説明

アルツハイマー病治療のための3,4−置換ピロリジンβ−セクレターゼ阻害剤

本発明は、


β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用であり、またアルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用な、式(I)の3,4−置換ピロリジン化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物から構成される医薬組成物、およびそうしたβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、β−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用であり、またアルツハイマー病などのβ−セクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用な、3,4−置換ピロリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
アルツハイマー病は、細胞外プラークおよび細胞内神経原線維変化の形態での脳内のアミロイドの蓄積によって特徴付けられる。アミロイド蓄積の速さは、生成、凝集および脳からの排出の速さの関数である。アミロイド斑の主成分は、ずっと大きなサイズの前駆物質タンパク質のタンパク質分解産物である、4kDアミロイドタンパク質(βA4、これ以外にAβ、β−タンパク質およびβAPとも呼ばれる。)であることが、一般に受け入れられている。アミロイド前駆体タンパク質(APPまたはAβPP)は、大きな外部ドメイン、膜貫通領域および短い細胞質側末端を有する受容体様の構造を持つ。Aβドメインには、APPの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインの両方の部分が含まれるため、その放出は、そのNH末端およびCOOH末端を生成するための二つの異なるタンパク質分解性イベントの存在を意味する。膜からAPPを放出し、可溶性のAPPのCOOH−切断形(APP)を生成する分泌機序には、少なくとも二通りが存在する。APPおよびその断片を膜から遊離するプロテアーゼは、「セクレターゼ」という。ほとんどのAPPは、Aβタンパク質内で切断されてα−APPを遊離し、損傷のないAβの遊離を妨げる推定上のα−セクレターゼにより遊離される。微量のAPPは、β−セクレターゼ(「β−セクレターゼ」)により遊離され、これがAPPのNH末端付近で切断して、Aβドメイン全体を含むCOOH末端断片(CTF)を生じる。
【0003】
こうして、β−セクレターゼまたはβ部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素(「BACE」)の活性が、アルツハイマー病の特徴であるAPPの切断、Aβの産生、および脳内のβ−アミロイド斑の蓄積を引き起こす(『R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368』、『H.Fukumoto et al,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389』、『J.T.Huse et al,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,issue of May 3,2002,pp.16278−16284』、『K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp.702−708,2002』を参照)。従って、β−セクレターゼまたはBACEの抑制が可能な治療薬は、アルツハイマー病治療に有用であり得る。
【0004】
本発明の化合物は、β−セクレターゼまたはBACEの活性を抑制し、それ故に不溶性Aβの生成を予防し、Aβの産生を阻止することにより、アルツハイマー病の治療に有用である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368
【非特許文献2】H.Fukumoto et al,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389
【非特許文献3】J.T.Huse et al,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,issue of May 3,2002,pp.16278−16284
【非特許文献4】K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp.702−708,2002
【発明の概要】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、一般式(I)の化合物
【0007】
【化1】

およびその医薬として許容される塩に関し、これらはβ−セクレターゼ酵素の阻害剤として有用である。
【0008】
本発明はまた、治療的に有効な量の式(I)の化合物またはその医薬として許容される塩、および医薬として許容される担体を含む医薬組成物に関する。本発明はまた、アルツハイマー病など、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患について哺乳類を治療する方法、およびそうした疾患の治療における本発明の化合物および医薬組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(発明の詳細の記述)
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表現される3,4−置換ピロリジン化合物、ならびにそれらの医薬として許容される塩に関する。
【0010】
【化2】

はフェニルであり、任意に1個以上の
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
で置換されており、
前記のアルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
式中R6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結し2から6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、
またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキル
からなる群から選択され、
は水素またはメチルであり、

(1)水素
(2)C1−6アルキル、
(3)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(4)−(CHアリール、
(5)ヘテロアリール、
(6)−O−C1−6アルキル、
(7)−C(=O)−OR6C、および
(8)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基からなる群から選択され、ならびに
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環またはヘテロアリールR部分は、任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)−O−C1−6アルキル、
(g)−O−CH−アリール、
(h)アリール、
(i)ヘテロアリール、
(j)−NR6A6B
(k)−NR6AC(=O)R6B
(l)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、
(m)−SO1−3アルキル、
(n)−SONR6A6B
(o)−CONR6A6B、および
(p)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基
で置換され、
Xは
(1)−CR−O−CR
(2)−CRCR−O−R10
(3)−CR
(4)−CRCR
(5)−CRCRCR10
(6)−CR=CRCR
(7)−CRCRCR10CR1112
からなる群から選択され、
およびRは独立的に
(1)水素、
(2)アリール、
(3)ヘテロアリール、
(4)C1−6アルキル、
(5)C2−6アルキレン、
(6)OH
(7)−C3−7シクロアルキル、
(8)−(CHアリール、
からなる群から選択され、
前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのRおよびR部分は任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のハロゲンで置換される。)、
(c)−O−C1−6アルキル、および
(d)−NO
で置換され、
あるいはRおよびRは互いに連結して、3−6個の環炭素原子の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換され、
、R、R、R、R、R10、R11およびR12
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)OH
(4)−(CHアリール
からなる群から独立的に選択され、
前記アルキルまたはアリール部分は任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−O−C1−6アルキル、および
(d)−アリール、
で置換され、
前記アルキルまたはアリールは任意に1個以上のハロで置換され、
あるいはRおよびR、またはRおよびR、またはRおよびR10、またはR11およびR12は互いに連結して5−10個の環炭素原子の芳香族または非芳香族のスピロ環式基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄で置換され、
あるいはRおよびR、およびRおよびRは互いに連結して5−10個の環炭素原子の縮合芳香族または非芳香族の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄で置換され、
あるいはRおよびRは互いに連結して5−10個の環炭素原子の芳香族または非芳香族の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換され、
mは0、1または2であり、
nは0、1、2または3であり、
pは0または1である。
【0011】
一実施形態において、Yはフェニルであって、1個以上の
(1)−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のフルオロで置換される。)、
(2)ハロゲン、および
(3)−O−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のフルオロで置換される。)で置換される。
【0012】
別の実施形態において、Yはフェニルであって、1個以上のフェニルで置換され、前記フェニルは任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−C2−6アルケニル、
(f)−C3−6シクロアルキル、
(g)−O−C1−6アルキル、
(h)−O−(CH)p−アリール、
(i)アリール、
(j)ヘテロアリール、
(k)−NR6A6B
(l)−C(=O)−R6C
(m)−C(=O)−NR6A6B
(n)−NR6A(C=O)R6B
(o)−C(=O)−OR6C
(p)−NSO6A6B
(q)−SO−R6C、および
(r)−(SO)NR6A6Bで置換される。
【0013】
例示的なYフェニル基には、2−メチルフェニル、2−ブロモフェニル、4’−エトキシビフェニル−2−イル、2−クロロフェニル、2−メトキシフェニル、ビフェニル−2−イル、2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)、2’−フルオロビフェニル、4’−カルボニトリル−ビフェニル−2−イル、3’−カルボニトリル−ビフェニル−2−イル、3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−イル、3’−メタンスルホンアミド−ビフェニル−2−イル、2−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)フェニル、4’−フルオロ−2’−メチルビフェニル−2−イル(ylk)、2−(3−チエニル)−フェニル、(2’−ベンジルオキシ)ビフェニル−2−イル、4’−イソブチル−ビフェニル−2−イル、1−メチル−1H−インドール−2−フェニル、4’−メチルスルホニル−ビフェニル−2−イル、4’−(モルホリン−4−イルカルボニル)ビフェニル−2−イル、4’−(N−シクロプロピル−カルボキサミド)−ビフェニル−2−イル、4’−N−メチルアミン−ビフェニル−2−イル、4’−オキシアセトニトリル−ビフェニル−2−イル、2−(6−クロロピリジン−3−イル)−フェニル、2−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)フェニル、2−(3−フリル)フェニル、2−(ピリジン−2−オール)−フェニル、2−(1−メチルプロパ−1−エン−1−イル)フェニル、ビフェニル−4’−オール−2−イル、4’−メチルビフェニル−2−イル、4’−フルオロビフェニル−2−イル、4’−エチルカルボキシラート−ビフェニル−2−イル、4’−アセトアミド−ビフェニル−2−イル、2−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)フェニル、4’−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル、4’−tertブチルビフェニル−2−イル、3’−プロポキシビフェニル−2−イル、3’−イソプロポキシビフェニル−2−イル、4’−イソプロポキシビフェニル−2−イル、4’−プロポキシビフェニル−2−イル、4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル、2’−メチル−4’−プロポキシビフェニル−2−イル、4’−フェノキシビフェニル−2−イル、2’−フルオロ−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−2−イル、2−[(1E)−プロパ−1−エン−1−イル]フェニル、2−アリルフェニル、2−(1H−ピロール−2−イル)−フェニル、4−ピリジン−フェニル−2−イル、5−ピリミジン−フェニル−2−イル、3−ピリジン−フェニル−2−イル、5−(2−クロロ)−ピリジン−フェニル−2−イル、2−(1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−(1−(3−メチルブチル)−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−(1−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−シクロヘキサ−1−エン−1−イルフェニル、2−シクロプロプリフェニル、2−(2−チエニル)フェニル、1−ベンゾフラン−2−イル−フェニル、3−ブロモフェニル、2−シアノフェニル、3−(メトキシメチル)フェニル、3−シアノフェニル、3−(2−メトキシエチル)フェニルおよび4−(N,N−ジメチル)−フェニルが含まれる。
【0014】
一実施形態において、Yは水素である。
【0015】
一実施形態において、R
(1)フェニル、および
(2)ベンジルからなる群から選択される。
【0016】
一実施形態において、Xは
(1)−CR−O−CR−、
(2)−CRCR−O−R10−、
(3)−CRCR−、および
(4)−CRCRCR10−からなる群から選択される。
【0017】
適切なR1AおよびR1Bアルキル基には、メチル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチルおよびエチルが含まれる。
【0018】
適切なR1AおよびR1Bアルケニル基には、プロペニルが含まれる。
【0019】
適切なR1AおよびR1Bハロ基には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
【0020】
適切なR1AおよびR1Bアルコキシ基には、メトキシおよびエトキシが含まれる。
【0021】
適切なR1AおよびR1Bヘテロアリール基には、テトラゾリル、ベンゾジオキサン、チエニル、フリル、インドリル、ピリジル、イソオキサゾリルおよびピリジニルが含まれ、これらはどれも任意に上記のとおりに置換される。
【0022】
例示的なRアルキル基には、メチル、フルオロメチル、エチルおよびイソプロピルが含まれる。
【0023】
例示的なRシクロアルキル基には、シクロプロピルが含まれる。
【0024】
例示的なRアリール基には、フェニル、4−メトキシフェニル、3,5−ジクロロフェニルおよび4−クロロフェニルが含まれる。
【0025】
例示的なRアルキルアリール基には、ベンジルおよびフェニルエチルが含まれる。
【0026】
例示的なRおよびR基にはフェニルが含まれる。
【0027】
本発明はまた、治療的に有効な量の式(I)のいずれかの実施態様の化合物を投与することによる、アルツハイマー病など、β−セクレターゼ酵素が関与する疾患について哺乳類を治療する方法に関する。
【0028】
本発明はまた、有効量の式(I)のいずれかの実施態様の化合物またはその医薬として許容される塩、および医薬として許容される担体が含まれる医薬組成物に関する。
【0029】
本発明はさらに、式(I)のいずれかの実施態様の化合物またはその医薬として許容される塩を医薬担体または希釈剤と混合することを含む、ヒトおよび動物においてβ−セクレターゼ酵素活性を抑制するための薬剤または組成物を製造する方法に関する。
【0030】
一実施形態において、本発明は、治療的に有効な量の式(I)のいずれかの実施態様の化合物を投与することにより、BACE1酵素活性を抑制する方法に関する。
【0031】
別の実施形態において、本発明は、治療的に有効な量の式(I)のいずれかの実施態様の化合物を投与することにより、BACE2酵素活性を抑制する方法に関する。
【0032】
本発明はまた、式(I)のいずれかの実施態様の化合物またはその医薬として許容される塩を医薬担体または希釈剤と混合するこを含む、ヒトにおいてアルツハイマー病を治療するための薬剤または組成物を製造する方法に関する。
【0033】
式(I)の化合物の属内には、亜属の式(II)の化合物のがある。
【0034】
【化3】

式中R1AおよびR1B
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
からなる群から選択され、
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結して2−6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキルである。
【0035】
式(I)の化合物の属内には、亜属の式(III)の化合物がある。
【0036】
【化4】

式中R1A
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
からなる群から選択され、
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結し2−6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、
またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキルである。
【0037】
式(III)の化合物の特定の実施形態において、R1Aはフェニルであって、これは任意に上記のとおり置換される。
【0038】
式(I)の化合物の属内には、亜属の式(IV)の化合物およびその医薬として許容される塩がある。
【0039】
【化5】

式中R1A、R1B、R、RおよびRは、上記されている。
【0040】
式(I)の化合物の属内には、亜属の式(V)の化合物およびその医薬として許容される塩がある。
【0041】
【化6】

式中R1A、R1BおよびRは、上記されている。
【0042】
式(I)の化合物の属内には、亜属の式(VI)の化合物およびその医薬として許容される塩がある。
【0043】
【化7】

式中Y、Y、RおよびRは、上記されている。
【0044】
別の実施形態において、本発明は、本明細書中に記載した実施例1〜138の化合物またはその医薬として許容される塩に関する。
【0045】
本明細書で使用される、用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定した数の炭素原子を持つ、飽和した直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C1−10アルキルは、1個〜10個の炭素原子を持つアルキル基を意味する。)。本発明での使用に適切なアルキル基は、1個〜6個の炭素原子を持つC1−6アルキル基である。例示的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびこれに類するものが含まれる。
【0046】
用語「アルキレン」は、2個のラジカルを持つ上記に定義したアルキル基を意味する。
【0047】
例えば、用語「−Cアルキル−C6−12アリール」での用語「Cアルキル」または「Cアルキレン」は、結合を意味する。
【0048】
本明細書で使用される、用語「アルケニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、単一の炭素−炭素二重結合および指定した数の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルケニルは2個〜10個の炭素原子を持つアルケニル基を意味する。)。本発明での使用に適切なアルケニル基は、2個〜6個の炭素原子を持つC2−6アルケニル基である。例示的なアルケニル基には、エテニルおよびプロペニルが含まれる。
【0049】
用語「アルキニレン」は、2個のラジカルをを持つ上記で定義したアルケニル基である。
【0050】
本明細書で使用される、用語「アルキニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、単一の炭素−炭素三重結合および指定した数の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖の炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C2−10アルキニルは、2個〜10個の炭素原子を持つアルキニル基を意味する。)。本発明での使用に適切なアルキニル基は、2個〜6個の炭素原子を持つC2−6アルキニル基である。例示的なアルキニル基には、エチニルおよびプロピニルが含まれる。
【0051】
用語「アルケニレン」は、2個のラジカルを持つ上記に定義したアルキニル基を意味する。
【0052】
本明細書で使用される、用語「シクロアルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定した数の炭素原子を持つ飽和した環状炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C3−12シクロアルキルは3個〜12個の炭素原子を持つシクロアルキル基を意味する。)。本明細書で使用される、シクロアルキルという用語には、単環式、二環式および三環式の飽和炭素環、ならびにスピロ縮合環系などの架橋環および縮合環の炭素環が含まれる。
【0053】
本発明での使用に適切なシクロアルキル基は、3個〜8個の炭素原子を持つ単環式C3−8シクロアルキル基である。例示的な単環式のシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびこれに類するものが含まれる。例示的な架橋シクロアルキル基には、アダマンチル(adamantly)およびノルボルニルが含まれる。例示的な縮合シクロアルキル基には、デカヒドロナフタレンが含まれる。
【0054】
用語「シクロアルキレン」は、2個のラジカルを持つ上記で定義したシクロアルキル基(cycloalkly group)を意味する。
【0055】
本明細書で使用される、「シクロアルケニル」という用語は、それ自体または別の置換基の一部として、単一のC=C二重結合および指定した数の炭素原子を持つ飽和した環状炭化水素ラジカルを意味する(例えば、C3−12シクロアルケニルは、3個〜12個の炭素原子を持つシクロアルケニル基を意味する。)。
【0056】
本発明での使用に適切なシクロアルケニル基は、3個〜8個の炭素原子を持つ単環式C3−8シクロアルケニル基である。例示的な単環式シクロアルケニル基には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびこれに類するものが含まれる。
【0057】
用語「シクロアルケニレン」は、2個のラジカルを持つ上記で定義した「シクロアルケニル」基を意味する。
【0058】
本明細書で使用される、用語「複素環」は、それ自体または別の置換基の一部として、上記で定義したシクロアルキル基を意味し、1個以上の環炭素原子がヘテロ原子(NまたはOなど)で置換されたものである。本発明での使用に適切な非芳香族複素環式基には、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニルおよびイミダゾリルジニルが含まれる。一定の実施形態において、本発明で使用する複素環式基は、4個〜8個の環原子および1個のヘテロ原子(窒素または酸素)を持つ。
【0059】
本発明で定義した複素環式基が置換されるとき、置換基は、複素環式基の環炭素原子に、または置換を許容する価数を持つ環ヘテロ原子(つまり、窒素、酸素または硫黄)に結合されうる。同様に、複素環式基が本発明で置換基として定義されているとき、結合点は、複素環式基の環炭素原子か、または結合を許容する価数を持つ環ヘテロ原子(つまり、窒素、酸素または硫黄)でありうる。
【0060】
本明細書で使用される、用語「アリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、指定した数の炭素原子を持つ芳香族または環式のラジカルを意味する(例えば、C6−10アリールは6個〜10個の炭素原子を持つアリール基を意味する。)。用語「アリール」には、多環系(縮合環系など)、ならびに単環系が含まれ、かつ分子の一部が芳香族であり一部が非芳香族である多環系が含まれる。本発明での使用に適切な単環アリール基はフェニルである。適切な縮合環アリール基には、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルが含まれる。
【0061】
用語「ハロ」または「ハロゲン」には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
【0062】
本明細書で使用される、用語「ヘテロアリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、少なくとも1個の環ヘテロ原子(O、NまたはS)を持つ芳香族環状基を意味する。用語「ヘテロアリール」には、多環系および単環系が含まれる。例示的なヘテロアリール基は、5個〜12個の環原子を持つ。例示的なヘテロアリール基には、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、インダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、インジニルおよびベンゾオキサゾリルが含まれる。
【0063】
本発明で定義したヘテロアリール基が置換されるとき、置換基は、ヘテロアリール基の環炭素原子に、または置換を許容する価数を持つ環ヘテロ原子(すなわち、窒素、酸素または硫黄)に結合されうる。同様に、ヘテロアリール基が、本発明で置換基として定義されるとき、結合点は、ヘテロアリール基の環炭素原子、または結合を許容する価数を持つ環ヘテロ原子(つまり、窒素、酸素または硫黄)でありうる。
【0064】
本明細書で使用される、用語「ベータセクレターゼ」または「β−セクレターゼ」は、文献で時には「BACE」、「BACE1」(例えば、『Vassar et al.,1999,Science 286:735−741』を参照)、または「BACE2」(例えば、『Farzan et al.,2000,PNAS 97:9712−9717』)として知られている酵素を意味する。BACE1は501アミノ酸膜結合型アスパラギン酸プロテアーゼである。BACE1は、β−セクレターゼの既知のすべての機能的な特性および特性を持つ。BACE2は、Asp−1またはメマプシン1とも呼ばれ、アミノ酸膜結合型アスパラギン酸プロテアーゼのBACEファミリーの第二のメンバーである。BACE1とBACE2との違いについてのさらなる考察については、『Roggo,Current Topics in Medicinal Chemistry,2002,2:359−370』を参照。
【0065】
本発明の化合物は、BACE1およびBACE2の両方の酵素の阻害剤である。
【0066】
式(I)の化合物は、少なくとも一つの不斉中心を持つ。分子上のさまざまな置換基の性質に応じて、追加的な不斉中心が存在することもある。
【0067】
不斉中心を持つ化合物は、エナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)またはその両方を生じる。混合物内の考えられるすべてのエナンチオマーおよびジアステレオマー(純粋または部分的に精製された化合物として)は、式(I)の範囲内に含まれる。
【0068】
本明細書で説明した化合物には、一つ以上の二重結合が含んでいてもよく、またそのためシス/トランス異性体、ならびにその他の立体配置異性体が生じてもよい。式(I)の化合物には、こうした考えられるすべての異性体、ならびにこうした異性体の混合物も含まれる。
【0069】
式(I)は、上記では一定位置での明確な立体配置なしに図示している。図示した図(I)には、式(I)のすべての立体異性体、およびその医薬として許容される塩が含まれる。
【0070】
鏡像異性的またはジアステレオ選択的に濃縮した化合物の独立的な合成、またはそれらのクロマトグラフィーによる分離は、本明細書で開示した方法に適切な修正をすることで、当技術分野で周知のとおり達成しうる。その絶対的立体配置は、必要に応じて、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶性生成物または結晶性中間体のX線結晶学により決定しうる。
【0071】
希望する場合には、化合物のラセミ混合物は、個別のエナンチオマーまたはジアステレオマーが単離されるように分離される。分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物に結合させてジアステレオマー混合物を形成し、その後で分別再結晶またはクロマトグラフィーなどの標準方法で個別のジアステレオマーを分離するなど、当技術分野で既知の方法により遂行できる。共役反応は、鏡像異性的に純粋な酸または塩基を使用した塩の生成であることがよくある。次に追加されたキラル残基の切断により、ジアステレオ異性誘導体を純粋なエナンチオマーに変換してもよい。化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用したクロマトグラフ法により、直接的に分離することもできるが、この方法は当技術分野では既知である。
【0072】
別の方法として、ある化合物の任意のエナンチオマーまたはジアステレオマーは、当技術分野で既知の方法により、配置が既知の光学的に純粋な出発物質または試薬を使用した立体選択的合成により得ることができる。
【0073】
用語「実質的に純粋」は、当技術分野で既知の分析技術により評価して、単離した物質が少なくとも90%純粋であることを意味する。一実施形態において、単離した物質は、少なくとも95%純粋である。別の実施形態において、単離した物質は少なくとも99%純粋である。
【0074】
「医薬として許容される塩」という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸を含む、医薬として許容される非中毒性の塩基または酸から調製した塩をいう。本発明の化合物は、化合物からの遊離塩基に存在する酸の機能性数に応じて、一塩、二塩または三塩であり得る。無機塩基に由来する遊離塩基および塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛、およびこれに類するものが含まれる。特定の塩は、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、およびナトリウム塩である。固体形態の塩は2つ以上の結晶構造で存在することがあり、また水和物の形態でもありうる。医薬として許容される有機非中毒性の塩基に由来する塩には、一級アミン、二級アミン、および三級アミンの塩、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびにアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンおよびこれに類するものなどの塩基性イオン交換樹脂が含まれる。本発明の化合物が塩基性のとき、塩は無機酸および有機酸を含む医薬として許容される非中毒性の酸から調製しうる。こうした酸には、酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、およびこれに類するものが含まれる。特定の塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、および酒石酸である。
【0075】
本発明は、有効量の化合物の投与を含む、β−セクレターゼ酵素活性またはアミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素(「BACE」)活性の阻害剤として、そうした阻害を必要とする、患者または被験者(哺乳動物など)における本発明で開示した式(I)〜(III)の化合物の使用に関する。用語「β−セクレターゼ酵素」、「アミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素」、および「BACE」は、本明細書では交換可能な意味で使用される。ヒトに加えて、本発明の方法に従い、さまざまなその他の哺乳類を治療できる。
【0076】
本発明の化合物は、アルツハイマー病の治療、改善、管理またはリスク低減において有用性を有する。例えば、化合物は、アルツハイマー型の痴呆の予防に、ならびに初期段階、中間段階または末期段階のアルツハイマー型の痴呆の治療に有用でありうる。化合物は、アミロイド前駆体タンパク質(APPともいう)の異常切断により媒介される疾患、およびβ−セクレターゼの阻害により治療または予防しうるその他の状態の治療、改善、管理またはリスク低減においても有用でありうる。こうした状態には、軽度の認知障害、Trisomy 21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性痴呆、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血症(HCHWA−D)、クロイツフェルト・ヤコブ病、プリオン障害、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、脳卒中、膵炎、封入体筋炎、その他の末梢性アミロイド症、糖尿病およびアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0077】
本発明の化合物の投与対象となる被験者または患者は、一般にβ−セクレターゼ酵素活性の阻害が望ましいとされるヒト(男性または女性)であるが、β−セクレターゼ酵素活性の阻害または上記記載の障害の治療が望まれる、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジーまたはその他の類人猿または霊長類などのその他の哺乳類も含まれうる。
【0078】
本発明の化合物は、本発明の化合物が、薬物を一緒に組み合わせることによりいずれかの薬物単体でよりも安全または効果的であるという有用性を持つ、疾患または状態の治療において、一つ以上のその他の薬物と組み合わせて使用することもできる。さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物の副作用または毒性を治療、阻止、管理、改善、またはリスク低減する一つ以上のその他の薬物と組み合わせて使用することもできる。こうしたその他の薬物は、そのために一般的に使用される経路および量で、本発明の化合物と同時的または経時的に投与しうる。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、一つ以上のその他の有効成分も含有するものが含まれる。組み合わせは、単位剤形の配合剤の一部として、または一つ以上の追加的薬物が治療法の一部として別の剤形で投与されるキットあるいは治療プロトコルのとして投与しうる。
【0079】
本明細書で使用される、用語「組成物」は、あらかじめ決定された量または比率で特定の成分を含む製品、ならびに特定の成分を指定された量で組み合わせることで直接的または間接的に生じる任意の製品を含むことが意図される。医薬組成物と関連した場合のこの用語は、一つ以上の有効成分、および不活性の成分を含む任意の担体を含む製品生成物、ならびに直接的もしくは間接的に、二つ以上の成分の組み合わせ、複合体形成または凝集により、または一つ以上の成分の解離により、または一つ以上の成分の他の種類の反応もしくは相互作用により生じる任意の生成物を含むことが意図される。
【0080】
単位用量またはキットのいずれかの形態での他の薬物との本発明の化合物の組み合わせの例としては、抗アルツハイマー病薬(例えば、他のベータセクレターゼ阻害剤またはガンマセクレターゼ阻害剤);グリシン輸送阻害剤、タウリン酸化阻害剤;Aβオリゴマー生成遮断薬;p25/CDK5阻害剤;HMG−CoAリダクターゼ阻害剤;PPARγ作動薬(ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンなど);NK1/NK3受容体拮抗薬;NSAID(イブプロフェンを含む);ビタミンE;抗アミロイド抗体(抗アミロイド抗体ヒト化モノクローナル抗体を含む);COX−2阻害剤;抗炎症性化合物((R)−フルルビプロフェンなど);CB−1受容体拮抗薬またはCB−1受容体逆作用薬;抗生物質(ドキシサイクリンおよびリファンピンなど);N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬(メマンチンおよびネラメキサンなど);NR2B拮抗薬;アンドロゲン受容体修飾因子;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル、およびタクリンなど);mGluR5修飾因子;成長ホルモン分泌促進物質(イブタモレン、メシル酸イブタモレン、およびカプロモレリンなど);ヒスタミンH拮抗薬;AMPA作動薬;PDE IV阻害剤;GABA逆作動薬;GABA α 5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;カリウムチャネル遮断薬;ニューロンニコチン作動薬;P−450阻害剤(リトナビルなど);あるいは本発明の化合物の効力、安全性、便利さを向上させるか、またはその望ましくない副作用もしくは毒性を低減する受容体または酵素に影響をおよぼすその他の薬物との組み合わせが含まれる。上記の組み合わせのリストは例証のみを目的とし、いかなるかたちでも限定することは意図していない。
【0081】
医薬組成物において、本発明の化合物である有効な化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対して望ましい効果をもたらすために十分な量が含まれる。従って、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物および医薬として許容される担体を混合することにより生成される任意の組成物が含まれる。
【0082】
投与、例えば、経口または非経口的(静脈内を含む)に対して望ましい調剤形態に応じて、担体は非常に多様な形態をとりうる。従って、本発明の医薬組成物は、それぞれ予定した量の有効成分を含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤など経口投与にとって適切な個別の単位で提供できる。さらに、組成物は、粉末として、顆粒として、溶液として、水性液体中の懸濁液として、非水性液として、水中油乳濁液として、または油中水型乳濁液として提供できる。さらに、上記に挙げた一般的な剤形に加えて、本発明の化合物、徐放性の手段および/または送達装置により投与しうる。
【0083】
経口用として意図される医薬組成物は、医薬組成物の製造技術で既知の任意の方法に従い調製ができ、またこうした組成物には、薬剤として的確で口当たりのよい製剤を提供する目的で、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤から構成される群から選択される一つ以上の薬剤が含まれうる。錠剤には、錠剤の製造に適切な毒性のない医薬として許容される賦形剤と混合した発明の化合物が含まれる。例えば、これらの賦形剤は、不活性希釈液(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど)、顆粒化物質や分解剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)、ならびに潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)などであってもよい。錠剤にはコーティングを施さないことも、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させることでより長期間作用が持続するように既知の技術によりコーティングを施すこともできる。
【0084】
本発明の組成物を含む錠剤は、任意に一つ以上の副成分またはアジュバントとともに、圧縮または成型により調製できる。圧縮した錠剤は、適切な機械中で粉末または顆粒などの自由に流動する状態にある本発明の化合物を圧縮することで調製でき、任意に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤または分散剤と混合することもできる。成型錠剤は、不活性の液体希釈剤で湿らせた粉末の化合物の混合物を適切な機械中で成型することで作成できる。一定の実施形態において、それぞれの錠剤には、約0.1mg〜約500mgの有効成分が含まれ、またそれぞれのカシェ剤またはカプセル剤には、約0.1mg〜約500mgの本発明の化合物が含まれる。
【0085】
経口用の組成物はまた、本発明の化合物が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、または本発明の化合物が水もしくは油媒体、例えばピーナツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセルとして提示することもできる。
【0086】
その他の医薬組成物には、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合して活性材料を含む水性懸濁液が含まれる。さらに、油性懸濁液は、本発明の化合物を植物油、例えばピーナッツ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはやし油中で、または流動パラフィンなどの鉱油中で懸濁することで調整され得る。油性懸濁液はまた、さまざまな賦形剤を含みうる。本発明の医薬組成物はまた、甘味料および香味剤などの賦形剤を含む、水中油乳濁液の形態であってもよい。
【0087】
医薬組成物は、無菌注射水溶液または油性懸濁液の形態、またはこうした滅菌注射用溶液または分散剤を即時に調製するための無菌パウダーの形態であってもよい。あらゆる場合において、最終的な注射用形態は、無菌である必要があり、また注射器で使いやすい効果的な流体である必要がある。医薬組成物は、製造および保管の条件下で安定している必要があり、またバクテリアや菌類などの微生物の汚染活動に対して保護されるべきである。
【0088】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤、または同種のものなど局所使用に適切な形態であることができる。さらに、組成物は経皮的装置での使用に適した形態であることができる。これらの剤形は、従来の加工方法により調製しうる。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性物質および水を、約5wt%〜約10wt%の本発明の化合物と一緒に混合して、希望の濃度を持つクリームまたは軟膏を生成することにより調製される。
【0089】
本発明の医薬組成物はまた、担体が固体である直腸投与に適切な形態であることができる。適切な担体には、カカオバターおよび当技術分野で一般に使用されるその他の材料が含まれる。
【0090】
「医薬品として容認される賦形剤」、「医薬として許容される希釈剤」、「医薬として許容される担体」、および「医薬として許容されるアジュバント」は、一般的に安全で、非中毒性で、生物学的にもそれ以外のかたちでも問題はない医薬組成物の調製において有用な賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントを意味し、また、これには獣医の用途およびヒト医薬の用途用に許容できる賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントが含まれる。本明細書および請求の範囲で使用される、「医薬品として容認される賦形剤、希釈剤、担体およびアジュバント」には、一つおよび複数のそうした賦形剤、希釈剤、担体、およびアジュバントが含まれる。「医薬として許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、製剤形態のその他の成分と適合性があり、かつその受容体に対して有害でないことが必要であることを意味する。
【0091】
「任意の」または「任意に」は、その後に記載した事象、状況、特徴、または要素が、(存在する必要はなくとも)存在することがあり、またその記述には、事象または状況が存在する場合とそれが存在しない場合が含まれる。例えば、「任意にアルキル基で一置換または二置換したヘテロシクロ基」は、アルキルは、かならずしもその必要はないが、存在してもよく、また記述には、ヘテロシクロ基がアルキル基で一置換または二置換である状況、およびヘテロシクロ基がアルキル基で置換されていない状況が含まれる。
【0092】
用語「の投与」または「投与すること」は、錠剤、カプセル、シロップ、懸濁液、およびこれに類するものなどの経口投与剤形、IV、IM、またはIP、およびこれに類するものなどの注射用の剤形、クリーム、ゼリー、粉末、またはパッチなどの経皮的剤形、吸入粉末、噴霧剤、懸濁液、およびこれに類するもの、ならびに直腸用の座薬などを含むが限定されない、治療上有用な形態かつ治療的に有効な量でその個体の身体に導入しうる形態で、本発明の化合物を、治療を必要とする個体に対して提供することを意味するものと理解されるべきある。
【0093】
用語「有効量」または「治療的に有効な量」は、研究者、獣医、医師もしくはその他の臨床医が追求の対象としている組織、系、動物もしくはヒトの生物学的または医学的な反応を誘発する主題の化合物の量を意味する。
【0094】
本明細書で使用される、用語「治療」または「治療する」は、希望する薬理的および/または生理的な効果を得るための本発明の化合物の任意の投与を意味する。効果は、完全もしくは部分的に病気もしくはその症状を予防するという点で予防的、ならびに/または病気および/もしくは病気に起因する有害な影響の部分的もしくは完全な治癒という点で治療的なものでありうる。治療には、(1)罹患者の病状もしくは総体症状を経験または示している動物における病気の阻害(つまり、病状および/または総体症状のさらなる進展の停止)、または(2)罹患者の病状もしくは総体症状を経験または示している動物における病気の改善(つまり、病状および/または総体症状の逆転)が含まれる。
【0095】
用語「個体」、「被験者」、および「患者」は、本発明では同一の意味として使用され、限定はされないものの、マウス、類人猿、ヒト、哺乳類家畜、哺乳類競技動物、および哺乳類ペットなどの哺乳動物をいう。
【0096】
本発明の化合物を含む組成物は、単位剤形で都合よく提供することができ、また製薬技術で周知の何らかの方法で調製しうる。
【0097】
用語「単位剤形」は、患者または患者に薬物を投与する人物が全体の用量がその中に含まれる単一の容器または包装を開封でき、かつ二つ以上の容器または包装から何らかの成分を一緒に混ぜる必要がないように、すべての活性および不活性の成分が適切な方式で混合されている単一用量を意味することを意味する。単位剤形の典型的な例は、経口投与用の錠剤またはカプセル、注射用の単一用量バイアル、または直腸投与用の座薬がある。単位剤形のこのリストは、いかなる方法でも限定的なものではなく、単に単位剤形の製薬技術における典型的な例を挙げたものに過ぎない。
【0098】
本発明をさらに説明する前に、本発明は、当然ながら変化することもあるため、説明した特定の実施形態には限定されないことを理解すべきである。また、本発明で使用した用語は、特定の実施形態のみを説明する目的であり、本発明の範囲は添付した請求の範囲によってのみ限定されるため、限定することは意図していないことを理解すべきである。
【0099】
値の範囲が提供されている場合、文脈が明らかにそうでないことを示していない限り、その範囲の上限および下限の間にあるそれぞれの介在値は下限の単位の十分の一にいたるまで、また表示範囲内のその他任意の表示値または介在性の値は、本発明の範囲内に含まれることが理解される。これらの小範囲の上限および下限は、独立的により少ない範囲内に含めることができ、また本発明の範囲に含まれるが、表示範囲内のいずれの具体的に除外された限度に従う。表示範囲が限度のうち一方または両方を含む場合、含まれている限度のうちの一方または両方を除外した範囲も、本発明に含まれる。
【0100】
別途定義のない限り、本発明で使用した技術的および科学的なすべての用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を持つ。本発明に記載されているものと類似または等価の何らかの方法および材料を、本発明の実施または実験に使用することもできるが、望ましい方法および材料をここに記載する。本明細書で言及したすべての出版物は、参照により本明細書に組まれ、出版物が引用するものに関して方法および/または材料を開示し、記述する。
【0101】
本明細書および添付した請求の範囲で使用される、文脈により明らかにそうでないことが示されていない限り、単数形(「a」、「and」、および「the」)には、複数の対象物が含まれることに注意する必要がある。さらに、請求の範囲は任意的な要素があれば除外して起案しうることに注意すべきである。従って、この記載は、請求項の要素の列挙、または「否定的な」制限の使用に関して「単に」、「のみ」およびこれに類するものといった排他的な用語の使用について先行的限定の役目をする意図がある。
【0102】
本明細書で考察した出版物は、本出願の出願日に先行してそれが開示されていることのみの理由で提供するものである。本明細書に含まれるいかなる内容も、本発明が、先行発明の理由でそうした出版物より事前日付である資格がないことを認めるものとは解釈されない。さらに、記載した公表日は、実際の公表日とはことなることがあり、独立的に確認する必要があると考えられる。
【0103】
本発明の化合物を含む組成物は、キットとして都合よく提供することができ、それによって活性または不活性の成分、担体、希釈剤、およびこれに類するものなど二つ以上の成分を、患者または患者に薬物を投与する人物が実際の剤形を調製するための説明書とともに提供することができる。こうしたキットは、それに含まれる必要なすべての材料および成分とともに提供することも、また患者もしくは患者に薬物を投与する人物によって独立的に入手する必要がある材料もしくは成分を使用または作製するための説明書を含めることもできる。
【0104】
アルツハイマー病もしくは本発明の化合物の必要が示される指示されるその他の疾患の治療、改善、管理またはリスク低減がなされるとき、一般に本発明の化合物が1日1回、動物の体重1kg当たり約0.1mg〜約100mgを投与されたときに、満足できる結果が得られる。例えば、化合物は、単回1日量として、または1日2回〜6回の分割量で、または徐放性の形態で投与することができる。1日当たりの合計投薬量は、約1.0mg〜約2000mgである(例えば、体重1kg当たり約0.1mg〜約20mg)。70kgの成人の場合、合計1日量は、一般に約7mg〜約1,400mgとなる。この投薬療法は、最適の治療反応が提供されるよう調節しうる。化合物は、1日1〜4回(例えば、1日1回または2回)の療法で投与できる。
【0105】
担体材料と組み合わせて単一の剤形を作り出す本発明の化合物の量は、治療される対象および特定の投与方法などによって変化する。例えば、ヒトへの経口投与を意図した剤形には、妥当かつ好都合な量の担体材料と配合した約0.005mg〜約2.5gの本発明の化合物を都合よく含めることができる。単位剤形には一般に約0.005mg〜約1000mgの本発明の化合物が含まれ、一般的には0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgが、1日1回、2回または3回投与される。
【0106】
ただし、任意の特定の患者についての特定の用量レベルおよび投薬の頻度は変化し、かつ採用した特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食餌、投与の方法・時刻、排泄率、複合薬、特定の状態の重症度、ならびに治療をうける対象を含むさまざまな要因に依存することが理解される。
【0107】
β−セクレターゼ酵素活性としての本発明に従った化合物の有用性は、当技術分野で既知の方法により例証しうる。酵素阻害は下記のとおり決定される。
【0108】
ECL試験法:ビオチン化BACE基質を用いた均一終点電気化学ルミネセンス(ECL)試験法を実施する。基質のKmは約50μMである。典型的な反応には、合計反応量100μl中、約0.6nMの酵素、0.25μMの基質、および緩衝液(50mM Pipes、pH6.5、0.1mg/ml BSA、0.2% CHAPS、15mM EDTAおよび1 mMデフェロキサミン)が含まれる。反応を1〜2時間進行した後、150μLのストレプトアビジン被覆した磁性ビーズおよび生成物のC−末端残基を特異的に認識するルテニル化抗体(ruthenylated antibody)を含む急冷カクテル溶液(25μl Mトリス−HCl、pH8.0、50μl INC緩衝液(2% BSA、0.2% Tween−20および0.05%アジ化ナトリウムのリン酸緩衝食塩水(PBS)と75μL PBS溶液)を加えて停止させる。試料をM−384(Igen Inc.、メリーランド州ゲイザースバーグ)分析にかける。これらの条件下で、10%未満の基質がBACE 1によりプロセスされた。この研究で使用した酵素は、バキュロウイルス発現システムで生成した水溶性(膜貫通領域、細胞質伸張部は除外)ヒトタンパク質である。化合物について抑制の効力を測定するために、200μMから開始して3倍連続希釈で10の濃度の阻害剤を調製する。阻害剤のDMSO中の溶液を反応混合物に加える(最終的DMSO濃度は10%)。すべての実験は室温で上記記載の標準反応条件を使用して実施される。化合物のIC50を決定するために、曲線フィッティングのために4パラメータの方程式を使用する。解離定数を再現する際の誤差は、一般に2倍未満である。
【0109】
特に、下記の実施例の化合物は、上述の試験法においてβ−セクレターゼ酵素の抑制における活性を持ち、一般にIC50は約1nM〜200μMである。こうした結果は、β−セクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用される際の化合物の固有の活性を示すものである。
【0110】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法を、ここで以下のスキームおよび実施例で示す。出発物質は、当技術で周知の、または本明細書で説明した手順に従い生成される。以下の実施例は、本発明をより十分に理解しうるように提供するものである。これらの実施例は、例証のためのものであり、いかなる形でも本発明を限定するものとは解釈されるべきでない。
【0111】
代表的な発明の化合物(下記の実施例で説明)についての例示的なIC50値を、下記の表1に記載する。
【0112】
【表1】

【0113】
一般的スキームAでは、ピロリジン(pryyolidine)環上で異なる組み合わせのアリール置換基およびアミド置換基を持つ化合物の調製方法を概説する。この方法において、適切なケイ皮酸エステル1を、アゾメチンイリド前駆物質としてN−ベンジル−N−(メトキシメチル)−トリメチルシリルメチルアミンと反応さると、トランス3,4−ピロリジン2が得られる。エステルを加水分解し、標準条件下で適切なアミンと結合させる。ベンジルアミンの水素付加脱保護により、標的の生成物5が得られる。
【0114】
【化8】

【0115】
一般的スキームBでは、水素付加条件とは適合しないRAまたはN(R)(R)を持つ化合物の調製方法を概説する。この方法において、適切なケイ皮酸塩エステル6を、アゾメチンイリド前駆物質としてN−ベンジル−N−(メトキシメチル)−トリメチルシリルメチルアミンと反応させると、トランスピロリジン7が得られる。次に、ベンジル保護基を、1−クロロクロロギ酸エチル、次にメタノール、および最後にBOC無水物で連続処理して、t−ブトキシカルボニルと交換すると、BOC保護ピロリジンが得られる。エステルを加水分解し、標準条件下で適切なアミンと結合させる。t−ブチルカルバマートのTFAを媒介とした脱保護により、望まれる生成物11が得られる。
【0116】
【化9】

【0117】
一般的スキームCでは、ピロリンテンプレートに対する置換アリール修飾の調製方法を概説する。この方法において、適切なアリールハロゲン化物12を、パラジウム触媒のクロスカプリング条件にかけて、標的の化合物13を生成する。
【0118】
【化10】

【0119】
ベンジル−4−オキソ−2−フェニルピペリジン−1−カルボキシラート(1.64g、5.30mmol)のTHF(27ml)溶液を、−78℃に冷却し、臭化フェニルマグネシウム(6.36ml、6.36mmol)を加えた。氷浴を除去し、溶液を室温で2時間撹拌した。濃縮し、EtOAcで希釈し、水で2回洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濃縮し、30% EtOAcを使用して溶出させるシリカゲルで精製し、1.02gのベンジル4−ヒドロキシ−2,4−ジフェニルピペリジン−1−カルボキシラートを得た。
H NMR(CDCl)δ7.47〜7.23(m、15H)、5.65(br s、1H)、5.20(s、2H)、4.38〜4.30(m、1H)、3.60〜3.51(m、1H)、2.59〜2.47(m、2H)、2.14〜2.05(m、1H)、1.78〜1.71(m、1H)、1.37(s、1H)。
【0120】
BF.OEt(1ml、7.9mmol)のCHCl(5ml)溶液を、ベンジル4−ヒドロキシ−2,4−ジフェニルピペリジン−1−カルボキシラート(1.0g、2.6mmol)のCHCl(50ml)中の攪拌溶液に0℃で加えた。混合物を室温で15分間撹拌した。次に、飽和重炭酸ナトリウム(10ml)を加えた。溶液を濃縮し、EtOAcで3回抽出した後、ブラインで洗浄した。有機物をひとまとめにし、乾燥させ、濃縮した。粗製生成物は精製しなかった。
H NMR(CDCl)δ7.47〜7.23(m、15H)、6.26〜5.73(m、2H)、5.24〜5.10(m、2H)、4.57〜4.20(m、1H)、3.60〜3.00(m、1H)、2.80〜2.43(m、1H)。
【0121】
EtOAc(25ml)中のベンジル2,4−ジフェニル−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシラート(0.39g、1.06mmol)に、Pd/C(0.186g、1.75mmol)を加え、バルーンで水素付加した。4時間後にセライトで濾過し、濃縮した。アミンを逆相HPLCで精製した。
H NMR(CDCl)δ7.46〜7.17(m、15H)、3.81〜3.75(m、1H)、3.39〜3.33(m、1H)、3.04〜2.95(m、1H)、2.84〜2.76(m、1H)、2.05〜1.88(m、2H)、1.82〜1.67(m、3H)。
【0122】
中間体II: 2’−フェニル−スピロ[1H]インデン−1,4’−ピペリジン
【0123】
【化11】

【0124】
2’−フェニル−スピロ[1H]インデン−1,4’−ピペリジンを、M.G.Bock他(米国特許第5,756,504号、1998年)に記載された手順に従い調製した。
【0125】
中間体III: メチル(2E)−3−(2−メチルフェニル)アクリラート
【0126】
【化12】

【0127】
MeOH(175ml)中の2−メチルケイ皮酸(5.68g、35mmol)に、塩化チオニル(2.55ml、35.0mmol)を滴下して加えた。結果として生じる溶液を60℃で10時間撹拌した。溶液を室温まで冷まし、濃縮した。粗製のエステルをCHClに溶かし、飽和NaHCOで2回洗浄した。有機層をひとまとめにし、乾燥させ、濃縮し、6.45gのメチル(2E)−3−(2−メチルフェニル)アクリラートを得た。
H NMR(CDCl)δ7.98(d、J=16Hz、1H)、7.56〜7.53(m、1H)、7.28〜7.19(m、3H)、6.36(d、J=16Hz、1H)、3.81(s、3H)、2.44(s、3H)。
【0128】
中間体IV: 1−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−カルボキシラート
【0129】
【化13】

【0130】
N−ベンジル−n−(メトキシメチル)−n−トリメチルシリルメチルアミン(1.3ml、5mmol)およびメチル(2E)−3−(2−メチルフェニル)アクリラート1(0.88g、5.00mmol)のCHCl(20ml)中の溶液に、0℃でTFA(0.04ml、0.500mmol)を滴下して加えた。15分後に氷浴を除去し、溶液を4時間撹拌した。CHClで希釈し、飽和NaHCOで2回洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、シリカゲル(20% EtOAc/ヘキサン)で精製して、1.48gのピロリジン2を得た。
H NMR(CDCl)δ7.44(d、J=7.7Hz、1H)、7.38〜7.29(m、4H)、7.25〜7.17(m、2H)、7.12〜7.07(m、2H)、3.98〜3.92(m、1H)、3.73〜3.63(m、5H)、3.16〜3.08(m、2H)、2.99(t、J=8.8Hz1H)、2.90〜2.82(m、1H)、2.73〜2.67(m、1H)、2.34(s、3H).LRMS(M+H)=310.03。
【0131】
中間体V: 1−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸
【0132】
【化14】

【0133】
THF/MeOH/HO(5ml)中の1−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−カルボキシラート(0.685g、2.214mmol)に、2N NaOH(3.32ml、6.64mmol)を加えた。溶液を室温で12時間撹拌し、1N HClを用いてpH1−2に酸性化した。粗製の酸をEtOAcで3回抽出した。混合有機質層を、NaSO上で乾燥させ、濃縮した。
H NMR(CDOD)δ7.58〜7.53(m、2H)、7.51〜7.45(m、4H)、7.29〜7.24(m、1H)、7.20〜7.16(m、2H)、4.51(s、2H)、4.10(br s、1H)、3.59〜3.57(m、3H)、3.62〜3.51(m、1H)、3.40(t、J=11.5Hz、1H)、2.37(s、3H).LRMS(M+H)=296.05。
【0134】
中間体VI: 1−ベンジル−3−[(2−ベンジルピロリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン
【0135】
【化15】

【0136】
CHCl(1.490ml)中の1−ベンジル−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−カルボン酸(0.088g、0.298mmol)に、BOP(0.138g、0.313mmol)、DIPEA(0.208ml、1.192mmol)、および2−ベンジルピロリジン(0.050g、0.313mmol)を加えた。溶液を室温で4時間撹拌した。濃縮し、濾過し、逆相HPLCで精製した。HRMS(M+H)=439.2739
【0137】
中間体VII:
【0138】
【化16】

【0139】
MeOH(100ml)中の2−ブロモケイ皮酸(10.0g、44.0mmol)を塩化チオニル(3.21ml、44.0mmol)に滴下して加えた。結果として生じる溶液を60℃で10時間撹拌した。溶液を室温まで冷まし、濃縮した。粗製のエステルをCHClに溶かし、飽和NaHCOで2回洗浄した。有機層をひとまとめにし、乾燥させ、濃縮させ、10.6gのメチル(2E)−3−(2−ブロモルフェニル)アクリル酸塩を得た。
H NMR(CDCl)δ8.05(d、J=16Hz、1H)、7.62〜7.59(m、2H)、7.35〜7.31(m、1H)、7.25〜7.21(m、1H)、6.39(d、J=16Hz、1H)、3.83(s、3H).
中間体VIII: メチル1−ベンジル−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−カルボキシラート
【0140】
【化17】

【0141】
化合物2について報告したとおり、メチル(2E)−3−(2−ブロモルフェニル)アクリラートを使用して調製した。
H NMR(CDCl)δ7.56〜7.49(m、2H)、7.38〜7.29(m、4H)、7.38〜7.29(m、5H)、7.08〜7.03(m、1H)、4.18〜4.10(m、1H)、3.73〜3.63(m、5H)、3.20〜3.13(m、1H)、3.09〜3.03(m、1H)、3.00〜2.94(m、1H)、2.81〜2.73(m、2H).LRMS(M+H)=375.9
【0142】
中間体IX:
【0143】
【化18】

【0144】
ジクロロエタン(341ml)中のメチル1−ベンジル−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−カルボキシラート(25.5g、68.1mmol)に、0℃にて窒素下で1−クロロクロロギ酸エチル(8.91ml、82mmol)を滴下して加えた。0℃で15分後、溶液を室温まで温めた後、12時間還流させた。溶液を濃縮した後、MeOH(75ml)を加え、さらに3時間還流させた。溶液を濃縮して、THF(60ml)に入れ、DIPEA(1.260ml、7.21mmol)を加えた後、BOC無水物(0.921ml、3.97mmol)を加えた。溶液を室温で10時間撹拌した。水による後処理およびシリカゲル(20% EtOAc/Hex)上でのカラムクロマトグラフィーにより、18gの1−tert−ブチル3−メチル4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸を得た。
H NMR(CDCl)δ7.59〜7.56(m、1H)、7.33〜7.25(m、2H)、7.14〜7.10(m、1H)、4.19〜4.09(m、1H)、3.98〜3.88(m、1H)、3.85〜3.66(m、5H)、3.43〜3.32(m、1H)、3.23〜3.18(m、1H)、1.48(s、9H)。
【0145】
中間体X:
【0146】
【化19】

【0147】
中間体Vについて報告したとおりに、1−tert−ブチル3−メチル4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−1,3−ジカルボン酸を用いて調製した。
H NMR(CDCl)δ7.59〜7.56(m、1H)、7.33〜7.24(m、2H)、7.15〜7.10(m、1H)、4.18〜4.10(m、1H)、3.98〜3.88(m、1H)、3.85〜3.68(m、2H)、3.46〜3.33(m、1H)、3.28〜3.20(m、1H)、1.47(s、9H)。
【0148】
中間体XI:
【0149】
【化20】

【0150】
中間体VIについて報告したとおりに、4−(2−ブロモフェニル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)ピロリジン−3−カルボン酸を用いて調製した。
【実施例】
【0151】
実施例1
2−ベンジル−1−{[(3S、4R)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン
【0152】
【化21】

【0153】
MeOH(10ml)中の1−ベンジル−3−[(2−ベンジルピロリジン−1−イル)カルボニル]−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン(0.1g、0.228mmol)に、パールマン触媒(0.05g、0.071mmol)を加え、バルーンで2時間水素添加した。セライトで濾過し、濃縮し、逆相HPLCで精製した。LRMS(M+H)=349.13。
【0154】
実施例2
(3S)−4−{[3S,4R]−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル}カルボニル}−3−フェニルモルホリン
【0155】
【化22】

【0156】
CHCl(0.466ml)中のTert−ブチル3−(2−ブロモフェニル)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−1−カルボキスラート(0.012g、0.023mmol)に、TFA(0.027ml、0.349mmol)を加え、2時間撹拌した。濃縮し、塩酸(HCl)塩に変換した。
HRMS(M+H)=415.1026。
【0157】
実施例3
(3S)−4−{[3S,4R]−4−(4’−エトキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル}カルボニル}−3−フェニルモルホリン
【0158】
【化23】

【0159】
DMF(1.27ml)中の(3S)−4−{[4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン(0.053g、0.128mmol)に、窒素下で4−エトキシフェニルボロン酸(0.023g、0.140mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムIIジクロロメタン付加物(0.008g、10.2 ummol)、および2M炭酸ナトリウム(0.096ml、0.191mmol)を加えた。マイクロ波加熱炉内で120℃にて10分加熱した。室温まで冷まし、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。濃縮し、逆相Prep HPLCで精製した。望まれる部分をNaHCOで遊離塩基状態にし、EtOAcで2回抽出した。遊離アミンをHCl塩に変換した。
HRMS(M+H)=457.2472。
【0160】
以下の表2の例は、上記の実施例1〜3に類似した方法で、一般的スキームA〜Dに従い調製した。
【0161】
【表2】
































【0162】
塩基性基または酸性基を持つ表2の化合物は、遊離塩基酸として説明および命名されている。反応および精製条件にもよるが、塩基性基を持つ表1の各種の化合物は、遊離塩基の形態、もしくは塩(HCl塩など)の形態または遊離塩基および塩の両方の形態のいずれかで単離される。
【0163】
下記の略語を、テキスト全体を通して使用している。
Me: メチル
Et: エチル
Bu: ブチル
t−Bu: tert−ブチル
i−Bu: イソ−ブチル
Pr: プロピル
i−Pr: イソ−プロピル
Ar: アリール
Ph: フェニル
Bn: ベンジル
Cbz: カルボベンジルオキシ
LAH: 水素化アルミニウムリチウム
DCM: ジクロロメタン
DCE: ジクロロエタン
DMA: ジメチルアセトアミド
BOP: ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルロホスフェート
Boc: tertブチルオキシカルボニル
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
Ac: アセチル
aq: 水溶性の
rt: 室温
h: 時間
min: 分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその医薬として許容される塩
【化1】

(Yはフェニルであり、任意に1個以上の
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
で置換されており、ならびに
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結して2から6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、
またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキル
からなる群から選択され、
は水素またはメチルであり、

(1)水素
(2)C1−6アルキル、
(3)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(4)−(CH)mアリール、
(5)ヘテロアリール、
(6)−O−C1−6アルキル、
(7)−C(=O)−OR6C、および
(8)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基からなる群から選択され、ならびに
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環またはヘテロアリールR部分は、任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)−O−C1−6アルキル、
(g)−O−CH−アリール、
(h)アリール、
(i)ヘテロアリール、
(j)−NR6A6B
(k)−NR6AC(=O)R6B
(l)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、
(m)−SO1−3アルキル、
(n)−SONR6A6B
(o)−CONR6A6B、および
(p)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、
で置換され、
Xは
(1)−CR−O−CR
(2)−CRCR−O−R10
(3)−CR
(4)−CRCR
(5)−CRCRCR10
(6)−CR=CRCR
(7)−CRCRCR10CR1112
からなる群から選択され、
およびRは独立的に
(1)水素、
(2)アリール、
(3)ヘテロアリール、
(4)C1−6アルキル、
(5)C2−6アルキレン、
(6)OH
(7)−C3−7シクロアルキル、
(8)−(CH)mアリール
からなる群から選択され、
前記アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールのRおよびR部分は任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のハロゲンで置換される。)、
(c)−O−C1−6アルキル、および
(d)−NO
で置換され、
あるいはRおよびRは互いに連結し、3−6個の環炭素原子の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換され、
、R、R、R、R、R10、R11およびR12
(1)水素、
(2)C1−6アルキル、
(3)OH
(4)−(CHアリール
からなる群から独立的に選択され、
前記アルキルまたはアリール部分は任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−O−C1−6アルキル、および
(d)−アリール、
で置換され、
前記アルキルまたはアリールは任意に1個以上のハロで置換され、
あるいはRおよびR、またはRおよびR、またはRおよびR10、またはR11およびR12は互いに連結して5−10個の環炭素原子の芳香族または非芳香族のスピロ環式基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄で置換され、
あるいはRおよびR、およびRおよびR、は互いに連結して5−10個の環炭素原子の縮合芳香族または非芳香族の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄で置換され、
あるいはRおよびRは互いに連結して5−10個の環炭素原子の縮合芳香族または非芳香族の環状基を形成し、1個または2個の環炭素原子は酸素、窒素または硫黄により置換され、
mは0、1または2であり、
nは0、1、2または3であり、
pは0または1である。)。
【請求項2】
がフェニルであって、1個以上の
(1)−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のフルオロで置換される。)、
(2)ハロゲン、および
(3)−O−C1−6アルキル(前記アルキルは任意に1個以上のフルオロで置換される。)
で置換される、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項3】
がフェニルであって、1個以上のフェニルで置換され、前記フェニルは任意に1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−6アルキル、
(e)−C2−6アルケニル、
(f)−C3−6シクロアルキル、
(g)−O−C1−6アルキル、
(h)−O−(CH)p−アリール、
(i)アリール、
(j)ヘテロアリール、
(k)−NR6A6B
(l)−C(=O)−R6C
(m)−C(=O)−NR6A6B
(n)−NR6A(C=O)R6B
(o)−C(=O)−OR6C
(p)−NSO6A6B
(q)−SO−R6C、および
(r)−(SO)NR6A6B
で置換される、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項4】
が水素である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項5】

(1)フェニル、および
(2)ベンジル
からなる群から選択される、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項6】
Xが
(1)−CR−O−CR−、
(2)−CRCR−O−R10−、
(3)−CRCR−、および
(4)−CRCRCR10
からなる群から選択される、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項7】
式(I)の化合物が式(II)の化合物またはその医薬として許容される塩である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩
【化2】

(式中R1AおよびR1B
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
からなる群から選択され、ならびに
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結し2−6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、
またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキル
からなる群から選択される。)。
【請求項8】
式(I)の化合物が式(III)の化合物である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩
【化3】

(式中R1A
(a)−C1−6アルキル、
(b)−C1−6アルキル−C3−6シクロアルキル、
(c)−C6−10アリール、
(d)ハロゲン、
(e)−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)4から8個の環原子を有し、1個の環原子が窒素、硫黄または酸素からなる群から選択されるヘテロ原子である複素環式基、および
(h)ヘテロアリール、
からなる群から選択され、ならびに
前記アルキル、アリール、シクロアルキル、複素環、アリールまたはヘテロアリール部分は、任意に1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−C3−6シクロアルキル、
(vii)−O−C1−6アルキル、
(viii)−O−(CH)p−アリール、
(ix)アリール、
(x)ヘテロアリール、
(xi)−NR6A6B
(xii)−C(=O)−R6C
(xiii)−C(=O)−NR6A6B
(xiv)−NR6A(C=O)R6B
(xiv)−C(=O)−OR6C
(xv)−NSO6A6B
(xvi)−SO−R6C
(xvii)−(SO)NR6A6B
で置換され、
6AおよびR6B
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−C3−6シクロアルキル、
からなる群から選択されるか、
あるいはR6AおよびR6Bはその両方が結合している窒素とともに連結し2−6員の炭素環を形成し、1個または2個の環炭素原子は窒素、酸素または硫黄で置換されており、
またR6C
(I)水素、
(II)−C1−6アルキル、および
(III)−C3−6シクロアルキルからなる群から選択される。)。
【請求項9】
1Aがフェニルであり、任意に請求項1で記載したとおりに置換される、請求項8の化合物。
【請求項10】
式(I)の化合物が式(IV)の化合物である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【化4】

【請求項11】
式(I)の化合物が式(V)の化合物またはその医薬として許容される塩である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【化5】

【請求項12】
式(I)の化合物が式(VI)の化合物である、請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【化6】

【請求項13】
2−ベンジル−1−{[(3S、4R)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン、
(3S)−4−{[3S,4R]−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル}カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[3S,4R]−4−(4’−エトキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル}カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
2−ベンジル−1−{[(3S,4R)−4−(2−クロロフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(2−メトキシフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
2−ベンジル−1−{[(3S,4R)−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−ビフェニル−2−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
2−ベンジル−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(2’−フルオロビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−エトキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−[2−(4−クロロフェニル)エチル]ピペリジン、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、
2−ベンジル−1−{[(3S,4R)−4−(4’−エトキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピロリジン、
4−(2−{(3R,4S)−4−[(2−ベンジルピロリジン−1−イル)カルボニル]ピロリジン−3−イル}フェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール、
2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−カルボニトリル、
2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル、
(3S)−3−フェニル−4−({(3S,4R)−4−[3’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)モルホリン、
N−[2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−3−イル]メタンスルホンアミド、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−フルオロ−2’−メチルビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−({(3S,4R)−4−[2−(3−チエニル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)モルホリン、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2’−(ベンジルオキシ)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−イソブチルビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
1−メチル−5−[2−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]−1H−インドール、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
1−[2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−イル]エタノン、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[4’−(モルホリン−4−イルカルボニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
N−シクロプロピル−2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−カルボキサミド、
N−メチル−2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−アミン、
{[2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−イル]オキシ}アセトニトリル、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(6−クロロピリジン−3−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(3−フリル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
5−[2−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]ピリジン−2−オール、
(3S)−4−[((3S,4R)−4−{2−[(1Z)−1−メチルプロパ−1−エン−1−イル]フェニル}ピロリジン−3−イル)カルボニル]−3−フェニルモルホリン、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニルアゼパン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−(2−フェニルエチル)ピロリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニルピペリジン、
2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−オール、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−メチルビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−フルオロビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
エチル2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−カルボキシラート、
N−[2’−((3R,4S)−4−{[(3S)−3−フェニルモルホリン−4−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ビフェニル−4−イル]アセトアミド、
(3S)−4−({(3S,4R)−4−[2−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−3−フェニルモルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−({(3S,4R)−4−[4’−(ピロリジン−1−イルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)モルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−tert−ブチルビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−{[(3S,4R)−4−(3’−プロポキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}モルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(3’−イソプロポキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−イソプロポキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−{[(3S,4R)−4−(4’−プロポキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}モルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−({(3S,4R)−4−[4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)モルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(2’−メチル−4’−プロポキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(4’−フェノキシビフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−(2’−フルオロ−1,1’:4’,1’’−テルフェニル−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
(3S)−3−フェニル−4−[((3S,4R)−4−{2−[(1E)−プロパ−1−エン−1−イル]フェニル}ピロリジン−3−イル)カルボニル]モルホリン、
メチル(2S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−2−カルボキシラート、
メチル(2S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン−2−カルボキシラート、
(3S)−3−ベンジル−4−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}モルホリン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−フェニルピペリジン、
1−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−4−フェニルピペリジン、
1’−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
(2R)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−(フルオロメチル)ピロリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−(4−メトキシフェニル)ピロリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−(3,5−ジクロロフェニル)ピロリジン、
1−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−クロロフェニル)ピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(2−フルオロフェニル)ピペリジン、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−メチルフェニル)ピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
2,4−ジフェニル−1−{[(3S,4R)−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2’−フェニルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2’−フェニルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2’−フェニルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2’−(4−メトキシフェニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1’−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2’−フェニルスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−アリルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
2’−フェニル−1’−{[(3S,4R)−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
1’−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2’−(4−クロロフェニル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−アリルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−2,4−ジフェニル−1−({(3S,4R)−4−[2−(1H−ピロール(pyrrol)−2−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)ピペリジン、
4−[2−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]ピリジン、
5−[2−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]ピリミジン、
3−[2−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]ピリジン、
2−クロロ−5−[2−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)フェニル]ピリジン、
(2R,4S)−2,4−ジフェニル−1−({(3S,4R)−4−[2−(1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)ピペリジン、
(2R,4S)−1−({(3S,4R)−4−[2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−({(3S,4R)−4−[2−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−[((3S,4R)−4−{2−[1−(3−メチルブチル)−1H−ピラゾール−4−イル]フェニル}ピロリジン−3−イル)カルボニル]−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−2,4−ジフェニル−1−({(3S,4R)−4−[2−(1−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)ピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−シクロヘキサ−1−エン−1−イルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−シクロプロピルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−2,4−ジフェニル−1−({(3S,4R)−4−[2−(2−チエニル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)ピペリジン、
(2R,4S)−1−({(3S,4R)−4−[2−(1−ベンゾフラン−2−イル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−メチルフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルピロリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−メチル−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3R,4R)−3−フルオロ−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(3−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
2−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ベンゾニトリル、
(2R,4S)−1−({(3S,4R)−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−({(3S,4R)−4−[3−(メトキシメチル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−メチル−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニル−4−ビニルピペリジン、
3−((3R,4S)−4−{[(2R,4S)−2,4−ジフェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−3−イル)ベンゾニトリル、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−エチル−4−フェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−({(3S,4R)−4−[3−(2−メトキシエチル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−({(3S,4R)−4−[3−(2−メトキシエチル)フェニル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−シクロプロピル−4−フェニルピペリジン、
(2S,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(2−シクロプロピルフェニル)−2−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−メチル−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−イソプロピル−4−フェニルピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−メチル−2−フェニルピペリジン、
4−フェニル−1−{[(3S,4R)−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン、
1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−フェニル−4−プロピルピペリジン、
(2S,4R)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−メチル−4−フェニルピペリジン、
2−イソプロピル−1−({(3S,4R)−4−[4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]ピロリジン−3−イル}カルボニル)−4−フェニルピペリジン、
2−イソプロピル−4−フェニル−1−{[(3S,4R)−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}ピペリジン、
3−((2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−フェニルピペリジン−4−イル)ピリジン、
(2R,4R)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−メチル−4−フェニルピペリジン、
2−((2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−フェニルピペリジン−4−イル)ピリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−メチル−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−2,4−ジフェニルピペリジン、
(3S)−4−{[(3S,4R)−4−メチル−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−3−フェニルモルホリン、
2−シクロプロピル−1−{[(3S,4R)−4−メチル−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニルピペリジン、
2−イソプロピル−1−{[(3S,4R)−4−メチル−4−フェニルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−フェニルピペリジン、
(2R,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−イソプロピル−4−フェニルピペリジン、
(2S,4S)−1−{[(3S,4R)−4−(2−ブロモフェニル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−2−メチル−4−フェニルピペリジン、
N,N−ジメチル−4−{(3R,4S)−4−[(4−フェニルピペリジン−1−イル)カルボニル]ピロリジン−3−イル}アニリン
からなる群から選択される請求項1の化合物またはその医薬として許容される塩。
【請求項14】
治療的に有効な量の請求項1から13のいずれか1項の化合物またはその医薬として許容される塩、および医薬として許容される担体を含む、アルツハイマー病治療用の医薬組成物。
【請求項15】
アルツハイマー病治療のための請求項1から13のいずれかの医薬組成物の使用。
【請求項16】
アルツハイマー病治療用の薬剤の製造のための、請求項1から13のいずれかの化合物またはその医薬として許容される塩、および医薬として許容される担体の使用。
【請求項17】
治療を必要とする患者におけるアルツハイマー病を治療する方法であって、治療的に有効な量の請求項1から13のいずれかの化合物またはその医薬として許容される塩、および医薬として許容される担体を患者に対して投与することを含む方法。

【公表番号】特表2011−506439(P2011−506439A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537951(P2010−537951)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/013550
【国際公開番号】WO2009/078932
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】