説明

アルツハイマー病治療用のα7ニコチン性アセチルコリン受容体リガンドとしてのキヌクリジン−4−イルメチル1H−インドール−3−カルボキシレート誘導体

本発明は、ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)に、例えば特定のニコチン性受容体サブタイプ(特に、α7 nAChRサブタイプ)のモジュレーターとして、影響を及ぼすことができる化合物ならびに製剤に関する。本発明はまた、さまざまな疾患および障害、特に中枢および自律神経系の機能障害に関連した疾患を治療するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、2007年10月1日付の「4-置換キヌクリジン誘導体、その製造方法および医薬用途」と題する米国仮出願第60/976,724号の優先権を主張するものであり、その内容がすべて以下に示されるかのように、その全体を本明細書に参照により組み入れる。
【0002】
ニコチンは多くの薬理効果をもつことが提唱されている。例えば、Pullan et al., N. Engl. J. Med. 330, 811 (1994)を参照されたい。こうした効果のいくつかは神経伝達物質の放出時の効果に関係しうる。例えば、Sjak-shie et al., Brain Res. 624, 295 (1993)を参照されたい。そこにはニコチンの神経保護効果が提起されている。ニコチン投与時のニューロンによるアセチルコリンとドーパミンの放出は、Rowell et al., J. Neurochem. 43, 1593 (1984)、Rapier et al., J. Neurochem. 50, 1123 (1988)、Sandor et al., Brain Res. 567, 313 (1991)およびVizi, Br. J. Pharmacol. 47, 765 (1973)に報告されている。ニコチン投与時のニューロンによるノルエピネフリンの放出は、Hall et al., Biochem. Pharmacol. 21, 1829 (1972)に報告されている。ニコチン投与時のニューロンによるセロトニンの放出は、Hery et al., Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 296, 91 (1977)に報告されている。ニコチン投与時のニューロンによるグルタメートの放出は、Toth et al., Neurochem Res. 17, 265 (1992)に報告されている。確認レポートと最近のさらなる研究には、グルタメート、一酸化窒素、GABA、タキキニン(tachykinins)、サイトカイン、およびペプチドの、中枢神経系(CNS)におけるモジュレーションが含まれている(Brioni et al., Adv. Pharmacol. 37, 153 (1997)に掲載される)。さらに、報告によれば、ニコチンはある種の障害の治療に用いられる特定の製剤の薬理学的挙動を増強する。例えば、Sanberg et al., Pharmacol. Biochem. & Behavior 46, 303 (1993)、Harsing et al., J. Neurochem. 59, 48 (1993)およびHughes, Proceedings from Intl. Symp. Nic. S40 (1994)を参照されたい。その上に、ニコチンのさまざまな他の有益な薬理効果が提唱されている。例えば、Decina et al., Biol. Psychiatry 28, 502 (1990)、Wagner et al., Pharmacopsychiatry 21, 301 (1988)、Pomerleau et al., Addictive Behaviors 9, 265 (1984)、Onaivi et al., Life Sci. 54, 193 (1994)、Tripathi et al., JPET 221, 91 (1982)およびHamon, Trends in Pharmacol. Res. 15, 36 (1994)を参照されたい。
【0003】
ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChRs)を標的とする各種化合物がさまざまな疾患および障害を治療するのに有用であると報告されている。例えば、Williams et al., DN & P 7, 205 (1994)、Arneric et al., CNS Drug Rev. 1, 1 (1995)、Arneric et al., Exp. Opin. Invest. Drugs 5, 79 (1996)、Bencherif et al., JPET 279, 1413 (1996)、Lippiello et al., JPET 279, 1422 (1996)、Damaj et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. 291, 390 (1999)、Chiari et al., Anesthesiology 91, 1447 (1999)、Lavand'homme and Eisenbach, Anesthesiology 91, 1455 (1999)、Holladay et al., J. Med. Chem. 40, 4169 (1997)、Bannon et al., Science 279, 77 (1998)、PCT WO 94/08992、PCT WO 96/31475、PCT WO 96/40682、ならびにBencherifらの米国特許第5,583,140号、Dullらの米国特許第5,597,919号、Smithらの米国特許第5,604,231号、およびCosfordらの米国特許第5,852,041号を参照されたい。ニコチン性化合物はさまざまなCNS障害を治療するのに特に有用であると報告されている。実際、多種多様な化合物が治療特性をもつと報じられている。例えば、Bencherif and Schmitt, Current Drug Targets: CNS and Neurological Disorders 1, 349 (2002)、Levin and Rezvani, Current Drug Targets: CNS and Neurological Disorders 1, 423 (2002)、O'Neill et al., Current Drug Targets: CNS and Neurological Disorders 1, 399 (2002)、Kikuchiらの米国特許第5,1871,166号、Cignarellaの米国特許第5,672,601号、PCT WO 99/21834、PCT WO 97/40049、英国特許出願GB 2295387、およびヨーロッパ特許出願297,858を参照されたい。
【0004】
CNS障害は神経障害の1種である。CNS障害は薬物誘発性であったり、その原因が遺伝的素因、感染もしくは外傷にあったり、または病因が不明であったりする。CNS障害は精神神経疾患、神経疾患および精神疾患からなり、神経変性疾患、行動障害、認知障害および認知情動障害を含む。臨床症状がCNS機能障害(すなわち、神経伝達物質の不適切な放出レベル、神経伝達物質受容体の不適切な性質、および/または神経伝達物質と神経伝達物質受容体との不適切な相互作用)に起因するCNS障害がいくつか存在する。コリン、ドーパミン、ノルエピネフリンおよび/またはセロトニンの欠乏が原因でありうるCNS障害もいくつかある。比較的よく見られるCNS障害としては以下が挙げられる:初老期認知症(早発型アルツハイマー病)、老年性認知症(アルツハイマー型認知症)、微小脳梗塞認知症、エイズ関連認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ピック病、パーキンソン症候群(パーキンソン病を含む)、レビー小体認知症、進行性核上性麻痺、ハンチントン舞踏病、遅発性ジスキネジア、運動亢進症(hyperkinesia)、躁病、注意欠陥障害、不安神経症、失読症、統合失調症、うつ病、強迫性障害、およびトゥレット症候群(Tourette's syndrome)。
【0005】
CNSに典型的なnAChRはいくつかのサブタイプで存在することが明らかにされており、そのうち最も一般的なものはα4β2およびα7サブタイプである。例えば、Schmitt, Current Med. Chem. 7, 749 (2000)を参照されたい。α7 nAChRサブタイプと相互作用するリガンドは統合失調症の治療に有用であることが報告されている。統合失調症患者の死後の脳組織では海馬nAChRsの数が減少している。また、非喫煙統合失調症患者に対して喫煙統合失調症患者では改善された心理学的効果が見られる。ニコチンは動物および統合失調症患者において感覚ゲーティング障害(sensory gating deficits)を改善する。α7 nAChRサブタイプを遮断すると、統合失調症で見られるのと同様のゲーティング障害が誘発される。例えば、Leonard et al., Schizophrenia Bulletin 22, 431 (1996)を参照されたい。P50聴性誘発電位(auditory-evoked potential)ゲーティング障害の患者における感覚処理の生化学的、分子的、遺伝的研究から、α7 nAChRサブタイプは抑制性の神経路で機能することが示唆される。例えば、Freedman et al., Biological Psychiatry 38, 22 (1995)を参照されたい。
【0006】
最近になって、α7 nAChRは血管新生のメディエーターであることが提起されており、これについては、Heeschen et al., J. Clin. Invest. 100, 527 (2002)、米国特許第6,417,207号、米国特許第7,045,534号、WO 01/08683 および WO 01/08684に記載される。これらの研究では、α7サブタイプの抑制が炎症性の血管新生を減少させることが示された。さらに、α7 nAChRはニューロン新生および腫瘍増殖を制御するための標的として提案された (Utsugisawa et al., Molecular Brain Research 106, 88 (2002)および米国特許出願2002/0016371)。最後に、認知(Levin and Rezvani, Current Drug Targets: CNS and Neurological Disorders 1, 423 (2002))、神経保護(O'Neill et al., Current Drug Targets: CNS and Neurological Disorders 1, 399 (2002)およびJeyarasasingam et al., Neuroscience 109, 275 (2002))、ならびに神経因性疼痛(Xiao et al., Proc. Nat. Acad. Sci. 99, 8360 (2002))におけるα7サブタイプの役割が最近認識されてきている。
【0007】
種々の化合物がα7 nAChRと相互作用することを報じられており、また、それに基づいて治療薬として提案されている。例えば、WO 99/62505、WO 99/03859、WO 97/30998、WO 01/36417、WO 02/15662、WO 02/16355、WO 02/16356、WO 02/16357、WO 02/16358、WO 02/17358、Stevens et al., Psychopharm. 136, 320 (1998)、Dolle et al., J. Labelled Comp. Radiopharm. 44, 785 (2001)ならびにMacor et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 11, 319 (2001)およびそこに引用された文献を参照されたい。これらの化合物の中で、共通する構造テーマは置換された二環式三級アミン(例えば、キヌクリジン)の構造である。同様のキヌクリジン化合物がムスカリン受容体(US 5,712,270、WO 02/00652およびWO 02/51841)とセロトニン受容体(US 5,300,512およびUS 5,399,562)に結合することも報告されている。
【0008】
ヨーロッパ特許公開番号491664A1は、精神疾患を治療するための3,7-ジ置換インドール誘導体を開示する。
【0009】
PCT公開番号WO 93/15080は、カルシウムチャネル拮抗薬としてのアザビシクロ化合物を開示する。
【0010】
ヨーロッパ特許公開番号382687A2は、ムスカリン受容体遮断薬としてのベンゾ縮合窒素含有複素環誘導体を開示する。
【0011】
ヨーロッパ特許公開番号350130A2は、「ニューロン性」5-HT受容体のアンタゴニストとしての置換1,7-アニール化1H-インダゾールを開示する。
【0012】
米国特許第5,399,562号は、5-HT4アゴニストまたはアンタゴニストおよび5-HT3アンタゴニストとして有用なインドロン類を開示する。
【0013】
米国特許第5,300,512号は、5-HT4および/または5-HT3が介在する疾患を治療するのに有用なベンズイミダゾール化合物を開示する。
【0014】
ニコチン性受容体を介した疾患にかかりやすいまたはかかっている個体に、そのような疾患を仲介する化合物を投与することにより、かかる疾患を予防および治療するための有用な方法を提供することが望ましい。特定の疾患(例えば、CNS疾患)にかかっている個体に、ニコチン性薬理効果のある活性成分(例えばCNSの機能に、有益な効果を及ぼすが、重大な関連副作用をもたらさないもの)を含む製剤を投与することにより、かかる疾患の症状の根絶をもたらすことは非常に有益である。nAChRと相互作用する化合物(例えば、CNSの機能に影響を及ぼすことができるもの)を含む製剤を提供することは非常に望ましい。そのような化合物は、CNSの機能に影響を及ぼすのに十分な量で用いたとき、望ましくない副作用(例えば、心血管および骨格筋受容体部位での認めうる活性)を誘発する可能性があるnAChRサブタイプに顕著な影響を及ぼさないことが非常に望ましい。さらに、ニコチン性受容体と相互作用するがムスカリン受容体とは相互作用しない化合物を含有する製剤を提供することは非常に望ましい。なぜなら、ムスカリン受容体は副交感神経系の機能に関係した唾液分泌過多、発汗、震え、心血管および胃腸障害といった副作用に関連しているからである (Caulfield, Pharmacol. Ther. 58, 319 (1993)およびBroadley and Kelly, Molecules 6, 142 (2001)を参照されたい)。その上、α7 nAChRサブタイプに選択的であり、特定の疾患(例えば、統合失調症、認知障害、神経因性疼痛、糖尿病、および炎症、すなわち潰瘍性大腸炎)の治療に選択的であり、また、組織損傷の予防および治癒の促進(すなわち、血管新生の制御)に選択的である製剤を提供することは非常に望ましい。
【0015】
本明細書中に引用した全ての特許、特許出願、文献および記事はその全体を参照により本明細書に組み入れる。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、ニコチン性受容体を介した疾患の予防および治療に有用な、本明細書に記載の置換キヌクリジン誘導体、ならびにこれらの化合物を含む製剤およびキットを包含する。本発明はさらに、治療に有効な量の本明細書に記載の1種以上の化合物を、それを必要とする個体に投与することを含む、ニコチン性受容体を介した疾患の予防および治療方法を包含する。
【0017】
一態様において、本発明は式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物を包含する:
【化1】

【0018】
[式中、
Aは、-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bは、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、-O-、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-CH2-、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化2】

【0019】
または
【化3】

【0020】
であり、
R7は、独立して、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-H、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである]。
【0021】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は-アルコキシでないという条件を満たす。これらの実施形態のいくつかにおいて、Xは-O-、-CH2-、または結合である。
【0022】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は7-アルコキシでないという条件を満たす。これらの実施形態のいくつかにおいて、Xは-O-、-CH2-、または結合である。
【0023】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は7-OHまたは7-アルコキシでないという条件を満たす。これらの実施形態のいくつかにおいて、Xは-O-、-CH2-、または結合である。
【0024】
別の態様において、本発明は式(II)の化合物またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物を包含する:
【化4】

【0025】
[式中、
Aは、-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bは、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、O、CH2、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化5】

【0026】
または
【化6】

【0027】
であり、
R7は、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-H、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである]。
【0028】
いくつかの実施形態において、本化合物はキヌクリジン-4-イルメチル1H-インドール-3-カルボキシレート、またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物である。
【0029】
式Iおよび式IIのこれらの実施形態の一部において、本化合物は実質的に純粋な形で存在する。
【0030】
いくつかの実施形態において、本化合物は表1の化合物のいずれか1つ、または表1の化合物の任意の組み合わせである。
【0031】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物、および担体を含む製剤を包含する。いくつかの実施形態では、担体は製薬上許容される担体である。前記製剤のいくつかの実施形態では、本化合物がα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患の治療または予防に有効な量で存在する。
【0032】
別の態様において、本発明はα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患の治療または予防方法を包含し、この方法は、(a)それを必要とする個体に、治療に有効な量の本明細書に記載の化合物のいずれか1種(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与するステップを含む。
【0033】
前記方法のいくつかの実施形態では、個体が哺乳類である。他の実施形態では、個体がヒトである。他の実施形態では、個体が成体である。他の実施形態では、個体が子供である。他の実施形態では、個体が幼児である。他の実施形態では、個体がペットである。
【0034】
これらの実施形態の一部において、個体はα7-nAChRを介した疾患が1つ以上あると確認された個体である。他の実施形態では、個体がα7-nAChRを介した疾患の1つ以上にかかりやすいと確認された個体である。これらの実施形態の一部において、疾患は哺乳動物における1つ以上の以下の疾患である:アルツハイマー病に関連する認知・注意障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、初老期認知症(軽度の認知障害)、または老年性認知症、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、精神病、精神病に関連する認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、気分・感情障害、筋萎縮性側索硬化症、境界性人格障害、外傷性脳損傷、脳腫瘍に関連する行動・認知問題、エイズ認知症症候群、ダウン症に関連する認知症、レビー小体に関連する認知症、ハンチントン病、うつ病、全般性不安障害、加齢黄斑変性、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、ピック病、心的外傷後ストレス障害、大食症および拒食症を含む食物摂取異常、禁煙および依存性薬物の中止に伴う禁断症状、トゥレット症候群、緑内障、緑内障に関連する神経変性、疼痛に伴う症状、疼痛および炎症、TNF-α関連疾患、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、筋肉変性、骨粗鬆症、変形性関節症、乾癬、接触皮膚炎、骨吸収疾患、アテローム性動脈硬化症、パジェット病、ブドウ膜炎、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、クローン病、鼻炎、潰瘍性大腸炎、アナフィラキシー、喘息、ライター症候群、移植片の組織拒絶、虚血再灌流障害、脳卒中、多発性硬化症、脳マラリア、敗血症、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、感染による発熱・筋肉痛、HIV-1、HIV-2およびHIV-3、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2を含む)、帯状疱疹、癌(多発性骨髄腫、急性および慢性骨髄性白血病、または癌関連悪液質)、糖尿病(膵β細胞の破壊、I型糖尿病、またはII型糖尿病)、創傷治癒(火傷、および手術によるものを含めた一般的な創傷の治癒)、骨折治癒、虚血性心疾患、耳鳴り、または安定狭心症。いくつかの特定の実施形態では、疾患が潰瘍性大腸炎またはI型糖尿病である。ある実施形態では、疾患が潰瘍性大腸炎である。他の実施形態では、疾患がI型糖尿病である。
【0035】
これらの実施形態の一部において、疾患は自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患が以下のものである:急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群(APS)、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性卵巣炎、セリアック病、クローン病、1型真性糖尿病、妊娠性類天疱瘡(Gestational pemphigoid)、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン・バレー症候群(GBS)、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、川崎病、エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)、視神経炎、萎縮性甲状腺炎(Ord's thyroiditis)、天疱瘡、悪性貧血、原発性胆汁性肝硬変、関節リウマチ、ライター症候群、シェーグレン症候群、高安動脈炎、側頭動脈炎、温式自己免疫性溶血性貧血、またはヴェーゲナー肉芽腫症。いくつかの特定の実施形態では、自己免疫疾患が1型真性糖尿病(IDDM)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、多発性硬化症(MS)、橋本甲状腺炎、グレーブス病、または関節リウマチ(RA)である。いくつかの実施形態では、疾患が関節リウマチ(RA)である。
【0036】
これらの実施形態の一部において、前記方法はさらに、(b)前記個体に、ある種の医薬、追加の治療モダリティ、またはこれらの組み合わせを施すステップを含む。いくつかの実施形態では、医薬がアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、またはNMDA拮抗薬である。いくつかの実施形態では、医薬がアセチルコリンエステラーゼ阻害薬である。いくつかの実施形態では、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬がドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、およびガランタミン(galantamine)からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、医薬、追加の治療モダリティ、またはこれらの組み合わせが抗精神病薬である。いくつかの実施形態では、抗精神病薬がアリピプラゾール(aripiprazole)、ジプラシドン(ziprasidone)、ゾテピン(zotepine)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン(quetiapine)、クロザピン(clozapine)、チオチキセン(thiothixene)、チオリダジン(thioridazine)、ロキサピン(loxapine)、ハロペリドール(haloperidol)、フルフェナジン(fluphenazine)およびクロルプロマジン(chlorpromazine)からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、医薬、追加の治療モダリティ、またはこれらの組み合わせがNMDA拮抗薬である。いくつかの実施形態では、NMDA拮抗薬がメマンチン(memantine)である。
【0037】
これらの実施形態の一部においては、ステップ(b)をステップ(a)の前に、またはステップ(a)と同時に行う。これらの実施形態の一部においては、ステップ(b)をステップ(a)の後に行う。
【0038】
これらの実施形態の一部においては、約0.01mg/kg〜約20mg/kgの本化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を個体に投与する。いくつかの実施形態では、約0.1mg/kg〜約5mg/kgの本化合物を個体に投与する。
【0039】
これらの実施形態の一部においては、本化合物またはその製剤を個体に2回以上投与する。
【0040】
特定の実施形態において、本発明は、(a)少なくとも1種の本明細書に記載の化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物、および(b)パッケージを含む、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患を個体において治療または予防するためのキットを包含する。
【0041】
特定の実施形態において、本発明は、(a)本明細書に記載の製剤、および(b)パッケージを含む、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患を個体において治療または予防するためのキットを包含する。
【0042】
本発明の別の態様においては、本明細書に記載のα7-nAChRを介した疾患を個体において治療または予防するための、本明細書に記載の化合物および製剤の使用を提供する。さらに、本明細書に記載するその製剤は、文脈によって他に明確に示されないか、または特に言及されない限り、本明細書に記載の方法に従って、α7-nAChRを介した疾患を個体において治療または予防するための使用を意図したものである。
【0043】
本発明のさらなる態様においては、医薬品の製造における、特に本明細書に記載のα7-nAChRを介した疾患を個体において治療または予防するための医薬品の製造における、本明細書に記載の化合物および製剤の使用を提供する。さらに、本明細書に記載するその製剤は、文脈によって他に明確に示されないか、または特に言及されない限り、本明細書に記載の方法に従って、α7-nAChRを介した疾患を個体において治療または予防するための医薬品の製造における使用を意図したものである。
【0044】
特に言及しない限り、本明細書に記載の化合物および製剤は、本明細書に記載のα7-nAChRを介した疾患の個体における治療または予防方法で使用するためのものであり、本明細書に記載のキットに組み入れることができる。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本明細書においては、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患の予防および治療に有用でありうる化合物および製剤を提供し、前記疾患にかかりやすいまたはかかっている個体に、治療に有効な量の、前記疾患を仲介する化合物または製剤を投与する方法を含む。特定の疾患(例えば、CNS疾患)にかかっている個体は、有益な効果(例えば、CNSの機能への効果)を有するが、いかなる重大な副作用も伴わない活性成分(例えば、ニコチン性薬理効果のあるもの)を含む製剤を投与することによって、こうした疾患の症状の根絶または改善が提供される。本発明の化合物は、CNSの機能に影響を及ぼすのに十分な量で投与するとき、望ましくない副作用(例えば、心血管および骨格筋受容体部位での認めうる活性)を誘発する可能性のあるnAChRサブタイプに顕著な影響を及ぼさないといった、有利な性質を備えている。さらに、これらの化合物はニコチン性受容体と相互作用するが、ムスカリン性受容体とは相互作用しない。後者の受容体は副交感神経系の機能に関係した唾液分泌過多、発汗、震え、心血管および胃腸障害といった副作用に関連している。これらの化合物はさらに、特定の疾患(例えば、統合失調症、認知障害、神経因性疼痛、糖尿病、および炎症、例えば潰瘍性大腸炎)の治療のために、また、組織損傷の予防および治癒の加速(例えば、血管新生の制御)のために、α7 nAChRサブタイプに対して選択的である。
【0046】
「アルキル」という用語は、特定された炭素原子数を有するか、または特定されない場合には最大12の炭素原子数を有する、直鎖状、分岐鎖状、環状の基、およびこれらの組み合わせを含めて、飽和脂肪族および脂環式基をさす。「直鎖状アルキル」または「線状アルキル」基は、環状でも分岐鎖状でもない、一般には「n-アルキル」基に指定されるアルキル基をさす。アルキル基の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ネオペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびアダマンチル。シクロアルキル基は1個の環であっても(シクロヘプチルのような基を含むが、これに限らない)、多重縮合環であってもよい(アダマンチルもしくはノルボルニルのような基を含むが、これに限らない)。
【0047】
本明細書中で用いる「アルコキシ」とは、特定された炭素原子数を有するか、または特定されない場合には最大12の炭素原子数を有する、酸素原子に連結された炭化水素基(例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル)をさす。アルコキシ基の例としては、限定するものではないが、以下が挙げられる:メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ(プロポキシ) (n-プロポキシまたはi-プロポキシ)、およびブトキシ(n-ブトキシ、i-ブトキシ、sec-ブトキシまたはtert-ブトキシ)。いくつかの実施形態では、アルコキシ置換基がメトキシである。いくつかの実施形態では、アルコキシ置換基がシクロプロポキシである。
【0048】
「置換(された)」という用語は、基の1個以上の水素原子を1価または2価の基で置き換えることをさす。「場合により置換されてもよい」とは、その基が置換されても、されなくてもよいことを示す。「場合により置換されてもよい」および「置換(された)」という用語を含まない基は置換されてない基を意味する(例えば、「フェニル」は、置換(された)フェニルまたは場合により置換されてもよいフェニルと表示されない限り、非置換フェニルを意味する)。
【0049】
本明細書中で用いる「ハロ」および「ハロゲン」とは、第VIIa族元素(IUPAC無機化学命名法、1990年勧告による1990 IUPAC周期表の第17族元素)をさし、Cl、Br、FおよびI置換基を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン置換基がClおよびFである。
【0050】
本明細書中で用いる「異性体」とは、エナンチオマー、ジアステレオマー、ならびに全ての配座異性体、回転異性体、および互変異性体を含めて、本明細書中の式で表される化合物のあらゆる立体異性体を包含する。本発明は開示されたキラル化合物の全てのエナンチオマーを含み、それらは実質的に純粋な左旋性もしくは右旋性の形態で、またはラセミ混合物として、または任意の比のエナンチオマー混合物として存在しうる。(R)-エナンチオマーとして開示された化合物に関して、本発明は(S)-エナンチオマーをも含む;(S)-エナンチオマーとして開示された化合物に関して、本発明は(R)-エナンチオマーをも含む。本発明は上記式で表される化合物の全てのジアステレオマーを包含し、それらはジアステレオマーとして純粋な形態またはあらゆる比の混合物の形態で存在しうる。
【0051】
立体化学が化学構造または化学名で明確に示されない限り、その化学構造または化学名は、開示された化合物のあらゆる可能な立体異性体、配座異性体、回転異性体、および互変異性体を包含するものである。例えば、キラルな炭素原子(R4およびR5をもつ炭素など)を含む化合物は、(R)エナンチオマーと(S)エナンチオマーの両方を含むものとする。同様に、Yが-CH(OR7)-である化合物は、(R)エナンチオマーと(S)エナンチオマーの両方を含むものである。置換基R4およびR5をもつ立体中心ならびにキヌクリジン上の立体中心(例えばY=-CH(OR7)-)を含む化合物は、全てのエナンチオマーおよびジアステレオマー((R,R)、(S,S)、(R,S)、および(R,S)異性体を含む)を包含する。
【0052】
「保護基」は次の特性を示す化学基をさす:1)希望する官能基と良好な収率で選択的に反応して、予定された反応(その反応への保護が望まれる)に対して安定な、保護された基質を与える;2)希望する官能基を生成するために保護基質から選択的に除去可能である;および3)存在する他の官能基またはそのような予定された反応で生成された官能基と適合性のある試薬によって良好な収率で除去可能である。適当な保護基の例は、Greene et al. (1991) Protective Groups in Organic Synthesis, 第3版 (John Wiley & Sons, Inc., New York)中に見い出すことができ、その内容を参照により本明細書に組み入れる。アミノ保護基としては、限定するものではないが、以下の基が挙げられる:メシチレンスルホニル(Mts)、ベンジルオキシカルボニル(CBzまたはZ)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、t-ブチルジメチルシリル(TBSまたはTBDMS)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、トシル、ベンゼンスルホニル、2-ピリジルスルホニル、または適当な光解離性保護基、例えば6-ニトロベラトリルオキシカルボニル(Nvoc)、ニトロピペロニル、ピレニルメトキシカルボニル、ニトロベンジル、α-,α-ジメチル-ジメトキシベンジルオキシカルボニル(DDZ)、5-ブロモ-7-ニトロインドリニルなど。ヒドロキシル保護基としては、限定するものではないが、以下の基が挙げられる:Fmoc、TBS、光解離性保護基(例えば、ニトロベラトリルオキシメチルエーテル(Nvom))、Mom (メトキシメチルエーテル)、ならびにMem (メトキシエトキシメチルエーテル)、NPEOC (4-ニトロフェネチルオキシカルボニル)およびNPEOM (4-ニトロフェネチルオキシメチルオキシカルボニル)。
【0053】
本発明の特定の化合物は、溶媒和されてない形態はもちろんのこと、溶媒和された形態(すなわち「溶媒和物」)でも存在することができる。本発明の化合物には水和された形態(すなわち「水和物」)も含まれる。水和物の形態を溶媒和物の形態とみなしてもよい。一般的に、水和および溶媒和された形態は溶媒和されてない形態と同等であり、本発明の範囲内に含まれる。本発明はまた、結晶形および非結晶形を含めて、あらゆる多形を包含する。概して、全ての物理的形状は、本発明により予想される用途の面で同等であり、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0054】
本発明は、本明細書に記載される化合物の全ての塩、ならびにそのような化合物の塩の使用方法を包含する。本発明はまた、本明細書で挙げた化合物の塩の全ての非塩形態、ならびに本明細書で挙げた化合物の塩の他の塩を包含する。一実施形態において、本化合物の塩は製薬上許容される塩を含む。「製薬上許容される塩」とは、遊離の化合物の生物学的活性を保持し、かつヒトおよび/または動物に薬物または薬剤として投与できる塩のことである。化合物の塩基性官能基(例えば、キヌクリジン窒素または複素環窒素)の望ましい塩は、当業者に公知の方法を用いて、その化合物を酸で処理することにより調製することができる。無機酸の例として、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、およびリン酸が挙げられる。有機酸の例として、限定するものではないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、スルホン酸、およびサリチル酸が挙げられる。化合物の酸性官能基の望ましい塩は、当業者に公知の方法を用いて、その化合物を塩基で処理することにより調製することができる。酸性化合物の無機塩の例として、限定するものではないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩;アンモニウム塩;ならびにアルミニウム塩が挙げられる。酸性化合物の有機塩の例として、限定するものではないが、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N-エチルピペリジン塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩、およびトリエチルアミン塩が挙げられる。
【0055】
本明細書中に式で表される化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)の代謝産物およびプロドラッグもまた、本発明に包含される。しかし、個体にもともと存在する物質の代謝産物はクレームされた本発明の化合物から除外される。
【0056】
本明細書に開示した式の化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)のあらゆる用途において、本発明はまた、記載した化合物の立体化学的異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、配座異性体、回転異性体、互変異性体、溶媒和物、水和物、多形、結晶形、非結晶形、塩、製薬上許容される塩、代謝産物およびプロドラッグのいずれかまたは全部の使用を包含する。
【0057】
実質的に純粋な化合物とは、その化合物が、総量の15%未満、または10%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満の不純物としてのおよび/または異なる形態の化合物と共に存在する、ことを意味する。例えば、実質的に純粋なS,S化合物とは、R,R、S,R、およびR,S体の総量が15%未満、または10%未満、または5%未満、または3%未満、または1%未満しか存在しないことを意味する。
【0058】
本明細書中で用いる「治療に有効な量」とは、疾患に望ましい薬理学的および/または生理学的効果をもたらす量をさす。その効果は、疾患もしくはその症状を完全にまたは部分的に予防するという観点から予防的であり、かつ/または、疾患および/またはその疾患に起因する有害作用を部分的にまたは完全に治癒するという観点から治療的でありうる。例えば、統合失調症の部分的または完全な治癒は統合失調症の臨床的改善(例えば、認知機能障害の改善)により示される。
【0059】
本明細書中で用いる「製薬上許容される担体」およびその類似語は、個体(例えば、哺乳類または哺乳類以外の動物)に投与するのに適している、当業者に公知の補助剤(アジュバント)、結合剤、希釈剤などをさす。本発明では、2種以上の担体の組み合わせも考えられる。製薬上許容される担体および本明細書に記載するいずれの追加の成分も、特定の製剤のために意図された投与経路(例えば、経口、非経口)での使用に適合すべきである。そうした適合性は、特に本明細書中の教示を考慮して、当業者が容易に認識できるだろう。
【0060】
本明細書中で用いる「医薬」または「追加の医薬」およびこれらの類似語は、クレームされた本発明の化合物以外の活性薬剤(例えば、治療効果を引き出すために投与される薬物)をさすものである。医薬は、クレームされた化合物が治療または予防することを目的とした疾患(例えば、α7ニューロンニコチン性受容体を介した疾患であって、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、統合失調症、ADHD、炎症性腸疾患などの本明細書に記載の疾患を含むが、これらに限らない疾患)と関連した治療効果に向けられてもよい。あるいは、医薬は、根底にある基礎疾患の症状を治療または予防する(例えば、認識力の向上、注意、作業記憶、エピソード二次記憶、記憶の呼び戻し、感覚ゲーティング、反応時間、即時・遅延単語呼び戻し、視覚追跡、および単語認知を促進する)ことを目的としてもよいし、クレームされた化合物の投与に伴う副作用の発生もしくは重症度をさらに軽減することを目的としてもよい。
【0061】
本明細書中に記載する治療/予防方法ならびに化合物およびその製剤の使用に関して用いるとき、「それを必要とする」個体とは、治療すべき疾患があると診断されているか、または以前にその疾患を治療している個体でありうる。予防に関しては、それを必要とする個体は疾患にかかるリスクがある個体(例えば、その疾患の家族歴、その疾患のリスクを示す生活習慣要因などがある個体)でもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、個体はウシ、ウマ、ネコ、ウサギ、イヌ、げっ歯類、霊長類を含むがこれらに限らない哺乳類である。ある実施形態では、哺乳類が霊長類である。ある実施形態では、霊長類がヒトである。いくつかの実施形態において、個体は成人、子供および早産児を含むヒトである。いくつかの実施形態において、個体は哺乳類以外である。いくつかの実施形態では、霊長類がヒト以外の霊長類、例えばチンパンジーや他の類人猿およびサル種である。いくつかの実施形態において、哺乳類は例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、ネコなどのペット、ラット、マウス、モルモットなどのげっ歯類を含む実験動物である。哺乳類以外の動物の例として、鳥類なども含まれるが、これに限らない。「個体」という用語は特定の年齢または性別を示すものではない。
【0063】
いくつかの実施形態において、個体は本明細書に記載した疾患が1つ以上あると確認されている個体である。本明細書に記載した疾患の専門医師による確認は当技術分野で日常的であり、また、その本人や第三者によって、例えばアルツハイマーの場合は記憶の喪失、統合失調症の症状を示すことなどのために、推測される可能性がある。
【0064】
いくつかの実施形態において、個体は本明細書に記載した疾患の1つ以上にかかりやすいと確認されている個体である。個体のかかりやすさ(感受性)は、当業者によって評価されるいくつかのリスク因子および/または診断法(遺伝子プロファイリング、家族歴、関連疾患の発症などの医療歴、ライフスタイルまたは習慣を含むが、これらに限らない)のいずれか1つまたはそれ以上を根拠とすることができる。
【0065】
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が別の形で明確に指定しない限り、複数形を含むものである。
【0066】
本明細書での「約」数値またはパラメーターへの言及は、その数値またはパラメーター自体に向けられるバリエーション(変動)を含む(記載する)ものである。例えば、「約X」という記載には「X」の記載が含まれる。
【0067】
特段の定めがない限り、または文脈により明確に示されない限り、本明細書中で用いる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解しているのと同じ意味を有する。
【0068】
キヌクリジン化合物
本明細書に記載する特定のキヌクリジン化合物の命名は、ChemDraw Ultra 10を用いて確定することができる。当業者であれば、1つの化合物に2つ以上の化学名をあてることができ、同一の化合物を記載するために(例えば、2以上の命名法規約を用いて)異なる化学名を採用できることを理解するだろう。
【0069】
特定の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物を包含する:
【化7】

【0070】
[式中、
Aは、-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bは、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、-O-、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-CH2-、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化8】

【0071】
または
【化9】

【0072】
であり、
R7は、独立して、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-H、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである]。
【0073】
式(I)のいくつかの実施形態において、
Aは、-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-であり、
Bは、-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、-O-、-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-CH2-、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化10】

【0074】
または
【化11】

【0075】
であり、
R7は、-C1-C3アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-OCF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-Hまたは-C1-C3アルキルである。
【0076】
式(I)のいくつかの実施形態では、Aが-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Aが-N-、-CH-、または-C(CH3)-である。他の実施形態では、Aが-N-である。他の実施形態では、Aが-CH-である。他の実施形態では、Aが-C(C1-C6アルキル)-である。他の実施形態では、Aが-C(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH2CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH(CH3)2)-である。これらの実施形態のいずれにおいても、アルキル(例えば、-C(C1-C6アルキル)-または-C(C1-C3アルキル)-)は置換されてもよく、例えば、ヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換される。
【0077】
式(I)のこれらの実施形態の一部において、Bは-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-O-、または-S-である。いくつかの実施形態では、Bが-NH-、-O-、または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-または-O-である。他の実施形態では、Bが-O-または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-である。他の実施形態では、Bが-S-である。他の実施形態では、Bが-O-である。他の実施形態では、Bが-N(C1-C6アルキル)-である。他の実施形態では、Bが-N(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH3)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH2CH3)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Bが-C(CH(CH3)2)-である。他の実施形態では、Bが-O-である。これらの実施形態のいずれにおいても、アルキル(例えば、-N(C1-C6アルキル)-または-N(C1-C3アルキル)-)は置換されてもよく、例えば、ヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換される。
【0078】
式(I)のこれらの実施形態の一部において、Xは-O-、-NH-、または-N(C1-C3アルキル)-である。いくつかの実施形態では、Xが-O-、-CH2-、または結合である。他の実施形態では、Xが-O-または-NH-である。他の実施形態では、Xが-O-である。他の実施形態では、Xが-NH-である。他の実施形態では、Xが-CH2-である。他の実施形態では、Xが結合である。他の実施形態では、Xが-N(C1-C6アルキル)-である。他の実施形態では、Xが-N(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Xが-N(CH3)-である。他の実施形態では、Xが-N(CH2CH3)-である。他の実施形態では、Xが-N(CH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Xが-N(CH(CH3)2)-である。これらの実施形態のいずれにおいても、アルキル(例えば、-N(C1-C6アルキル)-または-N(C1-C3アルキル)-)は置換されてもよく、例えば、ヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換される。
【0079】
式(I)のいくつかの実施形態において、Yは-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-(CH2)2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-(CH2)2-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-または-C(O)-である。他の実施形態では、Yが-CH2-である。他の実施形態では、Yが-(CH2)2-である。他の実施形態では、Yが-OCH2-である。他の実施形態では、Yが結合である。他の実施形態では、Yが-C(O)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OR7)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH2CH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH(CH3)2)-である。他の実施形態では、Yが-C(OR7)2-である。他の実施形態では、Yが
【化12】

【0080】
である。他の実施形態では、Yが
【化13】

【0081】
である。いくつかの実施形態において、各R7は独立して-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)であり、アルキルは場合により置換されてもよく、例えば、ヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい。
【0082】
式(I)のこれらの実施形態の一部において、R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルまたはハロで置換されてもよい-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル) (または-C1-C3アルキル-(C1-C3アルコキシ))、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、場合によりヒドロキシルまたはハロで置換されてもよい-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)、ハロ、-NO2、-CN、-CONH2、または-SO2CH3である。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)、ハロ、-NO2、-CN、-CONH2、または-SO2CH3である。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-C1-C3アルコキシ、-Cl、-F、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OCH3、-Cl、-F、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が-Hでない。他の実施形態では、R1およびR2が-Hである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCH3、-Cl、-F、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CNまたは-CONH2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OHである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ) (または-C1-C3アルキル-(C1-C3アルコキシ))である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が場合によりヒドロキシルまたはハロで置換されてもよい-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が場合によりヒドロキシルまたはハロで置換されてもよい-C1-C6アルコキシ(または-C1-C3アルコキシ)である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方がハロである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-NO2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CNである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-C(O)N(R5)R6である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-S(O)2R5である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-S(O)2N(R5)R6である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CF3である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCHF2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCF3である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCH2Fである。他の実施形態では、R1またはR2が5位にあって、-Hではない。他の実施形態では、R1またはR2が5-OCH3、5-Cl、5-F、5-CN、または5-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が-Hでない。他の実施形態では、R1およびR2が-Hである。他の実施形態では、R1およびR2が-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)である。他の実施形態では、R1およびR2が-C1-C6アルコキシ(または-C1-C3アルコキシ)である。他の実施形態では、R1およびR2が-OCH3である。他の実施形態では、R1およびR2がハロである。他の実施形態では、R1とR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。
【0083】
式(I)のこれらの実施形態の一部において、R5とR6は両方とも-Hである。他の実施形態では、R5とR6の両方が-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH(CH3)2である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-C1-C3アルキルである。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH(CH3)2である。他の実施形態では、R3とR4の少なくとも一方が-Hである。他の実施形態では、R3とR4の少なくとも一方が-Hでない。他の実施形態では、R3とR4の両方が-Hである。他の実施形態では、R3とR4の両方が-C1-C6アルキル(または-C1-C3アルキル)である。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH3である。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R3またはR4が-Hで、他方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R3またはR4が-Hで、他方が-CH(CH3)2である。これらの実施形態のいずれにおいても、アルキル(例えば、-C1-C6アルキルまたは-C1-C3アルキル)は置換されてもよく、例えば、ヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換される。
【0084】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方はアルコキシでない、という条件を満たす。これらの実施形態のいくつかでは、Xが-O-、-CH2-、または結合である。
【0085】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方は7-アルコキシでない、という条件を満たす。これらの実施形態のいくつかでは、Xが-O-、-CH2-、または結合である。
【0086】
式(I)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方は7-OHまたは7-アルコキシでない、という条件を満たす。これらの実施形態のいくつかでは、Xが-O-、-CH2-、または結合である。
【0087】
式(I)のいくつかの実施形態において、Aは-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-であり、Bは-NH-、-O-、または-S-であり、Xは-O-または-NH-であり、Yは結合、-CH2-、または-C(O)-であり、R1およびR2はそれぞれ独立して-H、-OH、場合によりハロ(例えば、フルオロ)で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりハロ(例えば、フルオロ)で置換されてもよい-C1-C6アルキル、ハロ、-CN、または-C(O)N(R5)R6であり、そしてR3、R4、R5およびR6はそれぞれ-Hである。
【0088】
式(I)のいくつかの実施形態において、Aは-N-、-CH-、または-C(CH3)-であり、Bは-NH-、-O-、または-S-であり、Xは-O-であり、Yは-CH2-または結合であり、R1およびR2はそれぞれ独立して-H、ハロ、-CN、-C(O)N(R5)R6、または-OCH3であり、そしてR3、R4はそれぞれ-Hである。
【0089】
式(I)のいくつかの実施形態において、Aは-N-、-CH-、または-C(CH3)-であり、Bは-NH-、-O-、または-S-であり、Xは-NH-であり、Yは-CH2-または結合であり、R1およびR2はそれぞれ独立して-H、ハロ、-CN、-C(O)N(R5)R6、または-OCH3であり、そしてR3、R4はそれぞれ-Hである。
【0090】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0091】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0092】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、およびキヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0093】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0094】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0095】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、およびキヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0096】
別の実施形態において、本発明は化合物N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物を包含する。
【0097】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0098】
別の実施形態において、本発明は以下の化合物からなる群より選択される化合物を包含する:キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、またはこれらの製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物。
【0099】
いくつかの実施形態において、本化合物はキヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物である。
【0100】
特定の実施形態において、本発明は式(II)の化合物またはその製薬上許容される塩、異性体、異性体混合物、結晶形、非結晶形、水和物もしくは溶媒和物を包含する:
【化14】

【0101】
[式中、
Aは、-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bは、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、O、CH2、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化15】

【0102】
または
【化16】

【0103】
であり、
R7は、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-H、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである]。
【0104】
式(II)のいくつかの実施形態において、
Aは、-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-であり、
Bは、-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、-O-、-CH2-、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化17】

【0105】
または
【化18】

【0106】
であり、
R7は、-C1-C3アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-OCF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-Hまたは-C1-C3アルキルである。
【0107】
式(II)のいくつかの実施形態において、Aは-N-、-CH-、または-C(CH3)-である。他の実施形態では、Aが-N-である。他の実施形態では、Aが-CH-である。他の実施形態では、Aが-C(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH2CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Aが-C(CH(CH3)2)-である。
【0108】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、Bは-NH-、-O-、または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-または-O-である。他の実施形態では、Bが-O-または-S-である。他の実施形態では、Bが-NH-である。他の実施形態では、Bが-S-である。他の実施形態では、Bが-O-である。他の実施形態では、Bが-N(C1-C3アルキル)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH3)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH2CH3)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Bが-N(CH(CH3)2)-である。他の実施形態では、Bが-O-である。
【0109】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、Xは-O-である。他の実施形態では、Xが-CH2-である。他の実施形態では、Xが結合である。
【0110】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、Yは-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-(CH2)2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-(CH2)2-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-、-C(O)-、または結合である。他の実施形態では、Yが-CH2-または-C(O)-である。他の実施形態では、Yが-CH2-である。他の実施形態では、Yが-(CH2)2-である。他の実施形態では、Yが-OCH2-である。他の実施形態では、Yが結合である。他の実施形態では、Yが-C(O)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OR7)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH2CH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH2CH2CH3)-である。他の実施形態では、Yが-CH(OCH(CH3)2)-である。他の実施形態では、Yが-C(OR7)2-である。他の実施形態では、Yが
【化19】

【0111】
である。他の実施形態では、Yが
【化20】

【0112】
である。
【0113】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-CONH2、または-SO2CH3である。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-C1-C3アルコキシ、-Cl、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OCH3、-Cl、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が-Hでない。他の実施形態では、R1およびR2が-Hである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCH3、-Cl、-CN、または-CONH2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CNまたは-CONH2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OHである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方がハロである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-NO2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CNである。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-C(O)N(R5)R6である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-S(O)2R5である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-S(O)2N(R5)R6である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-CF3である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCHF2である。他の実施形態では、R1またはR2が-Hで、他方が-OCF3である。他の実施形態では、R1またはR2が5位にあって、-Hではない。他の実施形態では、R1またはR2が5-OCH3、5-Cl、5-CN、または5-CONH2である。他の実施形態では、R1およびR2が-Hでない。他の実施形態では、R1およびR2が-Hである。他の実施形態では、R1およびR2が-C1-C6アルキルである。他の実施形態では、R1およびR2が-C1-C6アルコキシである。他の実施形態では、R1およびR2が-OCH3である。他の実施形態では、R1およびR2がハロである。他の実施形態では、R1とR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する。
【0114】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、R5とR6は両方とも-Hである。他の実施形態では、R5とR6の両方が-C1-C3アルキルである。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の両方が-CH(CH3)2である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-C1-C3アルキルである。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R5とR6の一方が-Hで、他方が-CH(CH3)2である。
【0115】
式(II)のこれらの実施形態の一部において、R3とR4の少なくとも一方は-Hである。他の実施形態では、R3とR4の少なくとも一方が-Hでない。他の実施形態では、R3とR4の両方が-Hである。他の実施形態では、R3とR4の両方が-C1-C3アルキルである。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH3である。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH2CH3である。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH2CH2CH3である。他の実施形態では、R3とR4の一方が-Hで、他方が-CH(CH3)2である。
【0116】
式(II)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方はアルコキシでない、という条件を満たす。
【0117】
式(II)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方は7-アルコキシでない、という条件を満たす。
【0118】
式(II)のこれらの実施形態の一部は、Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1とR2の一方が-Hであるとき、R1とR2の他方は7-OHまたは7-アルコキシでない、という条件を満たす。
【表1】

【0119】
【化21】

【0120】
(1):キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキサミド;
【0121】
【化22】

【0122】
(2):キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0123】
【化23】

【0124】
(3):N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド;
【0125】
【化24】

【0126】
(4):5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド;
【0127】
【化25】

【0128】
(5):N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド;
【0129】
【化26】

【0130】
(6):キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0131】
【化27】

【0132】
(7):キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0133】
【化28】

【0134】
(8):キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0135】
【化29】

【0136】
(9):キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0137】
【化30】

【0138】
(10):キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0139】
【化31】

【0140】
(11):(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0141】
【化32】

【0142】
(12):キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート;
【0143】
【化33】

【0144】
(13):キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0145】
【化34】

【0146】
(14):キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0147】
【化35】

【0148】
(15):キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0149】
【化36】

【0150】
(16):キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0151】
【化37】

【0152】
(17):キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0153】
【化38】

【0154】
(18):キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0155】
【化39】

【0156】
(19):キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0157】
【化40】

【0158】
(20):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0159】
【化41】

【0160】
(21):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0161】
【化42】

【0162】
(22):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0163】
【化43】

【0164】
(23):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0165】
【化44】

【0166】
(24):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0167】
【化45】

【0168】
(25):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート;
【0169】
【化46】

【0170】
(26):1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート
【0171】
上記化合物の立体化学的異性体、エナンチオマー、ジアステレオマー、配座異性体、回転異性体、互変異性体、溶媒和物、水和物、多形、結晶形、非結晶形、塩、製薬上許容される塩、代謝産物およびプロドラッグ誘導体もまた、それらが本明細書に記載するα7-nAChR仲介特性を備えているという条件で、本発明において使用することができる。
【0172】
合成方法
本発明の化合物は当技術分野でよく知られている種々の合成方法により容易に製造することができる。以下の記述は本発明の化合物を構築する際に利用できる多様な方法のうちのいくつかを説明するために提供される。しかし、そうした記述は本発明の化合物を製造するのに有用な反応の範囲または反応順序を制限するものではない。
【0173】
X=N-アルキルである化合物を製造するには、カルボニルクロリドを含む適当な芳香族二環(例えば、インドール、インダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾフランまたはベンゾチオフェン)を適当な二級アミン(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、またはプロピオンアルデヒドの(キヌクリジン-4-イル)メタンアミンによる還元的アミノ化により製造)と、シアノ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で、カップリングする。
【0174】
X=CH2または結合である化合物を製造するには、それぞれ、適当な芳香族二環(例えば、インドール、インダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾフランまたはベンゾチオフェン)を適切に置換された塩化プロパノイル(例えば、塩化3-(キヌクリジン-4-イル)プロピオニルまたは適切に置換された塩化アセチル(例えば、塩化2-(キヌクリジン-4-イル)アセチル)によりルイス酸触媒でアシル化する。
【0175】
塩化3-(キヌクリジン-4-イル)プロピオニルを合成するには、(キヌクリジン-4-イル)メタノール(上記参照)から出発して、アルデヒドに酸化し、水素化ナトリウムのような塩基の存在下でホスホノ酢酸トリエチルと縮合させ(Horner-Emmons反応)、得られる3-(4-キヌクリジニル)クロトネートをPd/C触媒上で水素化し、エステル基を加水分解し、生じた酸を、触媒量のジメチルホルムアミドを含むジクロロメタン中で、塩化オキサリルにより酸塩化物に変換する。
【0176】
塩化2-(キヌクリジン-4-イル)アセチルを製造するには、(キヌクリジン-4-イル)メタノール(上記参照)をメシレート(クロロホルム中の塩化メタンスルホニル/トリエチルアミン)に変換し、次にジメチルホルムアミド中でシアン化ナトリウムにより処理して(キヌクリジン-4-イル)アセトニトリルを生成する。これを塩化水素ガスで飽和させたエタノール中で加熱すると、対応するエチルエステルが生成し、これを6N塩酸で処理して加水分解することにより酸を得る。最後に、その酸を上記のように酸塩化物に変換する。
【0177】
別法として、塩化3-(キヌクリジン-4-イル)プロピオニルまたは塩化2-(キヌクリジン-4-イル)アセチルをジメチルアミンで処理して、対応するジメチルアミドを生成することができる。これは1,2-ジクロロエタンのような不活性溶媒中でオキシ塩化リンの影響下にインドール類をアシル化するだろう。
【0178】
α7-nAChRの阻害
本明細書に記載する化合物およびその製剤はα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)活性と相互作用する(例えば、そうした活性を下げる)能力がある。一態様においては、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)活性を低下させる方法を提供し、この方法は、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体に、有効量の本明細書に記載の化合物(例えば、式I、IIの化合物、および/または表1のいずれかの化合物)またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞内でα7-ニコチン性アセチルコリン受容体に接触させる。いくつかの実施形態では、in vivoで細胞に接触させる。いくつかの実施形態では、in vitroで細胞に接触させる。
【0179】
α7-ニコチン性アセチルコリン受容体への接触は、適切であれば、どのような環境またはサンプルで行ってもよい。例えば、α7-ニコチン性アセチルコリン受容体への接触をin vitroで、細胞内で、または個体(例えば、ヒトなどの哺乳類)の体内で行うことができる。一般的に、in vitro溶液は、その成分がα7-ニコチン性アセチルコリン受容体を実質的に妨げないように選択する(例えば、水溶液)。いくつかの実施形態では、in vitro溶液が生物学的サンプル(例えば、哺乳類のサンプル)を含む。典型的な哺乳類のサンプルとして、血漿または血清サンプルおよび組織サンプル(例えば、脳生検)が挙げられる。α7-ニコチン性アセチルコリン受容体に本化合物を接触させるために、適切であれば、どのような細胞または細胞サンプルを選択してもよい。代表的な細胞として、ヒト胚性腎(HEK293)細胞、HeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、または神経芽細胞腫株M17細胞が挙げられる。
【0180】
α7-nAChRを介した疾患
本明細書で述べる化合物および製剤は、α7-nAChRを介したまたは特徴とした疾患の治療または予防に有用でありうる。本明細書中で用いる「α7-nAChRを介した疾患の治療または予防」とは、該疾患もしくは該疾患の1以上の症状を軽減する、取り除く、および/または予防するために、あるいは該疾患もしくは該疾患の1以上の症状の進行を遅らせるために、あるいは該疾患もしくは該疾患の1以上の症状の重症度を軽くするために、追加の医薬の有無にかかわらず、本明細書に記載の1種以上の化合物を投与することをさす。
【0181】
本発明の化合物および方法による治療または予防が可能な疾患としては、限定するものではないが、哺乳類における以下の疾患が挙げられる:アルツハイマー病に関連する神経変性、初老期認知症(軽度の認知障害)、もしくは老年性認知症、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、精神病、精神病に関連する認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、気分・感情障害、筋萎縮性側索硬化症、境界性人格障害、外傷性脳損傷、脳腫瘍に関連する行動・認知問題、エイズ認知症症候群、ダウン症に関連する認知症、レビー小体に関連する認知症、ハンチントン病、うつ病、全般性不安障害、加齢黄斑変性、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、ピック病、心的外傷後ストレス障害、大食症および拒食症を含む食物摂取異常、禁煙および依存性薬物の中止に伴う禁断症状、トゥレット症候群、緑内障、緑内障に関連する神経変性、疼痛に伴う症状、疼痛および炎症、TNF-α関連疾患、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、筋肉変性、骨粗鬆症、変形性関節症、乾癬、接触皮膚炎、骨吸収疾患、アテローム性動脈硬化症、パジェット病、ブドウ膜炎、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、クローン病、鼻炎、潰瘍性大腸炎、アナフィラキシー、喘息、ライター症候群、移植片の組織拒絶、虚血再灌流障害、脳卒中、多発性硬化症、脳マラリア、敗血症、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、感染による発熱・筋肉痛、HIV-1、HIV-2およびHIV-3、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2を含む)、帯状疱疹、癌(多発性骨髄腫、急性および慢性骨髄性白血病、または癌関連悪液質)、糖尿病(膵β細胞の破壊、I型糖尿病、またはII型糖尿病)、創傷治癒(火傷、および手術によるものを含めた一般的な創傷の治癒)、骨折治癒、虚血性心疾患、耳鳴り、または安定狭心症。いくつかの実施形態では、疾患がアルツハイマー病に関連する認知・注意障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、初老期認知症(軽度の認知障害)、または老年性認知症、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、精神病、精神病に関連する認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、気分・感情障害、筋萎縮性側索硬化症、境界性人格障害、外傷性脳損傷、脳腫瘍に関連する行動・認知問題、エイズ認知症症候群、ダウン症に関連する認知症、レビー小体に関連する認知症、ハンチントン病、うつ病、全般性不安障害、加齢黄斑変性、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、ピック病、心的外傷後ストレス障害、大食症および拒食症を含む食物摂取異常、禁煙および依存性薬物の中止に伴う禁断症状、またはトゥレット症候群である。
【0182】
製剤
本明細書に記載の化合物は、以下のような添加剤を用いて処方することにより製剤(医薬組成物を含む)にすることができる:賦形剤(例えば、1種以上の賦形剤)、酸化防止剤(例えば、1種以上の酸化防止剤)、安定剤(例えば、1種以上の安定剤)、防腐剤(例えば、1種以上の防腐剤)、pH調整剤および緩衝剤(例えば、1種以上のpH調整剤および/または緩衝剤)、等張性調整剤(例えば、1種以上の等張性調整剤)、増粘剤(例えば、1種以上の増粘剤)、懸濁化剤(例えば、1種以上の懸濁化剤)、結合剤(例えば、1種以上の結合剤)、増粘剤(例えば、1種以上の増粘剤)など。ただし、これらの追加の成分は治療すべき特定の疾患に製薬上許容されるものである。いくつかの実施形態において、製剤は本明細書に記載するような追加の成分の2種以上の組み合わせ(例えば、2、3、4、5、6、7、8種またはそれ以上の追加の成分)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、添加剤が以下のような加工剤およびよび薬物送達調整剤・促進剤を含む:リン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、単糖類、二糖類、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス、イオン交換樹脂など、ならびにこれらの2種以上の組み合わせ。他の適当な製薬上許容される添加剤は“Remington's Pharmaceutical Sciences,” Mack Pub. Co., New Jersey (1991)、ならびに“Remington: The Science and Practice of Pharmacy,” Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, 第20版(2003)および第21版(2005)に記載されており、これらを参照により本明細書に組み入れる。
【0183】
製剤は、治療すべき疾患、化合物の投与量、個体の状態、および他のさまざまな要因(本明細書中に与える教示を考慮して、当業者には明らかである)によって変化しうる。
【0184】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが約3.5〜約9.5または約4.5〜約7.5である。
【0185】
投与および投与量
本明細書に記載の1種以上の化合物を含む製剤は、当技術分野で知られている本明細書に記載の1種以上の医薬(根底にある基礎疾患を治療または予防する医薬のほかに、症状の発生および/または重症度、および/またはその臨床兆候をさらに軽減する1種以上の追加の医薬を含む)と併せて、または追加の治療モダリティと併せて(例えば、前に、同時に、または後に)、投与することができる。本明細書に記載の製剤は本明細書に記載の1種以上の医薬の投与前に、投与と同時に、または投与後に投与してよい。本明細書に記載の化合物はまた、疾患または治療レジメンに伴う症状を緩和する医薬と併せて(例えば、前に、同時に、または後に)投与してもよい。
【0186】
いくつかの実施形態において、医薬はアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例:ドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、ガランタミン(galantamine))、抗精神病薬(例:アリピプラゾール(aripiprazole)、ジプラシドン(ziprasidone)、ゾテピン(zotepine)、リスペリドン(risperidone)、クエチアピン(quetiapine)、クロザピン(clozapine)、チオチキセン(thiothixene)、チオリダジン(thioridazine)、ロキサピン(loxapine)、ハロペリドール(haloperidol)、フルフェナジン(fluphenazine)、クロルプロマジン(chlorpromazine))、またはNMDA拮抗薬(例:メマンチン(memantine))である。前記医薬の2種以上を併用してもよく、これについては当業者が本明細書中の教示を考慮して決定することができる。
【0187】
当業者にはよく理解しうるように、特定の疾患に対して、さまざまな医薬および/または追加の治療モダリティを示すことができる。
【0188】
本明細書に記載の製剤および方法は、単独で使用してもよいし、治療/予防すべき疾患の治療または予防に用いられる他の治療様式(例えば、クレームされた化合物の医薬製剤に関して本明細書に記載したまたは当業者に知られた追加の医薬を用いる補助療法)および/または追加の治療モダリティ、またはこれらの組み合わせと併用して(例えば、前に、同時に、または後に)使用してもよい。例えば、本明細書に記載したまたは当業者に知られた1種以上の追加の医薬および/または現在利用可能な治療モダリティ、例えば精神疾患(例:統合失調症)の治療に用いる心理療法、作業療法(例えば、記憶の低下などを防いだり、その速度を遅くするのに役立つ)と併用する。本明細書中で用いる「追加の治療モダリティ」とは、医薬を使わずに本明細書に記載の疾患を治療/予防する方法(例えば、心理療法、作業療法など)をさす。1以上の医薬および/または追加の治療モダリティを併用する場合、それらは、独立して、本明細書に記載の1種以上のキヌクリジン化合物(またはその製剤)の投与前に、投与と同時に、または投与後に用いることができる。
【0189】
本明細書に記載の製剤の投与と併せた、1以上の追加の治療モダリティおよび/または追加の医薬の最適な組み合わせは、本明細書に記載するものを含めて、特定の個体に影響を与える種々の要因を考慮して、その個体に応じて主治医または獣医により決定される。
【0190】
本明細書に記載の製剤は一般に、意図した結果を達成するのに有効な量で、例えば治療または予防しようとする特定の疾患を治療または予防するのに有効な量で、用いられる。製剤は治療上有効であるように治療的に投与することができる。治療上有効であるとは、治療しようとする基礎疾患の根絶もしくは改善および/または個体がまだ基礎疾患を患っているにもかかわらず、その個体が感情や体調の改善を報告するほどの、基礎疾患に伴う1以上の症状の消失もしくは改善を意味する。治療上の有効性には、改善が実現されるかどうかを問わず、疾患の進行を止める、または遅らせることも含まれる。
【0191】
有効量を投与する目的で投与される製剤の量は、例えば治療すべき特定の疾患、投与頻度、投与すべき特定の製剤、治療すべき疾患の重症度、個体の年齢、体重および全般的な健康状態、治療すべき個体が受ける有害作用などを含めて、さまざまな要因に左右される。有効投与量の決定は、特に本明細書の教示を考慮して、当業者の能力内にある。
【0192】
また、投与量はin vivo動物モデルを用いて推定することも可能である。
【0193】
本発明の化合物は、製薬上許容される慣用の無毒性担体、補助剤およびビヒクルを含む投与単位製剤で、経腸的(例えば、経口的または経直腸的)、非経口的(例えば、舌下、もしくはミストやスプレーとして吸入)、または局所的に投与することができる。例えば、適当な投与様式としては、経口、皮下、経皮、経粘膜、イオン導入(iontophoretic)、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内(例えば、鼻粘膜経由)、硬膜下、経直腸、経胃腸などが挙げられ、また、特定のもしくは罹患した臓器または組織への直接投与も含まれる。中枢神経系に直接投与するには、脊髄および硬膜外投与、または脳室への投与を利用しうる。局所投与には、経皮的パッチまたはイオン導入器といった経皮的投与の使用も含まれる。本明細書中で用いる非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、または輸液(点滴)技術を含む。
【0194】
本化合物は、希望する投与経路に適している製薬上許容される担体、補助剤およびビヒクルと混合される。いくつかの実施形態において、投与経路は経口的である。他の実施形態では、製剤が経口投与に適する。本明細書に使用のために記載される化合物は固体、液体、エアゾールの形で、または錠剤、丸剤、粉末混合物、カプセル、顆粒、注射剤、クリーム、溶液、座剤、浣腸剤、大腸潅注剤、乳剤、分散液、食品プレミックスの形で、または他の適当な形で投与することができる。本化合物をリポソーム製剤として投与してもよい。投与経路は治療すべき疾患により異なる。さらなる投与方法は当技術分野で公知である。
【0195】
注射用製剤(例えば、無菌の注射用水性または油性懸濁液剤)は、適当な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤を用いて公知の技術により製剤化することができる。無菌の注射用製剤はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶剤中の無菌注射用溶液または懸濁液、例えばプロピレングリコール中の溶液であってもよい。利用可能な許容されるビヒクルおよび溶剤の中には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油(fixed oils)も溶剤または懸濁化媒体として常用される。このために、合成モノ-またはジグリセリドを含めて、どのような無刺激性の固定油を使用してもよい。さらに、注射剤の製造にはオレイン酸のような脂肪酸が使用される。
【0196】
薬物を直腸投与するための座剤は薬物を適当な無刺激性の賦形剤と混合することにより製造することができるが、かかる賦形剤は、カカオバターやポリエチレングリコールのような、室温で固体であるが直腸温度では液体であり、それゆえに直腸で溶融して薬物を放出するものである。
【0197】
経口投与用の固体製剤としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤および顆粒剤が挙げられる。こうした固体製剤では、活性化合物を少なくとも1種の不活性希釈剤(例えば、ショ糖、乳糖またはデンプン)と混合する。かかる製剤は不活性希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、その製剤が緩衝剤を含んでもよい。錠剤および丸剤はさらに腸溶性コーティングを施すことができる。
【0198】
経口投与用の液体製剤としては、当技術分野でよく用いられる不活性希釈剤(例えば、水)を含む、医薬として許容される乳剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。かかる製剤はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、シクロデキストリン、甘味剤、風味剤および芳香剤といった補助剤を含んでもよい。
【0199】
本発明の化合物はリポソームの形で投与することも可能である。当技術分野で知られているように、リポソームは一般的にリン脂質または他の脂質材料から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散された単一ラメラまたは多重ラメラ水和液晶により形成される。リポソームを形成することができ、無毒性で、生理学的に許容され、しかも代謝可能であれば、どのような脂質を用いてもよい。リポソーム形態の本製剤は、本発明の化合物のほかに、安定剤、防腐剤、賦形剤などを含みうる。好適な脂質は、天然または合成の、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)である。リポソームの形成方法は当技術分野で公知である。例えば、Prescott編, Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33以降 (1976)を参照されたい。
【0200】
本化合物はプロドラッグの形で投与することができる。プロドラッグは本化合物の誘導体であって、それ自体は比較的不活性であるが、それを用いる個体に導入されたとき、in vivo化学的または生物学的プロセス(例えば、酵素的変換)により、活性化合物に変換される。適当なプロドラッグ製剤としては、限定するものではないが、本発明の化合物のペプチド結合体および本発明の化合物のエステルが挙げられる。適当なプロドラッグのさらなる詳細は、H. Bundgaard, Design of Prodrugs, New York: Elsevier, 1985、R. Silverman, The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action, Boston: Elsevier, 2004、R.L. Juliano (編), Biological Approaches to the Controlled Delivery of Drugs (Annals of the New York Academy of Sciences, v. 507), New York: New York Academy of Sciences, 1987、およびE.B. Roche (編), Design of Biopharmaceutical Properties Through Prodrugs and Analogs (Symposium sponsored by Medicinal Chemistry Section, APhA Academy of Pharmaceutical Sciences, November 1976 national meeting, Orlando, Florida), Washington: The Academy, 1977に提供される。
【0201】
製剤の投与頻度および投与期間は治療すべき疾患、個体の状態などに左右される。製剤を個体に1回以上、例えば2、3、4、5、10、15、20回またはそれ以上投与することが可能である。製剤を個体に、例えば1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回以上投与する。製剤を個体に、例えば1日1回より少なく、例えば1日おきに、2日おきに、毎週、またはより少ない頻度で投与してもよい。製剤を数日間、数週間、または数ヶ月間にわたって投与してもよい。
【0202】
単回投薬形態を得るために担体物質と混合される活性成分の量は、その活性成分が投与される宿主および特定の投与様式によって異なってくる。しかし、各個体のための具体的な投与量レベルは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、身体面積、肥満度指数(BMI)、全般的な健康状態、性別、食事、投与回数、投与経路、排泄速度、併用薬物、ならびに治療を受ける特定の疾患のタイプ、進行および重症度を含めて、さまざまな要因に左右されることが理解されよう。選ばれる医薬単位用量は通常、血液、組織、器官または他の標的身体領域において規定の最終薬物濃度をもたらすように調製されて、投与される。ある状況の治療に有効な量は、ルーチンな実験によって容易に確定することができ、また、通常の臨床医の技量と判断が及ぶ範囲にある。
【0203】
使用可能な投与量の例は、約0.1μg/kg〜約300mg/kgの用量範囲内、または約1.0μg/kg〜約40mg/kg(体重)の範囲内、または約1.0μg/kg〜約20mg/kg(体重)の範囲内、または約1.0μg/kg〜約10mg/kg(体重)の範囲内、または約10.0μg/kg〜約10mg/kg(体重)の範囲内、または約100μg/kg〜約10mg/kg(体重)の範囲内、または約1.0mg/kg〜約10mg/kg(体重)の範囲内、または約10mg/kg〜約100mg/kg(体重)の範囲内、または約50mg/kg〜約150mg/kg(体重)の範囲内、または約100mg/kg〜約200mg/kg(体重)の範囲内、または約150mg/kg〜約250mg/kg(体重)の範囲内、または約200mg/kg〜約300mg/kg(体重)の範囲内、または約250mg/kg〜約300mg/kg(体重)の範囲内、の治療に有効な量である。使用可能な他の投与量は約0.01mg/kg(体重)、約0.1mg/kg(体重)、約1mg/kg(体重)、約10mg/kg(体重)、約20mg/kg(体重)、約30mg/kg(体重)、約40mg/kg(体重)、約50mg/kg(体重)、約75mg/kg(体重)、約100mg/kg(体重)、約125mg/kg(体重)、約150mg/kg(体重)、約175mg/kg(体重)、約200mg/kg(体重)、約225mg/kg(体重)、約250mg/kg(体重)、約275mg/kg(体重)、または約300mg/kg(体重)である。本発明の化合物は1日量を1回で投与してもよいし、総1日量を1日2回、3回または4回に分割して投与してもよい。
【0204】
局所適用の場合は、製剤を例えば約1mg〜約500mg、約5mg〜約100mg、または約10mg〜約50mgで(例えば、12、24、または48時間にわたり)経皮的に投与することができる。
【0205】
IV投与の場合は、製剤を、例えば約0.1mg/日〜約500mg/日、約0.1mg/日〜約150mg/日、約1mg/日〜約50mg/日、または約5mg/日〜約25mg/日の用量で、投与することができる。
【0206】
経口投与の場合は、製剤を、例えば約0.5mg/日〜約2000mg/日、約1mg/日〜約1500mg/日、約5mg/日〜約1000mg/日、約10mg/日〜約500mg/日、または約25mg/日〜約100mg/日の用量で、投与することができる。
【0207】
追加の医薬を本発明の化合物と組み合わせて用いる場合、その追加の医薬は一般に、Physicians' Desk Reference (PDR) 第53版 (1999)(参照により本明細書に組み入れる)に示される治療量で、または当業者に知られるような治療に有効な量で用いられる。
【0208】
本発明の化合物と他の医薬は、推奨された臨床的最大投与量で、またはそれより少ない用量で投与することができる。本発明の製剤中の活性化合物の用量レベルは、投与経路、疾患の重症度および個体の応答に応じて、所望の治療効果が得られるように変えることができる。他の医薬と併用して投与する場合は、その医薬を同時にまたはそれぞれ異なった時間に投与される別個の製剤として処方してもよいし、その医薬を単一の製剤として投与してもよい。
【0209】
キット
本発明はまた、α7-nAChRを介した疾患の治療または予防に有用な物質を含む製品およびキットを提供する。その製品はラベルの付いた容器を含みうる。適当な容器としては、例えばボトル、バイアルおよび試験管がある。容器はガラスやプラスチックといった各種材料から作られる。その容器に、α7-nAChRを介した疾患を治療または予防するのに有効な活性薬剤を含む製剤が保持される。製剤に含まれる活性薬剤は1種以上の本発明の化合物である。容器上のラベルは、その製剤がα7-nAChRを介した疾患の治療または抑制に用いられることを示してもよいし、さらにまた、上記のようなin vivoまたはin vitro使用についての説明を示してもよい。
【0210】
本発明はまた、本発明の化合物のいずれか1種以上を含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、本発明のキットは上記の容器を含む。他の実施形態では、本発明のキットは上記の容器とバッファーを含む第2容器とを含む。さらにそれは、商業上およびユーザーの観点から望ましい他の材料、例えば、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、注射器、および本明細書に記載の方法を行うための使用説明書を含むパッケージ内印刷物を含んでもよい。
【0211】
他の態様において、キットは、本明細書に記載のいずれかの方法を行うために、例えば、α7-nAChRを介したまたは特徴とする1以上の疾患にかかっている個体を治療するために、またはα7-nAChRを介したまたは特徴とする1以上の疾患を抑えるために、使用することができる。
【0212】
特定の実施形態において、キットは本明細書に記載する少なくとも1つの製剤の投与量を含む。キットはさらに、その製剤を送達するための手段を含んでもよい。
【0213】
キットは、本明細書に記載の製剤と併せて用いるための他の医薬を含むことができる。いくつかの実施形態では、その医薬は1種以上の抗精神薬である。これらの医薬は本発明の化合物とは別の形で提供されてもよいし、一緒に混合されてもよい。ただし、そのような混合はその医薬または本明細書に記載の製剤の有効性を低下させず、かつ投与経路と適合する必要がある。同様に、キットは補助療法のための追加の医薬または本明細書に記載の疾患の治療/予防に有効であると当業者に知られている他の医薬を含んでもよい。
【0214】
キットは、随意に、製剤の調製および投与、製剤の副作用、ならびにその他の関連情報に関する適切な説明書を含むことができる。説明書はどのような適切なフォーマットでもよく、例えば、印刷物、ビデオテープ、コンピュータ読取可能ディスク、光ディスク、またはインターネットに基づく説明への指示書が含まれるが、これらに限定されない。
【0215】
本発明の別の態様においては、本明細書に記載する疾患にかかっているまたはかかりやすい個体を治療するためのキットを提供し、そのキットは、本明細書に開示する組成物の投与量を含む第1容器と使用説明書を含む。その容器は静注製剤の保存および送達に適した当技術分野で公知のどのような容器であってもよい。特定の実施形態では、キットはさらに、個体に投与すべき製剤を調製するための、製薬上許容される担体、希釈剤、補助剤などを含む第2容器を含む。
【0216】
また、個体に有効な治療を長期間(例えば、1〜3日間、1〜5日間、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月またはそれ以上)にわたり提供するのに十分な投与量の本明細書に記載の化合物(その製剤を含む)を含有するキットも提供される。
【0217】
キットはまた、薬局(例えば、病院薬局および調剤薬局)で保存して使用するのに十分な量でパッケージングされた、複数回用量の製剤と使用説明書を含むことができる。
【0218】
キットは、1回量形態または複数回使用形態のいずれかでパッケージングされた、本明細書に記載する組成物を含むことができる。キットはまた、複数の1回量形態を含んでもよい。
【0219】
特定の実施形態では、本明細書に記載の製剤を1回量形態で提供する。他の実施形態では、製剤を複数回量形態(例えば、ブリスターパックなど)で提供する。
【0220】
本発明を以下の非限定的な実施例によりさらに説明する。
【実施例】
【0221】
溶媒(試薬等級)はすべてSigma-Aldrich社またはFisher Scientific社から購入し、さらに精製することなく使用した。
【0222】
実施例1:(キヌクリジン-4-イル)メタノール
【化47】

【0223】
Grob and Renk, Helv. Chim. Acta, 37, 1681 (1954)の手順に従って、4-シアノキヌクリジン(Oakwood Products社)から(キヌクリジン-4-イル)カルボン酸を製造した。
【0224】
0℃で撹拌した無水テトラヒドロフラン3mL中のキヌクリジン-4-カルボン酸塩酸塩(100mg、0.523mmol)の懸濁液に、ボラン-硫化メチル錯体(42mg、0.553mmol)を加えた。この混合物を室温で1時間撹拌してから、一晩加熱還流した。反応混合物を0℃に冷却し、注意しながら1mLのメタノールで処理した。その後減圧下で溶媒を除去して、目的のアルコールを得た。収量36mg。MS (m/e): 141。
【0225】
実施例2:(キヌクリジン-4-イル)メタンアミン
【化48】

【0226】
Grob and Renk, Helv. Chim. Acta. 61, 1588 (1978)の手順に従って、4-シアノキヌクリジン(Oakwood Products社)から(キヌクリジン-4-イル)メタンアミンを製造した。
【0227】
実施例3:4-(ヒドロキシメチル)キヌクリジン-3-オン
【化49】

【0228】
J. Org. Chem. 31, 1053 (1965)に記載されるとおりに、N-ベンジル-4-アセチルピペリジンから6工程で4-(ヒドロキシメチル)キヌクリジン-3-オンを製造した。
【0229】
実施例4:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノール
【化50】

【0230】
J. Med. Chem. 35, 2392 (1992)に記載されるとおりに、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-カルボン酸エチルを水素化アルミニウムリチウムで還元することにより1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを製造した。
【0231】
実施例5:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタンアミン
【化51】

【0232】
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-カルボン酸エチルを塩化アンモニウムとトリメチルアルミニウムで処理し、得られるアミドを水素化アルミニウムリチウムで還元することにより1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタンアミンを製造した。
【0233】
実施例6:5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸
【化52】

【0234】
Vilsmeyer-Haack法(オキシ塩化リン/DMF)を用いて、5-ジフルオロメトキシインドール(PCT 2007/096395)を3位でホルミル化した。得られたアルデヒドを水性ジオキサン中で亜塩素酸ナトリウム/リン酸二水素ナトリウムにより酸化した。MS (m/e) 227。
【0235】
実施例7:6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸
【化53】

【0236】
5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸と同様にして、6-ジフルオロメトキシインドール(WO 97/45408 A1)から製造した。MS (m/e) 227。
【0237】
実施例8:5-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸
【化54】

【0238】
Synthesis (1980) 727に報告された手順に従って、5-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸を製造した。3-メチル-4-ニトロフェノール(Aldrich社)をHMPA中で水素化ナトリウムにより脱プロトン化し、得られたフェノラートをトシル酸2,2,2-トリフルオロエチル(Aldrich社)でアルキル化した。その後、得られたトリフルオロエチルエーテルをBatcho-Leimgruber法によりインドールに変換した。本明細書中に記載したとおりにホルミル化と酸化を行うと、表題化合物が灰白色固体として得られた。MS (m/e) 260。
【0239】
実施例9:5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボン酸
【化55】

【0240】
上記実施例に記載した方法と同様にして、5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボン酸を製造した。MS (m/e) 219。
【0241】
実施例10:5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸
【化56】

【0242】
上記実施例に記載した方法と同様にして、5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボン酸を製造した。MS (m/e) 231。
【0243】
実施例11:(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート(2)
【化57】

【0244】
0℃で、塩化メチレン3mL中に塩化1H-インドール-3-カルボニル(45mg、0.25mmol)を溶解した溶液に、塩化メチレン2mL中の(キヌクリジン-4-イル)メタノール(36mg、0.25mmol)を添加した。この混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、水(10mL)を加えた。水層を10%水酸化カリウム水溶液によりpH12に塩基性とし、25mLずつの酢酸エチルを用いて3回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して目的の生成物8mgを得た。1HNMR: 12.02 (bs, 1H); 8.13 (d, 1H); 7.9 (m, 1H); 7.42 (m, 1H); 7.18 (m, 2H); 4.3 (bs, 2H); 3.03 (m, 6H); 1.75 (m, 6H)。 MS (m/e): 285。
【0245】
実施例12:キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート(6)
【化58】

【0246】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートと同様の方法で、求電子試薬として塩化5-クロロ-1H-インドール-3-カルボニルを代わりに用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレートを製造した。
【0247】
実施例13:キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート(9)
【化59】

【0248】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートと同様の方法で、求電子試薬として塩化2-メチル-1H-インドール-3-カルボニルを代わりに用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレートを製造した。
【0249】
実施例14:キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート(12)
【化60】

【0250】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートと同様の方法で、求電子試薬として塩化1H-インダゾール-3-カルボニルを代わりに用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレートを製造した。
【0251】
実施例15:(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート(11)
【化61】

【0252】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートと同様の方法で、求核試薬として4-(ヒドロキシメチル)キヌクリジン-3-オンを代わりに用いて、(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートを製造した。
【0253】
実施例16:N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド(1)
【化62】

【0254】
0℃で、塩化メチレン3mL中に塩化1H-インドール-3-カルボニル(112mg、0.625mmol)を溶解した溶液に、塩化メチレン2mL中の(キヌクリジン-4-イル)メタンアミン(86mg、0.614mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させて、水(20mL)を添加した。水層を10%水酸化カリウム水溶液によりpH12に塩基性とし、25mLずつの酢酸エチルを用いて3回抽出した。有機層を合わせて硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して目的の生成物26mgを得た。1HNMR: 11.6 (bs, 1H); 8.15 (m, 1H); 8.13 (bs, 1H); 7.65 (bs, 1H); 7.42 (d, 1H); 7.15 (m, 2H); 3.1 (m, 2H); 2.65 (m, 6H); 1.40 (m, 6H)。MS (m/e): 284。
【0255】
実施例17:N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド(3)
【化63】

【0256】
N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-カルボキサミドと同様の方法で、求電子試薬として塩化1H-インダゾール-3-カルボニルを代わりに用いて、N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミドを製造した。1HNMR: 13.6 (bs, 1H); 9.65 (bs, 1H); 8.45 (t, 1H); 8.15 (d, 1H); 7.62 (d, 1H); 7.41 (t, 1H); 7.2 (t, 1H); 3.28 (m, 2H); 3.21 (m, 6H); 1.70 (m, 6H)。MS (m/e): 285。
【0257】
実施例18:5-フルオロ-N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド(4)
【化64】

【0258】
N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-カルボキサミドと同様の方法で、求電子試薬として塩化5-フルオロ-1H-インダゾール-3-カルボニルを代わりに用いて、5-フルオロ-N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミドを製造した。1HNMR: 10.6 (bs, 1H); 8.89 (t, 1H); 8.16 (dd, 1H); 7.9 (dd, 1H); 7.62 (m, 1H); 3.28 (m, 2H); 3.21 (m, 6H); 1.70 (m, 6H)。
【0259】
実施例19:N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド(5)
【化65】

【0260】
N-((キヌクリジン-4-イル)メチル)-1H-インドール-3-カルボキサミドと同様の方法で、求電子試薬として塩化ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボニルを代わりに用いて、N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミドを製造した。
【0261】
実施例20:キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート(13)
【化66】

【0262】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートの手順に従って、5-メトキシインドール-3-カルボン酸(J. Med. Chem. 49, 1125 (2006)に記載のとおりに合成)から出発して、キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレートを製造した。MS (m/e): 314。
【0263】
実施例21:キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート(14)
【化67】

【0264】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートの手順に従って、6-メトキシインドール-3-カルボン酸(J. Med. Chem. 51, 1849 (2008)に記載のとおりに合成)から出発して、キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレートを製造した。MS (m/e): 314。
【0265】
実施例22:キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート(15)
【化68】

【0266】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載したエステル形成を用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 350。
【0267】
実施例23:キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート(16)
【化69】

【0268】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載したエステル形成を用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 350。
【0269】
実施例24:キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート(17)
【化70】

【0270】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載したエステル形成を用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 382。
【0271】
実施例25:キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート(18)
【化71】

【0272】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載したエステル形成を用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 342。
【0273】
実施例26:キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート(19)
【化72】

【0274】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載したエステル形成を用いて、キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 354。
【0275】
実施例27:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート(20)
【化73】

【0276】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 270。
【0277】
実施例28:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート(21)
【化74】

【0278】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 288。
【0279】
実施例29:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート(22)
【化75】

【0280】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 305。
【0281】
実施例30:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート(23)
【化76】

【0282】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 300。
【0283】
実施例31:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート(24)
【化77】

【0284】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 336。
【0285】
実施例32:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート(25)
【化78】

【0286】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 300。
【0287】
実施例33:1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート(26)
【化79】

【0288】
(キヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレートについて記載した手順により、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメタノールを用いて、1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレートを合成した。MS: (m/e) 336。
【0289】
実施例34:ラット脳ニコチン性受容体の放射性リガンド結合アッセイ
断頭術の後、Marks and Collins, Mol. Pharmacol. 22, 554 (1982)で用いられた方法に従って、洗浄した全ラット脳膜(200μgのタンパク質)を調製した。使用に先だって、洗浄済みの膜を、120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2および50mM Tris-HClからなる受容体結合アッセイ塩溶液(pH7.4)500μL中に懸濁させた。
【0290】
[3H]シチシン(cytisine) (35Ci/mmol)結合置換実験(ラットα4β2受容体サブタイプでの結合親和性の目安となる)を本質的にFlores et al., Mol. Pharmacol. 41, 31 (1992)に従って実施した。ただし、競合結合アッセイ中に平衡を確保するためにインキュベーション時間を0〜4℃で4時間に延長した。
【0291】
125I-BTX (136Ci/mmol)の結合(ラットα7受容体サブタイプでの結合親和性の目安となる)は37℃で3時間行った。上記の塩溶液に2mg/mLのウシ血清アルブミンをさらに加えた。
【0292】
各放射性リガンドの非特異的結合を1.0mMのニコチンの存在下で測定した(Marks and Collins, 1982)。インキュベーション後、放射性リガンドが結合した膜を、0.5%ポリエチレンイミン中に前もって45分間浸したWhatman GF/Cガラス繊維フィルター上に集め、3.0mLの氷冷バッファーを用いてハーベスタ(Brandel社製、メリーランド州Gaithersburg)で真空濾過することにより3回洗浄した。
【0293】
結合した[3H]シチシンは液体シンチレーションカウンターで測定し、一方、[125I]BTXはBiogammaカウンターを使って測定した(両カウンターともBeckman Coulter社製)。Prismソフトウェア(GraphPad Software社製、カリフォルニア州San Diego)を用いて結合データを解析した。全てのKi値は、置換実験と同じ条件下で実験的に測定された各放射性リガンドのKd値を用いて、Cheng-Prusoff式から算出した。
【0294】
[125I] BTXアッセイ(ラットα7受容体サブタイプでの結合親和性の目安となる)において、本発明の薬剤は約20nM〜約1μMのKi値を示す。[3H]シチシンアッセイ(ラットα4β2受容体サブタイプでの結合親和性の目安となる)では、本発明の薬剤は約500nM〜約50μMのKi値を示す。このことは、α7 nACh受容体サブタイプに対する本発明の薬剤の選択性を示すものである。
【0295】
実施例35:新物体認識作業(novel object recognition task: NORT)
方法 − 物体認識作業実験は、若いラットにおけるEnnaceur and Delacour, Behav. Brain Res. 31, 47 (1988) に記載される実験と類似していた。この実験は3つの別々のセッションで3日間実施した。第1のセッション(状況馴化)では、被験体を20分かけて装置になじむようにした。2日目に、ビヒクルまたは試験化合物を静脈内または経口のいずれかでラットに投与した。ビヒクルまたは試験化合物を投与してから1時間後、ラットを獲得期(acquisition phase)にさらし、この間ラットに一対の同一物体を3分間呈示した。親しんだ物体と一緒に過ごした時間を記録した。その後、動物をもとのホームケージに戻した。3日目に、ラットをビヒクルまたは試験化合物により静脈内または経口のいずれかで処理した。次に、ラットに選択試験を3分間受けさせた。この場合、ラットは活動領域(ここでは、親しんだ物体のコピー物体が新しい物体とともに用いられる)を探索することを許された。新しい物体ならびに親しんだ物体と一緒に過ごした時間をそれぞれ記録した。
【0296】
データ解析 − 新しい物体および親しんだ物体と一緒に過ごした時間を、対応のあるt検定(paired t-test)を用いて比較した。分散分析(ANOVA)と、その後の多重比較ダネット検定(post-hoc Dunnet's test)により、識別指数を解析した。数種の試験化合物は、0.1〜50mg/kgの範囲で投与したとき、この試験で認知増強特性を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物:
【化1】

[式中、
Aは、-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bは、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xは、-O-、-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-CH2-、または結合であり、
Yは、結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化2】

または
【化3】

であり、
R7は、独立して、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2は、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1とR2は隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、
R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立して、-H、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである]。
【請求項2】
Aが-N-、-CH-、または-C(CH3)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項3】
Aが-N-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項4】
Aが-CH-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項5】
Aが-C(C1-C3アルキル)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項6】
Aが-C(CH3)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項7】
Aが-C(CH2CH3)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項8】
Aが-C(CH2CH2CH3)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項9】
Aが-C(CH(CH3)2)-である、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項10】
Bが-NH-、-O-、または-S-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項11】
Bが-NH-または-S-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項12】
Bが-NH-または-O-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項13】
Bが-O-または-S-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項14】
Bが-NH-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項15】
Bが-S-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項16】
Bが-O-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項17】
Bが-N(C1-C3アルキル)-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項18】
Bが-N(CH3)-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項19】
Bが-N(CH2CH3)-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項20】
Bが-N(CH2CH2CH3)-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項21】
Bが-N(CH(CH3)2)-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項22】
Bが-O-である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項23】
Xが-O-、-CH2-、または結合である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項24】
Xが-O-または-NH-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項25】
Xが-O-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項26】
Xが-NH-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項27】
Xが-CH2-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項28】
Xが結合である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項29】
Xが-N(C1-C3アルキル)-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項30】
Xが-N(CH3)-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項31】
Xが-N(CH2CH3)-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項32】
Xが-N(CH2CH2CH3)-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項33】
Xが-N(CH(CH3)2)-である、請求項1〜22のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項34】
Yが-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、または結合である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項35】
Yが-CH2-、-(CH2)2-、-C(O)-、または結合である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項36】
Yが-CH2-、-(CH2)2-、または結合である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項37】
Yが-CH2-、-C(O)-、または結合である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項38】
Yが-CH2-または-C(O)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項39】
Yが-CH2-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項40】
Yが-(CH2)2-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項41】
Yが-OCH2-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項42】
Yが結合である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項43】
Yが-C(O)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項44】
Yが-CH(OR7)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項45】
Yが-CH(OCH3)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項46】
Yが-CH(OCH2CH3)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項47】
Yが-CH(OCH2CH2CH3)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項48】
Yが-CH(OCH(CH3)2)-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項49】
Yが-C(OR7)2-である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項50】
Yが
【化4】

である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項51】
Yが
【化5】

である、請求項1〜33のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項52】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよいC1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2は一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項53】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、場合によりヒドロキシルで置換されてもよいC1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-CF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1とR2が一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項54】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-CONH2、または-SO2CH3である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項55】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-C1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-CONH2、または-SO2CH3である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項56】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-C1-C3アルコキシ、-Cl、-CN、または-CONH2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項57】
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OCH3、-Cl、-CN、または-CONH2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項58】
R1およびR2の少なくとも一方が-Hでない、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項59】
R1およびR2の少なくとも一方が-Hである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項60】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-OCH3、-Cl、-CN、または-CONH2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項61】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-CNまたは-CONH2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項62】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-OHである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項63】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルキルである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項64】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項65】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方がハロである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項66】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-NO2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項67】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-CNである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項68】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-C(O)N(R5)R6である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項69】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-S(O)2R5である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項70】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-S(O)2N(R5)R6である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項71】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-CF3である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項72】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-OCHF2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項73】
R1およびR2の一方が-Hであり、他方が-OCF3である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項74】
R1およびR2の一方が5位にあり、かつ-Hでない、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項75】
R1およびR2の一方が5-OCH3、5-Cl、5-CN、または5-CONH2である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項76】
R1およびR2の両方が-Hでない、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項77】
R1およびR2の両方が-Hである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項78】
R1およびR2の両方が-C1-C6アルキルである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項79】
R1およびR2の両方が-C1-C6アルコキシである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項80】
R1およびR2の両方が-OCH3である、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項81】
R1およびR2の両方がハロである、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項82】
R1およびR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成する、請求項1〜51のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項83】
R5およびR6の両方が-Hである、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項84】
R5およびR6の両方が-C1-C3アルキルである、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項85】
R5およびR6の両方が-CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項86】
R5およびR6の両方が-CH2CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項87】
R5およびR6の両方が-CH2CH2CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項88】
R5およびR6の両方が-CH(CH3)2である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項89】
R5およびR6の一方が-Hであり、他方が-C1-C3アルキルである、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項90】
R5およびR6の一方が-Hであり、他方が-CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項91】
R5およびR6の一方が-Hであり、他方が-CH2CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項92】
R5およびR6の一方が-Hであり、他方が-CH2CH2CH3である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項93】
R5およびR6の一方が-Hであり、他方が-CH(CH3)2である、請求項1〜82のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項94】
R3およびR4の少なくとも一方が-Hである、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項95】
R3およびR4の少なくとも一方が-Hでない、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項96】
R3およびR4の両方が-Hである、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項97】
R3およびR4の両方が-C1-C3アルキルである、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項98】
R3およびR4の一方が-Hであり、他方が-CH3である、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項99】
R3およびR4の一方が-Hであり、他方が-CH2CH3である、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項100】
R3およびR4の一方が-Hであり、他方が-CH2CH2CH3である、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項101】
R3およびR4の一方が-Hであり、他方が-CH(CH3)2である、請求項1〜93のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項102】
Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は-アルコキシでないという条件を満たす、請求項1〜4、10〜12、14、17〜21、23〜25、34〜39、56〜60、74〜75、94または96のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項103】
Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は7-アルコキシでないという条件を満たす、請求項1〜4、10〜12、14、17〜21、23〜25、34〜39、56〜60、74〜75、94または96のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項104】
Aが-N-または-CH-、Bが-NH-または-N(C1-C3アルキル)-、Xが-O-、Yが-CH2-、R3およびR4が-H、そしてR1およびR2の一方が-Hであるとき、R1およびR2の他方は7-OHまたは7-アルコキシでないという条件を満たす、請求項1〜4、10〜12、14、17〜21、23〜25、34〜39、56〜60、74〜75、94または96のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項105】
Xが-O-、-CH2-、または結合である、請求項102〜104のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項106】
Aが-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-であり、
Bが-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xが-O-、-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-CH2-、または結合であり、
Yが結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化6】

または
【化7】

であり、
R7が-C1-C3アルキルであり、
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルで置換されてもよいC1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-OCF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1およびR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、そして
R3、R4、R5およびR6が、それぞれ独立して、-Hまたは-C1-C3アルキルである、
請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項107】
Aが-N-、-CH-、または場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C(C1-C6アルキル)-であり、
Bが-NH-、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-N(C1-C6アルキル)-、-O-、または-S-であり、
XがO、CH2、または結合であり、
Yが結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化8】

または
【化9】

であり、
R7が場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルであり、
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル、場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキル-(C1-C6アルコキシ)、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6であるか、またはR1およびR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、そして
R3、R4、R5およびR6が、それぞれ独立して、-Hまたは場合によりヒドロキシルおよびハロから選択される1個以上の基で置換されてもよい-C1-C6アルキルである、
請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項108】
Aが-N-、-CH-、または-C(C1-C3アルキル)-であり、
Bが-NH-、-N(C1-C3アルキル)-、-O-、または-S-であり、
Xが-O-、-CH2-、または結合であり、
Yが結合、-CH2-、-(CH2)2-、-OCH2-、-C(O)-、-CH(OR7)-、-C(OR7)2-、
【化10】

または
【化11】

であり、
R7が-C1-C3アルキルであり、
R1およびR2が、それぞれ独立して、-H、-OH、場合によりヒドロキシルで置換されてもよい-C1-C6アルコキシ、場合によりヒドロキシルで置換されてもよいC1-C6アルキル、ハロ、-NO2、-CN、-C(O)N(R5)R6、-S(O)2R5、-S(O)2N(R5)R6、-OCF3、-OCHF2、-OCF3であるか、またはR1およびR2が隣接炭素上にあって、一緒に-O-CH2-O-で置換されて環を形成し、そして
R3、R4、R5およびR6が、それぞれ独立して、-Hまたは-C1-C3アルキルである、
請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項109】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項110】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項111】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、および
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項112】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項113】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項114】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、および
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項115】
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミドである、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項116】
以下の化合物:
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インドール-3-カルボキサミド、
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、
5-フルオロ-N-(キヌクリジン-4-イルメチル)-1H-インダゾール-3-カルボキサミド、および
N-(キヌクリジン-4-イルメチル)ベンゾ[d]イソチアゾール-3-カルボキサミド、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項117】
以下の化合物:
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-シアノ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-カルバモイル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-2-メチル-1H-インドール-3-カルボキシレート、
(3-オキソキヌクリジン-4-イル)メチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インダゾール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-((トリフルオロメトキシ)メチル)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-イソプロポキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
キヌクリジン-4-イルメチル 5-(シクロプロピルメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-フルオロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-クロロ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 5-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-メトキシ-1H-インドール-3-カルボキシレート、および
1-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-4-イルメチル 6-(ジフルオロメトキシ)-1H-インドール-3-カルボキシレート、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項118】
キヌクリジン-4-イルメチル 1H-インドール-3-カルボキシレートである、請求項1に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項119】
実質的に純粋な形で存在する、請求項1〜118のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項120】
請求項1〜119のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物、および製薬上許容される担体を含む製剤。
【請求項121】
前記化合物がα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患の治療または予防に有効な量で製剤中に存在する、請求項120に記載の製剤。
【請求項122】
α7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患の治療または予防方法であって、以下のステップ:
(a) それを必要とする個体に、治療に有効な量の請求項1〜119のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与すること、
を含む上記方法。
【請求項123】
前記個体が哺乳類である、請求項122に記載の方法。
【請求項124】
前記個体がヒトである、請求項122に記載の方法。
【請求項125】
前記個体が成人である、請求項122に記載の方法。
【請求項126】
前記個体が子供である、請求項122に記載の方法。
【請求項127】
前記個体が幼児である、請求項122に記載の方法。
【請求項128】
前記個体がペットである、請求項122に記載の方法。
【請求項129】
前記個体はα7-nAChRを介した疾患が1以上あると確認されている、請求項122〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記個体はα7-nAChRを介した疾患の1以上にかかりやすいと確認されている、請求項122〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記疾患が、哺乳類におけるアルツハイマー病に関連する認知・注意障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、初老期認知症(軽度の認知障害)、もしくは老年性認知症、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、精神病、精神病に関連する認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、気分・感情障害、筋萎縮性側索硬化症、境界性人格障害、外傷性脳損傷、脳腫瘍に関連する行動・認知問題、エイズ認知症症候群、ダウン症に関連する認知症、レビー小体に関連する認知症、ハンチントン病、うつ病、全般性不安障害、加齢黄斑変性、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、ピック病、心的外傷後ストレス障害、大食症および拒食症を含む食物摂取異常、禁煙および依存性薬物の中止に伴う禁断症状、トゥレット症候群、緑内障、緑内障に関連する神経変性、疼痛に伴う症状、疼痛および炎症、TNF-α関連疾患、関節リウマチ、リウマチ様脊椎炎、筋肉変性、骨粗鬆症、変形性関節症、乾癬、接触皮膚炎、骨吸収疾患、アテローム性動脈硬化症、パジェット病、ブドウ膜炎、痛風性関節炎、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、クローン病、鼻炎、潰瘍性大腸炎、アナフィラキシー、喘息、ライター症候群、移植片の組織拒絶、虚血再灌流障害、脳卒中、多発性硬化症、脳マラリア、敗血症、敗血症性ショック、毒素性ショック症候群、感染による発熱・筋肉痛、HIV-1、HIV-2およびHIV-3、サイトメガロウイルス(CMV)、インフルエンザ、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2を含む)、帯状疱疹、癌(多発性骨髄腫、急性および慢性骨髄性白血病、または癌関連悪液質)、糖尿病(膵β細胞の破壊、I型糖尿病、またはII型糖尿病)、創傷治癒(火傷、および手術によるものを含めた一般的な創傷の治癒)、骨折治癒、虚血性心疾患、耳鳴り、または安定狭心症のうちの1以上である、請求項122〜130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記疾患が、アルツハイマー病に関連する認知・注意障害の症状、アルツハイマー病に関連する神経変性、初老期認知症(軽度の認知障害)、もしくは老年性認知症、統合失調症、統合失調症に関連する認知障害、精神病、精神病に関連する認知障害、注意欠陥障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、気分・感情障害、筋萎縮性側索硬化症、境界性人格障害、外傷性脳損傷、脳腫瘍に関連する行動・認知問題、エイズ認知症症候群、ダウン症に関連する認知症、レビー小体に関連する認知症、ハンチントン病、うつ病、全般性不安障害、加齢黄斑変性、パーキンソン病、遅発性ジスキネジア、ピック病、心的外傷後ストレス障害、大食症および拒食症を含む食物摂取異常、禁煙および依存性薬物の中止に伴う禁断症状、またはトゥレット症候群のうちの1以上である、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
さらに以下のステップ:
(b) 前記個体に、ある種の医薬、追加の治療モダリティ、またはこれらの組み合わせを施すこと、
を含む、請求項122〜132のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記医薬がアセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗精神病薬、およびNMDA拮抗薬からなる群より選択される、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記医薬がアセチルコリンエステラーゼ阻害薬である、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
アセチルコリンエステラーゼ阻害薬がドネペジル、リバスチグミン、およびガランタミンからなる群より選択される、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記医薬が抗精神病薬である、請求項134に記載の方法。
【請求項138】
抗精神病薬がアリピプラゾール、ジプラシドン、ゾテピン、リスペリドン、クエチアピン、クロザピン、チオチキセン、チオリダジン、ロキサピン、ハロペリドール、フルフェナジン、およびクロルプロマジンからなる群より選択される、請求項137に記載の方法。
【請求項139】
前記医薬がNMDA拮抗薬である、請求項134に記載の方法。
【請求項140】
NMDA拮抗薬がメマンチンである、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
ステップ(b)をステップ(a)の前またはステップ(a)と同時に行う、請求項132〜140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
ステップ(b)をステップ(a)の後に行う、請求項132〜140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
約0.01mg/kg〜約20mg/kgの前記化合物を個体に投与する、請求項122〜142のいずれか1項に記載の方法。
【請求項144】
約0.1mg/kg〜約5mg/kgの前記化合物を個体に投与する、請求項143に記載の方法。
【請求項145】
前記化合物を個体に2回以上投与する、請求項122〜144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
個体におけるα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患を治療または予防するためのキットであって、
(a) 請求項1〜119のいずれか1項に記載の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物、および
(b) パッケージ、
を含む上記キット。
【請求項147】
個体におけるα7-ニコチン性アセチルコリン受容体(α7-nAChR)を介した疾患を治療または予防するためのキットであって、
(a) 請求項120または121に記載の製剤、および
(b) パッケージ、
を含む上記キット。

【公表番号】特表2010−540562(P2010−540562A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527249(P2010−527249)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/078320
【国際公開番号】WO2009/046025
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(507084741)コメンティス,インコーポレーテッド (9)
【Fターム(参考)】