許容され得る賦形剤」、「医薬的に許容され得る希釈剤」、「医薬的に許容され得る担体」及び「医薬的に許容され得る佐剤」は、通常安全であり、毒性もなく、生物学的または他の方法で望ましない医薬組成物を製造する際に使用される賦形剤、希釈剤、担体及び佐剤を意味し、動物用またはヒト医薬用に許容され得る賦形剤、希釈剤、担体及び佐剤が含まれる。明細書及び請求の範囲で使用されている「医薬的に許容され得る賦形剤、希釈剤、担体及び佐剤」には上記賦形剤、希釈剤、担体及び佐剤の1つ以上を含む。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と相容性でなければならず、そのレシピエントにとって有害であってはならないことを意味する。
【0095】
「任意」または「場合により」は、その後に記載されている事象、状況、要件またはエレメントが起こっても起こらなくてもよいこと、及びその記載が当該事象または状況が起こっている例及び起こっていない例を包含することを意味する。例えば、「場合によりアルキルでモノ−またはジ−置換されているヘテロシクロ基」は、アルキルが存在していても存在していなくてもよいことを意味し、その記載がアルキルでモノ−またはジ−置換されているヘテロシクロ基である状況及びアルキルで置換されていないヘテロシクロ基である状況を含む。
【0096】
用語「化合物の投与」または「化合物を投与する」は、治療を要する個人に対して本発明の化合物を個人の身体に導入され得る形態で治療有用な形態及び治療有用な量で与えることを意味する。前記形態には経口剤形、例えば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液剤等;注入可能剤形、例えばIV、IM、IP等;経皮剤形、例えばクリーム剤、ゼリー剤、散剤またはパッチ剤;口腔内剤形;吸入用散剤、スプレー剤、懸濁液剤等;及び直腸内座剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
用語「有効量」または「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医が求めている組織、系、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を引き出す当該化合物の量を意味する。
【0098】
本明細書中で使用されている用語「治療」または「治療する」は、所望の薬理学的及び/または生理学的効果を得るための本発明の化合物の投与を意味する。前記効果は、疾患またはその症状の完全または部分的予防の点での予防であっても、及び/または疾患及び/または該疾患に起因し得る副作用の部分的または完全な治癒の点での治療であってもよい。治療には、(1)疾患の病理または症候を患っているかまたは呈している動物における疾患の抑制(すなわち、病理及び/または症候の更なる発生の停止)、または(2)疾患の病理または症候を患っているかまたは呈している動物における疾患の回復(すなわち、病理及び/または症候の逆転)が含まれる。
【0099】
本明細書中で互換可能に使用されている用語「個人」、「被験者」及び「患者」は哺乳動物を指し、ここにはネズミ、サル、ヒト、哺乳動物耕作用動物、哺乳動物狩猟用動物及び哺乳動物ペットが含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
本発明の化合物を含有する組成物は有利には単位投与形態で提供され得、製薬業界で公知の方法により製造され得る。
【0101】
用語「単位投与形態」は、患者または患者に対して薬物を投与する人が全投与成分が収容されている1つの容器またはパッケージを開けるだけですみ、2つ以上の容器またはパッケージから成分を一緒に混合しなくてもよいようにすべての活性成分及び不活性成分が適当なシステム中で組み合わされている1つの投与を意味する。単位投与形態の典型的な例は、経口投与用錠剤またはカプセル剤、注射用1回投与バイアルまたは直腸内投与用座剤である。この単位投与形態のリストは決して限定的と意図されず、単位投与形態の典型例を表しているにすぎない。
【0102】
本発明を更に説明する前に、本発明はここに記載されている具体的実施形態に限定されず、勿論変更可能であることを理解されたい。本明細書中で使用されている技術用語は具体的実施形態を記載する目的のためだけであり、本発明の範囲は請求の範囲によってのみ限定されるので限定的であると意図されない。
【0103】
値の範囲が与えられている場合、状況が他の方法で明白に指示されていない限り当該範囲の上限と下限の間にある下限の単位の小数第一位までの各々の間の値及びこの範囲の他の指定されているまたはその間の値が本発明に入ると理解されたい。これらのより小さい範囲の上限及び下限は独立してこの小さい範囲に含まれ、指定されている範囲内の具体的に除外されている限界を仮定して本発明の範囲にも包含される。指定されている範囲が限界の1方または両方を含んでいる場合には、ここに含まれている限界の一方または両方を除外した範囲も本発明に含まれる。
【0104】
他の方法で定義されていない限り、本明細書中で使用されている技術的及び科学的用語はすべて本発明が属する業界の当業者が通常理解しているのと同じ意味を有している。本明細書に記載されている方法及び材料に類似または均等の方法及び材料も本発明を実施または試験する際に使用し得るが、好ましい方法及び材料はここに記載されている。本明細書中で挙げられている刊行物はすべて、方法及び/または材料を引用されている刊行物に関連して開示及び記載するために援用により本明細書に含まれるとする。
【0105】
本明細書及び請求の範囲中で使用されている単数形“a”、“and”及び“the”は、状況が他の方法で明確に指示されていない限り複数形を含む。更に、請求の範囲は任意のエレメントを排除するように記載されていることがあると留意されたい。よって、この記述は、請求の範囲のエレメントの詳述に関係する“単に(solely)”、“単に(only)”等独占的用語の使用、或いは“ネガティブな”限定の使用の前提として使用されていると意図される。
【0106】
本明細書中で検討されている刊行物は本願出願前のその開示内容についてのみ提示されている。本発明が先発明によって前記刊行物に先行するに値しないことを容認するものとして見なされるべきものは何もない。更に、記載されている発行日は実際の発行日と異なっている可能性があるので、独立して確認する必要がある。
【0107】
本発明の化合物を含有する組成物は有利には、患者または患者に対して薬物を投与する人が実際の投与形態を調製するための説明書と一緒に活性成分または不活性成分、担体、希釈剤等であり得る2つ以上の成分が用意されているキットとして提供され得る。前記キットには必要なすべての物質及び成分が収容されており、または患者または患者に対して薬物を投与する人が独立して入手しなければならない材料または成分を使用または作成するための説明書を含んでいてもよい。
【0108】
本発明の化合物が適応されるアルツハイマー病または他の疾患のリスクを治療、回復、コントロールまたは軽減させる場合、通常本発明の化合物を動物の体重1kgあたり約0.1〜約100mgの1日用量で投与すると満足な結果が得られる。例えば、化合物は1日1回で、2〜6回/日に分割して、または持続放出形態で投与され得る。全1日用量は約1.0〜約2000mg/kg体重(例えば、約0.1〜約20mg/kg体重)である。70kgの成人の場合、全1日用量は通常約7〜約1,400mgである。この投与レジメンは最適の治療応答を与えるように調節され得る。化合物は1〜4回/日、例えば1〜2回/日のレジメンで投与され得る。
【0109】
単一投与形態を生ずるように担体材料と組み合わされ得る本発明の化合物の量は、治療対象の宿主及び具体的投与モードに応じて異なる。例えば、ヒトに対して経口投与しようとする製剤は有利には約0.005mg〜約2.5gの本発明の化合物を含有し、これは適切で便利な量の担体材料とコンパウンドされている。単位投与形態は通常約0.005〜約1000mgの本発明の化合物、典型的には0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含有し、1日1〜3回投与される。
【0110】
しかしながら、特定患者に対する具体的な用量レベル及び投与頻度は変更可能であり、使用する具体的化合物の活性、該化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、全身健康状態、性別、食事、投与モード及び時間、排泄率、薬物の組合せ、具体的状態の重症度及び治療を受ける宿主を含めた各種要因に依存している。
【0111】
本発明の化合物のβ−セクレターゼ酵素活性の阻害剤としての有用性は当業界で公知の方法により立証され得る。酵素阻害は以下のように調べられる。
【0112】
ECLアッセイ:均一な終点電気化学ルミネッセンス(ECL)アッセイはビオチニル化BACE基質を用いて実施する。基質のKmは100μM以上であり、基質の溶解限界のために測定できない。典型的な反応物は約0.1nM 酵素、0.25μMの基質及びバッファー(50mM NaOAc(pH4.5)、0.1mg/ml BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTA及び1mM デフェロキサミン)を含有し、反応物の全容量は100μlである。反応を30分間進行させた後、25μLの1M トリス−HCl(pH8.0)を添加することにより停止させる。生じた酵素産物のC末端残基を特異的に認識するルテニル化抗体を添加することにより当該産物をアッセイする。ストレプトアビジンを被覆した磁気ビーズを溶液に添加し、サンプルをM−384(メリーランド州ゲーサーズバーグに所在のIgen Inc.)分析にかける。これらの条件下で、10%未満の基質をBACE 1によりプロセッシングする。本研究で使用する酵素は、バキュロウイルス発現系において産生される可溶性(貫膜ドメイン及び細胞質延長部を除く)ヒトタンパク質である。化合物の阻害効力を調べるために、100μMから出発して3倍連続希釈して12濃度の阻害剤を調製する。阻害剤をDMSO中に含む溶液を反応混合物に導入する(最終DMSO濃度=10%)。実験はすべて室温で上記した標準反応条件を用いて実施する。化合物のIC50を測定するために、カーブフィッティングのために4パラメーター式を使用する。解離定数の再現時の誤差は典型的には2倍未満である。
【0113】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイにおいてβ−セクレターゼ酵素を阻害する活性を有し、通常IC50は約1nM〜200μMである。これらの結果は、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用する際の化合物の固有活性を示している。
【0114】
本発明の化合物を製造するための幾つかの方法を本明細書中のスキーム及び実施例において説明する。出発物質は当業界で公知または本明細書中に例示されている手順に従って製造される。下記実施例は本発明をより十分に理解されるように提示されている。これらの実施例は例示にすぎず、本発明を決して限定するものと解釈されるべきでない。
【0115】
中間体I.1.a.1(スキーム1.1)
ラセミ2−メチル−4−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0116】
【化12】

【0117】
ステップ1:ラセミ2−メチル−Cbz−ピペリジノン(2006年7月14日に出願したPCT/US2006/27594に記載されているように合成,50g,202ミリモル)及びBoc−無水物(48.5g,222ミリモル)をEtOAc(800ml)中に含む脱ガス溶液にパールマン触媒(11.36g,81ミリモル)を添加した。反応混合物に水素ガスをパージし、室温で2時間攪拌し、セライトパッドを用いて濾過し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、更に精製することなく保存して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=214。
【0118】
中間体I.1.c.1(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0119】
【化13】

【0120】
ステップ1:4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
Boc−ピペリジノン(1g,5ミリモル)及びテトラブチルアンモニウムシアネート(2.86g,10ミリモル)をMeOH(12mL)中に含む溶液にMeOH(8mL)中のシクロヘキシルシアニド(0.62mL,5ミリモル)及びペンタ−4−エン−1−アミン塩酸塩(732mg,6ミリモル;4−シアノ−ブテンをLAH還元して製造)を1滴ずつ添加した。反応混合物を室温で1.5時間攪拌し、EtOAcで希釈し、水性NaHCO及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc)により精製して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=419。
【0121】
ステップ2:4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル(785mg,1.88ミリモル)をDCM(2mL)中に含む溶液にHCl(1.64mL,6.56ミリモル,4Nジオキサン)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、真空中で濃縮し、DCM中に取り、再び真空中で濃縮して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=319。
【0122】
中間体I.1.c.2(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ヘプタ−6−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0123】
【化14】

【0124】
Boc−ピペリジノン、テトラブチルアンモニウムシアネート、ヘプタ−6−エン−1−アミン塩酸塩及びシクロヘキシルイソシアニドから製造した後、中間体I.1.c.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いてBocを除去した。LRMS(M+1)=347。
【0125】
中間体I.1.c.3(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−オクタ−7−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0126】
【化15】

【0127】
Boc−ピペリジノン、テトラブチルアンモニウムシアネート、オクタ−7−エン−1−アミン塩酸塩及びシクロヘキシルイソシアニドから製造した後、中間体I.1.c.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いてBocを除去した。LRMS(M+1)=361。
【0128】
中間体I.1.c.4(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ヘキサ−5−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0129】
【化16】

【0130】
Boc−ピペリジノン,テトラブチルアンモニウムシアネート、ヘキサ−5−エン−1−アミン塩酸塩及びシクロヘキシルイソシアニドから製造した後、中間体I.1.c.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いてBocを除去した。LRMS(M+1)=333。
【0131】
中間体I.1.d.1(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0132】
【化17】

【0133】
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩(1g,2.56ミリモル,中間体I.1.c.1)をDCE(16mL)中に含む溶液にDCE(0.5mL)中のヒューニッヒ塩基(0.67mL,1.42ミリモル)、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.25g,1.18ミリモル)及び3−ヨード−ベンズアルデヒド(329mg,3.83ミリモル)を1滴ずつ添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、水性NaHCOでクエンチし、EtOAcで2回抽出し、ブラインで洗浄し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,EtOAc)により精製して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=535。
【0134】
中間体I.1.d.2(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ヘプタ−6−エン−1−イル−8−(3−ヨードベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0135】
【化18】

【0136】
中間体I.1.c.2及び3−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体I.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=563。
【0137】
中間体I.1.d.3(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−1−オクタ−7−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0138】
【化19】

【0139】
中間体I.1.c.3及び3−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体I.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=577。
【0140】
中間体I.1.d.4(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0141】
【化20】

【0142】
中間体I.1.c.1及び4−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体I.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=535。
【0143】
中間体I.1.d.5(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−ヘキサ−5−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0144】
【化21】

【0145】
中間体I.1.c.4及び4−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体I.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=549。
【0146】
中間体I.1.d.6(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−ヘプタ−6−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0147】
【化22】

【0148】
中間体I.1.c.2及び4−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体1.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=563。
【0149】
中間体I.1.d.7(スキーム1.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−オクタ−7−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0150】
【化23】

【0151】
中間体I.1.c.3及び4−ヨード−ベンズアルデヒドから中間体1.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=574。
【0152】
中間体I.3.a.1(スキーム1.3)
4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
【0153】
【化24】

【0154】
ステップ1:4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル二塩酸塩
Boc−ピペリジノン及び4−アミノブタン酸メチル塩酸塩から中間体II.1.c.1の製造について記載されているのと類似の方法を用いて製造した後、中間体I.1.c.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いてBocを除去した。
【0155】
ステップ2:4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル二塩酸塩及び4−ヨード−ベンズアルデヒドを中間体I.1.d.1の製造について記載されているのと類似の手順を用いて還元アミノ化した。LRMS(M+1)=567.5。
【0156】
中間体I.3.a.2(スキーム1.3)
4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
【0157】
【化25】

【0158】
ステップ1:4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル二塩酸塩
Boc−ピペリジノン及び4−アミノブタン酸メチル塩酸塩から中間体II.1.c.1の製造について記載されているのと類似の方法を用いて製造した後、中間体I.1.c.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いてBocを除去した。
【0159】
ステップ2:4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル二塩酸塩及3−ヨード−ベンズアルデヒドを中間体I.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて用いて還元アミノ化した。LRMS(M+1)=567.3。
【0160】
中間体II.1.c.1(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0161】
【化26】

【0162】
ステップ1:4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸tertブチル
Boc−ピペリジノン(10g,50.2ミリモル)をアセトニトリル(50mL)中に溶解し、真空中で2回濃縮し、氷酢酸(50mL)中に溶解した。生じた溶液に4−ヨード−アニリン(10.99g,50.2ミリモル)及びトリメチルシリルシアニド(8mL,60.2ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、0℃まで冷却し、50mlの水酸化アンモニウム及び氷水に注ぎ、DCMで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望生成物を紫色泡状物として得た。LRMS(M+1−CN)=401。
【0163】
ステップ2:4−イミノ−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチル
4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(22g,51.5ミリモル)をDCM(150mL)中に含む溶液にトリクロロアセチルイソシアネート(6.12mL,51.5ミリモル)を1滴ずつ添加した。室温で1時間半攪拌した後、トリエチルアミン(7.18mL,51.5ミリモル)、水(4.64mL,257.5ミリモル)及びメタノール(10.43mL,257.5ミリモル)を添加し、反応混合物を40℃で3時間攪拌し、室温まで冷却し、水(200mL)で希釈し、紫色固体を濾紙を用いて濾過し、水及び少量のDCMで洗浄し、風乾して、所望生成物を白色固体として得た。LRMS(M+1)=471。
【0164】
ステップ3:4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
4−イミノ−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチル(10g,21.3ミリモル)をシクロヘキシルアミン(97mL,852ミリモル)及びDMA(100mL)中に含む溶液をアルゴン下、密閉して140℃で3日間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水(1000mL)に注ぎ、濾過し、水で洗浄し、乾燥した後、所望生成物を白色固体として得た。LRMS(M+1)=553。
【0165】
ステップ4:4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル(10.9g,19.7ミリモル)を4N HClジオキサン(99mL,395ミリモル)中に含む懸濁液に少量ずつのDCM及びMeOHを添加して、溶液を得た。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をジエチルエーテルと摩砕し、生成物を濾過により白色固体として単離した。LRMS(M+1)=453。LC分析及びH NMRは未知物質(20%)の存在を示している。標記化合物を後続ステップにおいてそのまま使用し、その後の段階で精製することができる。
【0166】
中間体II.1.c.2(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0167】
【化27】

【0168】
中間体II.1.c.1の製造について記載されているのと類似の方法を用いてBoc−ピペリジノン及び3−ヨード−アニリンから製造した。LRMS(M+1)=453。
【0169】
中間体II.1.c.3(スキーム2.1)
トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
【0170】
【化28】

【0171】
ステップ1:4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−メチル−Boc−ピペリジノン(中間体I.1.a.1,863mg,4.05ミリモル)を氷酢酸(4.05mL)中に溶解した。生じた溶液に4−ヨード−アニリン(.886g,4.05ミリモル)及びトリメチルシリルシアニド(0.647mL,4.86ミリモル)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、0℃まで冷却し、7mlの水酸化アンモニウム及び氷水に注ぎ、DCMで2回抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望生成物を3:1 シス:トランス異性体混合物として得た。LRMS(M+1−CN)=416。
【0172】
ステップ2:4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.668g,3.78ミリモル)及びトリメチルシリルシアニド(.756ml,3.78ミリモル)をMeOH(5.25ml)中に溶解した。反応混合物を70℃に18時間加熱した後、室温まで冷却し、真空中で濃縮した。1:1 シス:トランス異性体混合物に平衡化した後、H NMRにかけた。LRMS(M+1−CN)=416。
【0173】
ステップ3:トランス−4−イミノ−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチル
4−シアノ−4−[(4−ヨードフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.66g,3.76ミリモル)をDCM(37.6mL)中に含む溶液にトリクロロアセチルイソシアネート(0.537mL,4.51ミリモル)を1滴ずつ添加した。室温で1時間半攪拌した後、トリエチルアミン(0.629mL,4.51ミリモル)、水(0.339mL,18.81ミリモル)及びメタノール(0.761mL,257.5ミリモル)を添加し、反応混合物を40℃で3時間攪拌し、室温まで冷却し、水(50mL)で希釈し、紫色固体を濾紙を用いて濾過し、水で洗浄した。次いで、固体をDCM中に溶解し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,2〜18% MeOH/DCM))により精製して、2つの異性体を分離した。2番目に溶離した所望のトランス異性体を真空中で濃縮して、白色固体を得た。LRMS(M+1)=484。
【0174】
ステップ4:トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル
トランス−4−イミノ−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボン酸tert−ブチル(0.5g,1.032ミリモル)をシクロヘキシルアミン(0.591mL,5.16ミリモル)及びDMA(2.5mL)中に含む溶液をアルゴン下密閉して140℃で3日間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷水(1000mL)に注ぎ、濾過し、水で洗浄し、乾燥した後、所望生成物を白色固体として得た。LRMS(M+1)=567。
【0175】
ステップ4:トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩
トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−8−カルボン酸tert−ブチル(0.490g,0.865ミリモル)を4N HClジオキサン(2.162mL,8.65ミリモル)中に含む懸濁液に少量ずつのDCM及びMeOHを添加して、溶液を得た。室温で1時間攪拌した後、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣をジエチルエーテルと摩砕し、生成物を濾過により白色固体として単離した。LRMS(M+1)=469。
【0176】
中間体II.1.d.1(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−8−ノナ−8−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0177】
【化29】

【0178】
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン二塩酸塩(400mg,0.76ミリモル,中間体II.1.c.1)をDMF(6mL)中に含む溶液にジイソプロピルエチルアミン(0.333mL,1.9ミリモル)を添加し、反応混合物を室温で10分間攪拌した。炭酸カリウム(210mg,1.52ミリモル)及び9−ヨードノネン(230mg,0.91ミリモル;9−ヒドロキシノネン、ヨウ素、トリフェニルホスフィン及びイミダゾールから製造)を添加した。反応混合物を密閉して100℃で1時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を真空中で濃縮し、残渣を逆相分取HPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFAを含有するHO,C18)により精製した。所望画分を水性NaHCOで塩基性とし、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望化合物を明褐色固体として得た。LRMS(M+1)=577。
【0179】
中間体II.1.d.2(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−8−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0180】
【化30】

【0181】
中間体II.1.c.1及び5−ヨードペンテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=521。
【0182】
中間体II.1.d.3(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−ヘキサ−5−エン−1−イル−1−(4−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0183】
【化31】

【0184】
中間体II.1.c.1及び6−ヨードヘキセンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=535。
【0185】
中間体II.1.d.4(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−ヘプタ−6−エン−1−イル−1−(4−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0186】
【化32】

【0187】
中間体II.1.c.1及び7−ヨードヘプテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=549。
【0188】
中間体II.1.d.5(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−8−オクタ−7−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0189】
【化33】

【0190】
中間体II.1.c.1及び8−ヨードオクテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=563。
【0191】
中間体II.1.d.6(スキーム2.1)
8−ブタ−3−エン−1−イル−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0192】
【化34】

【0193】
中間体II.1.c.2及び臭化アリルから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=507。
【0194】
中間体II.1.d.7(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−ヨードフェニル)−8−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0195】
【化35】

【0196】
中間体II.1.c.2及び5−ヨードペンテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=521。
【0197】
中間体II.1.d.8(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−ヘキサ−5−エン−1−イル−1−(3−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0198】
【化36】

【0199】
中間体II.1.c.2及び6−ヨードヘキセンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=535。
【0200】
中間体II.1.d.9(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−ヘプタ−6−エン−1−イル−1−(3−ヨードフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0201】
【化37】

【0202】
中間体II.1.c.2及び7−ヨードヘプテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=549。
【0203】
中間体II.1.d.10(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−ヨードフェニル)−8−オクタ−7−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0204】
【化38】

【0205】
中間体II.1.c.2及び8−ヨードオクテンから中間体I1.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=563。
【0206】
中間体II.1.d.11(スキーム2.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−ヨードフェニル)−8−ノナ−8−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0207】
【化39】

【0208】
中間体II.1.c.2及び9−ヨードノネンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=577。
【0209】
中間体II.1.d.12
トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−8−ヘキサ−5−エニル−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0210】
【化40】

【0211】
中間体II.1.c.3及び6−ブロモヘキセンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=549。
【0212】
中間体II.1.d.13(スキーム2.1)
トランス−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−7−メチル−8−オクタ−7−エニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0213】
【化41】

【0214】
中間体II.1.c.3及び6−ブロモオクテンから中間体II.1.d.1の製造において記載されているのと類似の手順を用いて製造した。LRMS(M+1)=577。
【0215】
中間体III.1a.1(スキーム3.1)
1−(4−ヨードベンジル)ピペリジン−4−オン
【0216】
【化42】

【0217】
3L容量のフラスコに4−ピペリジノン水和物(10.4g,60.8ミリモル)、KCO(45g,326ミリモル)、アセトニトリル(2000mL)及びNaI(0.49g,3.3ミリモル)を充填した。攪拌しながら、混合物に臭化4−ヨードベンジル(17.5g,58.8ミリモル)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、粗いガラスフリットを用いて濾過し、濾液を濃縮すると、25gの粗生成物が生じた。高温のヘキサン中EtOAcから再結晶して、11g(53%)の精製した生成物を橙色結晶として得た。LRMS(M+1)=316。
【0218】
中間体III.1b.1(スキーム3.1)
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−(4−ビニルフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
【0219】
【化43】

【0220】
1−(4−ヨードベンジル)ピペリジン−4−オン(上記からのIII.3.1a.1,3.0g,9.5ミリモル)及びシクロヘキシルイソシアニド(1.05g,9.5ミリモル)の0℃メタノール(15mL)溶液にtert−ブチルアンモニウムイソシアネート(4.05g,14.3ミリモル)を添加した後、4−アミノスチレン塩酸塩をMeOH(1mL)溶液として1滴ずつ15分間かけて添加した。混合物を室温まで3日間加温した。混合物をジクロロメタン(20mL)及び水(10mL)で希釈した。有機層を単離し、ブラインで洗浄し、濃縮乾固した。シリカ(0〜10% MeOH/CHCl)を用いる自動クロマトグラフィー精製して、1.36gの生成物を得た。LRMS(M+1)=569。
【実施例】
【0221】
実施例1(スキーム1.2)
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H,15H−16,18a−エタノ−14,10−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン
【0222】
【化44】

【0223】
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(200mg,0.37ミリモル,中間体I.1.d.1)を脱ガスTHF(7mL)中に含む溶液に9−BBN(2.62mL,0.78.31ミリモル,THF中0.5M)を添加し、反応混合物を75℃で1.5時間攪拌した。次いで、反応混合物をシリンジを用いてPd(PPh(43mg,0.037ミリモル)を3N NaOH(20.8mL,62.5ミリモル)及び脱ガスTHF(40mL)中に含む溶液に移した。反応混合物を密閉して85℃で16時間攪拌し、真空中で半分に濃縮し、EtOAcとブラインに分配した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、残渣を逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有ΗO,C18)により精製した。所望画分を水性NaHCOで塩基性とし、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.27(t,J=7.5Hz,2H),7.14(d,J=7.5Hz,1H),7.01(d,J=7.5Hz,1H),4.85(bs,1H),3.92(s,2H),3.94−3.80(m,1H),3.06−2.98(m,2H),2.85−2.68(m,6H),2.06−1.96(m,2H),1.86−1.56(m,10H),1.49−1.30(m,4H),1.24−1.06(m,4H)。HRMS 計算値(C2536O)[M+H]:409.2962;測定値:409.2956。
【0224】
実施例2及び3(スキーム1.2)
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン及び(7Z)−1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,13,15,16−テトラヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン
【0225】
【化45】

【0226】
トリフルオロメタンスルホン酸銀(385mg,1.5ミリモル)、ヒューニッヒ塩基(0.29mL,1.65ミリモル)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(34mg,0.04ミリモル)及び(R)−(+)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(46mg,0.75ミリモル)を脱ガスDMA(130mL)中に含む溶液を室温で30分間攪拌した。DMA(20mL)中の4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−ペンタ−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−オン(400mg,0.75ミリモル,中間体I.1.d.4)を1滴ずつ添加し、反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、THFに取り、セライトを用いて濾過し、真空中で濃縮し、逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有ΗO,C18)により精製して、所望生成物を得た。
【0227】
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.41(d,J=7.9Hz,2H),7.34(d,J=7.9Hz,2H),5.15(s,1H),5.09(d,J=1.4Hz,1H),4.96(bs,1H),4.02(s,2H),3.92−3.82(m,1H),3.32−3.15(m,4H),2.65−2.55(m,2H),2.45−2.38(m,2H),2.02−1.92(m,2H),1.75−1.52(m,4H),1.45−0.92(m,10H)。HRMS 計算値(C2534O)[M+H]:407.2806;測定値:407.2805。
【0228】
(7Z)−1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,13,15,16−テトラヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン:H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.46(d,J=8.1Hz,2H),7.22(d,J=8.1Hz,2H),5.48(td,J=7.3Hz,1.3Hz,1H),4.94(bs,1H),4.02(s,2H),3.94−3.82(m,1H),3.34−3.16(m,4H),2.62−2.52(m,2H),2.14(s,3H),2.02−1.94(m,2H),1.92−1.82(m,2H),1.68−1.56(m,2H),1.42−1.10(m,8H),1.00−0.92(m,2H)。HRMS 計算値(C2534O)[M+H]:407.2806;測定値:407.2806。
【0229】
実施例4(スキーム1.2)
(8E)−1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン
【0230】
【化46】

【0231】
ステップ1:8−(3−アリルベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(3−ヨードベンジル)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(920mg,1.72ミリモル,中間体I.1.d.1)及びトランス−ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(121mg,0.17ミリモル)を脱ガスDMF(11.5mL)中に含む溶液にアリルトリ−n−ブチル錫(0.61mL,1.98ミリモル)を一度に添加した。反応混合物を密閉して90℃で16時間攪拌し、EtOAcで希釈し、水性LiClで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(90gシリカゲル,EtOAc)により精製して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=449。
【0232】
ステップ2:(8E)−1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン
8−(3−アリルベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−ペンタ−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(270mg,0.60ミリモル)をDCE(12mL)中に含む溶液にNeolyst Mlメタセシス触媒(111mg,0.12ミリモル)を添加し、反応混合物を密閉して65℃で16時間攪拌した。1N HCl(0.6mL,0.6ミリモル)を添加し、反応混合物を密閉して65℃で16時間攪拌し、真空中で濃縮し、逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有ΗO,C18)により精製して、所望生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.35−7.22(m,2H),7.16(s,1H),7.03(d,J=7.1Hz,1H),5.74(dt,J=15.2Hz,5Hz,1H),4.97(dt,J=15.2Hz,7Hz,1H),4.04(bs,2H),3.92−3.78(m,1H),3.35−3.22(m,4H),2.95−2.65(m,4H),2.15−1.05(m,18H)。HRMS 計算値(C2636O)[M+H]:421.2962;測定値:421.2961。
【0233】
実施例5(スキーム1.2)
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−α][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン
【0234】
【化47】

【0235】
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン(実施例6)の製造において記載されているのと類似の手順を用いて1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン(実施例2)を水素化して製造した。ΗRMS 計算値(C2536O)[M+H]:409.2962;測定値:409.2958。
【0236】
実施例6(スキーム1.2)
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン
【0237】
【化48】

【0238】
(8E)−1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン(8mg,0.019ミリモル,実施例4)をEtOAc(0.16ml)及びMeOH(0.032mL)中に含む溶液を脱ガスし、アルゴンをパージし、ここに炭素担持10% パラジウム(0.2mg,0.02ミリモル)を添加し、反応混合物を1気圧H下室温で4時間攪拌した。反応混合物を濾過し、真空中で濃縮し、濃縮し、逆相分取HPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有HO,C18)により精製して、所望生成物を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.25(t,J=7.5Hz,1H),7.20(s,1H),7.10(d,J=7.5Hz,1H),7.06(d,J=7.5Hz,1H),4.01(s,2H),3.72−3.68(m,1H),3.03−2.94(m,2H),2.90−2.82(m,2H),2.72−2.66(m,2H),2.60(bt,J=13Hz,2H),2.09(td,J=13.9Hz,5.4Hz,2H),1.94−1.84(m,2H),1.82−1.62(m,6H),1.56−1.45(m,2H),1.42−1.16(m,8H),1.05−0,95(m,2H)。HRMS 計算値(C2638O)[M+H]:423.3119;測定値:423.3128。
【0239】
実施例7(スキーム1.3)
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,10,15,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[5,1−d][1,5,10]トリアザシクロヘキサデシン−3,8(9H)−ジオン
【0240】
【化49】

【0241】
ステップ1:4−[8−(4−シアノベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
4−[4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル(中間体I.3.a.1,150mg,0.29ミリモル)、シアン化亜鉛(24mg,0.20ミリモル)をDMF(3mL)中に含む溶液にテトラキス(33mg,0.03ミリモル)を添加した。生じた溶液を80℃で16時間攪拌した。16時間後、反応混合物を濾過し、真空中で濃縮し、逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有ΗO,C18)により精製して、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=466.6。
【0242】
ステップ2:4−[8−[4−(アミノメチル)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル
ラネーニッケル(144mg,1.68ミリモル,水中スラリー)をアルゴン雰囲気下に置いた。4−[8−(4−シアノベンジル)−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル(260mg,0.56ミリモル)をアンモニア飽和メタノール(5mL)中に溶解し、ラネーニッケル溶液に添加した。室温で4時間後、完全な変換が達成され、スラリーをセライトを用いて濾過し、エタノールで濯いだ。濾液を真空中で濃縮して、黄色油状物を得た。LRMS(M+1)=470.5。
【0243】
ステップ3:4−[8−[4−(アミノメチル)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸
4−[8−[4−(アミノメチル)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸メチル(265mg,0.56ミリモル)をメタノール及びTHFの1:1溶液中に溶解し、生じた溶液に室温で1N LiOH(1.7mL,1.7ミリモル)を添加した。3時間後、反応は完全な変換に達し、生じた溶液を1N HCl(1.7mL,1.7ミリモル)で中和し、真空中で濃縮して、白色固体を得た。LRMS(M+1)=455.3。
【0244】
ステップ4:1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,10,15,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[5,1−d][1,5,10]トリアザシクロヘキサデシン−3,8(9H)−ジオン
4−[8−[4−(アミノメチル)ベンジル]−4−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−イル]ブタン酸(215mg,0.47ミリモル)をアルゴン雰囲気下でDMF(10mL)中に溶解した。BOP(250mg,0.57ミリモル)を1度に添加し、生じた溶液を室温で攪拌した。4時間後、完全な変換に達し、反応物をEtOAcで希釈し、LiCl(×3)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。生じた油状物を逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有ΗO,C18)により精製して、所望生成物を白色固体として得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 7.45(d,J=6.6Hz,2H),7.25(d,J=6.6Hz,2H),4.2(s,2H),3.9(s,2H),3.85(m,1H),3.75(m,1H),3.70(m,2H),3.15(m,1H),2.8(m,3H),2.39(t,J=8.2Hz,2H),1.30−1.02(m,17H)。HRMS 計算値(C2535O)[M+H]:438.2864;測定値:438.2866。
【0245】
実施例8(スキーム2.2)
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,16,17,19,20−デカヒドロ−3H,9H−18,20a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン
【0246】
【化50】

【0247】
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(4−ヨードフェニル)−8−ノナ−8−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(150mg,0.26ミリモル,中間体II.1.d.1)を脱ガスTHF(3mL)中に含む溶液に9−BBN(1.56mL,0.78ミリモル,THF中0.5M)を添加し、反応混合物を70℃で2時間攪拌した。次いで、反応混合物をシリンジを用いてPd(PPh(30mg,0.026ミリモル)を3N NaOH(14.4mL,42.8ミリモル)及び脱ガスTHF(40mL)中に含む溶液に移した。反応混合物を密閉して85℃で18時間攪拌し、水性塩化アンモニウムで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をセライトを用いて濾過し、真空中で濃縮し、残渣を逆相分取ΗPLC(5〜95% MeCN/0.1% TFA含有HO,C18)により精製した。所望画分を水性NaHCOで塩基性とし、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮して、所望化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.22(d,J=6.4Hz,2H),7.15(d,J=6.4Hz,2H),5.29(bs,1H),4.30−3.92(m,1H),2.70−2.64(m,2H),2.56−2.46(m,2H),2.38−2.26(m,4H),2.14−2.03(m,6H),2.00−1.90(m,2H),1.78−1.69(m,2H),1.69−1.58(m,2H),1.47−1.36(m,2H),1.30−1.02(m,14H)。HRMS 計算値(C2842O)[M+H]:451.3432;測定値:451.3403。
【0248】
実施例9(スキーム3.1)
2−(シクロヘキシルアミノ)−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,19.01.5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン
【0249】
【化51】

【0250】
4−(シクロヘキシルアミノ)−8−(4−ヨードベンジル)−1−(4−ビニルフェニル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカ−3−エン−2−オン(860mg,1.5ミリモル,中間体III.3.1b.1)を含有する0℃の脱ガスTHF(10mL)溶液に9−BBN(0.5M THF,6.0mL,3.0ミリモル)を1滴ずつ添加した。容器を室温まで加温した後、70℃で40分間加熱した。反応物を脱ガスTHF(290mL)及び脱ガス3.2N NaOH(70mL)で希釈した。二相混合物にPd(PPh(346mg,0.3ミリモル)を添加し、反応物を65℃で2時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、EtOAc(200mL)及び水(200mL)で希釈した。層を分離し、水性層をEtOAcでもう2回抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、2gの粗な物質を得た。CHCl中10% MeOHを用いるフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製し、溶媒を除去し、更に真空中で乾燥すると、546mgの半精製物質が生じた。RP−HPLC(95/5→5/95 HO/AcCN+0.1% TFA,YMC C18カラム)により更に精製すると、2つの分離可能な生成物が生じた。第1のより極性の生成物(15mg)は標記実施例III.3.1c.1と同定された。H NMR(400MHz,MeOD)δ 6.90(dd,J=8.0,2.0Hz,4H),6.73(dd,J=8.2,2.0Hz,4H),3.74(m,1H),3.70(s,2H),3.17(m,4H),2.41(bd,J=11.2Hz,2H),2.07−1.92(m,7H),1.80−1.65(m,6H),1.39−1.30(m,4H)。HRMS 計算値(C2834O)[M+H]:443.2806;測定値:443.2802。
【0251】
実施例10(スキーム3.1)
2−(シクロヘキシルアミノ)−15−メチル−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,19.01,5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン
【0252】
【化52】

【0253】
III.3.1c.1を製造するための上記反応において第2生成物として単離された。不完全な9−BBN還元及びその後の還元アルファ−ヘック反応の結果として形成された。RP−HPLCで第2の余り極性でないピークとして単離された(10mg)。H NMR(400MHz,MeOD)δ 7.25(td,J=8.0,2.0Hz,2H),7.11(dt,J=10.2,2.8Hz,2H),6.85(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),6.80(dq,J=8.0,2.0Hz,2H),6.75(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),4.32(q,J=7.6Hz,1H),3.74(m,1H),3.68(s,2H),2.32(bd,J=10.4Hz,2H),1.95(m,10H),1.78(bd,J=12.8Hz,2H),1.67(bd,J=12.8Hz,1H),1.33(m,2H),1.22(t,J=7.2Hz,3H)。HRMS 計算値(C2834O)[M+H]:443.2806;測定値:443.2801。
【0254】
【表1】





【0255】
明細書を通じて以下の略語が使用されている:
Me:メチル、
Et:エチル、
Bu:ブチル、
t−Bu:tert−ブチル、
i−Bu:イソブチル、
Pr:プロピル、
i−Pr:イソプロピル、
Ar:アリール、
Ph:フェニル、
Bn:ベンジル、
Cbz:カルボベンジルオキシ、
LAH:水素化アルミニウムリチウム、
DCM:ジクロロメタン、
DCE:ジクロロエタン、
DMA:ジメチルアセトアミド、
BOP:ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル、
TFA:トリフルオロ酢酸、
THF:テトラヒドロフラン、
Ac:アセチル、
aq:水性、
rt:室温、
h:時、
min:分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化53】

[式中、
Xは、
(1)N、及び
(2)CR(ここで、R
(a)水素、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−C3−7シクロアルキル、
(d)−C0−6アルキル−アリール、
(e)−C0−6アルキル−ヘテロアリール、
(f)ハロ、及び
(g)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基
からなる群から選択され、前記したアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル、
(iii)−OC1−6アルキル、及び
(iv)−NO
で置換されている)
からなる群から選択され;
は、
(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキル、
(6)−C3−12シクロアルケニル、
(7)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(8)アリール、及び
(9)ヘテロアリール
からなる群から選択され、前記したアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ環式、アリールまたはヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)−O−CH−アリール、
(h)アリール、
(i)ヘテロアリール,
(j)−NR6A6B(ここで、R6A及びR6Bは(i)水素及び(ii)−C1−6アルキルからなる群から選択される)、
(k)−NR6AC(=O)R6B
(1)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(m)−SO1−3アルキル、
(n)−SONR6A6B
(o)−NR6ASO1−3アルキル、
(p)−C(=O)−O−R6A
(q)−C(=O)NR6A6B
(r)−C(=O)R6A、及び
(s)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−C1−6アルキル(ここで、アルキルは場合により1個以上のハロゲンで置換されている)、
(iii)−O−C1−6アルキル、及び
(iv)−NO
で置換されており;
は、
(1)−C1−4アルキレン、
(3)−C2−4アルケニレン、
(4)−C2−4アルキニレン、
(5)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキレン、
(6)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、
(7)アリーレン、及び
(8)ヘテロアリーレン
からなる群から選択され、前記したアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロ環式基、アリーレンまたはヘテロアリーレンR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)−C0−6アルキル−アリール(ここで、前記アリールは場合により1個以上のハロで置換されている)、
(h)−C0−6アルキル−ヘテロアリール、
(i)−NC(=O)−NR6A6B
(j)−NC(=O)−C1−3アルキル−NR6A6B
(k)−NR6AC(=O)R6B
(l)−NR6A6B
(m)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子であるヘテロ環式基、及び
(n)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環式部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−OC1−10アルキル、
(vi)−SO1−3アルキル、
(vii)−SONR6A6B
(viii)−NR6ASO1−3アルキル、
(ix)−C(=O)−O−R6A、及び
(x)−C(=O)NR6A6B
で置換されており;
は、
(1)−C1−4アルキレン、
(2)−C2−4アルケニレン、
(3)−C2−4アルキニレン、
(4)環炭素原子の1または2個が場合により−Si(C1−6アルキル)−基で置換されている−C3−12シクロアルキレン、
(5)−C0−4アルキレン−C3−12シクロアルケニレン、
(6)−C0−4アルキレン−フェニレン、及び
(7)C0−4アルキレン−ヘテロアリーレン
からなる群から選択され、前記したアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、フェニレンまたはヘテロアリーレンR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C3−12シクロアルキル、
(g)−O−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)4〜8個の環原子を有し、1個の環原子は窒素、硫黄及び酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である−O−C3−12ヘテロ環式、
(j)アリール、
(k)ヘテロアリール、
(1)−NR6A6B、及び
(m)−Si(C1−6アルキル)
で置換されており、前記したアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロ環式、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−OC1−10アルキル、
(vii)−NR6A6B
(viii)−C2−6アルケニル、
(ix)−C1−6ハロアルキル、
(x)−SO1−3アルキル、
(xi)−SONR6A6B、及び
(xii)−CONR6A6B
で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル、及び
(3)−C2−4アルケニル
からなる群から選択され、前記したアルキルまたはアルケニルR基は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−C1−6アルキル、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−C(=O)−R(ここで、Rは(i)水素、(ii)OH、(iii)−C1−6アルキル、(iv)−OC1−6アルキル及び(v)アリールからなる群から選択される)、
(g)−NR(ここで、R及びRは(i)水素及び(ii)−C1−6アルキルからなる群から選択される)、及び
(h)−S(O)−C1−6アルキル(ここで、nは0、1または2である)
で置換されており;
Yは、
(1)−O−、
(2)−NR−、
(3)−S(O)−(ここで、pは0、1または2である)、
(4)−C(=O)−NR−、
(5)−NR−C(=O)−、
(6)−C1−5アルキレン、及び
(7)−C2−5アルケニレン
からなる群から選択され、前記したアルキレンまたはアルケニレンY部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)OH、
(iii)−CN、
(iv)−C3−12シクロアルキル、
(v)−C1−10アルキル、
(vi)−OC1−10アルキル、及び
(vii)−C2−4アルケニル
で置換されている]
を有する化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
XがNである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
XがCRである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】

(1)−C1−10アルキル、及び
(2)−C3−12シクロアルキル
からなる群から選択され、前記したアルキルまたはシクロアルキルR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、及び
(c)−CN
で置換されている請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
【請求項5】
が場合により置換されている−C1−4アルキレンまたはフェニレンからなる群から選択される請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
が−C1−4アルキレンまたは−C0−4アルキレン−フェニレンからなる群から選択される請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
が水素またはメチルからなる群から選択される請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
Yが
(1)−C1−4アルキレン、
(2)−C(=O)NR、または
(3)−NR−C(=O)−
からなる群から選択される請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
がC1−4アルキレンであり、YがC1−5アルキレンまたはC2−5アルケニレンであり、Rがベンジルである請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がC1−4アルキレンであり、Yが−C(=O)−NR−または−NR−(=O)−であり、Rがベンジレンである請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がフェニルであり、YがC1−5アルキレンまたはC2−5アルケニレンであり、RがC1−4アルキレンまたはC2−4アルケニレンである請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
式(I)を有する化合物は式(II)
【化54】

(式中、X、R、R、R及びYは請求項1に定義されている通りである)
を有する化合物である請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項13】
式(I)を有する化合物は式(III)
【化55】

(式中、X、R、R、R及びYは請求項1に定義されている通りである)
を有する化合物である請求項1に記載の化合物及びその医薬的に許容され得る塩。
【請求項14】
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H,15H−16,18a−エタノ−14,10−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
(7Z)−1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,13,15,16−テトラヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
(8E)−1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−6,7,8,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,5H−14,16a−エタノ−9,12−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,10,15,17,18−ヘキサヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[5,1−d][1,5,10]トリアザシクロヘキサデシン−3,8(9H)−ジオン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,16,17,19,20−デカヒドロ−3H,9H−18,20a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
2−(シクロヘキシルアミノ)−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,9.01,5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン、
2−(シクロヘキシルアミノ)−15−メチル−3,5,21−トリアザヘキサシクロ[19.2.2.26,9.211,14.216,19.01,5]ヘントリアコンタ−2,6,8,11,13,16,18,26,28,30−デカエン−4−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,11,19,20−オクタヒドロ−3H,5H,17H−18,20a−エタノ−16,12−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,11,12,20,21−デカヒドロ−3H,18H−19,21a−エタノ−17,13−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロノナデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−10,13−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−5,6,7,8,9,10,11,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−12,15−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,8,9,10,11,12,17,19,20−デカヒドロ−3H,5H−18,20a−エタノ−13,16−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチレン−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチレン−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチレン−5,6,7,8,16,17−ヘキサヒドロ−3H,14H−15,17a−エタノ−13,9−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−8−メチル−5,6,16,17−テトラヒドロ−3H,14H−15,17a−エタノ−13,9−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチル−6,7,8,9,10,15,17,18−オクタヒドロ−3H,5H−16,18a−エタノ−11,14−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10−メチル−5,6,7,8,9,10,18,19−オクタヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−6,7,9,10,18,19−ヘキサヒドロ−3H,16H−17,19a−エタノ−15,11−(メテノ)イミダゾ[5,1−d][1,5,10]トリアザシクロヘプタデシン−3,8(5H)−ジオン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H,9H−14,16a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H−16,18a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H,9H−16,18a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9,10,11,12,13,14,15,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,15,16−ヘキサヒドロ−3H−14,16a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロテトラデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,16,17−ヘキサヒドロ−3H,10H−15,17a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,17,18−オクタヒドロ−3H−16,18a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘキサデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,15,16,18,19−オクタヒドロ−3H,10H−17,19a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロヘプタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−10,11,12,13,14,15,16,17,19,20−デカヒドロ−3H−18,20a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−11,12,13,14,15,16,17,18,20,21−デカヒドロ−3H,10H−19,21a−エタノ−9,5−(メテノ)イミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロノナデシン−3−オン、
(16S,17aR)−1−(シクロヘキシルアミノ)−16−メチル−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3Η−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
(18S,19aR)−1−(シクロヘキシルアミノ)−18−メチル−9,10,11,12,13,14,15,16,18,19−デカヒドロ−3H−17,19a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロオクタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9−メチレン−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン、
1−(シクロヘキシルアミノ)−9−メチル−9,10,11,12,13,14,16,17−オクタヒドロ−3H−15,17a−エタノ−5,8−エテノイミダゾ[1,5−a][1,5]ジアザシクロペンタデシン−3−オン
からなる群から選択される請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項15】
治療有効量の請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含む医薬組成物。
【請求項16】
治療有効量の請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を含むアルツハイマー病を治療するための医薬組成物。
【請求項17】
アルツハイマー病を治療するための請求項15または16に記載の医薬組成物の使用。
【請求項18】
アルツハイマー病の治療用薬剤を製造するための請求項1から14のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体の使用。
【請求項19】
アルツハイマー病の治療を要する患者に対して治療有効量の請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る担体を投与することを含む前記患者のアルツハイマー病の治療方法。

【公表番号】特表2010−505833(P2010−505833A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−531431(P2009−531431)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/021207
【国際公開番号】WO2008/045250
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】